IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ボッシュ株式会社の特許一覧 ▶ ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツングの特許一覧

<>
  • 特許-駆動用電動機及び電動車両 図1
  • 特許-駆動用電動機及び電動車両 図2
  • 特許-駆動用電動機及び電動車両 図3
  • 特許-駆動用電動機及び電動車両 図4
  • 特許-駆動用電動機及び電動車両 図5
  • 特許-駆動用電動機及び電動車両 図6
  • 特許-駆動用電動機及び電動車両 図7
  • 特許-駆動用電動機及び電動車両 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-14
(45)【発行日】2022-10-24
(54)【発明の名称】駆動用電動機及び電動車両
(51)【国際特許分類】
   H02K 21/22 20060101AFI20221017BHJP
   B62M 7/12 20060101ALI20221017BHJP
   H02K 21/14 20060101ALI20221017BHJP
【FI】
H02K21/22 M
B62M7/12
H02K21/14 M
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018124337
(22)【出願日】2018-06-29
(65)【公開番号】P2020005440
(43)【公開日】2020-01-09
【審査請求日】2021-04-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000003333
【氏名又は名称】ボッシュ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 始
(74)【代理人】
【識別番号】100182626
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 剛
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 研介
(72)【発明者】
【氏名】重松 隆史
【審査官】谿花 正由輝
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-107718(JP,A)
【文献】特開2016-096706(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 21/22
B62J 99/00
B62M 7/12
H02K 21/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動車両(200)の車輪(220)を回転させる駆動力を発生させる駆動用電動機(1)であって、
回転軸(11)を中心に回転するロータ(10)と、
ステータ(20)と、
前記ロータ(10)及び前記ステータ(20)のうちで外周側に配置された方である外周側部品(2)を前記回転軸(11)方向に移動させる移動装置(100)と、
を備え、
前記移動装置(100)は、少なくとも一部の部材が前記ロータ(10)と共に回転し、該回転によって慣性力が作用する慣性力作用部(110)を含み、
前記外周側部品(2)は、前記慣性力によって、前記回転軸(11)方向に移動する構成であり、
前記慣性力作用部(110)は、
前記ロータ(10)と共に回転する第1部材(111)と、
前記回転軸(11)方向に前記第1部材(111)と対向して配置されている第2部材(112)と、
前記第1部材(111)と前記第2部材(112)との間に配置され、前記慣性力によって前記回転軸(11)から離れる方向へ移動する移動体(113)と、
を備え、
前記第1部材(111)及び前記第2部材(112)のうちの一方が前記外周側部品(2)と接続され、
前記ロータ(10)が回転した際、前記移動体(113)が前記回転軸(11)から離れる方向に移動して前記第1部材(111)と前記第2部材(112)との間を押し広げ、前記外周側部品(2)が前記回転軸(11)方向に移動する構成であり、
前記外周側部品(2)は前記ロータ(10)であり、
前記第1部材(111)が前記ロータ(10)と接続されている
駆動用電動機(1)。
【請求項2】
前記移動体(113)は球である
請求項に記載の駆動用電動機(1)。
【請求項3】
請求項1又は請求項に記載の駆動用電動機(1)と、
前記駆動用電動機(1)の駆動力によって回転する前記車輪(220)と、
を備えた電動車両(200)。
【請求項4】
前記ロータ(10)は、前記車輪(220)のタイヤ(221)の内周側に配置されて、前記回転軸(11)方向に移動自在に前記タイヤ(221)と接続され、
前記ロータ(10)と前記タイヤ(221)とが共に回転する構成である
請求項に記載の電動車両(200)。
【請求項5】
電動二輪車である
