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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-14
(45)【発行日】2022-10-24
(54)【発明の名称】釣り用浮き
(51)【国際特許分類】
   A01K 93/00 20060101AFI20221017BHJP
【FI】
A01K93/00 E
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019091804
(22)【出願日】2019-05-15
(65)【公開番号】P2020184928
(43)【公開日】2020-11-19
【審査請求日】2021-08-02
(73)【特許権者】
【識別番号】519173495
【氏名又は名称】岩永 弘人
(74)【代理人】
【識別番号】100172225
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 宏行
(72)【発明者】
【氏名】岩永 弘人
【審査官】坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】実公昭38-175(JP,Y1)
【文献】実開平3-74274(JP,U)
【文献】実開昭54-68773(JP,U)
【文献】特開2009-171893(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0233783(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 93/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
重さ調整物の収容および排出が可能な収容空間を内部に有する本体部と、
前記本体部に着脱自在に取り付けられて前記収容空間に収容された重さ調整物を前記収容空間内に封入するキャップ部と、を備え、
前記本体部は外表面の一部であるベース面を備えた中空の容器部と前記容器部の底面を構成する孔開き蓋部から構成されており、
前記容器部の内部には、前記収容空間のほかに、前記ベース面側の領域に空気が封入される空気封入空間が形成されており、
前記孔開き蓋部が前記容器部に取り付けられると前記空気封入空間に空気が封入され、更にキャップ部が前記孔開き蓋部に取り付けられると前記収容空間が密閉される、 釣り用浮き。
【請求項2】
前記本体部は道糸が挿通される道糸挿通路を有し、前記道糸挿通路は、
記ベース面から外方に張り出して設けられた挿通路形成部に形成された請求項1に記載の釣り用浮き。
【請求項3】
前記ベース面に、前記道糸挿通路に挿通された道糸側に向けて突出するスペーサ部が設けられた請求項2に記載の釣り用浮き。
【請求項4】
前記ベース面は、前記道糸挿通路に挿通された道糸の延びる方向に2つの等辺が延びるほぼ二等辺三角形の形状を有しており、前記本体部は、前記ベース面をひとつの面とする三角錐形状に形成されている請求項2または3に記載の釣り用浮き。
【請求項5】
前記重さ調整物は液体又は粒状体から成る請求項1~4のいずれかに記載の釣り用浮き。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚釣り、特に沈め釣りに用いられる釣り用浮きに関する。
【背景技術】
【0002】
釣り具を用いて行う魚釣りのうち、浮きを海中に沈めた状態で行う沈め釣りでは、釣針を海中に投げ入れた際、浮きが釣針ととともにゆっくり海中に沈んでいくようにする必要がある。このため釣り人は通常、重さの異なる浮きを予め複数用意しておき、それら複数の浮きの中から潮流の速さ等に応じた適切な重さのものを選択して用いるようにしている。また、複数の分銅錘とともにボルトを浮き本体に取り付けることによって、浮きの重さを簡単に調整できるようにしたものも知られている(例えば、下記の特許文献1参照)。このような浮きを用いるようにすれば、重さの異なる複数の浮き用意する必要がなくなるので、釣り人にとっては大変好都合である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】登録実用新案第3150870号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示された浮きでは、浮きの重さを調整する際には小さい分銅錘にボルトを通したり外したりする作業が必要であり、慣れない者にとっては重さの調整作業に時間がかかるものであった。
