(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-14
(45)【発行日】2022-10-24
(54)【発明の名称】プリンタ、情報処理システム、および、プログラム
(51)【国際特許分類】
B41J 2/32 20060101AFI20221017BHJP
B41J 3/36 20060101ALI20221017BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20221017BHJP
G06F 1/28 20060101ALI20221017BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20221017BHJP
H01M 10/44 20060101ALI20221017BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20221017BHJP
【FI】
B41J2/32 Z
B41J3/36
B41J29/38 104
G06F1/28
H02J7/00 B
H02J7/00 302D
H02J7/00 X
H01M10/44 Q
H01M10/48 P
(21)【出願番号】P 2018244778
(22)【出願日】2018-12-27
【審査請求日】2021-07-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000130581
【氏名又は名称】サトーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000165
【氏名又は名称】グローバル・アイピー東京特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 和幸
【審査官】佐藤 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-051850(JP,A)
【文献】特開2017-065203(JP,A)
【文献】特開2014-171352(JP,A)
【文献】特開2011-080811(JP,A)
【文献】特開2010-259163(JP,A)
【文献】特開2006-187946(JP,A)
【文献】特開2007-168237(JP,A)
【文献】特開2011-100691(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/32
B41J 3/36
B41J 29/38
G06F 1/28
H02J 7/00
H01M 10/44
H01M 10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印字媒体を発行するプリンタであって、
前記プリンタに電源を供給する充放電可能なバッテリと、
前記プリンタを充電器から取り外してから、前記バッテリの放電によって前記プリンタを稼動させ、前記プリンタを充電器に接続させるまでの期間を稼動期間としたときに、前記稼動期間が開始する前に、前記稼動期間における前記印字媒体の発行予定枚数に関する情報を取得する情報取得部と、
現在の前記バッテリの充電残量と、前記発行予定枚数に関する情報とに基づいて、前記稼動期間が開始する前に前記バッテリを充電するか否かを決定する制御部と、
を備
え、
前記制御部は、前記稼動期間を開始する前に前記バッテリに対して充電を行った後の充電残量及び前記稼動期間の終了時における前記バッテリの充電残量が、予め設定された第1閾値以上かつ前記第1閾値よりも大きい第2閾値未満となるように制御し、
前記発行予定枚数に関する情報から前記稼動期間における前記バッテリの予定放電量を推定し、前記稼動期間を開始する前の前記バッテリの充電残量から前記予定放電量を減算したときの前記稼動期間終了時に推定される充電残量が前記第1閾値以上の場合には、前記バッテリを充電しないように制御する、プリンタ。
【請求項2】
前記制御部は、前記稼動期間が開始する前の前記バッテリの充電残量と、前記発行予定枚数に関する情報とに基づいて、前記稼動期間の終了時における前記バッテリの充電残量を推定し、当該充電残量が前記第1閾値以上である場合には前記バッテリを充電しないことを決定する、
請求項
1に記載されたプリンタ。
【請求項3】
前記制御部は、現在の前記バッテリの充電残量と、前記発行予定枚数に関する情報と、
に基づいて、前記バッテリを充電する場合の追加充電量を決定する、
請求項1に記載されたプリンタ。
【請求項4】
前記制御部は、前記発行予定枚数に関する情報に基づいて前記稼動期間における前記バッテリの予定放電量を推定し、前記稼動期間の終了時に推定される前記バッテリの充電残量が前記第1閾値以上
、前記第2閾値未満の場合に、当該予定放電量を、前記バッテリを充電する場合の追加充電量とする、
請求項
1に記載されたプリンタ。
【請求項5】
前記制御部は、前記発行予定枚数に関する情報に基づいて前記稼動期間における前記バッテリの予定放電量を推定し、前記稼動期間の終了時に推定される前記バッテリの充電残量が前記第1閾値以上
