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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-13
(45)【発行日】2022-10-21
(54)【発明の名称】キャップ
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/08 20060101AFI20221014BHJP
   B65D 47/20 20060101ALI20221014BHJP
【FI】
B65D47/08 100
B65D47/20
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018053708
(22)【出願日】2018-03-22
(65)【公開番号】P2019167119
(43)【公開日】2019-10-03
【審査請求日】2021-03-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000175397
【氏名又は名称】三笠産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001298
【氏名又は名称】弁理士法人森本国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋本 武尚
(72)【発明者】
【氏名】前田 達大
(72)【発明者】
【氏名】中川 雄嗣
【審査官】植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-047922(JP,A)
【文献】米国特許第06089411(US,A)
【文献】実開平07-009745(JP,U)
【文献】特開2017-081603(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 39/00-55/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の口部に取付可能なキャップ本体と、
キャップ本体に設けられた注出ノズルと、
注出ノズルに形成された複数の注出孔と、
注出孔を開閉する蓋とを有するキャップであって、
蓋はヒンジを介してキャップ本体に設けられ、
注出ノズルは、先端部に、上向きに突出した座を有し、
注出ノズルの内側に、容器内に連通する注出室が形成され、
注出孔は、十字形状を有しており、注出ノズルの座に形成されて注出室に連通し、
注出ノズルは、キャップ本体の軸心方向から見て、ヒンジ取付側が欠除するとともにその反対側が円弧状に膨らんだ半円形状又はC字形状を有しており、
座の周縁部から注出孔に至る上端面には窪みおよび段差が存在しないことを特徴とするキャップ。
【請求項2】
キャップ本体は、容器の口部に着脱自在な筒状の胴部と、胴部の先端に設けられた天板部とを有し、
注出ノズルは、天板部から外向きに立ち上がった周壁部と、周壁部の先端に設けられた端板部とを有し、
端板部に座が形成され、
注出室における周壁部と端板部とのコーナー部分に、円弧状の曲面が形成されていることを特徴とする請求項1記載のキャップ。
【請求項3】
注出室の横断面積が容器の口部の横断面積の略半分であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のキャップ。
【請求項4】
注出孔は、キャップ本体のヒンジ取付側とその反対側とを通る径方向の第1中心線に直交する径方向の第2中心線の方向における注出ノズルの両端部に位置する両端部の注出孔と、両端部の注出孔間に位置する中間部の注出孔とを有し、
中間部の注出孔の位置は、両端部の注出孔の位置に対して、ヒンジ取付側とは反対側にずれているとともに、第1中心線上にあることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のキャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばマヨネーズ等の液状物を入れる容器に取り付けられるキャップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のキャップとしては、例えば図16図18に示すように、マヨネーズ101を入れた容器102に取り付けられるものがある。このキャップ103は、容器102の口部に取付可能なキャップ本体104と、キャップ本体104に設けられた凸部105と、凸部105に形成された複数の注出孔106と、注出孔106を開閉する蓋107とを有している。
