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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-13
(45)【発行日】2022-10-21
(54)【発明の名称】販売データ処理装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/01 20060101AFI20221014BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20221014BHJP
【FI】
G07G1/01 301E
G07G1/12 331Z
G07G1/12 341F
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018100876
(22)【出願日】2018-05-25
(65)【公開番号】P2019204437
(43)【公開日】2019-11-28
【審査請求日】2021-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村岡 卓
【審査官】上尾 敬彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-079136(JP,A)
【文献】特開2012-060287(JP,A)
【文献】特開2016-076849(JP,A)
【文献】特開平06-290350(JP,A)
【文献】特開平06-012578(JP,A)
【文献】特開2017-219909(JP,A)
【文献】特開2013-242905(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/01
G07G 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作を受け付ける操作手段と、
操作者を識別可能な操作者情報の入力を受け付ける入力手段と、
前記入力手段によって入力された前記操作者情報を登録する登録手段と、
前記操作手段が受け付けた操作が、前記登録手段によって前記操作者情報が登録される前に行うことが禁止されている操作の場合に、日時を示す日時情報と前記操作者情報とが関連付けられた勤務予定情報に基づいて現在の日時を示す前記日時情報に関連付けられた前記操作者情報を抽出する第1抽出手段と、
前記操作手段が受け付けた操作が、前記登録手段によって前記操作者情報が登録される前に行うことが禁止されている操作の場合に、前記第1抽出手段により抽出された前記操作者情報に特定される第1言語を抽出し、前記登録手段によって前記操作者情報が登録された場合に、前記登録手段によって登録された前記操作者情報により特定される前記第1言語を抽出する第2抽出手段と、
複数台の販売データ処理装置で共通して使用される第2言語を記憶した記憶部から当該第2言語を読み取る読取手段と、
前記操作者情報が登録される前に行うことが禁止されている操作を含むエラーを検出したことを条件に、当該エラーについて前記第1言語と、前記第2言語とで表現したメッセージを出力させる出力手段と、
を備える販売データ処理装置。
【請求項2】
前記出力手段は、前記第1言語と、前記第2言語とで表現した前記メッセージを表示部に並べて表示出力させる、
請求項1に記載の販売データ処理装置。
【請求項3】
前記出力手段は、前記第1言語と、前記第2言語とで表現した前記メッセージを音声出力部に音声出力させる、
請求項1又は2に記載の販売データ処理装置。
【請求項4】
前記出力手段は、前記第1言語と、前記第2言語とのうち何れか一方で表現された前記メッセージを表示部に表示出力させ、他方で表現された前記メッセージを音声出力部に音声出力させる、
請求項1乃至3の何れか一項に記載の販売データ処理装置。
【請求項5】
前記メッセージを出力する出力方法ごとに、前記第1言語の前記メッセージと、前記第2言語の前記メッセージとを出力させるかを設定する設定手段を更に備える、
請求項1乃至4の何れか一項に記載の販売データ処理装置。
【請求項6】
コンピュータを、
操作を受け付ける操作手段と、
操作者を識別可能な操作者情報の入力を受け付ける入力手段と、
前記入力手段によって入力された前記操作者情報を登録する登録手段と、
前記操作手段が受け付けた操作が、前記登録手段によって前記操作者情報が登録される前に行うことが禁止されている操作の場合に、日時を示す日時情報と前記操作者情報とが関連付けられた勤務予定情報に基づいて現在の日時を示す前記日時情報に関連付けられた前記操作者情報を抽出する第1抽出手段と、
