(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-13
(45)【発行日】2022-10-21
(54)【発明の名称】マイクロホンコネクタ、組立体及びシステム
(51)【国際特許分類】
H04R 1/04 20060101AFI20221014BHJP
【FI】
H04R1/04 Z
(21)【出願番号】P 2019541772
(86)(22)【出願日】2018-01-31
(86)【国際出願番号】 US2018016166
(87)【国際公開番号】W WO2018144557
(87)【国際公開日】2018-08-09
【審査請求日】2021-01-27
(32)【優先日】2017-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504189151
【氏名又は名称】シュアー アクイジッション ホールディングス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SHURE ACQUISITION HOLDINGS,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】メイヤー クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ハーウッド ウォルター
【審査官】辻 勇貴
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-260463(JP,A)
【文献】特開2016-163054(JP,A)
【文献】特開平11-144803(JP,A)
【文献】実開平06-054387(JP,U)
【文献】特開昭55-157881(JP,A)
【文献】中国実用新案第205828822(CN,U)
【文献】実開昭50-085225(JP,U)
【文献】特開2017-011473(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/00-12/91
13/56-13/72
24/00-24/86
H04R 1/00-1/08
1/12-1/14
1/42-1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カートリッジを含むヘッド部と、
前記ヘッド部を支持するマイクロホン本体と、
前記マイクロホン本体に接続されたスリーブと、
を備えるマイクロホンであって、前記スリーブは、
外側シェルと、
前記外側シェル内部に形成されたキャビティと、
前記外側シェルの内面に形成されたキー溝と、
前記キャビティ内部に位置決めされており、複数の電気接点を収容するように構成された接点位置のアレイを含
み、複数のオーディオ接点及び複数の照明接点を含み、前記複数の照明接点のうちの1又は2以上は、前記カートリッジと通信する、第1の電気ブロックと、
前記外側シェルの内面から延びる、前記
第1の電気ブロックの第1の端部に近接する第1の突起部と、
を含む、ことを特徴とするマイクロホン。
【請求項2】
前記アレイは、矩形アレイであり、2×5マトリクスで配列された10個の接点位置を備える、請求項1に記載のマイクロホン。
【請求項3】
前記マイクロホンは更に、前記ヘッド部、シャフト又は前記マイクロホン本体のうちの1又は2以上に取り付けられた照明を備え、前記複数の照明接点のうちの1又は2以上は、前記照明と通信する、請求項
1に記載のマイクロホン。
【請求項4】
前記キー溝は、略円弧状の表面を有し、位置決め機構を備える、請求項1に記載のマイクロホン。
【請求項5】
前記第1の突起部は、略矩形の断面を有し、構造機構を備える、請求項
4に記載のマイクロホン。
【請求項6】
前記外側シェルの前記内面から延びる第2の突起部を更に備え、前記第2の突起部は、前記
第1の電気ブロックの第2の端部に近接し、前記第1及び第2の突起部は、前記外側シェルの180度反対側にある、請求項1に記載のマイクロホン。
【請求項7】
前記スリーブは、レセプタクルに挿入可能であり、前記レセプタクルは、
ハウジングと、
前記ハウジング内に形成された第2のキャビティと、
前記第2のキャビティ内部に位置決めされたフレームと、
前記フレーム上に形成された第3の突起部と、
前記フレームによって支持され前記第2のキャビティ内部に位置決めされた第2の電気ブロックと、
を備える、請求項1に記載のマイクロホン。
【請求項8】
前記スリーブは、(i)前記第3の突起部が前記キー溝に入り込み、(ii)前記第1及び第2の電気ブロックが互いに係合するように、前記レセプタクルに挿入可能である、請求項
7に記載のマイクロホン。
【請求項9】
前記レセプタクルは更に、前記第2の電気ブロックの端部に近接して前記フレーム内に形成された第2のキー溝を備える、請求項
8に記載のマイクロホン。
【請求項10】
前記スリーブが、前記レセプタクルに挿入された場合に、前記第1の突起部は、前記第2のキー溝に入り込む、請求項
9に記載のマイクロホン。
【請求項11】
前記第3の突起部及び前記キー溝は、略円弧状の表面を有し、位置決め機構を備える、請求項
10に記載のマイクロホン。
【請求項12】
前記第1の突起部及び前記第2のキー溝は、略矩形の断面を有し、構造機構を備える、請求項
10に記載のマイクロホン。
【請求項13】
前記レセプタクルは更に、ラッチを備え、前記スリーブは更に、ラッチ係合構造体を備え、前記ラッチ係合構造体は、前記外側シェルの内面内部に形成されたリップ部を備え、前記ラッチは、前記リップ部によって形成された溝に入り込む少なくとも1つの歯状部を含む、請求項
7に記載のマイクロホン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、一般に、マイクロホン及びマイクロホンコネクタに関する。具体的には、本出願は、解放可能にロック可能なキー式係合部を有するスリーブ及びレセプタクルを含んでおり、接続されたマイクロホンからのオーディオ信号と、マイクロホンのモード又は状態を示すために接続されたマイクロホンに搭載された照明への照明信号との両方を送信することができるマイクロホンコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの種類のマイクロホンは、音源(話者など)からのオーディオが、適切な増幅システム及びスピーカシステムを介して、取り込まれ、増幅され、聴取者に送信される場合の様々なサウンド補強用途で使用されている。マイクロホンは、様々なかかる用途で使用される場合がある。マイクロホンコネクタは、通常、マイクロホンと下流オーディオコンポーネント(ミキサ及び増幅器など)との間の電気接続が行われて、マイクロホンによって取り込まれたオーディオ信号がこの下流オーディオコンポーネントに配信されるように、マイクロホンをケーブル又はプラグに接続する。
【0003】
会議環境などの一部の用途では、多数のマイクロホンが、多数の音源からのオーディオを取り込むのに使用される。例えば、会場、会議室、ビデオ会議アプリケーションなどの環境でのサウンド補強は、マイクロホンを使用して、このような環境でアクティブな多くの音源からサウンドを取り込むことを伴う場合がある。このような音源は、例えば、話者を含む場合がある。取り込まれたサウンドは、増幅されるスピーカ(サウンド補強のため)を介して環境内の現地の聴衆に、又はその環境から離れた別の場所(テレビ放送及び/又はウェブ放送などを経由)に流れる場合がある。
【0004】
これらの及び他のタイプの用途で利用されるマイクロホンの数が多い場合には、フィードバック、部屋のノイズのピックアップなどの望ましくない結果を回避するために、マイクロホンの全てを一度にアクティブにさせないことが望ましい場合が多い。従って、多数のマイクロホンが用いられる用途では、多くの場合、同時に1つ又は複数のマイクロホンをアクティブにして、大集団の人々の中でアクティブな話者などのアクティブな音源からのみオーディオをピックアップするシステム制御が利用される。マイクロホンを選択的にアクティブにすることに関連して、このようなマイクロホンを使用している個人に、マイクロホンの状態又はモードを示すこと(例えば、マイクロホンがアクティブ又は「オン」である場合、及びマイクロホンが非アクティブ又は「ミュート」である場合など)が望ましい場合がある。従って、会議システムは、システムのユーザが、任意の時間に、どのマイクロホンがアクティブで、どのマイクがそうでないかを認識するように、システム内の様々なマイクロホンの状態を示す視覚的なインジケータを含む場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなシステム内の個々のマイクロホンが、マイクロホン自体に照明などの視覚的インジケータを含んで、マイクロホンのユーザにこのようなマイクロホンの状態を示すことが望ましい場合がある。しかしながら、マイクロホンに照明を追加することは、電磁干渉、無線周波数干渉、及びシステムに混入される可能性のあるその他のノイズに関連する問題をもたらす。例えば、このようなマイクロホンの近くに携帯電話機を置いているユーザは、マイクロホンの電気設計での不備に起因してシステムに無線周波数干渉又はGSM(登録商標)干渉をもたらす可能性がある。マイクロホン接続の堅牢性は、マイクロホンが、容易に接続でき、意図せずに取り外すこと又はマイクロホンの接続を中断させることができず、不要な電磁干渉により悪影響を受けないことを保証するために、困難な場合がある。
