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特許7158998景品支持装置およびそれを備えるゲーム装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-14
(45)【発行日】2022-10-24
(54)【発明の名称】景品支持装置およびそれを備えるゲーム装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 9/30 20060101AFI20221017BHJP
【FI】
A63F9/30 501D
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018198561
(22)【出願日】2018-10-22
(65)【公開番号】P2020065603
(43)【公開日】2020-04-30
【審査請求日】2021-06-10
(73)【特許権者】
【識別番号】511242904
【氏名又は名称】株式会社マーベラス
(74)【代理人】
【識別番号】100137095
【弁理士】
【氏名又は名称】江部 武史
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【弁理士】
【氏名又は名称】朝比 一夫
(72)【発明者】
【氏名】土手 真悟
(72)【発明者】
【氏名】東條 正悟
【審査官】大隈 俊哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-188013(JP,A)
【文献】特開2010-259568(JP,A)
【文献】特開2010-188005(JP,A)
【文献】特開2016-220877(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/00~ 9/20
A63F 9/26~11/00
A47F 5/00~ 8/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム空間を画成する筐体と、前記筐体内に設けられ、前記ゲーム空間から開口を介して景品取出空間に落下させるための景品を支持する部材とを有するゲーム装置に用いられる景品支持装置であって、
前記ゲーム空間に設けられ、前記景品とは異なる展示用の景品を支持する支持棚と、
前記筐体と、前記支持棚との間に設けられ、前記支持棚を可動させる可動機構と、を有し、
前記支持棚は、前記筐体の前記ゲーム空間内における上面の近傍まで設けられていることを特徴とする景品支持装置。
【請求項2】
前記支持棚は、前記筐体の後面に沿って設けられ、
前記可動機構は、前記後面から前記筐体の前面側に、前記支持棚を移動させる請求項1に記載の景品支持装置。
【請求項3】
前記可動機構は、前記開口上に、前記支持棚を移動させる請求項1または2に記載の景品支持装置。
【請求項4】
前記支持棚は、前記支持棚を把持させるための把持部を有する請求項1ないしのいずれかに記載の景品支持装置。
【請求項5】
前記可動機構は、前記支持棚をスライド移動させる請求項1ないしのいずれかに記載の景品支持装置。
【請求項6】
前記可動機構は、前記筐体に設けられた第1のスライド部材と、前記支持棚に設けられ、前記第1のスライド部材と嵌合する第2のスライド部材とを有する請求項1ないしのいずれかに記載の景品支持装置。
【請求項7】
前記第2のスライド部材は、前記支持棚の上面に設けられる請求項に記載の景品支持装置。
【請求項8】
前記可動機構は、前記第1のスライド部材と前記第2のスライド部材との間に設けられ、前記第1のスライド部材に収納される第3のスライド部材をさらに有する請求項に記載の景品支持装置。
【請求項9】
前記第2のスライド部材は、回転部材を含む請求項ないしのいずれかに記載の景品支持装置。
【請求項10】
ゲーム空間を画成する筐体と、
前記筐体内に設けられ、前記ゲーム空間から開口を介して景品取出空間に落下させるための景品を支持する部材と、
前記ゲーム空間内に設けられる景品支持装置と、を有するゲーム装置であって、
前記景品支持装置は、
前記筐体の前記ゲーム空間内における上面の近傍まで設けられ、前記景品とは異なる展示用の景品を支持する支持棚と、
前記筐体と前記支持棚との間に設けられ、前記支持棚を可動させる可動機構と、を有することを特徴とするゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、景品支持装置およびゲーム装置に関する。特に、本発明は、景品を獲得するゲーム装置に用いられる景品支持装置およびそれを備えるゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、景品を獲得するゲーム装置として、クレーンゲーム装置が知られている(例えば特許文献1)。このようなクレーンゲーム装置は、ゲーム空間に、景品を保管、収納する目的等で直接ゲームにおいて獲得の対象にならない宣伝用の景品(ディスプレイ用景品)を展示、陳列している。このような宣伝用の景品は、通常、ゲーム空間の奥側(ゲーム装置の後面側)に設けられる。
【0003】
ゲーム管理者は、景品を補充する目的や景品を交換する目的で、このような景品を出し入れすることがある。しかしながら、ゲーム空間に奥行きがあるため、手が届きにくく、ゲーム管理者によっては、スムーズに景品を出し入れすることができない。
【0004】
また、特許文献1のゲーム装置は、すでに展示、陳列された景品を自動的にゲームフィールドに提供することができる。しかしながら、これから展示、陳列するための景品の補充は、ゲーム管理者が行わなければならない。そのため、依然として上記のような問題が存在する。このようなことから、効率良く景品を補充、交換することができるゲーム装置が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第4179541号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、景品獲得ゲーム装置のゲーム空間内の景品を簡単かつ効率的に交換することができる景品支持装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
また、上記目的は、下記(1)~(11)の本発明により達成されることもできる。
【0008】
(1)ゲーム空間を画成する筐体を有するゲーム装置に用いられる景品支持装置であって、
前記ゲーム空間に設けられ、景品を支持する支持棚と、
前記筐体と、前記支持棚との間に設けられ、前記支持棚を可動させる可動機構と、を有することを特徴とする景品支持装置。
【0009】
(2)前記支持棚は、前記筐体の後面に沿って設けられ、
前記可動機構は、前記後面から前記筐体の前面側に、前記支持棚を移動させる上記(1)に記載の景品支持装置。
【0010】
(3)前記ゲーム装置は、前記ゲーム空間に位置する前記景品を景品取出空間に落下させるための開口を有し、
前記可動機構は、前記開口上に、前記支持棚を移動させる上記(1)または(2)に記載の景品支持装置。
【0011】
