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<図1>
  • 特許-機能改善されたライムケーキの製造方法 図1
  • 特許-機能改善されたライムケーキの製造方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-13
(45)【発行日】2022-10-21
(54)【発明の名称】機能改善されたライムケーキの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C01F 11/18 20060101AFI20221014BHJP
   C05D 3/02 20060101ALI20221014BHJP
   B01J 20/04 20060101ALI20221014BHJP
   B01J 20/30 20060101ALI20221014BHJP
【FI】
C01F11/18 C
C05D3/02
B01J20/04 A
B01J20/30
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020511999
(86)(22)【出願日】2018-08-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-05
(86)【国際出願番号】 EP2018073197
(87)【国際公開番号】W WO2019043040
(87)【国際公開日】2019-03-07
【審査請求日】2021-03-24
(31)【優先権主張番号】102017215243.5
(32)【優先日】2017-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】515053771
【氏名又は名称】ズートツッカー アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アジダリ ラド,モーセン
【審査官】田口 裕健
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05320681(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0017187(US,A1)
【文献】特表2013-544501(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01F 11/00
C13B 20/00
C05D 3/00
B01J 20/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライムケーキから機能改善されたライムケーキを製造する方法であって、以下の方法工程:
a)少なくとも85重量%のCaCO3及び最大1重量%の有機非ショ糖分(それぞれTS(乾燥物質)、ライムケーキのTSに対する)を含有する、最大20μmの平均粒径を有するライムケーキを調製する方法工程、
b)前記ライムケーキを炭酸化する方法工程、
c)炭酸処理されたライムケーキから色素含有液相を分離することで、機能改善されたライムケーキの前駆物質を得る方法工程、並びに
d)機能改善されたライムケーキを得る方法工程
を含み、前記機能改善されたライムケーキが、方法工程a)で調製されたライムケーキよりも高い純度及びCaCO 3 含量を有する、方法。
【請求項2】
方法工程a)とb)との間、方法工程b)とc)との間、又は方法工程a)とb)との間及び方法工程b)とc)との間にライムケーキの希釈を実施する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法工程d)で得られる機能改善されたライムケーキが、前記方法工程c)で得られる機能改善されたライムケーキの前駆物質から少なくとも1つのメンブレンフィルタープレスによって得られる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
方法工程d)で得られる機能改善されたライムケーキが、少なくとも90重量%(TS、機能改善されたライムケーキのTSに対する)のCaCO3含量を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
方法工程c)に引き続き、前記方法工程c)で得られる機能改善されたライムケーキの前駆物質へのCa(OH)2の添加を行う、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記方法工程a)で調製されるライムケーキが、55~80重量%(ライムケーキの全重量に対する)の乾燥物質含量を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記方法工程b)で炭酸化のために使用されるライムケーキが、25~40重量%(炭酸処理されるべきライムケーキの全重量に対する)の乾燥物質含量を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記方法工程c)における分離に供給される炭酸処理されたライムケーキが、15~30重量%(炭酸処理されたライムケーキの全重量に対する)の乾燥物質含量を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記方法工程d)で得られる機能改善されたライムケーキが、85~95重量%(機能改善されたライムケーキの全重量に対する)の乾燥物質含量を有する、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記方法工程a)で使用されるライムケーキが、以下の工程:
