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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-13
(45)【発行日】2022-10-21
(54)【発明の名称】化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/73 20060101AFI20221014BHJP
   A61K 8/27 20060101ALI20221014BHJP
   A61Q 1/00 20060101ALI20221014BHJP
【FI】
A61K8/73
A61K8/27
A61Q1/00
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021524586
(86)(22)【出願日】2019-06-06
(86)【国際出願番号】 JP2019022458
(87)【国際公開番号】W WO2020245963
(87)【国際公開日】2020-12-10
【審査請求日】2021-12-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000135324
【氏名又は名称】株式会社ノエビア
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】木崎 寿美子
(72)【発明者】
【氏名】吉本 純也
【審査官】相田 元
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-150189(JP,A)
【文献】特開2011-148785(JP,A)
【文献】特許第6467100(JP,B1)
【文献】特開平08-245343(JP,A)
【文献】特開2000-256157(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0052242(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルケニルコハク酸デンプンエステル金属塩1質量部に対し、酸化亜鉛を0.05~2質量部被覆した複合粒子を含む、化粧料。
【請求項2】
前記複合粒子は、アルケニルコハク酸デンプンエステル金属塩1質量部に対し、酸化亜鉛を0.1~1.5質量部で被覆する、請求項1に記載の化粧料。
【請求項3】
前記アルケニルコハク酸デンプンエステル金属塩は、オクテニルコハク酸デンプンエステル金属塩、デセニルコハク酸デンプンエステル金属塩、ドデセニルコハク酸デンプンエステル金属塩、テトラデセニルコハク酸デンプンエステル金属塩、ヘキサデセニルコハク酸デンプンエステル金属塩、及びオクタデセニルコハク酸デンプンエステル金属塩からなる群から選択される1種以上を含む、請求項1または2に記載の化粧料。
【請求項4】
前記アルケニルコハク酸デンプンエステル金属塩は、オクテニルコハク酸デンプンエステル金属塩を含む、請求項3に記載の化粧料。
【請求項5】
前記アルケニルコハク酸デンプンエステル金属塩は、アルケニルコハク酸デンプンエステルナトリウム、アルケニルコハク酸デンプンエステルカリウム、アルケニルコハク酸デンプンエステルマグネシウム、アルケニルコハク酸デンプンエステルカルシウム、アルケニルコハク酸デンプンエステルバリウム、アルケニルコハク酸デンプンエステル銅、アルケニルコハク酸デンプンエステルアルミニウム、アルケニルコハク酸デンプンエステル鉄、及びアルケニルコハク酸デンプンエステルジルコニウムからなる群から選択される1種以上を含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の化粧料。
【請求項6】
前記アルケニルコハク酸デンプンエステル金属塩は、アルケニルコハク酸デンプンエステルアルミニウムを含む、請求項5に記載の化粧料。
【請求項7】
前記アルケニルコハク酸デンプンエステル金属塩は、オクテニルコハク酸デンプンエステルアルミニウムを含む、請求項1から6のいずれか1項に記載の化粧料。
