(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-13
(45)【発行日】2022-10-21
(54)【発明の名称】オキサジアゾール化合物および農園芸用殺菌剤
(51)【国際特許分類】
C07D 413/10 20060101AFI20221014BHJP
A01N 43/836 20060101ALI20221014BHJP
A01P 3/00 20060101ALI20221014BHJP
C07D 413/14 20060101ALI20221014BHJP
【FI】
C07D413/10 CSP
A01N43/836
A01P3/00
C07D413/14
(21)【出願番号】P 2019532626
(86)(22)【出願日】2018-07-24
(86)【国際出願番号】 JP2018027647
(87)【国際公開番号】W WO2019022061
(87)【国際公開日】2019-01-31
【審査請求日】2021-03-09
(31)【優先権主張番号】P 2017145283
(32)【優先日】2017-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2017152642
(32)【優先日】2017-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2017214071
(32)【優先日】2017-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2018076406
(32)【優先日】2018-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004307
【氏名又は名称】日本曹達株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100194250
【氏名又は名称】福原 直志
(74)【代理人】
【識別番号】100189337
【氏名又は名称】宮本 龍
(72)【発明者】
【氏名】岩田 淳
(72)【発明者】
【氏名】中村 優花
(72)【発明者】
【氏名】林 月穂
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 慎也
(72)【発明者】
【氏名】佐野 博
【審査官】伊佐地 公美
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-500297(JP,A)
【文献】国際公開第2018/187553(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A01N
A01P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で表される化合物またはその塩。
【化1】
式(I)中、
Xは、置換若しくは無置換のC1~6アルキル基、置換若しくは無置換のC1~6アルコキシ基、またはハロゲノ基である。
nは、化学的に許容されるXの個数であり、0~4のいずれかの整数である。なお、nが2以上のときXは互いに同じでも異なってもよい。
Lは、単結合、または置換若しくは無置換のC1~6アルキレン基である。
Qは、式(Q-1)または式(Q-2)で表される基である。
【化2】
式(Q-1)および式(Q-2)中、
*は結合位置である。
式(Q-1)中、
Y
1は、窒素原子またはCR
1である。
Y
2は、窒素原子またはCR
2である。
Y
3は、窒素原子またはCR
3である。
Y
4は、窒素原子またはCR
4である。
ただし、Y
1~Y
4のうち二つ以上が窒素原子になることはない。
R
1、R
2、R
3、およびR
4は、それぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換のC1~6アルキル基、水酸基、置換若しくは無置換のC1~6アルコキシ基、置換若しくは無置換のC1~6アルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換のC1~6アルキルカルボニルオキシ基、置換若しくは無置換のC1~6アルキルチオ基、置換若しくは無置換のアルキルスルフィニル基、置換若しくは無置換のアルキルスルホニル基、置換若しくは無置換のC6~10アリール基、置換若しくは無置換の5~6員ヘテロシクリル基、置換若しくは無置換のC6~10アリールオキシ基、置換若しくは無置換のアミノ基、置換若しくは無置換のアミノカルボニル基、ハロゲノ基、またはシアノ基であ
り、
前記R
1
、R
2
、R
3
、およびR
4
の少なくとも一つが置換C1~6アルコキシ基を表し、前記置換C1~6アルコキシ基上の置換基が、ハロゲノ基、C2~6アルケニル基、C1~6アルコキシ基、C1~6アルキルチオ基、C1~6アルキルスルフィニル基、C1~6アルキルスルホニル基、置換若しくは無置換のC1~6アルコキシイミノ基、5~6員飽和ヘテロシクリルオキシイミノ基、C6~10アリールオキシイミノ基、シアノ基、またはアミノチオカルボニル基である。
式(Q-2)中、
Rは、水素原子、5~6員飽和ヘテロシクリル基または置換若しくは無置換のC1~6アルキル基である。
Gは、置換若しくは無置換のC1~6アルキレン基である。
Tは、置換若しくは無置換のC1~6アルキレン基である。
Y
5は、窒素原子又はCHである。
【請求項2】
前記式(I)が、式(II)である、請求項1に記載の化合物またはその塩。
【化3】
式(II)中、X、n、およびLは、前記式(I)中のそれらと同様の意味であり、Y
1~Y
4は、前記式(Q-1)中のそれらと同様の意味である。
【請求項3】
前記式(I)が、式(III)である、請求項1に記載の化合物またはその塩。
【化4】
式(III)中、X、n、およびLは、前記式(I)中のそれらと同様の意味であり、R、G、T及びY
5は、前記式(Q-2)中のそれらと同様の意味である。
【請求項4】
請求項1から
3のいずれかに記載の化合物、およびそれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを有効成分として含有する農園芸用殺菌剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オキサジアゾール化合物および農園芸用殺菌剤に関する。より詳細に、本発明は、殺菌活性に優れ、安全性に優れ、且つ工業的に有利に合成できるオキサジアゾール化合物、ならびにこれを有効成分として含有する農園芸用殺菌剤に関する。
本願は、2017年7月27日に日本に出願された特願2017-145283号、2017年8月7日に日本に出願された特願2017-152642号、2017年11月6日に日本に出願された特願2017-214071号、及び2018年4月11日に日本に出願された特願2018-076406号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
農園芸作物の栽培に当り、作物の病害に対して多数の防除薬剤が提案されている。提案されている防除薬剤のほとんどは、その防除効力が不十分であったり、薬剤耐性の病原菌の出現によりその使用が制限されたり、植物体に薬害や汚染を生じさせたり、若しくは人畜魚類に対する毒性や環境への影響が大きかったりなどで、十分に満足できるものでない。そのため、かかる欠点の少ない安全に使用できる防除薬剤の出現が強く要望されている。
【0003】
ところで、特許文献1と2には、式(A)で表される化合物などが開示されている。
【0004】
【0005】
特許文献3には、式(B)で表される化合物などが開示されている。
【0006】
【0007】
特許文献4には、式(c)で表される化合物などが開示されている。
【0008】
【0009】
特許文献5には、式(d)で表される化合物などが開示されている。
【0010】
【0011】
また、特許文献6には、式(e)で表される化合物などが開示されている。
【0012】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【文献】WO 2017/085100 A
【文献】WO 2017/093348 A
【文献】WO 2017/110862 A
【文献】WO 2015/185485 A
【文献】WO 2017/093019 A
【文献】WO 2017/110861 A
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の課題は、殺菌活性に優れ、安全性に優れ、且つ工業的に有利に合成できるオキサジアゾール化合物、ならびにこれを有効成分として含有する農園芸用殺菌剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は以下の形態を包含する。
〔1〕 式(I)で表される化合物またはその塩。
【0016】
【0017】
式(I)中、
Xは、置換若しくは無置換のC1~6アルキル基、置換若しくは無置換のC1~6アルコキシ基、またはハロゲノ基である。
nは、化学的に許容されるXの個数であり、0~4のいずれかの整数である。なお、nが2以上のときXは互いに同じでも異なってもよい。
Lは、単結合、または置換若しくは無置換のC1~6アルキレン基である。
Qは、式(Q-1)または式(Q-2)で表される基である。
【0018】
【0019】
式(Q-1)および式(Q-2)中、
*は結合位置である。
式(Q-1)中、
Y1は、窒素原子またはCR1である。
Y2は、窒素原子またはCR2である。
Y3は、窒素原子またはCR3である。
Y4は、窒素原子またはCR4である。
ただし、Y1~Y4のうち二つ以上が窒素原子になることはない。
R1、R2、R3、およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換のC1~6アルキル基、水酸基、置換若しくは無置換のC1~6アルコキシ基、置換若しくは無置換のC1~6アルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換のC1~6アルキルカルボニルオキシ基、置換若しくは無置換のC1~6アルキルチオ基、置換若しくは無置換のアルキルスルフィニル基、置換若しくは無置換のアルキルスルホニル基、置換若しくは無置換のC6~10アリール基、置換若しくは無置換の5~6員ヘテロシクリル基、置換若しくは無置換のC6~10アリールオキシ基、置換若しくは無置換のアミノ基、置換若しくは無置換のアミノカルボニル基、ハロゲノ基、またはシアノ基である。
R1とR2とが結合して、それらがそれぞれ結合する二つの炭素原子と伴に5~6員環を形成してもよく、R2とR3とが結合して、それらがそれぞれ結合する二つの炭素原子と伴に5~6員環を形成してもよい。
式(Q-2)中、
Rは、水素原子、5~6員飽和ヘテロシクリル基または置換若しくは無置換のC1~6アルキル基である。
Gは、置換若しくは無置換のC1~6アルキレン基である。
Tは、置換若しくは無置換のC1~6アルキレン基である。
Y5は、窒素原子またはCHである。
【0020】
〔2〕 R1、R2、R3、およびR4の少なくとも一つが置換C1~6アルコキシ基を表し、前記置換C1~6アルコキシ基上の置換基が、ハロゲノ基、C2~6アルケニル基、C1~6アルコキシ基、C1~6アルキルチオ基、C1~6アルキルスルフィニル基、C1~6アルキルスルホニル基、置換若しくは無置換のC1~6アルコキシイミノ基、5~6員飽和ヘテロシクリルオキシイミノ基、C6~10アリールオキシイミノ基、シアノ基、またはアミノチオカルボニル基である、〔1〕に記載の化合物またはその塩。
【0021】
〔3〕 式(I)が、式(II)である、〔1〕に記載の化合物またはその塩。
【0022】
【0023】
式(II)中、X、n、およびLは、式(I)中のそれらと同様の意味であり、Y1~Y4は、式(Q-1)中のそれらと同様の意味である。
【0024】
〔4〕 式(I)が、式(III)である、〔1〕に記載の化合物またはその塩。
【0025】
【0026】
式(III)中、Lは、式(I)中のそれらと同様の意味であり、R、G、T及びY5は、式(Q-2)中のそれらと同様の意味である。
【0027】
〔5〕 前記〔1〕から〔4〕のいずれかに記載の化合物、およびそれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを有効成分として含有する農園芸用殺菌剤。
【発明の効果】
【0028】
本発明のオキサジアゾール化合物は、殺菌活性に優れ、効果が確実で、安全性に優れ、且つ工業的に有利に合成できる。本発明の農園芸用殺菌剤は、優れた防除効果を有し、植物体に薬害を生じることがなく、人畜魚類に対する毒性や環境への影響が少ない。
【発明を実施するための形態】
【0029】
〔式(I)で表される化合物〕
本発明のオキサジアゾール化合物は、式(I)で表される化合物(以下、化合物(I)と表記することがある。)、または化合物(I)の塩である。
【0030】
【0031】
本発明において、「無置換(unsubstituted)」の用語は、母核となる基のみであることを意味する。「置換」との記載がなく母核となる基の名称のみで記載しているときは、別段の断りがない限り「無置換」の意味である。
一方、「置換(substituted)」の用語は、母核となる基のいずれかの水素原子が、母核と同一または異なる構造の基(置換基)で置換されていることを意味する。従って、「置換基」は、母核となる基に結合した他の基である。置換基は1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。2つ以上の置換基は同一であってもよいし、異なるものであってもよい。
「C1~6」などの用語は、母核となる基の炭素原子数が1~6個などであることを表している。この炭素原子数には、置換基の中に在る炭素原子の数を含まない。例えば、置換基としてエトキシ基を有するブチル基は、C2アルコキシC4アルキル基に分類する。
【0032】
「置換基」は化学的に許容され、本発明の効果を有する限りにおいて特に制限されない。以下に「置換基」となり得る基を例示する。
メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、i-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基などのC1~6アルキル基;
ビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基(アリル基)、1-ブテニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、1-メチル-2-プロペニル基、2-メチル-2-プロペニル基などのC2~6アルケニル基;
エチニル基、1-プロピニル基、2-プロピニル基、1-ブチニル基、2-ブチニル基、3-ブチニル基、1-メチル-2-プロピニル基などのC2~6アルキニル基;
【0033】
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、キュバニル基などのC3~8シクロアルキル基;
フェニル基、ナフチル基などのC6~10アリール基;
ベンジル基、フェネチル基などのC6~10アリールC1~6アルキル基;
3~6員ヘテロシクリル基;
3~6員へテロシクリルC1~6アルキル基;
【0034】
水酸基;
メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、i-プロポキシ基、n-ブトキシ基、s-ブトキシ基、i-ブトキシ基、t-ブトキシ基などのC1~6アルコキシ基;
ビニルオキシ基、アリルオキシ基、プロペニルオキシ基、ブテニルオキシ基などのC2~6アルケニルオキシ基;
エチニルオキシ基、プロパルギルオキシ基などのC2~6アルキニルオキシ基;
フェノキシ基、ナフトキシ基などのC6~10アリールオキシ基;
ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基などのC6~10アリールC1~6アルコキシ基;
チアゾリルオキシ基、ピリジルオキシ基などの5~6員ヘテロアリールオキシ基;
チアゾリルメチルオキシ基、ピリジルメチルオキシ基などの5~6員ヘテロアリールC1~6アルキルオキシ基;
