(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-14
(45)【発行日】2022-10-24
(54)【発明の名称】排気トップ、及び排気トップを備えた排気筒の製造方法、並びに排気筒を備えた施設
(51)【国際特許分類】
F23L 17/02 20060101AFI20221017BHJP
F23L 17/12 20060101ALI20221017BHJP
【FI】
F23L17/02 602E
F23L17/12
(21)【出願番号】P 2018232524
(22)【出願日】2018-12-12
【審査請求日】2021-10-04
(73)【特許権者】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000213297
【氏名又は名称】中部電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001092
【氏名又は名称】弁理士法人サクラ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】横峯 悠
(72)【発明者】
【氏名】松原 儀尚
(72)【発明者】
【氏名】小島 信夫
(72)【発明者】
【氏名】武藤 誠志
(72)【発明者】
【氏名】山本 省吾
(72)【発明者】
【氏名】松田 真一
【審査官】豊島 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-286736(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0315780(US,A1)
【文献】特開2015-068551(JP,A)
【文献】米国特許第04548137(US,A)
【文献】実開昭59-163741(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23L 17/02
F23L 17/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気筒の頂部開口より鉛直上側であって当該頂部開口より径方向外側において環状に延びており且つ当該頂部開口からのガスを鉛直上側に向けて大気中に放出する排気口と、当該頂部開口からのガスの流れを径方向外側に導いた後、鉛直上側にある前記排気口に導く排気通路と、を有するボディを、備え、
前記排気筒のうち前記頂部開口を囲う部分である開口縁部と、前記ボディとの間には、前記排気口を通して前記排気通路に流入した雨水を、前記排気筒外に排出可能な空隙が、形成されて
おり、
前記排気筒の頂部と前記ボディとの間に配置されて当該ボディを当該頂部に接続する複数の接続部を有し、当該複数の接続部は、前記開口縁部の周方向に間隔をあけて配列され、前記空隙は、当該周方向に隣り合う前記接続部の間に、形成されており、
前記ボディは、前記頂部開口より鉛直上側において略水平方向に広がっており、前記排気通路に面する上側ボディと、前記開口縁部から径方向外側に所定の間隔をあけて配置されており、前記接続部から前記径方向外側に広がっており、前記排気通路に面している下側ボディと、を含み、前記接続部は、前記開口縁部の径方向外側において鉛直方向に延びており、前記上側ボディと前記下側ボディとを接続する鉛直方向部材を、含み、
前記上側ボディは、その底部が略水平方向に広がる皿状をなしており、当該上側ボディの鉛直上側であって前記排気口の径方向内側に配置されており、当該上側ボディを覆う天板を、さらに備え、
前記天板は、前記排気口に向かうに従って鉛直下側に位置するよう水平方向に対して傾斜する外面を、有し、当該外面で受けた雨水を、前記排気口に流す
ことを特徴とする排気トップ。
【請求項2】
前記接続部は、
前記鉛直方向部材と、前記排気筒の頂部との間に配置されており、当該頂部の外面に接合される接続パッドを、含む
ことを特徴とする請求項
1に記載の排気トップ。
【請求項3】
前記接続パッドには、ボルトの雄ねじと螺合する雌ねじが形成されており、
前記鉛直方向部材には、当該雄ねじを通す通し穴が形成されており、
前記上側ボディ及び前記下側ボディが結合された前記鉛直方向部材の外側から、当該通し穴に前記雄ねじを通し、当該雄ねじを前記雌ねじに螺合させることにより、前記ボディは、前記接続部を介して前記排気筒に結合される
ことを特徴とする請求項
2に記載の排気トップ。
【請求項4】
前記排気通路を横切って前記空隙の近傍に配置されており、複数の開口が配列されており、当該開口を通るガスの流れに流動抵抗を生じさせる流動抵抗部材を、
さらに備えることを特徴とする請求項1ないし請求項
3のいずれか一項に記載の排気トップ。
【請求項5】
前記流動抵抗部材は、金属で構成された網状の部材である
ことを特徴とする請求項4に記載の排気トップ。
【請求項6】
前記流動抵抗部材は、
前記頂部開口の径方向外側において当該頂部開口より鉛直上側に、前記排気筒と同軸に延びる略筒状をなしている
