(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-14
(45)【発行日】2022-10-24
(54)【発明の名称】ディスク装置のカバー構造
(51)【国際特許分類】
G11B 33/08 20060101AFI20221017BHJP
G11B 25/04 20060101ALI20221017BHJP
【FI】
G11B33/08 E
G11B25/04 101L
(21)【出願番号】P 2019061401
(22)【出願日】2019-03-27
【審査請求日】2021-08-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110629
【氏名又は名称】須藤 雄一
(74)【代理人】
【識別番号】100166615
【氏名又は名称】須藤 大輔
(72)【発明者】
【氏名】荒木 俊充
(72)【発明者】
【氏名】柏木 隆
【審査官】松元 伸次
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-185804(JP,A)
【文献】特開2018-160299(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0317310(US,A1)
【文献】特開2002-343071(JP,A)
【文献】特開平10-320964(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11B25/00-25/10
33/00-33/08
33/12-33/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスク装置の
機構部を収容するハウジングの
ベースの開口に取り付けられるカバーと、
前記カバーに形成され前記カバーの厚み方向において
前記機構部の構成に応じて最も外側に突出した位置の最外部に対し
前記カバーの板厚を超える深さで前記機構部寄りの内側に位置する底面を有した段差部と、
前記段差部内に位置し前記段差部の底面に対し接触した状態で溶接により取り付けられ
前記段差部外へ突出しない補強部材と、
を備えたディスク装置のカバー構造。
【請求項2】
請求項1のディスク装置のカバー構造であって、
前記段差部は、前記底面の縁部から前記厚み方向に立ち上がった側面を有する、
ディスク装置のカバー構造。
【請求項3】
請求項2のディスク装置のカバー構造であって、
前記段差部は、前記側面が前記底面を囲む凹部である、
ディスク装置のカバー構造。
【請求項4】
請求項2又は3のディスク装置のカバー構造であって、
前記段差部の側面は、前記厚み方向の外側に向けて前記底面の縁部から前記底面に沿った方向で離反するテーパ状である、
ディスク装置のカバー構造。
【請求項5】
請求項1~4の何れか一項のディスク装置のカバー構造であって、
前記補強部材及び前記段差部の底面の一方に設けられた位置決め突起と、
前記補強部材及び前記段差部の底面の他方に設けられ前記位置決め突起を係合させる位置決め穴と、
を備えたディスク装置のカバー構造。
【請求項6】
請求項1~5の何れか一項のディスク装置のカバー構造であって、
前記補強部材は、前記カバーよりも高弾性係数の材料からなる、
ディスク装置のカバー構造。
【請求項7】
請求項1~6の何れか一項のディスク装置のカバー構造であって、
前記補強部材は、前記カバーよりも高比重の材料からなる、
ディスク装置のカバー構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気ディスク装置等のディスク装置のカバー構造に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気ディスク装置等のディスク装置では、回転する記録媒体であるディスクに対して情報の読み書きが行われるが、ディスクの回転によって振動や騒音が発生することが知られている。
【0003】
この振動や騒音は、ディスクの回転振動がハウジングに伝達されることにより発生する。従って、ハウジングを高剛性化すれば、このような振動や騒音の抑制が可能である。
【0004】
近年のディスク装置では、記憶容量の増加のためにディスクの枚数を増加させることが要求されることがある一方で、全体の厚みの増加を抑制することが要求される。
【0005】
これに対応するためには、ハウジングのカバーを薄肉化して内部のスペースを大きくすることが考えられる。しかし、カバーを薄肉化すると、振動や騒音を抑制するための十分な剛性の確保ができなくなる問題がある。
