(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-13
(45)【発行日】2022-10-21
(54)【発明の名称】半導体装置およびその製造方法、並びに電子機器
(51)【国際特許分類】
H01L 21/768 20060101AFI20221014BHJP
H01L 23/532 20060101ALI20221014BHJP
H01L 27/146 20060101ALI20221014BHJP
【FI】
H01L21/90 N
H01L21/90 P
H01L27/146 A
(21)【出願番号】P 2019564646
(86)(22)【出願日】2018-12-28
(86)【国際出願番号】 JP2018048419
(87)【国際公開番号】W WO2019138924
(87)【国際公開日】2019-07-18
【審査請求日】2021-11-12
(31)【優先権主張番号】P 2018002368
(32)【優先日】2018-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121131
【氏名又は名称】西川 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082131
【氏名又は名称】稲本 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100168686
【氏名又は名称】三浦 勇介
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 卓
(72)【発明者】
【氏名】藤井 宣年
(72)【発明者】
【氏名】羽根田 雅希
(72)【発明者】
【氏名】長畑 和典
【審査官】佐藤 靖史
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-026575(JP,A)
【文献】特開平05-021617(JP,A)
【文献】特開2004-214648(JP,A)
【文献】特開2004-072018(JP,A)
【文献】特開平11-243145(JP,A)
【文献】特開2009-302545(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/768
H01L 27/146
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属膜を含む第1の配線層と第2の配線層が、前記金属膜の拡散を防止する拡散防止膜を介して積層されており、
前記拡散防止膜は、第1の膜に形成された多数の孔に第2の膜を埋め込んで構成され、
前記第1の配線層は、前記金属膜と、
絶縁膜と、エアギャップと、前記エアギャップの内周面に前記第2の膜で形成された
第1の保護膜と
、前記金属膜と前記絶縁膜との間、および、前記金属膜と前記拡散防止膜との間に、第2の保護膜を有し、
前記エアギャップの開口幅が、前記第1の膜に形成された前記孔の開口幅と同じか、または、前記孔の開口幅より大きく構成された
半導体装置。
【請求項2】
前記第1の配線層は、隣接する2つの前記金属膜の間に、複数の前記エアギャップを有する
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1の配線層は、隣接する2つの前記エアギャップの間に
前記絶縁膜
を有する
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1の配線層は、隣接する2つの前記金属膜の間の全ての領域に、前記エアギャップを有する
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1の配線層は、隣接する2つの前記金属膜の間に、前記エアギャップが形成されず、
前記絶縁膜が形成された領域を有する
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1の配線層は、隣接する2つの前記金属膜の間に、1つの前記エアギャップと、前記エアギャップの内周面に前記第2の膜で成膜された
前記第2の保護膜とを有する
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第2の配線層も、前記エアギャップと、前記エアギャップの内周面に前記第2の膜で形成された前記
第1の保護膜とを有する
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第1の膜と前記第2の膜は、同じ材料の膜である
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項9】
金属膜が形成された配線層の上面に、前記金属膜の拡散を防止する拡散防止膜としての第1の膜を形成し、
前記第1の膜に、多数の孔を形成し、
前記多数の孔の下の前記配線層に、前記孔の開口幅よりも広い開口幅のエアギャップを形成し、
前記エアギャップの内周面に第2の膜を形成するとともに、前記多数の孔を前記第2の膜で埋め込
み、
前記配線層には、前記金属膜と、絶縁膜と、前記エアギャップと、前記エアギャップの内周面に前記第2の膜で形成された第1の保護膜と、前記金属膜と前記絶縁膜との間、および、前記金属膜と前記拡散防止膜との間に、第2の保護膜が形成される
半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記第1の膜の上面に自己組織化膜を塗布し、パターニングすることにより、前記多数の孔を形成する
請求項
9に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記多数の孔が形成された前記第1の膜をマスクとして前記配線層の絶縁膜をエッチングすることにより、前記多数の孔の下の前記絶縁膜に前記エアギャップを形成する
請求項
9に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記多数の孔が形成された前記第1の膜をマスクとして前記絶縁膜をエッチングすることにより前記孔の開口幅と同一の溝を形成した後、さらに幅方向にエッチングすることにより、前記エアギャップの開口幅を、前記孔の開口幅よりも広く形成する
請求項
11に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項13】
金属膜を含む第1の配線層と第2の配線層が、前記金属膜の拡散を防止する拡散防止膜を介して積層されており、
前記拡散防止膜は、第1の膜に形成された多数の孔に第2の膜を埋め込んで構成され、
前記第1の配線層は、
前記金属膜と、絶縁膜と、エアギャップと、前記エアギャップの内周面に前記第2の膜で成膜された
第1の保護膜と
、前記金属膜と前記絶縁膜との間、および、前記金属膜と前記拡散防止膜との間に、第2の保護膜を有し、
前記エアギャップの開口幅が、前記第1の膜に形成された前記孔の開口幅と同じか、または、前記孔の開口幅より大きく構成された
半導体装置
を備える電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、半導体装置およびその製造方法、並びに電子機器に関し、特に、金属配線のレイアウトに関係なく、任意の領域にエアギャップ構造を形成することができるようにした半導体装置およびその製造方法、並びに電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
BEOL(Back End Of Line)領域の配線容量低減のため、金属配線で挟まれた絶縁層の部分にエアギャップを設けた構造が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】IEEE 2015 International Interconnect Technology Conference Low-k Interconnect Stack with multi-layer Air Gap and Tri-Metal-Insulator-Metal Capacitors for 14nm High Volume Manufacturing,Intel Corporation
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
金属配線で挟まれた絶縁層の部分にエアギャップを設ける構造は、金属配線がない領域にはエアギャップを形成することができず、エアギャップを形成する領域が限定されてしまう。
【0005】
本技術は、このような状況に鑑みてなされたものであり、金属配線のレイアウトに関係なく、任意の領域にエアギャップ構造を形成することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術の第1の側面の半導体装置は、金属膜を含む第1の配線層と第2の配線層が、前記金属膜の拡散を防止する拡散防止膜を介して積層されており、前記拡散防止膜は、第1の膜に形成された多数の孔に第2の膜を埋め込んで構成され、前記第1の配線層は、前記金属膜と、絶縁膜と、エアギャップと、前記エアギャップの内周面に前記第2の膜で形成された第1の保護膜と、前記金属膜と前記絶縁膜との間、および、前記金属膜と前記拡散防止膜との間に、第2の保護膜を有し、前記エアギャップの開口幅が、前記第1の膜に形成された前記孔の開口幅と同じか、または、前記孔の開口幅より大きく構成される。
【0007】
本技術の第2の側面の半導体装置の製造方法は、金属膜が形成された配線層の上面に、前記金属膜の拡散を防止する拡散防止膜としての第1の膜を形成し、前記第1の膜に、多数の孔を形成し、前記多数の孔の下の前記配線層に、前記孔の開口幅よりも広い開口幅のエアギャップを形成し、前記エアギャップの内周面に第2の膜を形成するとともに、前記多数の孔を前記第2の膜で埋め込み、前記配線層には、前記金属膜と、絶縁膜と、前記エアギャップと、前記エアギャップの内周面に前記第2の膜で形成された第1の保護膜と、前記金属膜と前記絶縁膜との間、および、前記金属膜と前記拡散防止膜との間に、第2の保護膜が形成される。
【0008】
