(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-13
(45)【発行日】2022-10-21
(54)【発明の名称】追尾装置、追尾方法、および、追尾プログラム
(51)【国際特許分類】
G01S 7/32 20060101AFI20221014BHJP
G01S 13/72 20060101ALI20221014BHJP
G01S 13/937 20200101ALI20221014BHJP
【FI】
G01S7/32 250
G01S13/72
G01S13/937
(21)【出願番号】P 2018157906
(22)【出願日】2018-08-27
【審査請求日】2021-04-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000166247
【氏名又は名称】古野電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤岡 大輔
(72)【発明者】
【氏名】柳 勝幸
(72)【発明者】
【氏名】江國 純範
(72)【発明者】
【氏名】久保田 有吾
【審査官】九鬼 一慶
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-145069(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0169685(US,A1)
【文献】特開2012-141189(JP,A)
【文献】特開2014-089057(JP,A)
【文献】Anders Rodningsby,ほか3名,Multitarget Tracking in the Presence of Wakes,2008 11th International Conference on Information Fusion,米国,IEEE,2008年09月,1536-1543
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00 - 7/42
G01S 13/00 -13/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
他船の構造または
前記他船の挙動
によって不要エコーが生じ易い領域を
、前記他船の予測位置を基準とする座標によって補正対象領域
に設定する補正対象領域設定部と、
検出された複数の物標エコーのうちで前記補正対象領域内に入る物標エコーを、補正対象として抽出する補正対象抽出部と、
過去に追尾対象とした物標エコーの過去エコー情報と、前記検出された複数の物標エコーの検出エコー情報のそれぞれと、前記補正対象抽出部での抽出結果と、を用いて、前記過去エコー情報と前記複数の検出エコー情報のそれぞれとの一致度を採点する採点部と、
前記採点の結果を用いて、前記複数の物標エコーから、今回の追尾対象の物標エコーを判定する判定部と、
を備えた、
追尾装置。
【請求項2】
請求項1に記載の追尾装置であって、
前記補正対象領域設定部は、
前記過去エコー情報に基づいて、航走波領域を設定する航走波領域設定部を、備え、
前記補正対象抽出部は、
前記検出された複数の物標エコーのうちで前記航走波領域内に入る物標エコーを、補正対象として抽出する、
追尾装置。
【請求項3】
請求項2に記載の追尾装置であって、
前記採点部は、
前記航走波領域内に入る物標エコーの採点を、前記航走波領域外の物標エコーの採点よりも低くする、
追尾装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の追尾装置であって、
前記航走波領域設定部は、
前記過去エコー情報を用い、前記過去に追尾対象とした物標エコーの今回の予測位置を基準として、前記航走波領域を設定する、
追尾装置。
【請求項5】
請求項4に記載の追尾装置であって、
前記航走波領域は、
前記予測位置を基準として、前記過去の追尾対象の物標の予測移動方向の逆方向を中心とする約39°の角度に基づいて設定されている、
追尾装置。
【請求項6】
請求項5に記載の追尾装置であって、
前記航走波領域は、
角度方向において前記予測移動方向の逆方向を挟んで複数に分離されている、
追尾装置。
【請求項7】
請求項4乃至請求項6のいずれかに記載の追尾装置であって、
前記予測位置を基準とする採点対象領域に含まれる物標エコーを検出するゲート処理部を備え、
前記補正対象抽出部は、前記ゲート処理部で検出された物標エコーのみを用いる、
追尾装置。
【請求項8】
請求項4乃至請求項7のいずれかに記載の追尾装置であって、
前記判定部において前記今回の追尾対象の物標エコーとして判定された物標エコーの位置と、前記予測位置とを用いて平滑化処理を行う平滑化処理部を、備える、
追尾装置。
【請求項9】
請求項2乃至請求項8のいずれかに記載の追尾装置であって、
前記補正対象抽出部は、
前記検出された複数の物標エコーの代表点を用いて、前記補正対象の物標エコーを抽出する、
追尾装置。
【請求項10】
他船の構造または