【0035】
ホルミル基;
アセチル基、プロピオニル基などのC1~6アルキルカルボニル基;
ホルミルオキシ基;
アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基などのC1~6アルキルカルボニルオキシ基;
ベンゾイル基などのC6~10アリールカルボニル基;
メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n-プロポキシカルボニル基、i-プロポキシカルボニル基、n-ブトキシカルボニル基、t-ブトキシカルボニル基などのC1~6アルコキシカルボニル基;
メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、n-プロポキシカルボニルオキシ基、i-プロポキシカルボニルオキシ基、n-ブトキシカルボニルオキシ基、t-ブトキシカルボニルオキシ基などのC1~6アルコキシカルボニルオキシ基;
カルボキシル基;
【0036】
フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などのハロゲノ基;
クロロメチル基、クロロエチル基、トリフルオロメチル基、1,2-ジクロロ-n-プロピル基、1-フルオロ-n-ブチル基、パーフルオロ-n-ペンチル基などのC1~6ハロアルキル基;
2-クロロ-1-プロペニル基、2-フルオロ-1-ブテニル基などのC2~6ハロアルケニル基;
4,4-ジクロロ-1-ブチニル基、4-フルオロ-1-ペンチニル基、5-ブロモ-2-ペンチニル基などのC2~6ハロアルキニル基;
トリフルオロメトキシ基、2-クロロ-n-プロポキシ基、2,3-ジクロロブトキシ基などのC1~6ハロアルコキシ基;
2-クロロプロペニルオキシ基、3-ブロモブテニルオキシ基などのC2~6ハロアルケニルオキシ基;
クロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、トリクロロアセチル基などのC1~6ハロアルキルカルボニル基;
【0037】
アミノ基;
メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などのC1~6アルキル置換アミノ基;
アニリノ基、ナフチルアミノ基などのC6~10アリールアミノ基;
ベンジルアミノ基、フェネチルアミノ基などのC6~10アリールC1~6アルキルアミノ基;
ホルミルアミノ基;
アセチルアミノ基、プロパノイルアミノ基、ブチリルアミノ基、i-プロピルカルボニルアミノ基などのC1~6アルキルカルボニルアミノ基;
メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、n-プロポキシカルボニルアミノ基、i-プロポキシカルボニルアミノ基などのC1~6アルコキシカルボニルアミノ基;
アミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、N-フェニル-N-メチルアミノカルボニル基などの無置換もしくは置換基を有するアミノカルボニル基;
イミノメチル基、(1-イミノ)エチル基、(1-イミノ)-n-プロピル基などのイミノC1~6アルキル基;
N-ヒドロキシ-イミノメチル基、(1-(N-ヒドロキシ)-イミノ)エチル基、(1-(N-ヒドロキシ)-イミノ)プロピル基、N-メトキシ-イミノメチル基、(1-(N-メトキシ)-イミノ)エチル基などの置換もしくは無置換のN-ヒドロキシイミノC1~6アルキル基;
アミノカルボニルオキシ基;
エチルアミノカルボニルオキシ基、ジメチルアミノカルボニルオキシ基などのC1~6アルキル置換アミノカルボニルオキシ基;
【0038】
メルカプト基;
メチルチオ基、エチルチオ基、n-プロピルチオ基、i-プロピルチオ基、n-ブチルチオ基、i-ブチルチオ基、s-ブチルチオ基、t-ブチルチオ基などのC1~6アルキルチオ基;
トリフルオロメチルチオ基、2,2,2-トリフルオロエチルチオ基などのC1~6ハロアルキルチオ基;
フェニルチオ基、ナフチルチオ基などのC6~10アリールチオ基;
チアゾリルチオ基、ピリジルチオ基などの5~6員ヘテロアリールチオ基;
【0039】
メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、t-ブチルスルフィニル基などのC1~6アルキルスルフィニル基;
トリフルオロメチルスルフィニル基、2,2,2-トリフルオロエチルスルフィニル基などのC1~6ハロアルキルスルフィニル基;
フェニルスルフィニル基などのC6~10アリールスルフィニル基;
チアゾリルスルフィニル基、ピリジルスルフィニル基などの5~6員ヘテロアリールスルフィニル基;
【0040】
メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、t-ブチルスルホニル基などのC1~6アルキルスルホニル基;
トリフルオロメチルスルホニル基、2,2,2-トリフルオロエチルスルホニル基などのC1~6ハロアルキルスルホニル基;
フェニルスルホニル基などのC6~10アリールスルホニル基;
チアゾリルスルホニル基、ピリジルスルホニル基などの5~6員ヘテロアリールスルホニル基;
メチルスルホニルオキシ基、エチルスルホニルオキシ基、t-ブチルスルホニルオキシ基などのC1~6アルキルスルホニルオキシ基;
トリフルオロメチルスルホニルオキシ基、2,2,2-トリフルオロエチルスルホニルオキシ基などのC1~6ハロアルキルスルホニルオキシ基;
【0041】
トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t-ブチルジメチルシリル基などのトリC1~6アルキル置換シリル基;
トリフェニルシリル基などのトリC6~10アリール置換シリル基;
シアノ基;ニトロ基。
【0042】
また、これらの「置換基」は、当該置換基中のいずれかの水素原子が、異なる構造の基で置換されていてもよい。その場合の「置換基」としては、C1~6アルキル基、C1~6ハロアルキル基、C1~6アルコキシ基、C1~6ハロアルコキシ基、ハロゲノ基、シアノ基、ニトロ基などを挙げることができる。
【0043】
また、上記の「3~6員ヘテロシクリル基」とは、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選ばれる1~4個のヘテロ原子を環の構成原子として含むものである。ヘテロシクリル基は、単環および多環のいずれであってもよい。多環ヘテロシクリル基は、少なくとも一つの環がヘテロ環であれば、残りの環が飽和脂環、不飽和脂環または芳香環のいずれであってもよい。「3~6員ヘテロシクリル基」としては、3~6員飽和ヘテロシクリル基、5~6員ヘテロアリール基、5~6員部分不飽和ヘテロシクリル基などを挙げることができる。
【0044】
3~6員飽和ヘテロシクリル基としては、アジリジニル基、エポキシ基、ピロリジニル基、テトラヒドロフラニル基、チアゾリジニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、ジオキソラニル基、ジオキサニル基などを挙げることができる。
【0045】
5員ヘテロアリール基としては、ピロリル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、トリアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、テトラゾリル基などを挙げることができる。
6員ヘテロアリール基としては、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基などを挙げることができる。
【0046】
{X}
式(I)中、Xは、置換若しくは無置換のC1~6アルキル基、置換若しくは無置換のC1~6アルコキシ基、またはハロゲノ基である。
【0047】
Xにおける「C1~6アルキル基」としては、直鎖であってもよいし、炭素数が3以上であれば分岐鎖であってもよい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、i-プロピル基、i-ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、i-ペンチル基、ネオペンチル基、2-メチルブチル基、2,2-ジメチルプロピル基、i-ヘキシル基などが挙げられる。
【0048】
Xにおける「C1~6アルコキシ基」としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、n-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、i-プロポキシ基、i-ブトキシ基、s-ブトキシ基、t-ブトキシ基、i-ヘキシルオキシ基などが挙げられる。
【0049】
Xにおける「C1~6アルキル基」、および「C1~6アルコキシ基」上の好ましい置換基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などのハロゲノ基などが挙げられる。
【0050】
Xにおける「ハロゲノ基」としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などが挙げられる。
【0051】
これらの中でも、Xはハロゲノ基であることが好ましく、フルオロ基がより好ましい。
【0052】
{n}
式(I)中、nは、化学的に許容されるXの個数であり、0~4のいずれかの整数である。なお、nが2以上のときXは互いに同じでも異なってもよい。
nは、0~1のいずれかの整数であることが好ましく、0であることがより好ましい。
【0053】
{L}
式(I)中、Lは、単結合、または置換若しくは無置換のC1~6アルキレン基である。
【0054】
Lにおける「C1~6アルキレン基」としては、メチレン基、エチレン基(ジメチレン基)、トリメチレン基、テトラメチレン基、プロパン-1,2-ジイル基(すなわち、プロピレン基)などを挙げることができる。
【0055】
Lにおける「C1~6アルキレン基」上の好ましい置換基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などのハロゲノ基; メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、i-プロピル基、i-ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、i-ペンチル基、ネオペンチル基、2-メチルブチル基、2,2-ジメチルプロピル基、i-ヘキシル基などのC1~6アルキル基; 水酸基; メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、n-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、i-プロポキシ基、i-ブトキシ基、s-ブトキシ基、t-ブトキシ基、i-ヘキシルオキシ基などのC1~6アルコキシ基; メチルチオ基、エチルチオ基、n-プロピルチオ基、i-プロピルチオ基、n-ブチルチオ基、i-ブチルチオ基、s-ブチルチオ基、t-ブチルチオ基などのC1~6アルキルチオ基; オキソ基; ヒドロキシイミノ基; メトキシイミノ基、エトキシイミノ基などのC1~6アルコキシイミノ基; トリフルオロメトキシイミノ基、2,2,2-トリフルオロエトキシイミノ基などのC1~6ハロアルコキシイミノ基; (エチリデンアミノ)オキシ基、(プロパン-2-イリデンアミノ)オキシ基などの(C1-6アルキリデンアミノ)オキシ基; 4-メチル-6-オキソピリミジン-1(6H)-イル基、2,4-ジメチル-6-オキソピリミジン-1(6H)-イル基などのC1~6アルキル基置換若しくは無置換の6-オキソピリミジン-1(6H)-イル基; が挙げられる。
【0056】
Lにおける「C1~6アルキレン基」上の二つの置換基が一緒になって、それらがそれぞれ結合する炭素原子と伴に、ジオキソラン環、ジオキサン環などの5~6員環(好ましくはジオキソラン環)を形成してもよい。
【0057】
これらの中でも、Lは、単結合、またはメチレン基であることが好ましい。
【0058】
{Q}
式(I)中、Qは、式(Q-1)または式(Q-2)で表される基である。
【0059】
【0060】
式(Q-1)および式(Q-2)中、*は結合位置である。
【0061】
式(Q-1)中、Y1は、窒素原子またはCR1であり、Y2は、窒素原子またはCR2であり、Y3は、窒素原子またはCR3であり、Y4は、窒素原子またはCR4である。ただし、Y1~Y4のうち二つ以上が窒素原子になることはない。
すなわち、式(Q-1)で表される基は、式(Q-1-1)~式(Q-1-5)で表される基である。
【0062】
【0063】
式(Q-1-1)~式(Q-1-5)中、*は、式(Q-1)中のそれらと同様の意味である。
【0064】
式(Q-1)で表される基は、式(Q-1-1)、式(Q-1-4)、または式(Q-1-5)で表される基であることが好ましい。
【0065】
R1、R2、R3、およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換のC1~6アルキル基、水酸基、置換若しくは無置換のC1~6アルコキシ基、置換若しくは無置換のC1~6アルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換のC1~6アルキルカルボニルオキシ基、置換若しくは無置換のC1~6アルキルチオ基、置換若しくは無置換のアルキルスルフィニル基、置換若しくは無置換のアルキルスルホニル基、置換若しくは無置換のC6~10アリール基、置換若しくは無置換の5~6員ヘテロアリール基、置換若しくは無置換のアミノ基、置換若しくは無置換のアミノカルボニル基、ハロゲノ基、またはシアノ基である。
【0066】
R1、R2、R3、およびR4における「C1~6アルキル基」、「C1~6アルコキシ基」、および「ハロゲノ基」としては、前記Xにおいて例示したそれらと同じものが挙げられる。
【0067】
R1、R2、R3、およびR4における「C1~6アルコキシカルボニル基」としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n-プロポキシカルボニル基、i-プロポキシカルボニル基、n-ブトキシカルボニル基、t-ブトキシカルボニル基などが挙げられる。
【0068】
R1、R2、R3、およびR4における「C1~6アルキルカルボニルオキシ基」としては、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基などが挙げられる。
【0069】
R1、R2、R3、およびR4における「C1~6アルキルチオ基」は、メチルチオ基、エチルチオ基、n-プロピルチオ基、n-ブチルチオ基、n-ペンチルチオ基、n-ヘキシルチオ基、i-プロピルチオ基、i-ブチルチオ基などが挙げられる。
【0070】
R1、R2、R3、およびR4における「C1~6アルキルスルフィニル基」としては、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、t-ブチルスルフィニル基などが挙げられる。
【0071】
R1、R2、R3、およびR4における「C1~6アルキルスルホニル基」としては、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、t-ブチルスルホニル基などが挙げられる。
【0072】
R1、R2、R3、およびR4における「C1~6アルキル基」、「C1~6アルコキシカルボニル基」、「C1~6アルキルカルボニルオキシ基」、「C1~6アルキルチオ基」、「C1~6アルキルスルフィニル基」、および「C1~6アルキルスルホニル基」上の好ましい置換基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などのハロゲノ基が挙げられる。
【0073】