(4)前記支持棚は、前記ゲーム空間内において、前記筐体の上面の近傍まで設けられている上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の景品支持装置。
【0012】
(5)前記支持棚は、前記支持棚を把持させるための把持部を有する上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の景品支持装置。
【0013】
(6)前記可動機構は、前記支持棚をスライド移動させる上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の景品支持装置。
【0014】
(7)前記可動機構は、前記筐体に設けられた第1のスライド部材と、前記支持棚に設けられ、前記第1のスライド部材と嵌合する第2のスライド部材とを有する上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の景品支持装置。
【0015】
(8)前記第2のスライド部材は、前記支持棚の上面に設けられる上記(7)に記載の景品支持装置。
【0016】
(9)前記可動機構は、前記第1のスライド部材と前記第2のスライド部材との間に設けられ、前記第1のスライド部材に収納される第3のスライド部材をさらに有する上記(7)に記載の景品支持装置。
【0017】
(10)前記第2のスライド部材は、回転部材を含む上記(7)ないし(9)のいずれかに記載の景品支持装置。
【0018】
(11)ゲーム空間を画成する筐体と、
前記ゲーム空間内に設けられる景品支持装置と、を有するゲーム装置であって、
前記景品支持装置は、
景品を支持する支持棚と、
前記筐体と前記支持棚との間に設けられ、前記支持棚を可動させる可動機構と、を有することを特徴とするゲーム装置。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、景品獲得ゲーム装置のゲーム空間内の景品を簡単かつ効率的に交換することができる景品支持装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本発明の第1実施形態にかかる景品支持装置を含むゲーム装置を模式的に示す斜視図である。
図2図2は、ゲーム装置の構成を示すブロック図である。
図3図3は、ゲーム装置の連結部を模式的に示す斜視拡大図である。
図4図4は、ゲーム装置の景品支持部を模式的に示す図である。(a)は部分斜視図、(b)および(c)は側面図、(d)は上面図である。
図5図5は、ゲーム装置の景品支持部の取り付け状態を模式的に示す図である。(a)は全ての景品支持部が第1の状態であり、(b)は4本の景品支持部が第1の状態であることを示す。
図6図6は、本発明の第1実施形態にかかる景品支持装置の移動状態を模式的に示す拡大斜視図である。
図7図7は、本発明の第2実施形態にかかる景品支持装置を含むゲーム装置を模式的に示す斜視図である。
図8図8は、本発明の第2実施形態にかかる景品支持装置の初期状態を模式的に示す斜視図である。
図9図9は、本発明の第2実施形態にかかる景品支持装置の移動状態を模式的に示す斜視図である。
図10図10は、図9のA-A線断面図である。
図11図11は、本発明の第3実施形態にかかる景品支持装置の移動状態を模式的に示す斜視図である。
図12図12は、本発明の第5実施形態にかかる景品支持装置の移動状態を模式的に示す拡大斜視図である。
図13図13は、本発明の景品支持装置を含むゲーム装置の他の構成例を模式的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の景品支持装置の説明に先立って、当該景品支持装置を含むゲーム装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。説明の都合上、図中の上側を「上」、下側を「下」、左側を「左」、右側を「右」、紙面手前側を「前」、紙面奥側を「後」として説明する。
【0022】
<<第1実施形態>>
1.ゲーム装置
図1は、本発明の第1実施形態にかかる景品支持装置を含むゲーム装置を模式的に示す斜視図である。図2は、ゲーム装置の構成を示すブロック図である。図3は、ゲーム装置の連結部を模式的に示す斜視拡大図である。図4は、ゲーム装置の景品支持部を模式的に示す図である。(a)は部分斜視図、(b)および(c)は側面図、(d)は上面図である。図5は、ゲーム装置の景品支持部の取り付け状態を模式的に示す図である。(a)は全ての景品支持部が第1の状態であり、(b)は4本の景品支持部が第1の状態であることを示す。
【0023】
図1に示すように、本発明のゲーム装置1は、ゲーム空間215から開口41を介して景品取出空間223に景品を落下させるゲーム装置である。このようなゲーム装置1は、筺体2と、操作部3と、規定部4と、景品支持部5と、操作指示部6と、景品支持装置7と、記憶部8と、制御部9と、検知部11とを有する。以下、各部の構成を説明する。
【0024】
<筐体>
筺体2は、箱状に形成され、ゲーム装置1の各部材を設置または収納する機能を有している。筐体2の形状は、特に限定されず、三角柱状、楕円柱状、円柱状などに変更できる。筐体2は、筐体上部21と、筐体下部22とで構成されている。
【0025】
(筐体上部)
筐体上部21は、フレームと、矩形の上面211と、前面212と、後面213と、2枚の台形の側面とで構成された角柱状に形成されている。後述するゲームフィールドを含めて筐体上部21ということもある。ゲーム装置1は、クレーンゲーム装置とは異なり、クレーンアームを備えていない。そのため、図1に示すように、前面212を鉛直軸Zに対して、後面213側に傾斜させることができる。これにより、プレイヤが景品の設置状況を鉛直上方から確認することができるため、どのようにプレイすれば景品を獲得できるか予測しやすくなる。なお、各面は、適宜透明部材で構成されていているので、ゲームフィールドを外から視認することができる。筐体上部21とゲームフィールド(規定部4)によって画成された空間が、景品を獲得するゲーム空間215となっている。
【0026】
(筐体下部)
筐体下部22は、その上面上で筐体上部21と接続されている。筐体下部22は、記憶部8や制御部9を収納することに用いられる。筐体下部22は、景品取出口221と、遮蔽板222、景品取出空間223とを有する。
【0027】
景品取出口221は、筐体下部22の前面に設けられている。景品取出口221は、景品取出空間223から景品を取り出す機能を有し、矩形の形状に形成されている。遮蔽板222は、景品取出口221を塞ぐように、景品取出口221の上部に設けられている。遮蔽板222は、景品取出口221に対応して矩形状に形成されている。景品取出空間223は、筐体下部22内に設けられ、後述する規定部4の開口41を介してゲーム空間と連通する。景品取出空間223は、筐体下部22の内部の側面、底面、後面、遮蔽板222、およびゲームフィールドで構成される空間である(例えば、図10参照)。
【0028】
<操作部>