ことを特徴とする請求項
4又は請求項
5に記載の排気トップ。
【請求項7】
前記排気口を覆うように配置されており、前記排気通路への鳥又は異物の侵入を防止可能なバードスクリーンを、
さらに備えることを特徴とする請求項1ないし請求項
6のいずれか一項に記載の排気トップ。
【請求項8】
排気筒の頂部開口より鉛直上側であって当該頂部開口より径方向外側において環状に延びており且つ当該頂部開口からのガスを鉛直上側に向けて大気中に放出する排気口と、当該頂部開口からのガスの流れを径方向外側に導いた後、鉛直上側にある前記排気口に導く排気通路と、を有するボディを、備え、
前記排気筒のうち前記頂部開口を囲う部分である開口縁部と、前記ボディとの間には、前記排気口を通して前記排気通路に流入した雨水を、前記排気筒外に排出可能な空隙が、形成されており、
前記ボディは、
フックと係合可能な係合部を有し、
当該係合部及び当該フックを介して、前記排気筒と接続されている
ことを特徴とす
る排気トップ。
【請求項9】
前記係合部は、前記ボディの外面から突出しており、貫通穴を有する
ことを特徴とする請求項
8に記載の排気トップ。
【請求項10】
請求項1ないし請求項
9のいずれか一項に記載の排気トップを備えた前記排気筒を有することを特徴とする施設。
【請求項11】
排気筒の頂部開口より鉛直上側であって当該頂部開口より径方向外側において環状に延びており且つ当該頂部開口からのガスを鉛直上側に向けて大気中に放出する排気口と、当該頂部開口からのガスの流れを径方向外側に導いた後、鉛直上側にある前記排気口に導く排気通路と、を有するボディを、備え、
前記排気筒のうち前記頂部開口を囲う部分である開口縁部と、前記ボディとの間には、前記排気口を通して前記排気通路に流入した雨水を、前記排気筒外に排出可能な空隙が、形成されており、
前記排気筒の頂部と前記ボディとの間に配置されて当該ボディを当該頂部に接続する複数の接続部を有し、当該複数の接続部は、前記開口縁部の周方向に間隔をあけて配列され、前記空隙は、当該周方向に隣り合う前記接続部の間に、形成されており、
前記ボディは、前記頂部開口より鉛直上側において略水平方向に広がっており、前記排気通路に面する上側ボディと、前記開口縁部から径方向外側に所定の間隔をあけて配置されており、前記接続部から前記径方向外側に広がっており、前記排気通路に面している下側ボディと、を含み、前記接続部は、前記開口縁部の径方向外側において鉛直方向に延びており、前記上側ボディと前記下側ボディとを接続する鉛直方向部材を、含み、
前記上側ボディは、その底部が略水平方向に広がる皿状をなしており、当該上側ボディの鉛直上側であって前記排気口の径方向内側に配置されており、当該上側ボディを覆う天板を、さらに備え、
前記天板は、前記排気口に向かうに従って鉛直下側に位置するよう水平方向に対して傾斜する外面を、有し、当該外面で受けた雨水を、前記排気口に流す
排気トップ、
を備えた排気筒の製造方法であって、
前記上側ボディと、
前記下側ボディとを、
前記鉛直方向部材を介して結合し
、前記上側ボディに前記天板を接合して排気トップを形成する工程と、
前記排気筒の頂部の外面のうち前記鉛直方向部材の鉛直下側の端部に対応する位置に、接続パッドを接合する工程と、
前記鉛直方向部材のうち鉛直下側の端部を、前記接続パッドと重ね合わせて前記排気トップを前記排気筒の頂部に結合する工程と、
を含むことを特徴とする排気トップを備えた排気筒の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ガスを、大気中に放出する排気筒に関し、特に、原子力施設において水素を含むガスを大気中に拡散、放出する排気筒の頂部に設けられる排気トップに関する。
【背景技術】
【0002】
原子力施設等には、一般的に、施設内において生じたガスを、大気中に放出する設備、いわゆる排気筒が設けられている。例えば、原子炉建屋内に配置された格納容器内において、炉心損傷等の過酷事故が生じた場合には、格納容器内において水素が発生し、原子炉建屋内には、水素を含むガスが充満することがある。このような水素を含むガスには、放射性物質が含まれている場合がある。当該ガスに含まれる放射性物質は、ベントフィルタ等を用いて低減又は除去される。排気筒は、このような排気処理(いわゆるオフガス処理)が行われた水素を含むガスを、施設等から鉛直上側(以下、単に「鉛直上側」と記す)に導き、十分に高い位置で大気中に放出することが望ましい。
【0003】
このような排気筒の鉛直方向の上側の先端部(以下、「頂部」と記す)には、良好な排気を行い且つ雨水の侵入を防ぐために、排気トップが設けられる場合がある。排気筒の開口から、雨水が侵入すると、ガスの流動方向の上流側(すなわち鉛直方向の下側)にあるベントフィルタ等の設備に悪影響を及ぼす恐れがある。雨水の侵入を防止するために、排気トップには、様々な構造のものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-68551号公報