【0005】
そこで本発明は、重さ調整作業を簡単かつスピーディに行うことができる釣り用浮きを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の釣り用浮きは、重さ調整物の収容および排出が可能な収容空間を内部に有する本体部と、前記本体部に着脱自在に取り付けられて前記収容空間に収容された重さ調整物を前記収容空間内に封入するキャップ部と、を備え、前記本体部は外表面の一部であるベース面を備えた中空の容器部と前記容器部の底面を構成する孔開き蓋部から構成されており、前記容器部の内部には、前記収容空間のほかに、前記ベース面側の領域に空気が封入される空気封入空間が形成されており、前記孔開き蓋部が前記容器部に取り付けられると前記空気封入空間に空気が封入され、更にキャップ部が前記孔開き蓋部に取り付けられると前記収容空間が密閉される
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、重さ調整作業を簡単かつスピーディに行うことができる釣り用浮きを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施の形態における釣り用浮きの使用状態を示す図
図2】本発明の一実施の形態における釣り用浮きの使用状態での側面図
図3】(a)(b)本発明の一実施の形態における釣り用浮きの使用状態での斜視図
図4】本発明の一実施の形態における釣り用浮きの分解斜視図
図5】本発明の一実施の形態における釣り用浮きの(a)分解断面図(b)断面図
図6】本発明の一実施の形態における釣り用浮きの使用状態での断面図
図7】本発明の一実施の形態における釣り用浮きの使用状態での断面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、釣り人TBが釣り具1を用いて磯釣りをしている状況を示している。釣り具1の釣竿11から延びる釣り糸12の先端には餌ES付きの釣針13が取り付けられており、釣針13は海SEの中の魚Fの生息領域(棚TN)に投じられている。
【0010】
図1において、釣り糸12は釣竿11側の道糸12aと釣針13側のハリス12bから成り、道糸12aとハリス12bはサルカン14によって繋げられている。道糸12aには本発明の釣り用浮き(以下、単に「浮き」と称する)15が取り付けられている(図2)。浮き15は、本実施の形態では、沈め釣り用の浮きとして用いられている。
【0011】
図3(a),(b)および図4において、浮き15は全体として、三角錐形状を有しており、ほぼ二等辺三角形の形状を有するベース面15Aと、ベース面15Aの2つの等辺それぞれに連接する2つの斜面15Bと、ベース面15Aの底辺および2つの斜面15Bそれぞれに連接する底面15Cを備えている。浮き15は水に浮く材料(例えば樹脂)から成り、本体部21とキャップ部22を有して構成されている。
【0012】
図3(a),(b)および図4において、本体部21は、浮き15のベース面15Aと2つの斜面15Bをして底面15C側に開口した中空の三角錐形状の部材である容器部31と、浮き15の底面15Cを構成する三角形状の部材である孔開き蓋部32から構成されている。容器部31の内部には、底面15C側(孔開き蓋部32側)に開口31Kを有する空洞部41が形成されている(図4)。
【0013】
図4および図5(a),(b)(図5(b)は図5(a)における矢視V-Vから見た断面図)において、空洞部41内には、ベース面15Aとほぼ平行に仕切壁31Dが設けられている。空洞部41が有する空間のうち仕切壁31Dよりもベース面15A側の空間は空気封入空間42となっており、残りの空間は収容空間43となっている。
【0014】