、前記第2閾値未満となるように、当該予定放電量よりも前記バッテリを充電する場合の追加充電量を大きくする、
請求項
1に記載されたプリンタ。
【請求項6】
前記制御部は、前記発行予定枚数に関する情報に基づいて前記稼動期間における前記バッテリの予定放電量を推定し、当該予定放電量に応じて前記バッテリを満充電の状態まで充電する、
請求項1に記載されたプリンタ。
【請求項7】
前記制御部は、前記バッテリの容量回復率に基づいて前記追加充電量を補正する、
請求項
3~
5のいずれかに記載されたプリンタ。
【請求項8】
サーバと、当該サーバと通信可能であって、充放電可能なバッテリによって供給される電源で動作し、印字媒体を発行するプリンタと、を含む情報処理システムであって、
前記サーバは、
前記プリンタを充電器から取り外してから前記バッテリの放電によって前記プリンタを稼動させ、前記プリンタを充電器に接続させるまでの期間を稼動期間としたときに、前記稼動期間における前記プリンタによる前記印字媒体の発行予定枚数に関する情報を記憶する記憶部と、
前記稼動期間が開始する前に、前記発行予定枚数に関する情報を前記プリンタに送信する送信部と、を備え、
前記プリンタは、
前記プリンタに電源を供給する充放電可能なバッテリと、
前記サーバから前記発行予定枚数に関する情報を受信する受信部と、
現在の前記バッテリの充電残量と、受信した前記発行予定枚数に関する情報とに基づいて、前記稼動期間が開始する前に前記バッテリを充電するか否かを決定する制御部と、を備
え、
前記制御部は、前記稼動期間を開始する前に前記バッテリに対して充電を行った後の充電残量及び前記稼動期間の終了時における前記バッテリの充電残量が、予め設定された第1閾値以上かつ前記第1閾値よりも大きい第2閾値未満となるように制御し、
前記発行予定枚数に関する情報から前記稼動期間における前記バッテリの予定放電量を推定し、前記稼動期間を開始する前の前記バッテリの充電残量から前記予定放電量を減算したときの前記稼動期間終了時に推定される充電残量が前記第1閾値以上の場合には、前記バッテリを充電しないように制御する、
情報処理システム。
【請求項9】
充放電可能なバッテリによって供給される電源で動作し、印字媒体を発行するプリンタにおいて、前記バッテリに対する制御を行うためのプログラムであって、
コンピュータを、
前記プリンタを充電器から取り外してから前記バッテリの放電によって前記プリンタを稼動させ、前記プリンタを充電器に接続させるまでの期間を稼動期間としたときに、前記稼動期間が開始する前に、前記稼動期間における前記印字媒体の発行予定枚数に関する情報を取得する情報取得手段、および、
現在の前記バッテリの充電残量と、前記発行予定枚数に関する情報とに基づいて、前記稼動期間が開始する前に前記バッテリを充電するか否かを決定
し、
前記稼動期間を開始する前に前記バッテリに対して充電を行った後の充電残量及び前記稼動期間の終了時における前記バッテリの充電残量が、予め設定された第1閾値以上かつ前記第1閾値よりも大きい第2閾値未満となるように制御し、
前記発行予定枚数に関する情報から前記稼動期間における前記バッテリの予定放電量を推定し、前記稼動期間を開始する前の前記バッテリの充電残量から前記予定放電量を減算したときの前記稼動期間終了時に推定される充電残量が前記第1閾値以上の場合には、前記バッテリを充電しないように制御する制御手段、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、情報処理システム、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、リチウムイオン電池等の充放電可能なバッテリ(二次電池ともいう。)が比較的小型のプリンタに使用されている。かかるバッテリは、充放電の繰り返し回数(あるいは放電サイクル)が増加するにつれて性能が劣化することが知られている。また、バッテリの充電を行う度に100%充電(満充電)を行うことでバッテリの寿命が低下する(容量回復率が低下する)ことも知られている。
なお、特許文献1には、充放電可能なバッテリの性能劣化要因を診断するシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
充放電の繰り返し行うことでバッテリの性能が劣化することは避けられないが、バッテリの性能劣化を遅らせることでバッテリの長寿命化を図ることが求められる。
【0005】
