(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-14
(45)【発行日】2022-10-24
(54)【発明の名称】コンピュータプログラムおよび配信サーバ
(51)【国際特許分類】
H04N 21/234 20110101AFI20221017BHJP
H04N 21/854 20110101ALI20221017BHJP
【FI】
H04N21/234
H04N21/854
(21)【出願番号】P 2019010226
(22)【出願日】2019-01-24
(62)【分割の表示】P 2018100684の分割
【原出願日】2018-05-25
【審査請求日】2021-05-07
(31)【優先権主張番号】P 2017218211
(32)【優先日】2017-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】598138327
【氏名又は名称】株式会社ドワンゴ
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】川上 量生
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 寛明
(72)【発明者】
【氏名】小嶋 尚
【審査官】大西 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-124608(JP,A)
【文献】特許第6219548(JP,B1)
【文献】国際公開第2014/097814(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/088566(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/159383(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/10
H04N 7/14 - 7/173
H04N 7/20 - 7/56
H04N 21/00 -21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配信者端末から、少なくとも生配信用の映像データを受信することと、
演出条件が満足しているか否かを判定することと、
前記演出条件が満足している時に、前記
生配信用の映像データに対して演出を付加することと、
前記演出が付加された映像データを前記配信者端末あるいは観客端末へ配信することと
をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであって、
前記演出条件は、オープニング演出、エンディング演出、または中間演出を付加するか否かを判定するための基準であり、
前記演出条件は、少なくとも、前記映像データの生配信のために割り当てられた時間枠、前記映像データの観客数、前記オープニング演出の開始の指示、前記映像データに対して投稿されたコメント、前記映像データの再生音声のいずれかに基づく条件を含み、
前記判定することは、前記オープニング演出、エンディング演出、または中間演出のそれぞれについて、前記演出条件を満たすか否かを判定することを含む、
コンピュータプログラム。
【請求項2】
配信者端末から、少なくとも生配信用の映像データを受信することと、
演出条件が満足しているか否かを判定することと、
前記演出条件が満足している時に、前記生配信用の映像データに対して演出を付加することと、
前記演出が付加された映像データを前記配信者端末あるいは観客端末へ配信することと
をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであって、
前記演出条件は、オープニング演出、エンディング演出、または中間演出を付加するか否かを判定するための基準であり、前記演出条件は、所定の条件を満足してから演出終了条件が満足するまでの間に満足するように定められており、
前記判定することは、前記オープニング演出、エンディング演出、または中間演出のそれぞれについて、前記演出条件を満たすか否かを判定することを含む、
コンピュータプログラム。
【請求項3】
前記
生配信用の映像データに対して演出を付加することは、前記映像データに対して前記演出を合成し、合成映像データを生成することを含む、請求項1
または2に記載のコンピュータプログラム。
【請求項4】
前記受信することは、前記生配信用の前記映像データおよび前記演出をどのように合成するかを指定する指定データを受信することを含み、
前記
生配信用の映像データに対して演出を付加することは、前記指定データに従って前記映像データまたは前記演出を合成し、合成映像データを生成することを含む、請求項1
または2に記載のコンピュータプログラム。
【請求項5】
前記
生配信用の映像データに対して演出を付加することは、前記映像データに対して既定の加工を行って加工済み映像データを生成することを含む、請求項1
または2に記載のコンピュータプログラム。
【請求項6】
前記
生配信用の映像データに対して演出を付加することは、前記配信者端末あるいは観客端末の少なくとも1つからの操作要求に基づいて動的な演出の操作データを生成することを含み、
前記配信することは、前記映像データおよび前記操作データを前記配信者端末あるいは観客端末の少なくとも1つへ配信することを含む、請求項1
または2に記載のコンピュータプログラム。
【請求項7】
前記演出を作成すること、をさらにコンピュータに実行させる、
請求項1乃至請求項
6のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項8】
前記作成することは、前記映像データの生配信が開始された後に生じた事象に関する情報を含む前記演出を作成することを含む、請求項
7に記載のコンピュータプログラム。
【請求項9】
配信者端末から、少なくとも生配信用の映像データを受信する受信部と、
演出条件が満足しているか否かを判定する判定部と、
前記演出条件が満足している時に、前記
生配信用の映像データに対して演出を付加したデータを前記配信者端末あるいは観客端末へ配信する配信部と
を具備し、
前記演出条件は、オープニング演出、エンディング演出、または中間演出を付加するか否かを判定するための基準であり、
前記演出条件は、少なくとも、前記映像データの生配信のために割り当てられた時間枠、前記映像データの観客数、前記オープニング演出の開始の指示、前記映像データに対して投稿されたコメント、前記映像データの再生音声のいずれかに基づく条件を含み、
前記判定部は、前記オープニング演出、前記エンディング演出、または前記中間演出のそれぞれについて、前記演出条件を満たすか否かを判定する、
配信サーバ。
【請求項10】
配信者端末から、少なくとも生配信用の映像データを受信する受信部と、
演出条件が満足しているか否かを判定する判定部と、
前記演出条件が満足している時に、前記生配信用の映像データに対して演出を付加したデータを前記配信者端末あるいは観客端末へ配信する配信部と
を具備し、
前記演出条件は、オープニング演出、エンディング演出、または中間演出を付加するか否かを判定するための基準であり、前記演出条件は、所定の条件を満足してから演出終了条件が満足するまでの間に満足するように定められており、
前記判定部は、前記オープニング演出、前記エンディング演出、または前記中間演出のそれぞれについて、前記演出条件を満たすか否かを判定する、
配信サーバ。
【請求項11】
サーバから、少なくとも生配信用の映像データを受信することと、
演出条件が満足しているか否かの判定を取得することと、
前記演出条件が満足している時に、前記生配信用の映像データに対して演出を付加することと、
前記演出が付加された映像データを表示装置の画面に表示することと
をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであって、
前記演出条件は、オープニング演出、エンディング演出、または中間演出を付加するか否かを判定するための基準であり、前記演出条件は、少なくとも、前記映像データの生配信のために割り当てられた時間枠、前記映像データの観客数、前記オープニング演出の開始の指示、前記映像データに対して投稿されたコメント、前記映像データの再生音声のいずれかに基づく条件を含み、
前記判定することは、前記オープニング演出、エンディング演出、または中間演出のそれぞれについて、前記演出条件を満たすか否かを判定することを含む、
コンピュータプログラム。
【請求項12】
サーバから、少なくとも生配信用の映像データを受信することと、
演出条件が満足しているか否かの判定を取得することと、
前記演出条件が満足している時に、前記生配信用の映像データに対して演出を付加することと、
前記演出が付加された映像データを表示装置の画面に表示することと
をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであって、
前記演出条件は、オープニング演出、エンディング演出、または中間演出を付加するか否かを判定するための基準であり、前記演出条件は、所定の条件を満足してから演出終了条件が満足するまでの間に満足するように定められており、
前記判定することは、前記オープニング演出、エンディング演出、または中間演出のそれぞれについて、前記演出条件を満たすか否かを判定することを含む、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画共有システムにおける動画の生配信に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、一部の動画共有システムでは、ユーザ(以降、単に配信者と呼ぶ)が撮影した動画を多数の観客へインターネット経由で生配信することが可能である。かかるインターネット経由で生配信される動画(以降、単に生番組と称する)でも、テレビ番組と同様に、配信者には利用可能な時間枠が割り当てられている。
【0003】
テレビ番組は、通常の録画番組に限らず、生放送番組であっても、オープニング、エンディング、その他の中間演出を付けられることが多い。しかしながら、生番組の配信者が利用可能な技術および人的リソースは、通常、テレビ番組の制作会社と比べて限られているので、配信者が撮影した動画にオープニングやエンディングなどの演出を付加して生配信することは現実的に難しい。このため、生番組は、割り当てられた時間枠に合わせて生番組の本編が唐突に始まり、そして唐突に終わる、ということになりがちで、テレビ番組風の番組構成に慣れ親しんだ観客は違和感を覚えるかもしれない。
【0004】
また、生配信の開始直後は配信者のフォロワーを中心とする限られた数の観客しか集まらないことも多い。配信者はなるべく多くの観客が集まってからメインの企画に入ることを望むので、しばらく手持ち無沙汰な状態で待っていたり、マイクテストを行ったり、場合によっては離席するなど、間延び感のあるシーンが続いてしまうことがある。観客は、このようなシーンに遭遇すると、退屈に感じて視聴をやめてしまうかもしれない。
【0005】
