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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-13
(45)【発行日】2022-10-21
(54)【発明の名称】ランチャーの射出軌道装置
(51)【国際特許分類】
   B64F 1/06 20060101AFI20221014BHJP
【FI】
B64F1/06
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021509202
(86)(22)【出願日】2019-09-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-27
(86)【国際出願番号】 CN2019105504
(87)【国際公開番号】W WO2020052612
(87)【国際公開日】2020-03-19
【審査請求日】2021-04-12
(31)【優先権主張番号】201811075299.1
(32)【優先日】2018-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521067717
【氏名又は名称】青▲島▼▲啓▼航▲彈▼射科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲畢▼和▲軍▼
【審査官】金田 直之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0297740(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第107933947(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第104015933(CN,A)
【文献】特表2016-531799(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64F 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース及びベースに位置する軌道を備えるランチャーの射出軌道装置であって、軌道は1つの軌道であってもよく、又は複数の軌道組み立てて成るものであってもよく、複数の軌道端部同士をヒンジ連結することによって軌道平面の側方向又は縦方向に折り畳んで収納されることを実現し、軌道のヒンジ連結部位にケーブルガイド滑車が設置され、
前記軌道は上、下、左、右板を挿接して補助的に溶接することによって形成され、上、下、左、右板に接合用の穿孔及び縁部バンプが設けられ、穿孔とバンプが位置決めして設置され、各板はバンプと穿孔によって挿接して組み立てられ且つ補助的に溶接固定され、前記軌道はリブ板をさらに備え、前記リブ板は縦方向又は斜め方向に上記板の間に設置され、同様に穿孔と縁部バンプによって周囲の各板と挿接して補助的に溶接固定され、上記左、右板の上端に滑走路が設置され、滑走路は同様に穿孔と縁部バンプによって左、右板と挿接して補助的に溶接固定され、
前記左、右板は平行に設置され、上、下板は平行又は非平行に設置され、前記リブ板は周辺の各板と垂直に又は斜め方向に交差して設置され、前記上、下、左、右板及びリブ板にそれぞれ減量孔が設けられ、前記軌道の前後両端にそれぞれ牽引ケーブルを設置するための少なくとも1つの滑車が設けられ、
前記軌道の後部がヒンジ連結方式によってベースに取り付けられ、軌道前部の両側に一対のバランス油圧シリンダが同軸にヒンジ連結され、一対のバランス油圧シリンダの他端が同様にベースの両側に同軸にヒンジ連結され、一対のバランス油圧シリンダは構造が同じであり左右対称に設置され、一対のバランス油圧シリンダのシリンダが油圧管を介して連通し、一対のバランス油圧シリンダの間に密閉する油路が構成され、
一対のバランス油圧シリンダの間に位置し、両端がそれぞれ軌道とベースにヒンジ連結され、自体がヒンジ軸に垂直にヒンジ連結され、ヒンジ軸が一対のバランス油圧シリンダのヒンジ軸に同軸又は平行である昇降油圧シリンダをさらに備えることを特徴とするランチャーの射出軌道装置。
【請求項2】
前記軌道における挿接用の縁部バンプと穿孔部位はスポット溶接及びショートアーク溶接方式を使用し、穿孔領域において挿接される板と穿孔される板を溶接し、溶接部位が互いに分離していることを特徴とする請求項1に記載のランチャーの射出軌道装置。