請求項3又は請求項に記載の電動車両(200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動車両の車輪を回転させる駆動力を発生させる駆動用電動機、及び、該駆動用電動機を備えた電動車両に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の車両には、車輪を回転させる駆動源として電動機を備えた電動車両が提案されている。そして、電動車両の車輪を回転させる駆動力を発生させる駆動用電動機では、ロータが高速回転した際に生じる逆起電力を低減するために様々な提案がなされている。例えば、特許文献1に記載の駆動用電動機は、ステータをロータの回転軸方向に移動させることにより、ロータとステータとの相対的位置を変更でき、ロータの磁石とステータのコイルとの対向面積を変更できる構成となっている。このように駆動用電動機を構成することにより、ロータを高速回転させる際にロータの磁石とステータのコイルとの対向面積を小さくすることで、逆起電力を低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-300760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の駆動用電動機は、ステータをロータの回転軸方向に移動させるアクチュエータが必要である。アクチュエータとは、油圧又は電動機を用いた駆動装置である。このため、特許文献1に記載の駆動用電動機は、ステータをロータの回転軸方向に移動させる専用のアクチュエータが必要となり、製造コストが上昇してしまうという課題があった。
【0005】
本発明は、上述の課題を背景としてなされたものであり、ロータの回転軸方向においてロータとステータとの相対的位置を変更でき、製造コストを抑制することができる駆動用電動機、及び該駆動用電動機を備えた電動車両を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る駆動用電動機は、電動車両の車輪を回転させる駆動力を発生させる駆動用電動機であって、回転軸を中心に回転するロータと、ステータと、前記ロータ及び前記ステータのうちで外周側に配置された方である外周側部品を前記回転軸方向に移動させる移動装置と、を備え、前記移動装置は、少なくとも一部の部材が前記ロータと共に回転し、該回転によって慣性力が作用する慣性力作用部を含み、前記外周側部品は、前記慣性力によって、前記回転軸方向に移動する構成となっている。
【0007】
また、本発明に係る電動車両は、本発明に係る駆動用電動機と、前記駆動用電動機の駆動力によって回転する車輪と、を備えている。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る駆動用電動機は、ロータの回転によって発生する慣性力を用いて、ロータの回転軸方向においてロータとステータとの相対的位置を変更する。このため、本発明に係る駆動用電動機は、ロータ又はステータをロータの回転軸方向に移動させるための専用のアクチュエータを必要としない。したがって、本発明に係る駆動用電動機は、ロータの回転軸方向においてロータとステータとの相対的位置を変更でき、且つ、製造コストの上昇を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態1に係る電動二輪車の概略構成を示す図である。
図2】本発明の実施の形態1に係る電動二輪車の後車輪の概略構成を示す断面図である。
図3】本発明の実施の形態1に係る電動二輪車の後車輪の概略構成を示す断面図である。
図4】本発明の実施の形態1に係る駆動用電動機の移動装置の第2部材及び移動体を、図2に示すZ方向から観察した図である。
図5】本発明の実施の形態1に係る駆動用電動機の別の一例における移動装置の第2部材及び移動体を示す図である。
図6】本発明の実施の形態2に係る電動二輪車の概略構成を示す図である。
図7】本発明の実施の形態2に係る駆動用電動機の概略構成を示す断面図である。
図8】本発明の実施の形態2に係る駆動用電動機の概略構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を適宜参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0011】
なお、以下では、本発明が電動二輪車に採用される場合を説明するが、本発明は、電動二輪車以外の電動車両(例えば、電動三輪車、電動四輪車等)に採用されてもよい。また、電動車両には、電動自転車も含まれる。電動自転車とは、車輪を駆動する駆動モータを備え、ペダルに付与される踏力によっても路上を推進することができる車両のことである。
【0012】
また、以下で説明する構成及び動作等は本発明の一例であり、本発明は、そのような構成及び動作等である場合に限定されない。
【0013】
また、各図において、同一又は相当関係にある部材又は部分には、同一の符号を付すか、又は、符号を付すことを省略している。また、各図において、詳細部分の図示が適宜簡略化または省略されている。また、以下の図では、他の構成に隠れている構成を指し示す場合、破線の引き出し線を用いて指し示すこととする。
【0014】
実施の形態1.
