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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-14
(45)【発行日】2022-10-24
(54)【発明の名称】ゲームプログラムおよび情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/47 20140101AFI20221017BHJP
   A63F 13/80 20140101ALI20221017BHJP
   A63F 13/822 20140101ALI20221017BHJP
   A63F 13/55 20140101ALI20221017BHJP
   A63F 13/58 20140101ALI20221017BHJP
   A63F 13/52 20140101ALI20221017BHJP
【FI】
A63F13/47
A63F13/80 A
A63F13/822
A63F13/55
A63F13/58
A63F13/52
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019174288
(22)【出願日】2019-09-25
(65)【公開番号】P2021049165
(43)【公開日】2021-04-01
【審査請求日】2020-06-18
(73)【特許権者】
【識別番号】503057374
【氏名又は名称】株式会社アニプレックス
(74)【代理人】
【識別番号】100109081
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 友由
(72)【発明者】
【氏名】小野木 航
【審査官】宇佐田 健二
(56)【参考文献】
【文献】特許第5443642(JP,B1)
【文献】特開2000-167247(JP,A)
【文献】“エラキス2[進感覚ダイスバトルRPG]の評価とアプリ情報”,GameWith,日本,株式会社GameWith,2017年04月20日,pp.1-7,https://gamewith.jp/gamedb/show/931?from=ios,[2021年7月23日検索]
【文献】ソシャゲ@pp,“《エラキス 永遠の塔と騎士の物語》をレビュー!遊んだ感想&評価",INTERNETARCHIVE waybackmachine,日本,Internet Archive,2016年07月15日,pp.1-14,https://web.archive.org/web/20160715113649/http://smartphone-netgame.com/2016/07/13/erakis/,[2021年7月23日検索]
【文献】AppMedia編集部,“ドラゴンボールレジェンズのバトルシステムと操作方法”,AppMedia,日本,AppMedia株式会社,2018年06月21日,pp.1-7,https://appmedia.jp/dble/1832889,[2021年7月23日検索]
【文献】“戦略的ボードゲームでRPG要素も満点な『エラキス』の魅力まとめ!”,ファミ通App,日本,株式会社KADOKAWA Game Linkage,2016年06月23日,pp.1-8,https://app.famitsu.com/20160623_749557/,[2022年08月30日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98,9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示されるゲームフィールドに含まれる複数のマス上をプレイヤキャラクタが移動する擬似的なボードゲームのゲームプログラムであって、
コンピュータを、
ボードゲームに参加するボードチームを編成する第1編成画面であって、複数のプレイヤキャラクタを選択するための第1編成画面を表示するボードチーム編成部と、
ゲームフィールド内で、ユーザからの指示に応じてプレイヤキャラクタがマス上を移動するように、ボードチームのプレイヤキャラクタの動きを決定して、ボードゲームを制御するボードゲーム制御部と、
バトルゲームに参加するバトルチームを編成する第2編成画面であって、複数のプレイヤキャラクタを選択するための第2編成画面を表示するバトルチーム編成部と、
