(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-14
(45)【発行日】2022-10-24
(54)【発明の名称】変速機
(51)【国際特許分類】
H01Q 1/32 20060101AFI20221017BHJP
B62M 25/08 20060101ALI20221017BHJP
H01Q 1/36 20060101ALI20221017BHJP
H01Q 13/08 20060101ALI20221017BHJP
【FI】
H01Q1/32 Z
B62M25/08
H01Q1/36
H01Q13/08
(21)【出願番号】P 2019136360
(22)【出願日】2019-07-24
【審査請求日】2022-03-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】猫塚 光
(72)【発明者】
【氏名】平松 信樹
(72)【発明者】
【氏名】吉川 博道
(72)【発明者】
【氏名】橋本 直
【審査官】岸田 伸太郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/174026(WO,A1)
【文献】特開2000-95181(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0284049(US,A1)
【文献】特許第7041690(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/32
H01Q 13/08
H01Q 1/36
B62M 25/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自転車用の変速機であって、
アンテナと、導電性材料を含んで構成されるプーリ部と、を備え、
前記アンテナは、
第1導体と、
前記第1導体と第1方向において対向する第2導体と、
前記第1導体と前記第2導体との間に位置し、前記第1導体と前記第2導体とを容量的に接続し、前記第1方向に沿って広がる第3導体と、
前記第1導体及び前記第2導体に接続され、前記第1方向に沿って広がる第4導体と、
前記第3導体に電磁気的に接続される給電線と、を含み、
前記第4導体が前記プーリ部に対向している、変速機。
【請求項2】
請求項1に記載の変速機であって、
プーリ部は、
互いに離れて位置し、前記自転車のチェーンを回転可能な2つのプーリと、
1つのプーリを支持するガイドプーリと、
前記2つのプーリを連結する連結部材と、をさらに備え、
前記ガイドプーリ又は前記連結部に前記第4導体が対向している、変速機。
【請求項3】
請求項2に記載の変速機であって、
前記第1方向が、前記ガイドプーリまたは前記連結部材が延びる方向に沿っている、変速機。
【請求項4】
請求項1に記載の変速機であって、
前記プーリ部は、本体部をさらに備え、
前記アンテナは、前記本体部に配置されている、変速機。
【請求項5】
請求項4に記載の変速機であって、
前記自転車のチェーンを回転可能なプーリをさらに備え、
前記本体部の端部は、前記プーリの形状に依拠した丸みを帯びた部分を含み、
前記アンテナは、前記部分に配置されている、変速機。
【請求項6】
請求項1から5までの何れか一項に記載の変速機であって、
前記第3導体は、前記アンテナの通信相手の方を向く、変速機。
【請求項7】
請求項1から5までの何れか一項に記載の変速機であって、
前記アンテナは、前記第3導体に対向する二次放射器をさらに含み、
前記二次放射器の放射方向は、前記アンテナの通信相手の方を向く、変速機。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の変速機であって、
前記変速機は、リアディレイラーであり、
前記通信相手は、前記変速機に対応し且つ無線通信機能を有するブレーキレバーである、変速機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、変速機に関する。
【背景技術】
【0002】
アンテナから放射された電磁波は、金属導体で反射される。金属導体で反射された電磁波は、180°の位相ずれが生じる。反射された電磁波は、アンテナから放射された電磁波と合成される。アンテナから放射された電磁波は、位相のずれのある電磁波との合成によって、振幅が小さくなる場合がある。結果、アンテナから放射される電磁波の振幅は、小さくなる。アンテナと金属導体との距離を、放射する電磁波の波長λの1/4とすることで、反射波による影響を低減している。
【0003】
これに対して、人工的な磁気壁によって、反射波による影響を低減する技術が提案されている。この技術は例えば非特許文献1,2に記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】村上他,“誘電体基板を用いた人工磁気導体の低姿勢設計と帯域特性” 信学論(B),Vol.J98-B No.2,pp.172-179
【文献】村上他,“AMC反射板付ダイポールアンテナのための反射板の最適構成” 信学論(B),Vol.J98-B No.11,pp.1212-1220
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、非特許文献1,2に記載の技術では、共振器構造を多数並べる必要がある。
【0006】
本開示は、新規なアンテナを備える変速機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施形態に係る変速機は、自転車用の変速機である。当該変速機は、アンテナと、導電性材料を含んで構成されるプーリ部とを備える。前記アンテナは、第1導体と、前記第1導体と第1方向において対向する第2導体と、第3導体と、第4導体と、前記第3導体に電磁気的に接続される給電線とを含む。前記第3導体は、前記第1導体と前記第2導体との間に位置し、前記第1導体と前記第2導体とを容量的に接続し、前記第1方向に沿って広がる。前記第4導体は、前記第1導体及び前記第2導体に接続され、前記第1方向に沿って広がる。前記第4導体が前記プーリ部に対向している。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一実施形態によれば、新規なアンテナを備える変速機が提供され得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態に係るアンテナの共振器の平面図である。
【
図2】
図2は、
図1に示すL-L線に沿った共振器の断面図である。
【
図3】
図3は、本開示の一実施形態に係るアンテナの断面図である。
【
図4】
図4は、本開示の他の実施形態に係るアンテナの断面図である。
【
図5】
図5は、本開示の一実施形態に係る自転車の外観図である。
【
図7】
図7は、
図5に示すブレーキレバーにおけるアンテナの他の位置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示において「誘電体材料」は、セラミック材料及び樹脂材料の何れかを組成として含み得る。セラミック材料は、酸化アルミニウム質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、ガラスセラミック焼結体、ガラス母材中に結晶成分を析出させた結晶化ガラス、及び、雲母若しくはチタン酸アルミニウム等の微結晶焼結体を含む。樹脂材料は、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、及び、液晶ポリマー等の未硬化物を硬化させたものを含む。
【0011】
本開示において「導電性材料」は、金属材料、金属材料の合金、金属ペーストの硬化物、及び、導電性高分子の何れかを組成として含み得る。金属材料は、銅、銀、パラジウム、金、白金、アルミニウム、クロム、ニッケル、カドミウム鉛、セレン、マンガン、錫、バナジウム、リチウム、コバルト、及び、チタン等を含む。合金は、複数の金属材料を含む。金属ペースト剤は、金属材料の粉末を有機溶剤、及び、バインダとともに混練したものを含む。バインダは、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、及び、ポリエーテルイミド樹脂を含む。導電性ポリマーは、ポリチオフェン系ポリマー、ポリアセチレン系ポリマー、ポリアニリン系ポリマー、及び、ポリピロール系ポリマー等を含む。
【0012】
以下、本開示に係る実施形態について、図面を参照して説明する。以下の図面では、X軸、Y軸及びZ軸で構成される直交座標系を用いる。以下、X軸の正方向とX軸の負方向とを特に区別しない場合、X軸の正方向とX軸の負方向は、まとめて「X方向」という。Y軸の正方向とY軸の負方向とを特に区別しない場合、Y軸の正方向とY軸の負方向は、まとめて「Y方向」という。Z軸の正方向とZ軸の負方向とを特に区別しない場合、Z軸の正方向とZ軸の負方向は、まとめて「Z方向」という。以下、第1方向は、X方向として示す。
【0013】
[アンテナの構成例]
図1は、本開示の一実施形態に係るアンテナ1の共振器10平面図である。
図2は、
図1に示すL-L線に沿った共振器10の断面図である。
図3は、本開示の一実施形態に係るアンテナ1の断面図である。
【0014】
アンテナ1は、後述の
図5に示す自転車100のブレーキレバー130及びリアディレイラー140に配置され得る。
図1及び
図2に示すように、アンテナ1は、共振器10と、給電線60とを備える。
