(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-13
(45)【発行日】2022-10-21
(54)【発明の名称】発電機の連続的なバー状の巻き線を形成するための加工法
(51)【国際特許分類】
H02K 15/04 20060101AFI20221014BHJP
H02K 15/09 20060101ALI20221014BHJP
【FI】
H02K15/04 A
H02K15/09
(21)【出願番号】P 2020531589
(86)(22)【出願日】2018-12-27
(86)【国際出願番号】 IB2018060644
(87)【国際公開番号】W WO2019130232
(87)【国際公開日】2019-07-04
【審査請求日】2021-10-15
(31)【優先権主張番号】102017000151114
(32)【優先日】2017-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】512227384
【氏名又は名称】テクノマティック・ソシエタ・ペル・アチオニ
【氏名又は名称原語表記】TECNOMATIC S.P.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】ジュゼッペ・ラナッリ
(72)【発明者】
【氏名】マウリリオ・ミクッチ
(72)【発明者】
【氏名】ジョヴァンニ・ルッギエリ
【審査官】三澤 哲也
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-524977(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0096311(US,A1)
【文献】特開2010-166799(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0261683(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 15/04
H02K 15/09
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電機の連続的なバー状の巻き線(4)を形成するための加工法であって、
型軸(X)、及び前記型軸(X)周りに伸びる円形配列のスロット(11)を有する型(10)を供給するステップ(a)を備えており、
前記円形配列のスロットは、前記発電機の固定子又はローターのスロットの数に等しい複数のスロットを有して、
それぞれの前記円形配列のスロット(11)は、第1開口端面(11A)と第2開口端面(11B)を有しており、
前記第1開口端面(11A)と前記第2開口端面(11B)は、互いに、及び第3開口端面(11C)から軸方向に離間しており、
前記第3開口端面(11C)は、前記第1開口端面(11A)と前記第2開口端面(11B)の間において伸びる長手方向の面であり、
前記加工法は、
導電性バー(20)を供給するステップ(b)と、
前記導電性バーのロック部(21)をロックするステップ(c)と、
前記導電性バー(20)が、前記第1開口端面(11A)の側から前記第2開口端面(11B)の側に向けて、また前記第2開口端面(11B)の側から前記第1開口端面(11A)の側に向けて、前記円形配列のスロット(11)を繰り返し通過するように、前記導電性バー(20)を前記円形配列のスロット(11)に挿入して、前記導電性バー(20)を成形するステップ(d)とを備えるため、
前記導電性バー(20)は、前記円形配列のスロット(11)に受容される複数のバー部(20B,20E,20H)、及び前記第1開口端面(11A)と前記第2開口端面(11B)を越えて突出する複数の接続部(20C,20D,20F,20G)を有しており、
それぞれの前記接続部は、前記円形配列のスロット(11)に受容される1対の前記バー部(20B,20E,20H)を接合しており、
前記ステップ(d)は、
複数の前記バー部の内の第1バー部(20B)を、前記スロット(11)の前記第3開口端面(11C)を通して、前記円形配列のスロット(11)の内のそれぞれの前記スロット(11)に挿入する工程(d1)と、
複数の前記接続部(20C,20D,20F,20G)の内の第1接続部(20C,20D)を成形する工程(d2)と、
複数の前記バー部(20B,20E,20H)の内の第2バー部(20E)を、前記第1バー部(20B)が挿入される前記スロット(11)と異なり、別の前記スロット(11)の前記第3開口端面(11C)を通して、それぞれ別の前記円形配列のスロット(11)に挿入する工程(d3)とを備えており、
前記第1接続部(20C,20D)は、前記第1バー部(20B)と前記第2バー部(20E)が挿入される前記スロット(11)の前記第2開口端面(11B)を越えて突出する前記第1バー部(20B)と前記第2バー部(20E)を接合する、ことを特徴とする加工法。
【請求項2】
前記導電性バー(20)は、矩形バー状の導体であることを特徴とする、請求項1に記載の加工法。
【請求項3】
前記導電性バー(20)と繋がるワイヤ誘導装置(40)を与えて、前記ワイヤ誘導装置(40)と前記導電性バー(20)の間において相対的な移動をできるようにするステップ(e)を備えており、
前記ワイヤ誘導装置(40)は、複数の自由度を備えて、前記ステップ(d)の間、複数の前記バー部を前記円形配列のスロット(11)に挿入することを少なくとも案内するために用いられることを特徴とする、請求項1又は2に記載の加工法。
【請求項4】
前記ワイヤ誘導装置(40)は、摺動できるように前記導電性バー(20)と繋がることを特徴とする、請求項3に記載の加工法。
【請求項5】
前記ワイヤ誘導装置(40)は、前記ステップ(d)の間に加工される複数の導電性バーセグメント(23,26~29)を形成するように、前記導電性バー(20)に対して移動できることを特徴とする、請求項3又は4に記載の加工法。
【請求項6】
前記ワイヤ誘導装置(40)は、6自由度を備えることを特徴とする、請求項3~5のいずれかに記載の加工法。
【請求項7】
前記ワイヤ誘導装置(40)は、前記導電性バー(20)に対して対向するように、又は実質的に対向するように成形されている空洞(41)を備えており、
前記導電性バー(20)は、前記空洞(41)を通過することを特徴とする、請求項3~6のいずれかに記載の加工法。
【請求項8】
前記導電性バー(20)は、特に、巻き取り装置(30)に巻き付けられることを特徴とする、請求項1~7のいずれかに記載の加工法。
【請求項9】
前記ステップ(b)は、複数の前記導電性バー(20)を供給することを備えており、
前記ステップ(c)は、複数の前記導電性バー(20)のそれぞれの前記導電性バー(20)の前記ロック部(21)をロックすることを備えており、
前記ステップ(d)は、それぞれの前記導電性バー(20)が、前記第1開口端面(11A)の側から前記第2開口端面(11B)の側に向けて、また前記第2開口端面(11B)の側から前記第1開口端面(11A)の側に向けて、前記円形配列のスロット(11)を繰り返し通過するように、複数の前記導電性バー(20)のそれぞれの前記導電性バー(20)を前記円形配列のスロット(11)に挿入すること、及び複数の前記導電性バー(20)のそれぞれの前記導電性バー(20)を成形することを備えるため、
それぞれの前記導電性バー(20)は、前記円形配列のスロット(11)に受容される複数の前記バー部(20B,20E,20H)、及び前記第1開口端面(11A)と前記第2開口端面(11B)を越えて突出する複数の前記接続部(20C,20D,20F,20G)を有しており、
それぞれの前記接続部は、前記円形配列のスロット(11)に受容される1対の前記バー部(20B,20E,20H)を接合しており、
前記ステップ(d)は、複数の前記導電性バーのそれぞれの前記導電性バーに対して、前記工程(d1)、前記工程(d2)、及び前記工程(d3)を備えており、
前記ステップ(e)は、互いに独立して作動し得る複数の前記ワイヤ誘導装置(40)を与えることを備えており、
それぞれの前記ワイヤ誘導装置(40)は、複数の前記導電性バー(20)のそれぞれの前記導電性バー(20)と繋がり、複数の自由度を備えて、前記ステップ(d)の間、それぞれの前記バー部の複数の前記バー部(20B,20E,20H)を前記円形配列のスロット(11)に挿入することを少なくとも案内するために用いられることを特徴とする、請求項3~7のいずれかに記載の加工法。
【請求項10】
複数の前記導電性バー(20)のそれぞれの前記導電性バー(20)は、前記第1バー部(20B)、前記第2バー部(20E)、及び第3バー部(20H)を備えており、