ボードゲームの実行中に所定のバトル条件が成立すると、バトルチームのプレイヤキャラクタと、別のキャラクタとが戦うバトルゲームを制御するバトルゲーム制御部と、して機能させ、
前記ボードゲーム制御部は、ボードチームのプレイヤキャラクタが振ったサイコロの出た目の数で行くことのできる1つ以上のマスを、他のマスとは異なる態様で表示し、ユーザが他のマスとは異なる態様で表示されているマスを選択すると、ボードチームのプレイヤキャラクタの移動先をユーザが選択したマスに決定し、
前記ボードゲーム制御部は、ボードチームのプレイヤキャラクタが相手キャラクタとサイコロの出目を競うサイコロ出目勝負を実行する、
ことを特徴とするゲームプログラム。
【請求項2】
各キャラクタには、複数種類のパラメータが設定されており、
前記ボードゲーム制御部は、ボードチームの複数のプレイヤキャラクタのパラメータ値を統合した統合値を、ボードゲームで使用するゲームパラメータに反映する、
ことを特徴とする請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記ボードゲーム制御部は、ボードチームの複数のプレイヤキャラクタのパラメータ値を加算した統合値を、ゲームパラメータに反映する、
ことを特徴とする請求項2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記バトルゲーム制御部は、ボードゲームにおいてプレイヤキャラクタが特定のマスに止まったことを条件として、バトルゲームのゲーム画面を表示する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記ボードチーム編成部は、マス上を移動する駒キャラクタを選択するための領域を表示する、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のゲームプログラム。
【請求項6】
擬似的なボードゲームに参加するボードチームを編成する第1編成画面であって、複数のプレイヤキャラクタを選択するための第1編成画面を表示するボードチーム編成部と、
ゲームフィールド内で、ユーザからの指示に応じてプレイヤキャラクタがマス上を移動するように、ボードチームのプレイヤキャラクタの動きを決定して、ボードゲームを制御するボードゲーム制御部と、
バトルゲームに参加するバトルチームを編成する第2編成画面であって、複数のプレイヤキャラクタを選択するための第2編成画面を表示するバトルチーム編成部と、
ボードゲームの実行中に所定のバトル条件が成立すると、バトルチームのプレイヤキャラクタと、別のキャラクタとが戦うバトルゲームを制御するバトルゲーム制御部と、を備え、
前記ボードゲーム制御部は、ボードチームのプレイヤキャラクタが振ったサイコロの出た目の数で行くことのできる1つ以上のマスを、他のマスとは異なる態様で表示し、ユーザが他のマスとは異なる態様で表示されているマスを選択すると、ボードチームのプレイヤキャラクタの移動先をユーザが選択したマスに決定し、
前記ボードゲーム制御部は、ボードチームのプレイヤキャラクタが相手キャラクタとサイコロの出目を競うサイコロ出目勝負を実行する、
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、擬似的なボードゲームをユーザにプレイさせるためのゲームプログラムおよび情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
キャラクタを操作してゲームフィールド内を移動させ、敵キャラクタを倒したり、アイテムを取得したりしながら、所定のミッションを達成することを目的とするビデオゲームが多数提供されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ビデオゲームの普及前、人々は一つの場所に集まり、ボード(盤)上に駒やカードを配置して遊ぶボードゲームを楽しんでいた。近年、ゲームプログラムを端末装置にダウンロードして楽しむことが一般的になり、数多くの種類のビデオゲームが流通しているが、端末装置上で擬似的なボードゲームをプレイさせるものは多くない。
【0004】