【0006】
従って、これらの問題に対処するシステムの機会が存在する。ロック可能なキー式係合部を含むマイクロホンコネクタであって、不要な干渉を低減又は排除しながら、接続されたマイクロホンからのオーディオ信号と、マイクロホンのモード又は状態を示すために接続されたマイクロホンに搭載された照明への照明信号との両方を送信することができるマイクロホンコネクタの機会が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、とりわけ、(1)コネクタの一部分の間にロック可能なキー式係合部を設け、(2)マイクロホンによって取り込まれたオーディオの下流送信及び接続されたマイクロホンに取り付けられた1又は2以上の光源への照明信号の上流送信を同時に可能にし、(3)不要な電磁干渉を最小化又は排除するように設計されたマイクロホンコネクタ及びマイクロホンを提供することによって、上述の問題を解決することが意図されている。
【0008】
一実施形態では、マイクロホンコネクタ組立体(assembly)は、レセプタクルとスリーブとを備える。レセプタクルは、ハウジングと、該ハウジング内部に形成された第1のキャビティと、該第1のキャビティ内部に位置決めされたフレームと、該フレーム上に形成された突起部とを備える。レセプタクルは更に、フレームによって支持され第1のキャビティ内部に位置決めされた第1の電気ブロックを備える。スリーブは、外側シェルと、該外側シェル内部に形成された第2のキャビティと、外側シェル内に形成され該第2のキャビティ内部に位置決めされたキー溝とを含む。スリーブは更に、第2のキャビティ内部に位置決めされた第2の電気ブロックを備え、スリーブは、(i)突起部がキー溝に入り込み、(ii)第1及び第2の電気ブロックが互いに係合するように、レセプタクルに挿入可能である。
【0009】
別の実施形態では、マイクロホンは、ヘッド部とマイクロホン本体とを備える。該ヘッド部は、カートリッジを含み、該マイクロホン本体は、ヘッド部を支持する。マイクロホンは更に、マイクロホン本体に接続されたスリーブを備える。スリーブは、外側シェルと、該外側シェル内部に形成されたキャビティと、外側シェルの内面に形成されたキー溝とを備える。スリーブは更に、キャビティ内部に位置決めされた電気ブロックを備え、該電気ブロックは、複数の電気接点を収容するように構成された接点位置のアレイを備える。スリーブは更に、外側シェルの内面から延びる第1の突起部を備える。
【0010】
更に別の実施形態では、マイクロホンコネクタ組立体は、マイクロホンのマイクロホン本体に接続されたスリーブを備える。該スリーブは、外側シェルと、該外側シェル内部に形成されたキャビティと、外側シェルの内面に形成されたキー溝とを備える。スリーブは更に、キャビティ内部に位置決めされた電気ブロックを備え、該電気ブロックは、複数の電気接点を収容するように構成された接点位置のアレイを備える。スリーブは更に、外側シェルの内面から延びる第1の突起部を備える。
【0011】
これらの及び他の実施形態並びに様々な置換例及び態様は、明らかになり、本発明の原理を使用できる様々な方法を示す例示的な実施形態を提示する以下の詳細な説明及び添付図面からより完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】接続位置で示されている、スリーブ及びレセプタクルを含む本発明のマイクロホンコネクタの斜視図である。
【
図2】切断位置で示されている、
図1の接続されたマイクロホンの斜視図である。
【
図3A】
図1及び
図2のマイクロホンコネクタのレセプタクルの正面図である。
【
図5A】ロック位置又は係合位置で示されている本発明のマイクロホンコネクタの実施形態の平面図である。
【
図5B】断面5B-5Bに沿ってとった
図5Aのマイクロホンコネクタの断面図である。
【
図5C】
図5Bのマイクロホンコネクタの領域5Cの拡大詳細図である。
【
図6A】ロック解除位置又は係合解除位置で示されている
図5Aのマイクロホンコネクタの平面図である。
【
図6B】断面5B-5Bに沿ってとった
図6Aのマイクロホンコネクタの断面図である。
【
図6C】
図6Bのマイクロホンコネクタの領域6Cの拡大詳細図である。
【
図7A】ロック位置又は係合位置で示されている本発明のマイクロホンコネクタの代替実施形態の平面図である。
【
図7B】断面7B-7Bに沿ってとった
図7Aのマイクロホンコネクタの断面図である。
【
図7C】
図7Bのマイクロホンコネクタの領域7Cの拡大詳細図である。
【
図8A】ロック解除位置又は係合解除位置で示されている
図7Aのマイクロホンコネクタの平面図である。
【
図8B】断面8B-8Bに沿ってとった
図8Aのマイクロホンコネクタの断面図である。
【
図8C】
図8Bのマイクロホンコネクタの領域8Cの拡大詳細図である。
【
図9A】本発明の実施形態のレセプタクルの平面図である。
【
図9B】レセプタクルの接触器を示し、断面9B-9Bに沿ってとった
図9Aのレセプタクルの断面図である。
【
図10A】マイクロホンコネクタのキーイングシステムを示し、本発明のマイクロホンコネクタのスリーブの端部から見た斜視図である。
【
図10B】マイクロホンコネクタのキーイングシステムを示し、
図10Aのマイクロホンコネクタのレセプタクルの端部から見た斜視図である。
【
図10D】スリーブ及びレセプタクルからなるキーイングシステムを示し、断面10D-10Dに沿ってとった
図10Cのマイクロホンコネクタの断面図である。
【
図10E】スリーブ及びレセプタクルからなるキーイングシステムを示し、断面10E-10Eに沿ってとった
図10Dのマイクロホンコネクタの断面図である。
【
図11】レセプタクルと係合可能なスリーブを有するマイクロホンを含む本発明のマイクロホン組立体の分解斜視図である。
【
図13】接点配置及び機能を示す本発明の実施形態のスリーブの電気ブロックの端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の説明は、本発明の原理に従う本発明の1又は2以上の特定の実施形態について説明し、図示し、例示するものである。この説明は、本発明を本明細書で説明する実施形態に限定するためではなく、むしろ当業者が、本発明の原理を理解し、その理解の上でこれらの原理を適用して、本明細書で説明する実施形態だけでなく、これらの原理に従って想起し得る他の実施形態も実施できるように、本発明の原理を説明及び教示するために提示される。本発明の範囲は、文言上、又は均等論の下で添付の特許請求の範囲に含まれる可能性のある全てのこのような実施形態をカバーすることが意図されている。
【0014】
明細書及び図面では、同様の又は実質的に同様の要素には同様の参照数字を付している場合があることに留意されたい。しかしながら、例えば異なる数字を付すことで説明がより明確になる場合には、これらの要素に異なる数字を付す場合がある。更に、本明細書に示す図面は、必ずしも縮尺通りに作図されているものではなく、場合によっては、特定の特徴をより明確に示すために比率が誇張されていることがある。このような表示及び作図手法は、必ずしも基となる本質的な目的に関与するものではない。上述したように、本明細書は、本明細書で教示され当業者に理解される本発明の原理に従って全体として理解されて解釈されるように意図されている。
【0015】
また、本明細書に説明し図示する例示的なシステム、構成要素及びアーキテクチャに関して、当業者に理解されるように、実施形態は、1又は2以上のシステム、ハードウェア、ソフトウェア又はファームウェア構成又は構成要素、或いはそれらの任意の組み合わせを含む、多数の構成及び構成要素によって具体化可能であり、又はこれらを使用可能であることを理解されたい。従って、図面は、本明細書で意図される実施形態のうちの1又は2以上のための構成要素を含む例示的なシステムを図示するが、各実施形態に関して、システム内の1又は2以上の構成要素が存在しない場合又は必要でない場合があることを理解されたい。
【0016】
図1及び