【0003】
蓋107はヒンジ108を介してキャップ本体104に開閉自在に設けられている。凸部105は、円筒状の部材であり、キャップ本体104の軸心方向から見て円形状を有している。凸部105の内側には、容器102内に連通する注出室109が形成されている。また、注出孔106は、注出室109に連通しており、一直線上に3個並んでいる。
【0004】
これによると、図18に示すように、蓋107を開き、容器102を手で持ってキャップ103を斜め下に向け、容器102を握って絞ることにより、容器102内のマヨネーズ101が注出室109を経て各注出孔106から外部へ注出される。
【0005】
尚、上記のようなキャップは例えば下記特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】実用新案登録第3189876号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら上記の従来形式では、マヨネーズ101を注出孔106から注出している際、通常、ヒンジ108を上向きにする。このとき、注出室109のマヨネーズ101は、ヒンジ取付側Aのスペース111で流れ難くなり、注出室109におけるヒンジ取付側Aのスペース111に滞留し易いといった問題がある。これは、凸部105がキャップ本体104の軸心方向から見て円形状であることに起因している。
【0008】
また、図18に示すように、容器102を握ってマヨネーズ101を注出孔106から絞り出している際、マヨネーズ101の液圧が凸部105内の注出室109で変動し、注出孔106から絞り出されるマヨネーズ101が、直線状にならず、蛇行し易いといった問題がある。
【0009】
本発明は、容器内の液状物を注出孔から注出している際、注出ノズル内の注出室におけるヒンジ取付側のスペースに滞留する液状物の量を低減することが可能なキャップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本第1発明は、容器の口部に取付可能なキャップ本体と、
キャップ本体に設けられた注出ノズルと、
注出ノズルに形成された複数の注出孔と、
注出孔を開閉する蓋とを有するキャップであって、
蓋はヒンジを介してキャップ本体に設けられ、
注出ノズルは、先端部に、上向きに突出した座を有し、
注出ノズルの内側に、容器内に連通する注出室が形成され、
注出孔は、十字形状を有しており、注出ノズルの座に形成されて注出室に連通し、
注出ノズルは、キャップ本体の軸心方向から見て、ヒンジ取付側が欠除するとともにその反対側が円弧状に膨らんだ半円形状又はC字形状を有しており、
座の周縁部から注出孔に至る上端面には窪みおよび段差が存在しないものである。
【0011】
これによると、蓋を開き、容器を手で持ってキャップを斜め下に向け、容器を握って絞ることにより、容器内の液状物が注出ノズル内の注出室を経て各注出孔から外部へ注出される。この際、通常、ヒンジを上向きにしている。
【0012】
注出ノズルは、キャップ本体の軸心方向から見て、円形状ではなく、ヒンジ取付側が欠除するとともにその反対側が円弧状に膨らんだ半円形状又はC字形状を有している。このため、注出ノズル内の注出室におけるヒンジ取付側のスペースが小さくなり、ヒンジを上向きにして容器内の液状物を注出孔から注出している際、注出室のヒンジ取付側のスペースに滞留する液状物の量が低減される。
【0013】
また、容器を握って容器内の液状物を注出孔から絞り出している際、液状物の液圧が注出ノズル内の注出室において変動し難くなり、これにより、各注出孔から絞り出される液状物が、蛇行し難く、直線状に注出される。
また、注出孔を十字形状にしているため、手に力を込めて容器を絞り、容器内の液状物を注出孔から外部へ注出し、その後、手の力を抜いた際、液状物が注出孔の根元付近で切断される。これにより、液状物の液切れ性が良く、注出孔の周囲に付着する液状物の量を減らすことができる。
【0014】
本第2発明におけるキャップは、キャップ本体は、容器の口部に着脱自在な筒状の胴部と、胴部の先端に設けられた天板部とを有し、
注出ノズルは、天板部から外向きに立ち上がった周壁部と、周壁部の先端に設けられた端板部とを有し、
端板部に座が形成され、
注出室における周壁部と端板部とのコーナー部分に、円弧状の曲面が形成されているものである。
【0015】
