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特許7158741アプリケータシステムおよびそれとともに使用する容器
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-14
(45)【発行日】2022-10-24
(54)【発明の名称】アプリケータシステムおよびそれとともに使用する容器
(51)【国際特許分類】
   A45D 33/24 20060101AFI20221017BHJP
   A45D 34/00 20060101ALI20221017BHJP
   A45D 34/04 20060101ALI20221017BHJP
   A46B 17/02 20060101ALI20221017BHJP
   B65D 51/32 20060101ALI20221017BHJP
   B65D 81/32 20060101ALI20221017BHJP
【FI】
A45D33/24
A45D34/00 510Z
A45D34/04 510A
A46B17/02
B65D51/32
B65D81/32 J
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2019547446
(86)(22)【出願日】2018-02-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-03-26
(86)【国際出願番号】 AU2018050166
(87)【国際公開番号】W WO2018157200
(87)【国際公開日】2018-09-07
【審査請求日】2021-02-17
(31)【優先権主張番号】2017900742
(32)【優先日】2017-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】519311972
【氏名又は名称】ヴェンク,ロウェナ
【氏名又は名称原語表記】WENCK,Rowena
【住所又は居所原語表記】Unit 2/8 Charm Place Peakhurst,New South Wales 2210,Australia
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴェンク、ロウェナ
【審査官】渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第632806(US,A)
【文献】実開昭63-025908(JP,U)
【文献】実開昭59-192580(JP,U)
【文献】実開昭63-39313(JP,U)
【文献】特開昭59-207108(JP,A)
【文献】米国特許第1942248(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0206881(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0155629(US,A1)
【文献】米国特許第6116455(US,A)
【文献】特開2006-69668(JP,A)
【文献】米国特許第3983993(US,A)
【文献】仏国特許出願公開第2845256(FR,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D34/00-34/06
A45D33/00-33/38
A45D40/18
A45D40/24
A46B17/02
B65D51/32
B65D81/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器およびアプリケータを有するアプリケータシステムであって、前記容器は、前記アプリケータを使って塗布される物質を含むように構成されており、前記容器は、使用中に記アプリケータを支持するようにさらに構成されており、
前記容器は、
使用中にその上端部が開放された第1チャンバであって、前記第1チャンバは内部にアプリケータの少なくともアクティブエンドを受設しかつ配置し、使用中に記アプリケータを保持するように構成されている、ところの第1チャンバと、
使用中にその上端部が開放された第2チャンバであって、前記第2チャンバは前記アプリケータの前記アクティブエンドによって接触される前記物質を受設しかつ内部に保持するように構成された第2チャンバと、
使用中にその内部に前記物質を内包するべく、前記第2チャンバの開放された前記上端部を閉止するように構成された蓋であって、前記蓋は、前記第2チャンバの開放された前記上端部を閉止する際、前記第1チャンバの開放された前記上端部を閉止しないように構成されており、それにより、前記アプリケータへのアクセスが可能なままである、ところの蓋と
使用中、前記容器の上端部に配置され、かつ、前記第1チャンバの壁と前記第2チャンバの壁との間に伸長し、前記第2チャンバの開放上端の一部を覆う留め金であって、前記蓋は、前記第2チャンバの前記開放上端の残りの部分を覆うよう前記留め金によって閉止保持可能であり、前記留め金は、前記蓋から解放されるべく手動で動作するように構成されており、それによって、前記蓋は閉止位置および前記留め金から解放される、ところの留め金と
を備えるアプリケータシステム。
【請求項2】
前記アプリケータは細長く、前記第1チャンバおよび前記アプリケータの各々は、前記アクティブエンドが前記第1チャンバのベースに配置されたとき、前記アプリケータの反対端が前記第1チャンバの開放端を越えてそこから突出するように構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載のアプリケータシステム。
【請求項3】
