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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-14
(45)【発行日】2022-10-24
(54)【発明の名称】ボトル・キャップ
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/06 20060101AFI20221017BHJP
   B65D 25/42 20060101ALI20221017BHJP
【FI】
B65D47/06
B65D25/42 Z
【請求項の数】 9
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020018593
(22)【出願日】2020-02-06
(65)【公開番号】P2020128259
(43)【公開日】2020-08-27
【審査請求日】2021-02-22
(31)【優先権主張番号】19155740.4
(32)【優先日】2019-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】520045310
【氏名又は名称】アディヴェックス ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100163050
【弁理士】
【氏名又は名称】小栗 眞由美
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】アドリアン ツァーケル
(72)【発明者】
【氏名】イヴァン フワスト
(72)【発明者】
【氏名】ディルク ヴルムジダー-ホフマン
【審査官】小原 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-031094(JP,A)
【文献】特開2005-200108(JP,A)
【文献】国際公開第2017/152192(WO,A1)
【文献】特開2018-162106(JP,A)
【文献】英国特許出願公開第2497781(GB,A)
【文献】国際公開第2004/089771(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/016096(WO,A1)
【文献】スペイン国特許出願公開第2560882(ES,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 47/06 - 47/18
B65D 25/42
B65D 51/28
B65D 81/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボトルの内部に延伸する中空チューブを有し、
該中空チューブに接続された飲用開口部を有し、
域を有し、
前記飲用開口部が前記飲用領域内に設けられる、前記ボトルの開口部に取り付けるためのボトル・キャップであって、
前記飲用領域内に構成された複数の小開口部であって、前記飲用開口部よりも小さい直径を有する複数の小開口部と
記小開口部に接続された少なくとも2つの液体リザーバと
作動されたときに前記小開口部を介して1つの液体リザーバから液体を分注する分注デバイスと、
を備え、
前記液体リザーバが、前記小開口部に流体密に接続され、
前記分注デバイスが、作動されると、予め決めることができる量の前記液体を前記1つの液体リザーバか前記液体を霧化するように構成される前記小開口部を介して分注し、
前記飲用領域内の前記飲用開口部および前記小開口部を流体密に閉じるためのストッパが設けられ、該ストッパが、垂直および/または回転運動により閉位置から開位置に、または開位置から閉位置に移行可能であり、
前記分注デバイスが、前記ストッパが前記閉位置から前記開位置に移動すると作動可能であり、
前記分注デバイスが、前記ストッパが前記開位置から前記閉位置に移動すると作動可能であり、
前記少なくとも2つの液体リザーバが前記ボトル・キャップに設けられ、
前記分注デバイスが、前記液体の分注経路において前記液体リザーバおよび前記小開口部に流体密に接続されるように設けられた2つの圧力チャンバを有し、
前記分注デバイスが、前記予め決めることができる量の前記液体を前記圧力チャンバから分注するように、かつ、分注後に前記圧力チャンバを再びいっぱいに満たすように構成されるボトル・キャップ。
【請求項2】
前記飲用領域を閉じるために、横方向にヒンジ留めされたフリップ・クロージャが設けられ、
該フリップ・クロージャのための止め具が、前記ボトル・キャップ上に構成され、