i)石灰乳を100mlのビート粗汁当たり約0.1g~0.3gのCaOのアルカリ度に達するまで添加することによりビート粗汁を予備石灰処理して、非ショ糖分を凝固物の形態で沈殿及び/又は凝固させる工程、
ii)約5百万~約2千2百万の分子量を有するアクリルアミド及びアクリル酸ナトリウムからの少なくとも1種のコポリマーを、ポリアニオン性凝集剤として1ppm~8ppmの濃度まで添加する工程、
iii)少なくとも1つの第1の分離除去装置を使用して予備石灰処理汁から凝固物を分離して、清澄な予備石灰処理汁を得る工程、
iv)凝固物の分離後に得られる清澄な予備石灰処理汁を、石灰乳をその予備石灰処理汁中で100ml当たり約0.6gのCaOのアルカリ度に達するまで添加することにより、本石灰処理する工程、
v)二酸化炭素を本石灰処理汁中に導入することにより第1炭酸化を実施し、任意選択で引き続き第2炭酸化を実施することで、第1泥状汁及び任意選択で第2泥状汁を得る工程、並びに
vi)第1泥状汁及び任意選択で第2泥状汁の圧搾をすることで、少なくとも85重量%のCaCO 3 及び最大1重量%の有機非ショ糖分(それぞれTS(乾燥物質)、ライムケーキのTSに対する)を含有する、最大20μmの平均粒径を有するライムケーキを得る工程
を含むライムケーキの製造方法から得られるライムケーキである、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の方法により製造できる機能改善されたライムケーキであって、少なくとも90重量%(TS、機能改善されたライムケーキのTSに対する)の炭酸カルシウム含量(CaCO 3 含量)を有する、機能改善されたライムケーキ
【請求項12】
濾過助剤、充填材料、石灰肥料又は色素吸着用の吸着剤としての、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法により製造される機能改善されたライムケーキの使用であって、機能改善されたライムケーキが、少なくとも90重量%(TS、機能改善されたライムケーキのTSに対する)の炭酸カルシウム含量(CaCO 3 含量)を有する、使用
【請求項13】
請求項1から10のいずれか一項に記載の方法により製される機能改善されたライムケーキの、糖汁の精製のための使用であって、機能改善されたライムケーキが、少なくとも90重量%(TS、機能改善されたライムケーキのTSに対する)の炭酸カルシウム含量(CaCO 3 含量)を有する、使用
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ライムケーキから機能改善されたライムケーキを製造する方法、並びに本発明による方法に従って製造できる機能改善されたライムケーキ、及び濾過助剤、充填材料、石灰肥料又は色素吸着用の吸着剤としての、機能改善されたライムケーキの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ビートから糖を精製するために、収穫されたビートからまず付着している土及び葉の残りが取り除かれ、洗浄後に裁断機により鉛筆ほどの細さのコセット(Schnitzel)へと削られる。それに引き続き、そのビートコセットから、約5.5~5.8のpH値を有する弱酸性化された熱水を使用して向流抽出することにより精糖が行われる。抽出液の酸性化により、ビート粗汁の濾過と共に、抽出されるコセットの圧搾性も促進される。抽出に際して得られたビート粗汁は、引き続き抽出物精製に供される。通常の方法では、ビート抽出物の精製は、予備石灰処理(Vorkalkung)、本石灰処理及び第1炭酸化(Carbonatation)と第2炭酸化、並びに第1炭酸化と第2炭酸化の後の沈殿物の分離を含む、いわゆる石灰・炭酸抽出物精製(Kalk-Kohlensaeure-Extraktreinigung)によって行われる。抽出物精製は、ビート粗汁中に含まれる有機非ショ糖分(Nicht-Zuckerstoff)、特に高分子物質をできるだけ十分に除去するという課題を有する。この場合に、分解により生成する付加的な低分子物質が抽出物又はビート粗汁に到達しないよう、除去されるべき非ショ糖分は精製の間にできるだけ分解されないことに留意すべきである。
【0003】
予備石灰処理において、ビート粗汁は、穏やかな条件下で石灰乳の添加により徐々にアルカリ化される。この場合に、予備石灰処理反応器中のビート粗汁のpH値は約11.5へと徐々に上昇する。予備石灰処理は、規定量の水酸化カルシウム(石灰乳)を添加することで行われ、その際、予備石灰処理の終わりの糖汁のアルカリ度は、100mlのビート粗汁当たり約0.1g~0.3gのCaOである。ビート粗汁のアルカリ化の結果として、抽出物中に存在する有機酸及び無機酸の中和、並びに二価のカルシウムイオンと不溶性塩又は難溶性塩を形成するビート粗汁中に含まれるアニオンの沈殿反応が生ずる。こうして、例えば、対応するカルシウム塩の形態でリン酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩及び硫酸塩が沈殿し、引き続きビート粗汁から分離することができる。さらに、これらの条件下で、溶解された有機非ショ糖分の凝固及び形成されたコロイドの沈殿も生ずる。この場合に、個々の構成成分、例えばシュウ酸イオン、リン酸イオン、クエン酸イオン、硫酸イオン等のアニオン又はペクチン若しくはタンパク物質等のコロイドの沈殿は、規定のpH範囲内で起こる。これらのpH範囲内で、同時に沈殿物の濃化が行われる。予備石灰処理の間に石灰乳を添加することによって、さらに、ビート粗汁中に含まれるタンパク質の凝固も引き起こされる。