特許文献1では、個人向け番組配信システムにおいて、視聴者からの配信要求を受信すると(S100)([0027])、番組コンテンツデータベースに記憶される番組コンテンツを抽出し(S106)、個人向けの番組コンテンツを編成し(S108)([0028])、視聴者端末に配信すること([0030])が記載されている。また、編成された個人向け番組コンテンツはタイトルとエンディングを含むこと([0027],[0029])が記載されている。
【0006】
また、特許文献2(特に、[0022]、[0057]、[0059]、要約書)には、撮影した動画データから背景部分を切り取り、予め準備しておいた背景画像または動画データと合成した合成動画データを作成し、さらに合成動画データを編集してオープニングタイトルおよびエンドロールのデータを含む統合動画データを生成し、統合動画データをネットワーク経由で共有する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2006-339780号公報
【文献】特開2016-154021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1には、リアルタイムコンテンツを随時盛り込んだ状態で番組コンテンツを配信することが記載されているものの、このリアルタイムコンテンツは、例えば、定時ニュース、全国ニュース、地域限定のローカルニュース、天気予報の情報等の一般的な時事情報を含み([0021])、例えば、いくつかのニュース写真の画像およびナレーションにより構成されたコンテンツ824aと取材動画によるコンテンツ826a等とがまとめられることで構成されている([0029])。ここで、取材動画は一般に録画済みの動画を指すから、特許文献1に記載されたリアルタイムコンテンツは、生番組とは異なる。また、個人向け番組コンテンツ800に含まれるタイトル810およびエンディング850は、リアルタイムコンテンツ820とは別個のコンテンツとして扱われている(
図3、[0029])。
【0009】
特許文献2に記載の技術は、全編撮影済みの動画をベースに統合動画データを生成して共有しており、生番組への適用は想定していない。また、オープニングタイトルおよびエンドロールは、合成動画とは独立したデータであり、両者を合成することまでは想定されていない。
【0010】
従って、生番組の配信にこれらの技術を適用したとしても、生番組の本編とは独立したタイトル、オープニング、エンディング、エンドロールなどが付加されるに過ぎない。故に、ユーザ発信型の生番組に特有な、開始時および終了時の唐突感、開始直後の間延び感、利用可能な表現の幅が限られることによるメリハリ感のなさ、などを改善することは容易でない。
【0011】
本発明は、生配信用の映像データに演出を自動的に付加して体裁を整えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の態様に係るコンピュータプログラムは、配信者端末から、少なくとも生配信用の映像データを受信することと、演出条件が満足しているか否かを判定することと、前記演出条件が満足している時に、前記生配信用の映像データに対して演出を付加することと、前記演出が付加された映像データを前記配信者端末あるいは観客端末へ配信することとをコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであって、前記演出条件は、オープニング演出、エンディング演出、または中間演出を付加するか否かを判定するための基準であり、前記判定することは、前記オープニング演出、エンディング演出、または中間演出のそれぞれについて、前記演出条件を満たすか否かを判定することを含む。前記演出条件は、少なくとも、前記映像データの生配信のために割り当てられた時間枠、前記映像データの観客数、前記オープニング演出の開始の指示、前記映像データに対して投稿されたコメント、映像データの再生音声のいずれかに基づく条件を含むか、または、前記演出条件は、所定の条件を満足してから演出終了条件が満足するまでの間に満足するように定められてもよい。
【0013】
本発明の第2の態様に係る配信サーバは、配信者端末から、少なくとも生配信用の映像データを受信する受信部と、演出条件が満足しているか否かを判定する判定部と、前記演出条件が満足している時に、前記生配信用の映像データに対して演出を付加したデータを前記配信者端末あるいは観客端末へ配信する配信部とを具備し、前記演出条件は、オープニング演出、エンディング演出、または中間演出を付加するか否かを判定するための基準であり、前記判定部は、前記オープニング演出、前記エンディング演出、または前記中間演出のそれぞれについて、前記演出条件を満たすか否かを判定する。前記演出条件は、少なくとも、前記映像データの生配信のために割り当てられた時間枠、前記映像データの観客数、前記オープニング演出の開始の指示、前記映像データに対して投稿されたコメント、映像データの再生音声のいずれかに基づく条件を含むか、または、前記演出条件は、所定の条件を満足してから演出終了条件が満足するまでの間に満足するように定められてもよい。
【0014】
本発明の第3の態様に係るコンピュータプログラムは、サーバから、少なくとも生配信用の映像データを受信することと、演出条件が満足しているか否かの判定を取得することと、前記演出条件が満足している時に、前記生配信用の映像データに対して演出を付加することと、前記演出が付加された映像データを表示画面に表示することとをコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであって、前記演出条件は、オープニング演出、エンディング演出、または中間演出を付加するか否かを判定するための基準であり、前記判定することは、前記オープニング演出、前記エンディング演出、または前記中間演出のそれぞれについて、前記演出条件を満たすか否かを判定する。前記演出条件は、少なくとも、前記映像データの生配信のために割り当てられた時間枠、前記映像データの観客数、前記オープニング演出の開始の指示、前記映像データに対して投稿されたコメント、映像データの再生音声のいずれかに基づく条件を含むか、または、前記演出条件は、所定の条件を満足してから演出終了条件が満足するまでの間に満足するように定められてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、生配信用の映像データに演出を自動的に付加して体裁を整えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】第1の実施形態に係る動画の生配信システムを例示するブロック図。
【
図2】第1の実施形態に係る配信サーバを例示するブロック図。
【
図4】
図3の映像データに演出データを合成した合成映像データを例示する図。
【
図5】
図3の映像データに演出データを合成した合成映像データを例示する図。
【
図6】
図3の映像データに演出データを合成した合成映像データを例示する図。
【
図7】
図3の映像データに演出データを合成した合成映像データを例示する図。
【
図8】
図2の配信サーバの動作を例示するフローチャート。
【
図9】第2の実施形態に係る配信サーバを例示するブロック図。
【
図10】第1の実施形態および第2の実施形態に係る端末の変形例を示すブロック図。
【
図11】第3の実施形態に係る配信サーバを例示するブロック図。
【
図13】
図12の映像データを加工した加工済み映像データを例示する図。
【
図14】
図12の映像データを加工した加工済み映像データを例示する図。
【
図15】第3の実施形態に係る端末の変形例を示すブロック図。
【
図16】第4の実施形態に係る配信サーバを例示するブロック図。
【
図17】
図3の映像データに動的な演出データを合成した合成映像データを例示する図。
【
図18】
図3の映像データに動的な演出データを合成した合成映像データを例示する図。
【
図19】第4の実施形態に係る端末を例示するブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら実施形態の説明を述べる。なお、以降、説明済みの要素と同一または類似の要素には同一または類似の符号を付し、重複する説明については基本的に省略する。例えば、複数の同一または類似の要素が存在する場合に、各要素を区別せずに説明するために共通の符号を用いることがあるし、各要素を区別して説明するために当該共通の符号に加えて枝番号を用いることもある。
【0019】
(第1の実施形態)
第1の実施形態に係る配信サーバは、
図1に例示される動画の生配信システムに組み込むことができる。この生配信システムは、配信者端末100と、配信サーバ200と、観客端末300-1,300-2,・・・とを含む。
【0020】
配信サーバ200は、配信者端末100および観客端末300とネットワーク経由で接続しており、データを互いに送受信できる。なお、
図1において示される各装置の数は、例示に過ぎない。例えば、観客端末300の数は、0となることがあり得るし、数百、数千となることもあり得る。また、
図1に示されない、Webサーバまたはコメント配信サーバがさらに設けられてもよいし、これらの機能が配信サーバ200に組み込まれてもよい。
【0021】
配信者端末100は、例えばビデオカメラなどの動画ソースに接続されたコンピュータなどの電子デバイス、例えば、テレビ受像機(インターネットテレビを含む)、PC(Personal Computer)、モバイル端末(例えば、タブレット、スマートフォン、ラップトップ、フィーチャーフォン、ポータブルゲーム機、デジタルミュージックプレイヤー、電子書籍リーダなど)、VR(Virtual Reality)端末、AR(Augmented Reality)端末などであり得るが、これらに限られない。配信者端末100は、動画ソースから出力されるエンコード済みの映像データを配信サーバ200へ逐次送信する。
【0022】
配信サーバ200は、映像データの生配信に割り当てられた時間枠に亘って、配信者端末100から逐次送信される、エンコード済みの映像データを受信する。配信サーバ200は、基本的には、この映像データをそのまま配信者端末100および観客端末300へ配信する。
【0023】
ただし、後述される演出条件が満足されている時には、配信サーバ200は、映像データに後述される演出データを合成し、合成された映像データ(以降、合成映像データと称する)を配信者端末100および観客端末300へ配信する。かかる演出条件の満足/不満足の判定、演出データの作成、および演出データの合成は、例えば配信サーバ200がスクリプトを実行することで実現されてもよい。
【0024】
観客端末300は、配信者端末100と同様の電子デバイスであり得るが、配信者端末100とは異なり動画ソースに接続される必要はない。
【0025】
配信サーバ200がこのような演出データの自動合成を行うことで、例えば、オープニング演出、エンディング演出または中間演出を、配信者は手軽に利用することができる。かかる演出の付加は配信サーバ200によって行われるので、配信者が高度な動画編集スキル、動画編集用のハードウェアまたはソフトウェアがない、演出家などのサポーターがいない場合であっても支障がない。故に、配信者は、テレビ番組風に体裁の整った動画を容易に生配信することができる。
