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特許7159247注射サイトの交替を奨励し、身体領域への繰り返される注射からの脂肪萎縮症を防止するためのシステム、装置および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-14
(45)【発行日】2022-10-24
(54)【発明の名称】注射サイトの交替を奨励し、身体領域への繰り返される注射からの脂肪萎縮症を防止するためのシステム、装置および方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/42 20060101AFI20221017BHJP
【FI】
A61M5/42 520
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020118618
(22)【出願日】2020-07-09
(62)【分割の表示】P 2019064040の分割
【原出願日】2014-12-03
(65)【公開番号】P2020171765
(43)【公開日】2020-10-22
【審査請求日】2020-08-06
(31)【優先権主張番号】61/911,850
(32)【優先日】2013-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】522179943
【氏名又は名称】エンベクタ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アレン フィードラー
(72)【発明者】
【氏名】ロバート ウェスト
(72)【発明者】
【氏名】スダーサン スリニヴァサン
(72)【発明者】
【氏名】ショーン サリヴァン
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ディビアシ
(72)【発明者】
【氏名】アミット リメイエ
(72)【発明者】
【氏名】ブレンドン ヒル
(72)【発明者】
【氏名】アレキサンダー ウィッツェル
【審査官】二階堂 恭弘
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0198153(US,A1)
【文献】特開2013-005945(JP,A)
【文献】米国特許第06319467(US,B1)
【文献】国際公開第2012/153295(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0281493(US,A1)
【文献】特表2012-508052(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0153031(US,A1)
【文献】中国実用新案第203370165(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の皮膚に取り外し可能に適用される、接着テープの注射サイトインジケータであって、前記接着テープは、複数の層を含み、該層の各々は、複数の孔を有し、該複数の孔は、選択された注射サイト分配パターンに対応するように、前記層の各々に配置され、前記パターンは、注射が前記複数の孔のそれぞれになされるとき、前記パターンが、前記各々の注射に、前記インジケータによって覆われる、前記使用者の身体領域において、離間させられることをもたらすように配置され、前記パターンは、前記孔を、前記それぞれの注射が、選択された期間内に投与されるとき、前記身体領域内において、脂肪肥大症を最小限にするために、選択された距離だけ離間させられるように配置し、前記パターンは、前記孔を、前記孔の隣接するものから、少なくとも0.3~2.0cmの選択された距離にあるように配置し、
目印は、その層における目標注射サイトを表すために、それぞれの層の孔の異なる一つに関連して設けられ、
前記複数の層は、使用者が着用している間、使用者が前記インジケータから一つの層を取り外すまで互いに接着していることを特徴とする、接着テープの注射サイトインジケータ。
【請求項2】
請求項1に記載の接着テープの注射サイトインジケータであって、前記複数の層の対応する孔は、互いに対して整列させられことを特徴とする接着テープの注射サイトインジケータ。
【請求項3】
請求項1に記載の接着テープの注射サイトインジケータであって、該複数の層の各々の孔は、重ならないことを特徴とする接着テープの注射サイトインジケータ。
【請求項4】
使用者の皮膚に取り外し可能に適用される、接着テープの注射サイトインジケータであって、
前記接着テープは、複数の層を含み、
前記複数の層のそれぞれは、複数の孔を有し、
前記複数の孔は、選択された注射サイト分配パターンに対応するように、前記層に配置され、
前記パターンは、注射が前記複数の孔のそれぞれになされるとき、前記パターンが、前記各々の注射に、前記インジケータによって覆われる、前記使用者の身体領域において、離間させられることをもたらすように配置され、
前記複数の層は、使用者が着用している間、使用者が前記インジケータから一つの層を取り外すまで互いに接着していることを特徴とする、接着テープの注射サイトインジケータ。
【請求項5】
請求項4に記載の接着テープの注射サイトインジケータであって、
前記パターンは、前記孔を、前記それぞれの注射が、選択された期間内に投与されるとき、前記身体領域内において、脂肪肥大症を最小限にするために、選択された距離だけ離間させられるように配置することを特徴とする接着テープの注射サイトインジケータ。
【請求項6】
請求項5に記載の接着テープの注射サイトインジケータであって、
前記パターンは、前記孔を、前記孔の隣接するものから、少なくとも0.3~2.0cmの選択された距離にあるように配置することを特徴とすることを特徴とする接着テープの注射サイトインジケータ。
【請求項7】
請求項4に記載の接着テープの注射サイトインジケータであって、
前記複数の層の対応する孔は、互いに対して整列させられ、および、目印は、その層における目標注射サイトを表すために、それぞれの層の孔の異なる一つに関連して設けられることを特徴とする接着テープの注射サイトインジケータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連主題は、共有される特許文献1および特許文献2において、開示され、および、特許が請求されており、その全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、脂肪萎縮症、および、減少した、または、不安定な薬剤吸収のような、関連する副作用、および、治療計画の一部として薬剤を用いる健康状態を管理することに伴う関連した困難性を最小限にするために、患者が、注射サイトの交替計画を実行することを支援する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
皮膚への薬剤の注射または注入のような、頻繁な皮膚侵襲行為を必要とする患者は、注射サイトにおいて脂肪萎縮症を発現させ得る。脂肪萎縮症は、皮下組織の変性疾患である。脂肪萎縮症の一つのタイプは、脂肪肥大症であり、それは、影響を受けた領域における、しこりのような組織の肥厚、または、へこみ、または、触診されるときに固い、赤く腫れた組織として、患者に表れ得る。本明細書で使用される「注射」は、例えば、針(例えば、単回投与シリンジ、または、注射ペン)による、または、注入(例えば、インスリンポンプのような皮下挿入のためのカニューレを備える薬剤ポンプ)による注射、または、患者の外側の皮膚が、薬剤を送達するために、または、試料(例えば、血液または組織サンプル)を採取するために、穿刺され、交差される、任意の他の行為であり得る。
【0004】
脂肪萎縮症は、それが、注射によって投与される薬剤の吸収の速度に影響を与え得るので、患者にとって問題となり得る。例えば、インスリン療法は、患者の皮下(SC)組織からのインスリンの再現可能な吸収に依存する。糖尿病を持つ患者の一部は、1日に数回の薬剤(例えば、インスリン)の注射を必要とし得る。患者の狭い皮膚領域におけるインスリンの繰り返される適用は、患者の皮膚構造において(例えば、SC区域内の脂肪組織において)、脂肪萎縮変化を誘発し得る。例えば、患者は、彼が、その同じ身体領域に、または、これらの注射サイトが、注射の皮膚侵襲性の行為から回復することを可能にする持続時間が余りにも短い期間内に、その領域内の隣接する注射サイトに余りにも近く、注射するときに、影響を受けた身体領域において、脂肪萎縮症に苦しみ得る。皮膚構造(例えば、繊維状および相対的に無血管性であり得るSC組織)に脂肪萎縮変化による影響を受けた身体領域へのインスリンの注射は、次に、注射場所(すなわち、インスリン蓄積庫)の付近の血管の不足が、インスリン吸収の速度を減少させ得るので、不規則なインスリン吸収を誘発し得る。注射または注入技術によってインスリンを投与する糖尿病患者にとって、最適な速度よりも低い吸収は、増大したインスリンの要求、および/または、不十分な代謝制御を引き起こし得る。あるいは、より速い吸収速度が生じ得、それは、不十分なグルコース制御につながる。
【0005】
次いで、例示的な注射レジメンが、糖尿病患者へのインスリン投与に関連して説明されるであろう。以下に説明される本発明の例示的な実施形態は、反復注射を必要とする、他のタイプの病状、および、他のタイプの薬剤を用いる他のタイプの注射レジメンに適用可能であることが理解されるべきである。
【0006】
例となる注射レジメンは、次のとおりです。
従来の療法:典型的に、一日あたり2-3回の注射を必要とする、速効型および中間型のインスリンを使用する。
複数回の毎日注射(MDI):食事中および食後期間における血糖を管理するための速効型インスリンの食事時間注射、および、食事の間の血糖値を管理するための持効型インスリンの注射、これらは、一日あたり、少なくとも4回の注射であり得る。
連続式の皮下インスリン注射(CSII):皮下組織に挿入された、および、交替サイトで2-3日または4-5日間経過させられる、一時的な柔軟なカテーテルを介して、インスリンを投与する。脂肪肥大症は、連続的なインスリン送達システム(例えば、皮下留置カテーテルおよびインシュリンポンプ)、および、注射器またはペンニードルを使用する注射のために使用される身体領域に起こり得る。患者は、脂肪肥大症の領域にカテーテルを配置することを避けるように指示され得るが、これらの領域は、患者または彼らの介護者によって、必ずしも認識されず、よって、カテーテルは、初期に脂肪肥大症がすでに存在する場所に、しばしば配置される。
【0007】
証拠は、脂肪萎縮症と、注射サイトを交替することの失敗、または、繰り返される狭い注射区域(例えば、身体領域)を使用すること、または、同じ場所に注射すること、および/または、針を再利用すること、との間の相関関係を示唆する。系統的サイト交替は、脂肪肥大症を発現するリスクを低減することに役立ち得る。したがって、わかりやすい注射サイトの交替計画、または、注射療法の開始から教示される計画が推奨される。
【0008】
図23Aを参照して説明すると、8つの身体領域、すなわち、患者の腹部、腕部、臀部、および、大腿部の左右が、インスリン投与のために同定されている。糖尿病患者のための医療計画の重要な部分は、注射サイトの交替計画に関する教育と注射サイトの交替計画の実施である。サイトの交替計画は、単一の身体領域(例えば、腹部)における注射または輸液装置を備えたカテーテル法を含み得るが、この領域にわたって注射を分配するのを支援するために、パターンまたはグリッドを使用する。例えば、一つの例示的な交替計画は、図24に示されるように、患者の臍を囲む領域(例えば、注射のための目標身体領域)を、時計の文字盤の12時間のようなセクション(例えば、身体領域区画)に、または、図23Bに示されるように、臍を中心とした四分円、または、大腿部のような身体領域の半分に分割し、患者が、その身体領域内に注射サイトを分配するのを支援する。