【請求項3】
軌道の上板と下板との間に上中間板、下中間板がさらに取り付けられ、前記上中間板、下中間板が左板、右板に垂直であり、上、下板の方向に沿って設置され、前記上中間板、下中間板が同様に穿孔と縁部バンプによって周囲の各板と接合して補助的に溶接固定されることを特徴とする請求項1に記載のランチャーの射出軌道装置。
【請求項4】
リブ板は上、下、左、右板の間に設置され、各板に垂直であり、リブ板はさらに左、右板の間に設置され、左、右板に垂直であることを特徴とする請求項1に記載のランチャーの射出軌道装置。
【請求項5】
前記軌道は1つの主軌道であってもよく、主軌道、副軌道1及び/又は副軌道2であってもよく、主軌道、副軌道1及び/又は副軌道2、副軌道3及び/又は副軌道4であってもよく、上記副軌道1、副軌道2がそれぞれ主軌道の前後両端にヒンジ連結されることで、主軌道平面における副軌道1、副軌道2の側方向折り畳み収納を実現し、上記副軌道3が副軌道1にヒンジ連結されることで、副軌道3のヒンジ連結点回りの縦方向折り畳み収納を実現し、副軌道4が副軌道2にヒンジ連結されることで、副軌道4のヒンジ連結点回りの縦方向折り畳み収納を実現することを特徴とする請求項1に記載のランチャーの射出軌道装置。
【請求項6】
前記軌道は主軌道、副軌道1及び副軌道2からなり、主軌道の前後両端に位置する副軌道1、副軌道2がヒンジ連結によって主軌道平面における左、右逆方向折り畳み収納を実現でき、中間に位置する主軌道の後部がベースにヒンジ連結され、主軌道の前部が一対のバランス油圧シリンダ、昇降油圧シリンダによってベースにヒンジ連結され、前記主軌道、副軌道1及び副軌道2の相互ヒンジ連結点にケーブルガイド滑車が設置されることを特徴とする請求項に記載のランチャーの射出軌道装置。
【請求項7】
ケーブルガイド滑車は上、下ケーブルガイド滑車を備え、上、下ケーブルガイド滑車は1組であり、1組のケーブルガイド滑車はそれぞれ主軌道、副軌道1、副軌道2のヒンジ連結部位に縦方向に設置され、軌道の両端に少なくとも1つの滑車がそれぞれ設置され、滑車の間に牽引ケーブルが設置されることを特徴とする請求項に記載のランチャーの射出軌道装置。
【請求項8】
一対のバランス油圧シリンダのシリンダブロック又はシリンダブロック延長部材がベースの左、右位置にヒンジ連結され、一対のバランス油圧シリンダの上端のピストンロッドが軌道の左右両側にヒンジ連結され、昇降油圧シリンダのシリンダブロック又はシリンダブロック延長部材がベースの中間位置にヒンジ連結され、昇降油圧シリンダの上端のピストンロッドが軌道にヒンジ連結され、
一対のバランス油圧シリンダはいずれもダブルロッド油圧シリンダであり、シリンダ径が等しく、2つのシリンダのピストンの直径、ピストン前後のピストンロッドの直径がいずれも同じであり、一対のバランス油圧シリンダのシリンダブロックの上下部位にそれぞれ油出入り孔が設けられ、2つのシリンダの下部における油孔がいずれも油圧管を介して対向シリンダの上部における油孔に接続され、密閉油路を形成し、一対のバランス油圧シリンダが同期運動することを特徴とする請求項1に記載のランチャーの射出軌道装置。
【請求項9】
軌道にセンサが設置され、センサは回転式デジタルエンコーダーであり、エンコーダーの回転軸は軌道後部の滑車と同期連動し、又は軌道の後部に滑車が別途設置されることによって牽引ケーブルと同期連動することを特徴とする請求項1又は又はに記載のランチャーの射出軌道装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無人航空機発射の分野に関し、具体的には、ランチャーの射出軌道装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無人航空機の離陸には、滑走、車載、空中投下、手投げ、ロケットによるブースト、射出離陸などの様々な方法がある。中でも、射出離陸は現在、国内外が研究する主流となっている。射出離陸は環境、滑走路等の要素による制限がなく、いつでもどこでも離陸可能であり、幅広い適用性を有する。
【0003】
現在、大型射出装置は、軌道の長さが大きく、発射速度が高く、風速、振動等の要素の影響を受けるため、軽く揺れる場合でも、航空機の軌道離脱動作の変形やバランス崩れを引き起こす可能性があり、航空機に対する激しい揺れの干渉は飛行、作業事故を招く可能性がある。そして、航空機発射作業過程では、自体の衝撃振動は発射軌道の揺れを引き起こし、キャリアシャーシ、搭載車は揺れ動作を深刻化する可能性がある。従って、耐揺れ安定性は射出軌道にとって非常に重要である。
