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特許7158185画像読取システム、画像読取システムの制御方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-13
(45)【発行日】2022-10-21
(54)【発明の名称】画像読取システム、画像読取システムの制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 1/00 20060101AFI20221014BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20221014BHJP
   H04N 1/387 20060101ALI20221014BHJP
【FI】
G06T1/00 200D
H04N1/00 C
H04N1/387 110
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2018124153
(22)【出願日】2018-06-29
(65)【公開番号】P2020004170
(43)【公開日】2020-01-09
【審査請求日】2021-06-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000104652
【氏名又は名称】キヤノン電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002767
【氏名又は名称】特許業務法人ひのき国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】内田 安陽夢生
【審査官】橘 高志
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-114657(JP,A)
【文献】特開平08-007071(JP,A)
【文献】特開平06-266823(JP,A)
【文献】特開2006-178973(JP,A)
【文献】赤山 啓介,文書管理システムでの活用例,月刊自動認識 第25巻 第6号 ,日本,日本工業出版株式会社,2012年05月10日,第25巻
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 1/00
H04N 1/00
H04N 1/387
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の原稿の画像を順次読み取り可能な読取手段と、
前記読取手段で一度の読み取り動作で読み取られた画像群全体から第1設定に従った第1画像群と、第2設定に従った第2画像群とを生成する生成手段と、
前記第1設定に基づいて区切り情報を作成する区切り手段と、
前記区切り情報に基づいて、前記第2画像群の画像が区切られる位置に区切りを挿入する挿入手段と、
前記第2画像群を、該第2画像群に挿入されている前記区切りに基づいてグループ分けし、該グループごとに画像ファイルとして出力する出力手段と、
を有し、
前記区切り手段は、前記出力手段による画像ファイルの出力前に表示されるプレビュー画面において前記区切り情報の編集が可能であることを特徴とする画像読取システム。
【請求項2】
前記区切り情報の生成に用いられる区切り用紙を前記画像ファイルに含めるか否かの設定を、前記第1画像群と前記第2画像群とで同一とすることを特徴とする請求項1に記載の画像読取システム。
【請求項3】
前記区切り手段は、前記第1画像群に対して、前記区切り情報を付与することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像読取システム。
【請求項4】
前記区切り手段は、前記区切り情報に基づいて、前記第1画像群の画像が区切られる位置に区切りを挿入することを特徴とする請求項に記載の画像読取システム。
【請求項5】
前記出力手段は、前記第1画像群と前記第2画像群の両方を、該画像群に挿入されている前記区切りに基づいてそれぞれグループ分けし、該グループごとに画像ファイルとして出力することを特徴とする請求項に記載の画像読取システム。
【請求項6】
前記区切り手段は、前記第1設定に基づいて、前記第1画像群に含まれる区切り画像を検出し、該検出結果に基づいて、前記区切り情報を作成することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の画像読取システム。
【請求項7】
前記区切り画像は、バーコード又は文字列であり、
前記区切り情報は、前記区切り画像から認識された情報であり、
前記画像ファイルのファイル名は、前記区切り情報に基づくファイル名であることを特徴とする請求項に記載の画像読取システム。
【請求項8】
前記区切り画像は、バーコード又は文字列であり、
前記区切り情報は、前記区切り画像から認識された情報であり、
前記画像ファイルは、前記区切り情報に基づくフォルダー内に出力されることを特徴とする請求項に記載の画像読取システム。
【請求項9】
前記第1画像群は、前記読取手段によって読み取られた画像群に対して前記第1設定を満たすように画像変換されることで生成され、
前記第2画像群は、前記読取手段によって読み取られた画像群に対して前記第2設定を満たすように画像変換されることで生成されることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の画像読取システム。
【請求項10】
前記画像読取システムは、画像読取装置と、情報処理装置が通信可能なシステムであり、
前記画像読取装置は、前記読取手段と、前記生成手段と、を有し、
前記情報処理装置は、前記区切り手段と、前記挿入手段と、前記出力手段と、を有する、ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の画像読取システム。
【請求項11】
前記画像読取システムは、画像読取装置と、情報処理装置が通信可能なシステムであり、
前記画像読取装置は、前記読取手段を有し、
前記情報処理装置は、前記生成手段と、前記区切り手段と、前記挿入手段と、前記出力手段と、を有する、
ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の画像読取システム。
【請求項12】
前記読取手段と、前記生成手段と、前記区切り手段と、前記挿入手段と、前記出力手段と、を有する画像読取装置を有することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の画像読取システム。