前記操作手段が受け付けた操作が、前記登録手段によって前記操作者情報が登録される前に行うことが禁止されている操作の場合に、前記第1抽出手段により抽出された前記操作者情報に特定される第1言語を抽出し、前記登録手段によって前記操作者情報が登録された場合に、前記登録手段によって登録された前記操作者情報により特定される前記第1言語を抽出する第2抽出手段と、
複数台の販売データ処理装置で共通して使用される第2言語を記憶した記憶部から当該第2言語を読み取る読取手段と、
前記操作者情報が登録される前に行うことが禁止されている操作を含むエラーを検出したことを条件に、当該エラーについて前記第1言語と、前記第2言語とで表現したメッセージを出力させる出力手段と、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、販売データ処理装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、小売店ではPOS(Point Of Sales)端末等の販売データ処理装置が使用されている。販売データ処理装置は、エラーが発生した場合、エラー画面を表示する。エラー画面には、エラーが発生した理由や、エラーから復旧させる方法等のエラーメッセージが含まれている。エラーメッセージは、小売店の労働者間で共通して使用される日本語等の共通言語で表現される。
【0003】
ところで、近年、外国人労働者が増加傾向にある。共通言語が日本語の場合に、日本語が苦手な外国人労働者は、エラーメッセージの内容を理解することができないことがある。そこで、販売データ処理装置に、外国人労働者の母国語でエラーメッセージを表示させる方法も考えられる。しかしながら、最終的には、外国人労働者にもエラーメッセージを共通言語で理解することが望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、エラーメッセージの内容を共通して使用される言語で理解させることができる販売データ処理装置、及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の販売データ処理装置は、操作手段と、入力手段と、登録手段と、第1抽出手段と、第2抽出手段と、読取手段と、出力手段とを備える。前記操作手段は、操作を受け付ける。前記入力手段は、操作者を識別可能な操作者情報の入力を受け付ける。前記登録手段は、前記入力手段によって入力された前記操作者情報を登録する。前記第1抽出手段は、前記操作手段が受け付けた操作が、前記登録手段によって前記操作者情報が登録される前に行うことが禁止されている操作の場合に、日時を示す日時情報と前記操作者情報とが関連付けられた勤務予定情報に基づいて現在の日時を示す前記日時情報に関連付けられた前記操作者情報を抽出する。前記第2抽出手段は、前記操作手段が受け付けた操作が、前記登録手段によって前記操作者情報が登録される前に行うことが禁止されている操作の場合に、前記第1抽出手段により抽出された前記操作者情報に特定される第1言語を抽出し、前記登録手段によって前記操作者情報が登録された場合に、前記登録手段によって登録された前記操作者情報により特定される前記第1言語を抽出する。前記読取手段は、複数台の販売データ処理装置で共通して使用される第2言語を記憶した記憶部から当該第2言語を読み取る。前記出力手段は、前記操作者情報が登録される前に行うことが禁止されている操作を含むエラーを検出したことを条件に、当該エラーについて前記第1言語と、前記第2言語とで表現したメッセージを出力させる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、POS端末の外観の一例を示す外観斜視図である。
図2図2は、POS端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、エラーテーブルのデータ構成の一例を説明する説明図である。
図4図4は、店員テーブルのデータ構成の一例を説明する説明図である。
図5図5は、POS端末が備える特徴的な機能構成の一例を示すブロック図である。
図6図6は、エラー画面の一例を示す説明図である。
図7図7は、エラー出力処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、添付図面を参照して、販売データ処理装置、及びプログラムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、販売データ処理装置、及びプログラムの一実施形態であって、その構成や仕様等を限定するものではない。本実施形態の販売データ処理装置、及びプログラムは、小売店に設置されたPOS(Point Of Sales)端末への適用例である。
