(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-14
(45)【発行日】2022-10-24
(54)【発明の名称】パーソナルケア組成物及び該組成物の使用方法
(51)【国際特許分類】
A61K 8/46 20060101AFI20221017BHJP
A61K 8/92 20060101ALI20221017BHJP
A61K 8/86 20060101ALI20221017BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20221017BHJP
A61Q 1/14 20060101ALI20221017BHJP
【FI】
A61K8/46
A61K8/92
A61K8/86
A61Q19/10
A61Q1/14
(21)【出願番号】P 2018552869
(86)(22)【出願日】2017-04-05
(86)【国際出願番号】 EP2017058152
(87)【国際公開番号】W WO2017174678
(87)【国際公開日】2017-10-12
【審査請求日】2020-03-05
(32)【優先日】2016-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508079739
【氏名又は名称】ローディア オペレーションズ
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】カラジャンニ, カチェリーナ
(72)【発明者】
【氏名】ベンドジャック, デニス
【審査官】田中 雅之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05696069(US,A)
【文献】ULTA, USA,Hydra Quench Foaming Oil Cleanser,Mintel GNPD [online],2013年08月,https://portal.mintel.com,ID#2141768
【文献】Ole Henriksen, USA,On The Go Cleanser,Mintel GNPD [online],2016年03月,https://portal.mintel.com,ID#3863831
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも:
a)組成物の総重量に対して0.3pbw~5pbwの量の、1種以上の植物油、
b)組成物の総重量に対して1pbw~40pbwの、少なくとも1種のスルタイン界面活性剤を含む界面活性剤系、
c)組成物の総重量に対して少なくとも0.1pbwの、脂肪酸エステルでエンドキャップされたポリエーテルである非イオン性増粘剤、及び
d)組成物の総重量に対して少なくとも0.1pbwの、アルコキシレート化脂肪酸のモノ-又はポリ-アルキル又はアルケニルエステルである非イオン性可溶化剤であって前記脂肪酸が飽和又は不飽和のヒドロキシレート化(C8~C22)脂肪酸である非イオン性可溶化剤、
を含有するクレンジング化粧品組成物
であって、
前記非イオン性増粘剤が、脂肪酸エステルでエンドキャップされたポリエーテルであって、前記ポリエーテルが少なくとも50個のポリエチレングリコール及び/又はポリプロピレングリコール単位を含むものである、クレンジング化粧品組成物。
【請求項2】
前記スルタイン界面活性剤が、式:
(式中、mは2又は3である)のものであり、又は式中の
-(CH
2)
3SO
3
-が:
によって置き換えられているこれらの類似化合物であり、
R
1は、7~22個の炭素原子を有する置換又は無置換のアルキル又はアルケニル基であり、R
2及びR
3はそれぞれ独立に、1~6個の炭素原子のアルキル、ヒドロキシアルキル、又はカルボキシアルキルである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記スルタイン界面活性剤が、式:
(式中、R
1は脂肪酸の残基であり、R
2及びR
3は、それぞれ独立して1~6個の炭素原子のアルキルである)
のものである、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
R
2及びR
3が、それぞれメチル基である、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記スルタイン界面活性剤が、前記組成物の総重量に対して0.1~10pbwの範囲の量で存在する、請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記非イオン性増粘剤が、脂肪酸エステルでエンドキャップされたポリエーテルであって、脂肪酸部位が、8~40個の炭素原子を有する、請求項1~
5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
前記可溶化剤が、アルコキシレート化脂肪酸のモノ-若しくはポリ-アルキル若しくはアルケニルエステルであり、前記脂肪酸が不飽和のヒドロキシレート化(C8~C22)脂肪酸である、請求項1~
6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
前記可溶化剤が(C2~C4)アルコキシレート化脂肪酸のモノ-若しくはポリ-アルキル若しくはアルケニルエステルであり、(C2~C4)アルキレンオキシド単位の数が、5~100の範囲である、請求項1~
7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
(C2~C4)アルキレンオキシド単位の数が、5~50の範囲である、請求項
8に記載の組成物。
【請求項10】
前記可溶化剤がアルコキシレート化脂肪酸のモノ-若しくはポリ-アルキル若しくはアルケニルエステルであり、アルキル若しくはアルケニルエステル部位が、8~40の炭素原子を有する脂肪酸由来である、請求項1~
9のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
少なくとも1種のコンディショニング剤を更に含有する、請求項1~
10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
少なくとも1種の追加的なオイルを更に含有する、請求項1~
11のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
前記植物油と前記可溶化剤との間の重量比が、1:5~5:1の範囲である、請求項1~
12のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】
前記植物油と前記可溶化剤との間の重量比が、1:3~3:1の範囲である、請求項
13に記載の組成物。
【請求項15】
前記組成物の総重量に対して3pbw未満の電解質を含有する、請求項1~
14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項16】
毛髪及び皮膚などのケラチン物質の手入れ及び洗浄を同時にするための、請求項1~
15のいずれか1項に記載の組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2016年4月8日出願の欧州特許出願第16164505.6号に基づく優先権を主張し、この出願の全内容は全ての目的のために本明細書に参照により組み入れられる。
【0002】
本発明は、パーソナルケア組成物及び該組成物の使用方法に関する。
【0003】
本発明は、特に、ケラチン物質の同時の手入れ及び洗浄のためのコンディショニングとクレンジングの両方の特性を示す化粧品組成物に関する。
【0004】
特にはアニオン性、非イオン性、及び/又は両性タイプの従来の界面活性剤に本質的に基づくクレンジング化粧品組成物は、毛髪及び/又は皮膚などのケラチン物質を洗浄するために使用されている。クレンジング化粧品組成物の典型的な例としては、シャワージェル、洗顔料、ボディーソープ、液体ハンドソープ、及びヘアケア組成物(シャンプー及びクレンジングコンディショナー等)などのボディケア組成物が挙げられる。
【0005】
これらの組成物は濡れた毛髪又は皮膚に塗布され、手で揉むか擦ることによって生じる泡は、水で洗い流した後に、毛髪又は皮膚の上に最初に存在する汚れを取り除くことを可能にする。
【0006】
良好な洗浄力を有しているものの、特にそのようなクレンジング処理の比較的刺激が強い特性によって、長期間のうちにはケラチン物質に多少の明らかなダメージ、特にこれらのケラチン物質の中又は表面に存在する脂質又はタンパク質が徐々に除去されることに関係するダメージを生じさせる場合があることから、これらのベース組成物は、かなり弱いままの化粧品特性を有している。
【0007】
このような理由のため、ほとんどのクレンジング化粧品組成物は、ケラチン物質が多かれ少なかれ繰り返し受ける様々な処理又は攻撃によってもたらされる有害な若しくは望ましくない影響を修復又は抑制することを主な目的とした、コンディショナーとして知られている追加的な化粧品を更に含有する。これらのコンディショナーは、ケラチン物質の美容挙動を改善することもできる。
【0008】
特にヘアケア配合物において、最も一般的に使用されているコンディショナーは、カチオン性ポリマー、シリコーン、及び/又はシリコーン誘導体である。
【0009】
近年、安全、環境に優しい、及び/又は天然のコンディショナーを含むパーソナルケア組成物、並びに特には主要なコンディショナーとして植物油を含むパーソナルケア組成物の需要が高まっている。
【0010】
化粧品組成物の配合において植物油を使用することは昔から公知である。植物油はエモリエント特性及び保湿特性を有しており、皮膚に卓越した柔らかさを与える。これらは、ほぐし易さ又は柔らかさを増加させるなどの、毛髪にコンディショニングを付与することも既に公知である。
【0011】
また、ヘアケア配合物において、植物油は一般的に、主要なコンディショナーとしての従来のカチオン性ポリマー、シリコーン、及び/又はシリコーン誘導体などの配合物と比較して、毛髪のより優れた柔らかさ及び/又はより優れた滑らかさ(根元から毛先まで均一である毛髪)を与える。
【0012】
その一方で、特には主要なコンディショナーとして植物油を使用する場合に、これらのコンディショニング特性の利益を実際に享受するために、比較的多量(典型的には組成物の総重量に対して少なくとも0.3pbw)に植物油を可溶化することが必要とされる。
【0013】
しかしながら、比較的多量の植物油をクレンジングパーソナルケア組成物の中に組み込むと、一般的には組成物全体の泡立ち特性や粘度などの他の性質が悪影響を受ける、及び/又は、組成物又は目的領域に受け入れ難いべとべとした感触などの弊害も生じ得る。
【0014】
更に、消費者は純度を透明性で見立てることから、透き通ったあるいは透明な化粧品組成物が特に望まれる。透明な配合物は、一般的には美的な訴求力も有する。
【0015】
しかしながら、クレンジングパーソナルケア組成物の中に比較的多量の植物油を組み込むことは、透明性に悪影響を及ぼす場合がある。
【0016】
これが、化粧品組成物の中に比較的多量の植物油を組み込む場合の主な課題の1つが、十分な泡立ち特性を維持しながらも、組成物全体の粘度及び/又は透明性に悪影響を及ぼすことなしに、植物油のコンディショニング特性からの利益を享受することである理由である。
【0017】
そのため、本発明の目的は、好ましくは十分な粘度及び泡立ち特性を有しながらも、透明であり、比較的多量の植物油を含む、パーソナルケアクレンジング及びコンディショニング組成物への、これまでに高まっている市場での需要に応えることである。
【0018】
本発明のもう1つの目的は、好ましくは透明であり、十分に泡立ち、良好なコンディショニング特性(ほぐし易さ、柔らかさ、及び光沢特性等)及び十分な粘度を示す、パーソナルケアクレンジング及びコンディショニング組成物を提供することである。
【0019】
出願人は、今回、予期しなかったことには、1種がスルタイン界面活性剤であり、もう1種が特定の増粘剤である成分の特定の組み合わせを、特定の可溶化剤と共に含有するパーソナルケア組成物によって、上で概要を述べた目的を達成できることを発見した。
【0020】
全ての量は、組成物の総重量に対する重量部(pbw)である。
【0021】
かくして、本発明の主題は、少なくとも:
a)組成物の総重量に対して少なくとも0.3pbwの量の、1種以上の植物油、
b)組成物の総重量に対して約1pbw~約40pbwの、少なくとも1種のスルタイン界面活性剤を含む界面活性剤系、
c)組成物の総重量に対して少なくとも0.1pbwの、脂肪酸エステルでエンドキャップされたポリエーテルである非イオン性増粘剤、及び
d)組成物の総重量に対して少なくとも0.1pbwの、アルコキシレート化脂肪酸のモノ-若しくはポリ-アルキル若しくはアルケニルエステルである非イオン性可溶化剤、
を含有するクレンジング化粧品組成物である。
【0022】
本発明は、毛髪及び皮膚などのケラチン物質の手入れ及び洗浄を同時にするためのそのような組成物の使用にも関する。
【0023】
驚くべきことには、本発明の組成物の中で使用される特定のスルタイン界面活性剤の組み合わせ、特定の増粘剤及び特定の可溶化剤が、透明性を維持しながらも、比較的多量の植物油の配合を可能にすると同時に、次の特性:組成物の粘度、泡立ち特性、及び目的領域のコンディショニング;の間の許容可能な折り合いの実現を可能にすることが見出された。
【0024】
本発明の組成物は、ケラチン物質、特には毛髪に、特にはほぐし易さ並びに大きなべたつき感なしでの柔らかさ及び光沢への寄与によって明らかにされる注目すべきトリートメント効果を与えることができる。
【0025】
また、バブルバス又はシャワージェルの形態などで皮膚に塗布した場合、本発明の組成物は例えば皮膚の柔らかさの改善を与えることができる。
【0026】
泡の特性(外観、稠度、泡の豊富さ及び/又は泡の除去)及び本発明の組成物の粘度も十分である。特に、本発明の組成物は、ケラチン物質上への満足できる広がりを可能にする。
【0027】