前記第1チャンバおよび前記アプリケータの各々は、前記アプリケータが前記第1チャンバ内に起立することができるように構成されている、ことを特徴とする請求項1または2に記載のアプリケータシステム。
【請求項4】
前記アプリケータの前記アクティブエンドは、前記容器内に保持された前記物質と接触し、保持し、および、塗布するように構成されている、ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のアプリケータシステム。
【請求項5】
前記第1チャンバは、前記第2チャンバに隣接しているか、および/または、前記第2チャンバによって包囲されている、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のアプリケータシステム。
【請求項6】
前記第2チャンバは、前記第1チャンバの周囲に環帯容積を画成し、それによって、前記第1チャンバは管状に画成される、ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のアプリケータシステム。
【請求項7】
前記蓋は、前記容器の外部壁にヒンジ結合されており、閉止位置と開放位置との間で枢動可能である、ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のアプリケータシステム。
【請求項8】
前記留め金は、押圧可能なプッシュボタンを内部に保持するように構成されており、押圧により、前記留め金のラッチは前記蓋から解放され、それにより、前記蓋は前記閉止位置から枢動して離れることができる、ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のアプリケータシステム。
【請求項9】
前記蓋にはバネ負荷が与えられ、それにより、前記留め金が前記蓋から解放されると、前記バネにより前記蓋が前記開放位置に枢動する、ことを特徴とする請求項に記載のアプリケータシステム。
【請求項10】
前記留め金は、前記容器の前記上端部にマウントされるように構成されたコンポーネントの一部として形成される、ことを特徴とする請求項8または9に記載のアプリケータシステム。
【請求項11】
前記コンポーネントは、第1リング構造を有し、前記第1リング構造は、前記留め金前記第1リング構造の内側に伸長し、かつ、前記第2チャンバを覆っている状態で前記容器の上端部に取り付け可能である、ことを特徴とする請求項10に記載のアプリケータシステム。
【請求項12】
前記留め金は、使用中、前記第2チャンバを覆うべく内側に伸長するよう前記第1リング構造とともに一体成形された留め金構造を有し、前記押圧可能プッシュボタンおよびラッチは、前記留め金構造内に保持されている、ことを特徴とする請求項11に記載のアプリケータシステム。
【請求項13】
前記コンポーネントは、前記第1リング構造が前記容器の上端部に取り付けられたとき、前記第1チャンバの開放端を包囲して配置可能である第2リング構造をさらに有し、前記留め金は前記第1リング構造と前記第2リング構造との間に伸長し、かつ、それらを結合する、ことを特徴とする請求項11または12に記載のアプリケータシステム。
【請求項14】
前記容器の上端部用の前記コンポーネントはさらに、前記蓋の前記ヒンジ用の外部マウントをさらに有する、ことを特徴とする請求項11から13のいずれか一項に記載のアプリケータシステム。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載のアプリケータシステムとともに使用する容器であって、
使用中にその上端部が開放された第1チャンバであって、その内部にアプリケータの少なくともアクティブエンドを受設しかつ配置し、かつ、使用中に記アプリケータを保持するように構成されている、ところの第1チャンバと、
使用中にその上端部が開放された第2チャンバであって、前記第2チャンバは前記アプリケータの前記アクティブエンドによって接触される物質を内部に受設しかつ保持するように構成された第2チャンバと、
使用中に、その内部に前記物質を内包するべく、前記第2チャンバの開放された前記上端部を閉止するように構成された蓋であって、前記蓋は、前記第2チャンバの開放された前記上端部を閉止する際、前記第1チャンバの開放された前記上端部を閉止しないように構成されており、それにより、使用中に前記アプリケータへのアクセスが可能なままである、ところの蓋と
使用中、前記容器の上端部に配置され、かつ、前記第1チャンバの壁と前記第2チャンバの壁との間に伸長し、前記第2チャンバの開放上端の一部を覆う留め金であって、前記蓋は、前記第2チャンバの前記開放上端の残りの部分を覆うよう前記留め金によって閉止保持可能であり、前記留め金は、前記蓋から解放されるべく手動で動作するように構成されており、それによって、前記蓋は閉止位置および前記留め金から解放される、ところの留め金と
を備える容器。
【請求項16】
容器およびアプリケータを有するアプリケータシステムであって、前記容器は、前記アプリケータを使って塗布される物質を含むように構成されており、前記容器は、使用中に前記アプリケータを支持するようにさらに構成されており、
前記容器は、
使用中にその上端部が開放された第1チャンバであって、前記第1チャンバは内部にアプリケータの少なくともアクティブエンドを受設しかつ配置し、使用中に前記アプリケータを保持するように構成されている、ところの第1チャンバと、
使用中にその上端部が開放された第2チャンバであって、前記第2チャンバは前記アプリケータの前記アクティブエンドによって接触される前記物質を受設しかつ内部に保持するように構成された第2チャンバと、