前記他船の挙動
によって不要エコーが生じ易い領域を
、前記他船の予測位置を基準とする座標によって補正対象領域
に設定し、
検出された複数の物標エコーのうちで前記補正対象領域内に入る物標エコーを、補正対象として抽出し、
過去に追尾対象とした物標エコーの過去エコー情報と、前記検出された複数の物標エコーの検出エコー情報のそれぞれと、前記補正対象の抽出結果と、を用いて、前記過去エコー情報と前記複数の検出エコー情報のそれぞれとの一致度を採点し、
前記採点の結果を用いて、前記複数の物標エコーから、今回の追尾対象の物標エコーを判定する、
追尾方法。
【請求項11】
請求項10に記載の追尾方法であって、
前記過去エコー情報に基づいて、航走波領域を設定し、
前記検出された複数の物標エコーのうちで前記航走波領域内に入る物標エコーを、補正対象として抽出する、
追尾方法。
【請求項12】
請求項11に記載の追尾方法であって、
前記航走波領域内に入る物標エコーの採点を、前記航走波領域外の物標エコーの採点よりも低くする、
追尾方法。
【請求項13】
請求項11または請求項12に記載の追尾方法であって、
前記過去エコー情報を用い、前記過去に追尾対象とした物標エコーの今回の予測位置を基準として、前記航走波領域を設定する、
追尾方法。
【請求項14】
他船の構造または
前記他船の挙動
によって不要エコーが生じ易い領域を
、前記他船の予測位置を基準とする座標によって補正対象領域
に設定し、
検出された複数の物標エコーのうちで前記補正対象領域内に入る物標エコーを、補正対象として抽出し、
過去に追尾対象とした物標エコーの過去エコー情報と、前記検出された複数の物標エコーの検出エコー情報のそれぞれと、前記補正対象の抽出結果と、を用いて、前記過去エコー情報と前記複数の検出エコー情報のそれぞれとの一致度を採点し、
前記採点の結果を用いて、前記複数の物標エコーから、今回の追尾対象の物標エコーを判定する、
処理を演算処理装置に実行させる追尾プログラム。
【請求項15】
請求項14に記載の追尾プログラムであって、
前記過去エコー情報に基づいて、航走波領域を設定し、
前記検出された複数の物標エコーのうちで前記航走波領域内に入る物標エコーを、補正対象として抽出する、
処理を演算処理装置に実行させる追尾プログラム。
【請求項16】
請求項15に記載の追尾プログラムであって、
前記航走波領域内に入る物標エコーの採点を、前記航走波領域外の物標エコーの採点よりも低くする、
処理を演算処理装置に実行させる追尾プログラム。
【請求項17】
請求項15または請求項16に記載の追尾プログラムであって、
前記過去エコー情報を用い、前記過去に追尾対象とした物標エコーの今回の予測位置を基準として、前記航走波領域を設定する、
処理を演算処理装置に実行させる追尾プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶等の水上を移動する物標の追尾を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、レーダを用いて物標の運動を推定する装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような物標の運動の推定結果を用いて、物標を追尾することがある。
【0005】
しかしながら、水上を移動する物標では、この物標の移動によって、航走波が生じる。航走波のエコーの位置は、物標のエコーの位置に近い。また、航走波のエコーの大きさ(面積)は、物標のエコーの大きさ(面積)に近いことがある。
【0006】
このため、従来では、追尾対象の物標と間違えて、航走波を追尾してしまうことがあった。
【0007】
したがって、本発明の目的は、追尾対象の物標をより確実に追尾する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の追尾装置は、自船または他船の構造または挙動に基づいて不要エコーが生じ易い領域を補正対象領域として設定する補正対象領域設定部と、検出された複数の物標エコーのうちで前記補正対象領域内に入る物標エコーを、補正対象として抽出する補正対象抽出部と、過去に追尾対象とした物標エコーの過去エコー情報と、前記検出された複数の物標エコーの検出エコー情報のそれぞれと、前記補正対象抽出部での抽出結果と、を用いて、前記過去エコー情報と前記複数の検出エコー情報のそれぞれとの一致度を採点する採点部と、前記採点の結果を用いて、前記複数の物標エコーから、今回の追尾対象の物標エコーを判定する判定部とを備える。
【0009】
この構成では、補正対象領域内にある物標エコーと補正対象領域外にある物標エコーとで、異なる採点を行うことができる。したがって、補正対象領域内にある物標エコーの採点点数を、補正対象領域外にある物標エコーの採点点数よりも、相対的に低くすることが可能になる。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、追尾対象の物標をより確実に追尾できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】追尾対象決定部の構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る追尾処理部の構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るレーダ装置の構成を示すブロック図である。