<電動二輪車の構成>
本実施の形態1に係る電動二輪車200について説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施の形態1に係る電動二輪車の概略構成を示す図である。
電動二輪車200は、車体201と、フロントフォーク202を介して車体201に回転自在に接続された前車輪210と、スイングアーム203を介して車体201に回転自在に接続された後車輪220とを備える。
【0016】
また、電動二輪車200は、車体201に取り付けられたアクセルレバー204と、車体201に組み込まれた制御装置230と、車体201に組み込まれた電池240と、後車輪220を回転させる駆動力を発生させる駆動用電動機1とを備える。
【0017】
制御装置230は、例えば、マイコン、マイクロプロセッサユニット等を含んで構成されてもよく、また、ファームウェア等の更新可能なものを含んで構成されてもよく、また、CPU等からの指令によって実行されるプログラムモジュール等を含んで構成されてもよい。制御装置230は、アクセルレバー204を介してドライバから入力されるアクセル開度に応じた電流を電池240から駆動用電動機1に供給することによって、駆動用電動機1の回転数を制御するようになっている。
【0018】
<駆動用電動機の構成>
続いて、本実施の形態1に係る駆動用電動機1の構成について説明する。
【0019】
図2及び図3は、本発明の実施の形態1に係る電動二輪車の後車輪の概略構成を示す断面図である。また、図4は、本発明の実施の形態1に係る駆動用電動機の移動装置の第2部材及び移動体を、図2に示すZ方向から観察した図である。図2及び図3は、ロータ10の回転軸11を通り、該回転軸11と平行な仮想平面で後車輪220を切断した図面となっている。ここで、図3は、図2の状態からロータ10が回転軸11方向に移動し、ロータ10の磁石12とステータ20のコイル21との対向面積が図2の状態よりも小さくなっている状態を示している。なお、ロータ10の回転軸11方向とは、回転軸11が延びる方向であり、図2及び図3では紙面左右方向となっている。また、ロータ10の磁石12とステータ20のコイル21との対向面積とは、ロータ10の磁石12とステータ20のコイル21とが対向している範囲の面積である。
【0020】
駆動用電動機1は、ステータ20と、回転軸11を中心としてステータ20に対して回転するロータ10とを備えている。また、本実施の形態1では、駆動用電動機1は、回転軸11と同軸状に配置されたシャフト30を備えている。このシャフト30は、スイングアーム203に固定されている。また、シャフト30には、後車輪220のリム222が回転自在に取り付けられている。本実施の形態1では、リム222は、シャフト30に設けられたラジアル軸受41及びラジアル軸受42を介して、シャフト30に回転自在に取り付けられている。また、リム222の外周面には、タイヤ221が接続されている。駆動用電動機1は、リム222に収容されている。
【0021】
ロータ10は、例えば一端が塞がった、中空の円筒形状をしている。このロータ10は、回転軸11方向に移動自在で、回転軸11を中心として回転自在に、シャフト30に取り付けられている。本実施の形態1では、ロータ10は、ロータリースプライン軸受43を介して、シャフト30に取り付けられている。ロータリースプライン軸受43とは、例えば、ラジアル軸受とスプライン軸受とが組み合わされた複合型軸受である。
【0022】
また、ロータ10は、リム222に対して回転せず、リム222に対して回転軸11方向に移動自在に、リム222と接続されている。本実施の形態1では、ロータ10は、スライドレール44を介して、リム222と接続されている。すなわち、ロータ10は、スライドレール44及びリム222を介して、タイヤ221と接続されている。したがって、駆動用電動機1を駆動すると、ロータ10と共にリム222及びタイヤ221も回転する。また、ロータ10は、内周面に、後車輪220の周方向に沿って環状に配置された複数の磁石12を有する。
【0023】
ステータ20は、シャフト30に接続されている。換言すると、ステータ20は、シャフト30に固定されている。このステータ20は、外周面に、後車輪220の周方向に沿って環状に配置された複数のコイル21を有する。これら複数のコイル21は、環状に配置された複数の磁石12の内周側に配置され、これら複数の磁石12と対向している。すなわち、駆動用電動機1は、ロータ10がステータ20の外側に設けられるアウターロータ型の電動機である。
【0024】
また、上述のように、ロータ10は、後車輪220のタイヤ221の内周側に配置されて、タイヤ221と接続されている。そして、ロータ10とタイヤ221とが共に回転する。すなわち、駆動用電動機1は、インホイール電動機となっている。なお、以下では、ロータ10及びステータ20のうちで外周側に配置された方を、外周側部品2と称する場合がある。すなわち、本実施の形態1では、ロータ10が外周側部品2となる。
【0025】
ここで、本実施の形態1に係る駆動用電動機1は、外周側部品2であるロータ10を回転軸11方向に移動させる機構として、移動装置100を備えている。この移動装置100は、慣性力作用部110及びバネ101を備えている。
【0026】