図3に示すように、アンテナ1は、回路基板70と、バッテリ73と、筐体80及び筐体81と、二次放射器82とを備えてよい。アンテナ1は、回路基板70等と共に無線通信モジュールとし得る。
【0015】
共振器10は、複数の所定周波数で共振し得る。共振器10が共振する複数の所定周波数は、複数の共振周波数ともいう。共振器10の複数の共振周波数のうちの、1つの共振周波数は、共振周波数f1と記載する。共振周波数f1の波長は、波長λ1と記載する。共振器10は、少なくとも1つの共振周波数のうちの少なくとも1つを動作周波数とし得る。共振器10は、共振周波数f1を動作周波数とし得る。共振器10は、共振周波数f1と同一周波数帯の周波数を動作周波数とし得る。
【0016】
共振器10は、Z軸の正方向側から共振器10のXY平面に略平行な面に対して入射する所定周波数の電磁波に対して、後述のように、人工磁気壁特性(Artificial Magnetic Conductor Character)を示す。本開示において「人工磁気壁特性」は、共振周波数における入射波と反射波との位相差が0度となる面の特性を意味する。人工磁気壁特性を有する面では、動作周波数帯において、入射波と反射波の位相差が-90度~+90度となる。動作周波数帯は、人工磁気壁特性を示す共振周波数と動作周波数とを含む。
【0017】
共振器10が上述の人工磁気壁特性を示すことにより、
図3に示すように、共振器10すなわちアンテナ1のZ軸の負方向側に金属部品2を位置させても、アンテナ1の放射効率が維持され得る。金属部品2は、後述の
図5に示すブレーキレバー130又はリアディレイラー140の一部となり得る。つまり、後述の
図5に示すブレーキレバー130又はリアディレイラー140がアンテナ1のZ軸の負方向側に位置するように、アンテナ1をブレーキレバー130又はリアディレイラー140に配置させることにより、アンテナ1の放射効率が維持され得る。
【0018】
共振器10は、基体20と、第1導体31と、第2導体32と、第3導体40と、第4導体50とを含む。第1導体31と第2導体32とは、対導体30ともいう。第1導体31、第2導体32、第3導体40及び第4導体50の各々は、導電性材料を含んで構成される。第1導体31、第2導体32、第3導体40及び第4導体50の各々は、同一の導電性材料を含んで構成されてよいし、異なる導電性材料を含んで構成されてよい。共振器10に含まれる第1導体31等の各要素は、アンテナ1の利得を考慮して、適宜調整されてよい。共振器10は、FPC(Flexible Printed Circuit)として構成されてよい。
【0019】
基体20は、誘電体材料を含んで構成される。基体20は、第1導体31等に応じた、任意の形状であってよい。基体20の誘電率は、共振器10の所望の共振周波数に応じて、適宜調整されてよい。基体20は、略直方体であってよい。
図2に示すように、基体20は、上面21及び下面22を含む。上面21は、基体20に含まれるXY平面に略平行な2つの面のうち、Z軸の正方向側に位置する面である。下面22は、基体20に含まれるXY平面に略平行な2つの面のうち、Z軸の負方向側に位置する面である。
【0020】
第1導体31と第2導体32とは、X方向において対向する。第1導体31と第2導体32とは、基体20のX方向における両端部に位置してよい。
図2に示すように、第1導体31は、第4導体50のX軸の負方向側の端部に電気的に接続されている。第2導体32は、第4導体50のX軸の正方向側の端部に電気的に接続されている。第1導体31及び第2導体32の各々は、第4導体50から基体20の上面21に向けて、Z方向に沿って延びる。第1導体31は、少なくとも1つの導体層33と、少なくとも1つの導体35とを含む。第1導体31は、複数の導体層33を含み得る。第1導体31は、複数の導体35を含み得る。第2導体32は、少なくとも1つの導体層34と、少なくとも1つの導体36とを含む。第2導体32は、複数の導体層34を含み得る。第2導体32は、複数の導体35を含み得る。
【0021】
図1に示すように、導体層33及び導体層34は、Y方向に沿って延びる。導体層33及び導体層34の各々は、XY平面に沿って広がってよい。
図2に示すように、導体層33及び導体層34は、層状であってよい。複数の導体層33のうちの一部及び複数の導体層34のうちの一部は、基体20の上面21上に位置し得る。複数の導体層33のうちの他の一部及び複数の導体層34のうちの他の一部は、基体20の中に位置し得る。
【0022】
複数の導体層33は、基体20のX軸の負方向側の端部に位置する。複数の導体層33は、Z方向において離れて位置する。複数の導体層33は、Z方向において一部が重なっている。複数の導体層33は、複数の導体35を電気的に接続する。複数の導体層33の一部は、第3導体40の何れかの導体と電気的に接続されてよい。本実施形態では、1つの導体層33は、第3導体40に含まれる第2導体層42Aに電気的に接続されている。導体層33は、第2導体層42Aと一体化されてよい。複数の導体層33の一部は、第4導体50と電気的に接続されてよい。複数の導体層33の一部は、第4導体50と一体化されてよい。
【0023】
複数の導体層34は、基体20のX軸の正方向側の端部に位置する。複数の導体層34は、Z方向において離れて位置する。複数の導体層34は、Z方向において一部が重なっている。複数の導体層34は、複数の導体36を電気的に接続する。複数の導体層34の一部は、第3導体40の何れかの導体と電気的に接続されてよい。本実施形態では、1つの導体層34は、第3導体40に含まれる第2導体層42Bに電気的に接続されている。導体層34は、第2導体層42Bと一体化されてよい。複数の導体層34の一部は、第4導体50と電気的に接続されてよい。複数の導体層34の一部は、第4導体50と一体化されてよい。
【0024】
図1に示すように、複数の導体35は、基体20のX軸の負方向側の端部において、間隔を空けてY方向に沿って並ぶ。Y方向に沿って並ぶ各導体35は、少なくとも1つの導体層33を介して、電気的に接続されている。複数の導体36は、基体20のX軸の正方向側の端部において、間隔を空けてY方向に沿って並ぶ。Y方向に沿って並ぶ各導体36は、少なくとも1つの導体層34を介して電気的に接続されている。
図2に示すように、複数の導体35は、Z方向に沿って並ぶ。Z方向に沿って並ぶ各導体35は、少なくとも1つの導体層33を介して、電気的に接続されている。複数の導体36は、Z方向に沿って並ぶ。Z方向に沿って並ぶ各導体36は、少なくとも1つの導体層34を介して電気的に接続されている。電気的に接続された複数の導体35の間の距離、及び、電気的に接続された複数の導体36の間の距離は、波長λ
1の1/2以下であってよい。これらの間の距離が波長λ
1の1/2以下であると、第1導体31及び第2導体32の各々から共振器10の外側へ、所定周波数帯の電磁波が漏れることが低減され得る。所定周波数帯の電磁波が漏れることが低減されることにより、第1導体31及び第2導体32は、後述の電気壁として、より機能し得る。
【0025】
図2に示すように、複数の導体35の少なくとも一部及び複数の導体36の少なくとも一部は、第4導体50に電気的に接続されている。複数の導体35の一部は、第4導体50と導体層33とを電気的に接続し得る。複数の導体36の一部は、第4導体50と導体層34とを電気的に接続し得る。複数の導体35は、導体層33を介して第4導体50に電気的に接続されていてよい。複数の導体36は、導体層34を介して第4導体50に電気的に接続されていてよい。導体35及び導体36の各々は、ビア導体又はスルーホール導体であってよい。
【0026】
第3導体40は、X方向に沿って広がる。第3導体40は、第1導体31と第2導体32とを容量的に接続するように構成される。第3導体40は、第1導体31と第2導体32との間に位置する。第3導体40が第1導体31と第2導体32との間に位置することにより、第3導体40からは、第1導体31がX軸の負方向側にてYZ平面に広がる電気壁として観え、第2導体32がX軸の正方向側にてYZ平面に広がる電気壁として観える。また、第3導体40から見て、Y軸の正方向側の端、及び、第3導体40のY軸の負方向側の端には、導体等が位置していない。つまり、第3導体40から見て、Y軸の正方向側の端、及び、第3導体40のY軸の負方向側の端は、電気的に開放されている。第3導体40のY軸の正方向側の端、及び、第3導体40のY軸の負方向側の端が、電気的に開放されていることにより、第3導体40からは、Y軸の正方向側のXZ平面と、Y軸の負方向側のXZ平面とが、磁気壁として観える。第3導体40がこれらの2つの電気壁及び2つの磁気壁によって囲まれることにより、共振器10は、Z軸の正方向側から基体20の上面21に入射する所定周波数の電磁波に対して、人工磁気壁特性を示す。
【0027】
第3導体40は、少なくとも1つの第1導体層41と、少なくとも1つの第2導体層42とを含む。本実施形態では、第3導体40は、1つの第1導体層41と、2つの第2導体層42すなわち第2導体層42A及び第2導体層42Bとを含む。第3導体40は、複数の導体を含んで構成される場合、導体群ともいう。
【0028】
図1に示すように、第1導体層41は、XY平面に沿って広がる。第1導体層41は、基体20の上面21上に位置し得る。第1導体層41は、第1導体31及び第2導体32と電気的に接続されていない。第1導体層41は、略長方形であってよい。
【0029】
第1導体層41は、第2導体層42Aと第2導体層42Bとを容量的に接続するように構成される。例えば、