使用中にその内部に前記物質を内包するべく、前記第2チャンバの開放された前記上端部を閉止するように構成された蓋であって、前記蓋は、前記第2チャンバの開放された前記上端部を閉止する際、前記第1チャンバの開放された前記上端部を閉止しないように構成されており、それにより、前記アプリケータへのアクセスが可能なままであり、前記蓋は、前記第1チャンバの上に配置されたアパーチャおよび前記蓋の外周横方向エッジと前記アパーチャと間に伸長する切り欠きセクションを有するところの蓋と、
使用中、前記容器の上端部に配置され、前記第2チャンバの開放上端の一部を覆う留め金であって、前記蓋は、前記第2チャンバの前記開放上端の残りの部分を覆うよう前記留め金によって閉止保持可能であり、前記留め金は、前記蓋から解放されるべく手動で動作するように構成されており、それによって、前記蓋は閉止位置および前記留め金から解放される、ところの留め金と
を備えるアプリケータシステム。
【請求項17】
請求項16に記載のアプリケータシステムとともに使用する容器であって、
使用中にその上端部が開放された第1チャンバであって、前記第1チャンバは内部にアプリケータの少なくともアクティブエンドを受設しかつ配置し、使用中に前記アプリケータを保持するように構成されている、ところの第1チャンバと、
使用中にその上端部が開放された第2チャンバであって、前記第2チャンバは前記アプリケータの前記アクティブエンドによって接触される前記物質を受設しかつ内部に保持するように構成された第2チャンバと、
使用中にその内部に前記物質を内包するべく、前記第2チャンバの開放された前記上端部を閉止するように構成された蓋であって、前記蓋は、前記第2チャンバの開放された前記上端部を閉止する際、前記第1チャンバの開放された前記上端部を閉止しないように構成されており、それにより、前記アプリケータへのアクセスが可能なままであり、前記蓋は、前記第1チャンバの上に配置されたアパーチャおよび前記蓋の外周横方向エッジと前記アパーチャと間に伸長する切り欠きセクションを有するところの蓋と、
使用中、前記容器の上端部に配置され、前記第2チャンバの開放上端の一部を覆う留め金であって、前記蓋は、前記第2チャンバの前記開放上端の残りの部分を覆うよう前記留め金によって閉止保持可能であり、前記留め金は、前記蓋から解放されるべく手動で動作するように構成されており、それによって、前記蓋は閉止位置および前記留め金から解放される、ところの留め金と
を備える容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
容器およびアプリケータを有するアプリケータシステムが開示される。容器は、アプリケータを使用して塗布される物質を含むように構成される。容器はまた使用中にアクセス可能な方向でアプリケータをサポートするように構成されている。
【背景技術】
【0002】
コスメティック、セラピーおよび薬剤クリーム、軟膏およびローションは、タブ状の容器内に保持される。クリーム、軟膏またはローションは手によってアクセスされ(例えば掬われ)、それは汚染される。例えば、おしめの交換中に赤ちゃんにクリームが繰り返し塗布されるとき、汚染が生じる。また、タブ容器に関して、ユーザの手はアクセスされたクリーム、軟膏、またはローションによってコーティングされる。これは常に所望されるものではなく、例えば、クレームが撥水性であり、簡単に洗浄できない場合に特にそうである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
汚染および取り扱いの問題に対する解決策のひとつは、ユーザの肌にクリーム、軟膏、またはローションを塗布するために、へらを使用することである。使用の後に、へらの端部は、使い捨てナプキン/ティッシュによってきれいに拭き取られる。
【0004】
従来技術の上記参照は、当該技術が、当業者の技術常識の一部を形成するものであると認めるものではない。上記参照は、ここで開示する容器およびアプリケータの応用を限定することを意図しない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ここに開示するのはアプリケータシステムである。当該システムは、容器およびアプリケータを含む。当該容器は、物質(例えば、コスメティック、セラピーまたは薬剤クリーム、軟膏またはローションのようなクリーム、軟膏またはローション)を含むように構成される。物質は、アプリケータを使用して塗布される。容器は、さらに、使用の際にアクセス可能な方向でアプリケータを保持するように構成されている。
【0006】
アプリケータは、ユーザによるアクセスを容易にし、例えば手の使用に頼らず、物質を塗布するために使用される。これにより、物質の汚染が防止可能となるばかりか、ユーザの手に対するコーティングが防止可能となる。
【0007】
器はその端部(例えば、使用の際の上端部)において開放される第1チャンバを有する。第1チャンバは、アプリケータの少なくともアクティブエンドを受設しかつその中に配置することができる。第1チャンバはまた、使用中に、アクセス可能な方向でアプリケータを保持することもできる。アプリケータのアクティブエンドは、例えば、容器内に保持される物質(例えば、クリーム、軟膏またはローション)にアクセスおよび塗布するのに使用される。アクティブエンドは、使用の前後に第1チャンバ内に保持され、さらなる汚染またはハンドリングが防止される。アクティブエンドは、第1チャンバ内で交換される前におよび/または再利用される前に、洗浄され、拭き取られ、ラッピングされおよび/または消毒されてもよい。
【0008】
器は物質(例えば、コスメティック、セラピー、薬剤等のクリーム、軟膏またはローション)を受設しかつその中に保持するように構成された第2チャンバも有する。使用中、物質はアプリケータのアクティブエンドによってのみ接触可能である。