操作部3は、筐体下部22の上面端部に設けられ、円柱状の押ボタンで構成されている。操作部3は、プレイヤからの入力情報を受け付ける機能を有している。ゲーム装置1では、押ボタンへの1回の操作で景品支持部5が変位する。そのため、操作部3は、一つのみの押ボタン31で構成されている。押ボタン31の数は特に限定されず、2以上であってもよい。また、操作部3は、ゲーム装置1の構成に応じて、操作用スティックやベッティング用表示画面を含んでいてもよい。
【0029】
(規定部)
規定部4は、筐体上部21と筐体下部22との間に設けられ、ゲームフィールドとして機能する。また、規定部4は、景品を落下させる開口41を規定する機能を有する。規定部4は、平板状に形成されている。また、規定部4は、その一部が切り抜かれた開口41と、開口41を構成する内周面に設けられた複数の連結部42とを有する。
【0030】
開口41は、図1に示すように、円形状に形成されている。この開口41は、ゲーム空間215と景品取出空間223とを連通するよう構成され、景品が落下するようになっている。開口41の数は、特に限定されず、2以上の複数であってもよい。また、開口41の形状は、特に限定されず、楕円形状、多角形状、矩形状、または湾曲形状等であってもよい。
【0031】
連結部42は、後述する景品支持部5を取り付ける機能を有する。図3に示すように、複数の連結部42は、開口41を構成する内周面に沿って連続して設けられている。本実施形態では、連結部42は、16個の連結部42で構成されているが、1つの連結部42で構成されていてもよい。
【0032】
各連結部42は、前記内周面に向かって凹没する凹部421と、当該凹部421に収容される結合部422と、結合部422を係止する係止部423と、結合部422(景品支持部5)の第1の状態と第2の状態とを切り替えるスイッチ424とを有する。
【0033】
凹部421は、開口41に直面するとともに、景品取出空間223にも直面している。すなわち、凹部421は、図3に示すように、正面視で「П」字状に形成されている。凹部421は、その底面に緩衝材(図示しない)が設けられている。
【0034】
結合部422は、景品支持部5を嵌合する機能を有する。そのため、結合部422は、景品支持部5が第1の状態にあるとき、凹部421から突出するように構成され(図3の真中)、景品支持部5が第2の状態にあるとき、凹部421に収容されるように構成されている(図3の左側)。結合部422は、本体4221と、本体4221の先端面の両端から突出する2つの第1嵌合部4222と、2つの第1嵌合部4222の間に位置する板状の第2嵌合部4223と、を有する。
【0035】
本体4221は、その基端で後述する係止部423に係止される。
【0036】
第1嵌合部4222は、その先端からさらに伸びる突起を有する。この突起は、結合部422と景品支持部5とが嵌合された時、後述するスリット部511に挿通される。そのため、第1嵌合部4222は、景品支持部5と分離されることを防止するストッパーとしての機能を有する。これにより、景品支持部5を確実に結合部422に固定することができる。
【0037】
第2嵌合部4223は、2つの第1嵌合部4222の間で、本体4221の先端面から突出する。第2嵌合部4223は、その下面に3つ(複数)のリブが形成されている。このリブは、第2嵌合部4223の突出方向に沿って形成されている。リブは、結合部422と景品支持部5とが嵌合された時、後述する窓部512に挿通される。そのため、第2嵌合部4223は、景品支持部5と分離されることを防止するストッパーとしての機能を有する。これにより、景品支持部5を確実に結合部422に固定することができる。
【0038】
係止部423は、凹部421の上部に設けられ、結合部422を所定の角度で係止する機能を有する。係止部423は、鉛直軸Z(凹部421の底面)に対して0~90°の範囲で本体4221の基端を係止する。これにより、結合部422の取付角度により、景品支持部5の景品取出空間223からの高さや、凹部421の底面に対する景品支持部5の角度を変更することができる。
【0039】
係止部423が結合部422を係止すると、結合部422は、図3に示すように、凹部421から突出するように構成される(第1の状態)。結合部422の係止を解除すると、結合部422は、図3に示すように、凹部421に収容されるように構成される(第2の状態)。すなわち、結合部422は、係止部423を中心軸として、鉛直軸Zに対して90°回転し、凹部421に収容される。これにより、結合部422は、鉛直下方を向くことになる。係止部423の解除は、スイッチ424や制御部9により、手動または自動で行ってもよい。
【0040】
スイッチ424は、連結部42同士の間に設けられている。スイッチ424をONにすることで、結合部422を第1の状態で係止することができる。一方、スイッチ424をOFFにすることで、係止を解除し、結合部422を凹部421に収容することができる。スイッチ424は、手動でオン・オフしてもよく、自動でオン・オフしてもよい。
【0041】
(景品支持部)
景品支持部5は、規定部4に設けられ、景品を支持するよう機能する。景品支持部5の数は特に限定されず、1つでも複数であってもよい。本実施形態では、景品支持部5の数は、規定部4の連結部42の数に対応して16本となっている。景品支持部5の形状は、特に限定されず、棒状、長尺状、平板状、プレート状、半円状、円状などいずれの形状であってもよい。景品支持部5の長さも特に限定されず、同一でも、異なっていてもよい。
【0042】
また、景品支持部5の外径(幅および/または厚み)は、その基端から先端にかけて漸減していてもよい。これにより、第1の状態において、景品支持部5同士の間隙が大きくなり、景品が落下するイメージをプレイヤに与えることができる。
【0043】
また、景品支持部5は、規定部4に対して、レイアウトを変更可能(取り外し可能)に設けられている。これにより、連結部42に対して、景品支持部5の取付位置を変更することができる。例えば、長さ、外径、形状の異なる景品支持部5、様々な演出部材(例えば、複数の棘部)を備える景品支持部5を交換して取り付けることができる。したがって、景品の載置方法の種類や、ゲームの難易度を変更することができる。その結果、ゲーム管理者が、ゲームの構成を自在に設定することができ、プレイヤを継続的に楽しませることができる。
【0044】
景品支持部5は、図4に示すように、取付部51と、外径漸減部52と、載置部53と、を有する。
【0045】
取付部51は、図4(a)の斜視図に示すように、箱状に形成され、連結部42の結合部422に対応する大きさに形成されている。取付部51は、結合部422を包含する(受け取る)ように取り付けられる。このため、取付部51は、図4(b)の側面図に示すように、後述する傾斜面522が上方(後述する一つの平面が下方)を向いた状態(以下、「通常状態」)のまま、結合部422に取り付けられる。また、取付部51は、図4(c)の側面図に示すように、傾斜面522が下方(一つの平面が上方)を向いた状態、すなわち通常状態を反転した状態(以下、「反転状態」)で、結合部422に取り付けられる。
【0046】
取付部51は、図4(a)に示すように、その奥面に、2つのスリット部511と、当該スリット部511の間に設けられた窓部512とを有する。スリット部511は、図3に示す結合部422の第1嵌合部4222の突起を挿通できる大きさに構成されている。このスリット部511に、第1嵌合部4222の突起が挿通されることで、第1嵌合部4222がスリット部511に係止される。
