(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-13
(45)【発行日】2022-10-21
(54)【発明の名称】製造ラインでテキスタイル製品にプリーツを形成する方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
D06J 1/10 20060101AFI20221014BHJP
A41D 13/11 20060101ALI20221014BHJP
【FI】
D06J1/10
A41D13/11 Z
(21)【出願番号】P 2020519042
(86)(22)【出願日】2017-10-04
(86)【国際出願番号】 US2017055027
(87)【国際公開番号】W WO2019070247
(87)【国際公開日】2019-04-11
【審査請求日】2020-08-10
(73)【特許権者】
【識別番号】518174101
【氏名又は名称】オーアンドエム ハリヤード インターナショナル アンリミテッド カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】特許業務法人 大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュタインドルフ、エリック・シー
(72)【発明者】
【氏名】スペンサー、アンソニー・エス
(72)【発明者】
【氏名】ウェバー、ジョセフ・ピー
(72)【発明者】
【氏名】パンパリン、マーク・ティー
(72)【発明者】
【氏名】ハリントン、デイビッド・エル
【審査官】鈴木 祐里絵
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-293163(JP,A)
【文献】特開2001-314714(JP,A)
【文献】特表2009-522466(JP,A)
【文献】特開昭60-21965(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D13/00-13/12
20/00
D06B1/00-23/30
D06C3/00-29/00
D06G1/00-5/00
D06H1/00-7/24
D06J1/00-1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製造ラインにおいてテキスタイル製品にプリーツを形成するための自動化方法であって、
前記製造ラインのコンベア上でテキスタイルのウェブを搬送するステップと、
前記製造ラインの折り畳みステーションにおいて折り畳みボードを使用してウェブを折りたたむステップであって、前記折り畳みボードが、前記ウェブと前記折り畳みボードとの間の境界面にローラを含む、該ステップと、
前記折り畳みボードから熱を取り除くステップと、を含む、自動化方法。
【請求項2】
前記折り畳みボードから熱を除去するステップは、製造中に前記折り畳みボードを約350°F(約176℃)未満の温度に維持するステップを含む、請求項1に記載の自動化方法。
【請求項3】
前記ウェブが、毎分約200フィートから毎分約900フィート(60.96メートルから274.32メートル)の間の速度で搬送される、請求項2に記載の自動化方法。
【請求項4】
前記折り畳みボードから熱を除去するステップは、前記折り畳みボードに向けられた空気の流れを提供するステップと、
前記折り畳みボードを通る液体の流れを提供するステップと、
前記折り畳みボードに不連続面を提供するステップと、および、
前記折り畳みボードまたは前記折り畳みボードに熱的に接合された構造の少なくとも1つに沿ってサーマルフィンを提供するステップの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の自動化方法。
【請求項5】
前記折り畳みボードから熱を除去するステップは、前記折り畳みボードおよび前記折り畳みボードに熱的に接合された構造の少なくとも1つに取り付けられたサーマルフィンを提供するステップを含む、請求項1に記載の自動化方法。
【請求項6】
前記折り畳みボードから熱を除去するステップは、前記折り畳みボードが、前記ウェブと接触する接触領域に隣接する折り畳みボードの外面に向けられた空気の流れを提供するステップを含む、請求項1に記載の自動化方法。
【請求項7】
前記折り畳みボードから熱を除去するステップは、前記折り畳みボード内の通路を通る流体の流れを提供するステップを含む、請求項1に記載の自動化方法。
【請求項8】
前記流体が気体であり、前記折り畳みボードの接触面に隣接して配置された少なくとも1つの出口を通って前記通路から流出し、
前記折り畳みボードの接触面がウェブに接触する、請求項7に記載の自動化方法。
【請求項9】
前記折り畳みボードから熱を除去するステップは、前記流体を冷却することを含む、請求項7に記載の自動化方法。
【請求項10】
前記折り畳みボードから熱を除去するステップは、閉回路を通して流体を循環させることを含む、請求項9に記載の自動化方法。
【請求項11】
前記流体が液体である、請求項7に記載の自動化方法。
【請求項12】
製造ラインでテキスタイル製品のウェブにプリーツを形成するための自動化製造ラインシステムであって、
前記テキスタイル製品の前記ウェブを搬送するコンベアと、
一対の折り畳みボードを含む折り畳みボードアセンブリと、を、有し、
前記一対の折り畳みボードの少なくとも一方が、前記ウェブと前記折り畳みボードとの間の境界面にローラを含み、
前記折り畳みボードアセンブリが、前記ウェブが前記折り畳みボードアセンブリを通過するときに前記ウェブを折り畳み、かつ一対の前記折り畳みボードの少なくとも一方から熱を除去するように構成されている、自動化製造ラインシステム。
【請求項13】
前記折り畳みボードアセンブリは、コンベアが毎分約200フィートから約900フィート(60.96メートルから274.32メートル)の間の速度でウェブを運ぶ間、前記一対の折り畳みボードを約350°F(約176℃)未満の温度に維持するように構成されている、請求項12に記載の自動化製造ラインシステム。
【請求項14】
前記折り畳みボードアセンブリは、冷却流体と前記折り畳みボードアセンブリに熱的に接合されたサーマルフィンとを使用して、少なくとも一対の折り畳みボードから熱を除去するよう構成された少なくとも一つの冷却システムを含む、請求項12に記載の自動化製造ラインシステム。
【請求項15】
前記折り畳みボードアセンブリが、冷却流体を使用して前記一対の折り畳みボードを冷却するように構成された冷却システムを含む、請求項12に記載の自動化製造ラインシステム。
【請求項16】
前記一対の折り畳みボードの少なくとも一方が、前記冷却システムが前記冷却流体を提供するように構成された通路を含む、請求項15に記載の自動化製造ラインシステム。
【請求項17】
前記冷却流体が熱交換器を通って流れるときに、前記冷却流体を冷却するように構成された前記熱交換器をさらに備える、請求項16に記載の自動化製造ラインシステム。
【請求項18】
前記一対の折り畳みボードの少なくとも一方に熱的に接合された構造をさらに含み、
前記冷却システムは、前記構造を通して前記冷却流体を提供するように構成された、請求項15に記載の自動化製造ラインシステム。