本発明は上記課題に基づいてなされたものであり、1つの目的は、スマートフォンなどの端末装置上で、擬似的なボードゲームをユーザにプレイさせるためのプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明のある態様は、表示されるゲームフィールドに含まれる複数のマス上をプレイヤキャラクタが移動する擬似的なボードゲームのゲームプログラムに関する。このゲームプログラムは、コンピュータを、ボードゲームに参加するボードチームを編成する第1編成画面であって、複数のプレイヤキャラクタを選択するための第1編成画面を表示するボードチーム編成部と、ゲームフィールド内で、ユーザからの指示に応じてプレイヤキャラクタがマス上を移動するように、ボードチームのプレイヤキャラクタの動きを決定して、ボードゲームを制御するボードゲーム制御部と、バトルゲームに参加するバトルチームを編成する第2編成画面であって、複数のプレイヤキャラクタを選択するための第2編成画面を表示するバトルチーム編成部と、ボードゲームの実行中に所定のバトル条件が成立すると、バトルチームのプレイヤキャラクタと、別のキャラクタとが戦うバトルゲームを制御するバトルゲーム制御部と、して機能させる。
【0006】
本発明の別の態様の情報処理装置は、擬似的なボードゲームに参加するボードチームを編成する第1編成画面であって、複数のプレイヤキャラクタを選択するための第1編成画面を表示するボードチーム編成部と、ゲームフィールド内で、ユーザからの指示に応じてプレイヤキャラクタがマス上を移動するように、ボードチームのプレイヤキャラクタの動きを決定して、ボードゲームを制御するボードゲーム制御部と、バトルゲームに参加するバトルチームを編成する第2編成画面であって、複数のプレイヤキャラクタを選択するための第2編成画面を表示するバトルチーム編成部と、ボードゲームの実行中に所定のバトル条件が成立すると、バトルチームのプレイヤキャラクタと、別のキャラクタとが戦うバトルゲームを制御するバトルゲーム制御部と、を備える。
【0007】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を、システム、ゲームプログラムを実行する情報処理装置、ゲームプログラムを格納した記録媒体などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、端末装置上で、擬似的なボードゲームをユーザにプレイさせるためのプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例のゲームシステムの概略構成を示す図である。
図2】ボードゲーム画面の例を示す図である。
図3】端末装置の機能ブロックを示す図である。
図4】メニュー画面の例を示す図である。
図5】ボードチームの編成画面の例を示す図である。
図6】バトルチームの編成画面の例を示す図である。
図7】ボードゲーム画面の例を示す図である。
図8】バトルゲーム画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、実施例のゲームシステム1の概略構成を示す。ゲームシステム1は、インターネットなどのネットワーク2に接続されたサーバ3と、複数の端末装置10を備える。実施例の端末装置10は、携帯電話の基地局または無線LANルータである無線局4と無線通信する機能を有し、ネットワーク2経由でサーバ3と通信可能に接続できる。端末装置10は、擬似的なボードゲームのゲームプログラムをインストールした情報処理装置であって、ユーザによって操作される。実施例の端末装置10はスマートフォンやタブレット端末などの携帯型の電子機器であるが、無線通信機能を有しないパーソナルコンピュータなどの電子機器であってもよい。
【0011】
サーバ3は、端末装置10におけるゲームの進行を支援する外部装置であり、端末装置10におけるゲームプログラムの実行時に必要となる各種データを端末装置10に提供する。サーバ3は各種データを端末装置10からの要求に応じて都度提供してもよく、端末装置10におけるゲーム開始前に一括して提供してもよい。たとえばサーバ3は、ボードゲームのゲームフィールドが変更されると、新しいゲームフィールドを構成するデータを端末装置10に提供してもよい。
【0012】
図2は、ボードゲーム画面の例を示す。表示されるゲームフィールドには、複数のマスが配置され、プレイヤキャラクタは、振ったサイコロの目の数だけマス上を移動する。様々な種類のマスが存在し、たとえば専用通貨やゲームを有利にするためのアイテムを獲得するためのマス、物品を購入するためのマス、後述するバトルゲームを行うためのマスなどが存在する。