図2を参照すると、本発明の一実施形態によるマイクロホンコネクタ1が示されている。
図1は、接続位置にあるマイクロホンコネクタ1を示し、その一方、
図2は、切断位置にあるマイクロホンコネクタ1を示している。マイクロホンコネクタ1は、本明細書で説明するように互いに嵌合して、マイクロホンコネクタ1の接続及び切断を引き起こすように動作する2つの嵌合部、すなわち、レセプタクル10及びスリーブ40を備える。レセプタクル10は、
図1に示され本明細書で更に説明されるように、マイクロホンコネクタ1の接続が完成するようにスリーブ40を受け取る。
【0017】
一般に、スリーブ40は、マイクロホン80に接続されて(
図11に示されているように)、ケーブル又はこれら2つを接続する他のコネクタを介してマイクロホン80と通信することができ、或いは代替的に、
図11に示されているように、スリーブ40は、例えば、マイクロホンの端部に近接して位置決めされるように、マイクロホン80に直接接続すること又はこのマイクロホンと一体化して形成することができる。一実施形態では、レセプタクル10は、マイクロホンが接続されることが望ましい様々な表面に接続されるか又はそれに取り付けられるように構成することができる。例えば、レセプタクル10は、レセプタクル10からの配線及びケーブル布線が、ミキサ、増幅器などのサウンド補強システムの他の構成要素にレセプタクル10を接続する状態で、テーブル、演台、演壇、机、又は他の適切な表面に表面実装することができる。
【0018】
スリーブ40は、一般に、外面44及び内面46を有する外側シェル42を備える。一実施形態では、外側シェル42は、剛性であり、一般に、円形断面を有する円筒形状を有する。外側シェル42は、外面44と内面46との間に薄壁ハウジングを形成する。支持体50は、スリーブ40の内側に取り付けられ、スリーブ40の遠位端48から間隔をおいて配置される。支持体50は、スリーブ40によって構造的に支持され、スリーブ40に接続すること、又はこのスリーブと一体化して形成することができる。例えば、支持体50は、スリーブ40の内面46に接続することができる。支持体50は、スリーブ40の遠位端48から間隔をおいて配置されるので、キャビティ52は、遠位端48に近接してスリーブ40内に形成される。
【0019】
キャビティ52は、一般に、外側シェル42の内面46及び支持体50によって形成される。一実施形態では、キャビティ52は、外側シェル42の内壁46の外形によって形成された、略円筒形の形状である。スリーブ40は更に、電気ブロック60を含み、この電気ブロックは、電気接点を収容し、スリーブ40がレセプタクル10と嵌合したときに電気接続を形成する。電気ブロック60は、
図10及び
図12を参照してより詳細に説明される。一実施形態では、電気ブロック60は、キャビティ52の内側に位置決めされ、その中で支持される。電気ブロック60は、支持体50、又はスリーブ40の任意の他の適切な構造体に接続されてそれらによって支持されて、キャビティ52内部に位置決めされて保持することができる。
図3及び
図4を参照してより詳細に説明するように、レセプタクル10は、レセプタクル10の開口部24の近くに位置決めされた対応の電気ブロック30を有する。
図1及び
図2に示されているように、スリーブ40がレセプタクル10と連通し、マイクロホンコネクタ1の2つの要素が接続された場合に、スリーブ40の電気ブロック60は、レセプタクル10の電気ブロック30と連通するようになり、それによって、マイクコネクタ1の電気接続が形成される。
【0020】
電気ブロック60は、スリーブ40の電気接点62を収容することができる複数の開口部又は接点位置68(
図10Aに見られる)を含む。開口部又は接点位置68は、レセプタクル10の電気ブロック30上の雄接点32用の入口点である。一実施形態では、スリーブ40の電気ブロック60は、接点位置68のアレイ又はマトリックスを形成し、これらのアレイ又はマトリックスの一部は、オーディオ接点64を収容し、それ以外のものは、照明接点66を収容することができる。従って、スリーブ40の接点62、具体的には、オーディオ接点64及び照明接点66は、スリーブ40及びレセプタクル10が嵌合又は接続された場合に、レセプタクル10の接点32と連通するように、電気ブロック60の接点位置68に近接してその内部に位置決めすることができる。
図10Aに示されているように、電気ブロック60内の接点位置68は、5つの接点位置68からなる2列を有する又はコネクタ60内の接点位置68の2×5アレイを形成する矩形アレイに配列される。別の実施形態では、接点位置68の他の幾何学的構成を利用することができる。更に、スリーブ40の電気ブロック60は、レセプタクル10の電気ブロック30の幾何学的構成を補完してそれらの電気ブロックの間の接続をサポートすることができる様々な幾何学的配置及び構成を同様に採用することができる。
【0021】
図3A、
図3B及び
図4を参照すると、レセプタクル10の詳細図が示されている。レセプタクル10は、一般に、レセプタクル10の構成要素が支持され位置決めされる外側ハウジング12によって形成される。レセプタクル10は、一端に開口部24を有し、スリーブ40は、この開口部に収容される。レセプタクル10のハウジング12は、開口部24の近くに任意選択のフランジ13を含むことができ、このフランジは、ハウジング12から延びてレセプタクル10の取り付けを支援する。
【0022】
フランジ13は、1又は2以上の取り付け穴14を含むことができ、この取り付け穴は、レセプタクル10を様々な表面に取り付けるのに使用される、ねじなどの取り付けハードウェアを受け取る。例えば、適切な大きさの穴が、取り付け面(机、演台、会議テーブルなど)に形成されて、レセプタクル10のハウジング12がこの穴を通して受け入れられて、フランジ13が取り付け面に当接する又はそれに対して静止することができるようになる。次に、レセプタクル10は、フランジ13の穴14を通って取り付け面に挿入される取り付けハードウェアを使用することにより、この取り付け面に取り付けることができる。一実施形態では、適切な大きさの穴が、所望の取り付け面に穿設されて、ねじは、フランジ13内の穴14を通してこのねじを穿設穴に挿入して、取り付け面にフランジ13を取り付けることによって利用することができる。様々な他の取り付け方法が、レセプタクル10を様々な表面に取り付けるのに使用することができる。
【0023】
レセプタクル10は更に、レセプタクル10の内側に形成されたキャビティ15内部に位置決めされた内部フレーム16を含む。フレーム16は、図示のように、レセプタクル10のハウジング12に構造的に接続され、このハウジングによって支持される。一実施形態では、フレーム16は、ハウジング12とは別個の構成要素とすることができるが、これら2つが相互接続された場合に、ハウジング12によって支持される(
図4を参照)。代替的に、フレーム16は、単一のユニット式構成要素であるようにハウジング12と一体化して形成することができる。レセプタクル10のハウジング12の内部は、
図3B及び
図4に示されているように、キャビティ15を形成する。一実施形態では、フレーム16は、キャビティ15内部に部分的又は完全に位置決めされる。キャビティ15は、ハウジング12の内壁11によって形成され、略円筒形の形状である。
【0024】
一実施形態では、フレーム16は、レセプタクル10の電気ブロック30を支持する。電気ブロック30は、フレーム16の内部で支持されて、レセプタクル10の開口部24に近接するフレーム16の端部でオリフィス17を通って突出することができる。レセプタクル10の電気ブロック30は、複数の電気接点32を含み、これらの電気接点は、一実施形態では、ブロック30から延びる電気ピンを備える。一実施形態では、レセプタクル10内のブロック30の電気接点32は、雄型であり、その一方、スリーブ40の対応する接点62は、雌型である。代替実施形態では、接点32、62は、逆性とすること、又は他の形態の電気接点を備えることができ、これらの電気接点は、レセプタクル10及びスリーブ40が接続されて嵌合された場合に、電気ブロック30と電気ブロック60との間の電気接続を完成する。
【0025】
レセプタクル10は更に、スリーブ40上の相補的ラッチ係合構造に係合するラッチ20を含んで、
図1に示されているようにこれら2つが一緒に接続された場合に、レセプタクル10及びスリーブ40が、機械的に係合したままになることができる。一実施形態では、ラッチ20は、その上に歯状部20a又は複数の歯状部20aを有する金属棒である。ラッチ20は、フレーム16の内側で部分的に係合し、選択的に歯状部20aをスリーブ40と機械的に係合させるように屈曲することができる。ラッチ20が係合した場合に、スリーブ40は、所定の位置でレセプタクル10と固定される。ラッチ20を作動させるためのアクチュエータ21を設けることができる。アクチュエータ21は、