【0004】
耐揺れ性を向上させるために、従来の射出軌道安定化手段では、キャリアシャーシには、対向に開口し上向きに延伸する「C」型断面を有する2つの平行軌道が設置され、軌道の下方には平行摺動フレームが設置され、下方のキャリアシャーシに取り付けられた「C」型軌道に挿入され、「C」型軌道による平行摺動フレームの左右制限及び上下摺動によって、軌道の安定性を高める。上記構造は重く、起立高さの増加に伴い、耐揺れ能力が大幅に低下してしまう。
【0005】
一方、従来のランチャーは、軌道の前部のみに、牽引ケーブルによってトロリーを前向きの射出運動を行うように牽引するための滑車が設置され、軌道の前部に、射出行程の末端でトロリーに対して緩衝・停止を実施するための油圧ダンピング緩衝装置又は弾性ダンピングケーブルが設置される。このような緩衝・停止方式は不可避的にトロリーの発射行程の末端で軌道や発射システムに激しい衝撃を与え、衝撃による角速度及びそれに起因する干渉は航空機の軌道離脱に有害である。そして、従来の緩衝ダンピング方式は調整、適応機能を具備せず、安定性、信頼性が相対的に低く、末端での衝撃エネルギーが低い軽量の小型、低速発射システムにしか適用できない。また、牽引トロリーはウインチを追加すること又は手動で後ろへ牽引することによって復帰を実現する必要がある。
【0006】
なお、従来の射出軌道装置は測定機構がないため、射出過程におけるトロリー及び無人航空機の運動データを取得するには、高速カメラ、ワイヤレスセンサ等の付加的な機器を使用して測定制御を行う必要があり、システムのコストが高く、操作が複雑である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする技術的問題は、従来技術の欠陥を克服し、軽量で、構造剛性が大きく、耐衝撃性が高く、使用や操作が簡単で、技術が先端的で、測定制御が容易で、安定性及び信頼性が高く、産業上の量産が容易である特徴を有するランチャーの射出軌道装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の技術的解決手段は、ランチャーの射出軌道装置であり、ベース及びベースに位置する軌道を備え、軌道は1つの軌道であってもよく又は複数の軌道を組み立ててなるものであってもよく、複数の軌道は端部同士をヒンジ連結することによって軌道平面の側方向又は縦方向に折り畳んで収納されることを実現し、軌道のヒンジ連結部位にケーブルガイド滑車が設置される。
【0009】
前記軌道は上、下、左、右板を挿接して補助的に溶接することによって形成され、上、下、左、右板に接合用の穿孔及び縁部バンプが設けられ、穿孔とバンプが位置決めして設置され、各板はバンプと穿孔によって挿接して組み立てられ且つ補助的に溶接固定され、前記軌道はリブ板をさらに備え、前記リブ板は縦方向又は斜め方向に上記板の間に設置され、同様に穿孔と縁部バンプによって周囲の各板と挿接して補助的に溶接固定され、上記左、右板の上端に滑走路が設置され、滑走路は同様に穿孔と縁部バンプによって左、右板と挿接して補助的に溶接固定され、滑走路は左、右板の上端にそれぞれ単独に取り付けられ、又は滑走路は左、右板の上端に一体として取り付けられる。
【0010】
前記左、右板は平行に設置され、上、下板は平行又は非平行に設置され、前記リブ板は周辺の各板と垂直に又は斜め方向に交差して設置され、前記上、下、左、右板及びリブ板にそれぞれ減量孔が設けられ、前記軌道の前後両端にそれぞれ牽引ケーブルを設置するための少なくとも1つの滑車が設けられ、
前記軌道の後部がヒンジ連結方式によってベースに取り付けられ、軌道前部の両側に一対のバランス油圧シリンダが同軸にヒンジ連結され、一対のバランス油圧シリンダの他端が同様にベースの両側に同軸にヒンジ連結され、一対のバランス油圧シリンダは構造が同じであり左右対称に設置され、一対のバランス油圧シリンダのシリンダが油圧管を介して連通し、一対のバランス油圧シリンダの間に密閉する油路が構成され、
一対のバランス油圧シリンダの間に位置し、両端がそれぞれ軌道とベースにヒンジ連結され、自体がヒンジ軸に垂直に剛性的にヒンジ連結され、ヒンジ軸が一対のバランス油圧シリンダのヒンジ軸に同軸又は平行である昇降油圧シリンダをさらに備える。
【0011】
さらに、前記軌道における挿接用の穿孔と縁部バンプはスポット溶接及びショートアーク溶接方式によって溶接固定され、溶接部位が互いに分離している。
【0012】