【0026】
以下、
図1中の配信サーバ200の構成および動作について順に図面を用いて説明する。
【0027】
配信サーバ200は、コンピュータであって、配信者端末100から受信する映像データの配信制御、演出条件の判定、演出データの作成、演出データの合成、配信者端末100および観客端末300から受信する種々の要求等の解釈とこれに対する応答の生成、などを行うプロセッサと、かかる処理を実現するために当該プロセッサによって実行されるプログラムおよび当該プロセッサによって使用されるデータなどを一時的に格納するメモリとを含んでいる。
【0028】
配信サーバ200は、さらに、ネットワークに接続するための通信装置と、大容量のデータを蓄積するための補助記憶装置とを利用可能である。通信装置および補助記憶装置は、配信サーバ200に内蔵されてもよいし、配信サーバ200に外付けされてもよい。
【0029】
通信装置は、ネットワーク経由で配信者端末100および観客端末300と通信をする。例えば、通信装置は、配信者端末100から映像データを受信したり、観客端末300からの配信要求に対する応答を送信したりする。
【0030】
補助記憶装置は、例えば、演出条件、演出データなどのデータを蓄積する。補助記憶装置は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)などの不揮発性記憶媒体であることが好ましい。補助記憶装置は、配信サーバ200にネットワーク経由で接続されたファイルサーバであり得る。
【0031】
次に、
図2を用いて配信サーバ200の構成例の説明を続ける。
図2の配信サーバ200は、受信部201と、時計部202と、配信制御部203と、演出条件判定部204と、演出条件記憶部205と、演出データ作成部206と、演出データ合成部207と、映像配信部208とを含む。
【0032】
受信部201は、ネットワーク経由で種々のデータを受信する。受信部201は、前述の通信装置であってもよいし、当該通信装置とのインターフェースであってもよい。 具体的には、受信部201は、配信者端末100から生配信用の映像データを受信する。受信部201は、この映像データを演出条件判定部204へ送る。また、受信部201は、観客端末300からこの映像データの配信要求を受信する。受信部201は、配信要求を配信制御部203へ送る。
【0033】
さらに、受信部201は、配信者端末100または観客端末300において所定のユーザ入力があったことを示す情報を受信し、これを演出条件判定部204へ送ってもよい。また、受信部201は、
図1に示されないコメント配信サーバから上記映像データに対して投稿されたコメントを受信し、これを演出条件判定部204へ送ってもよい。なお、配信サーバ200が、コメント配信サーバの機能を備える場合には、受信部201は配信者端末100または観客端末300から直接的にコメントを受信し、これを演出条件判定部204へ送り得る。
【0034】
時計部202は、日時を指示する。時計部202は、例えば、固定周波数で振動する水晶発振器と、その出力を分周して1Hzの信号を得る分周回路と、この信号をカウントして日時を示すシリアル値を得るカウンタとを含む。時計部202の指示する日時は、配信制御部203および演出条件判定部204によって参照され得る。
【0035】
配信制御部203は、映像データの生配信を制御する。配信制御部203は、前述のプロセッサおよびメモリであってよい。
具体的には、配信制御部203は、時計部202の指示する日時と、映像データの生配信に割り当てられた時間枠とを比較し、映像データの生配信の開始および終了を管理する。また、配信制御部203は、観客端末300による配信要求を受信部201から受け取り、当該観客端末300へ映像データが配信されるように映像配信部208を制御する。なお、配信制御部203は、受け取った配信要求に基づいて、観客数の管理を行ってもよい。配信制御部203の管理する時間枠、観客数などの情報は、演出条件判定部204または演出データ作成部206によって参照され得る。
【0036】
演出条件判定部204は、受信部201から映像データを受け取り、演出条件記憶部205から当該映像データについての演出条件を読み出し、演出条件が満足しているか否かを判定する。演出条件判定部204は、演出条件が満足していると判定した場合には映像データを演出データ合成部207へ送り、そうでなければ映像データを映像配信部208へ送る。演出条件判定部204は、前述のプロセッサおよびメモリであってよい。
【0037】
演出条件判定部204は、演出条件が満足しているか否かを判定するために、必要に応じて、時計部202の指示する日時、配信制御部203の管理する時間枠、観客数、受信部201によって受信された、コメント、配信者端末100または観客端末300において所定のユーザ入力があったことを示す情報、映像データの再生映像または再生音声、などを参照し得る。
【0038】
ここで、演出条件は、例えば、オープニング演出、エンディング演出、または中間演出を付加するか否か判定するための基準である。具体的には、オープニング演出を付加するための演出条件(オープニング演出条件)は、映像データに割り当てられた時間枠の始まりに、または、この始まりから所定時間後に設定された演出開始地点に、時計部202の指示する日時が到達してから、演出終了条件が満足するまでの間に満足するように定められてもよい。
【0039】
オープニング演出条件は、映像データの観客数が所定の条件を満足してから演出終了条件が満足するまでの間に満足するように定められてもよい。ここでの条件は、例えば、観客数が所定数に達したことなどであり得る。
【0040】
オープニング演出条件は、配信者端末100または観客端末300において所定のユーザ入力があってから演出終了条件が満足するまでの間に満足するように定められてもよい。所定のユーザ入力は、例えば、配信者端末100に表示される、演出開始を指示するためのボタンなどのGUI(Graphical User Interface)部品を選択することであり得る。
【0041】
オープニング演出条件は、映像データに対して投稿されたコメントが所定の条件を満足してから演出終了条件が満足するまでの間に満足するように定められてもよい。ここでの条件は、例えば、コメント数が所定数に達したこと、特定のキーワードを含むコメント数が所定数に達したこと、レアワードを含むコメントがあったことなどであり得る。
【0042】
オープニング演出条件は、映像データの再生映像または再生音声が所定の条件を満足してから演出終了条件が満足するまでの間に満足するように定められてもよい。ここでの条件は、再生映像から例えば配信者が所定のジェスチャまたは表情を採ったことが認識されたこと、再生音声から例えば配信者が所定のフレーズを発話したことが認識されたこと、などであり得る。
【0043】
オープニング演出の演出終了条件は、例えば、演出開始から所定時間が経過した時、観客数またはコメント数が必要数に達した時、または配信者端末100若しくは観客端末300に所定のユーザ入力があった時、映像データの再生映像から例えば配信者が所定のジェスチャまたは表情を採ったことが認識された時、再生音声から例えば配信者が所定のフレーズを発話したことが認識された時、などに満足するように定められてよい。
【0044】
時間枠の始まりからずれた地点からオープニング演出を開始することにより、生配信の開始直後は映像データがそのまま配信され、観客がある程度集まった頃合いにオープニング演出が始まり、生番組の本編への観客の期待を高めて継続して視聴する動機付けをすることができる。他方、時間枠の始まりと一致またはこれに近い地点からオープニング演出を開始することにより、最初期の観客が、オープニング演出を待てず離れてしまうのを防ぐことができる。
【0045】
また、エンディング演出を付加するための演出条件(エンディング演出条件)は、映像データに割り当てられた時間枠の終わりから所定時間前に設定された演出開始地点に、時計部202の指示する日時が到達してから、演出終了条件が満足するまでの間に満足するように定められてもよい。その他、エンディング演出条件は、前述したオープニング演出条件と同様に定められ得る。
【0046】
エンディング演出の演出終了条件は、オープニング演出の演出終了条件と同様であってもよいし、映像データに割り当てられた時間枠の終わりに時計部202の指示する日時が達した時に満足するように定められてもよい。
【0047】
中間演出は、例えば、映像データに割り当てられた時間枠の途中で、例えばファンファーレなどの演出映像、映像データにリプレイ映像またはスローモーション再生映像を合成することで実現されてもよい。リプレイ映像またはスローモーション再生映像は、直前の映像を対象としてもよいがこれに限られない。また、生番組がマルチカメラで撮影されている場合には、別視点の映像を合成し、或いは視点の切り替えを行ってもよい。
【0048】
中間演出を付加するための演出条件(中間演出条件)は、映像データに割り当てられた時間枠の始まりから所定時間後に設定された演出開始地点に、時計部202の指示する日時が到達してから、演出終了条件が満足するまでの間に満足するように定められてもよい。また、中間演出条件は、生番組に付与された広告や商品紹介を配信者または観客がクリックした場合または、広告や商品紹介の対象となった商品を配信者または観客が購入した場合に、その購入の所定時間後から演出終了条件が満足するまでの間に満足するように定められてもよい。ここで、広告や商品紹介は、例えば配信者端末100または観客端末300において、生番組の表示ページ内、または当該表示ページから遷移可能なページで表示され得る。その他、中間演出条件は、前述したオープニング演出条件と同様に定められ得る。また、中間演出の演出終了条件は、オープニング演出の演出終了条件と同様であってもよい。
【0049】
例えば、映像データの観客数、または映像データに対して投稿されたコメント数が急上昇した時に、ファンファーレの映像を合成する中間演出が開始するようにしてもよい。また、例えば「リプレイ」、「スロー」、「もう1回」などの特定のキーワードを含むコメントが映像データに対して所定時間内に所定数以上投稿された時に、リプレイ映像またはスローモーション再生映像を合成する中間演出が開始するようにしてもよい。
【0050】
演出条件記憶部205は、前述の種々の演出条件を格納する。演出条件記憶部205に格納された演出条件は、演出条件判定部204および演出データ作成部206によって必要に応じて読み出される。演出条件記憶部205は、前述の補助記憶装置であってもよいし、当該補助記憶装置とのインターフェースであってもよい。
【0051】
演出データ作成部206は、演出データを作成し、演出データ合成部207へ送る。演出データ作成部206は、前述のプロセッサおよびメモリであってよい。
演出データは、動的な演出データと静的な演出データとに大別することができる。静的な演出データは、映像データの内容に左右されない固定の動画データまたは静止画データであり得る。固定の動画データは、例えば、生配信対象の映像データの再生映像をはめ込むための領域を有する、様々なアニメーションまたは実写映像であってもよい。固定の静止画データは、例えば、映像データの再生映像の画面端を装飾する枠、映像データの再生映像の覆うオブジェクトなどであってもよい。なお、後述する動的な演出データを利用しない場合には、静的な演出データをプリセットしておくことにより、演出データ作成部206を省略することができる。