図3Bに示されているように、摺動金属21aを備え、このアクチュエータ21を作動させるためのタブ21bを含むことができる。タブ21bは、アクチュエータ21がどのように作動するかに関する指示を与える、指示「押し込み(PUSH)」などの境界部を含むことができる。一実施形態では、タブ21bの押し込みは、金属棒21aに、キャビティ15の中に内向き摺動させてラッチ20と接触させるようになり、それによって、ラッチ20が屈曲することになる。ラッチ20の屈曲は、歯状部20aに、スリーブ40との係合から外れて移動させ、このようにして、アクチュエータ21は、ロック位置とロック解除位置との間でラッチ20を作動させるように動作する。代替実施形態では、アクチュエータ21は、
図4に示されているように、レセプタクル10のハウジング12の側面にある穴から前進又は後退するねじ21cを備える。金属棒21aと同様に、ねじアクチュエータ21cは、ロック位置とロック解除位置との間でラッチ20を屈曲させるように動作する。ラッチ20の作動及びロック機構の動作は、
図5及び
図6に関連してより詳細に説明される。
【0026】
レセプタクル10は更に、マイクロホンコネクタ1が一方向にのみ接続できることを保証するように作用するキーイングシステムの一部分を形成する構造を含む。
図3Bに示されているように、レセプタクル10は、突起部18を含む。突起部18は、スリーブ40内の対応する溝又はキー溝(
図10Aから
図10Dにより詳細に図示)と嵌合して、突起部18及びキー溝が整列している場合にのみ、スリーブ40が、レセプタクルに挿入できるようになる。一実施形態では、突起部18は、キャビティ15内部に位置してフレーム16に接続されるか、又はこのフレーム上に一体化して形成され、フレームからキャビティ15に延びる。代替実施形態では、突起部18は、ハウジング12の内壁11上など、レセプタクル10の他の領域に位置することができる。また、レセプタクル10は、スリーブ40内の対応する突起部(
図10Aから
図10Dにより詳細に図示)と同様に嵌合する溝又はキー溝26a、bを含み、キーイングシステムがより堅牢になる。一実施形態では、キー溝26a、bは、電気ブロック30に隣接して、フレーム16の反対側に位置する。キーイングシステムの他の構造と同様に、キー溝26a、bは、スリーブ40の突起部と嵌合することにより、挿入中、スリーブ40とレセプタクル10との適切な整列を保証する。キーイングシステムは、レセプタクル10の電気ブロック30とスリーブ40の電気ブロック60とを適切に位置合わせして、接点32と接点62と間の適切な電気接続が行われることを保証するように動作する。
【0027】
図4に示されているように、レセプタクル10は更に、電気ブロック30が接続され支持されるプリント回路基板(又はPCB)25を備える。PCB25は、電気ブロック30用の機械的支持、並びに電気ブロック30の接点32への電気的アクセスを提供する。従って、レセプタクル10の電気接続は、PCB25を介して完了することができ、レセプタクル10は、コネクタ1が接続される必要がある、増幅器、ミキサなどの他の下流オーディオ機器に接続することができる。PCB25は、レセプタクル10のハウジング12に接続されて固定される。一実施形態では、PCB25は、PCB25内の穴を通過してハウジング12内の対応する穴に入る1又は2以上のねじ27を介してハウジング12に取り付けられて、PCB25がハウジング12に固定される。しかしながら、PCB25は、様々な他の方法でハウジング12に固定することができる。更に、レセプタクル10の接地タブ28が、
図4に示されているように、PCB25に取り付けることができる。PCB25とハウジング12との間に任意選択のガスケット23は、PCB25をハウジング12から絶縁するために設けることができる。接地タブ28は、本発明の任意選択の特徴部であり、様々な実施形態において省略することができる。ガスケット23は、発泡ガスケットを備えること、又はゴム、ビニル、紙などを含む任意の他の好適な絶縁材料から作製することができる。
【0028】
レセプタクル10は更に、接触器22を含むことができる。接触器22は、レセプタクル10のフレーム16及びハウジング12とスリーブ40の構造体との間の電気接地接続を保証する可撓性のある金属棒を備えることができる。具体的には、接触器22は、この接触器22を屈曲させて、接触器22をフレーム16とハウジング12との間に挿入し、接触器22を開放することによって、フレーム16とハウジング12との間に挿入することができる。接触器22の自然の弾性は、この接触器に、フレーム16及びハウジング12の両方と接触したままにさせる。接触器22は、本明細書で説明するように、フレーム16と、ハウジング12と、レセプタクル10の他の構成要素と、スリーブ40の構成要素との間の接地接続を維持し、それによって、マイクロホンコネクタ1の電磁絶縁及びシールドが高まる。接触器22の構成及び動作は、
図9A及び
図9Bに関連してより詳細に説明される。
【0029】
図5Aから5C及び
図6Aから6Cを参照すると、マイクロホンコネクタ1の実施形態のロック機構の動作の詳細な説明が示されている。図示の実施形態では、ロック機構は、摺動する金属棒21aを含むアクチュエータ21によって作動するラッチ20を備える。
図5Bにおけるレセプタクル10の断面図(
図5Aの線5B-5Bに沿ってとった)は、スリーブ40がレセプタクル10に接続された状態で示されている。
図5Bに示されているように、スリーブ40は、ラッチ20がロック位置に係合するまで、レセプタクル10に挿入される。具体的には、
図5Cにおいてより詳細に示されているように、ラッチ20の歯状部20aは、この歯状部20aが、スリーブ40の外側シェル42の内面46に形成されたリップ部56に到達するまで、レセプタクル10のハウジング12の内壁11に沿ってその上を通過する。可撓性のあるラッチ20の弾性は、このラッチに、その直線状の(非屈曲)状態に戻らせ、そうすることで、ラッチ20の歯状部20aに、内面46内のリップ部56によって形成された溝57に入り込ませる。歯状部20aが溝57に入り込むと、これらはリップ部56に係合して、スリーブ40がレセプタクル10から取り外されること又はそれから取り出されることが防止される。このようにして、ラッチ20、歯状部20a、リップ部56及び溝57は、コネクタ1のロック機構をサポートする。より具体的には、リップ部56は、スリーブ40上にラッチ係合構造を形成する。代替実施形態では、タブ、戻り止め、歯状部、リブ、ねじ山、又は解放可能にラッチ20に係合できる他の機械的構造を含む他のラッチ係合構造を利用することができる。
【0030】
レセプタクル10からのスリーブ40の取り外し及び取り出しは、
図6Aから6Cに示されているように、ラッチ20の係合解除によってのみ行うことができる。ラッチ20の係合解除は、一般に、係合プロセスの逆である。図示の実施形態では、係合解除は、アクチュエータ21を使用することによって行われる。
図6Bに示されているように、アクチュエータ21は、アクチュエータ21のタブ21bをレセプタクル10のキャビティ15の中への方向に押し下げることによって作動する金属棒21aである。タブ21bが押し下げられたときに、アクチュエータ21は、レセプタクル10のハウジング12内部で下方に摺動する。そうすることで、アクチュエータ21の成形部分が、ラッチ20と接触するようになり、ラッチ20が、レセプタクル10のキャビティ15内部で半径方向内側に屈曲することになる。
図6Cに示されているように、ラッチ20がアクチュエータ21からの圧力下で屈曲した場合に、歯状部20aが、溝57から外に移動して、スリーブ40のリップ部56を係合解除する。係合解除されると、スリーブ40は、レセプタクル10から取り出すこと又は引き出すことができ、それによって、マイクロホンコネクタ1が切断される。このようにして、アクチュエータ21は、ラッチ20を係合位置又はロック位置から係合解除位置又はロック解除位置に移動させるように作用する。
【0031】
図7Aから7C及び8Aから8Cを参照すると、マイクロホンコネクタ1のロック機構の代替実施形態の動作が示されている。図示の実施形態では、ロック機構は、ねじ21cを含むアクチュエータ21によって動作するラッチ20を備える。
図7Bにおけるレセプタクル10の断面図(
図7Aの線7B-7Bに沿ってとった)は、スリーブ40がレセプタクル10に接続された状態で示されている。
図7Bに示されているように、スリーブ40は、ラッチ20がロック位置に係合するまで、レセプタクル10に挿入される。具体的には、
