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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-14
(45)【発行日】2022-10-24
(54)【発明の名称】試験用配線治具
(51)【国際特許分類】
   G01R 1/06 20060101AFI20221017BHJP
   G05B 23/02 20060101ALI20221017BHJP
   H01B 7/36 20060101ALI20221017BHJP
   H01R 13/641 20060101ALI20221017BHJP
【FI】
G01R1/06 G
G05B23/02 E
H01B7/36 B
H01R13/641
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018034493
(22)【出願日】2018-02-28
(65)【公開番号】P2019149085
(43)【公開日】2019-09-05
【審査請求日】2021-02-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000235
【氏名又は名称】特許業務法人 天城国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三松 洋平
(72)【発明者】
【氏名】石津 芳弘
(72)【発明者】
【氏名】井手 幸司郎
(72)【発明者】
【氏名】田中 和斗
【審査官】松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-113700(JP,A)
【文献】特開2007-26855(JP,A)
【文献】特表2008-506344(JP,A)
【文献】特開2013-55832(JP,A)
【文献】特開2017-134785(JP,A)
【文献】特開2009-273347(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/02
G01R 1/06
H01B 7/36
H01R 13/641
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験対象とする対象装置と、前記対象装置が有する複数の入力端子に試験条件で定められた状態を設定する試験用模擬装置と、を接続する試験用配線治具であって、
前記試験用模擬装置のコネクタと接続可能な形状に形成され、前記試験用模擬装置のコネクタワンタッチで接続可能な接続コネクタと、
前記対象装置の複数の入力端子にそれぞれ接続可能な複数の接続端子と、
一端が、前記接続コネクタの複数の端子にそれぞれ接続され、他端が、前記接続端子にそれぞれ接続された複数のケーブルと、
複数の前記ケーブルそれぞれの前記接続コネクタが接続されていない側に取り付けられ、複数の前記ケーブルそれぞれの接続先を特定する情報が記載されたタグと、
を備える試験用配線治具。
【請求項2】
複数の前記ケーブルが複数のグループに分けられ、前記グループごとに分岐コネクタに収容されている、
請求項1に記載の試験用配線治具。
【請求項3】
前記タグには、前記ケーブルそれぞれの接続先である前記対象装置を特定する情報、前記対象装置に搭載されている端子台もしくはユニットを特定する情報、前記対象装置に実装されている端子を特定する情報、の少なくとも一つの情報が記載されている、
請求項1または2に記載の試験用配線治具。
【請求項4】
複数の前記ケーブルそれぞれの接続先を特定する情報が記載された前記タグに加え、複数の前記ケーブルそれぞれを識別する情報が記載されたタグを備える、
請求項1から3の何れか一項に記載の試験用配線治具。
【請求項5】
複数の前記ケーブルそれぞれの接続先を特定する情報が記載された前記タグもしくは複数の前記ケーブルそれぞれを識別する情報が記載された前記タグの少なくとも何れかは、前記ケーブルに印加される電圧の値によって異なる色で形成されている、
請求項4に記載の試験用配線治具。
【請求項6】
前記接続端子は、前記ケーブルに印加される電圧の値によって異なる形状に形成されている、
請求項1から5の何れか一項に記載の試験用配線治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、試験用配線治具に関する。
【背景技術】
【0002】
大規模プラントでは、ポンプやバルブ等の監視対象が監視センターから離れた場所に設置されている。そのため、監視対象の近くには、遠隔監視装置が設置される。プラントの監視センターでは、遠隔監視装置から送信される監視結果を示す監視情報に基づいて、プラント全体の監視が一元的に行われる。
【0003】
監視センターから離れた場所に設置されている遠隔監視装置のシステム試験を行う場合、遠隔監視装置に試験用模擬装置を接続し、試験項目の条件に合わせて試験用模擬装置の設定を変えながらシステム試験を行う。このようなシステム試験では、試験用模擬装置の試験項目に応じた設定が完了したことを確認した後、監視センターに設置された中央制御装置から試験項目に応じたコマンドを入力する必要がある。そして、試験項目ごとに、試験項目に応じた設定が完了したことを確認する作業と、確認後に試験項目に応じたコマンドを入力する作業が必要となる。そのため、中央制御装置側と遠隔監視装置側の両側に試験員を配置し、相互に連絡を取りながらシステム試験を進める必要がある。したがって、システム試験に多くの人と時間を要していた。