図2に示すように、第1導体層41のX軸の負方向側の端部は、Z方向において、基体20の一部を介して、第2導体層42Aの一部に対向する。第1導体層41のX軸の負方向側の端部は、基体20の一部を介して第2導体層42Aの一部に対向することにより、第2導体層42Aに容量的に接続されるように構成される。また、第1導体層41のX軸の正方向側の端部は、Z方向において、基体20の一部を介して、第2導体層42Bの一部に対向する。第1導体層41のX軸の正方向側の端部は、基体20の一部を介して第2導体層42Bの一部に対向することにより、第2導体層42Bに容量的に接続されるように構成される。
【0030】
第2導体層42Aと第2導体層42Bは、第1導体層41を介して容量的に接続されるように構成される。第2導体層42A及び第2導体層42Bは、第1導体層41よりも、第4導体50の側に位置する。第2導体層42A及び第2導体層42は、基体20の中に位置し得る。
【0031】
図1に示すように、第2導体層42A及び第2導体層42Bは、XY平面に沿って広がる。
図2に示すように、第2導体層42Aは、第1導体31と第2導体32との間において、第1導体31の方に位置する。第2導体層42Aは、第1導体31の導体層33に電気的に接続されている。第2導体層42Bは、第1導体31と第2導体32との間において、第2導体32の方に位置する。第2導体層42Bは、第2導体32の導体36に電気的に接続されている。
【0032】
第4導体50は、第1導体31及び第2導体32に電気的に接続されている。第4導体50は、層状であってよい。第4導体50は、基体20の下面22上に位置する。第4導体50の一部は、基体20の中に位置してよい。第4導体50は、開口51を含んでよい。
【0033】
第4導体50は、第3導体40から離れて位置する。第4導体50は、第3導体40に対向してよい。第4導体50は、第3導体40に沿って広がってよい。第4導体50は、X方向に沿って広がってよい。第4導体50は、XY平面に沿って広がってよい。
【0034】
第4導体50の電位は、アンテナ1を備える電子機器の基準電位と同等であってよい。第4導体50は、アンテナ1を備える電子機器のグラウンドに電気的に接続されていてよい。
【0035】
給電線60は、第3導体40に電磁気的に接続されている。本開示において「電磁気的な接続」は、電気的な接続又は磁気的な接続であってよい。本実施形態では、給電線60の一端は、第3導体40に含まれる第1導体層41に電気的に接続されている。給電線60の他端は、第4導体50の開口51を介して、
図3に示す回路基板70を経由してRFモジュール等に電気的に接続されている。給電線60の一部は、基体20の中に位置する。給電線60は、Z方向に沿って延在してよい。給電線60は、スルーホール導体又はビア導体等であってよい。
【0036】
給電線60は、アンテナ1が共振器10によって電磁波を放射する場合、
図3に示す回路基板70を経由してRFモジュール等からの電力を、第3導体40に供給するように構成される。給電線60は、アンテナ1が共振器10によって電磁波を受信する場合、第3導体40からの電力を、
図3に示す回路基板70を経由してRFモジュール等に供給するように構成される。
【0037】
図3に示すように、回路基板70には、共振器10が位置し得る。アンテナ1が回路基板70及び筐体81を備えない場合、共振器10は、金属部品2上に直接位置してよい。回路基板70は、PCB(Printed Circuit Board)として構成されてよいし、FPCとして構成されてよい。回路基板70は、絶縁性基板71と、導体層72とを含む。絶縁性基板71は、XY平面に略平行である。導体層72は、絶縁性基板71に含まれるXY平面に略平行な2つの表面のうち、Z軸の正方向側に位置する表面上に位置する。導体層72は、グラウンド層ともいう。導体層72は、共振器10の第4導体50と一体として構成されてよい。
【0038】
バッテリ73は、無線通信モジュールとしてのアンテナ1の構成要素に電力を供給可能に構成される。バッテリ73は、1次バッテリ及び二次バッテリの少なくとも何れかを含んでよい。バッテリ73のマイナス極は、回路基板70のグラウンド層としての導体層72に電気的に接続されてよい。バッテリ73のマイナス極は、共振器10の第4導体50に電気的に接続されてよい。
【0039】
筐体80及び筐体81は、アンテナ1を含む無線通信モジュールの各種部品を保護してよい。アンテナ1を含む無線通信モジュールの各種部品は、共振器10、回路基板70及びバッテリ73等を含んでよい。筐体80及び筐体81は、誘電体材料又は導電性材料等の任意の材料で構成されてよい。
【0040】
筐体80は、XY平面に沿って広がり得る。筐体80は、XY平面に略平行な平板状であってよい。筐体80は、アンテナ1の各種部品を支える。筐体80は、共振器10、回路基板70、バッテリ73を支持し得る。筐体80は、上面80Aを含む。上面80Aは、筐体80のXY平面に略平行な2つの面のうち、Z軸の正方向側に位置する面である。上面80Aには、回路基板70と、バッテリ73とがX方向に沿って並んでよい。
【0041】
筐体81は、アンテナ1の各種部品を覆い得る。筐体81は、上面81A及び下面81Bを含む。上面81Aは、筐体81に含まれる面のうち、共振器10とは反対側を向く面である。下面81Bは、筐体81に含まれる面のうち、共振器10の方を向く面である。上面81A及び下面81Bは、XY平面に沿って広がってよい。上面81A及び下面81Bは、XY平面に略平行であってよい。上面81A及び下面81Bは、平坦であってよい。上面81A及び下面81Bは、平坦に限定されず、凹凸を含んでよい。
【0042】
二次放射器82は、導電性材料を含んでよい。二次放射器82は、筐体81の下面81B上に位置する。ただし、二次放射器82は、筐体81の任意の箇所に位置してよい。例えば、二次放射器82は、上面81A上に位置してよい。例えば、二次放射器82は、筐体81の内側の側面上に位置してよいし、筐体81の外側の側面上に位置してよい。例えば、二次放射器82は、筐体81の内部に埋め込まれてよい。
【0043】
二次放射器82は、共振器10と対向する。二次放射器82は、共振器10の第3導体40と対向してよい。二次放射器82の一部は、バッテリ73と対向してよい。二次放射器82は、共振器10から離れている。つまり、二次放射器82は、共振器10の各導体と電気的に接続されていない。ただし、
図4に示すように、二次放射器82は、共振器10に接してよい。
図4に、本開示の他の実施形態に係るアンテナ1aの断面図を示す。
図4に示す構成では、二次放射器82は、共振器10と一体的に構成されてよい。
【0044】
二次放射器82は、第1部位82Aを含む。第1部位82Aは、Z方向において共振器10と対向する。第1部位82Aは、Z方向において、共振器10の第3導体40と重なってよい。第1部位82Aの他、二次放射器82は、X方向において共振器10と対向する第2部位、及び、Y方向において共振器10と対向する第3部位を少なくとも含んでよい。
【0045】
二次放射器82は、第1延部82B及び第2延部82Cを含んでよい。第1延部82Bは、X方向において、共振器10の第1導体31よりも、X軸の負方向側へ延びる。第2延部82Cは、X方向において、共振器10の第2導体32よりも、X軸の正方向側へ延びる。第1延部82B及び第2延部82Cの各々は、第1部位82Aに電気的に接続されていてよい。第2延部82Cは、Z方向においてバッテリ73と対向してよい。第2延部82Cは、バッテリ73と容量的に結合するように構成されてよい。つまり、第2延部82Cと、バッテリ73と、第2延部82Cとバッテリ73との間の空間とが、キャパシタンスとなるように構成されてよい。二次放射器82が第1延部82B及び第2延部82Cを含むことにより、アンテナ1は、空中において利得が向上し得る。
【0046】
二次放射器82は、共振器10に含まれる何れかの導体と電磁気的に結合するように構成される。二次放射器82の第1部位82Aが、共振器10と電磁気的に結合するように構成されてよい。上述のように、第1部位82Aは、Z方向において、共振器10の第3導体40と重なってよい。第1部位82Aが共振器10の第3導体40と重なることにより、二次放射器82と第3導体40との間において電磁気的な結合による電磁波の伝播が大きくなり得る。二次放射器82と第3導体40との間の電磁気的な結合は、相互インダクタンスとなり得る。二次放射器82は、共振器10に含まれる第4導体50と電磁気的に結合するように構成されてよい。
【0047】
二次放射器82は、X方向に沿って広がってよい。二次放射器82は、XY平面に沿って広がってよい。二次放射器82のX方向における長さは、共振器10のX方向における長さよりも、長くてよい。二次放射器82の長さは、波長λ1の1/2より長くてよい。二次放射器82は、Y方向に沿って延びる部位を含んでよい。二次放射器82は、XY平面内で曲がってよい。二次放射器82は、Z方向に沿って延びる部位を含んでよい。二次放射器82は、XY平面からYZ平面に向けて又はXY平面からXZ平面に向けて曲がってよい。
【0048】
二次放射器82を備えるアンテナ1では、共振器10及び二次放射器82が、電磁気的に結合するように構成される。共振器10及び二次放射器82が電磁気的に結合する構成におけるアンテナ1の動作周波数は、動作周波数fcと記載する。アンテナ1の動作周波数fcは、共振器10の共振周波数f1とは異なってよい。アンテナ1の動作周波数fcは、二次放射器82の共振周波数より、共振器10の共振周波数f1に近くてよい。アンテナ1の動作周波数fcは、共振器10の共振周波数帯内であってよい。アンテナ1の動作周波数fcは、二次放射器82の共振周波数帯外であってよい。