【0052】
動的な演出データは、例えば、演出終了条件が満足するための必要条件を動的に示す情報を含む動画データまたは静止画データであってもよいし、映像データの生配信が開始された後に生じた事象に関する情報を含む動画データまたは静止画データであってもよいし、生配信の対象となる映像データのリプレイ映像またはスローモーション再生映像であってもよいし、別視点の映像であってもよいし、例えば動画タイトル、クレジットタイトル、配信者コメントまたは説明文などを含む動画データまたは静止画データであってもよい。かかる情報は、配信者、観客もしくはサービス運営者が生配信の開始前に入力した情報、または配信サーバ200またはその他のサーバにより自動的に付与された情報から抽出され得る。例えば、演出データは、生番組に対して付与されたキーワードである動画タグ、または生番組に対して付与されたスポンサー名、などのメタデータから自動的に生成される情報、例えば、番組カテゴリ、URL(Uniform Resource Locator)、などを含む動画データまたは静止画データであってもよい。ここで、動画タグおよびスポンサー名は、配信者、観客またはサービス運営者により人力で付与されることもあり得るし、配信サーバ200またはその他のサーバにより自動的に付与されることもあり得る。
【0053】
さらに、動的な演出データは、生番組に関連するウェブページに表示される情報に基づいて自動的に生成されてもよい。例えば、動画像共有サービスのフロントページなどの番組紹介ページでは、現在公開中の多数の生番組のサムネイルが並べて表示されることがある。そして、かかる番組紹介ページでは、サムネイルの周辺に、例えば「人気上昇中」などの生番組に関する補足情報が表示されることがある。かかる補足情報が付与されたサムネイルに対応する生番組には、当該補足情報そのものまたは当該補足情報から抽出・加工された情報を含む演出データが適用されてもよいし、適用される演出データが当該補足情報に依存して切り替えられてもよい。例えば、補足情報から抽出された情報に基づいて自動的に編集された番組タイトル、補足情報から抽出されたスポンサー名、などが演出データに含まれてもよい。
【0054】
具体的には、演出データ作成部206は、演出終了条件が満足するための必要条件として、映像データの現在の観客数またはコメント数と必要数とのギャップを、例えばカウントダウン形式で示す情報、例えば「あと○○人」、「あと○○コメント」などのテキストを含む演出データを作成してもよい。映像データの現在の観客数またはコメント数の情報は、例えば配信制御部203から取得することができる。また、演出終了条件が満足するために必要な観客数またはコメント数の情報は、例えば演出条件記憶部205から取得することができる。かかる情報が表示されることで、観客は、生番組の本編開始までの目安時間を把握し、それまで待てるかどうか、また、離席してよいのかどうかの判断をすることができる。
【0055】
また、演出データ作成部206は、映像データの生配信が開始された後に生じた事象に関する情報として、例えば映像データの観客数、映像データに対して投稿されたコメントの一部(例えばダイジェスト)、映像データに対して投稿されたコメント数、および映像データに対してコメントを投稿した観客名、生番組に付与された広告や商品紹介のクリック数、広告や商品紹介から購入された商品に関する情報(例えば商品の名称、購入数、購入総額、写真、購入者情報など)、などを示す情報を含む演出データを作成してもよい。かかる情報を例えばエンドロールとして用いることで、個々の映像データの生配信の態様にふさわしいエンディング演出が可能となる。
【0056】
また、演出データ作成部206は、配信者端末100または観客端末300になされたユーザ入力、または配信者端末100または観客端末300によって投稿されたコメントに反応して変化する演出データを作成してもよい。例えば、演出データは、映像データの再生映像の画面を遮るオブジェクト(例えば、紙吹雪、拍手を意味する「8」のシンボル、花束、ハートマーク、雲、人垣、配信者の設定したアイコン、動画像共有サービスのマスコットキャラクターなど)を含んでいてもよい。
【0057】
この場合に、演出データ作成部206は、演出開始時に、画面全体にかかるオブジェクトが敷き詰められた演出データを作成し、配信者端末100または観客端末300に所定のユーザ入力(例えばオブジェクト、またはボタンなどのGUIの選択)またはコメント投稿がなされると、オブジェクトを消滅、移動、縮小させるなどして徐々に映像データの再生映像の画面が見えるようにしてもよい。逆に、演出データ作成部206は、演出開始時に、オブジェクトを零または少数含む演出データを作成し、配信者端末100または観客端末300に所定のユーザ入力(例えばオブジェクト、またはボタンなどのGUIの選択)、またはコメント投稿がなされると、オブジェクトを出現、移動、拡大させるなどして徐々に映像データの再生映像の画面が見えなくなるようにしてもよい。
【0058】
徐々に映像データの再生映像の画面が見えるようにする演出は、オープニングに適しているがこれに限定されるものではない。徐々に映像データの再生映像の画面が見えなくなる演出は、エンディングに適しているがこれに限定されるものではない。
【0059】
なお、オブジェクトの状態が全端末間で完全に同期していなかったとしても、生番組の本編の視聴体験には影響しないので、同期を行う頻度を減らしてサーバの負荷を軽減してもよい。
【0060】
また、この例において、演出終了条件がオブジェクトの数、大きさ、位置などによって定められてもよい。この場合に、配信者および観客は、合成映像データの再生映像に含まれるオブジェクトの状態から演出終了条件が満足するための必要条件、例えばあとどれくらいオブジェクトを減らす必要があるのか、あとどれくらいオブジェクトを増やす必要があるのかを把握し得る。故に、かかるオブジェクトもまた、演出終了条件が満足するための必要条件を動的に示す情報の一例に相当する。
【0061】
演出データ合成部207は、演出条件判定部204から映像データを受け取り、演出データ作成部206から演出データを受け取る。演出データ合成部207は、映像データに演出データを合成し、合成映像データを生成する。演出データ合成部207は、例えば、アルファブレンド、ピクチャーインピクチャーなどの公知の技法を用いて、映像データに演出データを合成してもよい。演出データ合成部207は、合成映像データを映像配信部208へ送る。演出データ合成部207は、前述のプロセッサおよびメモリであってよい。なお、合成に用いられる演出データの種類は、所定のアルゴリズムにより自動的に決定されてもよいし、配信者および/または観客のユーザ入力情報により決定されてもよいし、両者の組み合わせにより決定されてもよい。例えば、生番組に付与された広告や商品紹介のクリック数、広告や商品紹介から購入された商品に関する情報、例えば商品の購入数、購入総額など、の情報により、エンディング演出に用いられる演出データが切り替えられてもよい。
【0062】
演出データ合成部207は、例えば、映像データの再生映像の画面の一部または全部をリサイズして、または画面の一部をトリミングして演出データと合成してもよいし、映像データの再生映像の画面の一部が露出し、残部が隠れるように映像データを演出データと合成してもよい。
図3に映像データを例示し、
図4乃至
図7に合成映像データを例示する。
【0063】
演出データ合成部207は、
図4に例示されるように、
図3の映像データの再生映像の画面の一部(例えば、配信者の顔領域)および全部をそれぞれ小さくリサイズして、演出データとしての動画データまたは静止画データにはめ込んでもよい。また、
図4の例では、クレジットタイトルとして、「出演 ○○○」のテキストが演出データに含まれている。このように、映像データの再生映像の画面の全部を小さくリサイズしてから演出データと合成することで、画面が演出データによってマスクされないようにすることができる。故に、配信者が観客に見せたい部分が演出データによって隠されてしまうハプニングを防ぐことができる。他方、映像データの再生映像の画面の全部ではなく一部を小さく、または大きくリサイズしてから演出データと合成すれば、配信者が観客に見せたい部分を過度に縮小しないように、或いはより強調することができる。画面の一部は、例えば画面の中心に近い領域など静的な領域であってもよいし、配信者の顔がある領域、動きの大きい領域など動的な領域であってもよい。動的な領域を抽出する場合には、例えば、公知の顔認識技術、動体検出技術などが利用されてよい。
【0064】
このように、映像データの再生映像の画面のリサイズを行ってから演出データと合成することで、配信者および観客に、生番組の本編とは異なる特別な演出が付加されていることを意識させることができる。
【0065】
演出データ合成部207は、
図5および
図6に例示されるように、
図3の映像データに演出データを合成し、映像データの再生映像の画面を遮るオブジェクトが合成された合成映像データを生成してもよい。
図5の例では、演出開始時には、画面一杯にテレビをモチーフとするマスコットキャラクターのシルエットのオブジェクトが敷き詰められており、観客(および配信者)がこのオブジェクトを例えばタップしていくことで、オブジェクトが徐々に消え去り、演出が完了する。また、
図6の例では、演出開始時には、画面下部に「8」のシンボルが少数積もった状態、または積もっていない状態であり、観客(および配信者)が例えば画面をタップ、または「8」のコメントを投稿することで、このオブジェクトが徐々に積もっていき、演出が完了する。なお、
図5および
図6の演出において、ユーザ入力が全くない場合にも時間経過に応じて、オブジェクトが自動的に消え去り、またはオブジェクトが自動的に積もるようにしてもよい。
【0066】
演出データ合成部207は、
図7に例示されるように、
図3の映像データの再生映像の画面の全部を小さくリサイズしてから、エンドロールを表示するための領域を含む演出データを合成してもよい。
図7の例では、
図3の映像データの観客数、コメント投稿した観客名などの情報がエンドロールの一部として表示される。なお、
図7の例は、エンディング演出に限られず、例えば生配信の前半部分を締めくくるための中間演出として適用されてもよい。
【0067】
映像配信部208は、演出条件判定部204からの映像データ、または演出データ合成部207からの合成映像データを受け取り、これを配信者端末100および観客端末300へ配信する。映像配信部208は、例えば映像データの配信先などを配信制御部203によって制御される。映像配信部208は、前述の通信装置であってもよいし、当該通信装置とのインターフェースであってもよい。
【0068】
なお、映像配信部208は、配信済みの映像データ(または合成映像データ)を直ちに破棄してもよいが、例えば前述のリプレイまたはスローモーション再生を伴う演出を可能とするために所定期間バッファリングしておき、演出データ作成部206による参照を許容してもよい。