【文献】特許第4370588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
排気トップにおいて、排気筒からのガスを大気中に放出するための開口(以下、排気口と記す)には、様々な構造のものがある。上述した特許文献に記載の排気トップは、燃焼機器の排気筒に設けられるものであり、燃焼したガスを大気中に放出するためのものである。特許文献に記載の排気トップは、雨水の排気筒内への侵入を防止すると共に、放出したガスに含まれるスス等により目詰まりの発生を防止することが求められている。
【0006】
一方、原子力施設等に設けられる排気筒には、水素を含むガスを、安全に大気中に拡散、放出することが要望されており、ガスを放出する向きを、鉛直上側にすることが望ましい。ガスを放出する方向を、例えば、水平方向(いわゆる横向き)にすると、放射性物質を含むガスの吹き下げにより、周辺環境に影響を与える可能性が、上向きに比べて高いためである。ガスを放出する向きを、鉛直上側にした場合、当該ガスを施設から鉛直方向に導く排気筒の頂部にある開口(以下、頂部開口と記す)の向きは、通常、鉛直上側となる。この場合、排気トップにおいては、雨水が直接、頂部開口を通して排気筒内に侵入することを防止する必要がある。加えて、水素を含むガスを、鉛直上側に流動させて排気トップの鉛直上側にある開口(以下、排気口と記す)を通して大気中に放出する技術が求められている。
【0007】
本発明の実施形態は、上記事情に鑑みてなされたものであって、排気筒内への雨水の侵入を防止ししつつ、排気筒の頂部開口からの水素を含むガスを、排気口を通して鉛直上側に大気中に放出可能な排気トップ、並びに、かかる排気トップを備えた施設を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するため、本発明の実施形態の排気トップは、排気筒の頂部開口より鉛直上側であって当該頂部開口より径方向外側において環状に延びており且つ当該頂部開口からのガスを鉛直上側に向けて大気中に放出する排気口と、当該頂部開口からのガスの流れを径方向外側に導いた後、鉛直上側にある前記排気口に導く排気通路と、を有するボディを、備え、前記排気筒のうち前記頂部開口を囲う部分である開口縁部と、前記ボディとの間には、前記排気口を通して前記排気通路に流入した雨水を、前記排気筒外に排出可能な空隙が、形成されており、前記排気筒の頂部と前記ボディとの間に配置されて当該ボディを当該頂部に接続する複数の接続部を有し、当該複数の接続部は、前記開口縁部の周方向に間隔をあけて配列され、前記空隙は、当該周方向に隣り合う前記接続部の間に、形成されており、前記ボディは、前記頂部開口より鉛直上側において略水平方向に広がっており、前記排気通路に面する上側ボディと、前記開口縁部から径方向外側に所定の間隔をあけて配置されており、前記接続部から前記径方向外側に広がっており、前記排気通路に面している下側ボディと、を含み、前記接続部は、前記開口縁部の径方向外側において鉛直方向に延びており、前記上側ボディと前記下側ボディとを接続する鉛直方向部材を、含み、前記上側ボディは、その底部が略水平方向に広がる皿状をなしており、当該上側ボディの鉛直上側であって前記排気口の径方向内側に配置されており、当該上側ボディを覆う天板を、さらに備え、前記天板は、前記排気口に向かうに従って鉛直下側に位置するよう水平方向に対して傾斜する外面を、有し、当該外面で受けた雨水を、前記排気口に流すことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の実施形態の排気トップを備えた排気筒の製造方法は、排気筒の頂部開口より鉛直上側であって当該頂部開口より径方向外側において環状に延びており且つ当該頂部開口からのガスを鉛直上側に向けて大気中に放出する排気口と、当該頂部開口からのガスの流れを径方向外側に導いた後、鉛直上側にある前記排気口に導く排気通路と、を有するボディを、備え、前記排気筒のうち前記頂部開口を囲う部分である開口縁部と、前記ボディとの間には、前記排気口を通して前記排気通路に流入した雨水を、前記排気筒外に排出可能な空隙が、形成されており、前記排気筒の頂部と前記ボディとの間に配置されて当該ボディを当該頂部に接続する複数の接続部を有し、当該複数の接続部は、前記開口縁部の周方向に間隔をあけて配列され、前記空隙は、当該周方向に隣り合う前記接続部の間に、形成されており、前記ボディは、前記頂部開口より鉛直上側において略水平方向に広がっており、前記排気通路に面する上側ボディと、前記開口縁部から径方向外側に所定の間隔をあけて配置されており、前記接続部から前記径方向外側に広がっており、前記排気通路に面している下側ボディと、を含み、前記接続部は、前記開口縁部の径方向外側において鉛直方向に延びており、前記上側ボディと前記下側ボディとを接続する鉛直方向部材を、含み、前記上側ボディは、その底部が略水平方向に広がる皿状をなしており、当該上側ボディの鉛直上側であって前記排気口の径方向内側に配置されており、当該上側ボディを覆う天板を、さらに備え