(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-14
(45)【発行日】2022-10-24
(54)【発明の名称】読取システム及びカメラ
(51)【国際特許分類】
H04N 5/232 20060101AFI20221017BHJP
G06K 7/10 20060101ALI20221017BHJP
G06K 7/14 20060101ALI20221017BHJP
G06K 7/015 20060101ALI20221017BHJP
G03B 17/00 20210101ALI20221017BHJP
G03B 17/38 20210101ALI20221017BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20221017BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20221017BHJP
G03B 15/03 20210101ALI20221017BHJP
G03B 15/05 20210101ALI20221017BHJP
【FI】
H04N5/232 300
G06K7/10 440
G06K7/14 008
G06K7/015
G03B17/00 Q
G03B17/38 Z
G03B17/02
G03B15/00 R
G03B15/03 X
G03B15/05
(21)【出願番号】P 2017222233
(22)【出願日】2017-11-17
【審査請求日】2020-10-06
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2017/24411
(32)【優先日】2017-07-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】WO
(73)【特許権者】
【識別番号】506359288
【氏名又は名称】株式会社アスタリスク
(74)【代理人】
【識別番号】100191189
【氏名又は名称】浅野 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100199761
【氏名又は名称】福屋 好泰
(74)【代理人】
【識別番号】100182121
【氏名又は名称】三宅 紘子
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 規之
【審査官】野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-157240(JP,A)
【文献】特開2004-192167(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0289771(US,A1)
【文献】特開2003-018443(JP,A)
【文献】特開平05-197828(JP,A)
【文献】特開平08-263581(JP,A)
【文献】特開2016-033767(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/232
G06K 7/10
G06K 7/14
G06K 7/015
G03B 17/00
G03B 17/38
G03B 17/02
G03B 15/00
G03B 15/03
G03B 15/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取得した画像に基づいてシンボルの情報を認識する携帯情報端末の周辺装置として機能し、前記画像を生成するイメージセンサを有し、該生成した画像を前記携帯情報端末に送信する
カメラであって、
前記イメージセンサを内蔵する撮像ユニットと、
前記画像を生成するためのトリガー信号を前記撮像ユニットに対して入力する、前記撮像ユニットとは別体のレリーズユニットと、
を備え、
前記撮像ユニットと前記レリーズユニットは、互いに別々の指に装着されることを特徴とするカメラ。
【請求項2】
前記イメージセンサで撮像される領域内にマーカーを表示させる光源を備える請求項1に記載のカメラ。
【請求項3】
前記レリーズユニットは、前記トリガー信号を生成するスイッチを有し、
前記スイッチは、親指による操作が可能な位置に配されることを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
【請求項4】
前記レリーズユニットは、
第1電極を有し、親指に装着される第1レリーズユニットと、
