(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-14
(45)【発行日】2022-10-24
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20221017BHJP
G02F 1/1339 20060101ALI20221017BHJP
G02F 1/1343 20060101ALI20221017BHJP
G02F 1/1368 20060101ALI20221017BHJP
【FI】
G09F9/30 330
G02F1/1339 505
G02F1/1343
G02F1/1368
G09F9/30 309
G09F9/30 338
(21)【出願番号】P 2018236407
(22)【出願日】2018-12-18
【審査請求日】2021-11-22
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阿部 裕行
(72)【発明者】
【氏名】松村 和音
(72)【発明者】
【氏名】小出 元
【審査官】川俣 郁子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/155346(WO,A1)
【文献】特開2011-090293(JP,A)
【文献】特開2006-146094(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103163699(CN,A)
【文献】特開2010-123938(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106169482(CN,A)
【文献】国際公開第2018/139450(WO,A1)
【文献】特表2005-527856(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0056736(US,A1)
【文献】特表2005-519344(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F1/133-1/1334
1/1339-1/1368
G09F9/30-9/46
G09G3/18
3/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
前記表示部の周辺の非表示部と、
前記表示部に位置する走査線と、
前記非表示部に位置するコモン電位の給電線と、
前記非表示部に位置し、前記走査線に走査信号を供給する走査線駆動回路と、
前記給電線と前記走査線駆動回路との間に位置し、前記走査線駆動回路に接続される第1配線群と、
前記給電線と電気的に接続され、前記給電線、前記第1配線群、及び前記走査線駆動回路を覆う透明導電膜と、
前記表示部及び前記非表示部を備えた第1基板と、
前記第1基板と対向する第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に位置する液晶層と、
前記第1基板と前記第2基板とを接着し、前記液晶層を封止するシールと、
を備え、
前記透明導電膜は、前記第1配線群に重畳する開口部を有し
、
前記シールは、前記非表示部に位置し、前記開口部に重畳し、
前記給電線は、前記第1基板の基板端部と前記走査線駆動回路との間に位置し、
前記走査線駆動回路は、前記給電線と前記表示部との間に位置し、
前記開口部は、前記第1配線群に重畳する領域のうち、前記給電線に近接する領域に形成され、
前記走査線駆動回路は、シフトレジスタと、ゲートスイッチと、を備え、
前記第1配線群は、前記給電線と前記シフトレジスタとの間に位置し、
さらに、前記ゲートスイッチと前記表示部との間に位置する配線を備え、
前記配線の電位は、前記透明導電膜の電位より低い固定電位であり、
前記透明導電膜は、前記配線に重畳しない、表示装置。
【請求項2】
前記走査線駆動回路は、
さらに、スキャン方向切替回路
を備え、
前記スキャン方向切替回路は、前記給電線と前記シフトレジスタとの間に位置し、
前記透明導電膜は、前記スキャン方向切替回路に重畳している、請求項
1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記シフトレジスタと前記ゲートスイッチの間に位置し、前記走査線駆動回路に接続される第2配線群を、さらに、備え、
前記透明導電膜は、前記第2配線群に重畳し、
前記開口部は、前記第2配線群に重畳しない、請求項