【0069】
次に
図8を用いて、配信サーバ200の動作例を説明する。
図8の動作は、例えば映像データに割り当てられた時間枠の始まりと共に開始する。
図8の動作が開始すると、処理はステップS401へ進む。
【0070】
ステップS401において、受信部201は配信者端末100から生配信用の映像データを受信する。演出条件判定部204は、ステップS401において受信された映像データについて予め定められた演出条件が満足するか否かを判定する(ステップS402)。演出条件が満足すれば処理はステップS403へ進み、そうでなければ処理はステップS405へ進む。
【0071】
ステップS403において、演出データ合成部207は、ステップS401において受信された映像データを演出データと合成する。なお、演出データ合成部207は、映像データの再生映像のリサイズ、トリミングなどの加工を必要に応じて行ってから、演出データと合成してもよい。そして、映像配信部208は、ステップS403において生成された合成映像データを観客端末300へ配信する(ステップS404)。他方、ステップS405において、映像配信部208は、ステップS401において受信された映像データを観客端末300へ配信する。
【0072】
ステップS404またはステップS405の終了時に、時計部202の指示する日時が、生配信対象の映像データに割り当てられた時間枠の終わりに達していたならば
図8の動作は終了し、そうでなければ処理はステップS401に戻る(ステップS406)。
【0073】
以上説明したように、第1の実施形態に係る配信サーバは、生配信用の映像データに対して演出データを条件付きで自動合成する。これにより、配信者は、高度な動画編集スキルやリソースを必要とすることなく、例えばオープニング演出、エンディング演出、中間演出などが付加されテレビ番組風に体裁の整った動画を容易に生配信することができる。
【0074】
特に、オープニング演出を付加することにより、配信者および観客に生番組の始まりを意識させ、配信者がマイクテスト、休憩を取るなどして準備を整えたり、生番組の本編に入る前にコメントを介して観客とコミュニケーションを取ったり、観客に間延び感をあまり感じさせずることなく生番組の本編の開始を待ってもらったりすることができる。
【0075】
また、エンディング演出を付加することにより、配信者および観客に生番組の終わりを意識させ、配信者がまとめに入ったり、次回予告を行ったり、観客とコメントを介してコミュニケーションを取ったりするなどの時間を取りやすくなる。
【0076】
さらに、中間演出として、盛り上がった場面でファンファーレなどの配信者を鼓舞する映像効果を加えたり、決定的瞬間のリプレイ、スローモーション再生を可能としたりすることで、生配信において利用可能な表現の幅を広げることができる。
【0077】
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係る配信サーバは、生配信用の映像データおよび演出データをどのように合成するかを配信者および/または観客が指定することができる。具体的には、どのようなレイアウト(位置合わせ)で両者を合成するか、すなわち一方または両方をどれだけ平行移動させるかを指定したり、一方または両方に対する回転、反転、リサイズおよび/またはトリミングの設定を指定したりすることが可能である。
【0078】
図9に第2の実施形態に係る配信サーバ500が例示される。以降の説明では、配信サーバ500と配信サーバ200との相違点を中心に述べる。配信サーバ500は、映像データの生配信に割り当てられた時間枠に亘って、配信者端末100から逐次送信される、エンコード済みの映像データを受信する。配信サーバ500は、演出条件が満足されている時には、映像データに演出データを配信者および/または観客の指定に従って合成し、合成映像データを配信者端末100および観客端末300へ配信する。ここで、演出条件は、第1の実施形態において説明した演出条件と同一または類似であり得る。
【0079】
配信サーバ500がこのような演出データの自動合成を配信者および/または観客の指定に従って行うことで、第1の実施形態において説明した、オープニング演出、エンディング演出または中間演出の表現の幅をさらに広げることができる。例えば、映像データを演出データに対してはめ込み合成する場合に、より自然に見えるようにしたり、敢えて不自然に見えるようにしたりすることが可能となる。
【0080】
以下、配信サーバ500の機能的構成について
図9を用いて説明する。なお、配信サーバ500のハードウェア構成は、配信サーバ200と同一または類似であり得るのでこれに関する説明を省略する。
【0081】
配信サーバ500は、受信部501と、時計部502と、配信制御部503と、演出条件判定部504と、演出条件記憶部505と、演出データ作成部506と、演出データ合成部507と、映像配信部508とを含む。このうち、時計部502、配信制御部503、演出条件記憶部505、演出データ作成部506および映像配信部508は、それぞれ配信サーバ200における同名の要素と同一または類似であり得る。以下、その他の要素について、配信サーバ200における同名の要素との相違点を中心に説明する。
【0082】
受信部501は、受信部201によって受信されるデータに加えて、配信者端末100および/または観客端末300から指定データを受信し得る。この指定データは、生配信用の映像データおよび演出データをどのように合成するかを指定する。具体的には、指定データは、映像データおよび演出データの合成位置、映像データの拡大/縮小率、演出データの拡大/縮小率、映像データの回転量、演出データの回転量、映像データにおける特定の領域、ならびに演出データにおける特定の領域、などを指定し得る。受信部501は、この指定データを演出条件判定部504へ送る。
【0083】
演出条件判定部504は、演出条件が満足している場合に、映像データに加えて指定データを演出データ合成部507へ送る。なお、配信者および観客が生配信用の映像データおよび演出データをどのように合成するかを特に指定しなければ、指定データが存在しないこともあり得る。
【0084】
演出データ合成部507は、演出条件判定部504から映像データおよび指定データを受け取り、演出データ作成部506から演出データを受け取る。演出データ合成部507は、指定データに従って映像データおよび/または演出データに前処理を行ってから両者を合成し、合成映像データを生成する。
【0085】
具体的には、指定データが映像データおよび演出データの合成位置を指定する場合に、演出データ合成部507は、映像データおよび/または演出データを平行移動させて両者の合成位置を制御し得る。
【0086】
また、指定データが映像データの拡大/縮小率、および/または演出データの拡大/縮小率を指定する場合に、演出データ合成部507は、映像データおよび/または演出データをリサイズし得る。さらに、指定データが映像データの回転量、および/または演出データの回転量を指定する場合に、演出データ合成部507は映像データおよび/または演出データを回転し得る。ここで、回転は、画像平面上での2次元的な回転に限らず、上下反転および左右反転、ならびにこれら組み合わせを含む3次元的な回転を意味し得る。
【0087】
さらに、指定データが映像データにおける特定の領域、および/または演出データにおける特定の領域を指定する場合に、演出データ合成部507は、映像データおよび/または演出データにおいて指定された領域をトリミングし得る。
【0088】
演出データ合成部507が、以上のような前処理を行うことで、配信者および/観客の好みに合わせて、映像データおよび演出データを合成することが可能となる。一例として演出データが顔抜きフレームなどである場合に映像データの顔と顔抜きフレームのはめ込み部分とを自然に見えるように、または敢えて不自然に見えるように合成することが可能となる。
【0089】
以上説明したように、第2の実施形態に係る配信サーバは、映像データおよび演出データをどのように合成するかを指定する指定データを配信者端末および/または観客端末から受信し、これに従って映像データおよび/または演出データに前処理を行ってから両者を合成する。故に、この配信サーバによれば、第1の実施形態において説明した、オープニング演出、エンディング演出または中間演出の表現の幅をさらに広げることが可能となる。
【0090】
(変形例)
ところで、前述の第1の実施形態および本実施形態では配信サーバが映像データおよび演出データを合成する。これにより、配信者および観客の視聴する合成映像データを同期させやすい、端末の処理負荷を減らすことができる、といったメリットがある。配信サーバから端末への通信量の削減というメリットもある。しかしながら、端末が映像データおよび演出データを合成することも可能である。以下、簡単に説明する。
【0091】
この変形例に係る端末600を
図10に例示する。なお、端末600は、配信者端末および観客端末のどちらであってもよいので、配信者端末および観客端末それぞれに固有の部分については説明を省略する。
【0092】
端末600は、配信者端末100に関して説明した種々の電子デバイスであり得る。端末600は、例えば、入出力制御、通信制御、演出条件の判定、演出データの作成、映像データおよび演出データの合成、などを行うプロセッサを含む。ここで、プロセッサは、典型的にはCPU(Central Processing Unit)および/またはGPU(Graphics Processing Unit)であるが、マイコン、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはDSP(Digital Signal Processor)、などであってもよい。また、端末600は、かかる処理を実現するためにプロセッサによって実行されるプログラムおよび当該プロセッサによって使用されるデータなどを一時的に格納するメモリを含んでいる。
【0093】
なお、端末600は、全てのデータをオンメモリの状態で扱ってもよいし、一部のデータが補助記憶装置に退避されていてもよい。補助記憶装置は、例えば、端末600に内蔵または外付けされたHDD、SSD、フラッシュメモリなどであってもよいし、端末600からアクセス可能なデータベースサーバであってもよい。
【0094】
また、端末600は、複数の電子デバイスの組み合わせであってよい。例えば、端末600における異なる機能部が別個の電子デバイスに分散して実装されてもよい。
【0095】
端末600は、さらに、ネットワークに接続するための通信I/F(インターフェース)、コンテンツを出力するための出力装置、などを利用可能である。通信I/Fおよび/または表示装置は、端末600に内蔵されてもよいし、端末600に外付けされてもよい。
【0096】
通信I/Fは、ネットワーク経由で、配信サーバ500(もしくは配信サーバ200)または図示されない他のサーバと通信をするためのモジュールであり得る。出力装置は、動画像、静止画像、テキストなどを表示するための表示装置および/または音声、楽曲などを出力するためのスピーカを含み得る。表示装置は、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(electroluminescence)ディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイなどである。なお、表示装置は、タッチスクリーンのように入力装置の機能を備えていてもよい。