第2電極を有し、前記第1レリーズユニットは異なる手の部位に装着される第2レリーズユニットと、
を備え、
前記第1電極が前記第2電極と接触することで、前記トリガー信号を生成することを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
【請求項5】
前記携帯情報端末に前記画像を送信する無線通信部を備える請求項1から請求項4のいずれかに記載のカメラ。
【請求項6】
取得した画像に基づいてシンボルの情報を認識する携帯情報端末と、
前記携帯情報端末の周辺装置として機能し、前記画像を生成するイメージセンサを有し、該生成した画像を前記携帯情報端末に送信するカメラと、
を備え
、
前記カメラは、
前記イメージセンサを内蔵する撮像ユニットと、
前記画像を生成するためのトリガー信号を前記撮像ユニットに対して入力する、前記撮像ユニットとは別体のレリーズユニットと、
を備え、
前記撮像ユニットと前記レリーズユニットは、互いに別々の指に装着されることを特徴とする読取システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、物品に付されたシンボルの情報を読み取る読取システム、及びカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、商品の入出庫管理や在庫管理を行うシステムにおいて、手持ち式のバーコードリーダが用いられている。手持ち式のバーコードリーダは、カメラと、カメラから出力される画像に対して所定の復号処理を行って、画像に含まれるバーコードの情報を読み取る処理装置と、を備えており、これらが手持ち可能に形成された単一の筐体に収容された構成となっている。ユーザは、上記のバーコードリーダを手に持ち、商品に上記カメラをかざしながら、読取作業を行う。
【0003】
ここで、特許文献1には、モバイル装置及び周辺装置を含むシステムが記載されており、当該周辺装置の一例としてバーコードリーダが示されている。バーコードリーダは、読み取ったバーコードの情報をキーボード形式に変換し、無線通信手段を用いてモバイル装置へ送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、モバイル装置の周辺装置であるバーコードリーダ内にバーコードを読み取るための光学部品やセンサーだけでなく、復号化を行う処理装置が設けられている。当該バーコードリーダ(読取装置)はモバイル装置と共に使用される仕様であるにもかかわらず、バーコードリーダ内に上記処理装置を備えるため、システム全体のコストを増大させる一因となっている。
【0006】
上記した課題に鑑み、本願発明は、コストが抑えられた読取システム及びカメラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本願発明のカメラは、取得した画像に基づいてシンボルの情報を認識する携帯情報端末の周辺装置として機能し、前記画像を生成するイメージセンサを有し、該生成した画像を前記携帯情報端末に送信する。
【0008】
また、本願発明のカメラは、前記イメージセンサで撮像される領域内にマーカーを表示させる光源を備えてもよい。
【0009】
また、本願発明のカメラは、前記イメージセンサを内蔵する撮像ユニットと、前記画像を生成するためのトリガー信号を前記撮像ユニットに対して入力する、前記撮像ユニットとは別体のレリーズユニットと、を備え、前記撮像ユニットと前記レリーズユニットは、互いに別々の指に装着されてもよい。
【0010】
また、本願発明のカメラは、前記レリーズユニットは、前記トリガー信号を生成するスイッチを有し、前記スイッチは、親指による操作が可能な位置に配されてもよい。
【0011】
また、前記レリーズユニットは、第1電極を有し、親指に装着される第1レリーズユニットと、第2電極を有し、前記第1レリーズユニットとは異なる手の部位に装着される第2レリーズユニットと、を備え、前記第1電極が前記第2電極と接触することで、前記トリガー信号を生成してもよい。
【0012】
また、本願発明のカメラは、前記携帯情報端末に対して前記画像を送信する無線通信部を備えてもよい。
【0013】
本願発明の読取システムは、取得した画像に基づいてシンボルの情報を認識する携帯情報端末と、前記携帯情報端末の周辺装置として機能し、前記画像を生成するイメージセンサを有し、該生成した画像を前記携帯情報端末に送信するカメラと、を備える。
【発明の効果】
【0014】