【0047】
窓部512は、結合部422の第2嵌合部4223を挿通できる大きさに構成されている。この窓部512に、第2嵌合部4223が挿通されることで、第2嵌合部4223のリブにより、第2嵌合部4223が窓部512に係止される。これにより、景品支持部5は連結部42の結合部422に確実に連結される。
【0048】
外径漸減部52は、取付部51と連結されている。外径漸減部52は、図4(b)、(c)の側面図および図4(d)の上面図に示すように、上面(第1の面)521と、上面521から傾斜した傾斜面(第2の面)522と、2つの側面(第3の面)523と、底面(第1の対向面)524とで構成された角柱状に形成されている。外径漸減部52の上面521と、取付部51の上面とは、連続して一つの面を構成するように形成されている。傾斜面522は、上面521から底面524に向かって傾斜している。これにより、外径漸減部52は、徐々に漸減した外径(高さ)を有する。また、図4(d)に示すように、傾斜面522だけでなく、側面523も先端に向けてテーパー付けされている。これにより、外径漸減部52において、景品との接触面積が減少するので、景品の支持が不安定になる。その結果、景品支持部5が第1の状態から第2の状態へと変位した際、景品が予想外に動く可能性が高まり、プレイヤを楽しませることができる。
【0049】
載置部53は、図4(b)、(c)の側面図および図4(d)の上面図に示すように、外径漸減部52に連結し、外径漸減部52から直線状に延在する。載置部53の上面(載置面)は、外径漸減部52の傾斜面522と連続して形成されている。載置部53は、景品を載置する機能を有する。図4に示すように、載置部53は、長尺の角柱状に形成されているが、棒状、平板状、長尺板状、半円状、円状などの形状であってもよい。載置部53の径は、特に限定されないが、景品を載置できるよう、所定の径を有する。当該径は、載置部53の基端から先端にかけて一定であってもよく、外径漸減部52からテーパー付けられていても良い。載置部53の長さは、特に限定されず、開口41を介して、対向する連結部42に届くような長さであってもよく、開口41の半径に相当するような長さでもよく、外径漸減部52と同程度の長さでも良い。
【0050】
以上のような景品支持部5は、図4(b)の側面図で示されるように、外径漸減部52の底面524と載置部53の下面(第2の対向面)とが連続して一つの平面を構成している。また、取付部51が箱状に形成されているため、図4(b)の通常状態、図4(c)の反転状態でも連結部42に取り付けることができる。これにより、景品支持部5を結合部422に取り付けたときに、通常状態では取付部51の下面から載置部53の上面までの高さはh1となり(図8(b))、反転状態では取付部51の下面から載置部53の上面までの高さはh2となる。このように、景品支持部5の取り付け方によって、取付部51の下面から載置部53の上面までの距離(以下、「景品支持部5の高さ」ともいう)を変更することができる。その結果、景品支持部5を結合部422に取り付けたときに、景品支持部5の載置部53が不規則に整列する。
【0051】
次に、景品支持部5が規定部4に連結された構成を図5に示す。図5(a)に示すように、景品支持部5は、取付部51で、規定部4の連結部42に取り付けられている。景品支持部5は、開口41の中心に向かって、開口41の径方向に沿って延在している。これにより、景品支持部5は、景品を支持可能な状態(第1の状態)となっている。換言すると、連結部42の結合部422は、凹部421から突出した状態(第1の状態)となっている。
【0052】
また、図5(b)に示すように、結合部422の係止が解除されると、景品支持部5は、景品取出空間223に向かって、鉛直下方向に沿って延在する。これにより、景品支持部5は、景品の支持を解除した状態(第2の状態)となっている。換言すると、連結部42の結合部422は、凹部421に収容された状態(第2の状態)となっている。
【0053】
なお、図5(b)に示すように、ゲーム管理者が、4本の景品支持部5を第1の状態にし、その他の景品支持部5を予め第2の状態にしてゲームを実行することもできる。これにより、管理者は、ゲームの難易度を調整することができる。このように、景品支持部5は、そのレイアウトを変更可能に構成されている。
【0054】
(操作指示部)
操作指示部6は、プレイヤにどの景品支持部5を動作させるかを指示する機能を有する。操作指示部6は、開口41に対応して規定部4上に設けられている。すなわち、操作指示部6は、景品支持部5や開口41を囲むように開口41の周方向に沿って設けられている。本実施形態では、操作指示部6は、景品支持部5と同心状(円環状)に設けられている。
【0055】
操作指示部6は、図1に示すように、複数のブロック体61で構成されている。なお、ブロック体61の数は特に限定されず、1個であっても、2個以上の複数であってもよい。本実施形態では、ブロック体61の数は32個である。
【0056】
複数のブロック体61は、景品支持部5と隣接して景品支持部5と対応するように設けられた16個の対応ブロック体61aと、対応ブロック体61a同士の間に設けられ、景品支持部5に対応しないように設けられた16個の非対応ブロック体61bとで構成されている。すなわち、対応ブロック体61aと、非対応ブロック体61bとが、交互に設けられている。
【0057】
各ブロック体61は、ほぼ直方体状をなしており、その内部に表示装置611が設けられている。表示装置611としては、例えば、LEDや液晶モニタなどが挙げられる。
【0058】
図5では、1つのブロック体61について、8個(複数)のLEDが示されている。なお、図5では、その他のブロック体61の表示装置611を省略している。表示装置611の点灯および点滅は、後述する制御部9により制御される。
【0059】
本実施形態では、対応ブロック体61aと景品支持部5とが、1対1で対応して設けられているが、これに限定されない。例えば、連続して設けられた複数(例えば2~8本)の景品支持部5に対応するように、1つの対応ブロック体61aが設けられていてもよい。
【0060】
(検知部)
検知部11は、ゲーム装置1の各部材の動作を検知する機能を有する。検知部11は、部材の動作を検知できれば、設置場所は限定されない。また、検知部11は、特に限定されないが、カメラ、加速度センサー、重量センサー、感圧センサー、赤外線センサー、光電センサー等の各種センサーで構成される。
【0061】
本実施形態のゲーム装置1は、第1の検知部と、第2の検知部とを有する。第1の検知部は、連結部42の結合部422(景品支持部5)が第2の状態にあることを検知する。そのため、第1の検知部は、連結部42付近で、図示しない連結部駆動機構に設けられている。これにより、後述する動作制御部93が適切に動作することができる。
【0062】
第2の検知部は、景品が景品取出空間223に存在するか否を検知する。第2の検知部は、景品取出空間223を構成する両側面に設けられている。第2の検知部は、例えば、発光部と受光部とを含む光電センサーで構成されている。
