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  • 特許-原子力施設の複合解体方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-12
(45)【発行日】2022-10-20
(54)【発明の名称】原子力施設の複合解体方法
(51)【国際特許分類】
   G21F 9/30 20060101AFI20221013BHJP
   G21C 13/00 20060101ALI20221013BHJP
   G21C 11/02 20060101ALI20221013BHJP
   E04G 23/08 20060101ALI20221013BHJP
【FI】
G21F9/30 535F
G21F9/30 535C
G21F9/30 531K
G21C13/00 100
G21C11/02
E04G23/08 J
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021549963
(86)(22)【出願日】2020-03-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-20
(86)【国際出願番号】 KR2020003114
(87)【国際公開番号】W WO2020184899
(87)【国際公開日】2020-09-17
【審査請求日】2021-08-26
(31)【優先権主張番号】10-2019-0027064
(32)【優先日】2019-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518442000
【氏名又は名称】コリア ハイドロ アンド ニュークリアー パワー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】ファン,ヨン ファン
(72)【発明者】
【氏名】ファン,ソク-ジュ
(72)【発明者】
【氏名】ユン,ジュ-ヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム,チョン-ウ
【審査官】藤本 加代子
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-032240(JP,A)
【文献】特表2021-519934(JP,A)
【文献】国際公開第2019/203578(WO,A1)
【文献】特開2006-098165(JP,A)
【文献】特開2006-038730(JP,A)
【文献】特開2018-165706(JP,A)
【文献】実開昭60-113165(JP,U)
【文献】特開平07-159596(JP,A)
【文献】特開昭60-091299(JP,A)
【文献】米国特許第05268550(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21F 9/30
G21C 13/00
G21C 11/02
E04G 23/08
G21D 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原子炉圧力容器と、前記原子炉圧力容器が配置されるキャビティを含む生体保護コンクリートとを含む原子力施設の解体方法において、
前記キャビティの内壁を切断および拡張する段階と、
前記キャビティの内部に、前記原子炉圧力容器を切断および解体する切断装置を設置する段階と、
前記キャビティの内部にて前記原子炉圧力容器を、固定器を用いて固定する段階と、
前記キャビティの内部に固定された原子炉圧力容器を、切断装置を用いて切断および解体する段階と、を含む、原子力施設の複合解体方法。
【請求項2】
前記切断装置は、
前記キャビティの内壁面の上下方向に設置される第1レールと、
前記キャビティの円周方向にラウンド形状に設置され、前記第1レールに沿って前記キャビティの内部を昇降する第2レールと、
前記第2レールに昇降駆動力を提供する駆動部と、
前記第2レールに沿って移動可能に設置され、前記原子炉圧力容器を切断および解体する切断機と、を含む、請求項1に記載の原子力施設の複合解体方法。
【請求項3】
前記駆動部は、
前記第1レールに設置されるラックギアと、
前記第2レールに設置され、ラックギアに噛み合わされるピニオンギアと、
前記ピニオンギアに駆動力を提供する駆動モーターと、を含む、請求項2に記載の原子力施設の複合解体方法。
【請求項4】
前記第2レールは、前記第1レールの上部位置および下部位置にそれぞれ設置され、前記第1レールに沿って昇降可能に設置される、請求項2に記載の原子力施設の複合解体方法。
【請求項5】
前記固定器は、
一端は前記キャビティの内壁面に接触支持され、他端は前記原子炉圧力容器の表面に接触支持されて、長さが可変する可変ロッドを含む、請求項1に記載の原子力施設の複合解体方法。
【請求項6】
前記可変ロッドは、
前記キャビティの内壁面に一端が接触支持される第1ロッドと、
前記原子炉圧力容器の表面に一端が接触支持される第2ロッドと、
一端は前記第1ロッドにねじ結合し、他端は前記第2ロッドにねじ結合して、前記第1ロッドと前記第2ロッドを互いに近接または離隔させる回転ロッドと、を含む、請求項5に記載の原子力施設の複合解体方法。
【請求項7】