【請求項13】
画像読取装置と、情報処理装置が通信可能な画像読取システムの制御方法であって、
前記画像読取装置が、複数の原稿の画像を順次読み取る読取ステップと、
前記画像読取装置又は前記情報処理装置が、前記読取ステップで一度の読み取り動作で読み取られた画像群全体から第1設定に従った第1画像群と、第2設定に従った第2画像群を生成する生成ステップと、
前記画像読取装置又は前記情報処理装置が、前記第1設定に基づいて区切り情報を作成する区切りステップと、
前記画像読取装置又は前記情報処理装置が、前記区切りステップで作成された前記区切り情報に基づいて、前記第2画像群の画像が区切られる位置に区切りを挿入する挿入ステップと、
前記画像読取装置又は前記情報処理装置が、前記第2画像群を、該第2画像群に挿入されている前記区切りに基づいてグループ分けし、該グループごとに画像ファイルとして出力する出力ステップと、
を有し、
前記区切りステップにおいて、前記出力ステップによる画像ファイルの出力前に表示されるプレビュー画面において前記区切り情報の編集が可能であることを特徴とする画像読取システムの制御方法。
【請求項14】
コンピュータを、請求項1から12のいずれか1項に記載の区切り手段、挿入手段、出力手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取システム、画像読取システムの制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
帳票などの大量の書類を読み取るシステムにおいては、読み取った画像を、区切りシートを使って、グループ毎に仕分けし保存することが従来から知られている。
例えば、画像を仕分けするために画像読取装置の作業者が、帳票と帳票の間に予め定められた区切りの役割をする専用の区切りシートを挿入し、その区切りを含んだ帳票の束を連続読み取りさせ、挿入された区切りシートを区切りであると識別させることで各画像を帳票グループ毎に仕分ける従来技術がある。
【0003】
この方法は、区切りシートの検出精度が比較的良いが、作業者が画像読み取り前に区切りシートを挿入、また作業終了後に区切りシートの回収を行う手間が発生する。
なお、区切りシートには、裏表面が白紙の原稿や、特別なマークが印字された原稿が用いられる。
【0004】
また、専用の区切りシートを使わずに、帳票に予めバーコードなどの区切り情報を印字しておき、この区切り情報を画像読取装置で検出することにより、読み取り画像を仕分ける方法も提案されている。
なお、区切り情報は、文字や文字列でもよく、光学文字認識(OCR;Optical character recognition)で認識した文字列と予め登録されている文字列とを比較することで、区切り情報として使用することもできる。
【0005】
また、帳票の罫線の形状を基に特徴点を検出し、予め登録されている帳票の罫線形状の特徴点を比較することで、特定の帳票であることを判別し、区切り情報として使用することもできる。
【0006】
なお、バーコード認識や文字認識は、画像読み取り時の解像度などの読み取り設定により認識精度が異なってくる。また、画像読み取り時の斜行や帳票文字の色、汚れなどでも認識精度が低下する。そのため、画像読み取り後、作業者は、区切り情報を正しく検出し、画像を仕分けできているかを確認する必要があり、区切り情報検出の精度向上が望まれている。
【0007】
特許文献1に開示のイメージ処理システムでは、1枚目の帳票認識結果と2枚目の帳票認識結果を考慮することで、画像分類の精度を向上させる提案がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特許第4255766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、帳票などの大量の書類を読み取るシステムにおいては、読み取った画像をファイルとして、サーバーのハードディスクなどに保存する。なお、サーバーのハードディスクなどの記憶領域の容量には制限があるため、画像読み取りの設定は、ファイルサイズが小さくなるような設定、低解像の二値画像(モノクロ)などが好まれることがある。
しかし、このようなファイルサイズを小さくするための画像読み取り設定は、バーコードなどの区切り情報検出に最適な画像読み取り設定とは異なる。このため、読取画像のサイズを抑えることと、読取画像の仕分け精度を向上させてグループ分けを効率よく行うことの両立が困難であるといった課題があった。
【0010】
また、1度のスキャンで別々の設定の複数の画像を生成し出力処理するマルチストリームと言われる機能があるが、このマルチストリーム機能で出力される画像に対して上述したような仕分けを行った場合、ストリームごとに仕分け結果が異なってしまうといった課題もあった。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記を鑑み、複数の原稿の画像を順次読み取り可能な読取手段と、前記読取手段で一度の読み取り動作で読み取られた画像群全体から第1設定に従った第1画像群と、第2設定に従った第2画像群とを生成する生成手段と、前記第1設定に基づいて区切り情報を作成する区切り手段と、前記区切り情報に基づいて、前記第2画像群の画像が区切られる位置に区切りを挿入する挿入手段と、前記第2画像群を、該第2画像群に挿入されている前記区切りに基づいてグループ分けし、該グループごとに画像ファイルとして出力する出力手段と、を有し、前記区切り手段は、前記出力手段による画像ファイルの出力前に表示されるプレビュー画面において前記区切り情報の編集が可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、マルチストリーム機能におけるストリームごとの仕分け結果を同じにすることができ、ユーザーが望む画像を効率よく生成できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態の画像読取システムの概略構成図。
図2】本実施形態の画像読取装置の断面図。
図3】本実施形態の画像読取装置の制御ブロック図。
図4】本実施形態のアプリケーションとスキャナードライバーと画像読取装置との関係図。
図5】本実施形態のユーザーインターフェースの一例を示す図。
図6】マルチストリーム設定無効時の区切り検出処理を示すフローチャート。
図7】マルチストリーム設定無効時の読取画像と区切り情報のリストの概念図。
図8】マルチストリーム設定有効時の画像読取装置の処理を示すフローチャート。