本願発明は、取得した画像からシンボルの情報を認識できる携帯情報端末の周辺装置として用いられ、当該携帯情報端末に対して画像を送信するカメラを備えており、カメラと携帯情情報端末が協働してシンボルの情報を認識するものである。このように、本願発明は、携帯情報端末側で画像解析を行うため、カメラ側では画像解析をするための処理装置を省略することができる。このため、カメラやシステム全体にかかるコストを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本願発明の実施形態に係る読取システムが装着された状態を示す図。
【
図2】(a)読取システムが備える携帯情報端末のブロック図、(b)携帯情報端末のケースの斜視図。
【
図3】(a)読取システムが備えるウェアラブルカメラのブロック図、(b)ウェアラブルカメラの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本願発明に係る読取システムの実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0017】
図1に示すように、本実施形態の読取システム10は、物品1に付されたバーコード2の情報を読み取り、読み取った情報に基づいて種々のサービスを提供するシステムであって、バーコード2の読取作業を行うユーザの上肢3に装着される。当該読取システム10は、携帯情報端末12およびウェアラブルカメラ14を備えている。
【0018】
携帯情報端末12は、スマートホンやタブレットに代表される公知のスマートデバイスであって、
図2に示すように、基本ソフトウェアを記憶する記憶部として機能するメモリ16と、当該基本ソフトウェアを実行するCPU18と、を備えている。また、携帯情報端末12は、基本ソフトウェアを実行するCPU18により制御される、情報を表示する表示部として機能する液晶ディスプレイ20、ユーザからの入力座標を取得する座標取得部として機能するタッチパネル22、ウェアラブルカメラ14と無線通信を行う無線通信部として機能するBluetooth(登録商標)モジュール24、及びインターネットを介した無線通信を行うネットワーク通信部として機能するWi-Fiモジュール26を備えている。また、上記のメモリ16には、画像を取得し、取得した画像に対して復号処理を行うことでバーコード2の情報を読み取るプログラムが予め格納されており、CPU18は画像に対して復号処理を行う復号部として機能している。
【0019】
このような携帯情報端末12は、液晶ディスプレイ20を露出させた状態でケース28に収容される。ケース28の背面には互いに並行に延出する一対のベルト30A,30Bが取り付けられている。この一対のベルト30A,30Bは、ユーザの腕に巻きつけられ、一対のベルト30A,30Bの先端部分に設けられた面ファスナー32A,32Bによって互いに留められる。
【0020】
図1に戻り、上記ユーザの手には、ウェアラブルカメラ14が装着されている。ウェアラブルカメラ14は、読み取り対象となっている物品1を撮像して生成した画像を上記携帯情報端末12に送信する。ウェアラブルカメラ14は、示指(人差し指)4に装着される撮像ユニット36を有している。
図3に示すように、撮像ユニット36は、筐体38内に、撮像モジュール40、Bluetoothモジュール42、及びMCU44などの電子部品が組み込まれている。これら電子部品は、筐体38内に収容された電池(不図示)から供給される電力によって動作する。
【0021】
撮像モジュール40は、受光面に結像された光の強度に応じた電気信号をMCU44に対して出力するイメージセンサ46と、受光面の正面に配置されたレンズ(不図示)と、を備え、筐体38の正面に設けられた窓48の裏側に配置されている。そのため、筐体38の窓48に入射した光は、レンズを介して、受光面に結像される。
【0022】
上記の撮像モジュール40はMCU44に制御される。MCU44は、撮像モジュール40(イメージセンサ46)から入力された電気信号に基づいて画像を生成する。また、MCU44はBluetoothモジュール42を制御して、生成した画像を携帯情報端末12へと送信する。
【0023】
ここで、本実施形態では、撮像ユニット36の筐体38内にレーザーモジュール50を備えている。レーザーモジュール50は、撮像モジュール40の撮像領域A(イメージセンサ46で撮像される領域)内にマーカー52(
図1)を表示させるモジュールであって、代表的には上記レンズの光軸と平行にレーザー光54を照射する半導体レーザー56と、MCU44から入力された制御信号に基づいて当該半導体レーザー56を駆動する駆動回路(不図示)と、を備える。当該レーザーモジュール50は、筐体38の窓48の裏側において、上記撮像モジュール40の近傍に設けられている。