前記原子力施設は、前記生体保護コンクリート上に配置されて、前記原子炉圧力容器を前記キャビティにて支持するクレーン(crane)をさらに含む、請求項1に記載の原子力施設の複合解体方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原子力施設の解体方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、原子力発電に用いられる原子力施設のうちで、加圧軽水炉型原子力発電所は、原子炉圧力容器と、原子炉圧力容器を包み込む生体保護コンクリートとを含む。
【0003】
原子力施設の解体の際、原子炉圧力容器を生体保護コンクリートから分離して原子炉圧力容器を切断および解体する必要がある。
【0004】
しかし、原子炉圧力容器を切断および解体する作業の過程で作業の所要時間が大幅にかかるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、原子炉圧力容器を、作業の所要時間が節減された状態で安定的に切断および解体することが可能な、原子力施設の複合解体方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、原子炉圧力容器と、記原子炉圧力容器が配置されるキャビティを含む生体保護コンクリートとを含む原子力施設の解体方法において、キャビティの内壁を切断および拡張する段階と、キャビティの内部に、原子炉圧力容器を切断および解体する切断装置を設置する段階と、キャビティの内部にて原子炉圧力容器を、固定器を用いて固定する段階と、キャビティの内部に固定された原子炉圧力容器を、切断装置を用いて切断および解体する段階と、を含む。
【0007】
切断装置は、キャビティの内壁面の上下方向に設置される第1レールと、キャビティの円周方向にラウンド形状に設置され、第1レールに沿ってキャビティの内部を昇降する第2レールと、第2レールに昇降駆動力を提供する駆動部と、第2レールに沿って移動可能に設置され、原子炉圧力容器を切断および解体する切断機と、を含む。
【0008】
駆動部は、第1レールに設置されるラックギアと、第2レールに設置され、ラックギアに噛み合わされるピニオンギアと、ピニオンギアに駆動力を提供する駆動モーターと、を含む。
【0009】
第2レールは、第1レールの上部位置および下部位置にそれぞれ設置され、第1レールに沿って昇降可能に設置される。
【0010】
固定器は、一端はキャビティの内壁面に接触支持され、他端は原子炉圧力容器の表面に接触支持され、長さが可変する可変ロッドを含んでもよい。
【0011】
可変ロッドは、キャビティの内壁面に一端が接触支持される第1ロッドと、原子炉圧力容器の表面に一端が接触する第2ロッドと、一端は第1ロッドにねじ結合し、他端は第2ロッドにねじ結合して、第1ロッドと第2ロッドを互いに近接または離隔させる回転ロッドを含んでもよい。
【0012】
原子力施設は、生体保護コンクリート上に配置されて、原子炉圧力容器をキャビティにて支持するクレーン(crane)をさらに含んでもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一実施形態によれば、原子炉圧力容器が、生体保護コンクリートのキャビティの内部にて固定器によって固定された状態で、キャビティの内部にて昇降および円周方向に移動可能な切断機によって切断および解体されるので、作業の所要時間が節減された状態で、安定的に切断および解体することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態による原子力施設の解体方法を概略的に示したフローチャートである。
図2】本発明の一実施形態による原子力施設の一部を概略的に示した要部図である。
図3図2の原子力施設にて、生体保護コンクリートの内壁を拡張し、配管を原子炉圧力容器から分離した状態を示した要部図である。
図4】本発明の一実施形態による切断装置がキャビティの内部に設置された状態を概略的に示した要部図である。
図5図4の切断装置がキャビティの内部に設置された状態を概略的に示した要部平面図である。
図6】本発明の一実施形態による原子炉圧力容器が、キャビティの内部に、固定器によって固定された状態を概略的に示した要部平面図である。
図7図6の固定器を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施形態について本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は様々な異なる形態で実現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。図面にて、本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略したのであり、明細書全体にわたって、同一または類似の構成要素に対しては同一の参照符号を付けた。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態による原子力施設の解体方法を概略的に示したフローチャートであり、図2は、本発明の一実施形態による原子力施設の一部を概略的に示した要部図である。
【0017】
図1および図2に示すように、原子力施設は、原子炉圧力容器10と、原子炉圧力容器10に直接連結された複数の配管13と、原子炉圧力容器10および配管13を包み込むとともに原子炉圧力容器10を支持する生体保護コンクリート20と、クレーン16と、を含む。原子力施設は、図2に示す構成に加えて、公知の多様な構成をさらに含む。
【0018】