【0009】
注射サイトの交替計画は、また、複数の身体領域を含み得る。例えば、他の例示的な交替計画は、これらに限定されないが、所与の日における複数の身体領域の間で患者がショットを交替すること、または、選択された期間にわたって、そこにショットを分配するために、他の身体領域に交替する前に、選択された期間(例えば、1週間)、同一の選択された身体領域内においてショットを分配することを含み得る。実証された効果を備える一つの計画は、注射サイトのための目標身体領域を、四分円、または、半体に、分割し、領域の大きさに応じて、週ごとに、四分円の一つ、または、半体の一つを使用して、日ごとにその領域内での交替を行い、その後、毎週、新しい領域に時計回りに移動することを伴う(非引用文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】米国特許第7597853号明細書
【文献】米国特許第7645264号明細書
【非特許文献】
【0011】
【文献】Pledgerら「糖尿病における注射技術の重要性」、Journal of Diabetes Nursing、第16巻第4号、2012年、160~165頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
多くの患者は、しかしながら、脂肪萎縮症、および、その関連する問題を回避し、または、最小化するために、適切な注射サイトの交替計画に執着しない。例えば、注射サイトを交替することを勧められた場合であっても、患者は、異なる理由のために、余りにも少なすぎる身体領域および注射サイトを使用して、決して最適でない手順を続行する。一つの理由は、患者が、自己注射する彼または彼女の異なる身体領域に到達し得る、人的因子または人間工学的な容易さである。例えば、患者の腹部と太腿部は、彼女の背中や腕部よりも、自己注射するために、彼女の手で到達することがより容易であり得る。上述したように、脂肪萎縮症は、来る日も来る日も、患者が、同じサイトに注射するので、発症し得る。それは、そこが、糖尿病患者にとって注射するのに便利な場所であるので、臍の両側または太腿の中央部領域で、頻繁に発生する。患者が、適切な注射サイトの交替計画を実践することを、意図的に、あるいは、無意識のうちに失敗し得るもう一つの理由は、新しいサイトにおける痛みへの恐怖である。さらに、一部の患者は、脂肪萎縮症が発生する前に、注射サイトを交替することの適切な注意喚起または推奨を有しないことよりも、習慣で、および、特段の理由もなしに、決して最適でない注射サイト変更計画に、単純に執着する。したがって、これらに限定されないが、注意喚起を提供すること、または、患者が、過去の注射サイトの記録を保持し、次の目標身体領域および/または注射サイトを選択することを支援することのような、患者が、注射サイト交替計画に執着することを促す方法および/または装置に対する必要性が存在する。
【0013】
加えて、交替計画は、目標身体領域上で、十分に注射を分配し得ない。例えば、一つの交代計画は、2つ、または、4つの目標領域(例えば、左、右の大腿部、および/または、左、右の腹部)を提供し、しかし、その領域内のどこに注射すべきかを、患者の裁量に任せ得るが、患者が、きっと、目標身体領域内の、わずか2、3の集中した場所または注射サイトに注射を位置させることをもたらす。したがって、患者が、目標身体領域内で注射サイトを分配することを支援する、方法、および/または、装置に対する必要性が存在する。
【0014】
効果的な注射サイトの交替は、従って、薬剤投与の重要な構成要素である。脂肪萎縮症のサイト、または、脂肪萎縮症の特徴を発現させるための切迫した危険があるサイトの早期検出、および、選択された期間、そのようなサイトを使用することを控えることは、そのサイトを、将来の薬剤送達のために、保護し得る。いくつかのサイトは、組織になされたダメージの程度に応じて、一定期間、回避されるか、または、完全に回避される必要がある。また、全ての皮膚障害が視認可能であるとは限らないので、注射サイトは、視覚的に検査されるだけでなく、触診される必要がある。したがって、患者が、脂肪萎縮症サイトを追跡し、少なくとも選択された期間、目標注射サイトとしてそれらを使用することを避けることを支援し、必要に応じて、患者が、彼、または、彼女の身体の特定のサイトが脂肪萎縮症の特徴を発現しているかどうかを識別することを支援するための、方法および/または装置に対する必要が存在する。
【0015】
インスリンを投与するための様々な装置が、糖尿病患者に利用可能であり、それらは、単位用量使い捨て注射器から、再使用可能なペン型注射器、輸液セットに及ぶ。したがって、患者が、注射サイトの交替計画に執着することを奨励すると同時に、インスリン送達機構の彼らの選択に適合する、方法、および/または、装置のための必要が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の例示的な実施形態によって、前記およびその他の問題が克服され、追加の利点が、理解される。
【0017】
本発明の例示的な実施形態によれば、方法およびシステムは、使用者が、脂肪萎縮症を最小限にするために、注射サイトの交替計画に執着することを支援するために提供される。方法およびシステムは、改良された注射ペン、バイアルのような薬剤容器、単位用量注射器および関連包装、輸液ポンプセット、各種携帯装置、および、モバイルアプリケーションのような、多くの異なる形状因子および装置を用いて実施される。
【0018】
本発明の例示的な実施形態の態様によれば、注射サイトの交替を奨励するための装置は、薬剤送達装置において実施され得、または、別個の装置であり得る。
【0019】
本発明の例示的な実施形態の態様によれば、複数の注射サイトに関連した目印をその上に有するインジケータを含む、使用者が操作可能な装置を有する、注射サイトの位置を変更させるための注意喚起システムが、提供される。
【0020】
加えて、注意喚起システムは、以下の任意の1つ以上の態様を有し得る。
【0021】
インジケータスリーブを含むインジケータであって、インジケータスリーブが、注射ペン本体、注射ペンキャップ、および薬剤バイアルの一つに、回転可能に固定される、インジケータ。
【0022】
インジケータスリーブを含むインジケータであって、インジケータスリーブが、注射ペン本体、注射ペンキャップ、および薬剤バイアルの一つに、装着され、システムが、さらに、注射ペン本体、注射ペンキャップ、および薬剤バイアルの前記一つに、回転可能に装着された窓スリーブを含み、一度に、目印のただ一つの視認を選択的に可能にする、インジケータ。
【0023】
曜日に関係した、目印をその上に有する追加のインジケータと、インジケータスリーブおよび追加のインジケータとリンクする機構を含む、注意喚起システムであって、7つの目印だけ、追加のインジケータを進めることが、1つの目印だけ、インジケータスリーブを進める、注意喚起システム。例えば、追加のインジケータは、ディスク、またはスリーブを含む。さらに、追加のインジケータの完全な一回転は、ただ一つの目印だけ、インジケータスリーブを進める。機構は、欠歯歯車を含み得る。
【0024】
注意喚起システムが、回転機構を含み、インジケータは、インジケータスリーブを含み、インジケータスリーブは、インジェクタボタンを有する注射ペンの内部に移動可能に配置され、目印は、注射ペン上に配置された窓を通して一度に一つ視認可能であり、注射を完了させるための、インジェクタボタンの遠位への変位は、回転機構が、ただ一つの目印だけ、インジケータスリーブを進めることをもたらす、注意喚起システム。
【0025】
回転機構は、注射ペン上に配置された一次進行突起、および、インジケータスリーブ上に配置された半径方向の複数の突起であって、半径方向の複数の突起の各々が、目印のただ一つに対応している、半径方向の複数の突起を含み、注射を完了するための、インジェクタボタンの遠位への変位で、インジェクタボタンはインジケータスリーブを遠位に変位させ、インジケータスリーブの遠位への変位の間、一次進行突起と半径方向突起の一つとの間の相互作用は、インジケータスリーブの回転を引き起こす、回転機構。
【0026】
回転機構は、注射ペンに対して近位に、インジケータスリーブを付勢する付勢部材と、注射ペン上に配置された二次進行突起とを含み得、二次進行突起は、周方向および軸方向に一次進行突起からオフセットされており、付勢部材によるインジケータスリーブの近位への変位で、インジケータスリーブの近位への変位の間、二次進行突起と半径方向突起の1つとの間の相互作用は、インジケータスリーブの追加の回転をもたらす、回転機構。
【0027】
本発明の例示的な実施形態の態様によれば、容器、および、容器内に含まれる複数の医療用注射装置を含む包装が提供され、容器は、患者の身体領域を示す印刷された目印、および、患者のそれぞれの身体領域内の注射サイトに、医療用注射装置による注射を指示する印刷された目印を有する。
【0028】
また、包装は、任意の1つ以上の以下の態様を有し得る。
【0029】
容器は、複数の区画を有し、その場合、各区画は、複数の医療用注射装置を含む。
【0030】
包装は、患者のそれぞれの身体領域に対応する、それぞれの区画を同定する印刷された目印を含む。
【0031】
区画のそれぞれに対する目印は、異なった識別可能な色を有する。
【0032】
区画のそれぞれに対する目印は、患者の身体領域を同定するための異なった形状を有する。
【0033】
各々の医療用注射装置は、医療用注射装置が配置された各区画に対する印刷された目印に対応する、印刷された目印を含む。
【0034】
各々の医療用注射装置に対する目印は、患者の身体領域内の注射サイトを同定する。
【0035】
包装は、患者によって投与された注射サイトの順番を記録するためのチャートを含み得る。
【0036】
各々の医療用注射装置は、注射サイトを同定する目印を含むラベルを含み、この場合、ラベルは、医療用注射装置から取り外し可能であり、注射サイトを記録するチャートに付着させられ得る。
【0037】
包装は、処理装置に接続されたスクリーン上のディスプレイを生成するように、プログラム可能な処理装置を制御するための命令を含む、非一時的なコンピュータ読み取り可能メモリに格納されたソフトウェアアプリケーションと共に使用され得、ディスプレイは、身体領域を表す目印を含み、処理装置は、選択された目印によって表される身体領域内の注射とその目標位置に対応する、ディスプレイ上の目印の一つを選択する使用者入力を受け取り、注射の日付と時刻、および、選択された目印を含む、注射に関するデータをメモリに記憶するように、ソフトウェアアプリケーションによって制御される。
【0038】
処理装置は、モバイルフォン、モバイルコンピューティング装置の一つであり、スクリーンは、タッチスクリーンであり、使用者入力は、ディスプレイ上の目印の一つの、タッチスクリーン選択を含む。
【0039】
処理装置は、選択された期間にわたって生じる注射と、日付と時刻と対応する身体領域を含む、その対応するデータの、履歴レポートを生成するよう、ソフトウェアアプリケーションによって制御される。
【0040】
本発明の例示的な実施形態の態様によれば、使用者の皮膚に取り外し可能に適用された、接着剤テープの注射サイトインジケータが、少なくとも一つの層を含んで提供され、層は複数の孔を有し、複数の孔は、選択された注射サイト分配パターンに対応するように、層内に配置され、注射が複数の孔のそれぞれ一つになされる場合、パターンは、各注射が、インジケータによって覆われる、使用者の身体領域において、離間することをもたらす。