【
図5】今回の追尾検出の対象領域を拡大した図である。
【
図7】(A)、(B)は、航走波領域の形状例を示す図である。
【
図8】本実施形態に係る追尾処理の概要フローを示すフローチャートである。
【
図9】本実施形態に係る追尾対象の決定処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態に係る追尾装置、追尾方法、および、追尾プログラムについて、図を参照して説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施形態に係る追尾対象決定部の構成を示すブロック図である。
図2は、本発明の実施形態に係る追尾処理部の構成を示すブロック図である。
図3は、本発明の実施形態に係るレーダ装置の構成を示すブロック図である。なお、
図2に示す追尾処理部が本発明の「追尾装置」に対応するが、追尾装置は、少なくとも、追尾対象決定部を備えていればよい。
図4は、追尾処理の概念を説明するための図である。
図5は、
図4における今回の追尾検出の対象領域を拡大した図である。
【0014】
(レーダ装置90の構成)
図3に示すように、レーダ装置90は、アンテナ91、送信部92、送受切替部93、受信部94、追尾代表点検出部95、追尾処理部10、および、表示部96を備える。なお、レーダ装置90における追尾処理部10以外の構成は、既知の構成と同様であり、以下では簡略的に説明する。そして、追尾処理部10は、単体の追尾装置として用いることも可能であるが、このように、
図3に示すようなレーダ装置90の一部として用いられる。
【0015】
送信部92および受信部94は、送受切替部93を介して、アンテナ91に接続している。受信部94は、追尾代表点検出部95に接続している。追尾代表点検出部95は、追尾処理部10に接続している。追尾処理部10は、表示部96に接続している。例えば、送信部92および受信部94は、それぞれに電気回路や電子回路によって実現される。例えば、送受切替部93は、導波管やストリップライン等の分波回路を実現する信号伝送部材によって実現される。例えば、追尾代表点検出部95、および、追尾処理部10は、これらの機能部を実現するためのプログラム、このプログラムを記録する記録媒体、および、このプログラムを実行するCPU等の演算処理装置によって実現される。例えば、表示部96は、液晶ディスプレイ等によって実現される。
【0016】
送信部92は、探知信号を生成して出力する。送受切替部93は、探知信号をアンテナ91に伝送する。
【0017】
アンテナ91は、船舶等の水上移動体に取り付けられており、予め設定された周期で送受波面を回転させながら、探知信号を外部(探知領域)に送信し、そのエコー信号を受信する。
【0018】
アンテナ91は、エコー信号を送受切替部93に出力する。送受切替部93は、エコー信号を受信部94に伝送する。
【0019】
受信部94は、エコー信号に対して、検波処理、A/D変換、増幅処理等の既知の受信処理を行って、エコーデータを生成する。エコーデータは、PPI画像を構成する直交座標系に変換される。受信部94は、エコーデータを、追尾代表点検出部95に出力する。
【0020】
追尾代表点検出部95は、検出用閾値以上の信号強度を有するエコーデータを抽出し、抽出された物標エコー毎に、その代表点を検出する。例えば、物標エコーの代表点は、PPI画像を構成する直交座標系の座標で表され、物標エコーの重心の座標等を用いて表される。また、追尾代表点検出部95は、物標エコーの面積を算出する。例えば、物標エコーの面積は、この物標エコーを構成するエコーデータ群の各画素の総面積で表される。追尾代表点検出部95は、物標エコーの代表点、および物標エコーの面積を含むエコー情報を生成する。この際、追尾代表点検出部95は、物標エコー毎に、エコー情報を生成する。
【0021】
追尾代表点検出部95は、エコーデータ、および、物標エコー毎のエコー情報を、追尾処理部10に出力する。
【0022】
追尾処理部10は、概略的には、物標エコー毎のエコー情報を用いて、代表点が検出されている複数の物標エコーから、追尾対象の物標エコーを検出し、この追尾対象の物標エコーを追尾する。この際、詳細は後述するが、追尾処理部10は、過去の追尾対象の物標エコーのエコー情報に基づく今回の予測位置を用いて、航走波領域を設定する。追尾処理部10は、代表点が検出されている複数の物標エコーに対して、追尾対象の物標エコーとのエコー情報の一致度に応じた採点を行う。この際、追尾処理部10は、航走波領域内にある物標エコーと航走波領域外にある物標エコーとで異なる採点方法を用いて採点を行う。例えば、追尾処理部10は、物標エコーが航走波領域内にあることによって、物標エコーが航走波領域外にある(航走波領域内にない)場合よりも点数が低下するように、採点を行う。そして、追尾処理部10は、採点点数が最も高い物標エコーを、追尾対象の物標エコーとして検出する。
