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特許7158882移動端末及び信号処理装置、並びに電動遮蔽装置の遠隔操作システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-14
(45)【発行日】2022-10-24
(54)【発明の名称】移動端末及び信号処理装置、並びに電動遮蔽装置の遠隔操作システム
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20221017BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20221017BHJP
【FI】
H04Q9/00 301D
H04M1/00 R
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018078873
(22)【出願日】2018-04-17
(65)【公開番号】P2019186874
(43)【公開日】2019-10-24
【審査請求日】2021-03-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000250672
【氏名又は名称】立川ブラインド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100143568
【弁理士】
【氏名又は名称】英 貢
(72)【発明者】
【氏名】江波戸 武信
【審査官】白井 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-223068(JP,A)
【文献】特開2016-217117(JP,A)
【文献】特開2000-347970(JP,A)
【文献】特開2017-036571(JP,A)
【文献】特開2014-191435(JP,A)
【文献】特開2018-028249(JP,A)
【文献】特表2015-501630(JP,A)
【文献】特表2017-504994(JP,A)
【文献】特開2019-152051(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04Q 9/00
H04M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネル式の表示画面を備え電動遮蔽装置に対するタイマー操作を可能とする移動端末であって、
タイマー操作対象の電動遮蔽装置の設置場所を示す位置情報を設定する位置情報設定手段と、
前記位置情報に応じた日出・日没時刻を自動算出し前記日出・日没時刻を基準にユーザ単位のタイマー動作時間を設定するタイマー設定手段と、
ユーザ単位の指定のタイマー動作を設定するタイマー動作設定手段と、を備え、
当該タイマー操作対象の電動遮蔽装置に対し、当該設定したタイマー動作時間で、当該指定されるタイマー動作を自動で実行させることを特徴とする移動端末。
【請求項2】
前記タイマー設定手段は、前記位置情報に応じた当該日出・日没時刻からプラス又はマイナス若しくはその両方の時間で前記タイマー動作時間を設定する機能を有することを特徴とする、請求項1に記載の移動端末。
【請求項3】
前記位置情報設定手段は、前記位置情報として、前記タイマー操作対象の電動遮蔽装置の設置場所を示す緯度・経度又は緯度・経度・高度をインターネット経由の地図、又は位置認識情報を参照して設定する機能を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の移動端末。
【請求項4】
前記タイマー設定手段は、月指定、曜日指定、日にち指定のいずれか1つ以上の期間を基にした例外設定を許容し、前記例外設定によって前記タイマー操作対象の電動遮蔽装置における該設定したタイマー動作時間で指定されるタイマー動作に対し異なる動作を自動で実行させる機能を更に有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の移動端末。
【請求項5】
タッチパネル式の表示画面を備え電動遮蔽装置に対するタイマー操作を可能とする移動端末と前記電動遮蔽装置とを中継通信する信号処理装置であって、
タイマー操作対象の電動遮蔽装置の設置場所を示す位置情報を設定する位置情報設定手段と、
前記位置情報に応じた日出・日没時刻を自動算出し前記日出・日没時刻を基準にユーザ単位のタイマー動作時間を設定するタイマー設定手段と、
ユーザ単位の指定のタイマー動作を設定するタイマー動作設定手段と、を備え、
当該タイマー操作対象の電動遮蔽装置に対し、当該設定したタイマー動作時間で、当該指定されるタイマー動作を自動で実行させることを特徴とする信号処理装置。
【請求項6】
タッチパネル式の表示画面を備え電動遮蔽装置に対するタイマー操作を可能とする移動端末と、前記移動端末と前記電動遮蔽装置とを中継通信する信号処理装置とを備える電動遮蔽装置の遠隔操作システムであって、
前記移動端末は、
タイマー操作対象の電動遮蔽装置の設置場所を示す位置情報を設定する位置情報設定手段と、
前記位置情報に応じた日出・日没時刻を自動算出し前記日出・日没時刻を基準にユーザ単位のタイマー動作時間を設定するタイマー設定手段と、
ユーザ単位の指定のタイマー動作を設定するタイマー動作設定手段と、
前記位置情報、前記タイマー動作時間、及び前記指定のタイマー動作の設定情報を含む設定データを前記信号処理装置に送信する手段と、を備え、
前記信号処理装置は、
前記移動端末から当該設定されたタイマー動作時間を含む設定データを受信保持して管理し、当該タイマー操作対象の電動遮蔽装置に対し、当該日出・日没時刻を基準に設定されたタイマー動作時間で、当該指定されるタイマー動作を自動で実行させる手段を備えることを特徴とする電動遮蔽装置の遠隔操作システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動遮蔽装置を制御する移動端末及び信号処理装置、並びに電動遮蔽装置の遠隔操作システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スマートフォンやタブレット等の移動端末を用いて、電動式の縦型又は横型ブラインド、ロールスクリーン、カーテン、ローマンシェード等の屋内の電動遮蔽装置を制御可能とするシステムが知られている。
【0003】