【0004】
上記事情から、監視センターからリモートコントロールが可能な試験用模擬装置が提案されている。この種の装置を用いることで、システム試験に要する人と時間を削減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2012-38044号公報
【0006】
システム試験を開始する前に、試験対象の遠隔監視装置と試験用模擬措置とを接続して、試験環境を構築する必要がある。大規模プラントでは、遠隔監視装置の台数が数十台になる場合もある。また、遠隔監視装置と試験用模擬装置とを接続するケーブルの本数が数百本になる場合もある。このように、遠隔監視装置と試験用模擬装置とを接続するケーブルの本数が多い場合、ケーブルの接続先を間違える可能性が高くなる。
【0007】
また、試験環境によっては、試験対象の遠隔監視装置と試験用模擬装置との距離が離れている場合がある。この場合、遠隔監視装置側と試験用模擬装置側とに試験員を配置し、遠隔監視装置と試験用模擬装置とを接続するケーブルの導通チェックをしながら、数百本のケーブルを1本1本接続していく作業が必要となる。したがって、システム試験を開始するまでの準備に多くの人と時間を要していた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述の事情の下になされたもので、システム試験を開始するまでの準備に要する人と時間を削減することが可能な試験用配線治具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本実施形態に係る試験用配線治具は、試験対象とする対象装置と、対象装置が有する複数の入力端子に試験条件で定められた状態を設定する試験用模擬装置と、を接続する試験用配線治具であって、試験用模擬装置のコネクタと接続可能な形状に形成され、前記試験用模擬装置のコネクタワンタッチで接続可能な接続コネクタと、対象装置の複数の入力端子にそれぞれ接続可能な複数の接続端子と、一端が、接続コネクタの複数の端子にそれぞれ接続され、他端が、接続端子にそれぞれ接続された複数のケーブルと、複数のケーブルそれぞれの前記接続コネクタが接続されていない側に取り付けられ、複数のケーブルそれぞれの接続先を特定する情報が記載されたタグと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施形態に係る監視システムの構成図である。
図2】第1の実施形態に係る遠隔監視装置の構成図である。
図3】第1の実施形態に係る監視対象の機器の構成図である。
図4】(a)(b)は、監視対象の機器について説明するための図である。
図5】第1の実施形態に係る監視システムのシステム試験の構成図である。
図6】第1の実施形態に係る試験用模擬装置の構成図である。
図7】第1の実施形態に係る試験用模擬装置について説明するための図である。
図8】第1の実施形態に係る試験用配線治具の構成図である。
図9】第1の実施形態に係る試験用配線治具の製造手順について説明するフローチャートである。
図10】第1の実施形態に係る試験用配線治具について説明するための図である。
図11】第1の実施形態に係る試験用配線治具について説明するための図である。
図12】変形例1に係る試験用配線治具について説明するための図である。
図13】変形例2に係る試験用配線治具について説明するための図である。
図14】第2の実施形態に係る試験用配線治具の構成図である。
図15】変形例3に係る試験用配線治具の構成図である。
図16】変形例4に係る試験用配線治具の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
《第1の実施形態》
(監視システムの構成)
本実施形態に係る監視システムは、大規模プラントのタービンの回転数の計測情報、温度の計測情報、運転状態、アラーム情報等を監視する監視システムである。この監視システムは、図1に示すように、監視センター200と、監視対象の機器500が設置されている遠隔監視場所300とに分かれている。監視対象の機器500は、タービンの回転数を計測するセンサ、温度センサ、運転状態やアラームを検出するセンサ等である。遠隔監視場所300は、監視センター200から離れた場所に複数設置されている。図1に示す遠隔監視場所300は、複数存在する遠隔監視場所の一つである。監視センター200に設置されている機器と、遠隔監視場所300に設置されている機器とは、通信回線400を介して接続されている。
【0012】
図1に示すように、監視センター200には、入出力装置210,中央制御装置220、通信装置230が備えられている。
【0013】
入出力装置210は、操作パネル、表示装置、警報装置等を備える。保守員は、操作パネルから必要なコマンドを入力して監視システムを管理する。監視システムのシステム試験を行う試験員は、操作パネルからシステム試験用のコマンドを入力する。表示装置は、例えば、監視対象装置である機器500のアラーム情報、システム試験時の試験結果を表示する。警報装置は、中央制御装置220からの指示に基づいて、アラーム音を出力する。
【0014】