そこで、本発明は、充放電可能なバッテリを備えたプリンタにおいて、バッテリの長寿命化を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様は、印字媒体を発行するプリンタであって、前記プリンタに電源を供給する充放電可能なバッテリと、前記プリンタを充電器から取り外してから、前記バッテリの放電によって前記プリンタを稼動させ、前記プリンタを充電器に接続させるまでの期間を稼動期間としたときに、前記稼動期間が開始する前に、前記稼動期間における前記印字媒体の発行予定枚数に関する情報を取得する情報取得部と、現在の前記バッテリの充電残量と、前記発行予定枚数に関する情報とに基づいて、前記稼動期間が開始する前に前記バッテリを充電するか否かを決定する制御部と、を備えたプリンタである。前記制御部は、前記稼動期間を開始する前に前記バッテリに対して充電を行った後の充電残量及び前記稼動期間の終了時における前記バッテリの充電残量が、予め設定された第1閾値以上かつ前記第1閾値よりも大きい第2閾値未満となるように制御し、前記発行予定枚数に関する情報から前記稼動期間における前記バッテリの予定放電量を推定し、前記稼動期間を開始する前の前記バッテリの充電残量から前記予定放電量を減算したときの前記稼動期間終了時に推定される充電残量が前記第1閾値以上の場合には、前記バッテリを充電しないように制御する。
【発明の効果】
【0007】
本発明のある態様によれば、充放電可能なバッテリを備えたプリンタにおいて、バッテリの長寿命化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態の情報処理システムの概略構成を示す図である。
【
図2】実施形態のプリンタにおいてカバーを開放している状態の斜視図である。
【
図3】実施形態のプリンタの通紙ルートを説明するための部分断面図である。
【
図4】実施形態の情報処理システムの各装置の内部構成を示すブロック図である。
【
図5】配達データベースのデータ構成例を示す図である。
【
図6】実施形態の情報処理システムの動作例を示すシーケンスチャートである。
【
図7】実施形態のプリンタに含まれるバッテリの充放電イクルの一例を示す図である。
【
図8】実施形態のプリンタに含まれるバッテリの充放電サイクルの一例を示す図である。
【
図9】実施形態のプリンタに含まれるバッテリの充放電サイクルの一例を示す図である。
【
図10】実施形態のプリンタに含まれるバッテリの充放電サイクルの一例を示す図である。
【
図11】実施形態のプリンタに含まれるバッテリの充放電サイクルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の説明において、「充電残量」とは、例えば、充電率、又はSOC(State Of Charge)と実質的に同じ意味であり、満充電時を100%、完全放電時を0%とする値である。
【0010】
(1)情報処理システムの構成
以下、本実施形態の情報処理システム1について
図1を参照して説明する。
図1は、本実施形態の情報処理システム1の概略構成を示す図である。
図1に示すように、本実施形態の情報処理システム1は、プリンタ2と、ハンディターミナル3と、サーバ5と、を含む。ハンディターミナル3とサーバ5は、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット等のネットワークNWを介して通信可能である。プリンタ2とハンディターミナル3は、例えば無線通信によって通信可能である。すなわち、本実施形態の情報処理システム1では、プリンタ2とサーバ5がハンディターミナル3を通して通信可能となるように構成されている。
【0011】
プリンタ2は、例えば、バッテリによる電源によって動作する。バッテリは、例えばリチウムイオン電池等の二次電池であり、プリンタ2に電源を供給する。
プリンタ2は、小型の携帯プリンタであり、例えば
図1に示すように、扁平な直方体形状に形成された携帯プリンタである。ユーザはプリンタ2を横置きで使用することもできるし、図示しないベルトフックやショルダーベルトに装着した状態でプリンタ2を使用することもできる。
以下では、プリンタ2の用途として、荷物の配達業務において、ユーザである荷物の配達者が荷物の配達先において領収書や不在通知などの帳票をプリンタ2によって印字して発行する場合を挙げるが、それに限定されない。
【0012】
ハンディターミナル3は、例えば、プリンタ2またはサーバ5からの受信した情報の表示、プリンタ2またはサーバ5に対する情報の送信、および、ユーザによるプリンタ2を使用した業務のための業務用アプリケーションプログラムの実行等を行う。例えば、上述した荷物の配達業務の例では、業務用アプリケーションプログラムは、帳票の印字指示、および、伝票データ等の配達に関するデータの処理を実行するためのプログラムである。帳票の印字指示が実行されると、印字指示を示す信号がプリンタ2に送信される。
【0013】
一般的にユーザが携帯プリンタを使用する場合、例えば、業務時間内に携帯プリンタを持ち出して外出先で使用し、業務時間外に携帯プリンタを充電するという使用方法が多い。
本実施形態の例では、プリンタ2を動作させる期間として、ユーザがプリンタ2を充電器(
図1には図示せず)から外してハンディターミナル3とともに携帯し、断続的に印字媒体としての帳票を発行する稼動期間と、ユーザがプリンタ2を充電器に接続した状態とし、帳票の発行を行わない非稼動期間と、が想定される。本実施形態の荷物の配達業務の例では、ユーザである荷物の配達者が、配送センターに出勤してプリンタ2を充電器から取り外し、プリンタ2を携帯して荷物の配達を開始してから、荷物の配達が完了して配送センターに戻り、プリンタ2を充電器に接続させるまでの期間が「稼動期間」に相当する。プリンタ2が充電器に接続されている期間、すなわち、稼動期間以外の期間が「非稼動期間」に相当する。この場合、非稼動期間において、必要に応じてプリンタ2のバッテリに対する充電が可能である。