例えば、リモートコントローラや有線スイッチで操作可能な電動遮蔽装置に対し、タッチパネル式の表示画面を備える移動端末をリモートコントローラや有線スイッチと同等に機能させるだけでなく、種々の電動遮蔽装置の個別操作、グループ操作、全体操作、或いはタイマー操作の操作性を向上させるよう、移動端末から中継変換機を介して電動遮蔽装置へと通信接続する技法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この特許文献1の技法においては、移動端末と送受信親機或いは中継変換機との接続のために、Wi-Fi等の近距離無線通信、或いはインターネット経由の接続を想定し、移動端末のタッチパネル式の表示画面に提示される電動遮蔽装置の操作に係るアプリケーションを起動すると、操作対象の電動遮蔽装置のタスクが表示されるものとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-34419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、特許文献1には、電動遮蔽装置に対し、タッチパネル式の表示画面を備える移動端末から中継変換機を介して電動遮蔽装置へと通信接続する技法が開示されている。しかし、従来技法では、電動ブラインドのタイマー設定は設定画面で時間を入力するか、操作した時間を記憶し、その時間で繰り返す方法があったが、地域や季節等に応じた日出・日没時刻の変化に対応させることができなかった。
【0007】
このため、タイマー操作対象の電動遮蔽装置について、地域や季節等に応じた日出・日没時刻の変化に対応させてタイマー動作させるように設定制御可能とする技法が望まれる。
【0008】
本発明の目的は、上述した問題に鑑みて、タイマー操作対象の電動遮蔽装置について、その位置情報(緯度・経度情報又は更に高度を加味した情報など)データと日出・日没時刻データに基づいて動作させるように設定制御可能とする移動端末及び信号処理装置、並びに電動遮蔽装置の遠隔操作システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の移動端末は、タッチパネル式の表示画面を備え電動遮蔽装置に対するタイマー操作を可能とする移動端末であって、タイマー操作対象の電動遮蔽装置の設置場所を示す位置情報を設定する位置情報設定手段と、前記位置情報に応じた日出・日没時刻を自動算出し前記日出・日没時刻を基準にユーザ単位のタイマー動作時間を設定するタイマー設定手段と、ユーザ単位の指定のタイマー動作を設定するタイマー動作設定手段と、を備え、当該タイマー操作対象の電動遮蔽装置に対し、当該設定したタイマー動作時間で、当該指定されるタイマー動作を自動で実行させることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の移動端末において、前記タイマー設定手段は、前記位置情報に応じた当該日出・日没時刻からプラス又はマイナス若しくはその両方の時間で前記タイマー動作時間を設定する機能を有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の移動端末において、前記位置情報設定手段は、前記位置情報として、前記タイマー操作対象の電動遮蔽装置の設置場所を示す緯度・経度又は緯度・経度・高度をインターネット経由の地図、又は位置認識情報を参照して設定する機能を有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の移動端末において、前記タイマー設定手段は、月指定、曜日指定、日にち指定のいずれか1つ以上の期間を基にした例外設定を許容し、前記例外設定によって前記タイマー操作対象の電動遮蔽装置における該設定したタイマー動作時間で指定されるタイマー動作に対し異なる動作を自動で実行させる機能を更に有することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の信号処理装置は、タッチパネル式の表示画面を備え電動遮蔽装置に対するタイマー操作を可能とする移動端末と前記電動遮蔽装置とを中継通信する信号処理装置であって、タイマー操作対象の電動遮蔽装置の設置場所を示す位置情報を設定する位置情報設定手段と、前記位置情報に応じた日出・日没時刻を自動算出し前記日出・日没時刻を基準にユーザ単位のタイマー動作時間を設定するタイマー設定手段と、ユーザ単位の指定のタイマー動作を設定するタイマー動作設定手段と、を備え、当該タイマー操作対象の電動遮蔽装置に対し、当該設定したタイマー動作時間で、当該指定されるタイマー動作を自動で実行させることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の電動遮蔽装置の遠隔操作システムは、タッチパネル式の表示画面を備え電動遮蔽装置に対するタイマー操作を可能とする移動端末と、前記移動端末と前記電動遮蔽装置とを中継通信する信号処理装置とを備える電動遮蔽装置の遠隔操作システムであって、前記移動端末は、タイマー操作対象の電動遮蔽装置の設置場所を示す位置情報を設定する位置情報設定手段と、前記位置情報に応じた日出・日没時刻を自動算出し前記日出・日没時刻を基準にユーザ単位のタイマー動作時間を設定するタイマー設定手段と、ユーザ単位の指定のタイマー動作を設定するタイマー動作設定手段と、前記位置情報、前記タイマー動作時間、及び前記指定のタイマー動作の設定情報を含む設定データを前記信号処理装置に送信する手段と、を備え、前記信号処理装置は、前記移動端末から当該設定されたタイマー動作時間を含む設定データを受信保持して管理し、当該タイマー操作対象の電動遮蔽装置に対し、当該日出・日没時刻を基準に設定されたタイマー動作時間で、当該指定されるタイマー動作を自動で実行させる手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、地域や季節等で変化する日出・日没時刻に応じて適応的に電動遮蔽装置を自動動作させることができ、そのタイマー設定を容易化し、利便性の高い自動化されたタイマー動作を実行させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明による一実施形態の移動端末による電動遮蔽装置の遠隔操作システムの一例を示す図である。
図2】本発明による一実施形態の移動端末、及び信号処理装置の概略構成を示すブロック図である。
図3】(a),(b)は、それぞれ本発明による一実施形態の移動端末による電動遮蔽装置の遠隔操作のための一実施例のデバイス操作画面(ブラインド選択画面/操作選択画面)を例示する図である。
図4】(a),(b)は、それぞれ本発明による一実施形態の移動端末による電動遮蔽装置の遠隔操作のための一実施例のデバイス操作画面(操作選択画面/遠隔操作画面)を例示する図である。
図5】(a),(b)は、それぞれ本発明による一実施形態の移動端末による電動遮蔽装置の遠隔操作のための一実施例のデバイス操作画面(操作選択画面/タイマー設定第1画面)を例示する図である。