本技術の第2の側面においては、金属膜が形成された配線層の上面に、前記金属膜の拡散を防止する拡散防止膜としての第1の膜が形成され、前記第1の膜に、多数の孔が形成され、前記多数の孔の下の前記配線層に、前記孔の開口幅よりも広い開口幅のエアギャップが形成され、前記エアギャップの内周面に第2の膜が形成されるとともに、前記多数の孔に前記第2の膜が埋め込まれる。前記配線層には、前記金属膜と、絶縁膜と、前記エアギャップと、前記エアギャップの内周面に前記第2の膜で形成された第1の保護膜と、前記金属膜と前記絶縁膜との間、および、前記金属膜と前記拡散防止膜との間に、第2の保護膜が形成される。
【0009】
本技術の第3の側面の電子機器は、金属膜を含む第1の配線層と第2の配線層が、前記金属膜の拡散を防止する拡散防止膜を介して積層されており、前記拡散防止膜は、第1の膜に形成された多数の孔に第2の膜を埋め込んで構成され、前記第1の配線層は、前記金属膜と、絶縁膜と、エアギャップと、前記エアギャップの内周面に前記第2の膜で成膜された第1の保護膜と、前記金属膜と前記絶縁膜との間、および、前記金属膜と前記拡散防止膜との間に、第2の保護膜を有し、前記エアギャップの開口幅が、前記第1の膜に形成された前記孔の開口幅と同じか、または、前記孔の開口幅より大きく構成された半導体装置を備える。
【0010】
本技術の第1および第3の側面においては、金属膜を含む第1の配線層と第2の配線層が、前記金属膜の拡散を防止する拡散防止膜を介して積層されており、前記拡散防止膜は、第1の膜に形成された多数の孔に第2の膜を埋め込んで構成され、前記第1の配線層には、前記金属膜と、絶縁膜と、エアギャップと、前記エアギャップの内周面に前記第2の膜で成膜された第1の保護膜と、前記金属膜と前記絶縁膜との間、および、前記金属膜と前記拡散防止膜との間に、第2の保護膜が設けられ、前記エアギャップの開口幅が、前記第1の膜に形成された前記孔の開口幅と同じか、または、前記孔の開口幅より大きく構成される。
【0011】
半導体装置及び電子機器は、独立した装置であっても良いし、他の装置に組み込まれるモジュールであっても良い。
【発明の効果】
【0012】
本技術の第1乃至第3の側面によれば、金属配線のレイアウトに関係なく、任意の領域にエアギャップ構造を形成することができる。
【0013】
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本技術を適用した半導体装置の第1実施の形態の構成例を示す断面図である。
【
図4】
図1の半導体装置の製造方法を説明する図である。
【
図5】
図1の半導体装置の製造方法を説明する図である。
【
図6】
図1の半導体装置の製造方法を説明する図である。
【
図7】本技術を適用した半導体装置の第2実施の形態の構成例を示す断面図である。
【
図8】本技術を適用した半導体装置の第3実施の形態の構成例を示す断面図である。
【
図9】第3実施の形態の構成の適用例を示す図である。
【
図10】第3実施の形態の半導体装置の製造方法を説明する図である。
【
図11】各実施の形態の第1の変形例を示す断面図である。
【
図12】各実施の形態の第2の変形例を示す断面図である。
【
図14】本技術を適用した固体撮像装置の概略構成を示す図である。
【
図15】
図14の固体撮像装置の共有画素構造の回路図である。
【
図16】共有画素構造の画素レイアウトを示す平面図である。
【
図18】エアギャップ非形成領域の例を示す図である。
【
図19】本技術を適用した固体撮像装置の詳細構成例を示す断面図である。
【
図20】内視鏡手術システムの概略的な構成の一例を示す図である。
【
図21】カメラヘッド及びCCUの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図22】車両制御システムの概略的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図23】車外情報検出部及び撮像部の設置位置の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本技術を実施するための形態(以下、実施の形態という)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1実施の形態(エアギャップを有する半導体装置の基本構成例)
2.半導体装置の製造方法
3.第2実施の形態(複数層のエアギャップを有する半導体装置の構成例)
4.第3実施の形態(一部の領域のみにエアギャップを有する半導体装置の構成例)
5.変形例
6.固体撮像装置への適用例
7.内視鏡手術システムへの応用例
8.移動体への応用例
【0016】
<1.第1実施の形態>
図1は、本技術を適用した半導体装置の第1実施の形態の構成例を示す断面図である。
【0017】
図1の半導体装置1は、3つの配線層11と、1つの拡散防止膜12とが積層された多層配線層を含んで構成される。より具体的には、
図1の半導体装置1では、第1の配線層11Aの上に第2の配線層11Bが積層され、第2の配線層11Bの上に、拡散防止膜12を介して、第3の配線層11Cが積層されている。
【0018】
なお、
図1の半導体装置1は、3つの配線層11を積層した構造であるが、積層される配線層11の数は、3つに限定されず、複数であればよい。
【0019】
第1の配線層11Aは、所定の膜厚を有する絶縁膜21の所定の平面位置に、信号や電源電圧等を伝送する金属膜22が複数形成されている。絶縁膜21と金属膜22との境界は、バリアメタル23で覆われている。金属膜22とバリアメタル23とを合わせて、金属配線24と称する。
【0020】
第2の配線層11Bは、所定の膜厚を有する絶縁膜31の所定の平面位置に、信号や電源電圧等を伝送する金属膜32が複数形成されている。金属膜32の外周面にはバリアメタル33が形成されている。金属膜32とバリアメタル33とを合わせて、金属配線36と称する。
【0021】
第2の配線層11Bにおいて、平面方向に隣接する2つの金属膜32の間の絶縁膜31には、エアギャップ(空洞)34が形成されており、エアギャップ34の内周面には、保護膜35が形成されている。
図1の例では、隣接する金属膜32の間の絶縁膜31に、複数のエアギャップ34が形成されているが、隣接する金属膜32の間のエアギャップ34は、1つ以上であればよい。
【0022】
第2の配線層11Bの金属膜32は、第1の配線層11Aの金属膜22と電気的に接続されている。
【0023】
第2の配線層11Bの上の拡散防止膜12は、第2の配線層11Bの金属膜32の拡散を防止する膜であり、第1の膜41に形成された多数の孔42Aに第2の膜42が埋め込まれて構成されている。多数の孔42Aに埋め込まれた第2の膜42は、エアギャップ34の内周面に形成された保護膜35と同じ材料の膜で構成される。
【0024】
第3の配線層11Cは、所定の膜厚を有する絶縁膜51の所定の平面位置に、信号や電源電圧等を伝送する金属膜52が複数形成されている。絶縁膜51と金属膜52との境界は、バリアメタル53で覆われている。金属膜52とバリアメタル53とを合わせて、金属配線54と称する。第3の配線層11Cの金属膜52は、その下層に配置された第2の配線層11Bの金属膜32と電気的に接続されている。
【0025】
以上のように、半導体装置1は、金属膜22の間に絶縁膜21が形成された第1の配線層11Aと、金属膜32の間に絶縁膜31が形成された第2の配線層11Bとが積層されて構成される。さらに、金属膜32の間に絶縁膜31が形成された第2の配線層11Bと、た金属膜52の間に絶縁膜51が形成された第3の配線層11Cが、拡散防止膜12を介して積層されて構成される。
【0026】
そして、3つの配線層11A乃至11Cのうちの、1つの配線層11Bの金属膜32の間の絶縁膜31に、複数のエアギャップ34を形成することにより、配線層11Bの金属膜32の配線容量を低減させている。配線層11Bに形成された多数のエアギャップ34の構造(以下、単に、エアギャップ構造とも称する)は、金属配線24の配線レイアウトに規定されないため任意の領域に形成することができるが、特に密な配線パターン領域に対しても容易に形成することができる。
【0027】
絶縁膜21、31、および51は、例えば、SiO2膜、Low-k膜(低誘電率絶縁膜)、SiOC膜等で形成される。金属膜22、32、および52は、例えば、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、金(Au)などの材料で形成される。バリアメタル23、33、および53は、例えば、Ta、TaN、Ti,TiN等の材料で形成される。
【0028】
本実施の形態では、絶縁膜21は、例えば、SiO2膜で構成され、絶縁膜31および51は、例えば、Low-k膜で構成される。金属膜22は、例えば、タングステンで構成され、金属膜32および52は、例えば、銅で構成される。バリアメタル23は、例えば、TiまたはTiNで構成され、バリアメタル33および53は、例えば、TaまたはTaNで構成される。
【0029】
なお、絶縁膜21、31、および51は、同種の材料でもよいし、異なる材料でもよい。金属膜22、32、および52どうし、および、絶縁膜21、31、および51どうしも、同種の材料でもよいし、異なる材料でもよい。
【0030】
拡散防止膜12の材料には、SiC、SiN、SiCN、SiCOなどが用いられる。第1の膜41と第2の膜42も、同種の膜でもよいし、異なる膜でもよい。
【0031】
図2および
図3を参照して、第2の配線層11Bに形成された多数のエアギャップ34の構造についてさらに説明する。
【0032】
図2は、
図1の半導体装置1の一部、第2の配線層11Bの複数のエアギャップ34が形成された部分を含む領域の拡大図である。
【0033】
図2の断面図において、第2の配線層11Bの絶縁膜31内に形成される各エアギャップ34の横方向の幅である開口幅WDbは、その上の拡散防止膜12に形成された孔42Aの開口幅WDaと同じか、または、開口幅WDaよりも大きく形成されている。
【0034】
図3のAは、拡散防止膜12を上面から見た平面図である。
【0035】
拡散防止膜12は、
図3のAに示されるように、第1の膜41に形成された多数の孔42Aの内部に、第2の膜42が埋め込まれて構成されている。