図9】マルチストリーム設定有効時の区切り検出処理を示すフローチャート。
図10】マルチストリーム設定有効時の読取画像と区切り情報のリストの概念図。
図11】仕分けした画像を保存するフォルダーの構成の一例を示す図。
図12】アプリケーションが表示するプレビュー画面の一例を示す図。
図13】アプリケーションが表示するプレビュー画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態を示す画像読取システムの概略構成の一例を示す図である。
本実施形態の画像読取システムは、画像読取装置(スキャナー)1と、情報処理装置(PC;パーソナルコンピュータ)が通信可能なシステムである。
【0015】
画像読取装置1は、周知の汎用の接続インターフェース(例えばUSBインターフェース)を有する。画像読取装置1は、接続インターフェースに接続される汎用ケーブル200を介して、PC201と通信可能に接続されている。また、画像読取装置1とPC201とは、LAN(Local Area Network)を介して接続してもよい。さらに、画像読取装置1は、有線通信のインターフェースの他、無線通信のインターフェースとしてもよく、有線通信、無線通信の双方のインターフェースを備えていてもよい。
【0016】
PC201には、ハードウェアとしては、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等を搭載したマザーボードが設けられている。ROMには、各種プログラムやデータ等が格納される。RAMは、CPUの作業領域として機能する。HDDは、各種プログラムやデータを格納するハードディスクドライブである。なお、HDDの代わりに又は併用してSSD(Solid State Drive)等の他の記憶装置を設ける構成であってもよい。CPUは、ROMやHDD等に格納されたプログラムを必要に応じてRAMにロードして実行することにより各種処理を行う。
【0017】
また、PC201には、処理内容を表示する表示装置202と、キーボード203やポインティングデバイス204などが接続されている。
【0018】
なお、PC201には、ソフトウェアとして、PC201のオペレーティングシステム(OS)や、各種アプリケーション等のプログラムがインストールされている。アプリケーションには、PC201に接続された画像読取装置1の情報や画像データを読み込むドライバーソフトウェアが含まれる。また、アプリケーションには、画像読取装置1から読み込んだ画像データを202の表示装置へ表示したり画像データを編集したりするソフトウェアや、画像データを指定のフォルダーへ保存したりメールとして送信したりするソフトウェアや、プリンタへ出力するソフトウェアも含まれる。
【0019】
図2は、画像読取装置1の構成の一例を示す断面図である。
画像読取装置1は、PC201上で起動しているキャプチャアプリケーション等から画像読取の指示を受けると、処理を開始する。これにより、画像読取装置1は、原稿載置部4に載置された複数の原稿の画像を順次読み取り、PC201側に送信する。以下、詳細に説明する。
【0020】
まず、画像読取装置1は、原稿載置部4に載置された原稿を、分離ローラ6で重送しないように一枚ずつ分離しながら給紙ローラ5および、搬送ローラ対7により、搬送路14の下流へ給送を行う。
【0021】
さらに、画像読取装置1は、レジストセンサ9によって原稿の先端が通過したことを検出すると、レジストセンサ9と表用画像読取部10との距離をL_1、原稿17の搬送速度をvとすると、「L_1/v」後に原稿17が表用画像読取部10に到達するので、不図示のタイマを用いて時間の測定を行い、原稿17の先端がレジストセンサ9上を通過した時間から「L_1/v」経過後に、表画像の読み取りを行う。
【0022】
また、画像読取装置1は、レジストセンサ9と裏用画像読取部11との距離をL_2、原稿17の搬送速度をvとすると、「L_2/v」後に原稿17が裏用画像読取部11に到達するので、不図示のタイマを用いて時間の測定を行い、原稿17の先端がレジストセンサ9上を通過した時間から「L_2/v」経過後に、裏画像の読取を行う。
【0023】
表画像、裏画像の読取を終えた画像読取装置1は、汎用ケーブル200を介して画像データをPC201へ転送するとともに、原稿17を原稿排紙部13へ排紙する。また、裏画像の読取を終えた画像読取装置1は、不図示の読み取りカウンターの原稿読み取り枚数を更新する。なお、画像読取装置1は、給紙センサー15および、排紙センサー16で原稿の有無を検出する。
【0024】
図3は、画像読取装置1の制御構成の一例を示すブロック図である。
画像読取装置1は、システムバス305と、CPU301、不揮発性の記憶媒体(Flash)303、RAM302、外部I/F304、ADF部306、データ処理部307、給紙センサー15、排紙センサー16等を有する。
【0025】
CPU301は、読み取り動作を制御する。Flash303は、CPU301が実行する各種プログラムやデータを記憶するものであり、本実施形態ではフラッシュメモリとする。RAM302は、読み取られた画像データや各種のデータやプログラムなどを一時的に蓄積する。外部I/F304は、例えばUSBインターフェースであり、汎用ケーブル200を介してPC201等の情報処理装置に代表される外部機器との外部通信を可能にする。
【0026】
ADF(Auto Document Feeder)部306は、不図示のラインイメージセンサーと、デジタルデータに変換するA/D変換部と、画像処理部とで構成されている。ADF部306は、CPU301の指示によって画像を読み取り、読み取った画像データをRAM302に保存する。データ処理部307は、読み取った画像の編集処理を行う。
【0027】
図4は、PC201で実行されるアプリケーションとスキャナードライバーと、画像読取装置1との関係を説明するための図である。以下、画像読取装置1と接続されるPC201内にインストールされたアプリケーション(以下「アプリ」)401と、スキャナードライバー(以下「ドライバー」)402と、画像読取装置1との関係を示す。
【0028】
例えば、ユーザーは、画像読取装置(スキャナー)1を購入すると、アプリ401とドライバー402を、PC201にインストールする。インストールされたアプリ401は、ドライバー402を介して画像読取装置1と通信する。アプリ401とドライバー402の間、ドライバー402と画像読取装置1の間は決められたプロトコルで通信している。本実施形態では、アプリ401とドライバー402はTwainという規格で決められたプロトコルで通信を行っている。また、ドライバー402と画像読取装置1の間では、例えばUSBという規格で決められたプロトコルで通信を行っている。しかし、プロトコルはこれらに限定されるものではなく、例えば、Twain以外にISIS、WIA、USB以外に、IEEE1394といった規格でもよい。