【0006】
ディスク装置の振動や騒音を抑制する技術としては、特許文献1にカバー外面に形成された凹部に制振板を貼り付けるカバー構造が開示されている。
【0007】
しかし、カバーを薄肉化した場合は、かかるカバー構造を採用しても振動や騒音の抑制を十分に行うことはできなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
解決しようとする問題点は、カバーを薄肉化する場合に振動や騒音の抑制を十分に行うことができなかった点である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、ディスク装置の機構部を収容するハウジングのベースの開口に取り付けられるカバーと、前記カバーに形成され前記カバーの厚み方向において前記機構部の構成に応じて最も外側に突出した位置の最外部に対し前記カバーの板厚を超える深さで前記機構部寄りの内側に位置する底面を有した段差部と、前記段差部内に位置し前記段差部の底面に対し接触した状態で溶接により取り付けられ前記段差部外へ突出しない補強部材と、を備えたディスク装置のカバー構造を最も主な特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、カバーを薄肉化しても溶接された補強部材によって剛性を向上させることができるため、振動や騒音の抑制を十分に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】
図1のディスク装置のII-II線に係る断面図である(実施例1)。
【
図3】
図2の要部を拡大した断面図である(実施例1)。
【
図4】(A)~(C)はカバーの製造時の要部を拡大した断面図である(実施例1)。
【
図5】比較例の要部を拡大した断面図である(実施例1)。
【
図6】変形例に係るディスク装置の要部を拡大した断面図である(実施例1)。
【
図7】他の変形例に係るディスク装置の要部を拡大した断面図である(実施例1)。
【
図9】
図8の要部を拡大した断面図である(実施例2)。
【
図10】ディスク装置の要部を拡大した断面図である(実施例3)。
【発明を実施するための形態】
【0013】
カバーを薄肉化した場合でも振動や騒音の抑制を十分に行うという目的を、カバーの段差部の底面に補強部材を接触状態で溶接したディスク装置のカバー構造により実現した。
【0014】
すなわち、カバー構造は、ディスク装置の記録媒体を収容するハウジングのカバーと、カバーに形成されカバーの厚み方向において最も外側に突出した位置の最外部に対し内側に位置する底面を有した段差部と、段差部内に位置し段差部の底面に対し接触した状態で溶接により取り付けられた補強部材とを備える。
【0015】
段差部は、底面の縁部から厚み方向に立ち上がった側面を有してもよい。
【0016】
段差部は、側面が底面を囲む凹部であってもよい。
【0017】
段差部の側面は、厚み方向の外側に向けて底面の縁部から底面に沿った方向で離反するテーパ状であってもよい。
【0018】
カバー構造は、補強部材及び段差部の底面の一方に設けられた位置決め突起と、補強部材及び段差部の底面の他方に設けられ位置決め突起を係合させる位置決め穴とを備えてもよい。
【0019】
補強部材は、カバーよりも高弾性係数の材料からなってもよい。
【0020】
補強部材は、カバーよりも高比重の材料からなってもよい。
【実施例1】
【0021】
[ディスク装置のカバー構造の構造]
図1は、ディスク装置の平面図である。
図2は、
図1のディスク装置のII-II線に係る断面図、
図3は、同要部を拡大した断面図である。
【0022】
本実施例のディスク装置1は、磁気ディスク装置としてのハードディスクドライブであり、ハウジング3内にディスクアッセンブリ5やヘッドジンバルアッセンブリ(図示せず)等の機構部7を収容している。
【0023】
なお、ディスク装置1としては、磁気ディスク装置に限られず、光ディスク装置等の他のディスク装置であってもよい。
【0024】
ディスクアッセンブリ5は、複数の記録媒体であるディスク9を積層状態でスピンドルモーター11により支持した構成となっている。なお、ディスク9の積層方向は、ディスク装置1の厚み方向(以下、単に「厚み方向」と称する。)となっている。
【0025】
スピンドルモーター11は、シャフト13に対し軸周りに回転自在なローター15を備え、ローター15の外周にディスク9が支持されている。ディスク9の支持状態は、厚み方向の一端側でローター15に取り付けられたクランプ17により保持されている。このスピンドルモーター11は、厚み方向においてシャフト13の両端がそれぞれハウジング3のベース19とカバー21に固定されている。なお、スピンドルモーター11のローター15の詳細は、周知であり、図示及び説明を省略する。