「十分な粘度を有する組成物」という表現は、本明細書では、1,500~50,000cpsに含まれる、例えば2,000~30,000cpsに含まれる、例えば2,000~25,000cpsに含まれる、例えば2,500~20,000cpsに含まれる、見かけ粘度を有する組成物を意味する。各組成物の見かけ粘度は、温度が制御された部屋(21±3℃)の中で、RVスピンドル4を備えたブルックフィールド粘度計DV-I型を使用して、10RPMで24時間後に測定した。粘度の値は、常に1分の安定化時間の後に測定した。
【0028】
ある実施形態によれば、本発明の組成物は、1,500cps超、例えば2,000cps超の見かけ粘度を有する。
【0029】
「透明な組成物」という表現は、本明細書では、透き通った透明な外観を示す、例えば600nmで85%以上、好ましくは88%以上、より好ましくは90%以上の光透過率の値を示す組成物を意味する。
【0030】
透過率(%T)は、UV/VISスペクトロメーターLambda Bio40を使用して、2.5mlのポリスチレン製セル、10x10mmの中で、600nmで測定することができる。
【0031】
本発明の実施形態のいずれかによれば、本発明の組成物は透明な組成物である。
【0032】
しかし、組成物が例えば真珠光沢化剤及び/又は不透明化剤などの透明性を損なう1種以上の添加剤を更に含むためにそれ自体が透明ではない組成物は、本発明の範囲内である。
【0033】
「泡立ち特性」という表現は、本明細書では特に瞬時の泡立ち(flash foam)及び泡の体積を意味し、これらは中でも泡の品質についての消費者の知覚に影響を及ぼす主要因である。周知の試験、特には実験項に記載されているような試験を、これらの因子を測定するために使用することができる。
【0034】
「目的領域のコンディショニング」という表現は、目的領域に有益な特性を付与することを意味する。目的領域は、特にはケラチン物質であってもよい。本明細書において、「ケラチン物質」としては、皮膚、毛髪、頭皮、唇、まつげ、及び爪が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、目的領域は皮膚、毛髪、及び/又は頭皮である。
【0035】
例えば目的領域が毛髪の場合、「改善されたコンディショニング」は、改善されたほぐし易さ及び/又は梳かし易さ、柔らかさ及び/又は光沢を包含し得る。
【0036】
ほぐし易さは、毛髪をほぐすために必要とされる時間を測定することによって決定することができる。ほぐす時間が短いほど、毛髪がほぐし易い。
【0037】
梳かし易さは、毛髪を梳かすために必要とされる作業を測定することによって決定することができる。梳かす作業が少ないほど、毛髪を梳かし易い。
【0038】
柔らかさ、又は毛髪の感触、及び光沢は、長さ及び先端での毛髪の手入れについての官能試験を使用して、専門家のパネルによって評価することができる。
【0039】
あるいは目的領域が皮膚の場合、「改善されたコンディショニング」には、改善された保湿特性も含まれる場合がある。
【0040】
保湿特性は、当業者に周知の官能試験によって決定することができる。
【0041】
「油(オイル)」という表現は、大気圧(760mmHg)下、室温(25℃)で液体又はペースト(非固体)の形態である脂肪化合物又は物質を意味する。
【0042】
本発明の組成物は、パーソナルケア組成物、好ましくはパーソナルケアクレンジング組成物、すなわち、洗浄/クレンジングを目的とした、特には限定するものではないが、シャワージェル、洗顔料、ボディーソープ、液体ハンドソープ、シャンプー、又はクレンジングコンディショナーなどのボディケア用途のための、組成物である。
【0043】
本明細書及び請求項のいずれの場所においても、個々の数値又は境界を組み合わせて追加的な非開示の及び/又は記述されていない範囲を形成することができる。
疑義を回避するために明記すると、界面活性剤の量は、組成物中に存在する活性な界面活性剤化合物の実際の量を意味する。つまり、これには市販の界面活性剤混合物中に不純物として存在し得る残留物は含まれない。
【0044】
参照により本明細書に組み込まれる特許、特許出願、及び刊行物のいずれかの開示が用語を不明瞭にさせ得る程度まで本出願の記載と矛盾する場合は、本記載が優先するものとする。
【0045】
植物油
本発明の組成物は、揮発性であっても不揮発性であってもよい1種以上の植物油を含有する。
【0046】
植物油(自然の、天然のオイル)は、好ましくはトリグリセリド及びトリグリセリドの混合物であると理解される。
【0047】
本発明の組成物中の植物油、好ましくは不揮発性植物油の最低含有量は、0.3pbwである。
【0048】
本発明の実施形態のいずれかによれば、本発明の組成物は、少なくとも1種の不揮発性植物油を含有する。
【0049】
本発明の不揮発性植物油は、通常は760mmのHgで300℃より高い沸点を示し、非常に低い蒸気圧を示さない又は示すオイルである。特には、揮発性オイルである精油は、本発明にかかる不揮発性植物油の定義内には含まれない。
【0050】
好ましい植物油は、ココナッツ油、(スイート)アーモンド油、クルミ油、桃仁油、杏仁油、アボカド油、ティーツリー油、大豆油、ゴマ油、ヒマワリ油、ツバキ油、マツヨイグサ油、米糠油、パーム核油、マンゴー核油、タネツケバナ油、アザミ油、マカダミアナッツ油、ブドウ種子油、アマランサス種子油、アルガン油、竹油、オリーブ油、小麦胚芽油、カボチャ種子油、マロー油、ヘーゼルナッツ油、サフラワー油、キャノーラ油、サザンカ油、ホホバ油、ランブータン油、ココアバター、シアバター、ククイ油、及び/又はこれらの油の混合物である。
【0051】
使用し得る植物由来のオイルの典型的な例としては、次のもの(INCI名)を挙げることができる:バオバブ(Adansonia Digitata)種子油、ククイ(Aleurites Molluccana)種子油、ゲットウ(Alpinia Speciosa)葉油、アザミゲシ(Argemone Mexicana)油、ブロッコリー(Brassica Oleracea Italica)(Broccoli))種子油、ケープ栗(Calodendrum Capense Nut)油、テリハボク(Calophyllum Inophyllum)種子油、セッコウベニバナユチャ(Camellia Chekiangoleosa)種子油、パパイア(Carica Papaya)種子油、ヒマラヤスギ(Cedrus Deodara)種子油、ココヤシ(Cocos Nucifera(ココナッツ))油、クランベアビシニカ(Crambe Abyssinica)種子油、卵油、イチゴ(Fragaria Ananassa(ストロベリー))種子油、水添ユチャ(Camellia Oleifera)種子油、水添マツヨイグサ(Evening Primrose)油、水添ヘーゼルナッツ油、水添ラノリン、水添マカダミア種子油、水添米油、水添ゴマ油、水添ホホバ油、イソブチレート化ラノリン油 ラノリン油、レスクェレラ フェンドレリ(Lesquerella fendleri)種子油、マーモット油、ミンク油、カミメボウキ(Ocimum Tenuiflorum)油、コフネヤシ(Orbignya Cohune)種子油、オーストリッチ油、マオラン(Phormium Tenax)種子油、PPG-40-PEG-60ラノリン油、PPG-12-PEG-65ラノリン油、クロヨナ(Pongamia Glabra)種子油、ゴヨウマツ(Pinus Parviflora)種子油、マルーラ(Sclerocarya Birrea)種子油、ムクロジ(Schleichera Trijuga)種子油、ホホバ(Simmondsia Chinensis(jojoba))種子油、セイヨウナナカマド(Sorbus Aucuparia)種子油、トウモロコシ(Zea Mays(コーン))油、ブラジルナッツ(Bertholletia Excelsa)種子油PEG-8エステル、ココナッツ油メチルプロパンジオールエステル、ホホバ油PEG-8エステル、水添ヒマシ油べへニルエステル、水添ヒマシ油セチルエステル、水添ヒマシ油二量体ジリノレート、水添ヒマシ油ステアリルエステル、水添オリーブ油カプリリルエステル、水添オリーブ油セチルエステル、水添オリーブ油デシルエステル、水添オリーブ油ヘキシルエステル、水添オリーブ油ラウリルエステル、水添オリーブ油ミリスチルエステル、水添オリーブ油ステアリルエステル、ババス(Orbignya Oleifera)種子油PEG-8エステル、クダモノトケイソウ(Passiflora Edulis)/チャボトケイソウ(Passiflora Incarnata)種子油PEG-8エステル、アブラナ(Brassica Campestris(ナタネ))油不けん化物、カリフラワー(Brassica Oleracea Botrytis(Cauliflower))油不けん化物、シアバター(Butyrospermum Parkii(Shea Butter))不けん化物、キャノーラ油不けん化物、ライム(Citrus Aurantifolia(Lime))種子油不けん化物、オレンジ(Citrus Aurantium Dulcis(スイートオレンジ))種子油不けん化物、ブンタン(Citrus Grandis(グレープフルーツ))種子油不けん化物、水添アンズ油不けん化物、水添グレープフルーツ種子油不けん化物、水添ライム種子油不けん化物、水添オリーブ油不けん化物、水添オレンジ種子油不けん化物、水添スイートアーモンド油不けん化物、水添小麦胚芽油不けん化物、ヒマワリ(Helianthus Annuus(サンフラワー))種子油不けん化物、ハウチワマメ(Lupinus Albus)油不けん化物、ムラサキウマゴヤシ(Medicago Sativa(アルファルファ))油不けん化物、オリーブ(Olea Europaea(Olive))油不けん化物、オリーブ(Olea Europaea(Olive))果実不けん化物、アボカド(Persea Gratissima(Avocado))油不けん化物、アンズ(Prunus Armeniaca(アプリコット))核油不けん化物、ゴマ(Sesamum Indicum(セサミ))油不けん化物、コムギ(Triticum Vulgare(ウィート))胚芽油不けん化物、トウモロコシ(Zea Mays(コーン))油不けん化物。
【0052】
本発明の植物油は、好ましくは、ヒマワリ油、アボカド油、ホホバ油、トウモロコシ油、スイートアーモンド油、大豆油、キュウリ油、ブドウ種子油、ゴマ油、ヘーゼルナッツ油、パーム油、ヒマシ油、クルミ油、ココナッツ油、アンズ油、オリーブ油、ククイ油、カシューナッツ油、及びピュアセリンオイルから選択される。
【0053】
好ましい実施形態によれば、植物油は、主に本発明の組成物の油相の中に存在する。
【0054】
したがって、この実施形態によれば、本発明の組成物は、油相の総重量に対して少なくとも50pbwの植物油、特には少なくとも60pbw、例えば60~90pbw、又は更には100pbwの植物油を含有する。
【0055】
本発明の実施形態のいずれかによれば、本発明の組成物は、組成物の総重量に対して0.5~5pbw、例えば少なくとも0.6pbw、例えば少なくとも0.7pbwの植物油を含有する。
【0056】
本発明の実施形態のいずれかによれば、植物油が本発明の組成物に中の主要なコンディショナーである。すなわち、本発明の組成物中の植物油における重量パーセントは、任意の他のコンディショナーにおける重量パーセントよりも大きく、例えばこれは任意のシリコーン若しくは鉱油、又は任意のカチオン性若しくは両性コンディショニング剤における重量パーセントよりも大きい。
【0057】
可溶化剤
本発明の組成物は、アルコキシレート化脂肪酸のモノ-若しくはポリ-アルキル若しくはアルケニルエステルである少なくとも1種の非イオン性可溶化剤を含有する。
【0058】
好適な脂肪酸としては、飽和若しくは不飽和の、ヒドロキシレート化若しくは非ヒドロキシレート化の、(C8~C22)、より典型的には(C12~C18)の脂肪酸及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0059】
飽和若しくは不飽和の、ヒドロキシレート化(C8~C22)脂肪酸の典型的な例としては、リシノール酸、レスクエロール酸、ヒドロキシエルカ酸(16-ヒドロキシドコス-cis-13-エノイック酸)、又はヒドロキシパルミトレイン酸(12-ヒドロキシヘキサデク-cis-9-エノイック酸)、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0060】
飽和若しくは不飽和の、非ヒドロキシレート化(C8~C22)脂肪酸の典型的な例としては、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ラウリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リノール酸、リノレン酸、マルガリン酸、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0061】
出発物質として使用される好ましい脂肪酸は、飽和若しくは不飽和のヒドロキシレート化(C8~C22)脂肪酸、典型的には(C12~C18)脂肪酸である。この実施形態によれば、本発明の非イオン性可溶化剤は、アルコキシレート化脂肪酸のモノ-若しくはポリ-アルキル若しくはアルケニルエステルであり、前記脂肪酸は飽和若しくは不飽和のヒドロキシレート化(C8~C22)脂肪酸、典型的には(C12~C18)脂肪酸である。
【0062】
好ましくは、出発物質として使用される脂肪酸は、不飽和ヒドロキシレート化(C8~C22)脂肪酸、典型的には(C12~C18)脂肪酸である。
【0063】
不飽和ヒドロキシレート化(C8~C22)の典型的な例としては、リシノール酸、レスクエロール酸、又はヒドロキシエルカ酸(16-ヒドロキシドコス-cis-13-エノイック酸)が挙げられる。
【0064】
本発明の実施形態の1つにおいては、可溶化剤はアルコキシレート化脂肪酸のモノ-若しくはポリ-アルキル若しくはアルケニルエステルであり、前記脂肪酸は飽和若しくは不飽和のヒドロキシレート化(C8~C22)脂肪酸、好ましくは不飽和のヒドロキシレート化(C8~C22)、より典型的には(C12~C18)脂肪酸である。
【0065】