稼動期間は、例えば、バッテリを放電させてプリンタ2を稼動させる期間に相当する。
【0014】
従来、非稼動期間に携帯プリンタを充電する場合、稼動期間内でのプリンタによる帳票の発行枚数に関わらず、当該稼動期間の後に、プリンタのバッテリを毎回満充電させることが行われており、このことはバッテリの低寿命化を招く(つまり、容量回復率の低下を促進する)。例えば、バッテリの充電率が70%と100%(満充電)の間で繰り返し放電と充電を繰り返す場合と、バッテリの充電率が55%と85%の間で繰り返し放電と充電を繰り返す場合とを比較すると、後者の場合においてバッテリの寿命が3~4割程度延びるという報告もなされている。
【0015】
かかる観点に鑑み、本実施形態の情報処理システム1では、プリンタ2のバッテリを充電するに際して、バッテリを充電するか否か、または、バッテリに対して充電を行う場合の追加充電量を、その都度プリンタ2が決定するようにする。
より具体的には、本実施形態の情報処理システム1では、ある稼動期間(「第1稼動期間」という。)が終了してプリンタ2の充電を開始する時点までに、プリンタ2は、第1稼動期間に続く稼動期間である第2稼動期間の帳票の発行予定枚数の情報を取得する。第2稼動期間の帳票の発行予定枚数は、第2稼動期間でのプリンタ2による予定放電量に概ね比例している。そこで、プリンタ2は、第1稼動期間後においてプリンタ2の充電を開始する時点までに第2稼動期間の発行予定枚数を取得し、当該発行予定枚数に基づいてバッテリを充電するか否か、または、バッテリに対して充電を行う場合の追加充電量を決定する。
【0016】
(2)実施形態のプリンタの概略構成
次に、本実施形態の例示的なプリンタ2の概略構成について、
図1~
図3を参照して説明する。
図1には、カバーを閉鎖している状態のプリンタ2の斜視図も含まれる。
図2は、カバーを開放している状態のプリンタ2の斜視図である。なお、
図2には、プリンタ2に収容されるロール紙Rも例示している。
図3は、プリンタ2の通紙ルートを説明するためのプリンタ2の部分断面図である。
【0017】
図1および
図2に示す例示的なプリンタ2は、本体ケース201とカバー202を備える。
図2に示すように、カバー202の一端は本体ケース201にヒンジにより軸支されており、カバー202の当該一端は、カバー202が本体ケース201に対して離間および接近する方向に揺動可能なように構成されている。ボタン204を押下することによりカバー202が開放し、収容室SPが開放状態となる。収容室SPは、例えば、
図2に示すロール紙Rを収容する空間である。
【0018】
ロール紙Rは、帯状の連続紙CPがロール状に巻かれたものであり、プリンタ2のカバー202が開放状態のときに収容室SPにドロップイン方式で収容(装填)される。本実施形態の例では、ロール紙Rに芯材がなく、帯状の連続紙CPが所定の径の円筒状の中空部を有するように巻かれることでロール紙Rが形成されている。
連続紙CPには、その長手方向に沿って予め決められた間隔毎に帳票が設けられている。連続紙CPにおいて隣接する帳票同士は、ミシン目で区切られている。
連続紙CPの印字面には、予め決められた温度領域に達すると特定の色に発色する感熱発色層が形成されている。
連続紙CPの印字面の裏面には、長手方向に沿って、各帳票の印字基準位置を示す位置検出マークMが形成されている。位置検出マークMは、連続紙CPの印字面の裏面に黒色で印刷された矩形状のマークであり、等間隔で配置されている。
【0019】
本体ケース201の一方の側面には、バッテリカバー203が開閉可能な状態で取り付けられている。バッテリカバー203は、バッテリB(
図4に図示)が収容されるバッテリハウジングを開放または閉鎖するためのカバーである。
【0020】
カバー202の先端には、プラテンローラ25が順方向または逆方向に回動可能な状態で軸支されている。プラテンローラ25は、ロール紙Rから繰り出される連続紙CPを搬送する搬送ローラであり、連続紙CPの幅方向に沿って延在した状態で形成されている。プラテンローラ25は、ギア等を介してモータ24(
図4に図示)により駆動される。
【0021】
図2に示すように、プラテンローラ25の近傍のカバー202の部分(より具体的には、カバー202が閉鎖状態のときに通紙ルートに対向する面)には、センサ205が設置されている。センサ205は、帳票の基準位置(すなわち、連続紙CPの位置検出マークM)を検出するセンサであり、反射型の光センサにより構成されている。
【0022】
図3では、連続紙CPが反時計回りに巻かれた状態でロール紙Rがプリンタ2の収容室SPに挿入された場合の通紙ルートを太線で示している。