図3のAに示される金属膜52は、第3の配線層11Cの金属膜52と第2の配線層11Bの金属膜32のコンタクト部分である。
【0036】
図3のBは、第2の配線層11Bを上面から見た平面図である。
【0037】
図3のBに示されるように、第2の配線層11Bでは、所定の領域に形成された金属膜32以外の領域に、絶縁膜31とエアギャップ34が形成されている。エアギャップ34の外周には、保護膜35が配置されている。なお、
図3では、金属膜32の外周部に形成されるバリアメタル33の図示が省略されている。
【0038】
図3のCは、
図3のAの拡散防止膜12と、
図3のBの第2の配線層11Bを重ねた図である。
図3のCでは、拡散防止膜12の下層となる第2の配線層11Bの金属膜32および保護膜35が、破線で示されている。
【0039】
図3のA乃至Cに示されるように、拡散防止膜12において、孔42Aは全面に形成されているが、第2の配線層11Bにおいてエアギャップ34が形成される領域(保護膜35より内側の領域)は、金属膜32の形成領域以外の領域である。換言すれば、第2の配線層11Bの金属膜32の形成領域には、エアギャップ34は形成されない。
【0040】
<2.半導体装置の製造方法>
次に、
図4乃至
図6を参照して、
図1の半導体装置1の製造方法について説明する。
【0041】
初めに、
図4のAに示されるように、第1の配線層11Aの上に第2の配線層11Bが積層して形成された後、第1の膜41が全面に成膜され、さらに第1の膜41の上に、ハードマスク71が成膜される。第1の膜41は、例えば、SiCN膜であるとするが、上述したように、SiN膜、SiCO膜等のその他の膜種でもよい。また、ハードマスク71は、例えば、SiO2膜であるとするが、第1の膜41、および、次の工程で成膜する自己組織化膜73(
図5)と、エッチング選択比が取れる膜であればよい。ハードマスク71の膜厚は、例えば、20nm程度にすることができる。
【0042】
次に、
図4のBに示されるように、ハードマスク71の上面に、多数の孔72Aが形成されたDSA(Directed Self-Assembly)ランダムパターン72が形成される。
【0043】
DSAランダムパターン72は、次のようにして形成される。
図5に示されるように、ハードマスク71の上面全面に、自己組織化膜73を塗布すると、ブロック共重合体の自己組織化現象により自己組織化パターンが形成される。形成された自己組織化パターンのうちの一方のポリマーを選択除去することにより、多数の孔72Aが形成されたDSAランダムパターン72が形成される。
【0044】
図4のBの説明に戻り、DSAランダムパターン72をマスクとして、ハードマスク71をエッチングすることにより、
図4のCに示されるように、ハードマスク71にDSAランダムパターン72が転写される。その結果、ハードマスク71にも多数の孔71Aが形成される。
【0045】
続いて、
図4のDに示されるように、多数の孔71Aが形成されたハードマスク71に基づいて、第1の膜41がパターニングされる。その結果、第1の膜41に多数の孔42Aが形成される。
【0046】
次に、
図6のAに示されるように、多数の孔42Aが形成された第1の膜41をマスクとして、第2の配線層11Bの絶縁膜31がエッチングされることにより、絶縁膜31に溝75が形成される。ここで形成される溝75の幅は、第1の膜41の孔42Aと同じ幅である。
【0047】
次に、アッシングにより絶縁膜31を変質させた後、変質した絶縁膜31をWET処理により除去することにより、
図6のBに示されるように、絶縁膜31の溝75が幅方向に拡大され、孔42Aの開口幅よりも広い開口幅のエアギャップ34が形成される。溝75の幅方向の拡大量(リセス量)は、変質層の厚さに依存し、変質層の厚さは、アッシングのプロセス条件をコントロールすることで制御することができる。
【0048】
なお、絶縁膜31がLow-k膜で構成される場合には、上述したようにアッシングにより絶縁膜31を変質させた後、変質した絶縁膜31をWETエッチングにより除去する工程となるが、例えば、絶縁膜31がSiO2膜で構成される場合には、アッシングをせずに、WETエッチングのみで孔42Aの開口幅を拡大することができる。
【0049】
次に、
図6のCに示されるように、第2の配線層11Bの絶縁膜31に形成された溝75の内周面に、保護膜35が、コンフォーマルに成膜される。保護膜35を成膜する工程により、第1の膜41の孔42Aにも保護膜35が成膜され、孔42Aのサイズによっては、保護膜35で孔42Aが閉塞し(ピンチオフし)、第2の膜42が形成される。これにより、第1の膜41に形成された多数の孔42Aに第2の膜42が埋め込まれた拡散防止膜12が形成される。
【0050】
したがって、保護膜35と第2の膜42は、同一工程の同一材料で構成され、例えば、SiCN膜、SiN膜、SiCO膜等とされる。なお、第1の膜41に形成された多数の孔42Aの側面は、第1の膜41が酸化し、酸素の比率が多い膜となっている場合もあり得る。
【0051】
変質した絶縁膜31をエッチングして溝75の幅を拡大する
図6のBの工程により、金属膜32に近い溝75では、金属膜32に到達するまで絶縁膜31がエッチングされて、金属膜32が露出した状態となる場合もある。そのような状態でも、保護膜35がコンフォーマルに成膜されるので、金属膜32を保護することができる。
【0052】
次に、
図6のDに示されるように、拡散防止膜12の上面に、第3の配線層11Cが形成される。例えば、全面に形成された絶縁膜51の所定の平面位置を開口し、例えば、スパッタ法を用いてバリアメタル53を成膜した後、ダマシン法により銅(Cu)を用いて金属膜52を形成することで、第3の配線層11Cが形成される。
【0053】
第2の配線層11Bの絶縁膜31に形成された溝75の内周面に保護膜35をコンフォーマルに成膜した際、孔42Aが保護膜35で閉塞しなかった場合でも、Low-k膜等を用いて絶縁膜51を形成する工程によって、孔42Aが保護膜35によって閉塞される。
【0054】
以上説明したように、所定の平面領域に配線された金属膜32の間に絶縁膜31が形成された第2の配線層11Bの上面に、自己組織化リソグラフィ技術を用いて、蜂の巣状のDSAランダムパターン72を形成し、そのDSAランダムパターン72をマスクとして、拡散防止膜12としての第1の膜41に多数の孔42Aが形成される。そして、多数の孔42Aが形成された第1の膜41をマスクとして絶縁膜31をエッチングすることにより、多数の孔42Aの下の絶縁膜31に、孔42Aの開口幅よりも広い開口幅のエアギャップ34が形成される。
【0055】
自己組織化リソグラフィ技術(DSA)を用いたDSAランダムパターン72に基づいて、第2の配線層11Bの絶縁膜31に、エアギャップ34を形成するので、高精度なアライメントが不要であり、金属膜32の形成位置を気にすることなく、任意の領域にエアギャップ34を形成することができる。
【0056】
すなわち、
図1の半導体装置1の構造および製造方法によれば、金属配線のレイアウトに関係なく、任意の領域にエアギャップ構造を形成することができる。そして、エアギャップ構造を形成することにより、配線容量を低減させることができる。溝75の幅方向の拡大量(リセス量)を調整することで、配線間のk値をコントロールすることもできる。
【0057】
<3.第2実施の形態>
図7は、本技術を適用した半導体装置の第2実施の形態の構成例を示す断面図である。
【0058】
図7の第2実施の形態において、
図1に示した第1実施の形態と対応する部分については同一の符号を付してあり、その部分の説明は適宜省略し、第1実施の形態と異なる部分に注目して説明する。
【0059】
図1に示した第1実施の形態では、第3の配線層11Cの絶縁膜51には、エアギャップが形成されていなかったが、
図7の半導体装置1の第3の配線層11Cの絶縁膜51には、複数のエアギャップ(空洞)91が形成されている。また、エアギャップ91の内周面には、保護膜92が形成されている。
【0060】
また、
図7の第2実施の形態では、第3の配線層11Cの上面に、第3の配線層11Cの金属膜52の拡散を防止する拡散防止膜13がさらに形成されている点が、第1実施の形態と異なる。
【0061】
拡散防止膜13は、第1の膜93に形成された多数の孔94Aに第2の膜94が埋め込まれて構成されている。多数の孔94Aに埋め込まれた第2の膜94は、エアギャップ91の内周面に形成された保護膜92と同じ材料の膜で構成される。
【0062】
即ち、
図7の半導体装置1は、拡散防止膜12を介して第2の配線層11Bの上に積層された第3の配線層11Cも、第2の配線層11Bと同様に、平面方向に隣接する2つの金属膜52の間の絶縁膜51に、複数のエアギャップ91を形成したエアギャップ構造を有する。
【0063】
このように、金属膜の間の絶縁膜に多数のエアギャップを形成したエアギャップ構造は、1層の配線層(第2の配線層11B)のみならず、複数の配線層(第2の配線層11Bおよび第3の配線層11C)に適用することができる。エアギャップ構造は、2つの配線層に限らず、3層以上の配線層に適用しても勿論よい。
【0064】
<4.第3実施の形態>
図8は、本技術を適用した半導体装置の第3実施の形態の構成例を示す断面図である。
【0065】
図8の第3実施の形態において、
図1に示した第1実施の形態と対応する部分については同一の符号を付してあり、その部分の説明は適宜省略し、第1実施の形態と異なる部分に注目して説明する。
【0066】
図1に示した第1実施の形態では、第2の配線層11Bの金属膜32の間の絶縁膜31の全ての領域に、エアギャップ構造(エアギャップ34および保護膜35)が形成されていたが、
図8の第3実施の形態では、絶縁膜31の一部の領域には、エアギャップ構造が形成されていない点が、第1実施の形態と異なる。
図8の半導体装置1のその他の構造は、
図1の半導体装置1と同様である。
【0067】
このように、エアギャップ構造(エアギャップ34および保護膜35)は、第2の配線層11Bの絶縁膜31の一部の領域のみに形成されてもよい。
【0068】
第2の配線層11Bの絶縁膜31のうち、エアギャップ構造を形成しない領域としては、例えば、
