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  • 特許-明細書作成方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-13
(45)【発行日】2022-10-21
(54)【発明の名称】明細書作成方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 40/151 20200101AFI20221014BHJP
   G06Q 50/18 20120101ALI20221014BHJP
【FI】
G06F40/151
G06Q50/18 310
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021521077
(86)(22)【出願日】2021-04-13
(86)【国際出願番号】 JP2021015324
【審査請求日】2021-04-15
【審判番号】
【審判請求日】2021-10-18
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】508301766
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100185225
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 恭一
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100149249
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(72)【発明者】
【氏名】田中 達也
【合議体】
【審判長】高瀬 勤
【審判官】関口 明紀
【審判官】松田 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-232867(JP,A)
【文献】特開平10-11443(JP,A)
【文献】特開平7-64996(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 40/00 - 40/197
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発明又は考案を実施するための形態の欄内に説明を入力するステップである実施形態入力ステップと、
符号の説明の欄に、符号と 前記発明又は考案を実施するための形態の欄内の説明から抽出した要素名称を入力して、符号に対応づけられた要素名称のリストを作成するステップであるリスト作成ステップと、
コンピュータが、前記リスト内に含まれる前記要素名称毎に、前記要素名称を、少なくとも前記発明又は考案を実施するための形態の欄内に含まれる説明中から検索し、検索された前記要素名称毎に、検索された前記要素名称に前記符号を付与するか否かの選択を人に要求し、その選択結果に基いて前記符号を付与する、ステップである符号付与ステップと、を有する、明細書作成方法。
【請求項2】
前記符号付与ステップが、前記リスト内の前記要素名称の1つとその要素名称に対応する前記符号とを特定するステップである特定ステップと、特定された前記要素名称を前記発明又は考案を実施するための形態の欄内に含まれる説明中から検索し、検索された前記要素名称に特定された前記符号を付与するか否かの選択を人に要求するステップである選択要求ステップと、その選択結果に基いて前記符号を付与するステップである選択処理ステップと、前記リスト内の未処理の前記要素名称について前記特定ステップ、前記選択要求ステップ及び前記選択処理ステップを繰り返すステップである繰り返しステップと、を有する、請求項1に記載の明細書作成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、明細書作成方法、装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許出願又は実用新案出願のための明細書を容易に作成するための種々の手法が知られている(例えば特許文献1~2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5382965号公報
【文献】特許第3963767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の明細書の作成においては、人によるコンピュータへの入力の手間をできるだけ減らせることが望ましい。
【0005】
そこで、本発明の目的は、人によるコンピュータへの入力の手間を低減することができる明細書作成方法、装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る明細書作成方法は、コンピュータが、符号に対応づけられた要素名称のリスト内に含まれる前記要素名称毎に、前記要素名称を、少なくとも発明又は考案を実施するための形態の欄内に含まれる説明中から検索し、検索された前記要素名称毎に、検索された前記要素名称に前記符号を付与するか否かの選択を要求し、その選択結果に基いて前記符号を付与する、ステップである符号付与ステップを有する、明細書作成方法である。
