(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-14
(45)【発行日】2022-10-24
(54)【発明の名称】生体膜を低減又は除去する方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/00 20060101AFI20221017BHJP
A61M 27/00 20060101ALI20221017BHJP
【FI】
A61B17/00 700
A61M27/00
(21)【出願番号】P 2019548698
(86)(22)【出願日】2018-03-05
(86)【国際出願番号】 US2018020877
(87)【国際公開番号】W WO2018165004
(87)【国際公開日】2018-09-13
【審査請求日】2021-02-19
(32)【優先日】2017-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502167588
【氏名又は名称】ミソニクス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100158920
【氏名又は名称】上野 英樹
(72)【発明者】
【氏名】ミクス, ポール
(72)【発明者】
【氏名】ヴォイク, ダン
(72)【発明者】
【氏名】イソラ, スコット
【審査官】二階堂 恭弘
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第4804364(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0128708(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0105958(US,A1)
【文献】特開2013-90809(JP,A)
【文献】特開平6-14934(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0069343(US,A1)
【文献】特開平10-127682(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00
A61M 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作用先端と、超音波プローブ内を長手方向に延びる第1の流路とを有する前記超音波プローブと、
前記プローブにおいて超音波定在波を発生させて前記作用先端を超音波周波数で振動させるために、前記プローブに動作可能に接続された電気機械変換器と、
前記プローブの周りに配置され、前記プローブの外側に第2の流路を定める少なくとも1つのシース又はスリーブと
を含み、前記第2の流路は、前記作用先端に近接して、前記プローブの遠位端の周囲領域に少なくとも1つの第1のポートを有し、前記シース又はスリーブは、前記シース又はスリーブの遠位端部分が前記プローブの前記作用先端を越えて遠位方向に延び、前記作用先端と標的表面との間に超音波結合空間を定める作動形態を有
し、
前記シース又はスリーブの前記遠位端部分は、最も遠位の端を有し、側壁に少なくとも1つの開口部が備えられ、該開口部は前記端から離れている、
外科装置。
【請求項2】
前記シース又はスリーブは、前記作動形態における遠位位置と、近位位置との間で移動するために、前記プローブに対して長手方向に摺動可能である、請求項1に記載の外科装置。
【請求項3】
前記プローブ及び前記シース又はスリーブは、第1の空間又は流路と、第2の空間又は流路とを定め、前記第2の空間又は流路は、前記第1の空間又は流路の近位に位置し、前記プローブの軸に直交する平面内において、前記第1の空間又は流路よりも大きい断面積を有する、請求項2に記載の外科装置。
【請求項4】
前記プローブは、前記第1の空間又は流路と繋がる少なくとも1つの開口部を遠位端部分に備え、前記シースは、前記第1の空間又は流路及び前記第2の空間又は流路と繋がる吸引路を有する吸引アームを備える、請求項3に記載の外科装置。
【請求項5】
前記プローブは、近位にある本体部分と、それより小さい直径のホーン部分と、プローブヘッドとを含み、前記ホーン部分は前記本体部分の遠位に延び、前記プローブヘッドは前記ホーン部分の
遠位端に形成される、請求項4に記載の外科装置。
【請求項6】
前記シース又はスリーブは、前記プローブヘッドが覆われる最も遠位の位置と、前記プローブヘッドの少なくとも一部が露出する最も近位の位置との間で動くように構成される、請求項
5に記載の外科装置。
【請求項7】
作用先端及び第1の流路を備えたプローブを有する超音波
器具を提供することと、ここで該器具は、遠位先端を備えたシース又はスリーブを含み、前記シース又はスリーブは、前記プローブの外側を延びる第2の流路を定め、前記第2の流路は、前記遠位先端
に近接した入口を有し、
前記器具を操作して、
生体外で生体から離れて、プロテーゼ又は医療器具の
硬い標的表面に前記遠位先端を
、振動せずに接触して配置することと、ここで前記シース又はスリーブは部分的に前記作用先端の遠位に延び、部分的に前記作用先端と前記
硬い標的表面の間に間隔を維持する役割を果たし、それにより前記遠位先端を前記
硬い標的表面に配置するための前記器具の操作は、本質的に前記
硬い標的表面から離して前記作用先端を位置決めし、
前記遠位先端と前記
硬い標的表面の
振動のない接触中に、前記第1の流路を通じて前記作用先端と前記
硬い標的表面の間の領域に灌注液を供給することと、
前記遠位先端と前記
硬い標的表面の接触中にまた、前記プローブにおいて超音波定在波を発生させて前記作用先端を振動させ、それにより前記標的表面での望ましくない物質を断片化することと、
前記超音波定在波の発生中に、前記
硬い標的表面から流体を除去するために前記第2の流路に真空圧又は負圧を加えることと
を含む
洗浄方法。
【請求項8】
前記シース又はスリーブの前記遠位先端は、最も遠位の端を有し、側壁に少なくとも1つの開口部が備えられ、該開口部は前記端から離れている、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記シース又はスリーブは、前記プローブに対して長手方向に移動可能であり、前記標的表面に前記遠位先端を配置するために、前記器具を操作する前に前記器具に沿って前記シース又はスリーブを
遠位方向に移動させることを更に含む、請求項
7に記載の方法。
【請求項10】
前記第2の流路が、前記シース又はスリーブと前記器具の前記プローブとの間に配置され、前記方法は、
前記超音波定在波の発生後に前記シース又はスリーブを近位方向に移動させることと、
その後に周囲空気を前記第2の流路に吸引するために真空圧又は負圧を前記第2の流路に加えることと
を更に含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項11】
前記灌注液が次亜塩素酸を含み、現場で前記次亜塩素酸を電解生成することを更に含む、請求項
7に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体膜を低減又は除去するための器具及び方法に関する。標的の生体膜は、洗浄及び再移植のために患者から取り外されたプロテーゼ又はプロテーゼ構成要素に存在していてもよい。
【背景技術】
【0002】
慢性的な創傷感染は、世界中での重大な医療問題である。多くの場合、創傷治癒の最終的な目的は、新しい治療選択肢を目的とする。しかし、慢性的な創傷は、それぞれが治癒過程を妨げる多くの異なった複雑な状態を生じる。例えば、慢性的な創傷は、創傷清拭を必要とする壊死組織、抗菌薬を必要とする細菌感染、及び正常な治癒過程を妨げる損傷した血管系を含み得る。
【0003】
治癒を妨げる慢性的な創傷感染状態の1つの要素は、生体膜の形成である。生体膜は、プランクトン細菌が一緒に生じてエキソポリサッカライド(EPS)を分泌して、コロニーを形成したコミュニティを付着させて保護することの結果である。形成の高さでは、EPSは全生体膜組成(Regt)の75~90%を占める。生体膜は、細菌が増殖するのに最適な条件を作り出すことで治癒を阻害し、同時に抗菌薬が細菌に直接到達することを防ぐ。
【0004】
生体膜を除去する方法には、超音波創傷清拭、局所抗菌薬、吸引、及び表面洗浄が含まれる。これらの各方法は、単独で生体膜を処理する。例えば、創傷の超音波創傷清拭は、生体膜形成の大部分を抑止して除去するのに最も効果的な方法であることが示されている。それでもこの好ましい方法でさえ、生体膜の破片が残されて増殖する可能性がある。吸引単独では生体膜を除去するのに効果的であることは示されておらず、同時に適用された場合、超音波創傷清拭のような他の方法の操作を妨げる可能性がある。
【0005】
特許文献1は、超音波ソノトロードを吸引シースと組み合わせた医療用処置装置を記載する。吸引の先端とソノトロードの先端との間での固定された位置は、1つの同時の操作を可能にするだけである。特にこの方法は、超音波創傷清拭手術では、吸引先端の潜在的な干渉により制限を受ける。
【0006】
特許文献2は、人間の頭部内の鼻腔のための、生体膜で被覆された表面の超音波洗浄のための方法及び器具を記載する。この方法は、いずれの周囲の下層組織も除去しないように考案される、潅注及び吸引と組み合わせた超音波の適用を記載している。これは、生体膜と合わせて組織の除去を必要とする創傷床の超音波創傷清拭とは大きく異なる。したがって、その超音波プローブは、創傷表面でキャビテーションを発生させて作動して、それが生体膜の破壊をもたらす必要がある。
【0007】
創傷での生体膜を機械的に除去する方法だけでは不十分であることが示されている。存在しない、市場に有益なものは、創傷を治癒させるために、生体膜を除去してそれが再形成するのを防ぐ方法である。