図9において破線で囲まれた領域のように、第2の配線層11Bの金属膜32と、それに接続される第3の配線層11Cの金属膜52との位置合わせ精度が厳しい領域、換言すれば、第3の配線層11Cの金属膜52のコンタクト部の一部が、金属膜32から外れる可能性がある領域などが考えられる。
【0069】
エアギャップ34を形成しない領域をつくる場合には、
図10に示されるように、エアギャップ34を形成しない領域にレジスト101をパターニングした後で、DSAランダムパターン72を形成すればよい。
【0070】
なお、
図8の第3実施の形態において、第3の配線層11Cの構造は、第1実施の形態と同様であるが、
図7の第2実施の形態のように、第3の配線層11Cの金属膜52の間の全ての絶縁膜51に、エアギャップ構造(エアギャップ91および保護膜92)をさらに形成してもよい。あるいはまた、第3実施の形態の第2の配線層11Bのように、第3の配線層11Cの金属膜52の間の絶縁膜51の一部の領域のみに、エアギャップ構造をさらに形成してもよい。
【0071】
<5.変形例>
図11は、上述した各実施の形態の第1の変形例を示す断面図である。
【0072】
図11に示される第1の変形例では、第2の配線層11Bの絶縁膜31と、第1の配線層11Aの絶縁膜21との間に保護膜111がさらに形成されている。第2の配線層11Bの金属配線36が形成されている場所では、保護膜111は、バリアメタル33を覆うように、バリアメタル33の外側、および、金属膜32と拡散防止膜12との間に形成されている。保護膜111の材料には、拡散防止膜12と同様に、SiC、SiN、SiCN、SiCOなどを用いることができる。
【0073】
このように、保護膜111を追加することによって、
図6のAで説明した絶縁膜31のエッチング工程、および、
図6のBで説明した溝75を幅方向に拡大するエアギャップ34の形成工程において、絶縁膜31のエッチングによってバリアメタル33がむき出しになることを防止し、バリアメタル33および金属膜32へのダメージを防ぐことができる。
【0074】
図12は、上述した各実施の形態の第2の変形例を示す断面図である。
【0075】
図12に示される第2の変形例では、第2の配線層11Bにおいて、
図11に示した第1の変形例と同様の保護膜111が追加されている他、隣接する金属配線36どうしの間に、絶縁膜31が存在しない点が、上述した各実施の形態と異なる。
【0076】
換言すれば、第2の配線層11Bにおいて、所定の金属配線36を保護する保護膜111と、その隣に位置する金属配線36を保護する保護膜111との間が、1つのエアギャップ34と保護膜35のみで構成されている。
図6のBで説明した溝75を幅方向に拡大するエアギャップ34の形成工程において、それぞれの溝75が、隣りの溝75に到達するまで絶縁膜31を除去することにより、
図12のエアギャップ34を形成することができる。拡散防止膜12は、第1の膜41に形成された多数の孔42Aに第2の膜42が埋め込まれた膜であるが、孔42Aの径は極めて小さいため、金属配線36間の絶縁膜31を除去し、エアギャップ34のみとしても機械的強度は保たれる。
【0077】
図13を参照して、保護膜111を形成する場合の半導体装置1の製造方法を説明する。
【0078】
初めに、
図13のAに示されるように、第1の配線層11Aと、その上の第2の配線層11Bが形成された後、
図13のBに示されるように、第2の配線層11Bの絶縁膜31が一旦除去される。
【0079】
そして、
図13のCに示されるように、絶縁膜31が除去された後の、第1の配線層11Aおよび第2の配線層11Bの表面、具体的には、第1の配線層11Aの絶縁膜21の上面と、第2の配線層11Bの金属配線36の上面および側面に、保護膜111が形成される。
【0080】
その後、
図13のDに示されるように、第2の配線層11Bの絶縁膜31が、再び形成される。その後の工程は、
図4乃至
図6を参照して説明した方法と同様である。
【0081】
以上のようにして、保護膜111を形成した半導体装置1を製造することができる。
【0082】
<6.固体撮像装置への適用例>
半導体装置1は、少なくとも1層の配線層(配線層11)において、上述したエアギャップ34および保護膜35のようなエアギャップ構造を備える装置であり、例えば、通信装置、制御装置、固体撮像装置など、配線層を有する任意の装置または電子機器として構成することができる。
【0083】
以下では、上述したエアギャップ構造を固体撮像装置に適用した例について説明する。
【0084】
(固体撮像装置の概略構成例)
図14は、本技術を適用した固体撮像装置の概略構成を示している。
【0085】
図14の固体撮像装置201は、半導体として例えばシリコン(Si)を用いた半導体基板212に、画素202が2次元アレイ状に配列された画素領域203と、その周辺の周辺回路領域とを有して構成される。周辺回路領域には、垂直駆動回路204、カラム信号処理回路205、水平駆動回路206、出力回路207、制御回路208などが含まれる。
【0086】
画素202は、光電変換素子としてのフォトダイオードと、転送トランジスタを備える。フローティングディフージョン(以下、FDと称する。)、選択トランジスタ、リセットトランジスタ、及び、増幅トランジスタは、複数の画素202で共有される。
【0087】
すなわち、詳細は
図15を参照して後述するが、固体撮像装置201では、フォトダイオードと転送トランジスタについては画素毎に有し、FD、選択トランジスタ、リセットトランジスタ、及び、増幅トランジスタを複数画素で共有する共有画素構造が採用されるものとする。ただし、FD、選択トランジスタ、リセットトランジスタ、及び、増幅トランジスタの各画素トランジスタについても画素毎に設ける構成でもよい。
【0088】
制御回路208は、入力クロックと、動作モードなどを指令するデータを受け取り、また固体撮像装置201の内部情報などのデータを出力する。すなわち、制御回路208は、垂直同期信号、水平同期信号及びマスタクロックに基づいて、垂直駆動回路204、カラム信号処理回路205及び水平駆動回路206などの動作の基準となるクロック信号や制御信号を生成する。そして、制御回路208は、生成したクロック信号や制御信号を、垂直駆動回路204、カラム信号処理回路205及び水平駆動回路206等に出力する。
【0089】
垂直駆動回路204は、例えばシフトレジスタによって構成され、所定の画素駆動配線210を選択し、選択された画素駆動配線210に画素202を駆動するためのパルスを供給し、行単位で画素202を駆動する。すなわち、垂直駆動回路204は、画素領域203の各画素202を行単位で順次垂直方向に選択走査し、各画素202の光電変換部において受光量に応じて生成された信号電荷に基づく画素信号を、垂直信号線209を通してカラム信号処理回路205に供給させる。
【0090】
カラム信号処理回路205は、画素202の列ごとに配置されており、1行分の画素202から出力される信号を画素列ごとにノイズ除去などの信号処理を行う。例えば、カラム信号処理回路205は、画素固有の固定パターンノイズを除去するためのCDS(Correlated Double Sampling:相関2重サンプリング)およびAD変換等の信号処理を行う。
【0091】
水平駆動回路206は、例えばシフトレジスタによって構成され、水平走査パルスを順次出力することによって、カラム信号処理回路205の各々を順番に選択し、カラム信号処理回路205の各々から画素信号を水平信号線211に出力させる。
【0092】
出力回路207は、カラム信号処理回路205の各々から水平信号線211を通して順次に供給される信号に対し、信号処理を行って出力する。出力回路207は、例えば、バファリングだけする場合もあるし、黒レベル調整、列ばらつき補正、各種デジタル信号処理などが行われる場合もある。入出力端子213は、外部と信号のやりとりをする。
【0093】
以上のように構成される固体撮像装置201は、CDS処理とAD変換処理を行うカラム信号処理回路205が画素列ごとに配置されたカラムAD方式と呼ばれるCMOSイメージセンサである。
【0094】
固体撮像装置201は、例えば、画素トランジスタが形成される半導体基板212の表面側と反対側の裏面側から光が入射される裏面照射型のMOS型固体撮像装置で構成される。
【0095】
(共有画素構造の回路例)
図15は、固体撮像装置201で採用されている共有画素構造の回路図を示している。
【0096】
固体撮像装置201では、
図15に示されるような、縦4画素×横2画素の計8画素で一部の画素トランジスタを共有する共有画素構造が採用されている。
【0097】
具体的には、各画素は、フォトダイオードPDと、フォトダイオードPDに蓄積された電荷を転送する転送トランジスタTGのみを個別に保有している。そして、FD221、リセットトランジスタ222、増幅トランジスタ223、及び選択トランジスタ224のそれぞれは、共有単位である8画素で共通に利用される。
【0098】
なお、以下では、画素トランジスタのうち、共有単位である8画素で共通に利用されるリセットトランジスタ222、増幅トランジスタ223、及び選択トランジスタ224のそれぞれを、共有画素トランジスタとも称する。また、共有単位内の8画素の各々に配置されたフォトダイオードPDと転送トランジスタTGを区別するため、
図15に示されるように、フォトダイオードPD1乃至PD8及び転送トランジスタTG1乃至TG8と称する。
【0099】
フォトダイオードPD1乃至PD8のそれぞれは、光を受光して光電荷を生成して蓄積する。
【0100】
転送トランジスタTG1は、信号線TG1Aを介してゲート電極に供給される駆動信号がアクティブ状態になるとこれに応答して導通状態になることで、フォトダイオードPD1に蓄積されている光電荷をFD221に転送する。転送トランジスタTG2は、信号線TG2Aを介してゲート電極に供給される駆動信号がアクティブ状態になるとこれに応答して導通状態になることで、フォトダイオードPD2に蓄積されている光電荷をFD221に転送する。転送トランジスタTG3は、信号線TG3Aを介してゲート電極に供給される駆動信号がアクティブ状態になるとこれに応答して導通状態になることで、フォトダイオードPD3に蓄積されている光電荷をFD221に転送する。転送トランジスタTG4は、信号線TG4Aを介してゲート電極に供給される駆動信号がアクティブ状態になるとこれに応答して導通状態になることで、フォトダイオードPD4に蓄積されている光電荷をFD221に転送する。フォトダイオードPD5乃至PD8と転送トランジスタTG5乃至TG8についても、フォトダイオードPD1乃至PD4と転送トランジスタTG1乃至TG4と同様に動作する。