前記脂肪酸は特には非水素化ヒマシ油などの天然資源由来のリシノール酸であってもよい。例えば、リシノール酸はヒマシ油のけん化により得ることができる。
【0066】
例えばリシノール酸などのヒドロキシレート化脂肪酸が出発物質として使用される場合、複数のヒドロキシル基(すなわち脂肪酸鎖上のヒドロキシル基及びカルボキシル基由来のヒドロキシル基)はアルコキシレート化されていてもよい。
【0067】
例えばリシノール酸などのヒドロキシレート化脂肪酸のアルコキシレート化は、その結果、例えば非ヒドロキシレート化脂肪酸から得られるアルコキシレート化脂肪酸と比較して、特有のアルコキシレート脂肪酸を生じさせる。
【0068】
本発明の可溶化剤は、上述したアルコキシレート化脂肪酸のモノ-若しくはポリ-アルキル若しくはアルケニルエステルである。すなわち、1分子当たり2モル以上の(C2~C4)アルキレンオキシド単位を用いて前述のアルコキシレート化が予め行われた、上述の脂肪酸のモノ-若しくはポリ-アルキル若しくはアルケニルエステルである。
【0069】
前記脂肪酸は、例えば1分子当たり2モル以上のエチレンオキシド単位、プロピレンオキシド単位、又はエチレンオキシド-プロピレンオキシド単位を用いて予めアルコキシレート化されていてもよい。
【0070】
(C2~C4)アルキレンオキシド単位の数は、例えば1分子当たり2~500モル、例えば5~250、例えば5~100、例えば5~50、例えば10~30の範囲であってもよい。
【0071】
本発明の実施形態の1つにおいては、可溶化剤は、前述した(C2~C4)、より典型的にはC2のアルコキシレート化脂肪酸、好ましくは(C2~C4)、より典型的にはC2の数のヒドロキシレート化脂肪酸、の、モノ-若しくはポリ-アルキル若しくはアルケニルエステルであり、アルキレンオキシド単位は5~100、例えば5~50、例えば10~30の範囲にある。
【0072】
本発明の可溶化剤は、前述したアルコキシレート化脂肪酸、好ましくはヒドロキシレート化脂肪酸のモノ-若しくはポリ-アルキル若しくはアルケニルエステルである。すなわち、アルキル又はアルケニル基であるエステル部位(すなわち、ヒドロキシル基と反応するための酸由来の部位)を有するそのようなヒドロキシレート化脂肪酸のモノ-若しくはポリ-エステルである。
【0073】
エステル部位は、脂肪酸部位が約8~約40の炭素原子、例えば約12~約22の炭素原子、例えば約14~約20の炭素原子を有する脂肪酸由来であってもよい。
【0074】
エステル部位を作るために好適な脂肪酸の非限定的な例としては、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リシノール酸、ラウリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リノール酸、リノレン酸、マルガリン酸、及びこれらの組み合わせなどの酸が挙げられる。これらの脂肪酸は、特にはパーム油など天然資源由来のオレイン酸、リノール酸、及びパルミチン酸であってもよい。
【0075】
本発明の実施形態の1つにおいては、可溶化剤は、前述した(C2~C4)、より典型的にはC2のアルコキシレート化脂肪酸の、好ましくはリシノール酸などのヒドロキシレート化脂肪酸の、モノ-若しくはポリ-アルケニルエステルであり、エステル部位はパーム油由来のオレイン酸などの脂肪酸由来である。
【0076】
本発明の実施形態の1つにおいては、可溶化剤は、前述した(C2~C4)、より典型的にはC2のアルコキシレート化脂肪酸の、好ましくはリシノール酸などのヒドロキシレート化脂肪酸の、モノ-若しくはポリ-アルケニルエステルであり、1分子当たりのアルキレンオキシド単位の数は10~30の範囲であり、エステル部位は好ましくはパーム油由来のオレイン酸などの脂肪酸由来である。
【0077】
本発明の可溶化剤は、エトキシレート化植物油及びエトキシレート化グリセリルエステルとは異なる。
【0078】
非イオン性可溶化剤又は界面活性剤のHLBは、WC Griffinによる文献であるJ.Soc.Cosm.Chem.1954(Vol.5),249-256ページの中で定義されている計算方法、すなわちHLB=20×Mh/M(式中、Mhは分子の親水性部分の分子量であり、Mは分子の総分子量である)を使用して測定することができ、これは0~20のスケールでの結果を与える。
【0079】
本発明の非イオン性可溶化剤については、次の式を使用することができる:HLB=20×(1-(A/B))(式中、A=エステルのけん化価であり、B=酸の酸価である)。
【0080】
Griffin法に従って計算される0のHLB値は、完全に親油性/疎水性の分子に相当し、20の値は完全に親水性/疎油性の分子に相当する。
【0081】
アニオン性界面活性剤については、文献Davies JT”A Quantitative Kinetic Theory of Emulsion types.I.Physical Chemistry of the Emulsifying Agent.”Gas/Liquid and Liquid/Liquid Interfaces.Proceedings of the 2nd International Congress Surface Activity(1957)426-438の中で定義されている計算方法を使用することができる。
【0082】
本発明の実施形態のいずれかによれば、本発明の可溶化剤の室温でのHLB(親水性/親油性バランス)は、18未満、例えば16未満、例えば14未満、例えば12未満、例えば10未満、例えば8未満である。
【0083】
本発明の実施形態のいずれかによれば、本発明における可溶化剤の室温でのHLB(親水性/親油性バランス)は、2より大きく、例えば4より大きく、例えば6より大きく、例えば7より大きい。
【0084】
本発明の実施形態のいずれかによれば、本発明の可溶化剤の室温でのHLB(親水性/親油性バランス)は、5~10、例えば6~9、例えば7~8に含まれる。
【0085】
本発明における可溶化剤は、市販の化合物であるアルコキシレート化脂肪酸のエステル化により得ることができる。そのような反応は、当業者に周知の従来の方法によって実施することができる。
【0086】
好適な可溶化剤の例としては、平均エトキシレート化値が18であるエトキシレート化ヒマシ油のオレイン酸ジエステルであるPEG-18ヒマシ油ジオレエートが挙げられ、これは例えばMarlowet CGという名称で販売されている。
【0087】
SolvayからAlkamuls PEG16 COという名称で販売されているPEG16 COオレエートも挙げることができる。
【0088】
予期しなかったことには、本発明の可溶化剤が、組成物の透明性を維持しながらの植物油の配合に非常に有効であることが見出された。
【0089】
本発明の可溶化剤は、比較的少ない重量比で組成物中に存在している場合であっても、多量の植物油を配合することができる。
【0090】
有利には、本発明の可溶化剤は、多くの場合に頼る必要がある可溶化剤配合剤の混合を回避するために、様々な種類の天然油を用いて単独で有効であるように開発もされた。
【0091】
本発明の実施形態のいずれかによれば、前記可溶化剤は、組成物の総重量に対して0.01~10pbw、例えば0.1~5pbw、例えば0.2~3pbw、例えば0.3~2pbwの範囲の濃度で存在する。
【0092】
本発明の実施形態のいずれかによれば、透明な組成物を得るために必要とされる、本発明の植物油と可溶化剤との間の重量比は、1:5~5:1、例えば1:4~4:1、例えば1:3~3:1、例えば1:2~2:1、例えば1:2~1:1の範囲である。
【0093】
本発明の実施形態のいずれかによれば、本発明の組成物は透明な組成物であり、本発明の植物油と可溶化剤との間の重量比は、1:5~5:1、例えば1:4~4:1、例えば1:3~3:1、例えば1:2~2:1、例えば1:2~1:1の範囲である。
【0094】
増粘剤
本発明の組成物は、脂肪酸エステルでエンドキャップされたポリエーテルである少なくとも1種の非イオン性増粘剤を含有する。
【0095】
本発明の非イオン性増粘剤は、脂肪酸エステルでエンドキャップされたポリエーテルであって、前記ポリエーテルが例えば少なくともポリエチレングリコール及び/又はポリプロピレングリコール単位を含むものであってもよい。
【0096】
本発明の実施形態のいずれかによれば、これは、脂肪酸エステルでエンドキャップされたポリエーテルであって、前記ポリエーテルが少なくとも50個、例えば80~600個、例えば100~300個のポリエチレングリコール及び/又はポリプロピレングリコール単位、例えば100~300個のポリエチレングリコール単位を含むものであってもよい。
【0097】
エステル部位は、脂肪酸部位が約8~約40個の炭素原子、例えば約12~約22個の炭素原子、例えば約14~約20個の炭素原子を有する脂肪酸由来であってもよい。
【0098】
エステル部位を作るために好適な脂肪酸の非限定的な例としては、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リシノール酸、ラウリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リノール酸、リノレン酸、マルガリン酸、及びこれらの組み合わせなどの酸が挙げられる。
【0099】
本発明の好適な非イオン性増粘剤の例としてはPEG-150ジステアレートが挙げられ、これは、ステアリン酸のポリエチレングリコール(PEG)ジエステルであってPEGが150個のオキシエチレン繰り返し単位の平均重合度を有するものである。
【0100】
PEG-150ペンタエリスリトールテトラステアレートも挙げることができる。
【0101】
他の好適な非イオン性増粘剤としては、例えばPEG-150ジオレエート、PEG-300ペンタエリスリトールテトライソステアレート、又はPEG-160ソルビタントリイソステアレートが挙げられる。
【0102】
予期しなかったことには、本発明の増粘剤は、組成物の透明性を維持しながらの本発明の組成物の増粘に非常に有効であることが見出された。
【0103】
本発明の実施形態のいずれかによれば、前記増粘剤は、組成物の総重量に対して0.1~10pbw、例えば0.2~8pbw、例えば0.5~6pbw、例えば1~5pbwの範囲の濃度で存在する。
【0104】
界面活性剤系
本発明の界面活性剤系は、少なくとも1種のスルタイン界面活性剤を含む。
【0105】
これは、追加的なカチオン性、アニオン性、両性、及び/又は非イオン性の界面活性剤も含んでいてもよい。
【0106】
スルタイン界面活性剤
本発明の組成物は、スルタイン界面活性剤から選択される少なくとも1種の両性界面活性剤を含有する。
【0107】
本発明の実施形態のいずれかによれば、本発明の組成物は、式:
(式中、mは2又は3である)のスルタイン界面活性剤、又は式中の(CH
2)
3SO
3
-が:
(式中、R
1は、7~22個の炭素原子を有する置換又は無置換のアルキル又はアルケニル基であり、R
2及びR
3はそれぞれ独立に、1~6個の炭素原子のアルキル、ヒドロキシアルキル、又はカルボキシアルキルである)によって置き換えられているこれらの(ヒドロキシスルタイン)の類似化合物を含有する。
【0108】
本発明の実施形態の1つによれば、スルタイン界面活性剤は、ヒドロキシスルタイン、特には次式:
(式中、R
1は脂肪酸の残基であり、R
2及びR
3は、それぞれ独立して1~6個の炭素原子のアルキル、例えばメチル基である)のヒドロキシスルタインである。
【0109】
天然油から得られる脂肪酸は、多くの場合脂肪酸の混合物を含む。例えば、ヤシ油から得られる脂肪酸は、C12ラウリン酸、C14ミリスチン酸、C16パルミチン酸、及びC8カプリル酸などの脂肪酸の混合物を含む。
【0110】
R1は、1種以上の天然起源の脂肪酸及び/又は1種以上の合成脂肪酸の残基を含んでいてもよい。
【0111】
R1が由来し得るカルボン酸の残基の例としては、ココ酸、酪酸、ヘキサン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキジン酸、ガドレイン酸、アラキドン酸、エイコサペンタノン酸、ベへン酸、エルカ酸、ドコサヘキサン酸、リグノセリン酸、天然由来の脂肪酸(ヤシ油、パーム核油、乳脂肪、パーム油、オリーブ油、コーン油、亜麻仁油、落花生油、魚油、及び菜種油から得られるもの等);単一の長さの鎖又は選択された鎖長分布として製造される合成脂肪酸;並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0112】
最も好ましくは、R1はラウリン酸、すなわち12個の炭素原子を有する飽和脂肪酸の残基か、ヤシ油由来の混合脂肪酸の残基を含む。
【0113】
本発明の実施形態の1つによれば、スルタイン界面活性剤はコカミドプロピルヒドロキシスルタインである。
【0114】
本発明の実施形態のいずれかによれば、スルタイン界面活性剤は、組成物の総重量に対して0.1~10pbw、例えば0.5~9pbw、例えば1~8pbw、例えば1.5~7pbwの範囲の量で存在する。
【0115】
本発明の実施形態のいずれかによれば、本発明の組成物は、それぞれ、該組成物100pbwを基準として、0以上2pbw未満の、本発明のスルタイン界面活性剤とは異なる任意の追加的な両性界面活性剤を含有する。
【0116】
特に、本発明の実施形態のいずれかによれば、本発明の組成物は、それぞれ、該組成物100pbwを基準として、0以上2pbw未満の、1種のアミドベタイン(例えばコカミドプロピルベタイン等)を含有する。
【0117】
より典型的には、本発明の組成物は、それぞれ、該組成物100pbwを基準として、0以上1pbw未満のアミドベタイン(例えばコカミドプロピルベタイン)を含有し、更にはアミドベタインを実質的に含有しない、すなわち、組成物100pbw当たり0以上0.1pbw未満のアミドベタインを含有し、より典型的にはアミドベタインを含有しない、すなわち、組成物100pbw当たり0pbwのアミドベタインを含有する。
【0118】
アニオン性界面活性剤
本発明の組成物は、例えばタウリン塩界面活性剤のような追加的なアニオン性界面活性剤を1種以上更に含有していてもよい。
【0119】