R1、R2、R3、およびR4における「C1~6アルコキシ基」上の好ましい置換基としては、ハロゲノ基、C2~6アルケニル基、C1~6アルコキシ基、C1~6アルキルチオ基、C1~6アルキルスルフィニル基、C1~6アルキルスルホニル基、置換若しくは無置換のC1~6アルコキシイミノ基(好ましくは、置換基としてC1~6アルコキシ基、C6~10アリール基(好ましくはフェニル基)、ハロゲノ基、又はシアノ基を有していてもよいC1~6アルコキシイミノ基)、5~6員飽和ヘテロシクリルオキシイミノ基(好ましくはテトラヒドロピラニルオキシイミノ基)、C6~10アリールオキシイミノ基(好ましくはフェノキシイミノ基)、シアノ基、またはアミノチオカルボニル基が挙げられる。
【0074】
具体的には、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などのハロゲノ基; ビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、1-メチル-2-プロペニル基、2-メチル-2-プロペニル基、1-ペンテニル基、2-ペンテニル基、3-ペンテニル基、4-ペンテニル基、1-メチル-2-ブテニル基、2-メチル-2-ブテニル基、1-ヘキセニル基、2-ヘキセニル基、3-ヘキセニル基、4-ヘキセニル基、5-ヘキセニル基などのC2~6アルケニル基; メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、i-プロポキシ基、n-ブトキシ基、s-ブトキシ基、i-ブトキシ基、t-ブトキシ基などのC1~6アルコキシ基; メチルチオ基、エチルチオ基、n-プロピルチオ基、i-プロピルチオ基、n-ブチルチオ基、i-ブチルチオ基、s-ブチルチオ基、t-ブチルチオ基などのC1~6アルキルチオ基; メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、t-ブチルスルフィニル基などのC1~6アルキルスルフィニル基; メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、t-ブチルスルホニル基などのC1~6アルキルスルホニル基; メトキシイミノ基、エトキシイミノ基、2-メトキシエトキシイミノ基、2,2-ジフルオロエトキシイミノ基、ベンジルオキシイミノ基、シアノメトキシイミノ基などの置換若しくは無置換のC1~6アルコキシイミノ基; (テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシイミノ基などの5~6員飽和ヘテロシクリルオキシイミノ基; フェノキシイミノ基などのC6~10アリールオキシイミノ基; シアノ基; アミノチオカルボニル基;が挙げられる。
【0075】
R1、R2、R3、およびR4における「C6~10アリール基」としては、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。これらの中でも、フェニル基が好ましい。
【0076】
R1、R2、R3、およびR4における「5~6員ヘテロシクリル基」とは、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選ばれる1~4個のヘテロ原子を環の構成原子として含むものである。「5~6員ヘテロシクリル基」としては、5~6員飽和ヘテロシクリル基、5~6員ヘテロアリール基、5~6員部分不飽和ヘテロシクリル基などを挙げることができる。
【0077】
5~6員飽和ヘテロシクリル基としては、ピロリジニル基、テトラヒドロフラニル基、チアゾリジニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、ジオキソラニル基、ジオキサニル基などを挙げることができる。
【0078】
5員ヘテロアリール基としては、ピロリル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、トリアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、テトラゾリル基などを挙げることができる。
6員ヘテロアリール基としては、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基などを挙げることができる。
これらの中でも、トリアゾリル基、オキサジアゾリル基又はモルホリニル基が好ましい。
【0079】
R1、R2、R3、およびR4における「C6~10アリールオキシ基」としては、フェノキシ基、ナフチルオキシ基などが挙げられる。これらの中でも、フェノキシ基が好ましい。
【0080】
R1、R2、R3、およびR4における「C6~10アリール基」、および「5~6員ヘテロアリール基」上の好ましい置換基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などのハロゲノ基; フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル基、パーフルオロプロピル基、2,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルエチル基、パーフルオロイソプロピル基、4-フルオロブチル基、2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロブチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ジクロロメチル基、ジブロモメチル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基、1-クロロエチル基、2,2,2-トリクロロエチル基、4-クロロブチル基、パークロロヘキシル基、2,4,6-トリクロロヘキシル基などのC1~6ハロアルキル基;が挙げられる。
【0081】
R1、R2、R3、およびR4における「置換若しくは無置換のアミノ基」としては、「-NRaRb」で表される基である。式中、RaおよびRbは、それぞれ独立して、水素原子、ベンジル基、ホルミル基、置換若しくは無置換のC1~6アルキルカルボニル基、ベンゾイル基、C1~6アルコキシカルボニル基、またはフェニル基を表す。
【0082】
RaおよびRbにおける「C1~6アルコキシカルボニル基」としては、前記R1、R2、R3、およびR4において例示したそれらと同じものが挙げられる。
【0083】
RaおよびRbにおける「C1~6アルキルカルボニル基」としては、アセチル基、プロピオニル基などが挙げられる。
【0084】
RaおよびRbにおける「C1~6アルキルカルボニル基」上の好ましい置換基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などのハロゲノ基; メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、i-プロポキシ基、n-ブトキシ基、s-ブトキシ基、i-ブトキシ基、t-ブトキシ基などのC1~6アルコキシ基; が挙げられる。
【0085】
R1、R2、R3、およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換のC1~6アルキル基、水酸基、置換若しくは無置換のC1~6アルコキシ基、または置換若しくは無置換のアミノ基を表すことが好ましい。
【0086】
式(Q-1)中、R1とR2とが結合して、それらがそれぞれ結合する二つの炭素原子と伴に5~6員環を形成してもよい。
【0087】
R1とR2とが結合して、それらがそれぞれ結合する二つの炭素原子と伴に5~6員環を形成するとき、式(Q-1)で表される基としては、式(Q-1-6)~式(Q-1-12)で表される基などが挙げられる。
【0088】
【0089】
式(Q-1-6)~式(Q-1-12)中、*、Y3およびY4は、式(Q-1)中のそれらと同様の意味である。
【0090】
式(Q-1-7)中、Rcは、水素原子、またはC1~6アルキル基である。
【0091】
Rcにおける「C1~6アルキル基」としては、前記Xにおいて例示したそれらと同じものが挙げられる。
【0092】
式(Q-1-8)中、RdおよびReは、それぞれ独立に、水素原子、またはC1~6アルキル基である。
【0093】
RdおよびReにおける「C1~6アルキル基」としては、前記Xにおいて例示したそれらと同じものが挙げられる。
【0094】
式(Q-1-12)中、Rfは、水素原子、置換若しくは無置換のC1~6アルキルカルボニル基、ベンゾイル基、またはC1~6アルコキシカルボニル基である。
【0095】
Rfにおける「C1~6アルキルカルボニル基」としては、前記RaおよびRbにおいて例示したそれらと同じものが挙げられる。
【0096】
Rfにおける「C1~6アルキルカルボニル基」上の好ましい置換基としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、i-プロポキシ基、n-ブトキシ基、s-ブトキシ基、i-ブトキシ基、t-ブトキシ基などのC1~6アルコキシ基が挙げられる。
【0097】
Rfにおける「C1~6アルコキシカルボニル基」としては、前記R1、R2、R3、およびR4において例示したそれらと同じものが挙げられる。
【0098】
式(Q-1)中、R2とR3とが結合して、それらがそれぞれ結合する二つの炭素原子と伴に5~6員環を形成してもよい。
【0099】
R2とR3とが結合して、それらがそれぞれ結合する二つの炭素原子と伴に5~6員環を形成するとき、式(Q-1)で表される基としては、式(Q-1-13)~式(Q-1-14)で表される基などが挙げられる。
【0100】
【0101】
式(Q-1-13)~式(Q-1-14)中、*、Y1およびY4は、式(Q-1)中のそれらと同様の意味である。
【0102】
式(Q-2)中、Rは、水素原子、5~6員飽和ヘテロシクリル基または置換若しくは無置換のC1~6アルキル基である。
【0103】
Rにおける「5~6員飽和ヘテロシクリル基」としては、ピロリジニル基、テトラヒドロフラニル基、チアゾリジニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、ジオキソラニル基、ジオキサニル基、テトラヒドロピラニル基などを挙げることができ、好ましくはテトラヒドロピラニル基である。
【0104】
Rにおける「C1~6アルキル基」としては、前記Xにおいて例示したそれらと同じものが挙げられる。
【0105】
Rにおける「C1~6アルキル基」上の好ましい置換基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などのハロゲノ基; メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、i-プロポキシ基、n-ブトキシ基、s-ブトキシ基、i-ブトキシ基、t-ブトキシ基などのC1~6アルコキシ基; メチルチオ基、エチルチオ基、n-プロピルチオ基、n-ブチルチオ基、n-ペンチルチオ基、n-ヘキシルチオ基、i-プロピルチオ基、i-ブチルチオ基などのC1~6アルキルチオ基; メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、t-ブチルスルフィニル基などのC1~6アルキルスルフィニル基; メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、t-ブチルスルホニル基などのC1~6アルキルスルホニル基; シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、キュバニル基などのC3~8シクロアルキル基; フェニル基; シアノ基; が挙げられ、より好ましい置換基としては、ハロゲノ基、C1~6アルコキシ基、C1~6アルキルスルフィニル基、C3~8シクロアルキル基、シアノ基が挙げられる。
【0106】
Rは、置換若しくは無置換のC1~6アルキル基であることが好ましく、C1~6アルキル基であることがより好ましい。
【0107】
式(Q-2)中、GおよびTは、置換若しくは無置換のC1~6アルキレン基である。
【0108】
GおよびTにおける「C1~6アルキレン基」としては、前記Lにおいて例示したそれらと同じものが挙げられる。
【0109】
GおよびTにおける「C1~6アルキレン基」上の好ましい置換基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、i-プロピル基、i-ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、i-ペンチル基、ネオペンチル基、2-メチルブチル基、2,2-ジメチルプロピル基、i-ヘキシル基などのC1~6アルキル基; メチルチオ基、エチルチオ基、n-プロピルチオ基、n-ブチルチオ基、n-ペンチルチオ基、n-ヘキシルチオ基、i-プロピルチオ基、i-ブチルチオ基などのC1~6アルキルチオ基; メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、t-ブチルスルフィニル基などのC1~6アルキルスルフィニル基; メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、t-ブチルスルホニル基などのC1~6アルキルスルホニル基; が挙げられる。これらの中でも、C1~6アルキル基であることが好ましい。
【0110】
GおよびTは、C1~6アルキレン基であることが好ましく、メチレン基、エチレン基であることがより好ましい。
【0111】
式(Q-2)中の窒素と酸素との間の結合(N-O undefined stero bond)を表す波線は、窒素炭素二重結合による、E体若しくはZ体またはそれらの混合物であることを示す。
【0112】
式(Q-2)中、Y5は、窒素原子またはCHを表し、窒素原子を表すことが好ましい。
【0113】
化合物(I)の塩は、農園芸学的に許容される塩であれば、特に制限されない。例えば、塩酸、硫酸などの無機酸の塩;酢酸、乳酸などの有機酸の塩;リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属の塩;カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属の塩;鉄、銅などの遷移金属の塩;アンモニア、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、ヒドラジンなどの有機塩基の塩などを挙げることができる。
【0114】
化合物(I)、または化合物(I)の塩は、その製造方法によって特に限定されない。また、化合物(I)の塩は、化合物(I)から公知の手法によって得ることができる。例えば、本発明の化合物(I)または化合物(I)の塩は、実施例等に記載した製造方法によって得ることができる。
【0115】
〔式(II)で表される化合物〕
本発明のオキサジアゾール化合物は、式(II)で示される化合物であることが好ましい。
【0116】
【0117】
式(II)中、X、n、およびLは、式(I)中のそれらと同様の意味であり、Y1~Y4は式(Q-1)中のそれらと同様の意味である。
【0118】
〔式(IV)にで表される化合物〕
本発明のオキサジアゾール化合物は、式(IV)で示される化合物であることが好ましい。
【0119】
【0120】
式(IV)中、X、n、およびLは、式(I)中のそれらと同様の意味であり、R1~R4はすでに述べたものと同様の意味である。
【0121】
〔式(V)にで表される化合物〕
本発明のオキサジアゾール化合物は、式(V)で示される化合物であることが好ましい。
【0122】
【0123】
式(V)中、X、n、およびLは、式(I)中のそれらと同様の意味であり、R1、R2およびR4はすでに述べたものと同様の意味である。
【0124】
〔式(VI)にで表される化合物〕
本発明のオキサジアゾール化合物は、式(VI)で示される化合物であることが好ましい。
【0125】
【0126】
式(VI)中、X、n、およびLは、式(I)中のそれらと同様の意味であり、R1~R3はすでに述べたものと同様の意味である。
【0127】
〔式(III)にで表される化合物〕
本発明のオキサジアゾール化合物は、式(III)で示される化合物であることが好ましい。
【0128】
【0129】
式(III)中、Lは、式(I)中のそれらと同様の意味であり、R、T、G及びY5は式(Q-2)中のそれらと同様の意味である。
式(III)中の窒素と酸素との間の結合(N-O undefined stero bond)を表す波線は、窒素炭素二重結合による、E体若しくはZ体またはそれらの混合物であることを示す。