中央制御装置220は、CPU(Central Processing Unit),RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory)等を備える。中央制御装置220は、ROMに搭載されているシステムソフトウエアによる制御に基づいて、遠隔に設置されている遠隔監視装置310(Programmable logic controller)を介して、監視対象の機器500を監視する。具体的には、中央制御装置220は、監視対象の機器500から出力されるアラーム情報等を遠隔監視装置310を介して収集する。そして、中央制御装置220は、必要に応じてアラーム情報等を入出力装置210に表示し、警報を鳴らして保守員に通知する。
【0015】
通信装置230は、通信回線400と通信装置320を介して遠隔監視装置310と通信する。また、通信装置230は、HUB機能を備え、入出力装置210と中央制御装置220とを接続する。
【0016】
遠隔監視場所300は、監視センター200から離れた場所に設けられている。遠隔監視場所300には、複数の遠隔監視装置310、複数の監視対象の機器500、通信装置320が備えられている。ここでは、3台の遠隔監視装置310a、310b、310cが備えられている場合について説明する。1台の遠隔監視装置310には、複数の機器500が接続されている。
【0017】
遠隔監視装置310は、システム試験の試験対象装置である。遠隔監視装置310は、通常時には監視対象の機器500のアラーム情報等を収集し、通信回線400を介してアラーム情報等を監視センター200に設置されている中央制御装置220に送信する。遠隔監視装置310は、図2に示すように、電源ユニット311、制御ユニット312、入力端子315に印加される電圧を監視する監視ユニット313、入力端子316の短絡状態を監視する監視ユニット314を備える。
【0018】
電源ユニット311は、遠隔監視装置310に実装されている各ユニットに必要な電源を供給する。制御ユニット312は、CPU(Central Processing Unit)等を備え、遠隔監視装置310全体を制御する。具体的には、制御ユニット312は、監視ユニット313,314が検出したアラーム情報等を収集し、通信装置320を介して、中央制御装置220に送信する。
【0019】
監視ユニット313は、電圧監視機能を有し、入力端子315に印加される電圧を監視する。具体的には、監視ユニット313は、基準電圧を構成するツエナーダイオード、コンパレータ等を有する。そして、監視ユニット313は、入力端子315に印加された電圧が基準電圧を超えたことを検出する。監視ユニット314は、入力端子316が短絡状態にあるか否かを監視する。具体的には、監視ユニット314は、基準抵抗、基準電圧を構成するツエナーダイオード、コンパレータを備える。そして、監視ユニット314は、入力端子316間のインピーダンスと基準抵抗とにより決まる電圧が基準電圧以下になった場合、入力端子316間が短絡されたことを検出する。
【0020】
図2に示すように、各ユニットには、端子台317が実装されている。端子台317には、複数の入力端子315,316が実装されている。入力端子315,316の数が数百になる場合もある。入力端子315,316は、ねじ式端子もしくはプラグジャックのような差し込み式端子で構成される。遠隔監視装置310の表面パネルには、装置番号、端子台番号(もしくはユニット番号)、端子番号等が記載されている。
【0021】
図1に戻り、通信装置320は、制御ユニット312が収集したアラーム情報等を通信回線400を介して中央制御装置220に送信する。また、通信装置320は、HUB機能を備える。なお、通信装置320は、遠隔監視装置310それぞれに実装されていてもよい。
【0022】
通信回線400は、監視センター200内の機器と遠隔監視場所300内の機器とを接続する通信回線である。通信回線400は、光ファイバー、メタリック線、無線通信回線等で構成されている。通信回線400は、専用回線であってもよいし、無線LANやインターネット等の公衆回線であってもよい。
【0023】
監視対象の機器500は、例えば、タービンの回転数の計測情報、温度の計測情報、運転状態、アラーム情報等を検出するセンサ装置である。ここでは、機器500がアラーム情報を検出する場合について説明する。監視対象の機器500は、図3に示すように、アラーム検出部510、アラーム出力部520を備える。アラーム検出部510は、温度異常、モータの回転異常、電圧異常、通信障害、予定時間外のドアの開閉操作などの異常を検出する。アラーム出力部520は、アラーム検出部510が検出したアラーム情報を遠隔監視装置310に送信する。
【0024】
アラーム出力部520として、図4(a)に示す電圧出力型のアラーム出力部520aと、図4(b)に示す出力短絡型のアラーム出力部520bについて説明する。
【0025】
図4(a)に示すように、電圧出力型のアラーム出力部520aは、電圧源521、スイッチ522を有する。スイッチ522は、リレー等で構成することができる。電圧出力型のアラーム出力部520aの出力は、電圧を監視する監視ユニット313の入力端子315に接続される。アラーム検出部510がアラームを検出すると、アラーム出力部520aは、スイッチ522を閉じて、監視ユニット313の入力端子315に電圧Eを印加する。なお、電圧源521とスイッチ522に替え、ハイレベルもしくはローレベルを出力する論理回路でアラーム出力部520aを構成してもよい。