【0029】
いずれにしても、上述のようなアプリ401及びドライバー402、更には画像読取装置1に予め組み込まれているソフトウェアが互いに通信しながら処理を実行する。これにより、画像読取装置1から所望の画像を取得して、PC201の画面上に表示したり、指定の記憶領域に保存したりする機能を実現する。このように、画像読取装置1とPC201とを組み合わせて、画像読取システムが構成される。
【0030】
〔マルチストリーム〕
ここで、マルチストリームについて説明する。
マルチストリームとは、1度のスキャンで別々の設定の複数の画像を生成し出力処理する機能である。例えば、画像読取装置1が、原稿をスキャンし、スキャンにより読み取った1の画像から、第1ストリームをカラー画像で、第2ストリームをグレー(モノクロ)画像でPC201にそれぞれ出力する。さらに、PC201では、アプリ401が、第1ストリーム及び第2ストリームの画像毎に、区切りの検出やファイルへの保存処理を行う。なお、ストリームは3つ以上であってもよい。
【0031】
図5は、アプリ401により表示されるユーザーインターフェースの一例を示す図である。
以下、図5を用いて、マルチストリームを有効(ON)にした場合の設定について説明する。
【0032】
図5(a)は、画像読取装置1から画像を読み取るための設定(スキャンモード設定)を行うためのユーザーインターフェースである。初期画面およびユーザーインターフェース画面上部のスキャンモードタブを選択されると、この画面が表示される。
マルチストリームで画像読み取りを行うときは、マルチストリーム設定5101の有効(ON)を選択し、ストリーム選択設定5102においてストリーム番号を選択する。本実施形態では、ストリーム番号「1」と「2」を用いて説明するが、3以上のストリーム番号も選択可能である。ここでは説明を省略するが、ストリーム番号「3」(第3ストリーム)以降のストリームについては、第2ストリームと同様とする。
【0033】
ストリーム選択設定5102で選択したストリーム番号ごとに、画像読み取りの設定5103を行う。画像読み取り設定5103には、カラー/グレー/モノクロなどのカラーモードや、A4/A5/B5/Letterなどの用紙サイズ、解像度、片面/両面などの読取り面の設定項目が含まれる。マルチストリームで設定できる設定項目を、カラーモード、サイズ、解像度、読取り面と挙げているが、設定項目はこれに限定されるものではない。例えば、画像内のR(レッド)成分、B(ブルー)成分、G(グリーン)成分のどれかを除去するカラードロップアウト機能のON/OFF、明るさ、コントラストといった設定項目が、画像読み取り設定5103に含まれていてもよい。
【0034】
図5(b)は、画像読取装置1から連続して読み取った画像に対して区切りの検出設定(バッチ区切り設定)を行うユーザーインターフェースである。ユーザーインターフェース画面上部のバッチ区切りタブを選択されると、この画面が表示される。
マルチストリームで画像読み取りを行うときは、ストリーム選択設定5201においてストリーム番号を選択する。ストリーム選択設定5201で選択したストリーム番号ごとに、区切りの区切り方法5202及び区切り用紙設定5203を行う。
【0035】
区切り方法5202は、バーコード区切り、OCR区切り、白紙区切り、マーク区切りなど区切り方法を選択できる。なお、「バーコード区切り」の場合は区切りとなる原稿の所定の領域にバーコード、「OCR区切り」の場合は区切りとなる原稿の所定の領域に文字列等、「マーク区切り」の場合は区切りとなる原稿の所定の領域にマークを予め印字しておく。また、「白紙区切り」では、区切りとなる原稿の間に白紙を挿入しておく。
【0036】
また、区切り方法5202では、不図示のインターフェースにおいてバーコードの検出タイプやOCRの検出言語や、それらを検出する検出領域を設定できる。設定されない場合の初期設定としては、画像全体が検出領域となっている。なお、ストリーム番号「2」の選択時は、区切り方法5202に、「第1ストリームと共通区切り」項目が選択可能となる。「第1ストリームと共通区切り」とは、第2ストリームに第1ストリームで検出した区切り結果を適用できる機能である。例えば、第1ストリーム(バーコード認識用の読み取り設定でのスキャン。一例としては、カラーモードを24ビットカラーとした読み取り設定。)で検出したバーコード区切り情報に合わせて、第2ストリーム(ファイル保存用の読み取り設定でのスキャン。)も同じ位置に区切りを入れてスキャン画像を生成することができる。また、検出時に読み取った第1ストリームのバーコード情報を第2ストリームのファイル名に利用することもできる。なお、本実施形態においては、ストリーム番号「2」の選択時の区切り方法5202のデフォルト設定(初期設定)を「第1ストリームと共通区切り」としているが、ユーザーが設定変更可能なものとする。
【0037】
区切り用紙設定5203は、区切りを検出したときに区切り画像を削除するのか、それとも区切りの前後どのグループに含めるのかを選択できる。なお、第2ストリーム選択時の区切り方法5202において、「第1ストリームと共通区切り」選択時は、区切り用紙設定5203は選択不可となり、第1ストリームの設定が適用される。
【0038】
図5(c)は、画像読取装置1から読み取った画像に対してファイル出力設定(出力先設定)を行うユーザーインターフェースである。
マルチストリームで画像読み取りを行うときは、ストリーム選択設定5301においてストリーム番号を選択する。ストリーム選択設定5301で選択したストリーム番号ごとに、設定5302~5304を設定する。
【0039】
ファイル名設定5302は、読み取った画像をファイルにする際のファイル名の設定を行う。ファイル名は日付や連番、区切り検出時に検出したバーコード情報や文字情報をファイル名に付加する設定を行える。上述したように、第1ストリームにおいては、ファイル名に区切り設定に従って付与された区切りに基づいた文字列をファイル名の一部に加えるように設定することが可能であり、また、第2ストリームにおいては、第1ストリームに適用された区切りに基づいた文字列と同じ文字列をファイル名の一部に加えることが可能である。
【0040】