図3に示すように、カバー202が閉鎖状態であるときには、カバー202の一部と搬送ガイド部207の一部とが僅かな間隙をもって対向配置される。この間隙は、ロール紙Rから繰り出される連続紙CPが収容室SPからプラテンローラ25へ向かう通紙ルートとなっている。なお、通紙ルートに対して、カバー202に設けられたセンサ205が対向配置され、通紙ルートを通過する連続紙CPの位置検出マークMの検出を行う。
プリンタ2は、プラテンローラ25とサーマルヘッド27の間で連続紙CPを挟持しながら各帳票に印字を行う。このとき、各帳票に対する印字は、例えばセンサ205によって検出される位置検出マークMに基づいて印字タイミングを図りながら行われる。
【0023】
(3)実施形態の情報処理システムの各装置の内部構成
次に、
図4および
図5を参照して、情報処理システム1の各装置の内部構成について説明する。
図4は、情報処理システム1の各装置の内部構成を示すブロック図である。
図5は、配達データベースのデータ構成例を示す図である。
【0024】
図4に示すように、プリンタ2は、例えば、制御部21、ストレージ22、駆動回路23、プラテンローラ25に機械的に連結されたモータ24、サーマルヘッド27を駆動するヘッドユニット26、バッテリ管理部28、通信インタフェース(I/F)29、センサ205、および、充電器BCに接続可能なバッテリBを含む。通信インタフェース29(受信部の例)は、ハンディターミナル3との通信を行うための通信回路を含む。制御部21は、情報取得部の一例である。
バッテリ管理部28は、バッテリBと一体構成としてもよい。
【0025】
制御部21は、マイクロコンピュータおよびメモリ(RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory))を含み、プリンタ2の動作を制御する。マイクロコンピュータは、プリンタ2の起動時にROMに記憶されているファームウェアを読み出して実行する。
【0026】
ファームウェアを実行することによって制御部21は、稼動期間が開始する前に、当該稼動期間における帳票の発行予定枚数に関する情報を取得する情報取得手段として機能する。
ファームウェアを実行することによって制御部21は、現在のバッテリBの充電残量と、情報取得手段によって取得された帳票の発行予定枚数に関する情報と、に基づいて、稼動期間が開始する前にバッテリBを充電するか否かを決定する制御手段として機能する。
【0027】
ストレージ22は、例えばSSD(Solid State Drive)等の記憶装置である。ストレージ22には、各帳票に印字すべきデータである印字データのほか、各帳票に情報を印字するときの印字フォーマットの情報を格納してもよい。
【0028】
駆動回路23は、制御部21からの搬送要求に応じて、プラテンローラ25の回転を制御するモータ24を駆動する回路である。モータ24は、例えばステッピングモータである。搬送要求には、例えば、搬送方向(順方向あるいは逆方向)および搬送量(例えばステップ数)の情報が含まれる。
【0029】
ヘッドユニット26は、制御部21から送られる印字データのラインごとのデータであるラインデータに基づいて、サーマルヘッド27に含まれる複数の発熱素子の各々に選択的に電流を流す回路を含む。電流により発熱した発熱素子がプラテンローラ25によって搬送された連続紙CPに押し当てられると、発熱素子に押し当てられた連続紙の部分が発色することで連続紙CPに情報が印字される。
【0030】
バッテリ管理部28は、例えば、電圧センサ、電流センサ、及び、温度センサと、これらのセンサの検出信号を処理してバッテリBの状態情報を算出および記録する制御回路とを含む。電圧センサは、バッテリBの端子間電圧を検出する。温度センサはバッテリBに取り付けられるか、又はバッテリBの近傍に配置され、バッテリBの温度を検出する。電流センサは、バッテリBの一端に接続されたライン上に設けられており、当該ラインを流れる電流(つまり、バッテリBを流れる電流)の量を検出する。
バッテリ管理部28は、制御部21からの指示に応じて、あるいは所定のタイミングで、バッテリBの状態情報を制御部21に送る。
【0031】
バッテリ管理部28によって管理されるバッテリBの状態情報(バッテリ状態情報)は、例えば、以下の情報である。
・バッテリBの充電回数(急速充電回数および低速充電回数)
・バッテリBの温度履歴
・バッテリBのSOC(充電率)、SOP(State Of Power;充放電可能電力)、SOH(State Of Health;健康度;バッテリの劣化状態を示す値)、容量回復率、内部抵抗のいずれかの推定値、又は2以上の推定値の組合せ
【0032】
バッテリBは、ユーザがプリンタ2のバッテリBの両端子を充電器BCに接続させることによって充電可能となる。充電器BCは、例えば商用電源(100Vの交流電源等)に接続され、当該商用電源によってバッテリBを充電する。
【0033】
制御部21においてファームウェアを実行することによって実現される機能は、少なくとも以下の(i)~(iv)の機能を含む。
(i) バッテリBの状態情報を取得すること
(ii) 次の稼動期間(上記第2稼動期間)における発行予定枚数を取得すること
(iii) 取得した発行予定枚数を基に、次の稼動期間における予定放電量を算出すること