、前記天板は、前記排気口に向かうに従って鉛直下側に位置するよう水平方向に対して傾斜する外面を、有し、当該外面で受けた雨水を、前記排気口に流す排気トップ、を備えた排気筒の製造方法であって、前記上側ボディと、前記下側ボディとを、前記鉛直方向部材を介して結合し、前記上側ボディに前記天板を接合して排気トップを形成する工程と、前記排気筒の頂部の外面のうち前記鉛直方向部材の鉛直下側の端部に対応する位置に、接続パッドを接合する工程と、前記鉛直方向部材のうち鉛直下側の端部を、前記接続パッドと重ね合わせて前記排気トップを前記排気筒の頂部に結合する工程と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の実施形態によれば、雨水が直接、頂部開口を通して排気筒内に侵入することを防止すると共に、当該排気口を通して排気通路に流入した雨水を、頂部開口を囲う開口縁部とボディとの間に形成された空隙を通して排気筒外に排出ししつつ、水素を含むガスを排気口を通して鉛直上側に大気中に放出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1の実施形態に係る排気トップの部分断面図であり、排気トップの断面立面と、正面とを示す図である。
【
図2】第1の実施形態に係る排気トップの上面図であり、上側ボディが天板で覆われた上面と、天板及び上側ボディの底部を省略した上面とを示す図である。
【
図3】第1の実施形態に係る排気トップにおける水素を含むガスと雨水のそれぞれの流れを示す図である。
【
図4】第2の実施形態に係る排気トップの部分断面図であり、排気トップの断面立面と、正面とを示す図である。なお、
図4は、ボルトで排気トップを排気筒に結合する態様を示している。
【
図5】第3の実施形態に係る排気トップの部分断面図であり、排気トップの断面立面と、正面とを示す図である。なお、
図5には、排気トップの排気口に網状の部材(バードスクリーン)が配置された態様を示している。
【
図6】第3の実施形態に係る排気トップの上面図であり、上側ボディが天板で覆われた上面と、天板及び上側ボディの底部を省略した上面とを示す図である。
【
図7】第4の実施形態に係る排気トップの部分断面図であり、排気トップの断面立面と、正面とを示す図である。なお、
図7は、排気トップの落下を防止するための構造を示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態により、本発明が限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0013】
〔第1の実施形態〕
本実施形態の排気トップについて、
図1~
図3を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る排気トップの部分断面図であり、排気トップの断面立面と、正面とを示す図である。
図2は、本実施形態に係る排気トップの上面図であり、上側ボディが天板で覆われた上面と、天板及び上側ボディの底部を省略した上面とを示す図である。
図3は、本実施形態に係る排気トップにおける水素を含むガスと雨水のそれぞれの流れを示す図である。なお、
図1において、鉛直方向のうち上側を、矢印Uで示し、以下の説明において、単に「鉛直上側」と記す。また、鉛直方向のうち下側を、矢印Dで示し、以下の説明において、単に「鉛直下側」と記す。
【0014】
図1及び
図2に示すように、本実施形態の排気トップ10は、排気筒の鉛直上側に配置されており、排気筒内を流れるガスを、大気中に拡散、放出するものである。排気トップ10は、「排気トップ」、「エキゾースト・ターミナル(exhaust terminal)」又は「ベント・ターミナル(vent terminal)」とも呼称される。
【0015】
本実施形態において、排気筒は、原子力施設内、例えば、内部に格納容器(図示せず)を有する原子炉建屋内において生じたガスを、鉛直上側の比較的高い位置に導くものである。このような施設内においては、例えば、格納容器内にある炉心が損傷する事故等が生じた場合に、水素を含んだガスが生じ、当該ガスが施設内に充満する場合がある。このような場合に、排気筒は、施設内に充満した水素を含んだガスを、当該施設より高い位置に導く。
【0016】
排気筒は、概ね鉛直方向に延びており、少なくとも鉛直上側を形成する頂部2は、
図1に示すように、鉛直方向に延びている。排気筒は、その頂部2に、頂部開口3を有する。排気筒の頂部開口3からは、水素を含んだガスが流出する。本実施形態において排気筒のうち少なくとも頂部2は、略円筒状をなしている。詳細には、頂部2は、その軸心(図に一点鎖線Aで示す)に垂直な断面、いわゆる横断面が、略円形をなしている。頂部開口3も、同様に、略円形をなしている。排気筒の頂部2の軸心は、
図1に一点鎖線Aで示すように、頂部開口3の中心(
図2に点Aで示す)を通る。
【0017】
(排気トップの構成)