【0008】
生体膜が形成される可能性がある特定の種類の創傷は、プロテーゼ移植部位に存在する。感染が人工移植組織の部位で発生することは珍しくはない。多くの場合、移植部位の洗浄を可能にするために、プロテーゼの全体又は一部を除去しなくてはならない。更に、一般的に患者に再挿入される人工部品は、生体膜が除去されなくてはならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】米国特許第7,608,054号明細書
【文献】米国特許第7,522,955号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、一部において、標的表面、例えばプロテーゼ又は医療手術器具の硬い、例えば金属の表面での生体膜を抑止又は低減するための方法及び器具を提供することを目的とする。本発明は、より具体的には又は加えて、宿主若しくは患者から取り外されたプロテーゼの表面を含む、標的部位からの霧化流体粒子の散布を低減し、好ましくは最小化する生体膜の除去方法に関する。したがって、本発明は、生体膜再形成の低減だけでなく、治療又は洗浄作業の間の粒子散布の低減も支援する構造を備えた、生体膜を除去するための器具を提供することを目的とする。
【0011】
本発明は、創傷及び損傷有機組織での生体膜の抑止に使用することができる器具を提供することを目的とする。この方法及び器具は、手術室での洗浄過程、並びに硬い表面、例えば手術器具及びプロテーゼ構成要素からの生体膜の破壊及び除去で使用されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によるプロテーゼ及び器具の洗浄方法は、作用先端及び第1の流路を備えたプローブを有する超音波洗浄器具を利用する。その器具は、遠位先端を備えたシース又はスリーブを含み、そのシース又はスリーブは、プローブの外側を延びる第2の流路を定める。第2の流路は、シース又はスリーブの遠位先端に近接した入口を有する。この方法は、器具を操作して、洗浄を必要とするプロテーゼの表面などの標的表面にシース又はスリーブの遠位先端を配置することを含む。その器具は、シース又はスリーブが部分的にプローブの作用先端の遠位に延びて、部分的にプローブの作用先端と標的表面の間に間隔を維持又は形成する役割を果たすようにして、シース又はスリーブを配置するために操作される。シース又はスリーブの遠位先端を標的表面TSに配置するための器具の操作は、本質的に標的表面から離して作用先端を位置決めする。この距離は、灌注液が一時的に含まれる超音波結合区域を構成する空間、室、又は流体保持領域を定める。そして、プローブの作用先端と標的表面の間に留められた灌注液は、(a)プローブの作用先端から標的表面に超音波圧力波を伝達し、(b)標的表面での超音波圧力波又はキャビテーションによって生じた生体膜断片を捕捉し、流れにより運び、そして乳化し、(c)生体膜の断片及び生体膜に存在する可能性のある細菌などのあらゆる毒素の除去を促進する働きをする。
【0013】
シース又はスリーブの遠位先端が標的表面と接触している間に、プローブの流路を通じてプローブの作用先端と標的表面の間の領域に灌注液を供給する。また、シース又はスリーブの遠位先端が標的表面と接触している間に、プローブにおいて超音波定在波が発生されてその作用先端を振動させ、それにより標的表面での望ましくない物質を断片化する。超音波定在波の発生中に、標的表面から流体を除去するために、真空圧又は負圧が第2の流路に加えられる。
【0014】
本発明の別の特徴によれば、シースは、シース又はスリーブがプローブに対して長手方向に移動可能であるようにして摺動可能に取り付けられている。そして、この方法は、標的表面にシースの遠位先端を配置するために、器具の操作前に器具に沿ってシース又はスリーブを遠位方向に移動させることを含む。プローブに対するシース又はスリーブの長手方向位置を変えることにより、使用者は、プローブの作用面と標的面の間の結合空間又は結合室の高さを調整することができる。高さはゼロに近いことがあり、その場合にはプローブの作用先端は、標的表面と接触又はほぼ接触して配置されてもよい。
【0015】
通常は、第2の流路は、器具のシース又はスリーブとプローブの間に配置される。この方法はまた、第2の流路に周囲空気を吸引するために、超音波定在波の発生後にシース又はスリーブを近位方向に移動させ、その後に第2の流路へ真空圧又は負圧を加えることを含む。
【0016】
好ましくは、灌注液は、次亜塩素酸及び/若しくは次亜塩素酸金属イオンなどの消毒剤又は殺生物剤を含む。この消毒剤又は殺生物剤は、有利には超音波による治療時に又はその直前に現場で生成され、それにより次亜塩素酸の有効濃度が確保される。次亜塩素酸及び/又は次亜塩素酸金属イオンは、電解プロセスによって滅菌生理食塩水から生成されることができる。
【0017】
本発明による外科装置は、作用先端及び第1の流路を有する超音波プローブを含み、第1の流路は超音波プローブ内を長手方向に延びる。電気機械変換器は、プローブで超音波定在波を発生させて超音波周波数で作用先端を振動させるために、プローブに動作可能に接続される。少なくとも1つのース又はスリーブがプローブの周りに配置されて、プローブの外側に第2の流路を定める。第2の流路は、作用先端に近いプローブの遠位端の周囲領域に少なくとも1つの第1のポートを有する。シース又はスリーブは、シース又はスリーブの遠位端部分がプローブの作用先端を超えて遠位方向に延びて、作用先端と標的表面の間において超音波結合空間を定める又は取り囲む作動形態を有する。
【0018】
器具の使用中に、灌注液は、好ましくは第1の流路を通じて、ただし可能であれば第2の流路を通じてプローブの遠位端に送られ、蓄積してプローブの作用先端と選択された標的表面の間の空間で結合媒体として作用する。超音波振動は、プローブの先端から結合媒体の灌注液を介して伝達されて、標的表面に破壊のためのキャビテーション又は他のミクロンサイズの機械的及び熱的擾乱を発生させる。
【0019】
シース若しくはスリーブの遠位端部分、プローブの作用先端、及び標的表面は、室又はエンクロージャ(囲われた部分)を定め、その室又はエンクロージャは、(1)標的表面からプローブの作用先端が離れることを確実にし、一方で(2)その室又はエンクロージャでの灌注液の閉じ込めにより、超音波圧力波伝達のための効果的な結合を可能にし、同時に液体のしぶき又は霧化される残骸を減らすと共に、シース又はスリーブの吸引路を通じた除去のために、残骸及び潜在的な病原性粒子を封じ込める。
【0020】
本発明の別の特徴によれば、シース又はスリーブはプローブに対して長手方向に摺動可能であり、作動形態での遠位又は伸長位置と近位又は後退位置の間で動く。シース又はスリーブの最も遠位の又は伸長した位置ではプローブヘッドが覆われ、一方でシース又はスリーブの最も近位の位置では、プローブヘッドの少なくとも一部が露出される。器具は、止めねじ、クランプ、又は摩擦嵌めなどの固定機構を備えることができ、それはシース又はスリーブを伸長位置又は後退位置、及び任意でそれらの間のいずれかの位置に保持する。
【0021】
好ましくは、プローブ及びシース若しくはスリーブは、第1の空間又は流路及び第2の空間又は流路をプローブの概して横方向又は側面に定め、第2の空間又は流路は、第1の空間又は流路の近位に位置し、第1の空間又は流路よりも、プローブの軸に直交する平面内でより大きな横断面を有する。プローブは、出口から離れて配置されて第1の空間又は流路と繋がる少なくとも1つの開口部を遠位端部分に備えてもよく、シースは、第1の空間又は流路及び第2の空間又は流路と繋がる吸引路を有する吸引アームを備えてもよい。
【0022】
プローブは、例えば近位にある本体部分と、それより小さい直径のホーン部分と、プローブヘッドとを含むことができる。ホーン部分は、本体部分の遠位方向に延び、ヘッドはホーン部分の遠位端に形成される。
【0023】
本発明の特定の実施形態では、シース又はスリーブの遠位端部分は、1つ以上の間隙若しくは空間によって離された複数の長手方向に延びる指状部を備えて形成される。本発明の別の特定の実施形態では、シース又はスリーブの遠位端部分は、側壁に1つ以上の開口部を備えて形成され、その開口部は、シース又はスリーブの遠位端又は遠位先端から離される。間隙及び開口部は、結合空間又は結合室への空気の進入のための入口としての機能を果たし、結合空間又は結合室は、通常はその近位端にある吸引ポートを通じて結合媒体及び集められた残骸の除去を可能とし、更に治療部分からの霧化された灌注液及び病原性粒子の放出を防止する役割を果たす。灌注液の流量は、生体膜粒子及び病原性成分を治療部分から除去するためだけでなく、必要であればプローブを冷却するためにも十分に大きいことが好ましい。
【0024】
有機組織の治療では、本発明の器具の使用は、通常はいずれかの存在する壊死組織、表面感染又は先に形成された生体膜の除去のための機械的な(例えば、超音波による)創傷清拭を含む。機械的な創傷清拭処置は、健康な肉芽組織のきれいな創傷床をもたらす。創傷の機械的な創傷清拭の実質的に直後に、EPSの分泌による創傷床への細菌の付着を防ぐために、超音波による生体膜破壊パッドを創傷に又は創傷の近くに配置することができる。超音波による生体膜破壊は、形成を阻止するのに十分な周波数及び振幅であるが細菌の増殖を刺激する閾値以下で表面音響波を加えることにより、創傷への細菌の付着を防ぐ。これを実施するために、使い捨ての超音波トランスデューサを組み込んだ創傷被覆装置を、創傷清拭後に治癒するのに十分な期間に亘って創部に適用してもよい。
【0025】