1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記透明導電膜は、前記表示部側に第1端部を有し、
前記第1端部は、前記ゲートスイッチに重畳している、請求項
3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記シールは、平面視で、前記給電線、前記第1配線群、及び、前記シフトレジスタに重畳し、前記ゲートスイッチに重畳しない、請求項
1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記シールは、前記表示部側に第2端部を有し、
前記第1端部は、前記第2端部と前記表示部との間に位置している、請求項
4に記載の表示装置。
【請求項7】
前記
シフトレジスタは、第1シフトレジスタと、第2シフトレジスタと、
を備え、
前記スキャン方向切替回路は、前記給電線と前記第1シフトレジスタとの間に位置する第1スキャン方向切替回路と、前記給電線と前記第2シフトレジスタとの間に位置する第2スキャン方向切替回路と、を備え、
前記開口部は、前記第1スキャン方向切替回路と前記第2スキャン方向切替回路との間に形成されている、請求項
2に記載の表示装置。
【請求項8】
表示部と、
前記表示部の周辺の非表示部と、
前記表示部に位置する走査線と、
前記非表示部に位置するコモン電位の給電線と、
前記非表示部に位置し、前記走査線に走査信号を供給する走査線駆動回路と、
前記給電線と前記走査線駆動回路との間に位置し、前記走査線駆動回路に接続される第1配線群と、
前記給電線と電気的に接続され、前記給電線、前記第1配線群、及び前記走査線駆動回路を覆う透明導電膜と、
前記表示部及び前記非表示部を備えた第1基板と、
前記第1基板と対向する第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に位置する液晶層と、
前記第1基板と前記第2基板とを接着し、前記液晶層を封止するシールと、
を備え、
前記透明導電膜は、前記第1配線群に重畳する開口部を有し、
前記シールは、前記非表示部に位置し、前記開口部に重畳し、
前記第1基板は、さらに、第1絶縁膜と、第2絶縁膜と、第3絶縁膜と、前記第1絶縁膜の第1貫通孔において前記給電線に接する第1接続電極と、前記第2絶縁膜の第2貫通孔において前記第1接続電極に接する第2接続電極と、を備え、
前記透明導電膜は、前記第3絶縁膜の第3貫通孔において前記第2接続電極に接している
、表示装置。
【請求項9】
前記第1絶縁膜及び前記第2絶縁膜は、有機絶縁膜であり、
前記第1接続電極は、金属電極であり、
前記第2接続電極は、透明電極である、請求項
8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第1基板は、さらに、配向膜を備え、
前記配向膜の上面は、前記シールに接し、
前記透明導電膜の上面は、前記配向膜に接し、
前記透明導電膜の下面は、前記第3絶縁膜に接している、請求項
8に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第1基板は、さらに、前記表示部において、信号線と、前記信号線に重畳する金属配線と、共通電極と、画素電極と、を備え、
前記金属配線は、前記第1絶縁膜及び前記第2絶縁膜の間に位置し、前記第1接続電極と同一材料によって形成され、
前記共通電極は、前記第2絶縁膜及び前記第3絶縁膜の間に位置し、前記第2接続電極と同一材料によって形成され、
前記画素電極は、前記第3絶縁膜及び前記液晶層の間に位置し、前記透明導電膜と同一材料によって形成されている、請求項
8に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示装置において、信頼性の低下を抑制するための技術が種々検討されている。一例では、所望の接着強度を確保する観点で、シールに接する配向膜と、配向膜の下地となる無機絶縁膜との間に、透明導電膜を設ける技術が開示されている。
また、他の例では、タッチセンサを備えた液晶表示装置において、タッチセンシング用の高周波パルスによるノイズを抑制する観点で、センサ給電線上に金属材料で形成されたメッシュ状のシールド部を設ける技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-225227号公報
【文献】特開2018-132606号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態の目的は、信頼性の低下を抑制できる表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態によれば、