【0007】
また、本発明に係る明細書作成方法は、上記構成において、前記リストが符号の説明の欄内に記載された説明である、明細書作成方法であることが好ましい。
【0008】
また、本発明に係る明細書作成方法は、上記構成において、前記符号付与ステップが、前記リスト内の前記要素名称の1つとその要素名称に対応する前記符号とを特定するステップである特定ステップと、特定された前記要素名称を前記発明又は考案を実施するための形態の欄内に含まれる説明中から検索し、検索された前記要素名称に特定された前記符号を付与するか否かの選択を要求するステップである選択要求ステップと、その選択結果に基いて前記符号を付与するステップである選択処理ステップと、前記リスト内の未処理の前記要素名称について前記特定ステップ、前記選択要求ステップ及び前記選択処理ステップを繰り返すステップである繰り返しステップと、を有する、明細書作成方法であることが好ましい。
【0009】
また、本発明に係る明細書作成装置は、符号に対応づけられた要素名称のリスト内に含まれる前記要素名称毎に、前記要素名称を、少なくとも発明又は考案を実施するための形態の欄内に含まれる説明中から検索し、検索された前記要素名称毎に、検索された前記要素名称に前記符号を付与するか否かの選択を要求し、その選択結果に基いて前記符号を付与するコンピュータを有する、明細書作成装置である。
【0010】
また、本発明に係る明細書作成プログラムは、符号に対応づけられた要素名称のリスト内に含まれる前記要素名称毎に、前記要素名称を、少なくとも発明又は考案を実施するための形態の欄内に含まれる説明中から検索し、検索された前記要素名称毎に、検索された前記要素名称に前記符号を付与するか否かの選択を要求し、その選択結果に基いて前記符号を付与するようにコンピュータを作動させる、明細書作成プログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、人によるコンピュータへの入力の手間を低減することができる明細書作成方法、装置及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】明細書の一例を示す説明図である。
図2】従来の明細書作成方法を説明するための説明図である。
図3】本発明の一実施形態に係る明細書作成方法を説明するための説明図である。
図4図3によって説明される明細書作成方法に関するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を例示説明する。
【0014】
特許出願又は実用新案出願のための明細書11(図1参照)は、一般的に、コンピュータ22(図2参照)の文書編集ソフトを用いて作成される。明細書11は、「発明の名称」、「発明の概要」、「図面の簡単な説明」、「発明を実施するための形態」、「符号の説明」などの表題を付された欄を有する。なお、特許出願の場合に「発明」と呼ばれるアイデアは、実用新案出願の場合は「考案」と呼ばれる。以下の説明は特許出願のための明細書11を作成する場合について行うが、実用新案出願のための明細書11を作成する場合にも適用が可能である。
【0015】
明細書11の作成は、一般的に、人が、文書編集ソフトを用いて、ディスプレイ23に表示された明細書11を見ながら、上記の欄内にキーボード24とマウス25を介して対応する説明を入力することによって行われる。「発明を実施するための形態」の欄には、発明の実施形態の説明が入力される。発明の実施形態の説明は、図面に示される符号12を参照して行われる。つまり、発明の実施形態の説明は、例えば、図1に示すように、「本発明の一実施形態に係る装置1は装置本体2と第1部材3を有する。装置本体2は一端部2aと他端部2bを有する。第1部材3は一端部3aと他端部3bを有する。装置1と装置4でシステム5が構成される。」といった文章を含む。また、「符号の説明」の欄には、例えば、図1に示すように、「1:装置、2:装置本体、2a:一端部、2b:他端部、3:第1部材、3a:一端部、3b:他端部、4:装置、5:システム」といった、符号12に対応づけられた要素名称13のリスト14が記載される。
【0016】
このように、明細書11の作成が完了した時点では、発明を実施するための形態の欄内における説明中の各々の要素名称13には、その要素名称13に対応する符号12が付されている。しかし、発明を実施するための形態の欄内の説明を作成する手順として、一文毎に要素名称13に符号12を付していては、手間も時間も余分にかかり、作成効率が悪い。また、説明の作成段階又は校正段階で文章の記載順序を改めたり、新たな文章や要素名称13を挿入(例えば、「装置1は装置本体2と第1部材3を有する。」という文章を「装置1は装置本体2、第1部材3及び第2部材4を有する。」という文章に改める)したりすることにより、発明を実施するための形態の欄内の説明全体に亘って符号12の対応関係を修正する手間や時間が生じてしまう場合もある。したがって、発明を実施するための形態の欄内の説明を効率的に作成するためには、例えば、(i)まずは符号12を含まない説明を完成させ、その後、(ii)説明内から符号12を付すべき要素名称13を抽出して符号の説明の欄内に要素名称13のリスト14を作成し、その後、(iii)そのリスト14に基いて、発明を実施するための形態の欄内の説明に符号12を付す、という順序で作業を行うことが望ましい。