前記止め具が、前記フリップ・クロージャとの接触により前記分注デバイスを作動させるように構成される請求項に記載のボトル・キャップ。
【請求項3】
前記ボトル・キャップが、円筒状に構成され、
前記ボトル・キャップの外周面上に、前記分注デバイスを作動させるための作動デバイスが構成される請求項1又は2に記載のボトル・キャップ。
【請求項4】
前記液体の前記予め決めることができる量が、1mlから10mlである請求項1からのいずれか一項に記載のボトル・キャップ。
【請求項5】
前記分注デバイスが、ポンプ機構を有する請求項1からのいずれか一項に記載のボトル・キャップ。
【請求項6】
前記ポンプ機構が、機械的、電気的および/または圧電的に構成される請求項に記載のボトル・キャップ。
【請求項7】
外部通信インタフェースを有するマイクロコントローラが設けられ、
前記分注デバイスが、前記マイクロコントローラと通信するように構成される請求項1からのいずれか一項に記載のボトル・キャップ。
【請求項8】
請求項1からのいずれか一項に記載のボトル・キャップが設けられるボトル、マグまたはカップ。
【請求項9】
前記液体の予め決めることができる量が、4mlから6mlである請求項4に記載のボトル・キャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボトルの開口部に取り付けるためのボトル・キャップに関する。ボトル・キャップは、ボトルの内部に延伸する中空チューブを有する。さらに、ボトル・キャップは、中空チューブに接続される飲用開口部(drinking opening)を有する。また、飲用領域が設けられ、飲用開口部は、飲用領域内に設けられる。
【0002】
言い換えれば、ボトル・キャップは、例えば飲料ボトル上に螺合され得る。ボトルへの取付け部の的確な設計は、いずれの場合でも、ボトル自体がどのように設計されるのかに依存する。例えばボトルが雄ねじを有する場合、ボトル・キャップは、相補的な構造の雌ねじを備える。ボトルの内部に延伸する中空チューブは、ボトル基部の領域まで達することが好ましい。しかし、必ずしもそうでなくともよい。中空チューブは、ボトルの内側に接続されるようにボトル・キャップの端まで延伸するのでも十分である。中空チューブはまた、例えば飲用領域からボトル・キャップのボトル側端部まで延伸するチャネルの態様で構成されてもよい。
【0003】
中空チューブは、他方の端部では、飲用領域内に設けられる飲用開口部で終端する。これは、ボトルの内側からの液体がボトル・キャップを通して飲まれることを可能にする。
【背景技術】
【0004】
WHOによる最新の調査によれば、独国人口のほぼ半分が、体重超過に分類され得る。同じ基準によると、米国では、人口の40%もが、体重超過のみならず肥満に分類される。
【0005】
その理由の1つは、とりわけ、非常に大きなカロリー摂取量を伴う、過度に加糖された飲料の消費である。
【0006】
例えば、水に切り替えることによりそのような消費を避けるべきであることが知られているが、これは、味覚体験(taste experience)の損失を伴うことが多く、そのため、問題のある標的集団においては特に、切替えが検討されないことが多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明は、使用することによりカロリー摂取量を減少させることができるボトル・キャップを特定するという目的に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、本発明によれば、請求項1に記載の特徴を有するボトル・キャップによって達成される。
【0009】
本発明の有利な実施形態は、従属請求項、本明細書ならびに図面およびその説明において明記される。
【0010】
本発明によれば、飲用開口部よりも小さい直径を有する複数の小開口部を飲用領域に設けることにより、汎用ボトル・キャップが開発された。加えて、小開口部に流体密に接続される液体リザーバが、ボトル・キャップ内に設けられた。さらに、ボトル・キャップ内に同様に配置され得る分注デバイスが設けられた。この分注デバイスを用いると、分注デバイスが作動されたときに、事前に決めることができる量の液体が液体リザーバから小開口部を介して分注される。
【0011】
本発明の背景にある基本概念は、味蕾または味覚神経は、飲用中ずっと活動しているのではない、または脳に情報を伝えてはいない、という知見にある。したがって、本発明は、飲用過程(drinking process)中、実質的に開始時および終了時にのみ、情報が味蕾から脳に伝えられて脳内で処理されるという所見に基づく。言い換えれば、実質的に、飲用開始時および飲用過程の終了時に、味覚体験が存在する。
【0012】