さらに、軌道の上板と下板との間に上中間板、下中間板がさらに取り付けられ、前記上中間板、下中間板が左板、右板に垂直であり、上、下板の方向に沿って設置され、前記上中間板、下中間板が同様に穿孔と縁部バンプによって周囲の各板と挿接して補助的に溶接固定される。
【0013】
さらに、リブ板は上、下、左、右板の間に設置され、各板に垂直であり、リブ板はさらに左、右板の間に設置され、左、右板に垂直である。
【0014】
さらに、上板、上中間板、左板、右板の間にリブ板も設置され、リブ板が周囲の各板に垂直であり、下中間板、下板、左板、右板の間にリブ板も設置され、リブ板が周囲の各板に垂直である。
【0015】
さらに、左板、右板、下中間板、下板の間にリブ板も設置され、リブ板が左、右板に垂直であり、下中間板、下板と斜め方向に交差して溶接される。
【0016】
さらに、軌道を構成するリブ板は複数であり、サイズが異なり、所定間隔をあけて均一に配列され、左、右板の間に単独に設置されてもよい。
【0017】
さらに、前記軌道は1つの主軌道であってもよく、主軌道、副軌道1及び/又は副軌道2であってもよく、主軌道、副軌道1及び/又は副軌道2、副軌道3及び/又は副軌道4であってもよく、上記副軌道1、副軌道2がそれぞれ主軌道の前後両端にヒンジ連結されることで、主軌道平面における副軌道1、副軌道2の側方向折り畳み収納を実現し、上記副軌道3が副軌道1にヒンジ連結されることで、副軌道3のヒンジ連結点回りの縦方向折り畳み収納を実現し、副軌道4が副軌道2にヒンジ連結されることで、副軌道4のヒンジ連結点回りの縦方向折り畳み収納を実現する。
【0018】
さらに、前記軌道は主軌道、副軌道1及び副軌道2からなり、主軌道の前後両端に位置する副軌道1、副軌道2がヒンジ連結によって主軌道平面における左、右逆方向折り畳み収納を実現でき、中間に位置する主軌道の後部がベースにヒンジ連結され、主軌道の前部が一対のバランス油圧シリンダ、昇降油圧シリンダによってベースにヒンジ連結され、前記主軌道、副軌道1及び副軌道2の相互ヒンジ連結点にケーブルガイド滑車が設置される。
【0019】
さらに、ケーブルガイド滑車は上、下ケーブルガイド滑車を備え、上、下ケーブルガイド滑車は1組であり、1組のケーブルガイド滑車はそれぞれ主軌道、副軌道1、副軌道2のヒンジ連結部位に縦方向に設置され、軌道の両端に少なくとも1つの滑車がそれぞれ設置され、滑車の間に牽引ケーブルが設置される。
【0020】
さらに、一対のバランス油圧シリンダのシリンダブロック又はシリンダブロック延長部材がベースの左、右位置にヒンジ連結され、一対のバランス油圧シリンダの上端のピストンロッドが軌道の左右両側にヒンジ連結され、昇降油圧シリンダのシリンダブロック又はシリンダブロック延長部材がベースの中間位置にヒンジ連結され、昇降油圧シリンダの上端のピストンロッドが軌道に剛性的にヒンジ連結される。
【0021】
一対のバランス油圧シリンダはいずれもダブルロッド油圧シリンダであり、シリンダ径が等しく、2つのシリンダのピストンの直径、ピストン前後のピストンロッドの直径がいずれも同じであり、一対のバランス油圧シリンダの上下部位にそれぞれ油出入り孔が設けられ、2つのシリンダの下部における油孔がいずれも油圧管を介して対向シリンダの上部における油孔に接続され、密閉油路を形成し、一対のバランス油圧シリンダが同期運動する。
【0022】
さらに、軌道にセンサが設置され、センサは好ましくは回転式デジタルエンコーダーであり、エンコーダーの回転軸は軌道後部の滑車と同期連動し、又は軌道の後部に滑車が別途設置されることによって牽引ケーブルと同期連動する。
【0023】
本発明の利点は以下の通りである。
【0024】
(1)上、下、左、右板及びリブ板が挿接によって位置合わせして組み立てられ、挿接用の穿孔部位で溶接固定され、各板同士が相互に支持し、相互に制限する自己位置決め、自己造形の一体構造を形成し、溶接過程ではシート構造体の位置移動が発生することがなく、軌道構造の形状及び位置精度を確保でき、迅速な量産を実現しやすい。
【0025】
各板同士が相互に剛性的に支持され、剛性的に制限され、スポット溶接、ショートアーク溶接の溶接プロセスを使用することによって、軌道構造が最も小さい変形量を実現し、良好な直線性を有することを確保する。
【0026】
多階層、多角度のシート構造体を挿接して組み立て、各板がプレハブ孔等の減量構造特徴を有し、且つ溶接部位が穿孔領域にあるため、組合せ後の軌道は溶接施工が容易であるだけでなく、非常に高い全体的剛性を有し、構造の軽量化を最大限に実現する。
