(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-14
(45)【発行日】2022-10-24
(54)【発明の名称】セラミック製の芯材要素を含むエアロゾル送達装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/44 20200101AFI20221017BHJP
【FI】
A24F40/44
(21)【出願番号】P 2019558381
(86)(22)【出願日】2018-04-27
(86)【国際出願番号】 IB2018052952
(87)【国際公開番号】W WO2018198093
(87)【国際公開日】2018-11-01
【審査請求日】2021-03-30
(32)【優先日】2017-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516097871
【氏名又は名称】アール・エイ・アイ・ストラテジック・ホールディングス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クレモンズ,デイビッド・エイ
(72)【発明者】
【氏名】カーペンター,ウィリアム・ケビン
(72)【発明者】
【氏名】デイビス,マイケル・エフ
【審査官】吉澤 伸幸
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-505476(JP,A)
【文献】中国実用新案第204191595(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第103960781(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00 - 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル送達装置であって、
外壁によって少なくとも部分的に形成されたハウジングと、
ハウジングの外壁の内側に配置された流管であって、その壁に構成された少なくとも1つの通気孔を含み、少なくとも1つの通気孔が、空気流が通るのを可能にし、液体が流れるのを略防止するように適合される、流管と、
ハウジングの外壁と流管との間に画定された空間と、
ハウジングのコネクタ端部とハウジングの口端との間の
エアロゾル送達装置を通り、少なくとも部分的に流管を通過する空気流経路と、
セラミック芯と組み合わされたヒータから形成されたアトマイザであって、セラミック芯の少なくとも一部が空気流経路にあるように、且つセラミック芯の少なくとも一部がハウジングの外壁と流管との間に画定された空間と流体連通するように、セラミック芯が流管と密封係合している、アトマイザと、
セラミック芯と流管との間に配置されて、密封係合を形成するように構成された密封部材と、
を備える、エアロゾル送達装置。
【請求項2】
流管の壁に構成された少なくとも1つの通気孔が、ハウジングの口端に近接して配置される、請求項1に記載の
エアロゾル送達装置。
【請求項3】
ハウジングの口端と係合し且つ流管の端部と係合するマウスピースをさらに備える、請求項1または2に記載の
エアロゾル送達装置。
【請求項4】
ハウジングのコネクタ端部に係合するコネクタをさらに備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の
エアロゾル送達装置。
【請求項5】
セラミック芯が略中実である、請求項1から4のいずれか一項に記載の
エアロゾル送達装置。
【請求項6】
ヒータが、セラミック芯の外面の周りに配置された抵抗加熱ワイヤである、請求項5に記載の
エアロゾル送達装置。
【請求項7】
セラミック芯が、ハウジングの長手方向軸に対して略垂直な長手方向軸を有する、請求項5に記載の
エアロゾル送達装置。
【請求項8】
セラミック芯が、第1のセラミック芯端と第2のセラミック芯端との間で流管を横切って横断方向に延び、密封部材が、第1のセラミック芯端および第2のセラミック芯端に近接してセラミック芯と密封係合する、請求項5に記載の
エアロゾル送達装置。
【請求項9】
セラミック芯が、セラミック芯の第1の端部とセラミック芯の第2の端部との間に延びる通路を画定する中空内部を有する、請求項1から8のいずれか一項に記載の
エアロゾル送達装置。
【請求項10】
ヒータが、セラミック芯の中空内部に画定された通路内に配置される、請求項9に記載の
エアロゾル送達装置。
【請求項11】
セラミック芯の第2の端部が、流管の自由端に係合している、請求項9に記載の
エアロゾル送達装置。
【請求項12】
セラミック芯の第1の端部が、ハウジングのコネクタ端部に係合するコネクタと接続する、請求項11に記載の
エアロゾル送達装置。
【請求項13】
密封部材が、流管の自由端とセラミック芯の第2の端部との間に密封係合を形成し、第2の密封部材が、セラミック芯の第1の端部とコネクタとの間に密封係合を形成する、請求項12に記載の
エアロゾル送達装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、喫煙品などのエアロゾル送達装置に関し、より具体的には、エアロゾルの生成のために電気的に生成された熱を利用することができるエアロゾル送達装置(例えば、一般に電子タバコと呼ばれる喫煙品)に関する。喫煙品は、エアロゾル前駆体を加熱するように構成されることができ、これは、タバコから作られるかもしくはタバコに由来する材料を組み込むかまたはタバコを組み込むことができ、前駆体は、人間が消費する吸入可能な物質を形成することができる。
【背景技術】
【0002】
多くの喫煙装置は、使用のためにタバコを燃焼させることを必要とする喫煙製品の改良または代替として長年にわたって提案されている。これらの装置の多くは、タバコ、葉巻、またはパイプ喫煙に関連する感覚を提供するが、タバコの燃焼に起因するかなりの量の不完全燃焼および熱分解生成物を送達しないように意図的に設計されていると言われている。この目的のために、電気エネルギーを利用して揮発性物質を気化もしくは加熱するか、または著しくタバコを燃焼させることなくタバコ、葉巻またはパイプ喫煙の感覚を提供しようとする多くの喫煙製品、香味発生器、および薬用吸入器が提案されている。例えば、参照することにより本明細書に組み込まれるRobinsonらによる米国特許第7,726,320号明細書、Griffith Jr.らによる米国特許出願公開第2013/0255702号明細書、およびSearsらによる米国特許出願公開第2014/0096781号明細書に記載された背景技術に記載されている様々な代替喫煙品、エアロゾル送達装置および熱源を参照されたい。例えば、その全体が参照することにより本明細書に組み込まれる、2014年2月3日に出願されたBlessらによる米国特許出願第14/170,838号において商品名および商業的供給源によって参照される様々な種類の喫煙品、エアロゾル送達装置および電気式熱源もまた参照されたい。
【0003】
エアロゾル送達装置の蒸気形成ユニットを提供することが望ましく、蒸気形成ユニットは、蒸気形成を改善するようにおよび/またはパワーユニットとの統合を改善するように構成される。そのような蒸気形成ユニットを利用して作製されるエアロゾル送達装置を提供することも望ましいであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第7,726,320号明細書
【文献】米国特許出願公開第2013/0255702号明細書
【文献】米国特許出願公開第2014/0096781号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、エアロゾル送達装置、そのような装置を形成する方法、およびそのような装置の要素に関する。エアロゾル送達装置は、特にセラミック芯を一体化して、蒸気形成ユニットを形成することができる。蒸気形成ユニットは、パワーユニットと組み合わせられて、エアロゾル送達装置を形成することができる。
【0006】
1つ以上の実施形態では、本開示は、少なくとも蒸気形成ユニットを含むエアロゾル送達装置を提供することができる。蒸気形成ユニットは、エアロゾル送達装置での使用が知られているカートリッジおよび/またはタンクと同様の方法で機能することができる。例示的な実施形態として、エアロゾル送達装置の蒸気形成ユニットは、
外壁によって少なくとも部分的に形成されたハウジングと、
ハウジングの外壁の内側に配置された流管と、
ハウジングの外壁と流管との間に画定された環状空間と、
ハウジングのコネクタ端部とハウジングの口端との間の装置を通り、少なくとも部分的に流管を通過する空気流経路と、
セラミック芯と組み合わされたヒータから形成されたアトマイザであって、セラミック芯の少なくとも一部が空気流経路にあるように、且つセラミック芯の少なくとも一部がハウジングの外壁と流管との間に画定された環状空間と流体連通するように、セラミック芯が流管と密封係合している、アトマイザと、
セラミック芯と流管との間に配置されて、密封係合を形成するように構成された密封部材と、を備えることができる。
【0007】
様々な実施形態では、エアロゾル送達装置は、略管状または円筒状の本体として構成されることができる。特に、蒸気形成ユニットを通る空気流経路は、リザーバ(例えば、環状空間)の長手方向軸と実質的に整列されることができる。したがって、エアロゾル送達装置は、任意の数または順序で組み合わせることができる以下の記述のうちの1つ以上に関してさらに規定されることができる。
【0008】
流管は、その壁に構成された少なくとも1つの通気孔を含むことができ、少なくとも1つの通気孔は、空気流が通るのを可能にし、液体が流れるのを略防止するように適合される。特に、流管の壁に構成された少なくとも1つの通気孔は、ハウジングの口端に近接して配置されることができる。
【0009】
エアロゾル送達装置は、さらに、ハウジングの口端と係合し且つ流管の端部と係合するマウスピースを備えることができる。
【0010】
エアロゾル送達装置は、さらに、ハウジングのコネクタ端部に係合するコネクタを備えることができる。
【0011】