【0008】
図1は、POS端末10の外観の一例を示す外観斜視図である。POS端末10は、販売対象の商品を登録する登録処理と、登録処理により登録した商品の会計処理とを実行する販売データ処理装置である。POS端末10は、ドロワ11の上に載置されている。POS端末10は、ドロワ11が有する引出し12の開放動作を制御する。ドロワ11は、顧客から受領した現金や、釣銭等に使用する現金を収納する。なお、POS端末10は、ドロワ11に代えて、又はドロワ11と共に自動釣銭機を備えていてもよい。
【0009】
POS端末10は、本体ハウジング13に覆われている。本体ハウジング13は、上面右側にキーボード14と第1表示部15とを備えている。キーボード14は、POS端末10を操作する各種キーを備える入力装置である。
【0010】
第1表示部15は、表示面上にタッチパネルが積層されたタッチパネルディスプレイである。第1表示部15は、例えば、小売店の店員などの操作者が主に見る画面を表示する。本体ハウジング13は、上面後方には、第2表示部16を設ける。第2表示部16は、表示面上にタッチパネルが積層されたタッチパネルディスプレイである。第2表示部16は、例えば、商品を購入する顧客が主に見る画面を表示する。
【0011】
POS端末10は、本体ハウジング13の上面左側には印字部17を設ける。印字部17は、レシートやジャーナル等を用紙に印字するプリンタである。
【0012】
POS端末10は、キーボード14の右側にある溝をスライドさせられたカードからカード情報の読み取り等を実行するカードリーダライタ18を備える。
【0013】
また、POS端末10は、手持ち式のスキャナ19を設ける。スキャナ19は、商品を識別可能な識別情報である商品コード等が示されたコードシンボルを読み取る。
【0014】
次に、POS端末10のハードウェア構成について説明する。
【0015】
図2は、POS端末10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。POS端末10は、制御部101、記憶部102、通信インタフェース103、非接触カードリーダライタ104、音声出力部105、キーボード14、第1表示部15、第2表示部16、印字部17、カードリーダライタ18、及びスキャナ19を備える。これら各部は、システムバス106を介して相互に接続している。
【0016】
制御部101は、POS端末10の全体の動作を制御し、POS端末10が有する各種の機能を実現するコンピュータである。制御部101は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)とを備える。CPUは、POS端末10の動作を統括的に制御する。ROMは、電力が供給されていなくても各種データを保持する不揮発性の記憶媒体である。RAMは、指定した領域に対してデータを読み書き可能な記憶媒体である。そして、CPUは、RAMをワークエリア(作業領域)としてROM又は記憶部102等に格納されたプログラムを実行する。
【0017】
記憶部102は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの記憶装置である。記憶部102は、制御プログラム107と、エラーテーブル108と、店員テーブル109と、勤務予定情報110と、責任者設定111と、共通言語設定112とを記憶する。なお、エラーテーブル108と、店員テーブル109と、勤務予定情報110と、責任者設定111と、共通言語設定112とは、記憶部102に限らず、店舗サーバ等の他の装置が記憶していてもよい。
【0018】
制御プログラム107は、オペレーティングシステムや、POS端末10が備えている機能を発揮させるためのプログラムである。制御プログラム107には、本実施形態に係る特徴的な機能を発揮させるプログラムが含まれる。
【0019】
ここで、図3は、エラーテーブル108のデータ構成の一例を説明する説明図である。エラーテーブル108は、POS端末10のエラーに関する各種情報を記憶した情報テーブルである。エラーテーブル108は、エラーコードと、エラー条件と、エラーメッセージとを関連付けて記憶する。エラーコードは、エラーを識別可能な識別情報である。エラー条件は、エラーを検出する条件である。さらに詳しくは、エラー条件は、規定された操作とは異なる操作を受け付けたことや、エラーを示すログを検出したことや、エラーを示す割り込み信号を検出したこと等である。エラーメッセージは、エラー時に出力される言語ごとメッセージである。エラーメッセージには、エラーからの復旧方法や、エラーが発生した原因等の情報が含まれる。そして、エラーテーブル108には、複数の言語で表現されたエラーメッセージを記憶している。図3に示すエラーテーブル108は、日本語と、英語とで表現されたエラーメッセージが記載されている。しかし、エラーテーブル108は、これら言語に限らず、中国語やスペイン語等の他の言語で表現されたエラーメッセージを記憶していてもよい。