(iv) 充電器BCに接続されたときに、バッテリBを充電するか否か、または、バッテリBに対して充電を行う場合の追加充電量を決定すること
【0034】
前述したように、帳票の発行予定枚数(NP)は予定放電量に概ね比例している。ここで、1帳票当たりの平均放電量(DAVE)が既知であるとすると、予定放電量はNP×DAVEとして算出可能である。この算出方法では、平均放電量は定数である。
なお、制御部21は、1帳票当たりの平均放電量を算出してもよい。例えば、制御部21は、稼動期間のうち所定の期間において発行された帳票の枚数(N)を、センサ205による連続紙CPの位置検出マークMの検出結果に基づきカウントする。制御部21は、当該所定の期間におけるバッテリBの充電率の低下量(ΔCR)を特定する。その結果、制御部21は、1帳票当たりの平均放電量をΔCR/Nとして算出することができる。
【0035】
図4に示すように、サーバ5は、例えば、制御部51、ストレージ52(記憶部の例)、および、通信インタフェース53を備える。通信インタフェース(通信I/F)53(送信部の例)は、プリンタ2との通信を行うための通信回路を含む。
【0036】
制御部51は、マイクロコンピュータおよびメモリ(RAM,ROM)を含み、サーバ5の動作を制御する。マイクロコンピュータは、サーバ5の起動時にROMに記憶されているプログラムを読み出して実行する。
ストレージ52は、例えばHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置である。ストレージ52には、発行予定枚数に関する情報の一例である配達データベースが格納される。
【0037】
配達データベースのデータ構成例を
図5に示す。
図5を参照すると、配達データベースは、配達日、伝票番号、配達先の名称、配達先の住所、配達物の各フィールドのレコードからなるデータベースである。伝票番号は、1件の配達内容を識別するための識別番号である。
図5に示す配達データベースの例では、2018年12月10日が配達日であるときの配達時間帯が第1稼動期間の一例であり、2018年12月11日が配達日であるときの配達時間帯が第2稼動期間の一例である。
配達データベースにおいて、各配達日に含まれるレコード数が帳票の発行予定枚数に対応する。例えば、
図5の配達データベースにおいて、2018年12月10日の配達時間帯が経過した後にプリンタ2の充電を行う場合、配達データベースのうち2018年12月10日に含まれるレコード数が次の日の発行予定枚数に対応する。
なお、以下の説明では、配達データベースのうち特定の配達日に対応する一群のレコードを「配達データ」という。
【0038】
制御部51は、通信インタフェース53を介してハンディターミナル3に対して、例えば所定のタイミングで次の日の配達データを送信する。例えば、第2稼動期間の配達データが第1稼動期間内に送信される。
【0039】
図4に示すように、ハンディターミナル3は、制御部31、ストレージ32、表示部33、および、通信インタフェース(通信I/F)34を備える。
制御部31は、マイクロコンピュータおよびメモリ(RAM,ROM)を含み、ハンディターミナル3の動作を制御する。マイクロコンピュータは、ハンディターミナル3の起動時にROMに記憶されているアプリケーションプログラムを読み出して実行する。
【0040】
ストレージ32は、例えばSSD等の記憶装置である。ストレージ22には、例えば通信インタフェース34を通してサーバ5から受信した配達データが格納される。
【0041】
表示部33は、例えばLCD(Liquid Crystal Panel)等の表示パネルと表示駆動回路を含む。表示パネルには、好ましくはタッチパネル入力デバイスが組み込まれる。例えば、タッチパネル入力デバイスに対する操作入力によってアプリケーションプログラムの少なくとも一部の機能が実行される。例えば、当該一部の機能は、プリンタ2に対して帳票の印字指示を示す信号を送信することである。
通信インタフェース34は、プリンタ2およびサーバ5と通信を行うための通信回路を含む。
【0042】
制御部31においてアプリケーションプログラムを実行することによって実現される機能は、少なくとも以下の(i)~(iii)の機能を含む。なお、伝票データとは、各配達日において伝票番号ごとの配達実績(例えば、配達済み、未配達、配達先不在等)を示すデータである。
(i) 配達データをサーバ5から取得し、ストレージ32に記録すること
(ii) 配達データに基づいてプリンタ2に対して帳票の印字指示を行うこと
(iii) ユーザ入力に基づいて伝票データを作成し、ストレージ32に記録するとともにサーバ5に通知すること
【0043】
(4)情報処理システムの動作
次に、
図6を参照して、本実施形態の情報処理システム1の処理の流れについて説明する。
図6は、本実施形態の情報処理システム1の処理の流れを示すシーケンスチャートである。
図11において、プリンタ2による処理は制御部21を主体として実行される。
図6では、N回目の稼動期間(以下、「N回目稼動期間」)とN+1回目の稼動期間(以下、「N+1回目稼動期間」)の間の非稼動期間におけるプリンタ2、ハンディターミナル3およびサーバ5の処理を示している。