セラミック芯は、略中実とすることができる。
【0012】
ヒータは、略中実のセラミック芯の外面の周りに配置された抵抗加熱ワイヤとすることができる。
【0013】
略中実のセラミック芯は、ハウジングの長手方向軸に対して略垂直な長手方向軸を有することができる。
【0014】
略中実のセラミック芯は、第1のセラミック芯端と第2のセラミック芯端との間の流管を横切って横断方向に延びることができ、密封部材は、第1のセラミック芯端および第2のセラミック芯端に近接するセラミック芯と密封係合することができる。
【0015】
セラミック芯は、セラミック芯の第1の端部とセラミック芯の第2の端部との間に延びる通路を画定する中空内部を有することができる。
【0016】
ヒータは、セラミック芯の中空内部に画定された通路内に配置されることができる。
【0017】
中空のセラミック芯の第2の端部は、流管の自由端に係合することができる。
【0018】
中空のセラミック芯の第1の端部は、ハウジングのコネクタ端部に係合するコネクタと接続することができる。
【0019】
密封部材は、流管の自由端とセラミック芯の第2の端部との間の密封係合を形成することができ、第2の密封部材は、中空のセラミック芯の第1の端部とコネクタとの間の密封係合を形成することができる。
【0020】
1つ以上の実施形態では、本明細書に開示されるエアロゾル送達装置は、蒸気形成ユニットを含むことができ、リザーバと蒸気形成ユニットを通る空気流経路とは、実質的に整列されない。より詳細には、リザーバは、蒸気形成ユニットを通る空気流経路からオフセットされることができる。例示的な実施形態として、エアロゾル送達装置の蒸気形成ユニットは、
空気流入口および空気流出口を含むハウジングと、
可撓性外壁から形成され且つ開口が形成されているハウジング内の液体貯蔵容器と、
液体貯蔵容器に形成された開口に係合する端部とヒータに係合する略中央部分とを含むセラミック芯を備えるハウジング内のアトマイザであって、セラミック芯の略中央部分およびヒータが、ハウジングの空気流入口と空気流出口との間の空気流経路にあるアトマイザと、を備えることができる。
【0021】
さらなる実施形態では、エアロゾル送達装置は、任意の数または順序で組み合わせることができる以下の記述のうちの1つ以上に関してさらに規定されることができる。
【0022】
セラミック芯は、略棒状とすることができる。
【0023】
セラミック芯は、長手方向軸を有することができ、液体貯蔵容器は、長手方向軸を有することができ、セラミック芯および液体貯蔵容器の長手方向軸は、略平行とすることができる。
【0024】
セラミック芯および液体貯蔵容器の長手方向軸は、ハウジングの空気流入口と空気流出口との間の空気流経路の長手方向軸に対して略垂直とすることができる。
【0025】
空気流出口は、ハウジングから外側に延びるマウスピースを含むことができる。
【0026】
ハウジングは、空気流経路の軸と実質的に整列された本体と、本体から略垂直に延びる突起部とを備えることができ、突起部は、液体貯蔵容器を含む。
【0027】
エアロゾル送達装置は、さらに、ハウジングに接続可能なパワーユニットを備えることができ、パワーユニットは、電源を含む。
【0028】
パワーユニットは、ハウジングが接続されたときにパワーユニットに対して外部にあるように、ハウジングと接続可能とすることができる。
【0029】
パワーユニットは、ハウジングが接続されたときにパワーユニットに対して完全に内部にあるように、ハウジングと接続可能とすることができる。
【0030】
パワーユニットは、マウスピースを含むことができる。
【0031】
ハウジングの空気流出口がマウスピースへのエアロゾル入口と実質的に整列されるように、パワーユニットへ挿入するためのハウジングは構成されることができる。
【0032】
マウスピースは、形成されたエアロゾルが通過することができる開放位置と、形成されたエアロゾルの通過が略防止される閉鎖位置との間で移動可能とすることができる。
【0033】
本発明は、限定することなく、以下の実施形態を含む:
実施形態1:エアロゾル送達装置であって、
外壁によって少なくとも部分的に形成されたハウジングと、
ハウジングの外壁の内側に配置された流管と、
ハウジングの外壁と流管との間に画定された環状空間と、
ハウジングのコネクタ端部とハウジングの口端との間の装置を通り、少なくとも部分的に流管を通過する空気流経路と、
セラミック芯と組み合わされたヒータから形成されたアトマイザであって、セラミック芯の少なくとも一部が空気流経路にあるように、且つセラミック芯の少なくとも一部がハウジングの外壁と流管との間に画定された環状空間と流体連通するように、セラミック芯が流管と密封係合している、アトマイザと、
セラミック芯と流管との間に配置されて、密封係合を形成するように構成された密封部材と、
を備える、エアロゾル送達装置。
【0034】
実施形態2:流管がその壁に構成された少なくとも1つの通気孔を含み、少なくとも1つの通気孔が、空気流が通るのを可能にし、液体が流れるのを略防止する、先の実施形態のいずれかのエアロゾル送達装置。
【0035】
実施形態3:流管の壁に構成された少なくとも1つの通気孔が、ハウジングの口端に近接して配置されている、先の実施形態のいずれかのエアロゾル送達装置。
【0036】
実施形態4:ハウジングの口端と係合し且つ流管の端部と係合するマウスピースをさらに備える、先の実施形態のいずれかのエアロゾル送達装置。
【0037】
実施形態5:ハウジングのコネクタ端部と係合するコネクタをさらに備える、先の実施形態のいずれかのエアロゾル送達装置。
【0038】
実施形態6:セラミック芯が略中実である、先の実施形態のいずれかのエアロゾル送達装置。
【0039】
実施形態7:ヒータが、セラミック芯の外面の周りに配置された抵抗加熱ワイヤである、先の実施形態のいずれかのエアロゾル送達装置。
【0040】
実施形態8:セラミック芯が、ハウジングの長手方向軸に対して略垂直である長手方向軸を有する、先の実施形態のいずれかのエアロゾル送達装置。
【0041】
実施形態9:セラミック芯が、第1のセラミック芯端と第2のセラミック芯端との間で流管を横切って横断方向に延び、密封部材が、第1のセラミック芯端および第2のセラミック芯端に近接してセラミック芯と密封係合する、先の実施形態のいずれかのエアロゾル送達装置。
【0042】
実施形態10:セラミック芯が、セラミック芯の第1の端部とセラミック芯の第2の端部との間に延びる通路を画定する中空内部を有する、先の実施形態のいずれかのエアロゾル送達装置。
【0043】
実施形態11:ヒータが、セラミック芯の中空内部に画定された通路内に配置される、先の実施形態のいずれかのエアロゾル送達装置。
【0044】
実施形態12:セラミック芯の第2の端部が流管の自由端に係合している、先の実施形態のいずれかのエアロゾル送達装置。
【0045】
実施形態13:セラミック芯の第1の端部が、ハウジングのコネクタ端部と係合するコネクタと接続している、先の実施形態のいずれかのエアロゾル送達装置。
【0046】
実施形態14:密封部材が、流管の自由端とセラミック芯の第2の端部との間に密封係合を形成し、第2の密封部材が、セラミック芯の第1の端部とコネクタとの間に密封係合を形成する、先の実施形態のいずれかのエアロゾル送達装置。
【0047】
実施形態15:空気流入口および空気流出口を含むハウジングと、可撓性外壁から形成され且つ開口が形成されているハウジング内の液体貯蔵容器と、液体貯蔵容器に形成された開口に係合する端部とヒータに係合する略中央部分とを含むセラミック芯を備えるハウジング内のアトマイザであって、セラミック芯の略中央部分およびヒータが、ハウジングの空気流入口と空気流出口との間の空気流経路にあるアトマイザと、を備える、エアロゾル送達装置。
【0048】
実施形態16:セラミック芯が略棒状である、先の実施形態のいずれかのエアロゾル送達装置。
【0049】
実施形態17:セラミック芯が長手方向軸を有し、液体貯蔵容器が長手方向軸を有し、セラミック芯および液体貯蔵容器の長手方向軸が略平行である、先の実施形態のいずれかのエアロゾル送達装置。
【0050】
実施形態18:セラミック芯および液体貯蔵容器の長手方向軸が、ハウジングの空気流入口と空気流出口との間の空気流経路の長手方向軸に対して略垂直である、先の実施形態のいずれかのエアロゾル送達装置。
【0051】
実施形態19:空気流出口が、ハウジングから外向きに延びるマウスピースを含む、先の実施形態のいずれかのエアロゾル送達装置。
【0052】
実施形態20:ハウジングが、空気流経路の軸と実質的に整列された本体と、本体から略垂直に延びる突起部とを備え、突起部が液体貯蔵容器を含む、先の実施形態のいずれかのエアロゾル送達装置。
【0053】
実施形態21:ハウジングに接続可能なパワーユニットをさらに備え、パワーユニットが電源を含む、先の実施形態のいずれかのエアロゾル送達装置。
【0054】
実施形態22:ハウジングが接続されたときにパワーユニットに対して外部にあるように、パワーユニットがハウジングに接続可能である、先の実施形態のいずれかのエアロゾル送達装置。
【0055】
実施形態23:ハウジングが接続されたときにパワーユニットに対して完全に内部にあるように、パワーユニットがハウジングに接続可能である、先の実施形態のいずれかのエアロゾル送達装置。
【0056】
実施形態24:パワーユニットがマウスピースを含む、先の実施形態のいずれかのエアロゾル送達装置。
【0057】
実施形態25:ハウジングの空気流出口がマウスピースへのエアロゾル入口と実質的に整列されるように、パワーユニットへ挿入するためのハウジングが構成されている、先の実施形態のいずれかのエアロゾル送達装置。
【0058】
実施形態26:マウスピースが、形成されたエアロゾルが通過することができる開放位置と、形成されたエアロゾルの通過が略防止される閉鎖位置との間で移動可能である、先の実施形態のいずれかのエアロゾル送達装置。
【0059】
