(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-14
(45)【発行日】2022-10-24
(54)【発明の名称】サーバ装置、情報処理システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20221017BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20221017BHJP
G06T 19/00 20110101ALI20221017BHJP
【FI】
G06Q30/02 380
G06Q50/10
G06T19/00 A
(21)【出願番号】P 2020217352
(22)【出願日】2020-12-25
【審査請求日】2021-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100131842
【氏名又は名称】加島 広基
(72)【発明者】
【氏名】奥山 幹樹
(72)【発明者】
【氏名】川上 智司
(72)【発明者】
【氏名】木村 哲
【審査官】塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/108549(WO,A1)
【文献】特開2013-084313(JP,A)
【文献】特開2020-149399(JP,A)
【文献】特開2019-087091(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06T 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プログラムを実行することにより、受付手段と、設定手段と、指示手段として機能するコンピュータを備えたサーバ装置であって、
前記受付手段は、第1端末から付加画像の表示の設定に関する設定情報を受け付け、
前記設定手段は、前記受付手段により受け付けた前記設定情報に基づいて、ユーザの第2端末における前記付加画像の表示態様を設定し、
前記指示手段は、前記設定手段により設定された前記表示態様で前記付加画像を選択的に合成した画像を前記第2端末に表示させ
、
前記指示手段は、前記第2端末の検知部により検知された周辺環境の画像を前記第2端末に表示する場合に、前記設定手段により設定された前記表示態様で前記付加画像を前記周辺環境の画像に選択的に合成して前記第2端末に表示させ、この際に、前記検知部により検知される周辺環境の画像に適合する前記付加画像を合成して前記第2端末に表示させるが周辺環境の画像に適合しない前記付加画像を前記第2端末に表示させないような設定を行うことができるようになっている
、サーバ装置。
【請求項2】
前記設定情報は、前記付加画像が付加されるべき対象物の情報を含み、
前記設定手段は、前記第2端末の検知部により検知された周辺環境の画像に前記対象物が含まれる場合に、前記設定手段により設定された前記表示態様で前記付加画像を前記対象物に付加した状態で前記第2端末に表示させる、請求項
1記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記受付手段は、前記第2端末の前記検知部により検知された前記第2端末の周辺環境に関する情報を周辺環境情報として前記第2端末から受け付け、
前記設定手段は、前記受付手段により受け付けた前記設定情報および前記周辺環境情報に基づいて、前記第2端末における前記付加画像の表示態様を設定する、請求項
1または
2記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記受付手段は、前記第2端末の現在位置に関する情報を現在位置情報として前記第2端末から受け付け、
前記設定手段は、前記受付手段により受け付けた前記設定情報および前記現在位置情報に基づいて、前記第2端末における前記付加画像の表示態様を設定する、請求項
1乃至
3のいずれか一項に記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記設定情報は、前記付加画像を前記第2端末に表示させるか否かの設定に関する情報を含み、
前記設定情報が前記付加画像を前記第2端末に表示させるという情報である場合には、前記設定手段は、前記表示態様として前記付加画像を前記第2端末に表示させることを設定する、請求項1乃至
4のいずれか一項に記載のサーバ装置。
【請求項6】
前記受付手段は、前記第2端末を所有する前記ユーザに関する属性情報を受け付け、
前記設定手段は、前記受付手段が受け付けた前記属性情報も参照して、前記第2端末における前記付加画像の前記表示態様を設定する、請求項1乃至
5のいずれか一項に記載のサーバ装置。
【請求項7】
前記設定手段は、現在の日時に関する日時情報も参照して、前記第2端末における前記付加画像の表示態様を設定する、請求項1乃至
6のいずれか一項に記載のサーバ装置。
【請求項8】
プログラムを実行することにより、受付手段と、設定手段と、判断手段と、指示手段として機能するコンピュータを備えたサーバ装置であって、
前記受付手段は、対象物の知的財産に関する知的財産情報を受け付け、
前記設定手段は、ユーザの第2端末における前記対象物に付加される付加画像の表示態様を設定し、
前記判断手段は、受け付けた前記知的財産情報に基づいて、前記設定手段により設定された前記表示態様で前記付加画像を前記対象物に付加した状態で前記第2端末に表示させることが適切であるか否かを判断し、
前記指示手段は、前記判断手段により前記付加画像を前記対象物に付加した状態で前記第2端末に表示させることが適切であると判断された場合に、前記設定手段により設定された前記表示態様で前記付加画像を前記対象物に付加した状態で前記第2端末に表示させ
、前記判断手段により前記付加画像を前記対象物に付加した状態で前記第2端末に表示させることが適切ではないと判断された場合に、前記付加画像を前記第2端末に表示させない、サーバ装置。
【請求項9】
前記指示手段は、前記第2端末の検知部により検知された周辺環境の画像を前記第2端末に表示する場合に、前記設定手段により設定された前記表示態様で前記付加画像を前記周辺環境の画像に合成して前記第2端末に表示させる、請求項
8記載のサーバ装置。
【請求項10】
前記受付手段は、前記第2端末の前記検知部により検知された前記第2端末の周辺環境に関する情報を周辺環境情報として前記第2端末から受け付け、
前記判断手段は、前記受付手段により受け付けた前記周辺環境情報における前記対象物について、前記知的財産情報に基づいて、前記設定手段により設定された前記表示態様で前記付加画像を前記対象物に付加した状態で前記第2端末に表示させることが適切であるか否かを判断する、請求項
9記載のサーバ装置。
【請求項11】
前記判断手段は、前記受付手段により受け付けた前記周辺環境情報に前記対象物が含まれる程度も参照して、前記設定手段により設定された前記表示態様で前記付加画像を前記対象物に付加した状態で前記第2端末に表示させることが適切であるか否かを判断する、請求項
10記載のサーバ装置。
【請求項12】
前記受付手段は、前記第2端末の現在位置に関する情報を現在位置情報として前記第2端末から受け付け、
前記判断手段は、前記受付手段により受け付けた前記知的財産情報および前記現在位置情報に基づいて、前記設定手段により設定された前記表示態様で前記付加画像を前記対象物に付加した状態で前記第2端末に表示させることが適切であるか否かを判断する、請求項
9乃至
11のいずれか一項に記載のサーバ装置。
【請求項13】
前記受付手段は、仮想空間に関する情報を受け付け、
前記指示手段は、前記受付手段により受け付けた前記仮想空間の画像を前記第2端末に表示させる場合に、前記設定手段により設定された前記表示態様で前記付加画像を前記仮想空間の画像に合成して前記第2端末に表示させる、請求項
8記載のサーバ装置。
【請求項14】
前記受付手段は、前記ユーザの前記第2端末の表示モードに関する情報を表示モード情報として受け付け、
前記判断手段は、前記受付手段により受け付けた前記知的財産情報および前記表示モード情報に基づいて、前記設定手段により設定された前記表示態様で前記付加画像を前記対象物に付加した状態で前記第2端末に表示させることが適切であるか否かを判断する、請求項
8乃至
13のいずれか一項に記載のサーバ装置。
【請求項15】
前記判断手段は、受け付けた前記知的財産情報に基づいて、前記付加画像が付加されるべき前記対象物が知的財産により保護されている場合には、知的財産の権利者により前記付加画像を付加することが認容されている場合にのみ、前記付加画像を前記対象物に付加した画像を前記第2端末に表示させることが適切であると判断する、請求項8乃至14のいずれか一項に記載のサーバ装置。
【請求項16】
受付手段と、設定手段と、指示手段とを備えた情報処理システムであって、
前記受付手段は、第1端末から付加画像の表示の設定に関する設定情報を受け付け、
前記設定手段は、前記受付手段により受け付けた前記設定情報に基づいて、ユーザの第2端末における前記付加画像の表示態様を設定し、
前記指示手段は、前記設定手段により設定された前記表示態様で前記付加画像を選択的に合成した画像を前記第2端末に表示させ
、
前記指示手段は、前記第2端末の検知部により検知された周辺環境の画像を前記第2端末に表示する場合に、前記設定手段により設定された前記表示態様で前記付加画像を前記周辺環境の画像に選択的に合成して前記第2端末に表示させ、この際に、前記検知部により検知される周辺環境の画像に適合する前記付加画像を合成して前記第2端末に表示させるが周辺環境の画像に適合しない前記付加画像を前記第2端末に表示させないような設定を行うことができるようになっている
、情報処理システム。
【請求項17】
受付手段と、設定手段と、判断手段と、指示手段とを備えた情報処理システムであって、
前記受付手段は、対象物の知的財産に関する知的財産情報を受け付け、
前記設定手段は、ユーザの第2端末における前記対象物に付加される付加画像の表示態様を設定し、
前記判断手段は、受け付けた前記知的財産情報に基づいて、前記設定手段により設定された前記表示態様で前記付加画像を前記対象物に付加した状態で前記第2端末に表示させることが適切であるか否かを判断し、
前記指示手段は、前記判断手段により前記付加画像を前記対象物に付加した状態で前記第2端末に表示させることが適切であると判断された場合に、前記設定手段により設定された前記表示態様で前記付加画像を前記対象物に付加した状態で前記第2端末に表示させ
、前記判断手段により前記付加画像を前記対象物に付加した状態で前記第2端末に表示させることが適切ではないと判断された場合に、前記付加画像を前記第2端末に表示させない、情報処理システム。
【請求項18】
コンピュータを、受付手段と、設定手段と、指示手段として機能させるプログラムであって、
前記受付手段は、第1端末から付加画像の表示の設定に関する設定情報を受け付け、
前記設定手段は、前記受付手段により受け付けた前記設定情報に基づいて、ユーザの第2端末における前記付加画像の表示態様を設定し、