【0009】
容器はまた、蓋を有してよい。当該蓋は、使用中、内部に、物質を包含するべく第2チャンバを閉止するよう構成されてよい。蓋は、それが、第2チャンバを閉止したとき、第1チャンバの開放端を閉止しないようにさらに構成されてよい(または、少なくとも、アプリケータの挿入および除去を妨害しないように開放端を閉止しない)。したがって、アプリケータは、アクセス可能な方向のままであることができる。
【0010】
ひとつの実施形態において、アプリケータは、細長く構成されてよい。例えば、アプリケータは、長尺ブラシ、または、ペンシル型形状を有するように構成されてよい。
【0011】
ひとつの実施形態において、第1チャンバは、アプリケータの反対端(例えば、ハンドル)が使用中にアクセス可能な方向にそこから突起するように構成されてよい。例えば、アプリケータは、アクティブエンドが第1チャンバのベースに位置するとき、第1チャンバの開放端を越えてそこからアプリケータの把持部が突出するような長さを有するように構成されてよい。
【0012】
ひとつの実施形態において、第1チャンバおよびアプリケータはそれぞれ、アプリケータが第1チャンバ内に立つような構成(例えば、概して直立構成)を有してよい。これは、アプリケータのハンドリングエンドのアクセスおよび把持を容易にするのを助ける。
【0013】
ひとつの実施形態において、アプリケータのアクティブエンドは、容器内に保持された物質に接触し、保持し、かつ塗布するように構成されてよい。例えば、アプリケータのアクティブエンドは、パッド、ブラシまたはフレキシブルな(例えば、エラストマー)パドル状ヘッドを有してよい。
【0014】
ひとつの実施形態において、第1チャンバは、第2チャンバに隣接してよい。
【0015】
ひとつの実施形態において、第1チャンバは、第2チャンバによって包囲されてよい。他の実施形態において、第1チャンバは、容器の内部または容器の壁に隣接して配置されたセグメントを画成してよい。
【0016】
いずれかの場合、第2チャンバの内壁は、第1チャンバの外壁のすべてまたは一部を画成してよい(例えば、第1および第2チャンバは、共通の壁を共有してよい)。
【0017】
ひとつの実施形態において、第2チャンバは、第1チャンバの周りの環状容積を画成してよい。この場合、第1チャンバはチューブとして画成される。環状容積は、物質を保持する。第1チャンバのチューブ構成は、アプリケータをその内部に受設しかつサポートする方向に最適化されてよい(例えば、アプリケータの十分な部分をサポートするための長さおよび有効直径を有し、第1チャンバのベースにおいてアクティブエンドをサポートすることを含む)。この関係で、長尺アプリケータは、概して直立構成で、第1チャンバのチューブ内で起立してよい。
【0018】
ひとつの実施形態において、蓋は容器の外壁にヒンジ結合されてよい。これにより、蓋は、閉止位置と開放位置との間で枢動することができる。例えば、蓋が開放されているとき、第2チャンバ内の物質は、アプリケータのアクティブエンドによってアクセスされてよい。
【0019】
ひとつの実施形態において、蓋は留め金によって閉止保持されてよい。留め金は容器の使用中の上端に配置されてよい。また、留め金が蓋からリリースされるべく、手動で動作するように構成されてよい。留め金がそのようにリリースされたとき、蓋は閉止位置から離れて枢動可能である。
【0020】
ひとつの実施形態において、留め金は、押圧可能なプッシュボタンをその内部に保持してよい。このプッシュボタンにより、例えば、留め金は、汚染がなく蓋からリリース可能となる(例えば、それは、非汚染または非コーティングの指によって、または、アプリケータのハンドルエンドによって係合される)。プッシュボタンの押圧は、留め金のラッチの蓋からのリリースを生じさせ、それにより、蓋は閉止位置から離れて枢動可能である。
【0021】
ひとつの実施形態において。蓋には、バネ負荷がかけられてよい。したがって、留め金が蓋からリリースされると、バネによって、蓋は開放位置に枢動する。言い換えれば、これは、汚染の可能性をさらに減少させる方法で、蓋のリリースを補強することができる。
【0022】
ひとつの実施形態において、留め金は、容器の上端にマウントされるように(例えば、一部を形成するように)配置されたコンポーネントの一部として形成されてよい。これは、留め金が容器の残りに別々に形成されることが可能であることを意味する。一方で、これは、容器の残りが、留め金による侵入または干渉から自由である物質の体積を有することを意味する。言い換えれば、容器内の物質の体積は最大化され得る。
【0023】
ひとつの実施形態において、容器上端用のコンポーネントは、第1リング構造を有してよい(すなわち、それは、例えば鋳造によって、容器の残りに別個に形成される)。留め金は、第1リング構造の内側に伸長してよく、第1リング構造が容器上端にマウントされたとき、第2チャンバを覆ってよい。こうして、留め金は、容器の第2チャンバ内に保持され得る物質の体積に侵入または干渉することはない。
【0024】
第1リング構造は、容器上端に取り付けられてよい(例えば、ネジ係合、バイオネット嵌合、接着固定等によって)。これに関して、第1リング構造は、容器上端に配置された外部形成ネジとネジ係合するように配置された内側形成ネジを有してよい。
【0025】
ひとつの実施形態において、コンポーネントはさらに、第2リング構造を有してよい。第2リング構造は、第1チャンバの開放上端に配置されかつそれを囲む(すなわち、第1リング構造が容器上端部に取り付けられたとき)。留め金は、第1リング構造と第2リング構造との間に伸長してよい。留め金は、第1リング構造を第2リング構造に結合してよい。以下で詳細に説明するように、第2リング構造は、留め金に対して付加的なサポート機能を与える。一方、これは、蓋の不注意な開放を防止するのを助ける(例えば、容器が部分的にまたは完全に空であり、力が容器に印加されるとき)。