本開示のこれらのおよび他の特徴、態様、および利点は、以下に簡単に説明される添付の図面とともに以下の詳細な説明を読むことから明らかになるであろう。本発明は、そのような特徴または要素が本明細書における特定の実施形態の説明において明示的に組み合わせられるかどうかにかかわらず、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の上述の実施形態の任意の組み合わせ、ならびに本開示に記載の任意の2つ、3つ、4つまたはそれ以上の特徴または要素の組み合わせを含む。本開示は、その様々な態様および実施形態のいずれかにおいて、開示された発明の任意の分離可能な特徴または要素が、前後関係が明らかにそうでないことを指示しない限り組み合わせ可能としてみなされるべきであるように、全体的に読まれるように意図される。
【0060】
上記の一般用語で本開示をそのように説明してきたが、ここで、必ずしも縮尺どおりに描かれていない添付図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【
図1】カートリッジと、本開示の様々な実施形態によるエアロゾル送達装置において利用されることができる様々な要素を含むパワーユニットとを備えるエアロゾル送達装置の部分断面図である。
【
図2】本開示の様々な実施形態によるエアロゾル送達装置において使用するための略管状または円筒形状の蒸気形成ユニットの図である。
【
図3】本開示の様々な実施形態によるその内部構造を示す蒸気形成ユニットの部分断面図である。
【
図4】本開示の様々な実施形態による流管、コネクタ、および芯の間の関係を示す蒸気形成ユニットの部分図である。
【
図5】本開示の様々な実施形態による内部構造を示す蒸気形成ユニットの部分断面である。
【
図6】本開示の様々な実施形態による蒸気形成ユニットとの組み合わせに有用なパワーユニットの図である。
【
図7】パワーユニットおよび蒸気形成ユニットを含む、本開示の様々な実施形態によるエアロゾル送達装置の図である。
【
図8】パワーユニットおよび蒸気形成ユニットを含む、本開示の様々な実施形態によるエアロゾル送達装置の図である。
【
図9】本開示の様々な実施形態による内部構造を示す蒸気形成ユニットの内部が見えるように外部の一部が切り取られた図である。
【
図10】本開示の様々な実施形態による内部構造を示す蒸気形成ユニットの内部が見えるように外部の一部が切り取られた図である。
【
図11】パワーユニットと組み合わされた蒸気形成ユニットを示す本開示の様々な実施形態によるエアロゾル送達装置の内部が見えるように外部の一部が切り取られた図である。
【発明を実施するための形態】
【0062】
本開示は、その例示的な実施形態を参照して、以下においてより完全に説明される。これらの例示的な実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であり、本開示の範囲を当業者に完全に伝えるように記載される。実際、本開示は、多くの異なる形態で具体化されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されるものと解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が適用可能な法的要件を満たすように提供される。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、「the」は、前後関係が他に明確に指示されない限り、複数の指示対象を含む。
【0063】
以下に記載されるように、本開示の実施形態は、エアロゾル送達システムに関する。本開示によるエアロゾル送達システムは、電気エネルギーを使用して材料を加熱し(好ましくは材料を有意な程度まで燃焼させることなくおよび/または材料を著しく化学的に変化させることなく)、吸入可能物質を形成し、そのようなシステムの構成要素は、最も好ましくは手持ち式装置とみなすのに十分にコンパクトである物品の形態を有する。すなわち、好ましいエアロゾル送達システムの構成要素の使用は、煙の生成-すなわち、タバコの燃焼または熱分解の副産物からの生成をもたらさないが、むしろ、それらの好ましいシステムの使用は、内部に組み込まれている特定の成分の揮発または気化から結果として生じる蒸気の生成をもたらす。好ましい実施形態では、エアロゾル送達システムの構成要素は、電子タバコとして特徴付けることができ、それらの電子タバコは、最も好ましくは、タバコおよび/またはタバコに由来する成分を組み込み、したがって、エアロゾル形態のタバコ由来成分を送達する。
【0064】
特定の好ましいエアロゾル送達システムのエアロゾル生成部品は、そのいずれかの成分のかなりの程度の燃焼を何ら伴わずにタバコを点火して燃焼させることによって(したがって、タバコの煙を吸い込むことによって)使用されるタバコ、葉巻、またはパイプの多くの感覚(例えば、吸入および呼気形式、味または風味の種類、感覚刺激効果、物理的感触、使用形式、視認可能なエアロゾルによって提供されるような視覚的刺激など)を提供することができる。例えば、本開示のエアロゾル生成部品のユーザは、喫煙者が伝統的な種類の喫煙品を使用するように、その部品を保持して使用し、その部品によって生成されるエアロゾルを吸入するためにその部品の一端を吸引し、選択された時間間隔で吸煙するまたはふかすなどすることができる。
【0065】
本開示のエアロゾル送達装置はまた、蒸気生成物品または薬剤送達物品であるとして特徴付けることができる。したがって、そのような物品または装置は、吸入可能な形態または状態で1つ以上の物質(例えば、香味料および/または医薬品有効成分)を提供するように構成されることができる。例えば、吸入可能物質は、実質的に蒸気の形態(すなわち、その臨界点より低い温度で気相にある物質)とすることができる。あるいは、吸入可能物質は、エアロゾル(すなわち、気体中の微細な固体粒子または液滴の浮遊物)の形態とすることができる。簡潔にするために、本明細書で使用される「エアロゾル」という用語は、可視であるかどうか、および煙のようにみなすことができる形態であるかどうかにかかわらず、人間の吸入に適した形態または種類の蒸気、ガス、およびエアロゾルを含むことを意味する。
【0066】
本開示のエアロゾル送達装置は、一般に、ハウジングと呼ばれることがある外側本体またはシェル内に設けられた多数の構成要素を含む。外側本体またはシェルの全体設計は、様々なものとすることができ、エアロゾル送達装置の全体サイズおよび形状を画定することができる外側本体の形式または構成は、様々なものとすることができる。通常、タバコまたは葉巻の形状に似た細長本体は、単一の単一性ハウジングから形成されることができ、または細長ハウジングは、2つ以上の分離可能本体から形成されることができる。例えば、エアロゾル送達装置は、略管状の形状とすることができ、そのため、従来のタバコまたは葉巻の形状に類似している細長シェルまたは本体を備えることができる。一実施形態では、エアロゾル送達装置の全ての構成要素は、1つのハウジング内に収容されている。あるいは、エアロゾル送達装置は、接合されて分離可能な2つ以上のハウジングを備えることができる。例えば、エアロゾル送達装置は、一端において1つ以上の構成要素(例えば、電池およびその物品の動作を制御するための様々な電子機器)を含むハウジングを備える制御本体(またはパワーユニット)と、他端においてエアロゾル形成成分(例えば、香味料およびエアロゾル形成剤などの1つ以上のエアロゾル前駆体成分、1つ以上の加熱器、および/または1つ以上の芯)を含んで取り外し可能に取り付けられた外側本体またはシェルとを有することができる。
【0067】
本開示のエアロゾル送達装置は、略管状の形状ではないが、実質的により大きい寸法に形成されることができる外側ハウジングまたはシェルから形成されることができる。ハウジングまたはシェルは、マウスピースを含むように構成されることができ、および/または液体エアロゾル形成剤などの消耗要素を含むことができ、気化器またはアトマイザを含むことができる別個のシェル(例えばカートリッジまたはタンク)を受け入れるように構成されることができる。
【0068】
本開示のエアロゾル送達装置は、最も好ましくは、電力源(すなわち、電源)、少なくとも1つの制御構成要素(例えば、物品の他の構成要素への電流電源を制御することなどにより、発熱のための電力を作動、制御、調整および停止するための手段-例えば、マイクロコントローラまたはマイクロプロセッサ)、ヒータまたは発熱部材(例えば、電気抵抗加熱要素または他の構成要素、これらは、単独でまたは1つ以上のさらなる要素に組み合わせて、「アトマイザ」と一般に呼ばれることがある)、エアロゾル前駆体組成物(例えば、一般に、「スモークジュース(smoke juice)」、「e-リキッド(e-liquid)」および「e-ジュース(e-juice)」と一般に呼ばれる成分など、十分な熱を加えることによってエアロゾルを生成することができる液体)、エアロゾル吸入のためのエアロゾル送達装置の吸引を可能にする、マウスピースまたは口領域(例えば、生成されたエアロゾルが吸引時にそこから引き出され得るように物品を通る画定された空気流路)のいくつかの組み合わせを備える。
【0069】
本開示のエアロゾル送達システム内の構成要素のより具体的な形式、構成および配置は、以下に提供されるさらなる開示に照らして明らかになる。さらに、様々なエアロゾル送達システムの構成要素の選択および配置は、本開示の背景技術の項で参照される代表的な製品などの市販の電子エアロゾル送達装置を考慮すると理解することができる。
【0070】
本開示によるエアロゾル送達装置において利用されることができる構成要素を示すエアロゾル送達装置100の例示的な一実施形態が
図1に提供される。図示された断面図に見られるように、エアロゾル送達装置100は、パワーユニット102と、機能的関係で永久的にまたは取り外し可能に整列させることができるカートリッジ104とを備えることができる。パワーユニット102とカートリッジ104との係合は、圧入(図示のように)、螺合、締まり嵌め、磁気などとすることができる。特に、本明細書でさらに説明するような接続構成要素を使用することができる。例えば、パワーユニットは、カートリッジ上のコネクタに係合するように適合されたカプラを含むことができる。
【0071】