【0026】
図4(b)に示すように、出力短絡型のアラーム出力部520bは、スイッチ523を有する。出力短絡型のアラーム出力部520bの出力は、監視ユニット314の入力端子316に接続される。アラーム検出部510がアラームを検出すると、アラーム出力部520bは、スイッチ523を閉じて、監視ユニット314の入力端子316を短絡状態にする。
【0027】
(監視システムのシステム試験時の構成)
監視システムのシステム試験の構成図を図5に示す。システム試験時には、遠隔監視装置310に接続されている監視対象の機器500を外し、試験用配線治具100を介して、試験用模擬装置600を遠隔監視装置310に接続する。また、試験用模擬装置600を通信回線400を介して入出力装置210及び中央制御装置220と接続する。
【0028】
試験用模擬装置600は、試験対象である遠隔監視装置310が有する複数の入力端子315,316に試験条件で定められた状態を設定する装置である。図6に示すように、試験用模擬装置600は、通信部610、制御部620、テストユニット630、コネクタ640、操作パネル650を備える。
【0029】
通信部610は、通信回線400を介して、入出力装置210から送信されるコマンド(制御情報)を取得し、制御部620に供給する。制御部620は、コマンドに基づいてテストユニット630を制御する。
【0030】
テストユニット630は、監視対象の機器500のアラーム出力部520の構成に対応して作られている。具体的には、試験用模擬装置600は、図4(a)に示す電圧出力型のアラーム出力部520aに対応する図7(a)に示す電圧出力型のテストユニット630aと、図4(b)に示す出力短絡型のアラーム出力部520bに対応する図7(b)に示す出力短絡型のテストユニット630bを備える。
【0031】
図7(a)に示すように、電圧出力型のテストユニット630aは、電圧源631、スイッチ632を有する。スイッチ632は、リレー等で構成することができる。電圧出力型のテストユニット630aの出力は、試験用配線治具100を介して、遠隔監視装置310の電圧を監視する監視ユニット313の入力端子315に接続される。電圧出力型のテストユニット630aは、制御部620の制御に基づいてスイッチ632を閉じて、遠隔監視装置310の電圧を監視する監視ユニット313の入力端子315に電圧Eを印加する。なお、電圧源631とスイッチ632に替え、ハイレベルもしくはローレベルを出力する論理回路でテストユニット630aを構成してもよい。
【0032】
図7(b)に示すように、テストユニット630bは、スイッチ633を有する。スイッチ633は、リレー等で構成することができる。出力短絡型のテストユニット630bの出力は、試験用配線治具100を介して、遠隔監視装置310の監視ユニット314の入力端子316に接続される。テストユニット630bは、制御部620の制御に基づいてスイッチ633を閉じて、遠隔監視装置310の電圧を監視する監視ユニット313の入力端子316を短絡状態にする。
【0033】
コネクタ640は、複数の端子641を備えている。複数の端子641それぞれは、テストユニット630a,630bの出力と接続されている。端子641の数が数百になる場合もある。
【0034】
操作パネル650は、タッチパネル等で構成されている。操作パネル650から入力された情報は制御部620に供給される。制御部620は、入出力装置210から取得するコマンドに替え、操作パネル650から入力された情報に基づいてテストユニット630を制御することもできる。
【0035】
試験用配線治具100は、遠隔監視装置310と試験用模擬装置600とを接続するシステム試験時に使用する試験用配線治具である。試験用配線治具100は、図8に示すように、コネクタ110、ケーブル部120、接続端子130、タグ140を備える。
【0036】
コネクタ110は、試験用模擬装置600のコネクタ640と接続可能な形状のコネクタで形成されている。つまり、試験用配線治具100のコネクタ110と試験用模擬装置600のコネクタ640とをワンタッチで接続することができる。コネクタ110は、複数の端子111を有している。この複数の端子111は、試験用模擬装置600の複数の端子641と対応している。
【0037】
ケーブル部120は、試験用模擬装置600が備えるコネクタ640と遠隔監視装置310が有する複数の入力端子315,316とを電気的に接続する。ケーブル部120は、複数のケーブルで構成されている。ケーブル部120は、コネクタ110の端子111の数に対応した複数のケーブルを備える。ケーブル部120は、複数の芯線を有するケーブル、フラットケーブルであってもよい。ケーブル部120を構成する複数のケーブルそれぞれの一端は、コネクタ110の端子111に接続されている。ケーブル部120は、遠隔監視装置310が設置されている場所と試験用模擬装置600を配置する場所との距離に応じた長さで形成されている。
【0038】