【0026】
ひとつの実施形態において、留め金は、留め金構造を有してよい(すなわち、留め金のコンポーネントの保持のための構造)。留め金構造は、その内側に伸長するように第1リング構造と一体的に形成されてよく、その結果それは、使用中に第2チャンバを覆う。留め金構造は、その外側に伸長するように第2リング構造と一体的に形成されてよく、その結果それは、使用中に第2チャンバを覆う。留め金のコンポーネント、すなわち、押圧可能プッシュボタンおよびラッチは、使用中に留め金構造内に保持可能である。
【0027】
ひとつの実施形態において、容器上端用のコンポーネント(例えば、第1リング構造において)は、蓋のヒンジ用の外部マウントをさらに有してよい。この外部マウントは、例えば、コンポーネントと一体成形される(例えば、第1リング構造と一体成形される)2つの環を有してよい。外部マウントは、使用中にヒンジの軸を受設してよい。ヒンジは容器の残りから分離されてよい。
【0028】
ここでは、上述したシステムと一緒に使用される容器も開示される。容器は、その端部で開放される第1チャンバを有する(例えば、使用中に上端部で開放される)。第1チャンバは、その内部にアプリケータの少なくともアクティブエンドを受設しかつ配置するよう構成され、使用中にアクセス可能な方向でアプリケータを保持する。容器はまた、使用中アプリケータのアクティブエンドによって接触される物質を内部に受設しかつ保持するように構成された第2チャンバを有する。容器はまた、蓋を有してよい。当該蓋は、使用中、内部に、物質を包含するべく第2チャンバを閉止するよう構成されてよい。蓋は、それが、第2チャンバを閉止したとき、第1チャンバの開放端を閉止しないようにさらに構成されてよい(または、少なくとも、アプリケータの挿入および除去を妨害しないように開放端を閉止しない)。したがって、アプリケータは、アクセス可能な方向のままであることができる。
【0029】
容器は、第2チャンバが第1チャンバを完全に包囲するように構成されてもよい。上述したように、これは、第2チャンバが侵入または干渉(例えば、留め金によるような)から自由である物質の体積を有することを意味する。言い換えれば、第2チャンバ内の物質の体積は、最大化される。さらに上述したように、容器の他のコンポーネント(例えば、留め金、ラッチ、蓋等)は、第2チャンバ内に保持可能な物質の体積に侵入または干渉しない。構成は、容器の製造を簡素化(すなわち、より単純な成形、より小さい動きの部品)するだけでなく、容器の充填、および、使用中の物質へのアクセスを簡素化する。
【0030】
容器は、上述したシステム用に他に構成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
上述したように、容器およびアプリケータを有するシステムの実施形態が、添付する図面を参照して例示的に説明される。
図1A図1Aは、蓋が閉じた状態の容器及びアプリケータシステムの第1実施形態の正面図である。
図1B図1Bは、蓋が閉じた状態の容器及びアプリケータシステムの第1実施形態の背面図である。
図2A図2Aは、蓋が開いた状態の容器およびアプリケータの第1の実施形態の正面図である。
図2B図2Bは、蓋が開いた状態の容器およびアプリケータの第1の実施形態の背面図である。
図3A図3Aは、留め金が分解した状態の、図1および図2の容器用の蓋、留め金およびマウント構造の第1実施形態の斜視図である。
図3B図3Bは、ラッチが内部に配置された状態の、図1および図2の容器用の蓋、留め金およびマウント構造の第1実施形態の斜視図である。
図3C図3Cは、留め金が組み立てられた状態の、図1および図2の容器用の蓋、留め金およびマウント構造の第1実施形態の斜視図である。
図4A図4Aは、蓋が閉じた状態の容器およびアプリケータの第1実施形態の側面図である。
図4B図4Bは、蓋が閉じた状態の容器およびアプリケータの第1実施形態の側面断面図である。
図5A図5Aは、蓋が閉じた状態の容器およびアプリケータの第1実施形態の背面斜視図である。
図5B図5Bは、蓋のリアのヒンジを詳細に示す図である。
図6A図6Aは、容器およびアプリケータの第1実施形態の分解正面斜視図である。
図6B図6Bは、容器およびアプリケータの第1実施形態の分解背面斜視図である。
図6C図6Cは、留め金のラッチの詳細図である。
図6D図6Dは、留め金のマウントサポートの詳細図である。
図6E図6Eは、蓋のヒンジのヒンジピンの詳細図である。
図7A図7Aは、蓋が閉じた状態の容器の第2実施形態の斜視図である。
図7B図7Bは、蓋が開いた状態の容器の第2実施形態の斜視図である。
図8A図8Aは、容器用の留め金およびマウント構造の第2実施形態の斜視図である。
図8B図8Bは、容器用の留め金およびマウント構造の第2実施形態の平面図である。
図8C図8Cは、図6Aおよび6Bと同様の容器上に配置され蓋と係合した状態の図8Aの留め金およびマウント構造を示す図である。
図8D図8Dは、図6Aおよび6Bと同様の容器上に配置され蓋と係合した状態の図8Bの留め金およびマウント構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1から6には、アプリケータシステムの第1実施形態が示されている。それは、以下でタブ10と呼ぶ変形タブ型容器形状の容器と、タブ10と一緒に使用するための人間工学的に成形されかつ大きさを有する長尺ブラシ12形状のアプリケータを有する。システムはさらに、ブラシ12の不注意な汚染を防止する。加えて、図6Aおよび6Bに示すように、タブ10のコンポーネントは、タブ10内に保持されるべき物質用の環状容積を最大化するように構成されている。これは以下で詳細に説明する。