【0041】
加えて、粘着テープの注射サイトインジケータは、以下の態様の任意の1つ以上を有し得る。
【0042】
パターンは、各注射が、選択された期間内に投与されるとき、身体領域内における脂肪肥大症を最小限とするために選択される距離だけ離間するよう、孔を配置する。
【0043】
パターンは、隣接する孔から少なくとも0.3~2.0cmの選択された距離であるよう、孔を配置する。
【0044】
粘着テープの注射サイトインジケータは、層の対応する孔が、実質的に互いに対して整列している複数の層を含み、目印は、その層での目標注射サイトを表すために、それぞれの層の孔の異なる一つに対して提供される。
【0045】
粘着テープの注射サイトインジケータは、複数の層を含み、層のそれぞれの孔は、重ならない。
【0046】
本発明の例示的な実施形態の態様によれば、粘着テープの注射サイトインジケータキットは、使用者の皮膚に取り外し可能に適用されるように構成された、複数のインジケータ、および、それらが、それぞれの目標注射サイトをマークするために、患者の身体領域に固定されるとき、インジケータのための分配パターンを示すように構成された、テンプレートを含んで提供される。
【0047】
加えて、粘着テープの注射サイトインジケータキットは、以下の態様の任意の1つ以上を有し得る。
【0048】
分配パターンは、各注射が選択された期間内に投与される場合、身体領域における脂肪肥大症を最小限にするために、目標注射サイトを、互いから選択された距離、離間させるように構成される。
【0049】
分配パターンは、インジケータを、隣接するインジケータから、少なくとも0.3~2.0cmの選択された距離であるように配置する。
【0050】
インジケータは、各々が、各患者に、その片側を固定する、接着剤を含むステッカーである。
【0051】
テンプレートは、分配パターンで、その一側に固定されたインジケータを有するように構成され、インジケータは、テンプレートの一側が、患者に接して配置されるとき、患者の皮膚上に転写可能である。
【0052】
インジケータは、それぞれが、その一方の側をテンプレートの一側に、その他方の側を患者に固定するための、両面接着剤を含むステッカーである。
【0053】
インジケータは、それぞれ、その一方の側に転写可能なインクを含み、目標注射サイトを表すために、テンプレートから患者へ、マーキングを転写するように構成される。
【0054】
本発明の例示的な実施形態の態様によれば、患者の体における注射サイトを追跡するための光学ツールは、光学式マウス、記憶装置、記憶装置、および、光学式マウスに接続された処理装置を含んで提供され、処理装置は、マウスが患者の身体の上を移動すると、マウスによって移動させられた距離を決定し、光学式マウスの出力に基づいて、目標注射位置のための座標を指定するように構成される。
【0055】
加えて、光学ツールは、以下の態様の任意の1つ以上を有し得る。
【0056】
注射は、患者の指定された身体領域においてなされ得、それぞれの身体領域は、基準位置を有し、処理装置は、身体領域内において光学式マウスによって移動させられた距離を決定し、光学式マウスが移動させられる身体領域の選択された点における、基準位置に対する光学式マウスの位置座標を指定するように構成される。
【0057】
記憶装置は、一日あたりの注射回数、および、推奨される注射交替計画を示す注射レジメン、および、過去の注射の位置座標および日付と時間を含む注射データを記憶し、処理装置は、光学式マウスの現在の位置座標、および、記憶された注射データを用いて、目標注射サイトを選択するように構成される。
【0058】
処理装置は、脂肪肥大症を減少させるための選択された量だけ、隣接するサイトに対して、注射サイトの位置座標を、間隔をおいて配置するように構成される。
【0059】
メモリは、目標注射サイトとして避けられるべきである身体領域サイトを含む、注射データを記憶し、処理装置は、目標注射サイトを選択する際、これらの身体領域サイトを使用しないように構成される。
【0060】
処理装置は、現在の位置座標が、目標注射サイトとして避けられるべきである身体領域サイトに近接していると決定されたとき、表示を生成するように構成される。
【0061】
処理装置は、現在の位置座標が、目標注射サイトであると決定されるとき、表示を生成するように構成される。
【0062】
本発明の例示的な実施形態の態様によれば、画像投影装置が、手持ち式であり、患者の身体領域に注射サイト目標画像を投影するように構成されて提供される。
【0063】
加えて、画像投影装置は、以下の態様の任意の1つ以上を有し得る。
【0064】
画像は、脂肪肥大症を減少させるために、互いに対して離間した、複数の目標注射サイトを表すパターンである。
【0065】
パターンにおける目標注射サイトは、0.3~2.0cmの選択された距離だけ、互いから離間している。
【0066】
画像投影装置は、輸液ポンプに関連した注射アセンブリを配置するための場所を選択することを容易にするため、輸液ポンプセットの再使用可能な部分に配置される。
【0067】
画像投影装置は、さらに、記憶装置、ユーザーインターフェース、画像投影装置、記憶装置およびユーザーインターフェースに接続された処理装置を含み、記憶装置は、複数の注射サイト目標画像を記憶し、ユーザーインターフェースは、使用者が目標画像を選択し得る、複数の注射サイト目標画像のリストを表示するように構成され、処理装置は、選択された目標画像を表示するように、画像投影装置を制御するように操作可能である。
【0068】
複数の注射サイト目標画像は、患者の異なる身体領域上で使用するための、異なる目標画像を含む。
【0069】
異なる目標画像は、対応する身体領域に応じて、異なるサイズおよび/または形状である。
【0070】
複数の注射サイト目標画像は、異なる区域またはセクタを含む、少なくとも1つの目標画像を含む。
【0071】
本発明の例示的な実施形態の態様によれば、非一時的なコンピュータ読み取り可能メモリに格納されたソフトウェアアプリケーションは、画像センサ、スクリーンディスプレイ、および、プログラム可能な処理装置を有する、携帯コンピューティング装置を制御するための命令を含んで提供され、処理装置は、画像センサが患者の身体領域に向けられるときに、画像センサからの画像データを受信し、スクリーンディスプレイの画像データおよび注射サイトの画像を表示するよう、ソフトウェアアプリケーションによって制御される。
【0072】
加えて、ソフトウェアアプリケーションは、以下の態様の任意の1つ以上を有し得る。
【0073】
画像センサは、また、指または他のポインタで身体領域を指し示す、使用者の画像を撮像し、さらに、身体領域の画像データと共に、ポインタの画像を表示するように、スクリーンディスプレイを制御するための命令を含む。
【0074】
身体領域における目標注射サイトが選択され、命令は、ポインタの少なくとも選択された部分が、目標注射サイトに対応する定位ポイントと一致する場合、フィードバックデータを生成するよう、処理装置を制御する。
【0075】
フィードバックデータは、使用者が、ポインタで、身体領域における目標注射サイトを位置づけたという可聴インジケータ、および、ポインタが身体領域の目標注射サイトに到達するとき、スクリーンディスプレイ上の目標注射サイトでの視覚的なインジケータ、および、目標注射サイトに到達するようにポインタを移動させるための、方向および/または距離の視覚インジケータの少なくとも一つである。
【0076】
フィードバックデータは、注射のために避けられるべき、身体領域におけるサイトのインジケータを含む。
【0077】
命令は、自動的に、目標注射サイトを選択するように、処理装置を制御する。
【0078】
処理装置は、自動的に目標注射サイトを選択するために、一日あたりの注射回数、少なくとも1つの目標注射身体領域、1つ以上の身体領域が使用される場合の身体領域交替計画、身体領域内において注射を分配するための少なくとも一つの注射パターン、過去の注射の日時、位置を含む、注射レジメンを含むデータを分析するように制御される。
【0079】
携帯のコンピューティング装置は、身体領域における皮膚の状態に関連する画像データを記録する他のセンサと共に作動する。
【0080】
画像データは、赤外線波長を含む。
【0081】
皮膚の状態は、少なくとも脂肪肥大症を含む。
【0082】
一実施形態は、脂肪萎縮症のサイト(例えば、以下の、「リポ」)の形成を防止するため、どこに注射すべきかを使用者に案内する、スマートフォン、コンピュータ、IPAD、PDA、または、他の携帯電気機器上で動作するソフトウェアプログラムである。身体の画像は、注射のために使用される身体上の領域を示すように表示され得、使用者が、次の注射のために、システムによって示唆される領域およびサイトに、注目することを可能にする。使用者は、サイトを受け入れるか、または、新しいサイトに進むためのオプションを提供され得る。すべての使用サイトが、追跡され、記録され、使用者は、他のサイトと比較される場合、どのサイトが最も多く使用されたかを確認し得る。ソフトウェアプログラムまたはアプリケーション(以下、「アプリ」)は、また、存在し得る「リポ」を同定するための情報を使用者に提供し、日付と時刻と共に、それらのあり得るサイトを記録し得、それらの位置における注射は、避けられ得(例えば、選択された期間)、使用者の医師は、相談され得る。「アプリ」は、使用者に、製品のバーコードをスキャンするか、特定のキーを入力するように要求することで、「アプリ」の使用を継続するため、特定のベンダーの、または、製造者の針を購入するためのインセンティブを提供し得る。「アプリ」は、また、長期間使用された場合、クーポンを使用者に提供し得る。「アプリ」は、ベンダーか、製造者のWebサイト、または、任意の「アプリ」ストアからダウンロードされ得る。
【0083】
本発明の例示的な実施形態の態様によれば、脂肪肥大症教育ツールは、基部、触診されるとき、皮下の脂肪組織を再現するように選択された第一の手触りを有する、基部上に設けられた合成材料を含んで設けられ、合成材料は、皮下の脂肪組織における脂肪肥大症の発生を再現するために選択された第二の手触りを有する、少なくとも一つの領域を含む。
【0084】
加えて、脂肪肥大症教育ツールは、次の態様の任意の1つ以上を有し得る。
【0085】
基部は、クレジットカードの大きさの少なくとも一つであるような、注射用品を含む包装内または上に配置されるような、携帯キットに配置されるような、および、壁または使用者に展示中の他の表面に配置されるような大きさとされる。
【0086】
例示的な実施形態、および、それらの各々の態様は、他の例示的な実施形態で使用され得る。
【0087】
本発明の、追加の、および/または、他の、態様および利点は、以下の記載において説明され、または、説明から明らかとなるであろうし、本発明の実施によって学習され得る。
【0088】
本発明は、添付の図面に示された、その例示的な実施形態を参照して、より容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0089】
図1】例示的な薬剤送達ペンの斜視図である。
図2図1の例示的な薬剤送達ペンの分解図である。
図3】注射サイトの交替計画の斜視図である。
図4】本発明の例示的な実施形態によるインジケータスリーブの斜視図である。
図5】本発明の例示的な実施形態による注射ペンの斜視図である。
図6】本発明の例示的な実施形態による別の注射ペンの斜視図である。
図7】本発明の例示的な実施形態による薬剤バイアルの斜視図である。
図8】本発明の例示的な実施形態による欠歯歯車の上面図である。
図9】本発明の例示的な実施形態による欠歯スリーブの斜視図である。