【0063】
図2に戻って、ゲーム装置1の内部構成を説明する。
【0064】
<記憶部>
記憶部8は、CPUが実行するゲームプログラムや、音情報等を保存するROMと、CPUが実行する演算結果を一時的に記憶するRAMとを備えている。具体的に、記憶部8は、ブロック体61の表示装置611の点滅速度や、順次点滅する方向(点滅方向)、対応ブロック体61aの点滅モード等の点滅パターンを記憶する。また、記憶部8は、複数の景品支持部5と複数のブロック体61とを対応させた対応表を記憶する。
【0065】
また、記憶部8は、図5(b)に示すように、ゲームに使用される景品支持部5の番号および対応ブロック体61aの番号、第1の状態にある景品支持部5の番号および対応ブロック体61aの番号、第2の状態にある景品支持部5の番号および対応ブロック体61aの番号などを記憶する。
【0066】
<制御部>
制御部9は、ゲームプログラムを実行するCPUを含み、ゲーム装置1全体を制御する。制御部9は、情報取得部91と、情報処理部92と、動作制御部93とを有する。以下、制御部9の各部の構成を説明する。
【0067】
(情報取得部)
情報取得部91は、各種情報を取得する機能を有している。具体的に、情報取得部91は、操作部3からの入力情報、各景品支持部5の状態(第1の状態や第2の状態)の情報、操作部3への入力時に点灯していた表示装置611(プレイヤにより選択されたブロック体61)を特定する情報、検知部11が検知した情報、入力部10からの入力情報などを取得する。取得された情報は、情報処理部92に提供される。
【0068】
(情報処理部)
情報処理部92は、ゲーム全体を処理する機能を有する。特に、情報処理部92は、情報取得部91が取得した情報を処理して動作制御部93に指示する機能を有している。具体的に、情報処理部92は、操作部3への入力により点灯したブロック体61の情報と、記憶部8が記憶している対応表とに基づいて、対応する景品支持部5の有無を特定する。また、対応する景品支持部5が有る場合には、情報処理部92は、その番号を特定し、特定された景品支持部5の動作を、動作制御部93に指示する。
【0069】
(動作制御部)
動作制御部93は、景品支持部5および操作指示部6の動作を制御する機能を有している。動作制御部93は、各ブロック体61に内蔵された表示装置611が順次点滅するように、対応表に基づいてその点灯および点滅を制御する。さらに、動作制御部93は、点滅方向を時計回りや反時計回りに制御することや、点滅速度を自在に制御することもできる。これにより、例えば、点滅速度を遅くしてゲームの難易度を低くすることができ、点滅速度を速くしてゲームの難易度を高くすることができる。また、その点滅方向や点滅速度をランダムに変更すれば、ゲームの難易度をより高くすることもできる。
【0070】
ブロック体61の表示装置611は、所定のプログラムに従ってまたはランダムに点滅するように制御される。例えば、表示装置611は、時計回りまたは反時計回りに順次点滅するように制御される。これにより、ブロック体61の表示装置611は、所定の方向に順次点滅していき、プレイヤは、変位させたい景品支持部5に対応するブロック体61の表示装置611が点灯する瞬間を狙って押ボタン31を押圧する。押圧した時に点灯していた表示装置611のみを点灯させることで、表示装置611のブロック体61に対応する景品支持部5の有無がプレイヤに示される。
【0071】
動作制御部93は、情報処理部92が対応表から特定した番号の景品支持部5を第1の状態から第2の状態へ変位するよう制御する。すなわち、景品支持部5が取り付けられている連結部42の結合部422を第1の状態から第2の状態へ変位するように制御する。このような変位は、結合部422(景品支持部5)ごとになされてもよく、複数の景品支持部5で同時になされてもよい。これにより、景品支持部5を1つずつまたは複数同時変更することができるので、ゲームの難易度を変更することができる。
【0072】
2.景品支持装置
さて、本発明の景品支持装置7は、図1に示すようにゲーム装置1内に設けられている。以下、図面を用いて、本発明の景品支持装置を説明する。図6は、本発明の第1実施形態にかかる景品支持装置の移動状態を模式的に示す斜視拡大図である。
【0073】
本発明の景品支持装置7は、景品を支持する支持棚71と、支持棚を可動させる可動機構72と、把持部73とを有する。支持棚71は、ゲーム空間215において、景品を支持、展示、保管する機能を有する。支持棚71は、図1に示されるように、ゲーム空間215の奥部に筐体上部21の後面213に沿って設けられている。この位置を初期位置という。これにより、ゲームプレイを妨害することなく、景品を展示、保管することができる。
【0074】
支持棚71は、支持部材712を有し、箱状に形成された本体711を構成する。本体711の形状はこれに限定されず、板状、枠状、箱状等、どのような形状に形成されていてもよい。本体711が1枚の板状に形成されている場合、本体711はゲームフィールドに対して鉛直上方に向かって設けられていることが好ましい。
【0075】
本体711は、ゲームフィールドに対して鉛直上方に、筐体上部21の上面近傍まで延びる2つの垂直板部材713と、2つの垂直板部材の上端同士を連結する上板部材と、2つの垂直板部材の下端同士を連結する下板部材と、これらの板部材の後面に設けられた裏板部材とを含む。
【0076】
2つの垂直板部材713は、その内面に、支持部材712を取り付けるための複数の嵌合孔714を有している。複数の嵌合孔714は、鉛直方向(Z軸方向)に所定の間隔を置いて整列し、水平方向(X軸方向)に所定の間隔を置いて整列し、3列を形成している。複数の嵌合孔714は、これに限定されず、2列を形成していても、垂直板部材713にランダムに形成されていてもよい。嵌合孔714の数が増えるほど、支持部材712の取付位置の自由度が増す。したがって、景品を展示する方法のバリエーションを増やすことができる。
【0077】
本体711の高さは、特に限定されないが、後面213の高さの40~95%であることが好ましく、50~80%であることがより好ましい。これにより、支持棚71の移動が操作指示部6に妨害されないので、支持棚71を容易かつスムーズに移動させることができる。
【0078】
支持部材712は、景品を支持する機能を有する。支持部材712は、2つの垂直板部材713の嵌合孔714に着脱可能に取り付けられる。したがって、支持部材712は、複数の嵌合孔714の位置に依存して、複数の嵌合孔714に対応するように設けられている。支持部材712は、景品を支持できる限り、棒状に形成されていても、板状に形成されていても、ブロック状に形成されていてもよい。さらに、支持部材712は、棒状の支持部材712を連結したはしご状や、網状に形成されていてもよい。費用面や取扱い性を考慮すると、支持部材712は、棒状に形成されていることが好ましい。なお、支持部材712の数は、特に限定されない。
【0079】