図6】(a),(b)は、それぞれ本発明による一実施形態の移動端末による電動遮蔽装置の遠隔操作のための一実施例のデバイス操作画面(タイマー設定第2画面/タイマー設定第3画面)を例示する図である。
図7】(a),(b),(c)は、それぞれ本発明による一実施形態の移動端末による電動遮蔽装置の遠隔操作のための一実施例のデバイス操作画面(タイマー例外設定第1画面/タイマー例外設定第2画面/タイマー例外設定第3画面)を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、移動端末1により、近距離無線通信を経て信号処理装置2を経由し操作対象の電動遮蔽装置8を操作可能とする一実施形態の遠隔操作システムについて説明する。
【0018】
(システム全体)
図1は、本発明による一実施形態の移動端末1による電動遮蔽装置8の遠隔操作システムの一例を示す図である。本例に係る移動端末1は、移動端末1と電動遮蔽装置8との間に設置される中継変換機として機能する信号処理装置2からデバイス操作(電動遮蔽装置8の操作)に関する操作メニュー(図示略)を示すユーザーインターフェース(UI)が提示されるものとなっている。ただし、本実施形態の変形例として、移動端末1は、操作メニューを提示するアプリケーションを予め記憶して、このアプリケーションの実行により、信号処理装置2を経て電動遮蔽装置8を遠隔操作する構成とすることや、信号処理装置2を各電動遮蔽装置8に備え付けることで、移動端末1が操作対象の電動遮蔽装置8と直接的に通信する形態とすることもできる。
【0019】
移動端末1は、タッチパネル式の表示画面を有し、操作者による所定種類のタッチ操作(スワイプ操作、ピンチイン操作、ピンチアウト操作、フリック操作、所定回数のタップ操作、及びロングタップ操作を含む)を検出し、そのタッチ操作に予め関連付けた動作を行うよう構成され、例えばスマートフォンやタブレット等とすることができる。特に、本実施形態の移動端末1は、無線ルーター3に対する通信経路6で示すWi-Fi等の近距離無線通信を介して、この無線ルーター3に有線又は無線LANの通信経路4を経て接続される信号処理装置2と相互通信接続可能となっている。尚、無線ルーター3は、通信経路5を経て屋外からの接続又は屋外への接続を許容しており、信号処理装置2は、インターネット等のネットワーク上の一機器として接続されている。
【0020】
そして、信号処理装置2は、移動端末1により、屋内に設置される種々の電動遮蔽装置8を操作可能とするための中継変換機として構成され、本例ではWebサーバとして構成され、固有のWebアドレスを有している。即ち、移動端末1は、当該Webアドレスによって信号処理装置2に通信接続すると、Webサーバとして構成される信号処理装置2から、屋内に設置される種々の電動遮蔽装置8を操作可能とするユーザーインターフェース(UI)が提示される。このため、移動端末1は、Webサーバ機能を有する信号処理装置2を経て、電動遮蔽装置8を操作するためのWeb端末として機能するようになっている。
【0021】
従って、本例の移動端末1は、操作メニューを提示するアプリケーションを予め記憶しておく必要はなく、移動端末1の負荷の増大を避けることができる。ただし、本実施形態の移動端末1は、操作メニューを提示するアプリケーションを予め記憶して、このアプリケーションの実行により、信号処理装置2を経て電動遮蔽装置8を遠隔操作する構成とすることもできる。
【0022】
信号処理装置2は、移動端末1のタッチパネル式の表示画面上に、当該信号処理装置2との接続を確立するためのWebアドレスへと誘導する起動アイコンを記憶し表示可能とするよう、登録設定させる機能を有する。また、信号処理装置2は、ユーザ認証(ユーザID及びパスワード)に基づいてユーザを認証して判別し、ユーザ毎に種々の電動遮蔽装置8の操作に係る各種設定を保持し、その各種設定を当該UI上で移動端末1に提示できるようになっている。
【0023】
電動遮蔽装置8は、例えば電動で開閉動作する、縦型又は横型ブライド、ロールスクリーン、カーテンレール、たくし上げカーテン、或いはプリーツスクリーンなどとすることができ、図1に示す例では、代表的に横型ブライドとロールスクリーンが各間仕切り領域(例えば、リビング、寝室、部屋A、…)に1以上設けられている。
【0024】
移動端末1の操作を基に、信号処理装置2からの無線信号により動作する電動遮蔽装置8には、その無線信号を受信し、無線信号内の操作に係るコマンドに応じた動作を行わせるための制御ユニット80が設けられている。
【0025】
制御ユニット80には当該電動遮蔽装置8における遮蔽材の開閉動作を操作可能とする有線スイッチ82が有線接続され、尚且つ制御ユニット80は通信経路9で示す無線信号通信で遠隔操作可能とするリモートコントローラ81と無線接続可能となっている。その他、赤外線リモコンとの無線接続や、外部機器(パーソナルコンピュータ)との有線又は無線接続で電動遮蔽装置8における遮蔽材の開閉動作を操作可能とすることもきる(図示せず)。
【0026】
リモートコントローラ81及び有線スイッチ82は、それぞれ当該電動遮蔽装置8における遮蔽材の開動作を操作する開ボタン(図示“△”)、開動作を操作する閉ボタン(図示“▽”)、及びその開閉動作の停止を操作する停止ボタン(図示“□”)を有する。
【0027】
従って、制御ユニット80を備える電動遮蔽装置8は、それぞれリモートコントローラ81、有線スイッチ82、及び移動端末1の操作を基に、遮蔽材の開動作を操作することができるようになっている。尚、図示する例では、個々の電動遮蔽装置8に対し個々のリモートコントローラ81を図示しているが、1つのリモートコントローラ81で、複数の電動遮蔽装置8を操作可能とする構成とすることもできる。例えば、電動遮蔽装置8及びリモートコントローラ81に固有のIDを割り当て、これらのIDを基に、複数の電動遮蔽装置8を識別して個別に、或いは複数の電動遮蔽装置8を一括してグループ操作できるように設定すればよい。制御ユニット80を備える電動遮蔽装置8は、移動端末1の操作を基に、通信経路7で示す信号処理装置2からの無線信号により操作することができる。そして、電動遮蔽装置8における制御ユニット80は、移動端末1からの操作に係るコマンドを含む信号処理装置2からの無線信号であるか、リモートコントローラ81からの操作に係るコマンドを含む無線信号であるかを識別できるようになっている。
【0028】
図2は、本発明による一実施形態の移動端末1、及び信号処理装置2の概略構成を示すブロック図である。上述したように、移動端末1は、無線ルーター3に対し通信経路6で示すWi-Fi等の近距離無線通信が可能であり、この無線ルーター3に有線又は無線の通信経路4を経て接続される信号処理装置2と相互通信接続可能となっている。