【0027】
(2)軌道の前後に滑車として前滑車及び後滑車が設置され、前滑車は主に射出過程で牽引トロリーが射出加速を形成することに用いられ、後滑車は主に牽引トロリーを減速停止及び復帰することに用いられる。
【0028】
(3)バランスシリンダの安定化システムは構造がシンプルで軽量であり、全体的剛性が大きく、使用やメンテナンスが簡単であり、耐揺れ安定能力が高さの影響を受けず、装置全体の安定性を確保する。
【0029】
(4)軌道の内部にデータセンサであるエンコーダーが設置されることによって、無人航空機の運動パラメータの測定制御問題を簡単に解決でき、測定制御コストを大幅に削減させる。
【0030】
本発明は設計が科学的かつ合理的であり、軽量であり、構造の剛性が大きく、使用や操作が容易であり、技術が先端的であり、測定制御が容易であり、安定性及び信頼性型核、産業上の量産が容易であり、本分野の技術革命であり、本分野の大きな進歩であり、重要な意義がある。
【図面の簡単な説明】
【0031】
以下、図面及び実施例を参照しながら本発明をさらに説明する。
【0032】
図1】本発明のランチャーの射出軌道装置の構造模式図である。
図2】本発明のランチャーの射出軌道装置の牽引ケーブルの原理図である。
図3】本発明の軌道2における上板21、下板22、左板23、右板24、リブ板27を接合して組み立てた構造の模式図である。
図4図3中のAの部分拡大模式図である。
図5図3中のBの部分拡大模式図である。
図6】本発明の軌道b又はcにおけるリブ板27の取り付け構造模式図である。
図7】本発明の軌道aにおけるリブ板27の取り付け構造模式図である。
図8】本発明の軌道aにおけるケーブルガイド滑車3の取り付け構造模式図である。
図9】本発明の射出軌道装置における横方向ヒンジ連結構造の模式図である。
図10図9中のAの部分拡大模式図である。
図11】一対のバランス油圧シリンダ5、昇降油圧シリンダ6が同軸にヒンジ連結されている模式図である。
図12】本発明の射出軌道装置における滑走路25の構造模式図である。
図13】本発明のベース1の構造模式図である。
図14】本発明の一対のバランス油圧シリンダ5の油管連通の模式図である。
図15】本発明のほかのランチャーの射出軌道装置の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面を参照しながら本発明のランチャーの射出軌道装置を詳細に説明する。
【0034】
図1-14に示すように、ランチャーの射出軌道装置は、ベース1及びベース1に位置する軌道2を備え、本実施例における軌道2は3つの軌道を備えて構成され、それぞれ副軌道1b、主軌道a、副軌道2cであり、副軌道1bの後端と主軌道aの前端がヒンジ連結方式により接続される。
【0035】
より具体的には、副軌道1bの右後端と主軌道aの右前端がヒンジ連結方式により接続され、以上の構造によって、副軌道1bが右側へ湾曲して折り畳むことが可能になり、折り畳み効果として副軌道1bが主軌道aに並行するようになり、収納目的を実現する。主軌道aの左後端と副軌道2cの左前端がヒンジ連結方式によって接続されることで、副軌道2cが左側へ湾曲して折り畳み主軌道aの左側に並行して設置されることを実現し、副軌道2cの収納を実現する。
【0036】
牽引トロリーは上記軌道2上を往復運動し、本発明では、牽引トロリー26は前後の牽引ケーブル28により牽引されて往復運動する。上記折り畳み過程では軌道2の構造体による割れ又は摩耗から牽引ケーブル28を保護するために、上記副軌道1b、主軌道a、副軌道2cのヒンジ連結部位にそれぞれケーブルガイド滑車3が設けられる。具体的には、ケーブルガイド滑車3は上ケーブルガイド滑車31、下ケーブルガイド滑車32を備え、上ケーブルガイド滑車31、下ケーブルガイド滑車32は1組であり、それぞれ滑車を介して動作する牽引ケーブルの往復部分を保護する。ケーブルガイド滑車3はそれぞれ主軌道aの左後端と右前端、副軌道1bの右後端、副軌道2cの左前端に取り付けられ、即ちケーブルガイド滑車3は主軌道a、副軌道1b、副軌道2cの各ヒンジ連結部位に取り付けられる。上記副軌道1b、副軌道2cが側方向に折り畳む際に、牽引トロリー用の牽引ケーブル28も構造変化に伴い湾曲し、湾曲時の割れ又は摩耗を防止するために、ヒンジ連結箇所でのケーブルガイド滑車3が牽引ケーブル28を支持し、軌道自体への接触を回避し、牽引ケーブルに一定の張力がある場合であっても、牽引ケーブル28の前後牽引が可能であり、それによって牽引ケーブルを保護する作用を実現する。