【0004】
引き続き行われる本石灰処理に際して、本石灰処理の実施なく糖汁を濃縮する間にはじめて酸を形成しながら進行することとなる転化糖及び酸アミドの化学的分解が生ずる。本石灰処理において、温度は約85℃に引き上げられ、ビート糖汁のpH値は石灰乳の添加により明らかに、すなわち100mlのビート粗汁当たり約0.8g~1.1gのCaOのアルカリ度まで高められる。本石灰処理において求められる過程は、古典的な方法ではそのような厳しい条件下でのみ進行するにすぎない。本石灰処理で過剰に添加される石灰は、第1炭酸化及び第2炭酸化に際しても大きな役割を担う。炭酸カルシウムへの転化により、一連の可溶性有機非ショ糖分用の強力な吸着剤が供されると共に、適切な濾過助剤も供される。本石灰処理過程で消費されなかった石灰は、両方の炭酸化工程において炭酸化ガスとして二酸化炭素を導入することにより炭酸カルシウムへと転化される。この場合に、炭酸化は2段階で行われる。炭酸化の第1段階において、ガス導入は約11.2~10.6のpH値が達成されるまで行われ、これは100mlの第1炭酸化の濾液当たり0.1g~0.06gのCaOのアルカリ度に相当する。第1炭酸化では、沈殿して凝集した有機非ショ糖分及びビート粗汁中に含まれる色素の一部が、形成された炭酸カルシウムに吸着結合される。第1炭酸化で得られるいわゆる第1泥状汁(Schlammsaft)は、濃縮フィルター(キャンドルフィルター)を介して濾過されるか、又はデカンタに送られ、こうして泥状汁濃縮物へと濃縮される。この場合に、沈殿して凝集された炭酸カルシウムに結合された有機非ショ糖分がその糖汁から除去される。通常は、第1炭酸化に続いて後石灰処理が行われ、そこでは糖汁に幾らかの石灰乳が加えられ、その後に第2炭酸化において更に炭酸処理(carbonatisieren)される。第2炭酸化段階でも炭酸化ガスが供給され、ここで調整されるべきアルカリ度は、100mlの第2炭酸化の濾液当たり0.025g~0.10gのCaOである。このアルカリ度は、約9.0~9.3のpH値に相当する。第2炭酸化では、いわゆる第2泥状汁が生じ、これは同様に濃縮フィルターを介して濾過され、その際に濃縮される。引き続き、濃縮フィルターを介して第1炭酸化及び第2炭酸化で濃縮された炭酸カルシウム泥漿(泥状汁濃縮物)は通常一緒にされ、メンブレンフィルタープレスを介して圧搾される。こうして、いわゆる炭酸化石灰(Carbonatationskalk)(ライムケーキ)が生成する。ライムケーキは、特に農業で肥料として使用される70%を上回る乾燥物質含量を有する貯蔵可能な生成物である。
【0005】
従来の石灰・炭酸抽出物精製の大きな不利点は、その方法が非常に多量の石灰の使用を必要とし、消費された石灰の量が加工されたビートの全重量の約2.5%になり得ることにある。石灰・炭酸抽出物精製法で使用される石灰の製造、及び焼石灰を製造する際に生成する廃棄物の処分は、莫大な環境的かつ経済的な不利点を伴う。石灰・炭酸抽出物精製法に際して生ずる主として石灰及び分離された糖汁不純物からなるライムケーキは、これまで肥料(石灰肥料)としてしか使用することができていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の基礎をなす技術的課題は、機能改善されたライムケーキの製造方法、特にビート粗汁の石灰・炭酸抽出物精製で使用するために適した機能改善されたライムケーキの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、その基礎をなす技術的課題を、特に以下の順次行われる方法工程:
a)少なくとも85重量%のCaCO3及び最大1重量%の有機非ショ糖分(それぞれTS(乾燥物質)、ライムケーキのTSに対する)を含有する、最大20μmの平均粒径を有するライムケーキを調製する方法工程、
b)ライムケーキを炭酸化する方法工程、
c)炭酸処理されたライムケーキから色素含有液相を分離することで、機能改善されたライムケーキの前駆物質を得る方法工程、及び
d)機能改善されたライムケーキを得る方法工程
を含む、ライムケーキから機能改善されたライムケーキを製造する方法を提供することによって解決する。
【0008】
それに従って、本発明による方法は、有利には、ライムケーキ、特に石灰・炭酸抽出物精製法の第1炭酸化及び/又は第2炭酸化から得られたライムケーキを炭酸処理し、沈殿及び/又は吸着された非ショ糖分、特にライムケーキに吸着結合されて存在する色素を炭酸処理されたライムケーキから分離して、こうして機能改善されたライムケーキの前駆物質を得て、そこから最終的に、特にその高い純度及びその高いCaCO3含量に基づき種々の用途のために使用することができる機能改善されたライムケーキを得ることを意図している。
【0009】