【0013】
実施例のボードゲームでは、ゲームフィールドごとにクエストが設定され、ユーザが操作するプレイヤキャラクタが、他のユーザ(またはコンピュータ)のキャラクタと競って、クエストクリアを目指す。あるクエストでは、資産を集めて所定回数のターン終了時の総資産の額を競い、また別のクエストでは、所定の物品を必要な数だけ集めてゴールを目指す。クエストをクリアするためには、キャラクタのパラメータ値が高い方が有利であり、ユーザはキャラクタを強化して各種パラメータ値を高めることで、ボードゲームを有利に進行できる。
【0014】
キャラクタを強化する(レベルを上げる)ためには、ユーザはクエストで獲得したポイント(経験値)を利用して、強化したいパラメータのレベルを上げる。なおキャラクタはレアリティを持ち、レアリティが高いほど、強化できるレベルの限界が高くなる。
【0015】
ゲームプログラムは、複数のユーザが一緒にゲームを楽しむことのできるマルチプレイモードを搭載することが好ましい。本来、ボードゲームは複数人で楽しむものであり、マルチプレイモードを実装することで、ボードゲーム特有の面白さをユーザに提供できる。マルチプレイモードの実施中、サーバ3は、1つの端末装置10におけるゲームの操作情報を受信して、グループ内の他の端末装置10に送信する。サーバ3がマルチプレイモードを実現するためのゲームサーバとして機能することで、複数のユーザが、一緒にボードゲームをプレイできる。
【0016】
図3は、端末装置10の機能ブロックを示す。端末装置10は、入力部12、通信部14、出力部16、制御部20および記憶部50を備える。入力部12は、ユーザが操作情報を入力するためのユーザインタフェースであり、タッチ入力を可能とするタッチスクリーンであってよい。出力部16は、ゲーム画像を出力するディスプレイおよびゲーム音声を出力するスピーカを備える。入力部12であるタッチスクリーンおよび出力部16であるディスプレイは、タッチパネルとして構成されてよい。通信部14は無線通信機能を有して、無線局4と無線接続する。制御部20は通信部14経由で、サーバ3との間でデータを送受信する。
【0017】
制御部20は、端末装置10を制御するための各種データ処理を実行する。制御部20は、操作受付部22、キャラクタ管理部24、ボードゲーム制御部26、ボードチーム編成部28、バトルゲーム制御部30、バトルチーム編成部32、ゲーム画像生成部34、ゲーム音声生成部36およびメニュー画像生成部38を有する。操作受付部22は、入力部12に入力された、ゲームに対するユーザの操作を受け付け、ユーザの操作情報を他の機能ブロックへ通知する。
【0018】
図3に示す各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのプロセッサ、CPU、GPU、メモリをはじめとする素子や電子回路、機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはシステムソフトウェアやゲームプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。実施例におけるボードゲームのプログラムは記憶部50にインストールされており、端末装置10のプロセッサは、ゲームプログラムをメインメモリに読み出して実行することにより、制御部20のブロックの機能を発揮する。これらの機能ブロックがハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0019】
記憶部50は、キャラクタ記憶部52およびフィールド記憶部54を有する。
キャラクタ記憶部52は、ユーザが所有するキャラクタに関するデータを記憶する。キャラクタに関するデータは、キャラクタの個体識別番号(同じ種類のキャラクタであっても個々に異なる)、2Dモデルデータ、3Dモデルデータ、レアリティ、複数種類の属性値、複数種類のパラメータ値を含む。
【0020】
ユーザはクエストで獲得したポイント(経験値)を利用して、強化したいパラメータのレベルを上げる。パラメータには様々な種類が存在しており、ユーザは用途に応じて、各キャラクタのパラメータを強化する。キャラクタ管理部24は、キャラクタに関するデータおよび情報を管理し、パラメータの強化が行われると、更新されたパラメータ値をキャラクタ記憶部52に記憶する。