【0029】
そして、信号処理装置2は、移動端末1により、屋内に設置される種々の電動遮蔽装置8を操作可能とするためのWebサーバとして構成され、固有のWebアドレスを有する。移動端末1は、当該Webアドレスによって信号処理装置2に通信接続すると、Webサーバとして構成される信号処理装置2から、屋内に設置される種々の電動遮蔽装置8を操作可能とするユーザーインターフェース(UI)が提示されるWeb端末として機能する。
【0030】
図2に示すように、信号処理装置2は、制御部21、通信部22,24、及び記憶部23を備え、制御部21は、UI提示制御部211、ユーザ登録管理部212、ユーザ別設定管理部213、デバイス別状態情報管理部214、及びデバイス操作用無線信号処理部215を有している。
【0031】
ここで、信号処理装置2はコンピューターで構成させることができる。当該コンピューターに、制御部21の各機能を実現させるためのプログラムは、当該コンピューターの内部又は外部のメモリ(図示せず)に記憶される(当該メモリは記憶部23と共有にしてもよい)。コンピューターに備えられる中央演算処理装置(CPU)などの制御で、制御部21の各機能を実現するための処理内容が記述されたプログラムを、適宜、当該メモリから読み込んで、制御部21の各機能に相当する処理を当該コンピューターに実現させることができる。
【0032】
通信部22は、無線ルーター3を介して移動端末1との相互通信を行う機能部であり、移動端末1をWeb端末として機能させて、移動端末1からの操作に対応する処理を制御部21の制御によって可能とする通信接続を行う。
【0033】
通信部24は、制御部21の制御によって電動遮蔽装置8に備えられる制御ユニット80との相互通信を行う機能部であり、上述したように、リモートコントローラ81からの無線信号と共通の信号フォーマットで、尚且つ操作に係るコマンドをリモートコントローラ81のコマンドとは区別可能な態様で識別可能に構成された無線信号により、制御ユニット80との通信接続を行う。
【0034】
尚、信号処理装置2の設置当初の電源投入時に、制御部21は、屋内の種々の電動遮蔽装置8に備えられる制御ユニット80との相互通信接続を試み、通信可能となった種々の電動遮蔽装置8に対し個々を識別するIDを自動的に割り当て(或いは予め設定されるIDを読み出し)、個々を識別するデバイス番号、デバイス種類(横型ブラインド、ロールスクリーン等)、及び操作可能内容(開閉に係る開度(開閉度合)やチルト、タイマー制御等)の情報を取得して、外部編集可能に記憶部23に記憶する。ここで、信号処理装置2が用いる電動遮蔽装置8のIDは、信号処理装置2自身が管理するのに用いる識別子であるため、グループ操作可能としたリモートコントローラ81で用いる電動遮蔽装置8のIDと一致させる必要はない。
【0035】
外部編集として、例えば、デバイス番号1には「リビングA」、デバイス番号2には「リビングB」等のUI表示を可能とする分かりやすいデバイス名称を付与することができる。また、本実施形態の信号処理装置2は、ユーザ単位での種々の電動遮蔽装置8を動作設定できるため、ユーザ毎に異なるデバイス名称を付与することもできる。この外部編集のために、当該タッチパネル式表示部11に、屋内に設置される種々の電動遮蔽装置8を操作可能とするユーザーインターフェース(UI)を提示した際に、当該編集可能な編集メニュー欄を設けるか、又は、信号処理装置2自体に外部編集可能なキーボードや操作パネル等を設けるか、或いはネットワーク上に接続されるコンピューターにより当該外部編集を行えるように信号処理装置2が構成される。
【0036】
UI提示制御部211は、タッチパネル式表示部11に、種々の電動遮蔽装置8を操作可能とするユーザーインターフェース(UI)を提示する機能部である。移動端末1に提示されるUIについては後述する。
【0037】
ユーザ登録管理部212は、移動端末1に提示したUIを介してユーザ認証を行うためのユーザID及びパスワードをユーザに設定させ、記憶部23に記憶保持して管理する機能部である。ユーザ認証は、UI提示制御部211の一機能としてユーザ認証用UIを提示して行われ、ユーザ登録管理部212によって管理するユーザID及びパスワードが利用される。
【0038】
ユーザ別設定管理部213は、移動端末1に提示したUIを介してユーザ毎に種々の電動遮蔽装置8の操作に係る各種設定をユーザに設定させ、記憶部23に記憶保持して管理し、当該UI上に設定内容を提示可能とする機能部である。
【0039】
特に、本実施形態では、ユーザ別設定管理部213は、現在日時を管理する機能と、当該タイマー操作対象の電動遮蔽装置8の設置される場所の位置情報(緯度・経度情報又は更に高度を加味した情報など)に応じて現在日時を基に日出・日没時刻を自動算出する機能を有し、移動端末1からUIを介して設定されたタイマー操作に関する設定データ(詳細に後述する)を受信保持して管理する。例えば、ユーザ別設定管理部213は、信号処理装置2内の計算機での算出値又は予め計算済の当該タイマー操作対象の電動遮蔽装置8の設置される場所の位置情報(緯度・経度情報又は更に高度を加味した情報など)に応じた年間の日出・日没時刻を示すデータテーブル、又は外部クラウドサービスを参照して自動認識することで、日出・日没時刻を自動算出する。ただし、日出・日没時刻の自動算出は、移動端末1側で行う構成とすることもできる。
【0040】
そして、ユーザ別設定管理部213は、当該設定データに含まれる位置情報を基に当該タイマー操作対象の電動遮蔽装置8の設置される場所を特定し、該位置情報に応じた日出・日没時刻を自動算出し当該設定データに含まれるタイマー動作時間(日出・日没時刻を基準にした時刻)を特定し、当該設定データに含まれる遮蔽材の開閉に係る指定されるタイマー動作の設定に応じて対応するコマンドを生成し、デバイス操作用無線信号処理部215によって該コマンドを含む無線信号を当該タイマー操作対象の電動遮蔽装置8に対し送信させ、当該タイマー操作対象の電動遮蔽装置8に対し当該設定したタイマー動作時間で指定されるタイマー動作を自動で実行させる。
【0041】
尚、当該タイマー操作対象の電動遮蔽装置8の設置される場所の位置情報(緯度・経度情報又は更に高度を加味した情報など)に応じた年間の日出・日没時刻を示すテーブルは、例えば都道府県別の年間の日出・日没時刻を示すものであればよく、厳格な緯度・経度の数値である必要ではない。また、信号処理装置2が設置される時点で当該タイマー操作対象の電動遮蔽装置8の設置される場所の位置情報は特定できるため、信号処理装置2の設置時点に当該位置情報を設定させる構成とする場合には、必ずしも移動端末1からUIを介して当該タイマー操作対象の電動遮蔽装置8の設置される場所の位置情報を設定させる必要はない。換言すれば、移動端末1からUIを介して当該タイマー操作対象の電動遮蔽装置8の設置される場所の位置情報を設定させる構成とするときは、信号処理装置2の設置時点に当該位置情報を設定させる必要が無く、信号処理装置2の構成を設置場所に限定されない汎用化が可能となる。