方法工程c)の後に、方法工程c)で得られた機能改善されたライムケーキの前駆物質に水酸化カルシウム(Ca(OH)2)の添加が行われる場合に、方法工程d)で得られる機能改善されたライムケーキを濾過助剤及び色素吸着用の吸着剤として、改めてビート粗汁の石灰・炭酸抽出物精製において使用することが可能である。したがって、本発明による方法によって、一方では、石灰・炭酸抽出物精製の間に生ずるライムケーキから出発して、ビート粗汁の精製のために必要な量の石灰を減らし、こうして石灰・炭酸抽出物精製を環境的かつ経済的に改善することが可能な機能改善されたライムケーキを製造することが可能である。特に、本発明による方法により製造される機能改善されたライムケーキは、有利には、肥料として使用するために適しているだけでなく、例えば濾過助剤、充填材料又は色素吸着用の吸着剤として使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明による方法で使用するために適したライムケーキの製造方法を概略的に示す図である。
図2】ライムケーキから機能改善されたライムケーキを製造するために実施される方法工程を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の特に好ましい実施形態では、方法工程a)~d)は、所定の順序で実施される。特に好ましくは、本発明による方法は方法工程a)~d)からなり、すなわち挙げられた方法工程の間に更なる方法工程は行われない。特に、ライムケーキから機能改善されたライムケーキを製造する方法では、方法工程a)~d)の前又は後に更なる方法工程は行われない。
【0012】
本発明の好ましい一実施形態では、方法工程a)で調製されるライムケーキは、55~80重量%、好ましくは60~80重量%、好ましくは65~80重量%、好ましくは70~80重量%、好ましくは75~80重量%(ライムケーキの全重量に対する)の乾燥物質含量を有する。
【0013】
本発明の好ましい一実施形態では、方法工程a)で調製されるライムケーキは、最大18μm、好ましくは最大16μm、好ましくは最大14μm、好ましくは最大12μmの平均粒径を有する。
【0014】
本発明の特に好ましい一実施形態では、方法工程a)で調製されるライムケーキは、最大10μm、好ましくは最大9.5μm、好ましくは最大9μm、好ましくは最大8.5μm、好ましくは最大8μm、好ましくは最大7.5μm、好ましくは最大7μm、好ましくは最大6.5μm、好ましくは最大6μm、好ましくは最大5.5μm、好ましくは最大5μmの平均粒径を有する。
【0015】
本発明の好ましい一実施形態では、方法工程a)で調製されるライムケーキは、最大0.9重量%、好ましくは最大0.8重量%、好ましくは最大0.7重量%、好ましくは最大0.6重量%、好ましくは最大0.5重量%(それぞれTS(乾燥物質)、ライムケーキのTSに対する)の有機非ショ糖分を有する。
【0016】
本発明の好ましい一実施形態では、方法工程a)で使用されるライムケーキは、従来の石灰・炭酸抽出物精製の第1炭酸化及び/又は第2炭酸化からそれぞれの炭酸化泥漿の圧搾によって得られるライムケーキである。
【0017】
本発明の好ましい一実施形態では、方法工程a)で使用されるライムケーキは、コロイドが低減されたライムケーキ、好ましくはコロイド不含のライムケーキである。
【0018】
本発明の特に好ましい一実施形態では、少なくとも85重量%のCaCO3及び最大1重量%の有機非ショ糖分(それぞれTS(乾燥物質)、ライムケーキのTSに対する)を含有する、最大20μmの平均粒径を有する、方法工程a)で調製されるライムケーキが得られ、好ましくは工程:
i)石灰乳を100mlのビート粗汁当たり約0.1g~0.3gのCaOのアルカリ度に達するまで添加することによりビート粗汁を予備石灰処理して、非ショ糖分を凝固物の形態で沈殿及び/又は凝固させる工程、
ii)約5百万~約2千2百万の分子量を有するアクリルアミド及びアクリル酸ナトリウムからの少なくとも1種のコポリマーを、ポリアニオン性凝集剤として1ppm~8ppmの濃度まで添加する工程、
iii)少なくとも1つの第1の分離除去装置を使用して予備石灰処理汁から凝固物を分離して、清澄な予備石灰処理汁を得る工程、
iv)石灰乳を予備石灰処理汁中で100ml当たり約0.6gのCaOのアルカリ度に達するまで添加することにより、凝固物の分離後に得られる清澄な予備石灰処理汁を本石灰処理する工程、
v)二酸化炭素を本石灰処理汁中に導入することにより第1炭酸化を実施し、任意選択で引き続き第2炭酸化を実施することで、第1泥状汁及び任意選択で第2泥状汁を得る工程、並びに
vi)第1泥状汁及び任意選択で第2泥状汁の圧搾をすることで、少なくとも85重量%のCaCO3及び最大1重量%の有機非ショ糖分(それぞれTS(乾燥物質)、ライムケーキのTSに対する)を含有する、最大20μmの平均粒径を有するライムケーキを得る工程
を含むライムケーキの製造方法から得られる。
【0019】
上記のライムケーキの製造方法は、従来技術で通常の方法と比較して、特に予備石灰処理において沈殿して凝集した非ショ糖分の分離によって、従来の石灰・炭酸抽出物精製法を使用して得られるライムケーキに対して主としてより高い炭酸カルシウムの含量及びかなり低減された非ショ糖分の含量の点で優れたライムケーキが後続工程で得られるという利点を有する。さらに、上記のライムケーキの製造方法を使用して得られるライムケーキは、リン酸塩が少ない。上記のライムケーキの製造方法により得られるライムケーキは、その組成に基づき、特に本発明による機能改善されたライムケーキの製造方法で使用することができる。