【0020】
ここで、図4は、店員テーブル109のデータ構成の一例を説明する説明図である。店員テーブル109は、小売店で勤務する店員に関する各種情報を記憶する情報テーブルである。店員テーブル109は、店員コードと、個別言語設定と、出力設定とを関連付けて記憶する。店員コードは、店員を識別可能な識別情報である。個別言語設定は、店員ごとに個別に選択される言語の設定である。例えば、個別言語設定には、母国語等の店員が読める言語が設定される。出力設定は、エラーメッセージを出力する出力方法ごとに、個別言語設定で表現したエラーメッセージと、共通言語設定112の言語で表現したエラーメッセージとを出力させるか否かの設定である。出力設定には、エラーメッセージを表示出力させる表示出力設定と、エラーメッセージを音声出力させる音声出力設定とが含まれている。さらに、表示出力設定には、共通言語設定112の言語で表現したエラーメッセージを表示出力させるか否かの設定と、個別言語設定の言語で表現したエラーメッセージを表示出力させるか否かの設定とが含まれている。また、音声出力設定には、共通言語設定112の言語で表現したエラーメッセージを音声出力させるか否かの設定と、個別言語設定の言語で表現したエラーメッセージを音声出力させるか否かの設定とが含まれている。
【0021】
勤務予定情報110は、小売店の店員の勤務予定を記憶した情報である。さらに詳しくは、勤務予定情報110には、日時ごとに、店員と、店員が使用するPOS端末10とを記憶している。すなわち、勤務予定情報110は、日時情報と、店員コードと、POS端末コードとを関連付けて記憶している。
【0022】
責任者設定111は、POS端末10を操作する操作者、つまり責任者を示す設定である。例えば、責任者設定111は、POS端末10を操作する責任者として登録された店員を示す店員コードが設定される。
【0023】
共通言語設定112は、小売店で勤務する店員が共通して使用する言語の設定である。すなわち、共通言語設定112は、小売店の複数台のPOS端末10で共通して使用される言語の設定である。例えば、共通言語設定112は、小売店がある地域の言語であってもよいし、小売店の責任者が使用する言語である。
【0024】
図2に戻り、通信インタフェース103は、ネットワークと接続するためのインタフェースである。
【0025】
非接触カードリーダライタ104は、NFC(Near Field Communication)などの近距離無線通信により、非接触ICカードのICタグに対して、情報の書き込み及び読み込みを実行する。
【0026】
音声出力部105は、警告音や音声メッセージ等の音声を出力するスピーカである。
【0027】
次に、POS端末10が備える特徴的な機能について説明する。ここで、図5は、POS端末10が備える特徴的な機能構成の一例を示すブロック図である。
【0028】
POS端末10の制御部101は、記憶部102の制御プログラム107をRAMに展開し、制御プログラム107に従って動作することで、図5に示す各機能部をRAM上に生成する。具体的には、POS端末10の制御部101は、機能部として、表示制御部1001、音声制御部1002、操作制御部1003、責任者登録部1004、エラー検出部1005、エラー出力部1006、共通言語設定部1007、個別設定部1008、及び勤務予定設定部1009を備える。
【0029】
表示制御部1001は、第1表示部15を制御して、各種画面を表示させる。また、表示制御部1001は、第2表示部16を制御して、各種画面を表示させる。
【0030】
音声制御部1002は、音声出力部105を制御して、各種音声を出力させる。
【0031】
操作制御部1003は、キーボード14、第1表示部15のタッチパネル、及び第2表示部16のタッチパネルを制御して、各種操作を受け付ける。また、操作制御部1003は、これらの装置に限らず、他の装置から操作を受け付けてもよい。
【0032】