【0021】
フィールド記憶部54は、ゲームフィールドを構成するデータを記憶する。端末装置10は、ゲームの開始前に、サーバ3からゲームフィールドを提供されてよい。サーバ3がゲームフィールドを定期的にアップデートする場合、サーバ3は、新たなゲームフィールを作成する度に端末装置10に提供してよい。これによりユーザは、定期的に更新される新しいゲームフィールドを楽しむことができる。
【0022】
実施例のゲームは、ボードゲーム形式で実施するクエスト内に、バトルゲームを取り込んでいることを一つの特徴とする。バトルゲームに勝利することで、クエストをクリアするための報酬が得られるため、バトルゲームはクエストクリアのための重要なゲーム要素となる。
【0023】
クエスト出発前、ユーザはメニュー画面を開いて、チーム編成を行う。
図4は、メニュー画面の例を示す。操作受付部22が、ユーザからメニュー画面の表示指示を受け付けると、メニュー画像生成部38は、メニュー画面を生成して、出力部16に表示する。メニュー画面90には、「ボードチーム編成」、「バトルチーム編成」、「キャラクタ一覧」の選択項目が表示される。クエスト出発前、ユーザは、ボードゲームに参加するボードチームと、バトルゲームに参加するバトルチームを編成する。
【0024】
まずユーザは、メニュー画面90の「ボードチーム編成」を選択する。
図5は、ボードチームの編成画面の例を示す。ボードチーム編成部28は、ボードゲームに参加するボードチームを編成する編成画面であって、複数のプレイヤキャラクタを選択するためのボードチーム編成画面100を出力部16に表示する。
【0025】
チームメンバ選択領域104は、ボードチームを構成する複数のキャラクタを選択するための領域である。実施例においてボードチームは、4人のキャラクタにより構成される。駒キャラクタ選択領域102は、4人のキャラクタを代表してゲームフィールド内のマス上を移動する駒キャラクタを選択するための領域である。そのため駒キャラクタ選択領域102で選択されるキャラクタは、チームメンバ選択領域104においても必ず選択されることになる。
【0026】
ユーザが、おまかせボタン106をタップすると、駒キャラクタおよび他のキャラクタが自動で選択されて、キャラクタアイコンが駒キャラクタ選択領域102およびチームメンバ選択領域104に表示される。このときパラメータに応じた自動編成が行われてもよい。なおユーザがキャラクタアイコンをタップすると、ユーザが所有するキャラクタのリストが表示されて、ボードチームに加えたいキャラクタを選択できる。
【0027】
各キャラクタは、ボードゲーム用のパラメータとして、「収益率」、「商品割引率」、「出目勝負力」を設定されている。
「収益率」は、クエスト内でシンボルと呼ばれる物品を購入したときに、勘定のタイミングが来たときに得られる購入費用に対する回収率に関するパラメータである。
「商品割引率」は、物品などを購入する際の割引率に関するパラメータである。
「出目勝負力」は、駒キャラクタが相手のキャラクタと同じマスに止まったときに、サイコロ出目勝負で使用できるサイコロの数を決めるためのパラメータである。
これらのパラメータ値は、レベルを上げることで更新される。
【0028】
ボードゲーム制御部26は、ボードチームの複数のプレイヤキャラクタのパラメータ値を統合した統合値を、ボードゲームで使用するゲームパラメータに反映する。つまり各キャラクタは、「収益率」、「商品割引率」、「出目勝負力」のパラメータ値を有しているが、ボードゲームでは、ボードチームを構成する全てのキャラクタのパラメータ値を統合した統合値が、ゲームパラメータとして使用される。
【0029】
ボードチーム編成画面100において、統合値表示領域110は、4人のキャラクタのパラメータ値を統合した統合値を表示する。つまり「合計収益率」は、4人のキャラクタの「収益率」を統合した統合値を、「合計商品割引率」は、4人のキャラクタの「商品割引率」を統合した統合値を、「合計出目勝負力」は、4人のキャラクタの「出目勝負力」を統合した統合値を示す。ここでボードゲーム制御部26は、統合処理として、全てのキャラクタのパラメータ値を加算しているが、それ以外の演算によって統合値を算出してよい。
【0030】