【0101】
FD221は、フォトダイオードPD1乃至PD8から供給された光電荷を一時保持する。
【0102】
リセットトランジスタ222は、信号線RSTを介してゲート電極に供給される駆動信号がアクティブ状態になるとこれに応答して導通状態になることで、FD221の電位を所定のレベル(リセット電圧VDD)にリセットする。
【0103】
増幅トランジスタ223は、ソース電極が選択トランジスタ224を介して垂直信号線209に接続されることにより、垂直信号線209の一端に接続されている定電流源回路部の負荷MOS(図示せず)とソースフォロワ回路を構成する。
【0104】
選択トランジスタ224は、増幅トランジスタ223のソース電極と垂直信号線209との間に接続されている。選択トランジスタ224は、信号線SELを介してゲート電極に供給される選択信号がアクティブ状態になるとこれに応答して導通状態となり、共有単位を選択状態として増幅トランジスタ223から出力される共有単位内の画素の画素信号を垂直信号線209に出力する。共有単位内の複数の画素は、垂直駆動回路204からの駆動信号に応じて、1画素単位で画素信号を出力することもできるし、複数画素単位で画素信号を同時出力することもできる。
【0105】
図16のAは、
図15に示した共有画素構造の画素レイアウトを示す平面図である。
図16のAにおいて、
図15と対応する部分については同一の符号を付してある。
【0106】
共有画素構造の画素レイアウトは、例えば、
図16に示されるように、縦2×横2の配置でフォトダイオードPDと転送トランジスタTGを画素ごとに配置した構成を縦(列方向)に2つ並べ、その左側に、共有画素トランジスタを配置した構成とされている。
【0107】
より詳しくは、上側の縦2×横2の配置領域には、フォトダイオードPD1乃至PD4が画素ごとに配置され、2×2のフォトダイオードPD1乃至PD4の中央にFD221Aが配置されている。また、各フォトダイオードPD1乃至PD4とFD221Aの近傍には、画素ごとに設けられている転送トランジスタTG1乃至TG4(のゲート電極)が配置されている。上側の縦2×横2の配置領域の左側に、共有画素トランジスタであるリセットトランジスタ222が配置されている。
【0108】
下側の縦2×横2の配置領域には、フォトダイオードPD5乃至PD8が画素ごとに配置され、2×2のフォトダイオードPD5乃至PD8の中央にFD221Bが配置されている。また、各フォトダイオードPD5乃至PD8とFD221Bの近傍には、画素ごとに設けられている転送トランジスタTG5乃至TG8(のゲート電極)が配置されている。下側の縦2×横2の配置領域の左側に、共有画素トランジスタである増幅トランジスタ223及び選択トランジスタ224が配置されている。
【0109】
上側の縦2×横2の配置領域中央のFD221Aと、下側の縦2×横2の配置領域中央のFD221Bは、金属配線231で接続されており、増幅トランジスタ223のゲート電極とも接続されている。
図15のFD221は、FD221AとFD221Bの2つに対応する。
【0110】
図16のBは、
図16のAの金属配線231、転送トランジスタTG1乃至TG8のゲート電極、および、共有画素トランジスタのゲート電極が形成される配線層に、上述したエアギャップ構造を適用した配線層と、その上の拡散防止膜の平面図である。
【0111】
図16のBには、第1の膜251に形成された多数の孔251Aの内部に、第2の膜252が埋め込まれて構成された拡散防止膜253の下層に、一点鎖線で描かれた転送トランジスタTGのゲート電極、共有画素トランジスタのゲート電極、金属配線231が形成されている。金属配線231と孔251Aが重なる領域には、エアギャップが形成されないので、エアギャップの周囲に形成される保護膜261も形成されない。保護膜261は、破線で示されており、その内側がエアギャップとなっている。
【0112】
(固体撮像装置の基板構成例)
図14の固体撮像装置201は、
図17のAに示されるように、1枚の半導体基板212に、複数の画素202が配列されている画素領域321と、画素202を制御する制御回路322と、画素信号の信号処理回路を含むロジック回路323とが形成された構成とされている。この場合、本技術のエアギャップ構造は、1枚の半導体基板212の配線層の全面に形成することができる。画素領域321は、
図14の画素領域203に対応する領域である。
【0113】
また、固体撮像装置201は、
図17のBに示されるように、画素領域321と制御回路322が形成された第1の半導体基板331と、ロジック回路323が形成された第2の半導体基板332とを積層して構成することも可能である。第1の半導体基板331と第2の半導体基板332は、例えば、貫通ビア(TSV:Through Silicon Via)やCu-Cuの金属結合により電気的に接続される。この場合、本技術のエアギャップ構造は、第1の半導体基板331と第2の半導体基板332それぞれの配線層の全面に形成することができる。
【0114】
あるいはまた、固体撮像装置201は、
図17のCに示されるように、画素領域321のみが形成された第1の半導体基板341と、制御回路322とロジック回路323が形成された第2の半導体基板342とを積層して構成することも可能である。第1の半導体基板341と第2の半導体基板342は、例えば、貫通ビアやCu-Cuの金属結合により電気的に接続される。この場合、本技術のエアギャップ構造は、第1の半導体基板341と第2の半導体基板342それぞれの配線層の全面に形成することができる。
【0115】
また、本技術のエアギャップ構造は、半導体基板の配線層の全面に形成してもよいが、
図8を参照して説明した第3実施の形態のように、一部の領域には、エアギャップ構造を形成しない構成とすることもできる。
【0116】
(エアギャップ非形成領域の例)
図17のAに示した1枚の半導体基板212を用いた固体撮像装置201の例を用いて、配線層の一部の領域にエアギャップ構造を持たない例について説明する。
【0117】
図18は、固体撮像装置201において配線層の一部の領域にエアギャップ構造を形成しない場合のエアギャップ非形成領域の3つの例を示している。
【0118】
図18のAは、電極パッドが形成される領域をエアギャップ非形成領域とする例を示している。
【0119】
即ち、
図18のAでは、1枚の半導体基板212が、複数の画素202が配列されている画素領域321と、制御回路322とロジック回路323とからなる周辺回路領域324で形成されている。周辺回路領域324内に形成された、複数の電極パッド351が形成された電極パッド領域352を、エアギャップ非形成領域とすることができる。
【0120】
図18のBは、貫通ビアが形成される領域をエアギャップ非形成領域とする例を示している。
【0121】
即ち、
図18のBにおいても、1枚の半導体基板212が、複数の画素202が配列されている画素領域321と、制御回路322とロジック回路323とからなる周辺回路領域324で形成されている。周辺回路領域324内に形成された、複数の貫通ビア361が形成された貫通ビア領域362を、エアギャップ非形成領域とすることができる。
【0122】
図18のCは、ダイシング領域をエアギャップ非形成領域とする例を示している。
【0123】
即ち、
図18のCにおいても、1枚の半導体基板212が、複数の画素202が配列されている画素領域321と、制御回路322とロジック回路323とからなる周辺回路領域324で形成されている。周辺回路領域324のうちの、半導体基板212をブレード等でダイシングした際に除去される領域であるダイシング領域371を、エアギャップ非形成領域とすることができる。
【0124】
(固体撮像装置の詳細断面図)
図19は、固体撮像装置が、
図17のBおよびCに示したように、2枚の半導体基板を接合して構成される場合の、固体撮像装置の詳細断面図である。
【0125】
図19の固体撮像装置500は、第1の半導体基板521に形成された多層配線層522と、第2の半導体基板531に形成された多層配線層532の配線層どうしがウエハ接合により貼り合わされて構成される。
【0126】
固体撮像装置500への光入射面は、
図19において上側となる、第2の半導体基板531の多層配線層532が形成された面と反対側の面である。固体撮像装置500の画素領域541には、画素542が行列状に並んで配列されている。
【0127】
第2の半導体基板531の光入射面である上面には、例えば、R(赤)、G(緑)、またはB(青)のカラーフィルタ552とオンチップレンズ553が画素ごとに形成されている。カラーフィルタ552下の第2の半導体基板531には、PN接合による光電変換素子であるフォトダイオード(PD)551が、画素ごとに形成されている。
【0128】
第2の半導体基板531の光入射面に形成されたオンチップレンズ553の上側には、固体撮像装置500の構造物、特にオンチップレンズ553やカラーフィルタ552を保護するための保護基板535が、シール樹脂534を介して配置されている。保護基板535は、例えば透明なガラス基板である。
【0129】
第2の半導体基板531の下面に形成された多層配線層532は、複数層の配線層543と、それらの間に形成された層間絶縁膜544とで構成される。多層配線層532と第2の半導体基板531との界面には、多数のトランジスタTr1が形成されている。これらのトランジスタTr1は、例えば、光電変換動作や光電変換された電気信号を読み出す動作を制御するトランジスタや、信号処理回路等を構成するトランジスタなどである。
【0130】
一方、第2の半導体基板531の多層配線層532と向き合って接合される、第1の半導体基板521の多層配線層522は、複数層の配線層561と、それらの間に形成された層間絶縁膜562とで構成される。多層配線層522と第1の半導体基板521との界面にも、ロジック回路を構成する多数のトランジスタTr2が形成されている。