表示部と、前記表示部の周辺の非表示部と、前記表示部に位置する走査線と、前記非表示部に位置するコモン電位の給電線と、前記非表示部に位置し、前記走査線に走査信号を供給する走査線駆動回路と、前記給電線と前記走査線駆動回路との間に位置し、前記走査線駆動回路に接続される第1配線群と、前記給電線と電気的に接続され、前記給電線、前記第1配線群、及び前記走査線駆動回路を覆う透明導電膜と、を備え、前記透明導電膜は、前記第1配線群に重畳する開口部を有している、表示装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、本実施形態の表示装置DSPの一構成例を示す平面図である。
【
図2】
図2は、
図1に示した第1基板SUB1の一構成例を示す平面図である。
【
図3】
図3は、
図1に示したセンサ電極Rx1及びRx11を含む領域を拡大した平面図である。
【
図4】
図4は、
図3に示したA-B線に沿った表示パネルPNLの断面図である。
【
図5】
図5は、走査線駆動回路GD1を含む非表示部NDAの構成例を示す平面図である。
【
図6】
図6は、
図5に示した走査線駆動回路GD1の一部の回路構成例を示す図である。
【
図7】
図7は、
図5に示した接続部CNを含むC-D線に沿った表示パネルPNLの断面図である。
【
図8】
図8は、
図5に示した開口部OPを含むE-F線に沿った表示パネルPNLの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0008】
本実施形態においては、表示装置DSPの一例として、液晶表示装置について説明する。なお、本実施形態にて開示する主要な構成は、有機エレクトロルミネッセンス表示素子やμLED等を有する自発光型の表示装置、電気泳動素子等を有する電子ペーパ型の表示装置、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を応用した表示装置、或いはエレクトロクロミズムを応用した表示装置などにも適用可能である。
【0009】
図1は、本実施形態の表示装置DSPの一構成例を示す平面図である。一例では、第1方向X、第2方向Y、及び、第3方向Zは、互いに直交しているが、90度以外の角度で交差していてもよい。第1方向X及び第2方向Yは、表示装置DSPを構成する基板の主面と平行な方向に相当し、第3方向Zは、表示装置DSPの厚さ方向に相当する。
【0010】
表示装置DSPは、表示パネルPNLと、ICチップ1と、フレキシブルプリント回路基板2と、を備えている。表示パネルPNLは、画像を表示する表示部DAと、表示部DAを囲む額縁状の非表示部NDAと、を備えている。表示部DAは、第1方向(列方向)X及び第2方向(行方向)Yにマトリクス状に配置された複数の画素PXを備えている。
【0011】
表示パネルPNLは、例えば液晶表示パネルであり、第1基板SUB1と、第2基板SUB2と、液晶層LCと、シールSEと、を備えている。第2基板SUB2は、第1基板SUB1に対向している。シールSEは、非表示部NDAに位置し、第1基板SUB1と第2基板SUB2とを接着するとともに、液晶層LCを封止している。第1基板SUB1は、第2基板SUB2よりも第2方向Yに延出した実装部MAを有している。
ICチップ1及びフレキシブルプリント回路基板2は、実装部MAに実装されている。なお、ICチップ1は、フレキシブルプリント回路基板2に実装されていてもよい。
【0012】
図2は、
図1に示した第1基板SUB1の一構成例を示す平面図である。第1基板SUB1は、上記の表示部DA及び非表示部NDAを備えている。第1基板SUB1は、基板端部E1乃至E4を有している。基板端部E1及びE2は、第2方向Yに沿って延出し、例えば長辺に相当する。基板端部E3及びE4は、第1方向Xに沿って延出し、例えば短辺に相当する。
【0013】
第1基板SUB1は、表示部DAにおいてタッチセンサTSを備え、非表示部NDAにおいてICチップ1を備えている。
ICチップ1は、ディスプレイドライバDDと、タッチコントローラTCと、を内蔵している。ディスプレイドライバDDは、画像を表示する画像表示モードにおいて映像信号等の画像表示に必要な信号を表示パネルPNLに出力する。タッチコントローラTCは、表示装置DSPへの物体の接近又は接触を検出するタッチセンシングモードにおいてタッチセンサTSを制御する。なお、タッチコントローラTCは、ディスプレイドライバDDとは別のICチップに内蔵されていてもよい。
【0014】