ファイル形式設定5303は、読み取った画像をファイルにする際のPDF(Portable Document Format)やTIFF(Tagged Image File Format)などのファイルフォーマットを選択できる。また、ファイル形式設定5303は、検出した区切りごとに、出力するファイルを1ファイルにするか否かを選択できる。
【0041】
保存場所設定5304は、読み取った画像の保存場所フォルダーを選択できる。また、保存場所設定5304は、検出した区切りごとに保存場所フォルダー内にサブフォルダーを作成するか否かを選択できる。サブフォルダー名は、日付や連番、区切り検出時に検出したバーコード情報や文字情報をフォルダー名に付加することができる。
【0042】
なお、マルチストリームを有効(ON)にした場合、ストリーム番号「1」(第1ストリーム)の読み取り結果は保存せずに、ストリーム番号「2」(第2ストリーム)以降のストリームの読み取り結果のみを保存するようにすることも、全てのストリームの読み取り結果を保存するようにすることも可能である。
【0043】
なお、区切りは読み取られた原稿画像の先頭に挿入されていてもよい。以下、先頭の区切りが挿入される場合について説明する。
区切りの設定として、バーコードなどの認識結果で得られた情報を用いて、それをファイル名やフォルダー名にも反映するように設定した場合、先頭のドキュメントに対しても認識結果に基づいたファイル名やフォルダー名の取得が必要となる。この場合、先頭区切りがないと先頭のグループに対するファイル名やフォルダー名を取得できないことになるため、先頭区切りを入れることが望ましい。特に、後述する図12及び図13のようなプレビュー画面で区切り画像として、ファイル名が表示される場合には、先頭区切りを入れることが望ましい。なお、区切りに基づいてドキュメントの保存先としてのサブフォルダーが生成されてドキュメントを保存するように設定した場合においては、先頭ドキュメントに対して認識結果に基づいた区切りが付与されていない場合、先頭ドキュメントのファイルは、図11に示す指定保存場所のルートフォルダに保存されることになる。先頭区切りを付与していた場合には、先頭ドキュメントのファイルに対してもサブフォルダーが生成されて、サブフォルダーに保存される。
【0044】
〔マルチストリーム設定が無効(OFF)の場合〕
次に図6及び図7を参照して、マルチストリーム設定5101が無効(OFF)の時の区切り検出の処理を説明する。本実施形態において、区切り方法5202は「バーコード区切り」、区切り用紙設定5203は「区切り後のグループに含める」、ファイル名設定5302は「区切り検出結果を付加する」、ファイル形式設定5303は「PDF形式」を選択するものとする。
【0045】
図6は、マルチストリーム設定5101が無効(OFF)の場合の区切り検出の処理の一例を示すフローチャートである。図6及び後述する図9のフローチャートに示す処理は、PC201のCPUが、ROMやHDD等に格納されたプログラムを必要に応じてRAMにロードして実行することにより実現されるものである。なお、PC201のCPUがアプリ401に基づき実効する処理を、「アプリ401」を主体として記載する。
図7は、マルチストリーム設定5101が無効(OFF)の場合に生成される読取画像と区切り情報のリストの一例を示す概念図である。
【0046】
まず、アプリ401は、ドライバー402を介して、画像読取装置1から画像を取得し(S601)、画像の検出領域内の区切り情報(例えばバーコード)画像の検出処理(区切り検出)を行い、検出結果をRAM302内の記憶領域に記憶する(S602)。
【0047】
次に、アプリ401は、上記S602の処理で検出領域内に区切り情報画像を検出したか否かを判定する(S603)。そして、検出領域内に区切り情報画像を検出したと判定した場合(S603でYesの場合)、アプリ401は、S604に処理を進める。
【0048】
S604において、アプリ401は、上記S602で検出した区切り情報画像から情報を読み取り、図7のような画像一覧を管理する画像リスト700に、区切り用紙設定5203での設定に従って区切り情報(図7の701)として格納する。また、この場合、S605において、アプリ401は、上記S601で取得した画像を、図7の702のように、直前に区切り情報701を付与して画像リスト700に格納する。なお、画像リスト700は、アプリ401によりPC201のRAM内等に生成される。
【0049】
一方、上記S603において、検出領域内に区切り情報画像を検出しなかったと判定した場合(S603でNoの場合)、アプリ401は、そのままS605に処理を進める。この場合、S605において、アプリ401は、上記S601で取得した画像を、図7の703のように、画像リスト700に格納する。
【0050】
次に、アプリ401は、次の取得画像の有無を確認する(S606)。そして、次の取得画像が存在すると判定した場合(S606でYesの場合)、アプリ401は、S601~S606を繰り返し、図7のように、リスト700に画像を追加する(例えば図7の704から706に相当)。
【0051】
一方、次の取得画像が存在しないと判定した場合(S606でNoの場合)、アプリ401は、S607に処理を進める。
【0052】
S607において、アプリ401は、ファイル出力処理を行う。
ファイル出力処理では、アプリ401は、まずリスト(例えば図7のリスト700)の画像に対し、後述する図12及び図13に示すようなプレビュー画面を表示する。詳細は後述するが、このプレビュー画面でのユーザー操作に応じて、アプリ401は、リストの画像を、グループごとに、ファイルへ出力する。図7の例では、702~703に示すグループの画像をファイル707「0001.pdf」へ出力し、705~706に示すグループの画像をファイル708「0002.pdf」へ出力する。なお、保存場所として指定したフォルダー内にサブフォルダーを作成して、仕分けしたグループごとにフォルダーに分けて保存する指定を行うことも可能である。この指定がなされている場合には、アプリ401は、グループごとにフォルダーを作成し、対応するフォルダーにグループの画像を保存する。例えば、後述する図11に示すように、保存場所として指定したフォルダー内に、サブフォルダーであるフォルダー「0001」とフォルダー「0002」を作成し、フォルダー「0001」にファイル「0001.pdf」を保存し、フォルダー「0002」にファイル「0002.pdf」を保存する。なお、区切り情報をフォルダー名に反映した場合には、必ずしもファイル名にも区切り情報を反映しなくても良い。