【0042】
デバイス別状態情報管理部214は、通信確立時の移動端末1に対し、その通信確立時における全ての操作可能な電動遮蔽装置8における遮蔽材の状態(動作中であるか否か、及び非動作中であれば遮蔽材の開閉状態)を、各電動遮蔽装置8の制御ユニット80から取得し、電動遮蔽装置8別(即ちデバイス別)の状態情報管理テーブルを生成し、記憶部23に記憶保持して管理し、当該UI上にデバイス別の状態情報を提示可能とする機能部である。
【0043】
また、デバイス別状態情報管理部214は、通信確立後の移動端末1におけるUI上の操作要求に応じて、操作対象の電動遮蔽装置8についてのみ、遮蔽材の状態(動作中であるか否か、及び非動作中であれば遮蔽材の開閉状態)を、当該電動遮蔽装置8の制御ユニット80から取得し、当該電動遮蔽装置8の状態情報管理テーブルを更新し、記憶部23に記憶保持して管理し、当該UI上に当該操作要求に係るデバイスの状態情報を提示可能とする機能も有する。
【0044】
デバイス操作用無線信号処理部215は、移動端末1に提示したUIを介してユーザの操作に係るコマンドを含む操作対象の電動遮蔽装置8用(即ちデバイス用)の無線信号を生成し、通信部24により当該無線信号を出力する機能部である。
【0045】
また、図2に示すように、移動端末1は、制御部10、タッチパネル式表示部11、及び通信部12を備え、制御部10はUI提示部101を有している。UI提示部101は、ユーザ登録部102、ユーザ別デバイス動作指定設定部103、及びデバイス操作部104を有している。また、ユーザ別デバイス動作指定設定部103は、“グループ操作”の設定をUI上で機能させるグループ設定部1031、及び、“タイマー操作” の設定をUI上で機能させるタイマー設定部1032を備えている。
【0046】
ここで、移動端末1はコンピューターで構成させることができる。当該コンピューターに、制御部10の各機能を実現させるためのプログラムは、当該移動端末1の内部のメモリ(図示せず)に記憶される。コンピューターに備えられる中央演算処理装置(CPU)などの制御で、制御部10の各機能を実現するための処理内容が記述されたプログラムを、適宜、当該メモリから読み込んで、制御部10の各機能に相当する処理を当該コンピューターに実現させることができる。
【0047】
タッチパネル式表示部11は、種々の電動遮蔽装置8を操作可能とするユーザーインターフェース(UI)を提示させるためのタッチパネル式の表示画面を有し、操作者による所定種類のタッチ操作(スワイプ操作、ピンチイン操作、ピンチアウト操作、フリック操作、所定回数のタップ操作、及びロングタップ操作を含む)を検出し、そのタッチ操作に予め関連付けた動作を行うよう構成される。
【0048】
通信部12は、無線ルーター3を介して信号処理装置2との相互通信を行う機能部であり、信号処理装置2はWebサーバとして構成され、移動端末1をWeb端末として機能させる通信接続を行う。
【0049】
UI提示部101は、信号処理装置2におけるUI提示制御部211の制御によって、タッチパネル式表示部11に、屋内に設置される種々の電動遮蔽装置8を操作可能とするUIを提示させる機能部である。ただし、本実施形態の移動端末1は、操作メニューを提示するアプリケーションを予め記憶して、このアプリケーションの実行によりUIをタッチパネル式表示部11に提示することもできる。
【0050】
ユーザ登録部102は、移動端末1に提示されたUIを介してユーザ認証を行うためのユーザID及びパスワードをユーザに設定させ、信号処理装置2におけるユーザ登録管理部212の制御によって管理させる機能部である。
【0051】
ユーザ別デバイス動作指定設定部103は、移動端末1に提示されたUIを介してユーザ毎に種々の電動遮蔽装置8の操作に係る各種設定をユーザに設定させ、信号処理装置2におけるユーザ別設定管理部213の制御によって管理させる機能部である。
【0052】
ユーザ別デバイス動作指定設定部103による各種設定として、指定した電動遮蔽装置8の操作を個別に行う“個別操作”、グループ設定部1031の機能によりグループ指定した複数の電動遮蔽装置8の操作を一括して行う“グループ操作”、並びにタイマー設定部1032の機能により指定した電動遮蔽装置8に対し所定時刻になると指定した動作を行う“タイマー操作”等に関する設定がある。これらの設定はユーザ単位で設定できるようになっている。
【0053】
デバイス操作部104は、タッチパネル式表示部11に提示されるUI上で、操作者による所定種類のタッチ操作(スワイプ操作、ピンチイン操作、ピンチアウト操作、フリック操作、所定回数のタップ操作、及びロングタップ操作を含む)を検出し、そのタッチ操作に予め関連付けた動作を行う機能部である。例えば、デバイス操作部104は、移動端末1に提示されたUIを介して複数の電動遮蔽装置8の操作を個別に行う“個別操作”、ユーザ別デバイス動作指定設定部113の設定機能でグループ指定した複数の電動遮蔽装置8の操作を一括して行う“グループ操作”、及び指定した電動遮蔽装置8に対し所定時刻になると指定した動作を行う“タイマー操作”等を選択的に操作可能とする機能部である。
【0054】
そして、信号処理装置2は、ユーザ別設定管理部213により、移動端末1に提示したUIを介してユーザ毎に種々の電動遮蔽装置8の操作に係る各種設定をユーザに設定させ、記憶部23に記憶保持して管理し、当該UI上に設定内容を提示可能とする。
【0055】
本実施形態では、移動端末1における起動アイコンのタッチ操作で信号処理装置2との通信が確立され、信号処理装置2におけるUI提示制御部211の機能により操作・設定用のUIが移動端末1におけるタッチパネル式表示部11に提示される。当該UIの初期画面として、例えば、図3(a)に示すように、遠隔操作可能とする旨を示す1以上の電動遮蔽装置8が識別可能にタッチパネル式表示部11に表示される。図3(a)に示す例では、“ブラインドNo.1”、“ブラインドNo.4”のように予め登録されているブラインド名で、2台の電動遮蔽装置8を識別可能な選択画面P0がタッチパネル式表示部11に表示されている。“ブラインドNo.1”、“ブラインドNo.4”の選択画面P0に対し、例えば移動端末1の操作者が“ブラインドNo.1”のタスクをタッチ操作で選択すると、図3(b)に例示するUIが提示され、“ブラインドNo.1”の操作・設定が可能となる。
【0056】