【請求項8】
前記アルケニルコハク酸デンプンエステル金属塩の平均粒子径は、1~30μmである、請求項1から7のいずれか1項に記載の化粧料。
【請求項9】
前記酸化亜鉛の平均粒子径は、10~200nmである、請求項1から8のいずれか1項に記載の化粧料。
【請求項10】
前記酸化亜鉛は、疎水化処理された酸化亜鉛を含む、請求項1から9のいずれか1項に記載の化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧料は人の肌に塗布して使用するものであるため、皮膚から出る汗や皮脂への耐性が要求され、一般的に油浮きや化粧崩れしないことが求められる。このような要求を満たすため、化粧料に用いる粉体に様々な改良を加えることにより、化粧崩れを防止する検討が行われている。
【0003】
例えば、多孔質シリカや多孔質球状炭酸マグネシウム等の無機多孔質粉体を化粧料に配合する方法が挙げられるが、これらの粉体は肌上の水分を吸収し、肌のエモリエント成分が不足して肌の乾燥やかゆみを引き起こすという問題がある(特許文献1、特許文献2)。また、その他にもアクリルポリマー等の有機粉体が皮脂吸着剤として使用されているが、これらの皮脂吸着剤よりも、さらに優れた皮脂吸着能を有する素材の開発が期待されている。
【0004】
一方、酸化亜鉛は化粧料分野ではその粒子サイズによって白色顔料や紫外線遮蔽材料として利用されている。例えば、微粒子酸化亜鉛は皮脂中の脂肪酸と反応して皮脂を固定化させ、皮脂の広がりを抑制することにより、化粧持ちを向上させることが知られている(特許文献3)。しかしながら、このような微粒子酸化亜鉛は化粧料に配合するとキシミ感が出てしまい、感触に劣るという欠点がある。このため、感触に優れ、かつ高い皮脂固化能を有する酸化亜鉛粒子を得ることができれば、化粧品分野においては非常に有用な素材になる。
【0005】
また、(アクリレーツ/アクリル酸エチルへキシル)クロスポリマー1質量部に対し、酸化亜鉛を0.2~2質量部被覆した複合粉体(特許文献4)も知られているが、さらに高い皮脂固化能を発揮する粉体及び化粧料が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2009-137806号公報
【文献】特開2006-096706号公報
【文献】特開平8-41379号公報
【文献】特許第6467100号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、高い皮脂固化能を発揮する複合粒子を含む化粧料を提供することを一目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下を要旨とする。
[1]アルケニルコハク酸デンプンエステル金属塩1質量部に対し、酸化亜鉛を0.05~2質量部被覆した複合粒子を含む、化粧料。
[2]前記複合粒子は、アルケニルコハク酸デンプンエステル金属塩1質量部に対し、酸化亜鉛を0.1~1.5質量部で被覆する、[1]に記載の化粧料。
[3]前記アルケニルコハク酸デンプンエステル金属塩は、オクテニルコハク酸デンプンエステル金属塩、デセニルコハク酸デンプンエステル金属塩、ドデセニルコハク酸デンプンエステル金属塩、テトラデセニルコハク酸デンプンエステル金属塩、ヘキサデセニルコハク酸デンプンエステル金属塩、及びオクタデセニルコハク酸デンプンエステル金属塩からなる群から選択される1種以上を含む、[1]または[2]に記載の化粧料。
[4]前記アルケニルコハク酸デンプンエステル金属塩は、オクテニルコハク酸デンプンエステル金属塩を含む、[3]に記載の化粧料。
【0009】
[5]前記アルケニルコハク酸デンプンエステル金属塩は、アルケニルコハク酸デンプンエステルナトリウム、アルケニルコハク酸デンプンエステルカリウム、アルケニルコハク酸デンプンエステルマグネシウム、アルケニルコハク酸デンプンエステルカルシウム、アルケニルコハク酸デンプンエステルバリウム、アルケニルコハク酸デンプンエステル銅、アルケニルコハク酸デンプンエステルアルミニウム、アルケニルコハク酸デンプンエステル鉄、及びアルケニルコハク酸デンプンエステルジルコニウムからなる群から選択される1種以上を含む、[1]から[4]のいずれかに記載の化粧料。