【0053】
〔マルチストリーム設定が有効(ON)の場合〕
次に図8を参照して、マルチストリーム設定5101が有効(ON)の時の画像読取装置1の処理を説明する。
図8は、マルチストリーム設定5101が有効(ON)の時の画像読取装置1の処理の一例を示すフローチャートである。図8のフローチャートに示す処理は、画像読取装置1のCPU301が、Flash303等に格納されたプログラムを必要に応じてRAM302にロードして実行することにより実現されるものである。なお、画像読取装置1のCPU301がプログラムに基づき実行する処理を、「画像読取装置1」を主体として記載する。
【0054】
なお、本実施形態において、第1ストリームの設定として、画像読み取り設定5103をカラー/解像度300dpi/片面読取り、区切り方法5202をバーコード区切り、区切り用紙設定5203を区切り後のグループに含める、ファイル名設定5302を区切り検出結果を付加する、ファイル形式設定5303をPDF形式、を選択するものとする。また、第2ストリームの設定として、画像読み取り設定5103をモノクロ/解像度200dpi、区切り方法5202を、第1ストリームと共通、を選択するものとする。また、第2ストリームのその他の設定は、第1ストリームと同じ設定とする。
【0055】
画像読取装置1は、ドライバー402から画像読み取りの指示を受け付けると画像読み取り処理を開始する(S801)。
【0056】
このとき画像読取装置1は、第1ストリームの読み取り設定と第2ストリームの読み取り設定の各設定(カラーモード・サイズ・解像度)を比較し、それぞれで大きい値の読み取り設定で画像読み取りを行う。即ち、カラーモードでカラーとモノクロとがそれぞれ選択されている場合には、カラーが設定される。また、用紙サイズでA4とB5とがそれぞれ選択されている場合には、A4が設定される。また、解像度で200dpiと300dpiがそれぞれ選択されている場合には、300dpiが設定される。よって、上述した例では、画像読取装置1は、カラー/300dpiで原稿を読み取る。用紙サイズは設定されていないため、レジストセンサ9によって検知されたタイミングに基づいて読み取り開始と停止とが制御される。
【0057】
画像読取装置1は、画像読み取り後、第1ストリームの画像送信のために、画像生成が必要か否かを判定する(S802)。第1ストリームの画像送信のために画像生成が必要ないと判定した場合(S802でNoの場合)、画像読取装置1は、S803に処理を進める。上述の例の場合、第1ストリームの読み取り設定はカラー/300dpiであり、読み取り画像(カラー/300dpi)がドライバー402からの読み取り指示を満たしているため、画像読取装置1は、新たな画像生成の必要がないと判断する。この場合、画像読取装置1は、読み取り画像を第1ストリーム読取り画像としてドライバー402へ送信する(S803)。
【0058】
次にS805において、画像読取装置1は、次のストリームの画像送信があるか否かを判定する。そして次のストリームの画像送信がある(残りの画像有り)と判定した場合(S805でYesの場合)、画像読取装置1は、S802に処理を戻す。
【0059】
また上記S802において、第1ストリームの画像送信のために画像生成が必要であると判定した場合(S802でYesの場合)、画像読取装置1は、S804に処理を進める。上述の例の場合、第2ストリームの読み取り設定はモノクロ/200dpiであり、読み取り画像(カラー/300dpi)ではドライバー402からの読み取り指示を満たしていないため、画像読取装置1は、新たな画像生成が必要と判断する。この場合、画像読取装置1は、読み取り画像(カラー/300dpi)を基に第2ストリームの読み取り設定(モノクロ/200dpi)に従った第2ストリーム画像(モノクロ/200dpi)の生成を行う(S804)。そして、画像読取装置1は、上記S804で生成した第2ストリーム画像を、ドライバー402へ送信する(S803)。
【0060】
そして、上記S805において、次のストリームの画像送信がない(残りの画像無し)と判定した場合(S805でNoの場合)、画像読取装置1は、読取画像を破棄し、本フローチャートの処理を終了する。
以上のように、画像読取装置1は、マルチストリーム設定5101が有効の場合、第1ストリームの画像については、読み取られた画像群に対して第1ストリームの設定を満たすように画像変換して生成し、第2ストリームの画像については、読み取られた画像群に対して第2ストリームの設定を満たすように画像変換して生成することができる。
【0061】
次に、図9及び図10を参照して、マルチストリーム設定5101が有効(ON)の時のアプリ401の処理を説明する。
図9は、マルチストリーム設定5101が有効(ON)の場合の区切り検出の処理の一例を示すフローチャートである。
図10は、マルチストリーム設定5101が有効(ON)の場合に生成される読取画像と区切り情報のリストの一例を示す概念図である。
【0062】
まず、アプリ401は、ドライバー402を介して、画像読取装置1から画像を取得し(S901)該取得した画像のストリーム番号を取得する(S902)。
次に、アプリ401は、上記S902で取得したストリーム番号が「1」(第1ストリーム)であるか否かを判定する(S903)。そして、ストリーム番号が「1」(第1ストリーム)と判定した場合(S903でYesの場合)、アプリ401は、S904に処理を進める。
【0063】
アプリ401は、第1ストリームの設定に基づいて、画像の検出領域内の区切り情報(例えばバーコード)画像の検出処理(区切り検出)を行い、検出結果をRAM302内の記憶領域に記憶する(S904)。
次に、アプリ401は、上記S602の処理で検出領域内に区切り情報画像を検出したか否かを判定する(S905)。そして、検出領域内に区切り情報画像を検出したと判定した場合(S905でYesの場合)、アプリ401は、S906に処理を進める。
【0064】
S906において、アプリ401は、上記S904で検出した区切り情報画像から情報を読み取り、図10のような第1ストリームの画像一覧を管理する画像リスト1000に、区切り情報(図10の1001)として格納する。すなわち、上記S904~S906において、アプリ401は、第1ストリームの設定に基づいて、画像の検出領域内の区切り情報画像の検出処理を行い、検出結果に基づいて区切り情報を作成し、リスト1に付与する。リスト1への付与の仕方としては、リスト1と紐づけて保存しても良く、本実施形態においてはリスト1に区切り情報を挿入するようにしている。ここでは、S906で区切りを挿入し、S907で画像を挿入しているが、画像を挿入した後に適切な位置に区切りを挿入する構成でもよい。また、この場合、S907において、アプリ401は、上記S901で取得した画像を、図10の1002のように、画像リスト1000に格納する。なお、画像リストは、アプリ401によりPC201のRAM内等に生成される。