【0020】
本発明の好ましい一実施形態では、方法工程i)~vi)は、方法工程a)~d)の前に実施される。好ましくは、方法工程i)~vi)と方法工程a)~d)との間に更なる方法工程は行われない。
【0021】
本発明の好ましい一実施形態では、方法工程a)とb)との間に、方法工程b)とc)との間に、又は方法工程a)とb)との間及び方法工程b)とc)との間にライムケーキの希釈が実施される。特に好ましい実施形態では、ライムケーキの希釈は、水性媒体、特に凝縮液又は水の添加により行われる。好ましくは、ライムケーキの希釈は凝縮液の添加により行われる。好ましくは、ライムケーキの希釈は水の添加により行われる。

【0022】
特に好ましい一実施形態では、方法工程a)で調製されたライムケーキは、方法工程b)の実施前に水性媒体、特に凝縮液又は水の添加によって希釈され、特に、25~40重量%、好ましくは30~40重量%、好ましくは35~40重量%(炭酸処理されるべきライムケーキの全重量に対する)の乾燥物質含量を特に有する懸濁液が製造される。

【0023】
本発明に関して、「凝縮液」とは、特に植物、特にビートからの糖の生成の間に蒸発及び凝縮により生じ、プロセス水として利用することができる水性媒体、特に水と解釈される。

【0024】
本発明の好ましい一実施形態では、方法工程a)で調製されるライムケーキは、方法工程b)の前に50℃~90℃、好ましくは60℃~85℃、好ましくは70℃~85℃、好ましくは80℃の温度に加熱される。方法工程a)で調製されたライムケーキの加熱によって、有利には、方法工程d)で得られる機能改善されたライムケーキの純度の更なる改善がもたらされる。
【0025】
本発明の好ましい一実施形態では、方法工程b)で炭酸化のために使用されるライムケーキは、25~40重量%、好ましくは30~40重量%、好ましくは35~40重量%(炭酸処理されるべきライムケーキの全重量に対する)の乾燥物質含量を有する。
【0026】
本発明の好ましい一実施形態では、方法工程b)でのライムケーキの炭酸化は、二酸化炭素によるガス処理によって行われる。
【0027】
本発明の好ましい一実施形態では、方法工程b)でのライムケーキの炭酸化は、8.0~9.0、好ましくは8.2~8.8、好ましくは8.3~8.7、好ましくは8.4~8.6、好ましくは8.5のpH値に達するまでの二酸化炭素によるガス処理によって行われる。
【0028】
本発明の好ましい一実施形態では、方法工程c)での分離に供給される炭酸処理されたライムケーキは、15~30重量%、好ましくは20~30重量%、好ましくは25~30重量%(炭酸処理されたライムケーキの全重量に対する)の乾燥物質含量を有する。
【0029】
方法工程b)におけるライムケーキの炭酸化は、得られるべきライムケーキの前駆物質、つまり得られるべき機能改善されたライムケーキの前駆物質によって形成される固形分及び色素含有液相の形成をもたらす。
【0030】
本発明の好ましい一実施形態では、方法工程c)における炭酸処理されたライムケーキからの色素含有液相の分離は、分離装置又は分離除去装置を使用して行われる。
【0031】
本発明の特に好ましい一実施形態では、方法工程c)における炭酸処理されたライムケーキからの色素含有液相の分離は、デカンテーション、濾過又は遠心分離によって、好ましくはデカンテーション、好ましくは濾過、好ましくは遠心分離によって行われる。
【0032】
方法工程c)で得られる機能改善されたライムケーキの前駆物質から、本発明の一実施形態では、方法工程d)において、特に少なくとも1つのメンブレンフィルタープレスによる圧搾によって直接的に機能改善されたライムケーキを得ることができる。
【0033】
本発明の別の一実施形態では、方法工程c)で得られる機能改善されたライムケーキの前駆物質は、方法工程c)に引き続き、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)の添加により活性化され、その後に方法工程d)において、特にメンブレンフィルタープレスによる圧搾によって機能改善されたライムケーキを得ることができる。
【0034】
本発明の好ましい一実施形態では、方法工程c)に引き続き、つまり方法工程c)で得られる機能改善されたライムケーキの前駆物質への水酸化カルシウム(Ca(OH)2)の添加が行われる。
【0035】
本発明の好ましい一実施形態では、方法工程c)に引き続き、10~12、好ましくは10.5~11.5、好ましくは11のpH値を調整するために、方法工程c)で得られる機能改善されたライムケーキの前駆物質への水酸化カルシウム(Ca(OH)2)の添加が行われる。
【0036】
水酸化カルシウム(Ca(OH)2)の添加によって、CaCO3結晶の表面の活性化が生じ、それによりその結晶の表面への非ショ糖分、特に色素の吸着の改善が達成される。
【0037】
本発明の好ましい一実施形態では、方法工程d)における機能改善されたライムケーキは、方法工程c)で得られる機能改善されたライムケーキの前駆物質から少なくとも1つのメンブレンフィルタープレスによって得られる。
【0038】