ここで、自己容量方式のタッチセンサTSについて説明するが、タッチセンサTSは相互容量方式であってもよい。タッチセンサTSは、複数のセンサ電極Rxと、複数のセンサ配線Lと、を備えている。複数のセンサ電極Rxは、表示部DAに位置し、第1方向X及び第2方向Yにマトリクス状に配置されている。複数のセンサ配線Lは、表示部DAにおいて、それぞれ第2方向Yに沿って延出し、第1方向Xに並んでいる。センサ配線Lの各々は、例えば後述する信号線Sと重畳する位置に設けられている。また、センサ配線Lの各々は、非表示部NDAに引き出され、ICチップ1に電気的に接続され、さらに、ICチップ1の内部でタッチコントローラTCに電気的に接続されている。
【0015】
ここで、第1方向Xに並んだセンサ配線L1乃至L3と、第2方向Yに並んだセンサ電極Rx1乃至Rx3との関係に着目する。センサ配線L1は、センサ電極Rx1乃至Rx3と重畳し、センサ電極Rx1と電気的に接続されている。
センサ配線L2は、センサ電極Rx2及びRx3と重畳し、センサ電極Rx2と電気的に接続されている。ダミー配線D21は、センサ配線L2から離間している。ダミー配線D21は、センサ電極Rx1と重畳し、センサ電極Rx1と電気的に接続されている。センサ配線L2及びダミー配線D21は、後述するように同一の信号線上に位置している。
センサ配線L3は、センサ電極Rx3と重畳し、センサ電極Rx3と電気的に接続されている。ダミー配線D31は、センサ電極Rx1と重畳し、センサ電極Rx1と電気的に接続されている。ダミー配線D32は、ダミー配線D31及びセンサ配線L3から離間している。ダミー配線D32は、センサ電極Rx2と重畳し、センサ電極Rx2と電気的に接続されている。センサ配線L3、ダミー配線D31及びD32は、同一の信号線上に位置している。
【0016】
タッチセンシングモードにおいては、タッチコントローラTCは、センサ配線Lにセンサ駆動電圧を印加する。これにより、センサ電極Rxにはセンサ駆動電圧が印加され、センサ電極Rxでのタッチセンシングが行われる。センサ電極Rxでのセンシング結果に対応したセンサ信号は、センサ配線Lを介してタッチコントローラTCに出力される。タッチコントローラTCあるいは外部のホストは、センサ信号に基づいて、表示装置DSPへの物体の接近又は接触の有無及び物体の位置座標を検出する。
なお、画像表示モードにおいては、センサ電極Rxは、センサ駆動電圧とは異なるコモン電圧(Vcom)が印加される。コモン電圧は、例えばディスプレイドライバDDに含まれる電圧供給部からセンサ配線Lを介して印加される。
【0017】
第1基板SUB1は、非表示部NDAにおいて、走査線駆動回路GD1及びGD2と、給電線Fと、配線W1及びW2と、を備えている。走査線駆動回路GD1は、基板端部E1と表示部DAとの間に設けられている。走査線駆動回路GD2は、基板端部E2と表示部DAとの間に設けられている。
【0018】
給電線Fは、基板端部E1乃至E3に沿って設けられている。図示した例では、給電線Fは、基板端部E1と走査線駆動回路GD1との間に設けられ、また、基板端部E2と走査線駆動回路GD2との間に設けられている。給電線Fは、例えばICチップ1と電気的に接続され、ICチップ1は、給電線Fにコモン電圧を供給する。また、給電線Fに供給されるコモン電位は、画像表示モード及びタッチセンシングモードにおいて共通の電位であっても良く、それぞれ異なる電位であっても良い。
【0019】
配線W1及びW2は、表示部DAを囲む枠状に形成されている。配線W1は、給電線Fと配線W2との間に設けられている。配線W2は、配線W1と表示部DAとの間に設けられている。配線W1の電位は、給電線F及び配線W2の電位とは異なり、例えば固定電位である。また、配線W2の電位は、給電線Fの電位と同電位である。配線W1の電位は、配線W2の電位に対して相対的に低電位であってもよいし、高電位であってもよい。配線W1の電位が配線W2の電位よりも低電位である場合に、正極性の不純物イオンを捕捉するイオントラップ配線として機能する。あるいは、配線W1の電位が配線W2の電位よりも高電位である場合に、負極性の不純物イオンを捕捉するイオントラップ配線として機能する。一例では、配線W2の電位は、低電位電源VGLと同電位である。
【0020】
図3は、
図1に示したセンサ電極Rx1及びRx11を含む領域を拡大した平面図である。走査線G1乃至G3は、第1方向Xに沿って延出し、第2方向Yに間隔をおいて並んでいる。走査線G1乃至G3は、走査線駆動回路GD1及びGD2と電気的に接続されている。信号線S1乃至S5は、第2方向Yに沿って延出し、第1方向Xに間隔をおいて並んでいる。これらの信号線S1乃至S5は、ディスプレイドライバDDと電気的に接続されている。なお、信号線S1乃至S5は、その一部が屈曲していたとしても、第2方向Yに延出しているものとする。