【0049】
[自転車の構成例]
図5は、本開示の一実施形態に係る自転車100の外観図である。自転車100は、人力で走行可能であってよい。ただし、本開示の「自転車」は、人力のみで走行可能な自転車に限定されない。本開示の「自転車」は、ハンドルバー及び車輪を有するものであればよい。例えば、本開示の「自転車」は、電動アシスト自転車、電動自転車及び二輪駆動自転車を含んでよい。本開示の「自転車」は、二輪車に限定されない。例えば、「自転車」は、一輪車、三輪車及び四輪車を含んでよい。なお、自転車の分類は、上述に限られない。例えば、「自転車」は、タンデム自転車を含んでよい。
【0050】
自転車100は、フレーム101と、ハンドルバー102Rと、ハンドルバー102Lと、クランク103と、ペダル104と、前輪105と、後輪106と、フロントスプロケット107と、リアスプロケット108と、チェーン109とを備える。自転車100は、バッテリ110と、フロントディレイラー120と、ブレーキレバー130と、リアディレイラー140(変速機)とを備える。
【0051】
フレーム101は、導電性材料又は炭素繊維強化プラスチックを含んでよい。フレーム101は、自転車100の各種要素を支持する。フレーム101は、ヘッドチューブ101Aと、フロントフォーク101Bと、シートステー101Cと、ダウンチューブ101Dと、リアフォークエンド101Hとを含む。
【0052】
ハンドルバー102R及びハンドルバー102Lは、ヘッドチューブ101Aにステムを介して取り付け可能に構成される。ハンドルバー102Rは、運転者に対して右側に位置する。運転者は、右手でハンドルバー102Rを握り得る。ハンドルバー102Lは、運転者に対して左側に位置する。運転者は、左手でハンドルバー102Lを握り得る。
【0053】
クランク103は、クランク軸103Aと、アーム103Bとを含む。アーム103Bには、ペダル104が取り付けられる。運転者は、ペダル104を足によって回転させる。運転者は、ペダル104を回転させることにより、ペダル104に駆動力を加える。ペダル104に加えられた駆動力は、クランク103等を経由して、後輪106に伝達される。
【0054】
前輪105及び後輪106の各々は、タイヤ、リム及びハブ等を含んで構成される。前輪105は、フレーム101のフロントフォーク101Bの端部に取り付けられる。後輪106は、フレーム101のシートステー101Cの端部に取り付けられる。後輪106には、ペダル104からの駆動力が、クランク103、フロントスプロケット107、リアスプロケット108及びチェーン109を経由して、伝達される。後輪106は、ペダル104から伝達される駆動力によって回転するように構成される。
【0055】
フロントスプロケット107は、複数のスプロケット(歯車)を含んで構成される。フロントスプロケット107は、クランク103のクランク軸3Aと一体として回転するように取り付けられる。フロントスプロケット107の複数のスプロケットのうちの何れかには、フロントディレイラー120によってチェーン109が巻き掛けられている。
【0056】
リアスプロケット108は、複数のスプロケット(歯車)を含んで構成される。リアスプロケット108は、後輪106のハブに取り付けられる。リアスプロケット108の複数のスプロケットのうちの何れかには、リアディレイラー140によってチェーン109巻き掛けられている。
【0057】
チェーン109は、フロントスプロケット107及びリアスプロケット108に掛け渡されている。フロントスプロケット107の複数のスプロッケットのうちのチェーン109が巻き掛けられたスプロケットと、リアスプロケット108の複数のスプロケットのうちのチェーン109が巻き掛けられたスプロケットとに基づいて、変速比が定まる。
【0058】
バッテリ110は、リチウムイオン電池又はニッケル水素電池等を含んで構成されてよい。バッテリ110は、フレーム101のダウンチューブ101Dに取り付けられている。バッテリ110は、自転車100のコンポーネントに電力を供給可能である。バッテリ110が電力を供給可能な自転車100のコンポーネントには、フロントディレイラー120、ブレーキレバー130及びリアディレイラー140等が含まれてよい。
【0059】
フロントディレイラー120は、運転者の操作に基づいて、フロントスプロケット107に含まれる複数のスプロッケットの間でチェーン109を移動させるように構成される。フロントディレイラー120は、後述の左用のブレーキレバー130に対する運転者の操作に基づいて、チェーン109を移動させるように構成されてよい。
【0060】
ブレーキレバー130は、ハンドルバー102R及びハンドルバー102Lの何れかに取り付け可能である。以下、ハンドルバー102Rに取り付け可能なブレーキレバー130は、「右用のブレーキレバー130」と記載する。ハンドルバー102Lに取り付け可能なブレーキレバー130は、「左用のブレーキレバー130」と記載する。
【0061】
ブレーキレバー130は、右用のブレーキレバー130である場合、前輪105のブレーキに対する運転者の操作を検出するように構成される。また、ブレーキレバー130は、左用のブレーキレバー130である場合、後輪106のブレーキに対する運転者の操作を検出するように構成される。ただし、右用のブレーキレバー130が後輪106のブレーキに対する運転者の操作を検出するように構成され、左用のブレーキレバー130が前輪105のブレーキに対する運転者の操作を検出するように構成されてよい。
【0062】
ブレーキレバー130は、右用のブレーキレバー130である場合、リアディレイラー140に対する運転者の操作を検出するように構成される。つまり、右用のブレーキレバー130は、リアディレイラー140に対応する。また、ブレーキレバー130は、左用のブレーキレバー130である場合、フロントディレイラー120に対する運転者の操作を検出するように構成される。つまり、左用のブレーキレバー130は、フロントディレイラー120に対応する。ただし、右用のブレーキレバー130がフロントディレイラー120に対する運転者の操作を検出するように構成され、左用のブレーキレバー130がリアディレイラー140に対する運転者の操作を検出するように構成されてよい。なお、ブレーキレバー130は、リアディレイラー140及びフロントディレイラー120の各々に対する運転者の操作を検出するように構成される場合、デュアルコントロールレバーとも称される。
【0063】
以下、ブレーキレバー130の詳細について説明する。以後、ブレーキレバー130は、右用のブレーキレバー130であるものとする。
【0064】
[ブレーキレバーの構成例]
図6は、
図5に示すブレーキレバー130の構成図である。ブレーキレバー130は、本体部131と、クランプ部132(長尺部)と、第1レバー部材133(長尺部)と、第2レバー部材134とを有する。
【0065】
本体部131の内部には、第1レバー部材133及び第2レバー部材134を本体部131に取り付けるための金属部品等が収容されている。本体部131は、金属部品等を覆うカバー部材を含む。本体部131の一端には、クランプ部132が位置する。本体部131の他端には、第1レバー部材133及び第2レバー部材134が位置する。
【0066】
クランプ部132は、導電性材料を含んで構成される。クランプ部132は、ハンドルバー102Rを狭持可能である。クランプ部132がハンドルバー102Rを狭持することにより、ブレーキレバー130は、ハンドルバー102Rに固定される。クランプ部132は、リング状であってよい。クランプ部132は、ハンドルバー102Rの外周に応じて、楕円形のリング状であってよいし、円形のリング状であってよい。クランプ部132は、外面132Aを含む。外面132Aは、リング状のクランプ部132の外面のうち、リング状のクランプ部132の外側を向く面である。
【0067】
第1レバー部材133は、導電性材料を含んで構成される。第1レバー部材133は、本体部131から自転車100の前輪105に向けて延びる。第1レバー部材133は、外面133A及び外面133Bを含む。外面133Aは、第1レバー部材133の外面のうち、クランプ部132とは反対側の方を向く面である。外面133Aは、クランプ部132とは反対側の方に突出する凸状の曲面であってよい。外面133Bは、第1レバー部材133の外面のうち、クランプ部132の方を向く面である。外面133Bは、クランプ部132とは反対側の方に窪む凹状の曲面であってよい。
【0068】
第1レバー部材133は、可動可能に、本体部131に取り付けられている。第1レバー部材133は、方向Aの方に動き得る。方向Aは、第1レバー部材133からクランプ部132の方に向かう方向である。第1レバー部材133は、第1レバー部材133の外面に方向Aの方に向かう力が加えられると、方向Aの方に動くように構成される。第1レバー部材133は、第1レバー部材133の外面に加えられた力が解除されると、所定位置に戻るように構成される。第1レバー部材133は、方向Bに沿って動き得る。方向Bは、運転者が第1レバー部材133の方を見たときに、右側から左側に向かう方向である。第1レバー部材133は、第1レバー部材133の外面に方向Bの方に向かう力が加えられると、方向Bの方に動くように構成される。第1レバー部材133は、第1レバー部材133の外面に加えられた力が解除されると、所定位置に戻るように構成される。