本発明の好ましい一実施形態では、方法工程d)における機能改善されたライムケーキは、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)を方法工程c)で得られる機能改善されたライムケーキの前駆物質に添加した後に少なくとも1つのメンブレンフィルタープレスによって得られる。
【0039】
本発明の好ましい一実施形態では、方法工程d)で得られる機能改善されたライムケーキは、少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも91重量%、好ましくは少なくとも92重量%(TS、機能改善されたライムケーキのTSに対する)の炭酸カルシウム含量(CaCO3含量)を有する。
【0040】
本発明の好ましい一実施形態では、方法工程d)で得られた機能改善されたライムケーキは、85~95重量%、好ましくは88~92重量%、好ましくは90重量%(機能改善されたライムケーキの全重量に対する)の乾燥物質含量を有する。
【0041】
本発明はまた、本発明による方法に従って製造できる、好ましくは製造される機能改善されたライムケーキに関する。
【0042】
本発明はまた、濾過助剤、充填材料、石灰肥料又は色素吸着用の吸着剤としての、本発明による方法に従って製造できる、好ましくは製造される機能改善されたライムケーキの使用に関する。
【0043】
本発明はまた、方法工程c)で得られる機能改善されたライムケーキの前駆物質に、特にCa(OH)2を添加した後に、本発明による方法に従って製造できる、好ましくは製造される、糖汁を精製するため、特に石灰・炭酸抽出物精製をするための、機能改善されたライムケーキの使用に関する。
【0044】
本発明に関して、「機能改善されたライムケーキ」とは、石灰・炭酸抽出物精製の第1炭酸化及び/又は第2炭酸化においてそれぞれの炭酸化泥漿の圧搾によって得られる未処理のライムケーキと特にその純度及びその高いCaCO3含量の点で異なり未処理のライムケーキとは対照的に種々の用途のために、例えば肥料、濾過助剤、充填材料又は色素吸着用の吸着剤として使用され得るという点で異なるライムケーキと解釈される。本発明によれば、機能改善されたライムケーキは、工程d)において、工程c)で得られた機能改善されたライムケーキの前駆物質から直接的に得られるライムケーキでもあり、工程d)において、Ca(OH)2を工程c)で得られた機能改善されたライムケーキの前駆物質に添加した後に得られるライムケーキでもあり得る。

【0045】
したがって、「機能改善されたライムケーキ」という用語は、本発明によれば、特に方法工程a)、b)、c)及びd)を含む本発明による方法の成果であるライムケーキを指す。
【0046】
したがって、本発明により製造されるライムケーキ、つまり機能改善されたライムケーキは、方法工程a)、b)、c)及びd)並びに任意選択で実施される更なる方法工程を含むライムケーキからのライムケーキの本発明による製造方法の生成物であり、したがってこれらの方法工程の実施によって得られる。本発明により調製されるライムケーキは、特にその純度及びその高いCaCO3含量に基づき機能改善されており、したがって、より多数の用途、すなわち機能のために使用することができる。
【0047】
本発明に関して、「炭酸化(炭酸処理とも言う)」とは、二酸化炭素の導入によりカルシウム含有の溶液又は懸濁液の炭酸塩含量を増加させることと解釈される。特にその用語は、本発明によれば水酸化カルシウム及び二酸化炭素から不溶性の炭酸カルシウムが形成される化学反応を指す。
【0048】
本発明に関して、用語「非ショ糖分」とは、タンパク物質、多糖類及び細胞壁成分等の高分子物質並びに無機酸及び有機酸、アミノ酸、色素及び鉱物物質等の低分子化合物と解釈される。細胞壁成分は、特にペクチン、リグニン、セルロース及びヘミセルロースである。これらの物質は、タンパク質の他に特に核タンパク質が属するタンパク質と同様に、親水性巨大分子としてコロイド分散形で存在する。有機酸は、例えば乳酸塩、クエン酸塩及びシュウ酸塩である。無機酸は、特に硫酸塩及びリン酸塩である。用語「有機非ショ糖分」とは、本発明に関して、炭素を基礎とする、糖分ではない高分子及び低分子の化学的化合物と解釈される。
【0049】
「予備石灰処理」とは、ビート粗汁又はビート抽出物に石灰乳を、100mlのビート粗汁当たり約0.1g~0.3gのCaOまで添加することと解釈される。予備石灰処理では、ビート粗汁は、穏やかな条件下でアルカリ化され、その際、ビート粗汁のpH値は、約6から約11.5にまで上昇する。予備石灰処理は、ペクチン及びタンパク質等の非ショ糖分の凝集のためだけでなく、難溶性のカルシウム塩の沈殿のためにも用いられる。
【0050】
本発明に関して、「本石灰処理」とは、予備石灰処理汁のアルカリ度を高めるために高められた温度で予備石灰処理汁に石灰乳を更に添加して、本石灰処理汁を得ることと解釈される。本石灰処理の課題は、特に転化糖及び酸アミドの化学的分解にある。
【0051】
用語「ビート粗汁」とは、コセットから向流抽出によって約65℃~75℃でいわゆる拡散法において抽出される糖汁と解釈される。この糖に富んだビート粗汁は、糖の他になおも、非ショ糖分と呼ばれる、ビートの種々の有機成分及び無機成分を含有する。
【0052】