ある具体的な実施形態においては、前記追加的なアニオン性界面活性剤は、アルキル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミドエーテル硫酸塩、アルキルアリールエーテル硫酸塩、モノグリセリド硫酸塩の塩から選択されてもよい。
【0120】
そのような界面活性剤の典型的な例としては、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ラウレス硫酸ナトリウム(SLES)、ラウリル硫酸アンモニウム(ALS)、又はラウレス硫酸アンモニウム(ALES)が挙げられる。
【0121】
本発明の実施形態のいずれかによれば、追加的なアニオン性界面活性剤は、組成物の総重量に対して0.1~25pbw、例えば1~20pbw、例えば3~15pbw、例えば5~15pbwの範囲の量で存在していてもよい。
【0122】
別の実施形態においては、本発明の組成物は硫酸塩を含まない組成物であってもよい。これは、本発明の組成物が硫酸塩の誘導体である任意のアニオン性界面活性剤を含まなくてもよい、すなわちこれを全く含まなくてもよい(0pbw)ことを意味する。
【0123】
用語「硫酸塩の誘導体であるアニオン性界面活性剤」は、硫酸塩官能基(-OSO3H又は-OSO3-)から選択される、少なくとも1つのアニオン性基又はアニオン性基へとイオン化できる基を含む界面活性剤を意味する。
【0124】
この具体的な実施形態によれば、次のアニオン性界面活性剤は、好ましくは本発明の組成物中に存在しない:アルキル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミドエーテル硫酸塩、アルキルアリールエーテル硫酸塩、モノグリセリド硫酸塩。
【0125】
例えば、この具体的な実施形態によれば、次のアニオン性界面活性剤は、好ましくは本発明の組成物中に存在しない:ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ラウレス硫酸ナトリウム(SLES)、ラウリル硫酸アンモニウム(ALS)、又はラウレス硫酸アンモニウム(ALES)。
【0126】
非イオン性界面活性剤
ある具体的な実施形態においては、本発明の組成物は、1種以上の非イオン性界面活性剤を更に含有していてもよい。
【0127】
任意選択的な追加的な非イオン性界面活性剤は、例えばアルカノールアミド界面活性剤及びグリコシド界面活性剤から選択されてもよい。
【0128】
好適なアルカノールアミド界面活性剤は公知の化合物であり、例えば、アセトアミドMEA、コカミドDEA、コカミドMEA、コカミドメチルMEA、コカミドMIPA、ヒドロキシステアルアミドMEA、PEG-5コカミドMEA、ラクトアミドMEA、ラウラミドMEA、及びラウラミドDEAが挙げられ、好ましくはコカミドMIPA又はコカミドメチルMEAが挙げられる。
【0129】
好適なグリコシド界面活性剤は公知の化合物であり、例えば、(C4~C22)アルキルヘキソシド(ブチルグルコシド、ノニルグルコシド、デシルグルコシド、ドデシルグルコシド、ヘキサデシルグルコシド、オクタデシルグルコシド、ココグルコシド、ラウリルグルコシド、カプロイルエチルグルコシド、カプリリル/カプリルグルコシド、カプリリルグルコシド等)、(C4~C22)アルキルポリヘキソシド(ブチルポリグルコシド、ノニルポリグルコシド、デシルポリグルコシド、テトラデシルポリグルコシド、ヘキサデシルポリグルコシド、エルシルポリグルコシド等)、(C4~C22)アルキルペントシド(ノニルアラビノシド、デシルアラビノシド、ヘキサデシルアラビノシド、オクチルキシロシド、ノニルキシロシド、デシルキシロシド、ヘキサデシルキシロシド、エルシルキシロシド等)、及び(C4~C22)アルキルポリペントシド(ブチルポリアラビノシド、ノニルポリアラビノシド、デシルポリアラビノシド、ヘキサデシルポリアラビノシド、オクタデシルポリアラビノシド、エルシルポリアラビノシド、ブチルポリキシロシド、ノニルポリキシロシド、デシルポリキシロシド、オクタデシルポリキシロシド、及びエルシルポリキシロシド等)、ブチルポリ(アラビノ-co-キシロ)シド、ノニルポリ(アラビノ-co-キシロ)シド、デシルポリ(アラビノ-co-キシロ)シド、ヘキサデシルポリ(アラビノ-co-キシロ)シド、オクタデシルポリ(アラビノ-co-キシロ)シド、エルシルポリ(アラビノ-co-キシロ)シド、並びにそのような化合物のいずれかの混合物が挙げられ、この中の用語「ポリ(アラビノ-コ-キシロ)シド」は、アラビノース及びキシロースの単量体残基の共重合鎖を意味する。好ましくは、グリコシド界面活性剤はデシルグルコシドである。
【0130】
本発明の実施形態のいずれかによれば、例えばアルカノールアミド界面活性剤及び/又はグリコシド界面活性剤などの前記追加的な非イオン性界面活性剤は、組成物の総重量に対して0.1~10pbw、例えば0.2~8pbw、例えば0.5~5pbw、例えば1~5pbwの範囲の濃度で存在していてもよい。
【0131】
本発明の実施形態のいずれかによれば、本発明の組成物は、例えばラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸アンモニウム、及び/又はラウレス硫酸アンモニウムなどの前述した少なくとも1種の追加的なアニオン性界面活性剤、並びに、アルカノールアミド界面活性剤及びグリコシド界面活性剤から選択される少なくとも1種の非イオン性界面活性剤を更に含有し、追加的な両性界面活性剤は何も含有しない。
【0132】
本発明の組成物における界面活性剤系は、1種のスルタイン界面活性剤(特には1種のヒドロキシスルタイン界面活性剤)と、1種以上の追加的なアニオン性界面活性剤(特にはラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、及び/又はラウレス硫酸アンモニウム)と、アルカノールアミド界面活性剤及びグリコシド界面活性剤から選択される1種の非イオン性界面活性剤とから構成されていてもよい。
【0133】
本発明の実施形態のいずれかによれば、本発明の組成物中の界面活性剤の合計量は、組成物の総重量に対して5~25pbw、例えば7~22pbw、例えば10~20pbwの範囲である。
【0134】
本発明の実施形態のいずれかによれば、本発明の組成物中の界面活性剤の合計量は、組成物の総重量に対して15pbw未満、例えば14pbw未満、例えば13pbw未満である。
【0135】
アニオン性界面活性剤対両性界面活性剤の重量比は、典型的には1:10~10:1の範囲であってもよい。
【0136】
本発明の実施形態のいずれかによれば、本発明の組成物は、アニオンが豊富な界面活性剤の基本構成、すなわち両性界面活性剤に対するアニオン性界面活性剤の比率が1より大きい、例えば2より大きい界面活性剤の基本構成を含んでいてもよい。
【0137】
本発明の別の実施形態によれば、本発明の組成物は、両性イオンが豊富な界面活性剤の基本構成、すなわちアニオン性界面活性剤に対する両性界面活性剤の比率が1より大きい、例えば2より大きい界面活性剤の基本構成を含んでいてもよい。
【0138】
コンディショニング剤
本発明の実施形態のいずれかによれば、本発明の組成物は、コンディショニング剤、特にはカチオン性又は両性のコンディショニング剤を更に含有していてもよい。
【0139】
そのような薬剤は、オイルの付着を補助することができる。これらはいくらかのコンディショニング作用も付与し得る。
【0140】
これらは、例えば毛髪の外観及び感触の向上、毛髪のボリューム又はしなやかさの増加、梳かし易さ及びスタイリングし易さの向上、艶又は光沢の改善、並びに化学的若しくは物理的作用によってダメージを受けた毛髪の質感の改善を行うことができる。これらは、毛髪の静電気特性を変化させる静電気防止効果を付与することができる。これらは、皮膚の柔らかさを向上させることもできる。
【0141】
これらは、コンディショニング剤を全く含まない組成物と比較して、次の特性:組成物の粘度及び目的領域のコンディショニング;の間の良好な折り合いの実現にも寄与し得る。これらは、通常組成物の透明性に悪影響を及ぼす。
【0142】
本発明の実施形態のいずれかによれば、コンディショニング剤はカチオン性セルロースであってもよい。
【0143】
カチオン性セルロースは、トリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースの塩として、Amerchol Corp.(Edison,N.J.,USA)からPolymer JR(商標)及びLR(商標)シリーズのポリマーとして入手可能であり、業界(CTFA)ではポリクオタニウム10と呼ばれている。別のタイプのカチオン性セルロースとしては、業界(CTFA)でポリクオタニウム24と呼ばれている、ラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースの高分子四級アンモニウム塩が挙げられる。これらの物質は、Amerchol Corp.(Edison,N.J.,USA)から、Polymer LM-200という商標名で入手可能である。
【0144】
別の実施形態においては、コンディショニング剤は、カチオン性多糖ポリマー、特には、グァーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド(RhodiaからJAGUARという商標シリーズで市販)などのカチオン性グァーガム誘導体であってもよい。
【0145】
ある具体的な実施形態においては、コンディショニング剤は、カチオン性置換基及び非イオン性置換基を含む誘導体化されたグァーであってもよい。
【0146】
誘導体化されたグァーは、グァーガムを化学的に修飾することにより得られるポリマーである。化学的修飾は、多くの場合誘導体化と呼ばれる。修飾によって、グァーポリマー主鎖上に側基が付与される。側基は通常エーテル結合によって主鎖と結合する。エーテル結合の酸素は、修飾のために反応したグァー主鎖上のヒドロキシル基に対応する。グァーは、マメ科植物であるシアモプシス テトラゴノロバス(Cyamopsis tetragonolobus)の種子の中で発見された粘液であるグァーガムから生じる。グァーガムを製造するために使用されるグァー種子は、一対の頑丈で脆くない胚乳部(以降「グァースピリット」と呼ぶ)から構成され、その間に脆い胚(胚芽)が挟まれている。皮を剥いた後、種子を割り、ふるいにかけることによって胚芽(種子の43~47pbw)が取り除かれる。スプリットは、典型的には約78~82pbwのグァーガムを含み、少量のいくつかのタンパク質系物質、無機塩、非水溶性ガム、及び細胞膜、並びに若干の残留種皮及び種子胚を含む。
【0147】
水溶性フラクション(85pbw)は、「グアラン」又は「グァーガム」と呼ばれ、これは(1,6)結合によって連結されたα-D-ガラクトピラノシル単位を有する(1,4)-.β-Dマンノピラノシル単位の直鎖からなる。D-ガラクトース対D-マンノースの比率は約1:2である。本明細書においては、グァーの主鎖はマンノース及びガラスト―スの基を含むものとして理解される。
【0148】
カチオン性置換基による修飾は、当業者に公知である。
【0149】
本発明の実施形態のいずれかによれば、本発明の誘導体化されたグァー中のカチオン性置換基は、カチオン性窒素ラジカル、より典型的には四級アンモニウムラジカルを含む。
【0150】
典型的な四級アンモニウムラジカルは、それぞれ対イオン(典型的にはクロリド、ブロミド、又はヨージドである対イオン)と組み合わされた、トリアルキルアンモニウムラジカル(トリメチルアンモニウムラジカル、トリエチルアンモニウムラジカル、トリブチルアンモニウムラジカル等)、アリールジアルキルアンモニウムラジカル(ベンジルジメチルアンモニウムラジカル等)、及び窒素原子が環構造の構成要素であるアンモニウムラジカル(ピリジニウムラジカル及びイミダゾリンラジカル等)である。
【0151】
本発明の実施形態のいずれかによれば、カチオン性置換基は、例えばアルキレン又はオキシアルキレン連結基によって、カチオン化剤の反応性官能基に連結する。好適なカチオン化剤としては、例えばエポキシ官能性カチオン性窒素化合物(例えば2,3-エポキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド等);クロロヒドリン官能性カチオン性窒素化合物(例えば3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル-ラウリルジメチルアンモニウムクロリド、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル-ステアリルジメチルアンモニウムクロリド等);並びにビニル-又は(メタ)アクリルアミド-官能性窒素化合物(メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド等)が挙げられる。
【0152】
本発明の実施形態のいずれかによれば、カチオン性置換基は、例えばヒドロキシプロピルアンモニウムであってもよい。これらは、例えば2,3-エポキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド又は3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドなどの化合物をグァーガムと反応させることによって得ることができる。このようなカチオン性置換基のみを有するグァーは、INCI用語によれば、グァーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドと呼ばれる。Rhodiaから供給されているJaguar C14Sは、グァーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドの典型的な例である。
【0153】
非イオン性置換基による修飾は当業者に公知である。
【0154】
本発明の実施形態のいずれかによれば、本発明の誘導体化されたグァー中の非イオン性置換基は、ヒドロキシアルキル及び/又はポリ(アルキレンオキシ)ラジカルを含む。
【0155】