【0023】
追尾処理部10は、追尾によって得られる各種の情報(追尾情報)を、エコーデータ、および、エコー情報とともに、表示部96に出力する。なお、追尾情報とは、例えば、追尾対象の物標エコーの推定位置、推定速度等を含む。
【0024】
表示部96は、エコーデータに基づくレーダ装置90の周囲の探知画像を表示する。さらに、表示部96は、追尾情報、および、追尾情報に基づく各種のシンボルマーク等を、探知画像上等に表示することもできる。
【0025】
(追尾処理部10の構成)
図2に示すように、追尾処理部10は、ゲート処理部11、追尾対象決定部12、平滑化処理部13、および、追尾ターゲットDB100を備える。
【0026】
ゲート処理部11は、追尾対象の物標エコーの過去の追尾情報から、今回の追尾検出のタイミング(時刻)における、追尾対象の物標エコーの予測位置101(
図4、
図5参照)を算出する。ゲート処理部11は、この予測位置101を用いて、採点対象領域110を決定する。なお、予測位置101は、過去の追尾対象の物標エコーのエコー情報(過去エコー情報)から算出できる。例えば、予測位置101は、直前の検出タイミングでの追尾対象の物標エコーの推定位置および推定速度ベクトルと、直前の検出タイミングと今回の検出タイミングとの時間差と、から算出できる。
【0027】
例えば、
図4、
図5に示すように、採点対象領域110は、予測位置101を中心とする半径rmの円形の領域である。なお、採点対象領域110の大きさは、適宜調整が可能であり、例えば、過去の追尾対象の物標エコーのエコー情報から得られる予測速度に応じて調整され、予測速度が大きいほど、採点対象領域110の大きさを大きくする等の調整が可能である。
【0028】
ゲート処理部11は、今回の追尾検出タイミングにおける採点対象領域110内に存在する物標エコーを抽出する。
【0029】
ゲート処理部11は、抽出した物標エコーの代表点を、エコー情報とともに、追尾対象決定部12に出力する。
【0030】
このように、ゲート処理部11は、検出された複数の物標エコーから、追尾対象となる可能性を或程度以上有する物標エコーを絞り込む。これにより、検出された全ての物標エコーを追尾対象として後述の追尾対象の決定処理を行うよりも、処理負荷を軽減できる。
【0031】
追尾対象決定部12は、
図1に示すように、航走波領域設定部121、補正対象抽出部122、採点部123、および、判定部124を備える。なお、航走波領域設定部121は、本発明の「補正対象領域設定部」に対応する。
【0032】
航走波領域設定部121は、
図4、
図5の斜線のハッチングの領域に示すように、予測位置101を基準として、航走波領域131および航走波領域132を設定する。
【0033】
具体的には、航走波領域設定部121は、予測位置101を基準として、予測進行方向DMに対する逆方向DMIを設定する。予測進行方向DMは、追尾対象の物標エコーの過去のエコー情報から得られる速度ベクトルによって決定できる。したがって、逆方向DMIは、この速度ベクトルの逆ベクトルによって決定できる。
【0034】
より具体的には、航走波領域設定部121は、予測位置101を頂点とし、採点対象領域110を形成する円における左舷側で且つ逆方向DMI側の円周の一部を円弧とする扇形によって、航走波領域131を設定する。この設定方法の一例としては、航走波領域設定部121は、航走波基準線LswLを設定する。航走波基準線LswLは、予測位置101を通り逆方向DMIに対して左舷側に角度θLを成す直線である。次に、航走波領域設定部121は、予測位置101を基準として、航走波基準線LswLの延びる方向を含むように、角度ΔθLで広がる扇形の領域を、航走波領域131に設定する。より具体的には、航走波基準線LswLの延びる方向は、角度方向(円周に沿う方向)Dθにおける角度ΔθLの中心を通るように設定されていることが好ましい。
【0035】
また、航走波領域設定部121は、予測位置101を頂点とし、採点対象領域110を形成する円における右舷側で且つ逆方向DMI側の円周の一部を円弧とする扇形によって、航走波領域132を設定する。この設定方法の一例としては、航走波領域設定部121は、航走波基準線LswRを設定する。航走波基準線LswRは、予測位置101を通り逆方向DMIに対して右舷側に角度θRを成す直線である。次に、航走波領域設定部121は、予測位置101を基準として、航走波基準線LswRの延びる方向を含むように、角度ΔθRで広がる扇形の領域を、航走波領域132に設定する。より具体的には、航走波基準線LswRの延びる方向は、角度方向(円周に沿う方向)Dθにおける角度ΔθRの中心を通るように設定されていることが好ましい。
【0036】