「石灰乳」とは、特に、焼石灰(酸化カルシウム)と水との激しく発熱性の反応において形成され、予備石灰処理及び本石灰処理において石灰処理剤として使用される水酸化カルシウム(Ca(OH)2)と解釈される。予備石灰処理におけるビート粗汁への石灰乳の添加は、非ショ糖分の沈殿又は凝固を凝固物の形態で引き起こす。
【0053】
「凝固物」との呼称とは、凝集過程に基づいて形成されるビート粗汁中に存在する非ショ糖分の集塊物と解釈され、それらは予備石灰処理からのタンパク質含有画分とも呼称される。この凝固物は、特に、有機酸又は無機酸のアニオンとカルシウムとの反応によって形成される不溶性又は難溶性の塩、並びに通常はビート粗汁中にコロイド分散的に分散しているタンパク物質、多糖類及び細胞壁成分等の、特に親水性特性を有する沈殿したビート粗汁の高分子成分を含む。凝集過程は、架橋性ポリマーの吸着によって凝集が起こるフロキュレーション、及び反発力の減少又は低下によって凝集が起こる凝固に分けられる。この場合に、凝集速度は、温度、pH値及び石灰乳の添加様式に依存する。例えば撹拌及び振盪に際しての機械的エネルギー、例えば昇温による熱的エネルギー、電気的エネルギー等の供給は、凝集又は凝固を促進し得る。個々の糖汁構成成分、例えばシュウ酸イオン、リン酸イオン、クエン酸イオン及び硫酸イオン等のアニオン並びにペクチン及びタンパク質等のコロイドの沈殿は、決められたpH範囲内で起こり、その際、このpH範囲内で沈殿物の濃化が行われる。最大量のコロイドが凝集し、不溶性石灰塩の沈殿がほぼ完全となるpH値は、予備石灰処理の至適凝集点と呼ばれる。至適凝集点で沈殿が行われると、コロイド分散された高分子の糖汁成分の一様の安定な凝集が生じる。
【0054】
「凝集剤」とは、コロイド状懸濁液中の粒子がフロックへと凝集し、例えば沈降後に系から除去可能であるように粒子のゼータ電位に影響を及ぼす物質と解釈される。したがって、凝集剤は、水中で大抵は負に帯電した粒子の静電的反発作用を克服せねばならない。
【0055】
「分離装置又は分離除去装置」とは、本発明によれば、特に固/液分離のための装置と解釈される。重力、遠心力、圧力又は真空の利用に基づく機械的方法が固/液分離の基礎となる。記載される分離装置又は分離除去装置の操作方式の基礎となる固体/液体分離法には、とりわけ、デカンテーション、濾過、沈降、清澄化及び遠心分離が該当する。
【0056】
本発明に関して、「メンブレンフィルタープレス」とは、フレームフィルタープレス又はチャンバーフィルタープレスのいずれかとして構成されているフィルター装置と解釈される。フレームフィルタープレスとして構成されるメンブレンフィルタープレスは、メンブレンで覆われている又はメンブレンフィルターとして構成されている直角の垂直に立っている溝付きの平行に接続された多数のプレートと、その間に存在するフィルターケーキを受けるためのフレームを含む。チャンバーフィルタープレスとして構成されるメンブレンフィルタープレスは、厚みのある縁部が本来のフィルター表面から突出しているため、そのような2枚のプレート間にフィルターケーキを受けるためのチャンバーが形成される多数のメンブレンフィルタープレートを含む。
【0057】
本発明に関して、「デカンテーション」とは、重力による沈降原理に従って、沈降した物質を液体から機械的に除去するための方法と解釈される。
【0058】
本発明に関して、「含む」という語句とは、その語句が明確に対象とする要素に加えて、更にその他の明確に挙げられていない要素も加わることができると解釈される。本発明に関して、その語句は、明示的に挙げられた要素だけを対象とし、更なる要素が存在しないこととも解釈される。この特定の実施形態では、「含む」という語句の意味は、「~からなる」という語句と同義である。さらに、「含む」という語句はまた、明確に挙げられた要素の他に、挙げられていないが、機能的及び質的に従属的な性質を有する更なる要素も含む全体を対象とする。この実施形態では、「含む」という語句は、「実質的に~からなる」という語句と同義である。
【0059】
更なる好ましい実施形態は、従属請求項の主題である。

本発明は例えば以下の態様を含む。
[項1]
ライムケーキから機能改善されたライムケーキを製造する方法であって、以下の方法工程:
a)少なくとも85重量%のCaCO 3 及び最大1重量%の有機非ショ糖分(それぞれTS(乾燥物質)、ライムケーキのTSに対する)を含有する、最大20μmの平均粒径を有するライムケーキを調製する方法工程、
b)前記ライムケーキを炭酸化する方法工程、
c)炭酸処理されたライムケーキから色素含有液相を分離することで、機能改善されたライムケーキの前駆物質を得る方法工程、並びに
d)機能改善されたライムケーキを得る方法工程
を含む、方法。
[項2]
方法工程a)とb)との間、方法工程b)とc)との間、又は方法工程a)とb)との間及び方法工程b)とc)との間にライムケーキの希釈を実施する、項1に記載の方法。
[項3]
前記方法工程d)で得られる機能改善されたライムケーキが、前記方法工程c)で得られる機能改善されたライムケーキの前駆物質から少なくとも1つのメンブレンフィルタープレスによって得られる、項1又は2に記載の方法。
[項4]
方法工程d)で得られる機能改善されたライムケーキが、少なくとも90重量%(TS、機能改善されたライムケーキのTSに対する)のCaCO 3 含量を有する、項1から3のいずれか一項に記載の方法。
[項5]