ケーブル部120を構成する複数のケーブルそれぞれの一端にはコネクタ110が接続され、他端には接続端子130が接続されている。接続端子130は、遠隔監視装置310の入力端子315,316に合わせた形状の部品で形成されている。例えば、接続端子130は、ねじ留め式端子である。ねじ留め式端子は、例えば、圧着端子、クワ型端子である。また、接続端子130は、差し込み式端子であってもよい。差し込み式端子は、例えば、バナナプラグ、チップジャックである。また、接続端子130は、クリップで形成されていてもよい。
【0039】
ケーブル部120を構成する複数のケーブルそれぞれのコネクタ110が接続されていない側(他端)には、タグ140が取り付けられている。タグ140は、シール、チューブ、札等で形成される。タグ140には、ケーブルの接続先である遠隔監視装置310の入力端子315,316を特定する情報が記載されている。具体的には、遠隔監視装置310の装置番号、端子台番号(もしくはユニット番号)、端子番号等が記載されている。
【0040】
(試験用配線治具の製造手順)
次に、試験用配線治具100の製造手順について説明する。図9は、第1の実施形態に係る試験用配線治具100の製造手順について説明するフローチャートである。ここでは、ケーブルを識別するタグ番号を記載したタグ140a、ケーブルの接続先である装置番号を記載したタグ140b、端子台番号を記載したタグ140c、端子番号を記載したタグ140dを別々に作成する場合について説明する。
【0041】
最初に、タグ140を取り付ける前の試験用配線治具100を準備する(ステップS10)。遠隔監視装置310の設置場所と試験用模擬装置600の設置場所との距離に応じた長さにケーブル部120の長さを成形する。ケーブル部120の一端にコネクタ110を接続する。また、ケーブル部120の他端に接続端子130を固定接続する。また、タグ140の材料であるシールを準備する。タグ140の表面は、例えば、文字を記載可能な紙もしくはビニールで形成されている。タグ140の裏面は、その一部もしくは全面に接着剤が施され、接着剤の施された面の表面に保護テープが施されている。
【0042】
次に、監視システムのシステム試験用の展開接続図を準備する(ステップS11)。展開接続図は、図5に示す監視システムのシステム試験時の接続構成を詳細に記載した図面であり、接続すべき装置番号、端子台番号(もしくはユニット番号)、端子番号等の情報が記載されている図面である。展開接続図は、システム試験の試験仕様書等で規定されている。
【0043】
次に、展開接続図から図10に示すような布線表を作成する(ステップS12)。図10に示すように、布線表の1列目には、試験用配線治具100を構成する複数のケーブルそれぞれを特定する「タグ番号」を記載する。例えば、タグ番号として、図6に示す試験用模擬装置600のコネクタ640の端子配列(行番号、列番号)に対応する番号を付与する。布線表の2列目にケーブルの色を記載している。また、布線表の3列目に、ケーブルを接続する先の遠隔監視装置310の装置番号、4列目に端子台番号(もしくはユニット番号)、5列目に端子番号の情報を記載している。また、布線表の6列目に、信号名等を記載してもよい。なお、ケーブルを特定するタグ番号は、通し番号であってもよい。
【0044】
次に、布線表に基づいてタグ140を作成する(ステップS13)。ケーブルを識別するタグ番号を記載したタグ140a、ケーブルの接続先である装置番号を記載したタグ140b、端子台番号を記載したタグ140c、端子番号を記載したタグ140dを別々に作成する。印字装置を使用してタグを形成するシールに文字を印字してもよい。
【0045】
次に、図11に示すように、ケーブル部120を構成する複数のケーブルそれぞれの接続端子130近傍にタグ140(140a~140d)を貼り付ける(ステップS14)。最初に、図8に示すコネクタ110の端子111の配列に対応させて、タグ番号を記載したタグ140aをケーブルに貼り付ける。貼り付けに際しては、タグの裏面の保護テープをはがし、粘着面を露出させる。そして、該当するケーブルを挟み込んで粘着面を張り合わせるようにして固定する。必要に応じて、図8に示すコネクタ110とタグ140aを貼り付けたケーブルの先端の接続端子130との導通チェックを行い、タグ140aの貼り付け誤りが無いかを確認する。
【0046】
次に、図11に示すように、図10に示す布線表に従って、ケーブルの接続先である装置番号を記載したタグ140b、端子台番号を記載したタグ140c、端子番号を記載したタグ140dを順次貼り付けていく。必要に応じて、信号名等を記載したタグ140を貼り付けてもよい。
【0047】
(システム試験の説明)
次に、上述した試験用配線治具100を使用した監視システムのシステム試験について説明する。最初に、図5に示すように監視システムのシステム試験用の配線を行う。具体的には、遠隔監視装置310から監視対象の機器500を切り離す。次に、試験用配線治具100のコネクタ110と試験用模擬装置600のコネクタ640とを接続する。次に、ケーブルに取り付けたタグ140bに記載されている装置番号に対応する遠隔監視装置310を確認する。次に、ケーブルに取り付けたタグ140cに記載されている端子台番号に対応する遠隔監視装置310の端子台317を確認する。次に、ケーブルに取り付けたタグ140dに記載されている端子番号に対応する遠隔監視装置310の入力端子315もしくは316を確認する。そして、ケーブルの接続端子130を対応する入力端子315もしくは316に接続する。この端子特定作業と接続作業を布線表に記載されている複数のケーブルについて順次行っていく。