特定の実施形態では、パワーユニット102およびカートリッジ104の一方または両方は、使い捨てであるかまたは再利用可能であると言及され得る。例えば、パワーユニットは、交換式電池または充電式電池を有することができ、したがって、典型的な電気コンセントへの接続、自動車充電器(すなわち、シガレットライターソケット)への接続、およびユニバーサルシリアルバス(USB)ケーブルなどを介したコンピュータへの接続を含む任意の種類の再充電技術と組み合わせることができる。例えば、一端にUSBコネクタを、反対端にパワーユニットコネクタを含むアダプタが、その全体を参照することにより本明細書に組み込まれるNovakらによる米国特許出願公開第2014/0261495号明細書に開示されている。さらに、いくつかの実施形態では、カートリッジは、その全体が参照により本明細書に組み込まれるChangらによる米国特許第8,910,639号明細書に開示されているように、使い捨てカートリッジを備えてもよい。
【0072】
図1に示すように、パワーユニット102は、制御構成要素106(例えば、プリント回路基板(PCB)、集積回路、メモリ構成要素、マイクロコントローラなど)、流量センサ108、電池110、およびLED112を含むことができるパワーユニットシェル101から形成されることができ、そのような構成要素は、可変的に整列させることができる。LEDに加えてまたはLEDの代替として、さらなるインジケータ(例えば、触覚フィードバック構成要素、音声フィードバック構成要素など)を含めることができる。発光ダイオード(LED)構成要素などの視覚的な刺激またはインジケータを生成する追加の代表的なタイプの構成要素、およびその構成と使用は、参照により本明細書に組み込まれる、Sprinkelらによる米国特許第5,154,192号明細書;Newtonによる米国特許第8,499,766号明細書およびScatterdayによる米国特許第8,539,959号明細書;Gallowayらによる米国特許出願公開第2015/0020825号明細書;およびSearsらによる米国特許出願公開第2015/0216233号明細書に記載されている。
【0073】
カートリッジ104は、リザーバハウジングに貯蔵されたエアロゾル前駆体組成物をヒータ134に吸い上げるか、さもなければ輸送するように適合された液体輸送要素136と流体連通しているリザーバ144を囲むカートリッジシェル103から形成されることができる。液体輸送要素は、毛細管現象などによって液体を輸送するように構成された1つ以上の材料から形成されることができる。液体輸送要素は、例えば、繊維状材料(例えば、有機綿、酢酸セルロース、再生セルロース織物、ガラス繊維)、多孔質セラミック、多孔質カーボン、グラファイト、多孔質ガラス、焼結ガラスビーズ、焼結セラミックビーズ、毛細管などから形成されることができる。したがって、液体輸送要素は、開気孔網状組織(すなわち、流体が要素を通って複数の方向に1つの孔から他の孔に流れることができるように相互接続された複数の孔)を含む任意の材料とすることができる。電流が流れると発熱するように構成された材料の様々な実施形態を使用して、抵抗加熱素子134を形成することができる。ワイヤコイルを形成することができる材料の例として、カンタル(FeCrAl)、ニクロム、二ケイ化モリブデン(MoSi2)、ケイ化モリブデン(MoSi)、アルミニウムをドープした二ケイ化モリブデン(Mo(Si,Al)2)、チタン、白金、銀、パラジウム、グラファイトおよびグラファイトベースの材料(例えば、炭素ベースのフォームや糸)およびセラミック(例えば、正または負の温度係数のセラミック)が挙げられる。
【0074】
形成されたエアロゾルがカートリッジ104から出ることを可能にするために、カートリッジシェル103に(例えば、口端に)開口128が存在してもよい。そのような構成要素は、カートリッジ内に存在することができる構成要素の代表であり、本開示に含まれるカートリッジ構成要素の範囲を限定することを意図するものではない。
【0075】
カートリッジ104はまた、集積回路、メモリ構成要素、センサなどを含むことができる1つ以上の電子構成要素150を含むことができる。電子構成要素150は、有線または無線手段によって制御構成要素106および/または外部装置と通信するように構成されることができる。電子構成要素150は、カートリッジ104またはそのベース140内のどこにでも配置することができる。
【0076】
制御構成要素106および流量センサ108は、別個に示されているが、制御構成要素および流量センサは、空気流量センサが直接取り付けられた電子回路基板として組み合わせることができることが理解される。さらに、電子回路基板は、電子回路基板がパワーユニットの中心軸に対して長さ方向に平行とすることができるという点で、
図1の図に対して水平に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、空気流量センサは、それ自体の回路基板または取り付け可能な他のベース要素を備えてもよい。いくつかの実施形態では、フレキシブル回路基板が利用されてもよい。フレキシブル回路基板は、略管状の形状を含む様々な形状に構成されてもよい。
【0077】
パワーユニット102およびカートリッジ104は、それらの間の流体係合を促進するように適合された構成要素を含むことができる。
図1に示すように、パワーユニット102は、内部に空洞125を有するカプラ124を含むことができる。カートリッジ104は、カプラ124と係合するように適合されたベース140を含むことができ、空洞125内に嵌合するように適合された突起141を含むことができる。そのような係合は、パワーユニット102とカートリッジ104との間の安定した接続を容易にするとともに、電池110とパワーユニット内の制御構成要素106とカートリッジ内のヒータ134との間の電気接続を確立することができる。さらに、パワーユニットシェル101は、吸気口118を含むことができ、吸気口は、シェルのノッチであることができ、シェル内では、カプラの周りの空気を通過させてシェルに入るのを可能にするカプラ124にノッチが連絡し、次にシェル内では、周囲空気が、カプラの空洞125を通過して突起141を介してカートリッジ内に入る。
【0078】
本開示による有用なカプラおよびベースは、Novakらによる米国特許出願公開第2014/0261495号明細書に記載されており、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。例えば、
図1に見られるようなカプラは、ベース140の内周142と嵌合するように構成された外周126を画定してもよい。一実施形態では、ベースの内周は、カプラの外周の半径に略等しいか、それよりも僅かに大きい半径を画定してもよい。さらに、カプラ124は、ベースの内周に画定された1つ以上の凹部178と係合するように構成された外周126に1つ以上の突起129を画定することができる。しかしながら、構造、形状、および構成要素の他の様々な実施形態を使用して、ベースをカプラに結合することができる。いくつかの実施形態では、カートリッジ104のベース140とパワーユニット102のカプラ124との間の接続は、略永続的とすることができるが、他の実施形態では、それらの間の接続は、例えば、パワーユニットが使い捨ておよび/または詰め替え可能とすることができる1つ以上の追加カートリッジとともに再利用されることができるように解放可能であってもよい。
【0079】
エアロゾル送達装置100は、いくつかの実施形態では、略棒状もしくは略管状の形状または略円筒形状とすることができる。他の実施形態では、さらなる形状および寸法、例えば、長方形または三角形の断面、多面的な形状などが包含される。特に、パワーユニット102は、非棒状であってもよく、むしろ、略長方形、円形、または何らかのさらなる形状を有してもよい。同様に、パワーユニット102は、実質的に従来の紙巻きタバコのサイズであると予想されるパワーユニットよりも実質的に大きくてもよい。
【0080】
図1に示されるリザーバ144は、容器(例えば、エアロゾル前駆体組成物に対して略不浸透性の壁から形成される)とすることができるか、または繊維性リザーバとすることができる。容器壁は、可撓性があり且つ折り畳むことができる。あるいは、容器壁は、略剛性とすることができる。例示的な実施形態では、リザーバ144は、カートリッジシェル103の内部を取り囲む管の形状に実質的に形成された1つ以上の不織布繊維の層を含むことができる。エアロゾル前駆体組成物は、リザーバ144に保持されることができる。例えば、液体成分は、リザーバ144によって収着可能に保持されることができる(すなわち、リザーバ144が繊維性材料を含む場合)。リザーバ144は、液体輸送要素136と流体接続することができる。液体輸送要素136は、この実施形態では、毛管作用を介してリザーバ144に貯蔵されたエアロゾル前駆体組成物を、金属ワイヤコイルの形態である加熱要素134に輸送することができる。したがって、加熱要素134は、液体輸送要素136と加熱配置にある。
【0081】
使用中、ユーザが物品100を吸うと、センサ108によって空気流が検出され、加熱要素134が作動し、エアロゾル前駆体組成物の成分が加熱要素134によって気化される。物品100の口端を吸うと、周囲空気が吸気口118に入り、カプラ124の空洞125およびベース140の突起141の中央開口を通過する。カートリッジ104では、吸引された空気は、形成された蒸気と混合してエアロゾルを形成し、エアロゾルは、加熱要素134からさっと払われ、吸引され、または他の方法で引き離され、物品100の口端の口開口128から出される。
【0082】
エアロゾル送達装置には入力装置要素が含まれていてもよい。ユーザが装置の機能を制御することを可能にするため、および/またはユーザへの情報の出力のために入力装置を含めることができる。装置の機能を制御するための入力装置として、任意の構成要素または構成要素の組み合わせを利用することができる。例えば、参照により本明細書に組み込まれるWormらによる米国特許出願公開第2015/0245658号明細書に記載されているように、1つ以上の押しボタンを使用することができる。参照により本明細書に組み込まれるSearsらによる2015年3月10日に出願された米国特許出願第14/643,626号に記載されているように、タッチスクリーンは使用されることができる。さらなる例として、エアロゾル送達装置の指定された動きに基づくジェスチャ認識に適合した構成要素を入力装置として使用してもよい。参照により本明細書に組み込まれるHenryらによる米国特許出願公開第2016/0158782号明細書を参照されたい。