図10】本発明の例示的な実施形態による、注意喚起システムの構成要素の分解斜視図である。
図11】本発明の例示的な実施形態による注射ペンの部分斜視断面図である。
図12図11のペンの部分断面図である。
図13】本発明の例示的な実施形態による注射ペンキャップの斜視図である。
図14】本発明の例示的な実施形態による別の注射ペンキャップの斜視図である。
図15】本発明の実施形態による薬剤バイアルの斜視図である。
図16】本発明の実施形態によるインジケータスリーブの斜視図である。
図17】本発明の例示的な実施形態による注射ペンの部分断面概略図である。
図18図17の注射ペンの作動を説明するための図である。
図19図17の注射ペンの作動を説明するための図である。
図20図17の注射ペンの作動を説明するための図である。
図21図17の注射ペンの作動を説明するための図である。
図22A】本発明の実施形態によるペンの部分断面図である。
図22B】本発明の実施形態によるペンの部分正面図である。
図22C】本発明の例示的な実施形態による、ペンが、再度蓋をされた後、自動的に次の目標注射サイトを示すための、ペンキャップ上にディスプレイを有するペンを示す図である。
図23A】注射を投与するための例示的な目標身体領域を示す図である。
図23B】目標身体領域における例示的なゾーンを示す図である。
図24】注射を投与するための目標身体領域の例示的なセクションまたはゾーンを示す図である。
図25A】本発明の例示的な実施形態による、身体領域間での、または、身体領域内の目標注射サイト間での、注射の交替のための、指示、ガイドライン、および、勧告を提供する、印刷された目印の形での指示を有する包装(例えば、注射用品の)を示す図である。
図25B】本発明の例示的な実施形態による、身体領域間での、または、身体領域内の目標注射サイト間での、注射の交替のための、指示、ガイドライン、および、勧告を提供する、印刷された目印の形での指示を有する包装(例えば、注射用品の)を示す図である。
図26】は、本発明の例示的な実施形態による、選択される注射サイトまたは注射領域に対応する、別々の区画に分割された包装を示す図である。
図27A】本発明の例示的な実施形態による、注射サイトの交替を促進するため、使用者の腹部の上部領域、下部領域、右側部および左側部における注射サイトを同定し得る、ペンキャップ、注射器、または、他の個々の注射装置に適用される、包装上の、および、ステッカー上の、印刷された目印を示す図である。
図27B】本発明の例示的な実施形態による、注射サイトの交替を促進するため、使用者の腹部の上部領域、下部領域、右側部および左側部における注射サイトを同定し得る、ペンキャップ、注射器、または、他の個々の注射装置に適用される、包装上の、および、ステッカー上の、印刷された目印を示す図である。
図28】本発明の例示的な実施形態による、注射サイトを記録し、追跡するための、包装上の印刷された、または、着脱可能なカードとしてのチャート、および、対応する注射装置の目印を有する包装を示す図である。
図29】本発明の例示的な実施形態による、いくつかの注射サイトに、チャートが分割され得、チャート上の各区域が、所望の注射サイトに対応する、時計を表す12の注射サイトに分割された、指定された身体領域としての使用者の腹部を示す図である。
図30A】本発明の例示的な実施形態による、どこに、使用者の目標注射サイトを位置づけ、以前の注射サイトを同定するかについての、ガイダンスとして、使用者の皮膚へ適用するためのステッカーまたは他のマーカーを示す図である。
図30B】本発明の例示的な実施形態による、どこに、使用者の目標注射サイトを位置づけ、以前の注射サイトを同定するかについての、ガイダンスとして、使用者の皮膚へ適用するためのステッカーまたは他のマーカーを示す図である。
図30C】本発明の例示的な実施形態による、どこに、使用者の目標注射サイトを位置づけ、以前の注射サイトを同定するかについての、ガイダンスとして、使用者の皮膚へ適用するためのステッカーまたは他のマーカーを示す図である。
図30D】本発明の例示的な実施形態による、どこに、使用者の目標注射サイトを位置づけ、以前の注射サイトを同定するかについての、ガイダンスとして、使用者の皮膚へ適用するためのステッカーまたは他のマーカーを示す図である。
図30E】本発明の例示的な実施形態による、どこに、使用者の目標注射サイトを位置づけ、以前の注射サイトを同定するかについての、ガイダンスとして、使用者の皮膚へ適用するためのステッカーまたは他のマーカーを示す図である。
図31】本発明の例示的な実施形態による、注射サイトの位置決め(ISL)装置を示す図である。
図32】本発明の例示的な実施形態による、注射サイト投影(ISP)装置を示す図である。
図33】本発明の例示的な実施形態による、モバイルアプリを備えるモバイルフォンのブロック図である。
図34】本発明の例示的な実施形態による、モバイルアプリを備えるモバイルフォンでの、それぞれのスクリーンディスプレイの図である。
図35】本発明の例示的な実施形態による、モバイルアプリを備えるモバイルフォンでの、それぞれのスクリーンディスプレイの図である。
図36A】本発明の例示的な実施形態による、モバイルアプリを備えるモバイルフォンの動作のフローチャートである。
図36B】本発明の例示的な実施形態による、モバイルアプリを備えるモバイルフォンの動作のフローチャートである。
図37】本発明の例示的な実施形態による、モバイルアプリを備えるモバイルフォンでの、それぞれのスクリーンディスプレイの図である。
図38】本発明の例示的な実施形態による、モバイルアプリを備えるモバイルフォンでの、それぞれのスクリーンディスプレイの図である。
図39A】本発明の例示的な実施形態に従って構成された、脂肪肥大症教育装置を示す図である。
図39B】本発明の例示的な実施形態に従って構成された、脂肪肥大症教育装置を示す図である。
図40A】本発明の例示的な実施形態に従って構成された、脂肪肥大症教育装置を示す図である。
図40B】本発明の例示的な実施形態に従って構成された、脂肪肥大症教育装置を示す図である。
図40C】本発明の例示的な実施形態に従って構成された、脂肪肥大症教育装置を示す図である。
図40D】本発明の例示的な実施形態に従って構成された、脂肪肥大症教育装置を示す図である。
図40E】本発明の例示的な実施形態に従って構成された、脂肪肥大症教育装置を示す図である。
図40F】本発明の例示的な実施形態に従って構成された、脂肪肥大症教育装置を示す図である。
図41】本発明の例示的な実施形態に従って構成された、脂肪肥大症教育装置を示す図である。
図42】本発明の例示的な実施形態に従って構成された、脂肪肥大症教育装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0090】
図面全体を通して、同様の参照数字は、同様の要素、態様、および構造に言及するものと理解されるであろう。
【0091】
次いで、添付の図面に示された本発明の実施形態に、詳細に参照がなされるであろう。本明細書に記載された実施形態は、図面を参照することによって、本発明を例示するが、本発明を限定しない。当業者によって理解されるように、「上」、「下」、「底部」、「上部」のような用語は、相対的であり、例示を助けるために使用されるが、限定をするものではない。
【0092】
注射サイト交替を実践し、従って、患者における脂肪萎縮症の発生、および、患者の脂肪萎縮症の身体領域に薬剤を投与することの上述した潜在的な副作用を回避または最小限にするために、使用者(例えば、患者および/または介護者)を促す、本発明の例示的な実施形態が、次いで、説明されるであろう。
【0093】
本発明の例示的な実施形態は、注射サイトの位置を追跡するための異なるツール(例えば、異なる媒体、および/または、装置、および、フォーマット)の選択、ならびに、注射または注入による薬剤投与のための、異なる身体領域の間での、または、少なくとも目標身体領域のゾーンまたはセクション内での、目標注射サイトの交替を、使用者にもたらす。例示的な実施形態は、インスリン療法を用いる糖尿病管理に関連している。これらの例示的な実施形態は、異なる注射および注入装置、および、関連の製品と共に、ならびに、糖尿病に加えて、他の医学的状態のための、異なる薬剤療法および治療方式のために使用され得ることが理解されるべきである。
【0094】
薬剤送達ペンおよびバイアル
薬剤送達ペンは、薬剤の正確に計量された用量の自己注射のために使用される。ペンは、例えば、インスリンを自己注射するために、糖尿病患者によって、広く使用される。典型的な薬剤送出ペンは、複数回用量のために十分な量の液体薬剤を含むカートリッジを含む。ペン装置に取り付けられた使い捨てのペンニードルを使用して、用量は、筋肉組織層、皮下組織層、または、皮内組織層のような、組織領域内に注射される。
【0095】
典型的なペン注射装置のアセンブリおよび作動は、本明細書に、その全体において参照として組み込まれる、本発明の譲受人に譲渡された特許文献2に記載される。
【0096】
図1および図2に示されるような、例示的な薬剤送達ペンまたはペン型注射器または注射ペン50のような、ペン型注射装置は、典型的には、投与量ノブ/ボタン24、外側スリーブ13、および、キャップ21を含む。投与量ノブ/ボタン24は、使用者が、注射される薬剤の用量を設定することを可能にする。外側スリーブ13は、薬剤を注射する際に、使用者によって把持される。キャップ21は、シャツのポケット、財布、または他の適切な場所に、ペン型注射器50を確実に保持するために、使用者によって用いられる。
【0097】
図2は、図1に示された例示的な薬剤送達ペン50の分解図である。用量ノブ/ボタン24は、二重の目的を持っており、注射される薬剤の用量を設定するためと、下部ハウジング17を介して薬剤送達ペンに装着された薬剤カートリッジ12から、リードスクリュー7とストッパ15を介して投与される薬剤を注射するための、両方に使用される。薬剤カートリッジ12は、典型的には、一端をセプタム16で、他端をストッパ15で封止されたガラス管である。標準的な薬剤送達ペンにおいて、投薬および送達機構は、全て、外側スリーブ13内に見出される。これらの機構は、それらが、当該技術分野の見識者によって理解されるので、本明細書においては、より詳細に説明されない。ペンニードルアセンブリ10は、ハブ20、ペンニードルアセンブリの患者端から延びる患者ニードル11、および、その非患者側でハブ20内に配置された、セプタム貫通ニードルカニューレ18を含む。セプタム貫通ニードルカニューレ18は、患者ニードル11と流体連通する。ハブ20は、典型的には、下側ハウジング17にねじ込まれる。下部ハウジング17に、または、カートリッジ12に直接、ハブ20を取り付けることで、セプタム貫通カニューレ18は、セプタム16を穿刺する。(リードスクリュー7の前進による)薬剤カートリッジ12内におけるプランジャまたはストッパ15の遠位移動は、薬剤が、ハブ20の患者ニードル11内に押し進められることをもたらす。使用者を保護するために、剛性の外側シールド29が、ハブ20に取り付けられ、ハブ20を被覆する。外側シールド29は、また、ペン型注射器50にハブ20を螺着し、または、ペン型注射器50からハブ20から螺脱させるための、ハンドルまたはグリップとして使用され得る。内部シールドまたは針カバー28は、外側シールド29内の患者ニードル11を被覆する。
【0098】