慣性力作用部110には、少なくとも一部の部材がロータ10と共に回転し、該回転によって慣性力が作用する。詳しくは、慣性力作用部110は、第1部材111、第2部材112及び移動体113を備えている。第1部材111は、略円板形状をしており、中心部にシャフト30が貫通している。また、第1部材111は、ロータリースプライン軸受43に接続されている。すなわち、第1部材111は、ロータリースプライン軸受43を介して、ロータ10に接続されている。このため、第1部材111は、ロータ10と共に回転する。また、第1部材111は、ロータ10と共に回転軸11方向に移動する。なお、第1部材111は、ロータ10と直接接続されていてもよい。
【0027】
第2部材112は、略円板形状をしており、中心部にシャフト30が貫通している。また、第2部材112は、回転軸11方向に第1部材111と対向して配置されている。本実施の形態1では、第2部材112は、第1部材111を基準として、ロータ10とは反対側に配置されている。第2部材112は、ラジアル軸受41に接続されている。換言すると、第2部材112は、ラジアル軸受41を介して、リム222と接続されている。このため、第2部材112は、リム222及びロータ10と共に回転する。なお、第2部材112とリム222とを直接接続してもよい。
【0028】
移動体113は、第1部材111と第2部材112との間に配置されている。移動体113は、円筒状のローラである。図4に示すように、第2部材112には、円筒状のローラである移動体113の中心軸方向の両端部と対向する位置に、側壁112cが設けられている。これにより、第2部材112には、側壁112c間に、該第2部材112の中心部から径方向に延びる溝112bが形成されている。移動体113は、当該溝112bに、回転して前記径方向に移動自在に配置されている。すなわち、側壁112c間に、移動体113の収容空間が形成される。このため、ロータ10と共に第2部材112が回転すると、移動体113は、溝112bを形成する側壁112cに押されて、第2部材112と共に回転することとなる。そして、移動体113は、当該回転時に移動体113に作用する慣性力によって、第2部材112の外周側へ移動することとなる。上述のように、第2部材112の中心部には、回転軸11と同軸状に配置されたシャフト30が貫通している。このため、移動体113は、回転時に移動体113に作用する慣性力によって、回転軸11から離れる方向へ移動することとなる。
【0029】
なお、溝112b及び移動体113の数は任意であるが、本実施の形態1では、複数の溝112bが第2部材112に形成され、溝112bのそれぞれに移動体113が配置されている。そして、これらの溝112bは、等角度間隔で配置されている。各移動体113が回転し、各移動体113に慣性力が作用した際、該慣性力は、シャフト30を介して、ラジアル軸受41及びラジアル軸受42等で支持される。この際、移動体113が配置された複数の第2部材112を等角度間隔で配置することにより、各移動体113が回転した際にシャフト30にかかるラジアル方向の荷重の不均衡を抑制でき、各移動体113が回転した際にラジアル軸受41及びラジアル軸受42等にかかる荷重を低減することができる。すなわち、例えば、ラジアル軸受41及びラジアル軸受42等の損傷を抑制できるという効果を得ることができる。あるいは、ラジアル軸受41及びラジアル軸受42等を小型化及び軽量化でき、駆動用電動機1を小型化及び軽量化できるという効果を得ることができる。
【0030】
また、本実施の形態1では第2部材112に移動体113の収容空間である溝112bを形成したが、移動体113の収容空間が形成される部材は第2部材112に限定されない。第1部材111及び第2部材112のうち、ロータ10と共に回転する部材に移動体113の収容空間を形成すればよい。
【0031】
バネ101は、第1部材111と第2部材112とが近づく方向に、外周側部品2に力を付与するものである。上述のように、本実施の形態1では、ロータ10が外周側部品2となっている。このため、本実施の形態1では、バネ101は、第1部材111と第2部材112とが近づく方向に、ロータ10に力を付与する。詳しくは、本実施の形態1では、バネ101として引張バネを用いている。そして、バネ101の一方の端部は、ロータ10に接続されている。また、バネ101の他方の端部は、リム222の側面のうち、ロータ10を基準として慣性力作用部110側となる側面に接続されている。これにより、ロータ10は、バネ101によって、第1部材111と第2部材112とが近づく方向に引っ張られる。なお、バネ101は、引張バネに限定されない。例えば皿バネ、圧縮バネ等、第1部材111と第2部材112とが近づく方向にステータ20に力を付与できれば、バネ101として種々のバネを用いることができる。
【0032】
バネ101によってロータ10が引っ張られると、ロータ10及び該ロータ10に接続されている第1部材111は、回転軸11方向に、第2部材112へ近づこうとする。そして、図2に示すように、ロータ10が回転していない状態においては、第1部材111と第2部材112との間に移動体113が挟み込まれた状態になると、ロータ10の回転軸11方向の移動が停止する。なお、図2に示すロータ10の位置は、第1部材111と第2部材112とが最も近づく状態であり、ロータ10の磁石12とステータ20のコイル21との対向面積が最も大きい状態となる。なお、この状態から第1部材111と第2部材112とがさらに近づかないように、図示せぬストッパーを設けてもよい。このようなストッパー設ける場合、図2に示す状態において、第1部材111と第2部材112との間に移動体113が挟み込まれていなくてもよい。
【0033】