図3(b)において、“動かす”のメニューP1、“グループ設定”のメニューP2、及び“タイマー設定”のメニューP3が、ユーザ別デバイス動作指定設定部103の機能により提示される例を示している。移動端末1の操作者によって、“動かす”のメニューP1がタッチ操作で選択されると、“個別操作”又は“グループ操作”として、指定した電動遮蔽装置8(“ブラインドNo.1”)に対する個別の、又は指定した電動遮蔽装置8(“ブラインドNo.1”)が属するグループの操作を一括して遠隔操作する画面が選択的に提示される。
【0057】
例えば図4に示すように、移動端末1の操作者によって、“動かす”のメニューP1がタッチ操作で選択されると(図4(a)参照)、図4(b)に例示するような、“個別操作”を指定するか、又は“グループ操作” を指定するかの選択メニューP4,P5を表示するUIがタッチパネル式表示部11に提示される。図4(b)では、移動端末1の操作者のタッチ操作によって“個別操作” の選択メニューP4が指定され、その旨を示す表示(〇内に黒点)が示されている。
【0058】
そして、図4(b)は、遮蔽材の開閉(本例では昇降)操作と、遮蔽材のチルト(回転)操作が行えるように、タッチパネル式表示部11に、それぞれに対応する当該操作対象の電動遮蔽装置8を模擬したデバイス表示画像P7,P9(背景画像P6,P8)、及び操作可能なタスク(例えば当該遮蔽材の昇降操作としてのタスクU1と、当該遮蔽材の回転操作としてのタスクU2)を示す操作タスク画像が合成表示されるUIを提示する例である。図4(b)における“戻る”のタスクU3のタッチ操作で、図4(a)に示す画面に戻るようになっている。
【0059】
このような図4(b)に示す例において、移動端末1は、操作対象の電動遮蔽装置8に対し操作者の所望位置での遮蔽材の開閉(本例では昇降)操作、操作者の所望位置での遮蔽材のチルト(回転)操作が可能であり、更に、順次アニメーションのようにデバイス表示画像P7,P9を更新提示するとともに、逐次、当該操作対象の電動遮蔽装置8の現在状態に応じたタスクU1,U2を示す操作タスク画像を動的に合成表示することで、移動端末1の操作者は、直感的に理解でき、その操作性を向上させることができる。尚、“グループ操作”の指定で、操作対象の電動遮蔽装置8に対し所望位置での遮蔽材の開閉(本例では昇降)操作、所望位置での遮蔽材のチルト(回転)操作を行うときは、当該操作対象の電動遮蔽装置8が属するグループ内の全ての電動遮蔽装置8が一括して動作し、チルト(回転)操作に対応していない電動ロールスクリーン等の電動遮蔽装置8は遮蔽材の開閉(本例では昇降)操作のみが行われる。
【0060】
また、図3(b)において、移動端末1の操作者によって、“グループ設定”のメニューP2が選択されると、グループ設定部1031の機能により、指定した電動遮蔽装置8(“ブラインドNo.1”)が属するグループの設定又は設定変更等の画面が提示される(図示せず)。
【0061】
そして、図3(b)において、移動端末1の操作者によって、“タイマー設定”のメニューP3が選択されると、タイマー設定部1032の機能により、指定した電動遮蔽装置8(“ブラインドNo.1”)に対し所定時刻になると指定した動作を行う“タイマー操作”に関する設定の画面が提示される。
【0062】
(タイマー操作の設定)
特に、本実施形態に係るタイマー設定部1032の機能は、図5を参照して詳細に後述するが、従来技法のような電動ブラインドの遮蔽材の開閉(本例では昇降)操作又はチルト(回転)操作に係るタイマー設定に関する時間設定とは別に、地域や季節等に応じた日出・日没時刻の変化に自動的に対応させ、且つ指定した動作をタイマー操作対象の電動遮蔽装置8に対し自動に行わせるタイマー操作を可能とするよう構成される。
【0063】
このため、本実施形態に係るタイマー設定部1032の機能は、図6を参照して詳細に後述するが、タイマー操作対象の電動遮蔽装置8の位置情報(緯度・経度情報又は更に高度を加味した情報など)の設定と、タイマー動作時間(日出・日没時刻を基準にした時刻)の設定と、遮蔽材の開閉に係る指定されるタイマー動作の設定とを行うUIを提示する。これらの設定情報を含む設定データは移動端末1から信号処理装置2に送信され、信号処理装置2によって、タイマー操作対象の電動遮蔽装置8のタイマー動作を実行させるように構成している。
【0064】
また、本実施形態に係るタイマー設定部1032の機能は、図7を参照して詳細に後述するが、季節変化に対応させるための月指定、曜日指定、及び日にち指定のうちいずれか1つ以上の例外設定を許容して、例外設定によって指定した動作をタイマー操作対象の電動遮蔽装置8に対し自動に行わせるタイマー操作を可能とするよう構成される。
【0065】
(タイマー操作の日出・日没時刻設定)
図5(a),(b)は、それぞれ本発明による一実施形態の移動端末1による電動遮蔽装置8の遠隔操作のための一実施例のデバイス操作画面(操作選択画面/タイマー設定第1画面)を例示する図である。
【0066】
移動端末1の操作者によって、“タイマー設定”のメニューP3がタッチ操作で選択されると(図5(a)参照)、タイマー設定部1032の機能によって、タイマー設定第1画面として図5(b)に例示するような、“日出・日没自動”を指定するか、又は“時間を指定” を指定するかの選択メニューP10,P11を表示するUIがタッチパネル式表示部11に提示される。図5(b)では、移動端末1の操作者のタッチ操作によって“日出・日没自動” の選択メニューP10が指定され、その旨を示す表示(〇内に黒点)が示されている。
【0067】
タイマー設定に係る日没・日出時刻は、本実施形態では信号処理装置2によって自動算出する構成としているが、移動端末1によって自動算出する構成とすることもできる。よって、タイマー設定に係る日没・日出時刻は、移動端末1又は信号処理装置2の現在日時の日付データに基づき移動端末1又は信号処理装置2内の計算機での算出値又は予め計算済の当該タイマー操作対象の電動遮蔽装置8の設置される場所の位置情報(緯度・経度情報又は更に高度を加味した情報など)に応じた年間の日出・日没時刻を示すデータテーブル、又は外部クラウドサービスを参照して自動認識され、タイマー動作時刻について日没・日出時刻に対しそれぞれ±○分といった設定を“△/▽”のタスクU4,U5のタッチ操作で操作者が行えるようにする。
【0068】
尚、“時間を指定” の選択メニューP11が指定されたときは、従来技法のような電動ブラインドの遮蔽材の開閉(本例では昇降)操作又はチルト(回転)操作に係るタイマー設定に関する時間設定が可能であり、朝・夕でそれぞれ○時○分といった設定を“△/▽”のタスクU6,U7のタッチ操作で操作者が行うことができる。
【0069】