【0017】
従来は、上記(iii)のステップを行うためには、例えば、図2に示すように、検索・置換ボックス31を表示し、符号の説明の欄内の「装置」をコピーし、検索対象文字入力欄32と置換文字入力欄33にそれぞれペーストし、置換文字入力欄33にさらに「1」を入力することで、検索対象文字入力欄32に「装置」と表示されるとともに置換文字入力欄33に「装置1」と表示される状態にする。そして、検索開始位置として、発明を実施するための形態の欄の最初の位置(最上部)を指定し、検索を開始する。すると、最初に検索された「装置」を「装置1」に置換するか、置換せずに検索を継続するか、の選択が要求される。置換すべきであれば置換を行うことを選択する。すると、置換が行われ、次に記載された「装置」が検索され、同様に選択が要求される。この時、例えば、検索された「装置」が「装置本体」の記載の一部にすぎないときは、「1」を付すべきではない(間違って置換すると「装置1本体」となってしまう)。そして、「装置」についての適切な符号12の付与が終了すると、次に、符号の説明の欄内の次の要素名称13である「装置本体」について、上記と同様の手順で「装置本体」を「装置本体2」に置換する作業を行う。そして、このような置換作業を、符号の説明の欄内の全ての要素名称13が処理済みとなるまで行う。
【0018】
このように、従来は、明細書11の作成の最終段階において、発明を実施するための形態の欄内への符号入れのために、コピー、ペースト、符号入力などの単純作業に相当な手間と時間を要していた。以下に説明する本発明の一実施形態に係る明細書作成方法によれば、この符号入れのための単純作業を自動化し、明細書11の作成効率を著しく向上することができる。
【0019】
図3に示すように、本発明の一実施形態に係る明細書作成方法は、プロセッサで構成されるコンピュータ22又はコンピュータ22で構成されるAI(Artificial Intelligence)が、符号12に対応づけられた要素名称13のリスト14内に含まれる要素名称13毎に、要素名称13を、少なくとも発明を実施するための形態の欄内に含まれる説明中から検索し、検索された要素名称13毎に、検索された要素名称13に符号12を付与するか否かの選択を要求し、その選択結果に基いて符号12を付与する、明細書作成方法である。また、本実施形態では、リスト14は符号の説明の欄内に記載された説明である。
【0020】
以下の説明において、上記の「符号12に対応づけられた要素名称13のリスト14内に含まれる要素名称13毎に、要素名称13を、少なくとも発明を実施するための形態の欄内に含まれる説明中から検索し、検索された要素名称13毎に、検索された要素名称13に符号12を付与するか否かの選択を要求し、その選択結果に基いて符号12を付与する」処理を符号付与処理ともいう。
【0021】
本実施形態に係る明細書作成方法は、符号付与処理を行わせるプログラムに従ってコンピュータ22が作動することによって行うことができる。つまり、本実施形態に係る明細書作成方法は、このように作動するコンピュータ22を有する、明細書作成装置21によって行うことができる。
【0022】
より具体的に、本実施形態に係る明細書作成方法は、発明を実施するための形態の欄内に説明を入力するステップである実施形態入力ステップと、発明を実施するための形態の欄内に含まれる説明に基いてリスト14を作成するステップであるリスト作成ステップと、符号付与処理を行うステップである符号付与ステップと、を有する。
【0023】
実施形態入力ステップとリスト作成ステップはそれぞれ、人が、文書編集ソフトを用いて、ディスプレイ23に表示された明細書11を見ながらキーボード24とマウス25を介して入力することによって行うことができる。
【0024】
符号付与ステップは、開始ステップS1、特定ステップS2、選択要求ステップS3、選択処理ステップS4及び繰り返しステップS5を有する。
【0025】
開始ステップS1は、コンピュータ22が、人からの開始の指示に基づいて、符号付与ステップを開始するステップである。特定ステップS2は、コンピュータ22が、開始ステップS1に次いでリスト14内の要素名称13の1つとその要素名称13に対応する符号12とを特定するステップである。選択要求ステップS3は、コンピュータ22が、特定された要素名称13を発明を実施するための形態の欄内に含まれる説明中から検索し、検索された要素名称13に特定された符号12を付与するか否かの選択を人に要求するステップである。選択処理ステップS4は、コンピュータ22が、その選択結果に基いて符号12を付与する(つまり、符号12を付与することが選択された場合は符号12を付与し、符号12を付与しないことが選択された場合は符号12を付与しない)ステップである。繰り返しステップS5は、コンピュータ22が、リスト14内の未処理の要素名称13について特定ステップS2、選択要求ステップS3及び選択処理ステップS4を繰り返すステップである。