【請求項19】
前記冷却システムが閉回路システムである、請求項15に記載の自動化製造ラインシステム。
【請求項20】
前記冷却システムは、前記一対の折り畳みボードの少なくとも一方内に配置されたチューブを含み、前記チューブを通して前記冷却流体を循環させるように構成される、請求項15に記載の自動化製造ラインシステム。
【請求項21】
前記冷却流体が液体である、請求項15に記載の自動化製造ラインシステム。
【請求項22】
前記冷却流体が気体である、請求項15に記載の自動化製造ラインシステム。
【請求項23】
前記一対の折り畳みボードの少なくとも一方が、ウェブに接触する表面と、表面に隣接して配置された出口とをさらに含み、
前記気体が前記出口を通じて流出するように、前記出口が通路と流体接続している、請求項22に記載の自動化製造ラインシステム。
【請求項24】
前記冷却流体が空気であり、前記冷却システムが、前記一対の折り畳みボードの少なくとも一方と前記ウェブとの間の接触領域に向けられる外部空気流を提供するように構成される、請求項15に記載の自動化製造ラインシステム。
【請求項25】
前記一対の折り畳みボードの少なくとも一方が不連続面を有する、請求項12に記載の自動化製造ラインシステム。
【請求項26】
前記一対の折り畳みボードが、前記不連続面がウェブに接触するように配置されている、請求項25に記載の自動化製造ラインシステム。
【請求項27】
前記不連続面が、ディンプル、バンプ、孔、スロット、溝、またはそれらの組み合わせを含む、請求項25に記載の自動化製造ラインシステム。
【請求項28】
前記一対の折り畳みボードが交互配置される、請求項12に記載の自動化製造ラインシステム。
【請求項29】
前記折り畳みボードアセンブリは、前記製造ラインの機械方向および横機械方向に概ね平行なプレートを含み、
前記一対の折り畳みボードの少なくとも一方は、概ね機械方向
の後端部および前端部にそれぞれ前縁
部分および後縁
部分を有し、
前記後縁
部分は
前記前縁
部分から
横機械方向にオフセットされている、請求項12に記載の自動化製造ラインシステム。
【請求項30】
前記前縁
部分が
、前記機械方向に前記プレート
の表面から
離れるように
略傾斜して延び、前記後縁
部分が前記プレートに概ね平行な方向に
延びる、請求項29に記載の自動化製造ラインシステム。
【請求項31】
前記折り畳みボードアセンブリが低摩擦コーティングを含む、請求項12に記載の自動化製造ラインシステム。
【請求項32】
製造ラインのテキスタイル製品にプリーツを形成するための自動化方法であって、
前記製造ラインのコンベア上でテキスタイル製品のウェブを毎分約200フィートから約900フィート(60.96メートルから274.32メートル)の間の速度で搬送するステップと、
前記製造ラインの折り畳みステーションにおいて、複数のローラを含む折りたたみアセンブリを使用して前記ウェブを折り畳むステップと、
前記複数のローラを約350°(約176℃)F未満の温度に維持するステップと、を含む、自動化方法。
【請求項33】
テキスタイル製品のウェブにプリーツを形成するための自動化製造ラインシステムであって、
前記製造ラインシステムのコンベア上で前記テキスタイル製品の前記ウェブを毎分約200フィートから約900フィート(60.96メートルから274.32メートル)の速度で搬送するコンベアと、
前記ウェブが折り畳みアセンブリを通過するときに、前記ウェブを折り畳むように構成された複数のローラを含む折り畳みアセンブリと、を有し、
前記折り畳みアセンブリは、複数のローラを約350°(約176℃)F未満の温度に維持するように構成される、自動化製造ラインシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、保護用フェイスマスク製品などのテキスタイル製品の分野に関し、より具体的には、テキスタイル製品にプリーツを形成するための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
フェイスマスク、および手術用ガウン、手術用ドレープ、ブーファントキャップなどのその他の個人用保護具(PPE)の使用は、病気の蔓延を防ぐために医療業界で推奨される方法である。たとえば、医療提供者が着用するフェイスマスクは、着用者から吐き出された空気をろ過することで感染の拡大を防ぎ、環境に放出される有害な微生物やその他の汚染物質の数を減らすことに役立つ。同様に、フェイスマスクは、着用者が吸い込んだ空気をろ過することで感染の拡大を抑え、着用者を保護することに役立つ。
【0003】
これは、結核菌(TB)、鳥インフルエンザ(H7N9)ウイルス、中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)、H1N1ウイルスなどの感染症のアウトブレイクまたは流行の拡大を遅らせて阻止するために特に重要である。医療提供者は、既知または未知のウイルス性疾患または細菌性疾患の感染が疑われる患者を治療するときにマスクを着用する場合があり、同様に、そのような患者はフェイスマスクを使用して、排出された細菌またはウイルスをろ過して封じ込めることにより、疾患の拡大を防ぐことができる。流行病の発生が、たとえばパンデミックレベルまで検出されると、フェイスマスク、人工呼吸器、およびその他のPPEの必要性が急速に高まり、供給を超えて一時的な不足を引き起こす可能性がある。したがって、この需要の急増に迅速に対応し、アウトブレイクや伝染病を封じ込めるためには、フェイスマスクやその他のPPEの高速製造が不可欠である。
【0004】
フェイスマスクは、他のPPEと共に、プリーツの付いた生地や素材を含むことがしばしばある。
【0005】
ティッシュペーパーやおむつなどの他の製品も同様に、プリーツまたは折り畳まれた素材を含む場合がある。これらの製品の高速製造中、その生地はしばしば折り畳みボードとして知られている装置を介してまたはその装置を介して引っ張られることによりプリーツを付けまたは折り畳まれる。折り畳みボードは一般に、布を強制的に折り畳んだりプリーツを付けたりするための1以上の付属物を有する。
【0006】
生地と折り畳みボードの間の摩擦により熱が発生するが、高い製造率では、この熱が蓄積して、折り畳みボード、その周辺機器、または生地自体が適切な動作温度を超えて加熱され、機器、生地、またはその両方への望ましくない欠陥または損傷を引き起こす。
【0007】
この熱の蓄積は、熱発生率と熱放散率の双方が作用している。生地の物理的特性、折り畳みボード上で生地が引っ張られる速度、折り畳みボードの形状と材料特性など、いくつかの要因が発熱率に影響する。熱が対流と伝導を通じて放散する速度は、同様に折り畳みボードの特性に依存し、さらに、折り畳みボードを取り巻く空気の動きに依存する。
【0008】
折り畳みボードと生地の間の熱の蓄積は、フェイスマスクなどのプリーツ付き材料の製造速度を不要に制限する可能性がある。したがって、製造速度の向上を可能にするために、熱の蓄積を低減する折り畳みボード装置および関連する使用方法が必要とされている。従来技術システムと比較して製造速度の増加を可能にするために、特に、摩擦熱の生成がより少ない、或いはそのような熱をより効果的に放散することができる、またはその両方の特徴を備えた折り畳みボードが要望されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的および利点は、以下の説明に記載されているか、または説明から明らかであるか、または本発明の実施を通じて学習され得る。