図4および図5(a)において、孔開き蓋部32は、中央部に連通孔32Hを有している。孔開き蓋部32は容器部31の開口31Kに、空洞部41の全体を塞いで取り付けられる。孔開き蓋部32が容器部31に取り付けられた状態では、連通孔32Hは収容空間43のみに連通し、空気封入空間42には連通しない。このため容器部31に孔開き蓋部32が取り付けられた状態では、空気封入空間42は空気が封入された状態となる。このように、本実施の形態において、浮き15は、本体部21の内部の収容空間43よりもベース面15A側の領域に、空気が封入される空気封入空間42を備えた構成となっている。
【0015】
一方、孔開き蓋部32を容器部31に取り付けた状態において、連通孔32Hは収容空間43に連通する。このため釣り人TBは、連通孔32Hから収容空間43内に水や海水等の液体を重さ調整物Wとして収容させることができ、また、収容空間43内に収容させた重さ調整物Wを連通孔32Hから本体部21の外部に排出させることもできる。
【0016】
図4および図5(a),(b)において、孔開き蓋部32には、孔開き蓋部32が容器部31に取り付けられた状態で容器部31の外方に突出した円筒状の突出部32Tが設けられており、上述の連通孔32Hはこの突出部32Tを貫通して設けられている。突出部32Tの外周面には雄螺子32Sが形成されている。
【0017】
図4および図5(a),(b)において、キャップ部22の内部には孔開き蓋部32の雄螺子32Sと螺合する雌螺子22Sが設けられている。雌螺子22Sを雄螺子32Sに螺合させることで、キャップ部22を孔開き蓋部32に(すなわち本体部21に)着脱することができ、キャップ部22を孔開き蓋部32に取り付けると、収容空間43が密閉される。このため収容空間43内に重さ調整物Wを収容させた状態でキャップ部22を容器部31に取り付けることで、収容空間43内の重さ調整物Wを収容空間43内に封入することができる。このように本実施の形態において、キャップ部22は、本体部21に着脱自在に取り付けられて前記収容空間43に収容させた重さ調整物Wを収容空間43内に封入するものとなっている。
【0018】
図3(a),(b)および図4において、容器部31の外表面の一部であるベース面15Aには、外方に張り出した形状の複数(ここでは2つ)の挿通路形成部51が設けられている。2つの挿通路形成部51は、ベース面15Aの二等辺三角形状の頂角側に設けられた頂角側形成部51aと、ベース面15Aの二等辺三角形状の底辺側に設けられた底辺側形成部51bから成る。底辺側形成部51bは、ベース面15Aの底辺の延びる方向にアーチ状に延びた形状を有している。
【0019】
図4および図5(a),(b)において、頂角側形成部51aには、ベース面15Aの頂角と底辺の中央部とを結ぶ方向(糸通し方向と称する)に延びた貫通孔(糸通し孔52a)が設けられている。一方、底辺側形成部51bとベース面15Aとの間の領域は、糸通し方向に貫通した空間(糸通し空間52b)となっている。道糸12aは、糸通し空間52bと糸通し孔52aを通るように挿通される。このように本実施の形態において、糸通し孔52aと糸通し空間52bは、本体部21に道糸12aが挿通される道糸挿通路52となっている(図3(a),(b)および図6)。
【0020】
このように本実施の形態において、ベース面15Aは、道糸挿通路52に挿通された道糸12aの延びる方向に2つの等辺が延びる二等辺三角形の形状を有しており、本体部21は、ベース面15Aをひとつの面とする三角錐形状に形成されたものとなっている。
【0021】
図2および図3(a),(b)において、ベース面15Aには、複数(ここでは2つ)のスペーサ部53が設けられている。これら2つのスペーサ部53はそれぞれ、道糸挿通路52(糸通し孔52aおよび糸通し空間52b)に挿通された道糸12a側に突出した形状を有している。
【0022】
浮き15は、海中に投げ入れられる前に、釣り人TBは収容空間43に水や海水等の液体を重さ調整物Wとして注入する。このとき釣り人TBは、釣りの対象とする魚の種類や釣針13の海中での深さ、潮流LN(図2)の速さ等に応じ、収容空間43に注入する重さ調整物Wの量(液体の量)を調整する。収容空間43内には、水や海水等の液体とともに、ガン玉等の固体物を入れるようにしてもよい。釣り人TBは、収容空間43に重さ調整物Wを収容させたら、キャップ部22を容器部31に取り付けて、その重さ調整物Wを収容空間43内に封入する。
【0023】