【0037】
上記牽引トロリーの往復運動を確保するために、軌道2の前後両端にそれぞれ滑車4が設置され、具体的には、前滑車41、後滑車42である。具体的には、副軌道1b、副軌道2cの両端部に取り付けられ、滑車4内に牽引ケーブル28が取り付けられてもよく、牽引トロリーが牽引ケーブル28に接続して固定され、牽引ケーブル28に動力装置が外付けされる。本発明は、牽引ケーブル前滑車41によって射出過程でトロリーを牽引して射出加速を形成し、牽引ケーブル28が後滑車42によってトロリーに対して減速停止及び後向き復帰を行うように配置される。
【0038】
本発明は従来のダンピング緩衝装置を変更し、発射行程の末端でトロリーの衝撃によってランチャーの前部にもたらされる衝撃損傷を回避する。さらに、牽引ケーブル28と後滑車42によって牽引トロリー26を緩衝・停止することで、牽引トロリーによる異なる衝撃エネルギーの吸収及び適応的調整を実現する。牽引ケーブル28は後滑車42によってさらに牽引トロリー26の牽引復帰を実現できる。
【0039】
図3-5に示すように、以下、軌道2の具体的な構造をさらに説明、及び公開する。
【0040】
軌道2は上板21、下板22、左板23、右板24を接合し補助的に溶接することによって形成される。具体的には、上板21、下板22、左板23、右板24に複数の接合用の縁部バンプと穿孔が設けられ、これらのバンプと穿孔は位置決めして設置される。以上の各板はそれぞれのバンプと穿孔による挿接によって正確な位置決め、造形及び構造支持を行い、各板同士は穿孔とバンプの位置決め接続箇所で溶接され、ほかの接続部位で溶接スポットを追加して補強し、すべての溶接はスポット溶接及びショートアーク溶接方式を採用し、各溶接部位が互いに分離している。左板23、右板24は平行に設置され、上板21、下板22も平行に設置される。上記左板23、右板24の上端にそれぞれ滑走路25が取り付けられ、滑走路25は同様にバンプと穿孔によって左板23、右板24と接合して補助的に溶接固定され、牽引トロリー26の運動を支持、ガイド及び限定することに用いられる。
【0041】
主軌道aの上板21と下板22との間に上中間板211、下中間板212がさらに取り付けられ、前記上中間板211、下中間板212は左板23、右板24に垂直であり、上板21、下板22の方向に沿って設置される。前記上中間板211、下中間板212は上板21又は下板22に平行である。上中間板211、下中間板212は同様にバンプと穿孔によって周囲の各板と接合して補助的に溶接固定される。
【0042】
また、上板21、下板22、左板23、右板24の間に複数のリブ板27がさらに設けられ、リブ板27は同様にバンプと穿孔によって周囲の各板と接合して補助的に溶接固定される。さらに、リブ板27は周辺の各板と垂直に又は交差して設置される。図6-7に示すように、実施例では、リブ板27も2種の場合がある。場合1として、主軌道aの内部におけるリブ板は上リブ板b1、下リブ板b2を備え、これら2つのリブ板は上下に対応して取り付けられ、上リブ板b1の下縁バンプと下リブ板b2の上縁バンプは上中間板211、下中間板212のプレハブ孔部位を挿通して溶接固定される。場合2として、副軌道1b及び副軌道2cにおいて、上板21、下板22、左板23、右板24の間に複数のリブ板27が直接設置される。リブ板27、上リブ板b1、下リブ板b2はいずれも所定間隔をあけて設置される。左板23、右板24の間にも斜め方向リブ板が設けられ、斜め方向リブ板は左板23、右板24に垂直であるが、上板21、下板22に垂直ではない。斜め方向リブ板は同様にバンプと穿孔によって左板23、右板24と接合して補助的に溶接固定される。
【0043】
上記上板21、下板22、左板23、右板24、リブ板27に減量孔、ねじ、ねじ穴、接続部品等がさらに設けられ、減量孔8は所定間隔をあけて均一に配列され、異なる部位及び力受け要件に応じて、異なる孔の形状及びサイズを設定できる。ねじ、ねじ穴、接続部品は後続の部材の取り付けに用いられる。
【0044】
以下、上記軌道2とベース1との取り付け接続について詳細に説明する。
【0045】
本実施例では、ベース1は具体的には、長さが同じである2本の長尺状構造体11を並行に配列してなり、長尺状構造体11の後端部にベース横方向構造体112が設置され、長尺状構造体11の中前部にベース横方向構造体213が設置される。それとともに、長尺状構造体11の後端部にピラー14が設置され、ピラー14がそれぞれ2本の長尺状構造体11の端部に設置され、ピラー14とベース長尺状構造体11、横方向構造体112との間に補強用の補強部材15がさらに設置される。長尺状構造体11の他端に、軌道が元の状態に戻る安定支持フレーム16が設置され、軌道を支持する作用を実現する。