【0097】
端末600は、受信部601と、演出条件判定部604と、演出条件記憶部605と、演出データ作成部606と、演出データ合成部607と、表示制御部608とを含む。
【0098】
受信部601は、ネットワーク経由で例えば配信サーバ500から種々のデータを受信し、受信したデータを例えば演出条件判定部604へ送る。受信部601は、前述の通信I/Fであってもよい。
【0099】
具体的には、受信部601は、生配信用の映像データを受信する。この映像データは、配信者端末100から配信サーバ500へ送信(アップロード)された映像データそのものであってもよいし、これに何らかの加工、例えば再エンコード、を施したものであってもよい。また、受信部601は、前述の指定データを受信することもあり得る。この指定データは、例えば配信サーバ500により配信者端末100および/または観客端末300から収集され、各端末600へ配信されたものであり得る。さらに、受信部601は、例えば第1の実施形態において説明した、演出条件の判定に必要なデータを受信し得る。
【0100】
演出条件判定部604は、演出条件判定部504(または演出条件判定部204)と同一または類似であり得る。すなわち、演出条件判定部604は、受信部601から映像データ(および指定データ)を受け取り、演出条件記憶部605から演出条件を読み出し、演出条件が満足しているか否かを判定する。演出条件判定部604は、演出条件が満足していると判定した場合には映像データおよび指定データを演出データ合成部607へ送り、そうでなければ映像データを表示制御部608へ送る。演出条件判定部604は、前述のプロセッサおよびメモリであってよい。
【0101】
演出データ作成部606は、演出データ作成部206と同一または類似であり得る。すなわち、演出データ作成部606は、演出データを作成し、演出データ合成部607へ送る。演出データ作成部206は、前述のプロセッサおよびメモリであってよい。
【0102】
演出データ合成部607は、演出データ合成部507(または演出データ合成部207)と同一または類似であり得る。すなわち、演出データ合成部607は、演出条件判定部604から映像データおよび指定データを受け取り、演出データ作成部606から演出データを受け取る。演出データ合成部607は、指定データに従って映像データおよび/または演出データに前処理を行ってから両者を合成し、合成映像データを生成する。演出データ合成部607は、合成映像データを表示制御部608へ送る。演出データ合成部607は、前述のプロセッサおよびメモリであってよい。
【0103】
表示制御部608は、前述の表示装置を制御し、映像データまたは合成映像データを当該表示装置の画面に表示する。表示制御部608は、例えば前述のプロセッサおよびメモリであってよい。
【0104】
以上説明したように、この変形例に係る端末は、第1の実施形態および第2の実施形態において説明した、映像データおよび演出データの合成を行う。故に、この端末によれば、配信サーバがかかる機能を利用可能でない場合にも、第1の実施形態および第2の実施形態において説明した演出を生配信用の映像データに付加することが可能となる。なお、
図10の例では、端末が演出条件の判定を行っているが、配信サーバが演出条件の判定を行うようにさらに変形することも可能である。
【0105】
(第3の実施形態)
前述の第1の実施形態および第2の実施形態では、映像データに演出データを合成することにより演出が実現される。第3の実施形態に係る配信サーバは、生配信用の映像データそのものを加工することで演出を実現する。
【0106】
図11に第3の実施形態に係る配信サーバ700が例示される。以降の説明では、配信サーバ700と配信サーバ200または配信サーバ500との相違点を中心に述べる。配信サーバ700は、映像データの生配信に割り当てられた時間枠に亘って、配信者端末100から逐次送信される、エンコード済みの映像データを受信する。配信サーバ700は、演出条件が満足されている時には、映像データを加工し、加工済み映像データを配信者端末100および観客端末300へ配信する。ここで、演出条件は、第1の実施形態において説明した演出条件と同一または類似であり得る。
【0107】
配信サーバ700がこのような映像データの加工を行うことで、第1の実施形態および第2の実施形態において説明した演出とは異なる表現の演出を利用することができる。例えば、映像データの特定の領域(例えば、顔領域)または全領域にフィルターをかける加工があり得る。フィルターは、例えば、モザイク、セピア、モノクロ、レトロ、ぼかし、暗視スコープ風エフェクト、歪み、漫画風エフェクト、などの様々な各種エフェクトを付加することで、映像データの視覚的な印象を変えることができる。さらに、映像データの特定の領域の複製を当該映像データに貼り付ける、という加工もあり得る。
【0108】
以下、配信サーバ700の機能的構成について
図11を用いて説明する。なお、配信サーバ700のハードウェア構成は、配信サーバ200または配信サーバ500と同一または類似であり得るのでこれに関する説明を省略する。
【0109】
配信サーバ700は、受信部701と、時計部702と、配信制御部703と、演出条件判定部704と、演出条件記憶部705と、映像加工部707と、映像配信部708とを含む。このうち、映像加工部707以外の要素は、それぞれ配信サーバ200または配信サーバ500における同名の要素と同一または類似であり得る。故に、以下、映像加工部707を説明する。
【0110】
映像加工部707は、演出条件判定部704から映像データ(および指定データ)を受け取る。まず、映像加工部707は、指定データを受け取った場合には映像データに第2の実施形態において説明した前処理を行う。それから、映像加工部707は、演出条件判定部704からの映像データ、またはこれに前処理を行った映像データに対して、既定の加工を行って加工済み映像データを生成する。映像加工部707は、加工済み映像データを映像配信部708へ送る。映像加工部707は、前述のプロセッサおよびメモリであってよい。
【0111】
具体的には、映像加工部707は、前述のフィルターのいずれかを映像データに対して適用してもよい。或いは、映像加工部707は、映像データの特定の領域の複製を当該映像データに貼り付けてもよい。例えば、
図12のような映像データに対して、映像加工部707は
図13または
図14に例示される加工を行ってもよい。
【0112】
図13の例では、破線で示す中心軸よりも左側の領域の複製を左右反転した映像が当該中心軸よりも右側に貼り付けられている。なお、反転の基準となる対象軸の数、それぞれの位置および角度は、自動的に決定されてもよいし、配信者および/または観客が例えば指定データを通じて指定可能としてもよい。
【0113】
図14の例では、映像データ中の人物周辺の領域の複製そのもの、または当該複製に前処理を施した映像が、破線で示す領域に貼り付けられている。なお、映像データ中のいずれの領域を複製するか、複製に前処理を行うか否か、複製にどのような前処理を行うか、および貼り付けの位置および数、などは、自動的に決定されてもよいし、配信者および/または観客が例えば指定データを通じて指定可能としてもよい。
【0114】
以上説明したように、第3の実施形態に係る配信サーバは、映像データを加工することで演出を実現する。故に、この配信サーバによれば、第1の実施形態および第2の実施形態において説明した演出とは異なる表現の演出を利用することができる。
【0115】
(変形例)
ところで、本実施形態では配信サーバが映像データを加工する。これにより、配信者および観客の視聴する合成映像データを同期させやすい、端末の処理負荷を減らすことができる、といったメリットがある。配信サーバから端末への通信量の削減というメリットもある。しかしながら、端末が映像データを加工することも可能である。以下、簡単に説明する。
【0116】
この変形例に係る端末800を
図15に例示する。なお、端末800のハードウェア構成は、端末600と同一または類似であり得るのでこれに関する説明を省略する。また、端末800は、配信者端末および観客端末のどちらであってもよいので、配信者端末および観客端末それぞれに固有の部分については説明を省略する。
【0117】
端末800は、受信部801と、演出条件判定部804と、演出条件記憶部805と、映像加工部807と、表示制御部808とを含む。このうち、映像加工部807以外の要素は、端末600における同名の要素と同一または類似であり得る。故に、以下、映像加工部807を説明する。
【0118】
映像加工部807は、映像加工部707と同一または類似であり得る。すなわち、映像加工部807は、演出条件判定部804から映像データ(および指定データ)を受け取る。まず、映像加工部807は、指定データを受け取った場合には映像データに第2の実施形態において説明した前処理を行う。それから、映像加工部807は、演出条件判定部804からの映像データ、またはこれに前処理を行った映像データに対して、第3の実施形態において説明した既定の加工を行って加工済み映像データを生成する。映像加工部807は、加工済み映像データを映像配信部708へ送る。映像加工部807は、前述のプロセッサおよびメモリであってよい。
【0119】
以上説明したように、この変形例に係る端末は、第3の実施形態において説明した、映像データの加工を行う。故に、この端末によれば、配信サーバがかかる機能を利用可能でない場合にも、第3の実施形態において説明した演出を生配信用の映像データに付加することが可能となる。なお、
図15の例では、端末が演出条件の判定を行っているが、配信サーバが演出条件の判定を行うようにさらに変形することも可能である。
【0120】
(第4の実施形態)
前述の第1の実施形態では、映像データに対して動的な演出データを合成して演出することが可能である。第4の実施形態では、この動的な演出データを配信者および/または観客からの操作要求に応じて制御することでインタラクティブ性の高い演出を実現する。
【0121】
図16に第4の実施形態に係る配信サーバ900が例示される。以降の説明では、配信サーバ900と配信サーバ200、配信サーバ500または配信サーバ700との相違点を中心に述べる。
【0122】
配信サーバ900は、映像データの生配信に割り当てられた時間枠に亘って、配信者端末100から逐次送信される、エンコード済みの映像データを受信する。配信サーバ900は、演出条件が満足されている時には、配信者端末100および/または観客端末300から映像データに合成される動的な演出データに対する操作要求を受信し、これに基づいて当該動的な演出データの操作データを生成する。そして、配信サーバ900は、映像データに加えてこの操作データを配信者端末100および観客端末300へ送信する。配信者端末100および観客端末300は、それぞれ受信した操作データに基づいて動的な演出データを制御し、受信した映像データに合成して表示装置の画面に表示する。ここで、演出条件は、第1の実施形態において説明した演出条件と同一または類似であり得る。