【0130】
式(III)中、Lは単結合またはメチレン基であることが好ましく、RはC1~6アルキル基、またはC1~6ハロアルキル基であることが好ましく、Tはメチレン基、またはエチレン基であることが好ましく、Gはメチレン基、またはエチレン基であることが好ましい。
【0131】
〔農園芸用殺菌剤〕
本発明の農園芸用殺菌剤は、化合物(I)およびそれらの塩からなる群から選ばれる少なくともひとつを有効成分として含有するものである。本発明の農園芸用殺菌剤に含まれる化合物(I)またはその塩の量は殺菌効果を示す限りにおいて特に制限されない。
【0132】
本発明の農園芸用殺菌剤は、広範囲の種類の糸状菌、例えば、藻菌類(Oomycetes)、子のう(嚢)菌類(Ascomycetes)、不完全菌類(Deuteromycetes)、担子菌類(Basidiomycetes)、接合菌類(Zygomycetes)に属する菌に由来する植物病害の防除に使用できる。
【0133】
防除の対象となる植物病害(病原菌)の例を以下に示す。
テンサイ:褐斑病(Cercospora beticola)、黒根病(Aphanomyces cochlioides )、根腐病(Thanatephorus cucumeris)、葉腐病(Thanatephorus cucumeris)など
ラッカセイ:褐斑病(Mycosphaerella arachidis)、汚斑病(Ascochyta sp.)、さび病(Puccinia arachidis)、立枯病(Pythium debaryanum)、さび斑病(Alternaria alternata)、白絹病(Sclerotium rolfsii)黒渋病(Mycosphaerella berkeleyi)など
キュウリ:うどんこ病(Sphaerotheca fuliginea)、べと病(Pseudoperonospora cubensis)、つる枯病(Mycosphaerella melonis)、つる割病(Fusarium oxysporum)、菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)、灰色かび病(Botrytis cinerea)、炭そ病(Colletotrichum orbiculare)、黒星病(Cladosporium cucumerinum)、褐斑病(Corynespora cassiicola)、苗立枯病(Pythium debaryanum、Rhizoctonia solani Kuhn)、ホモプシス根腐病(Phomopsis sp.)斑点細菌病(Pseudomonas syringae pv. Lechrymans)など
トマト:灰色かび病(Botrytis cinerea)、葉かび病(Cladosporium fulvum)、疫病(Phytophthora infestans)、半身萎凋病(Verticillium albo-atrum、Verticillium dahliae)、うどんこ病(Oidium neolycopersici)、輪紋病(Alternaria solani)、すすかび病(Pseudocercospora fuligena)など
ナス:灰色かび病(Botrytis cinerea)、黒枯病(Corynespora melongenae)、うどんこ病(Erysiphe cichoracearum)、すすかび病(Mycovellosiella nattrassii)、菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)、半身萎凋病(Verticillium dahliae)、褐紋病(Phomopsis vexans)など
イチゴ:灰色かび病(Botrytis cinerea)、うどんこ病(Sphaerotheca humuli)、炭そ病(Colletotrichum acutatum、Colletotrichum fragariae)、疫病(Phytophthora cactorum)、軟腐病(Rhizopus stolonifer)、萎黄病(Fusarium oxysporum)、萎凋病(Verticillium dahliae)など
タマネギ:灰色腐敗病(Botrytis allii)、灰色かび病(Botrytis cinerea)、白斑葉枯病(Botrytis squamosa)、べと病(Peronospora destructor)、白色疫病(Phytophthora porri)など
キャベツ:根こぶ病(Plasmodiophora brassicae)、軟腐病(Erwinia carotovora)、黒腐病(Xanthomonas campesrtis pv. campestris)、黒斑細菌病(Pseudomonas syringae pv. maculicola、P. s. pv. alisalensis)、べと病(Peronospora parasitica)、菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)、黒すす病(Alternaria brassicicola)、灰色かび病(Botrytis cinerea)など
インゲン:菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)、灰色かび病(Botrytis cinerea)、炭疽病(Colletotrichum lindemuthianum)、角斑病(Phaeoisariopsis griseola)など
【0134】
りんご:うどんこ病(Podosphaera leucotricha)、黒星病(Venturia inaequalis)、モニリア病(Monilinia mali)、黒点病(Mycosphaerella pomi)、腐らん病(Valsa mali)、斑点落葉病(Alternaria mali)、赤星病(Gymnosporangium yamadae)、輪紋病(Botryosphaeria berengeriana)、炭そ病(Glomerella cingulata、Colletotrichum acutatum)、褐斑病(Diplocarpon mali)、すす点病(Zygophiala jamaicensis)、すす斑病(Gloeodes pomigena)、紫紋羽病(Helicobasidium mompa)、灰色かび病(Botrytis cinerea)など
ウメ:黒星病(Cladosporium carpophilum)、灰色かび病(Botrytis cinerea)、灰星病(Monilinia mumecola)など
カキ:うどんこ病(Phyllactinia kakicola)、炭そ病(Gloeosporium kaki)、角斑落葉病(Cercospora kaki)など
モモ:灰星病(Monilinia fructicola)、黒星病(Cladosporium carpophilum)、ホモプシス腐敗病(Phomopsis sp.)、穿孔細菌病(Xanthomonas campestris pv. pruni)など
アーモンド:灰星病(Monilinia laxa)、斑点病(Stigmina carpophila)、黒星病(Cladosporium carpophilum)、葉ぶくれ病(Polystigma rubrum)、斑点落葉病(Alternaria alternata)、炭疽病(Colletotrichum gloeospoides)など
オウトウ:灰星病(Monilinia fructicola)、炭そ病(Colletotrichum acutatum)、黒斑病(Alternaria sp.)、幼果菌核病(Monilinia kusanoi)など
ブドウ:灰色かび病(Botrytis cinerea)、うどんこ病(Uncinula necator)、晩腐病(Glomerella cingulata、Colletotrichum acutatum)、べと病(Plasmopara viticola)、黒とう病(Elsinoe ampelina)、褐斑病(Pseudocercospora vitis)、黒腐病(Guignardia bidwellii)、白腐病(Coniella castaneicola)、さび病(Phakopsora ampelopsidis)など
ナシ:黒星病(Venturia nashicola)、赤星病(Gymnosporangium asiaticum)、黒斑病(Alternaria kikuchiana)、輪紋病(Botryosphaeria berengeriana)、うどんこ病(Phyllactinia mali)、胴枯病(Phomopsis fukushii)、褐色斑点病(Stemphylium vesicarium)、炭そ病(Glomerella cingulata)など
チャ:輪斑病(Pestalotiopsis longiseta、 P. theae)、炭そ病(Colletotrichum theae-sinensis)、網もち病(Exobasidium reticulatum)など
カンキツ:そうか病(Elsinoe fawcettii)、青かび病(Penicillium italicum)、緑かび病(Penicillium digitatum)、灰色かび病(Botrytis cinerea)、黒点病(Diaporthe citri)、かいよう病(Xanthomonas campestris pv.Citri)、うどんこ病(Oidium sp.)など
【0135】
コムギ:うどんこ病(Blumeria graminis f.sp. tritici)、赤かび病(Gibberella zeae)、赤さび病(Puccinia recondita)、褐色雪腐病(Pythium iwayamai)、紅色雪腐病(Monographella nivalis)、眼紋病(Pseudocercosporella herpotrichoides)、葉枯病(Septoria tritici)、ふ枯病(Leptosphaeria nodorum)、雪腐小粒菌核病(Typhula incarnata)、雪腐大粒菌核病(Myriosclerotinia borealis)、立枯病(Gaeumannomyces graminis)、麦角病(Claviceps purpurea)、なまぐさ黒穂病(Tilletia caries)、裸黒穂病(Ustilago nuda)など
オオムギ:斑葉病(Pyrenophora graminea)、網斑病(Pyrenophora teres)、雲形病(Rhynchosporium secalis)、裸黒穂病(Ustilago tritici、U.nuda)など
イネ:いもち病(Pyricularia oryzae)、紋枯病(Rhizoctonia solani)、馬鹿苗病(Gibberella fujikuroi)、ごま葉枯病(Cochliobolus miyabeanus)、苗立枯病(Pythium graminicola)、白葉枯病(Xanthomonas oryzae)、苗立枯細菌病(Burkholderia plantarii)、褐条病(Acidovorax avenae)、もみ枯細菌病(Burkholderia glumae)、すじ葉枯病(Cercospora oryzae)、稲こうじ病(Ustilaginoidea virens)、褐色米(Alternaria alternata、Curvularia intermedia)、腹黒米(Alternaria padwickii)、紅変米(Epicoccum purpurascens)など
タバコ:菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)、うどんこ病(Erysiphe cichoracearum)、疫病(Phytophthora nicotianae)、など
チューリップ:灰色かび病(Botrytis cinerea)など
ヒマワリ:べと病(Plasmopara halstedii)、菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)など
ベントグラス:雪腐大粒菌核病(Sclerotinia borealis)、ラージパッチ(Rhizoctonia solani)、ブラウンパッチ(Rhizoctonia solani)、ダラースポット(Sclerotinia homoeocarpa)、いもち病(Pyricularia sp.)、赤焼病(Pythium aphanidermatum)、炭そ病(Colletotrichum graminicola)など
オーチャードグラス:うどんこ病(Erysiphe graminis)など
ダイズ:紫斑病(Cercospora kikuchii)、べと病(Peronospora manshurica)、茎疫病(Phytophthora sojae)、さび病(Phakopsora pachyrhizi)、菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)、炭そ病(Colletotrichum truncatum)、灰色かび病(Botrytis cinerea)、黒とう病(Elsinoe glycines)、黒点病(Diaporthe phaseolorum var. sojae)など
ジャガイモ:疫病(Phytophthora infestans)、夏疫病(Alternaria solani)、黒あざ病(Thanatephorus cucumeris)、半身萎凋病(Verticillium albo-atrum、V. dahliae、V. nigrescens)など
バナナ:パナマ病(Fusarium oxysporum)、シガトカ病(Mycosphaerella fijiensis、M. musicola)など
ナタネ:菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)、根朽病(Phoma lingam)、黒斑病(Alternaria brassicae)など
コーヒー:さび病(Hemileia vastatrix)、炭疽病(Colletotrichum coffeanum)、褐眼病(Cercospora coffeicola)など
サトウキビ:褐さび病(Puccinia melanocephala)など
トウモロコシ:ひょう紋病(Gloeocercospora sorghi)、さび病(Puccinia sorghi)、南方さび病(Puccinia polysora)、黒穂病(Ustilago maydis)、ごま葉枯病(Cochliobolus heterostrophus)、すす紋病(Setosphaeria turcica)など
ワタ:苗立枯病(Pythium sp.)、さび病(Phakopsora gossypii)、白かび病(Mycosphaerella areola)、炭疽病(Glomerella gossypii)など
【0136】
本発明の農園芸用殺菌剤は、穀物類;野菜類;根菜類;イモ類;果樹類、茶、コーヒー、カカオなどの樹木類;牧草類;芝類;ワタなどの植物に対して用いることが好ましい。
【0137】
本発明の農園芸用殺菌剤は、植物類の各部位、たとえば、葉、茎、柄、花、蕾、果実、種子、スプラウト、根、塊茎、塊根、苗条、挿し木などに施用することができる。また、これら植物類の改良品種・変種、栽培品種、さらには突然変異体、ハイブリッド体、遺伝子組み換え体(GMO)を対象とすることもできる。
【0138】
本発明の農園芸用殺菌剤は、花卉、芝、牧草を含む農園芸作物に発生する種々の病害の防除をするために行われる種子処理、茎葉散布、土壌施用、水面施用などに使用することができる。
【0139】
本発明の農園芸用殺菌剤は、本発明のオキサジアゾール化合物以外の成分を含有してもよい。他の成分としては、製剤化のために使用する公知の担体などが挙げられる。また、他の成分として、従来公知の、殺菌剤、殺虫・殺ダニ剤、殺線虫剤、殺土壌害虫剤、植物調節剤、共力剤、肥料、土壌改良剤、動物用飼料などを挙げることができる。このような他の成分を含有することによって、相乗効果を奏することがある。
【0140】
本発明の農園芸用殺菌剤と混用または併用することができる、殺菌剤の具体例を以下に示す。
(1)核酸生合成阻害剤:
(a)RNAポリメラーゼI阻害剤: ベナラキシル(benalaxyl)、ベナラキシル-M(benalaxyl-M)、フララキシル(furalaxyl)、メタラキシル(metalaxyl)、メタラキシル-M(metalaxyl-M)、オキサジキシル(oxadixyl)、クロジラコン(clozylacon)、オフレース(ofurace);
(b)アデノシンデアミナーゼ阻害剤: ブピリメート(bupirimate)、ジメチリモール(dimethirimol)、エチリモール(ethirimol);
(c)DNA/RNA合成阻害剤: ヒメキサゾール(hymexazol)、オクチリノン(octhilinone);
(d)DNAトポイソメラーゼII阻害剤: オキソリン酸(oxolinic acid)。
【0141】
(2)有糸核分裂阻害剤および細胞分裂阻害剤:
(a)β-チューブリン重合阻害剤: ベノミル(benomyl)、カルベンダジム(carbendazim)、クロルフェナゾール(chlorfenazole)、フベリダゾール(fuberidazole)、チアベンダゾール(thiabendazole)、チオファネート(thiophanate)、チオファネートメチル(thiophanate-methyl)、ジエトフェンカルブ(diethofencarb)、ゾキサミド(zoxamide)、エタボキサム(ethaboxam);
(b)細胞分裂阻害剤: ペンシクロン(pencycuron);
(c)スペクトリン様タンパク質の非局在化阻害剤: フルオピコリド(fluopicolide)。
【0142】
(3)呼吸阻害剤:
(a)複合体I NADH酸化還元酵素阻害剤: ジフルメトリム(diflumetorim)、トルフェンピラド(tolfenpyrad);
(b)複合体IIコハク酸脱水素酵素阻害剤: ベノダニル(benodanil)、フルトラニル(flutolanil)、メプロニル(mepronil)、イソフェタミド(isofetamid)、フルオピラム(fluopyram)、フェンフラム(fenfuram)、フルメシクロックス(furmecyclox)、カルボキシン(carboxin)、オキシカルボキシン(oxycarboxin)、チフルザミド(thifluzamide)、ベンゾビンジフルピル(benzovindiflupyr)、ビキサフェン(bixafen)、フルキサピロキサド(fluxapyroxad)、フラメトピル(furametpyr)、イソピラザム(isopyrazam)、ペンフルフェン(penflufen)、ペンチオピラド(penthiopyrad)、セダキサン(sedaxane)、ボスカリド(boscalid)、ピラジフルミド(pyraziflumid);
(c)複合体IIIユビキノールオキシダーゼQo阻害剤: アゾキシストロビン(azoxystrobin)、クモキシストロビン(coumoxystrobin)、クメトキシストロビン(coumethoxystrobin)、エノキサストロビン(enoxastrobin)、フルフェノキシストロビン(flufenoxystrobin)、ピコキシストロビン(picoxystrobin)、ピラオキシストロビン(pyraoxystrobin)、ピラクロストロビン(pyraclostrobin)、ピラメトストロビン(pyrametostrobin)、トリクロピリカルブ(triclopyricarb)、クレソキシム-メチル(kresoxim-methyl)、トリフロキシストロビン(trifloxystrobin)、ジモキシストロビン(dimoxystrobin)、フェナミンストロビン(fenaminstrobin)、メトミノストロビン(metominostrobin)、オリサストロビン(orysastrobin)、ファモキサドン(famoxadone)、フルオキサストロビン(fluoxastrobin)、フェンアミドン(fenamidone)、ピリベンカルブ(pyribencarb)、マンデストロビン(mandestrobin);
(d)複合体IIIユビキノール還元酵素Qi阻害剤: シアゾファミド(cyazofamid)、アミスルブロム(amisulbrom);
(e)酸化的リン酸化の脱共役剤: ビナパクリル(binapacryl)、メプチルジノカップ(meptyldinocap)、ジノカップ(dinocap)、フルアジナム(fluazinam)、フェリムゾン(ferimzone);
(f)酸化的リン酸化阻害剤(ATP 合成酵素の阻害剤): フェンチンアセテート(fentin acetate)、塩化フェンチン(fentin chloride)、水酸化フェンチン(fentin hydroxide);
(g)ATP生産阻害剤: シルチオファム(silthiofam);
(h)複合体III:シトクロームbc1(ユビキノン還元酵素)のQx(未知)阻害剤: アメトクトラジン(ametoctradin)。
【0143】
(4)アミノ酸およびタンパク質合成阻害剤
(a)メチオニン生合成阻害剤: アンドプリム(andoprim)、シプロジニル(cyprodinil)、メパニピリム(mepanipyrim)、ピリメタニル(pyrimethanil);
(b)タンパク質合成阻害剤: ブラストサイジン-S(blasticidin-S)、カスガマイシン(kasugamycin)、カスガマイシン塩酸塩(kasugamycin hydrochloride)、ストレプトマイシン(streptomycin)、オキシテトラサイクリン(oxytetracycline)。
【0144】
(5)シグナル伝達阻害剤:
(a)シグナル伝達阻害剤: キノキシフェン(quinoxyfen)、プロキナジド(proquinazid);
(b)浸透圧シグナル伝達におけるMAP・ヒスチジンキナーゼ阻害剤: フェンピクロニル(fenpiclonil)、フルジオキソニル(fludioxonil)、クロゾリネート(chlozolinate)、イプロジオン(iprodione)、プロシミドン(procymidone)、ビンクロゾリン(vinclozolin)。
【0145】
(6)脂質および細胞膜合成阻害剤:
(a)りん脂質生合成、メチルトランスフェラーゼ阻害剤: エジフェンホス(edifenphos)、イプロベンホス(iprobenfos)、ピラゾホス(pyrazophos)、イソプロチオラン(isoprothiolane);
(b)脂質の過酸化剤: ビフェニル(biphenyl)、クロロネブ(chloroneb)、ジクロラン(dichloran)、キントゼン(quintozene)、テクナゼン(tecnazene)、トルクロホスメチル(tolclofos-methyl)、エトリジアゾール(etridiazole);
(c)細胞膜に作用する剤: ヨードカルブ(iodocarb)、プロパモカルブ(propamocarb)、プロパモカルブ塩酸塩(propamocarb-hydrochloride)、プロパモカルブホセチレート(propamocarb-fosetylate)、プロチオカルブ(prothiocarb);
(d)病原菌細胞膜を撹乱する微生物: バチルス ズブチリス菌(bacillus subtilis)、バチルス ズブチリスQST713株(bacillus subtilis strain QST713)、バチルス ズブチリスFZB24株(bacillus subtilis strain FZB24)、バチルス ズブチリスMBI600株(bacillus subtilis strain MBI600)、バチルス ズブチリスD747株(bacillus subtilis strain D747)、バチルス アミロリクエファシエンス(bacillus amyloliquefaciens);
(e)細胞膜を撹乱する剤: ゴセイカユプテ(ティーツリー)の抽出物(melaleuca alternifolia (tea tree) extract)。
【0146】
(7)細胞膜のステロール生合成阻害剤:
(a)ステロール生合成におけるC14位の脱メチル化阻害剤: トリホリン(triforine)、ピリフェノックス(pyrifenox)、ピリソキサゾール(pyrisoxazole)、フェナリモル(fenarimol)、フルルプリミドール(flurprimidol)、ヌアリモル(nuarimol)、イマザリル(imazalil)、イマザリル硫酸塩(imazalil-sulphate)、オキスポコナゾールフマル酸塩(oxpoconazole fumarate)、ペフラゾエート(pefurazoate)、プロクロラズ(prochloraz)、トリフルミゾール(triflumizole)、ビニコナゾール(viniconazole)、アザコナゾール(azaconazole)、ビテルタノール(bitertanol)、ブロムコナゾール(bromuconazole)、シプロコナゾール(cyproconazole)、ジクロブトラゾール(diclobutrazol)、ジフェノコナゾール(difenoconazole)、ジニコナゾール(diniconazole)、ジニコナゾール-M(diniconazole-M)、エポキシコナゾール(epoxiconazole)、エタコナゾール(etaconazole)、フェンブコナゾール(fenbuconazole)、フルキンコナゾール(fluquinconazole)、フルシラゾール(flusilazole)、フルトリアホール(flutriafol)、フルコナゾール(furconazole)、フルコナゾール-シス(furconazole-cis)、ヘキサコナゾール(hexaconazole)、イミベンコナゾール(imibenconazole)、イプコナゾール(ipconazole)、メトコナゾール(metconazole)、ミクロブタニル(myclobutanil)、ペンコナゾール(penconazole)、プロピコナゾール(propiconazole)、フルキンコナゾール(fluquinconazole)、シメコナゾール(simeconazole)、テブコナゾール(tebuconazole)、テトラコナゾール(tetraconazole)、トリアジメホン(triadimefon)、トリアジメノール(triadimenol)、トリチコナゾール(triticonazole)、プロチオコナゾール(prothioconazole)、ボリコナゾール(voriconazole)、メフェントリフルコナゾール(mefentrifluconazole);
(b)ステロール生合成におけるΔ14還元酵素およびΔ8→Δ7-イソメラーゼの阻害剤:
アルジモルフ(aldimorph)、ドデモルフ(dodemorph)、ドデモルフ酢酸塩(dodemorph acetate)、フェンプロピモルフ(fenpropimorph)、トリデモルフ(tridemorph)、フェンプロピジン(fenpropidin)、ピペラリン(piperalin)、スピロキサミン(spiroxamine);
(c)ステロール生合成系のC4位脱メチル化における3-ケト還元酵素阻害剤: フェンヘキサミド(fenhexamid)、フェンピラザミン(fenpyrazamine);
(d)ステロール生合成系のスクワレンエポキシダーゼ阻害剤: ピリブチカルブ(pyributicarb)、ナフチフィン(naftifine)、テルビナフィン(terbinafine)。
【0147】
(8)細胞壁合成阻害
(a)トレハラーゼ阻害剤: バリダマイシン(validamycin);
(b)キチン合成酵素阻害剤: ポリオキシン(polyoxins)、ポリオクソリム(polyoxorim);
(c)セルロース合成酵素阻害剤: ジメトモルフ(dimethomorph)、フルモルフ(flumorph)、ピリモルフ(pyrimorph)、ベンチアバリカルブイソプロピル(benthiavalicarb-isopropyl)、イプロバリカルブ(iprovalicarb)、トルプロカルブ(tolprocarb)、バリフェナレート(valifenalate)、マンジプロパミド(mandipropamid)。
【0148】
(9)メラニン生合成阻害剤
(a)メラニン生合成の還元酵素阻害剤: フサライド(fthalide)、ピロキロン(pyroquilon)、トリシクラゾール(tricyclazole);
(b)メラニン生合成の脱水酵素阻害剤: カルプロパミド(carpropamid)、ジクロシメット(diclocymet)、フェノキサニル(fenoxanil)。
【0149】
(10)宿主植物の抵抗性誘導剤:
(a)サリチル酸合成経路に作用する剤: アシベンゾラル-S-メチル(acibenzolar-S-methyl);
(b)その他: プロベナゾール(probenazole)、チアジニル(tiadinil)、イソチアニル(isotianil)、ラミナリン(laminarin)、オオイタドリ抽出液(reynoutria sachalinensis extract)。
【0150】
(11)作用性が不明な剤: シモキサニル(cymoxanil)、ホセチルアルミニウム(fosetyl-aluminium)、リン酸(リン酸塩)(phosphoric acid (phosphate))、テクロフタラム(tecloftalam)、トリアゾキシド(triazoxide)、フルスルファミド(flusulfamide)、ジクロメジン(diclomezine)、メタスルホカルブ(methasulfocarb)、シフルフェナミド(cyflufenamid)、メトラフェノン(metrafenone)、ピリオフェノン(pyriofenone)、ドジン(dodine)、ドジン遊離塩基(dodine free base)、フルチアニル(flutianil)。
【0151】
(12)多作用点を有する剤: 銅(銅塩)(copper(copper salt))、ボルドー液(bordeaux mixture)、水酸化銅(copper hydroxide)、銅ナフタレート(copper naphthalate)、酸化銅(copper oxide)、オキシ塩化銅(copper oxychloride)、硫酸銅(copper sulfate)、硫黄(sulfur)、硫黄製品(sulfur product)、多硫化カルシウム(calcium polysulfide)、ファーバム(ferbam)、マンコゼブ(mancozeb)、マネブ(maneb)、マンカッパー(mancopper)、メチラム(metiram)、ポリカーバメート(polycarbamate)、プロピネブ(propineb)、チラム(thiram)、ジネブ(zineb)、ジラム(ziram)、キャプタン(captan)、カプタホール(captafol)、フォルペット(folpet)、クロロタロニル(chlorothalonil)、ジクロフルアニド(dichlofluanid)、トリルフルアニド(tolylfluanid)、グアザチン(guazatine)、イミノクタジン酢酸塩(iminoctadine triacetate)、イミノクタジンアルベシル酸塩(iminoctadine trialbesilate)、アニラジン(anilazine)、ジチアノン(dithianon)、キノメチオネート(quinomethionate)、フルオルイミド(fluoroimide)。
【0152】