【0026】
ハウジング3のベース19は、厚み方向の一端側が開口した箱状であり、内部にディスクアッセンブリ5等の機構部7を収容する。本実施例のベース19は、平面視で略矩形形状となっている。このベース19は、開口にカバー21が取り付けられて密閉されている。
【0027】
カバー21は、ベース19の開口に対応した金属製の板状体である。本実施例のカバー21は、例えば板厚が0.3mm~0.8mm程度のアルミニウム合金板やステンレス合金板をプレス成型することにより形成されている。
【0028】
カバー21のベース19への取付けは、カバー21の周縁部をベース19に対してねじ23により締結することで行われている。カバー21とベース19との間は、密閉用のシール部材25が介在している。
【0029】
このカバー21には、段差部27と、補強部材29とを備えたカバー構造31が適用されている。
【0030】
段差部27は、カバー21に形成されており、カバー21の厚み方向において最も外側に突出した位置の最外部としての最外面33に対し内側に位置する底面37を有して構成されている。なお、カバー21の厚み方向は、ハウジング3の厚み方向と同一である。
【0031】
本実施例のカバー21の最外面33は、カバー21の突出部35の表面である。突出部35は、スピンドルモーター11のクランプ17を避けるためにカバー21を屈曲することで形成され、厚み方向でスピンドルモーター11のクランプ17上に位置する。
【0032】
本実施例の段差部27は、カバー21の突出部35によって相対的に凹状となった部分であり、厚み方向でディスク9上に位置している。なお 、相対的に凹状となった部分であれば、厚み方向でディスク9上以外に位置してもよい。例えば、シール部材25上に位置してもよく、その場合、シール部材25に沿って位置してもよい。
【0033】
なお、最外面33は、機構部7の構成に応じて設定されるものであり、クランプ17上に位置するカバー21の突出部35の表面以外の場合もある。また、段差部27が形成される位置は、ディスク9上に限られず、最外面33に対して内側に位置する底面を有することができれば、他の部分としてもよい。
【0034】
本実施例の段差部27は、底面37の縁部から厚み方向に立ち上がった側面39を有している。側面39は、底面37から最外面33に至っている。ただし、側面39は、厚み方向で底面37よりも外側に位置し且つ最外面33よりも内側に位置する他の面に至る構成であってもよい。
【0035】
本実施例の側面39は、テーパ状に形成されており、最外面33側に向けて底面37から面方向で離反している。なお、面方向とは、底面37に沿った方向をいう。
【0036】
従って、側面39は、厚み方向の外側に向けて底面37から面方向で離反するテーパ状となっている。側面39と底面37及び最外面33との間は、曲面41,43によって連続している。
【0037】
本実施例の段差部27の厚み方向の深さ(最外面33と底面37との間の厚み方向の寸法)は、カバー21の板厚よりも大きく設定されている。なお、カバー21の板厚は、全体にわたって一定となっている。ただし、カバー21の板厚は、部分的に大きくする等、一定でなくてもよい。
【0038】
かかる段差部27内には、補強部材29が固定されている。
【0039】
補強部材29は、段差部27内に位置すると共に段差部27の底面37に対し接触した状態で溶接によって取り付けられている。これにより、補強部材29はカバー21の剛性を向上させる。溶接方法は、特に限定されないが、本実施例では、スポット溶接となっており、複数の溶接部44が形成されている。
【0040】
本実施例の補強部材29は、段差部27内に位置する金属製の板状体である。なお、補強部材29は、板状体に限られず、棒状等としてもよい。補強部材29の材質は、本実施例において、カバー21と同一材料、又はカバー21よりも高弾性係数及び高比重の少なくとも一方を満たす材料とする。ただし、補強部材29の材質は、他の材料としてもよい。
【0041】
補強部材29は、カバー21よりも高弾性係数であれば、カバー21の剛性向上に有利であり、カバー21よりも高比重であれば、制振性の向上に有利である。なお、補強部材29がカバー21と同一材料であっても、カバー21の段差部27に補強部材29を溶接によって取り付けることで、カバー21の剛性向上及び制振性の向上を図ることができる。他の材料でも同様である。