可動機構72は、支持棚71(本体711)を可動させる機能を有する。そして、可動機構72は、筐体上部21の後面213側から前面212側に支持棚71を移動させる機能を有する。可動機構72は、本体711と、筐体上部21とを連結する限り、ゲーム装置1のいずれの位置に設けられていてもよい。本実施形態では、可動機構72は、本体711の上板部材と、筐体上部21の上面との間に設けられている。
【0080】
本実施形態の可動機構72は、2つのスライドレール731で構成される。各スライドレール731は、上板部材の上面の端部に設けられている。しかしながら、スライドレール731は、上板部材の上面のいずれの位置に設けられていてもよい。また、可動機構72は、1つのみのスライドレール731で構成されていてもよい。スライドレール731は、断面視で凹状に形成された第1~第2の長尺部材を有する。そのため、各長尺部材は、その長手方向に沿った凹部(溝)を有する。
【0081】
第1の長尺部材(第1のスライド部材)732は、直線状に形成されている。第1の長尺部材732は、筐体上部21の上面端部に設けられた取付部219にX軸方向に沿って取り付けられる。そして、第1の長尺部材732は、第1の長尺部材732の凹部と、第2の長尺部材734の凹部とが向き合うように、第2の長尺部材734に収容される。このような構成により、第2の長尺部材734は、第1の長尺部材732を収容しながら、X軸方向にスライド移動することができる。
【0082】
第1の長尺部材732の先端、基端は、第2の長尺部材734との接触を緩衝する、図示しない緩衝材が設けられている。さらに、本体711が初期位置にある状態において、本体711が自然にスライドしないように、図示しないストッパーがスライドレール731自体に設けられていてもよい。これにより、本体711は、振動が加わっても初期位置を維持し、安定に存在することができる。
【0083】
第2の長尺部材(第2のスライド部材)734は、直線状に形成されている。第2の長尺部材734は、上板部材の上面の端部に上面から突出するように設けられている。そして、第2の長尺部材734は、凹部を筐体上部21の側面に向けて、X軸方向に沿って取り付けられる。このような構成により、第2の長尺部材734は、本体711を第1の長尺部材732の長手(X軸)方向にスライド移動させることができる。
【0084】
第2の長尺部材734の先端、基端は、第1の長尺部材732から第2の長尺部材734が外れないように、ストッパー735が設けられている。これにより、本体711は、第1の長尺部材732を安定に移動することができる。
【0085】
第2の長尺部材734は、その凹部内に所定の間隔で配置された回転部材を有していてもよい(図示しない)。回転部材(第1の回転部材)は、第2の長尺部材734がスライド移動するとき、第1の長尺部材732の凹部内を回転移動する。これにより、第2の長尺部材734は、スムーズにスライド移動することができる。
【0086】
また、第2の長尺部材734は、その上面に所定の間隔で配置された回転部材(第2の回転部材)737を有している。この回転部材737は、第2の長尺部材734がスライド移動するとき、筐体上部21の取付部219上を回転移動する。これにより、第2の長尺部材734は、スムーズにスライド移動することができる。このような回転部材は、例えば、キャスターや車輪などの部材を含む。なお、図6は、取付部219の一部のみを示すが、実際は、第1の長尺部材732と平行に、隣接して、筐体上部21の側面側に設けられている。
【0087】
図6に示すように、可動機構72は、支持棚71を開口41の上または筐体上部21の前面212近傍にまで移動させることができる。この位置を移動位置(第2の位置)という。したがって、背が低いゲーム管理者は、容易かつ迅速に景品の交換、補充を行うことができる。
【0088】
把持部73は、ゲーム管理者に支持棚71の把持を提供する機能を有する。把持部73は、各垂直板部材713から前方に突出するように、垂直板部材713の正面中央部に設けられている。各把持部73を同時に引くことにより、支持棚71の歪みなく、スムーズに支持棚を可動させることができる。また、把持部73の数は、特に限定されない。把持部73の形状は、ゲーム管理者が把持部73を把持できる限り、特に限定されない。本実施形態では、把持部73は、「コ」の字状に形成されている。
【0089】
以上のような景品支持装置7は、プレイヤがどのような景品を獲得できるかを、遠方からプレイヤに示すことができる。また、ゲーム装置1は、ゲーム空間215の上方にクレーン等の構造物を有さない。そのため、筐体上部21の上面近傍にまで支持棚71を設けることができる。また、支持棚71がスライド移動することができるので、大きな力を必要とせず、本体711を筐体上部21の前面212側に移動させることができる。したがって、力のないゲーム管理者でも、容易に景品を交換、設置することができる。
【0090】
<<第2実施形態>>
次に、本発明の景品支持装置の第2実施形態を添付図面に基づいて説明する。図7は、本発明の第2実施形態にかかる景品支持装置を含むゲーム装置を模式的に示す斜視図である。図8は、本発明の第2実施形態にかかる景品支持装置の初期状態を模式的に示す斜視図である。図9は、本発明の第2実施形態にかかる景品支持装置の移動状態を模式的に示す斜視図である。図10は、図9のA-A線断面図である。
【0091】
以下、第2実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一の符号を付してある。
【0092】
本実施形態の景品支持装置7は、可動機構72がリンク部材である点以外は、前記第1実施形態の景品支持装置7と同様である。
【0093】
本実施形態の可動機構72は、4つのリンク部材721で構成されている。本実施形態では、可動機構72は、本体711の2つの垂直板部材713と、筐体上部21との間に設けられている。具体的に、4つのリンク部材721のうちの2つのリンク部材721は、右側(一方)の垂直板部材713の外面に、間隔を置いて上下2段に設けられる。別の2つのリンク部材721は、左側(他方)の垂直板部材713の外面に、間隔を置いて上下2段に設けられる。なお、1つのみのリンク部材721が、垂直板部材713の各外面に設けられても、一方の垂直板部材713の外面に設けられてもよい。
【0094】
各リンク部材721の一端722は、垂直板部材713の外面の取付孔に回転留め具で取り付けられる。これにより、リンク部材721は、その一端722(取付孔)を中心に回動することができる。また、リンク部材721の他端723は、筐体上部21の内面の接続孔に回転留め具で取り付けられる。これにより、リンク部材721は、その他端723(接続孔)を中心に回動することができる。一端722および他端723の回転留め具は、リンク部材721の回動が鉛直仮想線L1に対して所定の角度で止まるように、ヒンジや所定のロック機構を有していてもよい。その他、リンク部材721の可動範囲(角度θ2)の外側で、筐体上部21の接続孔や垂直板部材713の取付孔の近傍にゴム製等の係止ストッパーを設けていてもよい。
【0095】
ここで、本体711が初期位置(第1の位置)にある状態において、垂直板部材713の取付孔は、筐体上部21の接続孔よりも後面213側に位置している。換言すると、リンク部材721は、その一端722が他端723より後面213側に位置するように、取り付けられている(図8図10参照)。