釣り人TBは、収容空間43内に重さ調整物Wを封入したら、浮き15に道糸12aを取り付ける。具体的には、2つの挿通路形成部51(頂角側形成部51aおよび底辺側形成部51b)に設けられた道糸挿通路52(糸通し孔52aおよび糸通し空間52b)に道糸12aを挿通させる。このとき、底辺側形成部51bが道糸12aの上流側(釣竿11側)に向くようにする。なお、浮き15への道糸12aの取付けは、収容空間43に重さ調整物Wを封入する前に行うのであっても構わない。
【0024】
釣り人TBは、収容空間43内に重さ調整物Wを封入し、浮き15に道糸12aを取り付け、釣針13に餌ESを取り付けたら、釣針13を浮き15とともに海中に投入する。海中に投入された浮き15は、本体部21の内部の収容空間43よりもベース面15A側の領域に空気封入空間42を有しているので、ベース面15Aが上方になる姿勢を取ろうとする。このため浮き15は道糸12aの下方に位置し、海中で安定した姿勢をとる。
【0025】
ここで、前述したように、ベース面15Aは、道糸挿通路52に挿通された道糸12aの延びる方向に2つの等辺が延びるほぼ二等辺三角形の形状を有しており、本体部21は、ベース面15Aをひとつの面とする三角錐形状に形成されている。そして、本体部21は、底面15C側が道糸12aの上流側(釣竿11側)を向くように(すなわち、ベース面15Aの頂角部が釣針13側に向くように)道糸12aに取り付けられている。このため、道糸12aの上流側(釣竿11側)から下流側(釣竿11から離れる側)に向く潮流LNは、道糸12aの上流側(釣竿11側)を向く面である底面15Cに当たることになり(図2および図6)、浮き15は潮流LNに押されて道糸12aにラインが張られる。これにより釣り人TBは餌ESの沈下速度の微調整が容易となり、釣竿11で当たりをとり易くなる。
【0026】
浮き15は、海中においては、収容空間43内に封入された重さ調整物Wの量(液体の量)に応じた深さにとどまろうとする一方、道糸12aは浮き15に対して一定範囲内で浮き15に対して移動自在である。このため釣り人TBは、道糸12aの繰り出し量を調節すること等により、釣針13の海面からの深さ調整を行うことができ、全層釣りが行うことができる。
【0027】
ここで、道糸12aが浮き15に貼り付いてしまうのでは、道糸12aの繰り出し量の調整が妨げられてしまうところであるが、本実施の形態では、道糸12aが挿通される道糸挿通路52が、本体部21の外表面の一部であるベース面15Aから外方に張り出して設けられた挿通路形成部51に形成されているため、挿通された道糸12aが本体部21に(すなわち浮き15に)貼り付くことが防止され、道糸12aの繰り出しをスムーズに行うことができる。更に、ベース面15Aに設けられた2つのスペーサ部53が、2つの道糸挿通路52(糸通し孔52aおよび糸通し空間52b)に挿通された道糸12aがベース面15Aに接触するのを妨げるので、この面からも、道糸12aがベース面15Aに貼り付くことが防止される。
【0028】
沈め釣りでは、釣針13を海中に投げ込んだ際、浮き15が釣針13とともにゆっくり海中に沈んでいくようにする必要があり、釣り人TBは、潮流LNの速さ等に応じて浮き15の重さを変える必要がある。本実施の形態における浮き15は、収容空間43内に収容させる重さW調整物(液体)の量を調整するだけで浮き15全体の重さを増減できるので、重さ調整作業を簡単かつスピーディに行うことができる。
【0029】
ここで、収容空間43に収容させる重さ調整物Wとしての液体の量を少なめにするとともに、収容空間43内にガン玉GD等の固体物を錘として入れておくと、浮き15は、図7に示すように、ベース面15Aの三角形形状の頂角に相当する側を下に向けた姿勢で海面上を浮遊する。浮き15はこのようにして浮き釣り用の浮きとして使用することもできる。この場合、ガン玉GDの重さや個数のほか、収容空間43内に封入する液体を調整することで、海面上における浮き具合(沈み具合)を所望の状態にすることができる。
【0030】
以上説明したように、本実施の形態における浮き15によれば、収容空間43内に収容させる重さ調整物W(液体)の量を調整するだけで浮き15の重さを増減できるので、重さ調整作業を簡単かつスピーディに行うことができる。
【0031】