合計収益率が30%であって、プレイヤキャラクタが物品を1000コインで購入した場合、ボードゲーム制御部26は、勘定のタイミングで、1000コインの30%、つまり300コインをプレイヤキャラクタの総資産に加算する。そのため合計収益率が高いほど、回収できるコインは多くなる。
【0031】
合計商品割引率が1%である場合、プレイヤキャラクタは、物品やアイテムを1%割引で購入できる。そのため合計商品割引率が高いほど、物品やアイテムをお得に購入できるようになる。
【0032】
合計出目勝負力が250である場合、サイコロ出目勝負に使用できるサイコロの数は3つとなる。サイコロ出目勝負は、2人の駒キャラクタが同じマスに止まったときに発生し、それぞれが1つ以上のサイコロを振ったときの総出目数で勝負を着ける。ここで使用できるサイコロ数は、合計出目勝負力を100で割ったときの整数商に1を加算した数となる。この場合、250を100で割ったときの整数商が2であるため、それに1を加算した3が、サイコロ出目勝負に使用できるサイコロ数となる。サイコロ出目勝負では総出目数を競うため、振るサイコロの数が多い方が有利となる。
【0033】
このように実施例のボードゲーム制御部26は、ボードチームの複数のプレイヤキャラクタのパラメータ値を統合した統合値を、ボードゲームで使用するゲームパラメータに反映するため、統合値表示領域110に示される統合値が高くなるようにボードチームを編成することが好ましい。たとえば、相手に対してサイコロ出目勝負を仕掛けたい場合には、ユーザは、合計出目勝負力が高くなるように複数のキャラクタを選択する。ユーザが決定ボタン108をタップすると、ボードデッキの編成が確定する。
【0034】
次にユーザは、メニュー画面90を出力部16に表示させ、「バトルチーム編成」を選択する。
図6は、バトルチームの編成画面の例を示す。バトルチーム編成部32は、バトルゲームに参加するバトルチームを編成する編成画面であって、複数のプレイヤキャラクタを選択するためのバトルチーム編成画面120を出力部16に表示する。
【0035】
チームメンバ選択領域122は、バトルチームを構成する複数のキャラクタを選択するための領域である。実施例においてバトルチームは、4人のキャラクタにより構成される。各キャラクタには戦闘属性が割り当てられており、戦闘属性は、相手キャラクタの戦闘属性との間の相性を定める要素となる。そのためユーザは、バトル用のパラメータ値のみならず、戦闘属性も加味して複数のキャラクタを選択する。
【0036】
ユーザが、おまかせボタン124をタップすると、キャラクタが自動で選択されて、チームメンバ選択領域122に表示される。このとき戦闘属性に応じた自動編成が行われてもよい。なおユーザがキャラクタアイコンをタップすると、ユーザが所有するキャラクタのリストが表示されて、バトルチームに加えたいキャラクタを選択できる。各キャラクタは、バトルゲーム用のパラメータとして、「HP」、「攻撃力」、「素早さ」を設定されている。これらのパラメータ値は、レベルを上げることで更新される。ユーザが決定ボタン108をタップすると、バトルデッキの編成が確定する。
【0037】
ボードデッキおよびバトルデッキの編成が終了すると、ボードゲーム制御部26は、ゲームフィールド内で、ユーザからの指示に応じてプレイヤキャラクタがマス上を移動するように、ボードチームのプレイヤキャラクタの動きを決定して、ボードゲームを制御する。マルチプレイモードを実施する場合、ボードゲーム制御部26は、プレイヤキャラクタの操作情報をサーバ3経由で他の端末装置10に送信し、他のユーザがキャラクタを操作した操作情報をサーバ3経由で他の端末装置10から受信する。ボードゲーム制御部26は、ゲームフィールド内で駒キャラクタを動かし、ゲーム画像生成部34は、駒キャラクタが存在するゲームフィールドの空間をレンダリングして、ユーザに提供するゲーム画像を生成し、ゲーム音声生成部36はゲーム音声を生成する。
【0038】
図7は、ボードゲーム画面の例を示す。ユーザは、駒キャラクタの動きを操作する。駒キャラクタは、自分のターンがくると、サイコロを振って、出た目の数だけマスを移動する。サイコロの出目は、抽選によって決定される。このときボードゲーム制御部26は、出た目の数で行くことのできるマスを、他のマスとは異なる態様で表示する。たとえば出た目が「3」である場合、3つ先となる1つ以上のマスを光らせて表示してよい。これによりユーザは、止まることのできるマスを容易に認識できる。ユーザは、光っているマスをタップすることで、駒キャラクタの移動先を決定してよい。