【0010】
本発明の態様によれば、製造ラインのテキスタイル製品にプリーツを形成するための自動化方法が提供される。この方法は、前記テキスタイル製品のウェブを搬送することを含む。前記ウェブは、前記製造ラインの折り畳みステーションで折り畳みボードを使用して折り畳まれる。この方法は、前記折り畳みボードから熱を除去するステップを含む。
【0011】
特定の実施形態では、この方法は、製造中に前記折り畳みボードを約350°F(約176℃)未満の温度に維持するステップを含む。いくつかの実施形態では、前記ウェブは、毎分約200フィートから毎分約900フィート(60.96メートルから274.32メートル)の間の速度で搬送されてもよい。
【0012】
特定の実施形態では、前記折り畳みボードから熱を除去するステップは、前記折り畳みボードに向けられた空気の流れを提供するステップと、前記折り畳みボードを通る液体の流れを提供するステップと、前記折り畳みボードに不連続面を提供するステップと、前記折り畳みボードおよび前記折り畳みボードに熱的に接合された構造の少なくとも1つに沿ってサーマルフィンを提供するステップの少なくとも1つを含む。
【0013】
別の特定の実施形態では、折り畳みボードから熱を除去するステップは、前記折り畳みボードおよび前記折り畳みボードに熱的に接合された構造の少なくとも1つに取り付けられたサーマルフィンを提供するステップを含む。
【0014】
別の特定の実施形態では、前記折り畳みボードから熱を除去するステップは、前記折り畳みボードが、前記ウェブと接触する接触位置に隣接する折り畳みボードの外面に向けられた空気の流れを提供するステップを含む。
【0015】
別の特定の実施形態では、前記折り畳みボードから熱を除去するステップは、前記折り畳みボード内の通路を通る流体の流れを提供するステップを含む。
【0016】
一実施形態では、前記流体が気体であってよく、前記折り畳みボードの接触面に隣接して配置された少なくとも1つの出口を通って前記通路から退出し、前記折り畳みボードの接触面がウェブに接触してよい。
【0017】
一実施形態では、前記折り畳みボードから熱を除去するステップは、前記流体を冷却することを含む。
【0018】
一実施形態では、前記折り畳みボードから熱を除去するステップは、閉回路を通して流体を循環させることをさらに含む。いくつかの実施形態では、冷却流体は液体である。
【0019】
本発明の他の態様によれば、自動化製造ラインシステムは、製造ラインでテキスタイル製品のウェブにプリーツを形成するために提供される。前記システムは、前記テキスタイル製品の前記ウェブを搬送するコンベアと、また、一対の折り畳みボードを含む折り畳みボードアセンブリとを有し、前記折り畳みボードアセンブリが、前記ウェブが前記折り畳みボードアセンブリを通過するときに前記ウェブを折り畳み、かつ一対の前記折り畳みボードの少なくとも一方から熱を除去するように構成されている。
【0020】
特定の実施形態では、前記折り畳みボードアセンブリは、コンベアが毎分約200フィートから約900フィート(60.96メートルから274.32メートル)の間の速度でウェブを運ぶ間、前記一対の折り畳みボードを約350°F(約176℃)未満の温度に維持するように構成されている。
【0021】
別の特定の実施形態では、前記自動化製造ラインシステムの前記折り畳みボードアセンブリは、気体または液体などの冷却流体と前記折り畳みボードアセンブリに熱的に接合されたサーマルフィンとを使用して、少なくとも一対の折り畳みボードから熱を除去するよう構成された少なくとも一つの冷却システムを含む。
【0022】
別の特定の実施形態では、前記折り畳みボードアセンブリは、冷却流体を使用して前記一対の折り畳みボードを冷却するように構成された冷却システムを含む。
【0023】
一実施形態では、前記一対の折り畳みボードの少なくとも一方が、前記冷却システムが前記冷却流体を提供するように構成された通路を含む。
【0024】
別の特定の実施形態では、折り畳みボードアセンブリは、前記冷却流体が熱交換器を通って流れるときに、前記冷却流体を冷却するように構成された前記熱交換器を含む。
【0025】
別の特定の実施形態では、前記折り畳みボードアセンブリは、前記一対の折り畳みボードの少なくとも一方に熱的に接合された構造を含み、前記冷却システムは、前記構造を通して前記冷却流体を提供するように構成される。
【0026】
別の特定の実施形態では、前記冷却システムは閉回路システムである。
【0027】
別の特定の実施形態では、前記冷却システムは、前記一対の折り畳みボードの少なくとも一方内に配置されたチューブを含み、前記チューブを通して前記冷却流体を循環させるように構成される。
【0028】
いくつかの実施形態では、前記冷却流体は液体であってよい。
【0029】
他の実施形態では、前記冷却流体は気体であってよい。
【0030】
別の特定の実施形態では、前記一対の折り畳みボードの少なくとも一方が、ウェブに接触する表面と、表面に隣接して配置された出口とをさらに含み、前記気気体が前記出口を通じて流れ出るように、前記出口が通路と流体連通している。
【0031】
別の特定の実施形態では、前記冷却流体が空気であり、前記冷却システムが、前記一対の折り畳みボードの少なくとも一方と前記ウェブとの間の接触領域に向けられる外部空気流を提供するように構成される。
【0032】
別の特定の実施形態では、前記一対の折り畳みボードの少なくとも一方が不連続面を有する。
【0033】
一実施形態では、前記一対の折り畳みボードが、前記不連続面がウェブに接触するように配置されている。
【0034】
別の特定の実施形態では、前記不連続面は、ディンプル、バンプ、孔、スロット、溝、またはそれらの組み合わせを含む。
【0035】
別の特定の実施形態では、前記一対の折り畳みボードは交互配置される。
【0036】
別の特定の実施形態では、前記一対の折り畳みボードの少なくとも一方は、そこから突出する複数の付属物と、複数の付属物によって画定される不連続面とを含む。
【0037】
別の特定の実施形態では、前記複数の付属物のうちの少なくとも1つは、前記複数の付属物が突出する前記折り畳みボードの最大高さよりも低い高さを有する。
【0038】
別の特定の実施形態では、前記複数の付属物のうちの少なくとも1つは、前記複数の付属物が突出する前記折り畳みボードの最大高さの20%から95%の間の高さを有する。
【0039】
前記一対の折り畳みボードの少なくとも一方は、前記ウェブと前記折り畳みボードとの間の境界面にローラを含む。
【0040】
別の特定の実施形態では、前記折り畳みボードアセンブリは、前記製造ラインの機械方向および横機械方向に概ね平行なプレートを含み、前記一対の折り畳みボードの少なくとも一方は、概ね機械方向に延びる前縁および後縁を有し、前記後縁は前縁から横機械方向においてオフセットされている。
【0041】