図7Cにおいてより詳細に示されているように、ラッチ20の歯状部20aは、この歯状部20aが、スリーブ40の外側シェル42の内面46に形成されたリップ部56に到達するまで、レセプタクル10のハウジング12の内壁11に沿ってその上を通過する。可撓性のあるラッチ20の弾性は、このラッチに、その直線状の(非屈曲)状態に戻らせ、そうすることで、ラッチ20の歯状部20aに、内面46内のリップ部56によって形成された溝57に入り込ませる。歯状部20aが溝57に入り込むと、これらはリップ部56に係合して、スリーブ40がレセプタクル10から取り外されることが防止される。このようにして、ラッチ20、歯状部20a、リップ部56及び溝57は、コネクタ1のロック機構を形成してそれを支持する。
【0032】
レセプタクル10からのスリーブ40の取り外しは、
図8から8Cに示されているように、ラッチ20の係合解除によってのみ行うことができる。ラッチ20の係合解除は、一般に、係合プロセスの逆である。図示の実施形態では、係合解除は、アクチュエータ21を使用して行われる。
図8Bに示されているように、アクチュエータ21は、レセプタクルのハウジング12内の穴を通過するねじ21cである。ねじ21cは、このねじ21cを穴に締め付けることによって作動して前進し、ねじ21cが、レセプタクル10のキャビティ15の中への方向にハウジング12に更に延びることになる。ねじ21cが前進すると、ねじ21cの先端部がラッチ20と接触し、ラッチ20が、レセプタクル10のキャビティ15内部で半径方向内側に屈曲することになる。
図8Cに示されているように、ラッチ20がねじ21cからの圧力下で屈曲した場合に、歯状部20aは、溝57から外に移動して、スリーブ40のリップ部56を係合解除する。係合解除されると、スリーブ40は、レセプタクル10から係合解除すること又はそれから引き出すことができ、それによって、マイクロホンコネクタ1が切断される。このようにして、アクチュエータ21は、ラッチ20を係合位置又はロック位置から係合解除位置又はロック解除位置に移動させるように作用する。
【0033】
図9A及び9bを参照すると、レセプタクル10の接触器22の構成及び動作の詳細図が示されている。
図4に関連して説明したように、接触器22は、ハウジング12及びフレーム16を含むレセプタクル10の様々な構成要素とスリーブ40の構成要素との間の接地電気接触を保証して、電磁シールド及び耐性を高めるためのレセプタクル10の要素である。接触器22は、好ましくは、金属から作製され、説明するように、組み立て及び製造中、レセプタクル10に挿入される可撓性のある弾性金属ストリップを形成する。接触器22の第1の端部22aは、レセプタクル10の底面上の接地タブ28に電気的に接続される。この電気接続は、構成要素を一緒にはんだ付けすること、中間ワイヤ又は他の導体を用いてこれらの構成要素を接続すること、これらの構成要素を一緒に鑞付けすること、又はそれ以外の方法でこれらの構成要素を直接、又は中間構成要素経由で電気的に連通させることを含む、任意の適切な電気接続を介して行うことができる。図示の実施形態では、接触器22の第1の端部22aは、レセプタクル10の底部を越えて延びて接地タブ28と接続される。このようにして、接触器22の第1の端部22aは、PCB25を貫通して突出して、PCB25の反対面で接地タブ28に接続する。
【0034】
接触器22の中間部22bは、
図9Bに示されているように、レセプタクル10のフレーム16と物理的に接触する。従って、接触器22は、図示のように、接触器22の中間部22bがレセプタクル10のフレーム16と接触するように、レセプタクル10のキャビティ15の中に延びる。接触器22の上部22cは、スリーブ40がレセプタクル10に挿入された場合に、スリーブ40と接触する。具体的には、スリーブ40の外側シェル42がレセプタクル10のキャビティ15に挿入されるときに、外側シェル42の内面46が、接触器22の上部22cと接触し、それによって、接触器22が半径方向内側にキャビティ15の中に屈曲する。接触器22の弾性は、接触器22の上部22cに、この接触器の直線状で屈曲していない位置に戻る傾向により、スリーブ40の外側シェル42の内面46との接触を維持させる。
【0035】
スリーブ40の外側シェル42の外面44は、
図9Bに示されているように、レセプタクル10のハウジング12の内壁11と接触する。従って、接触器22は、スリーブ40と、ハウジング12と、フレーム16との間の導電性接続を形成して、これらの構成要素がレセプタクル10の底部の接地タブ28と接触することを保証する。このようにして、接触器22は、ハウジング12、フレーム16、及びスリーブ40の外側シェル42が、全て接地タブ28に接地されることを保証することによって、マイクロホンコネクタ1用の接地エンベロープを形成することを支援する。代替実施形態では、接触器22は、例えば、ハウジング12の内壁11を介して、ハウジング12に直接接触することができる。
【0036】
また、接触器22の他の構成が可能であり、この構成は、スリーブ40、フレーム16、ハウジング12及び接地タブ28と接触するように幾何学的に位置決めされた複数の金属ストリップを備えることができる。代替的に、接触器22は、弾性プラスチックなどの非金属材料から構成することができ、これらの材料は、説明する電気伝導性及び接地を達成するためのこれらの材料上の金属ストリップ、経路又は他の導体などの導電性部分が組み込まれるか、それらを用いてコーティングされるか、又はそれ以外の場合には、それらを含む。接触器22を使用することにより、下流の電気機器がマイクロホンコネクタ1に接続された場合に、このような機器は、接地タブ28に接地でき、それによって、マイクロホンコネクタ1の構成要素の全て並びにそれらに接続された任意のマイクロホンが、適切に接地されることが保証される。
【0037】
マイクロホンコネクタ1のキーイングシステムが、
図10Aから10Eに示されている。キーイングシステムは、電気ブロック30、60の電気接続が適切に行われるように、マイクロホンコネクタ1のスリーブ40が一方向又は一つの向きでのみレセプタクル10に挿入可能であることを保証するように動作する。様々な実施形態において、スリーブ40及びレセプタクル10の一方又は両方は、例示的な実施形態を参照して説明するように、挿入、接続、及びロック中、スリーブ40及びレセプタクル10の互いに対する適切な向きを保証するための係合可能な嵌合突起部及びキー溝を含む。
【0038】
図10Aから10Eに示されているように、一実施形態では、レセプタクル10は突起部18を含む。
図10Bを参照すると、突起部18は、キャビティ15の内側でレセプタクル10のフレーム16上に位置する。具体的には、突起部18は、フレーム16の外面にあり、スリーブ40をレセプタクル10に挿入する方向にフレーム16の下方に長手方向に延びる。突起部18は、フレーム16の中心から半径方向外向きにキャビティ15に延びており、略湾曲した又は曲線的な表面を有する。
図10Aに示されているように、相補的キー溝54がスリーブ40に設けられ、このキー溝は、同様の湾曲した又は曲線的な構成を有して突起部18と嵌合する。図示の実施形態では、キー溝54は、スリーブ40の外側シェル42内のチャンネル又は溝を含む。
図10Aに示されているように、キー溝54は、スリーブ40の外側シェル42の内面46に形成される。しかしながら、代替実施形態では、キー溝54は、スリーブ40の他の構造内又はその上に位置し、スリーブ40がレセプタクル10に挿入されるときに突起部18によって係合するように位置決めすることができる。
【0039】
スリーブ40とレセプタクル10との方向整列を保証するために、キーイングシステムは、第2の突起部/キー溝の組み合わせを含むことができる。従って、
図10Bに示されているように、レセプタクル10は更に、スリーブ40上の相補的突起部58a、58bにより係合可能な複数のキー溝26a、26bを含む。図示の実施形態では、キー溝26a、26bは、第1の電気ブロック30の反対側でレセプタクル10のフレーム16内に形成される。図示のキー溝26a、26bは、フレーム16の外面に形成された溝又はチャンネルであり、レセプタクル10へのスリーブ40の挿入方向と平行な方向にフレーム16の長さに沿って下方に軸方向に延びる。このようにして、キー溝26a、26bは、レセプタクル10のキャビティ15内部に位置決めされる。
【0040】
キー溝26a、26bに係合するようにスリーブ40に設けられた相補的突起部58a、58bが、
図10Aに示されている。図示の実施形態では、突起部58a、58bは、スリーブ40の外側シェル42の内側でスリーブ40の第2のキャビティ52の内側に形成される。より具体的には、この実施形態では、突起部58a、58bは、スリーブ40の外側シェル42の内面46に形成される。突起部58a、58bは、外側シェル42の内面46から半径方向内側に第2のキャビティ52に突出する。更に、突起部58a、58bは、レセプタクル10へのスリーブ40の挿入方向に平行な方向に内面46に沿って軸方向に延びる。従って、突起部58a、58bは、一般に、第2のキャビティ52の長さと同様の長さを有する。