【0039】
各マスには機能が割り当てられており、ユーザは、ゲームを有利に進められるマスに駒キャラクタを移動させる。ボードゲーム制御部26は、駒キャラクタが止まったマスの機能を実施する。たとえば専用通貨を獲得するためのマスであれば、ボードゲーム制御部26は、駒キャラクタに、専用通貨を提供する。このとき専用通貨の額を決めるミニゲームを実施して、ミニゲームの結果で額を決定してよい。
【0040】
バトルゲーム制御部30は、ボードゲームの実行中に所定のバトル条件が成立すると、バトルチームのプレイヤキャラクタと、別のキャラクタとが戦うバトルゲームを制御する。具体的にバトルゲーム制御部30は、ボードゲームにおいてプレイヤキャラクタが特定のマス(バトルマス)に止まったことを条件として、バトルゲームのゲーム画面を入力部12に表示させる。
【0041】
図8は、バトルゲーム画面の例を示す。バトルゲームでは、攻撃対象となる相手のキャラクタを指定し、プレイヤキャラクタが、指定した相手キャラクタを攻撃する。このときユーザは、プレイヤキャラクタと相手キャラクタとの属性の相性を加味して、攻撃する相手キャラクタを指定することが好ましい。ATボタンをタップすると、バトルが自動的に実施される。バトルゲーム制御部30はバトルゲームを制御し、ゲーム画像生成部34が、バトル空間をレンダリングして、ユーザに提供するゲーム画像を生成し、ゲーム音声生成部36はゲーム音声を生成する。バトルゲーム制御部30は、バトルゲームの結果をボードゲーム制御部26に通知する。ボードゲーム制御部26は、バトルゲームに勝利していれば、プレイヤキャラクタに、クエストクリアに有利となる報酬を与える。
【0042】
ボードゲーム制御部26は、相手のキャラクタが止まっているマスに駒キャラクタが止まると、サイコロ出目勝負を開始する。ボードゲーム制御部26は、各ボードチームの合計出目勝負力を計算して、サイコロ数を決定し、決定した個数のサイコロの出目を抽選により決定する。ゲーム画像生成部34は、出目勝負のゲーム画面で、決定された出目となるようにサイコロを表示する。ボードゲーム制御部26は、駒キャラクタの出目の総和と相手キャラクタの出目の総和とを比較して、勝敗を決定する。勝敗の結果は、クエストクリアの報酬として与えられる。
【0043】
実施例のゲームプログラムは、バトルゲームの要素を取り込んだ擬似的なボードゲームを実現する。ゲームにおいてキャラクタの強化は、ゲームを有利に進めるための要素となるが、1つのゲームプログラムが、ボードゲームとバトルゲームとを提供することで、ユーザは、ボードゲーム用のパラメータとバトルゲーム用のパラメータの双方を強化する楽しみを得られる。たとえばユーザは、ボードゲーム用のキャラクタと、バトルゲーム用のキャラクタとを完全に切り分けて、それぞれを育成してもよいし、愛着あるキャラクタの双方のパラメータを強化してもよい。
【0044】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、実施例に記載の各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0045】
実施例でゲームは、端末装置10にゲームプログラムがインストールされる、いわゆるネイティブアプリケーションとして説明した。変形例として、実施例と同内容のゲームが、ウェブアプリケーションとして提供されてもよく、いわゆるブラウザゲームとして実現されてもよい。この場合、サーバ3は、図3に示した機能ブロックの少なくとも一部を備えてもよく、端末装置10は、サーバ3による処理結果を取得してゲーム画面を表示する構成であってもよい。
【符号の説明】
【0046】
1・・・ゲームシステム、3・・・サーバ、10・・・端末装置、12・・・入力部、14・・・通信部、16・・・出力部、20・・・制御部、22・・・操作受付部、24・・・キャラクタ管理部、26・・・ボードゲーム制御部、28・・・ボードチーム編成部、30・・・バトルゲーム制御部、32・・・バトルチーム編成部、34・・・ゲーム画像生成部、36・・・ゲーム音声生成部、38・・・メニュー画像生成部、50・・・記憶部、52・・・キャラクタ記憶部、54・・・フィールド記憶部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8