【0083】
いくつかの実施形態では、入力装置は、スマートフォンまたはタブレットなどのコンピュータまたはコンピューティング装置を備えることができる。特に、エアロゾル送達装置は、USBコードまたは同様のプロトコルの使用などを介して、コンピュータまたは他の装置に配線されてもよい。エアロゾル送達装置はまた、無線通信を介して入力装置として機能するコンピュータまたは他の装置と通信してもよい。例えば、その開示が参照により本明細書に組み込まれるAmpoliniらによる米国特許出願公開第2016/0007561号明細書に記載されている読み取り要求を介して装置を制御するためのシステムおよび方法を参照されたい。そのような実施形態では、APPまたは他のコンピュータプログラムをコンピュータまたは他のコンピューティング装置と関連して使用して、制御命令をエアロゾル送達装置に入力することができ、そのような制御命令は、例えば、含まれるニコチン含有量および/またはさらなる香味料の含有量を選択することにより特定の組成のエアロゾルを形成する能力を含む。
【0084】
本開示によるエアロゾル送達装置の様々な構成要素は、当該技術分野で説明されて市販されている構成要素から選択することができる。本開示にしたがって使用することができる電池の例は、Peckerarらによる米国特許出願公開第2010/0028766号明細書に記載されており、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0085】
エアロゾル送達装置は、エアロゾル生成が望まれるとき(例えば、使用中の吸引時)に発熱要素への電力供給を制御するためのセンサまたは検出器を組み込むことができる。したがって、例えば、使用中にエアロゾル送達装置が吸われていない場合に発熱要素への電力供給をオフにし、吸引中に発熱要素による発熱を作動またはトリガするために電力供給をオンにするやり方または方法が提供される。さらなる代表的なタイプの検知または検出機構、その構造および構成、その構成要素、およびその動作の一般的な方法は、参照により本明細書に組み込まれる、Sprinkel, Jr.による米国特許第5,261,424号明細書;McCaffertyらによる米国特許第5,372,148号明細書;およびFlickによる国際公開第2010/003480号パンフレットに記載されている。
【0086】
エアロゾル送達装置は、最も好ましくは、吸引中の発熱要素への電力量を制御するための制御機構を組み込む。代表的なタイプの電子構成要素、その構造および構成、その特徴、およびその一般的な動作方法は、参照により本明細書に組み込まれる、Gerthらによる米国特許第4,735,217号明細書;Brooksらによる米国特許第4,947,874号明細書;McCaffertyらによる米国特許第5,372,148号明細書;Fleischhauerらによる米国特許第6,040,560号明細書;Nguyenらによる米国特許第7,040,314号明細書およびPanによる米国特許第8,205,622号明細書;Fernandoらによる米国特許出願公開第2009/0230117号明細書、Colletらによる米国特許出願公開第2014/0060554号明細書、およびAmpoliniらによる米国特許出願公開第2014/0270727号明細書;およびHenryらによる米国特許出願公開第2015/0257445号明細書に記載されている。
【0087】
エアロゾル前駆体を支持するための代表的なタイプの基材、リザーバ、または他の構成要素は、参照により本明細書に組み込まれる、Newtonによる米国特許第8,528,569号明細書;Chapmanらによる米国特許出願公開第2014/0261487号明細書およびDavisらによる米国特許出願公開第2014/0059780号明細書;およびBlessらによる米国特許出願公開第2015/0216232号明細書に記載されている。さらに、様々な吸引材料、および特定のタイプの電子タバコ内のこれらの吸引材料の構成および動作は、参照により本明細書に組み込まれるSearsらによる米国特許第8,910,640号明細書に記載されている。
【0088】
電子タバコとして特徴付けられるエアロゾル送達システムの場合、エアロゾル前駆体組成物は、最も好ましくは、タバコまたはタバコに由来する成分を組み込む。ある観点では、タバコは、細かく粉砕、粉砕または粉末化されたタバコ薄片などのタバコの一部または断片として提供されてもよい。他の観点では、タバコは、タバコの水溶性成分の多くを組み込んだ噴霧乾燥抽出物などの抽出物の形態で提供されてもよい。あるいは、タバコ抽出物は、タバコに由来する他の抽出成分も少量組み込むニコチン含有量が比較的高い抽出物の形態を有していてもよい。他の観点では、タバコに由来する成分は、タバコに由来する特定の香味料などの比較的純粋な形態で提供されてもよい。ある観点では、タバコに由来し、高度に精製されたまたは本質的に純粋な形態で使用されることができる成分は、ニコチン(例えば、医薬品グレードのニコチン)である。
【0089】
蒸気前駆体組成物とも呼ばれるエアロゾル前駆体組成物は、例として、多価アルコール(例えば、グリセリン、プロピレングリコール、またはそれらの混合物)、ニコチン、タバコ、タバコ抽出物、および/または香味料を含む様々な成分を含んでもよい。代表的なタイプのエアロゾル前駆体組成物および調合物もまた、これらの開示が参照により本明細書に組み込まれる、Robinsonらによる米国特許第7,217,320号明細書およびZhengらによる米国特許出願公開第2013/0008457号明細書;Chongらによる米国特許出願公開第2013/0213417号明細書;Collettらによる米国特許出願公開第2014/0060554号明細書;Lipowiczらによる米国特許出願公開第2015/0020823号明細書;およびKollerによる米国特許出願公開第2015/0020830号明細書、ならびにBowenらによる国際公開第2014/182736号パンフレットに記載されて特徴付けられる。使用できる他のエアロゾル前駆体は、R. J. Reynolds Vapor CompanyによるVUSE(R)製品、Lorillard TechnologiesによるBLU(TM)製品、Mistic EcigsによるMISTIC MENTHOL製品、およびCN Creative LtdによるVYPE製品に組み込まれているエアロゾル前駆体を含む。また、Johnson Creek Enterprises LLCから入手可能な電子タバコ用のいわゆる「スモークジュース」も望ましい。
【0090】
エアロゾル送達システム内に組み込まれるエアロゾル前駆体の量は、エアロゾル生成部品が許容可能な感覚特性および望ましい性能特性を提供するようなものである。例えば、タバコの煙の外観に多くの点で似ている目に見える主流エアロゾルの生成を提供するために、十分な量のエアロゾル形成材料(例えば、グリセリンおよび/またはプロピレングリコール)を使用することが非常に好ましい。エアロゾル生成システム内のエアロゾル前駆体の量は、エアロゾル生成部品ごとに望ましいパフの数などの要因に依存する場合がある。典型的には、エアロゾル送達システム内、特にエアロゾル生成部品内に組み込まれるエアロゾル前駆体の量は、約2g未満、一般には約1.5g未満、大抵の場合には約1g未満、頻繁には約0.5g未満である。
【0091】
本開示のエアロゾル送達システムに組み込むことができるさらに他の特徴、制御装置または構成要素は、参照により本明細書に組み込まれる、Harrisらによる米国特許第5,967,148号明細書;Watkinsらによる米国特許第5,934,289明細書;Countsらによる米国特許第5,954,979号明細書;Fleischhauerらによる米国特許第6,040,560号明細書;Honによる米国特許第8,365,742号明細書;Fernandoらによる米国特許第8,402,976号明細書;Fernandoらによる米国特許出願公開第2010/0163063号明細書;Tuckerらによる米国特許出願公開第2013/0192623号明細書;Levenらによる米国特許出願公開第2013/0298905号明細書;Kimらによる米国特許出願公開第2013/0180553号明細書、Sebastianらによる米国特許出願公開第2014/0000638号明細書、Novakらによる米国特許出願公開第2014/0261495号明細書、およびDePianoらによる米国特許出願公開第2014/0261408号明細書に記載されている。
【0092】
物品の使用の前述の説明は、本明細書で提供されるさらなる開示に照らして当業者にとって明らかであり得る微細な変更を介して、本明細書に記載される様々な実施形態に適用されることができる。しかしながら、上記の使用説明は、物品の使用を限定することを意図するものではなく、本開示の、開示の全ての必要な要件を満たすために提供されている。
図1に示されたまたは上述した物品に示された要素のいずれも、本開示によるエアロゾル送達装置に含まれてもよい。
【0093】
1つ以上の実施形態では、本開示は、特に、蒸気生成の増加を提供するように構成されたエアロゾル送達装置に関することができる。そのような増加は、様々な要因から生じることができる。いくつかの実施形態では、液体輸送要素(すなわち、芯または芯材要素)は、セラミック材料、特に多孔質セラミックから部分的または完全に形成されることができる。本開示の実施形態にしたがって使用するのに適した例示的なセラミック材料は、例えば、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2016年1月5日に出願された米国特許出願第14/988,109号、およびLaMotheによる米国特許出願公開第2014/0123989号明細書に記載されている。多孔質セラミックは、略中実の芯、すなわち、当該技術分野において知られている個々の繊維の束ではなく単一のモノシリック材料を形成することができる。