【0024】
このような撮像ユニット36は、
図4に示すように、筐体38の窓48を指先側に向けて、ユーザの示指4の指先上に配される。
図3に示すように、筐体38の下面には、留め具である一対のベルト58A,58Bが取り付けられている。この一対のベルト58A,58Bは、示指4に巻きつけられ、一対のベルト58A,58Bの先端部分に設けられた面ファスナー60A,60Bによって互いに留められる。なお、当該一対のベルト58A,58Bは筐体38の両側面にそれぞれ取り付けられる態様であっても構わない。
【0025】
また、本実施形態のウェアラブルカメラ14は、撮像ユニット36に配線接続されるレリーズユニット62を備える。レリーズユニット62は、撮像の開始タイミングを指標するトリガー信号を、撮像ユニット36に対して出力するユニットであって、電流の通路を開閉するプッシュスイッチ64が筐体38から突出して設けられている。プッシュスイッチ64の出力は、撮像ユニット36のMCU44の入力に電気的に接続されている。
【0026】
図4に示すように、レリーズユニット62は、プッシュスイッチ64が親指5側に向くように、ユーザの中指6の中節に沿って配される。
図3に示すように、筐体66の両側面には、留め具である一対のベルト68A,68Bが取り付けられている。この一対のベルト68A,68Bは、中指6に巻きつけられ、各々の先端部分に設けられた面ファスナー70A,70Bによって互いに留められる。
【0027】
上記読取システム10を構成している携帯情報端末12およびウェアラブルカメラ14の処理を
図5に基づいて説明する。なお、
図5に示された携帯情報端末12の処理は、例えば物品管理を行うアプリケーションの実行過程において、バーコード2の情報が必要な場合に開始される。一方、ウェアラブルカメラ14の処理は、各電子部品に対して電力が供給されたときに開始される。
【0028】
先ず、携帯情報端末12では、処理が開始されると、ウェアラブルカメラ14に対してバーコード2を含んだ画像の送信をリクエストする画像リクエスト処理が実行される(s101)。当該リクエストは、携帯情報端末12のCPU18がBluetoothモジュール24を制御することでウェアラブルカメラ14に送信される。
【0029】
画像リクエスト処理(s101)が実行されると、ウェアラブルカメラ14では、レリーズユニット62からの入力を定期的に確認するポーリング処理が実行される(s201)。ポーリング処理(s201)では、撮像ユニット36のMCU44が、レリーズユニット62のプッシュスイッチ64からの入力を確認する。
【0030】
入力が無い場合には、マーカー52を非表示にするマーカー非表示処理(s205)が実行される。マーカー非表示処理(s205)では、撮像ユニット36のMCU44が、駆動回路(不図示)を制御して、半導体レーザー56の出力を切る。このマーカー非表示処理(s205)が実行されると、ポーリング処理(s201)が繰り返し実行される。
【0031】
一方、入力が有る場合、ウェアラブルカメラ14では、マーカー52を表示させるマーカー表示処理が実行される(s202)。このマーカー表示処理(s202)では、撮像ユニット36のMCU44が、駆動回路(不図示)を制御して、半導体レーザー56からレーザー光54(
図1)を出力させる。これにより、撮像モジュール40の撮像領域A内にマーカー52(
図1)が表示される。
【0032】
そして、ウェアラブルカメラ14では被写体である物品1を撮像する撮像処理が実行される(s203)。撮像処理(s203)では、撮像ユニット36のMCU44が、撮像モジュール40に対して撮像コマンドを送信する。撮像コマンドは、イメージセンサ46の受光面に結像された被写体(物品1)の像を電気信号へと変換させるコマンドである。撮像モジュール40のイメージセンサ46は、受信した撮像コマンドに応じて、物品1の像を電気信号へと変換させ、当該電気信号を出力する。MCU44は、イメージセンサ46から入力された電気信号に基づいて画像を生成する。
【0033】
撮像処理(s203)が実行されると、ウェアラブルカメラ14では、撮像処理において生成した画像を携帯情報端末12に送信する送信処理が実行される(s204)。当該送信は、撮像ユニット36のMCU44がBluetoothモジュール42を制御することにより行われる。なお、ウェアラブルカメラ14は、画像を携帯情報端末12へと送信した後、ポーリング処理を行い、継続してプッシュスイッチ64が押されている場合には、マーカー表示処理(s202)から送信処理(s204)を繰り返し実行する。