【0096】
このように、リンク部材721は、初期位置において、鉛直仮想線(支持棚71の鉛直軸)L1に対して所定の角度θ1分、後面213側に傾斜している。このような角度θ1は、鉛直仮想線L1に対して、5~45°が好ましく、10~40°がより好ましい。角度θ1がこのような範囲であると、本体711が安定に存在することができるとともに、小さい力で本体711を筐体上部21の前面212側に移動させることができる。したがって、ゲーム管理者は、容易かつスムーズに景品の交換、補充を行うことができる。また、図10に示すように、リンク部材721の一端722は、初期位置において、極大点Pよりも下に位置する。そのため、本体711は、多少の外力が付加されても、極大点Pより一端722が上部に位置するだけの外力が与えられない限り、初期位置を維持でき、安定に存在することができる。
【0097】
可動機構72は、図10に示すように、本体711が孤を描くように、本体711を前面212付近に移動させることができる。具体的に、リンク部材721の一端722は、初期位置から当該孤の極大点Pに向かって上方に移動した後、極大点Pから当該孤に沿って移動位置に移動する。換言すると、リンク部材721は、他端723を中心に、初期位置から極大点P(角度θ1分)に回転移動する。その後、リンク部材721は、他端723を中心に、極大点Pから移動位置(鉛直仮想線L1に対して所定の角度θ2分)に回転移動する。
【0098】
このような角度θ2は、鉛直仮想線L1に対して、10~80°が好ましく、20~70°が好ましい。角度θ2がこのような範囲であると、本体711を開口41の上方、および筐体上部21の前面212の近傍に移動させることができる。したがって、背が低いゲーム管理者は、容易かつ迅速に景品の交換、補充を行うことができる。
【0099】
また、図10に示すようにより、上記角度θ1の存在により、垂直板部材713の取付孔(一端722)と、極大点Pとの間に所定のクリアランスCが存在することになる。このクリアランスCは、本体711の位置を極大点Pから鉛直下方に僅かに下げる。そのため、本体711は、初期位置で安定的に存在することができる。その他、可動機構72は、本体711を前面212側に容易かつ安全に移動させるために、ダンパーやバネなどの補助装置を備えていてもよい。
【0100】
以上のような本実施形態の景品支持装置7は、第1実施形態の景品支持装置7が有する効果と同様の効果を有する。したがって、ゲーム管理者は、容易に景品を交換、設置することができる。
【0101】
<<第3実施形態>>
次に、本発明の景品支持装置の第3実施形態を添付図面に基づいて説明する。図11は、本発明の第3実施形態にかかる景品支持装置の移動状態を模式的に示す図である。
【0102】
以下、第3実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一の符号を付してある。
【0103】
本実施形態の景品支持装置7は、スライドレール731の形態と取付位置が異なる点以外は、前記第1実施形態の景品支持装置7と同様である。
【0104】
本実施形態の可動機構72は、2つのスライドレール731を構成する。各スライドレール731は、垂直板部材713の外面の略中央部に設けられている。しかしながら、スライドレール731は、垂直板部材713の各外面の上端と下端に設けられていてもよい。また、スライドレール731は、一方の垂直板部材713の外面のみに設けられてもよい。スライドレール731は、断面視で凹状に形成された第1~第3の長尺部材を有する。そのため、各長尺部材は、その長手方向に沿った凹部(溝)を有する。
【0105】
第1の長尺部材(第1のスライド部材)732は、第3の長尺部材733の凹部が開放されるように、第3の長尺部材733を収容する。第1の長尺部材732は、第3の長尺部材733を長手方向にスライド移動させるように構成されている。第3の長尺部材(第3のスライド部材)733は、第3の長尺部材733の凹部と、第2の長尺部材(第2のスライド部材)734の凹部とが向き合うように、第2の長尺部材734を収容する。第3の長尺部材733は、第2の長尺部材734を長手方向にスライド移動させるように構成されている。
【0106】
第1の長尺部材732の下面は、筐体上部21の内面にX軸方向に沿って取り付けられる。これにより、第3の長尺部材733および第2の長尺部材734は、X軸方向に本体711をスライドさせることができる。一方、第2の長尺部材734の下面は、本体711の垂直板部材713の外面にX軸方向に沿って取り付けられる。これにより、第3の長尺部材733および第2の長尺部材734は、本体711をX軸方向にスライドさせ、第1の長尺部材732に収容される。
【0107】
第1の長尺部材732から第3の長尺部材733が外れないように、第1の長尺部材732の先端または第3の長尺部材733の基端に、図示しないストッパーが設けられている。同様に、第3の長尺部材733から第2の長尺部材734が外れないように、第3の長尺部材733の先端または第2の長尺部材734の基端に、図示しないストッパーが設けられている。
【0108】
以上のような本実施形態の景品支持装置7は、可動機構72が単純な構成であるので、景品支持部装置7を簡単に筐体2内に取り付けることができる。また、スライドにより支持棚71を引き出すことができるので、ゲーム空間215のデッドスペースが少ない。したがって、ゲーム空間215を有効に活用することができる。なお、本実施形態の景品支持装置7も第1実施形態の景品支持装置7が有する効果と同様の効果を有する。したがって、ゲーム管理者は、容易に景品を交換、設置することができる。
【0109】
<<第4実施形態>>
次に、本発明のゲーム装置の第4実施形態を添付図面に基づいて説明する。以下、第4実施形態について説明するが、前述した第1、3実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、前述した第1、3実施形態と同様の構成には、同一の符号を付してある。
【0110】
本実施形態の景品支持装置7は、可動機構72の位置が異なる点以外は、第1、第3実施形態の景品支持装置7と同様である。
本実施形態の可動機構72は、図1に示すように、2本のレール(第1のスライド部材)741と、図示しないスライド部材(第2のスライド部材)とを有する。各レール741は、筐体下部22の上面(規定部4)の両端部に沿って設けられている。上面に設けられるレール741の数は、特に限定されず、2本や3本以上の複数であってもよい。レール741は、その長手方向(X軸方向)に沿って、スライド部材(図示しない)を受け取る溝を有している。なお、レール741は、筐体上部21の上面にも設けられていてもよい。
【0111】
スライド部材は、垂直板部材713の底面に、所定の間隔をおいて取り付けられている。スライド部材は、レール741上をスライドする限り、特に限定されない。スライド部材として、半球状の部材、円板状の部材、円柱状の部材、キャスターなどの回転部材などが挙げられる。また、スライド部材の数は、特に限定されないが、2つ以上の複数であることが好ましい。これにより、本体711を安定に移動させることができる。このような構成により、本体711は、レール741上を安定的にスライド移動することができる。