図3は、注射サイトの位置を変化させるための概要を示す。より具体的には、身体領域内での注射のためのパターン40は、例えば、使用者の腹部32上での仮想の時計の文字盤40であり得、使用者は、例えば、ある一回の注射のための12時から次の注射のための1時へ動くなど、時計の時針のように注射サイトを変化させる。時計の文字盤は、使用者の臍(すなわち、へそ)を中心に置かれ得る。代替的に、身体の腹部領域は、例えば、コンパスゾーン(例えば、N、NE、E、SE、S、SW、W、およびNW)を使用するような、異なるタイプのゾーンに分けられ得る。図24に示されるように、腹部で注射サイトを分散させるためのパターン40は、同心円を用いて、または、腹部領域を、図23Bに示される象限のような指定領域に分割し、その後、各指定領域(例えば、象限)内において、図23Bに示されるようなマトリクスまたはグリッドパターンまたは螺旋パターンのようなパターン40を用いることで達成され得る。
【0099】
1つの実施形態によれば、注射サイトの位置を変化させる際に、使用者を支援するための注意喚起システムは、図4に示されるように、中空のインジケータスリーブ60のような、インジケータを含む。インジケータスリーブ60は、複数の注射サイトに関連する、その上の目印62を有する。より具体的には、インジケータスリーブ60は、図3の仮想の文字盤のような、時計の文字盤での時間に対応する、数字1-12を有する。一実施形態によれば、インジケータスリーブ60は、注射ペン、注射ペンキャップ、または、薬剤バイアルのような、別の物体の周りに取り付け得る柔軟なリングである。リングは、前述のコンパスゾーンのような異なる注射レジメンに適応させるための異なる目印、または、臍周囲に想像または配置される、異なる象限または2つ以上の同心円上のサイトを表す目印、または、日数(例えば、1-7、または、曜日の省略形)、または、格子の座標、または、注射のパターンを表し、それによって、用いられる身体領域(複数可)を変化させ得る、他の目印を備え得ることが理解されるべきである。
【0100】
図5に示されるように、インジケータスリーブ60は、注射ペン50の周りに回転可能に配置される。例えば、スリーブ60は、連続的であるか、またはその周囲に沿った空間を有し得、異なるサイズのペンハウジングに適応し得る、柔軟なリング(例えば、ゴムまたは他の柔軟な材料で作られる)であり得る。スリーブ60は、選択された身体領域において用いられる、目標注射サイトのパターンまたはグリッドに対応する、目印62(クロックパターンを採用するサイト交替パターンを表す1~12の数字、または、N、NE、E、SE、S、SW、W、および、NWのようなコンパス座標)を備える。目印62は、用量窓と整列させられ得る。代替的に、用量を設定するために使用される用量窓30に加えて、注射ペン50は、また、注射ペン本体上に固定して配置された、矢印のようなサイト表示部64を含み得る。一実施形態によれば、サイト表示部64は、外側スリーブ13に付着した別個の部品である。当業者は、しかしながら、サイト表示部64が、外側スリーブ13に成形された隆起または凹陥構造、または、マーキング、または、本発明の範囲から逸脱することのない、他の目印であり得ることを理解するであろう。一実施形態によれば、外側スリーブ13とインジケータスリーブ60は、単一の目印の前進に対応するインジケータスリーブ60の回転を示すための、触覚フィードバックを使用者に提供する、ディテントを含む。ディテントは、また、クリックのような、可聴フィードバックを提供し得る。
【0101】
図5に示される注意喚起システムを使用するため、サイト表示部64と整列する目印62に対応する、腹部または他の身体領域のサイトでの注射をする前または後に、使用者は、手動で、インジケータスリーブ60を回転させ、その結果、次の連続する目印が、サイト表示部64と整列する。したがって、次の注射の前に、使用者は、次の注射のためのサイトを思い出し得、サイトを変化させることによって、脂肪萎縮症を発症する可能性を低減させ得る。本実施形態の使用は、簡単で、覚え易く、インスリンペンのような、任意の注射ペン上で動作させ得る。代替的に、目印は、例えば、図22A~22Cに示され、以下に説明されるように、自動的に前進させ得る。
【0102】
図6は、インジケータスリーブ60が外側スリーブ13に固着され、窓68を有する窓スリーブ66が、外側スリーブ13の周りに回転可能に配置された、別の実施形態を示す。一実施形態によれば、目印62は、離間され、窓68は、唯一つの目印が、所与の時点で、窓を通して視認可能であるような大きさとされる。本実施形態の使用は、インジケータスリーブ60を回転させる代わりに、使用者が、ウィンドウスリーブ66を回転させことを除いて、図5の実施形態の使用と同様である。一実施形態によれば、窓スリーブ66と、外側スリーブ13およびインジケータスリーブ60の少なくとも一方は、単一の目印の前進に対応する窓スリーブ66の回転を示すために、使用者に触覚フィードバックを提供するためのディテントを含む。ディテントは、また、クリックのような、可聴フィードバックを提供し得る。
【0103】
スリーブに加えて、本発明の別の例示的な実施形態によるインジケータは、ディスクの表面上に目印を有する、ホイールまたはディスクであり得る。一実施形態において、ディスクは、固定されたサイトインジケータと共に、回転可能に装着される。使用時には、ディスクは、注射に続いて、次の目印を、サイトインジケータに整列させるために回転させられる。一実施形態によれば、サイトインジケータは矢印である。別の実施形態によれば、固定されたサイトインジケータは、それを通して、単一の目印が、所与の時に視認可能である窓である。
【0104】
単一のインジケータに加えて、本発明の実施形態は、追加のインジケータを含み得る。例えば、図7および図8に示されるように、注意喚起システム70は、曜日に関係する目印78を有する追加のインジケータ76と組み合わせた、注射サイトに関連する目印74を備えるインジケータ72を含む。代わりに、インジケータ76は、一日の時間に加えて、曜日を示すための目印78を有する。図7は、薬剤バイアル80上に配置された注意喚起システム70を示し、サイトの窓82と日の窓84を含む。
【0105】
インジケータ72は、ディスクの全周で円周方向に配置された歯86を有するディスクであり、追加のインジケータ76は、円周方向に配置された、わずか数個の歯88を有するディスクである。図8に最もよく示されるように、追加のインジケータ76は、欠歯歯車である。明確にするために、インジケータディスク72上の歯86の大部分は、図示を省略される。動作時には、歯88のみが、追加インジケータ76の回転の一部の間に、歯86に係合する。したがって、追加インジケータ76の完全な1回転(週の全7日)の間、歯88のみが、歯86に係合し、単一の目印74だけインジケータ72を前進させる。本明細書で述べられるように、他の目印が、所望の注射レジメンおよび注射サイトの交替計画に応じて使用され得る。また、注意喚起システム70は、注射器またはバイアルの包装のような、他の薬剤送達製品で使用され得、または、バイアルまたはペンから離れた別個の携帯装置(例えば、紙入れや財布に保管するための、または、冷蔵庫の磁石として使用するための、クレジットカードのような形状因子を有し得る携帯用カウンタ)として使用され得る。
【0106】
腹部の周りのサイト(例えば、図4で記載された数字1、2、・・・、12)を表すことに加えて、インジケータ72上の目印74は、身体上の異なる位置で注射サイトを表し得る。例えば、図8に示されるように、インジケータディスク72上の目印74は、次の表に示される、3つの一般的な位置(A-腹部、T-大腿、B-臀部)、ならびに、一般的な位置内の、4つのサブディビジョン(左(L)、右(R)、上側(U)、下側(L))を表す。
【0107】
【表1】
【0108】
したがって、この例においては、目印82は、身体上の異なる位置で、12の注射サイトに関連する。
【0109】
図9は、本発明の実施形態で使用され得る欠歯スリーブ90を示す。欠歯スリーブ90が、ディスクの全周で円周方向に配置された歯車の歯86を有するインジケータ72のような、ディスクインジケータと共に用いられる実施形態において、スリーブ90は、第1の軸(例えば、薬剤ボトル、注射ペン、または、注射ペンキャップの長手方向軸)の周りを回転し、ディスクインジケータ72は、第1の軸と実質的に垂直な軸の周りを回転する。このように、スリーブ90の完全な一回転の間、歯92のみが、十分に歯88に係合し、単一の目印だけインジケータ72を前進させる。そのような実施形態において、窓82および84は、図7に示された水平配列よりはむしろ、垂直に配列され得る。
【0110】
インジケータディスクと共に使用されることに加えて、本発明の実施形態においては、欠歯スリーブは、インジケータスリーブと共に使用され得る。図10は、本発明の実施形態による、中空インジケータスリーブ100、波形ばね106、および、追加の、中空の、欠歯スリーブ110を示す、分解斜視図である。インジケータスリーブ100は、スリーブ100の周りに円周方向に配列された、対応する複数の注射サイトに関連する複数の目印102を有する。さらに、インジケータスリーブ100は、遠位フランジ103と、その近位端に配置された複数の歯車の歯104を含む。追加の、欠歯スリーブ110は、その遠位端に配置された歯車の歯112、例えば、週の曜日に対応する複数の目印114、ユーザーインターフェース116、および、より詳しく後述されるであろうフォロワー118を含む。
【0111】
波形ばね106は、歯112を囲むギャップ108を含み、追加スリーブを遠位に偏位させるため、インジケータスリーブ100と追加のスリーブ110との間に配置される。一実施形態によれば、インジケータスリーブの目印102の唯一つと、追加スリーブの目印114の唯一つが、注射ペンまたは注射ペンキャップのような、装置の窓、または、複数の窓を通して、所定の時間に視認できる(例えば、図13参照)。
【0112】
図11および図12に示されるように、注射ペン120は、インジケータスリーブ100の遠位フランジ103を回転可能に保持し、ペン120に対するスリーブ100の軸方向変位を実質的に防止するための保持トラック122を有する。当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、フランジが、ペンの内部に配置され得、対応する保持トラックは、インジケータスリーブ上に配置され得ることを理解するであろう。ペン120は、また、フォロワー118を案内するカムトラック124を有する。
【0113】
カムトラック128は、実質的に平面的に、フォロワー118(したがって、欠歯スリーブ110)を案内する、第1の部分126を含む。欠歯スリーブ110が、第1の部分126内に配置されたフォロワーと共に回転している間、波形ばね106のバイアスは、欠歯スリーブ110がインジケータスリーブ100に接触するのを防止する。言い換えれば、波形ばね106のバイアスは、フォロワー118が、カムトラック124の第1の部分126によって画定される平面を走行しているとき、追加のスリーブの歯車の歯112が、インジケータスリーブの歯車の歯104と係合するのを防止する。対照的に、フォロワー118が、カムトラック124の第2の部分128内を走行するとき、フォロワー118(したがって、欠歯スリーブ110)は、波形ばねのバイアスを克服して、遠位に変位させ、歯車の歯112は、歯車の歯104の一つに係合する。欠歯スリーブ110の継続した回転で、歯車の歯の係合のゆえに、欠歯スリーブ110は、単一の目印だけインジケータスリーブ100を前進させ、歯車の歯の係合が外れ、、フォロワーは、カムトラック124の第1の部分126内での移動に戻る。
【0114】