【0034】
送信処理(s203)が実行される度に、携帯情報端末12は、ウェアラブルカメラ14から送信された画像を受信する受信処理を実行する(s102)。受信処理(s102)では、携帯情報端末12のCPU18がBluetoothモジュール24を制御することで、画像を受信する。携帯情報端末12では上記したポーリング処理(s201)から送信処理(s204)までの処理が繰り返し実行される。
【0035】
受信処理(s102)が実行されると、携帯情報端末12は、受信した画像に含まれるバーコード2を復号する復号処理を実行する(s103)。復号処理に用いられるアルゴリズムとしては、例えばJISX0507に記載された復号アルゴリズムを用いることができる。復号処理の結果、画像にバーコード2が含まれている場合には、携帯情報端末12は当該バーコード2の情報を取得する。このようにして取得されたバーコード2の情報は、物品1の管理を行うアプリケーションにおいて用いられる。
【0036】
そして、読み取りが継続される場合(s103:Yes)には、受信処理(s102)および復号処理(s103)が繰り返し実行される。
【0037】
本実施形態の読取システム10では、携帯情報端末12とウェアラブルカメラ14が協働して、バーコード2の情報を認識するバーコードリーダとして機能している。このように、携帯情報端末12側において画像に基づく復号処理(画像解析)を行うため、ウェアラブルカメラ14側では画像解析をするための処理装置を省略することができる。よって、ウェアラブルカメラ14や読取システム10全体にかかるコストを抑えることができる。また、ウェアラブルカメラ14をより小型化することができる。さらに、携帯情報端末12側では、取得した画像からバーコードの情報を認識するだけでなく、当該画像を他の用途に使用することもできる。
【0038】
また、
図1に示すように、撮像モジュール40(イメージセンサ46)の撮像領域A内にマーカー52が表示されるので、ユーザは当該マーカー52を目印としてウェアラブルカメラ14の照準を容易に調節できる。
【0039】
また、物品1を撮像するウェアラブルカメラ14において、撮像モジュール40とプッシュスイッチ64が互いに別体のユニットに設けられている。このため、ユーザのボタン操作に起因する手ぶれを低減させることができる。また、レリーズユニット62には、中指6の側面側にプッシュスイッチ64が配置されているので、親指5を用いた自然なボタン操作が可能となっている。
【0040】
以上、本願発明に係る読取システムを実施形態に基づいて説明してきたが、本願発明は、上記した形態に限らないことは勿論であり、例えば、以下のような形態で実施されても構わない。
【0041】
<変形例>
(1)レリーズユニット62のプッシュスイッチ64は、親指5から受ける圧力によって抵抗値が変化する圧力センサーであっても構わない。このような態様においては、当該抵抗値の変化を検出する検出回路がレリーズユニット62または撮像ユニット36に設けられる。検出回路は、例えば、圧力センサーを用いた分圧回路と、当該分圧された電圧をアナログ-デジタル変換する変換器と、から構成され、当該変換器の出力は撮像ユニット36のMCU44に接続される。撮像ユニット36のMCU44は、ポーリング処理(s201)において、検出回路の出力(変換器の出力)を確認し、抵抗値が変化したこと(圧力がかかった状態)を示す信号が入力されたとき、マーカー表示処理(s202)を実行する。
【0042】
(2)マーカー52を表示させる光源は、半導体レーザー56に限られず、LEDなどの光源を用いても構わない。LEDを光源として用いる態様においては、LEDから出力された光をレーザー状に照射するスリットやレンズなどの光学系を備えることが好ましい。
【0043】
(3)マーカー52の形状は、点状、十字状、又は枠状のいずれであっても構わない。
【0044】
(4)撮像ユニット36やレリーズユニット62を指に取り付ける留め具は、面ファスナー60A,60B,70A,70Bを有する一対のベルト58A,58B,68A,68Bに限られず、これらのユニット36,62に取り付けられたプラスチック製または金属製のリング体であっても構わない。
【0045】
(5)また、留め具は手袋であっても構わない。当該態様においては、手袋の示指部分に撮像ユニット36が取り付けられ、手袋の中指部分にレリーズユニット62が取り付けられる。
【0046】