【0033】
タブ10内に保持された物質(例えば、コスメティック、セラピー、または薬剤クリーム、軟膏またはローション)にアクセスし、接触しかつ続いて塗布することができるように、ブラシ12のアクティブエンド14が形成されている。アクティブエンド14は、多孔またはパッド上のポリマーフォーム材、合成または天然の毛/繊維、またはフレキシブルな(例えば、ポリマーまたはエラストマー)パドル形状ヘッドを有する。
【0034】
タブ10のコンポーネントは、典型的にプラスチック材料から射出成形される。同じまたは異なるプラスチックがそれぞれのコンポーネント用に使用可能である。プラスチックは、例えば、タブのコンポーネント全体で変化する壁厚を、鋳型の内部およびそれを通じて適切に画成するように、鋳型内に射出可能なガスアシストポリプロピレンを有する。また、そのようなプラスチックの使用は、高品質な仕上がりを可能にする。
【0035】
図6Aおよび6Bに示すように、タブ10は、ブラシ12とともに物質を保持するように構成されたベース部15を有する。これに関して、ベース部15は、中央管状リセス16の形式で第1チャンバを有する。リセス16は、その上端部18が開放され、そのベースで閉止されている。図4A図6Aおよび6Bに示すように、リセス16は、ブラシのアクティブエンド14およびブラシ12の長尺ハンドル20の一部を受設しその内部に配置することができる。図1Aおよび4Aに示すように、ハンドル20は、アクティブエンド14がリセス16のベースに配置されたとき、リセス16の開放端18を越えてそこから突出することができるような長さを有する。この方向は、使用中にブラシ12の容易なアクセスおよびハンドリングを促進する。
【0036】
汚染およびハンドリングの邪魔にならないように、使用の前後でブラシのアクティブエンド14はリセス16内に保持される。ブラシのアクティブエンド14は、リセス16内に配置される前および/または再利用される前に、洗浄され、拭き取られ、ラッピングされおよび/または消毒される。管状リセス16のベースは、任意で消毒剤を保持してよい。リセス16はまた、リセス16のベースのすぐ上でそれを保持するべく、ブラシの一部(例えば、ハンドル20上のクリップ)と係合する突起フランジ、グリップまたはクリップを有する。
【0037】
ブラシ12は、それがリセス16内で概して直立することができるように、十分な長さおよび幅の構成を有するよう選択かつ設計される。これに関して、リセス16の管状構成は、ブラシ12のハンドル20の十分な部分を内部に受設しかつ支持する方向に最適化され、その結果ハンドル20の十分な長さがユーザによって容易にアクセス/把持できるようにリセス16を越えて突出する。
【0038】
ベース部分15はまた、物質を内部に受設しかつ保持するように構成された環状容積22の形式の第2チャンバを有する。図6Aおよび6Bに示すように、環状容積22は、管状プロファイルのリセス16を画成するよう、隣接しかつ完全に包囲するように配置されている(すなわち、環状容積22は、リセス16を包囲する環帯容積を画成する)。したがって、リセス16の壁は環状容積22に対して内壁(すなわち、共通壁)を与え、それによってコンパクトになり、ベース部15内の空間が使用可能となる。
【0039】
これはまた、環状容積22が、侵入または干渉(例えば、蓋、蓋留め金、蓋ヒンジ等による)から自由である物質の体積を有することを意味する。言い換えれば、環状容積22内に配置される物質の体積は、最大化されうる。結果としてベース部15の構成は、タブ10のこの部分の製造を単純化する(すなわち、より単純な鋳型、より少ない移動部品)。付加的に、ベース部15は、蓋等をそれに固定する前に、物質を簡単に充填可能である。また、環状容積22の全体の使用は、ブラシのアクティブエンド14が環状容積22のすべての部分に誘導可能な状態で、使用中の物質へのアクセスを改善する。
【0040】
図6Aおよび6Bからわかるように、ベース部15の外側の上端部は、蓋マウント構造をリリース可能に取り付けるために、外部に形成されたネジ部24を有する。
【0041】
これに関して、タブ10はさらに、脱着可能なマウントリング26の形式の蓋マウント構造を有する。マウントリング26は、以下で説明するように、ベース部15へ蓋を固定するために必要なすべての構造を有する。言い換えれば、ベース部15は、できるだけ単純な構造を有してよい。マウントリング26の内側下方部分は内側にネジ部28を有し、ネジ部28はネジ部24に対応しており、マウントリング26がベース部15へリリース可能に螺合されうる。マウントリング26はまた、以下で説明するように、リングの内側に突出した一体成形留め金構造29を有する。
【0042】
タブ10の蓋30は、ヒンジアセンブリ31においてマウントリング26にヒンジ結合可能に取り付けられる。これに関して、図5Bに示すように、マウントリング26は、蓋30用のヒンジサポートとして作用する2つの、離隔された一体成形ループ構造を有する。蓋30の背面は、ループ構造32の外側に配置されるように構成された、2つの対応する、離隔され、一体成形されたループ構造34を有する。蓋30の背面はまた、図示するように、ループ構造32の間に配置されるように構成された中間突起35を有する。ループ32、34を貫通するアパーチャが、それを通じて挿入されるヒンジピン36用の通路を与えるようにアライメントされている(図6Bおよび図6Eを参照)。
【0043】