超音波は、好ましくは標的表面からの生体膜の破壊と除去のための最適な組み合わせをもたらすために、上述のように吸引と組み合わせられる。上述したように、本発明の方法及び器具は、機械的に除去された生体膜残骸の捕捉及び除去をその一部で最適化する役割を果たす、いわば超音波プローブの遠位である前室に、キャビテーションを提供する。
【0026】
この超音波と吸引を組み合わせたアプローチでは、超音波洗浄プローブは、任意で2段階で作動する吸引プローブによって収容される。最初の段階では、超音波洗浄プローブが標的表面と接触又はほぼ接触し(結合空間又は前室を介して)、吸引先端は、破壊された生体膜を機械的に除去するために同時に標的表面に接触するようにして、超音波を適用する先端を取り囲む。作動の第2段階では、吸引先端は、標的表面と接触又はほぼ接触した位置でないが、その領域に移動した生体膜の残屑を捕捉するには十分である位置に移動されることができる。
【0027】
上述したように、超音波と吸引の組み合わせは、1つ以上の作動段階を有することができる。超音波先端との関係における吸引先端の配置は、より良好な機械的破壊とその破壊された生体膜の捕捉をもたらすために、さまざまな異なる組み合わせについて構成されることができる。生体膜の破壊を引き起こす超音波エネルギーと除去を引き起こす吸引の両方の組み合わせは、さまざまな異なる順序で行われることができる。例えば、全ての残存する生体膜を捕捉するために、吸引を行う前に超音波による機械的な生体膜除去を実行することができる。好ましい実施形態では、超音波による機械的作用は、先端又は先端付近で吸引を行うのと同時に行われる。
【0028】
本発明は、機械的破壊及び生体膜断片の即時捕捉を可能にするために、吸引が超音波洗浄器具に組み込まれることを考える。好ましくは、吸引ポートは、機械的に破壊された生体膜の最大限の捕捉を可能にするために、超音波洗浄プローブの先端に近接している。シース又はスリーブは使い捨てであり(二次汚染のリスクを回避するため)、超音波洗浄又は生体膜除去作業中に生体膜を捕捉するための吸引路を組み込む。一実施形態では、シースは超音波洗浄処置での使用について、複数の位置を有する。シースは、洗浄中に排出される残屑と標的表面に残っている残屑の両方を捕捉することができる。シースは、吸引圧力を維持するための密封方策を組み込みながら、依然として超音波洗浄の先端との関係で吸引先端について複数の位置決めを可能にし得る。
【0029】
別の実施形態では、機械的破壊のあらゆる領域が、対応する捕捉可能領域を有するように、吸引が超音波洗浄プローブ全体に散在している。
【0030】
したがって、本発明の一態様による医療用プロテーゼ又は器具の洗浄方法は、作用先端及び吸引路を有する超音波洗浄器具を利用する。この方法は、(i)器具を操作して事前に選択された標的表面に作用先端を配置することと、(ii)作用先端が標的表面と接触している間に、器具で超音波定在波を発生させ、それにより標的部位で生体膜及び望ましくない有機物を断片化することと、(iii)超音波定在波の発生中に、手術部位に近接して吸引路の遠位端の吸引口を配置することと、(iv)吸引口を通じて標的部位から有機残屑又は断片化された有機物を除去するために、吸引路に真空圧又は負圧を加えることとを含む。
【0031】
任意で、本明細書に記載の生体膜除去処置の変形例では、標的部位から離れた選択位置に吸引ポートを配置して、超音波定在波の発生並び生体膜及び物質の断片化中に並びに/又は後に、選択位置にある吸引ポートを通じて標的部位の周囲領域から周囲の空気を吸い込んでもよい。好ましくは、吸引ポートは超音波洗浄器具に備えられ、その方法は、吸引ポートを通じて空気を吸引することを可能にするためにアクチュエータを操作することを含む。
【0032】
上述のように、アクチュエータは、シャフト又はプローブ部分に沿って両方向に行き来する長手方向の動きのために器具に摺動可能に取り付けられたシース又はスリーブを含んでもよい。そして、アクチュエータの作動には、器具に沿ってシース又はスリーブを軸方向に移動させることが含まれる。器具が長手方向に移動可能なシース又はスリーブを含み、吸引路が器具のシース又はスリーブとシャフト又はホーンの間に配置されている場合、吸引口と吸引ポートは共にシース又はスリーブの遠位端によって定められ、スリーブの位置が、吸入の開口が器具の作用先端に位置し、したがって吸引口であるか、又は作用先端から離れており、したがって吸引ポートであるかを定めてもよい。したがって、この方法は、真空圧又は負圧を加えた後で吸引ポートから周囲空気を吸引する前に、シース又はスリーブを近位方向に移動させることを更に含み、シース又はスリーブの遠位先端はシース又はスリーブの遠位位置において吸引口を定め、その遠位先端はシース又はスリーブの近位位置で吸引ポートを定めることができる。
【0033】
生体膜除去処置の変形例では、吸引口と吸引ポートは異なっていて、常に互いに離されていてもよいことが考えられる。器具が摺動可能なシース又はスリーブを含む場合、その要素の位置が、吸引口及び/又は吸引ポートが作動しているかどうかを決めてもよい。したがって、シース又はスリーブは、吸引口及び吸引ポートまで延びる空気経路を、シース又はスリーブの長手方向の位置に応じて開閉するためのバルブを含んでもよい。あるいは、吸引口の開閉が吸引ポートの開閉とは無関係に制御できるように、それぞれの電気機械式アクチュエータを介してバルブが個別に作動されてもよい。
【0034】
したがって、吸引ポートが吸引口とは異なり、吸引ポートが吸引口から器具に沿って近位に位置する場合、アクチュエータの作動は、吸引負圧を吸引ポートに向けることを含むことができる。その作動は、バルブを操作して、吸引ポートへの吸引経路を開くことを含むことができる。
【0035】
本発明の器具が患者組織の外科的処置に使用される場合、その方法は、代わりに又は追加で、創傷清拭処置を終えた後で手術部位に認識できる細菌がないうちに、手術部位に少なくとも近接して患者に超音波トランスデューサを配置することを含んでもよい。通常は、トランスデューサは、手術部位から壊死組織及び他の望ましくない残屑が除去された直後であって手術室から患者を移動する前に配置される。患者の手術部位での生体膜形成を防止して患者の手術部位での組織の治癒を促進するために、トランスデューサの配置後であってそのトランスデューサが患者と有効に振動伝達接触している間に、超音波周波数の電気的な励起波形が、おおよそ1日以上の期間に亘って少なくとも断続的にトランスデューサに伝導される。
【0036】
そのトランスデューサはキャリアパッドに取り付けられて、患者でのトランスデューサの配置は、パッドを患者に取り付けることを含んでもよい。あるいは、そのトランスデューサは、超音波圧力波の効果的な伝達をもたらすゲル又は他の媒体で膨くらんだバルーン若しくは袋の内側に配置され、そのバルーン若しくは袋は、手術部位を覆って又は手術部位に隣接して患者に取り付けられてもよい。当業者は、他のトランスデューサキャリア及び患者への取り付け方法を思い付くであろう。
【0037】
以下に説明する外科装置は、作用先端を有する超音波プローブと、プローブで超音波定在波を発生させるためにプローブに動作可能に接続された電気機械変換器と、プローブの周りに配置された少なくとも1つのシース又はスリーブとを含み、シース又はスリーブは少なくとも、作用先端に近接したプローブの遠位端での第1の吸引ポートと、プローブの遠位端から離れて配置された第2の吸引ポートとを定める。
【0038】
その1つ以上のシース又はスリーブは、遠位位置と近位位置との間を移動するためにプローブに摺動可能に取り付けられたただ1つのシース又はスリーブの形態を取ることができ、そこでシース又はスリーブの遠位端は、(i)第1の吸引ポートを定めるために作用先端に近接して、及び(ii)第2の吸引ポートを定めるために作用先端から所定の距離を離れて、行き来して配置可能である。
【0039】
あるいは、第1の吸引ポート及び第2の吸引ポートは、少なくとも1つのシース又はスリーブの異なる開口である。それらの作動状態は、それぞれのバルブを介して個別に制御されてもよい。更に、それらの吸引ポートは、異なる強度の真空源に接続可能であってもよい。近位のポートに加えられる真空圧又は負圧の大きさは、通常は遠位のポートに加えられる真空圧又は負圧の大きさよりも大きい。
【0040】
シース又はスリーブは、第1の吸引ポートまで延びる第1の吸引路と、第2の吸引ポートまで延びる別の第2の吸引路を定め、第1の吸引路と第2の吸引路は異なる負圧を受けてもよい。
【0041】
本明細書では、洗浄超音波の使用中に細菌を封じ込める方法を記載する。好ましい実施形態では、洗浄作業中に移動する細菌の除去経路を生成するために、超音波アプリケーターに隣接して吸引装置が組み込まれる。吸引装置は、標的洗浄部位と相互作用するアプリケーター先端から生じるしぶきの推定、予測、又は予想される経路を有利に捉えるように吸引のオリフィスを向けて組み込まれる。これにより吸引装置は、標的表面での生体膜の超音波断片化の間に移動する細菌の優先的な捕捉のために最適化される。吸引装置は、超音波エネルギーの適用から生じる灌漑液のしぶきを封じ込めるためにも使用されることができる。
【0042】
別の実施形態では、吸引装置は、超音波洗浄作業の間に移動する細菌を除去するために戦略的に配置された捕捉のポートを有するようにして、洗浄プローブに組み込まれる。吸引装置は、標的洗浄部位と相互作用するアプリケーター先端から生じるしぶきの推定、予測、又は予想される経路を有利に捉えるように吸引のオリフィスを向けて組み込まれる。吸引装置は、超音波エネルギーの適用から生じる灌漑液のしぶきを封じ込めるためにも使用されることができる。
【0043】