【0123】
配信サーバ900が操作要求に基づいてこのような動的な演出データの操作データを生成、配信し、配信者端末100および観客端末300が当該操作データに基づいて動的な演出データを制御して映像データに合成することで、インタラクティブ性の高い演出が可能となる。
【0124】
以下、配信サーバ900の機能的構成について
図16を用いて説明する。なお、配信サーバ900のハードウェア構成は、配信サーバ200、配信サーバ500または配信サーバ700と同一または類似であり得るのでこれに関する説明を省略する。
【0125】
配信サーバ900は、受信部901と、時計部902と、配信制御部903と、演出条件判定部904と、演出条件記憶部905と、映像配信部908と、操作データ生成部909とを含む。このうち、時計部902、配信制御部903、および演出条件記憶部905は、それぞれ配信サーバ200、配信サーバ500または配信サーバ700における同名の要素と同一または類似であり得る。以下、その他の要素について、配信サーバ200、配信サーバ500または配信サーバ700における同名の要素との相違点を中心に説明する。
【0126】
受信部901は、受信部201によって受信されるデータに加えて、配信者端末100および/または観客端末300から、動的な演出データに対する操作要求を受信し得る。この操作要求は、例えば動的な演出データを生成する種々のツール、例えば、お絵かきアプリ、手書き入力アプリ、ストップウォッチ、タイマー、カウンタ、サイコロ、トランプ、おみくじ、ビンゴゲーム、じゃんけんゲーム、静止画ビューワを含む生配信中に引用するコンテンツのプレイヤー、などを操作するために対応するプログラムに与えられる入力データ、例えばオブジェクトの選択など、に相当し得る。受信部901は、この操作要求を演出条件判定部904へ送る。
【0127】
演出条件判定部904は、演出条件の判定結果に関わらず、映像データを映像配信部908へ送る。さらに、演出条件判定部904は、演出条件が満足している場合に、操作要求を操作データ生成部909へ送る。なお、配信者および観客が操作要求を発行するための入力を行っていなければ、操作要求が存在しないこともあり得る。
【0128】
操作データ生成部909は、演出条件判定部904から操作要求を受け取り、これに基づいて動的な演出データの操作データを生成する。操作データ生成部909は、操作データを映像配信部908へ送る。操作データ生成部909は、前述のプロセッサおよびメモリであってよい。なお、複数の端末が操作要求を略同時に送信すると、操作要求の衝突が生じ得る。すなわち、ある端末からの操作要求が、他の端末からの操作要求と矛盾することがあるが、操作データ生成部909はかかる衝突の調停を行ってから操作データを生成してもよい。
【0129】
また、多数の端末から操作要求を略同時に送信し、操作データ生成部909が当該操作要求を全て考慮して操作データを生成することは負荷が大きい。そこで、上記衝突の調停とも関連するが、操作データ生成部909は、操作要求の一部を破棄するフィルタリングを行い、残余の操作要求に基づいて操作データを生成してもよい。一例として、操作データ生成部909は、観客のうち課金をした者、配信者のチャンネル会員である者、特定の地域に居る者、抽選に当選した者、などからの操作要求を維持し、他の操作要求を破棄してもよい。
【0130】
本実施形態において動的な演出データは、少なくとも操作データに応じて画面遷移、すなわち外観的な変化を生じる映像データであり得る。具体的には、操作データに応じた画面遷移の例として、トランプの山札を選択する操作データに応じた手札の画像の更新、サイコロを選択する操作データに応じたサイコロの出目の更新、手書き入力に基づく操作データに応じたお絵かき画像の更新、などが挙げられる。また、操作データに加えて時間の経過に応じた画面遷移もあり得る。例えば、スタートのボタンを選択する操作データに応じて、ストップウォッチまたはタイマーの表示部の画像がカウントダウンまたはカウントアップするように変化し始める。以後の表示部の画像は、時間の経過に応じて更新されることになる。
【0131】
画面遷移は、全端末共通であってもよいし、そうでなくてもよい。後者の例として、動的な演出データは、
図17および
図18に例示されるじゃんけんゲームの実行画面データであってもよい。この例では、当初、
図17に示されるように選択可能な手を表す画像が映像データに合成され、操作データ生成部909は、既定の締め切り時間まで配信者および/または観客からの操作要求を待ち受け、当該締め切り時間の終了後に操作データを生成する。締め切り時間の終了後、じゃんけんの結果を表す画像への画面遷移が生じる。この結果、配信者端末100は、
図18に例示されるように、観客との勝負の結果、例えば配信者が選んだ手と、3つの手毎にその手を選んだ人数とを表す演出データを生成し、映像データに合成することができる。また、観客端末300は、配信者との勝負の結果、例えば配信者が選んだ手と、当該観客端末300を操作した観客が選んだ手とを表す演出データを生成し、映像データに合成することができる。或いは、配信者端末100および/または観客端末300は、勝者~名、敗者~名、あいこ~名のように勝敗結果の集計を表す演出データを生成し、映像データに合成してもよい。
【0132】
映像配信部908は、演出条件判定部904から映像データを受け取り、さらに操作データ生成部909から操作データを受け取ることもある。映像配信部908は、映像データ(および操作データ)を配信者端末100および観客端末300へ配信する。
【0133】
図19に第4の実施形態に係る端末1000が例示される。以降の説明では、端末600または端末800との相違点を中心に述べる。なお、端末1000のハードウェア構成は、端末600または端末800と同一または類似であり得るのでこれに関する説明を省略する。また、端末1000は、配信者端末および観客端末のどちらであってもよいので、配信者端末および観客端末それぞれに固有の部分については説明を省略する。
【0134】
端末1000は、受信部1001と、演出条件判定部1004と、演出条件記憶部1005と、演出データ制御部1006と、演出データ合成部1007と、表示制御部1008と、入力部1010と、操作要求生成部1011と、送信部1012とを含む。このうち、演出条件記憶部1005、演出データ合成部1007および表示制御部1008は、それぞれ端末600または端末800における同名の要素と同一または類似であり得る。以下、その他の要素について、端末600または端末800における同名の要素との相違点を中心に説明する。
【0135】
入力部1010は、ユーザ入力を受け取り、ユーザ入力データを生成する。入力部1010は、ユーザ入力データを演出条件判定部1004へ送る。入力部1010は、端末1000に内蔵され、または外付けされた入力装置であり得る。入力装置は、例えば、キーボード、マウス、テンキーなどであってもよいし、タッチスクリーンのように表示装置の機能を備えていてもよい。ユーザ入力は、典型的には、タップ、クリック、特定のキーの押下などであり、ユーザ入力データはこれらイベントの発生を表すデータであり得る。このほか、ユーザ入力データは、例えば、マイクロフォンによって捉えられる音声、生体センサによって検出される生体データ(例えば体温、表情など)、GPS(Global Positioning System)または基地局情報によって識別される位置データ、加速度センサによって検出される加速度データに基づいて推定されるユーザのアクション(例えば、端末1000を振り回した)などを含むこともできる。
【0136】
演出条件判定部1004は、演出条件が満足している場合に、ユーザ入力データを操作要求生成部1011へ送る。
【0137】
操作要求生成部1011は、演出条件判定部1004からユーザ入力データを受け取り、これに応じて操作要求を生成する。操作要求生成部1011は、この操作要求を送信部1012へ送る。操作要求生成部1011は、前述のプロセッサおよびメモリであってよい。
【0138】
送信部1012は、操作要求生成部1011から操作要求を受け取り、これを配信サーバ900へ送信する。送信部1012は、前述の通信I/Fであってもよい。
【0139】
受信部1001は、生配信用の映像データを受信する。この映像データは、配信者端末100から配信サーバ900へ送信(アップロード)された映像データそのものであってもよいし、これに何らかの加工を施したものであってもよい。また、受信部1001は、演出条件が満足している時には、操作データを受信し得る。さらに、受信部1001は、前述の指定データ、演出条件の判定に必要なデータ、などを受信することもあり得る。受信部1001は、操作データを演出データ制御部1006へ送り、映像データおよび指定データを演出データ合成部1007へ送り、演出条件の判定に必要なデータを演出条件判定部1004へ送る。
【0140】
演出データ制御部1006は、受信部1001から操作データを受け取り、当該操作データに基づいて動的な演出データを制御する。具体的には、演出データ制御部1006は、前述の種々のツールに対応するプログラム(アプリケーション)を実行しており、当該プログラムに操作データを与える。なお、操作データは、時間データと当該時間データに対応する操作入力データとを含み得る。この場合に、演出データ制御部1006は、時間データの示す時間に、当該時間データに対応する操作入力データをプログラムに与え得る。プログラムは、与えられた操作入力データに応じて画面遷移する映像を実行結果、すなわち動的な演出データとして生成し得る。演出データ制御部1006は、動的な演出データを演出データ合成部1007へ送る。演出データ制御部1006は、前述のプロセッサおよびメモリであってよい。ここで、プログラムは、生配信用の映像データを再生するためのプレイヤーに組み込まれていてもよいし、当該プレイヤーから見て外部プログラムであってもよい。
【0141】
以上説明したように、第4の実施形態に係る配信サーバは、動的な演出データに対する操作要求を配信者端末および/または観客端末から収集し、当該動的な演出データの操作データを生成、配信する。そして、本実施形態に係る端末は、この操作データに基づいて動的な演出データを制御し、生配信用の映像データに合成する。故に、この配信サーバおよび端末によれば、例えば配信者および観客がリアルタイムに一緒に遊ぶなどのインタラクティブ性の高い演出が可能となる。
【0142】
(変形例)
ところで、本実施形態では端末が動的な演出データの制御と、映像データおよび動的な演出データの合成とを行っている。しかしながら、配信サーバが、動的な演出データの制御を行い、映像データに合成されるべき演出データを端末に逐次送信することも可能であるし、第1の実施形態と同様に映像データと動的な演出データとの合成までも行ってもよい。これにより、配信者および観客の視聴する合成映像データを同期させやすい、端末の処理負荷を減らすことができる、といったメリットがある。配信サーバが、動的な演出データの制御と映像データおよび動的な演出データの合成とを行う例について簡単に説明する。