これによると、容器内の液状物が注出ノズル内の注出室を経て各注出孔から外部へ注出される。この際、注出室の液状物は、周壁部と端板部とのコーナー部分の曲面によって円滑に向きを変えて、注出孔に流れる。これにより、注出室に滞留する液状物の量がさらに低減される。
【0018】
本第発明におけるキャップは、注出室の横断面積が容器の口部の横断面積の略半分であるものである。
【0019】
本第発明におけるキャップは、注出孔は、キャップ本体のヒンジ取付側とその反対側とを通る径方向の第1中心線に直交する径方向の第2中心線の方向における注出ノズルの両端部に位置する両端部の注出孔と、両端部の注出孔間に位置する中間部の注出孔とを有し、
中間部の注出孔の位置は、両端部の注出孔の位置に対して、ヒンジ取付側とは反対側にずれているとともに、第1中心線上にあるものである。
【発明の効果】
【0020】
以上のように本発明によると、注出ノズルは、円形状ではなく、ヒンジ取付側が欠除するとともにその反対側が円弧状に膨らんだ半円形状又はC字形状を有しているため、ヒンジを上向きにして容器内の液状物を注出孔から注出している際、注出室のヒンジ取付側のスペースに滞留する液状物の量を低減することができる。また、各注出孔から絞り出される液状物が、蛇行し難く、直線状に注出される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の第1の実施の形態におけるキャップの斜視図である。
図2】同、キャップの斜視図である。
図3】同、キャップの平面図である。
図4】同、キャップの一部切欠き平面図である。
図5】同、キャップの断面図であり、開栓している状態を示す。
図6】同、キャップの一部切欠き側面図である。
図7】同、キャップの断面図であり、閉栓している状態を示す。
図8】同、キャップの断面図であり、容器内のマヨネーズを絞り出している様子を示す。
図9】本発明の第2の実施の形態におけるキャップの平面図である。
図10】同、キャップの一部切欠き平面図である。
図11】本発明に対する参考例としてのキャップの一部切欠き平面図である。
図12】本発明に対する参考例としてのキャップの注出孔の拡大平面図である。
図13】本発明に対する参考例としてのキャップの注出孔の拡大平面図である。
図14】本発明に対する参考例としてのキャップの注出孔の拡大平面図である。
図15】本発明に対する参考例としてのキャップの注出孔の拡大平面図である。
図16】従来のキャップを備えた容器の図である。
図17】同、容器の平面図である。
図18】同、容器に設けられたキャップの断面図であり、容器内のマヨネーズを絞り出している様子を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明における実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0023】
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態では、図5に示すように、1は薄い樹脂製シートからなる弾性変形自在な容器であり、容器1内には、液状物の一例であるマヨネーズ2が入っている。容器1は先端部に口部3を有し、口部3にはキャップ10が装着されている。尚、容器1を正立させた場合、キャップ10が上向きになる。
【0024】
図1図6に示すように、キャップ10は、口部3に取付可能なキャップ本体11と、キャップ本体11に設けられた注出ノズル12と、注出ノズル12に形成された3個(複数個の一例)の注出孔13a,13b,13cと、これら注出孔13a,13b,13cを開閉する蓋14とを有している。尚、19はキャップ10の中心部を通る軸心である。
【0025】
蓋14はヒンジ15を介してキャップ本体11に回動自在に設けられている。
【0026】
キャップ本体11は、口部3に着脱自在なねじ込み式の円筒状の胴部16と、胴部16の先端に設けられた円形の天板部17と、天板部17に設けられた円環状の突部18とを有している。
【0027】
ここで、キャップ本体11のヒンジ取付側Aとその反対側Bとを通る径方向の中心線を第1中心線L1とし、この第1中心線L1に直交する径方向の中心線を第2中心線L2とすると、第1中心線L1と第2中心線L2との交点がキャップ本体11の軸心19と一致する。
【0028】
注出ノズル12は、天板部17から上方外向きに立ち上がった周壁部20と、周壁部20の先端に設けられた端板部21とを有し、図3に示すように、キャップ本体11の軸心方向から見て、ヒンジ取付側Aが欠除するとともにその反対側Bが円弧状に膨らんだ半円形状に形成されている。