【0131】
図19において下側となる、第1の半導体基板521の多層配線層522が形成された面と反対側の面には、外部端子571が複数形成されており、外部端子571は、第1の半導体基板521を貫通する貫通ビア572を介して、多層配線層522の所定の配線層561と接続されている。外部端子571は、例えば、はんだボールで構成され、外部から電源供給を受けたり、信号の入出力を行う。
【0132】
第1の半導体基板521に形成された多層配線層522のうち、向き合う多層配線層532に最も近い配線層561と、第2の半導体基板531に形成された多層配線層532のうち、向き合う多層配線層522に最も近い配線層543とが、例えばCu-Cuの金属結合により接合されている。
【0133】
以上のような2枚の半導体基板(第1の半導体基板521と第2の半導体基板531)を接合して構成される固体撮像装置500の多層配線層522の1層以上の配線層561や、多層配線層532の1層以上の配線層543に対して、上述したエアギャップ構造が採用される。なお、
図19の固体撮像装置500では、2枚の半導体基板の電気的接続をCu-Cuの金属結合を用いたが、貫通ビア等を用いてもよい。
【0134】
<7.内視鏡手術システムへの応用例>
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、内視鏡手術システムに適用されてもよい。
【0135】
図20は、本開示に係る技術(本技術)が適用され得る内視鏡手術システムの概略的な構成の一例を示す図である。
【0136】
図20では、術者(医師)11131が、内視鏡手術システム11000を用いて、患者ベッド11133上の患者11132に手術を行っている様子が図示されている。図示するように、内視鏡手術システム11000は、内視鏡11100と、気腹チューブ11111やエネルギー処置具11112等の、その他の術具11110と、内視鏡11100を支持する支持アーム装置11120と、内視鏡下手術のための各種の装置が搭載されたカート11200と、から構成される。
【0137】
内視鏡11100は、先端から所定の長さの領域が患者11132の体腔内に挿入される鏡筒11101と、鏡筒11101の基端に接続されるカメラヘッド11102と、から構成される。図示する例では、硬性の鏡筒11101を有するいわゆる硬性鏡として構成される内視鏡11100を図示しているが、内視鏡11100は、軟性の鏡筒を有するいわゆる軟性鏡として構成されてもよい。
【0138】
鏡筒11101の先端には、対物レンズが嵌め込まれた開口部が設けられている。内視鏡11100には光源装置11203が接続されており、当該光源装置11203によって生成された光が、鏡筒11101の内部に延設されるライトガイドによって当該鏡筒の先端まで導光され、対物レンズを介して患者11132の体腔内の観察対象に向かって照射される。なお、内視鏡11100は、直視鏡であってもよいし、斜視鏡又は側視鏡であってもよい。
【0139】
カメラヘッド11102の内部には光学系及び撮像素子が設けられており、観察対象からの反射光(観察光)は当該光学系によって当該撮像素子に集光される。当該撮像素子によって観察光が光電変換され、観察光に対応する電気信号、すなわち観察像に対応する画像信号が生成される。当該画像信号は、RAWデータとしてカメラコントロールユニット(CCU: Camera Control Unit)11201に送信される。
【0140】
CCU11201は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等によって構成され、内視鏡11100及び表示装置11202の動作を統括的に制御する。さらに、CCU11201は、カメラヘッド11102から画像信号を受け取り、その画像信号に対して、例えば現像処理(デモザイク処理)等の、当該画像信号に基づく画像を表示するための各種の画像処理を施す。
【0141】
表示装置11202は、CCU11201からの制御により、当該CCU11201によって画像処理が施された画像信号に基づく画像を表示する。
【0142】
光源装置11203は、例えばLED(Light Emitting Diode)等の光源から構成され、術部等を撮影する際の照射光を内視鏡11100に供給する。
【0143】
入力装置11204は、内視鏡手術システム11000に対する入力インタフェースである。ユーザは、入力装置11204を介して、内視鏡手術システム11000に対して各種の情報の入力や指示入力を行うことができる。例えば、ユーザは、内視鏡11100による撮像条件(照射光の種類、倍率及び焦点距離等)を変更する旨の指示等を入力する。
【0144】
処置具制御装置11205は、組織の焼灼、切開又は血管の封止等のためのエネルギー処置具11112の駆動を制御する。気腹装置11206は、内視鏡11100による視野の確保及び術者の作業空間の確保の目的で、患者11132の体腔を膨らめるために、気腹チューブ11111を介して当該体腔内にガスを送り込む。レコーダ11207は、手術に関する各種の情報を記録可能な装置である。プリンタ11208は、手術に関する各種の情報を、テキスト、画像又はグラフ等各種の形式で印刷可能な装置である。
【0145】
なお、内視鏡11100に術部を撮影する際の照射光を供給する光源装置11203は、例えばLED、レーザ光源又はこれらの組み合わせによって構成される白色光源から構成することができる。RGBレーザ光源の組み合わせにより白色光源が構成される場合には、各色(各波長)の出力強度及び出力タイミングを高精度に制御することができるため、光源装置11203において撮像画像のホワイトバランスの調整を行うことができる。また、この場合には、RGBレーザ光源それぞれからのレーザ光を時分割で観察対象に照射し、その照射タイミングに同期してカメラヘッド11102の撮像素子の駆動を制御することにより、RGBそれぞれに対応した画像を時分割で撮像することも可能である。当該方法によれば、当該撮像素子にカラーフィルタを設けなくても、カラー画像を得ることができる。
【0146】
また、光源装置11203は、出力する光の強度を所定の時間ごとに変更するようにその駆動が制御されてもよい。その光の強度の変更のタイミングに同期してカメラヘッド11102の撮像素子の駆動を制御して時分割で画像を取得し、その画像を合成することにより、いわゆる黒つぶれ及び白とびのない高ダイナミックレンジの画像を生成することができる。
【0147】
また、光源装置11203は、特殊光観察に対応した所定の波長帯域の光を供給可能に構成されてもよい。特殊光観察では、例えば、体組織における光の吸収の波長依存性を利用して、通常の観察時における照射光(すなわち、白色光)に比べて狭帯域の光を照射することにより、粘膜表層の血管等の所定の組織を高コントラストで撮影する、いわゆる狭帯域光観察(Narrow Band Imaging)が行われる。あるいは、特殊光観察では、励起光を照射することにより発生する蛍光により画像を得る蛍光観察が行われてもよい。蛍光観察では、体組織に励起光を照射し当該体組織からの蛍光を観察すること(自家蛍光観察)、又はインドシアニングリーン(ICG)等の試薬を体組織に局注するとともに当該体組織にその試薬の蛍光波長に対応した励起光を照射し蛍光像を得ること等を行うことができる。光源装置11203は、このような特殊光観察に対応した狭帯域光及び/又は励起光を供給可能に構成され得る。
【0148】
図21は、
図20に示すカメラヘッド11102及びCCU11201の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0149】
カメラヘッド11102は、レンズユニット11401と、撮像部11402と、駆動部11403と、通信部11404と、カメラヘッド制御部11405と、を有する。CCU11201は、通信部11411と、画像処理部11412と、制御部11413と、を有する。カメラヘッド11102とCCU11201とは、伝送ケーブル11400によって互いに通信可能に接続されている。
【0150】
レンズユニット11401は、鏡筒11101との接続部に設けられる光学系である。鏡筒11101の先端から取り込まれた観察光は、カメラヘッド11102まで導光され、当該レンズユニット11401に入射する。レンズユニット11401は、ズームレンズ及びフォーカスレンズを含む複数のレンズが組み合わされて構成される。
【0151】
撮像部11402は、撮像素子で構成される。撮像部11402を構成する撮像素子は、1つ(いわゆる単板式)であってもよいし、複数(いわゆる多板式)であってもよい。撮像部11402が多板式で構成される場合には、例えば各撮像素子によってRGBそれぞれに対応する画像信号が生成され、それらが合成されることによりカラー画像が得られてもよい。あるいは、撮像部11402は、3D(Dimensional)表示に対応する右目用及び左目用の画像信号をそれぞれ取得するための1対の撮像素子を有するように構成されてもよい。3D表示が行われることにより、術者11131は術部における生体組織の奥行きをより正確に把握することが可能になる。なお、撮像部11402が多板式で構成される場合には、各撮像素子に対応して、レンズユニット11401も複数系統設けられ得る。
【0152】
また、撮像部11402は、必ずしもカメラヘッド11102に設けられなくてもよい。例えば、撮像部11402は、鏡筒11101の内部に、対物レンズの直後に設けられてもよい。
【0153】
駆動部11403は、アクチュエータによって構成され、カメラヘッド制御部11405からの制御により、レンズユニット11401のズームレンズ及びフォーカスレンズを光軸に沿って所定の距離だけ移動させる。これにより、撮像部11402による撮像画像の倍率及び焦点が適宜調整され得る。
【0154】
通信部11404は、CCU11201との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部11404は、撮像部11402から得た画像信号をRAWデータとして伝送ケーブル11400を介してCCU11201に送信する。
【0155】