原子炉圧力容器10は加圧軽水炉型であってもよいが、これに限定されない。一例として、原子炉圧力容器10は沸騰軽水炉型であってもよい。原子炉圧力容器10の内壁からは、公知の多様な形態の炉心を支持する突出部11が突出している。
【0019】
複数の配管13は、公知の多様な形態の蒸気発生器に連結される。配管13のうちの一配管には温水が通ることができ、他の配管には冷水が通ることができるが、これに限定されない。
【0020】
生体保護コンクリート20は、原子炉圧力容器10が配置されるキャビティ12と、キャビティ12を形成して原子炉圧力容器10と対向する内壁14とを含む。
【0021】
クレーン16は、生体保護コンクリート20上に配置される。
【0022】
クレーン16は、最初の原子力施設の設置時に用いられたクレーン16であってもよいが、これに限定されない。
【0023】
生体保護コンクリート20の内壁14を拡張する前に、原子炉圧力容器10を取り囲んでいるインシュレーション(insulation)を除去することができる。
【0024】
次に、キャビティ12の内壁を切断および拡張する(S10)。
【0025】
図3は、図2の原子力施設で生体保護コンクリートの内壁を拡張し、配管を原子炉圧力容器から分離した状態を示した要部図である。
【0026】
図3を参照すると、ワイヤーソー(saw)または円形ソー(丸鋸)などの切断装置を用いて、キャビティ12を形成する生体保護コンクリート20の内壁14を、切断(cutting)して拡張することができる。
【0027】
図3では、原子炉圧力容器10に対応する内壁14の一部を拡張したが、これに限定されず、配管13の上部に対応する内壁14の一部を拡張することができる。
【0028】
生体保護コンクリート20の内壁14を拡張することによって、配管13が上方へと露出する。
【0029】
次に、配管13を原子炉圧力容器10から分離する。
【0030】
具体的には、生体保護コンクリート20における拡張された内壁14によって露出された配管13を、配管13の直径方向に切断し、配管13を原子炉圧力容器10から分離する。
【0031】
配管13の切断はワイヤーソーを用いて行われるが、これに限定されず、円形ソーなど他の切断装置を使用してもよい。
【0032】
配管13が、拡張された内壁14を通して完全に露出された状態であるので、切断装置を用い、拡張された内壁14を通して容易に配管13を切断することができる。
【0033】
次に、キャビティ12の縦方向または横方向に移動が行われて、原子炉圧力容器10を切断および解体する、切断装置30を設置する(S20)。
【0034】
図4は、本発明の一実施形態による切断装置がキャビティの内部に設置された状態を概略的に示した要部図であり、図5は、図4の切断装置がキャビティの内部に設置された状態を概略的に示した要部平面図である。
【0035】
図4および図5に示すように、切断装置30は、キャビティ12の内壁面の上下方向に設置される第1レール31と、キャビティ12の円周方向にラウンド(丸い)形状に設置され、第1レール31に沿ってキャビティ12の内部を昇降する第2レール33と、第2レール33に沿って移動可能に設置され、原子炉圧力容器10を切断および解体する切断機35とを含むのでありうる。
【0036】
第1レール31は、キャビティ12の内壁面の高さ方向に沿って長い長さを有するように設置されうる。
【0037】
第1レール31は、キャビティ12の内壁面の高さ方向に沿って設置され、キャビティ12の内壁面に対向する位置に一対が設置されうる。
【0038】
すなわち、第1レール31にはキャビティ12の内壁面の対向する両側にそれぞれ設置され、後述する第2レール33がキャビティ12の内部で上下方向に移動する経路を提供しうる。
【0039】
このような第1レール31には、第2レール33が上昇または下降可能に設置されうる。
【0040】
第2レール33は、ラウンド形状に設置され、キャビティ12の円周方向の周りに沿ってラウンド形状に設置される。このように、第2レール33を設けることは、後述する切断機35が第2レール33に沿ってキャビティ12の円周方向に選択的に移動させるためである。これについては以下で切断機35を説明しながら具体的に説明する。
【0041】
ここで第2レール33は、キャビティ12の上部および下部にそれぞれ設置される。したがって、原子炉圧力容器10は、キャビティ12の内部で上下部の切断および解体作用が同時に可能で、迅速な切断および解体作動が行われる。
【0042】
一方、第2レール33には回転ホイール32が設置される。
【0043】
回転ホイール32は、第2レール33の対向する両側で、一対の第1レール31に対応する位置にそれぞれ設置される。
【0044】
したがって、第2レール33の側面に設置された回転ホイール32は、第1レール31に回転可能に接触するので、第2レール33は、第1レール31に沿って駆動部34の駆動力によって選択的に上昇または下降される。
【0045】
このような第2レール33は、キャビティ12の内壁面に設置された第1レール31に沿って駆動部34の駆動作動により上昇または下降作動する。
【0046】
駆動部34は、第1レール31に設置されるラックギア34aと、第2レール33に設置され、ラックギア34aに噛み合わされるピニオンギア34cと、ピニオンギア34cに駆動力を提供する駆動モーター34bと、を含む。
【0047】
ラックギア34aは、第1レール31の長さ方向に沿って第1レール31の側面に設置される。このようなラックギア34aは第2レール33に設置されたピニオンギア34cに噛み合わされる。