別の実施形態では、吸引装置は洗浄プローブとは別であるが、超音波による断片化、破壊及び洗浄の間に移動又は散布される細菌を捕捉するために連携して使用される。吸引装置は、吸引装置の開口が、移動した細菌を捕捉するための優先的な経路を生成するようにして、洗浄される領域に隣接して戦略的に配置されることができる。吸引装置は、超音波アプリケーターの周りに特定の洗浄領域を定めるリングとすることができる。リング装置は、どの方向においても洗浄部位から移動した細菌を捕捉するように、潜在的な治療領域に向けて内側に向けられた捕捉ポートを有する。吸引装置は、標的洗浄部位と相互作用するアプリケーター先端から生じるしぶきの推定、予測、又は予想される経路を有利に捉えるように吸引のオリフィスを向けて組み込まれる。吸引装置は、超音波エネルギーの適用から生じる灌漑液のしぶきを封じ込めるためにも使用されることができる。吸引装置は、細菌又は灌漑液のしぶきが越えられない障壁を作るようにして、対象のプロテーゼ又は手術器具に一時的に固定されることができる。一時的な取り付けは、ストラップ、接着パッド、並びに配置及び取り外しが簡単な他の方法にすることができる。
【0044】
別の実施形態では、超音波による破壊、断片化、及び洗浄作業の間に移動する細菌の除去経路を生成するために、超音波アプリケーターに隣接して吸引装置が組み込まれる。吸引装置は、2つ以上の使用位置を有する。第1の位置では、吸引装置は、標的洗浄部位と相互作用するアプリケーター先端から生じるしぶきの推定、予測、又は予想される経路を有利に捉えるように吸引のオリフィスを向けて組み込まれる。これにより吸引装置は、超音波適用の間に移動する細菌の優先的な捕捉のために最適化される。第2の位置では、吸引装置は、残留細菌を直接除去できるように、標的表面と直接接触するようにして組み込まれる。吸引装置は、治療のための超音波エネルギーの適用から生じる灌漑液のしぶきを封じ込めるためにも使用されることができる。
【0045】
別の実施形態では、吸引装置は、灌注流をアプリケーター先端に送る超音波アプリケーターに組み込まれる。吸引装置は、超音波アプリケーターに隣接して組み込まれた使い捨てのシースであり、洗浄処理の間に移動する細菌又は灌漑液のしぶきの除去経路を生成する。吸引装置は、標的洗浄部位と相互作用するアプリケーター先端から生じるしぶきの推定、予測、又は予想される経路を有利に捉えるように吸引のオリフィスを向けて組み込まれる。これにより吸引装置は、移動する細菌の優先的な捕捉のために最適化される。吸引装置は、超音波エネルギーの適用から生じる灌漑液のしぶきを封じ込めるためにも使用されることができる。
【0046】
別の実施形態では、吸引装置は、灌注流をアプリケーター先端に送る超音波アプリケーターに組み込まれる。吸引装置は、使い捨ての超音波洗浄プローブに成形された使い捨てのシースであり、治療の間に移動する細菌又は灌漑液のしぶきの除去経路を生成する。吸引装置は、標的部位と相互作用するアプリケーター先端から生じるしぶきの推定、予測、又は予想される経路を有利に捉えるように吸引のオリフィスを向けて組み込まれる。これにより吸引装置は、超音波適用の間に移動する細菌の優先的な捕捉のために最適化される。吸引装置は、治療のための超音波エネルギーの適用から生じる灌漑液のしぶきを封じ込めるためにも使用されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1】創部から生体膜を除去し、その後の生体膜再形成の可能性を低減するためのシステムの部分的な概略断面図及び部分的なブロック図である。
【
図2】創部から生体膜を除去し、その後の生体膜再形成の可能性を低減するための別の器具の部分的な概略断面図及び部分的なブロック図である。
【
図3】創部から生体膜を除去し、その後の生体膜再形成の可能性を低減するための更なる器具の部分的な概略断面図及び部分的なブロック図である。
【
図4】創部での生体膜形成の可能性を低減するために、創部で患者に取り付けられる装置の部分的な概略断面図及び部分的なブロック図である。
【
図5】患者の創部で患者に配置されて取り付けられた、
図4の装置の概略上面図及び部分的なブロック図である。
【
図6】生体膜形成の可能性を低減するために、創部で患者に取り付けられる別の装置の概略斜視図である。
【
図7】創部での生体膜形成の可能性を低減するために、創部で患者に取り付けられる装置の部分的な概略断面図及び部分的なブロック図であり、その装置の患者の肢への取り付けを示す。
【
図8】創傷清拭及び生体膜破壊において使用されることができる超音波器具アセンブリの遠位端部分の概略的な縦断面図である。
【
図9】創傷清拭又は創部から生体膜を除去するための装置の部分的な縦断面図である。
【
図10】
図9の装置の概略的な右側面、上面及び正面の斜視図である。
【
図11】
図9及び
図10の装置に含まれるプローブ及びシースの右側面、上面及び正面の分解斜視図である。
【
図12】
図9~11のプローブ及びシースの左側面、上面、及び背面の分解斜視図である。
【
図13】
図9~12のプローブ及びシースの背面図である。
【
図15】創傷清拭又は創部から生体膜を除去するための別の装置の右側面、上面及び正面の斜視図である。
【
図16】
図15の装置の遠位先端部分の右側面、上面及び正面の部分的な拡大斜視図である。
【
図17】
図15及び16の装置の遠位端部分の、拡大されているが中間の尺度での右側面、上面及び正面の部分的な拡大斜視図である。
【
図18】
図15~17の装置の左側面、底面、及び正面の拡大斜視図である。
【
図19】手術部位の周りに配置された吸引装置の概略斜視図である。
【
図20】
図9~14の装置の変形例である超音波手術器具アセンブリの遠位端の概略縦断面図である。
【
図22】
図9~14の装置の他の変形例である別の超音波手術器具アセンブリの遠位端の概略縦断面図である。
【
図24】
図9~14のプローブの変形例である超音波外科プローブの遠位端の概略縦断面図である。
【
図25】
図9~14のプローブの変形例である別の超音波外科プローブの遠位端の概略側面図である。
【
図26】
図9~14のプローブの変形例である更に別の超音波外科プローブの遠位端の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本明細書での開示は、生体膜の形成を低減するための2段階の方法を考える。第1段階は、創部が壊死組織、痂皮又は生体膜の除去のために治療される場所で行われ、手術若しくは治療部位の周りからの周囲空気の排出を含み、治療によってその部位から放出された空中浮遊細菌又は捲き散らされた細菌を取り出す。取り出された細菌が洗浄された組織表面へ戻ることが防がれ、それによりコロニーの細菌増殖及び付随するにじみ出る生体膜材料を少なくとも減少させる。生体膜を減らすための第2段階又はアプローチは、手術が終了した後に手術治療部位を覆って又はその部位の近くで患者に1つ又は複数の超音波トランスデューサを取り付けることを伴う。適用された各超音波トランスデューサは、治療部位で患者の組織を振動させて生体膜の形成を抑止するために使用される。2つの治療段階は、用途に応じて別々に使用されることができる。これにより、壊死組織、痂皮又は生体膜の除去のためのきちんとした処置を受けていない創部で、超音波による生体膜破壊を使用することができる。
【0049】
したがって、医学的治療方法は、作用先端又は作用面12と、超音波ホーン18の外面16とカニューレ又はシース22の内面20との間に定められた吸引路14とを有する超音波創傷清拭器具10(
図1)を用いることができる。その方法は、器具10を操作して、予め選択された手術部位SSで患者の組織PTに作用先端又は作用面12を配置することを含む。作用先端12の患者の組織PTとの接触中に、波形発生器23を作動させて器具10、特にプローブ又はホーン18に超音波定在波を発生させ、それにより手術部位SSの壊死組織及び望ましくない有機物を断片化する。超音波定在波の発生中に、吸引路14の遠位端の吸引口24が手術部位SSの近くに配置され、真空圧又は負圧が吸引路14に加えられて、吸引口24を通じて手術部位SSから組織の残屑及び断片化された有機物を吸引する。別の器具28の吸引ポート26は、手術部位SSから距離D1だけ離れた位置に配置される。器具10による超音波定在波の発生並びに組織及び物質の断片化の間に及び/又は後に器具28を操作して、矢印30で示されるように、手術部位SSの周囲領域Rから吸引ポート26を通じて周囲空気を吸引する。吸引口24は、通常は手術部位SS及び手術部位の組織表面から1~5mmの間に位置するが、吸引ポート26は、通常は手術部位SSの組織表面から2~6cmに位置する。
【0050】
図1に示されるように、器具28は、空気30をその器具内に送り込むために、遠位端に円錐部などの拡大又は拡張された延長部32を備えて形成されてもよい。器具28の管腔36と繋がる吸引源又は真空発生器34は、吸引路14と繋がる吸引源又は真空発生器38よりも大きな吸引力を与え得る。
【0051】
別のアプローチでは、器具28は省略される。代わりに、カニューレ又はシース22は、シャフト又はプローブ部分に沿って両方向に行き来する長手方向の動きのために、プローブ又はホーン18に対して移動可能に取り付けられ、それにより使用者はシースの遠位端によって部分的に定められる吸引ポートを、プローブ又はホーン12の作用先端18に隣接する最も遠位の位置と、それより近位の位置の2つ以上の別の位置で配置することができる。両矢印40で示されるように、カニューレ又はシース22は、手術部位SSから組織又は他の有機物を除去した作業の後に、吸引ポート26が器具10の作用先端又は作用面12から距離dに位置するようにして近位方向に引かれる。吸引源38などのアクチュエータ又はそのスイッチ要素が、カニューレ又はシース22の引っ込んだ位置で、吸引ポート26を通じて空気を吸引することができるように操作される。簡単な構成では、吸引源38はオン及びオフの2つの作動状態を有することができ、シース22の位置が、手術部位SSで又は手術部位SSから離れて吸引を行うかどうかを定める。少し複雑な構成では、吸引源38は3つの作動状態、すなわちオフ、高吸引、及び低吸引を備えてもよい。吸引の程度は、操作者によって選択可能であってもよいし、プローブ又はホーン12に沿ったシース22の長手方向又は軸方向の位置に従って自動的に制御されてもよい。例えば、シース又はスリーブ22は、長手方向の位置に応じて空気経路を開閉するためのバルブ(図示せず)を備えてもよい。