角度θL(航走波基準線LswLと水上移動体の進行方向の逆方向との成す角に対応)および角度θR(航走波基準線LswRと水上移動体の進行方向の逆方向との成す角に対応)は、それぞれ約19.47°に設定されることが好ましい。これは、航走波が、移動体(船舶等)の形状、速度に影響されることなく、進行方向の逆方向に対して、約39°の角度をもって広がっていくことに基づいている。
【0037】
また、角度ΔθLおよび角度ΔθRは、例えば、約20°に設定されている。すなわち、航走波領域131および航走波領域132は、予測位置101を通り逆方向DMIに対して約19.47°を成し、例えば、角度方向に±約10°の広がりをもって、設定されている。
【0038】
このような処理によって、航走波領域設定部121は、航走波によるエコーが生じ易い領域を設定できる。
【0039】
航走波領域設定部121は、航走波領域131および航走波領域132を、補正対象抽出部122に出力する。航走波領域131および航走波領域132は、例えば、扇形の各頂点の座標等によって設定することができる。
【0040】
補正対象抽出部122は、複数の物標エコーのそれぞれの代表点の座標と、航走波領域131および航走波領域132とを比較する。補正対象抽出部122は、航走波領域131の内部または航走波領域132の内部に存在する代表点を抽出する。
【0041】
補正対象抽出部122は、抽出した代表点を有する物標エコーを、補正対象の物標エコーに設定する。一方、補正対象抽出部122は、抽出されない代表点を含む物標エコーを、補正対象の物標エコーに設定しない。
【0042】
補正対象抽出部122は、ゲート処理部11で抽出した複数の物標エコーのそれぞれに対して、補正対象であるか否かを検出し、この検出結果を補正情報として生成する。補正対象抽出部122は、複数の物標エコーとそれぞれの補正情報とを、採点部123に出力する。
【0043】
採点部123は、追尾対象の物標エコーと、ゲート処理部11で抽出した複数の物標エコー(検出エコー情報)のそれぞれとの一致度を採点する。ここで、採点部123は、追尾対象の物標エコーとして、例えば、直前の追尾検出のタイミングで追尾対象として検出された物標エコーを用いる。
【0044】
採点部123は、複数の物標エコー(採点対象の物標エコー)のエコー情報と、追尾対象の物標エコーのエコー情報および予測位置101と、を用いて、エコー情報の一致度に応じた採点を行う。例えば、採点は、一致度が高いほど、点数が高くなるように設定されている。
【0045】
一例として、より具体的には、採点部123は、複数の物標エコーのそれぞれに対して、次の演算に採点を実行する。
【0046】
採点部123は、採点対象の物標エコーのエコー情報から、代表点の位置および物標エコーの面積を抽出する。採点部123は、追尾対象の物標エコーのエコー情報から、追尾対象の物標エコーの面積を抽出する。
【0047】
採点部123は、採点対象の物標エコーの代表点の位置と予測位置101との距離差を算出する。採点部123は、当該代表点を取得した物標エコーの面積と、追尾対象の物標エコーの面積との差または比を算出する。
【0048】
採点部123は、距離の差、および、面積の差または比を用いて、点数を設定する。より具体的には、採点部123は、距離の差が小さいほど点数を高くし、面積の差が小さいまたは面積の比が1に近いほど点数を高くする。そして、採点部123は、距離の差による点数と、面積差または比による点数とを加算等することによって、採点対象の物標エコーの点数を算出する。
【0049】
ここで、採点部123は、航走波領域131内または航走波領域132内に入っている物標エコーと、航走波領域131内および航走波領域132内に入ってない物標エコーとで、採点に対して異なる重み付けを行う。
【0050】
例えば、採点部123は、採点対象の物標エコーの代表点が航走波領域131内または航走波領域132内に入っているか否かに応じて、採点方法を異ならせる。
【0051】
具体的な一例としては、採点部123は、採点対象の物標エコーの代表点が航走波領域131または航走波領域132内に入っていれば、点数を減点する。一方、採点部123は、採点対象の物標エコーの代表点が航走波領域131内および航走波領域132内に入っていなければ、減点を行わない。
【0052】
また別の具体的な一例としては、採点部123は、採点対象の物標エコーの代表点が航走波領域131内および航走波領域132内に入っていなければ、加点を行い、採点対象の物標エコーの代表点が航走波領域131または航走波領域132内に入っていれば、点数の加点を行わない。
【0053】
また、採点部123は、採点対象の物標エコーの代表点が航走波領域131または航走波領域132内に入っていれば、点数を減点し、採点対象の物標エコーの代表点が航走波領域131内および航走波領域132内に入っていなければ、加点を行ってもよい。
【0054】
採点部123は、採点対象とした複数の物標エコーの採点結果を、判定部124に出力する。
【0055】
判定部124は、一致度が最も高い物標エコーを、今回の追尾対象の物標エコーとして検出する。すなわち、判定部124は、採点点数が最も高い物標エコーを、今回の追尾対象の物標エコーとして検出する。