別の特定の実施形態では、前記前縁は、前記プレートから前記プレートに概ね垂直な方向に延在し、前記後縁がプレートに概ね平行な方向に配向される。
【0042】
本発明の態様によれば、製造ラインのテキスタイル製品にプリーツを形成するための自動化方法が提供される。この方法は、製造ラインのコンベア上でテキスタイル製品のウェブを毎分約200フィートから約900フィート(60.96メートルから274.32メートル)の間の速度で搬送するステップと、前記製造ラインの折り畳みステーションにおいて、複数のローラを含む折り畳みボードアセンブリを使用してウェブを折り畳むステップと、前記複数のローラを約350°F(約176℃)未満の温度に維持すステップを含む。
【図面の簡単な説明】
【0043】
当業者に対する最良の形態を含む、本発明を完全かつ可能にする開示は、添付の図面への参照を含む、本明細書の残りの部分でより具体的に説明する。
【0044】
【
図6A】ウェブが折り畳みボードアセンブリを通って機械方向に移動するときのウェブと折り畳みボードの連続図である。
【
図6B】ウェブが折り畳みボードアセンブリを通って機械方向に移動するときのウェブと折り畳みボードの連続図である。
【
図6C】ウェブが折り畳みボードアセンブリを通って機械方向に移動するときのウェブと折り畳みボードの連続図である。
【
図8A】折り畳みボードの様々な実施形態の図である。
【
図8B】折り畳みボードの様々な実施形態の図である。
【
図8C】折り畳みボードの様々な実施形態の図である。
【
図8D】折り畳みボードの様々な実施形態の図である。
【
図8E】折り畳みボードの様々な実施形態の図である。
【
図8F】折り畳みボードの様々な実施形態の図である。
【
図8G】折り畳みボードの様々な実施形態の図である。
【
図8H】折り畳みボードの様々な実施形態の図である。
【0045】
本明細書および図面における参照符号の繰り返しの使用は、本発明の同一または類似の特徴または要素を表すことを意図している。
【発明を実施するための形態】
【0046】
次に、本発明の様々な実施形態を詳細に参照し、その1または複数の例を以下に示す。各例は、本発明の説明のために提供され、本発明を限定するものではない。実際、本発明の範囲または精神から逸脱することなく、本発明において様々な修正および変更を行うことができることは、当業者には明らかであろう。例えば、一実施形態の一部として図示または説明されている特徴を別の実施形態で使用して、さらに別の実施形態をもたらすことがある。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲およびそれらの同一の範囲内にあるような修正および変形を網羅することが意図されている。本願の目的のために、類似の特徴は、図の間の類似の番号によって示している。
【0047】
一般的に言えば、本発明は、製造ラインにおいてテキスタイル製品にプリーツを形成するための自動化方法およびそのための自動化製造ラインシステムに関する。自動化製造ラインシステムは、例えば、毎分約200フィートから毎分約900フィート(60.96メートルから274.32メートル)の間の速度でウェブを搬送するコンベアを含むとよい。本発明の目的のために、用語「テキスタイル製品」は、一般に「不織布ウェブ」と呼ばれ、個々の繊維または糸が交互に配置されているが、識別可能で反復的な方法ではない構造を有するウェブを含む。不織布ウェブは、過去において、例えば、メルトブローイングプロセス、スパンボンドプロセス、および接着カードウェブプロセスなどの様々なプロセスによって形成されてきた。
【0048】
用語「メルトブローン繊維」とは、溶融した熱可塑性材料を、溶融した糸またはフィラメントとして複数の微細な、通常は円形のダイキャピラリーを介して、溶融した熱可塑性材料のフィラメントを減衰させて直径を小さくする高速気体(例えば、空気)流に押し出すことによって形成された繊維を意味し、これは、マイクロファイバーの直径であってもよい。
【0049】
その後、メルトブローン繊維は高速気体流によって運ばれ、収集表面に堆積して、ランダムに分散されたメルトブローン繊維のウェブを形成する。
【0050】
用語「スパンボンド繊維」は、溶融した熱可塑性材料を、通常は円形の細いキャピラリーの複数の紡糸口金からフィラメントとして押し出し、押し出されたフィラメントの直径を、例えば、エダクティブドローイングまたは他のよく知られたスパンボンド機構によって急速に減少させることにより形成される小径の繊維を意味する。
【0051】
自動化製造ラインシステムは、一対の折り畳みボードを有する折り畳みボードアセンブリを含んでいてもよい。折り畳みボードアセンブリは、ウェブが通過するときにウェブを折り畳むように構成されている。例えば、ウェブが折り畳みボードアセンブリを通過するとき、一対の折り畳みボードは、ウェブを折り畳んでもよい。このプロセス中、ウェブと折り畳みボードアセンブリ間の摩擦により熱が発生し、折り畳みボードアセンブリの温度が上昇し、ウェブが加熱されるが、多くのテキスタイル製品は熱に敏感であり、高温で損傷することがある。そのような損傷は、材料の一部を変色または変形させることによりテキスタイル製品の審美的魅力を低下させ、重度な場合には穴が開いたり、変形したりしてテキスタイル製品が完全に使用できなくなる可能性がある。
【0052】
開示されたシステムおよび方法を使用して折り畳むことができるテキスタイル製品の例として、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、またはポリエステルから形成された様々な製品が含まれる。これらの材料は、例えば、繊維グレードのスパンボンドポリプロピレン(SBPP)、繊維グレードのメルトブローンポリプロピレン(MBPP)、および低密度ポリエチレン(LDPE)を含んでいてもよい。
【0053】
しかしながら、任意の適切なテキスタイル製品のウェブは、本明細書に開示される自動化製造ラインシステムおよび方法を使用して折り畳まれてもよい。
【0054】
いずれにせよ、これらの材料は、材料が過度の熱により損傷を受けるそれぞれの融点を有する。たとえば、繊維グレードのSBPPは一般に220°Fから290°F(約104℃から約143℃)の範囲の溶融温度を有し、繊維グレードのMBPPは一般に270°Fから310°F(約132℃から約154℃)の範囲の溶融温度を有する。さらに、繊維グレードのLDPEは一般に255°Fから275°F(約123℃から135℃)の範囲の溶融温度を有する。
【0055】
したがって、温度に敏感な材料への損傷を防ぐために、いくつかの実施形態では、ウェブが毎分約200フィートから毎分約900フィート(60.96メートルから274.32メートル)の間の速度で搬送されている間、折り畳みボードアセンブリは、製造中に約350°F(約176℃)未満の温度に維持されてもよい。
【0056】
しかしながら、他の実施形態では、折り畳みボードアセンブリは、さらに大きな温度感受性を有する材料を折り畳むために使用されることがあるため、より低い温度に維持されてもよい。
【0057】