また、通信部11404は、CCU11201から、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を受信し、カメラヘッド制御部11405に供給する。当該制御信号には、例えば、撮像画像のフレームレートを指定する旨の情報、撮像時の露出値を指定する旨の情報、並びに/又は撮像画像の倍率及び焦点を指定する旨の情報等、撮像条件に関する情報が含まれる。
【0156】
なお、上記のフレームレートや露出値、倍率、焦点等の撮像条件は、ユーザによって適宜指定されてもよいし、取得された画像信号に基づいてCCU11201の制御部11413によって自動的に設定されてもよい。後者の場合には、いわゆるAE(Auto Exposure)機能、AF(Auto Focus)機能及びAWB(Auto White Balance)機能が内視鏡11100に搭載されていることになる。
【0157】
カメラヘッド制御部11405は、通信部11404を介して受信したCCU11201からの制御信号に基づいて、カメラヘッド11102の駆動を制御する。
【0158】
通信部11411は、カメラヘッド11102との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部11411は、カメラヘッド11102から、伝送ケーブル11400を介して送信される画像信号を受信する。
【0159】
また、通信部11411は、カメラヘッド11102に対して、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を送信する。画像信号や制御信号は、電気通信や光通信等によって送信することができる。
【0160】
画像処理部11412は、カメラヘッド11102から送信されたRAWデータである画像信号に対して各種の画像処理を施す。
【0161】
制御部11413は、内視鏡11100による術部等の撮像、及び、術部等の撮像により得られる撮像画像の表示に関する各種の制御を行う。例えば、制御部11413は、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を生成する。
【0162】
また、制御部11413は、画像処理部11412によって画像処理が施された画像信号に基づいて、術部等が映った撮像画像を表示装置11202に表示させる。この際、制御部11413は、各種の画像認識技術を用いて撮像画像内における各種の物体を認識してもよい。例えば、制御部11413は、撮像画像に含まれる物体のエッジの形状や色等を検出することにより、鉗子等の術具、特定の生体部位、出血、エネルギー処置具11112の使用時のミスト等を認識することができる。制御部11413は、表示装置11202に撮像画像を表示させる際に、その認識結果を用いて、各種の手術支援情報を当該術部の画像に重畳表示させてもよい。手術支援情報が重畳表示され、術者11131に提示されることにより、術者11131の負担を軽減することや、術者11131が確実に手術を進めることが可能になる。
【0163】
カメラヘッド11102及びCCU11201を接続する伝送ケーブル11400は、電気信号の通信に対応した電気信号ケーブル、光通信に対応した光ファイバ、又はこれらの複合ケーブルである。
【0164】
ここで、図示する例では、伝送ケーブル11400を用いて有線で通信が行われていたが、カメラヘッド11102とCCU11201との間の通信は無線で行われてもよい。
【0165】
以上、本開示に係る技術が適用され得る内視鏡手術システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、カメラヘッド11102の撮像部11402に適用され得る。具体的には、撮像部11402として、上述したエアギャップ構造を備える固体撮像装置201または500を適用することができる。撮像部11402に本開示に係る技術を適用することにより、配線層の配線容量を低減させることができ、高速かつ高品質な術部画像を得ることができる。
【0166】
なお、ここでは、一例として内視鏡手術システムについて説明したが、本開示に係る技術は、その他、例えば、顕微鏡手術システム等に適用されてもよい。
【0167】
<8.移動体への応用例>
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット等のいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
【0168】
図22は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
【0169】
車両制御システム12000は、通信ネットワーク12001を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。
図22に示した例では、車両制御システム12000は、駆動系制御ユニット12010、ボディ系制御ユニット12020、車外情報検出ユニット12030、車内情報検出ユニット12040、及び統合制御ユニット12050を備える。また、統合制御ユニット12050の機能構成として、マイクロコンピュータ12051、音声画像出力部12052、及び車載ネットワークI/F(interface)12053が図示されている。
【0170】
駆動系制御ユニット12010は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット12010は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。
【0171】
ボディ系制御ユニット12020は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット12020は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット12020には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット12020は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
【0172】
車外情報検出ユニット12030は、車両制御システム12000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット12030には、撮像部12031が接続される。車外情報検出ユニット12030は、撮像部12031に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像を受信する。車外情報検出ユニット12030は、受信した画像に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。
【0173】
撮像部12031は、光を受光し、その光の受光量に応じた電気信号を出力する光センサである。撮像部12031は、電気信号を画像として出力することもできるし、測距の情報として出力することもできる。また、撮像部12031が受光する光は、可視光であっても良いし、赤外線等の非可視光であっても良い。
【0174】
車内情報検出ユニット12040は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット12040には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部12041が接続される。運転者状態検出部12041は、例えば運転者を撮像するカメラを含み、車内情報検出ユニット12040は、運転者状態検出部12041から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。
【0175】
マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット12010に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行うことができる。
【0176】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0177】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で取得される車外の情報に基づいて、ボディ系制御ユニット12020に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で検知した先行車又は対向車の位置に応じてヘッドランプを制御し、ハイビームをロービームに切り替える等の防眩を図ることを目的とした協調制御を行うことができる。
【0178】
音声画像出力部12052は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。
図22の例では、出力装置として、オーディオスピーカ12061、表示部12062及びインストルメントパネル12063が例示されている。表示部12062は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0179】
図23は、撮像部12031の設置位置の例を示す図である。
【0180】
図23では、車両12100は、撮像部12031として、撮像部12101,12102,12103,12104,12105を有する。
【0181】
撮像部12101,12102,12103,12104,12105は、例えば、車両12100のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部等の位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部12101及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として車両12100の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部12102,12103は、主として車両12100の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部12104は、主として車両12100の後方の画像を取得する。撮像部12101及び12105で取得される前方の画像は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