[6]前記アルケニルコハク酸デンプンエステル金属塩は、アルケニルコハク酸デンプンエステルアルミニウムを含む、[5]に記載の化粧料。
[7]前記アルケニルコハク酸デンプンエステル金属塩は、オクテニルコハク酸デンプンエステルアルミニウムを含む、[1]から[6]のいずれかに記載の化粧料。
【0010】
[8]前記アルケニルコハク酸デンプンエステル金属塩の平均粒子径は、1~30μmである、[1]から[7]のいずれかに記載の化粧料。
[9]前記酸化亜鉛の平均粒子径は、10~200nmである、[1]から[8]のいずれかに記載の化粧料。
[10]前記酸化亜鉛は、疎水化処理された酸化亜鉛を含む、[1]から[9]のいずれかに記載の化粧料。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、高い皮脂固化能を発揮する複合粒子を含み、皮脂崩れしにくく、高い化粧持ち効果を発揮する化粧料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0013】
本発明の化粧料に含まれる複合粒子は、アルケニルコハク酸デンプンエステル金属塩と、アルケニルコハク酸デンプンエステル金属塩を被覆する酸化亜鉛とを含む複合粒子であって、アルケニルコハク酸デンプンエステル金属塩1質量部に対し、酸化亜鉛を0.05~2質量部で被覆していることが好ましい。この複合粒子は、アルケニルコハク酸デンプンエステル金属塩の粒子表面が酸化亜鉛によって被覆されて複合粒子の形態となっていることが好ましい。
【0014】
本発明におけるアルケニルコハク酸デンプンエステル金属塩は、アルケニル基を有するコハク酸のデンプンエステルの金属塩である。アルケニルコハク酸において、アルケニル基の炭素数は、5~22が好ましく、10~20がより好ましく、8~18がさらに好ましい。アルケニルコハク酸としては、例えば、オクテニルコハク酸、デセニルコハク酸、ドデセニルコハク酸、テトラデセニルコハク酸、ヘキサデセニルコハク酸、オクタデセニルコハク酸等が挙げられる。特に、オクテニルコハク酸デンプンエステルの金属塩を好ましく用いることができる。金属塩としては、1価、2価または3価の金属塩が好ましく、例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、銅、アルミニウム、鉄、ジルコニウム等が挙げられる。特に、アルケニルコハク酸デンプンエステルのアルミニウム塩、カルシウム塩、ナトリウム塩を好ましく用いることができ、より好ましくはアルミニウム塩である。なかでも、オクテニルコハク酸デンプンエステルアルミニウムを好ましく用いることができる。
【0015】
本発明で使用できるデンプンとしては、例えば、トウモロコシデンプン、タピオカデンプン、コメデンプン、アマランサスデンプン等の天然デンプン、小麦デンプンまたは馬鈴薯デンプンの小粒子を分画したもの等が挙げられる。また、これらの加工デンプンを用いてもよく、例えば、酸分解デンプン、酸化デンプン、エーテル化、エステル化、架橋等のデンプン誘導体、湿熱処理デンプン等が挙げられる。
【0016】
本発明の複合粒子に用いられるアルケニルコハク酸デンプンエステル金属塩の平均粒子径は1~30μmが好ましく、より好ましくは2~25μmのものを用いることが複合化する上で好適である。ここで、平均粒子径は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置により体積基準の平均粒子径である。
アルケニルコハク酸デンプンエステル金属塩の形状は特に限定されないが、例えば、球状、楕円状、多角形状、破砕状等の粒子状であってよい。
アルケニルコハク酸デンプン金属塩の製造方法は常法にしたがって製造することができる。
【0017】