複数の前記導電性バー(20)は、同じ数の前記導電性バー(20)をそれぞれ有する前記導電性バーの第1グループ(G1)及び第2グループ(G2)を備えており、
前記円形配列のスロット(11)は、前記スロットの第1グループ(S1)、第2グループ(S2)、及び第3グループ(S3)を備えており、
前記スロットの前記第1グループ(S1)、前記第2グループ(S2)、及び前記第3グループ(S3)は、円周方向に互いに隣接している同じ数の前記スロットを含むそれぞれの前記スロットのグループ(S1,S2,S3)とは異なり、円周方向に互いに隣接しており、
前記スロットのそれぞれの前記グループ(S1,S2,S3)は、前記導電性バーの前記第1グループ(G1)及び前記第2グループ(G2)の前記導電性バー(20)の数と等しい数の前記スロットを有しており、
前記工程(d1)は、前記スロットの前記第3開口端面(11C)により、前記導電性バーの前記第1グループ(G1)の前記第1バー部(20B)を、前記スロットの前記第1グループ(S1)のそれぞれの前記スロットに挿入することを備えており、
前記ステップ(d)はまた、
前記導電性バーの前記第2グループ(G2)の前記第1バー部(20B)を、前記スロットの前記第3開口端面を通して、前記スロットの前記第2グループ(S2)のそれぞれの前記スロットに挿入する前記工程(d1.1)を備えており、
前記工程(d2)は、複数の前記接続部の内の複数の前記第1接続部(20C,20D)を成形することを備えており、
前記第1接続部(20C,20D)は、前記導電性バーの前記第1グループ(G1)に属しており、
前記工程(d3)は、前記導電性バーの前記第1グループ(G1)の前記第2バー部(20E)を、前記スロットの前記第3開口端面(11C)を通して、前記スロットの前記第2グループ(S2)のそれぞれの前記スロット(11)に挿入することを備えており、
前記導電性バーの前記第2グループ(G2)の前記第1バー部(20B)は、前記スロットの前記第2グループ(S2)に挿入されており、
前記ステップ(d)は、複数の前記接続部の内の複数の第2接続部(20F,20G)を成形する工程(d4)を備えており、
前記第2接続部は、前記導電性バーの前記第1グループ(G1)に属しており、
前記ステップ(d)は、前記導電性バーの前記第1グループ(G1)の前記第3バー部(20H)を、前記スロットの前記第3開口端面(11C)を通して、前記スロットの前記第3グループ(S3)のそれぞれの前記スロット(11)に挿入する工程(d5)を備えており、
前記加工法は、複数の前記接続部の内の複数の前記第1接続部(20C,20D)を成形することを備えており、
前記第1接続部は、前記導電性バーの前記第2グループ(G2)に属しており、
前記加工法は、前記導電性バーの前記第2グループ(G2)の前記第2バー部(20E)を、前記スロットの前記第3開口端面(11C)を通して、前記スロットの前記第3グループ(S3)のそれぞれの前記スロット(11)に挿入することを備えており、
前記導電性バーの前記第1グループ(G1)の前記第3バー部(20H)は、前記スロットの前記第3グループ(S3)に挿入されており、
前記導電性バーの前記第1グループ(G1)の前記第1接続部(20C,20D)は、それぞれ、前記スロット(11)の前記第2開口端面(11B)を越えて突出する前記導電性バーの前記第1グループ(G1)の前記導電性バーの前記第1バー部(20B)と前記第2バー部(20E)を接合しており、
前記導電性バーの前記第1グループ(G1)の前記第2接続部(20F,20G)は、それぞれ、前記スロット(11)の前記第1開口端面(11A)を越えて突出する前記導電性バーの前記第1グループ(G1)の前記導電性バーの前記第2バー部(20E)と前記第3バー部(20H)を接合しており、
前記導電性バーの前記第2グループ(G2)の前記第1接続部(20C,20D)は、それぞれ、前記スロットの前記第2開口端面(11B)を越えて突出する前記導電性バーの前記第2グループ(G2)の前記導電性バーの前記第1バー部(20B)と前記第2バー部(20E)を接合することを特徴とする、請求項9に記載の加工法。
【請求項11】
前記工程(d2)は、前記導電性バーの前記第1グループ(G1)の前記第1接続部(20C,20D)を同時に成形することを備えており、
前記工程(d4)は、前記導電性バーの前記第1グループ(G1)の前記第2接続部(20F,20G)を同時に成形することを備えることを特徴とする、請求項10に記載の加工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バー状の巻き線を有する発電機の技術分野、特に、発電機の固定子又はローターの連続的なバー状の巻き線を形成するための加工法に関する。
【背景技術】
【0002】
限定するためではなく、例えば、発電機の固定子に関して、例えばハイブリッド車(HEV)に適用される発電機又は電動機が知られていて、固定子を形成する。この固定子において、固定子の巻き線は複数の導電性バーにより形成される。この導電性バーは、バー状の巻き線を形成するように巻き付けられて、互いに接続している。
【0003】
特に、背景技術は、矩形断面を有する導電性バーにより形成されるバー状の巻き線を含む。この矩形は、四角形の断面と「平坦な」断面の両方を示しており、一般的に、断面の2つの側が他の2つの側よりも小さい矩形断面を示す。
【0004】
バー状の巻き線を有する固定子を形成するための背景技術の1つの方法は、通常、直線状のバーから始まり、「U」字又は「P」字状の曲げにより加工される導電性バーの使用に基づいている。米国特許7480987号は、(「ヘアピン導体」と呼称される)導電性バーを加工するための方法の実施例を示す。
【0005】
「U」字又は「P」字状に加工される導電性バーは、従来、異なる長さの2つの隣接するアームを有する。この2つのアームは、接続部により、2つのアームの他方に接続される端部、及び反対側の自由な端部をそれぞれ有する。特に、例えば、それぞれのバーのアームを実質的に「開く」ように構成されている「U」字又は「P」字状に加工される導電性バーが第1種の巻き付けを行われて、第1種の巻き付けを行われた導体を固定子鉄心のスロットに挿入して、導体の自由端が第2種の巻き付けを行われて、溶接を形成する導電性バーの間の適切な電気的接続を得るように、導電性バーの自由端を溶接することが、固定子を形成するために知られている。例えば、上述の種類の「P」字又は「U」字初期形状のバーから得られるバー状の巻き線を有する固定子が、米国特許8922078号に記載されている。
【0006】
上述の方法で「P」字又は「U」字初期形状のバーから形成される、バー状の巻き線を有する固定子の不利な点は、導体の間の適切な電気的接続を得るため、大量且つ高価な溶接、及び比較的複雑な加工法、例えば、巻き付いている側面の溶接などが要求されることである。
【0007】
バー状の巻き線を有する固定子を形成するための背景技術の別の方法は、「連続導体」と呼称されることもある連続的な導電性バーの使用に基づいている。特に、そのようなバーは、それぞれ、第1側から第2側に向けて、また第2側から第1側に向けて固定子鉄心を繰り返し通過するように成形される。連続的な導電性バーによる巻き付けは、複数のバーの間の電気的接続を形成するため、非常に少ない数の溶接を要求することについて、有利な点を有する。この複数のバーは、上記「P」字又は「U」字初期形状の導体から得られるバー状の巻き付けに関して、巻き付けを形成する。
【0008】
連続的な導電性バーの巻き線を有する固定子に関して、対となる相補的な型により、平面において、略波状の平面形状を有するように、導電性バーの巻き線をそれぞれ初期成形することが特に知られている。したがって、得られる初期成形されたバーは、円形構造となるように巻き付けられて、固定子鉄心のスロットに挿入される。特に、例えば、初期成形されたバーを、互いに接続している複数の固定子鉄心のセグメントから構成されている「セグメント」状に形成されている固定子鉄心に挿入することが知られている。また、上述の初期成形された連続的な導電性バーを「柔軟」な固定子鉄心に挿入することが知られている。米国公開特許2014/0292123号は、適切に成形されている連続的な導電性バーを上述の種類の柔軟な固定子鉄心に挿入するための方法を記載している。
【0009】