ヒドロキシアルキル及び/又はポリ(アルキレンオキシ)ラジカルは、典型的には、公知のアルキル化条件下で、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、又はブチレンオキシドなどのアルキレンオキシド誘導体化剤をグァーと反応させることにより、グァー多糖鎖に付加させることができる。
本発明の実施形態のいずれかによれば、本発明の誘導体化されたグァー中の非イオン性置換基は、ヒドロキシプロピルラジカルを含む。
【0156】
ヒドロキシプロピルラジカルは、典型的にはプロピレンオキシドなどの反応物をグァーと反応させることにより、グァー多糖鎖に付加させることができる。
【0157】
カチオン性置換基と非イオン性置換基とを含む誘導体化されたグァーは当業者に公知である。いくつかは、INCI用語によれば、ヒドロキシプロピルグァーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドと呼ばれる。
【0158】
本発明の実施形態のいずれかによれば、本発明の誘導体化されたグァーは、ヒドロキシプロピルグァーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドである。
【0159】
Rhodiaから供給されているJaguar C162は、ヒドロキシプロピルグァーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドの典型的な例である。
【0160】
ヒドロキシプロピルグァーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドでもあるRhodiaから供給されているJaguar LSは、本発明の誘導体化されたグァーとして特に好適である。
【0161】
本発明の実施形態のいずれかによれば、非イオン性置換基による修飾の程度(モル置換又はMS)は、好ましくは0.1~1.2、好ましくは0.3~0.7である。
【0162】
本発明の実施形態のいずれかによれば、カチオン性置換基による修飾の程度(置換度又はDS)は、好ましくは0.01~0.6、好ましくは0.05~0.20である。
【0163】
本発明の実施形態のいずれかによれば、本発明の誘導体化されたグァーは、それらの可能な重合度に応じて、少なくとも10,000g/mol、より好ましくは100,000g/mol超、好ましくは500,000g/mol超、例えば500,000g/mol~3,000,000g/mol、例えば500,000~1,500,000g/mol、又はそれ以上の重量平均分子質量を有する。
【0164】
本発明の組成物と適合性を有する限り、当該技術分野で公知の他のカチオン性又は両性のコンディショニング剤を使用してもよい。
【0165】
特には、合成カチオンポリマー(例えば四級アンモニウム基又は三級アンモニウム基を有する単位と、任意選択的な中性単位とを含むポリマー)及び合成両性コポリマー(例えば四級アンモニウム基又は三級アンモニウム基を有する単位と、アニオン性(通常は酸性)基を有する単位と、任意選択的な中性単位とを含むポリマー)を挙げることができる。
【0166】
コンディショニング剤は当業者に公知である。典型的なコンディショニング剤の例(INCI名)としては:
ポリクオタニウム-1;ポリクオタニウム-2;ポリクオタニウム-4;ポリクオタニウム-5;ポリクオタニウム-6;ポリクオタニウム-7;ポリクオタニウム-8;ポリクオタニウム-9;ポリクオタニウム-10;ポリクオタニウム-11;ポリクオタニウム-12;ポリクオタニウム-13;ポリクオタニウム-14;ポリクオタニウム-15;ポリクオタニウム-16;ポリクオタニウム-17;ポリクオタニウム-18;ポリクオタニウム-19;ポリクオタニウム-20;ポリクオタニウム-22;ポリクオタニウム-24;ポリクオタニウム-27;ポリクオタニウム-28;ポリクオタニウム-29;ポリクオタニウム-30;ポリクオタニウム-31;ポリクオタニウム-32;ポリクオタニウム-33;ポリクオタニウム-34;ポリクオタニウム-35;ポリクオタニウム-36;ポリクオタニウム-37;ポリクオタニウム-39;ポリクオタニウム-43;ポリクオタニウム-44;ポリクオタニウム-45;ポリクオタニウム-46;ポリクオタニウム-47;ポリクオタニウム-48;ポリクオタニウム-49;ポリクオタニウム-50;ポリクオタニウム-52;ポリクオタニウム-53;ポリクオタニウム-54;ポリクオタニウム-55;ポリクオタニウム-56;ポリクオタニウム-57;ポリクオタニウム-58;ポリクオタニウム-59;ポリクオタニウム-60;ポリクオタニウム-63;ポリクオタニウム-64;ポリクオタニウム-65;ポリクオタニウム-66;ポリクオタニウム-67;ポリクオタニウム-70;ポリクオタニウム-73;ポリクオタニウム-74;ポリクオタニウム-75;ポリクオタニウム-76;ポリクオタニウム-85;ポリクオタニウム-86;ポリβ-アラニン;ポリε-リシン;ポリリシン;PEG-8/SMDIコポリマー;PPG-12/SMDIコポリマー;PPG-51/SMDIコポリマー;PPG-7/コハク酸コポリマー;IPDI/PEG-15コカミドコポリマー;IPDI/PEG-15コカミドコポリマー二量体ジリノレート;IPDI/PEG-15ソイアミンコポリマー;IPDI/PEG-15ソイアミンオキシドコポリマー;IPDI/PEG-15ソイエトニウムエトサルフェート(Soyethonium Ethosulfate)コポリマー;ポリクオタニウム-4/ヒドロキシプロピルデンプンコポリマー;カッシアヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド;キトサンヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド;デキストランヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド;ガラクトアラビナンヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド;ジンセン(Ginseng)ヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド;グァーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド;ヒドロキシプロピルグァーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド;ローカストビーンヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド;デンプンヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド;ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解小麦デンプン;ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解トウモロコシデンプン;ヒドロキシプロピル酸化デンプンPG-トリモニウムクロリド;タマリンダス インディカ(Tamarindus Indica)ヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド;ポリアクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド;ポリメタクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド;ポリメタクリルアミドプロピルトリモニウムメトサルフェート;プロピルトリモニウムクロリドメタアクリルアミド/ジメチルアクリルアミドコポリマー;アクリルアミド/エタルコニウム(Ethalkonium)クロリドアクリレートコポリマー;アクリルアミド/エチルトリモニウムクロリドアクリレート/エタルコニウムクロリドアクリレートコポリマー;アクリレート/カルバメートコポリマー;アジピン酸/メチルDEAクロスポリマー;ジエチレングリコール/DMAPアクリルアミド/PEG-180/HDIコポリマー;ジヒドロキシエチル牛脂アミン/IPDIコポリマー;ジメチルアミン/エチレンジアミン/エピクロロヒドリンコポリマー;HEMAグルコシド/エチルメタクリレートトリモニウムクロリドコポリマー;加水分解小麦タンパク質/PEG-20酢酸塩コポリマー;加水分解小麦タンパク質/PVPクロスポリマー;エチルトリモニウムクロリドメタクリレート/ヒドロキシエチルアクリルアミドコポリマーが挙げられる。
【0167】
組成物中のカチオン性又は両性のコンディショニング剤の量は、好ましくは組成物を基準として0.01~10pbwの範囲、特に好ましくは0.1~5pbwの範囲、及び特に好ましくは0.2~2pbwの範囲とすることができる。
【0168】
上で示した化合物に加えて、本発明の組成物は、生理学的に許容される媒体も含有する。
【0169】
生理学的に許容される媒体は、本発明の組成物をケラチン物質に塗布するために特に好適な媒体である。生理学的に許容される媒体は、通常、組成物が塗布される必要がある基材の性質に適しており、また組成物を包装しなければならない方法にも適している。
【0170】
本発明の実施形態のいずれかによれば、本発明の組成物は、組成物の総重量に対して5~90pbwの量で水を含有する。
【0171】
これは、組成物の総重量に対して例えば少なくとも25pbw、例えば少なくとも50pbw、例えば少なくとも60pbwの水を含有していてもよい。
【0172】
ある実施形態においては、化粧品に許容される水性媒体は、水のみから構成されていてもよい。
【0173】
本発明の実施形態のいずれかによれば、本発明の組成物は、少なくとも1種の水混和性有機溶媒を更に含有する。
【0174】
この実施形態によれば、化粧品に許容される水性媒体は、水と、低級C1~C4アルコールやアルキレングリコールなどの化粧品に許容される溶媒との混合物から構成されていてもよい。低級C1~C4アルコールは、好ましくはエタノール、イソプロパノール、tert-ブタノール、及びn-ブタノールから選択される。アルキレングリコールは、好ましくはプロピレングリコール及びグリコールエーテルから選択される。
【0175】
本発明の実施形態のいずれかによれば、本発明の組成物は電解質を更に含有する。
【0176】
「電解質」という用語は、本明細書では、使用される濃度で組成物に完全に溶解するイオン性の塩を意味する。
【0177】
本発明の実施形態のいずれかによれば、本発明の任意の組成物の電解質は、アルカリ塩及びアンモニウム塩の群から選択することができる。特には、そのような電解質はアルカリ塩であってもよい。
【0178】
非限定的な例として、NaClやKClなどの電解質を挙げることができる。
【0179】
電解質は、本発明の組成物を調製するために使用される様々な成分(特には界面活性剤)の中に少量で存在していてもよいし、あるいは他の成分とは独立して別に添加(「添加塩」)されてもよい。
【0180】
本発明の実施形態のいずれかによれば、本発明の組成物は、組成物の総重量に対して3pbw未満、例えば2pbw未満、例えば1pbw未満の電解質、特には添加塩を含有する。
【0181】
NaClなどの電解質が本発明の組成物中に添加される場合、粘度は次第に低下する。透明性も悪影響を受ける:添加される塩の量に応じて、組成物は濁った状態から不透明な状態になる。
【0182】
本発明の実施形態のいずれかによれば、本発明の組成物は実質的に添加塩を含まない。すなわち、組成物の総重量に対して0以上0.1pbw未満の添加塩を含有する。本発明の組成物は、更には添加塩を含まなくてもよい。すなわち、組成物100pbw当たり0pbwの添加塩であってもよい。
【0183】
本発明の組成物は、意図される用途のために特定の利益をもたらし得る追加的な任意選択的な成分を更に含有していてもよい。そのような任意選択的な成分としては、着色剤、真珠光沢剤、エモリエント剤、水和剤、乳白剤、防腐剤、及びpH調整剤を挙げることができる。当業者であれば、シャンプー、シャワージェル、及び液体ハンドソープなどのパーソナルケア組成物を配合する技術分野の通常の知識並びにこれらに関連する膨大な文献に従って、適切なそのような任意選択的な成分を利用目的のために選択することができる。
【0184】