【0042】
補強部材29の板厚は、段差部27の深さと同一かそれよりも小さく設定され、補強部材29が最外面33から厚み方向の外側に突出しないようになっている。
【0043】
本実施例の補強部材29は、平面視でC字状であり、縁部である内周縁45が段差部27の側面39に沿ってスピンドルモーター11を囲むように配置されている。補強部材29の内周縁45は、段差部27の側面39に当接し又は近接して配置されている。
【0044】
なお、補強部材29の配置は、カバー21の剛性向上により振動や騒音の抑制が可能な部位であればよく、スピンドルモーター11の周囲に限らず、段差部27の位置に応じて適宜の部位とすることができる。また、補強部材29は、複数個所に設けることも可能である。補強部材29の平面視形状は、直線状等の他の形状としてもよい。
【0045】
[カバーの製造]
図4(A)~(C)は、カバーの製造時の要部を拡大した断面図である。なお、
図4(C)の溶接部44の位置は、
図1と一致していないが、理解容易のために図示している。
【0046】
カバー21の製造時には、
図4(A)のように、まずプレス成型によって段差部27や突出部35等を有する所定形状のカバー21を形成する。
【0047】
次いで、
図4(B)及び(C)のように、カバー21の段差部27の底面37上に補強部材29を位置決めてから溶接によって固着する。
【0048】
段差部27の底面37上に補強部材29を位置決める際には、補強部材29を段差部27の底面37上に接触するように載置する。この載置は、段差部27の側面39によってガイドすることが可能である。
【0049】
段差部27の底面37上に補強部材29を載置した状態では、補強部材29の内周縁45と段差部27の側面39が底面37に沿った面方向で対向する。このため、補強部材29は、段差部27の側面39によって面方向での動きが規制され、大まかに一次的に位置決められる。
【0050】
ここで、段差部27の側面39が底面37に厚み方向で近接するほど面方向でも近接するテーパ状となっている。このため、補強部材29の一次的な位置決めでは、厚み方向で底面37に近い側面39の部位に補強部材29の内周縁45を対向させるのが精度向上のためには好ましい。
【0051】
これに関し、本実施例では、底面37に接触する補強部材29の内周縁45が、厚み方向で底面37に近い側面39の部位に面方向で対向することになるから、一次的な位置決め精度を向上することができる。
【0052】
特に、本実施例では、底面37に接触する補強部材29の内周縁45の角部47が側面39に面方向で対向するため、一次的な位置決め精度を確実に向上できる。
【0053】
補強部材29を底面37上に載置した後は、治具等によって補強部材29を正確に溶接位置に二次的に位置決めて段差部27の底面37に溶接する。
【0054】
[比較例]
図5は、比較例の要部を拡大した断面図である。
【0055】
比較例は、従来技術のように補強部材29を粘着剤30によって段差部27の底面37に取り付けたものである。この比較例では、補強部材29と段差部27の底面37との間に粘着剤30を介在させるため、補強部材29によるカバー21の剛性向上が望めない。
【0056】
また、補強部材29が粘着剤30の分だけ底部37に対して厚み方向で上方に位置するため、補強部材29の一次的な位置決め精度が低下することにもなる。
【0057】
[実施例1の効果]
以上説明したように、本実施例のディスク装置1のカバー構造31は、ディスク装置1のディスク9を収容するハウジング3のカバー21と、カバー21に形成され、カバー21の厚み方向において最も外側に突出した位置の最外面33に対し内側に位置する底面37を有した段差部27と、段差部27内に位置し段差部27の底面37に対し接触した状態で溶接により取り付けられた補強部材29とを備える。
【0058】
従って、本実施例では、カバー21を薄肉化しても溶接された補強部材29によって剛性を向上させることができるため、振動や騒音の抑制を十分に行うことができる。また、本実施例では、カバー21に取り付けられた補強部材29がおもりとなって制振性を向上することができる。しかも、補強部材29は、段差部27内に位置するため、ディスク装置1の厚みの増加を抑制できる。
【0059】
また、本実施例では、段差部27の底面37の縁部から側面39が立ち上がり、段差部27の側面39が厚み方向の外側に向けて底面37の縁部から面方向で離反するテーパ状である。
【0060】