【0094】
いくつかの実施形態では、例えば、セラミック芯の使用のために許容されることができる加熱温度の上昇に起因することによって、またはより大きい加熱面(例えば、より多くの数のセラミック芯の周りに巻回された抵抗加熱ワイヤのコイルを有する)に起因することによって、気化が増加するように、加熱要素は構成されることができる。いくつかの実施形態では、蒸気生成の増加は、より大きなリザーバ容量、すなわち、カートリッジまたはタンクの総蒸気生成の増加を可能にするエアロゾル前駆体組成物のより大きな容量に関することができる。
【0095】
いくつかの実施形態では、本開示は、エアロゾル送達装置、特に蒸気形成ユニットに関することができる。蒸気形成ユニットは、そのリザーバに比較的大容量のエアロゾル前駆体組成物を貯蔵する能力の観点から、タンクと呼ばれる場合がある。用語「タンク」は、限定するものとして解釈されるべきではなく、ユニットは、カートリッジであると特徴付けられることができる。一般に、蒸気形成ユニットは、パワーユニットと組み合わせることができる。あるいは、蒸気形成ユニットは、それに含まれる発電要素を有してもよい。
【0096】
図2からわかるように、装置は、外壁205によって少なくとも部分的に形成されるハウジング203を備えることができる蒸気形成ユニット204を含むことができる。蒸気形成ユニット204は、さらに、ハウジング203のコネクタ端部243に配置されることができるコネクタ240を備えることができる。マウスピース227は、ハウジング203の口端230に配置されることができる。
【0097】
蒸気形成ユニット204の内部構造は、
図3において明らかである。特に、流管245は、ハウジング203の外壁205の内側に配置される。流管245は、金属、ポリマー、セラミック組成物などの任意の適切な材料から形成されることができる。流管245は、好ましくは、ヒータ付近で到達される温度で劣化しない材料、したがって熱安定性のある材料から形成される。流管245およびハウジング203の外壁205の配置は、それらの間に環状空間247を画定することができる。環状空間247は、エアロゾル前駆体組成物のリザーバとして効果的に機能することができる。環状空間247は、エアロゾル前駆体組成物以外の他の材料を実質的になくすることができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、エアロゾル前駆体組成物の少なくとも一部を収着的に保持することが望まれる場合、繊維材料を環状空間247に含めることができる。空気流経路257は、蒸気形成ユニット204を通って存在することができ、特に、ハウジング203のコネクタ端部243とハウジング203の口端230との間に存在することができる。空気流経路257は、少なくとも部分的に流管245を通って延びる。しかしながら、空気流経路257はまた、マウスピース227の内部チャネル228および/またはコネクタ240など、装置の追加要素を通って延びることもできる。本開示にしたがって使用するのに適したコネクタおよびそれを通る空気流経路は、参照により本明細書に組み込まれる、Wormらによる米国特許出願公開第2015/0245658号明細書に記載されている。
【0098】
図3の蒸気形成ユニット204は、さらに、アトマイザまたはアトマイザユニットとして集合的に特徴付けられることができるヒータ234および芯236を含むことができる。環状空間247内のエアロゾル前駆体組成物が芯を介してヒータに輸送され、そこで、エアロゾル前駆体組成物が流管内または流管と流体連通する(例えば、流管の端部に直接隣接している)空間内で気化されるように、ヒータ234および芯236は、流管245と相互作用する。したがって、芯236の少なくとも一部は、空気流経路257内にあり、芯の少なくとも一部は、環状空間247と流体連通している。環状空間247からのエアロゾル前駆体組成物が芯自体の通過とは別に開口を通過するのが実質的に防止されるように、芯が流管内に形成された開口246を通過することができるという点で、芯236と流管245との間の相互作用は、密封係合として特徴付けられることができる。
【0099】
いくつかの実施形態では、芯236と流管247との間に配置されることができる密封部材248を使用することにより、密封係合を容易にすることができる。密封部材248は、様々な方法で芯236および流管245と係合することができ、単一の密封部材のみまたは複数の密封部材が利用されることができる。芯236、流管245、密封部材248、およびコネクタ240の配置が
図4に示されている。図示の実施形態では、芯236は、本質的に流管245とコネクタ240との間に配置される。流管245の開口246(
図3を参照)は、流管壁の端部における切抜きの形態である。対応する切抜きがコネクタ240に形成されてもよい。芯236は、流管245の片側または両側の切抜きを通過し、密封部材246は、芯の外面と流管(および必要に応じてコネクタ)における切抜きの内面との間の空間をふさぐ。図示のように、密封部材246はまた、流管245の端部とコネクタ240との間の密封部材としても機能し、2つの要素の接続部を効果的に密封する。換言すれば、流管245は、マウスピース227とコネクタ240との間で完全に延びることができる。密封部材248は、シリコン、ゴム、または他の弾性材料などの任意の適切な密封剤から形成されることができる。
【0100】
図3に戻ると、流管245は、1つ以上の通気口または通気開口251によって形成されることができる通気口を含むことができる。通気口251は、環状空間247から液体が枯渇するにつれて環状空間内の圧力が均等になるように構成されることができる。いくつかの実施形態では、通気口251は、通気口カバー252を含むことができる。通気口カバー252は、微孔質材料から形成されることができる。好ましくは、通気口カバー252は、ガス(例えば、空気)の通過を可能にする一方で、液体の通過を略防止するのに有効である。通気口は、流管245に沿った様々な位置に配置されることができ、特に流管とマウスピース227との間の相互接続に近接して設けられることができる。流管245は、流管の第1の端部においてマウスピース227と係合または当接し、流管の第2の端部においてコネクタ240と係合または当接することができる。
【0101】
1つ以上の実施形態では、ヒータ234は、具体的には、芯236の外面の周りにコイル状に巻かれるかまたは他の方法で配置されることができる抵抗加熱ワイヤの形態とすることができる。このようにして、蒸気が、芯236の外側の周りに形成され、芯およびヒータ234を通過して空気流経路257に入る空気によってさっと払われる。芯236は、具体的には、ハウジング203の長手方向軸に対して略垂直な長手方向軸を有することができる。いくつかの実施形態では、芯236は、第1の芯端236aと第2の芯端236bとの間で流管245を横切って横断方向に延びることができる。さらに、密封部材248は、第1の芯端236aおよび第2の芯端236bに近接して芯236と密封係合することができる。第1および第2の芯端(236a、236b)は、環状空間247内のエアロゾル前駆体組成物が芯端との流体接続を達成することができる限り、密封部材248を越えて延在することができるかまたは密封部材と実質的に同じ高さであることができる。
【0102】
電気端子(234a、234b)は、ヒータ234と電気接続することができ、電源との電気接続を容易にするためにコネクタ240を介して延びることができる。プリント回路基板(PCB)250などを蒸気形成ユニット204に含めることができ、環状空間247内の液体および流管245内の蒸気(および可能な凝縮液)から電子部品を効果的に隔離するために特にコネクタ240内に配置されることができる。PCB250は、蒸気形成ユニットに制御機能を提供することができ、および/または蒸気形成ユニットが接続されることができるさらなる本体にあることができるコントローラ(
図1の要素106を参照)に対して情報を送信/受信することができる。
【0103】
蒸気形成ユニット304のさらなる実施形態は、
図5に示される例示的な実施形態に関連して本開示によって包含される。そこからわかるように、蒸気形成ユニット304は、多くの点で
図3に示される蒸気形成ユニット204に類似している。特に、蒸気形成ユニット304は、外壁305によって少なくとも部分的に形成されるハウジング303を含む。蒸気形成ユニット304は、さらに、ハウジング303のコネクタ端部343に配置されることができるコネクタ340を備えることができる。マウスピース327は、ハウジング303の口端330に配置されることができる。
【0104】
蒸気形成ユニット304はまた、セラミック芯336を含むが、芯は、芯の第1の端部336aと芯の第2の端部336bとの間に延びる開放通路337を画定する中空内部を有する。芯336およびそれを通る開放通路337は、ハウジング303の長手方向軸に略平行な長手方向軸を有することができる。
【0105】
ヒータ334は、芯336の開放通路337内に配置されることができ、特に芯の内面336cとともに加熱配置とすることができる。ヒータ334は、ワイヤコイルの形態とすることができ、または流管345とハウジング303の外壁305との間の環状空間347から輸送されるエアロゾル前駆体組成物を加熱するのに適した任意のさらなる配置をとってもよい。
【0106】
図示の実施形態の流管345は、マウスピース327に係合する第1の端部345aから、芯336の第2の端部336bに係合する第2の端部345b(すなわち、自由端)まで延びる。芯336の第1の端部336aも同様に、コネクタ340と係合する。このようにして、芯336の外面336dは、エアロゾル前駆体組成物が芯の壁を通って芯の中空内部に存在するヒータ334に通されるように、環状空間347、したがって、そこに貯蔵されたエアロゾル前駆体組成物に露出される。
【0107】