【0046】
上記ベース1に対して、軌道2の取り付け方式は以下の通りである。
【0047】
本実施例では、軌道2は副軌道1b、主軌道a、副軌道2cを備え、主軌道aの後部がヒンジ連結方式によってベースのピラー14に取り付けられ、軌道aはヒンジ連結点を中心に回転運動可能であり、最後に軌道aの前部を上下に回転運動させる。
【0048】
主軌道aの前部の両側に一対のバランス油圧シリンダ5が同軸にヒンジ連結され、一対のバランス油圧シリンダ5の他端がそれぞれベース横方向構造体213の左右位置にヒンジ連結され、ベース横方向構造体213、一対のバランス油圧シリンダ5及びバランス油圧シリンダの上方に位置するヒンジ軸が等脚台形構造を形成する。具体的には、一対のバランス油圧シリンダ5のシリンダブロックがベース横方向構造体213の左右両側にヒンジ連結され、一対のバランス油圧シリンダ5の上端のピストンロッドが軌道aの左右両側にヒンジ連結される。
【0049】
ただし、一対のバランス油圧シリンダ5は構造が同じであり左右対称に設置され、いずれもダブルロッド油圧シリンダであり、シリンダ径が等しく、2つのシリンダのピストンの直径、ピストン前後のピストンロッドの直径がいずれも同じであり、一対のバランス油圧シリンダ5の上下部位にそれぞれ油出入り孔が設けられ、各シリンダの下部における油孔ともう1つのシリンダの上部における油孔が油圧管を介して接続され、2つのシリンダの間に密閉する循環油路が形成され、一対のバランス油圧シリンダ5が同期運動を実現し、図10に示すように、黒の太線は油圧管ライン51の接続を模式的に示す。
【0050】
軌道2の上昇と降下過程を実現するために、一対のバランス油圧シリンダ5の間に昇降油圧シリンダ6がさらに設置され、昇降油圧シリンダ6の上端のピストンロッドが軌道aの前部にヒンジ連結される。図11に示すように、昇降油圧シリンダ6の上端が一対のバランス油圧シリンダ5の上端のヒンジ軸と同軸である。昇降油圧シリンダ6のシリンダブロックがビーム213の中間位置にヒンジ連結される。昇降油圧シリンダ6のピストンロッドと上ヒンジ軸はいずれも垂直な剛性的ヒンジ連結を維持する。
【0051】
上記バランス油圧シリンダを使用する原理は以下の通りである。
【0052】
昇降油圧シリンダ6が昇降動作過程を行う際に、一対のバランス油圧シリンダ5が昇降油圧シリンダ6、軌道2とともに動作する。一対のバランス油圧シリンダ5の長さ及び伸縮量が同期して一致するように維持され、且つ左右両側が等脚台形状に設置されるため、軌道2が軽く左右に揺れても、等脚台形の上底辺である一対のバランス油圧シリンダ5と軌道2のヒンジ連結軸が大角度変化し、その結果、軌道2の大角度の横方向のねじれを招いてしまう。最後に、昇降油圧シリンダ6の上部と同軸の又は平行なヒンジ軸とともに左上右下又は左下右上のような大角度揺れが生じてしまう。
【0053】
しかしながら、昇降油圧シリンダ6と軌道2のヒンジ連結軸が垂直なヒンジ連結を保持し且つ十分な剛性を有するため、軌道2の大角度ねじれ及び昇降油圧シリンダ6の上部と同軸の又は平行なヒンジ軸の左端と右端の逆方向大角度揺れは昇降油圧シリンダ6のシリンダブロック又はピストンロッドが大幅なフレキシブル湾曲を許可する場合にしか形成できない。本実施例では、昇降油圧シリンダ6のシリンダブロック及びピストンロッド自体の剛性は以上のこのような湾曲に抵抗できる。従って、一対のバランス油圧シリンダ5と昇降油圧シリンダ6の共同作用では、軌道2はバランスを維持し揺れに耐える機能を具備する。且つ、一対のバランス油圧シリンダ5の安定化システムは構造が簡単で軽量であり、全体的剛性が大きく、メンテナンスが簡単であり、耐揺れ安定能力が高さの影響を受けない。
【0054】
動作原理の過程は以下の通りである。
【0055】
本発明を使用する際に、昇降油圧シリンダ5によって軌道を所定角度に上昇させ、軌道のうちの副軌道1b、副軌道2cが左又は右へ所定位置に展開して、端部同士が接続された長い軌道2を構成する。
【0056】
上記軌道展開過程では、牽引ケーブル28は滑車4、ケーブルガイド滑車3によって緊張状態になり、軌道のエッジによる擦り傷、摩耗を回避できる。
【0057】