【0069】
第2レバー部材134は、樹脂材料等の任意の材料を含んで構成され得る。第2レバー部材134は、第1レバー部材133よりも、クランプ部132の側に位置する。第2レバー部材134の長さは、第1レバー部材133の長さよりも、短い。第2レバー部材134は、板状部134Aと、連結部134Dとを含む。板状部134Aは、任意の形状であってよい。板状部134Aは、略四角形であってよいし、略三角形であってよい。板状部134Aは、外面134B及び側面134Cを含む。外面134Bは、板状部134Aの外面のうち、運転者から見て右側に位置する外面である。側面134Cは、板状部134Aの側面のうち、クランプ部132の方を向く面である。換言すると、側面134Cは、板状部134Aの側面のうち、第1レバー部材133とは反対側の方を向く面である。連結部134Dは、本体部131と板状部134Aとを連結する。連結部134Dは、棒状であってよい。
【0070】
第2レバー部材134は、可動可能に、本体部131に取り付けられている。第2レバー部材134は、方向Bの方に動き得る。第2レバー部材134は、板状部134Aに対して方向Bに向かう力が加えられると、方向Bの方に動くように構成される。第2レバー部材134は、板状部134Aに加えられた力が解除されると、所定位置に戻るように構成される。
【0071】
運転者は、第1レバー部材133及び第2レバー部材134の仕様に基づいて、第1レバー部材133及び第2レバー部材134を操作する。
【0072】
本実施形態では、第1レバー部材133の仕様として、第1レバー部材133を方向Aの方へ動かすと、前輪105にブレーキがかかるように構成される。そのため、運転者は、前輪105の回転をブレーキによって減速させたいとき、第1レバー部材133を方向Aの方に動かすように構成される。運転者は、前輪105に対するブレーキを解除したいとき、第1レバー部材133を所定位置に戻す。
【0073】
本実施形態では、第2レバー部材134の仕様において、第2レバー部材134を方向Bの方に動かすと、リアディレイラー140の変速段がアップするように構成される。本実施形態では、第1レバー部材133の仕様において、第1レバー部材133を方向Bの方へ動かすと、リアディレイラー140の変速段がダウンするように構成される。そのため、運転者は、リアディレイラー140の変速段をアップさせたいとき、第2レバー部材134を方向Bの方に動かすように構成される。運転者は、リアディレイラー140の変速段をダウンさせたいとき、第1レバー部材133を方向Bの方に動かす。
【0074】
運転者は、第1レバー部材133を操作する際、右手の親指をハンドルバー102Rに引っ掛け、右手の人差し指等を外面133Aに添える。運転者は、第1レバー部材133を方向Aの方に動かす際、外面133Aに添えた右手の人差し指等を、ハンドルバー102Rに引っ掛けた右手の親指の方に引き寄せることにより、外面133Aに対して方向Aに向かう力を加える。運転者は、第1レバー部材133を方向Bの方に動かす際、外面133Aに添えた右手の人差し指等を方向Bの方に傾けることにより、外面133Aに対して方向Bに向かう力を加える。
【0075】
このように第1レバー部材133において、外面133Aは、運転者が第1レバー部材133を操作する際、第1レバー部材133の外面の中で、運転者が触る蓋然性が比較的高い面となり得る。これに対し、外面133Bは、運転者が指を添える外面133Aとは反対側に位置する。そのため、外面133Bは、運転者が第1レバー部材133を操作する際、第1レバー部材133の外面の中で、運転者が触る蓋然性が比較的低い面となり得る。
【0076】
運転者は、第2レバー部材134を操作する際、右手の親指をハンドルバー102Rに引っ掛け、板状部134Aの外面134Bに右手の人差し指等を添える。運転者は、第2レバー部材134を方向Bの方に動かす際、外面134Bに添えた右手の人差し指等を、方向Bの方に傾けることにより、第2レバー部材134の板状部134Aに対して方向Bに向かう力を加える。
【0077】
このように第2レバー部材134において、外面134Bは、運転者が第2レバー部材134を操作する際、第2レバー部材134の外面の中で、運転者が触る蓋然性が比較的高い面となり得る。これに対し、側面134Cは、第2レバー部材134の外面の中で、運転者が触る蓋然性が比較的低い面となり得る。また、連結部134Dは、運転者が触る蓋然性が比較的低い部位となり得る。
【0078】
本実施形態に係るブレーキレバー130は、
図6に示すように、アンテナ1A,1B,1C,1D,1E,1Fの少なくとも何れかを備えてよい。アンテナ1A~1Fは、ブレーキレバー130において、運転者が触る蓋然性が低い箇所に配置されていてよい。ブレーキレバー130は、アンテナ1A~1Fの少なくとも何れかを備えることにより、無線通信機能を有し得る。無線通信機能を有するブレーキレバー130は、無線通信機能を有するリアディレイラー140と通信可能であってよい。この場合、アンテナ1A~1Fは、ブレーキレバー130において、通信相手としてのリアディレイラー140の方を向く箇所に配置されていてよい。アンテナ1A~1Fは、
図1に示すアンテナ1又は
図4に示すアンテナ1aと同様の構成である。つまり、アンテナ1A~1Fは、第1導体31と、第2導体32と、第3導体40と、第4導体50と、給電線60とを含む。
【0079】
アンテナ1Aは、第4導体50が長尺部としての第1レバー部材133に対向するように、ブレーキレバー130に配置されていてよい。アンテナ1Aは、第1レバー部材133に直接配置されていてよい。アンテナ1Aが第1レバー部材133に直接配置されている場合、第1レバー部材133が
図3又は
図4に示す金属部品2に対応し得る。アンテナ1Aは、
図3及び
図4に示す回路基板70及び筐体80を備えない場合、第4導体50が、金属部品2としての第1レバー部材133に直接接するように、第1レバー部材133に配置されていてよい。第4導体50が第1レバー部材133に対向するようにアンテナ1Aが配置されることにより、導電性材料を含む第1レバー部材133は、アンテナ1Aの
図1等に示すZ軸の負方向側に位置し得る。上述のように、金属部品2がアンテナ1AのZ軸の負方向側に位置する構成では、アンテナ1Aの放射効率が維持され得る。つまり、第4導体50が第1レバー部材133に対向するようにアンテナ1Aを配置させることにより、アンテナ1Aの放射効率が維持され得る。
【0080】
アンテナ1Aは、
図1等に示すX方向が、長尺部としての第1レバー部材133が延びる方向に沿うように、第1レバー部材133に配置されていてよい。アンテナ1Aが、
図1等に示すX方向が、第1レバー部材133が延びる方向に沿うように第1レバー部材133に配置されることにより、アンテナ1Aの第4導体50と第1レバー部材133とが容量的に結合されるように構成され得る。アンテナ1Aの第4導体50と第1レバー部材133とが容量的に結合されることにより、アンテナ1Aが電磁波を放射するとき、第1レバー部材133に電流が誘導されるように構成され得る。第1レバー部材133に誘導された電流によって、第1レバー部材133は、電磁波を放射するように構成され得る。第1レバー部材133に誘導された電流を第1レバー部材133が電磁波として放射することで、電磁波を放射するときのアンテナ1Aの総合放射効率が向上し得る。
【0081】
アンテナ1Aは、自転車100に対して、
図1等に示すX方向が、自転車100の進行方向に沿って取り付け可能に構成され得る。
図5に示すように、自転車100の進行方向は、自転車100のハンドルバー102R,102Lをまっすぐにした際に、自転車100が進行可能な方向である。アンテナ1Aが自転車100の進行方向に沿って取り付けられることで、アンテナ1Aから放射される電磁波が地面で反射する際の減衰を大きくすることができる。アンテナ1Aから放射される電磁波は、
図1等に示すX方向が自転車100の進行方向に沿って取り付けられることで、
図1等に示すX方向が自転車100の旋回方向に沿って取り付けられた場合に比べて、地面で反射する際の減衰を大きくすることができる。自転車の旋回方向は、自転車100のハンドルバー102R,102Lを左右の何れかに傾けた際に、自転車100が進行可能な方向である。当該構成によって、アンテナ1Aは、反射波の直接波への干渉を小さくすることができる。
【0082】
アンテナ1Aは、第1レバー部材133の外面のうち、外面133B上に配置されていてよい。上述のように、外面133Bは、運転者が第1レバー部材133を操作する際、第1レバー部材133の外面の中で、運転者が触る蓋然性が比較的低い面となり得る。アンテナ1Aを外面133Bに位置させることにより、運転者がアンテナ1Aを触る蓋然性が低減され得る。運転者がアンテナ1Aを触る蓋然性が低減されることにより、運転者がアンテナ1Aに触れることによりアンテナ1Aが故障する蓋然性が低減され得る。
【0083】
アンテナ1Aは、
図3又は
図4に示す二次放射器82を含まない場合、第3導体40が通信相手としてのリアディレイラー140の方を向くように、配置されていてよい。また、アンテナ1Aは、
図3又は
図4に示す二次放射器82を含む場合、二次放射器82の放射方向が通信相手としてのリアディレイラー140の方を向くように、配置されていてよい。つまり、
図3又は