排気トップ10は、環状の排気口22を有し、内部に排気通路24が形成されるボディ20を有する。本実施形態において、ボディ20は、鉛直上側を形成する部分である上側ボディ30と、鉛直下側を形成する部分である下側ボディ40とを有する。各接続部50は、鉛直方向に延びており、上側ボディ30及び下側ボディ40の双方に接合される部材(以下、鉛直方向部材と記す)52と、排気筒の頂部2の外面2aに接合される部材(以下、接続パッドと記す)56とを有する。
【0018】
図1に示すように、上側ボディ30は、その底部31が略水平方向に広がる皿状をなしており、排気筒の頂部開口3より鉛直上側に所定の間隔をあけて配置されている。一方、下側ボディ40は、その底部41が略水平方向に広がる皿状をなしており、詳細には、上側ボディ30に比べて鉛直方向に深い皿状をなしている。上側ボディ30の鉛直下側にある内面33と、下側ボディ40の鉛直上側にある内面43との間には、排気筒の頂部開口3からのガスの流れを、後述する排気口22に導く通路(以下、排気通路と記す)24が形成される。
【0019】
図2に示すように、上側ボディ30と下側ボディ40は、
図2の上面図に示すように、略円形をなしており、排気筒と同軸に配置されている。下側ボディ40の径方向外側の縁45は、上側ボディ30の径方向外側の縁35に比べて径が大きい。下側ボディ40の縁45は、
図1に示すように、上側ボディ30の縁35と、鉛直方向において略同一の高さに位置している。これらの縁35,45の間には、排気筒の頂部2の軸心A周りに環状に延びており、ガスを大気中に放出する開口(以下、単に「排気口」と記す)22が形成される。
【0020】
排気口22は、
図2に示すように、排気筒の頂部開口3より鉛直上側であって当該頂部開口より径方向外側において環状且つ帯状に延びている。排気口22は、鉛直上側に向けて開口している。排気トップ10には、鉛直上側にガスを放出することが求められているためである。排気口22は、排気通路24のうち鉛直上側の端であり、排気筒の頂部開口3を通して当該排気通路24に流入したガスは、全てが排気口22を通して大気中に放出される。
【0021】
排気通路24は、
図3に矢印G1で示すように、排気筒の頂部開口3を通してガスの流れを受ける。排気通路24に流入したガスは、
図3に矢印G2で示すように、上側ボディ30の底部31の近傍において流れの向きを変える。当該ガスは、矢印G3で示すように、排気通路24内を径方向外側に流れる。より具体的には、下側ボディ40の内面43と上側ボディ30の内面33との間を、当該内面33,43に沿って径方向外側に流れる。すなわち、ボディ20内に形成された排気通路24は、頂部開口3からのガスの流れを、径方向外側に導く。
【0022】
そして、排気通路24を流れるガスは、上側ボディ30のうち縁35を含む部分の近傍において、
図3に矢印G4で示すように、向きを変えて鉛直上側に流れる。本実施形態において、上側ボディ30の縁35を含む部分と下側ボディ40の縁45を含む部分は、ガスの流れの向きを、径方向外側から鉛直上側に変える。排気通路24のうちこれらの間には、鉛直上側に向かうガスの流れが形成され、環状の排気口22を通して大気中に放出される。
【0023】
排気トップ10は、上述したボディ20(30,40)と排気筒の頂部2との間に配置されて当該排気筒の頂部2に接続する部分(以下、接続部と記す)50を有する。本実施形態の排気トップ10においては、接続部50は、排気筒の頂部2のうち頂部開口3を囲う部分(以下、単に「開口縁部」と記す)4の径方向外側において鉛直方向に延びており、上側ボディ30と下側ボディ40とを接続する部材(以下、鉛直方向部材と記す)52と、排気筒の頂部2と鉛直方向部材52との間に配置されており、当該頂部2の外面2aに接合される部材(以下、接続パッドと記す)56とを含む。複数の接続パッド56は、複数の鉛直方向部材52と、一対一で対応して頂部2の外面2aに配置される。
【0024】
鉛直方向部材52のうち、鉛直上側の端(以下、上端と記す)53は、上側ボディ30の底部31に接合される。鉛直方向部材52のうち、鉛直下側の端部(以下、下側端部と記す)55と上端53との間にある部分(以下、中間部と記す)54は、下側ボディ40の開口縁部44に接合される。このようにして、上側ボディ30と下側ボディ40は、鉛直方向部材52を介して接続されてボディ20を形成する。
【0025】
そして、鉛直方向部材52の下側端部55は、その対応する接続パッド56の径方向外側に位置合わせされて、当該接続パッド56に接合される。これにより、ボディ20は、接続部50すなわち鉛直方向部材52及び接続パッド56を介して排気筒の頂部2に接続される。本実施形態においては、複数の接続部50が、排気筒の開口縁部4の周方向に間隔をあけて配列される。当該周方向に隣り合う接続部50の間には、空隙(gap)8が形成される。排気口22を通して排気通路24内に流入した雨水は、当該空隙8を通して排気筒の頂部2の径方向外側に排出される。
【0026】