責任者登録部1004は、入力手段の一例である。責任者登録部1004は、POS端末10を操作する操作者を責任者として責任者設定111に設定する。責任者登録部1004は、例えば操作者を識別可能な操作者情報として店員コードの入力を受け付ける。そして、責任者登録部1004は、店員コードの入力を受け付けた場合に、入力された店員コードを責任者設定111に設定する。ここで、店員コードの入力方法は限定しない。例えば、責任者登録部1004は、スキャナ19が読み取った店員コードや、操作制御部1003が操作入力により受け付けた店員コードや、店舗サーバ等の他の装置から受信した店員コードを責任者設定111に設定する。なお、責任者登録部1004が、操作者情報として受け付けるのは店員コードに限らない。例えば、責任者登録部1004は、顔認証や指紋認証等の生体認証により操作者を特定する場合には操作者の生体情報を受け付ける。このように、操作者情報は、操作者を特定可能な情報であればよい。そして、責任者登録部1004は、操作者情報により特定される操作者を責任者設定111に設定する。
【0033】
エラー検出部1005は、POS端末10のエラーを検出する。さらに詳しくは、エラー検出部1005は、エラーテーブル108に設定されたエラー条件を検出する。すなわち、エラー検出部1005は、規定された操作とは異なる操作を受け付けたことや、エラーを示すログを検出したことや、エラーを示す割り込み信号を検出したこと等をエラーとして検出する。
【0034】
エラー出力部1006は、抽出手段、読取手段、及び出力手段の一例である。エラー出力部1006は、エラー検出部1005がエラーを検出した場合に、検出したエラー内容を出力する。さらに詳しくは、エラー出力部1006は、エラー検出部1005がエラーを検出した場合に、責任者設定111に設定された店員コードを抽出する。エラー出力部1006は、抽出した店員コードに関連付けられている個別言語設定と、出力設定とを店員テーブル109から抽出する。これにより、エラー出力部1006は、店員コードにより個別言語設定の言語を特定する。また、エラー出力部1006は、共通言語設定112に設定されている言語を読み取る。
【0035】
エラー出力部1006は、エラーテーブル108から、エラー検出部1005が検出したエラーのエラー条件に関連付けられている個別言語設定の言語のエラーメッセージと、共通言語設定112に設定されている言語のエラーメッセージとを抽出する。そして、エラー出力部1006は、抽出した出力設定に基づいて、個別言語設定の言語で表現したエラーメッセージと、共通言語設定112の言語で表現したエラーメッセージとを出力する。
【0036】
エラー出力部1006は、抽出した出力設定の表示出力設定で出力有りと設定された言語で表現されたエラーメッセージを含むエラー画面G1を表示制御部1001に表示出力させる。ここで、図6は、エラー画面G1の一例を示す説明図である。図6に示すエラー画面G1には、日本語のエラーメッセージと、英語のエラーメッセージとを並べて表示している。例えば、エラー出力部1006は、共通言語設定112に日本語が設定され、表示出力設定で共通言語の出力有りと設定され、個別言語設定に英語が設定され、表示出力設定で個別言語の出力有りと設定されている場合に、図6に示すエラー画面G1を表示させる。仮に、表示出力設定で個別言語に出力無しが設定された場合、エラー出力部1006は、個別言語設定に設定された英語のエラーメッセージは表示させない。また、仮に表示出力設定で共通言語に出力無しが設定された場合、エラー出力部1006は、共通言語設定112の日本語のエラーメッセージは表示させない。
【0037】
このように、共通言語設定112と、個別言語設定との両方に出力有りと設定されている場合には、エラー出力部1006は、共通言語設定112と、個別言語設定との両方の言語で表現したメッセージを並べて表示させる。そのため、操作者は、個別言語設定の言語で表現されたエラーメッセージを、共通言語設定112の言語で表現した場合にどうようなエラーメッセージになるのかを把握することができる。
【0038】
また、エラー画面G1には、エラーメッセージ以外の情報が含まれていてもよい。例えば、エラー画面G1には、各エラーメッセージが共通言語設定112と、個別言語設定との何れに該当するのかを示す情報が含まれていてもよい。また、共通言語設定112の言語で表現したエラーメッセージについて読み仮名や発音記号等の発音方法を示す情報等が含まれていてもよい。
【0039】
また、エラー出力部1006は、抽出した出力設定の音声出力設定で出力有りと設定された言語で表現されたエラーメッセージを音声制御部1002に音声出力させる。すなわち、エラー出力部1006は、表示出力設定で共通言語の出力有りと設定されている場合には、共通言語設定112に設定された言語のエラーメッセージを音声出力させる。また、エラー出力部1006は、表示出力設定で個別言語の出力有りと設定されている場合には、個別言語設定に設定された言語のエラーメッセージを音声出力させる。そして、エラー出力部1006は、共通言語設定112と、個別言語設定との両方に出力有りと設定されている場合には、両方の言語で表現したエラーメッセージを音声制御部1002に音声出力させる。