図4に示すZ軸の正方向と、第1レバー部材133からリアディレイラー140に向かう方向とが揃うように、アンテナ1Aは、配置されていてよい。電磁波を放射する第3導体40又は二次放射器82がリアディレイラー140の方を向くことにより、アンテナ1Aと、通信相手としてのリアディレイラー140との間の通信効率が向上され得る。
【0084】
アンテナ1B~1Eは、第2レバー部材134上に位置する。アンテナ1B~1Eの各々は、アンテナ1B~1Eの第4導体50が長尺部としての第1レバー部材133に対向するように、第2レバー部材134上に配置されている。アンテナ1Aと同様に、アンテナ1B~1Eの第4導体50が第1レバー部材133に対向するように、アンテナ1B~1Eが配置されることにより、アンテナ1B~1Eの放射効率が維持され得る。上述のアンテナ1Aと同様に、アンテナ1B~1Eの各々は、
図3又は
図4に示す二次放射器82を含まない場合、第3導体40が通信相手としてのリアディレイラー140の方を向くように、配置されていてよい。アンテナ1Aと同様に、アンテナ1B~1Eの各々は、
図3又は
図4に示す二次放射器82を含む場合、二次放射器82の放射方向が通信相手としてのリアディレイラー140の方を向くように、配置されていてよい。このような構成により、アンテナ1E~1Eの各々と、通信相手としてのリアディレイラー140との間の通信効率が向上され得る。
【0085】
アンテナ1B~1Eの各々は、FPCで構成されてよい。ここで、第2レバー部材134の外面等は、曲がっている箇所を含み得る。アンテナ1B~1Eの各々をFPCで構成することにより、より容易に、アンテナ1B~1Eの各々を曲がっている箇所に配置させることができる。
【0086】
アンテナ1Bは、第2レバー部材134の連結部134D上に配置されている。上述のように、連結部134Dは、運転者が触る蓋然性が比較的低い部位となり得る。アンテナ1Bを連結部134Dに配置させることにより、運転者がアンテナ1Bに触れることによりアンテナ1Bが故障する蓋然性が低減され得る。アンテナ1Bは、
図1等に示すX方向が、第1レバー部材133が延びる方向に沿うように、第2レバー部材134に配置されていてよい。電磁波を放射するときのアンテナ1Bの総合放射効率が向上し得る。
【0087】
アンテナ1Cは、連結部134Dから、板状部134Aの側面134Cに渡って、配置されている。上述のように、連結部134D及び側面134Cは、運転者が触る蓋然性が比較的低い部位又は面となり得る。アンテナ1Cが連結部134Dから側面134Cに渡って配置されることにより、運転者がアンテナ1Cに触れることによりアンテナ1Cが故障する蓋然性が低減され得る。
【0088】
アンテナ1D,1Eは、板状部134Aの側面134Cに配置されている。上述のように、側面134Cは、運転者が触る蓋然性が比較的低い面となり得る。上述のように、アンテナ1D,1Eが側面134Cに配置されることにより、運転者がアンテナ1D,1Eに触れることによりアンテナ1D,1Eが故障する蓋然性が低減され得る。
【0089】
アンテナ1Fは、第4導体50が長尺部としてのクランプ部132に対向するように、ブレーキレバー130に配置されていてよい。アンテナ1Fは、リング状のクランプ部132の外面132A上に配置されていてよい。アンテナ1Fがクランプ部132に配置されている場合、クランプ部132が
図3又は
図4に示す金属部品2に対応し得る。アンテナ1Fは、
図3及び
図4に示す回路基板70及び筐体80を備えない場合、第4導体50が、金属部品2としてのクランプ部132に直接接するように、クランプ部132に配置されていてよい。アンテナ1Aと同様に、アンテナ1Fの第4導体50がクランプ部132に対向するように、アンテナ1Fが配置されることにより、アンテナ1Fの放射効率が維持され得る。クランプ部132は、運転者が触る蓋然性が低い。アンテナ1Fがクランプ部132に配置されることにより、運転者がアンテナ1Fに触れることによりアンテナ1Fが故障する蓋然性が低減され得る。アンテナ1Fは、FPCで構成されてよい。アンテナ1FをFPCで構成することにより、より容易に、アンテナ1Fをリング状のクランプ部132に配置させることができる。
【0090】
アンテナ1Fは、
図1等に示すX方向が、リング状のクランプ部132の周方向に沿うように、クランプ部132に配置されていてよい。このような構成とすることで、アンテナ1Aと同様に、アンテナ1Fの総合放射効率が向上し得る。アンテナ1Aと同様に、アンテナ1Fは、
図3又は
図4に示す二次放射器82を含まない場合、第3導体40が通信相手としてのリアディレイラー140の方を向くように、配置されていてよい。アンテナ1Aと同様に、アンテナ1Fは、
図3又は
図4に示す二次放射器82を含む場合、二次放射器82の放射方向が通信相手としてのリアディレイラー140の方を向くように、配置されていてよい。このような構成により、アンテナ1Fとリアディレイラー140との間の通信効率が向上され得る。
【0091】
図7は、
図5に示すブレーキレバー130におけるアンテナの他の位置を示す図である。アンテナ1Gは、アンテナ1A~1Fと同様に、
図1に示すアンテナ1又は
図4に示すアンテナ1aと同様の構成である。つまり、アンテナ1Gは、第1導体31と、第2導体32と、第3導体40と、第4導体50と、給電線60とを含む。
【0092】
アンテナ1Gは、基板132B上に配置されている。アンテナ1Fと同様に、アンテナ1Gの第4導体50は、長尺部してのクランプ部132に対向する。基板132Bは、導電性材料を含んで構成されてよいし、樹脂材料等の任意の材料で構成されてよい。基板132Bのクランプ部132における位置は、アンテナ1Gの通信相手に応じて適宜調整されてよい。アンテナ1Gのその他の構成は、
図6に示すアンテナ1Fと同様である。
【0093】
[リアディレイラーの構成例]
図8は、
図5に示すリアディレイラー140の構成図である。リアディレイラー140は、
図5に示すフレーム101のリアフォークエンド101Hの付近に取り付け可能に構成される。リアディレイラー140は、運転者の操作に基づいて、リアスプロケット108に含まれる複数のスプロッケットの間でチェーン109を移動させる。リアディレイラー140は、右用のブレーキレバー130に対する運転者の操作に基づいて、チェーン109を移動させる。
【0094】
リアディレイラー140は、プーリ部140Aと、固定部142とを有する。プーリ部140Aは、本体部141(長尺部)と、ガイドプーリ143と、テンションプーリ144と、連結部材145(長尺部)とを含む。
【0095】
本体部141は、導電性材料を含んで構成される。本体部141は、固定部142からガイドプーリ143に向けて延びる。本体部141は、端部141Aを含む。端部141Aは、ガイドプーリ143の形状に依拠した、丸みを帯びた部分を含む。端部141Aの丸みを帯びた部分は、固定部142とは反対側を向く。つまり、端部141Aの丸みを帯びた部分は、
図5に示すブレーキレバー130の方を向く。
【0096】
固定部142は、本体部141の端部141Aとは反対側の端部に位置する。固定部142は、ボルト等の締結部材を挿入可能な貫通孔を含む。固定部142は、締結部材によって、
図5に示すフレーム101のリアフォークエンド101Hの付近に固定される。
【0097】
ガイドプーリ143とテンションプーリ144とは、互いに離れて位置する。ガイドプーリ143は、テンションプーリ144よりも、
図1に示すリアスプロケット108の側に位置する。ガイドプーリ143及びテンションプーリ144の各々は、自転車100のチェーン109を回転可能である。ガイドプーリ143及びテンションプーリ144の各々は、歯車を含んで構成される。ガイドプーリ143の歯車及びテンションプーリ144の歯車の各々には、
図1に示すチェーン109が掛けられる。
【0098】
連結部材145は、導電性部材を含んで構成される。連結部材145は、ガイドプーリ143からテンションプーリ144に向けて延びる。連結部材145は、ガイドプーリ143とテンションプーリ144とを連結する。連結部材145の一端には、ガイドプーリ143が位置する。連結部材145の他端には、テンションプーリ144が位置する。連結部材145は、外面145Aを含む。外面145Aは、連結部材145の外面のうち、本体部141とは反対側を向く外面である。つまり、外面145Aは、連結部材145の外面のうち、
図5に示すブレーキレバー130の方を向く外面である。
【0099】
本実施形態に係るリアディレイラー140は、アンテナ1H,1J,1Kの少なくとも何れかを備えてよい。リアディレイラー140は、アンテナ1H,1J,1Kの少なくとも何れかを備えることにより、無線通信機能を有し得る。無線通信機能を有するリアディレイラー140は、
図5に示す無線通信機能を有するブレーキレバー130と通信可能であってよい。この場合、アンテナ1H,1J,1Kは、リアディレイラー140において、通信相手としてのブレーキレバー130の方を向く箇所に配置されていてよい。また、運転者がリアディレイラー140を触る蓋然性は低い。リアディレイラー140にアンテナ1H,1J,1Kを配置させることにより、運転者がアンテナ1H,1J,1Kを触ることによりアンテナ1H,1J,1Kが故障する蓋然性が低減され得る。アンテナ1H,1J,1Kは、
図1に示すアンテナ1又は
図4に示すアンテナ1aと同様の構成である。つまり、アンテナ1H,1J,1Kは、第1導体31と、第2導体32と、第3導体40と、第4導体50と、給電線60とを含む。
【0100】