(6)上記実施形態では一次元コードであるバーコード2を例に説明したが、本願発明の読取システム10が読み取るシンボルは、二次元コードや、赤色・青色・緑色の3色により表されるカラービット(登録商標)、電子透かし技術を用いて情報が埋め込み印刷によりされたデジタルマーク、物品1に付された文字であっても構わない。また、携帯情報端末12の復号処理(s103)において、認識すべきシンボルを選択する処理を設けることで、種々のシンボルの読取を切り替えることも可能となる。このように、読取システム10は、携帯情報端末12側のプログラムによって、シンボルの切り替えや、新たな符号化技術によるシンボルへの対応、取得した画像に含まれる複数のシンボルから一括して情報を読み取るなど、拡張性の高いシステムを実現することができる。
【0047】
(7)携帯情報端末12は、ウェアラブルカメラ12から取得した画像からシンボルの情報を読み取るとともに、当該画像をメモリ16に記憶させてもよい。また、メモリ16に記憶する際には、当該画像と当該画像に含まれているシンボルの情報を互いに対応付けてもよい。また、携帯情報端末12がGPSに代表される位置取得部を備えている場合には、CPU18は当該位置読取部から位置情報を取得し、取得した位置情報を読み取ったシンボルの情報や取得した画像と対応づけてメモリに格納してもよい。
【0048】
(8)上記実施形態では、携帯情報端末12とウェアラブルカメラ14の無線通信を行う手段として、Bluetoothモジュール24,42を用いたが、Wi-Fiモジュールを用いた無線通信であっても構わない。また、IrDAモジュールを用いた光通信であっても構わない。
【0049】
(9)上記実施形態では、ユーザの指に装着されるウェアラブルカメラ14を例に説明したが、本願発明はユーザの指に装着される態様に限られない。すなわち、携帯情報端末12の周辺装置として用いられる態様であればよい。例えば、携帯情報端末12に着脱される態様であっても構わない。
【0050】
(10)レリーズユニットは、単一のユニットに限られず、親指に装着される第1レリーズユニットと中指に装着される第2レリーズユニットから構成されても構わない。当該態様においては、第1レリーズユニットと第2レリーズユニットの各々には、電極が露出して、互いに対向するように設けられており、これら電極同士が接触することでトリガー信号が生成される。即ち、第1レリーズユニットの電極(第1電極)はMCU44の出力端子に接続されており、第2レリーズユニットの電極(第2電極)はMCU44の入力端子に接続されている。そして、MCU44はポーリング処理(s201)において、出力端子から信号を出力し、当該信号が入力端子に入力されたかを確認する。このとき、第1電極と第2電極が接触していれば、信号がこれらの電極を介して入力端子に入力され、MCU44はマーカー表示処理(s202)、撮像処理(s203)、送信処理(s204)を実行する。一方、第1電極と第2電極が非接触のときには、信号が遮断されるため、MCU44の入力端子には入力されず、MCU44はマーカー非表示処理(S205)を実行する。このように、第1レリーズユニットと第2レリーズユニットがそれぞれ親指と中指に装着され、互いの電極同士の接触によってマーカー表示処理(s202)からの一連の処理が実行されるので、例えば、荷物を持っているときの衝撃によって無意識にレリーズユニットが作動してトリガー信号が出力されるといった誤動作を防止することができる。なお、第2レリーズユニットは中指に限定されず、薬指など第1レリーズユニットと異なる部位に装着されてもよい。
【0051】
本願発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々なる改良、修正、又は変形を加えた態様でも実施できる。また、同一の作用又は効果が生じる範囲内で、何れかの発明特定事項を他の技術に置換した形態で実施しても良い。
【0052】
例えば、近くの被写体の像をイメージセンサの受光面に結像させるマクロレンズを備えたカメラであってもよい。このようなカメラを備える読取システムは、被写体に付されたダイレクトマーキングなど、極小さなシンボルを読み取ることが可能となる。また、携帯情報端末のCPUが取得した画像を補正しながら解析を行うことができるので、極小さなシンボルの読み取り率を向上させることも可能となる。
【符号の説明】
【0053】
2 … バーコード
4 … 示指
6 … 中指
10 … 読取システム
12 … 携帯情報端末
14 … ウェアラブルカメラ
24 … Bluetoothモジュール
36 … 撮像ユニット
42 … Bluetoothモジュール
46 … イメージセンサ
52 … マーカー
56 … 半導体レーザー
62 … レリーズユニット