【0048】
この接続作業において、試験用配線治具100のケーブルには、接続先を記載したタグ140が取り付けられているので、遠隔監視装置310と離れた位置に配置されている試験用模擬装置600との導通確認をすることなく、接続作業を進めることができる。
【0049】
上記の配線作業を完了した後、試験員は、入出力装置210からシステム試験用のコマンドを入力する。入出力装置210は、試験員が入力したシステム試験用のコマンドを通信回線400を介して試験用模擬装置600の制御部620に供給する。制御部620は、取得したコマンドに基づいて該当するテストユニット630を制御する。制御を受けたテストユニット630は、試験用配線治具100を介して、遠隔監視装置310の該当する入力端子315に疑似アラーム信号であるハイレベルの電圧を印加する。もしくは、制御を受けたテストユニット630は、試験用配線治具100を介して、遠隔監視装置310の該当する入力端子316を短絡状態にする。
【0050】
疑似アラーム信号を検出した遠隔監視装置310は、通信装置320及び通信回線400を介して、検出したアラーム情報等を中央制御装置220に送信する。中央制御装置220は、取得したアラーム情報が期待値と一致した場合、該当するシステム試験に係る機能が正常であると判断する。試験員は、入出力装置210から試験条件に応じたコマンドを順次入力し、中央制御装置220は遠隔監視装置310からシステム試験結果の情報を取得する。中央制御装置220は、コマンドに対応する期待値と取得したシステム試験結果の情報とを比較しながらシステム試験の良否を順次判定し、入出力装置210に判定結果を表示する。
【0051】
(変形例1)
上記の説明では、図11に示すように、ケーブルの接続先である装置番号を記載するタグ140b、端子台番号を記載するタグ140c、端子番号を記載するタグ140dを別々のタグとして作成する場合について説明した。しかし、作成するタグはこれに限定する必要はない。例えば、図12に示すように、装置番号、端子台番号、端子番号を記載した札状のタグ140eをケーブルに取り付けるようにしてもよい。
【0052】
(変形例2)
システム試験において、試験用模擬装置600から遠隔監視装置310の入力端子315に印加する電圧が、入力端子によって例えば5V、24V、48Vのように異なる場合もある。このような場合、接続を誤ると遠隔監視装置310を破損する恐れがある。
【0053】
変形例2に係る試験用配線治具100は、図13に示すように、ケーブル部120を構成するケーブルに試験用模擬装置600から印加される電圧に対応した色のテープで構成されたタグ140fを備える。例えば、ケーブル部120を構成するケーブルに印加される電圧が5Vの場合、タグ140fの色を緑にする。24Vの場合、タグ140fの色を黄にする。48Vの場合、タグ140fの色を白にする。アースの場合、タグ140fの色を黒にする。
【0054】
なお、第1の実施形態で説明したように、ケーブルを識別するタグ番号を記載したタグ140aを取り付け、タグ140aの色を電圧に対応した色にしてもよい。また、ケーブルの接続先を記載したタグ140b、140c、140dの色を電圧に対応した色にしてもよい。また、印加される電圧によって、ケーブルの色を変えるようにしてもよい。
【0055】
また、印加される電圧によって、接続端子130の形状を変えてもよい。例えば、遠隔監視装置310の入力端子315,316の形状が、印加される電圧に応じて異なる形状になっている場合がある。この入力端子の形状に合わせて、接続端子130の形状を変えて形成する。これにより、異なる電圧が印加されるケーブルを誤って接続することが物理的にできなくなるので、誤配線による遠隔監視装置310の破損を防止することができる。
【0056】
また、上述の説明では、タグ140に、ケーブルを識別する情報(タグ140a)、遠隔監視装置310を特定する情報(タグ140b)、遠隔監視装置310に実装されている端子台317もしくはユニットを特定する情報(タグ140c)、遠隔監視装置310に実装されている端子を特定する情報(タグ140d)を記載する場合について説明したが、タグ140に記載する情報はこれに限定する必要はなく、ケーブルの接続先を特定する情報が記載されていればよい。例えば、装置を特定する情報、端子台を特定する情報の記載を省略してもよい。また、信号名等の情報を記載してもよい。
【0057】
以上説明したように、本実施形態に係る試験用配線治具100のケーブル部120を構成するケーブルそれぞれの一端には、タグ140が取り付けられている。タグ140には、接続先である遠隔監視装置310の入力端子315,316を特定する情報が記載されている。これにより、遠隔監視装置310と試験用配線治具100とを接続するケーブルの本数が多い場合でも、誤接続の発生を防止することができる。また、接続作業時間を短縮することができ、システム試験を開始するまでの準備に要する人と時間を削減することができる。
【0058】
また、試験用配線治具100の製造時において、ケーブルそれぞれを識別するタグ140aを貼り付けた後、ケーブルそれぞれの接続先を特定する情報が記載されたタグ140b,140c,140dを貼り付ける。これにより、ケーブル部120の長さが長い場合でも導通チェックをすることなく、タグ140aに記載されている番号と図10に示す布線表に基づいて、タグ140b,140c,140dを貼り付けることができ、タグ140の貼り付け作業に要する人と時間を削減することができる。