【0112】
以上のような本実施形態の景品支持装置7は、可動機構72が単純な構成であるので、景品支持装置7を簡単に筐体2内に取り付けることができる。また、スライドにより支持棚71を引き出すことができるので、ゲーム空間215のデッドスペースが少ない。したがって、ゲーム空間215を有効に活用することができる。
【0113】
また、スライド部材が垂直板部材713の底面に設けられているため、支持棚71に安定性を提供することができる。なお、本実施形態の景品支持装置7も第1実施形態の景品支持装置7が有する効果と同様の効果を有する。したがって、ゲーム管理者は、容易に景品を交換、設置することができる。
【0114】
<<第5実施形態>>
次に、本発明のゲーム装置の第5実施形態を添付図面に基づいて説明する。図12は、本発明の第5実施形態にかかる景品支持装置の移動状態を模式的に示す拡大斜視図である。
【0115】
以下、第5実施形態について説明するが、前述した第2実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、前述した第2実施形態と同様の構成には、同一の符号を付してある。
【0116】
本実施形態の景品支持装置7は、第2実施形態の景品支持装置7の変形例である。この景品支持装置7は、可動機構72が昇降機構である点以外は、前記第2実施形態の景品支持装置7と同様である。
【0117】
本実施形態の可動機構72は、本体711を昇降させる機能を有する。そのため、可動機構72は、筐体上部21の上部に位置している。可動機構72は、4つのリンク部材721と、支持板724と、連結ポール725と、弾性部材726とを備える。各リンク部材721は、支持板724に取り付けられている。支持板724は、リンク部材721が必要以上に回動しないように、リンク部材721のストッパーとして機能を有する。4つのリンク部材721のうち、上側の2つのリンク部材721は、連結ポール725を介して連結している。これにより、リンク部材721は、連結ポール725を中心軸に回動することができる。
【0118】
各リンク部材721は、鉛直仮想線L1に対して、0~150°の角度θ3の範囲で回転することができる。角度θ3がこのような範囲であると、本体711が開口41近くにまで移動することができる。したがって、ゲーム管理者は、容易かつ迅速に景品の交換、補充を行うことができる。
【0119】
ここで、本実施形態の景品支持装置7は、本体711が初期位置にある状態において、筐体上部21の約半分の位置よりも上側に位置している。このような場合であっても、可動機構72が昇降機能を有するため、本体711を開口41の直上に移動させることができる。また、本体711が初期位置にある状態において、本体711とゲームフィールドとの間に空間ができる。そのため、その空間に、展示用の景品や広告用の表示装置をさらに載置することもできる。その結果、ゲーム装置1の宣伝効果を発揮することもできる。
【0120】
以上のような本実施形態の景品支持装置7は、第2実施形態の景品支持装置7が有する効果と同様の効果を有する。また、本実施形態の景品支持装置7は、本体711を昇降移動させることができるので、ゲーム空間をより有効に活用することができるだけでなく、上下のリンク部材721が左右に設置され、弾性部材726により、より安定して景品を支持することができる。
【0121】
<<他の構成例>>
次に、本発明の景品支持装置を含むゲーム装置の他の構成例を添付図面に基づいて説明する。図13は、本発明の景品支持装置を含むゲーム装置の他の構成例を模式的に示す斜視図である。以下、他の構成例について説明するが、前述した第2実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
【0122】
本構成例のゲーム装置100は、景品動作部50を含む景品移動機構を備えている点以外は、前記第2実施形態のゲーム装置1と同様である。
【0123】
本実施形態のゲーム装置100は、筐体上部21の上面に景品移動機構を設けている。景品移動機構は、景品動作部50と、それを移動させる、図示しないX軸レールと、Y軸レールと、Z軸ロッドとを有する。これにより、景品動作部(キャッチャー)50は、ゲームフィールド上をX軸、Y軸、Z軸に移動することができる。そして、景品動作部50は、ゲームフィールド上に載置された景品を把持、動作させることができる。
【0124】
このような景品動作部50を有するゲーム装置100においても、本発明の景品支持装置7を使用することができる。その結果、本実施形態の景品支持装置7は、第2実施形態の景品支持装置7が有する効果と同様の効果を得ることができる。
【0125】
以上、本発明の景品支持装置を、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の手段または構成物が付加されていてもよい。また、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【0126】
また、本発明の景品支持装置の可動機構を長尺状のヒンジにすることで、支持棚を扉のように可動させることができる。そのヒンジは、本体711の一方の垂直板部材713の外面と、筐体上部21の内面との間に取り付けられる。このような構成により、把持部73を引くことにより、本体711の他方の垂直板部材713を筐体上部21の前面212側に移動させることができる。その結果、ゲーム管理者は、支持棚71上の景品を容易に交換することができる。
【符号の説明】
【0127】
1、100…ゲーム装置 2…筺体 21…筐体上部 212…前面 213…後面 215…ゲーム空間 219…取付部 22…筐体下部 221…景品取出口 222…遮蔽板 223…景品取出空間 3…操作部 4…規定部 41…開口 42…連結部 421…凹部 422…結合部 4221…本体 4222…第1嵌合部 4223…第2嵌合部 423…係止部 424…スイッチ 5…景品支持部 51…取付部 511…スリット部 512…窓部 52…外径漸減部 521…上面 522…傾斜面 523…側面 524…底面 53…載置部 50…景品動作部 6…操作指示部 61…ブロック体 61a…対応ブロック体 61b…非対応ブロック体 611…表示装置 7…景品支持装置 71…支持棚 711…本体 712…支持部材 713…垂直板部材 714…嵌合孔 72…可動機構 721…リンク部材 722…一端 723…他端 724…支持板 725…連結ポール 726…弾性部材 731…スライドレール 732…第1の長尺部材 733…第3の長尺部材 734…第2の長尺部材 735…ストッパー 737…回転部材 741…レール 73…把持部 8…記憶部 9…制御部 91…情報取得部 92…情報処理部 93…動作制御部 11…検知部 211…上面
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図13