従って、本実施例では、補強部材29を溶接する際に、側面39によって補強部材29をガイドして段差部27の底面37上に接触するように載置することができる。
【0061】
このとき、段差部27の底面37に接触した補強部材29の縁部である内周縁45が厚み方向で底面37に近い側面39の部位に面方向で対向するため、補強部材29を大まかに一次的に位置決めることができる。
【0062】
従って、本実施例では、補強部材29の大まかな一次的な位置決め精度を向上することができ、その後の二次的な位置決め及び溶接を通じた補強部材29の取付け精度を向上することができる。
【0063】
また、補強部材29がカバー21よりも高弾性係数の材料からなる場合は、カバー21の剛性向上に有利である。また、補強部材29がカバー21よりも高比重である場合は、おもりとしての機能が向上し、制振性の向上に有利である。
【0064】
[変形例]
図6は、変形例に係るディスク装置1の要部を拡大した断面図である。
【0065】
本変形例では、段差部27の側面39を厚み方向と平行に形成したものである。その他は、実施例1と同一構成である。
【0066】
図7は、他の変形例に係るディスク装置1の要部を拡大した断面図である。
【0067】
本変形例は、段差部27の厚み方向の深さがカバー21の板厚よりも小さく設定されたものである。その他は、実施例1と同一構成である。
【0068】
これらの変形例においても、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
【実施例2】
【0069】
図8は、ディスク装置の断面図、
図9は、
図8の要部を拡大した断面図である。なお、実施例2では、実施例1と対応する構成部分に同符号を付して重複した説明を省略する。
【0070】
実施例2は、段差部27を凹部として形成したものである。その他の構成は、実施例1と同一である。
【0071】
段差部27は、ハウジング3のカバー21と機構部7との間のスペースSを利用して、カバー21の最外面33に対して凹状に屈曲して形成されている。本実施例では、厚み方向でのディスク9の上方のスペースSを利用して、スピンドルモーター11のクランプ17の厚みの範囲内で段差部27が形成されている。
【0072】
かかる凹部としての段差部27は、側面39が底面37を囲むようにして設けられている。
【0073】
従って、実施例2においても、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。加えて、実施例2では、底面37が側面39に囲まれた形状であるため、補強部材29の大まかな一次的な位置決めにおいて、より位置決め精度を向上することができる。
【実施例3】
【0074】
図10は、ディスク装置の要部を拡大した断面図である。なお、実施例3では、実施例1と対応する構成部分に同符号を付して重複した説明を省略する。
【0075】
本実施例では、段差部27の底面37に設けられた位置決め突起49と、補強部材29に設けられ、位置決め突起を係合させる位置決め穴51とを備えている。位置決め突起49及び位置決め穴51は、補強部材29の溶接位置への正確な位置決めを行うためのものである。
【0076】
なお、位置決め穴51は、補強部材29を貫通しているが、凹状の有底穴としてもよい。また、位置決め突起49を補強部材29に設け、位置決め穴51を段差部27の底面37に設けてもよい。従って、位置決め突起49は、補強部材29及び段差部27の底面37の一方に設けられ、位置決め穴51は、補強部材29及び段差部27の底面37の他方に設けられればよい。
【0077】
その他の構成は、実施例1と同一であるが、実施例2と同一としてもよい。
【0078】
従って、本実施例では、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
【0079】
加えて、本実施例では、補強部材29を段差部27に取り付ける際に、補強部材29の大まかな一次的な位置決めにより位置決め突起49と位置決め穴51とを相互に位置決めることができる。
【0080】
このため、一次的な位置決め後に位置決め突起49を位置決め穴51に係合させることで、補強部材29の溶接位置への正確な二次的な位置決めを行うことができる。
【0081】
従って、本実施例では、補強部材29を段差部27に取り付ける作業を容易に行わせることができる。
【符号の説明】
【0082】
1 ディスク装置
3 ハウジング
9 ディスク(記録媒体)
21 カバー
27 段差部
29 補強部材
31 カバー構造
33 最外面
37 底面
38 縁部
39 側面
49 位置決め突起
51 位置決め穴