本発明の複合粒子に用いられる酸化亜鉛は、化粧料に配合し得るものであれば特に限定されない。酸化亜鉛の形状は特に限定されないが、平均粒子径は、皮脂固化能の観点より、10~200nmが好ましく、15~100nmがより好ましく、さらには15~50nmが一層好ましい。ここで、平均粒子径は、電子顕微鏡法の原理により、1000個の粒子の粒子径を測定し、個数平均とした平均粒子径である。
【0018】
酸化亜鉛は未処理の酸化亜鉛をそのまま用いることもできるが、疎水化処理を施した酸化亜鉛を用いることが好ましい。疎水化処理剤としては特に限定されるものではなく、ジメチコン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、金属石鹸等が例示される。これらの疎水化処理剤の中でも、ジメチコン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、これらの共重合体、またはこれらの混合物を用いることが好ましい。疎水化処理剤の被覆量は酸化亜鉛を疎水化処理するのに十分な量であればよい。具体的には酸化亜鉛と疎水化処理剤の質量比が85:15~99:1が好ましく、さらには90:10~98:2が好ましい。
【0019】
本発明の化粧料に用いられる複合粒子において、アルケニルコハク酸デンプンエステル金属塩1質量部に対し、酸化亜鉛の被覆量は0.05質量部以上であり、0.1質量部以上がより好ましく、0.2質量部以上がさらに好ましい。また、アルケニルコハク酸デンプンエステル金属塩1質量部に対し、酸化亜鉛の被覆量は2質量部以下であり、1.5質量部以下がより好ましい。この範囲で、皮脂固化能をより高めて、皮脂崩れをより防止することができる。
アルケニルコハク酸デンプンエステル金属塩1質量部に対し、酸化亜鉛の被覆量は0.05~2質量部であり、0.1~1.5質量部がより好ましい。
【0020】
アルケニルコハク酸デンプンエステル金属塩への酸化亜鉛の被覆方法としては、これまで知られた各種方法を用いることができ、例えば物理化学的な混合摩砕法(乾式、湿式)や化学的な沈着法等が選択され得る。複合粒子の皮脂固化能の点から、乾式の混合摩砕法を好ましく用いることができる。
【0021】
本発明の複合粒子は、上記したアルケニルコハク酸デンプンエステル金属塩の中から選択した1種または2種以上を、酸化亜鉛によって被覆したものを用いることができる。酸化亜鉛には、未処理の酸化亜鉛、疎水化処理した酸化亜鉛、またはこれらの組み合わせを用いてもよい。また、本発明の化粧料には、上記したアルケニルコハク酸デンプンエステル金属塩の中から選択される1種または2種以上と、酸化亜鉛との組み合わせである複合粒子を1種単独で、または2種以上を組み合わせて配合してもよい。
【0022】
本発明の化粧料は、上記複合粒子を含むことによって、皮脂固化能を有し、優れた化粧持ち効果を発揮することができる。
【0023】
複合粒子の化粧料への配合量としては、化粧料全量に対し、0.5~90質量%が好ましい。この配合量が0.5質量%未満では、複合粒子の皮脂固化能が化粧料中で有効に発揮されにくくなる傾向がある。一方、90質量%を超える複合粒子を化粧料に配合すると、製剤化が難しくなる傾向がある。
【0024】
本発明の化粧料の用途は特に限定されないが、その効果の点から、ファンデーション等のメイクアップ化粧料や、下地化粧料、日焼け止め化粧料等に好適に用いることができる。
【0025】
本発明の化粧料の剤型は特に限定されず、粉体化粧料、乳化化粧料、2層化粧料等が例示される。
【0026】
本発明の化粧料は、複合粒子に加えて、必要に応じて通常化粧料に配合される、水性成分、保湿剤、油性成分、色素、界面活性剤、紫外線吸収剤、増粘剤、美容成分、香料、高分子物質、防菌防黴剤、アルコール類、粉体、スクラブ剤、生体由来成分等を適宜配合することができる。
【実施例
【0027】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、これにより本発明の範囲が限定されるものではない。なお、配合量は特に断りのない限り質量%である。
【0028】
(複合粒子)