また、排気トップ10は、排気通路24内のガスの流れに流動抵抗を生じさせる部材(以下、流動抵抗部材と記す)60を有する。流動抵抗部材60は、当該排気通路24を横切って配置されている。流動抵抗部材60は、複数の開口が配列された部材であり、当該開口を通るガスの流れに流動抵抗を生じさせる。本実施形態において、流動抵抗部材60は、金属で構成された網状の部材であり、いわゆる金属製スクリーンである。
【0027】
流動抵抗部材60は、
図1及び
図2に示すように、排気筒の頂部2の径方向外側において略筒状をなしている。すなわち、排気通路24のうち、排気筒の頂部開口3より鉛直上側の領域24aを囲っている。上述した空隙8は、当該流動抵抗部材60に隣接して配置されている、複数の空隙8は、流動抵抗部材60の径方向外側において周方向に配列されている。本実施形態において、流動抵抗部材60のうち、鉛直下側の端部は、頂部2の外面に接合されている。一方、流動抵抗部材60の鉛直上側の端部は、上側ボディ30の底部31の内面33に接合されている。排気筒の頂部開口3から排気通路24の中央にある領域24aに流入したガスの全ては、流動抵抗部材60の開口62を通して径方向外側に流れる。
【0028】
また、排気トップ10は、ボディ20の鉛直上側に配置される板状の部材(以下、天板と記す)70を有する。天板70は、ボディ20のうち上側ボディ30の鉛直上側であって、環状の排気口22の径方向内側に配置されており、上側ボディ30を覆っている。天板70は、その鉛直上側の外面73で受けた雨水を、径方向外側にある環状の排気口22に流す。これにより、皿状の上側ボディ30上に雨水が溜まることが防止される。
【0029】
本実施形態において、天板70の外面73は、頂角が180度より僅かに小さい略円錐面形状をなしている。外面73は、環状の排気口22に近接するに従って鉛直方向下側に位置するように水平方向に対して傾斜している。このような外面73上に落ちた雨水は、
図3に矢印D1で示すように、当該外面73上を環状の排気口22に向けて径方向外側に流れる、当該排気口22を通して排気通路24に流入する。
【0030】
排気通路24に流入した雨水は、
図3に矢印D2及びD3で示すように、下側ボディ40の内面43上を、径方向内側に流れる。そして、矢印D4及びD5で示すように、下側ボディ40の開口縁部44と、排気筒の頂部2の開口縁部4の間にある空隙8を通して、排気筒の頂部2の径方向外側に排出される。なお、本実施形態において、頂部2の径方向外側にある流動抵抗部材60は、頂部開口3よりも鉛直下側に延びている。このため、仮に、流動抵抗部材60に雨水が付着することがあっても、当該雨水は、流動抵抗部材60を伝って鉛直下側に流れ、当該頂部2の径方向外側に排出される。これにより、頂部開口3を通して排気筒内に雨水が流入することを防止することができる。
【0031】
(排気トップを備えた排気筒の製造方法)
次に、本実施形態の排気トップ10を備えた排気筒の製造方法について
図1及び
図2を参照して説明する。
【0032】
(1A.排気トップを形成する工程)
本実施形態の製造方法においては、まず、排気トップ10を形成する。当該「排気トップを形成する工程」は、上述した環状の排気口22及び排気通路24とを有するボディ20を形成する工程を含む。本実施形態においては、上側ボディ30の底部31に、複数の鉛直方向部材52のそれぞれの上端53を接合し、且つ下側ボディ40の開口縁部44に、複数の鉛直方向部材52のそれぞれの中間部54を接合する。これら上側ボディ30及び下側ボディ40と、鉛直方向部材52は、例えば、溶接等により接合することができる。
【0033】
これにより、上側ボディ30の鉛直上側の縁35と下側ボディ40の鉛直上側の縁45との間には、環状の排気口22が形成され、上側ボディ30の内面33と下側ボディ40の内面43との間には、当該排気口22に連通する排気通路24が形成される。なお、「排気トップを形成する工程」には、上側ボディ30に天板70を接合する工程を含むことも好適である。
【0034】
(1B.接続パッドを接合する工程)
また、本実施形態の製造方法は、上述した「排気トップを形成する工程」と前後して、当該排気トップ10のボディ20を、排気筒の頂部2に接続するための接続パッド56を、当該排気筒の頂部2の外面2aに接合する。この「接続パッドを接合する工程」においては、排気筒の頂部2の外面2aのうち鉛直方向部材52の鉛直下側にある下側端部55に対応する位置に、接続パッド56を接合する。本実施形態においては、複数の鉛直方向部材52のそれぞれの下側端部55に一対一で対応する複数の接続パッド56を、頂部2の外面2aに接合する。なお、接続パッド56を頂部2の外面2aに接合した後、上述した流動抵抗部材60を当該外面2aに接合することも好適である。
【0035】
(2.排気トップを排気筒の頂部に結合する工程)
その後、鉛直方向部材52の鉛直下側にある下側端部55を、接続パッド56と重ね合わせて、排気トップ10を排気筒の頂部2に結合する。当該「排気トップを排気筒の頂部に結合する工程」においては、鉛直方向部材52の下側端部55を、対応する接続パッド56と重ね合わせて排気トップ10を排気筒の頂部2に結合する。本実施形態においては、下側端部55と接続パッド56を、例えば溶接等により接合する。