前記指示手段は、前記設定手段により設定された前記表示態様で前記付加画像を選択的に合成した画像を前記第2端末に表示させ
、
前記指示手段は、前記第2端末の検知部により検知された周辺環境の画像を前記第2端末に表示する場合に、前記設定手段により設定された前記表示態様で前記付加画像を前記周辺環境の画像に選択的に合成して前記第2端末に表示させ、この際に、前記検知部により検知される周辺環境の画像に適合する前記付加画像を合成して前記第2端末に表示させるが周辺環境の画像に適合しない前記付加画像を前記第2端末に表示させないような設定を行うことができるようになっている
、プログラム。
【請求項19】
コンピュータを、受付手段と、設定手段と、判断手段と、指示手段として機能させるプログラムであって、
前記受付手段は、対象物の知的財産に関する知的財産情報を受け付け、
前記設定手段は、ユーザの第2端末における前記対象物に付加される付加画像の表示態様を設定し、
前記判断手段は、受け付けた前記知的財産情報に基づいて、前記設定手段により設定された前記表示態様で前記付加画像を前記対象物に付加した状態で前記第2端末に表示させることが適切であるか否かを判断し、
前記指示手段は、前記判断手段により前記付加画像を前記対象物に付加した状態で前記第2端末に表示させることが適切であると判断された場合に、前記設定手段により設定された前記表示態様で前記付加画像を前記対象物に付加した状態で前記第2端末に表示させ
、前記判断手段により前記付加画像を前記対象物に付加した状態で前記第2端末に表示させることが適切ではないと判断された場合に、前記付加画像を前記第2端末に表示させない、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サーバ装置、情報処理システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォン等のユーザ端末に対して拡張現実(AR:Augmented Reality)や仮想現実(VR:Virtual Reality)の技術により建築物等の不動産や動産を含む対象物を表示させる技術が用いられている。例えば、特許文献1には、ユーザ端末において拡張現実空間に対象物を表示させる技術が開示されている。また、特許文献2には、ユーザ端末において仮想現実空間に対象物を表示させる技術が開示されている。
【0003】
また、特許文献3には、AR表示を規制することができるAR表示管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-84313号公報
【文献】特開2020-149399号公報
【文献】特開2019-87091号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の拡張現実や仮想現実の技術において、現実空間や仮想空間の画像に付加画像を付加して表示させることができないという問題があった。
【0006】
本開示は、付加画像を合成してユーザ端末に表示させるサーバ装置、情報処理システムおよびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の側面は、
プログラムを実行することにより、受付手段と、設定手段と、指示手段として機能するコンピュータを備えたサーバ装置であって、
前記受付手段は、第1端末から付加画像の表示の設定に関する設定情報を受け付け、
前記設定手段は、前記受付手段により受け付けた前記設定情報に基づいて、ユーザの第2端末における前記付加画像の表示態様を設定し、
前記指示手段は、前記設定手段により設定された前記表示態様で前記付加画像を選択的に合成した画像を前記第2端末に表示させる、サーバ装置である。
【0008】
また、第1の側面において、
前記指示手段は、前記第2端末の検知部により検知された周辺環境の画像を前記第2端末に表示する場合に、前記設定手段により設定された前記表示態様で前記付加画像を前記周辺環境の画像に選択的に合成して前記第2端末に表示させることができる。
【0009】
また、第1の側面において、
前記設定情報は、前記付加画像が付加されるべき対象物の情報を含み、
前記設定手段は、前記第2端末の検知部により検知された周辺環境の画像に前記対象物が含まれる場合に、前記設定手段により設定された前記表示態様で前記付加画像を前記対象物に付加した状態で前記第2端末に表示させることができる。
【0010】
また、第1の側面において、
前記受付手段は、前記第2端末の前記検知部により検知された前記第2端末の周辺環境に関する情報を周辺環境情報として前記第2端末から受け付け、
前記設定手段は、前記受付手段により受け付けた前記設定情報および前記周辺環境情報に基づいて、前記第2端末における前記付加画像の表示態様を設定することができる。
【0011】
また、第1の側面において、
前記受付手段は、前記第2端末の現在位置に関する情報を現在位置情報として前記第2端末から受け付け、
前記設定手段は、前記受付手段により受け付けた前記設定情報および前記現在位置情報に基づいて、前記第2端末における前記付加画像の表示態様を設定することができる。
【0012】
また、第1の側面において、
前記受付手段は、仮想空間に関する情報を受け付け、
前記指示手段は、前記受付手段により受け付けた前記仮想空間の画像を前記第2端末に表示させる場合に、前記設定手段により設定された前記表示態様で前記付加画像を前記仮想空間の画像に選択的に合成して前記第2端末に表示させることができる。
【0013】
また、第1の側面において、
前記設定情報は、前記付加画像を前記第2端末に表示させるか否かの設定に関する情報を含み、
前記設定情報が前記付加画像を前記第2端末に表示させるという情報である場合には、前記設定手段は、前記表示態様として前記付加画像を前記第2端末に表示させることを設定することができる。
【0014】
また、第1の側面において、
前記受付手段は、前記第2端末を所有する前記ユーザに関する属性情報を受け付け、
前記設定手段は、前記受付手段が受け付けた前記属性情報も参照して、前記第2端末における前記付加画像の前記表示態様を設定することができる。
【0015】
また、第1の側面において、
前記設定手段は、現在の日時に関する日時情報も参照して、前記第2端末における前記付加画像の表示態様を設定することができる。
【0016】
第2の側面は、
プログラムを実行することにより、受付手段と、設定手段と、判断手段と、指示手段として機能するコンピュータを備えたサーバ装置であって、
前記受付手段は、対象物の知的財産に関する知的財産情報を受け付け、
前記設定手段は、ユーザの第2端末における前記対象物に付加される付加画像の表示態様を設定し、
前記判断手段は、受け付けた前記知的財産情報に基づいて、前記設定手段により設定された前記表示態様で前記付加画像を前記対象物に付加した状態で前記第2端末に表示させることが適切であるか否かを判断し、
前記指示手段は、前記判断手段により前記付加画像を前記対象物に付加した状態で前記第2端末に表示させることが適切であると判断された場合に、前記設定手段により設定された前記表示態様で前記付加画像を前記対象物に付加した状態で前記第2端末に表示させる、サーバ装置である。
【0017】
また、第2の側面において、
前記指示手段は、前記第2端末の検知部により検知された周辺環境の画像を前記第2端末に表示する場合に、前記設定手段により設定された前記表示態様で前記付加画像を前記周辺環境の画像に合成して前記第2端末に表示させることができる。
【0018】
また、第2の側面において、
前記受付手段は、前記第2端末の前記検知部により検知された前記第2端末の周辺環境に関する情報を周辺環境情報として前記第2端末から受け付け、
前記判断手段は、前記受付手段により受け付けた前記周辺環境情報における前記対象物について、前記知的財産情報に基づいて、前記設定手段により設定された前記表示態様で前記付加画像を前記対象物に付加した状態で前記第2端末に表示させることが適切であるか否かを判断することができる。
【0019】
また、第2の側面において、
前記判断手段は、前記受付手段により受け付けた前記周辺環境情報に前記対象物が含まれる程度も参照して、前記設定手段により設定された前記表示態様で前記付加画像を前記対象物に付加した状態で前記第2端末に表示させることが適切であるか否かを判断することができる。
【0020】
また、第2の側面において、
前記受付手段は、前記第2端末の現在位置に関する情報を現在位置情報として前記第2端末から受け付け、
前記判断手段は、前記受付手段により受け付けた前記知的財産情報および前記現在位置情報に基づいて、前記設定手段により設定された前記表示態様で前記付加画像を前記対象物に付加した状態で前記第2端末に表示させることが適切であるか否かを判断することができる。
【0021】
また、第2の側面において、
前記受付手段は、仮想空間に関する情報を受け付け、
前記指示手段は、前記受付手段により受け付けた前記仮想空間の画像を前記第2端末に表示させる場合に、前記設定手段により設定された前記表示態様で前記付加画像を前記仮想空間の画像に合成して前記第2端末に表示させることができる。
【0022】
また、第2の側面において、
前記受付手段は、前記ユーザの前記第2端末の表示モードに関する情報を表示モード情報として受け付け、
前記判断手段は、前記受付手段により受け付けた前記知的財産情報および前記表示モード情報に基づいて、前記設定手段により設定された前記表示態様で前記付加画像を前記対象物に付加した状態で前記第2端末に表示させることが適切であるか否かを判断することができる。
【0023】
第3の側面は、
受付手段と、設定手段と、指示手段とを備えた情報処理システムであって、
前記受付手段は、第1端末から付加画像の表示の設定に関する設定情報を受け付け、
前記設定手段は、前記受付手段により受け付けた前記設定情報に基づいて、ユーザの第2端末における前記付加画像の表示態様を設定し、
前記指示手段は、前記設定手段により設定された前記表示態様で前記付加画像を選択的に合成した画像を前記第2端末に表示させる、情報処理システムである。
【0024】
第4の側面は、
受付手段と、設定手段と、判断手段と、指示手段とを備えた情報処理システムであって、
前記受付手段は、対象物の知的財産に関する知的財産情報を受け付け、
前記設定手段は、ユーザの第2端末における前記対象物に付加される付加画像の表示態様を設定し、
前記判断手段は、受け付けた前記知的財産情報に基づいて、前記設定手段により設定された前記表示態様で前記付加画像を前記対象物に付加した状態で前記第2端末に表示させることが適切であるか否かを判断し、
前記指示手段は、前記判断手段により前記付加画像を前記対象物に付加した状態で前記第2端末に表示させることが適切であると判断された場合に、前記設定手段により設定された前記表示態様で前記付加画像を前記対象物に付加した状態で前記第2端末に表示させる、情報処理システムである。
【0025】
第5の側面は、
コンピュータを、受付手段と、設定手段と、指示手段として機能させるプログラムであって、