セグメント状の固定子鉄心の使用、又は柔軟な固定子鉄心の使用を要求する、連続的な導電性バーの巻き線を有する固定子を形成するための上述の背景技術の加工法は、欠点を有する。例えば、この加工法は、形成される特定の種類の巻き線に応じて、供給される異なる型を要求するとき、互いに異なる種類の巻き線を汎用的な方法で形成できないことの不利な点を有する。また、この加工法は、ラミネート加工された巻き線だけが形成され得ることの不利な点を有する。この巻き線のそれぞれの位相は、同じクラウンに位置して、固定子鉄心のスロットにおける導電性バーの特定の構造を有する一部の種類の巻き線を形成できない。また、この加工法は、電磁気の観点から、上述の種類の「柔軟」な固定子鉄心と「セグメント状」の固定子鉄心が不利な点を有することにより、欠点を有する。
【発明の概要】
【0010】
本発明の主な目的は、発電機の固定子又はローターの連続的なバー状の巻き線を形成するための加工法を提供することである。この加工法により、少なくとも部分的に、背景技術に関連する上述の欠点を克服することができる。
【0011】
本発明の態様によれば、上述の目的に加えて、又は代替として、本発明の目的は、互いに異なる種類の巻き線を汎用的な方法で形成し得る、発電機の固定子又はローターの連続的なバー状の巻き線を形成するための加工法を提供することである。
【0012】
本発明の態様によれば、上述の目的に加えて、又は代替として、背景技術の加工法に関して代替となる種類の発電機の固定子又はローターの連続的なバー状の巻き線を形成するための加工法を提供することである。
【0013】
これらの目的及び他の目的は、主な実施形態に添付の請求項1、及び特定の実施形態の独立請求項において定められている加工法により達成される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明は、決して限定することなく、添付図面に関する説明により、以下の実施形態の詳細な記述から明らかになる。
【
図1】
図1は、バー状の巻き線を備える発電機の固定子の斜視図を示す。
【
図2】
図2は、
図1のバー状の巻き線を形成するための好ましい実施形態に従って、加工法のステップを示す正面図である。
【
図3】
図3は、
図2に示すステップを異なる角度から見る側面図である。
【
図4】
図4は、
図1のバー状の巻き線を形成するための好ましい実施形態に従って、加工法のステップを示す正面図である。
【
図5】
図5は、
図4に示すステップを異なる角度から見る側面図である。
【
図6】
図6は、
図1のバー状の巻き線を形成するための好ましい実施形態に従って、加工法のステップを示す正面図である。
【
図7】
図7は、
図6に示すステップを異なる角度から見る側面図である。
【
図8】
図8は、
図1のバー状の巻き線を形成するための好ましい実施形態に従って、加工法のステップを示す正面図である。
【
図9】
図9は、
図8に示すステップを異なる角度から見る側面図である。
【
図10】
図10は、
図1のバー状の巻き線を形成するための好ましい実施形態に従って、加工法のステップを示す正面図である。
【
図12】
図12は、
図1のバー状の巻き線を形成するための好ましい実施形態に従って、加工法のステップを示す正面図である。
【
図14】
図14は、
図1のバー状の巻き線を形成するための好ましい実施形態に従って、加工法のステップを示す正面図である。
【
図16】
図16は、
図1のバー状の巻き線を形成するための好ましい実施形態に従って、加工法のステップを示す正面図である。
【
図18】
図18は、
図1のバー状の巻き線を形成するための好ましい実施形態に従って、加工法のステップを示す正面図である。
【
図20】
図20は、
図1のバー状の巻き線を形成するための上述の加工法の別のステップを示す正面図である。
【
図21】
図21は、
図1のバー状の巻き線を形成するための上述の加工法の別のステップを示す正面図である。
【
図22】
図22は、
図1のバー状の巻き線を形成するための上述の加工法の別のステップを示す正面図である。
【
図23】
図23は、
図1のバー状の巻き線を形成するための上述の加工法の別のステップを示す正面図である。
【
図24】
図24は、
図1のバー状の巻き線を形成するための上述の加工法の別のステップを示す正面図である。
【
図25】
図25は、
図1のバー状の巻き線を形成するための上述の加工法の別のステップを示す正面図である。
【
図26】
図26は、
図1のバー状の巻き線を形成するための上述の加工法の別のステップを示す正面図である。
【
図27】
図27は、
図1のバー状の巻き線を形成するための上述の加工法の別のステップを示す正面図である。
【
図28】
図28は、
図1のバー状の巻き線を形成するための上述の加工法の別のステップを示す正面図である。
【
図29】
図29は、
図1のバー状の巻き線を形成するための上述の加工法の別のステップを示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
添付図面において、同じ又は類似の要素は、同じ符号で示す。
【0016】
以下の記述において、「内部」、「外部」、「径」、「円周」、「軸」のような用語、及びそのような用語の変化形、すなわち、例えば、限定することなく、「外部から」又は「円周方向に」のような、該用語から派生する、又は該用語と同様の用語は、後述される軸Xを参照する。
【0017】
まず、
図1を参照して、好ましい実施形態に基づく発電機の固定子を符号1で示す。固定子1は、固定子鉄心2の第1端面2Aと第2端面2Bの間において、互いに対向して伸びる複数の固定子スロット3を有する固定子鉄心2を備える。実施例において、固定子鉄心2は、限定することなく、120個の固定子スロット3を備える。固定子1は、固定子鉄心2のスロット3を少なくとも部分的に通過して伸びる、好ましい実施形態に基づく電気的なバー状の巻き線4を備える。特に、巻き線4は、それぞれのバー20が、第1端面2A側から第2端面2B側に向けて、また第2端面2B側から第1端面2A側に向けて、固定子鉄心2のスロット3を繰り返し通過するように成形される複数の導電性バー20により形成される。バー20は連続的な導電性バー、すなわち溶接部のないバーである。好ましい実施形態によれば、バー20は矩形バー状の導体、すなわち矩形又は実質的に矩形の断面を有するバー状の導体である。「矩形」という用語は、「平坦な」断面、すなわち矩形の2つの対向する側が他の2つの対向する側よりも大きい矩形の断面、及び四角形の断面の両方を示す。「実質的に矩形」という用語は、完全に矩形でない、又は完全に四角形でない、例えば、限定することなく、丸い角を有する略矩形又は略四角形、例えば、円形ワイヤの導体、すなわち円形断面を有する導体を加圧する、又は他の方法で行うことにより得られる略矩形又は略四角形の断面を示す。
【0018】
図2~29を参照して、巻き線4を形成するための好ましい実施形態に基づく加工法が記載されている。
図2は、型軸X、及び型軸X周りに伸びる円形配列のスロット11を有する型10を示す。特に、軸Xは型10の中心軸である。型10が、実質的に、略円筒形状を有することに留意すべきである。添付図面において、型10は平面に形成されている。円形配列のスロット11は、固定子1のスロット3の数に等しい複数のスロット11を有する。巻き線4が、このスロット11に配置される。円形配列のスロット11のそれぞれのスロット11は、第1開口端面11Aと第2開口端面11Bを有する。この第1開口端面11Aと第2開口端面11Bは、互いに、及び第3開口端面11Cから軸方向に離間している。特に、第3開口端面11Cは、第1開口端面11Aと第2開口端面11Bの間において伸びる長手方向の面である。実施形態によれば、実施例に示すように、第3開口端面11Cは、外側に向けて開口している面である。
【0019】
好ましい実施形態によれば、型10は、軸X周りに回転するように構成されている。
図2~3を参照して、実施形態に基づく加工法の第1ステップを示す。特に、複数の導電性バー20、実施例において、限定することなく、12個のバー20が供給される。実施形態によれば、特に、2個のバー20が、巻き線4のそれぞれの段階に対して供給されている。好ましい実施形態によれば、バー20は、例えば、絶縁エナメルのような絶縁コーティングを備える。それぞれのバー20は、それぞれのバーのロック部21においてロックされている。好ましくは、ロック部21はバー20の端部21である。好ましくは、バー20は、少なくとも1つのロック装置15によりロックされている。好ましくは、それぞれのバー20のロック部21は、それぞれのロック装置15によりロックされている。実施形態によれば、ロック装置15は、軸X周りに回転できるように型10と一体である。実施形態によれば、それぞれのバー20は、例えば、それ自体が知られている種類の巻き取りスプール30のような、それぞれの巻き取り装置30に巻き付けられて、上記加工法により必要なとき、バー20が巻き取り装置30から解かれるように構成されている。