ここで、図2及び図3に示すように、第1部材111は、回転軸11から離れるにしたがって第2部材112に近づく傾斜部111aを備えている。また、第2部材112は、回転軸11から離れるにしたがって第1部材111に近づく傾斜部112aを備えている。このため、図2及び図3からわかるように、第1部材111と第2部材112との間に移動体113が挟み込まれた状態となっている際、移動体113が回転軸11から離れるほど、第1部材111と第2部材112とが離れる。すなわち、移動体113が回転軸11から離れるほど、第1部材111と接続されているロータ10の位置が図2の状態から回転軸11方向にずれ、ロータ10の磁石12とステータ20のコイル21との対向面積が小さくなる。
【0034】
したがって、ロータ10が回転すると、ロータ10の磁石12とステータ20のコイル21との対向面積は、次のように変化することとなる。詳しくは、ロータ10と共に移動体113が回転すると、移動体113は、慣性力によって、回転軸11から離れる方向へ移動しようとする。すなわち、移動体113は、第1部材111と第2部材112との間を押し広げ、第1部材111及びロータ10を、回転軸11方向であってバネ101を伸ばす方向へ移動させようとする。この際、移動体113が第1部材111及びロータ10を回転軸11方向(図2及び図3において左側から右側へ向かう方向)へ押す力と、バネ101が第1部材111及びロータ10を回転軸11方向(図2及び図3において右側から左側へ向かう方向)へ引っ張る力とが釣り合った位置で、第1部材111及びロータ10は停止する。
【0035】
すなわち、ロータ10及び移動体113の回転数が高くなるほど、移動体113に作用する慣性力は大きくなる。このため、ロータ10及び移動体113の回転数が高くなるほど、移動体113が第1部材111と第2部材112との間を押し広げようとする力が強くなる。したがって、ロータ10及び移動体113の回転数が高くなるほど、ロータ10は図2の状態からの回転軸11方向のずれ量が大きくなり、ロータ10の磁石12とステータ20のコイル21との対向面積が小さくなる。
【0036】
<駆動用電動機の動作>
続いて、本実施の形態1に係る駆動用電動機1の動作について説明する。
ドライバがアクセルレバー204を操作すると、制御装置230は、アクセル開度に応じた電流を電池240から駆動用電動機1に供給する。これにより、駆動用電動機1のロータ10が回転する。
【0037】
ロータ10が回転すると、該ロータ10と共に、第1部材111、第2部材112及び移動体113も回転する。これにより、移動体113に慣性力が作用し、移動体113は、慣性力によって、第1部材111と第2部材112との間を押し広げ、回転軸11から離れる方向へ移動しようとする。そして、移動体113が第1部材111及びロータ10を回転軸11方向(図2及び図3において左側から右側へ向かう方向)へ押す力と、バネ101が第1部材111及びロータ10を回転軸11方向(図2及び図3において右側から左側へ向かう方向)へ引っ張る力とが釣り合った位置で、第1部材111及びロータ10は停止する。この際、ロータ10及び移動体113の回転数が高くなるほど、移動体113に作用する慣性力は大きくなる。このため、ロータ10及び移動体113の回転数が高くなるほど、ロータ10は図2の状態からの回転軸11方向のずれ量が大きくなり、ロータ10の磁石12とステータ20のコイル21との対向面積が小さくなる。
【0038】
<効果>
本実施の形態1に係る駆動用電動機1は、回転軸11を中心に回転するロータ10と、ステータ20と、外周側部品2であるロータ10を回転軸11方向に移動させる移動装置100と、を備えている。移動装置100は、少なくとも一部の部材がロータ10と共に回転し、該回転によって慣性力が作用する慣性力作用部110を含む。そして、外周側部品2であるロータ10は、慣性力作用部110に作用する慣性力によって、回転軸11方向に移動する。
【0039】
本実施の形態1に係る駆動用電動機1は、ロータ10の回転によって発生する慣性力を用いて、回転軸11方向においてロータ10とステータ20との相対的位置を変更する。このため、本実施の形態1に係る駆動用電動機1は、ロータ10又はステータ20を回転軸11方向に移動させるための専用のアクチュエータを必要としない。したがって、本実施の形態1に係る駆動用電動機1は、回転軸11方向においてロータ10とステータ20との相対的位置を変更でき、且つ、製造コストを抑制することができる。
【0040】
また、本実施の形態1に係る駆動用電動機1は、ロータ10又はステータ20を回転軸11方向に移動させるための専用のアクチュエータを必要としないので、駆動用電動機1を小型化できるという効果も得られる。小型化することにより、駆動用電動機1をタイヤ221の内周側に配置することが容易となる。また、小さな車体の電動車両に駆動用電動機1を配置することも容易となる。
【0041】
<変形例>
移動体113は、回転時に移動体113に作用する慣性力によって回転軸11から離れる方向へ移動できれば、円筒状のローラ以外であってもよい。例えば、移動体113として、球を用いることもできる。また例えば、第1部材111と第2部材112との間の気密性が保たれていれば、移動体113としてオイルを用いてもよい。この際、移動体113として球を用いることにより、以下のような効果を得ることができる。
【0042】