例えば、いくつかの実施形態では、折り畳みボードアセンブリは、約325°F(約162℃)未満の温度に維持されてもよい。他の実施形態では、折り畳みボードアセンブリは、約300°F(148℃)未満の温度に維持されてもよい。他の実施形態では、折り畳みボードアセンブリは、約275°F(135℃)未満の温度に維持されてもよい。他の実施形態では、折り畳みボードアセンブリは、約250°F(約121℃)未満の温度に維持されてもよい。一部の実施形態では、折り畳みボードアセンブリは、約240°F(約115℃)未満の温度に維持されてもよい。他の実施形態では、折り畳みボードアセンブリは、約220°F(約104℃)未満の温度に維持されてもよく、他の実施形態では、折り畳みボードアセンブリは、約200°F(約93℃)未満の温度に維持されてもよい。折り畳みボードは、折り畳まれているテキスタイル製品の特性に応じて、さらに低い温度に維持されることがある。本明細書で使用される場合、「約」は、列挙された値の±5%以内に入る値を包含するために使用される。
【0058】
能動的または受動的冷却システムおよび方法を使用して、折り畳みボードから熱を除去し、折り畳みボードアセンブリの温度を維持し、折り畳みボードアセンブリの過度の加熱を防止してもよい。例えば、自動化製造ラインシステムは、冷却流体を使用して一対の折り畳みボードを冷却するように構成された冷却システムを含んでもよい。冷却システムは、折り畳みボードの一方の内部の通路、折り畳みボードの外周、またはそれらの両方に冷却流体を移動させてもよい。この冷却システムは、一対の折り畳みボードを冷却する他の手段として、液体または気体であってよい流体を移動させるポンプや送風機などを含んでもよい。代替的に、または上記の冷却システムに加えて、いくつかの実施形態では、折り畳みボードアセンブリは、その受動的冷却を増大させるように構成されてもよい。例えば、熱放散を改善するためにサーマルフィンが折り畳みボードアセンブリに熱的に接合されていてもよく、発熱を低減するために折り畳みボードがウェブとの摩擦を最小限に抑えるように設計されていてもよく、またはそれらが組み合わせられていてもよい。
【0059】
図1は、製造ラインのテキスタイル製品のウェブ104にプリーツまたは折り目110を形成するための自動化製造ラインシステム100を示す。製造ラインシステム100は、テキスタイル製品のウェブ104を製造中に搬送する1以上のコンベア102を有する。コンベア102は、一般に、円筒形状を有するローラであって、テキスタイル製品のウェブ104は、それらのそれぞれの外周の一部の周囲でコンベア102と接触してもよい。あるいは、コンベア102は、例えば真空コンベアを含む、任意の適切な物品コンベアであってもよい。
図1に概略的に示すように、コンベア102は、折り畳みボードアセンブリ106を通過してウェブ104を運ぶ。
【0060】
いくつかの実施形態では、コンベア102は、毎分約200フィートから毎分約900フィート(60.96メートルから274.32メートル)の間の速度でウェブ104を搬送してもよい。いくつかの実施形態では、コンベア102は、毎分約300フィートから毎分約900フィート(91.44メートルから274.32メートル)の間の速度でウェブ104を搬送してもよい。いくつかの実施形態では、コンベア102は、毎分約400フィートから毎分約900フィート(121.92メートルから274.32メートル)の間の速度でウェブ104を搬送してもよい。いくつかの実施形態では、コンベア102は、毎分約500フィートから毎分約700フィート(152.4メートルから213.36メートル)の間の速度でウェブ104を搬送してもよい。他の実施形態では、コンベア102は、毎分約550フィートから毎分約750フィート(167.64メートルから228.6メートル)の間の速度でウェブ104を搬送してもよい。
【0061】
図2は、折り畳みボードアセンブリ106およびそれを通過するウェブ104の一実施形態の斜視図を示している。しかしながら、本明細書に開示される方法およびシステムは、任意の適切な折り畳みボードアセンブリに適用可能である。ウェブ104は、折り畳みボードアセンブリ106へ機械方向108に入る。折り畳みボードアセンブリ106は、機械方向108と、機械方向108に垂直である横機械方向111の両方に概ね平行な1または複数のプレート114、116を含む。1組の上部折り畳みボード112が上部プレート114に取り付けられ、1組の下部折り畳みボード113(
図3参照)が下部プレート116に取り付けられる。折り畳みボード112、113は、概ね機械方向108に延びる。
【0062】
ウェブ104は、横機械方向111において第1の幅120を有する折り畳みボードアセンブリ106へ入り、横機械方向111において第1の幅120よりも小さい第2の幅122を有する折り畳みボードアセンブリ106から出る。折り畳みボードアセンブリ106は、ウェブ104にプリーツ110を形成することにより、ウェブ104の幅を実質的に減少させる。さらに
図2に示すように、平坦化部材126が、折り畳みボードアセンブリ106の下流に配置されていてもよい。平坦化部材126は、ウェブ104の後の処理中にそれらの形状を維持するために、新しく形成されたプリーツ110をプレスする。例えば、後の処理において、ウェブ104は、長方形片に切断され、フェイスマスクまたは他の適切な物品に形成されてもよい。
【0063】
図3は、折り畳みボードアセンブリ106の等角図を示している。折り畳みボードアセンブリ106は、自動化製造ラインシステム100において折り畳みボードアセンブリ106を支持するように構成された支持構造アセンブリ128を含む。支持構造アセンブリ128は、1または複数のブラケット129、留め具131、およびベース部材133を含んでもよい。留め具131およびブラケット129は、折り畳みボードアセンブリ106を1または複数のベース部材133に取り付ける。ベース部材133は、任意の適切な手段を使用して、支持面(図示せず)に取り付けられる。ブラケット129は、プレート114、116の両側に配置された細長い部材として示されているが、支持構造アセンブリ128の任意の適切な構成を使用して、折り畳みボードアセンブリ106を支持面に取り付けてもよい。例えば、折り畳みボードアセンブリ106は、支持表面に溶接又は、接着等されてもよい。
【0064】
図4および
図5は、それぞれ、
図1および
図2に示された折り畳みボードアセンブリ106の上面図および側面図を示す。プレート114、116は、Z方向118において距離119分オフセットされている。Z方向118は、機械方向108および横機械方向111の両方に垂直である。折り畳みボードアセンブリ106は、折り畳みボード112、113のペア115を3ペア含み、各ペア115のそれぞれは、上部折り畳みボード112および下部折り畳みボード113を含む。さらに、本実施形態では、折り畳みボード112、113の全体的な配置が、横機械方向111において上部折り畳みボード112と下部折り畳みボード113とが交互になるように、折り畳みボード112、113の各ペア115は、交互配置されている。単一の上部折り畳みボード112が、折り畳みボード112、113の3つのペア115の両側に配置されてもよい。
【0065】