【0143】
この変形例に係る配信サーバ1100を
図20に例示する。なお、配信サーバ1100のハードウェア構成は、配信サーバ200、配信サーバ500、配信サーバ700または配信サーバ900と同一または類似であり得るのでこれに関する説明を省略する。
【0144】
配信サーバ1100は、受信部1101と、時計部1102と、配信制御部1103と、演出条件判定部1104と、演出条件記憶部1105と、演出データ制御部1106と、演出データ合成部1107と、映像配信部1108と、操作データ生成部1109とを含む。このうち、受信部1101、時計部1102、配信制御部1103、演出条件判定部1104、演出条件記憶部1105、演出データ合成部1107、映像配信部1108、および操作データ生成部1109は、配信サーバ200、配信サーバ500、配信サーバ700または配信サーバ900における同名の要素と同一または類似であり得る。故に、以下、演出データ制御部1106を説明する。
【0145】
演出データ制御部1106は、演出データ制御部1006と同一または類似であり得る。すなわち、演出データ制御部1106は、操作データ生成部1109から操作データを受け取り、当該操作データに基づいて動的な演出データを制御する。演出データ制御部1106は、動的な演出データを演出データ合成部1107へ送る。演出データ制御部1106は、前述のプロセッサおよびメモリであってよい。
【0146】
以上説明したように、この変形例に係る配信サーバは、第4の実施形態において説明した演出を行い、合成映像データを配信者端末および観客端末へ配信する。故に、この配信サーバによれば、配信者および観客の視聴する合成映像データを同期させやすい、端末の処理負荷を減らすことができる、といったメリットがある。配信サーバから端末への通信量の削減というメリットもある。
【0147】
なお、本実施形態では、端末および配信サーバの両方が演出条件の判定を行っているが、一方のみが行うようにしてもよい。例えば、端末のみが演出条件の判定を行い、演出条件が満足したことを配信サーバに通知してもよい。逆に、配信サーバのみが演出条件の判定を行い、演出条件が満足したことを端末に通知してもよい。
【0148】
上述の実施形態は、本発明の概念の理解を助けるための具体例を示しているに過ぎず、本発明の範囲を限定することを意図されていない。実施形態は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、様々な構成要素の付加、削除または転換をすることができる。
【0149】
上記各実施形態において説明された種々の機能部は、回路を用いることで実現されてもよい。回路は、特定の機能を実現する専用回路であってもよいし、プロセッサのような汎用回路であってもよい。
【0150】
上記各実施形態の処理の少なくとも一部は、汎用のコンピュータを基本ハードウェアとして用いることでも実現可能である。上記処理を実現するプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に格納して提供されてもよい。プログラムは、インストール可能な形式のファイルまたは実行可能な形式のファイルとして記録媒体に記憶される。記録媒体としては、磁気ディスク、光ディスク(CD-ROM、CD-R、DVD等)、光磁気ディスク(MO等)、半導体メモリなどである。記録媒体は、プログラムを記憶でき、かつ、コンピュータが読み取り可能であれば、何れであってもよい。また、上記処理を実現するプログラムを、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ(サーバ)上に格納し、ネットワーク経由でコンピュータ(クライアント)にダウンロードさせてもよい。
以下に本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1] 配信者端末から生配信用の映像データを受信する受信部と、
演出条件が満足しているか否かを判定する判定部と、
前記演出条件が満足している時に、前記映像データに対して演出データを合成し合成映像データを生成する合成部と、
前記合成映像データを前記配信者端末および観客端末へ配信する配信部と
を具備する、配信サーバ。
[C2] 前記演出条件は、(1)前記映像データの生配信のために割り当てられた時間枠内に設定された演出開始地点に前記配信サーバの参照する日時が達してから第1の演出終了条件が満足するまで、(2)前記映像データの観客数が所定の条件を満足してから第2の演出終了条件が満足するまで、(3)前記配信者端末または前記観客端末へ所定のユーザ入力があってから第3の演出終了条件が満足するまで、(4)前記映像データに対して投稿されたコメントが所定の条件を満足してから第4の演出終了条件が満足するまで、および(5)前記映像データの再生映像または再生音声が所定の条件を満足してから第5の演出終了条件が満足するまで、のうち少なくとも1つの間に満足する、C1に記載の配信サーバ。
[C3] 前記第1の演出終了条件、前記第2の演出終了条件、前記第3の演出終了条件、前記第4の演出終了条件および前記第5の演出終了条件のいずれかが満足するための必要条件を動的に示す情報を含む前記演出データを作成する作成部をさらに具備する、C2に記載の配信サーバ。
[C4] 前記作成部は、前記映像データの観客数またはコメント数と必要数とのギャップを示す情報を含む前記演出データを作成する、C3に記載の配信サーバ。
[C5] 前記映像データの生配信が開始された後に生じた事象に関する情報を含む前記演出データを作成する作成部をさらに具備する、C1またはC2に記載の配信サーバ。
[C6] 前記作成部は、前記映像データの観客数、前記映像データに対して投稿されたコメントの一部、前記映像データに対して投稿されたコメント数、および前記映像データに対してコメントを投稿した観客名のうち少なくとも1つを示す情報を含む前記演出データを作成する、C5に記載の配信サーバ。
[C7] (1)前記配信者端末および前記観客端末の少なくとも一方になされたユーザ入力、ならびに(2)前記配信者端末および前記観客端末の少なくとも一方によって投稿されたコメント、のうち少なくとも一方に反応して変化する演出データを作成する作成部をさらに具備する、C1またはC2に記載の配信サーバ。
[C8] 前記映像データに付与されたメタデータおよび前記映像データに関連するウェブページに表示される情報の少なくとも一方に基づいて生成された情報を含む前記演出データを作成する作成部をさらに具備する、C1またはC2に記載の配信サーバ。
[C9] 前記合成部は、前記映像データの再生映像の画面の一部または全部をリサイズして前記演出データと合成し、前記合成映像データを生成する、C1乃至C7のいずれか1項に記載の配信サーバ。
[C10] 前記合成部は、前記映像データの再生映像の画面の一部が露出し、残部が隠れるように前記映像データを前記演出データと合成し、前記合成映像データを生成する、C1乃至C7のいずれか1項に記載の配信サーバ。
[C11] コンピュータを、
配信者端末から生配信用の映像データを受信する手段、
演出条件が満足しているか否かを判定する手段、
前記演出条件が満足している時に、前記映像データに対して演出データを合成し合成映像データを生成する手段、
前記合成映像データを前記配信者端末および観客端末へ配信する手段
として機能させるための配信プログラム。
[C12] 前記受信部は、前記配信者端末および前記観客端末の少なくとも1つから前記映像データおよび前記演出データの合成位置、前記映像データの拡大/縮小率、前記演出データの拡大/縮小率、前記映像データの回転量、前記演出データの回転量、前記映像データにおける特定の領域、ならびに前記演出データにおける特定の領域の少なくとも1つを指定する指定データをさらに受信し、
前記合成部は、前記指定データに従って前記映像データおよび前記演出データの少なくとも一方に対して平行移動、リサイズ、回転、反転およびトリミングの少なくとも1つを行ってから前記映像データおよび前記演出データを合成し、前記合成映像データを生成する、
C1乃至C10のいずれか1項に記載の配信サーバ。
[C13] 配信者端末から生配信用の映像データを受信する受信部と、
演出条件が満足しているか否かを判定する判定部と、
前記演出条件が満足している時に、前記映像データに対して既定の加工を行って加工済み映像データを生成する加工部と、
前記加工済み映像データを前記配信者端末および観客端末へ配信する配信部と
を具備する、配信サーバ。
[C14] 前記加工部は、前記演出条件が満足している時に、前記映像データにおける特定の領域の複製をそのまま、または回転、反転およびリサイズの少なくとも1つを行ってから、前記映像データに貼り付け、前記加工済み映像データを生成する、C13に記載の配信サーバ。
[C15] 演出条件が満足しているか否かを判定する判定部と、
配信者端末から生配信用の映像データを受信し、前記演出条件が満足している場合にはさらに前記配信者端末および観客端末の少なくとも1つから前記配信者端末および前記観客端末の少なくとも1つにおいて前記映像データに合成される動的な演出データに対する操作要求を受信する受信部と、
前記操作要求に基づいて前記動的な演出データの操作データを生成する生成部と、
前記映像データおよび前記操作データを前記配信者端末および観客端末の少なくとも1つへ配信する配信部と
を具備する、配信サーバ。
[C16] 前記動的な演出データは、前記操作データに応じて画面遷移する映像データである、C15に記載の配信サーバ。
[C17] 演出条件が満足しているか否かを判定する判定部と、
前記演出条件が満足している時に、ユーザ入力に応じて動的な演出データに対する操作要求を生成する生成部と、
前記操作要求を配信サーバへ送信する送信部と、
前記演出条件が満足している時に、前記配信サーバから生配信用の映像データおよび前記操作要求に基づいて生成された前記動的な演出データの操作データを受信する受信部と、
前記操作要求に基づいて前記動的な演出データを制御する制御部と、
前記映像データに前記動的な演出データを合成する合成部と、
を具備する、端末。
【符号の説明】
【0151】
100・・・配信者端末
200,500,700,900,1100・・・配信サーバ
201,501,601,701,801,901,1001,1101・・・受信部 202,502,702,902,1102・・・時計部
203,503,703,903,1103・・・配信制御部
204,504,604,704,804,904,1004,1104・・・演出条件判定部
205,505,605,705,805,905,1005,1105・・・演出条件記憶部
206,506,606・・・演出データ作成部
207,507,607,1007,1107・・・演出データ合成部
208,508,708,908,1108・・・映像配信部
300・・・観客端末
600,800,1000・・・端末
608,808,1008・・・表示制御部
707,807・・・映像加工部
909,1109・・・操作データ生成部
1006,1106・・・演出データ制御部
1010・・・入力部
1011・・・操作要求生成部
1012・・・送信部