また、“日出・日没自動”の設定と、“時間を指定” の設定のいずれを優先させるかは予め定めておくか、又は最新に設定した一方を優先させ他方は無効にするか、或いは“日出・日没自動”の設定や“時間を指定” の設定時に、“クリア”のタスクU8のタッチ操作で「設定なし」を示す表示状態にすることで、優先設定できるようにする。
【0070】
そして、図5(b)における“次へ”のタスクU9のタッチ操作で、以下に説明するタイマー操作の動作設定と位置情報設定に関する図6(a)に示すタイマー設定第2画面に移行するようになっている。
【0071】
(タイマー操作の動作設定と位置情報設定)
図6(a),(b)は、それぞれ本発明による一実施形態の移動端末1による電動遮蔽装置8の遠隔操作のための一実施例のデバイス操作画面(タイマー設定第2画面/タイマー設定第3画面)を例示する図である。
【0072】
図6(a)に示すタイマー設定第2画面は、「朝の動作」と「夕の動作」のそれぞれについて、操作者の所望位置での遮蔽材の開閉(本例では昇降)のタイマー動作設定と、操作者の所望位置での遮蔽材のチルト(回転)のタイマー動作設定が行えるようにUIがタッチパネル式表示部11に提示される。図6(a)に示す例では、「朝の動作」と「夕の動作」のそれぞれに対応する当該タイマー操作対象の電動遮蔽装置8を模擬したデバイス表示画像P13,P15、或いはP17,P19(背景画像P12,P14、或いはP16,P18)、及びタイマー動作設定可能なタスク(例えば当該遮蔽材の昇降動作としてのタスクU10,U12、或いは当該遮蔽材の回転動作としてのタスクU11,U13)を示すタイマー動作設定タスク画像が合成表示されたUIが提示される。
【0073】
図6(a)に示すタイマー設定第2画面で、操作者は日出、日没のそれぞれに対応する所望のタイマー動作(高さ、角度)を設定することができる。そして、図6(a)における“次へ”のタスクU13のタッチ操作で、以下に説明するタイマー操作の位置情報設定に関する図6(b)に示すタイマー設定第3画面に移行するようになっている。
【0074】
タイマー設定に係る日没・日出時刻は、電動遮蔽装置8が設置されている地域によっても変化するため、図6(b)に示すタイマー設定第3画面として、電動遮蔽装置8が設置されている場所の位置情報(緯度・経度情報又は更に高度を加味した情報など)を設定するために、“地図からの指定”によるか、又は“GPS自動”によるかの選択メニューP20,P21を表示するUIがタッチパネル式表示部11に提示される。操作者のタッチ操作で“地図からの指定” の選択メニューP20が指定された時は、移動端末1はインターネット経由で所得した地図を表示させ、位置指定のタスクU14を達し操作で行うことで、電動遮蔽装置8が設置されている場所の位置情報(緯度・経度情報又は更に高度を加味した情報など)を設定する。電動遮蔽装置8が設置されている場所に移動端末1の操作者が居る場合では、操作者はタッチ操作で“GPS自動” の選択メニューP21を指定し、移動端末1の位置認識情報(GPS、又は近隣受信基地局からの推定位置)を参照して、当該位置情報(緯度・経度情報又は更に高度を加味した情報など)を自動設定する。
【0075】
以上のような図5及び図6に係る設定操作の後、図6(b)における“設定”のタスクU15のタッチ操作でタイマー操作の設定を完了させ、タイマー操作の設定に係る指定動作、日没・日出時刻を基準にしたタイマー動作時間、及び位置情報(緯度・経度情報又は更に高度を加味した情報など)を含む設定データが信号処理装置2に送信され、信号処理装置2に保存され管理される。
【0076】
信号処理装置2は、ユーザ別設定管理部213によって当該設定データに応じて対応するコマンドを、タイマー操作対象の電動遮蔽装置8に送信し自動動作させる。
【0077】
尚、当該設定データは、ユーザID単位で移動端末1又は指定した電動遮蔽装置8の制御ユニット80のいずれかに保存されるものとしてもよい。移動端末1に当該設定データが保存されている場合では、当該設定データに応じて対応するコマンドを、信号処理装置2経由でタイマー操作対象の電動遮蔽装置8に送信し自動動作させる。電動遮蔽装置8の制御ユニット80に当該設定データが保存されている場合では、当該制御ユニット80は当該設定データに応じて自動動作させる。
【0078】
このようにして、本実施形態では、移動端末1によって日出、日没のそれぞれに対応する電動遮蔽装置8の動作(遮蔽材の高さ、角度)を設定し、電動遮蔽装置8の設置場所の位置情報(緯度・経度情報又は更に高度を加味した情報など)に応じた日没・日出時刻に基づき指定のタイマー動作を自動で実行させるように構成される。
【0079】
また、タイマー動作は、季節や曜日、日にちによっては異なる指定動作を行わせたい場合もある。例えば、休日の朝は電動遮蔽装置8の遮蔽材を開けたくないときや、開閉する時間を遅くしたい場合などがある。そこで、本実施形態では、月指定の期間ごとに、曜日ごとに、或いは日にちを指定して、別のタイマー動作を設定することができるようになっている。具体的には、図6(b)における“例外”のタスクU16のタッチ操作で、以下に説明するタイマー操作の例外設定に関する図7(a)に示すタイマー例外設定第1画面に移行するようになっている。
【0080】
(タイマー操作の例外設定)
図7(a),(b),(c)は、それぞれ本発明による一実施形態の移動端末1による電動遮蔽装置8の遠隔操作のための一実施例のデバイス操作画面(タイマー例外設定第1画面/タイマー例外設定第2画面/タイマー例外設定第3画面)を例示する図である。
【0081】
上述した図6(b)における“例外”のタスクU16のタッチ操作で、タイマー操作の例外設定に関する図7(a)に示すタイマー例外設定第1画面に移行する。
【0082】
図7(a)に示すタイマー例外設定第1画面では、“朝のタイマー例外動作の月指定”の画面例を示している。「朝のタイマー例外動作」について、「月指定」により、操作者の所望位置での遮蔽材の開閉(本例では昇降)のタイマー動作設定と、操作者の所望位置での遮蔽材のチルト(回転)のタイマー動作設定が行えるようにUIがタッチパネル式表示部11に提示される。図7(a)に示す例では、朝のタイマー例外動作を行わせるための当該タイマー操作対象の電動遮蔽装置8を模擬したデバイス表示画像P23,P25(背景画像P22,P24)、及びタイマー例外動作設定可能なタスク(例えば当該遮蔽材の昇降動作としてのタスクU17、或いは当該遮蔽材の回転動作としてのタスクU18)を示すタイマー例外動作設定タスク画像が合成表示されたUIが提示される。
【0083】
また、スケジューラ画面26上のタスクU19のタッチ操作で、本例では表示濃度又は表示色で識別可能に「月指定」で例外動作を指定できるようになっている。そして、図7(a)における“次へ”のタスクU20のタッチ操作で、図7(b)に示すタイマー例外設定第2画面に移行する。