前記受付手段は、第1端末から付加画像の表示の設定に関する設定情報を受け付け、
前記設定手段は、前記受付手段により受け付けた前記設定情報に基づいて、ユーザの第2端末における前記付加画像の表示態様を設定し、
前記指示手段は、前記設定手段により設定された前記表示態様で前記付加画像を選択的に合成した画像を前記第2端末に表示させる、プログラムである。
【0026】
第6の側面は、
コンピュータを、受付手段と、設定手段と、判断手段と、指示手段として機能させるプログラムであって、
前記受付手段は、対象物の知的財産に関する知的財産情報を受け付け、
前記設定手段は、ユーザの第2端末における前記対象物に付加される付加画像の表示態様を設定し、
前記判断手段は、受け付けた前記知的財産情報に基づいて、前記設定手段により設定された前記表示態様で前記付加画像を前記対象物に付加した状態で前記第2端末に表示させることが適切であるか否かを判断し、
前記指示手段は、前記判断手段により前記付加画像を前記対象物に付加した状態で前記第2端末に表示させることが適切であると判断された場合に、前記設定手段により設定された前記表示態様で前記付加画像を前記対象物に付加した状態で前記第2端末に表示させる、プログラムである。
【発明の効果】
【0027】
本開示によれば、付加画像を合成してユーザ端末に表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本実施形態における情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】ユーザがARデバイスを装着したときの周辺環境およびARデバイスに表示される画像を示す図である。
【
図3】ユーザにより使用されるコンピュータのモニタに表示される仮想空間の画像を示す図である。
【
図4】設定手段により設定された表示態様で付加画像をユーザのARデバイスやコンピュータに表示させるときの一連の動作の流れを表すフロー図である。
【
図5】知的財産情報に基づいて適切であると判断された付加画像をユーザのARデバイスやコンピュータに表示させるときの一連の動作の流れを表すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
〔実施形態〕
本開示の実施形態の情報処理システム1について、図面を参照して説明する。
【0030】
<情報処理システム1の説明>
図1に示す情報処理システム1では、サーバ装置2(コンピュータ)、ユーザが利用するARデバイス3(第2端末)、ユーザが利用するコンピュータ4(第2端末)、付加画像の表示の設定を行う者(以下、設定者ともいう)が利用するコンピュータ5(第1端末)が通信ネットワーク6を介して互いに通信可能に接続されている。
【0031】
対象物は、現実空間に存在する建築物、建築物の広告看板、モニュメント、動産等を含む。建築物は、例えば一戸建て、商業ビル、マンション等を含む。建築物の広告看板は、建築物の屋上に設置されるものや建築物の側壁に設けられるもの等を含む。モニュメントは、記念碑、銅像等を含む。動産は、車両、衣類、装飾品等を含む。
【0032】
また、対象物は現実空間に存在するものに限られず、仮想空間内に存在する仮想の建築物、建築物の広告看板、モニュメント、動産等を含む。仮想空間内に存在する対象物は、実際に存在する建築物等の不動産や車等の動産を模写したものであってもよく、あるいは実際には存在しない不動産や動産であってもよい。
【0033】
付加画像は、ユーザがARデバイス3を利用する際に、後述するARデバイス3の表示部38に表示される現実空間の画像(肉眼で認識される画像とカメラにより撮像された画像を含む)に合成される画像である。付加画像は現実空間には存在しない画像であり、例えばARデバイス3の表示部38において建築物の側面に表示される画像や広告看板に掲載される広告等の画像を含む。また、付加画像は、現実空間には存在しない独立した広告看板そのものの画像であってもよい。
【0034】
また、付加画像は、ユーザがコンピュータ4を利用する際に、後述するコンピュータ4の表示部48に表示される仮想空間の画像に合成される画像である。付加画像は地図データ、建物データ等の各種データから形成される仮想空間には存在しない画像であり、例えばコンピュータ4の表示部48において建築物の側面に表示される画像や広告看板に掲載される広告等の画像、あるいは独立した広告看板そのものの画像を含む。
【0035】
設定者は、概して対象物に関する権利を有するものである。例えば対象物が建築物である場合には、設定者は建築物の所有者や借受人等である。建築物が例えば商業ビルやマンションである場合は、設定人がフロア毎に割り当てられていてもよい。
【0036】
また、対象物が建築物や乗り物の広告看板である場合には、設定者は広告看板に広告を掲示する権利を有する者等である。また、対象物がモニュメントである場合には、設定者はモニュメントの所有者や管理者等である。また、対象物が動産である場合には、設定者は動産の所有者や借受人等である。各設定者には数桁または数十桁の識別番号等の識別情報が割り当てられている。
【0037】
また、対象物が仮想空間内のオブジェクト(例えば、建築オブジェクト、広告看板オブジェクト)である場合には、設定者はオブジェクトに広告を掲示する権利を有する者等である。具体的には、仮想空間を生成し提供した製作者が、仮想空間内のオブジェクトに対する広告を提示する権利を譲渡などすることにより、設定者に広告を掲示する権利が与えられる。
【0038】
また、対象物に関する権利を有しないものであっても、付加画像の表示の設定を行う者が設定者となる場合がある。例えば、現実空間や仮想空間には存在しない独立した広告看板そのものの画像を付加画像として合成してユーザのARデバイス3やコンピュータ4に表示させる場合は、設定者はこのような付加画像の表示の設定を行う者となる。すなわち、対象物は、現実空間に存在する動産等のほか、現実空間の所定の領域を対象物としてもよい。
【0039】
ARデバイス3は、ユーザが持ち運び可能であり、周辺環境の画像を表示させてユーザに視認させることができるものである。具体的には、ARデバイス3は、後述する周辺検知部35により周辺環境を撮像して画像を取得し、取得された画像をそのままの状態でまたは付加画像を合成した状態で後述する表示部38に表示させる。ARデバイス3は、例えば、ユーザが装着可能なARメガネ、またはユーザが持ち運び可能なスマートフォンやタブレット端末等を含む。
【0040】
<情報処理システム1の概要>
サーバ装置2(コンピュータ)は、設定者のコンピュータ5から付加画像の表示の設定に関する設定情報を受け付け、この受け付けた設定情報に基づいてユーザのARデバイス3やコンピュータ4における付加画像の表示態様を設定する。具体的には、付加画像の表示態様として、現実空間や仮想空間の画像に付加画像を合成してユーザのARデバイス3やコンピュータ4に表示させるか否かの設定が行われる。
【0041】
そして、サーバ装置2は、設定された表示態様で付加画像を選択的に合成してユーザのARデバイス3やコンピュータ4に表示させる。この際に、付加画像を合成してユーザのARデバイス3やコンピュータ4に表示させないという表示態様が設定されている場合には、ユーザのARデバイス3やコンピュータ4には現実空間や仮想空間そのものの画像が表示される。
【0042】
本実施形態の情報処理システム1は、拡張現実(AR)および仮想現実(VR)の技術のどちらにも適用可能となっている。本実施形態の情報処理システム1を拡張現実(AR)の技術に適用する場合は、ユーザが所持するARデバイス3の表示部38に、ARデバイス3の周辺環境の画像に付加画像を合成した画像を表示させることができる。
【0043】
また、本実施形態の情報処理システム1を仮想現実(VR)の技術に適用する場合は、仮想空間の画像をコンピュータ4の表示部48に表示させる場合に、仮想空間の画像に付加画像を合成した画像を表示部48に表示させることができる。
【0044】
<情報処理システム1の構成>
以下、
図1を参照して、サーバ装置2、ユーザのARデバイス3やコンピュータ4および設定者のコンピュータ5の各ハードウェア構成について説明する。
【0045】
<サーバ装置2の構成>
図1に示すように、サーバ装置2は、ネットワークインターフェース21、制御部22および記憶部23を有する。ネットワークインターフェース21および記憶部23は、バス24を介して制御部22と電気的に接続されている。
【0046】
ネットワークインターフェース21は、インターネットおよびLANなどの通信ネットワーク6を介してユーザのARデバイス3やコンピュータ4および設定者のコンピュータ5と通信可能に接続されている。
【0047】
制御部22は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、サーバ装置2の動作を制御する。
【0048】
制御部22は、後述する記憶部23に記憶されている各種プログラムを実行することにより、受付手段221、設定手段222、判断手段223および指示手段224として機能する。
【0049】
受付手段221は、ユーザのARデバイス3やコンピュータ4、および設定者のコンピュータ5からそれぞれ情報を受け付ける。本実施形態では、受付手段221は、設定者のコンピュータ5から付加画像の表示の設定に関する設定情報を受け付ける。設定情報は、付加画像をユーザのARデバイス3やコンピュータ4に表示させるか否かの設定に関する情報を含む。また、設定情報は、対象物に付加画像が付加される領域および付加画像の内容を含む。
【0050】
また、受付手段221は、設定者のコンピュータ5から設定情報を受け付ける場合に設定者の識別情報も受け付ける。設定者の識別情報は、設定者の氏名、識別番号、電話番号、住所のうち少なくとも1つのものを含む。
【0051】
また、受付手段221は、設定者のコンピュータ5、またはユーザのARデバイス3やコンピュータ4から、ユーザに関する属性情報を受け付ける。ユーザに関する属性情報とは、例えばユーザの年齢、性別、職業、趣味、嗜好等の情報を含む。
【0052】
設定手段222は、受付手段221により受け付けた設定情報に基づいて、ユーザのARデバイス3やコンピュータ4における付加画像の表示態様を設定する。具体的には、設定手段222は、設定者のコンピュータ5から送られた設定情報に基づいて、付加画像をユーザのARデバイス3やコンピュータ4に表示させるか否かの設定や、ARデバイス3やコンピュータ4に表示される付加画像の内容の設定を行う。
【0053】
判断手段223は、後述する記憶部23に記憶されている対応情報に基づいて、受付手段221により受け付けた識別情報と、付加画像が付加される対象物とが対応しているか否かを判断する。
【0054】
指示手段224は、設定手段222により設定された表示態様で周辺環境の画像に付加画像を選択的に合成した画像をユーザのARデバイス3やコンピュータ4に表示させる。
【0055】