移動体113が円筒状のローラの場合、円筒状のローラは、回転軸11から離れる方向及び回転軸11に近づく方向へ第1部材111及び第2部材112に対して相対的に移動する際、第1部材111及び第2部材112の表面を転がることができる。一方、円筒状のローラは、回転軸11を中心として回転する方向に、第1部材111及び第2部材112に対して相対的に移動する場合、第1部材111及び第2部材112の表面を摺動することとなる。このため、回転軸11を中心として回転する方向に円筒状のローラが第1部材111及び第2部材112に対して相対的に移動する場合、円筒状のローラと第2部材112との間の摩擦抵抗が、ロータ10が回転する際の抵抗となる。このため、回転軸11を中心として回転する方向に円筒状のローラが第2部材112に対して相対的に移動する場合、駆動用電動機1の効率が低下してしまう。
【0043】
したがって、図2図4で示した駆動用電動機1では、回転軸11を中心として回転する方向に円筒状のローラが第1部材111及び第2部材112に対して相対的に移動しない構成とし、円筒状のローラと第1部材111及び第2部材112との間の摩擦抵抗を抑制し、駆動用電動機1の効率の低減を抑制していた。詳しくは、第1部材111及び第2部材112がロータ10と共に回転できる構成としていた。また、図4に示すように、溝112bを形成する側壁112cの間隔を、すなわち溝112bの幅を、円筒状のローラの中心軸方向の長さよりもわずかに大きくしていた。すなわち、円筒状のローラは、回転軸11を中心として回転する方向に溝112b内を移動することが抑制されていた。これにより、円筒状のローラは、回転軸11を中心として回転する方向に第1部材111及び第2部材112に対して相対的に移動しない構成となる。
【0044】
これに対して、球は、回転軸11を中心として回転する方向に、第1部材111及び第2部材112に対して相対的に移動する場合、第1部材111及び第2部材112の表面を転がることができる。このため、回転軸11を中心として回転する方向に球が第1部材111及び第2部材112に対して相対的に移動する場合、球と第1部材111及び第2部材112との間の摩擦抵抗は小さい。このため、回転軸11を中心として回転する方向に球が第1部材111及び第2部材112に対して相対的に移動しても、駆動用電動機1の効率の低下は小さい。したがって、移動体113として球を用いる場合、第2部材112がロータ10と共に回転する必要はない。
【0045】
このため、移動体113として球を用いる場合、例えば、第2部材112をシャフト30に取り付け、第2部材112が回転しない構成とすることも可能である。なお、上述のように、この場合、ロータ10と共に回転する第1部材111等の部材に、側壁112cが形成され、移動体113の収容空間が形成されることとなる。また、図5に示すように、移動体113の収容空間を形成する側壁112c間の距離も制限されず、回転軸11を中心として回転する方向に球が側壁112c間を移動できるように、側壁112cを設けることもできる。換言すると、図5に示すように、移動体113の収容空間において回転軸11を中心として回転する方向に球が移動できるように、移動体113の収容空間を形成することができる。このため、移動体113として球を用いることにより、駆動用電動機1の設計の自由度が向上する。なお、図5は、本発明の実施の形態1に係る駆動用電動機の別の一例における移動装置の第2部材及び移動体を示す図である。この図5は、移動体113として球を用いた場合の第2部材112の別の一例を示しており、図4と同じ観察方向となっている。また、この図5は、第2部材112及び移動体113である球がロータ10と共に回転し、球が回転軸11から離れる方向へ移動している状態を示している。
【0046】
本実施の形態1では、回転軸11を通り、回転軸11と平行な仮想平面において、第1部材111の傾斜部111aは、回転軸11から離れるにしたがって直線的に第2部材112に近づく構成となっていた。同様に、回転軸11を通り、回転軸11と平行な仮想平面において、第2部材112の傾斜部112aは、回転軸11から離れるにしたがって直線的に第1部材111に近づく構成となっていた。しかしながら、傾斜部111a及び傾斜部112aの形状は、このような形状に限定されない。
【0047】
第1部材111と第2部材112との間に移動体113を挟み込んだ際の、第1部材111の位置に応じて、ロータ10の位置が変化する。すなわち、第1部材111と第2部材112との間に移動体113を挟み込んだ際の、第1部材111の位置に応じて、ロータ10の磁石12とステータ20のコイル21との対向面積が変化する。また、移動体113の回転軸11からの距離は、ロータ10の回転数に応じた距離となる。このため、ロータ10の回転数と、その際に要求されるロータ10の磁石12とステータ20のコイル21との対向面積とに応じて、傾斜部111a及び傾斜部112aの形状を適宜決定すればよい。
【0048】
本実施の形態1では、駆動用電動機1の駆動力により、後車輪220を回転させた。これに限らず、駆動用電動機1の駆動力により、後車輪220以外の車輪を回転させてもよい。換言すると、本実施の形態1に係る駆動用電動機1はインホイール電動機であるため、後車輪220以外の車輪に駆動用電動機1を組み込んでもよい。
【0049】
駆動用電動機1が搭載される電動車両は、電動二輪車200に限定されない。電動二輪車200以外の他の電動車両に駆動用電動機1を搭載し、駆動用電動機1の駆動力によって車輪を回転させてもよい。電動二輪車200以外の他の電動車両とは、例えば、電動三輪車、電動四輪車等である。また、電動車両には、電動自転車も含まれる。
【0050】
実施の形態2.