芯336は、流管345およびコネクタ340の一方または両方と密封状態で係合することができる。
図5に示すように、第1の密封部材348aは、芯336とコネクタ340との間に円周方向に配置される。同様に、第2の密封部材348bは、芯336と流管345の一部(例えば、流管の第2の端部345bに近接する)との間で円周方向に配置される。第1の密封部材348aおよび第2の密封部材348bは、芯336の外面336dがそれらの間に露出されるように離隔されている。
【0108】
空気流経路357は、蒸気形成ユニット204を通って存在することができ、特に、ハウジング303のコネクタ端部343とハウジングの口端330との間に存在することができる。空気流経路357は、流管345を少なくとも部分的に通って延びる。しかしながら、空気流経路357はまた、マウスピース327の内部チャネル328および/またはコネクタ340など、装置の追加要素を通って延びることもできる。より具体的には、蒸気形成ユニット304は、順番に、空気がコネクタ340を通って入り、芯336を介して開放通路337を通過し、流管345を通過し、マウスピース327の内部チャネル328を通過するように構成されることができる。
【0109】
電気端子(334a、334b)は、ヒータ334と電気接続することができ、電源との電気接続を容易にするためにコネクタ340を介して延びることができる。プリント回路基板(PCB)350などは、蒸気形成ユニット304に含められることができる。環状空間347内の液体および芯336内の蒸気から電子部品を効果的に隔離するために、プリント回路基板(PCB)350などは、特にコネクタ340内に配置されることができる。PCB250は、蒸気形成ユニットに制御機能を提供することができ、および/または、PCB350は、蒸気形成ユニットが接続されることができるさらなる本体にあることができるコントローラ(
図1の要素106を参照)に対して情報を送信/受信することができる。
【0110】
図1からわかるように、カートリッジ104は、略棒状であり且つ特に従来の紙巻きタバコに似ているエアロゾル送達装置100を形成するために、パワーユニット102に取り付けるように構成されることができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の蒸気形成ユニットは、比較的大きなサイズのパワーユニットまたは複数のパワーユニットと組み合わせて構成されることができる。このようにして、より大きな容量のエアロゾル前駆体組成物を保持するために、蒸気形成ユニットのリザーバをより大きくすることができる。パワーユニット402の例示的な実施形態が
図6に示されている。パワーユニット402は、
図1に示されるパワーユニット102に関して説明された要素のいずれかまたは全てを含むことができる。特に、パワーユニット402は、少なくとも電源を含むことができる。パワーユニット402はまた、コントローラ(例えば、マイクロコントローラを含むPCB)および/またはセンサおよび/またはフィードバック要素(例えば、光、音、および/または振動生成要素)および/または入力画面を含むことができる。蒸気形成ユニットは、様々な方法でパワーユニット402と組み合わせることができる。同様の構造を有し且つ本開示にしたがって使用するのに適しているパワーユニットは、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2016/0050975号明細書;2015年12月28日に出願された米国特許出願第14/981,051号;および2016年7月6日に出願された米国特許出願第15/202,947号に記載されている。
【0111】
図7は、パワーユニット502および接続された蒸気形成ユニット504を備えるエアロゾル送達装置500を示している。蒸気形成ユニット504は、略円筒形状であり、ハウジング503、パワーユニット502との接続を形成するコネクタ540、およびマウスピース527を含む。
図7に示されるように、
図1と比較して、蒸気形成ユニット504は、比較的サイズが大きく、したがって、より大量のエアロゾル前駆体組成物を含むことができることがわかる。同様に、パワーユニット502は、比較的サイズが大きく、したがって、より大きな電源を提供することができる。したがって、
図7のエアロゾル送達装置は、より多くの装置のパフの数を提供し、および/または電源の充電と蒸気形成ユニット504の補充または交換との間に
図1の装置に対して送達されるより多くのエアロゾルの総質量を提供することができる。
【0112】
蒸気形成ユニット(204、304、504)は、略円筒形で細長くすることができるが、ユニットは、その内部構造の変更を考慮して異なる形態をとることができる。例えば、
図8は、パワーユニット602と、接続された蒸気形成ユニット604とを備えるエアロゾル送達装置600を示しており、蒸気形成ユニットは、比較的短く、側面延長部を含む。したがって、全体的な蒸気形成ユニット604は、パワーユニット602の側面寸法により密接に近い側面寸法を有することができる。例えば、蒸気形成ユニット604の全幅は、パワーユニット602の全幅の約50%から約99%、約60%から約98%、または約70%から約97%とすることができる。
【0113】
蒸気形成ユニット604の構成要素は、
図9にさらに示されている。例示的な実施形態では、蒸気形成ユニット604は、外壁605から形成されたハウジング603を備える。ハウジング603は、空気流入口607および空気流出口609を含む。空気流入口607は、ハウジング603に一体的に形成されることができるコネクタ640を通過することができる。あるいは、別個のコネクタをハウジング603と組み合わせることができ、ハウジングへの空気流入口は、別個のコネクタのハウジングへの取り付け点に近接することができる。空気流出口609は、流管645を効果的に形成することができる壁によって画定されることができる。空気流出口609はまた、ハウジング603から外側に延びるマウスピース627を含むことができる。
図9に示す実施形態では、ハウジング603の上部は、一体形成されたマウスピース627および一体形成された流管645を含むキャップ670によって画定される。しかしながら、他の実施形態では、キャップ670、マウスピース627、および流管645は、それぞれ、結合することができる別個の要素であってもよく、流管645が別個の要素である一方で、キャップ670は、マウスピース627と一体的に形成されてもよく、マウスピース627が別個の要素である一方で、キャップ670は、流管645と一体的に形成されてもよく、または、キャップが別個の要素である一方で、マウスピース627および流管645は、一体的に形成されてもよい。必要に応じて、キャップ670は、ハウジング603と一体化することができる。代替案のいずれにおいても、3つの要素が任意の方法で組み合わされて、
図9に示すものと同等の構造を実現することができる。
【0114】
図9の実施形態に示される蒸気形成ユニット604は、さらに、ハウジング603内に配置された液体貯蔵容器644を備える。液体貯蔵容器644は、開口654が形成された可撓性外壁653から形成されることができる。可撓性外壁653は、破裂することなく所望の液体容量を保持することができ且つそうでなければそこに貯蔵されるエアロゾル前駆体組成物の様々な成分に対して略不活性である折り畳み可能な材料から形成されることができる。可撓性外壁を形成するのに適した材料の非限定的な例は、ポリ塩化ビニル(PVC)、ウレタン、ゴム引きナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレンなどを含む。
【0115】
液体貯蔵容器644の開口654は、セラミック芯636と係合するように構成されることができる。芯636は、略中実とすることができ、これは、芯は多孔性であってもよいが、芯を一端から他端まで貫通する連続した途切れない通路を有するという意味での中空ではないことを意味する。いくつかの実施形態では、芯636は、略棒状とすることができる。
図9からわかるように、芯636は、液体貯蔵容器644の開口654に少なくとも部分的に挿入される係合端部636aを含む。芯636の係合端部636aは、摩擦力のみによって開口654内に保持されることができる。図示のように、クランプ649は、開口654に近接した液体貯蔵容器644の外面を囲み、芯636と液体貯蔵容器との間に密封係合を形成する。図示の実施形態では、芯636は、長手方向軸を有し、液体貯蔵容器644は、長手方向軸を有し、芯および液体貯蔵容器の長手方向軸は、略平行である。長手方向軸は、ハウジング603の空気流入口607と空気流出口609との間の空気流経路の長手方向軸に対して略垂直とすることができる。
【0116】
ヒータ634は、芯636の略中央部分636cに配置され、その部分は、空気流入口607および空気流出口609を包含する空気流経路内に少なくとも部分的に配置される。空気流経路は、コネクタ640、流管645、およびマウスピース627を含むことができる。
図9に示すように、芯を介して液体貯蔵容器644から通過するエアロゾル前駆体組成物を蒸発させるヒータ634によって生成される蒸気の略全てが、蒸気形成ユニット604の他の領域に実質的に侵入することなく、流管を介してさっと払われることができるように、流管645の下端は、芯の中央部分636cを囲む領域において芯636に略当接することができる。芯636はまた、自由端636bを含み、芯の自由端は、ハウジング603内で芯にしっかりとフィットするリップ636eを含むことができる。上述したさらなる実施形態におけるように、蒸気形成ユニット604は、さらに、PCB650と、ヒータ634を電源に接続する電気端子634aおよび634bとを含む。
【0117】
図9からわかるように、蒸気形成ユニット604のハウジング603は、2つの結合体を含むものとして特徴付けられることができる。本体603aは、ハウジング603を通る空気流経路の軸と実質的に整列されることができ、この本体は、コネクタ640、流管645、およびマウスピース627を含むことができる。ハウジング603はまた、本体603aから略垂直に延びる突起部603bを含むことができる。この突起部603bは、液体貯蔵容器644を含むことができる。芯636は、芯の一部が本体603a内にあり且つ芯の一部が突起部603b内にあるように位置合わせされることができる。