方法工程c)に引き続き、前記方法工程c)で得られる機能改善されたライムケーキの前駆物質へのCa(OH) 2 の添加を行う、項1から4のいずれか一項に記載の方法。
[項6]
前記方法工程a)で調製されるライムケーキが、55~80重量%(ライムケーキの全重量に対する)の乾燥物質含量を有する、項1から5のいずれか一項に記載の方法。
[項7]
前記方法工程b)で炭酸化のために使用されるライムケーキが、25~40重量%(炭酸処理されるべきライムケーキの全重量に対する)の乾燥物質含量を有する、項1から6のいずれか一項に記載の方法。
[項8]
前記方法工程c)における分離に供給される炭酸処理されたライムケーキが、15~30重量%(炭酸処理されたライムケーキの全重量に対する)の乾燥物質含量を有する、項1から7のいずれか一項に記載の方法。
[項9]
前記方法工程d)で得られる機能改善されたライムケーキが、85~95重量%(機能改善されたライムケーキの全重量に対する)の乾燥物質含量を有する、項1から8のいずれか一項に記載の方法。
[項10]
前記方法工程a)で使用されるライムケーキが、コロイドが低減されたライムケーキである、項1から9のいずれか一項に記載の方法。
[項11]
項1から10のいずれか一項に記載の方法により製造できる機能改善されたライムケーキ。
[項12]
濾過助剤、充填材料、石灰肥料又は色素吸着用の吸着剤としての、項11に記載の機能改善されたライムケーキの使用。
[項13]
項4に記載の方法に従って特に製造できる、項11に記載の機能改善されたライムケーキの糖汁の精製のための使用。

【0060】
本発明を、以下の実施例及び図面に基づき例示する。
【実施例
【0061】
[実施例1]:
1. 機能改善されたライムケーキの製造
1.1 本発明による方法で使用するために適したライムケーキの製造
a)予備石灰処理
30kgのビート粗汁を、撹拌機構、CO2導入管及びpH電極を備える50l容量を有する加熱可能な容器中に入れて、55℃に加熱する。20分の期間にわたり、その粗汁に石灰乳を、予備石灰処理の至適凝集点のpH値になるまで徐々に添加する(100mlの糖汁当たり約0.1g~0.3gのCaO)。沈降速度を高めるために、引き続きポリアニオン性凝集助剤(AN 945)を添加する。形成された清澄な上清(清澄汁(Klarsaft))を貯蔵槽へと排出する。形成された予備石灰処理凝固物を排出し、メンブレンフィルタープレス又はデカンタ型遠心分離機に供給する。
【0062】
b)本石灰処理
25kgの清澄汁を、洗浄された加熱可能な容器に入れ、100mlの糖汁当たり0.6gのCaOのアルカリ度まで石灰乳を加える。次いで、糖汁温度を85℃に高める。この温度を20分間保持する。
【0063】
c)第1炭酸化
CO2の導入により、pH値を15分の期間にわたって11.2へと下げる。
【0064】
d)第1濾過
炭酸処理された糖汁を30l容の圧力フィルターへと移して濾過する。得られた第1泥状汁の濾過係数は、0.5s/cm2未満である。
【0065】
e)第2炭酸化
濾過された糖汁を洗浄された加熱可能な容器へと移して95℃に加熱する。CO2の導入により、pH値を9.2へと下げる。
【0066】
f)第2濾過
炭酸処理された糖汁を30l容の圧力フィルターへと移して濾過する。第2泥状汁及び希薄汁(Duennsaft)が得られる。
【0067】
g)ライムケーキの分離
第1炭酸化及び第2炭酸化(工程c)及びe))から濾過によって得られる泥状汁(工程d)及びf))を一つにまとめ、ライムケーキを得るためにメンブレンフィルタープレスによって圧搾する。得られたライムケーキは、86%のCaCO3含量、20μm未満のCaCO3結晶の粒径及び約1%(TS、ライムケーキのTSに対する)の有機非ショ糖分の量を有する。
【0068】
1.2 ライムケーキからの機能改善されたライムケーキの製造
まず、節1.1による86%のCaCO3含量、20μm未満のCaCO3の粒径及び約1%の有機非ショ糖分の量を有するコロイド不含のライムケーキを、凝縮液(水の使用も可能である)により懸濁することによって約30%~35%の乾燥物質の固形分を有するライムケーキ懸濁液を製造した。得られた懸濁液を約80℃に加熱し、引き続き二酸化炭素によりガス処理(炭酸処理)することで、懸濁液のpH値を低下させた。pH値の終点は、二酸化炭素によるガス処理後に8.5であった。得られた懸濁液を、それに基づいて凝縮液(水の使用も可能である)により25%の乾燥物質含量にまで希釈し、固形分をデカンテーション(濾過又は遠心分離等の別の適切な分離法も可能である)によって色素含有の液相から分離した。得られた機能改善されたライムケーキの前駆物質は、93%のCaCO3含量を有していた。

【0069】
得られた機能改善されたライムケーキの前駆物質を、引き続き直接的に機能改善されたライムケーキを得るためにメンブレンフィルタープレスによって圧搾することができ、又は実施例2による活性化された機能改善されたライムケーキの製造のために使用することができる。
【0070】
[実施例2]:
活性化された機能改善されたライムケーキの製造
実施例1からの機能改善されたライムケーキ(93%のCaCO3含量)の活性化のために、約35%の乾燥物質含量を有する機能改善されたライムケーキから得られた前駆物質を、新たな石灰乳(Ca(OH)2)の添加によって約11のpH値に調整し、引き続きメンブレンフィルタープレスによって圧搾した。
図1
図2