具体的には、ユーザがARデバイス3を利用する場合は、指示手段224は、後述するARデバイス3の周辺検知部35により検知された周辺環境の画像を後述する表示部38に表示するときに、設定手段222により設定された表示態様で付加画像を周辺環境の画像に選択的に合成してARデバイス3に表示させる。
【0056】
また、ユーザがコンピュータ4を利用する場合は、受付手段221は、仮想空間の情報を予め受け付けておく。受付手段221により受け付けられた情報は記憶部23に記憶される。そして、指示手段224は、受付手段221により受け付けた仮想空間の情報(すなわち、記憶部23に記憶されている情報)に基づいて仮想空間の画像をコンピュータ4に表示させる場合に、設定手段222により設定された表示態様で仮想空間の画像に付加画像を選択的に合成した画像をコンピュータ4に表示させる。
【0057】
記憶部23は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)またはSSD(Solid State Drive)などで構成されている。
【0058】
記憶部23には、現実空間に存在している建築物等のオブジェクトに関する情報や、仮想空間におけるオブジェクトの情報が記憶されている。具体的には、記憶部23には、現実世界における地図データ、建物データ等の各種データ、および仮想空間における地図データ、建物データ等の各種データが記憶されている。
【0059】
また、記憶部23には、設定者の識別情報と対象物との対応に関する情報が対応情報として記憶されている。このような対応情報は、受付手段221によって外部装置から受け付けられることにより記憶部23に記憶される。
【0060】
<ユーザのARデバイス3の構成>
図1および
図2に示すように、ユーザのARデバイス3は、ネットワークインターフェース31、制御部32、グラフィック処理部33、操作部34、周辺検知部35、位置検知部36、記憶部37および表示部38を有する。ネットワークインターフェース31、グラフィック処理部33、操作部34、周辺検知部35、位置検知部36、記憶部37は、バス39を介して制御部32と電気的に接続されている。
【0061】
ネットワークインターフェース31は、ARデバイス3とサーバ装置2との間で各種データを送受信するために、通信ネットワーク6に通信可能に接続される。
【0062】
グラフィック処理部33は、後述する制御部32から出力される画像情報に従って、後述する周辺検知部35により検知された周辺環境の画像に付加画像を選択的に合成した画像を作成する。作成された画像は表示部38に表示され、ユーザにより視認可能となる。
【0063】
操作部34は、ユーザにより操作されるスイッチ等であり、ユーザによる操作内容が制御部32に入力される。ユーザによる操作内容は、電源のオンオフや、設定手段222により設定された表示態様で付加画像を周辺環境の画像に合成するか否かの切替の指令である。
【0064】
周辺検知部35は、ARデバイス3の周辺環境を撮像するものであり、例えばカメラやセンサ等から構成される。周辺検知部35により撮像されたARデバイス3の周辺環境の画像は制御部32に入力される。
【0065】
位置検知部36は、ARデバイス3の現在位置を検知するものであり、例えばGPS等から構成される。位置検知部36により検知されたARデバイス3の現在位置の情報は制御部32に入力される。
【0066】
記憶部37は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)またはSSD(Solid State Drive)などで構成されている。記憶部37は、ARデバイス3の識別情報やユーザに関する属性情報を記憶する。また、記憶部37には、制御部32により実行されるプログラムが記憶されている。
【0067】
表示部38は、ARデバイス3がARメガネ(スマートグラス)として用いられる場合は、ARメガネの両眼のレンズに相当する小型のモニタを含む。また、表示部38は、ARデバイス3がスマートフォンやタブレット端末として用いられる場合は、タッチパネル等のモニタを含む。
【0068】
制御部32は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、ARデバイス3の動作を制御する。制御部32は、記憶部37に記憶されている各種プログラムを実行することにより、通信手段321、受付手段322および表示制御手段323として機能する。
【0069】
通信手段321は、ネットワークインターフェース31を介してサーバ装置2との通信を行う機能である。通信手段321は、周辺検知部35により検知されたARデバイス3の周辺環境の画像、および位置検知部36により検知されたARデバイス3の現在位置に関する情報をサーバ装置2に送信する。また、通信手段321は、サーバ装置2から送られてきた付加画像の表示態様に関する情報を受信する。
【0070】
受付手段322は、周辺検知部35により検知されたARデバイス3の周辺環境の画像、および位置検知部36により検知されたARデバイス3の現在位置に関する情報を受け付ける。また、受付手段322は、サーバ装置2からARデバイス3に送信された付加画像の表示態様に関する情報を受け付ける。
【0071】
表示制御手段323は、受付手段322により受け付けた付加画像の表示態様に関する情報に基づいてグラフィック処理部33を制御することにより、表示部38に表示される画像を制御する。
【0072】
<ユーザのコンピュータ4の構成>
図1および
図3に示すように、ユーザのコンピュータ4は、ネットワークインターフェース41、制御部42、グラフィック処理部43、オーディオ処理部44、操作部45、記憶部46および表示部48を有する。ネットワークインターフェース41、グラフィック処理部43、オーディオ処理部44、操作部45、記憶部46は、バス49を介して制御部42と電気的に接続されている。
【0073】
ネットワークインターフェース41は、コンピュータ4とサーバ装置2との間で各種データを送受信するために、通信ネットワーク6に通信可能に接続される。
【0074】
グラフィック処理部43は、後述する制御部42から出力される画像情報に従って、サーバ装置2から送信された周辺環境の画像に付加画像を選択的に合成した画像を作成する。作成された画像は表示部48に表示され、ユーザにより視認可能となる。
【0075】
オーディオ処理部44は、コンピュータ4のスピーカ(図示せず)と接続され、後述する制御部42の指示に従って音声を作成し、これをスピーカから出力させる。
【0076】
操作部45は、ユーザにより操作されるキーボード等であり、ユーザによる操作内容が制御部42に入力される。ユーザによる操作内容は、例えば表示部48に表示される仮想空間内で移動を行うことを指示する操作を含む。
【0077】
記憶部46は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)またはSSD(Solid State Drive)などで構成されている。記憶部46は、コンピュータ4の識別情報やユーザに関する属性情報を記憶する。また、記憶部46には、制御部42により実行されるプログラムが記憶されている。
【0078】
表示部48は、ヘッドマウントディスプレイ等のモニタを含む。なお、表示部48はヘッドマウントディスプレイに限定されず、仮想空間を表示することができるものであれば他の種類のモニタ(例えば、卓上型のディスプレイ)が用いられてもよい。
【0079】
制御部42は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、コンピュータ4の動作を制御する。制御部42は、記憶部46に記憶されている各種プログラムを実行することにより、通信手段421、受付手段422および表示制御手段423として機能する。
【0080】
通信手段421は、ネットワークインターフェース41を介してサーバ装置2との通信を行う機能である。通信手段421は、操作部45により入力されたユーザによる操作内容に関する情報をサーバ装置2に送信する。また、通信手段421は、サーバ装置2から送られてきた仮想空間の地図データや建物データ、および付加画像の表示態様に関する情報を受信する。
【0081】
受付手段422は、操作部45により入力されたユーザによる操作内容を受け付ける。また、受付手段422は、サーバ装置2からコンピュータ4に送信された仮想空間の地図データや建物データ、および付加画像の表示態様に関する情報を受け付ける。
【0082】
表示制御手段423は、受付手段422により受け付けた仮想空間の地図データや建物データ、および付加画像の表示態様に関する情報に基づいてグラフィック処理部43を制御することにより、表示部48に表示される画像を制御する。
【0083】
設定者のコンピュータ5はユーザのコンピュータ4と略同一の構成を有している。このため、設定者のコンピュータ5の詳細の構成の説明を繰り返さない。
【0084】
<情報処理システム1の一連の動作の流れ>
次に、情報処理システム1の一連の動作の流れについて
図4を用いて説明する。
【0085】
最初に、本実施形態の情報処理システム1を拡張現実(AR)の技術に適用する場合について説明する。まず、設定者は、コンピュータ5により付加画像の表示の設定を行う。このような付加画像の表示の設定として、現実空間に存在している対象物に付加画像を付加すること、および現実空間に存在している対象物とは関係なく新たな付加画像を追加することの2つの方法がある。
【0086】
具体的には、設定者が付加画像の表示の設定を開始する旨の指令をコンピュータ5に入力すると、コンピュータ5からサーバ装置2に設定開始指令が送信される。サーバ装置2は、設定開始指令を受信すると、記憶部23に記憶されている現実空間に存在している建築物等に関する情報をコンピュータ5に送信する。このことにより、コンピュータ5のモニタに現実空間に存在している建築物等に関する情報が表示される。
【0087】
そして、設定者がモニタに表示される現実空間に存在している建築物等の中から付加画像を追加したい対象物を選択すると、選択された対象物に付加画像を付加するという設定情報をコンピュータ5に入力することができるようになる。具体的には、設定者が対象物としてある建築物を選択すると、コンピュータ5上でこの建築物の側面に例えば広告等の画像を付加画像として追加することができるようになる。
【0088】
また、設定者が現実空間に存在している対象物とは関係なく新たな付加画像を追加したい場合には、コンピュータ5上でモニタに表示される現実空間の画面で付加画像を追加したい領域および付加画像の内容を選択する。付加画像の内容は、現実空間には存在しない建築物や広告看板等の画像である。
【0089】
設定者によりコンピュータ5に入力された設定情報は当該コンピュータ5からサーバ装置2に送信される。また、設定者によりコンピュータ5に入力された設定情報が当該コンピュータ5からサーバ装置2に送信される場合に、設定者の識別情報もサーバ装置2に送信される。受付手段221により設定情報および設定者の識別情報が受け付けられると(ステップst1のYES)、受け付けられた設定情報および設定者の識別情報は記憶部23に記憶される(ステップst2)。