図4および5を参照すると、折り畳みボードアセンブリ106は、機械方向108に沿って4つのセクション136、138、140、142を有する。折り畳みボード112、113は機械方向108と、プレート114、116の間のZ方向118の概ね両方に延びている。プレート114、116は、Z方向118に対して概ね垂直である。本明細書で使用される場合、「概ね」は、2つの特徴間の相対角度を指す場合、±20度を意味する。上記で使用したように、プレート114、116は、Z方向118に対して70度と100度の間の角度で配置される。
【0066】
上部および下部折り畳みボード112、113のそれぞれは、第1のセクション136にそれぞれの前縁130および第4のセクション142にそれぞれの後縁132を有する。
図4に示すように、折り畳みボード112、113の後縁132は、横機械方向111および機械方向108において前縁130からオフセットされている。折り畳みボード112、113は、前縁130から後縁132へと横機械方向111に沿って折り畳みボードアセンブリ106の中央に向かって概ね収束する。折り畳みボードアセンブリ106は、一般的に、後縁132よりも折り畳みボード112、113の前縁130においてより幅広になっている。
【0067】
図5に最もよく示されているように、折り畳みボードアセンブリ106の第1のセクション136において、上部折り畳みボード112の前縁130は、Z方向118において上部プレート114から下方に突出している。同様に、下部折り畳みボード113の前縁130は、Z方向118において下部プレート116から上方に突出している。ウェブ104が折り畳みボードアセンブリ106を通って搬送されると、第1のセクション136で、折り畳みボード112、113のペア115がウェブ104に係合し、折り畳みボード112、113間でウェブ104を強制的に「ジグザグ」の形態にする。第1および第2のセクション136、138双方において、折り畳みボード112、113は、折り畳みボードアセンブリ106の中央に向かって内側に角度が付けられている。したがって、ウェブ104が第2の第1および第2のセクション136、138を通って搬送されるとき、ウェブ104は横機械方向111に一緒に引っ張られる。
【0068】
第3のセクション140では、折り畳みボード112、113は、機械方向108に沿って、プレート114、116に垂直な方向に概ね延びている。最後に、第4のセクション142では、折り畳みボード112、113がプレート114、116と概ね平行に配置されるように、折り畳みボード112、113が機械方向108に沿ってねじれる。さらに、横機械方向111に沿った折り畳みボード112、113の端部として画定される折り畳みボード112、113のそれぞれの後縁132もまた、プレート114、116と概ね平行に配置される。ウェブ104が第4のセクション142を通って引っ張られるとき、機械方向108における折り畳みボード112、113のねじれは、ウェブ104の「ジグザグ」形態を回転させてプリーツ110を形成する。
【0069】
図6A~6Cは、ウェブ104が折り畳みボードアセンブリ106の最初の3つのセクション136、138、140をそれぞれ通過するときのウェブ104の様々な形状プロファイルを示している。
図6A~6Cでは、折り畳みボード112、113は、
図5から90度回転して示されている。プレート114、116は、明確にするために省略されている。ウェブ104は、折り畳みボードアセンブリ106(図示せず)に入る前は、横機械方向111において概ね平坦である。
【0070】
図6Aは、折り畳みボードアセンブリ106の第1のセクション136におけるウェブ104の一般的な形状を示す。折り畳みボード112、113は、ウェブ104を「ジグザグ」の形態にしているが、
図5に示すように、第1のセクション136では、折り畳みボード112、113は、プレート114、116の間の全距離119に渡って延びていない。
【0071】
図6Bは、折り畳みボードアセンブリ106の第2のセクション138におけるウェブ104の一般的な形状を示している。折り畳みボード112、113は、第1のセクション136よりも第2のセクション138のプレート114、116の間のZ方向118にさらに延びており、その結果、ウェブ104の「ジグザグ」の形態がより顕著になる。第2のセクション138では、折り畳みボード112、113は、ウェブ104が通過するのに十分な隙間を残しながら、プレート114、116の間の距離119の大部分を横切って延びてもよい。例えば、上部プレート114と下部折り畳みボード113の間、および下部プレート116と上部折り畳みボード112の間のそれぞれの隙間は、ウェブ104の厚さよりも1.1倍から4倍大きくてもよい。他の実施形態では、折り畳みボード112、113は、プレート114、116間の距離119の約70%から95%の間で延ばしてもよい。第2のセクション138では、横機械方向111におけるウェブの全幅は、第1のセクション136から減少している。
【0072】
図6Cは、折り畳みボードアセンブリ106の第3のセクション140におけるウェブ104の一般的な形状を示し、折り畳みボード112、113は、
図2に示されたウェブ104の第1の幅120よりもウェブ104の横機械方向11の幅はさらに減少している。最後に、ウェブ104が第4のセクション142を通って運搬されると、折り畳みボード112、113は、機械方向108に沿ってねじれて、
図2に示すようにウェブ104のプリーツ110を平坦にする。
【0073】
図2~
図5に示す折り畳みボードアセンブリの実施形態を参照して説明したが、本明細書に記載されるシステムおよび方法は、当技術分野で知られている任意の適切な折り畳みボードアセンブリに適用可能であることを理解されたい。例えば、別の実施形態では、折り畳みボードは、主に横機械方向111およびZ方向118に延びていてもよく、ウェブ104が通過する際にウェブ104を「ジグザグ」の形態にするための、機械方向108に形成された溝を有していてもよい。そのような実施形態では、第2の折り畳みボードは、主に機械方向108および横機械方向111に延びて、ウェブ104の折り畳みを完了することができる。別の実施形態では、1または複数の隣接するローラは、「ジグザグ」の形態を有していてもよく、折り畳みボードがウェブ104を平らにしてウェブの折り畳みを完了する前に、ウェブ104を「ジグザグ」の形態にするように構成されていてもよい。
【0074】
上述したように、ウェブ104のプリーツ加工の間、ウェブ104と折り畳みボードアセンブリ106との間の摩擦が熱を発生させる。したがって、本発明は、この熱を放散させ、折り畳みボードアセンブリ106の動作温度を低下させる冷却システム150を企図する。いくつかの実施形態では、冷却システム150は、冷却流体を使用して折り畳みボードアセンブリ106を冷却するよう構成される。冷却流体は、液体または気体であってよく、いくつかの実施形態では、冷却流体は、冷却プロセス中に液体と気体の間で状態を変化させてもよい。
【0075】
冷却システム150の一実施形態の概略図が