【0044】
図6において、N回目稼動期間が終了し、ユーザによる所定の操作入力が行われると、ハンディターミナル3は、N回目稼動期間の配達実績を含む伝票データをサーバ5に送信する(ステップS10)。サーバ5は、伝票データを受信したことに応じて、例えば次の配達日の稼動期間、つまりN+1回目稼動期間の配達データをハンディターミナル3に送信し(ステップS12)、ハンディターミナル3は当該配達データをプリンタ2に送信する(ステップS13)。なお、ハンディターミナル3は、配達データを送信するのに代えて、配達データからN+1回目稼動期間の帳票の発行予定枚数(つまり、配達データ内のレコード数)を特定して、特定した発行予定枚数の情報をプリンタ2に送信してもよい。
【0045】
プリンタ2は、配達データを受信すると、先ず現在の充電残量を測定する(ステップS14)。すなわち、プリンタ2の制御部21がバッテリ管理部28から最新のSOCのデータを取得する。
次いで、プリンタ2は、ステップS12で受信した配達データに基づいてN+1回目稼動期間の帳票の発行予定枚数を特定し、特定した発行予定枚数に基づいてN+1回目稼動期間の予定放電量を算出する(ステップS16)。
【0046】
次いでプリンタ2は、ステップS14で測定された現在の充電残量と、ステップS16で算出されたN+1回目稼動期間の予定放電量とに基づいて、バッテリBの充電の実行有無と、バッテリBの充電を行う場合の追加充電量とを決定する(ステップS18)。プリンタ2は、バッテリBの充電の実行することを決定した場合には、少なくともステップS18で決定された追加充電量の充電を行う(ステップS20)。
【0047】
(5)充放電サイクルの例
次に、
図6のフローチャートのステップS18において決定される充電実行の有無と追加充電量に基づくプリンタ2のバッテリBの充放電サイクルの例について、
図7~
図10を参照して説明する。
図7~
図10はそれぞれ、本実施形態のプリンタ2に含まれるバッテリBの充放電サイクルの一例を示す図である。
より具体的には、
図7~
図10はそれぞれ、N回目稼動期間(第1稼動期間の一例)、非稼動期間、およびN+1回目稼動期間(第2稼動期間の一例)におけるプリンタ2のバッテリBの充電率の変化が示されている。
図7、
図9、および
図10では、N回目稼動期間、非稼動期間、およびN+1回目稼動期間におけるプリンタ2のバッテリBの充電率の変化が示されている。
【0048】
本実施形態の好ましい例では、プリンタ2の制御部21は、バッテリBに対して充電を行った後の充電残量が第1閾値TH1以上第2閾値TH2未満となるように追加充電量を決定する。第1閾値および第2閾値は限定しないが、バッテリBの高寿命化の観点から設定することが好ましい。例えば、第1閾値TH1を40~60%の範囲内の値とし、第2閾値TH2を70~90%の値としてもよい。
【0049】
(5-1)充放電サイクルの第1例(
図7、
図8)
充放電サイクルの第1例を
図7および
図8に示す。
図7を参照すると、第1例では、N回目稼動期間に続く非稼動期間において、N+1回目稼動期間の発行予定枚数から算出された予定放電量の分だけ充電が行われる。具体的には、
図7において、N回目稼動期間の終了時刻TE
NにおいてバッテリBの充電率がCE
N(TH1≦CE
N<TH2)であるとする。このとき、N+1回目稼動期間の予定放電量が算出された場合、プリンタ2の制御部21はバッテリBの追加充電量を予定放電量と同じΔCとする。その結果、非稼動期間における充電によってバッテリBの充電量はCS
N+1(=CE
N+ΔC)まで上昇する。N+1回目稼動期間では予定放電量のΔCだけ放電されるため、N+1回目稼動期間の終了時刻TE
N+1におけるバッテリBの充電率CE
N+1は、N回目稼動期間の終了時刻TE
NにおけるバッテリBの充電率CE
Nと概ね一致する。
【0050】
図8は、
図7と同様に、バッテリBの非稼動期間における追加充電量を、当該非稼動期間の次の稼動期間における予定放電量と同じにする例を示している。
図8では、3回の非稼動期間、および、各非稼動期間に続く3回の稼動期間における充電率を示しているが、各稼動期間における予定放電量がそれぞれ異なっている。最初の非稼動期間の開始時刻における充電率はCEである。この例では、各稼動期間において予定放電量は異なるが、各稼動期間の前の非稼動期間において予定放電量に相当する追加充電量だけ充電が行われるため、各稼動期間の終了時刻における充電率は同じCEとなる。
第1例では、非稼動期間において必要最小限の量だけ充電を行うように制御されるため、充電の累積時間が減ることになり、バッテリBの劣化が抑制される。すなわち、バッテリBの長寿命化が実現される。
【0051】
(5-2)充放電サイクルの第2例(
図9)
図7に示した第1例では、バッテリBの非稼動期間における追加充電量を、当該非稼動期間の次の稼動期間における予定放電量と同じとしたが、その限りではない。
図9に示す第2例では、バッテリBの非稼動期間における追加充電量を、当該非稼動期間の次の稼動期間における予定放電量よりも大きくする制御例を示している。