【0021】
共通電極CE1及びCE2は、第1方向Xに間隔をおいて並んでいる。共通電極CE1は
図1に示したセンサ電極Rx1に相当し、共通電極CE2はセンサ電極Rx11に相当する。
【0022】
複数の画素電極PEは、共通電極CE1及びCE2の各々に重畳している。各画素電極PEは、スイッチング素子SWを介して信号線S1乃至S5のいずれかと電気的に接続されている。例えば、図中のスイッチング素子SW1は、走査線G2及び信号線S3と電気的に接続されている。画素電極PE1は、共通電極CE1に重畳し、スイッチング素子SW1を介して信号線S3と電気的に接続されている。また、画素電極PE2は、共通電極CE2に重畳し、スイッチング素子SW2を介して信号線S4と電気的に接続されている。
【0023】
金属配線M1乃至M5は、第2方向Yに沿って延出し、第1方向Xに間隔をおいて並んでいる。これらの金属配線M1乃至M5は、それぞれ信号線S1乃至S5に重畳している。例えば、金属配線M1及びM2は
図1に示したダミー配線D31に相当し、金属配線M4はセンサ配線L4に相当する。
【0024】
共通電極CE1は、金属配線M1及びM2に重畳し、接続部P11及びP12においてそれぞれ金属配線M1及びM2と電気的に接続されている。
共通電極CE2は、金属配線M4及びM5に重畳し、接続部P15において金属配線M5と電気的に接続されている。図示した例では、共通電極CE2と金属配線M4とは電気的に接続されていない。金属配線M4は、タッチコントローラTCと電気的に接続されている。
【0025】
図4は、
図3に示したA-B線に沿った表示パネルPNLの断面図である。図示した例は、横電界を利用する表示モードが適用された例に相当する。
【0026】
第1基板SUB1は、絶縁基板10、絶縁膜11乃至16、信号線S2乃至S4、金属配線M2乃至M4、共通電極CE1及びCE2、画素電極PE1及びPE2、配向膜AL1などを備えている。絶縁基板10は、ガラス基板や可撓性の樹脂基板などの光透過性を有する基板である。絶縁膜11乃至13は、絶縁基板10の上において、この順に第3方向Zに沿って配置されている。図示を省略するが、スイッチング素子SWが備える半導体層は絶縁膜11及び12の間に位置し、走査線Gは絶縁膜12及び13の間に位置している。信号線S2乃至S4は、絶縁膜13及び14の間に位置している。一例では、信号線S2乃至S4は、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、及び、チタン(Ti)を順に積層した積層体であるが、他の金属材料によって形成されていてもよい。金属配線M2乃至M4は、絶縁膜14及び15の間に位置している。金属配線M2乃至M4は、それぞれ信号線S2乃至S4の直上に位置している。一例では、金属配線M2乃至M4は、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、及び、チタン(Ti)を順に積層した積層体、あるいは、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、及び、モリブデン(Mo)を順に積層した積層体であるが、他の金属材料によって形成されていてもよい。
【0027】
共通電極CE1及びCE2は、絶縁膜15及び16の間に位置している。絶縁膜15は、接続部P12に対応して貫通孔CH12を有している。共通電極CE1は、貫通孔CH12において金属配線M2に接続されている。
画素電極PE1及びPE2は、絶縁膜16の上に位置し、配向膜AL1によって覆われている。画素電極PE1は共通電極CE1の直上に位置し、画素電極PE2は、共通電極CE2の直上に位置している。共通電極CE1及びCE2、及び、画素電極PE1及びPE2は、インジウム・ティン・オキサイド(ITO)やインジウム・ジンク・オキサイド(IZO)などの透明な導電材料によって形成された透明電極である。
【0028】
絶縁膜11乃至13、及び、絶縁膜16は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物などの無機絶縁膜であり、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。絶縁膜14及び15は、例えば、アクリル樹脂などの有機絶縁膜である。なお、絶縁膜15は、無機絶縁膜であってもよい。
【0029】