【0029】
周壁部20は、ヒンジ取付側Aに面し且つ第1中心線L1に直交する平坦な側壁20aと、ヒンジ取付側Aの反対側Bに面した半円形状の側壁20bとを有している。また、端板部21は上向きに突出した円形状の複数の座24a,24b,24cを有している。
【0030】
注出ノズル12の内側には、容器1内に連通する注出室23が形成されている。尚、注出室23は周壁部20と端板部21とで囲まれた空間であり、注出室23の横断面積(すなわち軸心19に直交する断面の面積)は容器1の口部3の内径の横断面積(すなわち軸心19に直交する断面の面積)の半分又は約半分である。また、図5に示すように、注出室23における周壁部20と端板部21とのコーナー部分には、円弧状の曲面22が全周にわたり形成されている。
【0031】
注出孔13a,13b,13cは、注出ノズル12の先端部の座24a,24b,24cに形成されて、注出室23に連通している。注出孔13a,13b,13cはそれぞれ十字形状を有している。尚、注出孔13a,13b,13cの1個当りの開口面積は約4mm~約6mmに設定され、好ましくは約5mmに設定されている。また、図3に示すように、注出孔13a,13b,13cは、其々の長径部分が第1および第2中心線L1,L2の方向C1,C2に向いている。
【0032】
注出孔13a,13b,13cは、第2中心線L2の方向C2における注出ノズル12の両端部に位置する両端部の注出孔13a,13cと、両端部の注出孔13a,13cの間に位置する中間部の注出孔13bとを有している。中間部の注出孔13bの位置は、両端部の注出孔13a,13cの位置に対して、ヒンジ取付側Aとは反対側Bにずれている。
【0033】
蓋14は、円板状の蓋板部31と、蓋板部31の周縁から垂下された円筒状の外周壁32とを有している。蓋板部31の内側裏面には、注出孔13a,13b,13cを閉鎖する複数の円環状のシール部33a,33b,33cが設けられている。また、外周壁32の内周面には複数の係合突片34が設けられている。
【0034】
図7に示すように、蓋14を閉じた場合、係合突片34がキャップ本体11の突部18に係合するとともに、各シール部33a,33b,33cが座24a,24b,24cに外嵌される。
【0035】
以下、上記構成における作用を説明する。
【0036】
図8に示すように、蓋14を開き、容器1を手で持ってキャップ10を斜め下に向け、容器1を握って絞ることにより、容器1内のマヨネーズ2が注出室23を経て各注出孔13a,13b,13cから外部へ注出される。この際、通常、ヒンジ15を上向きにしている。
【0037】
図3に示すように、注出ノズル12は、キャップ本体11の軸心方向から見て、円形状ではなく、半円形状を有している。このため、注出室23のヒンジ取付側Aのスペース36が小さくなり、図8に示すように、ヒンジ15を上向きにして容器1内のマヨネーズ2を注出孔13a,13b,13cから注出している際、注出室23のヒンジ取付側Aのスペース36に滞留するマヨネーズ2の量が低減される。
【0038】
また、注出室23のマヨネーズ2は、周壁部20と端板部21とのコーナー部分の曲面22(図5参照)によって円滑に向きを変えて、各注出孔13a,13b,13cに流れる。これにより、注出室23に滞留するマヨネーズ2の量がさらに低減される。
【0039】
また、容器1を握ってマヨネーズ2を注出孔13a,13b,13cから絞り出している際、マヨネーズ2の液圧が注出室23において変動し難くなり、これにより、各注出孔13a,13b,13cから絞り出されるマヨネーズ2が、蛇行し難く、直線状に注出される。
【0040】
このようにマヨネーズ2を注出孔13a,13b,13cから絞り出した際の直進性が良くなる現象の明確な理由は不明であるが、上記のように注出室23のヒンジ取付側Aのスペース36に滞留するマヨネーズ2の量が低減されることに伴って、容器1内でマヨネーズ2中に混入した空気が注出室23におけるヒンジ取付側Aのスペース36に滞留し難くなり、注出室23に滞留して圧縮される空気の量が減少するため、マヨネーズ2の液圧が注出室23において変動し難くなり、これにより、注出室23におけるマヨネーズ2の液圧が安定し、各注出孔13a,13b,13cから絞り出されるマヨネーズ2が直線状に注出されると推定される。
【0041】
また、注出孔13a,13b,13cを十字形状の孔にしているため、手に力を込めて容器1を絞り、容器1内のマヨネーズ2を注出孔13a,13b,13cから外部へ注出し、その後、手の力を抜いた際、マヨネーズ2が注出孔13a,13b,13cの根元付近で切断される。これにより、マヨネーズ2の液切れ性が良く、注出孔13a,13b,13cの周囲に付着するマヨネーズ2の量を減らすことができる。