【0041】
図10D及び
図10Eにより詳細に示されているように、スリーブ40がレセプタクル10に挿入されるときに、スリーブ40は、レセプタクル10の突起部18がスリーブ40のキー溝54と整列することを可能にし、スリーブ40の突起部58a、58bがレセプタクル10のキー溝26a、26bと整列することを可能にするするために、スリーブの中心軸の周りでレセプタクル10と回転整列する必要がある。スリーブ40は、この整列でのみでレセプタクル10に挿入されて、マイクロホンコネクタ1が、接続されて、係合位置又はロック位置にセットされることが可能になることができる。何らかの他の回転整列では、突起部18、58a、58bは、構成要素のキャビティ15、52の内側の他の構造体と接触して干渉することによってレセプタクル10へのスリーブ40の挿入を妨げて妨害することになる。
【0042】
このようにして、突起部18、58a、58b及びキー溝26a、26b、54からなるキーイングシステムは、挿入及び接続の前及びその間、スリーブ40とレセプタクル10との回転整列を保証する。このことにより、マイクロホンコネクタ1は、損傷並びに過度の摩耗及び引き裂きから保護され、電気ブロック30、60が整列して、それらの中の接点32、62が互いに適切に接続し、接触器22がスリーブ40に適切に係合し、ラッチ20が、リップ部56及び溝57などのスリーブ40上のラッチ係合構造に適切に係合することが保証されるようになる。この整合性のある整列は、マイクロホンコネクタ1の電気的及び機械的接続の堅牢性を高めることができ、コネクタ1のより長い耐用期間、より少ない故障、損傷、又は修理を可能にし、信頼性及び性能を高めることができる。図示の実施形態におけるキーイングシステムは、キー溝及び嵌合突起部を含むが、他のキー溝システムが、キー溝/突起部に加えてそれらの代替手段として使用できる。
【0043】
本発明のマイクロホンコネクタ1を利用するマイクロホン80が、
図11に示されている。
図11に示されている実施形態では、コネクタ1のスリーブ40は、マイクロホン80の端部82と接続されるか、又はこの端部内部に一体化して形成される。マイクロホン80の機能は、マイクロホンの上部83に近接して位置するマイクロホンのヘッド部81に存在する。ヘッド部81において、マイクロホン80は、マイクロホン80の上部83にキャップ84を含む。ヘッド部81は更に、ヘッド部81の底部にカートリッジハウジング93を含む。従って、ヘッド部81の構成要素は、キャップ84及びカートリッジハウジング93内部に位置決めされ、
図11の分解図に示されている。
【0044】
キャップ84は、マイクロホン80の内部構成要素を保護するように作用する。一実施形態では、キャップ84は、近接する音源(話者など)からの音響波がマイクロホン80に入り、マイクロホン80によってピックアップされることを可能にするためのスクリーン又は開口部を備えることができる。キャップ84は、任意の数の機械的技法によってマイクロホン80の本体に取り付けることができるが、一実施形態では、位置決めねじ85が、キャップ84内の穴を通過して、キャップ84をマイクロホン80の上部83に保持する。
【0045】
マイクロホン80は更に、カートリッジ86を備え、このカートリッジは、マイクロホン80に近接する音源からの音響波をピックアップしてこのような音響波をオーディオ信号に含めるトランスデューサ素子であり、この信号は、コネクタ1を介してマイクロホン80によって送信される。カートリッジ86は、ダイナミック又はコンデンサマイクロホンカートリッジ又はトランスデューサなどの任意の適切な形態のトランスデューサとすることができる。カートリッジ86は、スリーブ40の電気ブロック60に電気的に接続されて、カートリッジ86によってピックアップされたオーディオを、マイクロホンコネクタ1経由で、増幅器、ミキサなどの下流オーディオコンポーネントに送信することができる。カートリッジ86は、カートリッジ86を組立体の他の構成要素に機械的に接続するように作用する保持器リング87を介してマイクロホン80に固定される。カートリッジ86は、電界効果トランジスタインタフェース(又はFET)88と電気的に接続する。FET88は、カートリッジ86を制御し、カートリッジ86で受信した信号の送信を制御するように作用する。保持器リング87は、FET88とカートリッジ86とを接続して、これら2つの間の機械的接触を維持する。
【0046】
また、マイクロホン80は、1又は2以上の光源90を備え、一実施形態では、この光源は、ヘッド部80の近くでマイクロホン80のユーザに見えるようにマイクロホン80の上部83の近くに位置決めされる。
図11に示されている実施形態では、光源90は、環状リング又はLEDリングの形状に形成された発光ダイオード(又はLED)である。リングを形成するLED90は、スリーブ40の電気ブロック60に電気的に接続(ワイヤ経由)された下層のプリント回路基板(照明PCB)91によって支持されそれに接続される。照明PCB91は、システムの制御装置(図示せず)から上流で電気信号を受信し、この制御装置は、照明信号をレセプタクル10の電気ブロック30に送信し、2つのブロック30、60間の電気接続を介してこの信号を、ワイヤが接続されたスリーブ40の電気ブロック60に送信し、更にこの信号を照明PCB91に送信して、LED90が作動する。従って、コンピュータ、プロセッサ、ハードウェア、ソフトウェア、及び他の構成要素などの様々な制御機器は、使用中、LED90の照明素子を作動させて、マイクロホン80の状態又はモードを示すのに使用することができる。LED90及び照明PCB91は、PCB91とFET88との間に位置決めされた中間スペーサ89によってFET88に接続されるが、このFETから間隔をおいて配置される。
【0047】
ヘッド部81の構成要素は、組み立てられたときにキャップ84及びカートリッジハウジング93の内側に位置決めされる。LED90及び照明PCB91がカートリッジハウジング93内に位置決めされたときに、LEDリング90は、カートリッジハウジング93内の窓94と整列する。窓94は、カートリッジハウジング93の透明又は半透明部分であり、LEDリング90からの光がカートリッジハウジング93の外側から見えるようにすることができながら、同時に、マイクロホン80の外部の要素からLEDリング90及び照明PCB91を保護する。別の実施形態では、窓94は、マイクロホン80の他の部分に位置決めすること、又はマイクロホン80のユーザに見えるようにマイクロホン80構造の外部にLED90を位置決めすることによって省略することができる。
【0048】
マイクロホン80は更に、マイクロホン本体95を含み、一実施形態では、可撓性のあるグースネックシャフトなどのシャフト95を備える。別の実施形態では、シャフト95は、剛性とすること、又は可撓性部分と剛性部分との組み合わせとすることができる。シャフト95は、スリーブ40が位置するマイクロホン80の端部82から離れたマイクロホン80のヘッド部81を支持する中空管を備える。シャフト95は、マイクロホン80が使用されている用途に応じて、様々な幾何学的構成、長さ、幅、及び厚さをとることができる。一実施形態では、シャフト95は、演台、机、会議テーブル、又は他の表面に表面実装されたマイクロホン80で使用される長くて薄い部材である。代替実施形態では、マイクロホン本体95は、マイクロホン80の用途に応じて様々な他の幾何学的形状及び構成をとることができる。例えば、デスクトップマイクロホン80は、略平坦なマイクロホン本体95を有することができ、この本体は、デスクトップ又は他の適切な表面上に着座し、マイクロホン80の他の構成要素を収容する。
【0049】
中空シャフト95の内部チャンネルは、マイクロホン80のヘッド部81内の電気部品(カートリッジ86、FET88、LED90及び照明PCB91など)をスリーブ40の電気ブロック60と接続する電気ケーブル96を収容する。マイクロホン80のヘッド部81内の電気ケーブル96の端部は、ブッシング92により支持され、このブッシングは、ケーブル96を、ヘッド部81内部、具体的には、カートリッジハウジング93内部に位置決めされたままにするようにケーブル96に取り付けられた圧着ブッシングとすることができる。ブッシング92は、カートリッジハウジング93の内部の一部分に当接し、ケーブル96が意図せずに引っ張られること又はハウジング93から引き出されることを防止する。代替的に、ケーブル96は、はんだ付け、クランプなどを含む様々な他の方法でマイクロホン80のヘッド部81及びカートリッジハウジング93に固定することができる。電気ケーブル96は、マイクロホン80のヘッド部81内の機能構成要素をスリーブ40内の電気ブロック60に接続する複数のワイヤを備える。電気ケーブル96のワイヤ及びこのワイヤの機能は、