第2基板SUB2は、絶縁基板20、遮光層BM、カラーフィルタ層CF、オーバーコート層OC、配向膜AL2などを備えている。絶縁基板20は、絶縁基板10と同様に、ガラス基板や樹脂基板などの光透過性を有する基板である。遮光層BM及びカラーフィルタ層CFは、絶縁基板20の第1基板SUB1と対向する側に位置している。カラーフィルタ層CFは、赤色のカラーフィルタCFR、緑色のカラーフィルタCFG、青色のカラーフィルタCFBを含んでいる。図示した例では、カラーフィルタCFBは画素電極PE1の直上に位置し、カラーフィルタCFRは画素電極PE2の直上に位置している。オーバーコート層OCは、カラーフィルタ層CFを覆っている。配向膜AL2は、オーバーコート層OCを覆っている。配向膜AL1及び配向膜AL2は、例えば、水平配向性を呈する材料によって形成されている。
【0030】
液晶層LCは、第1基板SUB1及び第2基板SUB2の間に位置し、配向膜AL1と配向膜AL2との間に保持されている。
偏光板PL1を含む光学素子OD1は、絶縁基板10に接着されている。偏光板PL2を含む光学素子OD2は、絶縁基板20に接着されている。
【0031】
図5は、走査線駆動回路GD1を含む非表示部NDAの構成例を示す平面図である。なお、走査線駆動回路GD2を含む非表示部NDAについても、
図5に示す構成例と同様に構成されている。
【0032】
走査線駆動回路GD1は、
図5において一点鎖線で示すように、スキャン方向切替回路SS1及びSS2と、シフトレジスタSR1及びSR2と、ゲートスイッチGS1乃至GS8と、配線群WG1及びWG2と、を備えている。スキャン方向切替回路SS1及びSS2、及び、配線群WG1は、第1方向Xにおいて、給電線FとシフトレジスタSR1及びSR2との間に位置している。配線群WG2は、第1方向Xにおいて、シフトレジスタSR1及びSR2とゲートスイッチGS1乃至GS8との間に位置している。ゲートスイッチGS1乃至GS8は、第1方向Xにおいて、配線群WG2と配線W1との間に位置している。
【0033】
各部の構成例は後述するが、配線群WG1を構成する配線W11乃至W19の一例を簡単に説明する。配線W11は、出力モニタ用の配線(OUTV)である、配線W12は、垂直スタートパルスを供給するための配線(STV)である。配線W13は、スキャン方向を順方向に設定するクロックを供給するための配線(UP)である。配線W14及びW15は、内部ノードに相当する配線である。配線W16は、スキャン方向を逆方向に設定するクロックを供給するための配線(xUP)である。配線W17は、転送クロックを供給するための配線(CKV)である。配線W18は、高電位電源線(VGH)に相当する。配線W19は、低電位電源線(VGL)に相当する。
【0034】
配線W13及びW16の各々は、スキャン方向切替回路SS1及びSS2に電気的に接続されている。配線W14及びW15は、第2方向Yに隣接するスキャン方向切替回路SS1及びSS2の間を電気的に接続している。配線W17乃至W19の各々は、シフトレジスタSR1及びSR2に電気的に接続されている。シフトレジスタSR1は、スキャン方向切替回路SS1からの出力信号に基づいて動作し、ゲートスイッチGS1乃至GS4を制御する。ゲートスイッチGS1乃至GS4は、それぞれ走査線G1乃至G4と電気的に接続され、走査線G1乃至G4に走査信号を供給する。シフトレジスタSR2も、シフトレジスタSR1と同様に構成されている。
配線群WG2を構成する配線は、ゲートスイッチGSに接続される配線と電源線を含む。ゲートスイッチGS1乃至GS4にはそれぞれ対応する配線群WG2の配線があり、それら配線は走査線G1乃至G4にそれぞれにゲート電圧を供給する。
【0035】
透明導電膜TFは、給電線F及び走査線駆動回路GD1を覆うように配置されている。透明導電膜TFは、接続部CNにおいて、給電線Fと電気的に接続されている。つまり、透明導電膜TFの電位は、給電線Fと同じくコモン電位である。本実施形態においては、透明導電膜TFは、走査線駆動回路GD1の全体を覆うわけではなく、走査線駆動回路GD1に重畳する複数の開口部OPを有している。複数の開口部OPは、第2方向Yに並んでいる。
【0036】
これらの開口部OPは、走査線駆動回路GD1に重畳する領域のうち、給電線Fに近接する領域、あるいは、表示部DAよりも基板端部E1に近接する領域に形成されている。より具体的には、開口部OPは、配線群WG1に重畳している。本実施形態においては、透明導電膜TFは、スキャン方向切替回路SS1及びSS2を覆っており、開口部OPは、配線群WG1に重畳する領域のうち、隣接するスキャン方向切替回路SS1及びSS2の間の領域に形成されている。但し、透明導電膜TFはスキャン方向切替回路SS1及びSS2を覆わないものであっても良い。この場合、開口部OPの間にある透明導電膜TFにおいてスキャン方向切替回路SS1及びSS2に重なる部分にも開口部OPが形成されることになる。