【0042】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、図9図10に示すように、注出ノズル40は、天板部17から上方外向きに立ち上がった周壁部41と、周壁部41の先端に設けられた端板部42とを有し、キャップ本体11の軸心方向から見て、ヒンジ取付側Aが欠除するとともにその反対側Bが円弧状に膨らんだC字形状に形成されている。
【0043】
周壁部41は、ヒンジ取付側Aに面し且つ半円形状に凹んだ側壁41aと、ヒンジ取付側Aの反対側Bに面し且つ半円形状に膨出した側壁41bとを有している。
【0044】
これによると、先に述べた第1の実施の形態と同様の作用および効果が得られる。
【0045】
尚、図11図15に示したキャップ60は、上記第1および第2の実施の形態で示したキャップ10に対する参考例である。このうち、図11では、注出ノズル61は、キャップ本体11の軸心方向から見て、円形状である。この参考例では、容器1を握ってマヨネーズ2を注出孔13a,13b,13cから絞り出している際、マヨネーズ2の液圧が注出室23において変動し易く、これにより、各注出孔13a,13b,13cから絞り出されたマヨネーズ2が蛇行して、隣のマヨネーズ2にくっつき易く、第1および第2の実施の形態のキャップ10に比べて、マヨネーズ2を注出孔13a,13b,13cから絞り出した際の直進性が不良であった。
【0046】
また、図12では各注出孔13a,13b,13cを円形状の孔にしたものであり、孔の直径を2.4mm、1個当りの孔の面積を4.5mmにしている。この場合のマヨネーズ2の液切れ性は、十字形状の注出孔13a,13b,13cに比べて、同等若しくは僅かに劣った。
【0047】
図13では各注出孔13a,13b,13cを六芒星の星形の孔にしたものであり、孔の長径を3.5mm、短径を2.0mm、1個当りの孔の面積を4.9mmにしている。この場合のマヨネーズ2の液切れ性は十字形状の注出孔13a,13b,13cに比べて低下した。このため、注出孔13a,13b,13cの周囲に付着するマヨネーズ2の量が増加するといった問題が生じた。
【0048】
図14では円形状の各注出孔13a,13b,13cの中央に邪魔板63を形成して、各注出孔13a,13b,13cをそれぞれ二分割したものであり、孔の直径を3.0mm、1個当りの孔の面積を7.4mmにしている。この場合のマヨネーズ2の液切れ性は十字形状の注出孔13a,13b,13cに比べて低下した。このため、注出孔13a,13b,13cの周囲に付着するマヨネーズ2の量が増加するといった問題が生じた。
【0049】
図15では各注出孔13a,13b,13cを涙滴形状の孔にしたものであり、孔の長径を3.8mm、短径を1.6mm、1個当りの孔の面積を4.7mmにしている。この場合のマヨネーズ2の液切れ性は十字形状の注出孔13a,13b,13cに比べて低下した。このため、注出孔13a,13b,13cの周囲に付着するマヨネーズ2の量が増加するといった問題が生じた。
【0050】
また、上記図12図15に示した参考例に対して、本願発明における第1および第2の実施の形態では、図3に示すように、十字形状の各注出孔13a,13b,13cにおいて、例えば、その長径を3.5mm、短径を1.5mm、1個当りの孔の面積を4.6mmにした場合、マヨネーズ2の液切れ性は良好であり、注出孔13a,13b,13cの周囲に付着するマヨネーズ2の量が減少した。
【0051】
上記各実施の形態では、液状物の一例として、マヨネーズ2を挙げたが、マヨネーズ2以外の粘度の高い液状物、例えばケチャップ、クリーム、ソフトチョコレート等であってもよく、或いはペースト状のものであってもよい。
【0052】
上記各実施の形態では、注出ノズル12に3個の注出孔13a,13b,13cを形成しているが、2個、又は4個以上形成してもよい。
【符号の説明】
【0053】
1 容器
3 口部
10 キャップ
11 キャップ本体
12 注出ノズル
13a,13b,13c 注出孔
14 蓋
15 ヒンジ
16 胴部
17 天板部
20 周壁部
21 端板部
22 曲面
23 注出室
A ヒンジ取付側
B ヒンジ取付側の反対側
L1 第1中心線
L2 第2中心線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18