【0020】
好ましい実施形態によれば、円形配列のスロット11は、上記スロットの第1グループS1、第2グループS2、及び第3グループS3(
図3及び
図11)を備える。この第1グループS1、第2グループS2、及び第3グループS3は、互いに異なり、且つ円周方向に互いに隣接しており、それぞれ、複数の第1スロット、第2スロット、及び第3スロット11を備える。上記スロットのそれぞれのグループS1,S2,S3は、円周方向に互いに隣接している同じ数のスロットを備える。12個のバー20が供給される実施例において、上記スロットのそれぞれのグループS1,S2,S3は、特に、6個のスロット11を有する。実施形態によれば、上記複数の導電性バー20は、グループS1,S2,S3のスロット11と等しい数の導電性バーをそれぞれ有する上記バーの第1グループG1と第2グループG2を備える。したがって、12個のバー20が供給されて、グループS1,S2,S3が6個のスロット11をそれぞれ有する実施例において、グループG1,G2は6個のバー20をそれぞれ有する。
【0021】
実施形態によれば、それぞれのバー20は、ワイヤ誘導装置40又はワイヤ誘導シャトル40と結合している。このワイヤ誘導装置40は、好ましくは、それぞれの移動システムにより移動する。実施形態によれば、特に、互いに独立して作動し得る複数のワイヤ誘導装置40が与えられる。それぞれのワイヤ誘導装置40は、複数の上記導電性バー20のそれぞれの導電性バー20と繋がる。12個のバー20が供給される実施例において、12個のワイヤ誘導装置が与えられる。実施形態によれば、それぞれのワイヤ誘導装置40は、型10と巻き取り装置30との間に動作できるように配置されている。ワイヤ誘導装置40と結合しているバー20が、この巻き取り装置30に巻き付けられている。それぞれのワイヤ誘導装置40は、それぞれの導電性バー20と繋がる。したがって、ワイヤ誘導装置40と導電性バー20の間において相対的な移動ができる。それぞれのワイヤ誘導装置40は複数の自由度を備える。好ましい実施形態によれば、それぞれのワイヤ誘導装置40は、6自由度、すなわち3つの直交軸に沿う3つの並進と該直交軸周りの3つの回転を備える。好ましい実施形態によれば、上記軸のいずれかは軸Xと平行な軸である。より分かるように、ワイヤ誘導装置40は、それぞれのバー20の複数のバー部20B,20E,20H(
図22)の上記配列のスロット11における挿入を少なくとも案内するため、用いられる。好ましい実施形態によれば、ワイヤ誘導装置40は、上記バー部20B,20E,20Hのスロット11に対する挿入を案内するため、及びバー20の複数の接続部20C,20D,20F,20G(
図24)を成形するため、用いられる。接続部20C,20D,20F,20Gは、第1開口端面11Aと第2開口端面11Bを越えて突出する。それぞれの接続部20C,20D,20F,20Gは、上記配列のスロット11に受容される1組のバー部20B,20E,20Hを接合する。
【0022】
好ましい実施形態によれば、それぞれのワイヤ誘導装置40は、それぞれのバー20と摺動できるように繋がる。実施形態によれば、それぞれのワイヤ誘導装置40は、加工される複数の導電性バーセグメント23,26,27,28,29を形成するように、それぞれの導電性バー20に対して移動し得る。実施形態によれば、それぞれのワイヤ誘導装置40は、導電性バー20に対して対向するように、又は実質的に対向するように成形されている空洞41を備える。つまり、導電性バー20が矩形バー状の導体である場合、空洞41は、矩形、又は実質的に矩形の断面を有する。特に、この空洞41は、導電性バー20により横に移動する。
【0023】
再び、
図2~3を参照して、この図面は、巻き線4を形成するための実施形態に基づく加工法の第1ステップを示す。特に、
図2~3は、ワイヤ誘導装置40と型10の間において伸びる第1バーセグメント23を形成するように、それぞれのバー20に沿って、それぞれのワイヤ誘導装置40を配置する工程を示す。本明細書において、以降、バー20を加工するための例えばセグメント23のようなバーセグメントを形成する工程は、バー20のセグメントを「供給」する工程、又はバー20を供給する工程と呼称される。すなわち、好ましくは、複数の第1バーセグメント23を形成する、又は供給するように、それぞれのバー20に沿って、すべてのワイヤ誘導装置40を同時に移動することにより、グループG1,G2のバー20と繋がるすべてのワイヤ誘導装置40が配置されている。実施例において、特に、12個のバーセグメント23が形成されている。実施形態によれば、セグメント23は直線状のセグメント、すなわち曲げのないセグメントである。実施形態によれば、
図2~3に示すワイヤ誘導装置40を配置する工程の間、型10は静止している、すなわち軸X周りに回転しない。
【0024】
図3の構成から始まり、バー20の複数の第1部20A、実施例において12個の第1部20A(
図4)が成形される。実施形態によれば、型10は、第1部20Aを成形するため、一体となっているロック装置15と共に、軸X周りの第1方向R1に回転する。また、ワイヤ誘導装置40は、好ましくはすべて同期して移動する。したがって、それぞれのワイヤ誘導装置40は、型10の回転を含む移動を有する。
【0025】
図4~5を参照して、この図面は、第1部20Aの成形に続く工程を示す。特に、
図4~5は、ワイヤ誘導装置40と型10の間において伸びる第2バーセグメント26を形成する、又は供給するように、それぞれのバー20に沿って、それぞれのワイヤ誘導装置40を配置する工程を示す。すなわち、好ましくは、複数の第2バーセグメント26を形成するように、それぞれのバー20に沿って、すべてのワイヤ誘導装置40を同時に移動することにより、グループG1,G2のバー20と繋がるすべてのワイヤ誘導装置40が配置されている。実施例において、特に、12個のバーセグメント26が形成されている。実施形態によれば、セグメント26は直線状のセグメント、すなわち曲げのないセグメントである。実施形態によれば、
図4~5に示すワイヤ誘導装置40を配置する工程の間、型10は静止している、すなわち軸X周りに回転しない。
【0026】
図6~7を参照して、この図面は、第2セグメント26Aの形成に続く工程を示す。
特に、
図6~7は、
スロット11の第3開口端面11Cにより、それぞれのバーの第1グループG1の第1バー部20Bを、スロットの第1グループS1のそれぞれの第1スロット11に挿入する工程、
及びスロット11の第3開口端面11Cにより、それぞれのバーの第2グループG2の第1バー部20Bを、スロットの第2グループS2のそれぞれの第2スロット11に挿入する工程を示す。
実施形態によれば、バーの第1グループG1と第2グループG2の第1バー部20Bをスロットの第1グループS1と第2グループS2のスロットに挿入する工程は、第1バー部20Bを第1グループS1と第2グループS2のスロットに同時に挿入することにより行われる。実施形態によれば、この工程を行うため、ワイヤ誘導装置40は、型10の側P1に配置されている位置(
図5)から、スロット11の第1開口端面11Aを越えて軸方向に、またスロット11の第2開口端面11B(
図7)を越えて軸方向に、型10の側P2に配置されている位置に向けて通過する。型10の側P1がスロット11の第1開口端面11Aの側に対応する一方、側P1に対向する側P2はスロット11の第2開口端面11Bの側に対応する。実施形態によれば、この挿入工程の間、ワイヤ誘導装置40は、それぞれの導電性バー20と一体となり、移動する。すなわち、この挿入工程の間、ワイヤ誘導装置40とそれぞれの導電性バー20の間における相対的な摺動がない。実施形態によれば、この挿入工程の間、型10は静止している、すなわち軸X周りに回転しない。
【0027】
図8~9を参照して、この図面は、上記バー部20Bを挿入する工程に続く工程を示す。特に、
図8~9は、
図7の構成から始まり、ワイヤ誘導装置40と型10の間において伸びる第3バーセグメント27を形成する、又は供給するように、それぞれのバー20に沿って、それぞれのワイヤ誘導装置40を配置する工程を示す。すなわち、好ましくは、複数の第3バーセグメント27を形成するように、それぞれのバー20に沿って、すべてのワイヤ誘導装置40を同時に移動することにより、グループG1,G2のバー20と繋がるすべてのワイヤ誘導装置40が配置されている。実施例において、特に、12個のバーセグメント27が形成されている。実施形態によれば、セグメント27は直線状のセグメント、すなわち曲げのないセグメントである。実施形態によれば、
図8~9に示すワイヤ誘導装置40を配置する工程の間、型10は静止している、すなわち軸X周りに回転しない。