また、本実施の形態における浮き15において、道糸12aは、本体部21の外表面の一部から張り出して設けられた複数の挿通路形成部51に挿通されているので本体部21に貼り付きにくく、道糸12aの繰り出し妨げられないので、釣針13の海面からの深さ調整が容易である。しかも、ベース面15Aから道糸12a側に向けて突出して設けられたスペーサ部53が道糸12aとベース面15Aとの接触を妨げるので、道糸12aはより本体部21に貼り付きにくい。
【0032】
また、本実施の形態における浮き15は、本体部21の内部の収容空間43よりもベース面15A側の領域に空気封入空間42を有しているため、ベース面15Aが上方になる姿勢を取ろうとする。これにより浮き15は道糸12aの下方に位置し、海中での安定した姿勢が確保される。
【0033】
また、本実施の形態における浮き15は、ベース面15Aは、道糸挿通路52に挿通された道糸12aの延びる方向に2つの等辺が延びるほぼ二等辺三角形の形状を有しており、本体部21は、ベース面15Aをひとつの面とする三角錐形状に形成されている。このため、道糸12aの上流側(釣竿11側)を向く面(底面15C)に潮流LNが当たるようにすることで、道糸12aにラインが張られるようにすることができ、釣り人TBは餌ESの沈下速度の微調整が容易となって、当たりをとり易くなる。
【0034】
これまで本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は前述したものに限られず、種々の設計変更等が可能である。例えば、上述の実施の形態では、底辺側形成部51bはアーチ状に形成されていたが、これは一例であり、必ずしもアーチ状でなければならないわけではない。また、道糸挿通路52が形成される挿通路形成部51は、上述の実施の形態では2つ(頂角側形成部51aおよび底辺側形成部51b)であったが、2つに限られず、1つまたは3つ以上であってもよい。スペーサ部53も2つに限られず、1つまたは3つ以上であってもよい。
【0035】
また、上述の実施の形態において、道糸挿通路52は本体部21から突出した部分(本体部21の外表面の一部であるベース面15Aから外方に張り出して設けられた挿通路形成部51)に形成された構成となっていたが、道糸挿通路52は必ずしもこのように本体部21から突出した部分に形成されていなくてもよく、本体部21の一部または全部を貫くように形成されていてもよい。
【0036】
また、上述の実施の形態において、本体部21は、外表面の一部であるベース面15Aから外方に張り出して設けられた複数の挿通路形成部51を有しており、道糸挿通路52はこれら複数の挿通路形成部51に形成された構成となっていたが、道糸挿通路52は道糸12aが本体部21を挿通するように設けられていればよいのであって、必ずしも本体部21から張り出して設けられた挿通路形成部51に挿通されていなければならないわけではない。また、上述の実施の形態において、孔開き蓋部32は容器部31と分離自在な部材として説明したが、孔開き蓋部32は容器部31に分離不能に接合(接着)されていてもよいし、容器部31と一体に製造されるのであってもよい。
【0037】
また、上述の実施の形態では、道糸12aを浮き15に挿通させる際、底辺側形成部51bが道糸12aの上流側(釣竿11側)に向くようにすると説明したが、状況によっては浮き15の頂角側形成部51aが道糸12aの上流側に向くようにしてもよく、このような浮き15の取付け状態で釣りを楽しむことも可能である。
【0038】
また、浮き15の重さの調整に用いる重さ調整物Wは、上述した水や海水等の液体に限られず、砂等の粒状体や小石等、他のものであってもよい。水や海水、砂等であれば、調達が容易であるうえ、紛失しても困らないので都合がよい。浮きの重さの微調整が可能な液体や粒状体は、本発明の釣り用浮きの重さ調整物Wとして最適である。
【産業上の利用可能性】
【0039】
重さ調整作業を簡単かつスピーディに行うことができる釣り用浮きを提供する。
【符号の説明】
【0040】
11 釣竿
12 釣り糸
12a 道糸
12b ハリス
13 釣針
15 釣り用浮き
21 本体部
15A ベース面
22 キャップ部
42 空気封入空間
43 収容空間
51 挿通路形成部
52 道糸挿通路
53 スペーサ部
W 重さ調整物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7