図12に関してより詳細に説明される。
【0050】
図12には、本発明のマイクロホン80及びマイクロホンコネクタ1の一実施形態の電気回路図が示されている。具体的には、
図12は、スリーブ40のPCB61(第2の電気ブロック60に接続された)と、照明PCB91(LED90と通信する)と、FET88(カートリッジと通信してそれを制御する)との間の電気接続を示している。電気ブロック60は、電気ブロック60のPCB61上で終端するオーディオ接点64及び照明接点66を含む複数の接点62を備える。オーディオ接点64は、電気ケーブル96を通過してカートリッジ86の機能を可能にするワイヤを介してFET88に接続される。カートリッジ86で受信した音波は、電気信号に変換されて、FET88に送信されて、電気ケーブル96内の対応するワイヤの下でスリーブ40の電気ブロック60のオーディオ接点64に送られる。スリーブ40が、本明細書で説明するようにレセプタクル10に接続された場合に、スリーブ40の電気ブロック60は、レセプタクル10の電気ブロック30と電気的に連通する。従って、オーディオ信号は、レセプタクル10の対応するオーディオ接点34に送信され、次に、レセプタクル10のPCB25を介して接続されたシステムの他のオーディオコンポーネント(増幅器、ミキサなど)に送信される。このようにして、マイクロホン80の電気配線は、電気ブロック30、60経由でのコネクタ1にわたるカートリッジ86からのオーディオ信号の下流送信をサポートする。
【0051】
同様に、スリーブ40の電気ブロック60の照明接点66は、照明PCB91を介してLEDリング90に接続されて、LEDリング90内の光源の動作を可能にする。従って、照明接点66を介して受信した照明制御信号は、
図12に示されているように、電気ケーブル96内のワイヤを介して照明PCBに送信される。照明信号に応答して、照明PCB91は、LEDリング90内の光源を作動させて、LED80に、マイクロホン80の状態又はモードに関する情報が送信されるように照明させる。スリーブ40が、本明細書で説明するようにレセプタクル10に接続された場合に、下流制御システムは、レセプタクル10のPCB25に接続されたワイヤを通じて上流のレセプタクル10に照明制御信号を送る。これらの照明信号は、次に、電気ブロックの対応する照明接点36、66経由でレセプタクル10の電気ブロック30を横切ってスリーブの電気ブロック60に送信される。スリーブ40の電気ブロック60で受信した照明信号は更に、上流の照明PCB91に送信されて、LED90の照明を制御する。このようにして、マイクロホンコネクタ1は、双方向に作用して、マイクロホン80のカートリッジ86によってピックアップされたオーディオ信号を、レセプタクル10に接続された下流のオーディオデバイスに送りながら、同時に、レセプタクル10に接続された制御システムからマイクロホン80の照明PCB91及びLED90に上流に照明制御信号を送ってLED90を照明する。
【0052】
図13を参照すると、スリーブ40の端面図の実施形態が示されており、このスリーブ上の電気ブロック60の様々な機能が説明されている。他の実施形態と同様に、スリーブ40の電気ブロック60は、スリーブ40のキャビティ52内部に位置決めされ、支持体50によって支持される。電気ブロック60は、スリーブ40のPCBA(図示せず)と通信し、このPCBAは、電気ブロック60の様々な電気接点62と通信して、受信した電気信号をスリーブ40に接続されたマイクロホンの他の構成要素に伝える。図示の実施形態では、電気ブロックは、この電気ブロック60内に形成された対応の接点位置68に位置する10個の接点62aから62jを有する。接点位置68、従って、その中の接点62aから62jは、
図13に示されているように、2行5列を有するマトリクス、すなわち、「2×5」マトリクスを形成する矩形アレイ内に配列される。
【0053】
この実施形態では、10個の接点62aから62jは、様々な機能を有する。各接点62aから62jの特定の機能が、以下の表1に示されている。
【0054】
【0055】
従って、表1における様々な接点62aから62jは、スリーブ40のPCB(図示せず)に接続され、このPCBは、ここで次に、スリーブ40及び接続されたマイクロホン(
図11におけるマイクロホン80など)内の適切な構成要素間で信号をルーティングする。接点62aから62jは、オーディオ接点64並びに照明接点66を含む。接点62aから62jは、任意選択で、マイクロホン識別子接点62a、dなどの情報接点を含むことができる。
【0056】
図13に示されている実施形態では、照明接点66は、照明供給電圧62gと、複数の光源用の照明制御62h、62i、62jとを含む。照明供給電圧62gは、一実施形態では+10.5V DCであり得る動作電圧をマイクロホンに搭載された光源に供給する。照明制御接点62h、i、jは、マイクロホン上の複数の光源に制御信号を送って、それらの光源をオンにする、オフにする、点滅させることなどによって光源を作動させるように機能する。従って、図示の実施形態におけるこれら3つの照明制御接点62h、62i、62jは、マイクロホン上のこれら3つの別個の光源(それぞれ、青色LED、緑色LED、及び赤色LEDなど)を作動させることができる。
【0057】
図13に示されている実施形態では、オーディオ接点64は、カプセル供給電圧62b、及び2つのマイクロホンカプセルオーディオチャンネル62c、62eを含む。カプセル供給電圧62bは、スリーブ40に接続されたマイクロホン内の1又は2以上のマイクロホンカートリッジ又はカプセルに入力電圧を供給する。従って、一実施形態では、カプセル供給電圧62bは、+5V DCをマイクロホンカートリッジに供給する。
図13における電気ブロック60は、2つまでのカートリッジを有するマイクロホンをサポートする。従って、接点62は、第1のマイクロホンカプセルオーディオチャンネル62e及び第2のマイクロホンカプセルオーディオチャンネル62cを含む。これらのマイクロホンカプセルオーディオチャンネルは、スリーブ40に接続されたマイクロホンの基板上の第1及び第2のマイクロホンカートリッジによってピックアップされるオーディオを返す。
【0058】
図13におけるブロック60は、任意選択で、接点62a及び62dなどの1又は2以上の情報接点を含むことができる。この実施形態では、情報接点62a、62dは、スリーブ40に接続されたマイクロホン及びカートリッジと通信するマイクロホン識別子接点62a、62dである。マイクロホン識別子接点62a、62dは、どのタイプのマイクロホン及び/又はカートリッジがスリーブ40に接続されているかに関する情報を中継する識別信号を返す。このようにして、コネクタ1のレセプタクル10側に接続された制御システムは、どのタイプのマイクロホン及び/又はカートリッジがコネクタ1のスリーブ40側に接続されているかを認識することになる。別の実施形態では、他の情報が情報接点を介して送信されて、コネクタ1及びこのコネクタに接続された構成要素の構成、構成要素、状態、モード、及び動作に関するデータが共有できるようになる。
【0059】
いくつかの実施形態において、様々なキー溝/突起部の組み合わせは、補完的な機能を実行する。例えば、
図10A及び
図10Bに示されている実施形態では、スリーブ40上のキー溝54及びレセプタクル10上の突起部18は、比較的小さい大きさであり、レセプタクル10へのスリーブ40挿入の前及びその間、主として、スリーブ40とレセプタクル10との適切な整列を保証する位置決め機構として作用する。キー溝54及び突起部18は、一般に、円弧形状又は円弧表面を有し、実質的に半円形の断面を有する。このキー溝54及び突起部18は、コネクタ1の第2のキー溝/突起部の組み合わせ、すなわち、レセプタクル10内のキー溝26a、26b及びスリーブ40上の嵌合突起部58a、58bよりも大きさが実質的に小さい。従って、このキー溝54と突起部18との組み合わせは、主として(又はいくつかの実施形態では、単独で)、挿入中の整列のための位置決め機械装置として作用する。
【0060】