本発明は、この知見を活用することを望むものである。本発明によれば、ボトル・キャップ内に液体リザーバが設けられ、この液体リザーバ内には、例えばシロップまたは味付きの液体が格納され得る。この液体は、飲用領域内の小開口部を介して、目標とされた態様で分注デバイスによって分注され得る。
【0013】
ここで、分注が行われる場合、飲用の開始時および/または終了時であることが好ましい。
【0014】
その結果として、例えば、ボトルそのものの中には水が存在し、水は、カロリーを含まずまた味もほとんどしないことで知られている。飲用過程の始めに、事前に決めることができるわずかな量が、小開口部を利用して、分注デバイスにより液体リザーバから飲用者の口の中へ分注される。その間に、味覚体験が得られる。次いで、ボトル・キャップの使用者は、水を飲むことができ、その間、味覚体験が存在し続ける。飲用過程の終了時に、事前に決めることができる量の液体が再び分注されてもよく、その結果、味覚体験がさらに強調される。
【0015】
これにより、例えば加糖液体を用いて行われる飲用過程と比較して、飲用過程中に摂取される総カロリー量の大幅な減少が達成される。本発明によれば、マグまたはカップも、ボトルと見なされ得る。
【0016】
原則的に、複数の小開口部は、任意に設計され得る。しかし、小開口部が液体を霧化するように構成されると有利である。飲用過程の開始時での霧化は、液体リザーバからの液体を飲用者の口の中に特に良く分散させて、たとえ少量の液体の味覚体験であっても強調することができる
【0017】
流体密に開口部を閉じるために飲用領域内にストッパが設けられることが好ましく、このストッパは、例えば垂直の、および/または回転的な運動により、閉位置から開位置へ移送され得る。このタイプの設計により、ボトルからの液体ならびにリザーバからの液体が運搬中に漏れ出すことのないように、本発明によるボトル・キャップを使用してボトルをきつく閉めることができることが確実になる。
【0018】
ストッパが閉位置から開位置へ移動されるときに分注デバイスが作動され得ると、さらに有利である。同様に、分注デバイスは、加えて、またはその代わりに、ストッパが開位置から閉位置へ移動されるときにも作動可能とされ得る。
【0019】
そのような設計を用いることにより、飲用過程の開始時および/または飲用過程の終了時に飲用者に対して味覚体験が存在するように、望ましい結果を得ることができる。この目的のために、本発明によるボトル・キャップは、特にスポーツ用ボトルで知られているプルまたはプッシュ/プル・システムを有することができる。この場合、ストッパは、飲用のために、ボトル本体から離れるように垂直上方に移動される。これは通常、運動選手または飲用者がストッパを噛んでボトルをわずかに押し離すことによって行われる。分注デバイスがストッパに接続されている場合、これは、ボトルそのものからの液体が運動選手の口に入る直前に液体リザーバからの液体が分注され、したがって味覚体験が存在することにつながる。
【0020】
同様に、閉じることにより、味覚体験が再び運動選手に与えられることになる。全体的に見て、これは、水を飲んだのではなく実質的に液体リザーバ内に存在する液体を飲んだという印象を、運動選手に与える。
【0021】
代替の実施形態では、飲用開口部および小開口部を含む飲用領域を閉じるために、フリップ・クロージャが設けられ得る。このフリップ・クロージャは、横方向にヒンジ留めされるように構成され得ることが好ましい。このタイプの構造によれば、ボトル・キャップがフリップ・クロージャのための止め具を有すること、および、止め具がフリップ・クロージャとの接触により分注デバイスを作動させるように構成されることが可能である。このタイプの設計の目的は、ひいては、開口すると実際の飲用過程の開始前に液体リザーバからの少量の液体が分注デバイスを介して使用者の口の中に噴霧され得ることである。
【0022】
さらなる実施形態では、ボトル・キャップは、略円筒状に構成されてもよく、また、分注デバイスを作動させるための作動デバイスをボトル・キャップの外周面に有することができる。理想的には、作動デバイスは、ボトルが口に運ばれるときに作動デバイスが握られ、これにより作動されるような位置決めおよびサイズとされる。この構造もやはり、実際の飲用過程すなわちボトルから液体を摂取する前に液体リザーバからの少量の液体が使用者の口の中に噴霧されることを可能にする。
【0023】