【0056】
以上のような構成および処理を用いることによって、航走波領域131内または航走波領域132内にある物標エコー、すなわち、航走波のエコーの可能性が高い物標エコーの点数は、低くなる。
【0057】
このため、追尾処理部10は、航走波のエコーを追尾対象の物標エコーとして誤検出することを抑制できる。したがって、追尾処理部10は、追尾対象の物標エコーを、より確実に検出でき、追尾性能は向上する。
【0058】
さらに、この構成では、逆方向DMIに航走波領域が設定されておらず、航走波領域131と航走波領域132とは、逆方向DMIを挟んで、分離して設定されている。これにより、移動体の速度が遅くなっても、移動体のエコーが航走波領域134および航走波領域135に入ることを抑制できる。したがって、移動体の速度が遅くなっても、移動体のエコーを航走波のエコーとして誤判定することを抑制できる。したがって、追尾処理部10は、追尾対象の物標エコーを、より正確に検出でき、追尾性能は向上する。
【0059】
判定部124は、検出した追尾対象の物標エコーおよびエコー情報を、平滑化処理部13に出力する。
【0060】
平滑化処理部13は、過去の追尾対象の物標エコーのエコー情報と、今回検出した追尾対象の物標エコーのエコー情報とを用いて、平滑化処理を実行し、追尾情報を算出する。例えば、追尾情報には、今回検出した追尾対象の物標エコーの推定位置、推定速度が含まれる。推定位置は、予測位置と今回検出した追尾対象の物標エコーの代表点の位置との平均値(例えば、重み付け平均値)によって算出される。推定速度ベクトルは、過去の追尾対象の物標エコーの推定位置と、今回検出した追尾対象の物標エコーの推定位置と、これらの時刻差等によって、算出される。
【0061】
平滑化処理部13は、追尾情報を、表示部96に出力するとともに、追尾ターゲットDB(データベース)100に記憶する。この追尾ターゲットDB100に記憶された追尾情報は、上述のゲート処理部11によって読み出され、次の追尾対象の検出時刻での予測位置の算出等に利用される。
【0062】
平滑化処理部13は、省略することも可能である。しかしながら、平滑化処理部13を備えることによって、追尾対象の物標エコーに対して、より確からしい位置および速度を算出することできる。したがって、例えば、追尾性能が向上する。
【0063】
(具体的な一例の説明)
上述の処理を、
図4、
図5、
図6を用いて具体的に説明する。
図6は、採点の概念を説明するための表である。なお、ここでは、今回の追尾対象の物標エコーの検出時刻はt2であり、直前の追尾対象の物標エコーの検出時刻は、t1である。また、具体的な算出方法は、上述しているので、以下では省略している。
【0064】
時刻t1において検出された追尾対象の物標エコーED0(t1)には、追尾情報として、推定位置EP0(t1)、推定速度ベクトルEv0(t1)が含まれている。
【0065】
ゲート処理部11は、この追尾情報に基づいて、時刻t2での追尾対象の物標エコーの予測位置101を算出し、採点対象領域110を設定する。ゲート処理部11は、検出された複数の物標エコーから、採点対象領域110内にある、複数の物標エコーED1(t2)、ED2(t2)、ED3(t2)、ED4(t2)、ED5(t2)、ED6(t2)、ED7(t2)、ED8(t2)を抽出する。
【0066】
追尾対象決定部12は、上述のように、予測位置101を基準に、航走波領域131および航走波領域132を設定する。
【0067】
追尾対象決定部12は、物標エコーED1(t2)の代表点EP1(t2)、物標エコーED2(t2)の代表点EP2(t2)、物標エコーED3(t2)の代表点EP3(t2)、物標エコーED4(t2)の代表点EP4(t2)、物標エコーED5(t2)の代表点EP5(t2)、物標エコーED6(t2)の代表点EP6(t2)、物標エコーED7(t2)の代表点EP7(t2)、物標エコーED8(t2)の代表点EP8(t2)と、航走波領域131および航走波領域132との位置関係を検出する。
【0068】
図5に示すように、代表点EP1(t2)は、航走波領域131内および航走波領域132内に入ってない。一方、代表点EP2(t2)、EP3(t2)、EP4(t2)は、航走波領域131内に入っており、代表点EP5(t2)、EP6(t2)、EP7(t2)、EP8(t2)は、航走波領域132内に入っている。
【0069】
したがって、
図6に示すように、物標エコーED1は、採点点数の減点の対象ではなく、物標エコーED2-ED8は、採点点数の減点の対象となる。
【0070】
採点部123は、これを加味し、
図6に示すように、物標エコーED1-ED8を採点し、物標エコーED2-ED8は点数を減点する。
【0071】
判定部124は、採点点数が最も高い物標エコーED1を、今回の追尾対象の物標エコーと判定する。なお、本実施形態の構成および方法を用いなければ、
図6に示すように、物標エコー(航走波のエコー)ED2が、今回の追尾対象の物標エコーとして判定されてしまうが、本実施形態の構成および方法を用いることによって、このような誤判定は抑制される。