ある実施形態においては、本発明の組成物は、シリコーン(揮発性シリコーン、ガム若しくはオイル、又は非アミノシリコーン及びこれらの混合物等)、鉱油、エステル(ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸セチル、オレイン酸デシル、ラウリン酸グリセリル、リシノール酸グリセリル、ステアリン酸グリセリル、イソステアリン酸グリセリル、ラウリン酸ヘキシル、パルミチン酸イソブチル、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソプロピル、ラウリン酸イソプロピル、リノール酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、モノラウリン酸プロピレングリコール、リシノール酸プロピレングリコール、ステアリン酸プロピレングリコール、及びイソステアリン酸プロピレングリコール等)、動物性油脂(アセチル化ラノリンアルコール、ラノリン、ラード、ミンクオイル、及び牛脂等)、並びに脂肪酸及びアルコール(ベヘン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、べへニルアルコール、セチルアルコール、エイコサニルアルコール、及びイソセチルアルコール等)などの、エモリエント剤、保湿剤、コンディショナー、スキンコンディショナー、又はヘアコンディショナー;ビタミンB複合体(チアミン、ニコチン酸、ビオチン、パントテン酸、クロリン、リボフラビン、ビタミンB6、ビタミンB12、ピリドキシン、イノシトール、カルニチン等)、ビタミンA、C、E、K及びその誘導体(ビタミンAパルミチン酸エステル等)、及びプロビタミン(例えばパンテノール(プロビタミンB5)、トリ酢酸パンテノール)、並びにこれらの混合物などの、ビタミン又はその誘導体;酸化防止剤;フリーラジカル捕捉剤;天然又は合成の研磨剤;染料;染毛剤;漂白剤;毛髪脱色剤;UV吸収剤(ベンゾフェノン、ボルネロン、PABA(パラアミノ安息香酸)、ブチルPABA、シンナミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、ジスチリルビフェニルジスルホン酸二ナトリウム、メトキシケイ皮酸カリウム等);抗UV剤(ブチルメトキシジベンゾイルメタン、メトキシケイ皮酸オクチル、オキシベンゾン、オクトクレリン、サリチル酸オクチル、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、ヒドロキシプロピルアミノ安息香酸エチル、アントラニル酸メンチル、アミノ安息香酸、シノキサート、メトキシケイ皮酸ジエタノールアミン、アミノ安息香酸グリセリル、二酸化チタン、酸化亜鉛、オキシベンゾン、オクチルジメチルPABA(padimate O)、赤色ワセリン等);抗微生物剤;抗菌剤(バシトラシン、エリスロマイシン、トリクロサン、ネオマイシン、テトラサイクリン、クロロテトラサイクリン、ベンゼトニウムクロリド、フェノール、パラクロロメタキシレノール(PCMX)、トリクロカルバン(TCC)、クロルヘキシジングルコン酸塩(CHG)、ジンクピリチオン、硫化セレン等);抗真菌薬;メラニン調整剤;日焼け促進剤;レチノイド(レチノール、コウジ酸、及び例えばコウジ酸ジパルミタートなどのその誘導体等)、ヒドロキノン及びその誘導体(アルブチン、トラネキサム酸(transexamic acid)等)、ビタミン(ナイアシン、ビタミンC、及びその誘導体等)、アゼライン酸、プラセルチア(placertia)、カンゾウ、抽出物(カモミール及び緑茶等)などの脱色剤(この中ではレチノール、コウジ酸、及びヒドロキノンが好ましい);美白剤(ヒドロキノン、カテコール、及びその誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体等);皮膚着色剤(ジヒドロキシアセトン等);脂質調整剤;軽量化剤;抗にきび剤;抗ふけ剤;老化防止剤;抗しわ剤;角質溶解薬;抗炎症剤;抗にきび剤(トレチノイン、イソトレチノイン、モトレチニド、アダパレン、タザロテン、アゼライン酸、レチノール、サリチル酸、過酸化ベンゾイル、レゾルシノール等)、抗生剤(テトラサイクリン及びその異性体、エリスロマイシン等)、抗炎症剤(イブプロフェン、ナプロキセン、ヘトプロフェン(hetprofen)等)、植物抽出物(ハンノキ、アルニカ、カワラヨモギ(artemisia capillaris)、サイシン、キンセンカ(calendula)、カモミール、ハマゼリ(Cnidium)、コンフリー、フェンネル、五倍子(galla rhois)、サンザシ、ドクダミ(houttuynia)、オトギリソウ(hypericum)、ナツメ、キウイ、リコリス、マグノリア、オリーブ、ペパーミント、フィロデンドロン(philodendron)、サルビア、クマザサ(sasa albomarginata)等、イミダゾール(ケトコナゾール及びエルビオール等);清涼化剤;瘢痕化剤;血管保護剤;ふけ、脂漏性湿疹、又は乾癬を軽減するための薬剤(ジンクピリチオン、シェール油、及びその誘導体(スルホン化シェール油等)、硫化セレン、硫黄、サリチル酸、コールタール、ポビドンヨード、イミダゾール(ケトコナゾール、ジクロロフェニルイミダゾロジオキサラン、クロトリマゾール、イトラコナゾール、ミノコナゾール、クリンバゾール、チオコナゾール、サルコナゾール、ブトコナゾール、フルコナゾール、亜硝酸ミコナゾール(miconazolenitrite)等)、及び任意の可能な立体異性体及びこれらの誘導体(アントラリン、ピロクトンオラミン(Octopirox)、硫化セレン、シクロピロクスオラミン等)など)、抗乾癬薬(ビタミンD類似体、例えばカルシポトリオール、カルシトリオール、及びタカレイトロール(tacaleitrol)、ビタミンA類似体(パルミチン酸ビタミンAなどのビタミンAのエステル、レチノイド、レチノール、及びレチノール酸等)、コルチコレステロイド(ヒドロコルチゾン、クロベタゾン、酪酸塩、プロピオン酸クロベタゾール等)など);制汗剤又は体臭防止剤(クロロヒドロキシアルミニウム、クロロヒドロキシアルミニウムジルコニウム等);免疫調節薬;養毛剤;除毛剤(チオグリコール酸カルシウム、チオグリコール酸マグネシウム、チオグリコールカリウム、チオグリコール酸ストロンチウム等);脱毛対策剤;パーマ用還元剤;反射剤(マイカ、アルミナ、ケイ酸カルシウム、ジオレイン酸グリコール、ジステアリン酸グリコール、シリカ、フルオロケイ酸ナトリウムマグネシウム等);精油及び香料;などの、1種以上の有益な薬剤を更に含有する。
【0185】
ある実施形態においては、本発明の組成物は、保湿剤若しくはコンディショナー、染毛剤、抗UV剤、抗しわ剤、香料若しくは精油、皮膚着色剤、抗ふけ剤などの、不溶性若しくは部分的に不溶性の成分から選択される有益な薬剤を含有し、例えば毛髪及び/若しくは皮膚などの基材の上へのそのような有益な薬剤の付着性を向上させる。
【0186】
ある実施形態においては、本発明のパーソナルケア組成物は、約0.1~約50pbw、より典型的には約0.3~約25pbw、更に典型的には約0.5~約10pbwの、1種以上の有益な薬剤を更に含有する。
【0187】
本発明の組成物は、任意選択的には、例えば、防腐剤(ベンジルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、イミダゾリジニル尿素、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、サリチル酸、メチルクロロイソチアゾリノン、及びメチルイソチアゾリノン等)、増粘剤(高分子量架橋ポリアクリル酸(カルボマー)、ステアリン酸のPEGジエステル等)、及び粘度調整剤(エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロックポリマー、電解質(塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム等)、及びポリビニルアルコール等)、pH調整剤(クエン酸、コハク酸、リン酸、水酸化ナトリウム、及び炭酸ナトリウム等)、香料、染料、及び金属イオン封鎖剤(エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム等)などの他の成分を更に含有していてもよい。通常、パーソナルケア組成物は、パーソナルケア組成物100pbwを基準として、各そのような成分について独立に、パーソナルケア組成物の望まれる特性に応じて、最大約10pbw、好ましくは0.5pbw~約5.0pbwのそのような他の成分を任意選択的に含有していてもよい。
通常、本発明の組成物は、パーソナルケア組成物100pbwを基準として、各そのような成分について独立に、組成物の望まれる特性に応じて、最大約15pbw、好ましくは0.5pbw~約10pbwのそのような他の成分を任意選択的に含有していてもよい。
【0188】
ある具体的な実施形態においては、本発明の組成物は、芳香物質又は香料を更に含有する。
【0189】
本明細書においては、用語「芳香物質又は香料」は、所望の嗅覚特性を有し、かつ本質的に非毒性である任意の有機物質又は組成物を意味する。そのような物質又は組成物としては、香水又はパーソナルケア組成物において一般的に使用されている全ての芳香物質及び香料が挙げられる。関連する化合物は、起源が天然、半合成、又は合成であってもよい。
【0190】
好ましい芳香物質及び香料は、炭化水素、アルデヒド、又はエステルを含む分類の物質に割り当てられてもよい。芳香物質及び香料はまた、構成物質、すなわち、アーモンド、リンゴ、サクランボ、ブドウ、西洋ナシ、パイナップル、オレンジ、レモン、イチゴ、ラズベリーなどのフルーツ;ジャコウ;ラベンダー、ジャスミン、ユリ、モクレン、バラ、アイリス、カーネーションなどの花の香り;ローズマリー、タイム、セージなどのハーブの香り;マツ、トウヒ、シーダーなどの森林の香りの複雑な混合物を含んでもよい、天然抽出物及び/又はエッセンスも包含する。
【0191】
出願人は、1種がスルタイン界面活性剤であり、もう1種が特定の増粘剤である成分の特定の組み合わせを、特定の可溶化剤と共に含有するパーソナルケア組成物が、多量の芳香物質又は香料がその中に含まれている場合であっても、長時間安定なままであることを発見した。
【0192】
ある実施形態においては、組成物は、組成物の総重量を基準として0.01~10pbwの芳香物質又は香料を含有する。別の実施形態においては、組成物は、組成物の総重量を基準として0.1~5pbwの芳香物質又は香料を含有する。また別の実施形態においては、組成物は、組成物の総重量を基準として0.2~2pbwの芳香物質又は香料を含有する。
【0193】
追加的なオイル
本発明の実施形態のいずれかによれば、本発明の組成物は、好ましくはシリコーン及び鉱油から選択される少なくとも1種の追加的なオイルを更に含有していてもよい。
【0194】
特に、本発明の組成物は、1種以上のシリコーンオイルを含有していてもよい。
【0195】
シリコーンオイルは当業者に公知である。
【0196】
これらは多くの場合、ポリオルガノシロキサンと呼ばれる。本出願においては、用語「シリコーン」又は「ポリオルガノシロキサン」は区別せずに使用され得る。用語「シリコーン」又は「ポリオルガノシロキサン」は、アルキル基(例えばメチル基)を含む、及び/又はアルキル基以外の基によって官能基化された、任意のオルガノシロキサン化合物を意味すると理解される。
【0197】
シリコーンは、任意選択的にいくつかの追加的な官能基を有していてもよい、単量体ケイ素/酸素(オルガノシロキサン)モノマーの、直鎖、環状、又は分岐の、ポリマー又はオリゴマーであってもよい。ポリマー主鎖は、典型的には交互のケイ素原子と酸素原子とから構成される。ケイ素原子は、同じであっても異なっていてもよい様々な置換基を有していてもよい。官能性の末端ブロック基は、窒素又はヒドロキシル部位を有していてもよい。
【0198】
ポリオルガノシロキサンは、有利には、特にシャンプー及びコンディショナーにおいては、不揮発性かつ非水溶性のポリオルガノシロキサンである。
【0199】
これは、有利には1000~2000000mPa・s、好ましくは5000~500000mPa・sの粘度を示す。
【0200】
特に、ポリオルガノシロキサンは、ポリジメチルオルガノシロキサン(「PDMS」,INCI名:ジメチコン);又はアミン基(例えばアモジメチコン(INCI名))、四級アンモニウム基(例えばシリコーンクオタニウム-1~-10(INCI名))、末端若しくは非末端ヒドロキシル基、ポリオキシアルキレン基(例えばポリエチレンオキシド及び/又はポリプロピレンオキシド基(末端基として、PDMS鎖の中のブロックとして、又はグラフトとして))、又はこれらの基のうちの複数を示すポリオルガノシロキサンであってもよい。
【0201】
本発明の実施形態のいずれかによれば、組成物の中に存在するシリコーンオイルの量は、組成物の重量に対して典型的には0.1~5pbwであり、特には0.5~2pbwである。
【0202】
シリコーンオイル(ポリオルガノシロキサン)は、好ましくは、組成物中にエマルジョン形態(水相中に分散されている液体シリコーン液滴)で存在する。
【0203】
シリコーンオイルは:
- 0.15μm未満の粒径のマイクロエマルジョン;
- 0.15μm以上1μm未満、又は1μm以上1.5μm未満、又は1.5μm以上2μm未満、又は2μm以上2.5μm未満、又は2.5μm以上4μm未満、又は4μm以上10μm未満、又は10μm以上30μm未満、又は30μm以上100μm未満の粒径のエマルジョン;の形態で組成物中に存在していてもよい。本明細書中でのサイズは、液滴の平均サイズを意味する。
【0204】
エマルジョンの液滴は、より大きい又は小さいサイズであってもよい。そのため、マイクロエマルジョン、ミニエマルジョン、又はマクロエマルジョンと呼ばれる場合がある。
【0205】
本特許出願においては、用語「エマルジョン」は、具体的にはこれら全てのタイプのエマルジョンを包含する。いずれの理論にも関係付けられることを望むものではないが、マイクロエマルジョンは、通常、一般的に多量の乳化剤を含む熱力学的に安定な系であると規定される。他のエマルジョンは、通常、準安定状態で一定時間保持される非熱力学的に安定な状態にある系であり、力学的エネルギーは乳化時に供給される。これらの系は、通常、より少ない量の乳化剤を含む。
【0206】
エマルジョンは、担体、好ましくは水性担体と、ポリオルガノシロキサンと、一般的には乳化剤と、を混合し、次いで乳化させることによって得ることできる。これはin situ乳化と呼ぶことができる。
【0207】
エマルジョン形態の組成物は、担体(好ましくは水性担体)を、化粧品に許容される担体(好ましくは前記担体と同じ性質のもの、好ましくは水性担体)と好ましくは混和可能である外部相の中にポリオルガノシロキサンが含まれる予め調製された液滴のエマルジョンと、混合することによって得ることもできる。この実施形態は実施が簡単であることから、これが好ましい場合がある。更に、この実施形態は、ポリオルガノシロキサンがマイクロエマルジョン形態である化粧品組成物の実施に特に好適である。これは予備乳化と呼ぶことができる。
【0208】
特定の実施形態によれば、エマルジョンはマイクロエマルジョンであり、その液滴のサイズは0.15μm未満である。この実施形態においては、組成物は、好ましくは、ポリオルガノシロキサンの重量に対して10重量部超、好ましくは少なくとも15重量部の割合の乳化剤を含有する。
【0209】
マイクロエマルジョンの液滴のサイズは、例えば以下に記述するような動的光散乱(QELS)によって、化粧品組成物の中にこれを入れる前に調製されたエマルジョンについて測定することができる。使用される装置は、例えば、Spectra-Physics2020レーザーと、Brookhaven2030相関器と、関連するコンピュータとから構成される。試料は濃縮されていることから、これは、脱イオン水で希釈され、0.22μmのオーダーのフィルターを通して濾過され、最後に2pbwにされる。得られる直径は見かけ直径である。測定は、90°及び135°の角度で行われる。サイズ測定のためには、キュムラントによる従来の分析に加えて、3通りの方法(Pr.Pikeによって述べられた指数サンプリング又はEXPSAM、Pr.Provencherにより述べられた「Non Negatively Constrained Least Squares」又はNNLS法、及びCONTIN法)で自己相関関数が実行され、これらは、それぞれ重量又は数によるのではなく散乱強度による加重サイズ分布を与える。水の屈折率及び粘度は考慮される。