【0065】
一方、上記S905において、検出領域内に区切り情報画像を検出しなかったと判定した場合(S905でNoの場合)、アプリ401は、そのままS907に処理を進める。この場合、S907において、アプリ401は、上記S901で取得した画像を、図10の1003のように、画像リスト1000に格納する。
【0066】
次に、アプリ401は、次の取得画像の有無を確認する(S908)。そして、次の取得画像が存在すると判定した場合(S908でYesの場合)、アプリ401は、S901に処理を戻す。
【0067】
また、上記S903において、ストリーム番号が「1」でない(例えば第2ストリーム)と判定した場合(S903でNoの場合)、アプリ401は、S909に処理を進める。
【0068】
S909において、アプリ401は、第1ストリームの区切り検出結果を参照し、第1ストリームにおいて区切りが検出されていたか否かを判定する(S910)。そして、第1ストリームにおいて区切りが検出されていたと判定した場合(S910でYesの場合)、アプリ401は、S911に処理を進める。
【0069】
S911において、アプリ401は、第1ストリームの区切り情報(例えば図10の1001)を取得し、カレントのストリーム(例えば第2ストリーム)の画像一覧を管理する画像リスト1100に、区切り情報(図10の1101)として格納する。また、この場合、S912において、アプリ401は、上記S901で取得した画像を、図10の1102のように、画像リスト1100に格納し、S908に処理を進める。ここでは、S911で区切りを挿入し、S912で画像を挿入しているが、画像を挿入した後に適切な位置に区切りを挿入する構成でもよい。
【0070】
一方、上記S910において、第1ストリームにおいて区切りが検出されていなかったと判定した場合(S910でNoの場合)、アプリ401は、そのままS912に処理を進める。この場合、S912において、アプリ401は、上記S901で取得した画像を、図10の1103のように、画像リスト1100に格納し、S908に処理を進める。
【0071】
また、上記S908において、次の取得画像が存在しないと判定した場合(S908でNoの場合)、アプリ401は、S913に処理を進める。
【0072】
S913において、アプリ401は、ファイル出力処理を行う。
ファイル出力処理では、アプリ401は、まず各リスト(例えば図10のリスト1000、1100)の画像を、図12及び図13に示すようなプレビュー画面を表示する。このプレビュー画面でのユーザー操作に応じて、アプリ401は、保存すべきストリームに対応するリスト(例えば図10のリスト1100)の画像を、グループごとにファイルへ出力する。ここでは、区切り検出用に使用する第1ストリームの画像はファイル出力せず破棄する構成について説明するが、第1ストリームの画像をファイル出力するようにしてもよい。また、保存するストリームをユーザーが指定可能に構成してもよい。なお、区切り検出用に使用する第1ストリームの画像を破棄し、第1ストリーム以外の画像を保存する設定を、デフォルト設定(初期設定)としてもよい。
【0073】
第1ストリームを破棄し、第2ストリームのみを保存する場合、図10の例では、1102~1103に示すグループの画像をファイル「0001.pdf」へ出力し、1105~1106に示すグループの画像をファイル「0002.pdf」へ出力する。なお、保存場所として指定したフォルダー内にサブフォルダーを作成して、仕分けしたグループごとにフォルダーに分けして保存する指定を行うことも可能である。この指定がなされている場合には、アプリ401は、グループごとにフォルダーを作成し、対応するフォルダーにグループの画像を保存する。例えば、図11に示すように、保存場所として指定したフォルダー内に、サブフォルダーであるフォルダー「0001」とフォルダー「0002」を作成し、フォルダー「0001」にファイル「0001.pdf」を保存し、フォルダー「0002」にファイル「0002.pdf」を保存する。
図11は、仕分けした画像を保存するフォルダーの構成の一例を示す図である。
なお、保存するストリームが複数ある場合には、フォルダー名やファイル名にストリーム番号を付加するようにしてもよい。
【0074】
ここで、図12図13を用いて、プレビュー画面について説明する。
図12図13は、アプリ401が表示するプレビュー画面の一例を示す図である。
このプレビュー画面では、ストリームごとに仕分け画像の表示を切り替えることができ、仕分け結果の編集も可能である。例えば、図12はプレビュー画面に第1ストリームを表示している状態に対応し、図13はプレビュー画面に第2ストリームを表示している状態に対応する。
【0075】
図12図13において、1201はサムネイル表示部であり、上述した画像リストに格納されている、区切り情報と、読み取り画像のサムネイル画像が表示される。
サムネイル表示部1201において、ユーザーが、区切り情報を任意のサムネイル画像の間に追加/移動/削除する操作を行うことにより、読み取り画像の仕分け結果を編集することが可能である。このとき、第2ストリームの区切り位置を第1ストリームと共通にする設定がなされている場合には、一方のストリームのサムネイル表示部1201において編集した区切り情報が、他方のストリームのサムネイル表示部1201に反映されるようにしても良い。
【0076】
1202は読み取り画像表示部であり、サムネイル表示部1201で選択されているサムネイル画像に対応する読み取り画像が表示される。
1203はストリーム切り替えボタンであり、このボタンが押下されると、プレビュー画面に表示されるストリームが切り替えられる。ストリーム切り替えボタン1203が押下された際には、その時点で読み取り画像表示部1202に表示されている画像と対応する他方のストリームにおける画像に表示が切り替わるように制御される。具体的には、第1ストリームにおける3ページ目の画像が表示されている際に、ストリーム切り替えボタン1203が押下されると、第2ストリームにおける3ページ目の画像が表示される。
このように構成することで、ユーザーは、ストリームを切り替えながら同じ画像同士の比較を容易に行うことができる。