【0090】
また、このときに、判断手段223は、記憶部23に記憶されている対応情報に基づいて、受付手段221により受け付けた識別情報と、付加画像が付加される対象物とが対応しているか否かを判断する。そして、両者が一致していると判断手段223により判断された場合にのみ、指示手段224は、受け付けられた設定情報および設定者の識別情報は記憶部23に記憶される。すなわち、対象物に関する権利を有する設定者以外の者がコンピュータ5に設定情報を入力しても、この設定情報は記憶部23に記憶されない。
【0091】
その後、ユーザがARデバイス3を所持した状態で外出した場合に、ユーザが操作部34によりARデバイス3の電源をオンにすると、表示指示がARデバイス3からサーバ装置2に送信される。このときに、周辺検知部35により検知されたARデバイス3の周辺環境の画像、および位置検知部36により検知されたARデバイス3の現在位置に関する情報もサーバ装置2に送信される。また、記憶部37に記憶されているユーザに関する属性情報もARデバイス3からサーバ装置2に送信される。
【0092】
サーバ装置2の受付手段221が表示指示を受け付けると(ステップst3のYES)、設定手段222は、受け付けた設定情報(すなわち、記憶部23に記憶されている設定情報)に基づいて、ユーザのARデバイス3における付加画像の表示態様を設定する(ステップst4)。
【0093】
具体的には、現実空間の画像に付加画像を合成するという設定情報をサーバ装置2が受け付けている場合には、設定手段222は、周辺検知部35により検知された現実空間の画像に付加画像を合成した画像をARデバイス3に表示させることを設定する。
【0094】
より詳細には、設定手段222は、設定情報、周辺検知部35により検知された周辺環境に関する情報(周辺環境情報)および位置検知部36により検知されたARデバイス3の現在位置に関する情報(現在位置情報)に基づいて、付加画像の表示態様を設定する。具体的には、設定手段222は、周辺環境情報および現在位置情報のうち少なくともいずれか一方を用いて付加画像が付加されるべき対象物や領域がARデバイス3の近くに存在するか否かを特定する。この際に、ARデバイス3が向いている方向に関する情報がARデバイス3からサーバ装置2に送信されてもよい。この場合、ARデバイス3が向いている方向も参照して、ARデバイス3が向いている領域に対象物が存在するか否か(すなわち、対象物をユーザが視認可能か否か)が判断手段223により判断されてもよい。
【0095】
そして、付加画像が付加されるべき対象物や領域がARデバイス3の近くに存在することが特定された場合には、指示手段224は、設定された表示態様で付加画像を合成した画像をARデバイス3の表示部38に表示させる(ステップst5)。具体的には、ARデバイス3の周辺検知部35により検知された周辺環境の画像に付加画像を合成し、この合成した画像をサーバ装置2からARデバイス3に送信する。このようにして、指示手段224はARデバイス3の表示部38に付加画像を合成して表示させる。
【0096】
なお、ARデバイス3の操作部34により、付加画像を周辺環境の画像に合成しないという指令が入力されている場合は、指示手段224は、周辺環境の画像に付加画像を合成した画像をARデバイス3の表示部38に表示させない。この場合は、ARデバイス3の表示部38には周辺検知部35により検知された周辺環境の画像がそのまま表示される。
【0097】
また、設定手段222は、付加画像の表示態様を設定するときに、ユーザに関する属性情報も参照する。具体的には、例えば付加画像として広告の画像をARデバイス3で表示させるときに、ユーザの属性情報に適合する広告の画像を表示部38に優先的に表示させ、ユーザの属性情報に適合しない広告の画像を表示部38に表示させないようにする。例えば、ユーザの属性情報として当該ユーザが子供である場合は、子供に関する広告の画像を表示部38に優先的に表示させ、子供にはふさわしくない広告の画像を表示部38に表示させないようにする。
【0098】
また、設定手段222は、付加画像の表示態様を設定するときに、現在の日時に関する日時情報も参照する。日時情報は、現在の月、曜日、日付、時刻、時間帯を含む。例えば、付加画像として広告の画像をARデバイス3で表示させるときに、現在の時刻に適合する広告の画像を表示部38に優先的に表示させるようにする。具体的には、午前の時間にはランチに関する飲食店や食品の広告の画像を、午後の時間にはディナーに関する飲食店やアルコール飲料の広告の画像をそれぞれ表示部38に表示させるようにする。
【0099】
ARデバイス3に表示される付加画像の具体例について
図2を用いて説明する。
図2は、ARデバイス3としてARメガネが用いられる場合の例が示されている。ARデバイス3の周辺環境100において、第1ビル102および第2ビル106が存在し、第1ビル102の屋上には広告看板104が設置されている。なお、
図2に示す例では広告看板104は何も広告が掲載されていない状態となっている。
【0100】
このような周辺環境100において、例えば設定者が第1ビル102や広告看板104の所有者や借受人である場合に、この第1ビル102の側面103に広告の画像を表示させたい場合や、広告看板104に広告の画像を表示させたい場合は、コンピュータ5により周辺環境の画像に広告の画像を合成するような設定を行う。このことにより、ARデバイス3の表示部38に表示される周辺環境の画像100aにおいて、側面に広告の画像が表示された第1ビル102aや、広告の画像が表示された広告看板104aの画像を表示させることができる。
【0101】
また、第1ビル102や広告看板104のどこに広告の画像を合成するかを設定者はコンピュータ5により設定することができる。例えば、設定者が第1ビル102の所有者や借受人である場合に、設定者は例えば第1ビル102の側面における広告の画像が合成される領域(例えば、右半分、5階より上、全体、所定の領域以外の箇所、等)を選択することができる。また、第1ビル102のフロア毎に設定者が割り当てられている場合は、設定者はフロア毎に広告の画像が合成される領域を選択することができる。
【0102】
また、設定者が広告看板104の所有者や借受人である場合に、設定者は広告看板104における広告の画像が合成される領域を選択することができる。このときに、広告看板104を複数の領域に分割して各領域にそれぞれ広告の画像を合成させることができるようになっている。
【0103】
また、現実空間で広告看板104に広告が掲載されていても、ARデバイス3の表示部38に表示される画像100aにおいて設定者により設定された広告の画像を現実空間に存在する広告に合成して表示することができる。このときに、ARデバイス3では現実空間の広告看板104の広告の内容に適合する広告を合成して表示することができるが適合しない広告を合成して表示することができないような設定を設定者はコンピュータ5で行うことができる。
【0104】
また、設定者が第1ビル102や広告看板104の所有者や借受人である場合に、所定の時間または日時(例えば、数秒おき、午前、午後、平日、休日、祝日、記念日または月にあわせて)に複数の広告の画像を第1ビル102や広告看板104の同じ領域に切替表示するような設定をコンピュータ5により行うことができるようになっている。
【0105】
また、設定者は、周辺検知部35により検知される周辺環境の画像に適合する付加画像を合成して表示部38に表示させるが周辺環境の画像に適合しない付加画像を表示部38に表示させないような設定を行うことができるようになっている。例えば、周辺検知部35により検知される周辺環境にある宗教に関連する施設(例えば、神社や鳥居)が含まれる場合に、付加画像として別の宗教に関連する画像(例えば、クリスマスのイルミネーションの画像)を合成して表示部38に表示させないような設定を行うことができる。また、周辺検知部35により検知される周辺環境にある学校施設、医療機関、警察署、消防署、軍事施設などの公共施設が含まれる場合に、付加画像を合成して表示部38に表示させないような設定や民間企業の広告画像などを表示させないような設定を行うことができる。
【0106】
また、周辺検知部35により検知される周辺環境の画像にある企業の広告看板が含まれる場合に、この企業の競合他社の広告看板の画像を周辺環境の画像に合成して表示部38に表示させないような設定を設定者は行うことができる。
【0107】
また、例えば設定者が第2ビル106の所有者である場合に、実際の第2ビル106の屋上には広告看板が設置されていない場合でも、ARデバイス3において設定者が第2ビル106の屋上に広告看板を表示させたい場合には、コンピュータ5により設定を行うことができる。このことにより、ARデバイス3の表示部38に表示される周辺環境の画像100aにおいて、広告が表示された広告看板108aの画像を第2ビル106aの屋上に設置した状態で表示させることができる。
【0108】
図2に示すように、ARデバイス3において実際の周辺環境の画像に広告の画像を合成して表示させることにより、建築物等に広告看板を設置する費用をかけずに広告収入を得ることができる。とりわけ、商業ビルに限定されず個人の住宅やマンションなどの居住施設、橋(歩道橋含む)や電柱などの構造物、市区町村役場、山、川などでも実際に広告看板を設置することなく広告収入を得ることができる。また、建築物やこの建築物が設置される周辺環境に適した広告の画像のみを実際の周辺環境の画像に合成してARデバイス3に表示させることができる。
【0109】
次に、本実施形態の情報処理システム1を仮想現実(VR)の技術に適用する場合について説明する。まず、設定者は、コンピュータ5により付加画像の表示の設定を行う。具体的には、設定者が付加画像の表示の設定を開始する旨の指令をコンピュータ5に入力すると、コンピュータ5からサーバ装置2に設定開始指令が送信される。
【0110】
サーバ装置2は、設定指令を受信すると、記憶部23に記憶されている仮想空間の情報をコンピュータ5に送信し、コンピュータ5のモニタに仮想空間の画像が表示される。
【0111】
そして、コンピュータ5のモニタに表示される仮想空間の画像から設定者が付加画像を付加したい対象物を選択すると、付加画像の設定情報をコンピュータ5に入力することができるようになる。具体的には、設定者が例えば仮想空間の画像からオブジェクト(建築物)を選択すると、このオブジェクトの側面に広告等の画像を付加画像として追加することができる。
【0112】
また、コンピュータ5のモニタに表示される仮想空間の画像に対して設定者が新たな付加画像を追加したい場合には、新たな付加画像が合成されるべき領域を選択する。その後、どのような内容の付加画像を追加するかという設定情報を設定者がコンピュータ5に入力することができるようになる。
【0113】