単一のフォロワー118と単一の第2の部分128が、明確化のために示されているが、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、複数のフォロワー118と対応する複数の第2の部分128が使用され得、追加のスリーブの移動の安定性を高め、そのうえ、より円滑な行程を提供し得ることを理解するであろう。各フォロワーに、対応する複数の目印が存在する。例えば、二つのフォロワー118と二つの第2の部分128を有する実施形態において、二週間の目印が、欠歯スリーブ110の周りに配列される。そのような実施形態において、欠歯スリーブ110の一回転の半分は、一週間を通過し、単一の目印だけインジケータスリーブ100を前進させる。当業者は、また、本発明の範囲から逸脱することなく、フォロワーが、ペンの内部に配置され得、対応するカムトラックは、追加のまたは欠歯スリーブ上に配置され得ることを理解するであろう。当業者は、また、追加のスリーブが、目印の第三のセットを示すために、対応するカムトラックと共に、装置上に配置され得ることを理解するであろう。
【0115】
一実施形態によれば、単一の目印だけ欠歯スリーブ110を前進させることが、使用者のための可聴および/または触覚フィードバックを生成する。当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、任意の数のメカニズムが、そのようなフィードバックを提供するために使用され得ることを理解するであろう。さらに、そのようなメカニズムは、視認窓に隣接して、より正確に目印を位置決めすることを支援し得る。追加の歯車を採用するオドメーター型メカニズムのようなメカニズムは、第2および後続のリングの間欠的な動きを提供するために利用され得るであろう。
【0116】
例えば、インジケータスリーブ100を前進させるための、図10~12に示された、欠歯スリーブ110および関連する機械部品は、図22A~22Cに示されるように、電子ディスプレイ214、および、注射サイトを追跡するため(例えば、ユーザーインターフェースが、注射前に、回転させられる、または、押されるたびに)、ペンに使用され得る、電気機械的、および/または、電子的手段によって置換され得、ディスプレイ214(例えば、一体型のプロセッサを有する)、または、マイクロスイッチおよびディスプレイに接続された、分離型のプロセッサ(図示せず)に、マイクロスイッチ210の出力信号を提供する。ペン120のケーシングは、例えば、ユーザーインターフェース116またはプランジャに設けられたアクチュエータ212と連動して動作する、その内部のマイクロスイッチ210を備え得、アクチュエータ212は、ペンが注射のために使用される度に、マイクロスイッチ210のボタンやレバーに力を与える、くぼみ、または溝、または他の手段であり得る。ユーザーインターフェース116の動きと、対応するマイクロスイッチ210の作動に応答して、以前の注射サイトが、追跡され得(または、少なくとも計数され得)、ディスプレイ214は、次の注射サイトが、選択されたサイト交替計画(例えば、表1における12の位置の一つと対応する曜日を示し、または、臍の周りの注射箇所を表す、数字の1~12を示す)にしたがって表示されることを必要とする度に、変化するように制御され得る。ディスプレイ214は、ペンのケーシング内の、1つ以上の表示スクリーンまたは窓であり得る。代替的に、ディスプレイを進めるための、マイクロスイッチ210または他の電子的または電気機械的手段は、ペン120の内部に、摺動可能に係合する、ユーザーインターフェース116の外面上に設けられ得、前記の対応するアクチュエータ212は、ペンケーシングの内部に設けられ得る。
【0117】
図13は、注意喚起システムが逆にされ、注射ペンキャップ130内に配置されることを除き、図10~12に示されたものと同様の注意喚起システムを示す。キャップ130は、目印102および114を視認するための窓132および134を含む。ユーザーインターフェース116は、キャップ130の近位端から延びる。代替的に、キャップは、電子的または電気機械的手段(例えば、ペンキャップの内側に摺動自在に係合する、ペンの外表面上のマイクロスイッチ210、および、ペンキャップの内側に設けられたアクチュエータ212)を備え得、選択されたサイトの交替計画に従って、ディスプレイ102および114に変更をもたらす。代替的に、マイクロスイッチ210およびアクチュエータ212の位置は、を逆にされ得る(例えば、ペンキャップの内側に摺動自在に係合する、ペンの外表面上のアクチュエータと、ペンキャップの内側の、対応するマイクロスイッチ)。
【0118】
図22Cを参照し、本発明の例示的な実施形態に従って、ペンキャップ136のディスプレイ214は、ペンが再び蓋をされたことの検出で自動的に前進させされる、目標注射サイトを示し得る。例えば、ディスプレイ214は、選択されたサイト交替計画による、「サイト1」を示し得る。キャップ136が除去され、注射が行われた後、ペン120が再び蓋をされる。ペンキャップ136とペンケースの外面のそれぞれに設けられた、マイクロスイッチ210およびアクチュエータ212の作動は、ディスプレイ214が、次の目標注射サイト「サイト2」を示すために、自動的に前進させられることをもたらす。他の表示される目印が、患者によって使用される注射交替計画に基づいて、次の目標注射サイトを表すために使用され得る。ペン120は、指定された注射サイトの交替計画および目標サイトを示す目印に応じて、目標注射サイトを表示するように、事前に構成されるか、または構成可能であり得る。
【0119】
図14は、注射ペンキャップ136における注意喚起システムの別の例示的な実施形態を示す。キャップ136は、多くの点でキャップ130に似ており、例えば、ユーザーインターフェース116は、キャップ130の近位端から延び、窓134は、欠歯スリーブ110上の目印を表示する。対照的に、しかしながら、キャップ136は、注射のための身体領域に図式的に対応する複数の窓138を備え、中空インジケータスリーブ上の目印140は、英数字であるよりもむしろ、単に、網掛けまたは着色領域である。作動において、目印のセット(例えば、一週間)を経た欠歯スリーブ110の回転は、インジケータスリーブを前進させ、異なる身体領域を示す。例えば、網掛けや着色の目印140は、右、上腹部を表す窓138から、左、上腹部を表す、窓138に前進し得る。
【0120】
そのような実施形態は、同じ目印が、少なくとも2つの窓に使用され得るので、身体領域の順番に応じた、インジケータスリーブの目印の数を減らし得る。例えば、身体の前面を表す窓に対して、単一の目印140が、所与の右身体領域(上腹部、下腹部、大腿上部、または、大腿下部)を表す窓138を通して視認可能であり、次に、欠歯スリーブ110の反時計回りの回転と、欠歯スリーブ110上の歯112とインジケータスリーブ上の歯と間の選択的接触による前進で、同じ目印140が、対応する左身体領域(上腹部、下腹部、大腿上部、または、大腿下部)を表す窓138を通して視認可能である。さらに、外側の右、内側の右、内側の左、および、外側の左の臀部領域の順番を想定すると、単一の目印140は、対応する窓138を通して、順次視認し得る。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、他の身体領域の順番が使用され得ることを理解するであろう。さらに、ディスプレイは、電子的に実施され得る。
【0121】
図10~12に示される注意喚起システムと同様、図15は、薬剤バイアル144上に配置された注意喚起システム142を示す。そのような実施形態は、注射ペンより、注射器と薬剤バイアルを使用する患者にとって有用であり得る。一実施形態によれば、注意喚起システム142は、薬剤バイアル144に固定して取り付けられる。別の実施形態によれば、注意喚起システム142は、バイアル144から除去され、再利用するために別のバイアルに取り付けられ得る。
【0122】
注意喚起システム142は、それぞれ、中空インジケータスリーブと、中空の追加または欠歯スリーブ上の、目印152および154を視認するための窓148および150を有する、ハウジング146を含む。使用時には、図10~12に示された注意喚起システムと同様に、使用者は、窓150を通して目印154を順次示すために、インターフェース156を回転させ、目印154の完全な一サイクルで、インジケータスリーブは、窓148を通して次の順番の目印152を示すように前進させられる。
【0123】
図16は、本発明の実施形態による中空インジケータスリーブ160を示す。インジケータスリーブ160は、円周方向に配列された複数の目印162と、円周方向に配列された、対応する複数の半径方向突出部164を含む。隣接する半径方向突出部164の間の空間は、スロット166を形成する。一実施形態によれば、半径方向突出部164は、実質的に台形であり、第1傾斜面168、第二傾斜面170、および、中空のインジケータスリーブ160の長手方向軸と実質的に整列する、一対の平行な側面172および174を有する。
【0124】
図17は、インジケータスリーブ160を組み込んだ、注射ペン180の部分断面概略図である。ペン180は、薬剤カートリッジ182および投与機構184を含み、それらの両方は、明確にするために概略的に示される。ペン180は、また、外側ケース186と(投与機構184と組み合わせて)用量を設定し、薬剤を注射するための注射ボタン188を含む。
【0125】
外側ケース186は、インジケータスリーブ160が、ペン180から近位に出ていくのを防止する、近位フランジ190を含む。ケース186は、また、半径方向内側に突出し、付勢要素(ばね等)194を支持する棚192を含み、付勢要素は、インジケータスリーブ160を近位に偏位させる。また、ケース186は、(図17に示される)一次前進突起198と二次前進突起200(図18~21に示される)を含み、それらは、円周方向および軸方向に、互いからオフセットする。さらに、両方の前進突起198および200は、半径方向内側に突出する。
【0126】
図16~21を参照すると、使用者がボタン188を遠位に押下げると、ボタンフランジ202は、インジケータスリーブ160の近位端と係合し、インジケータスリーブ160を遠位に編位させ、付勢要素194の力を克服する。例示的な目的のために、図18~21において、二つの隣接するインジケータスリーブの半径方向突出部164は、突起部164Aおよび164Bとして言及される。突起部164Aの第1傾斜面168Aが、遠位に変位させられると、それは、一次前進突起198(図18および19)の近位傾斜面204に係合して、滑動し、インジケータスリーブ160を回転させ、スロット166を、一次前進突起198と整列させる(図20)。
【0127】
続いて、使用者が、注射を終えた後、ボタン188を解放すると、付勢要素は、インジケータスリーブ160を近位に変位させる。この近位の変位の間に(図20および21)、第2傾斜面170Aは、二次前進突起200の遠位傾斜面206と係合して、滑動し、インジケータスリーブ160をさらに回転させる。インジケータスリーブ160の、この更なる、または、二次の回転は、観察窓(不図示)と次の目印162を整列させ、および、隣接する突起部164Bを整列させ、次のボタン188の押し下げで、第1傾斜面168Bは、一次前進突起198の近位傾斜面204に係合し、活動するであろう(図21)。
【0128】
図16~21に示された実施形態は、各注射に対して、身体領域を変更するのに有用であり得る。さらに、目印162を繰り返すことにより、観察窓を通して、異なる身体領域が視認される前に、特定の身体領域が、注射の所定の数に対し、視認窓を通して、視認可能である。同様の順次前進機構は、本明細書に、その全体において参照として組み込まれる、本発明の譲受人に譲渡された特許文献1に記載される。
【0129】
本明細書に例示されるように、本発明の例示的な実施形態は、注射ペンまたはバイアルの使用者に、どこに最後の注射が投与されたかを思い出すための、および/または、どこに次の注射サイトを位置づけるか、または、いつ、新しい身体領域および/または身体領域の区画またはゾーンに交替させるかを助言されるための、異なる注射サイトの追跡および/または確認の方法および装置を提供する。