【0077】
1204は追加スキャンボタンであり、このボタンが押下されると、画像読取装置1での画像読取処理が継続され、追加で原稿の読み取りを行うことが可能となる。
1205は完了ボタンであり、このボタンが押下されると、仕分けされた画像(プレビュー画面で仕分け結果が編集された場合には編集後のもの)がファイルとして保存される。
【0078】
以上のように、本実施形態によれば、区切り検出に最適な読み取り設定で検出した結果を、ユーザーが望む出力ファイルに適用することができる。
【0079】
なお、上述の実施形態では、区切り検出用に使用する第1ストリームの画像リストに対しても区切り情報を挿入したが、第1ストリームの画像を保存しない場合には、第1ストリームの画像リストに対する区切り情報の挿入を省略してもよい。また、第1ストリームの画像リストの生成自体も省略してもよい。この場合、第1ストリームに基づく区切り検出結果に基づいて、第1ストリーム以外のストリームの画像リストに区切り情報を挿入するものとする。
【0080】
なお、上述の実施形態では、マルチストリームの画像生成を画像読取装置1で行っているが、ドライバー402やアプリ401で行ってもよい。
この場合、ドライバー402等は、画像読取装置1から画像を受け取り、第1ストリームの読み取り設定と第2ストリームの読み取り設定の各設定(カラーモード・サイズ・解像度)を比較し、それぞれで大きい方(データ量の多い方)の値を画像読取装置1へ指示する。この指示に応じて、画像読取装置1は、画像を読み取り、読み取った画像をドライバー402に送信する。ドライバー402等は、画像読取装置1から画像を受け取り、ストリームごとに、画像生成が必要か否かを判定し、必要な場合には、受け取った画像から該ストリームに対応する画像を生成する。例えば、読み取り画像(カラー/300dpi)を基に第2ストリームの読み取り設定(モノクロ/200dpi)に従った第2ストリーム画像(モノクロ/200dpi)の生成を行うものとする。
【0081】
また、上述の実施形態では、アプリ401で仕分け処理を行う構成について説明したが、画像読取装置1において仕分け処理を行うようにしてもよい。この構成の場合、上述したアプリ401の処理を、画像読取装置1のCPU301が、Flash303等に格納されたプログラムに基づいて実行するものとする。
また、この場合、画像読取装置1では、区切り検出用に使用する第1ストリームの画像を破棄し、第1ストリーム以外のストリームの画像をドライバー402に送信する構成でもよく、全てのストリームの画像をドライバー402に送信する構成でもよい。例えば、保存指定されたストリームの画像をドライバー402に送信し、それ以外のストリームの画像は破棄するようにしてもよい。
【0082】
また、上述の実施形態では、第1ストリームの区切り検出結果情報を基に第2ストリームの区切りを判断しているが、第1ストリーム以外のストリーム(例えば第2ストリーム)の画像で区切り検出を行い、その他のストリーム(例えば第1ストリーム)の画像に適用してもよい。
【0083】
以上説明したように、本実施形態の画像読取システムでは、原稿束から順次原稿の画像を読み取り、読み取った画像群から第1設定に従った第1画像群と、第2設定に従った第2画像群を生成する。さらに、第1設定に基づいて、第1画像群に含まれる区切り画像を検出し、検出結果に基づいて区切り情報を作成し、第1画像群に対し区切り情報を付与する。このとき、第1画像群に対して付与された区切り情報を第1画像群に紐づけて保存しておいても良く、付与された区切り情報に基づいて第1画像群に対し、第1画像群の画像が区切られる位置に区切りを挿入しても良い。さらに、この区切り情報の付与結果に合わせて、第2画像群に対し、第2画像群の画像が区切られる位置に区切り情報を挿入する。さらに、第2画像群、又は、第1画像群と第2画像群の両方を、該画像群に挿入されている前記区切り情報に基づいてグループ分けし、該グループごとに画像ファイルとして出力する。このような構成により、ユーザーが望む画像を効率よく生成できる。また、画像のグループ分けの精度を向上させることができる。この結果、読取画像のサイズを抑えたユーザー所望の保存画像の生成と、読取画像の仕分け精度を向上させてグループ分けを効率よく行うことの双方を両立することができる。また、マルチストリーム機能におけるストリームごとの仕分け結果を同じにすることができる。よって、マルチストリーム機能におけるストリームごとの仕分け結果を同じにすることができ、ユーザーが望む画像を効率よく生成できる。
【0084】
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されていてもよい。
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
また、上記各実施形態を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【0085】
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0086】
また、上記実施形態においては、原稿束から原稿を搬送して読み取るものについて説明したが、これに限られず、例えばフラットベッド型の画像読取装置において、原稿台の上に載置された複数の原稿に対して読み取りを行い、それらを特定の順序で画像リストとして格納するものにおいて適用しても良い。
また、上記実施形態においては、マルチストリーム機能を用いた画像群を生成する方法として、複数のストリームに対する各読み取り設定に基いた画像群を1つの画像群から生成可能な読み取り条件で原稿を読み取り、得られた画像群から各ストリームごとの読み取り設定に従った画像群を生成するものを例に挙げて説明した。本発明はこれに限られず、複数のストリームに対応した読み取り設定で原稿を複数回読み取るようにしても良い。これは、特に上述したフラットベッド型の画像読取装置において好適に実施することができる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。即ち、上述した各実施形態及びその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0087】
1 画像読取装置(スキャナー)
201 パーソナルコンピュータ
401 アプリケーション
402 スキャナードライバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13