【0059】
また、ケーブルに印加される電圧の値によってタグの色を色分けすることにより、誤配線を低減できる。これにより、誤配線による遠隔監視装置310の破損を低減することができる。
【0060】
また、上記では詳述しなかったが、布線表の作成は、元となる展開接続図から作業者が必要な情報を抽出することにより作成することができる。また、元となる展開接続図の電子データファイルから必要な情報を自動抽出するソフトウエアを使用して布線表を作成してもよい。
【0061】
《第2の実施形態》
次に、第2の実施形態を図面に基づいて説明する。第1の実施形態と同一又は同等の構成については、同等の符号を用いるとともに、その説明を省略又は簡略する。第2の実施形態に係る試験用配線治具100は、図14に示すように、ケーブル部120が複数のグループに分割されている点で、第1の実施形態と異なる。
【0062】
図1に示す監視システムにおいて、監視対象の機器500が離れて設置されている場合がある。監視対象の機器500の設置場所の近くに遠隔監視装置310を配置する場合、遠隔監視装置310a,310b,310cそれぞれが離れて配置されることになる。このような場合、試験用配線治具100のケーブル部120を構成する複数のケーブルが遠隔監視装置310a,310b,310cごとにまとまっていた方が、遠隔監視装置310と試験用模擬装置600との接続作業の効率を高めることができる。ここでは、図14に示すように、ケーブルが2つのグループ(第1分岐ケーブル部121a、第2分岐ケーブル部121b)に分けられている場合について説明する。
【0063】
第2の実施形態に係る試験用配線治具100では、図14に示すように、コネクタ110、第1分岐ケーブル部121a、第2分岐ケーブル部121b、第1分岐コネクタ151a,第2分岐コネクタ151b、ケーブル部120、接続端子130、タグ140,141を備える。
【0064】
第1分岐ケーブル部121a及び第2分岐ケーブル部121bは、コネクタ110に接続されている。第1分岐ケーブル部121a及び第2分岐ケーブル部121bは、それぞれ複数本のケーブルで構成されている。第1分岐ケーブル部121aの一端には、第1分岐コネクタ151aが接続されている。第2分岐ケーブル部121bの一端には、第2分岐コネクタ151bが接続されている。
【0065】
第1分岐コネクタ151aには、ケーブル部120を構成するケーブルが接続されている。ケーブル部120を構成するケーブルの数は、第1分岐ケーブル部121aが有するケーブルの数と同数である。ケーブル部120の第1分岐コネクタ151aが接続されていない他の一端に遠隔監視装置310の入力端子315,316の形状に対応した形状を有する接続端子130が接続されている。第2分岐コネクタ151bには、ケーブル部120を構成するケーブルが接続されている。ケーブル部120を構成するケーブルの数は、第2分岐ケーブル部121bが有するケーブルの数と同数である。ケーブル部120の第2分岐コネクタ151bが接続されていない他の一端に遠隔監視装置310の入力端子315,316の形状に対応した形状を有する接続端子130が接続されている。
【0066】
第1分岐コネクタ151a及び第2分岐コネクタ151bには、タグ141が設けられている。タグ141には、遠隔監視装置310の装置を特定する情報が記載されている。タグ141には、例えば、フィルムラベルを使用する。タグ140には、端子台(もしくはユニット)と端子を特定する情報が記載されている。
【0067】
このように接続先である遠隔監視装置310ごとにケーブルをまとめることにより、遠隔監視装置310と試験用模擬装置600との接続作業の効率を高めることができる。また、誤接続を防止することができる。
【0068】
なお、第2の実施形態では、ケーブルを遠隔監視装置310ごとにまとめる場合について説明したが、ケーブルをまとめる単位はこれに限定する必要はない。例えば、図2に示す遠隔監視装置310の端子台317ごとにケーブルをまとめるようにしてもよい。この場合、タグ141に装置と端子台を特定する情報を記載し、タグ140に端子を特定する情報を記載する。
【0069】
(変形例3)
変形例3に係る試験用配線治具100は、図15に示すように、第1分岐ケーブル部121a及び第2分岐ケーブル部121bとコネクタ110とをコネクタ接続できるように、コネクタ151c、151dを備える。
【0070】
このような構成にすることにより、システム試験の対象である遠隔監視装置310の台数に応じて、コネクタ110に接続するケーブルの本数を変更することが可能になる。例えば、遠隔監視装置310が1台である場合、第1分岐ケーブル部121aのみ接続し、第2分岐ケーブル部121bを接続しないようにする。これにより、不要なケーブルが接続されていない状態で作業を行うことができるので、作業効率を向上することができる。
【0071】
(変形例4)