レセプタクル10内のキー溝26a、26b(及びスリーブ40内の対応する突起部58a、58b)は、略矩形の断面を有するより大きくより堅牢な機械的係合構造である。従って、これらの相補的構造は、挿入中、スリーブ40とレセプタクル10とを整列させるだけでなく、スリーブ40及びレセプタクル10が接続された場合に、構造的支持及び剛性をコネクタ1に提供するように作用することができる。従って、コネクタ1の2つの部分が互いに挿入された場合に、突起部58a、58bとキー溝26a、26bとの機械的係合は、コネクタに対するねじり、曲げ、屈曲及びその他の横方向力に対する抵抗をもたらし、このようにして、スリーブ40がレセプタクル10の内側にある間、コネクタ1に機械的支持を提供するように作用する。従って、これらのキー溝26a、b及び突起部58a、58bの組み合わせは、位置決め(挿入中)及び支持(挿入後)の両方のために作用する。従って、キー溝/突起部は、これらキー溝/突起部の大きさ、形状、長さ、幾何的形状、公差、及び構成に応じて、主として(又は単独で)、位置決めキー溝/突起部組み合わせ又は位置決め及び支持キー溝/突起部組み合わせのいずれかとして作用することができる。
【0061】
制御システムは、マイクロホンコネクタ1の接続を使用してレセプタクル10に結合されて、スリーブ40を介して接続されたマイクロホン80上の照明90を制御してマイクロホン80の状態又はモードを示すことができる。例えば、マイクロホン80が「on」又は「アクティブ」である場合に、制御システムは、LED80に、ある特定の色(緑色など)を点灯させて、マイクロホン80がアクティブであり、カートリッジを介してサウンドをピックアップしていることを示させることができる。「緑色」のこの視覚的表示は、マイクロホン80がオンにされてアクティブになっているといことから、このマイクロホンのユーザに、このユーザが、現在、マイクロホン80に向かって話すことができることを通知するように作用する。別の例では、制御システムは、LED80に、異なる色(赤色など)を点灯させて、マイクロホン80が「オフ」又は「非アクティブ」であることを示して、マイクロホン80が「ミュート」モードであることを示させることができる。「赤色」のこの視覚的表示は、マイクロホン80の「ミュート」状態により、マイクロホン80がサウンドをピックアップしていないことをこのマイクロホン80のユーザに通知するように作用する。
【0062】
別の実施形態では、LED90は、マイクロホン80の様々な状態又はモードに対応するいくつかの視覚的インジケータを提供する多種多様な方法で制御システムによって照明することができる。LED90は、様々なモード又は状態に対応する異なる色で照明することができる。代替的に、LED90は、異なる照明パターン(固体照明、短い点滅、長い点滅、明滅など)で照明されて、マイクロホン80がセットされている異なる状態又はモードを示すことができる。LED90を使用することにより、制御システムは、マイクロホン80のユーザに様々な情報を視覚的に示すことができる。多数のマイクロホン80を備えたより大規模なシステムでは、制御システムは、多種多様の色及び照明パターンを利用して、このようなシステムのマイクロホン80の状態及びモードに関する大量の情報をこのようなシステムの多くのユーザに伝達することができる。
【0063】
本明細書で説明するマイクロホンコネクタ1のロック及びキーイング機能は、マイクロホン80が最適に使用されるように耐久性のある強固な電気接続を保証する堅牢な機械的接続を提供する。本明細書で説明するキー溝及び突起部は、電気ブロック30、60が適切に接続されるように、スリーブ40が適切な向きでレセプタクル10に挿入されて、対応するオーディオ接点34、64及び照明接点36、6の正確なペアリングが行われることを保証する。更に、ラッチ20機構は、スリーブ40のリップ部56及び溝57と協働して、スリーブ40とレセプタクル10とを接続したままにする。このことは、使用中、例えば、ユーザ又は他の物体が衝突又は接触した場合に、コネクタ1が意図せずに切断されるのを防止する。堅牢な電気機械的接続が提供されながら、ラッチ20は、同時に、アクチュエータ21を介してレセプタクル10からスリーブ40を容易に切断することをサポートする。ユーザが、マイクロホンを取り外すこと又はそれを切断することを望む場合には、このユーザは、単純にアクチュエータ21を作動させてラッチ20を係合解除してコネクタ1をロック解除状態にセットして、レセプタクル10からのスリーブ40の取り外しを可能にする。この機能は、例えば、サービス、保守、修理、また交換の場合のマイクロホン80の容易な取り外しをサポートする。この係合解除は更に、不要なマイクロホン80を切断してシステムの様々な利用可能レセプタクル10に別のマイクロホン80を再接続することによって、様々なマイクロホン80が、使用され、異なる様々なマイクロホン80に迅速かつ容易に取り換えて交換させることを可能にする。
【0064】
更に、本発明のマイクロホンコネクタ1の構造、構成、及び様々な構成要素は、このようなコネクタ1を使用するマイクロホン80による高品質オーディオ信号の配信をサポートする。マイクロホンコネクタ1は、例えば、マイクロホン80及びマイクロホンコネクタ1に近接してアクティブである携帯電話機からの不要な電気的干渉及び無線周波数干渉からの優れたシールドを提供する。レセプタクル10の金属構造は、このような高められたシールドをサポートする。更に、レセプタクル10のフレーム16及びハウジング12とスリーブ40との間に位置決めされた接触器22は、接地タブ28へのレセプタクル10全体の優れた接地を保証し、内部に電気ブロック30、60を含むレセプタクル10及びスリーブ40の構成要素の周りに「接地エンベロープ」を生成する。コネクタ1のこれら及び他の特徴部は、外部の電気及び無線周波数デバイスの影響を最小にし、それによって、マイクロホン80が高音質を取り込むことが維持される。
【0065】
マイクロホンコネクタ1で使用される電気ブロック30、60は、任意の様々な適切な電気コネクタ、プラグ、ジャック、又は終端器とすることができる。好ましくは、電気ブロック30、60は、絶縁されて、それらの中の接点32、62が接続されると、これらの接点が、レセプタクル10のハウジング12及びフレーム16並びにスリーブ40の外側シェル42及び支持体50などのマイクロホンコネクタ1の他の構成要素から絶縁されるようになる。一実施形態では、電気ブロック30、60は、内部接点32、62を内部に収容する嵌合プラスチック構成要素(プラグ及びジャックなど)である。接点32、62は、他の外部構成要素に接続できるワイヤに接続することができる。代替的に、接点32、62は、外部接続を行うことができるプリント回路基板に接続することができる。絶縁された電気ブロック30、60の使用は、オーディオ接点によって下流に渡されるオーディオ信号及び電気ブロック30、60の照明接点34、64によって上流に渡される照明信号が、外部の不要な電磁干渉の影響を受けることがなく、照明信号及びオーディオ信号が互いに影響を与えることもないことを保証する。マイクロホンコネクタ1は、スリーブ40及びレセプタクル10の接地及びシールド特性と組み合わされた場合に、絶縁された電気ブロック30、60及びこれらのブロックに接続され絶縁されたワイヤ及び/又は導体を介してオーディオ及び照明信号用の優れたコンジットを提供する。
【0066】
何らかの処理の説明又は図中のブロックは、処理における特定の論理関数又はステップを実行するための1又は2以上の実行可能命令を含むモジュール、セグメント、又はコードの一部分を表すと理解すべきであり、当業者であれば理解されるように、機能が、関連する機能に応じて、実質的に同時の又は逆の順番を含む、図示又は説明したものと異なる順番で実行できる別の実装形態は、本発明の実施形態の範囲内に含まれる。
【0067】
本開示内容は、様々な実施形態を本発明の技術に従ってどのように構成して使用するかについて説明することを意図するものであり、本発明の真の、意図した、公正な範囲及び趣旨を限定するものではない。上述の説明は、網羅的であること、又は開示される厳密な形態に限定されることを意図するものではない。上記教示を考慮すると、変更又は変形が可能である。実施形態は、説明した技術の原理及びその実用的な適用例の最適な説明をもたらし、また、当業者が、当該技術を、様々な実施形態で、かつ想定される具体的な用途に適した様々な変更を伴って利用できるように、選択されて説明されている。全てのこのような変更例及び変形例は、本特許出願の係属中に補正される可能性のある添付の特許請求の範囲により定められる実施形態、及び、当該実施形態が、公正に、慣習法上かつ衡平法上受ける資格のある権利の幅に従って解釈された場合の当該実施形態の全ての均等例、の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0068】
10 レセプタクル
12 ハウジング
15 第1のキャビティ
16 フレーム
18 突起部
30 第1の電気ブロック
40 スリーブ
42 外側シェル
52 第2のキャビティ
54 キー溝
60 第2の電気ブロック