【0028】
図10~11を参照して、この図面は、
図8~9に示す工程に続く工程を示す。
特に、
図10~11は、
複数の上記接続部20C,20D,20F,20Gの内の第1接続部20C,20Dの複数の第1セクション20Cを成形する工程を示しており、
この第1接続部20C,20Dはバーの第1グループG1に属している。
また、
図10~11は、
複数の上記接続部20C,20D,20F,20Gの内の第1接続部20C,20Dの複数の第1セクション20Cを成形する工程を示しており、
この第1接続部20C,20Dはバーの第2グループG2に属している。
実施形態によれば、バーの第1グループG1と第2グループG2の第1接続部20C,20Dの第1セクション20Cを成形する工程は、型10と、一体となっているロック装置15を軸X周りの方向R1に回転すること、及び型10の回転を含む移動と共に、第1グループG1のバー20と繋がるワイヤ誘導装置40と、第2グループG2のバー20と繋がるワイヤ誘導装置40を移動することを備える。実施形態によれば、セクション20Cを成形する工程において、すべてのワイヤ誘導装置40は、セクション20Cを同時に成形できるように互いに同期している。実施例において、12個のセクション20Cが同時に成形される。実施形態によれば、それぞれのセクション20Cは、第1接続部20C,20Dの略半分に対応する。
【0029】
図12~13を参照して、この図面は、
図11~12に関する上述の工程に続く工程を示す。特に、
図12~13は、ワイヤ誘導装置40と型10の間において伸びる第4バーセグメント28を形成する、又は供給するように、それぞれのバー20に沿って、第1グループG1のバー20と繋がるそれぞれのワイヤ誘導装置40を配置する工程を示す。すなわち、好ましくは、複数の第4バーセグメント28を形成する、又は供給するように、それぞれのバー20に沿って、グループG1のバーと繋がるすべてのワイヤ誘導装置40を同時に移動することにより、グループG1のバー20と繋がるワイヤ誘導装置40が配置されている。実施例において、特に、6個のバーセグメント28が形成されている、又は供給されている。実施形態によれば、セグメント28は直線状のセグメント、すなわち曲げのないセグメントである。実施形態によれば、
図12~13に示すワイヤ誘導装置40を配置する工程の間、型10は静止している、すなわち軸X周りに回転しない。
図12~13に示す工程の間、第2グループG2のバー20と繋がるワイヤ誘導装置40は、移動しない構造を形成していることに留意すべきである。すなわち、より明確には、このワイヤ誘導装置40は、
図12~13に示す工程から始まり、巻き線4の所定の部分を形成するまで、第1グループG1のバーと繋がるワイヤ誘導装置40に対して静止している。
【0030】
図14~15を参照して、この図面は、
図12~13に関する上述の工程に続く工程を示す。特に、
図14~15は、複数の上記接続部20C,20D,20F,20Gの内の第1接続部20C,20Dの複数の第2セクション20Dを成形する工程を示す。特に、このセクション20Dはバーの第1グループG1のバーに属している。実施形態によれば、第2セクション20Dを成形する工程は、型10と、一体となっているロック装置15を軸X周りの方向R1に回転すること、及び型10の回転を含む移動と共に、第1グループG1のバー20と繋がるワイヤ誘導装置40を移動することを備える。実施形態によれば、第2セクション20Dを成形する工程において、第1グループG1のバーと繋がるワイヤ誘導装置40は、第2セクション20Dを同時に成形できるように互いに同期している。実施例において、6個のセクション20Dが同時に成形される。実施形態によれば、それぞれのセクション20Cは、バーの第1グループG1の第1接続部20C,20Dの略半分に対応する。
図14~15に示す工程の間、第2グループG2のバー20と繋がるワイヤ誘導装置40は、上記移動しない構造を形成していることに留意すべきである。
【0031】
図16~17を参照して、この図面は、
図14~15に関する上述の工程に続く工程を示す。特に、
図16~17は、ワイヤ誘導装置40と型10の間において伸びる第5バーセグメント29を形成する、又は供給するように、それぞれのバー20に沿って、第1グループG1のバー20と繋がるそれぞれのワイヤ誘導装置40を配置する工程を示す。すなわち、好ましくは、複数の第5バーセグメント29を形成する、又は供給するように、それぞれのバー20に沿って、グループG1のバーと繋がるすべてのワイヤ誘導装置40を同時に移動することにより、グループG1のバー20と繋がるワイヤ誘導装置40が配置されている。実施例において、特に、6個のバーセグメント29が形成されている、又は供給されている。実施形態によれば、セグメント29は直線状のセグメント、すなわち曲げのないセグメントである。実施形態によれば、
図16~17に示すワイヤ誘導装置40を配置する工程の間、型10は静止している、すなわち軸X周りに回転しない。
図16~17に示す工程の間、第2グループG2のバー20と繋がるワイヤ誘導装置40は、移動しない構造を形成していることに留意すべきである。
【0032】
図18~19を参照して、この図面は、
図16~17に関する上述の工程に続く工程を示す。特に、
図18~19は、バーの第1グループG1の第2バー部20Eを、スロットの第2グループS2のそれぞれの第2スロット11に挿入する工程を示す。バーの第2グループG2の第1バー部20Bは、それぞれの第2スロット11に挿入されている。第2バー部20Eは、特に、スロットの第2グループS2の第2スロット11の第3開口端面11Cを通して挿入される。実施形態によれば、バーの第1グループG1の第2バー部20Eをスロットの第2グループS2の第2スロット11に挿入する工程は、第2バー部20Eをスロットの第2グループS2の第2スロット11に同時に挿入することにより行われる。実施形態によれば、この工程を行うため、第1グループG1のバー20と繋がるワイヤ誘導装置40は、型10の側P2に配置されている位置から、スロット11の第2開口端面11Bを越えて軸方向に、またスロット11の第1開口端面11A(
図7)を越えて軸方向に、型10の側P1に配置されている位置に向けて通過する。実施形態によれば、この挿入工程の間、第1グループG1のバー20と繋がるワイヤ誘導装置40は、それぞれの導電性バー20と一体となり、移動する。すなわち、この挿入工程の間、ワイヤ誘導装置40とそれぞれの導電性バー20の間における相対的な摺動がない。実施形態によれば、この挿入工程の間、型10は静止している、すなわち軸X周りに回転しない。また、この工程の間、第2グループG2のバー20と繋がるワイヤ誘導装置40は、移動しない構造を形成している。
【0033】
図20~21を参照して、この図面は、
図18~19に関する上述の工程に続く工程を示す。特に、
図20~21は、複数の第2接続部20F,20G、例えば、複数の上記接続部の内の6個の接続部20F,20Gを成形する工程を示す。
図20に示すように、実施形態によれば、第2接続部20F,20Gは、一度に、すなわち同時ではなく、交互に形成される。すなわち、第1グループG1のバー20と繋がるワイヤ誘導装置40は、第2接続部20F,20Gを形成するように、一度に移動する。実施形態によれば、それぞれの接続部20F,20Gは、第2接続部20F,20Gの第1セクション20Fと、第2接続部20F,20Gの第2セクション20Gを成形することにより、成形される。特に、第2接続部20F,20Gの内の一方の第1セクション20Fを成形する間、型10は軸X周りの方向R1に回転する。また、成形されるグループG1のバー20と繋がるワイヤ誘導装置40は、型10の回転を含む移動と共に移動する。同様に、第2接続部20F,20Gの内の一方の第2セクション20Gを成形する間、型10は軸X周りの方向R1に回転する。また、成形されるグループG1のバー20と繋がるワイヤ誘導装置40は、型10の回転を含む移動と共に移動する。上述のことから、また第1接続部20C,20Dに関して上述したこと(
図9及び
図13)と同様に、第1セクション20Fと第2セクション20Gをそれぞれ成形する前に、それぞれの工程が、加工されるバーセグメントを形成するように成形されるバー20と繋がるワイヤ誘導装置40を配置することを含むことが明らかである。明細書の簡単のため、以降、バーセグメントを供給する工程は記載されない。一方、接続部の一方のセクションを成形するそれぞれの工程の前に、バー20のセグメントを供給する工程が、例えば、バーセグメント27を供給する工程と同様に与えられる。また、上記バー部の一方をそれぞれのスロット11に挿入するそれぞれの工程の前に、バーセグメントを供給する工程が、バーセグメント26を供給する工程と同様に与えられる。