インナーロータ型の電動機においても、以下のように、移動装置100を用いて、ロータ10の磁石12とステータ20のコイル21との対向面積を変化させることが可能である。なお、本実施の形態2において記述していない項目については、実施の形態1と同様とする。
【0051】
<電動二輪車の構成>
本実施の形態2に係る電動二輪車200について説明する。
【0052】
図6は、本発明の実施の形態2に係る電動二輪車の概略構成を示す図である。
本実施の形態2に係る駆動用電動機1は、ステータ20の内周側にロータ10が配置されたインナーロータ型の電動機である。この駆動用電動機1は、後車輪220の外部に配置されている。そして、駆動用電動機1と後車輪220とが、駆動用電動機1の駆動力を後車輪220へ伝達する伝達部品250を介して接続されている。
【0053】
詳しくは、本実施の形態2に係る駆動用電動機1は、伝達部品250として、チェーン251、ギヤ252及びギヤ253を備えている。ギヤ252は、チェーン251とかみ合うものである。後述のように、本実施の形態2に係る駆動用電動機1においては、シャフト30は、ロータ10と共に回転し、駆動用電動機1の駆動力を出力する出力シャフトとなっている。ギヤ252は、出力シャフトであるシャフト30に固定されている。ギヤ253もまた、ギヤ252と同様に、チェーン251とかみ合うものである。ギヤ253は、後車輪220に固定されている。これにより、駆動用電動機1の駆動力はギヤ252、チェーン251及びギヤ253を介して後車輪220に伝達され、後車輪220が回転することとなる。
【0054】
なお、チェーン251、ギヤ252及びギヤ253は、伝達部品250の一例である。駆動用電動機1の駆動力を後車輪220に伝達することができれば、伝達部品250は任意である。例えば、出力シャフトであるシャフト30に固定されたプーリ、後車輪220に固定されたプーリ、及びこれらのプーリに引っ掛かるベルトを、伝達部品250としてもよい。
【0055】
<駆動用電動機の構成>
続いて、本実施の形態2に係る駆動用電動機1の構成について説明する。
【0056】
図7及び図8は、本発明の実施の形態2に係る駆動用電動機の概略構成を示す断面図である。図7及び図8は、ロータ10の回転軸11を通り、該回転軸11と平行な仮想平面で駆動用電動機1を切断した図面となっている。ここで、図8は、図7の状態からステータ20が回転軸11方向に移動し、ロータ10の磁石12とステータ20のコイル21との対向面積が図7の状態よりも小さくなっている状態を示している。
【0057】
駆動用電動機1は、ステータ20と、回転軸11を中心としてステータ20に対して回転するロータ10と、移動装置100とを備えている。また、駆動用電動機1は、回転軸11と同軸状に配置されたシャフト30を備えている。また、本実施の形態2に係る駆動用電動機1は、ロータ10、ステータ20及び移動装置100を収容するケース3を備えている。
【0058】
ロータ10は、シャフト30に接続されている。換言すると、ロータ10は、シャフト30に固定されている。また、ロータ10は、外周面に、環状に配置された複数の磁石12を有する。また、シャフト30は、ケース3に設けられたラジアル軸受41及びラジアル軸受42により、回転自在に支持されている。すなわち、本実施の形態2では、シャフト30は、ロータ10と共に回転し、駆動用電動機1の駆動力を出力する出力シャフトとなっている。
【0059】
外周側部品2であるステータ20は、ロータ10の外周側を囲うように設けられている。このステータ20は、ケース3に対して回転せず、回転軸11方向に移動自在に、ケース3と接続されている。本実施の形態2では、ステータ20は、スライドレール44を介して、ケース3と接続されている。ステータ20は、内周面に、環状に配置された複数のコイル21を有する。これら複数のコイル21は、環状に配置された複数の磁石12の外周側に配置され、これら複数の磁石12と対向している。
【0060】
本実施の形態2に係る移動装置100の慣性力作用部110においては、ロータ10と共に回転する第1部材111は、該第1部材111の中心部を貫通するシャフト30に接続されている。換言すると、第1部材111は、シャフト30を介して、ロータ10と接続されている。
【0061】