設定者によりコンピュータ5に入力された設定情報は当該コンピュータ5からサーバ装置2に送信される。また、設定者によりコンピュータ5に入力された設定情報が当該コンピュータ5からサーバ装置2に送信されるときに、設定者の識別情報もサーバ装置2に送信される。サーバ装置2に送信された設定情報および設定者の識別情報が受付手段221により受け付けられると(ステップst1のYES)、受け付けられた設定情報および設定者の識別情報が記憶部23に記憶される(ステップst2)。
【0114】
また、このときに、判断手段223は、記憶部23に記憶されている対応情報に基づいて、受付手段221により受け付けた識別情報と、付加画像が付加される対象物とが対応しているか否かを判断する。そして、両者が一致していると判断手段223により判断された場合にのみ、指示手段224は、受け付けられた設定情報および設定者の識別情報は記憶部23に記憶される。すなわち、対象物に関する権利を有する設定者以外の者がコンピュータ5に設定情報を入力しても、この設定情報は記憶部23に記憶されない。
【0115】
その後、ユーザがコンピュータ4の表示部48に表示される仮想空間において操作部45等により仮想空間内での移動を行うと、表示指示がコンピュータ4からサーバ装置2に送信される。このときに、仮想空間における現在位置に関する情報もサーバ装置2に送信される。また、記憶部46に記憶されているユーザに関する属性情報もコンピュータ4からサーバ装置2に送信される。
【0116】
サーバ装置2の受付手段221が表示指示を受け付けると(ステップst3のYES)、設定手段222は、受け付けた設定情報に基づいて、ユーザのコンピュータ4における付加画像の表示態様を設定する(ステップst4)。
【0117】
具体的には、仮想空間の画像に付加画像を付加するという設定情報をサーバ装置2が受け付けている場合には、設定手段222は、表示態様として付加画像を仮想空間の画像に合成した画像をコンピュータ4の表示部48に表示させることを設定する。
【0118】
より詳細には、設定手段222は、設定情報および仮想空間における現在位置に関する情報(現在位置情報)に基づいて、付加画像の表示態様を設定する。具体的には、設定手段222は、付加画像が付加されるべき対象物や領域が仮想空間における現在位置の近くに存在するか否かを特定する。
【0119】
そして、付加画像が付加されるべき対象物や領域が仮想空間における現在位置の近くに存在することが特定された場合には、指示手段224は、設定された表示態様で付加画像を付加した画像をユーザのコンピュータ4の表示部48に表示させる(ステップst5)。具体的には、記憶部23に記憶されている仮想空間の画像に、付加画像を設定された表示態様で合成し、この合成した画像をサーバ装置2からユーザのコンピュータ4に送信する。そして、ユーザのコンピュータ4の表示部48にこの合成された画像を表示させる。
【0120】
また、設定手段222は、付加画像の表示態様を設定するときに、ユーザに関する属性情報も参照する。具体的には、例えば付加画像として広告の画像をユーザのコンピュータ4の表示部48に表示させるときに、ユーザの属性情報に適合する広告の画像を表示部48に優先的に表示させ、ユーザの属性情報に適合しない広告の画像を表示部48に表示させないようにする。
【0121】
また、設定手段222は、付加画像の表示態様を設定するときに、現在の日時に関する日時情報も参照する。具体的には、例えば付加画像として広告の画像をユーザのコンピュータ4の表示部48に表示させるときに、現在の時間に適合する広告を表示部38に優先的に表示させるようにする。
【0122】
また、設定手段222により設定された表示態様で付加画像を合成した画像をコンピュータ4の表示部48に表示させるときに、付加画像を紹介するウエブサイトのURL等を示す二次元コードの画像を合成することができるようになっていてもよい。この場合には、コンピュータ4の表示部48に表示される仮想空間において付加画像に付された二次元コードを読み取ることにより、付加画像に関する商品等を紹介するウエブサイトを閲覧することができるようになる。
【0123】
ユーザのコンピュータ4に表示される画像の具体例について
図3を用いて説明する。
図3に示すように、コンピュータ4の表示部48に表示される仮想空間の画像200において、第1ビル202および第2ビル206が存在し、第1ビル202の屋上には広告看板204が設置されている。
【0124】
このような仮想空間の画像200において、例えば設定者が第1ビル202の側面203に広告を表示させたい場合や、広告看板204に広告を表示させたい場合は、コンピュータ5により設定を行う。このことにより、コンピュータ4の表示部48に表示される仮想空間の画像200において、側面に広告が表示された第1ビル202や、広告が表示された広告看板204の画像を表示させることができる。
【0125】
また、仮想空間の画像200において第2ビル206の屋上には広告看板が設置されていない場合でも、設定者が第2ビル206の屋上に広告看板を表示させたい場合には、コンピュータ5により設定を行う。このことにより、コンピュータ4の表示部48に表示される仮想空間の画像200において、広告が表示された広告看板208の画像を第2ビル206の屋上に設置した状態で表示させることができる。
【0126】
このように、
図3に示すようにユーザのコンピュータ4において仮想空間の画像に広告の画像を合成して表示させることにより、仮想空間内のオブジェクトの所有者等も仮想空間内で広告収入を得ることができる。また、仮想空間内のオブジェクトの所有者等は、オブジェクトに広告を掲載する権利を例えば広告代理店に販売することにより、広告代理店は広告掲載希望者にオブジェクトの領域を貸与することができる。
【0127】
以上をまとめると、サーバ装置2は、プログラムを実行することにより、受付手段221と、設定手段222と、指示手段224として機能するコンピュータを備えたものである。受付手段221は、設定者のコンピュータ5(第1端末)から付加画像の表示の設定に関する設定情報を受け付ける。
【0128】
設定手段222は、受付手段221により受け付けた設定情報に基づいて、ユーザのARデバイス3やコンピュータ4(第2端末)における付加画像の表示態様を設定する。指示手段224は、設定手段222により設定された表示態様で付加画像を合成した画像をユーザのARデバイス3やコンピュータ4に表示させる。
【0129】
<効果>
本実施形態によれば、受け付けた設定情報に基づいて付加画像の表示態様を設定することにより、現実空間や仮想空間の画像に付加画像を合成した画像をユーザのARデバイス3やコンピュータ4に表示させることができる。
【0130】
<他の実施形態>
前記実施形態において説明した各種制御手段および処理手順は一例であり、本発明、その適用物またはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。各種制御手段および処理手順は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0131】
例えば、上記の説明では、設定者がコンピュータ5により設定情報を入力し、入力された設定情報がコンピュータ5からサーバ装置2に送信され、受付手段221が設定情報を受け付ける態様について説明した。しかしながら、別の態様として、サーバ装置2の管理者等のプラットフォーマが用意する受付専用端末により設定者が設定情報を入力することができるようになっていてもよい。
【0132】
また、設定手段222により設定された表示態様で付加画像をユーザのARデバイス3やコンピュータ4に合成した画像を表示させるか否かの判断が、サーバ装置2ではなくユーザのARデバイス3やコンピュータ4側で行われるようになっていてもよい。
【0133】
また、付加画像は広告の画像に限定されない。付加画像として、建築物等の壁面を装飾する画像、建築物等の名称や住所、説明、道案内、メッセージ(たとえば、この先危険、段差あり、→、↑、〇〇様歓迎、エレベータで3階までお上がりくださいなど)等を示す文字やアイコン等を含む画像、動産を装飾する画像、AR技術を用いた位置情報ゲームの特定拠点を示す画像等、様々な種類の画像が用いられてもよい。そのほか、災害時に住民を避難させる際の誘導画像や、花火大会などのイベント時における誘導画像であってもよい。
【0134】
なお、設定者の付加画像を設定する権利を売買したり、貸与したりできるようにしてもよい。たとえば、所定の事業主がイベントを実施する際に、この権利を設定者から貸与してもらったり、事業主が自身の製品やサービスの広告を表示するためにこの権利を設定者から貸与してもらったりすることができる。そして、設定手段222はこの設定者に関する情報を記憶して管理する。また、災害などの緊急事態時には設定情報に関わらず、緊急時に必要な情報を表示するようにしてもよい。
【0135】
また、他の実施形態として、受付手段221が知的財産権者の端末から対象物の知的財産に関する知的財産情報を受け付けてもよい。この場合、判断手段223は、受け付けた知的財産情報に基づいて、設定手段222により設定された表示態様で付加画像を対象物に付加した画像をユーザのARデバイス3やコンピュータ4(第2端末)に表示させることが適切であるか否かを判断する。
【0136】
そして、指示手段224は、判断手段223により適切であると判断された場合にのみ、設定手段222により設定された表示態様で付加画像を対象物に付加した画像をユーザのARデバイス3等に表示させる。
【0137】
このような他の実施形態では、対象物の知的財産とは、対象物の特許権、意匠権、商標権、著作権等を含む。また、知的財産情報は、対象物が知的財産により保護されているか否かという情報、および対象物が知的財産により保護されている場合は知的財産の権利者の識別情報を含む。また、知的財産情報は、対象物が知的財産により保護されている場合は、例えば特許庁に登録されている特許権、意匠権、商標権の登録番号や登録内容、または文化庁に登録されている著作権の登録番号や登録内容等を含む。
【0138】
また、知的財産情報は、対象物が知的財産により保護されている場合に、ユーザのARデバイス3やコンピュータ4に表示される対象物の画像に付加画像を付加することを知的財産の権利者が認容するか否かという情報を含む。
【0139】
知的財産権者は、著作物の著作権者、対象物に付されているロゴ等の商標の権利者、対象物が意匠権で保護されている場合における意匠権者、対象物が特許権で保護されている場合における特許権者を含む。
【0140】
このような他の実施形態の詳細について以下に説明する。他の実施形態の情報処理システム1は、拡張現実(AR)および仮想現実(VR)の技術のどちらにも適用可能となっている。他の実施形態の情報処理システム1を拡張現実(AR)の技術に適用する場合は、ユーザが所持するARデバイス3の表示部38に、対象物の画像をARデバイス3の周辺環境の画像に合成した状態で表示させることができる。
【0141】
また、他の実施形態の情報処理システム1を仮想現実(VR)の技術に適用する場合は、仮想空間におけるオブジェクトの画像をコンピュータ4の表示部48に表示させる場合に、付加画像を仮想空間の画像に合成した状態で表示部48に表示させることができる。