図7に示されている。冷却システム150は、折り畳みボードアセンブリ106と流体接続するポンプ154および熱交換器158を含む。ポンプ154は、ポンプ154、熱交換器158、および折り畳みボードアセンブリ106を接続する1または複数の導管162を通じて冷却流体の流れを提供して、冷却システム150を通して冷却流体を循環させる。この実施形態では、冷却システム150は、熱交換器158から受け取った冷却流体を、折り畳みボードアセンブリ106を介して再び循環させる閉回路システムである。冷却システム150は、折り畳みボードアセンブリ106(矢印155にて示す)で生成された摩擦熱を除去し、熱交換器158は、周囲領域(矢印156にて示す)へ熱を放散する。
【0076】
折り畳みボードアセンブリ106は、1または複数のチューブまたはその中に配置される通路を含み、冷却システム150は、チューブまたは通路を通る冷却流体の流れを提供して、折り畳みボードアセンブリ106から熱を放散させる。
【0077】
図8A~8Eは、
図4の断面A-Aに沿った折り畳みボード112の様々な実施形態の断面図である。
図8Aに示すように、折り畳みボード112、113のペア115のうちの1または複数は、通路144を含むことができ、冷却システム150は、通路144を通じて冷却流体を提供するように構成してもよい。
図8Aは、概ね機械方向108に延びる通路144を有する折り畳みボード112の一実施形態の断面図を示す。折り畳みボード112は、通路144と流体的に接続された入口170および出口174を有していてもよく、それにより、冷却システム150は、通路144を通って出口174から出る冷却流体の流れを入口170に提供してもよい。通路144は機械方向108に沿ってほぼ真っ直ぐに示されているが、任意の適切な形状を有していてもよい。例えば、通路144は、その実質的な長さが増加して熱放散を改善するように、折り畳みボード112を通ってZ方向118に上向きおよび下向きに折り曲げたり、または巻きつけたりしてもよい。
【0078】
図8Bは、内部に通路144が配置された折り畳みボード112の別の実施形態を示している。この実施形態では、折り畳みボード112は、
図8Aに示す折り畳みボード112の外形と同様に成形された露出チューブ176を含む。例えば、この実施形態では、折り畳みボード112は、主に露出したチューブ176からなっていてもよい。チューブ176は、入口170から出口174への通路144を提供し、冷却システム150はそれを通って、折り畳みボード112から熱を放散させるための冷却流体を提供してもよい。この実施形態では、折り畳みボード112の外面は、チューブ176の外面を含む。折り畳みボード112の一部は、単に冷却流体が供給される露出チューブ176である。例えば、折り畳みボード112の大部分は、チューブ176であってもよい。
【0079】
上記の実施形態では、入口170は前縁130に隣接して示され、出口174は後縁132に隣接して示されている。
【0080】
しかしながら、当業者は、通路144を通る冷却流体の流れが折り畳みボード112から熱を放散するために、入口170および出口174が任意の適切な方法で構成され得ることを理解するであろう。通路144は、上部折り畳みボード112を介して示されているが、同様の通路144を下部折り畳みボード113に配置してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、通路144は、
図2~
図5に示される折り畳みボードアセンブリ106の上部および下部折り畳みボード112、113の一部またはすべてを介して配置されてもよい。さらに、
図8Bに示されるように、折り畳みボード112、113の一部またはすべては、主に露出したチューブ176からなるように構成されてもよい。
【0081】
いくつかの実施形態では、冷却システム150は、折り畳みボード112、113、または支持構造アセンブリ128の1つに熱的に結合された1または複数の構造を通して冷却流体を提供してもよい。例えば、
図3に戻って言及すると、支持構造アセンブリ128の1または複数の構成要素129、131、133は、その中に配置された通路(図示せず)を含んでいてもよく、冷却システム150はその通路を通じて、折り畳みボードアセンブリ106から熱を放散するための冷却流体を提供するよう構成されてもよい。例えば、プレート114、116のうちの1以上は、通路がプレナム内の大きな空洞となるように、プレナムとして構成されてもよい。
【0082】
本明細書で使用される「熱的に結合された」とは、熱がそれらの間を流れることができるように接続されていることを意味する。
【0083】
図8Cを参照すると、支持構造アセンブリ128から分離されてもよい追加構造184は、1以上の折り畳みボード112、113に直接熱的に結合されてもよく、その中に配置された通路144を含んでいてもよい。上述したように、追加構造184は、冷却システム150が冷却流体を供給するよう構成される入口170および出口174を含んでいてもよい。
【0084】
同様に、
図8Dに示す別の実施形態では、追加構造184は、折り畳みボード112が取り付けられるプレート114に結合されてもよい。あるいは、追加構造184は、支持構造アセンブリ128と熱的に結合されてもよい。追加構造184は、通路144、入口170、および出口174を含んでいてもよい。
図8Dと8Eにおいて、通路144は機械方向108にらせん状に巻かれたものとして示されている。
【0085】
他の実施形態では、通路144は、代わりに横機械方向111で前後に蛇行してもよい。これらの構成は、通路144の長さおよび冷却流体と追加構造184との間の接触面積を増加させることにより、熱放散を改善することができる。しかしながら、追加構造184を通る通路144は、任意の適切な形状を有していてもよい。同様に、入口170および出口174は、冷却システム150が通路144を通る冷却流体の流れを提供して、折り畳みボードアセンブリ106から熱を放散することができるように、追加構造184上の任意の適切な位置に配置されていてもよい。
【0086】
図8Eを参照すると、冷却システム150は、折り畳みボード112、113、支持構造アセンブリ128、または追加構造184のうちの1または複数の中に配置された1または複数の通路144を介して気体の流れを提供するように構成された、ファンまたは送風機178を含んでいてもよい。例えば、
図8Eに示すように、送風機178は、導管162を介して通路144の入口170と流体的に接続されてもよい。折り畳みボード112は、ウェブ104との接触面192を含んでもよく、通路144の1以上の出口174は、気体が出口174を通って流出するように、接触面192に隣接して配置されてもよい。
【0087】
本明細書で使用される場合、「隣接する」は、近くにあることまたは上にあることの両方を指す。したがって、上記の実施形態では、通路144の出口174は、ウェブ104との接触面192上に配置してもよい。さらに、2つの出口174を有するものとして示されているが、通路144は、ウェブ104との接触面192に沿って配置された追加の出口174を有していてもよい。例えば、出口174は、接触面192の最も過熱しやすい部分に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、複数の通路144が単一の折り畳みボード112内に配置されてもよい。さらに、冷却システム150は、通路144に気体を供給する前に気体を冷却して、折り畳みボード112をより効果的に冷却するように構成されてもよい。出口174からの気体の流れはまた、ウェブ104と折り畳みボード112との間の摩擦を低減することがある。