【0036】
以上のようにして排気トップ10を備えた排気筒が製造される。なお、上述した上側ボディ30に天板70を接合する工程は、排気トップ10が排気筒の頂部2に結合された後に行われるものとしても良い。また、流動抵抗部材60は、「排気トップを形成する工程」において上側ボディ30の底部31に結合されるものとしても良い。
【0037】
以上に説明したように本実施形態の排気トップ10は、排気筒の頂部2の開口である頂部開口3より鉛直上側であって当該頂部開口3より径方向外側において環状に延びており且つ当該頂部開口3からの水素を含むガスを鉛直上側に向けて大気中に放出する環状の排気口22と、当該頂部開口3からのガスの流れを、径方向外側に導いた後、鉛直上側にある前記排気口22に導く排気通路24と、を有するボディ20を、備える。排気筒のうち頂部開口3を囲う部分である開口縁部4と、前記ボディ20との間、詳細には、下側ボディ40のうち鉛直下側にある開口縁部44との間には、排気口22を通して排気通路24に流入した雨水を、排気筒外、具体的には、頂部2の径方向外側に排出可能な空隙8が、形成されているものとした。
【0038】
本実施形態の排気トップ10によれば、雨水が直接、頂部開口3を通して排気筒内に侵入することを防止しつつ、排気筒の頂部開口3からの水素を含むガスを、環状の排気口22を通して鉛直上側に大気中に放出することができる。当該排気口22を通して排気通路24に流入した雨水は、排気筒のうち頂部開口3を囲う部分である開口縁部4とボディ20の鉛直下側の開口縁部44との間に形成された空隙8を通して排気筒外に排出することができる。
【0039】
また、排気トップ10は、排気筒の頂部2とボディ20との間に配置されて当該ボディ20を当該頂部2に接続する複数の接続部50を有する。当該複数の接続部50は、開口縁部4の周方向に間隔をあけて配列されており、空隙8は、当該周方向に隣り合う2つの接続部50の間に、形成されているものとした。すなわち、複数の空隙8が、開口縁部4の径方向外側において周方向に配列されている。これにより、排気口22を通して排気通路24に流入した雨水を、周方向において略均一に排気筒外に排出することができる。
【0040】
また、排気トップ10は、排気通路24を横切って空隙8の近傍に配置されており、複数の開口62が配列されており、当該開口62を通るガスの流れに流動抵抗を生じさせる流動抵抗部材60を、さらに備えるものとした。これにより、排気通路24のうち空隙8の近傍にガスの流速が高く静圧が低い領域を形成することができ、当該空隙8からガスが漏れることを抑制することができる。
【0041】
また、本実施形態において、流動抵抗部材60は、金属で構成された網状の部材であるものとした。これにより、排気筒内や排気トップにおいて水素を含むガスが、何らかの理由により着火した場合であっても、排気通路24に配置された流動抵抗部材60において火炎の伝播を防止することができる。
【0042】
〔第2の実施形態〕
本実施形態の排気トップについて
図4を参照して説明する。
図4は、本実施形態に係る排気トップの部分断面図であり、排気トップの断面立面と、正面とを示す図である。なお、第1の実施形態と略共通の構成については、略同一の符号を付して説明を省略する。
【0043】
本実施形態において、排気トップ10Bは、ボルト80を用いて排気筒に結合される。排気筒の頂部2に接合される接続パッド56Bには、ボルト80の雄ねじ82と螺合可能な雌ねじ58が形成されている。また、鉛直方向部材52Bのうち鉛直下側にある下側端部55Bには、当該ボルト80の雄ねじを通す通し穴57が形成されている。
【0044】
本実施形態の製造方法においては、下側端部55Bに通し穴57が形成された鉛直方向部材52Bのうち、上端53と上側ボディ30とを接合し、且つ、当該上端53と下側端部55Bとの間にある中間部54と下側ボディ40とを接合して、排気トップ10Bを形成する。一方、排気筒の頂部2の外面2aには、予め雌ねじ58が形成された接続パッド56Bを、接合する。
【0045】
そして、排気トップ10Bのうち、鉛直方向部材52Bの下側端部55Bにある通し穴57が、排気筒に接合された接続パッド56Bの雌ねじ58と重ね合さるように位置合わせをした状態で、ボルト80の雄ねじ82を、当該通し穴57に通して、当該雄ねじ82を雌ねじ58と螺合させる。複数の鉛直方向部材52Bの下側端部55Bを、一対一で対応する複数の接続パッド56Bに重ね合わせて、それぞれボルト80を用いて結合することにより、排気トップ10Bを、排気筒の頂部2に強固に固定することができる。また、ボルト80を用いて結合するため、メンテナンスで必要な場合などに、取り外したり再度結合したりすることができる。
【0046】
〔第3の実施形態〕
本実施形態の排気トップについて
図5及び
図6を参照して説明する。