アンテナ1Hは、第4導体50が長尺部としての連結部材145に対向するように、リアディレイラー140に配置されていてよい。アンテナ1Hは、連結部材145上に配置されていてよい。アンテナ1Hが連結部材145に配置されている場合、連結部材145が
図3又は
図4に示す金属部品2に対応し得る。アンテナ1Hは、
図3及び
図4に示す回路基板70及び筐体80を備えない場合、第4導体50が、金属部品2としての連結部材145に直接接するように、連結部材145に配置されていてよい。アンテナ1Aと同様に、第4導体50が連結部材145に対向するようにアンテナ1Hを配置させることにより、導電性材料を含む連結部材145は、アンテナ1Hの
図1等に示すZ軸の負方向側に位置し得る。このような構成により、アンテナ1Hの放射効率が維持され得る。
【0101】
アンテナ1Hは、
図1等に示すX方向が、連結部材145が延びる方向に沿うように、連結部材145に配置されていてよい。このような構成とすることで、アンテナ1Aと同様に、アンテナ1Hが電磁波を放射するとき、連結部材145に電流を誘導されることができる。アンテナ1Hが電磁波を放射するとき、連結部材145に誘導させた電流を連結部材145が電磁波として放射することで、アンテナ1Hの総合放射効率が向上し得る。
【0102】
アンテナ1Hは、連結部材145の外面のうち、ブレーキレバー130の方を向く外面145A上に配置されていてよい。アンテナ1Hが外面145Aに配置されることにより、アンテナ1Hと通信相手としてのブレーキレバー130との間の通信効率が向上され得る。アンテナ1Hは、
図3又は
図4に示す二次放射器82を含まない場合、第3導体40が通信相手としてのブレーキレバー130の方を向くように、配置されていてよい。また、アンテナ1Hは、
図3又は
図4に示す二次放射器82を含む場合、二次放射器82の放射方向が通信相手としてのブレーキレバー130の方を向くように、配置されていてよい。つまり、
図3又は
図4に示すZ軸の正方向と、連結部材145からブレーキレバー130に向かう方向とが揃うように、配置されていてよい。電磁波を放射する第3導体40又は二次放射器82がブレーキレバー130の方を向くことにより、アンテナ1Hと、通信相手としてのブレーキレバー130との間の通信効率が向上され得る。
【0103】
アンテナ1J,1Kは、第4導体50が長尺部としての本体部141に対向するように、リアディレイラー140に配置されていてよい。アンテナ1J,1Kの各々が本体部141に配置されている場合、本体部141が
図3又は
図4に示す金属部品2に対応し得る。アンテナ1J,1Kは、
図3及び
図4に示す回路基板70及び筐体80を備えない場合、第4導体50が、金属部品2としての本体部141に直接接するように、本体部141に配置されていてよい。アンテナ1Hと同様に、第4導体50が本体部141に対向するようにアンテナ1J,1Kを配置させることにより、アンテナ1J,1Kの放射効率が維持され得る。
【0104】
アンテナ1J,1Kは、アンテナ1Hと同様に、
図3又は
図4に示す二次放射器82を含まない場合、第3導体40が通信相手としてのブレーキレバー130の方を向くように、配置されていてよい。また、アンテナ1J,1Kは、アンテナ1Hと同様に、
図3又は
図4に示す二次放射器82を含む場合、二次放射器82の放射方向が通信相手としてのブレーキレバー130の方を向くように、配置されていてよい。
【0105】
アンテナ1Jは、本体部141の端部141Aの丸みを帯びた部分に配置されていてよい。上述のように、端部141Aの丸みを帯びた部分は、
図5に示すブレーキレバー130の方を向く。アンテナ1Jが端部141Aの丸みを帯びた部分に配置されることにより、アンテナ1Jと、通信相手としてのブレーキレバー130との間の通信効率が向上され得る。
【0106】
アンテナ1Kは、基板141Bを介して本体部141に配置されていてよい。基板141Bは、導電性材料を含んで構成されてよいし、樹脂材料等の任意の材料で構成されてよい。基板141Bの本体部141における位置は、アンテナ1Kの通信相手に応じて適宜調整されてよい。
【0107】
[自転車の機能ブロック例]
図9は、
図5に示す自転車100の機能ブロック図である。自転車100は、ブレーキレバー130と、リアディレイラー140とを備える。ブレーキレバー130は、右用のブレーキレバーである。
【0108】
ブレーキレバー130は、無線通信モジュール135と、バッテリ136と、検出部137と、メモリ138と、コントローラ139とを含む。
【0109】
無線通信モジュール135は、
図6に示すアンテナ1A~1F及び
図7に示すアンテナ1Gの何れか、及び、RF(Radiation Frequency)モジュール等を含んで構成される。RFモジュールは、
図3又は
図4に示す回路基板70に実装されてよい。無線通信モジュール135は、任意の無線通信規格に基づいて構成されてよい。任意の無線通信規格は、近距離通信規格及び遠距離無線通信規格を含む。近距離通信規格は、WiFi(登録商法)、Bluetooth(登録商標)及び無線LAN(Local Area Network)を含んでよい。遠距離通信規格は、2G~5G(Generation)、LTE(Long Term Evolution)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)及びPHS(Personal Handy-phone System)を含んでよい。
【0110】
無線通信モジュール135は、コントローラ139の制御に基づいて、ブレーキレバー130からリアディレイラー140に送信信号を送信するように構成される。例えば、無線通信モジュール135のRFモジュールは、コントローラ139から送信信号を取得するように構成される。無線通信モジュール135のRFモジュールは、取得した送信信号に応じた電力を、無線通信モジュール135の共振器10の給電線60に供給するように構成される。送信信号に応じた電力が無線通信モジュール135の共振器10の給電線60に供給されることで、電磁波としての送信信号が、ブレーキレバー130からリアディレイラー140に送信され得る。
【0111】
無線通信モジュール135は、コントローラ139の制御に基づいて、リアディレイラー140からの電磁波を受信信号として受信するように構成される。無線通信モジュール135が受信した受信信号は、共振器10の給電線60を経由してコントローラ139に出力される。
【0112】
バッテリ136は、
図3に示すバッテリ73であってよいし、
図5に示すバッテリ110であってよい。バッテリ136は、
図3に示すバッテリ73である場合、無線通信モジュール135に含まれてよい。
【0113】
検出部137は、
図6に示す第1レバー部材133及び第2レバー部材134に対する運転者の操作を検出するように構成される。具体的には、検出部137は、第1レバー部材133及び第2レバー部材134の各々について、所定位置からの移動量を検出するように構成される。検出部137は、移動量を検出可能な任意のセンサ及び電気回路等を含んで構成されてよい。検出部137は、検出結果をコントローラ139に出力するように構成される。
【0114】
メモリ138は、例えば、半導体メモリ等で構成されてよい。メモリ138は、コントローラ139のワークメモリとして機能してよい。メモリ138は、コントローラ139に含まれてよい。
【0115】
コントローラ139は、例えば、プロセッサを含み得る。コントローラ139は、1以上のプロセッサを含んでよい。プロセッサは、特定のプログラムを読み込ませて特定の機能を実行する汎用のプロセッサ、及び、特定の処理に特化した専用のプロセッサを含んでよい。専用のプロセッサは、特定用途向けICを含んでよい。特定用途向けICは、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)ともいう。プロセッサは、プログラマブルロジックデバイスを含んでよい。プログラマブルロジックデバイスは、PLD(Programmable Logic Device)ともいう。PLDは、FPGA(Field-Programmable Gate Array)を含んでよい。コントローラ139は、1つ又は複数のプロセッサが協働するSoC(System-on-a-Chip)及びSiP(System In a Package)の何れかであってよい。コントローラ139は、メモリ138に、各種情報又はブレーキレバー130の各構成部を動作させるためのプログラム等を格納するように構成されてよい。
【0116】
コントローラ139は、無線通信モジュール135によって、ブレーキレバー130からリアディレイラー140に送信する送信信号を生成するように構成されてよい。例えば、コントローラ139は、検出部137の検出結果に基づいて、リアディレイラー140の変速段に関する情報を検出するように構成されてよい。リアディレイラー140の変速段に関する情報は、リアディレイラー140の変速段を何段アップさせるか、又は、リアディレイラー140の変速段を何段ダウンさせるかといった情報が含まれ得る。コントローラ139は、検出したリアディレイラー140の変速段に関する情報に応じた送信信号を生成するように構成されてよい。コントローラ139は、生成した送信信号を、無線通信モジュール135に出力するように構成される。
【0117】
コントローラ139は、無線通信モジュール135によって、リアディレイラー140からの電磁波を受信信号として受信するように構成されてよい。
【0118】