軌道2に牽引トロリー26が取り付けられ、前後の滑車4に牽引ケーブル28が取り付けられ、牽引トロリーが牽引ケーブル28に接続され、牽引ケーブル28は牽引トロリーを軌道2上で滑走路25に沿って前後往復直線運動を行うように牽引する。上記牽引ケーブルは外付けした動力装置により動力を供給される。
【0058】
適切な射出角度を得るために、昇降油圧シリンダ6を調整することによって、軌道2の前部を後部ヒンジ連結点回りに上下に回転運動させることができ、軌道2が適切な射出仰角を得ることを確保する。以上のバランス油圧シリンダ5は昇降油圧シリンダとともに同期動作し、調整過程で射出装置全体のバランス安定性をリアルタイムに確保する。
【0059】
無人航空機の射出離陸を行う必要がある場合、動力装置が牽引ケーブルに動力を供給し、牽引ケーブルが前部滑車によってトロリーを牽引し、牽引トロリーに搭載された無人航空機がトロリーとともに走行する。牽引トロリーが軌道前部の末端付近まで走行すると、牽引ケーブルが軌道後部の滑車を介してトロリーを逆方向牽引し、それによってトロリーの緩衝・停止を実現し、無人航空機が慣性及びエンジンの動力作用で前へ突進して離脱する。最後に、動力装置によって、牽引ケーブルが軌道後部の滑車を介して牽引トロリーを復帰させる。
【0060】
図1図7図15に示すように、主軌道aの後部、副軌道2c、又は副軌道4eにセンサが設置されてもよく、好ましくは回転式デジタルエンコーダーである。エンコーダーの回転軸が主軌道aの後部、副軌道2c、又は副軌道4eの後部の後滑車42と同期連動する。又は、軌道の後部に専用の滑車が設置されることによって、牽引トロリーの後部の牽引ケーブルと同期連動し、具体的には、エンコーダーの回転軸に接続された滑車7である。従って、前向き射出の動作、又は減速停止の動作、又は後向き復帰の動作にかかわらず、牽引ケーブルの張力作用で、回転エンコーダー、牽引トロリー、後部の牽引ケーブル、軌道2の後部の滑車42又は専用の滑車7がリアルタイムに同期動作する。従って、センサである回転エンコーダーはその回転方向、回転速度、及び回転速度の変化率によってトロリーの前後移動の各運動パラメータを正確に検出して出力することができ、付加的な測定制御システムはこれらの運動パラメータを収集、計算、分析することによって、航空機の射出期間の全過程の各運動データ、曲線を非常に簡単かつ迅速に提供できる。無人航空機は射出離陸して軌道から離脱する前に、その運動がトロリーと完全に同期し、一致するため、従って、このような検出方式によって、航空機の射出離陸過程のすべての運動パラメータを簡単かつ正確に取得でき、経済的で迅速である。
【0061】
図15に示すように、本発明のほかの技術案である。
【0062】
軌道2は主軌道a、副軌道1b、副軌道2c、副軌道3d、副軌道4eを備え、副軌道1b、副軌道2cがそれぞれ主軌道aの前後両端にヒンジ連結されることで、主軌道aの平面における副軌道1b、副軌道2cの側方向折り畳み収納を実現し、上記副軌道3dが副軌道1bにヒンジ連結されることで、副軌道3dがヒンジ連結軸回りに縦方向において上向きに回転して折り畳み収納することを実現する。副軌道4eが副軌道2cにヒンジ連結されることで、副軌道4eがヒンジ連結軸回りに副軌道2cに対して縦方向において上向きに回転して折り畳み収納することを実現する。
【0063】
上記実施例は単に本発明の技術的アイディア及び特徴を説明するためのものであり、当業者が本発明の内容を理解して実施できるようにすることを目的とし、本発明の保護範囲を限定しない。本発明の内容の趣旨に基づいて行われる同等の変化や修飾はすべて本発明の保護範囲に含まれる。
【符号の簡単な説明】
【0064】
1-ベース、2-軌道、3-ケーブルガイド滑車、31-上ケーブルガイド滑車、32-下ケーブルガイド滑車、4-滑車、41-前滑車、42-後滑車、5-一対のバランス油圧シリンダ、51-油圧接続ライン、6-昇降油圧シリンダ、b-副軌道1、a-主軌道、c-副軌道2、d-副軌道3、e-副軌道4、21-上板、22-下板、23-左板、24-右板,211-上中間板、212-下中間板、25-滑走路、26-牽引トロリー、27-リブ板、28-牽引ケーブル、b1-上リブ板、b2-下リブ板、11-長尺状構造体、12-ベース横方向構造体1、13-ベース横方向構造体2、14-ピラー、15-補強部材、16-安定支持フレーム、7-エンコーダーの回転軸に接続された滑車、8-減量孔。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15