【0210】
別の具体的な実施形態によれば、エマルジョンは、その液滴の平均サイズが0.15μm以上、例えば0.5μm超、又は1μm超、又は2μm超、又は10μm超、又は20μm超、及び好ましくは100μm未満であるエマルジョンである。液滴のサイズは、光学顕微鏡及び/又はレーザー粒子測定(Horiba LA-910レーザー散乱分析装置)によって、化粧品組成物の中に入れる前に調製されたエマルジョンについて、あるいは水で希釈された化粧品組成物について直接、測定することができる。この実施形態においては、組成物は、好ましくはポリオルガノシロキサンの重量に対して10pbw未満の割合の乳化剤を含有する。
【0211】
オルガノシロキサンエマルジョンの調製において使用される乳化剤は、特には非イオン性界面活性剤、好ましくはポリアルコキシレート化界面活性剤、例えば、アルコキシレート化脂肪族アルコール、アルコキシレート化トリグリセリド、アルコキシレート化脂肪族アルコール、アルコキシレート化ソルビタンエステル、アルコキシレート化脂肪族アミン、アルコキシレート化ジ(1-フェニルエチル)フェノール、アルコキシレート化トリ(1-フェニルエチル)フェノール、及びアルコキシレート化アルキルフェノールから選択されるものであり、この中のアルコキシ単位の数、より具体的にはオキシエチレン及び/又はオキシプロピレン単位の数は、HLB値が10以上になるような数である。
【0212】
組成物の水の中に可溶であるシリコーン誘導体の中でも、特には、ジメチコンコポリオールを挙げることができる。
【0213】
組成物の水の中に不溶性である分散物形態で供給されるシリコーンに関しては、非水溶性かつ不揮発性のポリオルガノシロキサンを好適に使用することができ、その中でも、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、又はポリアルキルアリールシロキサンオイル、ガム若しくは樹脂、又はこれらの非水溶性の官能基化誘導体、又はこれらの混合物を挙げることができ、これらは不揮発性である。
【0214】
前記オルガノポリシロキサンは、これらの水への溶解度が50g/L未満であり、これらの固有粘度が25℃で少なくとも3000mPa・sである場合に非水溶性かつ不揮発性であると見なされる。
【0215】
非水溶性かつ揮発性のポリオルガノシロキサン又はシリコーンの例としては、例えば、ジフェニルジメチコンガムなどのシリコーンガム、及び好ましくは25℃で少なくとも6×105mPa・sの粘度を示すポリジメチルシロキサン、及びより好ましくは更に25℃で2×106mPa・s超の粘度を有するものを挙げることができる。
【0216】
本発明によれば、非水溶性かつ不揮発性のポリオルガノシロキサン又はシリコーンは、これを含む組成物の中に分散されている形態で存在する。
【0217】
非水溶性かつ不揮発性のポリオルガノシロキサン又はシリコーンは、粒子又は液滴の形態で存在し、そのサイズは、組成物の特性又は前記組成物に望まれる性能に従って選択することができる。通常、このサイズは0.01~70ミクロンで変動し得る。
【0218】
これらを使用し易くするために、これらのポリオルガノシロキサンは、低粘度の揮発性若しくは不揮発性のシリコーン誘導体の中に前もって分散若しくは溶解され、その後に組成物の中に乳化されてもよい。
【0219】
低粘度のこれらのシリコーンの中でも、揮発性環状シリコーン及び低分子量のポリジメチルシロキサンを挙げることができる。
【0220】
直接エマルジョンの形態であるか予備形成されたマイクロエマルジョンから出発する、アミノ化誘導体などの官能基化されたシリコーン誘導体も使用することができる。これらは、アミノ化シリコーン又はヒドロキシル化シリコーンの名称で公知の化合物であってもよい。
【0221】
使用できるポリオルガノシロキサンとしては、特に:
- -Si(CH3)2O-単位及び-SiY(CH3)O-単位(Yは-(CH2)3-NH(CH2)2-NH2又は-(CH2)3-NH2基である)を含むポリオルガノシロキサン;
- -Si(CH3)2O-単位及びHO-Si(CH3)2O-末端単位、並びに/又は-Si(CH3)(OH)O-非末端単位を含むポリオルガノシロキサン;
- -Si(CH3)2O-単位及び-SiY(CH3)O-単位(Yは-LX-Zx-Palcであり、LXは二価の連結基、好ましくはアルキレン基であり、ZXは共有結合又はヘテロ原子を含む二価の結合基であり、Palcは式[OE]s-[OP]1-X’の基であり、OEは式-CH2-CH2-O-の基であり、OPは式-CH2-CHCH3-O-又は-CHCH3-CH2-O-の基であり、X’は水素原子又は炭化水素基であり、sは1より大きい平均の数であり、tは0以上の平均の数である)を含むポリオルガノシロキサン;
- その鎖が式-Si(CH3)2O-単位のユニットを含む少なくとも1種のブロックと、少なくとも1種の-[OE]s-[OP]t-ブロックを含む、ポリオルガノシロキサン;
- -Si(CH3)2O-の単位及び/又は-Si(CH3)RO-及び/又は
-SiR2O-及び/又はR-Si(CH3)2O-及び/又はH3C-SiR2O-及び/又はR-SiR2O-単位(式中、Rは同じでも異なっていてもよく、メチル基以外のアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、又はアラルキル基である)を含むポリオルガノシロキサン;
が挙げられる。
【0222】
使用し得るシリコーンオイルの例としては、次のもの(INCI名)が挙げられる:アミノビスプロピルジメチコン、アミノプロピルジメチコン、アミノプロピルフェニルトリメチコン、アモジメチコン、アモジメチコンヒドロキシステアレート、アモジメチコン/シルセスキオキサンコポリマー、ベヘントリモニウムジメチコンPEG-8フタレート、ビスアミノPEG/PPG-41/3アミノエチルPG-プロピルジメチコン、
ビス-アミノプロピルジメチコン、ビス-アミノプロピル/エトキシアミノプロピルジメチコン、ビス-ブチルジメチコンポリグリセリル-3、ビス-ブチルオキシアモジメチコン/PEG-60コポリマー、ビス(C13~15アルコキシ)ヒドロキシブトアミドアモジメチコン、ビス(C13~15アルコキシ)
PG-アモジメチコン、ビス-ヒドロキシエトキシプロピルジメチコン蜜蝋エステル、
ビス-ヒドロキシエトキシプロピルジメチコンイソステアレート、ビス-イソブチル
PEG-14/アモジメチコンコポリマー、ビス-イソブチルPEG-15/アモジメチコンコポリマー、ビス-PEG-1ジメチコン、ビス-PEG-4ジメチコン、ビス-PEG-8ジメチコン、ビス-PEG-12ジメチコン、ビス-PEG-20ジメチコン、ビス-PEG-12ジメチコン蜜蝋、ビス-PEG-12ジメチコンキャンデリデート、ビス-PEG-10ジメチコン/二量体ジリノレートコポリマー、
ビス-PEG-15メチルエーテルジメチコン、ビスフェニルヘキサメチコン、ビス-フェニルプロピルジメチコン、ビス-(ポリグリセリル-3オキシフェニルプロピル)ジメチコン、
ビス(PPG-7ウンデセネス-21)ジメチコン、ボラージシードオイルPEG-7ジメチコンエステル、C30~45アルキルセテアリルジメチコンクロスポリマー、C26~28アルキルジメチコン、セテアリルジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー、セトリモニウムカルボキシデシルPEG-8ジメチコン、セチルトリエチルモニウムジメチコンPEG-8フタレート、セチルトリエチルモニウムジメチコンPEG-8サクシネート、シクロヘキサシロキサン、シクロメチコン、シクロペンタシロキサン、シクロフェニルメチコン、シクロテトラシロキサン、シクロトリシロキサン、
DEA PG-プロピルPEG/PPG-18/21ジメチコン、ジリノールアミドプロピルジメチルアミン,ジメチコン、ジメチコンPEG-7ホスフェート、ジメチコンヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ジメチコン/メルカプトプロピルメチコンコポリマー、ジメチコンPEG-15アセテート、ジメチコンPEG-8アジペート、ジメチコンPEG-7アボカドエート、ジメチコンPEG-8アボカドエート、ジメチコンPEG-8蜜蝋、ジメチコンPEG-8ボラージエート、ジメチコンPEG-7ココエート、ジメチコンPEG-7イソステアレート、ジメチコンPEG-7ラクテート、ジメチコンPEG-8ラノレート、ジメチコンPEG-8メドウフォームエート、ジメチコンPEG-7オリベート、ジメチコンPEG-8オリベート、ジメチコンPEG-8ホスフェート、ジビニルジメチコン/ジメチコンコポリマー、ジメチコンPEG-7フタレート、ジメチコンPEG-8フタレート、ジメチコンPEG-7サクシネート、ジメチコンPEG-8サクシネート、ジメチコンPEG-7サルフェート、ジメチコンPEG-7ウンデシレネート、ジメチコンプロピルPG-ベタイン、ジメチコン/シルセスキオキサンコポリマー、ジメチコノールアルギニン、ジメチコノールシステイン、ジメチコノールラクテート、ジメチコノールメチオニン、ジメチコノールパンテノール、ジメチコノール/シルセスキオキサンコポリマー、ジ-メトキシシンナミドプロピルエチルジモニウムクロリドエーテル、ジメトキシシリルエチレンジアミノプロピルジメチコン、ジメチルアミノプロピルアミドPCAジメチコン、ジフェニルアモジメチコン、ジフェニルイソプロピルジメチコン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、グリシドキシジメチコン、ヘキシルジメチコン、加水分解コラーゲンPG-プロピルジメチコノール、加水分解コラーゲンPG-プロピルメチルシランジオール、加水分解コラーゲンPG-プロピルシラントリオール、加水分解ケラチンPG-プロピルメチルシランジオール、加水分解ゴマタンパク質PG-プロピルメチルシランジオール、加水分解シルクPG-プロピルメチルシランジオール、加水分解シルクPG-プロピルメチルシランジオールクロスポリマー、加水分解ダイズタンパク質/ジメチコンPEG-7アセテート、加水分解ダイズタンパク質PG-プロピルメチルシランジオール、加水分解植物タンパク質PG-プロピルシラントリオール、加水分解コムギタンパク質/シスチン
ビス-PG-プロピルシラントリオールコポリマー、加水分解コムギタンパク質PG-プロピルメチルシランジオール、加水分解コムギタンパク質PG-プロピルシラントリオール、ヒドロキシプロピルジメチコン、イソポリグリセリル-3ジメチコン、イソポリグリセリル-3ジメチコノール、ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ラウリル
ポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、リノールアミドプロピルPG-ジモニウムクロリドホスフェートジメチコン、メトキシアモジメチコン/シルセスキオキサンコポリマー、メチルオイゲニルPEG-8ジメチコン、メチルシラノールアセチルメチオネート、メチルシラノールエラスチネート、メチルトリメチコン、ナイロン-611/ジメチコンコポリマー、PCAジメチコン、PEG-8アモジメチコン、PEG-3ジメチコン、PEG-8ジメチコン、PEG-9ジメチコン、PEG-10ジメチコン、PEG-12ジメチコン、PEG-14ジメチコン、PEG-17ジメチコン、PEG-8ジステアルモニオウムクロリドPG-ジメチコン、PEG-8メチコン、PEG-6メチコンアセテート、PEG-6メチルエーテルジメチコン、PEG-7メチルエーテルジメチコン、PEG-8メチルエーテルジメチコン、PEG-9メチルエーテルジメチコン、PEG-10メチルエーテルジメチコン、PEG-11メチルエーテルジメチコン、PEG-32メチルエーテルジメチコン、PEG-10ノナフルオロヘキシルジメチコンコポリマー、PEG-12メチルエーテルラウロキシPEG-5アミドプロピルジメチコン、PEG-8 PG-ココ-グルコシドジメチコン、PEG/PPG-28/21アセテートジメチコン、PEG/PPG-20/22ブチルエーテルジメチコン、PEG/PPG-22/22ブチルエーテルジメチコン、PEG/PPG-23/23ブチルエーテルジメチコン、PEG/PPG-24/18ブチルエーテルジメチコン、PEG/PPG-27/9ブチルエーテルジメチコン、PEG/PPG-10/2ジメチコン、PEG/PPG-20/23ジメチコン、PEG/PPG-20/22メチルエーテルジメチコン、PEG/PPG-24/24メチルエーテルグリシドキシジメチコン、PEG/PPG-10/3オレイルエーテルジメチコン、PEG-4トリフルオロプロピルジメチコンコポリマー、PEG-8トリフルオロプロピルジメチコンコポリマー、PEG-10トリフルオロプロピルジメチコンコポリマー、
PG-アモジメチコン、フェニルメチコノール、フェニルプロピルジメチルシロキシシリケート、フェニルプロピルエチルメチコン、フェニルプロピルトリメチコン、フェニルトリメチコン、ポリジメチルシロキシPPG-13ブチルエーテルシルセスキオキサン、ポリグリセリル-3ジシロキサンジメチコン、ポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ポリシリコーン-1、ポリシリコーン-2、ポリシリコーン-3、ポリシリコーン-4、ポリシリコーン-5、ポリシリコーン-6、ポリシリコーン-7、ポリシリコーン-8、ポリシリコーン-10、ポリシリコーン-13、ポリシリコーン-14、ポリシリコーン-18、ポリシリコーン-18セチルホスフェート、ポリシリコーン-18ステアレート、PPG-12ブチルエーテルジメチコン、PPG-12ジメチコン、PPG-27ジメチコン、プロポキシテトラメチルピペリジニルジメチコン、クオタニウム-80、シリコーンクオタニウム-1、シリコーンクオタニウム-2、シリコーンクオタニウム-2パンテノールサクシネート、シリコーンクオタニウム-3、シリコーン