【0088】
別の実施形態では、冷却システム150は、折り畳みボード112、113のペア115のうちの少なくとも1つとウェブ104との間の接触領域に向けられる外部空気流を提供するように構成されてもよい。例えば、
図3へ戻って言及すると、冷却システム150は、折り畳みボードアセンブリ106に隣接して配置され、対流によって折り畳みボードアセンブリ106からの熱を放散するために、プレート114、116の間に外部空気流を提供するように構成されたファンまたは送風機178を構成してもよい。
【0089】
上述の冷却システム150に加えて、またはその代替として、折り畳みボードアセンブリ106は、受動的手段を通じて熱をより効果的に放散するように設計されてもよい。例えば、1または複数のサーマルフィン200は、サーマルフィン200が折り畳みボードアセンブリ106から熱を引き出すように折り畳みボードアセンブリ106の構成要素と熱的に結合されてもよい。例えば、
図8Fに示されるように、サーマルフィン200は、折り畳みボードアセンブリ106の上部プレート114に取り付けられてもよい。
【0090】
しかしながら、他の実施形態では、サーマルフィン200は、折り畳みボード112、113、または他の任意の適切な構造(例えば、支持構造アセンブリ128または追加構造184など)に直接取り付けられ、熱が折り畳みボード112、113からサーマルフィン200へ流れるようになっていてもよい。サーマルフィン200は、機械方向108において折り畳みボード112の長さのごく一部にのみ延びるように示されているが、サーマルフィン200は、任意の適切な寸法であってよく、任意の適切な材料を含んでいてもよい。例えば、サーマルフィン200は、アルミニウム、スチールなどのような熱伝導性材料で作られていてもよい。さらに、サーマルペーストまたは接着剤を使用して、サーマルフィン200を接着してもよい。対流を介して折り畳みボードアセンブリ106からの熱放散を改善するように、任意の適切な方法がサーマルフィン200を熱的に結合するために使用されてもよい。
【0091】
受動的および/または強制対流を使用して、サーマルフィン200から熱を除去してもよい。例えば、一実施形態では、
図3を参照して説明した送風機178を使用して、サーマルフィン200上に空気の流れを提供してもよい。いくつかの実施形態では、カウリングは、送風機178からの空気の流れをサーマルフィンの上に導くために、サーマルフィン200の一部またはすべての周りに配置されてもよい。そのような構成は、サーマルフィン200から空気の流れへの対流を改善することができる。
【0092】
折り畳みボードアセンブリ106または折り畳みボード112、113自体が、折り畳みボードアセンブリ106の受動冷却を改善するように設計または構成されていてもよい。例えば、
図8Gは、折り畳みボード112の一部を貫通して画定された複数の孔204を有する折り畳みボード112を示す。例えば、孔204は、横機械方向111に延びていてもよい。明確に記述するために、
図8Gでは、孔204の3つだけに符号付けされている。このような構成は、折り畳みボードアセンブリ106を通る空気循環を改善し、それによって対流による受動的熱放散を改善することができる。
【0093】
折り畳みボード112の不連続面は、ディンプル、バンプ、孔、スロット、溝、またはそれらの組み合わせを含んでいてもよい。ウェブ104が自動化製造ラインシステム100を通過するとき、折り畳みボード112の不連続面はウェブ104に接触してもよい。他の実施形態では、折り畳みボード112の1または複数の端部は、ウェブ104に接触する不連続面を有していてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、前縁130は不連続面を有していてよい。不連続面は、例えば、複数の孔と、孔に隣接するバンプまたは隆起部とを含んでいてもよい。このような構成は、バンプまたは隆起部が折り畳みボード112とウェブ104との間の接触面積を減少させることがあるため、発熱を減少させることがある。同様に、孔が接触面近くの空気の流れを改善するため、そのような構成は熱放散を改善することがある。
【0094】
図8Hを参照すると、別の実施形態では、折り畳みボード112は、ウェブ104と折り畳みボード112との間の境界面に1または複数のローラ208を含む。ローラ208は、折り畳みボード112に回転可能に取り付けられ、任意の適切な形状を有し、任意の適切な方法を使用して取り付けられてもよい。例えば、ローラ208は、円筒形または球形であってもよく、軸方向ベアリングを用いて取り付けられてもよく、または代替的に、部分的に、それらが自由に回転するようにソケット内に配置されてもよい。
【0095】
ローラ208は、ウェブ104と折り畳みボード112との間の摩擦を低減することができる。例えば、ウェブ104がローラ208上を搬送されると、ローラ208は、ウェブ104の表面に沿って転がり、ウェブ104の接触面192と折り畳みボード112との間の滑り接触を防止または低減することができる。その結果、ローラ208は、折り畳みボード112とウェブ104との間の境界面での発熱を低減することができる。
【0096】
上記の実施形態は、単一の上部折り畳みボード112を参照して説明されているが、
図2~
図5に示される折り畳みボードアセンブリ106の折り畳みボード112、113の一部またはすべては、
図8G~8Hに示されるように構成されてもよい。さらに、本明細書に記載のシステムおよび方法の任意の適切な組み合わせを組み合わせて使用してもよい。例えば、
図8Gに記載および示される折り畳みボード112は、冷却システム150が冷却流体を提供する通路を含んでいてもよい。そのような実施形態では、冷却システム150は、通路を通る液体の流れを提供する閉鎖システムとしてもよい。
【0097】
あるいは、
図8Eを参照して説明したように、冷却システムは気体の流れを提供してもよく、出口は、
図8Gに示す孔204を画定する折り畳みボード112の内縁に沿って配置されてもよい。
【0098】
いくつかの実施形態では、折り畳みボードアセンブリ106は、ウェブ104との摩擦を低減するために低摩擦コーティングを含むとよい。例えば、折り畳みボード112は、ウェブ104と接触する折り畳みボードの一部に沿ってそのようなコーティングを含むことよい。低摩擦コーティング材料の例には、酸化ジルコニウム、Aerolon(Tnemec Company、Inc.から市販されているコーティング)、セラミック、およびエンジニアリングプラスチックが含まれる。当業者は、本明細書に記載された様々な実施形態のさらに別の組み合わせが可能であり、この開示の範囲内であることを理解されたい。
【0099】
上記で特に示され、記載された材料は、限定することを意図するものではなく、それよりも、本主題の様々な例示的な実施形態を示し、教示するのに役立つ。添付の特許請求の範囲に記載されているように、本発明の範囲は、本明細書で論じられている様々な特徴の組み合わせおよび部分的組み合わせの両方を、当技術分野の当業者が想到するような変更および修正とともに含む。