図9では、
図7と同様に、非稼動期間の開始時刻TE
NにおいてバッテリBの充電率がCE
N(TH1≦CE
N<TH2)であるが、追加充電量ΔCを
図7のΔCよりも大きくしている。その結果、N+1回目稼動期間の終了時刻TE
N+1におけるバッテリBの充電率CE
N+1は、N回目稼動期間の終了時刻TE
NにおけるバッテリBの充電率CE
Nよりも大きくなっている。
図7の例より追加充電量ΔCを大きくした場合でも追加充電後の充電率をTH2未満に制御する(つまり、CS
N+1<TH2となるようにΔCを決める)ことで、バッテリBの劣化が抑制される。
【0052】
(5-3)充放電サイクルの第3例(
図10)
図10に示す第3例では、非稼動期間の開始時刻TE
NにおけるバッテリBの充電率CE
Nが十分に高いため、非稼動期間において充電を行わないように制御される例である。すなわち、第3例は、プリンタ2の制御部21が、発行予定枚数に関する情報に基づいてN+1回目稼動期間の終了時刻TE
N+1におけるバッテリBの充電残量を推定し、当該充電残量が第1閾値TH1以上である場合にはバッテリBを充電しないことを決定する場合の例である。より具体的には、
図10において、時刻TE
Nの充電率CE
NからN+1回目稼動期間の予定放電量を減算したときの充電率(
図10ではCE
N+1)が第1閾値TH1以上である場合には、非稼動期間において充電を行わないように制御される。
バッテリBの充電率と発行予定枚数に応じて充電を行わないように制御することで、累積の充電回数が減ることになってバッテリBの劣化が抑制される。
【0053】
(5-4)充放電サイクルの第4例(
図11)
図11に示す第4例では、バッテリBの非稼動期間における追加充電によってバッテリBが満充電の状態になるまで充電された状態を示している。当該非稼動期間の次の稼動期間における予定放電量が非常に多い場合には、非稼動期間において満充電の状態まで充電することが生じうる。
【0054】
以上説明したように、本実施形態の情報処理システム1では、バッテリBの充電が可能となったタイミングで、現在のバッテリBの充電残量(つまり、充電率)と、次の稼動期間の発行予定枚数に関する情報と、に基づいて、バッテリBに対して充電を行うか否か、または、バッテリBに対して充電を行う場合の追加充電量を決定するように制御される。そのため、充電の度に満充電にする等、バッテリBを過剰に充電することが抑制され、バッテリBの長寿命化が実現する。
【0055】
(6)変形例
時間が経過するにつれてバッテリBの性能が劣化するため、バッテリBの劣化度合に応じて追加充電量を補正することが好ましい。
例えば、帳票の発行予定枚数が20枚である場合、新品のバッテリBであれば20枚分の帳票を発行するための放電量を予定放電量とし、当該予定放電量を追加充電量とすればよい。しかし、バッテリBが古くなった場合、電池容量が初期よりも低下しているため、20枚分の予定放電量を追加充電量としたならば、20枚の帳票を発行した後のバッテリBの充電残量が低くなり過ぎる場合がある。そこで、バッテリBが古くなり性能が劣化するにつれて、その劣化度合を補償するため、追加放電量をより多く見積もることが好ましい。
例えば、プリンタ2の制御部21は、発行予定枚数に基づいて追加充電量を算出した後、算出した追加充電量をバッテリBの容量回復率に基づいて補正する。バッテリBの容量回復率は、バッテリ管理部28から得られる。補正方法の一例として、発行予定枚数に基づいて算出した追加充電量に対して容量回復率の逆数を係数として乗算することが考えられる。あるいは、バッテリBの充電回数をカウントしておき、そのカウント値が大きくなるほど大きい値の係数を、発行予定枚数に基づいて算出した追加充電量に対して乗算することによって、追加充電量を補正してもよい。
【0056】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲は上記の実施形態に限定されない。また、上記の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。
例えば、
図1に示した情報処理システム1の構成では、プリンタ2は、ハンディターミナル3を介してサーバ5と通信を行う場合を示したが、その限りではない。ハンディターミナル3を介さず、プリンタ2とサーバ5が直接ネットワークNWを介して通信を行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0057】
1…情報処理システム
2…プリンタ
21…制御部
22…ストレージ
23…駆動回路
24…モータ
25…プラテンローラ
26…ヘッドユニット
27…サーマルヘッド
28…バッテリ管理部
29…通信インタフェース
201…本体ケース
202…カバー
203…バッテリカバー
204…ボタン
205…センサ
207…搬送ガイド部
5…サーバ
51…制御部
52…ストレージ
53…通信インタフェース
B…バッテリ
BC…充電器
M…位置検出マーク
CP…連続紙
R…ロール紙
SP…収容室
NW…ネットワーク