システム試験の環境によっては、試験用模擬装置600の近くに遠隔監視装置310が配置されている場合もあれば、遠くに配置されている場合もある。試験用模擬装置600と遠隔監視装置310との距離に応じて、試験用配線治具100のケーブルの長さを調整できると便利である。変形例4に係る試験用配線治具100は、図16に示すように、中継コネクタ153、中継ケーブル154を有する。
【0072】
中継ケーブル154は、複数本のケーブルで構成されている。中継ケーブル154のコネクタ110が接続されていない側には、中継コネクタ153が接続されている。
【0073】
第1分岐ケーブル部121aの両端には、コネクタ151c、151eが接続されている。第2分岐ケーブル部121bの両端には、コネクタ151d、151fが接続されている。コネクタ151c及び151dは、中継コネクタ153と接続可能な形状で形成されている。第1分岐コネクタ151aは、コネクタ151eと接続される。第2分岐コネクタ151bは、コネクタ151fと接続される。なお、第1分岐コネクタ151a及び第2分岐コネクタ151bは、コネクタ110もしくは中継コネクタ153と接続することもできる。また、コネクタ151c及び151dは、コネクタ110と接続することもできる。
【0074】
試験用模擬装置600と遠隔監視装置310との距離に応じて、第1及び第2分岐ケーブル部121a,121bを使用するか否かを選択する。例えば、試験用模擬装置600の近くに2台の遠隔監視装置310が配置されている場合、第1及び第2分岐ケーブル部121a,121bを接続しない。また、1台の遠隔監視装置310が試験用模擬装置600の近くに配置されており、他の1台が試験用模擬装置600の遠くに配置されている場合もある。このような場合、第1分岐ケーブル部121aもしくは第2分岐ケーブル部121bを接続しないようにして、長さを調整することができる。
【0075】
なお、上記の説明では、プラントに使用する監視システムの場合につて説明したが、監視システムは、工場内の製造設備の監視システム、携帯電話等の通信システムの監視システム、警備用の監視システム等であってもよい。これらの場合、監視対象の機器500は、製造設備の監視装置、通信装置の監視装置、家屋の警備装置等である。
【0076】
また、上記の説明では、遠隔監視装置310が、図4に示すように、オン・オフ情報を取得する場合について説明したが、遠隔監視装置310は、機器500が計測したアナログの計測情報を収集してもよい。この場合、例えば、監視ユニット313,314は、デコーダ機能を有し、機器500から取得したデータをデジタルデータに変換し、制御ユニット312に供給する。制御ユニット312は、変換されたデジタルデータを中央制御装置220に送信する。これに対応する試験用模擬装置600は、機器500が計測した計測情報に対応するアナログデータを出力するテストユニットを備える。
【0077】
また、上記の説明では、試験用配線治具100をシステム試験時に適用する場合について説明したが、試験用配線治具100は他の場合にも使用することができる。例えば、遠隔監視装置310の出荷試験時にも適用することができる。複数台の遠隔監視装置310を試験する場合、図5に示す構成と同じようなシステム試験構成(通信回線400は無くてもよい)で試験することができる。試験用配線治具100を使用することにより、出荷試験を開始するまでの準備に要する人と時間を削減することができる。
【0078】
また、機器500は、例えばプラントを構成する機器の機側に配置される熱電対、サーミスタ、圧力スイッチ、圧力センサ、リミットスイッチ、エンコーダなどの回転検出器などの検出機器であってもよい。
【0079】
また、上記の実施形態では、遠隔監視装置310を構成する入力端子315,316に、試験用配線治具100を直接接続する場合について説明した。これに限らず、遠隔監視装置310が制御盤などのパネルに収容されている場合には、上記パネルに設けられ、遠隔監視装置310の各入力端子315,316が電気的に接続される端子に、本実施形態に係る試験用配線治具100を接続してもよい。
【0080】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0081】
100…試験用配線治具
110…コネクタ(接続コネクタ)
111…端子
120…ケーブル部
121a…第1分岐ケーブル部
121b…第2分岐ケーブル部
130…接続端子
140,140a,140b,140c,140d…タグ
141…タグ
151a…第1分岐コネクタ
151b…第2分岐コネクタ
151c,151d,151e,151f…コネクタ
153…中継コネクタ
154…中継ケーブル
200…監視センター
210…入出力装置
220…中央制御装置
230…通信装置
300…遠隔監視場所
310、310a,310b,310c…遠隔監視装置
311…電源ユニット
312…制御ユニット
313,314監視ユニット
315,316…入力端子
317…端子台
320…通信装置
400…通信回線
500…機器
510…アラーム検出部
520,520a,520b…アラーム出力部
521…電圧源
522,523…スイッチ
600…試験用模擬装置
610…通信部
620…制御部
630,630a,630b…テストユニット
631…電圧源
632,633…スイッチ
640…コネクタ
641…端子
650…操作パネル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図15
図16