【0118】
上述したように、蒸気形成ユニット604は、パワーユニット(
図8を参照)に接続されることができ、パワーユニット602は、特に電源を含むことができる。いくつかの実施形態では、蒸気形成ユニット604は、パワーユニットが接続されたときに蒸気形成部がパワーユニットの外部にあるように、パワーユニット602に接続されることができる。いくつかの実施形態では、コネクタ640の一部は、パワーユニット602の内部にあってもよいが、本体603aの残りの部分およびハウジング603の延長部603bは、パワーユニットの外部のままである。しかしながら、他の実施形態では、蒸気形成ユニットは、蒸気形成ユニットが、2つが接続されたときにパワーユニットに対して完全に内部にあるように、パワーユニットと接続可能である。そのような実施形態は、
図10および
図11に示されている。
【0119】
図10に見られる蒸気形成ユニット704は、
図9に示される蒸気形成ユニット604と同様に構成される。特に、蒸気形成ユニット704は、外壁705から形成されるハウジング703を含む。ハウジング703は、空気流入口707および空気流出口709を含む。いくつかの実施形態では、空気流入口707は、外壁705の下部におけるノッチ705aに配置されたPCB750に形成されることができる。いくつかの実施形態では、PCB750は、存在しなくてもよく、ノッチ705aは、空気流入口として機能するように適切にサイズ設定されることができる。
【0120】
図10の実施形態に示される蒸気形成ユニット704は、さらに、ハウジング703内に配置された液体貯蔵容器744を備える。液体貯蔵容器744は、開口754が形成された可撓性外壁753から形成されることができる。開口754に近接する可撓性外壁753の部分は、略中実とすることができるセラミック芯736を受容する大きさの首部744aを効果的に形成することができる。
図9に示す実施形態と同様に、液体貯蔵容器744の首部744aによって画定される開口754内に少なくとも部分的に挿入される係合端部(
図10では見えない)を、芯736は含み、首部744aは、クランプ749によって芯736に対して密封を形成することができる。
【0121】
図示の実施形態では、芯736は、長手方向軸を有し、液体貯蔵容器744は、長手方向軸を有し、芯および液体貯蔵容器の長手方向軸は、略平行である。さらに、長手方向軸は、ハウジング703の空気流入口707と空気流出口709との間の空気流経路の長手方向軸に対して略垂直とすることができる。
【0122】
ヒータ734は、芯736の略中央部分736cに配置され、その部分は、空気流入口707および空気流出口709を包含する空気流経路内に少なくとも部分的に配置される。
図10に示されるように、ハウジング703は、ハウジングの外壁705から内向きに延びる隔離壁705bおよび705cを含むことができる。隔離壁(705b、705c)は、芯736の外側輪郭に略対応する形状のノッチを含むことができる。いくつかの実施形態では、3つ以上の隔離壁が利用されてもよい。あるいは、単一の隔離壁705cのみが存在してもよい。芯を介して液体貯蔵容器744から通過するエアロゾル前駆体組成物を蒸発させるヒータ734によって生成される蒸気の略全てを、蒸気形成ユニット704の他の領域に実質的に侵入することなく、空気流出口709を介してさっと払われることができるように、隔離壁(705b、705c)は、芯736の中央部分736cを取り囲む領域を効果的に隔離する。芯736はまた、自由端736bを含み、芯の自由端は、ハウジング703内で芯にしっかりとフィットするリップ736eを含むことができる。図示されるように、リップ736eは、芯736の自由端736bをハウジング703の外壁705と隔離壁705bの1つとの間で効果的に固定する。蒸気形成ユニット704は、ハウジング703の外壁705のほぼ半分が除去されて、装置の内部構成要素が明らかになっている
図10に示されている。外壁705は、いくつかの実施形態では、実質的にその鏡像である2つの半体に形成されてもよい。外壁705を形成する2つの半体は、蒸気形成ユニット704の内部構成要素の分離および除去を防ぐために、接着、はんだ付け、または他の方法で結合されてもよい。あるいは、芯736および/またはヒータ734および/または液体貯蔵容器744が取り外されて交換(または液体貯蔵容器に関して再充填)されることができるように、外壁705を形成する2つの半体は、分離するように構成されることができる。
【0123】
電気端子734aおよび734bは、ヒータ734をPCB750に接続する。PCB750は、パワーユニット内の電源との電気接続を形成するための対応する端子を含むことができる。この目的のために、蒸気形成ユニット704は、パワーユニットへ挿入するように構成されることができる。
【0124】
図11は、開口781を介してパワーユニット702に挿入された
図10に関連して実質的に説明した蒸気形成ユニット704を含むエアロゾル送達装置700を示している。矢印Aで示すように、製造中に挿入される交換不可能な蒸気形成ユニットであって、ユーザによる取り外しのオプションがない蒸気形成ユニット、の開口781を介した取り外しおよび再挿入によって、蒸気形成ユニット704は交換可能であってもよい。蒸気形成ユニット704は、パワーユニット702に挿入されると、少なくとも部分的にパワーユニットの内部にあることができる。いくつかの実施形態では、蒸気形成ユニット704は、パワーユニット702に挿入されると、蒸気形成ユニットのハウジングを形成する外壁705が完全にパワーユニットに対して内部にあるように、パワーユニットに対して完全に内部にあることができる。いくつかの実施形態では、蒸気形成ユニットの取り外しを容易にするために、タブ792または同様の要素を蒸気形成ユニット704に含めることができ、そのようなタブまたは同様の要素の少なくとも一部は、パワーユニット702の外部に配置されることができる一方で、蒸気形成ユニットのハウジングは、パワーユニット702に対して完全に内部にあるままである。
【0125】
パワーユニット702は、蒸気形成ユニット704と位置合わせされた電気コネクタ783a、783bを含むことができ、パワーユニットにおける電源710から電気端子734a、734bに(例えば、直接またはPCB750上の中間コネクタを介して)電力を供給することができる。パワーユニット702は、さらに、制御コンポーネント706を含むことができる。制御コンポーネント706は、適切なマイクロコントローラ機能を含むPCBの形態とすることができる。センサ708は、パワーユニット702に含まれることができ、空気入口785と流体連通することができる。空気入口785を通って、空気が大気からパワーユニット702を介して蒸気形成ユニット704の空気流入口707に引き込まれることができる。空気流を感知するセンサ708は、蒸気形成ユニット704内のヒータ734への電力供給のために電源710を作動させることができる。センサ708は、コントローラ706と組み合わせることができる。
【0126】
エアロゾル送達装置700のパワーユニット702は、マウスピース727を含むことができる。パワーユニット702において蒸気形成ユニット704の空気流出口709の上方で、エアロゾル入口787は形成されることができる。したがって、蒸気形成ユニット704がパワーユニット702に挿入されると、ハウジング703の空気流出口709は、エアロゾル入口787と実質的に整列される。使用中、液体貯蔵容器744からのエアロゾル前駆体組成物は、セラミック芯736を通過してヒータ734に至り、そこで気化され、空気入口785および空気流入口707を通過する空気と混合されて、空気流出口709から出てエアロゾル入口787に入るエアロゾルを形成する。エアロゾル入口787から、形成されたエアロゾルは、マウスピース727の中空内部727aを通過して、マウスピースの口端727bを出る。
【0127】
エアロゾル送達装置700のマウスピース727は、固定されることができる。いくつかの実施形態では、形成されたエアロゾルがマウスピースの口端727bまで中空内部727aを通過することができる開放位置(
図11に示されている)と、形成されたエアロゾルが通過するのが実質的に防止される閉鎖位置との間で、マウスピース727は移動可能とすることができる。好ましくは、マウスピース727がエアロゾルの通過を可能にする位置にないときに、エアロゾル送達装置が動作するのが防止されることができるように、エアロゾル送達装置700は、スイッチ789を含むように構成されることができる。図示の実施形態では、マウスピース727は、折り畳み可能であり、したがって、中央ハブ727cを中心に回動して、パワーユニット702に対して略平坦に折り畳まれて閉鎖位置にあり、使用のために拡張位置に展開するように構成される。折り畳み動作は、マウスピースの中空内部727cからエアロゾル入口787を略密封することができ、必要に応じて、折り畳み動作は、スイッチ789を作動させることができる。
図11の図示された実施形態では、レセプタクル791中にマウスピース727が実質的に据えることができる、且つ、マウスピースの口端727bを実質的に覆って不使用時に汚染を防止するように構成されることができる、レセプタクル791を、パワーユニット702は含む。
【0128】
本開示の多くの変更および他の実施形態が、前述の説明および関連する図面に示された教示の利益を有することを本開示が関する当業者が思い付くであろう。したがって、本開示は、本明細書に開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、変更および他の実施形態は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されることを理解されたい。本明細書では特定の用語を使用しているが、それらは、一般的且つ説明的な意味でのみ使用され、限定のためではない。