図5は、本実施形態に係る排気トップの部分断面図であり、排気トップの断面立面と、正面とを示す図である。
図6は、本実施形態に係る排気トップの上面図であり、上側ボディが天板で覆われた上面と、天板及び上側ボディの底部を省略した上面とを示す図である。なお、第1の実施形態と略共通の構成については、略同一の符号を付して説明を省略する。
【0047】
本実施形態の排気トップ10Cは、排気通路24への鳥の侵入を防止可能なスクリーン(以下、バードスクリーンと記す)77を有する。バードスクリーン77は、排気トップ10Cの環状の排気口22を覆うように配置されている。バードスクリーン77のメッシュの大きさは、上述した流動抵抗部材60の開口に比べて大きいものである。バードスクリーン77は、雨水やガスの通過を妨げることはない。バードスクリーン77のメッシュの大きさは、排気通路24への侵入の防止が望まれる鳥や異物等の大きさに合わせて設定、選択される。本実施形態によれば、鳥や比較的大きい異物が、環状の排気口22を通して排気通路24に侵入することを防止することができる。
【0048】
〔第4の実施形態〕
本実施形態の排気トップについて
図7を参照して説明する。
図7は、本実施形態に係る排気トップの部分断面図であり、排気トップの断面立面と、正面とを示す図である。なお、第1の実施形態と略共通の構成については、略同一の符号を付して説明を省略する。
【0049】
本実施形態の排気トップ10Dは、その落下を防止するための構造として、ボディ20Dには、ワイヤー等が接続されたフックと係合可能な係合部26を有する。本実施形態において、係合部26は、ボディ20のうち下側ボディ40の外面46から突出するリング状をなしている。当該係合部26には、ワイヤーやフックを通す貫通孔27が形成されている。
【0050】
ワイヤーが接続されたフックが係合部26に係合することにより、排気トップ10Dは、仮に、地震等の想定外の事象により、接続部50(例えば、鉛直方向部材52)が破損することがあっても、排気筒の頂部2から地面等に落下することを防止することができる。
【0051】
[他の実施形態]
【0052】
上述した各実施形態において、流動抵抗部材60は、金属で構成された網状の部材であるものとしたが、本発明に係る流動抵抗部材は、この態様に限定されるものではない。流動抵抗部材は、複数の開口が配列されており、当該開口を通るガスの流れに流動抵抗を生じさせるものであれば良い。例えば、本発明に係る流動抵抗部材には、多数の貫通孔が配列された板状の部材を用いることもできる。
【0053】
また、各実施形態において、ボディ20,20Dは、頂部開口3より鉛直上側において略水平方向に広がっており、排気通路24に面する上側ボディ30と、排気筒の頂部2の開口縁部4から径方向外側に所定の間隔をあけて配置されており、接続部50から径方向外側に広がっており、排気通路24に面している下側ボディ40とを含むものとしたが、本発明に係るボディは、この態様に限定されるものではない。ボディは、上述した環状の排気口22と、上述した排気通路24とを有するものであれば良く、例えば、単数のボディで構成するものとしても良い。
【0054】
また、各実施形態において、接続部は、鉛直方向に延びておりボディ20に接合される複数の鉛直方向部材52と、排気筒の頂部2の外面2aに接合される複数の接続パッドを含むものとしたが、本発明に係る接続部は、この態様に限定されるものではない。接続部は、排気筒の頂部2とボディ20との間に配置されて当該ボディ20を当該頂部2に接続するものであれば良く、様々な形状の部材で実現することができる。
【0055】
本発明のいくつかの実施形態について説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態はその他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0056】
2:頂部(排気筒の頂部)、2a:外面(排気筒の頂部の外面)、3:頂部開口(排気筒の頂部の開口)、4:開口縁部(排気筒の頂部の開口を囲う縁部)、8:空隙、10,10B,10C,10D:排気トップ、20,20D:ボディ、22:排気口、24:排気通路、24a:領域(排気通路)、26:係合部(ボディ)27:貫通孔(係合部)、30:上側ボディ(ボディ)、31:底部(上側ボディの底部)、33:内面(上側ボディ)、35:縁(上側ボディ)、40:下側ボディ、41:底部(下側ボディの底部)、43:内面(下側ボディ)、44:開口縁部(下側ボディの鉛直下側の開口縁部)、45:縁(下側ボディ)、46:外面(下側ボディ)、50:接続部、52,52B:鉛直方向部材(接続部)、53:上端(鉛直方向部材)、54:中間部(鉛直方向部材)、55,55B:下側端部(鉛直方向部材の下側の端部)、56,56B:接続パッド(接続部)、57:通し穴(鉛直方向部材)、58:雌ねじ(接続パッド)、60:流動抵抗部材(網状の部材)、62:開口(流動抵抗部材)、70:天板、73:外面(天板)、77:バードスクリーン、80:ボルト、82:雄ねじ(ボルト)