クオタニウム-4、シリコーンクオタニウム-5、シリコーンクオタニウム-6、シリコーンクオタニウム-7、シリコーンクオタニウム-8、シリコーンクオタニウム-9、シリコーンクオタニウム-10、シリコーンクオタニウム-11、シリコーンクオタニウム-12、シリコーンクオタニウム-15、シリコーン
クオタニウム-16、シリコーンクオタニウム-16/グリシドキシジメチコンクロスポリマー、シリコーンクオタニウム-17、シリコーンクオタニウム-18、シリコーンクオタニウム-20、ナトリウムジメチコンPEG-7アセチルメチルタウレート、ステアルコニウムジメチコンPEG-8フタレート、ステアルジモニウムヒドロキシプロピルパンテニルPEG-7ジメチコンホスフェートクロリド、ステアルジモニウムヒドロキシプロピルPEG-7ジメチコンホスフェートクロリド、トリデセス-9
PG-アモジメチコン、トリフルオロプロピルシクロペンタシロキサン、トリフルオロプロピルシクロテトラシロキサン、トリフルオロプロピルジメチコン、トリメチルシロキシアモジメチコン、トリメチルシロキシフェニルジメチコン、グルコンアミドプロピルアミノプロピルジメチコン、セトリモニウムジメチコンPEG-7フタレート、ステアリルアミノプロピルメチコン、ミリスチルアミドプロピルジメチルアミンジメチコンPEG-7ホスフェート、カリウムジメチコンPEG-7パンテニルホスフェート、ナトリウムPG-プロピルジメチコンチオスルフェートコポリマー、ナトリウムPG-プロピルチオサルフェートジメチコン、テトラブトキシプロピルトリシロキサン。
【0223】
特定の実施形態によれば、本発明の組成物は、ジメチコン、アモジメチコン、ジメチコノール、PEG-ジメチコン、又はこれらの混合物若しくはこれらの組み合わせからなる群から選択されるシリコーンオイルを含有する。
【0224】
別の実施形態によれば、本発明の組成物は、組成物の総重量に対して3pbw未満、特には2pbw未満、好ましくは1pbw未満のシリコーンオイルを含有する。
【0225】
この実施形態によれば、本発明の組成物は、シリコーンオイルを実質的に含有しなくてもよく(すなわち、組成物100pbw当たり0以上0.1pbw未満のシリコーンオイル)、例えばシリコーンオイルを含有しなくてもよい(すなわち、組成物100pbw当たり0pbwのシリコーンオイル)。
【0226】
本発明の組成物は、例えば洗浄剤又はシャンプーの場合は、皮膚及び/又は毛髪に洗浄剤又はシャンプーを塗布し、任意選択的に皮膚及び/又は毛髪の洗浄剤又はシャンプーを水で洗い流すことによるなどの、当該技術分野で公知の方法で使用される。
【0227】
本発明の実施形態のいずれかによれば、本発明の組成物は、例えば4~6などの4~11に含まれるpHを有していてもよい。
【0228】
本発明の実施形態のいずれかによれば、本発明の組成物は、濃縮型流動性組成物を使用して調製されてもよい。
【0229】
本発明は、本発明の組成物の調製に適切な濃縮物にも関する。
【0230】
界面活性剤及び/又はコンディショニング剤及び/又は可溶化剤及び/又は増粘剤の混合物を含む濃縮物は、これらを使用すると複数の個々の成分を輸送する必要が減ることから有利である。
【0231】
パーソナルケア組成物は、通常は個々の界面活性剤、可溶化剤、及びコンディショニング剤を混合することによって調製される。これらの成分は、配合者により適切な比率で希釈及び/又は組み合わされる濃縮液として供給されてもよい。本発明は、本発明の組成物を調製するための構成成分として使用される任意の濃縮液、及び特には限定的な量の水を含む濃縮液も包含する(コスト及び環境保護の観点からより有利である)。
【0232】
ある実施形態によれば、本発明は、本発明の組成物を調製するために使用することができる任意の濃縮液も包含する。
【0233】
例えば、本発明は、少なくとも上述した本発明の非イオン性可溶化剤と、上述した本発明のスルタイン界面活性剤とを含有する濃縮液C1に関する。これは、例えば上述した本発明の非イオン性可溶化剤と、上述した本発明のスルタイン界面活性剤(例えばヒドロキシスルタイン)とから構成される濃縮液C1’であってもよい。
【0234】
本発明は、少なくとも上述した本発明の非イオン性界面活性剤と、上述した本発明のスルタイン界面活性剤と、上述した本発明の非イオン増粘剤とを含有する濃縮液C2にも関する。
【0235】
これは、例えば、上述した本発明の非イオン性界面活性剤(例えばアルカノールアミド界面活性剤)と、上述した本発明のスルタイン界面活性剤(例えばヒドロキシスルタイン)と、上述した本発明の非イオン性増粘剤(例えばPEG-150ジステアレート)とからなる濃縮液C2’であってもよい。
【0236】
本発明は、本発明の組成物を調製するための、濃縮液C1、C1’、C2、及び/又はC2’のうちのいずれかの使用も包含する。
【0237】
本発明の組成物の粘度は、それ自体で満足できるものである。
【0238】
ある実施形態によれば、本発明の組成物は、追加的な増粘剤を更に含有していてもよい。
【0239】
別の実施形態によれば、本発明の組成物は、5pbw未満の追加的な増粘剤を含有していてもよい。
【0240】
特に、本発明の組成物は、組成物の総重量に対して5pbw未満、例えば3pbw未満、例えば2pbw未満、例えば1pbw未満の追加的な高分子増粘剤を含有していてもよい。
【0241】
ある実施形態によれば、本発明の組成物は、追加的な高分子増粘剤を実質的に含有しなくてもよく(すなわち、組成物100pbw当たり0以上0.1pbw未満の追加的な高分子増粘剤)、例えば追加的な高分子増粘剤を含有しなくてもよい(すなわち、組成物100pbw当たり0pbwの追加的な高分子増粘剤)。
【0242】
植物油を含有する組成物を増粘及び安定化させるために、Carbopolタイプの架橋アクリルポリマーなどの安定化剤がしばしば使用される。しかし、これらの安定化剤は化粧品性能を低下させる欠点を有している場合がある。例えばシャンプーの場合、そのような合成ポリマーを使用すると、毛髪に負荷がかかり(帯電又は荷重)、またより粗くなる。
【0243】
そのため、本発明の実施形態のいずれかによれば、本発明の組成物は、メタクリル酸とC1~C4アルキルアクリレートとの1種の架橋したコポリマー、例えば1種の架橋したメタクリル酸/エチルアクリレートのコポリマーを、組成物の総重量に対して5pbw未満、例えば3pbw未満、例えば2pbw未満、例えば1pbw未満含有するか、更にはメタクリル酸とC1~C4アルキルアクリレートとの1種の架橋したコポリマー、例えば1種の架橋したメタクリル酸/エチルアクリレートのコポリマーを含有しない、すなわち0pbw含有する。
【実施例】
【0244】
以下の非限定的な実施例として、ここで本発明を更に詳しく説明する。略語は当該技術分野における通常の意味を有する。温度は摂氏温度(℃)で示されており、他のパラメータはそれぞれの現行単位で示されている。「q.s.」として示されている水の量は、「完全に100%にするために必要とされる量」であることが意図されている。
【0245】
評価方法
官能評価、模造頭部でのハーフヘッド試験
官能評価のために、4時間漂白した白人の毛髪の模造頭部を使用する。毛髪の長さ:40cm。これは独国のKerling International Haarfabik GmbH,Donaustr.7,D-71522 Backnang-Waldremsから購入した。
【0246】
官能分析は、以下に説明する標準プロトコルに従って、熟練した専門家のパネリストにより行った。
【0247】
標準的な予備洗浄手順:模造頭部を35℃の水道水で1分間濡らした。10重量%の活性ラウレス硫酸ナトリウム(SLE2S)、2重量%の活性コカミドプロピルベタイン(CAPB)、pH=5の標準シャンプーを使用した。12mlの量のこの標準シャンプーを、毛髪に90秒間揉み込んだ。その後、35℃の水道水を流しながら模造頭部を3分間すすいだ。次いで、毛髪がほぐれるまで模造頭部を中程度の歯の櫛で梳かす。模造頭部を室温で乾燥させる。
【0248】
シャンプーの塗布及び評価:模造頭部を35℃の水道水で1分間濡らした。その後、毛髪を2つの等しい部分に分けた:頭部の両側に6mlのシャンプーを付着させ、90秒間毛髪に揉み込んだ。この段階の際に泡の特性:瞬時の泡立ち、泡の量、泡の質感;を評価した。その後、35℃の水道水を流しながら頭部の両側を90秒間すすいだ。この段階の際にすすぎ易さ及び毛髪の感触(柔らかさ)を評価した。濡れた状態で、ほぐし易さ(中程度の歯の櫛を使用)、毛髪の感触、及び根元から毛先までの毛髪の手入れを評価した。その後、ヘアドライヤー(最大の空気の流れ及び温度)を使用して模造頭部の両側を乾燥させた。この段階の際に乾燥時間を測定した。その後、両側の毛髪を櫛で梳かし(中程度の歯の櫛を使用して)、毛髪の感触、清浄度、軽量性、扱いやすさ、光沢、及び柔らかさを評価した。
【0249】
粘度測定
各シャンプー配合物の粘度は、温度が制御された部屋(21±3℃)の中で、ブルックフィールド粘度計DV-I型を使用して、10rpm、スピンドル4で24時間後に測定した。粘度の値は、常に1分の安定化時間の後に測定した。
【0250】
透過率の測定
配合物の透明性は、透過率の値によって評価した。Perkin Elmer Lambda Bio 40 UV-Vis吸光光度計を使用する。サンプルを、容積2.5ml及び幅1cmの使い捨てPSキュベットの中に入れた。サンプル及びブランクの蒸留水を通過する光の強度は600nmで測定する。その後%透過率を計算する。
【0251】
次のクレンジング組成物を調製した。使用した出発原料は、INCI名及び/又は商標名で特定される。全ての成分は配合物全体の活性重量パーセントとして表される。
【0252】
実施例1:
【0253】
【0254】
配合手順
ビーカーの中で、融解したココナッツ油(約30℃)を、ククイ油及びAlkamuls PEG 16 COと混合し、最後にトコフェロールを添加する。穏やかに撹拌しながら冷ます。香料を添加し、撹拌したままにする。
【0255】
2つ目のビーカーの中で、8.40部の水及びPEG-150ジステアレートを、撹拌しながら75℃で20分間加熱する。穏やかに撹拌しながら室温で冷ます。水の蒸発を補う。
【0256】
別のビーカーの中で、1.5部のコカミドMIPAを、7.51部の水と共に65℃で均一になるまで撹拌しながら加熱する。次いで、1.88部のRhodapon LS94 RPBを添加する。均一になった時に加熱を停止し、混合物を撹拌しながら25~30℃に冷めるまで放置する。蒸発した水を補う。
【0257】
メインタンクの中で、Jaguar(登録商標)LSを56.27部の水の中に分散させる。50重量%の活性クエン酸溶液0.05部を添加する。Mackam CBS 50G Eを添加し、100rpmで10分間混合する。
【0258】
撹拌しながら2.71部のRhodapon LS 94 RPBを添加し、次いで均一になるまでRhodapex ESB 30 HA1を添加する。100rpmで10分間混合する。コカミドMIPA/Rhodapon LS 94 RPBのブレンド物を添加し、100rpmで15分間混合を維持する。Spectrastatを添加する。クエン酸溶液でpHを調整する(目標pH4.8)。撹拌しながらオイル/Alkamuls PEG 16 COのブレンド物を添加する。100rpmで20分間混合し、Panthenolを添加する。最後に、PEG-150ジステアレート溶液を添加し、120rpmで45分間撹拌する。pHを5に調整する。
【0259】
性能
本発明の配合物1は、透明性を維持(%透過率>85%)しながらも、多量の植物油(合計量:0.9pbwの植物油)を配合することを可能にすると同時に、次の特性:組成物の粘度、泡立ち特性、及び目的領域のコンディショニング;の間の許容可能な折り合いの実現を可能にする。
【0260】
官能評価からは、配合物1が、特にはほぐし易さ、柔らかさ、及び光沢特性の点で、非常に良好なコンディショニング特性を示すことが確認された。
【0261】
実施例2:
【0262】
【0263】
配合手順
ビーカーの中で、融解したココナッツ油(約30℃)を、ククイ油及びAlkamuls PEG 16 COと混合し、最後にトコフェロールを添加する。穏やかに撹拌しながら冷ます。香料を添加し、撹拌したままにする。
【0264】
2つ目のビーカーの中で、8.40部の水及びPEG-150ペンタエリスリトールテトラステアレートを、撹拌しながら75℃で20分間加熱する。穏やかに撹拌しながら室温で冷ます。水の蒸発を補う。
【0265】
別のビーカーの中で、1.5部のコカミドMIPAを、7.51部の水と共に65℃で均一になるまで撹拌しながら加熱する。次いで、1.88部のRhodapon LS94 RPBを添加する。均一になった時に加熱を停止し、混合物を撹拌しながら25~30℃に冷めるまで放置する。蒸発した水を補う。
【0266】
メインタンクの中で、Jaguar(登録商標)LSを56.27部の水の中に分散させる。50重量%の活性クエン酸溶液0.05部を添加する。Mackam CBS 50G Eを添加し、100rpmで10分間混合する。
【0267】
撹拌しながら2.71部のRhodapon LS 94 RPBを添加し、次いで均一になるまでRhodapex ESB 30 HA1を添加する。100rpmで10分間混合する。コカミドMIPA/Rhodapon LS 94 RPBのブレンド物を添加し、100rpmで15分間混合を維持する。Spectrastatを添加する。クエン酸溶液でpHを調整する(目標pH4.8)。撹拌しながらオイル/Alkamuls PEG 16 COのブレンド物を添加する。100rpmで20分間混合し、Panthenolを添加する。最後に、PEG-150ペンタエリスリトールテトラステアレート溶液を添加し、120rpmで45分間撹拌する。pHを5に調整する。
【0268】
性能
本発明の配合物2は、透明性を維持(%透過率>85%)しながらも、多量の植物油(合計量:0.9pbwの植物油)を配合することを可能にすると同時に、次の特性:組成物の粘度、泡立ち特性、及び目的領域のコンディショニング;の間の許容可能な折り合いの実現を可能にする。