【0037】
透明導電膜TFの表示部DA側の端部E11は、ゲートスイッチGS1乃至GS8に重畳している。つまり、透明導電膜TFは、配線群WG2と配線W1との間において、ゲートスイッチGS1乃至GS8の一部を覆っている。一方で、透明導電膜TFの端部E11は、配線W1及びW2には重畳していない。なお、ここでは図示を省略するが、配線W1及びW2には、それぞれ透明導電膜TFとは異なる層に、異なる透明導電膜が重畳している場合がある。
【0038】
シールSEは、
図5において二点鎖線で示すように、平面視において、給電線F、及び、透明導電膜TFの一部に重畳している。また、シールSEは、その中央部で開口部OPに重畳しており、シールSEの端部と開口部OPとが重畳することはない。さらに、シールSEは、走査線駆動回路GD1の一部、すなわち、配線群WG1と、スキャン方向切替回路SS1及びSS2と、シフトレジスタSR1及びSR2と、に重畳している。シールSEの表示部DA側の端部E21は、配線群WG2に重畳している。つまり、シールSEは、シフトレジスタSR1及びSR2と配線W1との間において、配線群WG2の一部を覆っている。また、透明導電膜TFの端部E11は、シールSEの端部E21と表示部DAとの間に位置している。
【0039】
図6は、
図5に示した走査線駆動回路GD1の一部の回路構成例を示す図である。スキャン方向切替回路SS1は、スイッチSW11及びSW12を備えている。スイッチSW11及びSW12の各々は、並列に接続されたP型のトランジスタとN型のトランジスタとで構成されている。スキャン方向切替回路SS2も、スキャン方向切替回路SS1と同様に構成されている。
【0040】
シフトレジスタSR1は、NOR回路NRと、スイッチSW13乃至SW16とを備えている。NOR回路NRの一端側は高電位電源線(VGH)である配線W18に接続され、他端側は低電位電源線(VGL)である配線W19に接続されている。P型のトランジスタであるスイッチSW13は、N型のトランジスタであるスイッチSW14と直列に接続されている。スイッチSW13側は配線W17に接続され、スイッチSW14側は配線W19に接続されている。P型のトランジスタであるスイッチSW15は、N型のトランジスタであるスイッチSW16と直列に接続されている。スイッチSW15側は配線W18に接続され、スイッチSW16側は配線W19に接続されている。
【0041】
シフトレジスタSR2は、NAND回路NDと、スイッチSW17乃至SW20とを備えている。スイッチSW17は、並列に接続された2つのP型のトランジスタによって構成されている。スイッチSW17は、N型のトランジスタであるスイッチSW18と直列に接続されている。スイッチSW17側は配線W18に接続され、スイッチSW18側は配線W17に接続されている。P型のトランジスタであるスイッチSW19は、N型のトランジスタであるスイッチSW20と直列に接続されている。スイッチSW19側は配線W18に接続され、スイッチSW20側は配線W19に接続されている。
なお、走査線駆動回路GD1の回路構成は、図示した例に限らない。
【0042】
図7は、
図5に示した接続部CNを含むC-D線に沿った表示パネルPNLの断面図である。なお、
図4に示した光学素子OD1及びOD2の図示は省略している。第1基板SUB1において、給電線Fは、絶縁膜13及び14の間に位置している。絶縁膜14は、給電線Fまで貫通した貫通孔CH11を有している。接続電極CN1は、絶縁膜14及び15の間に位置し、貫通孔CH11において給電線Fに接している。絶縁膜15は、接続電極CN1まで貫通した貫通孔CH12を有している。接続電極CN2は、絶縁膜15及び16の間に位置し、貫通孔CH12において接続電極CN1に接している。絶縁膜16は、接続電極CN2まで貫通した貫通孔CH13を有している。透明導電膜TFは、絶縁膜16及び配向膜AL1の間に位置し、貫通孔CH13において接続電極CN2に接している。
【0043】
図示した例では、貫通孔CH11乃至CH13は、互いに重ならないように、第2方向Yにずれて配置されている。つまり、貫通孔CH11には絶縁膜15が配置され、貫通孔CH12には絶縁膜16が配置されている。なお、貫通孔CH11乃至CH13のうちの少なくとも2つが互いに重なるように配置されてもよい。
【0044】