図6Eに示すように、ヒンジピン36は、そのシャンク38上に拡張部37を有し、当該拡張部37は、ピンのヘッド39からシャンクに沿って配置されている。ピン36の挿入中、拡張部37はループ構造34のひとつを通じて干渉(すなわち、屈曲するように)して通過し、その結果ループ構造34をシャンク38上(すなわち、拡張部37とピンヘッド39との間)に保持する。これによりピンがヒンジ内に固定される。ピンの挿入中、複動式ヘリカルコイル(図示せず)がシャンク38上に配置され、中間突起35の下で、ループ構造32の間に配置されうる。図2Aおよび2Bに示すように、バネは、蓋30を開放位置にバイアスするように配置および構成される。
【0044】
上述したように、マウントリング26はまた、リングの内側に突起する一体成形された留め金構造29を有する。リング26がベース部15上にネジマントされたとき、留め金構造29は環状容積22の一部を閉止するようにそれを覆う(図2B参照)。さらに、留め金構造29の内側エッジは、管状リセス16の壁の上端部に配置される。図1Aおよび1Bに示すように、蓋30はさらに、環状容積の残りの部分を閉止するように構成される(すなわち、残りの部分は、留め金構造29によって覆われない)。これに関して、蓋の内側リムは、管状リセス16の壁の上端部の残りに配置されてよい。さらに、蓋の外側リムは、タブ10の環状容積22内に物質を包含するようにベース部分の外側壁上に配置されてよい。
【0045】
留め金構造29は、当該構造のベースから上方に突起する中央に一体成形された栓40を有するように構成されている(図3Aおよび図6D)。また、2つの離隔された反対側のシート42が、留め金構造29の内部で反対側にそこから上方に突起するように配置されている。栓40およびシート42は一緒に、屈曲可能なラッチプレート44(典型的に、屈曲可能な耐摩耗および耐疲労材料である)を保持しかつ支持するように協働する。図3A図3B、および図6Cに示すように、ラッチプレート44は、栓40と干渉して受設するように中央アパーチャ46を有する。ラッチプレート44はその後、シート42と交差しかつそれによって支持されるようにシート42上に配置される。ラッチプレート44の反対端はまた、ラッチラグ48を有する。ラッチプレート44が留め金構造29内に固定されたとき、各ラグ48は、留め金構造29のそれぞれの側壁のそれぞれのアパーチャ50から突出するように配置される(図3Cおよび図6Dを参照)。
【0046】
突出した各ラグ48が蓋30とラッチ係合可能となる。これに関して、ラッチ係合を生じさせるために、蓋30は、留め金構造29と形状的に対応する切り抜きセクション52を備える。切り抜きセクション52は、蓋30が閉じたとき、留め金構造を内部にぴったりと受設するよう構成されている。
【0047】
蓋30はまた、留め金構造29と一緒に動作する蓋30が、環状容積22を閉止するとき、ブラシのアクセスを少なくとも妨げないように(すなわち、ブラシ12の挿入および除去を妨げないように)、それがリセス16の開放端18を閉止しないように構成されている(図1Aおよび1B参照)。
【0048】
切り抜きセクション52の各側壁54は、その内部に形成された対応するスロット55を有し、当該スロットはその内部にそれぞれのラッチラグ48をラッチして受設するように構成されている。各スロット55は、それぞれの側壁54の中央に配置されたリベート56の上に画成されている(図3Aから3Cを参照)。
【0049】
留め金構造29はさらに、押圧可能なプッシュボタン60を保持する。プッシュボタン60は、使用中にユーザの指を受設する凹み62を有する。プッシュボタン60の反対側の側壁はそれぞれ、離隔されかつ横方向に突起する一緒に成形されたガイドラグ64を有する(図3Aおよび図6Bを参照)。プッシュボタン60が留め金構造29内に押された位置にあるとき、各ガイドラグ64は、それぞれの垂直方向通路66内に配置されるように促される(図3Cおよび図6Dを参照)。各通路は、留め金構造29の対面側壁にそれぞれ近接して画成される。そのように配置されたとき、プッシュボタン60は、オンに設定され、屈曲可能なラッチプレート44によってサポートされる。
【0050】
使用中、プッシュボタン60が押されたとき、ガイドラグ64は、それぞれの通路66内で下方に移動し、ラッチプレート44の中央部分はまた下方に屈曲する。しかし、ラッチプレート44の端部は、それぞれのシート42にあるとき、下方に屈曲しない。実際に、これらの端部は、わずかに上方に屈曲する。続いて、これにより、各ラッチラグ48は、それぞれのアパーチャ50内に引き込まれ、蓋30の対応するスロット55とのラッチ係合が外れる。これにより、蓋30はリリースされ、バネ負荷ヒンジの作用によって、上方に離れて枢動する。タブ10は開放され(図2Aおよび図2B)、その内部に保持された物質にアクセス可能となる。
【0051】
使用後、蓋がユーザによって手動で閉止されたとき、蓋30の側壁54のリベート56により、これらのラグが屈曲しかつ対応するスロット55と再びラッチ係合するようにアライメントされるまで、蓋はラッチラグを通過して移動可能となる。
【0052】
同じ部品には同じ参照番号を付した図7Aおよび7Bを参照して、アプリケータシステムの第2実施形態が示されている。それは、他の修正タブ状容器の形式の容器(以下でタブ100という)を有する。図7Aおよび7Bにおいて、ブラシ12の形式のアプリケータは明確化のために除去されている。
【0053】
タブ100は、多くの点でタブ10と同じである。しかし、タブ100において、ベース部分15は、一体タブベース115の形式を取るように修正されている。タブベース115において、管状リセス16は、ベースと独立に直立しない。むしろ、管状リセス16は、サポート壁110を介して、タブベース115の残りに結合される。これは、環状容積22が管状リセス16の周りに完全に伸長せず、環状容積22は、サポート壁110によって断ち切られていることを意味する。したがって、利用可能な物質の量は減少する。