【0052】
図2に示された別の器具アセンブリ50は、作用先端又は作用面52と、超音波ホーン58の外面56と第1又は内側シース62の内面60との間に位置する吸引路54とを有する。第2の外側シース64は第1のシース62を囲み、それにより例えば外側シース64の遠位端の円錐状ポート部68を通じて、手術部位の周りのかなり大きな領域R’から周囲空気を排出するための第2の吸引路66を定める。2つの吸引路54、66は、それぞれのバルブ74、76を介してそれぞれの吸引源又は真空発生器70、72に接続されて、バルブの両方が制御ユニット78を介して操作者によって操作可能であってもよい。制御ユニット78は、圧電性結晶のスタックなどの電気機械変換器(図示せず)を介してプローブ又はホーン12に作用可能に接続された超音波波形発生器80の制御入力(別に符号を付されない)と繋がれている。制御ユニット78は、バルブ74を開いて波形発生器80を作動させた後に選択可能な時間間隔内でバルブ76を開くようにプログラムされることができる。
【0053】
外科的処置において、器具アセンブリ50は、事前に選択された手術部位SS’で患者の組織PT’に作用先端又は作用面52を配置するように操作される。作用先端52が患者の組織PT’と接触している間に、波形発生器80を作動させるために制御ユニット78が操作されて、波形発生器80はプローブ又はホーン58に超音波定在波を発生させ、それにより手術部位SS’で壊死組織及び望ましくない有機物を断片化する。超音波定在波の発生の間、内側吸引路54の遠位端の吸引口82は手術部位SS’に近接して配置され、吸引口82を通じて手術部位SS’から組織の残屑及び断片化された有機物質を吸引するために、真空圧又は負圧が吸引源70によってバルブ74を介して吸引路54に加えられる。円錐状ポート部68は、手術部位SS’から距離D2に配置されている。器具50による超音波定在波の発生並びに組織及び物質の断片化の間に及び/又は後に、矢印84で示されるように吸気ポート又は円錐部68を通じて領域R’から周囲空気を吸引するために、真空発生器72及びバルブ76は制御ユニット78によって作動される。吸引口82は、通常はできるだけ近くに、例えば手術部位SS’での組織から約1~約5mmの間に位置するが、吸引ポート68の距離D2は、通常は手術部位SS’から2~6cmである。
【0054】
外側シース64は、止めねじなどの着脱が容易な固定具86によって内側シース62に一時的に固定されることができる。したがって、シース62、64の相対的な軸方向位置は、距離D2を変更するために調整されることができる。制御ユニット78は、吸引源又は真空発生器70、72に接続されて、その電力使用量及びそれにより発生される負圧の平均の大きさを変えることができる。
【0055】
図3は、
図2の器具アセンブリ50の変形例を示す。外側シース64に代えて、吸引ノズル92がシース62に取り付けられている。ノズル92は、強化ホース94を介して吸引源又は真空発生器72に接続されている。ノズル92は、リングクランプ又は止めネジなどの固定要素96によってシース62に取り外し可能に固定される。変更された器具90の操作は、上述の通りである。
【0056】
本発明の方法は、代わりに又は追加で、創傷清拭又は他の組織洗浄処置を終えた後で手術部位SIに認識できる細菌がないうちに、手術部位SIの少なくとも近くに患者TPと有効に接触させて超音波トランスデューサ102(例えば、
図4及び5を参照)を配置することを含む。通常は、トランスデューサ102は、手術部位SIから壊死組織及び他の望ましくない残屑が除去された直後であって手術室から患者TPを移動する前に配置される。患者の手術部位SIでの生体膜形成を防がないとしても減少させ、それにより患者の手術部位での組織の治癒を促進するために、トランスデューサ102の配置後であってそのトランスデューサが患者TPと有効に振動伝達接触している間に、超音波周波数の電気的な励起波形が、おおよそ1日以上の期間に亘って少なくとも断続的に波形発生器104からトランスデューサ102に伝導される。
【0057】
図4に示されるように、トランスデューサ102はキャリアパッド106に取り付けられてもよく、例えば生体適合性の超音波伝達物質の層108の間に挟まれてもよい。好ましくは、患者TPでのトランスデューサ102の配置は、例えば接着層110を介して、パッド106を患者に取り付けることを含む。
図5に示されるように、パッド106は、手術部位SIに近接する組織表面TSに、単独で又は1つ以上の他のキャリアパッド106’と共に配置される。あるいは、パッド106は、組織の除去が完了した直後ではないとしても、少し後に手術部位SIを覆って直接配置されてもよい。その場合にはゲル層を選択して、接着層110は省略されてもよい。ゲルは、酸素を豊富に含むこと及び抗生物質を含むことができる。
図6に示されるように、パッド106を患者TPに固定するためのストラップ又はバンド112が与えられてもよい。
【0058】
あるいは、
図7に示されるように、電気機械トランスデューサ、特に圧電トランスデューサ114が、超音波圧力波の効果的な伝達をもたらすゲル又は他の媒体118で膨くらんだバルーン若しくは袋116の内側に配置され、そのバルーン若しくは袋は、手術部位SI’を覆って又は手術部位SI’に隣接して患者TP’に取り付けられてもよい。バルーン若しくは袋116は、手術部位STを覆って又は手術部位STの近くで、例えば腕又は脚PLの周囲で患者に固定され、そして超音波波形発生器120が作動されて、生体膜形成を抑止するために患者の組織に伝導される超音波振動を発生させる。当業者は、他のトランスデューサキャリア及び患者への取り付け方法を思い付くであろう。
【0059】
図4~
図7に示される1つ以上のトランスデューサ装置を利用する医学的治療方法は、最初に、例えば
図1~
図3を参照して上述した超音波創傷清拭及び吸引により、手術部位SI又はSTの壊死組織及び望ましくない有機物を洗浄することを含む。その後すぐに、手術部位SI又はSTに認識できる細菌がないうちに、少なくとも1つの超音波トランスデューサ102、114を患者TP、TP’の手術部位SI、ST又はその近くに配置し、その後にトランスデューサが患者TP、TP’と有効に振動伝達接触している間に、1日以上の期間に亘って少なくとも断続的に超音波周波数の電気的な励起波形をトランスデューサ102、114に伝導する。その波形は、患者TP、TP’の手術部位SI、STでの生体膜形成を効果的に低減し、それにより患者の手術部位での組織の治癒を促進するように選択された周波数、振幅、及び持続時間のパラメータを有する。超音波は、例えば20kHzで又は約20kHzまでの周波数範囲内で、例えば、好ましくは16~100KHz、より好ましくは16KHz~25KHz、最も好ましくは20~23KHzの表面音響波を、例えば0.2~0.4w/cm
2の音響出力で発生させる。治療期間は、健康な組織形成を可能にするのに十分な長さである。トランスデューサ102、114の配置は、好ましくは手術部位SI、STの組織の上で患者にトランスデューサを取り外し可能に取り付けることを含む。
【0060】
図8に示されるように、超音波外科装置200は、両矢印210で示されるようにして超音波周波数で振動するために、超音波信号発生器206と圧電性結晶のスタック208とを含む超音波振動エネルギー源204に動作可能に接続された超音波プローブ202を含む。プローブ202は、遠位端領域に1つ以上の開口部214、216を備えた内側シース212を通って長手方向に延びている。プローブ202及びシース212は、器具の近位端で吸引源又は真空源220に接続された環状の内側流路218を定める。外側シース222は内側シース212を囲み、それにより環状の外側流路224を定める。
【0061】
図8の外科装置又は外科アセンブリ200の使用中に、矢印230で示されるように、灌注液は供給源226から入口228を通って外側流路224に流れる。灌注液は2つの経路に沿って外側流路224から出るが、第一は矢印234、236のように遠位端の開口232を通り、第二は開口部214、216を通って内側流路218に入り、そこで液体又は灌注液は、矢印238で示されるように、近位の作用で吸引源220に向かって引き込まれる。
【0062】
手術部位240では、組織片242、244は、手術部位と接触して配置されたプローブ202の遠位端面246の超音波振動によってばらばらにされる。内側流路218の遠位端(符号を付されない)での真空による負圧は、遠位端の開口232を通じた外側流路224からの流出により手術部位240に存在する灌注液と共に、組織片242、244を内側流路に引き込む。開口部214、216を通って内側流路218に入る更なる灌注液が、エマルジョンの流れを促進する。
【0063】
装置又はアセンブリ200は、ほぼ円筒形のカニューレが装着されたプローブ又は小さな断面の中心を通って破壊された組織が吸引される外科用吸引装置とは異なる。
図8の装置200では、二重の灌注液を回収する仕組みは、キャビテーションを確実に発生させかつ手術部位240のプローブ202及び組織の両方の安全な温度レベルを維持するのに十分な液体を送ることを容易にする。灌注液が手術部位240に到達する前に開口部214、216を通じて液体を回収することによって、装置200はプローブ202によって霧化され得る液体の体積を減らす。