さらなる実施形態では、分注デバイスは、少なくとも1つの圧力チャンバを有し、この圧力チャンバは、液体リザーバおよび小開口部に流体密に接続され、かつ、液体リザーバと小開口部との間の液体の分注経路内に配置される。分注されるべき量の液体は、例えばボトル・キャップのストッパが開かれたときに圧力チャンバが空にされて、圧力チャンバ内に存在する量の液体が飲用者の口の中に噴霧されるように、その圧力チャンバ内に一時的に蓄えられ得る。圧力チャンバの提供は、単純な構造を可能にし、また、飲用過程において分注されるべき液体リザーバからの液体の最大量を決定する働きをし得る。
【0024】
これに関連して、事前に決めることができる量の液体が圧力チャンバから分注されたときに圧力チャンバが分注後の分注デバイスを介して再びいっぱいに満たされるように分注デバイスが構成されることが好ましい。その結果として、正しい量が、次回の飲用過程のために前もって自動的に圧力チャンバ内で利用可能となる。
【0025】
事前に決めることができる量の液体が分注デバイスにより一気に分注される場合、飲用者によって受け取られる味覚体験を十分なものにするには極めて少量であっても十分であることが分かっている。ここで、液体の量は、約1mlから10mlであると好ましく、特に4mlから6ml、好ましくは5mlである。
【0026】
原則的に、分注デバイスは、任意に設計され得る。液体リザーバから液体を分注するように構成されたポンプ機構が設けられるのであれば、特に単純な設計が可能である。圧力チャンバが設けられる場合、液体リザーバから圧力チャンバ内への液体の移送は、ポンプ機構を介して実現され得る。ポンプ機構は、様々な方式で設計することができ、例えば、機械的、電気的、および/または圧電的な設計が可能である。ポンプ機構を設計する的確な方式は、使用の領域に大きく依存する。
【0027】
例えば、外部通信インタフェースを有することができるマイクロコントローラがボトル・キャップ内にさらに設置されるのであれば、ポンプ機構および/または分注デバイスそのものが電気的な設計のものであることが有利である。したがって、分注デバイスとの通信は、分注デバイスをよりきめ細かく構成するために、かつ/または例えば飲用過程の回数などに関するログ・データを検索するために、マイクロコントローラ介して実現され得る。
【0028】
味覚体験をさらに向上させるために、2つ以上の液体リザーバが設けられてもよい。例えば、飲用過程の開始時に液体リザーバのうちの一方から液体が分注され、飲用過程の終了時にもう一方の液体リザーバから液体が分注される、2つの液体リザーバを設けることが可能である。これは、使用者の味覚体験に影響を与える別の方法である。
【0029】
さらに、本発明は、本発明に係るボトル・キャップを有するボトルに関する。既に説明したように、この場合のボトル・キャップは、ボトルに適用され得るように、適切に構成され、かつ、そのためのサイズとされる。例えば、商業的に入手され得るような標準的なPETボトルにボトル・キャップを適用することができるような大きさにボトル・キャップを作ることが可能である。
【0030】
以下、添付の図面を参照しながら、概略的で例示的な実施形態を用いて本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】第1の実施形態に係る本発明によるボトル・キャップの概略図である。
図2】第2の実施形態に係る本発明によるボトル・キャップの概略図である。
図3】さらなる設計に係る本発明によるボトル・キャップの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
3つの図にわたって、同一の部品は、同一の参照番号で標識されている。
【0033】
図1は、本発明に係るボトル・キャップ1の第1の実施形態を示す。このボトル・キャップ1は、雌ねじ8により、雄ねじ41を有するボトル40に取り付けられる。
【0034】
中空チューブ3が、ボトル・キャップ1を貫通して、ボトル40の内部に延伸する。この中空チューブ3は、飲用領域6に配置された飲用開口部4の上端部に接続される。飲用領域6の下には、圧力チャンバ13,14が配置される。2つの圧力チャンバ13,14の下には、同様に2つの液体リザーバ21,22が配意される。第1の圧力チャンバ13と第1の液体リザーバ21との間の接続部は、共通の接触表面または分割壁上の適切な弁15によって作られる。同様の弁15により、第2の圧力チャンバ14と第2の液体リザーバ22との間にも接続部が設けられる。2つの圧力チャンバ13,14は、流体を霧化する働きをする小開口部11への接続部をさらに有する。小開口部11は、飲用領域6内に設けられる。
【0035】
ボトル・キャップの上端部には、ニップルの形態で作られたストッパ30が構成される。原則として、このストッパ30は、引き出されたときに飲用開口部4を露出させ、それにより飲用開口部4を介してボトル40の内部から液体を飲むことができるように、公知の構造を有する。