【0054】
加えて、タブ100は、別個のマウントリング26を使用しない。むしろ、タブベース115の上部リムは、リベートされた外周領域105によって画成される。図7Aに示すように、蓋30は、このリベート領域105の外周を包含して閉止する。また、留め金構造29はリベート領域105と一体成形される。したがって、プッシュボタン60は、サポート壁110を越えて伸長しかつその間に配置される。
【0055】
タブ100の動作および機能は、上述したタブ10と多くの点で同じである。
【0056】
同じ部品には同じ参照番号を付した図8Aから8Dを参照して、変形マウントリング86の形式の留め金およびマウント構造の第2実施形態が示されている。図8Cおよび8Dは、図6Aよび6Bに示すものと非常に似たベース部15に配置されたときの、関連する蓋30および変形マウントリングを示す。
【0057】
図8Aおよび8Bに示された、脱着可能な変形マウントリング86は、図3Aから図3Cに示したような脱着可能マウントリング26と非常に似ている。したがって、図3Aから3Cに示すのと同じ部品には同じ符号を付し、それらの部品の詳細な説明は省略すする。
【0058】
これに関して、変形マウントリング86は、タブ10のベース部15に蓋30を固定するために必要な構造を有する。これは、ベース部15ができるだけ単純な構造を有することを意味する。これに関して、マウントリング86の内側の下方部分には、内側にネジ28が形成されており、それによりマウントリング86は、ベース部15上にリリース可能に螺合されうる。マウントリング86はまた、リング86の内側に突起して一体成形された留め金構造29を有する。
【0059】
しかし、変形マウントリング86に従い、マウントリングはさらに、サポートリング88の形式の第2リング構造を有する。図8Aおよび8Bに示すように、サポートリング88は、留め金構造29の内側遠位端の下側に結合されている(例えば、それは、留め金構造29と一体成形可能である)。図8Cおよび8Dに示すように、サポートリング88は、管状リセス16の開放上端部18の周囲に配置可能である(すなわち、マウントリング86はタブ10のベース部15に固定(すなわち螺合)される)。例えば、サポートリング88は、中空リセス16の上端部18上に圧縮または押圧(例えば、加圧または干渉タイプのフィット)マウントされるように、構成(例えば、大きさ)されてよい。付加的に、サポートリング88を中空リセス16の上端部18に固定するために接着剤が使用されてもよい。
【0060】
したがって、留め金構造29は、マウントリング86とサポートリング88との間に伸長する。マウントリング86がベース部15にマウントされると、留め金構造29は管状リセス16とベース部15との間にブリッジを形成することができる。このブリッジは、留め金構造29に付加的なサポートを付与し、それによって、付加的なサポートを、留め金のコンポーネント(すなわち、栓40、シート42、ラッチプレート44およびプッシュボタン60)に与える。続いて、この付加的なサポート機能は、例えば、蓋30のベース部15が部分的にまたは完全に空であり、力(例えば、バンプ、ブロー、スクイーズ)がベース部分15の側壁に印加される場合に生じるような、蓋30の不注意な開放を防止するのに役立つ。
【0061】
タブ10およびタブ100の各々において、プッシュボタン60が、ユーザの指またはブラシハンドル20の遠位端(例えば、後者は典型的に汚染または物質から自由である)によって押圧される。さらに、ヒンジバネにより、蓋30が開放位置に枢動されるため、物質によって汚染またはコーティングされうる指または手を使ってユーザは蓋を手動で除去する必要がなく、したがって、汚染の可能性がさらに減少する。
【0062】
蓋30が開放されたとき、ユーザは、ブラシ12に容易にアクセスしかつ扱うことができる。ブラシのアクティブエンド14は、物質内に浸けられ、その後、ユーザによって塗布される(例えば、赤ちゃん、子供、老人などの他人に、または自分自身に塗布される)。その後、ブラシのアクティブエンド14は、リセス16内に再挿入される前に、および/または、再利用される前に、洗浄され、拭き取られ、ラッピングされ、および/または、消毒されてよい。
【0063】
多くの実施形態を説明してきたが、開示した実施形態に対して多くの変更または修正が可能であることが理解されよう。
【0064】
例えば、タブ10、100は、再形成であり、それにより、リセス16はタブの壁に隣接配置されたセグメントとして画成されてよい。蓋30は、そのように再形成可能である。タブは、正方形、矩形等であってよい。蓋30は、バネの作用が無い状態でマウントされかつ枢動されてよい。
【0065】
他の例において、留め金構造29および/またはマウントリング26は、組立中にフィットするように別々の部品として形成される替わりに、タブと一緒にコモールド(co-moulded)またはバイモールド(bi-molded)成形されてよい。
【0066】
したがって、実施形態は、例示にすぎず、態様を限定するものではない。
【0067】
特許請求の範囲および上述したアプリケータシステムの説明において、文脈が説明用語または必要な暗示を要求する場合以外は、用語“有する”または“含む”は非排他的意味で使用されており、記載した特徴の存在を特定するが、アプリケータシステムのさまざまな実施形態において他の特徴の存在または付加を除外するものではない。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図8D