【0182】
なお、
図23には、撮像部12101ないし12104の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲12111は、フロントノーズに設けられた撮像部12101の撮像範囲を示し、撮像範囲12112,12113は、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部12102,12103の撮像範囲を示し、撮像範囲12114は、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部12104の撮像範囲を示す。例えば、撮像部12101ないし12104で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両12100を上方から見た俯瞰画像が得られる。
【0183】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、距離情報を取得する機能を有していてもよい。例えば、撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、複数の撮像素子からなるステレオカメラであってもよいし、位相差検出用の画素を有する撮像素子であってもよい。
【0184】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を基に、撮像範囲12111ないし12114内における各立体物までの距離と、この距離の時間的変化(車両12100に対する相対速度)を求めることにより、特に車両12100の進行路上にある最も近い立体物で、車両12100と略同じ方向に所定の速度(例えば、0km/h以上)で走行する立体物を先行車として抽出することができる。さらに、マイクロコンピュータ12051は、先行車の手前に予め確保すべき車間距離を設定し、自動ブレーキ制御(追従停止制御も含む)や自動加速制御(追従発進制御も含む)等を行うことができる。このように運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0185】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を元に、立体物に関する立体物データを、2輪車、普通車両、大型車両、歩行者、電柱等その他の立体物に分類して抽出し、障害物の自動回避に用いることができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両12100の周辺の障害物を、車両12100のドライバが視認可能な障害物と視認困難な障害物とに識別する。そして、マイクロコンピュータ12051は、各障害物との衝突の危険度を示す衝突リスクを判断し、衝突リスクが設定値以上で衝突可能性がある状況であるときには、オーディオスピーカ12061や表示部12062を介してドライバに警報を出力することや、駆動系制御ユニット12010を介して強制減速や回避操舵を行うことで、衝突回避のための運転支援を行うことができる。
【0186】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、赤外線を検出する赤外線カメラであってもよい。例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在するか否かを判定することで歩行者を認識することができる。かかる歩行者の認識は、例えば赤外線カメラとしての撮像部12101ないし12104の撮像画像における特徴点を抽出する手順と、物体の輪郭を示す一連の特徴点にパターンマッチング処理を行って歩行者か否かを判別する手順によって行われる。マイクロコンピュータ12051が、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在すると判定し、歩行者を認識すると、音声画像出力部12052は、当該認識された歩行者に強調のための方形輪郭線を重畳表示するように、表示部12062を制御する。また、音声画像出力部12052は、歩行者を示すアイコン等を所望の位置に表示するように表示部12062を制御してもよい。
【0187】
以上、本開示に係る技術が適用され得る車両制御システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、撮像部12031に適用され得る。具体的には、撮像部12031として、上述したエアギャップ構造を備える固体撮像装置201または500を適用することができる。撮像部12031に本開示に係る技術を適用することにより、配線層の配線容量を低減させることができ、高速かつ高品質な撮影画像を得ることができる。また、得られた撮影画像を用いて、ドライバの疲労を軽減したり、ドライバや車両の安全度を高めることが可能になる。
【0188】
本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0189】
例えば、上述した複数の実施の形態の全てまたは一部を組み合わせた形態を採用することができる。
【0190】
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、本明細書に記載されたもの以外の効果があってもよい。
【0191】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
金属膜を含む第1の配線層と第2の配線層が、前記金属膜の拡散を防止する拡散防止膜を介して積層されており、
前記拡散防止膜は、第1の膜に形成された多数の孔に第2の膜を埋め込んで構成され、
少なくとも前記第1の配線層は、前記金属膜と、エアギャップと、前記エアギャップの内周面に前記第2の膜で形成された保護膜とを有し、
前記エアギャップの開口幅が、前記第1の膜に形成された前記孔の開口幅と同じか、または、前記孔の開口幅より大きく構成された
半導体装置。
(2)
前記第1の配線層は、隣接する2つの前記金属膜の間に、複数の前記エアギャップを有する
前記(1)に記載の半導体装置。
(3)
前記第1の配線層は、隣接する2つの前記エアギャップの間に絶縁膜をさらに有する
前記(1)または(2)に記載の半導体装置。
(4)
前記第1の配線層は、隣接する2つの前記金属膜の間の全ての領域に、前記エアギャップを有する
前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の半導体装置。
(5)
前記第1の配線層は、隣接する2つの前記金属膜の間に、前記エアギャップが形成されず、絶縁膜が形成された領域を有する
前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の半導体装置。
(6)
前記第1の配線層は、前記金属膜と前記絶縁膜との間、および、前記金属膜と前記拡散防止膜との間に、保護膜をさらに有する
前記(3)または(5)に記載の半導体装置。
(7)
前記第1の配線層は、隣接する2つの前記金属膜の間に、1つの前記エアギャップと、前記エアギャップの内周面に前記第2の膜で成膜された保護膜とを有する
前記(1)、(4)、または(6)に記載の半導体装置。
(8)
前記第2の配線層も、前記エアギャップと、前記エアギャップの内周面に前記第2の膜で形成された前記保護膜とを有する
前記(1)乃至(7)のいずれかに記載の半導体装置。
(9)
前記第1の膜と前記第2の膜は、同じ材料の膜である
前記(1)乃至(8)のいずれかに記載の半導体装置。
(10)
金属膜が形成された配線層の上面に、前記金属膜の拡散を防止する拡散防止膜としての第1の膜を形成し、
前記第1の膜に、多数の孔を形成し、
前記多数の孔の下の前記配線層に、前記孔の開口幅よりも広い開口幅のエアギャップを形成し、
前記エアギャップの内周面に第2の膜を形成するとともに、前記多数の孔を前記第2の膜で埋め込む
半導体装置の製造方法。
(11)
前記第1の膜の上面に自己組織化膜を塗布し、パターニングすることにより、前記多数の孔を形成する
前記(10)に記載の半導体装置の製造方法。
(12)
前記多数の孔が形成された前記第1の膜をマスクとして前記配線層の絶縁膜をエッチングすることにより、前記多数の孔の下の前記絶縁膜に前記エアギャップを形成する
前記(10)または(11)に記載の半導体装置の製造方法。
(13)
前記多数の孔が形成された前記第1の膜をマスクとして前記絶縁膜をエッチングすることにより前記孔の開口幅と同一の溝を形成した後、さらに幅方向にエッチングすることにより、前記エアギャップの開口幅を、前記孔の開口幅よりも広く形成する
前記(12)に記載の半導体装置の製造方法。
(14)
金属膜を含む第1の配線層と第2の配線層が、前記金属膜の拡散を防止する拡散防止膜を介して積層されており、
前記拡散防止膜は、第1の膜に形成された多数の孔に第2の膜を埋め込んで構成され、
少なくとも前記第1の配線層は、エアギャップと、前記エアギャップの内周面に前記第2の膜で成膜された保護膜とを有し、
前記エアギャップの開口幅が、前記第1の膜に形成された前記孔の開口幅と同じか、または、前記孔の開口幅より大きく構成された
半導体装置
を備える電子機器。
【符号の説明】
【0192】
1 半導体装置, 11(11A乃至11C) 配線層, 12,13 拡散防止膜, 21 絶縁膜, 22 金属膜, 23 バリアメタル, 24 金属配線, 31 絶縁膜, 32 金属膜, 33 バリアメタル, 34 エアギャップ, 35 保護膜, 36 金属配線, 41 第1の膜, 42A 孔, 42 第2の膜, 51 絶縁膜, 52 金属膜, 53 バリアメタル, 54 金属配線, 71 ハードマスク, 72 DSAランダムパターン, 75 溝, 91 エアギャップ, 92 保護膜, 111 保護膜, 201 固体撮像装置, 231 金属配線, 251A 孔, 251 第1の膜, 252 第2の膜, 253 拡散防止膜, 261 保護膜