(13)その他の剤: DBEDC、フルオロフォルペット(fluorofolpet)、グアザチンアセテート(guazatine acetate)、ビス(8-キノリノラト)銅(II)(bis (8-quinolinolato) copper(II))、プロパミジン(propamidine)、クロロピクリン(chloropicrin)、シプロフラム(cyprofuram)、アグロバクテリウム(agrobacterium)、ベトキサジン(bethoxazin)、ジフェニルアミン(diphenylamine)、メチルイソチアネート(MITC)(methyl isothiocyanate)、ミルデオマイシン(mildiomycin)、カプサイシン(capsaicin)、クフラネブ(cufraneb)、シプロスルファミド(cyprosulfamide)、ダゾメット(dazomet)、デバカルブ(debacarb)、ジクロロフェン(dichlorophen)、フルメトベル(flumetover)、ホセチルカルシウム(fosetyl-calcium)、ホセチルナトリウム(fosetyl-sodium)、イルママイシン(irumamycin)、ナタマイシン(natamycin)、ニトロタールイソプロピル(nitrothal isopropyl)、オキサモカルブ(oxamocarb)、ピロールニトリン(pyrrolnitrin)、テブフロキン(tebufloquin)、トルニファニド(tolnifanide)、ザリラミド(zarilamide)、アルゴフェーズ(algophase)、アミカルチアゾール(amicarthiazol)、オキサチアピプロリン(oxathiapiprolin)、メチラム亜鉛(metiram zinc)、ベンチアゾール(benthiazole)、トリクラミド(trichlamide)、ユニコナゾール(uniconazole)、オキシフェンチイン(oxyfenthiin)、ピカルブトラゾクス(picarbutrazox)、フェンピコキサミド(fenpicoxamid)、ジクロベンチアゾクス(dichlobentiazox)、キノフメリン(quinofumelin)チウラム(thiuram)、アンバム(ambam)、アグロバクテリウム ラジオバクター(agrobacterium radiobacter)、コニオチリウム ミニタンス(coniothyrium minitans)、シュードモナス フルオレッセンス(pseudomonas fluorescens)、シュードモナス ロデシア(pseudomonas rhodesiae)、タラロマイセス フラバス(talaromyces flavus)、トリコデルマ アトロビリデ(trichoderma atroviride)、非病原性エルビニア カロトボーラ(erwinia carotovora subsp. carotovora)、バチルス シンプレクス(bacillus simplex)、バリオボラックス パラドクス(variovorax paradoxus)、ラクトバチルス プランタラム(lactobacillus plantarum)。
【0153】
本発明の農園芸用殺菌剤と混用または併用することができる、殺虫・殺ダニ剤、殺線虫剤、殺土壌害虫剤、駆虫剤などの具体例を以下に示す。
【0154】
(1)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤:
(a)カーバメート系: アラニカルブ(alanycarb)、アルジカルブ(aldicarb)、ベンジオカルブ(bendiocarb)、ベンフラカルブ(benfuracarb)、ブトカルボキシム(butocarboxim)、ブトキシカルボキシム(butoxycarboxim)、カルバリル(carbaryl)、カルボフラン(carbofuran)、カルボスルファン(carbosulfan)、エチオフェンカルブ(ethiofencarb)、フェノブカルブ(fenobucarb)、ホルメタネート(formetanate)、フラチオカルブ(furathiocarb)、イソプロカルブ(isoprocarb)、メチオカルブ(methiocarb)、メソミル(methomyl)、オキサミル(oxamyl)、ピリミカルブ(pirimicarb)、プロポキスル(propoxur)、チオジカルブ(thiodicarb)、チオファノックス(thiofanox)、トリアザメート(triazamate)、トリメタカルブ(trimethacarb)、XMC、キシリルカルブ(xylylcarb)、フェノチオカルブ(fenothiocarb)、MIPC、MPMC、MTMC、アルドキシカルブ(aldoxycarb)、アリキシカルブ(allyxycarb)、アミノカルブ(aminocarb)、ブフェンカルブ(bufencarb)、クロエトカルブ(cloethocarb)、メタム・ナトリウム(metam-sodium)、プロメカルブ(promecarb);
【0155】
(b)有機リン系: アセフェート(acephate)、アザメチホス(azamethiphos)、アジンホス-エチル(azinphos-ethyl)、アジンホス-メチル(azinphos-methyl)、カズサホス(cadusafos)、クロルエトキシホス(chlorethoxyfos)、クロルフェンビンホス(chlorfenvinphos)、クロルメホス(chlormephos)、クロルピリホス(chlorpyrifos)、クロルピリホス-メチル(chlorpyrifos-methyl)、クマホス(coumaphos)、シアノホス(cyanophos)、デメトン-S-メチル(demeton-S-methyl)、ダイアジノン(diazinon)、ジクロルボス(dichlorvos)/DDVP、ジクロトホス(dicrotophos)、ジメトエート(dimethoate)、ジメチルビンホス(dimethylvinphos)、ジスルホトン(disulfoton)、EPN、エチオン(ethion)、エトプロホス(ethoprophos)、ファムフール(famphur)、フェナミホス(fenamiphos)、フェニトロチオン(fenitrothion)、フェンチオン(fenthion)、ホスチアゼート(fosthiazate)、ヘプテノホス(heptenophos)、イミシアホス(imicyafos)、イソフェンホス(isofenphos)、イソカルボホス(isocarbophos)、イソキサチオン(isoxathion)、マラチオン(malathion)、メカルバム(mecarbam)、メタミドホス(methamidophos)、メチダチオン(methidathion)、メビンホス(mevinphos)、モノクロトホス(monocrotophos)、ナレド(naled)、オメトエート(omethoate)、オキシジメトン-メチル(oxydemeton-methyl)、パラチオン(parathion)、パラチオン-メチル(parathion-methyl)、フェントエート(phenthoate)、ホレート(phorate)、ホサロン(phosalone)、ホスメット(phosmet)、ホスファミドン(phosphamidon)、ホキシム(phoxim)、ピリミホス-メチル(pirimiphos-methyl)、プロフェノホス(profenofos)、プロペタムホス(propetamphos)、プロチオホス(prothiofos)、ピラクロホス(pyraclofos)、ピリダフェンチオン(pyridaphenthion)、キナルホス(quinalphos)、スルホテップ(sulfotep)、テブピリンホス(tebupirimfos)、テメホス(temephos)、テルブホス(terbufos)、テトラクロルビンホス(tetrachlorvinphos)、チオメトン(thiometon)、トリアゾホス(triazophos)、トリクロルホン(trichlorfon)、バミドチオン(vamidothion)、ブロモホス・エチル(bromophos-ethyl)、BRP、カルボフェノチオン(carbophenothion)、シアノフェンホス(cyanofenphos)、CYAP、デメトン-S-メチルスルホン(demeton-S-methyl sulfone)、ジアリホス(dialifos)、ジクロフェンチオン(dichlofenthion)、ジオキサベンゾホス(dioxabenzofos)、エトリムホス(etrimfos)、フェンスルホチオン(fensulfothion)、フルピラゾホス(flupyrazofos)、ホノホス(fonofos)、ホルモチオン(formothion)、ホスメチラン(fosmethilan)、イサゾホス(isazofos)、ヨードフェンホス(jodfenphos)、メタクリホス(methacrifos)、ピリミホス-エチル(pirimiphos-ethyl)、ホスホカルブ(phosphocarb)、プロパホス(propaphos)、プロトエート(prothoate)、スルプロホス(sulprofos)。
【0156】
(2)GABA-作動性塩素イオンチャネルアンタゴニスト: アセトプロール(acetoprole)、クロルデン(chlordane)、エンドスルファン(endosulfan)、エチプロール(ethiprole)、フィプロニル(fipronil)、ピラフルプロール(pyrafluprole)、ピリプロール(pyriprole)、カンフェクロル(camphechlor)、ヘプタクロル(heptachlor)、ジエノクロル(dienochlor)。
(3)ナトリウムチャンネルモジュレーター: アクリナトリン(acrinathrin)、d-シス-トランスアレスリン(d-cis-trans allethrin)、d-トランスアレスリン(d-trans allethrin)、ビフェントリン(bifenthrin)、ビオアレスリン(bioallethrin)、ビオアレスリンs-シクロペンチル異性体(bioallethrin s-cyclopentyl isomer)、ビオレスメトリン(bioresmethrin)、シクロプロトリン(cycloprothrin)、シフルトリン(cyfluthrin)、ベータ-シフルトリン(β-cyfluthrin)、シハロトリン(cyhalothrin)、ラムダ-シハロトリン(λ-cyhalothrin)、ガンマ-シハロトリン(γ-cyhalothrin)、シペルメトリン(cypermethrin)、アルファ-シペルメトリン(α-cypermethrin)、ベータ-シペルメトリン(β-cypermethrin)、シータ-シペルメトリン(θ-cypermethrin)、ゼータ-シペルメトリン(ζ-cypermethrin)、シフェノトリン[(1R)-トランス異性体](cyphenothrin [(1R)-trans isomer])、デルタメトリン(deltamethrin)、エンペントリン[(EZ)-(1R)-異性体](Empenthrin[(EZ)-(1R)-Isomer])、エスフェンバレレート(esfenvalerate)、エトフェンプロックス(etofenprox)、フェンプロパトリン(fenpropathrin)、フェンバレレート(fenvalerate)、フルシトリネート(flucythrinate)、フルメトリン(flumethrin)、タウ-フルバリネート(τ-fluvalinate)、ハルフェンプロックス(halfenprox)、イミプロトリン(imiprothrin)、カデスリン(kadethrin)、ペルメトリン(permethrin)、フェノトリン[(1R)-トランス異性体](phenothrin [(1R)-trans isomer])、プラレトリン(prallethrin)、ピレスラム(pyrethrum)、レスメトリン(resmethrin)、シラフルオフェン(silafluofen)、テフルスリン(tefluthrin)、テトラメトリン[(1R)-異性体](tetramethrin [(1R)-isomer])、トラロメトリン(tralomethrin)、トランスフルトリン(transfluthrin)、アレスリン(allethrin)、ピレトリン(pyrethrins)、ピレトリンI(pyrethrin I)、ピレトリンII(pyrethrin II)、プロフルトリン(profluthrin)、ジメフルトリン(dimefluthrin)、ビオエタノメトリン(bioethanomethrin)、ビオペルメトリン(biopermethrin)、トランスペルメトリン(transpermethrin)、フェンフルトリン(fenfluthrin)、フェンピリトリン(fenpirithrin)、フルブロシトリネート(flubrocythrinate)、フルフェンプロックス(flufenprox)、メトフルトリン(metofluthrin)、プロトリフェンブト(protrifenbute)、ピレスメトリン(pyresmethrin)、テラレトリン(terallethrin)。
【0157】
(4)ニコチン性アセチルコリン受容体アゴニスト: アセタミプリド(acetamiprid)、クロチアニジン(clothianidin)、ジノテフラン(dinotefuran)、イミダクロプリド(imidacloprid)、ニテンピラム(nitenpyram)、ニチアジン(nithiazine)、チアクロプリド(thiacloprid)、チアメトキサム(thiamethoxam)、スルホキサフロール(sulfoxaflor)、ニコチン(nicotine)、フルピラジフロン(flupyradifurone)、フルピリミン(flupyrimine)。
(5)ニコチン性アセチルコリン受容体アロステリックモジュレーター: スピネトラム(spinetoram)、スピノサド(spinosad)。
(6)クロライドチャンネル活性化剤: アバメクチン(abamectin)、エマメクチン安息香酸塩(emamectin-benzoate)、レピメクチン(lepimectin)、ミルベメクチン(milbemectin)、イベルメクチン(ivermectin)、セラメクチン(selamectin)、ドラメクチン(doramectin)、エプリノメクチン(eprinomectin)、モキシデクチン(moxidectin)、ミルベマイシン(milbemycin)、ミルベマイシンオキシム(milbemycin oxime)、ネマデクチン(nemadectin)。
(7)幼若ホルモン様物質: ヒドロプレン(hydroprene)、キノプレン(kinoprene)、メトプレン(methoprene)、フェノキシカルブ(fenoxycarb)、ピリプロキシフェン(pyriproxyfen)、ジオフェノラン(diofenolan)、エポフェノナン(epofenonane)、トリプレン(triprene)。
(8)その他非特異的阻害剤: 臭化メチル(methyl bromide)、クロルピクリン(chloropicrin)、フッ化スルフリル(sulfuryl fluoride)、ホウ砂(borax)、吐酒石(tartar emetic)。
(9)同翅目選択的摂食阻害剤: フロニカミド(flonicamid)、ピメトロジン(pymetrozine)、ピリフルキナゾン(pyrifluquinazon)。
【0158】
(10)ダニ類生育阻害剤: クロフェンテジン(clofentezine)、ジフロビダジン(diflovidazin)、ヘキシチアゾクス(hexythiazox)、エトキサゾール(etoxazole)。
(11)微生物由来昆虫中腸内膜破壊剤: バチルス・チューリンゲンシス亜種イスラエレンシ(bacillus thuringiensis subsp. Israelensis)、バチルス・スファエリクス(bacillus sphaericus)、バチルス・チューリンゲンシス亜種アイザワイ(bacillus thuringiensis subsp. aizawai)、バチルス・チューリンゲンシス亜種クルスタキ(bacillus thuringiensis subsp. kurstaki)、バチルス・チューリンゲンシス亜種テネブリオニス(bacillus thuringiensis subsp. tenebrionis)、Bt作物タンパク質:Cry1Ab、Cry1Ac、Cry1Fa、Cry1A.105、Cry2Ab、Vip3A、mCry3A、Cry3Ab、Cry3Bb、Cry34Ab1/Cry35Ab1。
(12)ミトコンドリアATP生合成酵素阻害剤: ジアフェンチウロン(diafenthiuron)、アゾシクロチン(azocyclotin)、シヘキサチン(cyhexatin)、酸化フェンブタスズ(fenbutatin oxide)、プロパルギット(propargite)、テトラジホン(tetradifon)。
(13)酸化的リン酸化脱共役剤: クロルフェナピル(chlorfenapyr)、スルフルラミド(sulfluramid)、DNOC、ビナパクリル(binapacryl)、ジノブトン(dinobuton)、ジノカップ(dinocap)。
(14)ニコチン性アセチルコリン受容体チャンネルブロッカー: ベンスルタップ(bensultap)、カルタップ塩酸塩(cartap hydrochloride)、ネライストキシン(nereistoxin)、チオスルタップ-ナトリウム塩(thiosultap-sodium)、チオシクラム(thiocyclam)。