リアディレイラー140は、無線通信モジュール146と、バッテリ147と、駆動部148と、メモリ149と、コントローラ150とを含む。
【0119】
無線通信モジュール146は、
図8に示すアンテナ1H,1J,1Kの何れか、及び、RFモジュール等を含んで構成される。無線通信モジュール146は、無線通信モジュール135と同様に、任意の無線通信規格に基づいて構成されてよい。任意の無線通信規格は、無線通信モジュール135にて上述したような、近距離無線通信規格及び遠距離無線通信規格を含んでよい。
【0120】
無線通信モジュール146は、コントローラ150の制御に基づいて、リアディレイラー140からブレーキレバー130に送信信号を送信するように構成される。例えば、無線通信モジュール146のRFモジュールは、コントローラ150から送信信号を取得するように構成される。無線通信モジュール146のRFモジュールは、取得した送信信号に応じた電力を、無線通信モジュール146の共振器10の給電線60に供給するように構成される。送信信号に応じた電力が無線通信モジュール146の共振器10の給電線60に供給されることで、電磁波としての送信信号が、リアディレイラー140からブレーキレバー130に送信され得る。
【0121】
無線通信モジュール146は、コントローラ150の制御に基づいて、ブレーキレバー130からの電磁波を受信信号として受信するように構成される。無線通信モジュール146が受信した受信信号は、共振器10の給電線60を経由してコントローラ150に出力される。
【0122】
バッテリ147は、
図3に示すバッテリ73であってよいし、
図5に示すバッテリ110であってよい。バッテリ147は、
図3に示すバッテリ73である場合、無線通信モジュール146に含まれてよい。
【0123】
駆動部148は、電気モータ等のアクチュエータを含んで構成される。駆動部148は、コントローラ150の制御に基づいて、リアスプロケット108に含まれる複数のスプロッケットの間でチェーン109を移動させる。
【0124】
メモリ149は、例えば、半導体メモリ等で構成されてよい。メモリ149は、コントローラ150のワークメモリとして機能してよい。メモリ149は、コントローラ150に含まれてよい。
【0125】
コントローラ150は、例えば、プロセッサを含み得る。コントローラ150は、1以上のプロセッサを含んでよい。プロセッサは、特定のプログラムを読み込ませて特定の機能を実行する汎用のプロセッサ及び特定の処理に特化した専用のプロセッサを含んでよい。専用のプロセッサは、特定用途向けICを含んでよい。プロセッサは、プログラマブルロジックデバイスを含んでよい。PLDは、FPGAを含んでよい。コントローラ150は、1つ又は複数のプロセッサが協働するSoC及びSiPの何れかであってよい。コントローラ150は、メモリ149に、各種情報又はリアディレイラー140の各構成部を動作させるためのプログラム等を格納するように構成されてよい。
【0126】
コントローラ150は、無線通信モジュール146によって、ブレーキレバー130からの電磁波を受信信号として受信するように構成されてよい。この受信信号には、リアディレイラー140の変速段に関する情報が含まれ得る。コントローラ150は、リアディレイラー140の変速段に関する情報に基づいて、駆動部148を駆動させてよい。換言すると、コントローラ150は、リアディレイラー140の変速段に関する情報に基づいて、リアスプロケット108に含まれる複数のスプロッケットの間でチェーン109を移動させてよい。
【0127】
コントローラ150は、無線通信モジュール146によって、リアディレイラー140からブレーキレバー130に送信する送信信号を生成するように構成されてよい。
【0128】
このようにブレーキレバー130では、第4導体50が導電性材料を含む第1レバー部材133又はクランプ部132に対向するように、アンテナ1A~1Fが配置されることにより、アンテナ1A~1Fの放射効率が維持され得る。また、リアディレイラー140では、第4導体50が導電性材料を含む本体部141又は連結部材145に対向するように、アンテナ1G,1H,1Jが配置されることにより、アンテナ1G,1H,1Jの放射効率が維持され得る。このような構成により、ブレーキレバー130とリアディレイラー140とは、互いに無線通信するように構成され得る。ブレーキレバー130とリアディレイラー140とが互いに無線通信するように構成されることにより、自転車100に取り付けられるケーブル等の有線を減らすことができる。自転車100に取り付けられる有線を減らすことで、自転車100は、軽量化され得る。自転車100が軽量化されることにより、自転車100の利便性が向上し得る。よって、本開示の一実地形態によれば、新たなブレーキレバーが提供され得る。
【0129】
本開示に係る構成は、以上説明してきた実施形態にのみ限定されるものではなく、幾多の変形又は変更が可能である。例えば、各構成部等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0130】
例えば、上述の実施形態では、ブレーキレバー130の通信相手は、リアディレイラー140であるものとして説明した。また、リアディレイラー140の通信相手は、ブレーキレバー130であるものとして説明した。ただし、ブレーキレバー130の通信相手は、リアディレイラー140に限定されない。また、リアディレイラー140の通信相手は、ブレーキレバー130に限定されない。ブレーキレバー130及びリアディレイラー140の各々の通信相手には、自転車100のコンポーネント外部機器等が含まれてよい。例えば、ブレーキレバー130及びリアディレイラー140の通信相手としての自転車100のコンポーネントには、フロントディレイラー120、及び、マルチファンクションディスプレイ等が含まれてよい。例えば、ブレーキレバー130及びリアディレイラー140の通信相手としての外部機器には、運転者のスマートフォン、及び、サーバ装置等が含まれてよい。
【0131】
上述の実施形態では、ブレーキレバー130は、リアディレイラー140に対する運転者の操作を検出するように構成されるものとして説明した。具体的には、第1レバー部材133の仕様において、第1レバー部材133を方向Bの方へ動かすと、リアディレイラー140の変速段がダウンするものとして説明した。また、第2レバー部材134の仕様において、第2レバー部材134を方向Bの方に動かすと、リアディレイラー140の変速段がアップするものとして説明した。ただし、ブレーキレバー130は、自転車100の任意のコンポーネントに対する運転者の操作を検出するように構成されてよい。例えば、第2レバー部材134は、任意のコンポーネントに対する運転者の操作を検出可能に構成されてよい。
【0132】
本開示に係る構成を説明する図は、模式的なものである。図面上の寸法比率等は、現実のものと必ずしも一致しない。
【0133】
本開示において「第1」、「第2」、「第3」等の記載は、当該構成を区別するための識別子の一例である。本開示における「第1」及び「第2」等の記載で区別された構成は、当該構成における番号を交換することができる。例えば、第1導体は、第2導体と識別子である「第1」と「第2」とを交換することができる。識別子の交換は同時に行われる。識別子の交換後も当該構成は区別される。識別子は削除してよい。識別子を削除した構成は、符号で区別される。本開示における「第1」及び「第2」等の識別子の記載のみに基づいて、当該構成の順序の解釈、小さい番号の識別子が存在することの根拠、及び、大きい番号の識別子が存在することの根拠に利用してはならない。
【符号の説明】
【0134】
1,1a,1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G,1H,1J,1K アンテナ
2 金属部品
10 共振器
20 基体
21 上面
22 下面
30 対導体
31 第1導体
32 第2導体
33,34 導体層
35,36 導体
40 第3導体
41 第1導体層
42,42A,42B 第2導体層
50 第4導体
51 開口
60 給電線
70 回路基板
71 絶縁性基板
72 導体層
73 バッテリ
80,81 筐体
80A,81A 上面
81B 下面
82 二次放射器
82A 第1部位
82B 第1延部
82C 第2延部
100 自転車
101 フレーム
101A ヘッドチューブ
101B フロントフォーク
101C シートステー
101D ダウンチューブ
101H リアフォークエンド
102R,102L ハンドルバー
103 クランク
103A クランク軸
103B アーム
104 ペダル
105 前輪
106 後輪
107 フロントスプロケット
108 リアスプロケット
109 チェーン
110 バッテリ
120 フロントディレイラー
130 ブレーキレバー
131 本体部
132 クランプ部(長尺部)
132A 外面
132B 基板
133 第1レバー部材(長尺部)
133A,133B 外面
134 第2レバー部材
134A 板状部
134B 外面
134C 側面
134D 連結部
135 無線通信モジュール
136 バッテリ
137 検出部
138 メモリ
139 コントローラ
140 リアディレイラー(変速機)
140A プーリ部
141 本体部(長尺部)
141A 端部
141B 基板
142 固定部
143 ガイドプーリ
144 テンションプーリ
145 連結部材(長尺部)
145A 外面
146 無線通信モジュール
147 バッテリ
148 駆動部
149 メモリ
150 コントローラ