【0048】
ピニオンギア34cはラックギア34aに噛合駆動されるので、第2レール33に設置される駆動モーター34bの駆動軸に回転可能に設置される。
【0049】
したがって、駆動モーター34bの駆動作動によってピニオンギア34cとラックギア34aとの噛合駆動によって第2レール33が第1レール31の長さ方向に沿って選択的に上昇または下降可能である。
【0050】
一方、第2レール33には切断機35が移動可能に設置される。
【0051】
切断機35は、第2レール33に沿って選択的に移動可能に設置されるのであって、ラックピニオンギア(図示せず)の駆動により第2レール33に沿って移動可能であり、駆動ホイール(図示せず)の駆動にしたがい第2レール33に沿って移動することも可能である。
【0052】
上述のように、第2レール33は、第1レール31に沿ってキャビティ12の内部で上昇または下降するのであり、切断機35は、第2レール33の長さ方向に沿って、キャビティ12の円周方向に沿って移動可能に設置されうる。
【0053】
したがって、切断機35は、キャビティ12の上下方向への移動、およびキャビティ12の円周方向への移動が、作業者の選択により可能であるため、キャビティ12の内部に固定された原子炉圧力容器10の安定した切断および解体の作動が可能である。
【0054】
次に、キャビティ12の内部にて、原子炉圧力容器10を、固定器40を用いて固定する(S30)。段階(S30)にて、キャビティ12の内壁面と、原子炉圧力容器10との間に複数個設置される固定器40を用いて、原子炉圧力容器10をキャビティ12の内部に安定的に固定することができる。
【0055】
このような固定器40は、一端がキャビティ12の内壁面に接触支持され、他端が、原子炉圧力容器10の表面に接触支持されて、長さが可変する可変ロッド40に適用される。固定器40は、第2レール33の移動過程で着脱可能に固定することも可能である。以下、固定器と可変ロッドは同一の参照符号を用いる。
【0056】
図6は、本発明の一実施形態による原子炉圧力容器がキャビティの内部に固定器によって固定された状態を概略的に示した要部平面図である。図7は、図6の固定器を示した図である。
【0057】
図6および図7に示すように、可変ロッド40は、キャビティ12の内壁面に一端が接触支持される第1ロッド41と、原子炉圧力容器10の表面に一端が接触支持される第2ロッド43と、一端は第1ロッド41にねじ結合し、他端は第2ロッド43にねじ結合する回転ロッド45と、を含みうる。
【0058】
このような可変ロッド40は、キャビティ12の内部にて、原子炉圧力容器10を中心にしてキャビティ12の内壁面との間に、放射状に複数個が設置されうる。
【0059】
したがって、回転ロッド45を一方向に回転させる場合に、第1ロッド41と第2ロッド43は互いに近接する方向に移動するのであって、逆方向に回転させる場合に、第1ロッド41と第2ロッド43は互いに離隔する方向に移動するのでありうる。
【0060】
このように、可変ロッド40は、回転ロッド45の一方向または逆方向の回転により、延びる長さ可変が可能であるため、キャビティ12の内部に短い長さで挿入された状態にて、回転ロッド45の回転作動により、長い長さに可変作動して原子炉圧力容器10をキャビティ12の内部に安定的に固定することが可能である。
【0061】
次に、キャビティ12の内部に固定された原子炉圧力容器10を、切断装置30を用いて切断および解体する(S40)。
【0062】
段階(S40)にて、駆動部34の駆動作動により第2レール33が第1レール31に沿って上昇または下降しながら、切断機35が第2レール33に沿って一緒に移動作動して、原子炉圧力容器10の切断および解体の作動が行われる。
【0063】
ここで、第2レール33は、キャビティ12の内壁面の上部および下部の位置にそれぞれ設置されるので、切断機35は、キャビティ12の内部で原子炉圧力容器10の上部および下部を同時に切断および解体することで、切断および解体の作業過程での所要時間が短縮されて、作業効率を向上させることができる。
【0064】
上述のように、本実施形態における原子炉圧力容器10には、キャビティ12の内部に固定器40によって固定された状態で、第2レール33が第1レール31に沿ってキャビティ12の内部で上昇または下降するとともに、切断機35が第2レール33に沿って移動することで作動しうる。
【0065】
したがって、切断機35は、キャビティ12の内部で上昇または下降しながら、キャビティ12の円周方向に移動するので、原子炉圧力容器10をキャビティ12の内部にて、作業の所要時間が節減された状態で、安定的に切断および解体することが可能である。
【0066】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲と発明の詳細な説明および添付した図面の範囲内で多様に変形して実施することが可能であり、これもまた本発明の範囲に属するのは当然である。
【符号の説明】
【0067】
10 原子炉圧力容器
11 突出部
12 キャビティ
13 配管
14 内壁
16 クレーン
20 生体保護コンクリート
30 切断装置
31 第1レール
33 第2レール
34 駆動部
34a ラックギア
34b 駆動モーター
34c ピニオンギア
35 切断機
40 固定器
40 可変ロッド
41 第1ロッド
43 第2ロッド
45 回転ロッド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7