図21は、バーの第1グループG1の形成されたすべての第2接続部20F,20Gを示す。第2接続部20F,20Gを成形する工程の間、第2グループG2のバー20と繋がるワイヤ誘導装置40が、上述の移動しない構造で静止していることに留意すべきである。
【0034】
図22を参照して、この図面は、
図20~21に関する上述の工程に続く工程を示す。特に、
図22は、バーの第1グループG1の第3バー部20Hを、スロットの第3グループS3のそれぞれの第3スロット11に挿入する工程を示す。この第3部20Hは、特に、スロットの第3グループS3の第3スロット11の第3開口端面11Cを通して挿入される。実施形態によれば、バーの第1グループG1の第3バー部20Hをスロットの第3グループS3のスロット11に挿入する工程は、第3バー部20Hをスロットの第3グループS3のスロット11に同時に挿入することにより行われる。実施形態によれば、この工程を行うため、第1グループG1のバー20と繋がるワイヤ誘導装置40は、型10の側P1に配置されている位置から、スロット11の第1開口端面11Aを越えて軸方向に、またスロット11の第2開口端面11Bを越えて軸方向に、型10の側P2に配置されている位置に向けて通過する。実施形態によれば、この挿入工程の間、第1グループG1のバー20と繋がるワイヤ誘導装置40は、それぞれの導電性バー20と一体となり、移動する。すなわち、この挿入工程の間、ワイヤ誘導装置40とそれぞれの導電性バー20の間における相対的な摺動がない。実施形態によれば、この挿入工程の間、型10は静止している、すなわち軸X周りに回転しない。また、この工程の間、第2グループG2のバー20と繋がるワイヤ誘導装置40は、移動しない構造を形成している。
【0035】
図23を参照して、この図面は、
図22に関する上述の工程に続く工程を示す。特に、
図23は、複数の上記接続部20C,20D,20F,20G,20Iの内の第3接続部(この第3接続部の第2セクションは添付図面に示していない。)の複数の第1セクション20Iを成形する工程を示す。この第3接続部はバーの第1グループG1に属している。実施形態によれば、バーの第1グループG1の第3接続部の第1セクション20Iを成形する工程は、型10と、一体となっているロック装置15を軸X周りの方向R1に回転すること、及び型10の回転を含む移動と共に、第1グループG1のバー20と繋がるワイヤ誘導装置40を移動することを備える。実施形態によれば、第1セクション20Iを成形する工程において、第1グループG1のバー20と繋がるワイヤ誘導装置40は、このセクション20Iを同時に成形できるように互いに同期している。実施例において、6個のセクション20Iが同時に成形される。実施形態によれば、それぞれのセクション20Iは、バーの第1グループG1の第3接続部の略半分に対応する。第1セクション20Iが成形されるとき、第1グループG1のバーと繋がるワイヤ誘導装置40は、それぞれ、移動しない構造を形成している。すなわち、より明確には、セクション20Iの成形に続いて、加工が再び始まり、第2グループG2のバーと繋がるワイヤ誘導装置40を移動する。一方、第1グループG1のバーと繋がるワイヤ誘導装置40は、巻き線4の所定位置に達するまで、第2グループG2のバーと繋がるワイヤ誘導装置40に対して静止している。
【0036】
図24を参照して、この図面は、
図23に関する上述の工程に続く工程を示す。特に、
図24は、複数の上記接続部20C,20D,20F,20Gの内の第1接続部20C,20Dの複数の第2セクション20Dを成形する工程を示す。特に、このセクション20Dはバーの第2グループG2のバーに属している。実施形態によれば、第2セクション20Dを成形する工程は、型10と、一体となっているロック装置15を軸X周りの方向R1に回転すること、及び型10の回転を含む移動と共に、第2グループG2のバー20と繋がるワイヤ誘導装置40を移動することを備える。実施形態によれば、第2セクション20Dを成形する工程において、第2グループG2のバー20と繋がるワイヤ誘導装置40は、この第2セクション20Dを同時に成形できるように互いに同期している。実施例において、6個のセクション20Dが同時に成形される。実施形態によれば、それぞれのセクション20Dは、バーの第2グループG1の第1接続部20C,20Dの略半分に対応する。
図24に示す工程において、第1グループG1のバー20と繋がるワイヤ誘導装置40は、上述の移動しない構造を形成していることに留意すべきである。
【0037】
図25を参照して、この図面は、
図24に関する上述の工程に続く工程を示す。特に、
図25は、バーの第2グループG2の第2バー部20Eを、スロットの第3グループS3のそれぞれのスロット11に挿入する工程を示す。バーの第1グループG1の第3バー部20Hは、このスロット11に挿入されている。バーの第2グループG2の第2部20Eは、特に、スロットの第3グループS3のスロット11の第3開口端面11Cを通して挿入される。実施形態によれば、バーの第2グループG2の第2バー部20Eをスロットの第3グループS3のスロット11に挿入する工程は、第2バー部20Eをスロットの第3グループS3のスロット11に同時に挿入することにより行われる。実施形態によれば、この工程を行うため、第2グループG2のバー20と繋がるワイヤ誘導装置40は、型10の側P2に配置されている位置から、スロット11の第2開口端面11Bを越えて軸方向に、またスロット11の第1開口端面11Aを越えて軸方向に、型10の側P1に配置されている位置に向けて通過する。実施形態によれば、この挿入工程の間、第2グループG2のバー20と繋がるワイヤ誘導装置40は、それぞれの導電性バー20と一体となり、移動する。すなわち、この挿入工程の間、ワイヤ誘導装置40とそれぞれの導電性バー20の間における相対的な摺動がない。実施形態によれば、この挿入工程の間、型10は静止している、すなわち軸X周りに回転しない。また、この工程の間、第1グループG1のバー20と繋がるワイヤ誘導装置40は、移動しない構造を形成している。
【0038】
図26~27を参照して、この図面は、
図25に関する上述の工程に続く工程を示す。特に、
図26~27は、複数の第2接続部20F,20G、例えば、複数の上記接続部20C,20D,20F,20Gの内の6個の接続部20F,20Gを成形する工程を示す。特に、第2接続部20F,20Gは、第2グループG2のバー20の一部である。
図26に示すように、実施形態によれば、バーの第2グループG2の第2接続部20F,20Gは、一度に、すなわち同時ではなく、交互に形成される。すなわち、第2グループG2のバー20と繋がるワイヤ誘導装置40は、第2接続部20F,20Gを形成するように、一度に移動する。実施形態によれば、それぞれの接続部20F,20Gは、第2接続部20F,20Gの第1セクション20Fと、第2接続部20F,20Gの第2セクション20Gを成形することにより、成形される。特に、第2接続部20F,20Gの内の一方の第1セクション20Fを成形する間、型10は軸X周りの方向R1に回転する。また、成形される第2グループG2のバー20と繋がるワイヤ誘導装置40は、型10の回転を含む移動と共に移動する。同様に、第2接続部20F,20Gの内の一方の第2セクション20Gを成形する間、型10は軸X周りの方向R1に回転する。また、成形される第2グループG2のバー20と繋がるワイヤ誘導装置40は、型10の回転を含む移動と共に移動する。
図27は、バーの第2グループG2の形成されたすべての第2接続部20F,20Gを示す。第2接続部20F,20Gを成形する工程の間、第1グループG1のバー20と繋がるワイヤ誘導装置40が、上述の移動しない構造で静止していることに留意すべきである。
【0039】
図28を参照して、この図面は、
図27に関する上述の工程に続く工程を示す。特に、