【0142】
このような他の実施形態の情報処理システム1の構成について説明する。なお、上述した本実施形態と同じ内容については説明を省略する。
【0143】
サーバ装置2の受付手段221は、知的財産権者の端末(例えば、コンピュータ)や、サーバ装置2の管理者等のプラットフォーマが用意する受付専用端末から対象物の知的財産に関する知的財産情報を受け付ける。受付手段221により受け付けられた知的財産情報は記憶部23に記憶される。また、受付手段221は、ユーザのARデバイス3やコンピュータ4から、これらのARデバイス3やコンピュータ4の表示モードに関する情報を表示モード情報として受け付ける。
【0144】
設定手段222は、ユーザのARデバイス3やコンピュータ4における付加画像の表示態様を設定する。付加画像の表示態様の詳細については上述しているため省略する。
【0145】
判断手段223は、受付手段221により受け付けた知的財産情報に基づいて、設定手段222により設定された表示態様で付加画像を対象物に付加した状態でユーザのARデバイス3やコンピュータ4に表示させることが適切であるか否かを判断する。また、受付手段221により表示モード情報を受け付けた場合は、判断手段223は表示モード情報も参考にして、付加画像を対象物に付加した状態でユーザのARデバイス3やコンピュータ4に表示させることが適切であるか否かを判断する。判断手段223による判断の内容の詳細については後述する。
【0146】
指示手段224は、判断手段223により付加画像を対象物に付加した状態でユーザのARデバイス3やコンピュータ4に表示させることが適切であると判断された場合に、付加画像を合成した画像をユーザのARデバイス3やコンピュータ4に表示させる。具体的には、サーバ装置2からネットワークインターフェース21を介してARデバイス3やコンピュータ4に付加画像の表示態様を含む指令が送信される。
【0147】
次に、他の実施形態の情報処理システム1の一連の動作の流れについて
図5を用いて説明する。
【0148】
最初に、他の実施形態の情報処理システム1を拡張現実(AR)の技術に適用する場合について説明する。他の実施形態では、対象物の知的財産に関する知的財産情報がサーバ装置2に送信される。このような知的財産情報は、知的財産権者が対象物の知的財産情報をコンピュータ等の端末に入力すると、この端末からサーバ装置2に知的財産情報が送信される。また、知的財産権者以外の端末、具体的には例えば知的財産情報を管轄する組織や団体のコンピュータから知的財産情報がサーバ装置2に送信されてもよい。
【0149】
サーバ装置2に送信された受付手段221により知的財産情報が受け付けられると(ステップst11のYES)、受け付けられた知的財産情報は記憶部23に記憶される(ステップst12)。
【0150】
その後、設定者は、コンピュータ5により付加画像の表示の設定を行う。設定者によりコンピュータ5に入力された設定情報および設定者の識別情報は当該コンピュータ5からサーバ装置2に送信され、受付手段221により受け付けられる(ステップst13のYES)。受付手段221により受け付けられた設定情報および設定者の識別情報は記憶部23に記憶される(ステップst14)。付加画像の表示の設定については上述しているため詳細は省略する。
【0151】
そして、ユーザがARデバイス3を所持した状態で外出した場合に、操作部34によりARデバイス3の電源をオンにすると、表示指示がARデバイス3からサーバ装置2に送信される。このときに、周辺検知部35により検知されたARデバイス3の周辺環境の画像、および位置検知部36により検知されたARデバイス3の現在位置に関する情報もサーバ装置2に送信される。また、ユーザに関する属性情報もARデバイス3からサーバ装置2に送信される。
【0152】
サーバ装置2の受付手段221が表示指示を受け付けると(ステップst15のYES)、設定手段222は、受け付けた設定情報に基づいて、ユーザのARデバイス3における付加画像の表示態様を設定する(ステップst16)。付加画像の表示態様の設定については上述しているため詳細は省略する。
【0153】
そして、判断手段223は、記憶部23に記憶されている知的財産情報に基づいて、設定手段222により設定された表示態様で付加画像を対象物に付加した状態でユーザのARデバイス3に表示させることが適切であるか否かを判断する(ステップst17)。例えば、付加画像が付加されるべき対象物が知的財産により保護されている場合には、知的財産の権利者により付加画像を付加することが認容されている場合にのみ、付加画像を対象物に付加した画像をARデバイス3に表示させることが適切であると判断される。
【0154】
付加画像をユーザのARデバイス3に表示させることが適切であると判断手段223により判断されると(ステップst17のYES)、指示手段224は、周辺検知部35により検知された周辺環境の画像に付加画像を設定された表示態様で合成する。そして、指示手段224は、この合成した画像をサーバ装置2からARデバイス3に送信する。このようにして、指示手段224は、ARデバイス3の表示部38にこの合成された画像を表示させる(ステップst18)。
【0155】
一方、付加画像が対象物に付加された画像をユーザのARデバイス3に表示させることが適切はないと判断された場合には(ステップst17のNO)、指示手段224は、付加画像が対象物に付加された画像をARデバイス3に表示させない(ステップst19)。この場合には、周辺検知部35により検知された周辺環境の画像がそのまま表示部38に表示される。
【0156】
また、判断手段223は、受付手段221により受け付けた周辺環境情報に対象物が含まれる程度も参照して、設定手段222により設定された表示態様で付加画像をARデバイス3に表示させることが適切であるか否かを判断する。例えば、知的財産により保護されている対象物について、この対象物が周辺検知部35や位置検知部36により連続して検知される時間が所定の時間以上である場合にのみ、判断手段223は付加画像をARデバイス3に表示させることが適切であるか否かを判断してもよい。
【0157】
この場合には、周辺検知部35により対象物が連続して検知される時間が所定の時間よりも短い場合には、判断手段223による判断は行われず、周辺検知部35により検知された周辺環境の画像がそのまま表示部38に表示される。一方、周辺検知部35により対象物が連続して検知される時間が所定の時間以上である場合には、所定の時間が経過した後、設定された表示態様で付加画像を対象物に付加した状態でARデバイス3に表示させることが適切であるか否かを判断手段223が判断する。
【0158】
また、受付手段221により受け付けた周辺環境情報に対象物が含まれている場合に、判断手段223はすぐに判断を開始してもよい。この場合、付加画像を対象物に付加した状態でARデバイス3に表示させることが適切であると判断されても、周辺検知部35により対象物が連続して検知される時間が所定の時間よりも短い場合には、周辺検知部35により検知された周辺環境の画像がそのまま表示部38に表示される。
【0159】
また、受付手段221は、ARデバイス3の現在位置に関する情報を現在位置情報としてARデバイス3から受け付け、判断手段223は、受付手段221により受け付けた知的財産情報および現在位置情報に基づいて、設定手段222により設定された表示態様で付加画像を合成した画像をARデバイス3に表示させることが適切であるか否かを判断する。具体的には、現在位置情報に基づいてARデバイス3が存在する国や州等が特定され、この特定された国や州の知的財産制度に沿って対象物の知的財産が認定される。
【0160】
また、ARデバイス3において、表示部38に表示される画像の表示モードを操作部34により設定することができるようになっていてもよい。この場合には、操作部34により設定されたARデバイス3の表示モードが当該ARデバイス3からサーバ装置2に送信され、受付手段221はARデバイス3の表示モードに関する情報を表示モード情報として受け付ける。表示モードとしては、例えば商標表示モード、商標非表示モード、著作物表示モード、著作物非表示モード等がある。
【0161】
この場合、判断手段223は、受付手段221により受け付けた知的財産情報および表示モード情報に基づいて、設定手段222により設定された表示態様で付加画像を合成した画像をARデバイス3に表示させることが適切であるか否かを判断する。例えば、表示モードとして商標非表示モードが設定されている場合には、ARデバイス3には商標が付されている対象物の画像が表示されなくなったり、商標が付されている対象物のうち商標を除いた対象物の画像のみがARデバイス3に表示されたりする。
【0162】
表示モードとして著作物非表示モードが設定されている場合には、ARデバイス3には著作権により保護されている対象物の画像が表示されなくなる。
【0163】
このような他の実施形態においてユーザのARデバイス3に表示される画像の具体例について説明する。例えば実際に存在している記念碑、銅像等の対象物が著作権により保護されている場合に、この対象物の著作権者はこの対象物に付加画像を付加することを認容するか否かを設定することができ、設定された知的財産情報はサーバ装置2に送信される。また、このときに、著作権者は対象物における付加画像の付加を認容する領域や認容しない領域を設定することができる。
【0164】
具体的には、例えば対象物が銅像である場合に、この対象物が著作権で保護されている場合において、ARデバイス3に表示される画像においてこの銅像に付加画像として衣類の画像を合成して表示させることを認容するが別の顔を合成して表示させることは認容しないような設定を著作権者が行うことができる。
【0165】
また、ARデバイス3に表示される画像において対象物に付加画像として広告の画像を合成することを認容しないような設定を著作権者が行うことができる。また、例えば対象物が著作権で保護されている場合に、対象物が破損等しているように見える付加画像の付加は認容しないような設定を著作権者が行うことができる。
【0166】
また、ARデバイス3に表示される画像において、知的財産により保護されている対象物そのものに付加画像を付加することを認容するか否かを知的財産権者が設定するのではなく、対象物の周囲に付加画像を付加することを認容するか否かを知的財産権者が設定することができてもよい。例えば、対象物として銅像が著作権で保護されている場合において、ARデバイス3に表示される画像においてこの銅像の周囲に付加画像として翼の画像を合成して表示させることを認容するか否かの設定を知的財産権者が行うことができる。
【0167】
また、例えば対象物が車両やバッグ、衣類等の動産である場合に、この対象物が著作権や商標権、意匠権、特許権等で保護されている場合において、ARデバイス3に表示される画像においてこの動産に付加画像として広告等の別の画像を合成して表示させることができる。この場合に、知的財産権者は、ARデバイス3に表示される対象物に付加画像を付加することを認容するか否かの設定を端末により行うことができる。