【0130】
単回投与シリンジまたはバイアルまたは他の装置および関連する包装
多くの糖尿病患者は、使い捨ての、予め計測された単回投与シリンジ、または、ペンニードルアセンブリと共に使用するための、インスリンの単回または複数回投与用バイアルを使用して、インスリンを投与することを選択する。例示のペンは、上述の図1-2に示される。以下の例示的な実施形態は、患者が、ペンニードル、単位用量の注射器、または、バイアルのような、使い捨て供給品を含む、箱、容器、または、他のコンテナのような、インスリン製品の包装を使用して、注射サイトの交替計画に従うのを支援する。
【0131】
本発明の一実施形態において、インスリン送達装置の包装は、脂肪肥大症の危険性を低減するために、身体領域および/または身体領域内の注射サイトを選択することにおいて患者を支援するための、指示および推奨ガイドラインを提供する。包装は、インスリン送達装置のための包装のカバー、または、他の面における、または、包装の中または上に配置された、印刷された挿入物としての、または、包装内に格納されたインスリン送達装置のそれぞれにおける、事前に印刷されたラベルまたは目印を備えた、種々の外観および形状を有し得る。包装は、通常、多くのインスリンバイアル、アンプル、プレフィルドシリンジ、注射ペン、または、他の単回使用のインスリン送達装置を含む。インスリン送達装置上の目印は、身体領域の注射サイトの交替および再配置を促進するために、好ましくは、包装と連携させられ、患者の同一または類似の領域または注射サイトにおける、反復注射の発生を低減する。連続する注射サイトは、一般的に、脂肪肥大のリスクを低減するために十分な距離を離して(例えば、1~2センチメートル離れて、または、1から2本の指幅で離れて)配置されることが推奨される。
【0132】
図面を参照すると、包装は、インスリンバイアル、アンプルまたは他の単回使用の送達装置を輸送および貯蔵するために製造され得る。図25Aおよび25Bに示される実施形態において、包装220は、身体領域内の注射サイトの交替のための指示、ガイドライン、および、勧告を提供する、印刷された目印の形での指示を有し得る、蓋222または他の面を有する箱である。示された実施形態において、指示は、蓋102の内側、または、包装の側面104のような、包装の表面上に予め印刷され得る。指示は、例えば、図40A~40Fに示される指示の全てまたは一部であり得、または、包装箱220上の目印またはパターン(例えば、異なる色および/または形状)、および、箱区画226に対応する箱220に格納された個々の送達装置(例えば、ペンニードル、バイアル、注射器)228上のステッカーやラベル、または、送達または注射装置228が使用のために包装220から除去される度に、身体領域内での、および/または、複数の身体領域の間での注射サイトを交替させ、または、さもなければ点在させることを、使用者が思い出すのを容易にする、チャートまたは他の貯蔵配置であり得る。
【0133】
示される実施形態における包装220は、インスリン注射装置228(例えば、バイアル、単回投与シリンジ、ペンニードルなど)を貯蔵し、移送するための4つの区画226に分割される。区画は、包装内の物理的な仕切り229によって、または、包装220および/または装置228の符号化に基づいて、分離され得ることが理解されるべきである。各区画226は、同じかまたは異なる数のインスリン送達装置228を含み得る。区画は、注射プロトコルに従った、患者の推奨される身体領域、または、身体領域内の注射サイトの位置に応じて同定される。区画226は、患者の所定の身体領域または注射サイトに対応した、適切な目印230または他の視覚的インジケータを有する。区画226は、その色に対応する指定された身体領域または目標注射サイトとしての色によって、患者または技術者が、迅速かつ容易にインスリン送達装置228を選択するのを可能にする、異なる色または色相または印刷パターンを備えて、示されるように、色でコード化され得る。個々の区画226およびインスリン送達装置228は、調整色および/またはラベル232を有し得、インスリン送達装置228は、それが使用前に格納される、対応する区画226と同じ識別目印、色またはマーキングを有する。示された実施形態において、区画226の各々は、例えば、赤、青、緑、および、橙のような、異なる色を有する。好ましくは、色や色合いは、平均的な使用者および色盲の使用者に視覚的に識別可能であるように選択される。
【0134】
インスリン注射装置228と対応する色を備えた区画226は、好ましくは、図23Aおよび23Bに示されるように、例えば、腹部32、一方または両方の脚または太腿部34、一方または両方の臀部36、または、一方または両方の腕部38、または、患者の他の任意の適切な領域のような、患者の異なる身体領域または区域に対応するように指定される。包装220の異なる区画226は、また、身体領域または身体領域内の注射サイトのいずれかに割り当てられた幾何形状またはデザインのような、特有のマーキング230によって同定され得る。好ましくは、各インスリン注射装置228は、それが保管されるか、さもなければ、含まれる、包装220内の指定された区画226に対応する、同じかまたは類似のマーキングを含む。示された実施形態において、4つの区画226は、他の形状およびデザインが、単独で、または、組み合わせて使用され得るが、X、円形、正方形、および三角形によって同定される、マーキング230を含む。好ましくは、個々のインスリン注射装置228の各々は、示されるように、ラベル232を含み、その場合、ラベルは、色分けされ、装置228が使用前に保管される区画226の各マーキング230に対応する、幾何学的なデザインマーキング234の一つを含む。ラベル232は、好ましくは、接着剤によって、個々のインスリン注射装置228、または、インスリン送達装置のための容器に取り付けられる。一実施形態において、接着剤は、ラベル232が、除去され、必要に応じて再適用されることを可能にする、感圧性接着剤である。
【0135】
使用中、患者は、インスリンを注射するため、患者の選択された身体領域または注射サイトに対応するように、色と幾何学的なマーキングのそれぞれを同定する。患者は、特定の注射サイトもしくは身体領域内での注射の数を監視するために、および、同一の身体領域または注射サイト内での反復注射を回避するため、代替の注射サイトまたは身体領域を選択することを奨励するため、特定の区画226からインスリン注射装置228を選択することが可能である。インスリン注射装置228のそれぞれが使用され、廃棄されると、包装220内の残りのインスリン注射装置228と、それぞれの区画226は、色および/またはマーキング234によって同定される特定の注射領域または注射サイトにおける注射の数の表示または記録を提供する。
【0136】
図37を参照すると、モバイルフォンアプリは、また、以下に説明されるように、使用者のモバイルフォンにダウンロードするために提供され、包装220の符号化スキームと組み合わせて使用され得る。
【0137】
別の実施形態において、包装220は、例えば、脚、腕、腹部のような、特定の身体領域を同定するために、目印、および/または、色230を含み得る。包装220は、身体領域内の特定の注射サイトを同定するための様々なマーキングを有する、複数のインスリン注射装置228を含み得る。図25Bに示される実施形態において、包装されたインスリン注射装置は、包装220内の仕切りによって、行と列に配置される。注射装置は、例えば、週の特定の曜日に対応する行に整列させられ得る。列は、例えば、一日あたりの注射の数に対応し得、注射サイトの所望の交替または連続した移動と移転を提供するために、推奨される注射サイトに対応する目印を含み得る。区画226内、または、単純に包装220内に、注射装置228を配置するための別の構成(例えば、行と列)は、身体領域内の選択された注射サイトに、指定された日付および/または時刻において、特定の装置228を使用することを、使用者に案内することを容易にするために使用され得る(例えば、注射レジメンに応じた、異なる数の区画、および/または、行と列)。
【0138】
図26に示された別の実施形態において、包装240は、それぞれが、送達装置228(例えば、図示されていない、ペンニードルまたはアンプル)を受け入れるか、そうでなければ、保管するように構成された、別々の区画またはセクション242に分割され、装置は、注射サイトの選択されたパターンに対応して配置される。例えば、図3、24、29を参照すると、腹部32が、注射を受けるための指定された身体領域であり、レジメンは、臍42を中心とした一つ以上の同心円の半径に沿って、注射サイトを分散させることを要求し得る。半径は、時計の時間またはコンパス区域または他のパターンに対応し得る。示されるように、区画242は、注射サイトのための推奨される場所を描いた、目印またはマーキング244(例えば、時計の時間に対応する数字1~12)によって同定され、単純に区画から装置を取り除き、区画に対して参照される腹部上の点で注射を投与することによる、後続の各インスリン注射のための異なる注射サイトの交替と選択を奨励する(例えば、「12」で標識された区画は、臍42の上部に保持され得、現在使用中の区画内の装置のための注射サイトを決定する。)。インスリン注射装置228(例えば、ペンニードルまたはアンプル)は、必要に応じて、装置が保管または配置された、それぞれの区画242のための包装240上の目印244に対応する、同じ目印またはマーキングを有する、それぞれのラベルを備え得る。
【0139】
図27Aおよび27Bに示される別の例示的な実施形態に従うと、目印またはマーキング250、252は、指定された身体領域内であり得る、特定の注射サイトを示す。包装220は、特定の身体領域(例えば、腹部32)に対して指定され得、区画226とそれぞれの目印230は、その身体領域250内の、推奨される連続した注射サイト252に対応する。示された例において、区画226は、例えば、腹部32のような、指定された身体領域250内の注射サイト252のためのサイトマップを提供する、マーキング230を与えられる。同様に、各区画に保管される注射装置228は、身体領域250内の注射サイト252を示す、ラベル248または目印を有する他の媒体(例えば、サイトマップ)を備えられ得る。目印230およびラベル248によって提供されるサイトマップは、同定し得る注射サイト252に対応する、所定の数のセグメントに身体領域250を分割する。示された実施形態において、目印またはマーキング250は、六角形状のサイトロケータマップであり、各点が、注射サイト252を同定するための、腹部32の周囲の位置に対応する。各点は、推奨される注射サイトを同定するための、円252、色または他の視覚マーキングによって同定され得る。示される実施形態において、包装220は、4つの区画226を有し、4つの点は、腹部の周囲の注射サイトに対応するラベル248上で同定される。図27Aおよび27Bに示されるように、六角形の点は、腹部の上部領域、下部領域、右側および左側での注射サイトを同定し得る。幾何学形状は、包装内の区画226の数に対応する、同じ数の同定位置252を有し得る。4区画が示されるが、包装220は、図示の例では六角形によって表される目印上の利用可能な注射サイトまたは点の数に対応する、6つの区画226を有し得る。本発明の別の実施形態において、図28に示された包装260は、注射サイトを記録し追跡するための、包装に印刷された、または、取り外し可能なカードとしてのチャート262を備える。各注射サイトを記録することによって、患者は、同じサイトに繰り返して注射する危険性を回避または低減し、各々の後続の注射のために、異なる注射領域または注射サイトを選択し得る。患者は、注射サイトの順番、位置、および、交替を記録するために、チャート262に変換され、記録され得る、注射サイトの所定の順序または位置を有し得る。図29に示される例として、腹部32は、時計の文字盤を表す12の注射サイト272に分割され得る、指定された身体領域であり、それぞれ想像上の時計の文字盤の数が、注射サイトを同定するために使用される。代替的に、注射サイト272は、図24における同心円のように配向させられ得る。チャート262は、注射サイトの数に分割され得、チャート上の各スペース263が、所望の注射サイトに対応する。インスリン送達装置266(例えば、カバー268を有し得るペンニードル266)、または、個々のインスリン送達装置266の一つを収容する包装264(例えば、そのカバー268を備える)は、意図される注射サイトを示すために、取り外し可能なタブまたはラベルまたはステッカー270を備える。タブまたはラベル270は、使用時に患者により除去され、チャート262に取り付けられて、注射サイトの継続的な記録を提供する。ラベル270は、推奨される注射サイトを備えて印刷され、または、書き込み面を設け得、患者は、注射サイト、日付、時刻、または、注射と注射サイトに関連する他の所望の情報を記録するため、ラベル上に直接書き込み得る。ラベル270は、その後、注射履歴を記録するために、チャート262に取り付けられる。