図28は、バーの第2グループG2の第3バー部20Hを、上記円形配列のスロット11の第4グループS4のそれぞれのスロット11に挿入する工程を示す。グループS4は、グループS3に隣接しており、それぞれのバーのグループG1,G2のバー20の数に等しい複数のスロット11を有する。バーの第2グループG2のバー20の第3部20Hは、特に、スロットの第4グループS4のスロット11の第3開口端面11Cを通して挿入される。実施形態によれば、バーの第2グループG2の第3バー部20Hをスロットの第4グループS4のスロット11に挿入する工程は、第3バー部20Hをスロットの第4グループS4のスロット11に同時に挿入することにより行われる。実施形態によれば、この工程を行うため、第2グループG2のバー20と繋がるワイヤ誘導装置40は、型10の側P1に配置されている位置から、スロット11の第1開口端面11Aを越えて軸方向に、またスロット11の第2開口端面11Bを越えて軸方向に、型10の側P2に配置されている位置に向けて通過する。実施形態によれば、この挿入工程の間、第2グループG2のバー20と繋がるワイヤ誘導装置40は、それぞれの導電性バー20と一体となり、移動する。すなわち、この挿入工程の間、ワイヤ誘導装置40とそれぞれの導電性バー20の間における相対的な摺動がない。実施形態によれば、この挿入工程の間、型10は静止している、すなわち軸X周りに回転しない。また、この工程の間、第1グループG1のバー20と繋がるワイヤ誘導装置40は、移動しない構造を形成している。
【0040】
図29を参照して、この図面は、
図28に関する上述の工程に続く工程を示す。特に、
図29は、複数の上記接続部20C,20D,20F,20G,20Iの内の第3接続部(この第3接続部の第2セクションは添付図面に示していない。)の複数の第1セクション20Iを成形する工程を示す。この第3接続部はバーの第2グループG2に属している。実施形態によれば、バーの第2グループG2の第3接続部の第1セクション20Iを成形する工程は、型10と、一体となっているロック装置15を軸X周りの方向R1に回転すること、及び型10の回転を含む移動と共に、第2グループG2のバー20と繋がるワイヤ誘導装置40を移動することを備える。実施形態によれば、第1セクション20Iを成形する工程において、第2グループG2のバー20と繋がるワイヤ誘導装置40は、このセクション20Iを同時に成形できるように互いに同期している。実施例において、6個のセクション20Iが同時に成形される。実施形態によれば、それぞれのセクション20Iは、バーの第2グループG2の第3接続部の略半分に対応する。第1セクション20Iが成形されるとき、第2グループG2のバーと繋がるワイヤ誘導装置40は、それぞれ、移動しない構造を再び形成する。すなわち、より明確には、バーの第2グループG2のセクション20Iの成形に続いて、加工が再び始まり、第1グループG1のバーと繋がるワイヤ誘導装置40を移動する。一方、第2グループG2のバーと繋がるワイヤ誘導装置40は、巻き線4の別の所定位置に達するまで、第1グループG1のバーと繋がるワイヤ誘導装置40に対して静止している。
【0041】
図29の構成から始まり、巻き線4を形成するため、第1グループG1と第2グループG2のバーは、成形されて、上記円形配列のスロットのスロット11に挿入されて、
図12~29を参照して説明される工程と同様の工程を繰り返す。一方、互いに隣接しているスロット11のグループにおいて、型10周りの少なくとも1つの完全なレボリューションを形成するように、すなわち、上記円形配列のスロット11は、それぞれ、バーの第1グループG1と第2グループG2に属している少なくとも2つの上記バー部を受容する。実施形態によれば、巻き線4を形成するため、第1グループG1と第2グループG2のバーは、型10周りに複数の巻き部を、例えば型10周りに3つの巻き部を形成するように、型10周りに成形される。第1グループG1と第2グループG2のバーを型10周りに成形することが完了するとき、第2グループG2のバーはせん断される。
【0042】
図30は、型10に巻き付けられて、形成された巻き線4を示す。実施形態によれば、これに関して、型10がローターコアになり得ることを留意すべきである。この場合、本明細書に記載の加工の終了時、関連する巻き線を備えるローターが、直接形成される。
図1の実施例に示すように、巻き線4が、固定子1を形成するため、固定子鉄心2に挿入される場合、これは、例えば、固定子鉄心のスロット3に対する巻き線の径方向の拡がりにより、それ自体が知られている方法で行われて、装置の径方向の拡がりを型10に与える。
【0043】
本発明に記載の加工法は上述の加工法に限定されないこと、また複数の修正、及び/又は変形が上述の加工法に対して行われることに留意すべきである。
【0044】
例えば、型10が軸X周りに回転するように構成されること、及び/又はロック装置15が回転できるように型10と一体であることが、完全に不要であることに留意すべきである。実施形態によれば、ワイヤ誘導装置40と型10の間において相対的な移動があることが十分である。一方、型10が軸X周りに有利に回転し得ることにより、巻き線の形成のための小型システムを可能にする。また、有利に回転できるように型10と一体であるロック装置15を含むことにより、型10が巻き線の構造と格納をもたらすことを可能にする。
【0045】
実施形態によれば、ワイヤ誘導装置40が少なくとも2自由度を備えることが十分である。
【0046】
本明細書に記載の加工法は、巻き線が形成されるそれぞれの段階に対して、少なくとも1つの導電性バー20を供給することを備える。
【0047】
実施形態によれば、ワイヤ誘導装置40の移動、特にワイヤ誘導装置40と型10の移動が、それぞれのバー20を供給して、このバーを型10のスロット11に挿入して、また所定の巻き線の構造に応じて、バー20を成形するように加えられる。
【0048】
実施形態によれば、形成される巻き線の構造と、段階における、及びローター又は固定子のスロットに対するバー20の数と、巻き線が形成される段階の数により、本明細書に記載の加工法を得るために用いられるワイヤ誘導装置40の数を決める。したがって、巻き線の構造により、少なくともワイヤ誘導装置40、好ましくはワイヤ誘導装置40と型10の移動と同期を定める。実施形態によれば、ワイヤ誘導装置40は、空間内を自由に移動及び回転して、且つ互いに同期して動作し得る。
【0049】
上述のことを一般化すると、特に、発電機の連続的なバー状の巻き線(4)を得るための加工法が記載されている。
この加工法は、
型軸(X)、及び前記型軸(X)周りに伸びる円形配列のスロット(11)を有する型(10)を供給するステップ(a)を備えており、
前記円形配列のスロットは、前記発電機の固定子又はローターのスロットの数に等しい複数のスロットを有して、
それぞれの前記円形配列のスロット(11)は、第1開口端面(11A)と第2開口端面(11B)を有しており、
前記第1開口端面(11A)と前記第2開口端面(11B)は、互いに、及び第3開口端面(11C)から軸方向に離間しており、
前記第3開口端面(11C)は、前記第1開口端面(11A)と前記第2開口端面(11B)の間において伸びる長手方向の面であり、
前記加工法は、
導電性バー(20)を供給するステップ(b)と、
前記導電性バーのロック部(21)をロックするステップ(c)と、
前記導電性バー(20)が、前記第1開口端面(11A)の側から前記第2開口端面(11B)の側に向けて、また前記第2開口端面(11B)の側から前記第1開口端面(11A)の側に向けて、前記円形配列のスロット(11)を繰り返し通過するように、前記導電性バー(20)を前記円形配列のスロット(11)に挿入して、前記導電性バー(20)を成形するステップ(d)とを備えるため、
前記導電性バー(20)は、前記円形配列のスロット(11)に受容される複数のバー部(20B,20E,20H)、及び前記第1開口端面(11A)と前記第2開口端面(11B)を越えて突出する複数の接続部(20C,20D,20F,20G)を有しており、
それぞれの前記接続部は、前記円形配列のスロット(11)に受容される1対の前記バー部(20B,20E,20H)を接合しており、
前記ステップ(d)は、
複数の前記バー部の内の第1バー部(20B)を、前記スロット(11)の前記第3開口端面(11C)を通して、前記円形配列のスロット(11)の内のそれぞれの前記スロット(11)に挿入する工程(d1)と、
複数の前記接続部(20C,20D,20F,20G)の内の第1接続部(20C,20D)を成形する工程(d2)と、
複数の前記バー部(20B,20E,20H)の内の第2バー部(20E)を、前記第1バー部(20B)が挿入される前記スロット(11)と異なり、別の前記スロット(11)の前記第3開口端面(11C)を通して、別の前記円形配列のスロット(11)に挿入する工程(d3)とを備えており、
前記第1接続部(20C,20D)は、前記第1バー部(20B)と前記第2バー部(20E)が挿入される前記スロット(11)の前記第2開口端面(11B)を越えて突出する前記第1バー部(20B)と前記第2バー部(20E)を接合する。
【0050】
前記加工法の実施形態によれば、前記導電性バー(20)は、矩形バー状の導体である。
【0051】
実施形態によれば、前記加工法は、