【0036】
本発明によるボトル・キャップ1の機能は、以下でより詳細に説明される。これに関連して、ボトル・キャップ1の複数の部品から構成される分注デバイスについても論じられる。
【0037】
初期状態では、予め決めることができる量の液体が第1の圧力チャンバ13に入れられているが、第2の圧力チャンバ14は空である。ストッパ30が引き上げられると、第1の圧力チャンバ13の基部も同様に上方に移動する。それにより、第1の圧力チャンバ13に入れられた液体が、小開口部11から絞り出される。
【0038】
ストッパ30が上方に引っ張られると、第2の圧力チャンバ14内の分割壁も押し下げられ、それにより、第2の液体リザーバ22に入れられた液体の一部が、連通している容器と適切な弁の原理により、第2の圧力チャンバ14内へ移送される。
【0039】
ストッパ30が開かれると、使用者は、飲用開口部4を介してボトルの内容物を飲むことができる。使用者は、ストッパ30を閉じ次第、ストッパ30を押し下げる。その結果として、基部または可動壁は、たわみにより第2の圧力チャンバ14内で押し上げられ、それにより、第2の圧力チャンバ14からの液体は、小開口部11を介して分注される。同様に、分割壁は、第1の圧力チャンバ13内で下方に変位され、結果として、第1の液体リザーバ21からの液体は、ひいては弁15を介して第1の圧力チャンバ14内へ移送される。
【0040】
当然ながら、原則的に、機械的手段、電気的手段および圧電的手段によって同様に実装され得る、他の分注機構も利用可能である。
【0041】
したがって、本発明によれば、ボトル・キャップ1を用いると、飲用過程が始められる前に特定の量の液体が使用者の口領域内に最初に噴霧されることが可能となる。それにより、選択された液体に対応する味覚体験がもたらされる。次いで、実際の液体をボトル40から飲むことができる。この液体は、すでに述べたように飲用過程中の味覚体験にほとんど貢献しない水であることが好ましい。
【0042】
ボトル・キャップ1が閉じられるとき、液体が第2のリザーバ22または第2の圧力チャンバ14から使用者の口の中に再び噴霧される。これは、味覚体験を再び強化し、そのため、使用者は、味付きの液体をずっと飲んでいたと錯覚させられる。
【0043】
原則的に、開くときにのみ、または閉じるときにのみ分注を提供することも、当然ながら可能である。同様に、異なる2つの液体リザーバ21,22が設けられることは、必須ではない。
【0044】
図2では、本発明によるボトル・キャップ100の代替の実施形態が示されている。このボトル・キャップ100は、分注デバイスを作動させるためにストッパが使用されないという事実により、図1に示されたボトル・キャップ1とは実質的に異なる。この目的のために、レバー135が、外周面132上に設けられる。このレバー135は、外周面132の領域内の分注デバイスを作動させるためのピン133を押す。最も単純な事例では、レバー135またはピン133が作動されたときに液体が小開口部11から外へ噴霧されるように、適切な過剰圧力がリザーバ21内に蓄えられ得る。しかし、同様に、小開口部11を介して液体の一部が分注されるように、レバー135またはピン133によって引き起こされるパルスの結果としてリザーバ21内の圧力を高めるマイクロポンプがここに設けられることが可能である。リザーバ21内の圧力上昇を伴わないポンプを介した直接の分注もまた、実現可能である。
【0045】
図3では、本発明によるボトル・キャップ200のさらなる実施形態が示されている。このボトル・キャップ200は、フリップ・クロージャ230を有する。フリップ・クロージャ230上にはピン233が同様に設けられており、このピン233は、フリップ・クロージャ230が開かれたときに、外周面232上に設けられた止め具231と相互作用する。この止め具は、例えば、リザーバ内に用意された少量の液体の小開口部11を介した分注を生じさせるポンプを作動させることができる。
【0046】
原則的に、当業者に知られた態様で達成可能な様々なデバイスが、リザーバからの液体の分注に検討され得る。能動的なポンピングが機械的または電気的なポンプによって提供されるのか、または外圧を加えることによって提供されるのかは、いずれの場合にも、望ましい実施形態に依存する。
【0047】
しかし、本発明に欠かせないのは、飲用前および/または飲用後の少量の液体の分注が使用者にあたかも水以外の液体を飲んでいると思わせるという知見である。
【0048】
したがって、本発明によるボトル・キャップを使用することにより、味覚体験を著しく損なうことなしに、飲用中のカロリー摂取量を減少させることができる。
図1
図2
図3