【0084】
図7(b)に示すタイマー例外設定第2画面では、“朝のタイマー例外動作の曜日/日にち指定”の画面例を示している。図7(b)に示す例では、移動端末1の操作者によって、 “曜日を指定”とするか、又は“日にちを指定” とするかの選択メニューP27,P28を表示するUIがタッチパネル式表示部11に提示される。図7(b)に示す例では、移動端末1の操作者のタッチ操作によって“日にちを指定” の選択メニューP28が指定され、その旨を示す表示(〇内に黒点)が示されている。“日にちを指定” の選択メニューP28のスケジューラ画面上のタスクU22のタッチ操作で、1つ又は複数の日にちについて、本例では表示濃度又は表示色で識別可能に「日にち」で例外動作を指定できるようになっている。
【0085】
尚、移動端末1の操作者のタッチ操作によって“曜日を指定”の選択メニューP27が指定された場合では、所望の1つ又は複数の曜日をタスクU21のタッチ操作で指定できる。そして、図7(b)における“次へ”のタスクU23のタッチ操作で、図7(c)に示すタイマー例外設定第3画面に移行する。
【0086】
図7(c)に示すタイマー例外設定第3画面では、“曜日/日にち指定時の例外動作の設定”の画面例を示している。図7(c)に示す例では、移動端末1の操作者によって、 “動かさない”を指定するか、又は“以下の設定で動かす” を指定するかの選択メニューP29,P30を表示するUIがタッチパネル式表示部11に提示される。図7(c)に示す例では、移動端末1の操作者のタッチ操作によって“動かさない” の選択メニューP29が指定され、その旨を示す表示(〇内に黒点)が示されている。
【0087】
尚、移動端末1の操作者によって“以下の設定で動かす” の選択メニューP30が指定された場合では、操作者の所望位置での遮蔽材の開閉(本例では昇降)のタイマー動作設定と、操作者の所望位置での遮蔽材のチルト(回転)のタイマー動作設定が行えるようにUIがタッチパネル式表示部11に提示される。図7(c)に示す例では、その朝のタイマー例外動作を行わせるための当該タイマー操作対象の電動遮蔽装置8を模擬したデバイス表示画像P32,P34(背景画像P31,P33)、及びタイマー例外動作設定可能なタスク(例えば当該遮蔽材の昇降動作としてのタスクU24、或いは当該遮蔽材の回転動作としてのタスクU25)を示すタイマー例外動作設定タスク画像が合成表示されたUIが提示される。
【0088】
このように、本実施形態では、月指定の期間ごとに、曜日ごとに、或いは日にちを指定して、別のタイマー動作を設定することができる。そして、図7(c)における“戻る”のタスクU26のタッチ操作で、図6(b)に示すタイマー例外設定第1画面に移行するようになっている。尚、“戻る”のタスクU26のタッチ操作で、設定が完了するものとしてもよいし、“戻る”ボタンとは別に“設定”ボタンを並設させて、この“設定”のタッチ操作で図7の一連のタイマー設定を完了するようにしてもよい。
【0089】
以上のような図7の例外設定を含み、図5及び図6に係る設定操作の後、図6(b)における“設定”のタスクU15のタッチ操作でタイマー操作の設定を完了させ、タイマー操作の設定に係る例外設定を含む指定動作、日没・日出時刻を基準にしたタイマー動作時間、及び位置情報(緯度・経度情報又は更に高度を加味した情報など)を含む設定データが信号処理装置2に送信され、信号処理装置2に保存され管理される。
【0090】
信号処理装置2は、ユーザ別設定管理部213によって当該設定データに応じて対応するコマンドを、タイマー操作対象の電動遮蔽装置8に送信し自動動作させる。
【0091】
上述したように、当該設定データは、ユーザID単位で移動端末1又は指定した電動遮蔽装置8の制御ユニット80のいずれかに保存されるものとしてもよい。移動端末1に当該設定データが保存されている場合では、当該設定データに応じて対応するコマンドを、信号処理装置2経由でタイマー操作対象の電動遮蔽装置8に送信し自動動作させる。電動遮蔽装置8の制御ユニット80に当該設定データが保存されている場合では、当該制御ユニット80は当該設定データに応じて自動動作させる。
【0092】
このようにして、本実施形態では、移動端末1によって、例外設定を含み、日出、日没のそれぞれに対応する電動遮蔽装置8の動作(遮蔽材の高さ、角度)を設定し、電動遮蔽装置8の設置場所の位置情報(緯度・経度情報又は更に高度を加味した情報など)に応じた日没・日出時刻に基づき指定のタイマー動作を自動で実行させるように構成される。
【0093】
従って、本実施形態によれば、位置情報(緯度・経度情報又は更に高度を加味した情報など)データと日出・日没時刻データから、電動遮蔽装置8のタイマー動作させる時間を設定させることができ、地域や季節等で変化する日出・日没時刻に応じて適応的に電動遮蔽装置8を自動動作させることができ、タイマー設定を容易化し、利便性の高い自動化されたタイマー動作ができるようになる。
【0094】
以上、特定の実施形態の例を挙げて本発明を説明したが、本発明は前述の実施形態の例に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば、上述した例では移動端末1によってタイマー設定を行う特定の実施形態の例を上げて説明したが、信号処理装置2によって、タイマー設定に係る同様の機能を持たせた構成とすることもできる。従って、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載によってのみ制限される。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明によれば、地域や季節等で変化する日出・日没時刻に応じて適応的に電動遮蔽装置を自動動作させることができるので、移動端末により電動遮蔽装置を操作可能とするシステムの用途に有用である。
【符号の説明】
【0096】
1 移動端末
2 信号処理装置
3 無線ルーター
8 電動遮蔽装置
10 制御部
11 タッチパネル式表示部
12 通信部
21 制御部
22,24 通信部
23 記憶部
80 制御ユニット
81 リモートコントローラ
82 有線スイッチ
101 UI提示部
102 ユーザ登録部
103 ユーザ別デバイス動作指定設定部
104 デバイス操作部
211 UI提示制御部
212 ユーザ登録管理部
213 ユーザ別設定管理部
214 デバイス別状態情報管理部
215 デバイス操作用無線信号処理部
1031 グループ設定部
1032 タイマー設定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7