(15)キチン合成阻害剤: ビストリフルロン(bistrifluron)、クロルフルアズロン(chlorfluazuron)、ジフルベンズロン(diflubenzuron)、フルシクロクスロン(flucycloxuron)、フルフェノクスロン(flufenoxuron)、ヘキサフルムロン(hexaflumuron)、ルフェヌロン(lufenuron)、ノバルロン(novaluron)、ノビフルムロン(noviflumuron)、テフルベンズロン(teflubenzuron)、トリフルムロン(triflumuron)、ブプロフェジン(buprofezin)、フルアズロン(fluazuron)。
(16)双翅目脱皮かく乱剤: シロマジン(cyromazine)。
(17)脱皮ホルモン受容体アゴニスト: クロマフェノジド(chromafenozide)、ハロフェノジド(halofenozide)、メトキシフェノジド(methoxyfenozide)、テブフェノジド(tebufenozide)。
(18)オクトパミン受容体アゴニスト: アミトラズ(amitraz)、デミジトラズ(demiditraz)、クロルジメホルム(chlordimeform)。
(19)ミトコンドリア電子伝達系複合体III阻害剤: アセキノシル(acequinocyl)、フルアクリピリム(fluacrypyrim)、ヒドラメチルノン(hydramethylnon)。
(20)ミトコンドリア電子伝達系複合体I阻害剤: フェナザキン(fenazaquin)、フェンピロキシメート(fenpyroximate)、ピリミジフェン(pyrimidifen)、ピリダベン(pyridaben)、テブフェンピラド(tebufenpyrad)、トルフェンピラド(tolfenpyrad)、ロテノン(rotenone)。
【0159】
(21)電位依存性ナトリウムチャネルブロッカー: インドキサカルブ(indoxacarb)、メタフルミゾン(metaflumizone)。
(22)アセチルCoAカルボキシラーゼ阻害剤: スピロジクロフェン(spirodiclofen)、スピロメシフェン(spiromesifen)、スピロテトラマト(spirotetramat)。
(23)ミトコンドリア電子伝達系複合体IV阻害剤: リン化アルミニウム(aluminium phosphide)、リン化カルシウム(calcium phosphide)、ホスフィン(phosphine)、リン化亜鉛(zinc phosphide)、シアニド(cyanide)。
(24)ミトコンドリア電子伝達系複合体II阻害剤: シエノピラフェン(cyenopyrafen)、シフルメトフェン(cyflumetofen)、ピフルブミド(pyflubumide)。
(25)リアノジン受容体モジュレーター: クロラントラニリプロール(chlorantraniliprole)、シアントラニリプロール(cyantraniliprole)、フルベンジアミド(flubendiamide)、シクラニリプロール(cyclaniliprole)、テトラニリプロール(tetraniliprole)。
(26)混合機能オキシダーゼ阻害剤化合物: ピペロニルブトキシド(piperonyl butoxide)。
(27)ラトロフィリン受容体作用薬: デプシペプチド(depsipeptide)、環状デプシペプチド(cyclodepsipeptide)、24員環状デプシペプチド(24 membered cyclodepsipeptide)、エモデプシド(emodepside)。
(28)その他の剤(作用機構が未知): アザジラクチン(azadirachtin)、ベンゾキシメート(benzoximate)、ビフェナゼート(bifenazate)、ブロモプロピレート(bromopropylate)、キノメチオネート(quinomethionate)、クリオライト(cryolite)、ジコホル(dicofol)、ピリダリル(pyridalyl)、ベンクロチアズ(benclothiaz)、硫黄(sulfur)、アミドフルメット(amidoflumet)、1,3-ジクロロプロペン(1,3-dichloropropene)、DCIP、フェニソブロモレート(phenisobromolate)、ベンゾメート(benzomate)、メタアルデヒド(metaldehyde)、クロルベンジレート(chlorobenzilate)、クロチアゾベン(clothiazoben)、ジシクラニル(dicyclanil)、フェノキサクリム(fenoxacrim)、フェントリファニル(fentrifanil)、フルベンジミン(flubenzimine)、フルフェナジン(fluphenazine)、ゴシップルア(gossyplure)、ジャポニルア(japonilure)、メトキサジアゾン(metoxadiazone)、石油(oil)、オレイン酸カリウム(potassium oleate)、テトラスル(tetrasul)、トリアラセン(triarathene)、アフィドピロペン(afidopyropen)、フロメトキン(flometoquin)、フルフィプロル(flufiprole)、フルエンスルホン(fluensulfone)、メペルフルスリン(meperfluthrin)、テトラメチルフルスリン(tetramethylfluthrin)、トラロピリル(tralopyril)、ジメフルスリン(dimefluthrin)、メチルネオデカンアミド(methylneodecanamide)、フルララネル(fluralaner)、アフォキソラネル(afoxolaner)、フルキサメタミド(fluxametamide)、5-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-トリフルオロメチル-4,5-ジヒドロイソオキサゾール-3-イル]-2-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)ベンゾニトリル(CAS:943137-49-3)(5-[5-(3,5-dichlorophenyl)-5-trifluoromethyl-4,5-dihydroisoxazole-3-yl]-2-(1H-1,2,4-triazole-1-yl)benzonitrile (CAS:943137-49-3))、ブロフラニリド(broflanilide)、その他のメタジアミド類、スタイナーネマ カーポカプサエ(steinernema carpocapsae)、スタイナーネマ グラセライ(steinernema glaseri)、パスツーリア ペネトランス(pasteuria penetrans)、ペキロマイセス テヌイペス(paecilomyces tenuipes)、ペキロマイセス フモソロセウス(paecilomyces fumosoroseus)、ボーベリア バシアーナ(beauveria bassiana)、ボーベリア ブロンニアティ(beauveria brongniartii)、メタリジウム アニソプリエ(metarhizium anisopliae)、バーティシリウム レカニ(verticillium lecanii)。
【0160】
(29)駆虫剤:
(a)ベンズイミダゾール系: フェンベンダゾール(fenbendazole)、アルベンダゾール(albendazole)、トリクラベンダゾール(triclabendazole)、オキシベンダゾール(oxibendazole)、メベンダゾール(mebendazole)、オクスフェンダゾール(oxfendazole)、パーベンダゾール(parbendazole)、フルベンダゾール(flubendazole)、フェバンテル(febantel)、ネトビミン(netobimin)、チオファネート(thiophanate)、チアベンダゾール(thiabendazole)、カンベンダゾール(cambendazole);
(b)サリチルアニリド系: クロサンテル(closantel)、オキシクロザニド(oxyclozanide)、ラフォキサニド(rafoxanide)、ニクロサミド(niclosamide);
(c)置換フェノール系: ニトロキシニル(nitroxinil)、ニトロスカネート(nitroscanate);
(d)ピリミジン系: ピランテル(pyrantel)、モランテル(morantel);
(e)イミダゾチアゾール系: レバミソール(levamisole)、テトラミソール(tetramisole);
(f)テトラヒドロピリミジン系: プラジカンテル(praziquantel)、エプシプランテル(epsiprantel);
(g)その他の駆虫薬: シクロジエン(cyclodiene)、リアニア(ryania)、クロルスロン(clorsulon)、メトロニダゾール(metronidazole)、デミジトラズ(demiditraz)、ピペラジン(piperazine)、ジエチルカルバマジン(diethylcarbamazine)、ジクロロフェン(dichlorophen)、モネパンテル(monepantel)、トリベンジミジン(tribendimidine)、アミダンテル(amidantel)、チアセタルサミド(thiacetarsamide)、メラルソミン(melarsomine)、アルセナマイド(arsenamide)。
【0161】
本発明の有害生物防除剤と混用または併用することができる、植物調節剤の具体例を以下に示す。
アブシジン酸(abscisic acid)、カイネチン(kinetin)、ベンジルアミノプリン(Benzylaminopurine)、1,3-ジフェニルウレア(1,3-diphenylurea)、ホルクロルフェニュロン(forchlorfenuron)、チジアズロン(thidiazuron)、クロルフェヌロン(chlorfenuron)、ジヒドロゼアチン(dihydrozeatin)、ジベレリンA(gibberellin A)、ジベレリンA4(gibberellin A4)、ジベレリンA7(gibberellin A7)、ジベレリンA3(gibberellin A3)、1-メチルシクロプロパン(1-methylcyclopropane)、N-アセチルアミノエトキシビニルグリシン(別名:アビグリシン)(N-acetyl aminoethoxyvinyl glycine (aviglycine))、アミノオキシ酢酸(aminooxyacetate)、硝酸銀(silver nitrate)、塩化コバルト(cobalt chloride)、IAA、4-CPA、クロプロップ(cloprop)、2,4-D、MCPB、インドール-3-酪酸(indole-3-butyrate)、ジクロルプロップ(dichlorprop)、フェノチオール(phenothiol)、1-ナフチルアセトアミド(1-naphthyl acetamide)、エチクロゼート(ethychlozate)、クロキシホナック(cloxyfonac)、マレイン酸ヒドラジド(maleic acid hydrazide)、2,3,5-トリヨード安息香酸(2,3,5-triiodobenzoic acid)、サリチル酸(salicylic acid)、サリチル酸メチル(methyl salicylate)、(-)-ジャスモン酸((-)-jasmonic acid)、ジャスモン酸メチル(methyl jasmonate)、(+)-ストリゴール((+)-strigol)、(+)-デオキシストリゴール((+)-deoxystrigol)、(+)-オロバンコール((+)-orobanchol)、(+)-ソルゴラクトン((+)-sorgolactone)、4-オキソ-4-(2-フェニルエチル)アミノ酪酸(4-oxo-4-(2-phenylethyl)aminobutyric acid)、エテホン(ethephon)、クロルメコート(chlormequat)、メピコートクロリド(mepiquat chloride)、ベンジルアデニン(benzyladenine)、5-アミノレブリン酸(5-amino levulinic acid)、ダミノジッド(daminozide)。
【0162】
{製剤処方}
本発明の農園芸用殺菌剤は、剤型によって特に限定されない。たとえば、水和剤、乳剤、粉剤、粒剤、水溶剤、懸濁剤、顆粒水和剤、錠剤などの剤型を挙げることができる。製剤への調製方法は、特に制限されず、剤形に応じて公知の調製方法を採用することができる。
以下に、製剤実施例を若干示す。なお、以下に示す製剤処方は単なる例示であり、本発明の主旨に反しない範囲で修正することができ、本発明は以下の製剤例によって何ら制限されるものではない。「部」は特段の断りが無い限り「質量部」を意味する。
【0163】
(製剤例1:水和剤)
本発明のオキサジアゾール化合物40部、珪藻土53部、高級アルコール硫酸エステル4部、およびアルキルナフタレンスルホン酸塩3部を均一に混合し、次いで微細に粉砕して、有効成分40質量%の水和剤を得る。
【0164】
(製剤例2:乳剤)
本発明のオキサジアゾール化合物30部、キシレン33部、ジメチルホルムアミド30部、およびポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル7部を混合し、溶解させて、有効成分30質量%の乳剤を得る。
【0165】
(製剤例3:粒剤)
本発明のオキサジアゾール化合物5部、タルク40部、クレー38部、ベントナイト10部、およびアルキル硫酸ソーダ7部を均一に混合し、次いで微細に粉砕し、その後、粒子直径0.5~1.0mmに造粒して、有効成分5質量%の粒剤を得る。
【0166】
(製剤例4:粒剤)
本発明のオキサジアゾール化合物5部、クレー73部、ベントナイト20部、ジオクチルスルホサクシネートナトリウム塩1部、およびリン酸カリウム1部を均一に混合し、粉砕し、次いでこれに水を加え、混練する。その後、造粒し、乾燥させて、有効成分5質量%の粒剤を得る。
【0167】
(製剤例5:懸濁剤)
本発明のオキサジアゾール化合物10部、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル4部、ポリカルボン酸ナトリウム塩2部、グリセリン10部、キサンタンガム0.2部、および水73.8部を混合し、粒度が3ミクロン以下になるまで湿式粉砕し、有効成分10質量%の懸濁剤を得る。
【0168】
(製剤例6:顆粒水和剤)
本発明のオキサジアゾール化合物40部、クレー36部、塩化カリウム10部、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩1部、リグニンスルホン酸ナトリウム塩8部、およびアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩のホルムアルデヒド縮合物5部を均一に混合し、微細に粉砕する。次いでこれに適量の水を加えて、混練し粘土状にする。粘土状物を造粒し、その後、乾燥させて、有効成分40質量%の顆粒水和剤を得る。
【0169】
次に、実施例を示し、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例によって何ら制限されるものではない。
【0170】
〔実施例1〕
1-(4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンジル)ピリジン-2(1H)-オンの合成
【0171】
【0172】
2-ヒドロキシピリジン(0.19g)をN,N-ジメチルホルムアミド(10ml)に溶解させた。これに、氷冷下、60質量%水素化ナトリウム(0.08g)を加え、室温にて1時間撹拌した。再度氷冷し、3-(4-(ブロモメチル)フェニル)-5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール(0.5g)を加え、室温にて一晩撹拌した。得られた液を氷水に注加し、酢酸エチルで抽出し、抽出相を水で洗浄し、次いで飽和食塩水で洗浄した。その後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n-ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、目的化合物0.29g(収率55%)を得た。
得られた目的物の1H-NMRを以下に示す。
1H-NMR (CDCl3,δppm): 5.21 (s,2H), 6.19 (t,1H), 6.63 (d,1H), 7.25‐7.38 (m,2H), 7.42 (d,2H), 8.08 (d,2H).