表1に示す核粒子と酸化亜鉛とを、ブレンダーを用いて2時間混合することにより、複合粒子を得た。この複合粒子を顕微鏡で観察したところ、酸化亜鉛により核粒子が被覆されていた。なお、酸化亜鉛として、5%ジメチコンで処理した平均粒子径25nmの酸化亜鉛を用いた。
表1において、酸化亜鉛の被覆量は、核粒子と酸化亜鉛との合計量に対する質量割合で示す。
酸化亜鉛被覆前の核粒子の平均粒子径を表1に示す。
【0029】
(オレイン酸固化試験)
(a)20mLのビーカーにオレイン酸(PM810:ミヨシ油脂株式会社)5gとイオン交換水1gを計量し、40℃に設定したホットプレートで35~40℃まで加温する。
(b)(a)に複合粒子0.5gを添加してスパチュラを用い、均質になるよう30秒撹拌する。
(c)撹拌後、すばやく撹拌子を投入して、スターラーにて撹拌(200rpm)する。撹拌開始時間からオレイン酸のゲル化が進行して撹拌子の回転が止まるまでの時間を計測し、固化時間とした。
【0030】
【表1】
【0031】
表1に示す通り、オクテニルコハク酸デンプンアルミニウムと酸化亜鉛の複合粒子1~3は、オレイン酸固化時間が非常に早く、高い皮脂固化能を発揮することが示された。また、オクテニルコハク酸デンプンカルシウムと酸化亜鉛の複合粒子5も、オレイン酸固化時間が非常に早く、高い皮脂固化能を発揮することが示された。
【0032】
次に、表1に示す複合粒子1を用いて、表2に示す処方で、定法によりプレスタイプのファンデーションを調製した。
【0033】
(評価方法)
メイクアップ化粧料の専門評価者3名に、実施例1及び比較例1を半顔で使用させ、高温多湿下の室内で3時間後の皮脂崩れをそれぞれ評価させ合議によりどちらが優れているかを下記の基準で評価した。
【0034】
[皮脂崩れ]
〇:皮脂崩れしにくい。
×:皮脂崩れしやすい。
【0035】
【表2】
【0036】
表2に示す通り、複合粒子を配合した実施例1は、皮脂崩れしにくいことが示された。
【0037】
次に、表1に示す複合粒子1~3を用いて、下記の手順にしたがって、各種化粧料を調整した。
[実施例2]パウダーファンデーション
【表3】
【0038】
製法:1~10を混合、均質化した後、加熱溶解して75℃とした11~13の成分を添加し混練する。アトマイザーで粉砕し、篩過した後、金皿にプレス成型する。
【0039】
[実施例3]油性ファンデーション(コンパクトタイプ)
【表4】
【0040】
製法:1~6を混合、均質化した後、加熱溶解した7~11の成分を添加しロールミルで混練する。混練物を再融解し、ゆっくり攪拌して泡を浮上させ、ついで冷却し、60℃で容器に流し込んで放冷、固化する。
【0041】
[実施例4]シミ隠し用スティック
【表5】
【0042】
製法:9~14を85℃で溶解し、混合、均質化した1~8の成分を攪拌しながら添加する。コロイドミルで磨砕分散させ、脱気後70℃で容器に流し込み冷却する。
【0043】
[実施例5]O/W乳化型ファンデーション
【表6】
【0044】
製法:6を9に分散させて10に添加し、70℃でホモミキサー処理した後、7及び8を添加し十分に攪拌する。これに混合、均質化した1~5を添加し、ホモミキサーで均質に混合する。75℃で加熱溶解、均質化した11~15の成分を添加し、ホモミキサーにて乳化後、冷却する。
【0045】
[実施例6]W/O乳化型ファンデーション
【表7】
【0046】
製法:8~10を加熱溶解、均質化し、1~5を添加してホモミキサーにて均質に分散させる。均質に溶解した6、7の成分を添加して、ホモミキサーにて乳化後冷却する。
【0047】
[実施例7]O/W乳化型日焼け止めクリーム
【表8】
【0048】
製法:9~13を混合した後ホモミキサーを用いて均質に分散させた後、加熱溶解して75℃とした1~8の成分を添加して、ホモミキサーにて乳化後冷却する。
【0049】
[実施例8]W/O乳化型日焼け止め乳液
【表9】
【0050】
製法:1~10を加熱溶解、混合後ホモミキサーを用いて均質に分散させ、均質に溶解した11、12を添加して、ホモミキサーにて乳化後冷却する。