前記導電性バー(20)と繋がるワイヤ誘導装置(40)を与えて、前記ワイヤ誘導装置(40)と前記導電性バー(20)の間において相対的な移動をできるようにするステップ(e)を備えており、
前記ワイヤ誘導装置(40)は、複数の自由度を備えて、前記ステップ(d)の間、複数の前記バー部(20B,20E,20H)を前記円形配列のスロット(11)に挿入することを少なくとも案内するために用いられる。
【0052】
前記加工法の実施形態によれば、前記ワイヤ誘導装置(40)は、摺動できるように前記導電性バー(20)と繋がる。
【0053】
前記加工法の実施形態によれば、前記ワイヤ誘導装置(40)は、前記ステップ(d)の間に加工される複数の導電性バーセグメント(23,26~29)を形成するように、前記導電性バー(20)に対して移動できる。
【0054】
有利なように、この方法において、加工される複数の導電性バーセグメントを供給することにより、巻き線(4)の成形を促し得る。
【0055】
前記加工法の実施形態によれば、前記ワイヤ誘導装置(40)は、6自由度を備える。
【0056】
前記加工法の実施形態によれば、前記ワイヤ誘導装置(40)は、前記導電性バー(20)に対して対向するように、又は実質的に対向するように成形されている空洞(41)を備えており、
前記導電性バー(20)は、前記空洞(41)を通過する。
【0057】
前記加工法の実施形態によれば、前記導電性バー(20)は、特に、巻き取り装置(30)に巻き付けられる。
【0058】
前記加工法の実施形態によれば、
前記ステップ(b)は、複数の前記導電性バー(20)を供給することを備えており、
前記ステップ(c)は、複数の前記導電性バー(20)のそれぞれの前記導電性バー(20)の前記ロック部(21)をロックすることを備えており、
前記ステップ(d)は、それぞれの前記導電性バー(20)が、前記第1開口端面(11A)の側から前記第2開口端面(11B)の側に向けて、また前記第2開口端面(11B)の側から前記第1開口端面(11A)の側に向けて、前記円形配列のスロット(11)を繰り返し通過するように、複数の前記導電性バー(20)のそれぞれの前記導電性バー(20)を前記円形配列のスロット(11)に挿入すること、及び複数の前記導電性バー(20)のそれぞれの前記導電性バー(20)を成形することを備えるため、
それぞれの前記導電性バー(20)は、前記円形配列のスロット(11)に受容される複数の前記バー部(20B,20E,20H)、及び前記第1開口端面(11A)と前記第2開口端面(11B)を越えて突出する複数の前記接続部(20C,20D,20F,20G)を有しており、
それぞれの前記接続部は、前記円形配列のスロット(11)に受容される1対の前記バー部(20B,20E,20H)を接合しており、
前記ステップ(d)は、複数の前記導電性バー(20)のそれぞれの前記導電性バー(20)に対して、前記工程(d1)、前記工程(d2)、及び前記工程(d3)を備えており、
前記ステップ(e)は、互いに独立して作動し得る複数の前記ワイヤ誘導装置(40)を与えることを備えており、
それぞれの前記ワイヤ誘導装置(40)は、複数の前記導電性バー(20)のそれぞれの前記導電性バー(20)と繋がり、複数の自由度を備えて、前記ステップ(d)の間、それぞれの前記バー部の複数の前記バー部(20B,20E,20H)を前記円形配列のスロット(11)に挿入することを少なくとも案内するために用いられる。
【0059】
前記加工法の有利な実施形態によれば、巻き線を形成するために必要な溶接の数を制限して、特に汎用的な方法で巻き線を形成できるように、すなわち、例えば限定することなく、巻き線の頭部の大きさを変えるとき、柔軟性を有するように、
複数の前記導電性バー(20)のそれぞれの前記導電性バー(20)は、前記第1バー部(20B)、前記第2バー部(20E)、及び第3バー部(20H)を備えており、
複数の前記導電性バー(20)は、同じ数の前記導電性バー(20)をそれぞれ有する前記導電性バーの第1グループ(G1)及び第2グループ(G2)を備えており、
前記円形配列のスロット(11)は、前記スロットの第1グループ(S1)、第2グループ(S2)、及び第3グループ(S3)を備えており、
前記スロットの前記第1グループ(S1)、前記第2グループ(S2)、及び前記第3グループ(S3)は、円周方向に互いに隣接している同じ数の前記スロットを含むそれぞれの前記スロットのグループ(S1,S2,S3)とは異なり、円周方向に互いに隣接しており、
前記スロットのそれぞれの前記グループ(S1,S2,S3)は、前記導電性バーの前記第1グループ(G1)及び前記第2グループ(G2)の前記導電性バー(20)の数と等しい数の前記スロットを有しており、
前記工程(d1)は、前記スロットの前記第3開口端面(11C)により、前記導電性バーの前記第1グループ(G1)の前記第1バー部(20B)を、前記スロットの前記第1グループ(S1)のそれぞれの前記スロットに挿入することを備えており、
前記ステップ(d)はまた、
前記導電性バーの前記第2グループ(G2)の前記第1バー部(20B)を、前記スロットの前記第3開口端面を通して、前記スロットの前記第2グループ(S2)のそれぞれの前記スロットに挿入する前記工程(d1.1)を備えており、
前記工程(d2)は、複数の前記接続部(20C,20D,20F,20G)の内の複数の前記第1接続部(20C,20D)を成形することを備えており、
前記第1接続部(20C,20D)は、前記導電性バーの前記第1グループ(G1)に属しており、
前記工程(d3)は、前記導電性バーの前記第1グループ(G1)の前記第2バー部(20E)を、前記スロットの前記第3開口端面(11C)を通して、前記スロットの前記第2グループ(S2)のそれぞれの前記スロット(11)に挿入することを備えており、
前記導電性バーの前記第2グループ(G2)の前記第1バー部(20B)は、前記スロットの前記第2グループ(S2)に挿入されており、
前記ステップ(d)は、複数の前記接続部の内の複数の第2接続部(20F,20G)を成形する工程(d4)を備えており、
前記第2接続部は、前記導電性バーの前記第1グループ(G1)に属しており、
前記ステップ(d)は、前記導電性バーの前記第1グループ(G1)の前記第3バー部(20H)を、前記スロットの前記第3開口端面(11C)を通して、前記スロットの前記第3グループ(S3)のそれぞれの前記スロット(11)に挿入する工程(d5)を備えており、
前記加工法は、複数の前記接続部の内の複数の前記第1接続部(20C,20D)を成形することを備えており、
前記第1接続部は、前記導電性バーの前記第2グループ(G2)に属しており、
前記加工法は、前記導電性バーの前記第2グループ(G2)の前記第2バー部(20E)を、前記スロットの前記第3開口端面(11C)を通して、前記スロットの前記第3グループ(S3)のそれぞれの前記スロット(11)に挿入することを備えており、
前記導電性バーの前記第1グループ(G1)の前記第3バー部(20H)は、前記スロットの前記第3グループ(S3)に挿入されており、
前記導電性バーの前記第1グループ(G1)の前記第1接続部(20C,20D)は、それぞれ、前記スロット(11)の前記第2開口端面(11B)を越えて突出する前記導電性バーの前記第1グループ(G1)の前記導電性バーの前記第1バー部(20B)と前記第2バー部(20E)を接合しており、
前記導電性バーの前記第1グループ(G1)の前記第2接続部(20F,20G)は、それぞれ、前記スロット(11)の前記第1開口端面(11A)を越えて突出する前記導電性バーの前記第1グループ(G1)の前記導電性バーの前記第2バー部(20E)と前記第3バー部(20H)を接合しており、
前記導電性バーの前記第2グループ(G2)の前記第1接続部(20C,20D)は、それぞれ、前記スロットの前記第2開口端面(11B)を越えて突出する前記導電性バーの前記第2グループ(G2)の前記導電性バーの前記第1バー部(20B)と前記第2バー部(20E)を接合する。
【0060】
上述のことに基づいて、上述の種類の加工法により、背景技術に関連する上記目的を達成する方法が分かる。
【0061】
本明細書に記載の加工法により、連続的なバー状の巻き線を型周りに連続的に成形し得る。この型は、固定子鉄心又はローターコアから直接構成され得る。したがって、汎用的な方法で、互いに異なる種類の巻き線を形成することができる。また、本明細書に記載の加工法は、背景技術の「柔軟」な固定子鉄心又は「セグメント」状の固定子鉄心の実施形態を必要としない。
【0062】
本発明の原理に影響することなく、実施形態及び実施形態の詳細が、添付の請求項において定められるような本発明の範囲を逸脱することなく、非限定的な実施例により記載及び図示されることに関連して、広く変わり得る。