【0064】
霧化される灌注液の減少は、創傷清拭処置においてより更に望ましい。これは、大規模な創傷清拭に通常使用されるプローブ先端領域の大きさが非常に大きく、最大で外科用吸引プローブの80倍であるためであり、そしてまた組織及びプローブでの安全な温度レベルを維持するために必要な灌注液の量が多いためである。
【0065】
図9及び10に示されるように、創傷清拭又は創部から生体膜を除去するための外科装置300は、近位端でねじ込みの接続部304を介してドライバ306に取り付けられた超音波プローブ302を備える。ドライバ306は、振動エネルギーの発生器、通常は圧電トランスデューサアレイ305に動作可能に接続されている。ドライバ306と圧電トランスデューサ305は共に、ケーシング308に接続されたカバー又はハウジング(図示せず)を有するハンドピース内に配置されている。プローブ302は、遠位端部310に向かって遠位側で先細になっている。用語「ホーン」及び「プローブ」は、同義語として使用される。
【0066】
ドライバ306及びプローブ302は、流れの矢印318によって示されるように、プローブのホーン部分310の遠位端開口部316へ潅注液を送るための管腔(個別には符号を付されない)を定める互いに整列した軸方向の流路又は孔312、314を備えて形成される。
【0067】
外科装置又は手術器具300は、プローブ302の遠位先端若しくは端面324に対してシースの遠位先端322の位置を変えるために、ケーシング308に対して移動可能に取り付けられたシース又はスリーブ320を更に含む。シース320は、円筒形の後方部分326及び長方形角柱の前方部分328を含み、それらはそれぞれホーン310の断面及びプローブ302の近位部分330の断面に幾何学的に対応する(他の断面形状も可能である。例えば、ホーン328が楕円形又は円形の断面を有する場合、前方部分328は楕円形又は円形であり得る)。シース320は、全体が硬質であるか、あるいは標的組織の形状により良好に適合するように、少なくとも前方部分328が半硬質又は可撓性であってもよい。
【0068】
プローブホーン310の外面(符号を付されない)と共に、シースの前方部分328は、断面が矩形の前方若しくは遠位の流路又は導管332を定める。プローブの近位部分330の外面(符号を付されない)と共に、シースの後方部分326は、断面が円形の後方若しくは近位の流路又は導管334を定める。遠位端では、プローブのテーパー部338により、後方の流路334は拡大空間336へと広がる。
【0069】
シース320はアーム340を備え、アーム340は、前方端又は遠位端で前方部分326に接続され、近位側では外向きに傾斜している。シースのアーム340は、遠位端で前方の流路332と繋がる主要な吸引路342を含む。より近位の位置では、アーム340の吸引路342は、後方の流路334、より具体的には拡大空間336と繋がる。アーム340は、近位端に、弾性の吸引管346を摩擦での嵌め込みで受ける、アンダーカットの接続ポート344を備える。吸引管346は一組の留め具348でケーシング308に固定され、そのそれぞれがケーシング308及び吸引管346のそれぞれを受ける、差し込み部のある一対の環状リング350、352を備えて形成される。
【0070】
プローブホーン310は、前方端又は遠位端において、内側で流路又は管腔314と繋がり、外側で前方の流路332と繋がる1つ又は複数の開口部又は横孔354、356を備えて形成される。後端において、シース320の後方部分326は、プローブの近位部分330とケーシング308の遠位端との間に挿入される。Oリングシール358は、ケーシング308とシースの後方部分326の外面との間に備えられる。
【0071】
ホーン部分310の遠位端は、プローブ302の縦軸に対して直角に横方向に広がるプローブヘッド360となるように形成される。ヘッド360は、特に、米国特許出願第14/172,566号、公開第2015/0216549号明細書で開示された形態を取ることができ、その開示内容は参照により本明細書に援用される。特に、ヘッド360は、プローブヘッドの遠位端面324での反対側に位置する縁部又は側部に沿って、2つの互いに平行な列で配置された複数の歯362を含む。
【0072】
上記のように、シース320は、シース320の遠位先端322がプローブヘッド360の遠位端面324と実質的に同一平面にある完全に延びた位置から、プローブヘッド360の少なくとも歯362が完全に露出される後退位置までのいずれかの位置に、プローブヘッド360に対して軸方向又は長手方向位置について連続的に調整可能であるようにして、プローブ302に対して摺動可能であるか又は長手方向に移動可能である。Oリング358が、シース320の調整可能な位置決めを可能にする。
【0073】
開口部又は横孔354、356は、シース320及びプローブ302の相対的な長手方向の位置に関係なく、迂回穴として機能する。吸引源(図示せず)によってシース320の内部空間、すなわち、吸引路342、前方の流路332、及び後方の流路334に加えられる真空による負圧は、中央の流路314を通じて送られる(流れの矢印318)潅注液の大部分の回収及び除去を可能にする。特にその装置が主に垂直方向で使用される時での、シース320内への潅注液の蓄積は、2つの吸引経路、すなわち吸引路342と前方の流路332及び後方の流路334のそれぞれとの間の吸引経路の提供によって防止される。遠位経路によって回収されない潅注液は、近位経路で回収される。
【0074】
組織片がプローブ302とシース320の間の間隙を通じて吸引されるのに十分に小さい場合、詰まりは、吸引経路全体で、器具の遠位端におけるプローブとシースの間隙から断面積が徐々に大きくなるように流路324の吸引経路を設計することによって防止される。創傷清拭の間にプローブとシースの間隙に入る組織に作用する、真空が生成する引張力の大きさを減少させるために、シースの後方部分326に通気口364を備えてもよい。
【0075】
プローブとシースの位置合わせを容易にするために、対応機構又は共働機構366及び368のそれぞれが、プローブの節面近くで、プローブ302の外面及びシースの後方部分326の内側に配置される。これは、最大振動の地点(腹)での、特にプローブヘッド360の端面324での、プローブとシースの接触の可能性を最小にする。最小の振動変位位置、例えば円筒形のプローブ部分330とテーパーのプローブ部分338との間の境界部370におけるそれらの配置により、位置合わせ機構366、368は、最大振動変位の領域での望ましくない相互作用を防止又は最小化するために必要な、プローブとシースの接触を可能にする。
【0076】
図15~18に示されるように、創傷清拭又は創部から生体膜を除去するための別の超音波外科装置400は、遠位端にシース403を備えたハンドピース402と、枢動ピン406(1つのみ示す)でシースに揺動可能に取り付けられた吸引又は排気アタッチメント404とを備える。超音波プローブは、ハンドピース402及びシース403の内側に配置され、遠位端で小円鋸歯又は歯410を備えて形成されたヘッド408で終わる。
【0077】
吸引アタッチメント404は、近位端にある本体部分412と、本体部分から遠位方向に延びる一対の中空アーム414、416とを含む。アーム414、416は、吸引ヘッドとして機能する横要素418によってそれらの遠位端で互いに接合されている。
図18に示されるように、吸引ヘッド418は、複数の長手方向に延びるランナー又はリブ420と凹部422とを下側に備えて形成され、凹部422はそのランナー又はリブによって筋を形成され、中空アーム414、416の吸引路(図示せず)と繋がる。本体部分412には、吸引管(管346のような)が取り付けられるポートコネクタ424が備えられる。灌注液は、プローブの流路(図示せず)を通ってプローブヘッド408の出口(図示せず)に導かれる。灌注液は、組織片及び他の外科的処置で生じた残屑と共に、吸引アタッチメント404を通じて手術部位から吸い込まれる。より具体的には、創傷清拭作業中に、吸引ヘッド418は手術部位の組織と本質的に接触して配置される。灌注液及び組織の残屑は、凹部422を通じて収集され、アーム414、416を通って導かれ、ポートコネクタ424を通って外に出る。
【0078】
吸引アタッチメント404の枢動可能な取り付けにより、器具の残りの部分、特にハンドピース402、シース403、及びプローブが、組織表面の法線と異なる角度になるように傾けられたとしても、吸引ヘッド418、特に凹部422が組織表面に並置された状態を保つことが可能である。
【0079】
図19は、手術部位506の組織で超音波器具504を使用することにより生じる空中浮遊粒子を除去するために組織表面502に配置される、リングの形態の吸引装置500を示す。リング500は、内側の円筒面に沿って複数の吸引ポート508を離して備える。ポート508は、リング500に角度が調整できるようにして、例えば孔の開けられたジョイントボール509を有するユニバーサルジョイントを介して、取り付けられてもよい。吸引ポート508がホース510を介して吸引源(図示せず)と繋がることができるように、リング500は少なくとも部分的に中空である。リング500は、バックル又は面ファスナーを備えたストラップ514、又は接着層516などの1つ又は複数の様々な結合手段によって、患者、例えば肢512に取り付けられることができる。
【0080】
図20~23は、
図9~14の器具アセンブリについての変形例を示す。これらは、プロテーゼや手術器具などの硬い表面から生体膜を除去することにおいて、器具の使用を容易にする。