【0173】
〔実施例2〕
(4-(メトキシイミノ)ピペリジン-1-イル)(4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)フェニル)メタノンの合成
【0174】
(工程1) 4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)安息香酸 → (4-(メトキシイミノ)ピペリジン-1-イル)(4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)フェニル)メタノン
【0175】
【0176】
4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)安息香酸(0.24g)をジクロロメタン(10ml)に懸濁させた。これに、4-(メトキシイミノ)ピペリジン(0.12g)、4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン(0.15g)及び1-[3-(ジエチルアミノ)プロピル]-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(0.23g)を加え、室温にて一晩撹拌した。得られた液を氷水に注加し、クロロホルムで抽出し、次いで水による洗浄、および飽和食塩水による洗浄を行った。その後、無水硫酸マグネシウムで脱水した。次いで溶媒を減圧下で留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n-ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、目的化合物0.11g(収率32%)を得た。
得られた目的物の1H-NMRを以下に示す。
1H-NMR (CDCl3,δppm): 2.27-2.76(4H,m),3.41-3.92(7H,m),7.57(2H,d),8.18(2H,d).
【0177】
〔実施例3〕
1-(3-(エトキシイミノ)アゼチジン-1-イル)-2-(4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)フェニル)エタン-1-オンの合成
【0178】
(工程1) 2-(4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)フェニル)酢酸 → 1-(3-(エトキシイミノ)アゼチジン-1-イル)-2-(4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)フェニル)エタン-1-オン
【0179】
【0180】
2-(4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)フェニル)酢酸0.8gをN,N-ジメチルホルムアミド6mlに懸濁させた。これに、3-(エトキシイミノ)アゼチジン塩酸塩0.4gを加え、次いで、氷冷下にジイソプロピルエチルアミン1.5ml及び1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスファート2.2gを加え、室温にて一晩撹拌した。得られた液を氷水に注加し、酢酸エチルで抽出し、次いで水による洗浄、および飽和食塩水に洗浄を行った。その後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。次いで溶媒を減圧下で留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n-ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、目的化合物0.28g(収率26%)を得た。
得られた目的物の1H-NMRを以下に示す。
1H-NMR (CDCl3,δppm) 1.24(3H,t),3.63(2H,s),4.11(2H,q),4.67-4.79(4H,m),7.62(2H,d),8.08(2H,d).
【0181】
前記の実施例と同様の方法で製造した本発明化合物の一部を表1~表18に示す。オキシム基の窒素と酸素との間の結合(N-O undefined stero bond)を表す波線が示す窒素炭素二重結合の配置を「立体配置」の欄に記入した。「E」はE配置であることを示し、「Z」はZ配置であることを示し、「E/Z」は化合物が両配置の化合物の混合物であることを示す。表15~18は、式(II-1)で表される化合物中の置換基を示す。表中には、各化合物の物性として、性状、融点(m.p.)または屈折率(nD)を併せて示す。尚、表15~18中のnPrはノルマルプロピル基を、iPrはイソプロピル基を、Acはアセチル基を、Bocはターシャリーブトキシカルボニル基を、Phはフェニル基を、Bnはベンジル基を、Bzはベンゾイル基を示す。
【0182】
【0183】
【0184】
【0185】
【0186】
【0187】
【0188】
【0189】
【0190】
【0191】
【0192】
【0193】
【0194】
【0195】
【0196】
【0197】
【0198】
【0199】
【0200】
【0201】
表1~表18に示した化合物のうち、粘性オイルまたはアモルファスの物性の化合物については1H-NMR(CDCl3)を測定した。表19~20にその測定値を示す。
【0202】
【0203】
【0204】
〔生物試験〕
本発明のオキサジアゾール化合物が、農園芸用殺菌剤の有効成分として有用であることを以下の試験例で示す。
【0205】
(試験用乳剤の調製)
オキサジアゾール化合物5質量部、ジメチルホルムアミド93.5質量部、およびポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル1.5質量部を混合し、溶解させて、有効成分5質量%の乳剤(I)を得た。
【0206】
防除価は、下記の式により計算した。
防除価(%)=
100-{処理区における病斑面積率/無処理区における病斑面積率}×100
【0207】
(試験例1)コムギ赤さび病防除試験
乳剤(I)にオキサジアゾール化合物濃度が100質量ppmになるように水を加え、溶解させて薬剤溶液を得た。続いて育苗用ポットで栽培したコムギ幼苗(品種「農林61号」、1~2葉期)に前記薬剤溶液を散布した。風乾後、薬剤溶液を散布したコムギ幼苗にコムギ赤さび病菌(Puccinia recondita)の夏胞子をふり掛けて接種させた(処理区)。
対照として、薬剤溶液を散布しなかったコムギ幼苗に上記と同様にして接種させた(無処理区)。
それらを20℃多湿の条件下に1日間置いた。その後、加湿から開放し、20℃の温室に静置した。接種から12日間経過した日にコムギ苗の葉を目視観察して、病斑面積率を求め、防除価を算出した。
【0208】
表21に示す化合物番号の化合物について、コムギ赤さび病防除試験を行った。いずれの化合物も75%以上の防除価であった。
【0209】
【0210】
(試験例2)コムギ赤さび病防除試験
乳剤(I)にオキサジアゾール化合物濃度が6.3質量ppmになるように水を加え、溶解させて薬剤溶液を得た。続いて育苗用ポットで栽培したコムギ幼苗(品種「農林61号」、1~2葉期)に前記薬剤溶液を散布した。風乾後、薬剤溶液を散布したコムギ幼苗にコムギ赤さび病菌(Puccinia recondita)の夏胞子をふり掛けて接種させた(処理区)。
対照として、薬剤溶液を散布しなかったコムギ幼苗に上記と同様にして接種させた(無処理区)。
それらを20℃多湿の条件下に1日間置いた。その後、加湿から開放し、20℃の温室に静置した。接種から12日間経過した日にコムギ苗の葉を目視観察して、病斑面積率を求め、防除価を算出した。
【0211】
表22に示す化合物番号の化合物について、コムギ赤さび病防除試験を行った。いずれの化合物も75%以上の防除価であった。
【0212】
【0213】
(試験例3)コムギ葉枯病防除試験
乳剤(I)にオキサジアゾール化合物濃度が100質量ppmになるように水を加え、溶解させて薬剤溶液を得た。続いて育苗用ポットで栽培したコムギ幼苗(品種「アポジー」、1~2葉期)に前記薬剤溶液を散布した。風乾後、薬剤溶液を散布したコムギ幼苗にコムギ葉枯病菌(Septoria tritici)の分生胞子を噴霧接種した(処理区)。
対照として、薬剤溶液を散布しなかったコムギ幼苗に上記と同様にして接種した(無処理区)。
接種後のコムギを20℃多湿下に3日間置いた。その後、照明下で18日から25日経過した日にコムギの葉を目視観察して、病斑面積率を求め、防除価を算出した。
【0214】
表23に示す化合物番号の化合物について、コムギ葉枯病防除試験を行った。いずれの化合物も75%以上の防除価であった。
【0215】
【0216】
(試験例4)コムギ葉枯病防除試験
乳剤(I)にオキサジアゾール化合物濃度が6.3質量ppmになるように水を加え、溶解させて薬剤溶液を得た。続いて育苗用ポットで栽培したコムギ幼苗(品種「アポジー」、1~2葉期)に前記薬剤溶液を散布した。風乾後、薬剤溶液を散布したコムギ幼苗にコムギ葉枯病菌(Septoria tritici)の分生胞子を噴霧接種した(処理区)。
対照として、薬剤溶液を散布しなかったコムギ幼苗に上記と同様にして接種した(無処理区)。
接種後のコムギを20℃多湿下に3日間置いた。その後、照明下で18日から25日経過した日にコムギの葉を目視観察して、病斑面積率を求め、防除価を算出した。
【0217】
化合物番号5、2-49および2-51の化合物について、コムギ葉枯病防除試験を行った。いずれの化合物も75%以上の防除価であった。
【0218】
(試験例5)コムギ赤さび病防除試験(残効性試験)
乳剤(I)にオキサジアゾール化合物濃度が25質量ppmになるように水を加え、溶解させて薬剤溶液を得た。続いて育苗用ポットで栽培したコムギ幼苗(品種「農林61号」、1~2葉期)に前記薬剤溶液を散布し、20℃の温室内で7日間生育させた。散布から7日後に薬剤溶液を散布したコムギ幼苗にコムギ赤さび病菌(Puccinia recondita)の夏胞子をふり掛けることによって接種し、20℃多湿の条件下に1日間置いた。その後、加湿から開放し、20℃の温室に静置した(処理区)。
対照として、薬剤溶液を散布しなかったコムギ幼苗に上記と同様に接種し、20℃の温室に静置した(無処理区)。
接種から12日間経過した日にコムギ苗の葉を目視観察して、病斑面積率を求めた。
【0219】
化合物番号5、1-15、1-21、1-23、2-19、2-21、2-22、2-37、2-40、2-42、2-43、2-44、2-45、2-49および2-51の化合物について、コムギ赤さび病防除試験を行った。いずれの化合物も75%以上の防除価であった。
【0220】
(試験例6)コムギ赤さび病防除試験(残効性試験)
乳剤(I)にオキサジアゾール化合物濃度が6.3質量ppmになるように水を加え、溶解させて薬剤溶液を得た。続いて育苗用ポットで栽培したコムギ幼苗(品種「農林61号」、1~2葉期)に前記薬剤溶液を散布し、20℃の温室内で7日間生育させた。散布から7日後に薬剤溶液を散布したコムギ幼苗にコムギ赤さび病菌(Puccinia recondita)の夏胞子をふり掛けることによって接種し、20℃多湿の条件下に1日間置いた。その後、加湿から開放し、20℃の温室に静置した(処理区)。
対照として、薬剤溶液を散布しなかったコムギ幼苗に上記と同様に接種し、20℃の温室に静置した(無処理区)。
接種から12日間経過した日にコムギ苗の葉を目視観察して、病斑面積率を求めた。
【0221】
化合物番号5、1-23、2-21、2-22、2-40、2-44、2-45、2-49および2-51の化合物について、コムギ赤さび病防除試験を行った。いずれの化合物も75%以上の防除価であった。
【0222】
本発明のオキサジアゾール化合物の中から無作為に選択したものが、上記のような効果を奏することから、本発明のオキサジアゾール化合物は、例示しきれなかった化合物を含め、殺菌効果を有し、植物体に薬害を生じることがなく、人畜魚類に対する毒性や環境への影響が少ない化合物であることが理解できる。
【産業上の利用可能性】
【0223】
本発明のオキサジアゾール化合物は、殺菌活性に優れ、効果が確実で、安全性に優れ、且つ工業的に有利に合成できる。本発明の農園芸用殺菌剤は、優れた防除効果を有し、植物体に薬害を生じることがなく、人畜魚類に対する毒性や環境への影響が少ない。