【0072】
したがって、本実施形態の構成および方法を用いることによって、移動体の近傍にある航走波のエコーを、追尾対象の物標エコーとして誤って追尾することを抑制できる。
【0073】
なお、上述の説明において、航走波領域131の角度ΔθL、および、航走波領域132の角度ΔθRを、それぞれ20°にする態様を示したが、この角度は、一例であり、他の角度であってもよい。また、航走波領域131における、航走波基準線LswLに対する両側の角度範囲は、同じであってもよく、異なっていてもよい。すなわち、航走波領域131における航走波基準線LswLよりも左舷側の領域と、航走波基準線LswLよりも船尾側の領域との面積は、同じであってもよく、異なっていてもよい。航走波領域132における航走波基準線LswRよりも右舷側の領域と、航走波基準線LswRよりも船尾側の領域との面積は、同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0074】
また、航走波領域は、上述の形状に限るものではなく、次の
図7(A)、
図7(B)に示すような形状であってもよい。
図7(A)、
図7(B)は、航走波領域の形状例を示す図である。
【0075】
図7(A)に示す航走波領域133は、予測位置101を頂点とする扇形であり、予測位置101からの距離L1の円弧を内縁とし、予測位置101からの距離L0(>L1)の円弧を外縁とする形状である。航走波領域133は、予測位置101を通り、予測進行方向DMの逆方向DMIに延びる線120を基準として、左舷方向および右舷方向に所定角に広がる形状である。
図7(A)の例であれば、航走波領域133は、線120に対して左舷側に角度θL+角度θLaを成す辺を左端とし、線120に対して右舷側に角度θR+角度θRaを成す辺を右端とする形状である。ここで、角度θLaは、例えば、上述のΔθLの1/2倍程度であり、角度θRaは、例えば、上述のΔθRの1/2倍程度である。
【0076】
このような航走波領域133の設定であっても、航走波のエコーを誤追尾することを抑制できる。さらに、この設定では、予測位置101の近傍領域(距離L1の円弧よりも予測位置101側の領域)は、航走波領域133に含まれていない。したがって、追尾対象の移動体の速度が遅くなっても、移動体のエコーが航走波領域133に入り難い。これにより、航走波のエコーに対する減点を行いながら、移動体のエコーに減点の補正を行うことを抑制できる。
【0077】
なお、距離L1および距離L0は、適宜調整が可能である。例えば、距離L1は、対象とする移動体の速度の推定バラツキ、移動体の大きさ等によって設定可能である。また、例えば、距離L0は、採点対象領域110の半径rm以内において、航走波のエコーの減衰の度合い等に基づいて、設定可能である。
【0078】
図7(B)に示す航走波領域134は、上述の航走波領域131における、予測位置101の近傍の領域、および、採点対象領域110の円弧の近傍領域を除外した領域である。すなわち、航走波領域131における予測位置101から距離L1の円弧までの領域と、距離L0の円弧から採点対象領域110の円弧までの領域とを除外した領域である。
【0079】
同様に、航走波領域135は、上述の航走波領域132における、予測位置101の近傍の領域、および、採点対象領域110の円弧の近傍領域を除外した領域である。すなわち、航走波領域132における予測位置101から距離L1の円弧までの領域と、距離L0の円弧から採点対象領域110の円弧までの領域とを除外した領域である。
【0080】
このような航走波領域134、および、航走波領域135の設定であっても、航走波のエコーを誤追尾することを抑制できる。さらに、この構成では、移動体の速度が遅くなっても、移動体のエコーが航走波領域133に入ることを抑制できる。特に、この構成では、逆方向DMIにおいて、予測位置101から採点対象領域110の円弧まで、航走波領域が設定されていない。すなわち、航走波領域134と航走波領域135とは、逆方向DMIを挟んで、分離して設定されている。これにより、移動体の速度が大きく遅くなっても、移動体のエコーが航走波領域134および航走波領域135に入ることを抑制できる。
【0081】
上述の説明では、複数の機能部によって、追尾処理を実現する態様を示したが、上述の追尾処理をプログラム化して記憶媒体等に記憶しており、CPU等の演算処理装置が当該プログラムを読み出して実行する態様であってもよい。この場合、次の
図8および
図9に示す処理を実行すればよい。
図8は、本実施形態に係る追尾処理の概要フローを示すフローチャートである。
図9は、本実施形態に係る追尾対象の決定処理のフローチャートである。なお、各処理の具体的な内容は、ほぼ上述しているので、上述している内容については説明を省略する。
【0082】
図8に示すように、演算処理装置は、ゲート処理を行う(S11)。ゲート処理とは、採点対象領域110を設定し、検出された複数の物標エコーから、採点対象領域110内に存在する物標エコーを、採点対象の物標エコーとして抽出する処理である。