図9~14を参照した上記の開示は、
図20~23の変形例に関して繰り返されるので、ここにおいて参照される。
図9~14で使用された参照番号は、
図20~23で同一又は類似の構造を指すために使用される。
【0081】
図9~14を参照して上述したように、超音波プローブ302は、作用先端又は端面324と、流れを示す矢印318によって示されるようにプローブのホーン部分310の遠位端の開口部316に灌注液を送るための軸方向又は長手方向の流路314を有する。電気機械変換器305は、プローブ302で超音波定在波を発生させて超音波周波数で作用先端324を振動させるために、プローブ302に動作可能に接続される。シース又はスリーブ320は、プローブ302の周りに配置され、プローブの外側に流路332、334、336、342(
図9)を定める。流路332、334、336、342は、作用先端324に近いプローブ302の遠位端の周囲領域に少なくとも1つの第1のポート520を有する。ポート520は、具体的には、シース又はスリーブ320の内面(符号を付されない)と遠位端面又は作用先端324の領域におけるプローブ302の外面(符号を付されない)との間の間隙である。シース又はスリーブ320は、シース又はスリーブの遠位端部分522がプローブ302の作用先端又は端面324を超えて遠位方向に延びて、作用先端324と標的表面TSの間において超音波結合空間又は前室524を定める又は取り囲む作動形態を有する。
【0082】
図20及び21に示されるように、シース又はスリーブ320の遠位端部分は、1つ以上の間隙又は空間528によって離された複数の長手方向に延びる指状部526を備えて形成されることができる。間隙又は空間528は、角が丸くされた長方形の遠位端530から後方に延びる、シース又はスリーブ320の遠位端部分におけるスロットである。
図22及び23に示されるように、シース又はスリーブ320の遠位端部分は、代わりにシース又はスリーブの側壁(別に符号を付されない)に1つ以上の開口部532を備えて形成されてもよく、開口部532は、シース又はスリーブの遠位端又は遠位先端539から離される。間隙528及び開口部532は、吸引ポート又は入口520を通じてスラリーとしての結合媒体(灌注液)及び集められた残骸を除去するために、結合空間又は前室524への空気の進入を可能にする。シース又はスリーブ520のこの作動モードは、治療部分からの霧化された灌注液及び病原性粒子の放出を防止若しくは低減する役割を果たす。
【0083】
治療部分は、シース又はスリーブ520の遠位端530によって囲まれた又は境された標的表面の領域として定められることができる。治療部分は、通常は創部での有機組織の創傷清拭の間に又は創部若しくは硬い表面での生体膜を減少させる間に、より大きな表面を動き回る。プローブの流路314を通じての遠位への灌注液の流量と、吸引路332、334、336、342によるスラリー除去の関連する量は、少なくとも創傷床又は組織損傷部位の創傷清拭の場合において、生体膜粒子及び病原性成分を治療部分から除去するためだけでなく、プローブ302及び治療部位を冷却するためにも十分に大きいことが好ましい。
【0084】
器具の使用中に、プローブ302の遠位端に送られた灌注液は蓄積して、結合空間又は前室524内の結合媒体として作用する。超音波圧縮波は、プローブの先端又は端面324から結合媒体の灌注液を介して伝達されて、標的表面TSに破壊のためのキャビテーション又は他のミクロンサイズの機械的及び熱的擾乱を発生させる。
【0085】
シース若しくはスリーブ520の遠位端部分、プローブ302の作用先端若しくは端面423、及び標的表面TSによって定められる又は形成される前室又はエンクロージャ(囲まれた部分)524は、標的表面TSからプローブの作用先端324が離れることを確実にするために部分的に機能する。前室又はエンクロージャ524はまた、前室又はエンクロージャでの灌注液の閉じ込めにより、効果的な超音波圧力波結合を可能にするように機能する。前室又はエンクロージャはまた、しぶき又は霧化される残骸を減らすように機能すると共に、シース又はスリーブ320の吸引路332、334、336、342を通じた除去のために、残骸及び潜在的な病原性粒子を封じ込めるように機能する。
【0086】
図24に示されるように、生体膜除去、特に患者の標的組織TT’からの生体膜除去に使用される超音波器具600は、シース又はスリーブ603を縦断するプローブ602を含む。プローブ602は、ヘッド604のリム608の遠位の縁に囲まれたボウル形状の窪み又は凹部606を備えたヘッド604を含む。生体膜を除去するためのプローブ602の使用の際に、リム608は通常、標的組織TT’と実際に接触することとなるプローブの唯一の部分である。生体膜除去作業の間に、矢印612で示されるように、灌注液は圧力によりプローブ602の流路610を通って流れ、窪み又は凹部606を満たして液溜まりを形成する。シース又はスリーブ603を通じて加えられる吸引により、矢印605で示されるように、灌注液及び潜在的な汚染物質、並びに組織及び生体膜の断片が除去される(上記の説明を参照)。プローブ602は、例としては内側で流路610と繋がり、外側でシース又はスリーブ603と、より具体的にはシース又はスリーブ603の管腔(別に符号を付されない)と繋がる、1つ、2つ又はそれ以上のバイパスポート又は孔607をヘッド604に備えることができる。バイパスポート又は孔607は、流路610に対して略横方向に向けられ、それに付随してプローブ602の縦軸(図示せず)に対して垂直に向けられれている。
【0087】
図25に示されるように、生体膜除去に使用される別の超音波プローブ614は、互いに離れて配置された突起又は隆起要素618の配列をプローブヘッドの端面620に有するプローブヘッド616を含む。突起又は隆起要素618は、例えば円錐形、ピラミッド形又は尖った歯の形を取ることができる。必ずではないが、通常は端面620の中心にある灌注液出口622は、灌注液出口622からの灌注液を端面620に分配する複数の放射溝624と繋がる。突起又は隆起要素618は、出口618と端面の縁又は外縁との間で端面620全体に配置される。1つ以上のバイパスポート又は孔623が、プローブ614、例えばプローブヘッド616に備えられてもよい。バイパスポート又は孔623は、プローブ614の流路625からその外面(別に符号を付されない)まで延びる。プローブ614は通常は、例えば
図24に関して上述したように、シース又はスリーブ(図示せず)と共に使用される。
【0088】
図26に示されるように、生体内での組織部位から、あるいはプロテーゼ又は手術器具の表面からの両方で生体膜除去に使用される更なる超音波プローブ626は、互いに離されて配置された金属製の毛又は繊維630の配列をプローブヘッドの端面632に有するプローブヘッド628を含む。灌注液出口634は、通常は端面632の中央に形成される。繊維620を備えたヘッド628は超音波ブラシヘッドであり、繊維の柔軟性により、硬い表面からの生体膜の除去にプローブ626が適合する。毛又は繊維630は、出口634と端面の縁又は外縁との間の端面632全体に配置される。1つ以上のバイパスポート又は孔636が、プローブ626、例えばプローブヘッド628に備えられてもよい。バイパスポート又は孔636は、プローブ626の流路(図示せず)からその外面(別に符号を付されない)まで延びる。プローブ626は通常は、例えば
図24に関して上述したように、シース又はスリーブ(図示せず)と共に使用される。
【0089】
本明細書において
図9~14を参照して上述したように、シース又はスリーブ320はプローブ302に対して長手方向に摺動可能であり、作動形態での遠位又は伸長位置(
図20~23)と近位又は後退位置の間で動く。シース又はスリーブ320の最も遠位の又は伸長した位置では、特に作用先端又は端面324を含めてプローブヘッドが覆われ、一方でシース又はスリーブの最も近位の位置では、必然的に作用先端又は端面324を含むプローブヘッドの少なくとも一部が露出される。器具は、止めねじ、クランプ、又は摩擦嵌めなどの固定機構534(
図9)を備えることができ、それはシース又はスリーブ320を伸長位置又は後退位置、及び任意でそれらの間のいずれかの位置に保持する。そのような固定機構534は、当技術分野で周知のように、固定がプローブでの定在波の発生に影響しないように、好ましくはプローブ302の振動の節に配置される。
【0090】
図9には、プローブ302及びシース若しくはスリーブ320は、第1の空間又は流路332及び第2の空間又は流路336の両方をプローブの概して横方向又は側面に定め、特にプローブを囲んで定めていることが示されている。第2の空間又は流路336は、第1の空間又は流路332の近位に位置し、第1の空間又は流路336よりも、プローブ302の軸に直交する平面内でより大きな横断面を有する。上述したように(
図9)、プローブ302は、出口から離れて配置されて第1の空間又は流路332と繋がる少なくとも1つの開口部356を遠位端部分に備えてもよい。シース若しくはスリーブ320は、第1の空間又は流路332及び第2の空間又は流路336と繋がる吸引路342を有する吸引アーム340を備える。
【0091】
図20~23によって示された通り、変形例の超音波創傷清拭器具300は、シース又はスリーブ320の遠位先端又は遠位端530を、創部、表面又はプロテーゼなどの洗浄を必要とする標的表面TSに配置するように操作される。器具300は、