また、第2部材112は、第1部材111を基準として、ステータ20側に配置されている。また、第2部材112は、ステータ20に接続されている。換言すると、第2部材112は、ステータ20に固定されている。すなわち、第2部材112は、外周側部品2であるステータ20と共に、回転軸11方向に移動する。なお、第2部材112は、他の部材を介してステータ20に接続されていてもよい。
【0062】
また、本実施の形態2では、第2部材112がステータ20に対して回転しない構成となっているので、すなわち第2部材112がロータ10と共に回転しない構成となっているので、移動体113として球を用いている。なお、スラスト軸受等を介して第2部材112とステータ20とを接続し、第2部材112がロータ10と共に回転できる構成としてもよい。この場合、移動体113として円筒状のローラを用いても、上述のように、駆動用電動機1の効率の低減を抑制できる。しかしながら、第2部材112がステータ20に対して回転しない構成とし、移動体113として球を用いることにより、第2部材112をロータ10と共に回転させるためのスラスト軸受等が不要となり、駆動用電動機1の製造コストを低減することができる。
【0063】
<駆動用電動機の動作>
続いて、本実施の形態2に係る駆動用電動機1の動作について説明する。
【0064】
ロータ10が回転すると、該ロータ10と共に、第1部材111及び移動体113も回転する。これにより、移動体113に慣性力が作用し、移動体113は、慣性力によって、第1部材111と第2部材112との間を押し広げ、回転軸11から離れる方向へ移動しようとする。そして、移動体113が第2部材112及びステータ20を回転軸11方向(図7及び図8において左側から右側へ向かう方向)へ押す力と、バネ101が第2部材112及びステータ20を回転軸11方向(図7及び図8において右側から左側へ向かう方向)へ引っ張る力とが釣り合った位置で、第2部材112及びステータ20は停止する。この際、ロータ10及び移動体113の回転数が高くなるほど、移動体113に作用する慣性力は大きくなるので、ステータ20は図7の状態からの回転軸11方向のずれ量が大きくなり、ロータ10の磁石12とステータ20のコイル21との対向面積が小さくなる。
【0065】
<効果>
本実施の形態2に係る駆動用電動機1においては、移動装置100は、慣性力作用部110に作用する慣性力によって、外周側部品2であるステータ20を回転軸11方向に移動させる。
【0066】
本実施の形態2に係る駆動用電動機1は、実施の形態1で示した駆動用電動機1と同様に、ロータ10の回転によって発生する慣性力を用いて、回転軸11方向においてロータ10とステータ20との相対的位置を変更する。このため、本実施の形態2に係る駆動用電動機1も、実施の形態1で示した駆動用電動機1と同様に、ロータ10又はステータ20を回転軸11方向に移動させるための専用のアクチュエータを必要としない。したがって、本実施の形態2に係る駆動用電動機1も、実施の形態1で示した駆動用電動機1と同様に、回転軸11方向においてロータ10とステータ20との相対的位置を変更でき、且つ、製造コストを抑制することができる。
【0067】
また、本実施の形態2に係る駆動用電動機1も、実施の形態1で示した駆動用電動機1と同様に、ロータ10又はステータ20を回転軸11方向に移動させるための専用のアクチュエータを必要としないので、駆動用電動機1を小型化できるという効果が得られる。小型化することにより、小さな車体の電動車両に駆動用電動機1を配置することが容易となる。
【符号の説明】
【0068】
1 駆動用電動機、2 外周側部品、3 ケース、10 ロータ、11 回転軸、12 磁石、20 ステータ、21 コイル、30 シャフト、41 ラジアル軸受、42 ラジアル軸受、43 ロータリースプライン軸受、44 スライドレール、100 移動装置、101 バネ、110 慣性力作用部、111 第1部材、111a 傾斜部、112 第2部材、112a 傾斜部、112b 溝、112c 側壁、113 移動体、200 電動二輪車、201 車体、202 フロントフォーク、203 スイングアーム、204 アクセルレバー、210 前車輪、220 後車輪、221 タイヤ、222 リム、230 制御装置、240 電池、250 伝達部品、251 チェーン、252 ギヤ、253 ギヤ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8