【0040】
また、エラー出力部1006は、出力設定に応じて、表示出力と、音声出力との両方でエラーメッセージを出力してもよい。例えば、エラー出力部1006は、共通言語設定112と、個別言語設定とのうち何れか一方の言語で表現したエラーメッセージを表示制御部1001に表示出力させ、他方の言語で表現されたエラーメッセージを音声制御部1002に音声出力させてもよい。
【0041】
なお、エラー出力部1006は、責任者登録が行われていない状態で商品登録等の操作が入力された場合、責任者登録が行われていないことを示すエラーメッセージを表示させる必要がある。しかし、エラー出力部1006は、責任者登録が行われていないため、責任者設定111から店員コードを抽出することができない。この場合、エラー出力部1006は、勤務予定情報110から店員コードを抽出する。すなわち、エラー出力部1006は、勤務予定情報110において、現在日時を示す日時情報及び自装置を示すPOS端末コードに関連付けられている店員コードを抽出する。
【0042】
共通言語設定部1007は、共通言語設定112に言語を設定する入力を受け付けた場合に、受け付けた言語を共通言語設定112に設定する。ここで、言語の入力方法は限定しない。例えば、共通言語設定部1007は、操作制御部1003が操作入力により受け付けた言語や、店舗サーバ等の他の装置から受信した言語を共通言語設定112に設定する。
【0043】
個別設定部1008は、設定手段の一例である。個別設定部1008は、店員テーブル109の個別言語設定や出力設定を変更する入力を受け付けた場合に、受け付けた入力内容を店員テーブル109の個別言語設定や出力設定に設定する。例えば、個別設定部1008は、受け付けた入力内容が示す言語を個別言語設定に設定する。また、個別設定部1008は、受け付けた入力内容に基づいて、出力設定の出力方法ごとに、個別言語設定の言語で表現されたエラーメッセージを出力するか否かと、共通言語設定112の言語で表現されたエラーメッセージを出力するか否かとを設定する。ここで、設定の入力方法は限定しない。例えば、個別設定部1008は、操作制御部1003が受け付けた操作入力や、店舗サーバ等の他の装置から受信した情報に基づいて、個別言語設定や出力設定に設定する。
【0044】
勤務予定設定部1009は、勤務予定の入力を受け付けた場合に、受け付けた勤務予定を勤務予定情報110に記憶させる。すなわち、勤務予定設定部1009は、日時ごとに、店員コードと、店員が使用するPOS端末10を示すPOS端末コードとを勤務予定情報110に記憶させる。ここで、勤務予定の入力方法は限定しない。例えば、勤務予定設定部1009は、操作制御部1003が操作入力により受け付けた勤務予定や、店舗サーバ等の他の装置から受信した勤務予定を勤務予定情報110に記憶させる。
【0045】
次に、POS端末10が実行するエラー出力処理について説明する。ここで、図7は、本実施形態のPOS端末10が実行するエラー出力処理の一例を示すフローチャートである。
【0046】
操作制御部1003は、操作を受け付ける(ステップS1)。
【0047】
操作制御部1003は、ステップS1で受け付けた操作が、責任者登録を行う操作であるか否かを判定する(ステップS2)。
【0048】
ステップS1の操作が責任者登録前には禁止されている商品登録等の操作であることを条件に(ステップS2;No)、エラー出力部1006は、店員コードを勤務予定情報110から抽出する(ステップS3)。すなわち、エラー出力部1006は、現在日時を示す日時情報、及び自装置を示すPOS端末コードに関連付けられている店員コードを勤務予定情報110から抽出する。
【0049】
エラー出力部1006は、共通言語設定112、及び店員テーブル109から各種設定を抽出する(ステップS4)。さらに詳しくは、エラー出力部1006は、共通言語設定112に記憶されている言語を抽出する。また、エラー出力部1006は、ステップS2で抽出した店員コードに関連付けられている個別言語設定及び出力設定を店員テーブル109から抽出する。
【0050】
エラー出力部1006は、責任者登録が行われていないことを、共通言語設定112及び個別言語設定の言語で表現したエラーメッセージをエラーテーブル108から抽出する(ステップS5)。
【0051】
エラー出力部1006は、共通言語設定112、及び出力設定に基づいて、エラーメッセージを出力させる(ステップS6)。そして、POS端末10は、ステップS1に移行する。
【0052】