【0083】
演算処理装置は、採点対象の物標エコーから追尾対象の物標エコーを決定する(S12)。演算処理装置は、追尾対象の物標エコーと過去の追尾対象の物標エコーとを用いて、平滑化処理を実行し(S13)、追尾情報を生成する。
【0084】
ステップS12の追尾対象の決定は、
図9に示すように実行される。
【0085】
演算処理装置は、航走波領域を設定し、この航走波領域を用いて、採点の補正対象を抽出する(S21)。具体的には、演算処理装置は、航走波領域内に代表点を、採点の補正対象として抽出する。
【0086】
演算処理装置は、代表点が採点の補正対象でなければ(S22:NO)、物標エコーに対して、補正無しの採点を行う(S23)。演算処理装置は、代表点が採点の補正対象であれば(S22:YES)、物標エコーに対して、補正有りの採点を行う(S24)。
【0087】
演算処理装置は、採点結果から、追尾対象の物標エコーを判定する(S25)。
【0088】
このような処理によって、航走波のエコーを誤って追尾することを抑制でき、移動体のエコーを、より正確に追尾することができる。
【0089】
なお、上述の説明では、採点した点数を補正する態様を示した。しかしながら、補正の対象の物標エコーのエコー情報を、点数が低くなるように補正(例えば、エコーの面積を変更する等の補正)を行ってから、採点してもよい。また、補正対象の物標エコーと、補正対象でない物標エコーとで、採点時に異なる重み付けを行ってもよい。例えば、補正対象の物標エコーに対しては、点数が低くなるように重み付けを行い、補正対象でない物標エコーに対しては、点数が高くなるように重み付けを行ってもよい。
【0090】
また、上述の説明では、船舶等の水上移動体にレーダ装置を配置する態様を示した。しかしながら、海峡等の所定の陸地に設置されている陸上設置型のレーダ装置に対しても、上述の構成を適用してもよい。
【0091】
また、上述の説明では、採点対象領域110は円形の領域としたが、扇形、長方形等、他の形状であってもよい。
【0092】
また、上述の説明において、採点点数の補正は、採点対象の物標エコーの代表点が過去に航走波領域に入っている頻度を統計的に考慮して行ってもよい。
【0093】
また、上述に構成において、採点点数は、航走波領域の反対側(追尾対象の物標エコーの予測位置よりも進行方向側)の点数が高くなるように、補正してもよい。
【0094】
また、上述の構成では、まず、採点対象領域110を設定した後に、航走波領域を設定している。しかしながら、航走波領域を先に設定し、採点対象領域110を、航走波領域に応じて変形することも可能である。例えば、円形の採点対象領域110に対して、航走波領域に対応する箇所を含まないようにする。または、複数の航走波領域を設定する場合に、円形の採点対象領域110に対して、複数の航走波領域とその間の領域とを含まないようにする。
【0095】
また、上述の説明では、追尾代表点検出部95にて、代表点を検出した後に、追尾処理部10にて、航走波領域の内外に応じて、代表点(物標エコー)の採点を異ならせる態様を示した。しかしながら、航走波領域を先に設定し、追尾代表点検出部95において、航走波領域内に含まれる物標エコーに関しては、追尾対象として代表点を検出しないようにしてもよい。
【0096】
また、上述の説明では、航走波が生じている可能性の高い領域を、採点の補正の対象の領域とする態様を示した。しかしながら、航走波に起因するエコーに限らず、自船または他船の構造または挙動に起因する不要エコーが生じ易い領域を、採点の補正対象領域としてもよい。
【0097】
例えば、自船の構造または挙動に起因する不要エコーに対する補正対象領域を設定する場合には、自船の位置、速度ベクトル等を用いることで、補正対象領域を設定できる。また、他船の構造または挙動に起因する不要エコーに対する補正対象領域を設定する場合には、他船の位置、速度ベクトル等を用いることで、補正対象領域を設定できる。
【0098】
また、航走波領域等の補正対象領域は、オペレータが表示部96に表示された探知画像を見ながら、操作部(図示せず)によって設定することも可能である。
【符号の説明】
【0099】
10:追尾処理部
11:ゲート処理部
12:追尾対象決定部
13:平滑化処理部
90:レーダ装置
91:アンテナ
92:送信部
93:送受切替部
94:受信部
95:追尾代表点検出部
96:表示部
100:追尾ターゲットDB
101:予測位置
110:採点対象領域
120:線
121:航走波領域設定部
122:補正対象抽出部
123:採点部
124:判定部
131、132、133、134、135:航走波領域
DM:予測進行方向
DMI:逆方向
ED0、ED1、ED2、ED3、ED4、ED5、ED6、ED7、ED8:物標エコー
EP0:推定位置
EP1、EP2、EP3、EP4、EP5、EP6、EP7、EP8:代表点
Ev0:推定速度ベクトル
L0、L1:距離
LswL:航走波基準線
LswR:航走波基準線