給電線Fは、
図4に示した信号線S2などと同一層に位置し、信号線S2と同一材料によって形成された金属配線である。接続電極CN1は、金属配線M2などと同一層に位置し、金属配線M2と同一材料によって形成された金属電極である。接続電極CN2は、共通電極CE1などと同一層に位置し、共通電極CE1と同一材料によって形成された透明電極である。透明導電膜TFは、画素電極PE1などと同一層に位置し、画素電極PE1と同一材料によって形成されている。
【0045】
シールSEは、配向膜AL1及びAL2の間に設けられ、接続部CNにも重畳している。配向膜AL1の上面ALAは、シールSEに接している。透明導電膜TFの上面TFAは、配向膜AL1に接している。透明導電膜TFの下面TFBは、絶縁膜16に接している。
【0046】
図8は、
図5に示した開口部OPを含むE-F線に沿った表示パネルPNLの断面図である。なお、
図4に示した光学素子OD1及びOD2の図示は省略している。
図示した例では、給電線F、及び、配線W11乃至W19は、同一層に位置し、絶縁膜13及び14の間に位置している。透明導電膜TFは、給電線F、及び、配線W18乃至W19の直上に位置している。開口部OPは、配線W11乃至W17の直上に形成されている。開口部OPにおいて、配向膜AL1は、絶縁膜16に接している。
【0047】
ところで、表示部DAにおいて、例えば市松模様のような特定のパターンを表示する際、最小階調値に対応した電圧、及び、最大階調値に対応した電圧が信号線Sに交互に印加される場合を想定する。このとき、信号線Sに重畳している金属配線M(さらには、金属配線Mと電気的に接続された共通電極CE)は、信号線Sと容量結合している。このため、信号線Sの電位の変動が大きくなると、共通電極CEの電位の変動も大きくなる。このような共通電極CEの電位変動は、コモン電位の供給元であるICチップ1を介して、給電線Fに伝わり、給電線Fが重畳する走査線駆動回路GD1及びGD2の誤動作の原因となる恐れがある。特に、配線群WG1にあるクロックやスタートパルスを供給するような配線は、配線群WG1や配線群GW2の電源配線に比べて、誤作動の影響を受けやすい。
【0048】
本実施形態によれば、給電線Fと電気的に接続された透明導電膜TFは、走査線駆動回路GD1及びGD2に重畳する開口部OPを有している。このため、たとえ給電線Fに共通電極CEの電位変動が伝わったとしても、その影響を緩和することができる。これにより、走査線駆動回路GD1及びGD2の誤動作を抑制することができ、信頼性の低下を抑制することができる。
【0049】
また、開口部OPは、配線群WG1に重畳しており、寄生容量を低減することができる。加えて、透明導電膜TFは、走査線駆動回路GD1の回路部(スキャン方向切替回路SS1及びSS2、及び、シフトレジスタSR1及びSR)と高電位電源線W18に重畳しており、回路部から液晶層LCに及ぶ電界をシールドすることができる。
また、シールSEと重畳する領域において、開口部OPを挟んだ基板端部E1側及び表示部DA側の双方において、透明導電膜TFが配向膜AL1及び絶縁膜16と強固に接着されている。このため、シールSEと重畳する領域における層間剥離を抑制することができる。
【0050】
本実施形態において、シフトレジスタSR1は第1シフトレジスタに相当し、シフトレジスタSR2は第2シフトレジスタに相当する。スキャン方向切替回路SS1は第1スキャン方向切替回路に相当し、スキャン方向切替回路SS2は第2スキャン方向切替回路に相当する。配線群WG1は第1配線群に相当し、配線群WG2は第2配線群に相当する。
透明導電膜TFの端部E11は第1端部に相当し、シールSEの端部E21は第2端部に相当する。絶縁膜14は第1絶縁膜に相当し、貫通孔CH11は第1貫通孔に相当する。絶縁膜15は第2絶縁膜に相当し、貫通孔CH12は第2貫通孔に相当する。絶縁膜16は第3絶縁膜に相当し、貫通孔CH13は第3貫通孔に相当する。接続電極CN1は第1接続電極に相当し、接続電極CN2は第2接続電極に相当する。
【0051】
以上説明したように、本実施形態によれば、信頼性の低下を抑制することが可能な表示装置を提供することができる。
【0052】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0053】
DSP…表示装置 PNL…表示パネル
SUB1…第1基板 SUB2…第2基板 LC…液晶層 SE…シール
DA…表示部 NDA…非表示部
CE…共通電極 PE…画素電極
G…走査線 GD1、GD2…走査線駆動回路
F…給電線 TF…導電膜 OP…開口部