【0026】
選択要求ステップS3は、人がディスプレイ23に表示されるダイアログ34(図3参照)を介して選択を入力するステップである選択入力ステップを有することが好ましい。なお、その入力はマウス25を介して行ってもよいし、キーボード24を介して行ってもよい。
【0027】
本実施形態によれば、明細書11の作成の最終段階において必要となる発明を実施するための形態の欄内への符号入れ作業を容易化し、明細書11の作成効率を著しく向上することができる。
【0028】
本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0029】
したがって、前述した実施形態に係る明細書作成方法、装置及びプログラムは、例えば以下に述べるような種々の変更が可能である。
【0030】
前述した実施形態に係る明細書作成方法は、コンピュータ22が、符号12に対応づけられた要素名称13のリスト14内に含まれる要素名称13毎に、要素名称13を、少なくとも発明又は考案を実施するための形態の欄内に含まれる説明中から検索し、検索された要素名称13毎に、検索された要素名称13に符号12を付与するか否かの選択を要求し、その選択結果に基いて符号12を付与する、ステップである符号付与ステップを有する、明細書作成方法である限り、種々変更可能である。
【0031】
例えば、リスト14は、符号の説明の欄内に記載された説明であるリスト14に限らず、例えば明細書11とは別に作成されてもよい。実施形態入力ステップは、その一部又は全部をコンピュータ22が自動的に行うステップであってもよい。リスト作成ステップは、その一部又は全部をコンピュータ22が自動的に行うステップであってもよい。選択要求ステップS3は、選択を人に要求するステップに限らず、選択をコンピュータ22に要求するステップであってもよい。
【0032】
なお、前述した実施形態に係る明細書作成方法は、上記構成において、リスト14が符号の説明の欄内に記載された説明である、明細書作成方法であることが好ましい。
【0033】
また、前述した実施形態に係る明細書作成方法は、上記構成において、前記符号付与ステップが、リスト14内の要素名称13の1つとその要素名称13に対応する符号12とを特定するステップである特定ステップS2と、特定された要素名称13を発明又は考案を実施するための形態の欄内に含まれる説明中から検索し、検索された要素名称13に特定された符号12を付与するか否かの選択を要求するステップである選択要求ステップS3と、その選択結果に基いて符号12を付与するステップである選択処理ステップS4と、リスト14内の未処理の要素名称13について特定ステップS2、選択要求ステップS3及び選択処理ステップS4を繰り返すステップである繰り返しステップS5と、を有する、明細書作成方法であることが好ましい。
【0034】
前述した実施形態に係る明細書作成装置21は、符号12に対応づけられた要素名称13のリスト14内に含まれる要素名称13毎に、要素名称13を、少なくとも発明又は考案を実施するための形態の欄内に含まれる説明中から検索し、検索された要素名称13毎に、検索された要素名称13に符号12を付与するか否かの選択を要求し、その選択結果に基いて符号12を付与するコンピュータ22を有する、明細書作成装置21である限り、種々変更可能である。
【0035】
前述した実施形態に係る明細書作成プログラムは、符号12に対応づけられた要素名称13のリスト14内に含まれる要素名称13毎に、要素名称13を、少なくとも発明又は考案を実施するための形態の欄内に含まれる説明中から検索し、検索された要素名称13毎に、検索された要素名称13に符号12を付与するか否かの選択を要求し、その選択結果に基いて符号12を付与するようにコンピュータ22を作動させる、明細書作成プログラムである限り、種々変更可能である。
【符号の説明】
【0036】
11 明細書
12 符号
13 要素名称
14 リスト
21 明細書作成装置
22 コンピュータ
23 ディスプレイ
24 キーボード
25 マウス
31 検索・置換ボックス
32 検索対象文字入力欄
33 置換文字入力欄
34 ダイアログ
S1 開始ステップ
S2 特定ステップ
S3 選択要求ステップ
S4 選択処理ステップ
S5 繰り返しステップ
【要約】
コンピュータ(22)が、符号(12)に対応づけられた要素名称(13)のリスト(14)内に含まれる要素名称(13)毎に、要素名称(13)を、少なくとも発明又は考案を実施するための形態の欄内に含まれる説明中から検索し、検索された要素名称(13)毎に、検索された要素名称(13)に符号(12)を付与するか否かの選択を要求し、その選択結果に基いて符号(12)を付与する、ステップである符号付与ステップを有する、明細書作成方法。
図1
図2
図3
図4