図20~23に示されるように、シース又はスリーブが部分的にプローブ302の作用先端又は端面324の遠位に延びて、部分的にプローブの作用先端と標的表面TSの間に間隔を維持又は形成する役割を果たすようにして、シース又はスリーブを配置するために操作される。作用先端又は端面324と標的表面TSの間の間隔又は距離は、硬い表面TSに関しては、プローブ先端と硬い表面の間の接触を避けるために十分に大きくなければならないが、硬い表面に付着している生体膜の破壊及び断片化で役に立たないエネルギーとなるまで超音波振動エネルギーを弱める程に大きくすることはできない。通常は、前室又は結合エンクロージャ524の間隔又は高さは、約100ミクロンから数ミリメートルの間である。シース又はスリーブ320の遠位先端又は遠位端530を標的表面TSに配置するための器具300の操作は、本質的に標的表面から所望の距離に作用先端324又はプローブを位置決めする。
【0092】
シース又はスリーブ320の遠位先端又は遠位端530が標的表面TSと接触している間に、プローブ302の流路314を通じて前室又は結合エンクロージャ524に灌注液を供給する(流れを示す矢印318)。また、シース又はスリーブ320の遠位先端又は遠位端530が標的表面TSと接触している間に、プローブ302において超音波定在波が発生されてその作用先端又は端面524を振動させ、それにより標的表面での望ましくない物質を断片化する。超音波定在波の発生中に、標的表面TSから流体を除去するために、真空圧若しくは負圧が真空発生器又は吸引源536(
図9)によって第2の流路に加えられる。
【0093】
好ましくは、灌注液(318)は、次亜塩素酸及び/若しくは次亜塩素酸金属イオンなどの消毒剤又は殺生物剤を含む。この消毒剤又は殺生物剤は、有利には超音波による治療時に又はその直前に現場で生成され、それにより次亜塩素酸の有効濃度が確保される。次亜塩素酸及び/又は次亜塩素酸金属イオンは、その開示が参照により本明細書に援用される米国特許出願公開第2016/0222526号明細書に記載されるように、電解発生器538(
図9)によって滅菌生理食塩水から生成されることができる。
【0094】
上述のように、シース又はスリーブ320は、プローブ302に対して長手方向に移動可能であるようにして摺動可能に取り付けられている。標的表面TSにシース又はスリーブの遠位先端又は遠位端530を配置するために、シース又はスリーブ320は、器具の操作前に器具に沿って遠位方向に移動される。プローブ302に対するシース又はスリーブ320の長手方向位置を変えることにより、使用者は、プローブ302の作用面324と標的面TSとの間の結合空間又は前室524の高さを調整することができる。高さはゼロに近いことがあり、その場合にはプローブ302の作用先端324は、患者の創傷又は損傷の部位での有機組織などの標的表面TSと接触又はほぼ接触して配置されてもよい。この選択肢は、
図9~14を参照して上述されている。
【0095】
通常は、第2の流路332、334、336、342は、シース又はスリーブ320とプローブ302の間に配置される。この方法はまた、吸引路332、334、336、342に周囲空気を吸引するために、超音波定在波の発生後にシース又はスリーブ320を近位方向に移動させ、その後に吸引路へ真空圧又は負圧を加えることを含む。
【0096】
上述の方法は、プロテーゼの表面などの硬い標的表面TSから生体膜を除去するのに有利である。プロテーゼの洗浄は、観血手術がプロテーゼの少なくとも一部を露わにする生体内で、又は患者から一時的にプロテーゼが除去されて生体外で行われてもよい。
【0097】
本発明の方法が硬い標的表面を洗浄するために使用される場合、遠位に伸長又は突出するシース320による振動するプローブの作用面324の標的表面TSからの間隔は、金属又は合金のプローブと、通常はやはり金属又は合金で作られるプロテーゼとの高振動数での衝突を防止する。したがって、プローブの共振動作が維持されている間に、プロテーゼの不注意による損傷の可能性が排除されないにしても低減される。
【0098】
あるいは、標的表面は、手術器具の表面であり得る。
【0099】
本発明は、標的表面TSが患者組織である場合と、標的表面が器具又はプロテーゼの表面である場合の両方に適用されるという追加の利点を提供する。それは、空中浮遊病原体の発生を減らす効果が強化されている。治療部位からの霧化及び液体の散布は、結合空間又は前室524に加えられる吸引と組み合わせて、シース又はスリーブ320の遠位端によって形成される障壁によって抑制又は制限される。シース又はスリーブ320は治療部位を取り囲み、それにより器具の吸引路332、334、336、342を通じて即時に除去するために断片化された生体膜及び/又は組織を封じ込める。シース又はスリーブ320の遠位端部分は、治療部位で生じたスラリーの効果的な吸引を可能にするために空気の進入だけを許容する、断面積が制限された開口、すなわち間隙528又は開口部532を備える。
【0100】
本発明を特定の実施形態及び用途について説明したが、当業者は、この教示に照らして、本発明の精神を逸脱又は超えることなく、更なる実施形態及び改良をもたらすことが可能である。更に、例えば振動モードの周波数が異なる場合に、位相シフトは変わる可能性がある。したがって、本明細書における図面及び説明は、本発明の理解を容易にするために例として提供されており、本発明の範囲を限定するように解釈されるべきではないことを理解されたい。
【符号の説明】
【0101】
10 超音波創傷清拭器具
12 作用先端又は作用面
14 吸引路
16 超音波ホーンの外面
18 超音波プローブ又はホーン
20 カニューレ又はシースの内面
22 カニューレ、シース又はスリーブ
23 波形発生器
24 吸引ポート
26 吸引ポート
28 別の器具
32 延長部
34 吸引源又は真空発生器
36 管腔
38 真空発生器、吸引源
50 器具アセンブリ
52 作用先端又は作用面
54 内側吸引路
56 超音波ホーンの外面
58 超音波プローブ又はホーン
60 内側シースの内面
62 第1又は内側シース
64 第2の外側シース
66 第2の吸引路
68 円錐状ポート部、吸気口
70 吸引源又は真空発生器
72 吸引源又は真空発生器
74 バルブ
76 バルブ
78 制御ユニット
80 超音波波形発生器
82 吸引ポート
86 固定具
90 器具
92 吸引ノズル
94 強化ホース
96 固定要素
102 超音波トランスデューサ
106 パッド
106’ キャリアパッド
108 超音波伝達物質の層
110 接着層
112 ストラップ又はバンド
114 圧電(超音波)トランスデューサ
116 バルーン又は袋
118 ゲル又は他の媒体
120 超音波波形発生器
200 超音波外科装置又はアセンブリ
202 超音波プローブ
204 超音波振動エネルギー源
206 超音波波形発生器
208 圧電性結晶のスタック(圧電トランスデューサ)
212 内側シース
214 開口部
216 開口部
218 内側流路
220 吸引源又は真空源
222 外側シース
224 外側流路
226 灌注液供給源
228 入口
232 遠位端の開口
240 手術部位
242 組織片
244 組織片
246 プローブの遠位端面
300 外科装置
302 超音波プローブ
304 接続部
305 圧電トランスデューサアレイ、電気機械変換器
306 ドライバ
308 ケーシング
310 プローブの遠位端部(ホーン部分)
312 流路又は孔
314 流路又は孔(管腔)
316 プローブの遠位端開口部
318 灌注液
320 シース又はスリーブ
322 シースの遠位先端
324 プローブの遠位(作用)先端又は端面
326 シースの後方部分
328 シースの前方部分
330 プローブの近位部分
332 前方の流路、第1の空間又は流路
334 後方の流路又は導管
336 拡大空間、第2の空間又は流路
338 プローブのテーパー部
340 吸引アーム
342 吸引路(流路)
344 接続口
346 吸引管
348 留め具
350 環状リング
352 環状リング
354 横孔
356 横孔(開口部)
358 Oリングシール
360 プローブヘッド
362 歯
364 通気口
366、368 対応機構又は共働機構(位置合わせ機構)
370 境界部
400 超音波外科装置
402 ハンドピース
403 シース
404 吸引又は排気アタッチメント
406 枢動ピン
408 ヘッド
410 小円鋸歯又は歯
412 本体部分
414、416 中空アーム
418 吸引ヘッド、吸引ヘッドとして機能する横要素
420 ランナー又はリブ
422 凹部
424 ポートコネクタ
500 吸引装置、リング
502 組織表面
504 超音波器具
506 手術部位
508 吸引ポート
509 ジョイントボール
510 ホース
512 肢
514 ストラップ
516 接着層
520 第1のポート、吸引ポート又は入口
522 シース又はスリーブの遠位端部分
524 超音波結合空間、前室又はエンクロージャ(囲まれた部分)
526 指状部
528 間隙又は空間
530 シース又はスリーブの遠位端
532 開口部
534 固定機構
536 真空発生器又は吸引源
538 電解発生器
539 シース又はスリーブの遠位端又は遠位先端
600 超音波器具
602 プローブ
603 シース又はスリーブ
604 ヘッド
606 ヘッドの窪み又は凹部
607 バイパスポート又は孔
608 ヘッドのリム
610 流路
614 超音波プローブ
616 プローブヘッド
618 突起又は隆起要素
620 プローブヘッドの端面
622 灌注液出口
623 バイパスポート又は孔
624 放射溝
625 流路
626 超音波プローブ
628 プローブヘッド
630 毛又は繊維
632 プローブヘッドの端面
634 灌注液出口
636 バイパスポート又は孔
d 距離
D1 距離
D2 距離
PL 腕又は脚
PT、PT’ 患者の組織
R、R’ 手術部位の周囲領域
SI、SI’ 手術部位
SS、SS’ 手術部位
TP、TP’ 患者、組織表面
TT’ 標的組織