責任者登録部1004は、ステップS1で受け付けた操作が、責任者登録を行う操作であることを条件に(ステップS2;Yes)、入力された店員コードを責任者設定111に設定する(ステップS7)。
【0053】
エラー検出部1005は、エラーを検出したか否かを判定する(ステップS8)。エラーを検出しないことを条件に(ステップS8;No)、POS端末10は、ステップS8で待機する。
【0054】
エラーを検出したことを条件に(ステップS8;Yes)、エラー出力部1006は、店員コードを責任者設定111から抽出する(ステップS9)。
【0055】
エラー出力部1006は、共通言語設定112、及び店員テーブル109から各種設定を抽出する(ステップS10)。さらに詳しくは、エラー出力部1006は、共通言語設定112に記憶されている言語を抽出する。また、エラー出力部1006は、ステップS7で抽出した店員コードに関連付けられている個別言語設定及び出力設定を店員テーブル109から抽出する。
【0056】
エラー出力部1006は、ステップS8で検出したエラーのエラー条件に関連付けられており、且つ、共通言語設定112及び個別言語設定の言語で表現したエラーメッセージをエラーテーブル108から抽出する(ステップS11)。
【0057】
エラー出力部1006は、共通言語設定112、及び出力設定に基づいて、エラーメッセージを出力させる(ステップS12)。そして、POS端末10は、ステップS8に移行する。
【0058】
以上のように、POS端末10は、エラー出力処理を実行する。
【0059】
以上のように、本実施形態に係るPOS端末10は、POS端末10を使用する店員の店員コードを責任者登録する。また、POS端末10は、責任者登録した店員コードに関連付けられている個別言語設定の言語を店員テーブル109から抽出する。さらに、POS端末10は、共通言語設定112から小売店等に設置された複数台のPOS端末10で共通して使用させる言語を読み取る。そして、POS端末10は、エラーを検出した場合に、個別言語設定の言語で表現されたエラーメッセージと、共通言語設定112の言語で表現されたエラーメッセージとを表示や音声等により出力する。このように、2種類の言語で表現されたエラーメッセージが出力されるため、店員は、母国語等の容易に読むことができる言語でエラーメッセージの内容を理解し、小売店で共通して使用される言語でのエラーメッセージの表現を習得することができる。よって、本実施形態に係るPOS端末10は、エラーメッセージの内容を共通して使用される言語で理解させることができる。
【0060】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0061】
また、上記実施形態では、POS端末10は、エラーメッセージを表示出力と音声出力とにより出力すると説明した。しかしながら、POS端末10は、これら以外の出力方法によりエラーメッセージを出力してもよい。例えば、POS端末10は、印刷用によりエラーメッセージ出力してもよい。
【0062】
上記実施形態や変形例の各装置で実行されるプログラムは、各装置が備える記憶媒体(ROM又は記憶部)に予め組み込んで提供するものとするが、これに限らないものとする。例えば、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。さらに、記憶媒体は、コンピュータ或いは組み込みシステムと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝達されたプログラムをダウンロードして記憶又は一時記憶した記憶媒体も含まれる。
【0063】
また、上記実施形態や変形例の各装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよいし、インターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0064】
10 POS端末
15 第1表示部
16 第2表示部
105 音声出力部
108 エラーテーブル
109 店員テーブル
110 勤務予定情報
111 責任者設定
112 共通言語設定
1001 表示制御部
1002 音声制御部
1003 操作制御部
1004 責任者登録部
1005 エラー検出部
1006 エラー出力部
1007 共通言語設定部
1008 個別設定部
1009 勤務予定設定部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0065】
【文献】特開2002-279042号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7