【0168】
また、知的財産権者がこのような設定を行うときに、対象物に表示されるブランド名やロゴ等の画像に付加画像を上書きすることを認容しないような設定を端末により行うことができるようになっている。また、対象物のブランドを傷つけるような付加画像の付加や、品質を誤認されるような付加画像の付加、対象物の製造メーカの競合他社のブランド名やロゴ等と差し替えられるような付加画像の付加は認容しないという設定を知的財産権者が端末により行うことができるようになっている。
【0169】
次に、他の実施形態の情報処理システム1を仮想現実(VR)の技術に適用する場合について説明する。この場合も、サーバ装置2に送信された受付手段221により知的財産情報が受け付けられると(ステップst11のYES)、受け付けられた知的財産情報は記憶部23に記憶される(ステップst12)。
【0170】
その後、設定者は、コンピュータ5により付加画像の表示の設定を行う。設定者によりコンピュータ5に入力された設定情報および設定者の識別情報は当該コンピュータ5からサーバ装置2に送信され、受付手段221により受け付けられる(ステップst13のYES)。受付手段221により受け付けられた設定情報および設定者の識別情報は記憶部23に記憶される(ステップst14)。付加画像の表示の設定については上述しているため詳細は省略する。
【0171】
そして、ユーザがコンピュータ4の表示部48に表示される仮想空間において操作部45等により仮想空間内での移動を行うと、表示指示がコンピュータ4からサーバ装置2に送信される。このときに、仮想空間における現在位置に関する情報もサーバ装置2に送信される。また、記憶部46に記憶されているユーザに関する属性情報もコンピュータ4からサーバ装置2に送信される。
【0172】
サーバ装置2の受付手段221が表示指示を受け付けると(ステップst15のYES)、設定手段222は、受け付けた設定情報に基づいて、ユーザのコンピュータ4における付加画像の表示態様を設定する(ステップst16)。付加画像の表示態様の設定については上述しているため詳細は省略する。
【0173】
そして、判断手段223は、記憶部23に記憶されている知的財産情報に基づいて、設定された表示態様で付加画像を合成した画像をユーザのコンピュータ4に表示させることが適切であるか否かを判断する(ステップst17)。付加画像を合成した画像をユーザのコンピュータ4に表示させることが適切であると判断された場合には(ステップst17のYES)、指示手段224は、設定手段222により設定された表示態様で付加画像を対象物に合成した画像をコンピュータ5に表示させる(ステップst18)。
【0174】
一方、付加画像を対象物に付加した画像をユーザのコンピュータ4に表示させることが適切はないと判断された場合には(ステップst17のNO)、指示手段224は、設定手段222により設定された表示態様で付加画像を合成した画像をコンピュータ4に表示させない(ステップst19)。この場合には、コンピュータ4の表示部48には付加画像が合成されていない仮想空間の画像が表示される。
【0175】
以上をまとめると、他の実施形態によれば、サーバ装置2は、プログラムを実行することにより、受付手段221と、設定手段222と、判断手段223と、指示手段224として機能するコンピュータを備えたものである。受付手段221は、対象物の知的財産に関する知的財産情報を受け付ける。設定手段222は、ユーザのARデバイス3やコンピュータ4(第2端末)における付加画像の表示態様を設定する。
【0176】
判断手段223は、受け付けた知的財産情報に基づいて、設定手段222により設定された表示態様で付加画像の画像を対象物に付加した状態でユーザのARデバイス3やコンピュータ4に表示させることが適切であるか否かを判断する。指示手段224は、判断手段223により付加画像の画像を対象物に付加した状態で表示させることが適切であると判断された場合に、設定手段222により設定された表示態様で付加画像を合成した画像をユーザのARデバイス3やコンピュータ4に表示させる。
【0177】
他の実施形態によれば、知的財産情報に基づいて付加画像を対象物に付加した状態で表示させることが適切であるか否かを判断することにより、知的財産に関して適切な付加画像のみをユーザのARデバイス3やコンピュータ4に表示させることができる。このことにより、知的財産権者の知的財産権を保護することができる。
【0178】
また、前記各実施形態では、サーバ装置2がプログラムを機能させる場合を例示したが、これに限定されない。プログラムの全ての手段、すなわち、受付手段221、設定手段222、判断手段223、指示手段224などのうち一部の手段が、ユーザのARデバイス3やコンピュータ4、設定者のコンピュータ5、知的財産権者の端末等、別の端末に備えられていてもよい。この場合に、どの手段をどの装置にて機能させるかも、適宜変更が可能である。
【0179】
また、受付手段221により受け付けられた設定情報や知的財産情報等がサーバ装置2の記憶部23に記憶されるのではなく、サーバ装置2とは別に設けられたクラウドや外付けの記憶媒体に記憶されるようになっていてもよい。
【0180】
また、サーバ装置2の設定手段222は、現実空間や仮想空間においてどこに何の対象物がありどのような付加画像を合成することができるかを確認することができる地図やリストを作成してもよい。そして、設定手段222により作成された地図やリストがユーザのARデバイス3の表示部38やコンピュータ4の表示部48に表示されるようになっていてもよい。
【0181】
また、サーバ装置2の設定手段222は、ユーザ毎に、ARデバイス3の表示部38やコンピュータ4の表示部48に表示される対象物の回数や表示時間、付加画像の回数や表示時間、対象物に付加された付加画像の回数や表示時間を集計してもよい。そして、設定手段222は、表示される対象物や付加画像の回数や表示時間が予め設定されている所定値に達した場合に、ユーザに特典を付与してもよい。特典は、付加画像が例えば広告画像である場合に、広告に関連する製品等の有体物であってもよいし、クーポン等の無体物であってもよい。
【0182】
また、ARデバイス3の表示部38やコンピュータ4の表示部48に表示される対象物や付加画像の回数等の集計を利用したイベントを開催することもできる。イベントとして、具体的には、所定の時間内に所定のエリアにある付加画像をユーザがARデバイス3やコンピュータ4において所定数以上または全て発見するゲームや、付加画像として謎解きの課題をARデバイス3の表示部38等に表示させるような謎解きゲームを実行してもよい。
【0183】
また、設定手段222により集計される、ユーザ毎のARデバイス3の表示部38やコンピュータ4の表示部48に表示される対象物や付加画像の回数や表示時間に関する情報がサーバ装置2から設定者のコンピュータ5や広告主のコンピュータ等に送信されてもよい。このことにより、設定者や広告主等は、ユーザに対する広告効果等を認識することができる。
【0184】
また、上記の説明では、所定の時間または日時(例えば、数秒おき、午前、午後、平日、休日、祝日、記念日または月にあわせて)に複数の広告の画像を第1ビル102や広告看板104の同じ領域に切替表示するような設定をコンピュータ5により行うことができる旨を説明したがこれに限られない。例えば、ある付加画像(例えば、広告画像)がユーザのARデバイス3やコンピュータ4に所定回数または所定時間表示された場合に、この広告の画像を第1ビル102や広告看板104の同じ領域に切替表示するような設定をコンピュータ5により行わせてもよい。
【0185】
また、ユーザの識別情報としてユーザのマイナンバーに関する情報をサーバ装置2の受付手段221が受け付けてもよい。そして、設定手段222は、マイナンバーに関する情報にユーザが特定の依存症であるという情報が関連付けられている場合に、依存症の対象となる物品やイベント(例えば、ゲーム、アルコール、ギャンブル等)の広告画像を付加画像としてユーザのARデバイス3やコンピュータ4に表示させなかったり、依存症の治癒に関する付加画像をユーザのARデバイス3やコンピュータ4に表示させたりしてもよい。また、設定者の対象物に対する権利を、マイナンバーに関する情報を元に確認することができるようになっていてもよい。
【0186】
また、上記の説明では、受付手段221が設定者のコンピュータ5(第1端末)から付加画像の表示の設定に関する設定情報を受け付ける例について述べたが、これに限られない。本実施形態において、付加画像の表示の設定がサーバ装置2において任意で行われるようになっていてもよい。
【0187】
また、本システムとは関係のない現実空間や仮想空間の建築物については、設定者がコンピュータ5により付加画像の表示の設定を行わなくても広告表示を制御することができるようになっていてもよい。すなわち、設定者による付加画像の表示の設定が行われていないことも、設定手段222による設定の一部として取り扱うことができる。
【0188】
対象物が現実空間に存在する動産等ではなく、現実空間の所定の領域を対象物とする例について説明する。例えば、土地の所有者(設定者)により、その土地に建物などがあるかないかに関わらず、その土地の上の空間を対象物として、その対象物に対して付加画像の表示の設定が行われても良い。また、現実空間の所定の領域(対象物)は、所定の建物の周辺や、所定地点(出発点)から建物(目的地)までの道のりを領域としてもよい。たとえば、所定の建物の公開空地に領域(対象物)を設定し、その領域に建物に入居するテナントなどの情報を示す付加画像や、出発点から目的地までの道のりに、←、↑などの道案内を示す付加画像や、目的地まであと〇〇メートルなどの付加画像を表示してもよい。
【0189】
さらに、付加画像がひとつの領域(対象物)に複数設定される場合は、これらの付加画像がユーザから見て重ならないように配置を調整する。また、ユーザの属性や設定に応じて、複数ある付加画像の一部を強調して表示されるように配置を調整する。また、設定者などが支払う付加画像表示に伴う金額などの所定値に応じて付加画像を強調して表示してもよく、新しい表示設定ほど強調表示されてもよい。
【0190】
ここで、強調表示とは、付加画像の大きさ、位置、色、光度、点滅など表示の態様を他の付加画像と異ならせることである。また、表示の態様には、ある特定のユーザに対するメンションも含む。たとえば、付加画像の設定において、ある特定のユーザをメンション相手として指定でき、メンションされた付加画像はそのユーザに対応する端末の表示部に表示される。また、これら付加画像の表示態様は、サーバ装置によって制御されてもよいし、ユーザの端末によって制御されてもよい。
【0191】
また、本件発明は、AR、VRに限らずMR等のXRにも応用可能である。
【符号の説明】
【0192】
2 サーバ装置(コンピュータ)
221 受付手段
222 設定手段
223 判断手段
224 指示手段