【0140】
例えば、図28に示される一実施形態において、チャート142は、腹部の注射領域上の時計の文字盤のイメージの偶数と奇数の数字に対応する列に配置された、複数のスペースを含む。注射サイトは、時計の文字盤のイメージの偶数または奇数に応じて選択され得、その後、ラベル270は、インスリン送達装置266から除去され、偶数または奇数に対応する列のチャート262に接着される。チャートは、注射サイトの位置の順番の視覚的な記録を提供する。他の実施形態において、チャート262は、文字盤のイメージの数字のそれぞれ、または、指定された注射領域の注射サイトを同定する他のパターンに対応する、行または列を設け得る。チャート262は、蓋の内表面、または、患者によってアクセス可能な、任意の便利な場所上のように、包装に直接印刷され得る。代替的に、チャート262は、包装から分離され、患者によって運ばれ、選択された場所に保管され得る。チャート262は、曜日、注射の身体領域、身体領域内の注射サイト、および、注射サイトに関連する他の情報を同定するために、さまざまな行と列を有し得、同じサイトに注射するのを防止するため、患者が、以前の注射サイトを記録すること、および、前回の注射サイトから一定の拒離離間した注射サイトを選択することを支援する。
【0141】
ボディステッカー
本発明の例示的な実施形態によれば、ラベルまたはステッカーまたは他のマーカーが、チャート(例えば、図28のチャート262)の代わりに、注射サイトにおいて、患者の皮膚への接着のために設けられ得る。したがって、使用者は、以前の注射サイトのアクセス可能な視覚的記録と目標注射サイトを位置決めするための案内を有する。
【0142】
図30を参照すると、患者の皮膚に接着され得る、インジケータ280が提供される。インジケータ280は、例えば、使用者の皮膚への適用のために、接着剤の裏当てを有するステッカーであり得る。ステッカーは、ステッカーが、ほとんどの使用者の活動に対して、そのままであることを可能にするが、また、使用者により所望されるとき、ステッカーが、除去されることを可能にする、医療用接着剤を使用し得る。
【0143】
インジケータ280は、複数の層状ステッカーであり得、すなわち、その場合、それぞれの層281は、その下の別の層281に除去可能に接着される(例えば、重なり合った層281a、281b、・・・281g)。各層は、各サイトの位置に対応する目印(例えば、層上の印刷された目印、または、層を通るパンチ孔)を備え得る。
【0144】
例えば、ステッカー280は、それが使用者の皮膚に接着されるとき、ステッカーの下の身体領域に分配される注射ショットのグリッドまたはパターンに対応する、いくつかの、おおび、選択された、孔282の配置を備え得る。例えば、ステッカー280は、円形に配置された7個の孔282で、注射サイトのための円形の分配領域を画定し得る。孔282の配置は、各層281で同一であり得、層281は、各層の孔を位置合わせし、整列させられた孔およびその下の注射サイトに薬剤送達装置の針またはカテーテルの挿入を受け入れるように、互いに対して整列させられる。
【0145】
図30を続けて参照すると、各層281は、目標の孔282と、その層に関連した対応する目標注射サイトを表すために、その孔の一つに対して印刷された目印284が設けられる。印刷された目印284は、各層281の孔282の異なる一つと関連する。注射が、一番上の層の印刷された目印284を有する孔を通して投与されると、その層は、次のショットの前に除去される。下にある層281は、その後、その対応する印刷された目印によって示される、異なる孔を介して使用者に次の注射を案内する。
【0146】
ステッカー280における層281の数、および各層281の孔282の数は、注射レジメンおよび注射サイトの交替計画に応じて、異なり得る。さらに、各層281の孔282、および/または、印刷された目印284の配置は、使用者の皮膚に貼り付けられるとき、ステッカー280の下の身体領域に対する、所望の注射サイトの分配パターン(例えば、グリッドまたはマトリクス状に配置されたサイト、または、円または螺旋の線に沿って互いから離隔したサイト)に応じて変更させ得る。層と孔の数、および、孔と目印の配置は、ステッカー280の下の組織における脂肪萎縮症を最小限にする、所定のショットレジメンを固守するように配置され得る。好ましくは、指示された孔304の下の層は、注射針が、皮膚にアクセスすることを可能にするための、対応する空隙を有する。
【0147】
本発明の別の実施形態によれば、図30Bに指定されたパターン(例えば、円)に配置されて示される各ステッカー285によって示されるように、別個のステッカーが、それぞれの目標の注射サイトに設けられ得る。各ステッカー285は、図29および30Cに示されるように、例えば、患者の腹部32の臍42の周りに配置され得る。ステッカーは、他の身体領域(例えば、大腿、腕部、または、臀部)に、(例えば、マトリクスまたはグリッド内における、または、図23Bに示される螺旋40または他のタイプの進路に沿って分散または離間させられた)他のパターンに配置され得ることが理解されるべきである。ステッカーの間隔は、ステッカーの直下のサイトが、1~2cm、または、脂肪萎縮症を防止し、または、低減するために、他の距離だけ離間されるように、選択され得る。
【0148】
テンプレートが、患者の身体領域に、それらの配置を案内するために、ステッカー285と共に設けられ得る。テンプレートは、示唆パターンを有する材料のシート、または、ステッカー285が一時的に接着(例えば、両面接着剤を介して)されたシートであり得、それらは、テンプレートに示されたパターンで、患者の身体領域にこすり付けられ、さもなければ転写され得る。
【0149】
また、図30Dおよび30Eを参照すると、注射サイトの交替のためのパターンに配置された開口290を含む大きなステッカー288が、複数の個々のステッカー285の代わりに用いられ得、それぞれが、単一の注射サイトを指定するための大きさとされる。開口290は、それぞれ、ステッカー288内の開口290によって囲まれた身体領域での注射に先立って除去される、個々の接着剤カバー294で覆われ得る。したがって、カバー294、または、目標サイトでのその欠如または開口290は、注射が既に生じた場所の視覚的な注意喚起として機能する。開口290は、針を受容するのに十分な大きさの直径を有するように寸法決めされ得る。あるいは、ステッカー288の材料に応じて、いかなる開口281も設けられず、むしろ目印292が、目標サイトを示すために使用され、そして使用者は、目印292の下の身体領域に注射するためにステッカー材料を通して針を突き刺す。この配置は、多層ステッカー280と共に使用され得、孔は設けられず、むしろ一つ以上の層の貫通を案内するための目印が目標注射サイトを表す。開口290が、ステッカーに設けられている場合、目印292が、さらに、その対応する目標サイトへの、使用者のための視覚的な案内として、開口部290の周囲に設けられ得る。また、パターンの目印296が、パターンの目印によって示される順序を使用して、目標サイトに注射するために、使用者に対する視覚ガイドとして設けられ得る。パターンの目印296は、目標サイト290間の矢印、または、目標サイト290の隣りで、または、その上で(例えば、開口が設けられない場合)、ステッカー288上、または、開口290のカバー294上に設けられた、数字、文字、または、他の図形であり得る。
【0150】
ステッカーが、多層ステッカー280、または、目標サイトごとの個々のステッカー285、または、目標サイトのパターンを含むステッカー288であるかには関係なく、ステッカーは、例えば、患者の皮膚に適用される印刷された目印を有する接着剤ストリップから製造され得、使用者が手動でストリップを剥がすまでそのまま残る。あるいは、ステッカー295および288は、一時的な入れ墨と同様の材料を用いて実施され得る、すなわち、ステッカーは、患者の皮膚に適用され、アルコール綿で除去されるまで、彼の皮膚上に留まる。アルコールは、注射のための目標サイトを用意するために使用され得るので、アルコール綿は、また、その次の注射のための対応する入れ墨を拭き取り得る。
【0151】
従って、ステッカー280、285、288は、使用者が過去の注射サイトと次の目標注射サイトが位置づけられる場所の指示を追跡し得る、単純なメカニズムを提供する。
【0152】
光学式マウスツール
本発明の別の例示的な実施形態によれば、動作において、コンピュータマウスインターフェースに似ている、注射サイト位置決め装置が配備され得る。図31を参照すると、注射サイト位置決め(ISL)装置300は、他の装置のなかでも、注射装置(例えば、CSIIカテーテルまたはペンニードル)の一部、または、注射装置とは別個の、携帯可能な、手に持てる装置、または、他の医療装置(例えば、連続的なグルコースモニター、または、CSIIポンプ)、モバイルフォン、または、携帯可能なコンピュータ装置(例えば、パーソナルデータアシスタント(PDA)、ラップトップ、タブレットなど)であり得る。
【0153】
ISL装置300は、患者304の目標身体領域302上で(例えば、その表面において、または、近接して)ISL装置を移動させる使用者(例えば、患者または介護者)によって操作され得る。ISL装置300の動きを追跡するための、コンピュータマウス技術のいくつかの異なるタイプのいずれかを使用して、ISL装置と一体の、または、少なくとも通信でISL装置に結合されたプロセッサは、動き追跡を使用し得、身体領域302上でのISL装置によって移動させられた対応する距離を決定し、身体領域上の場所(例えば、目標注射サイトまたは過去の注射サイトの座標)の位置座標306(例えば、デカルト座標(x、y)または極座標)を画定する。例えば、ISL装置300は、選択された身体領域302(例えば、腹部)内の基準点308(例えば、臍42)に対する、装置300の動きを追跡し得、過去の注射サイト、計画された、または、目標の注射サイト、脂肪萎縮症サイトのような避けられるべきサイトの座標を、確定し、格納し、および、追跡するのを容易にする。ISL装置300は、他の身体領域302(例えば、大腿部、腕部、臀部など)に対して使用され得ること、目標身体領域302に応じて変化し得る他の基準点308(例えば、身体に自然に生じる特徴、入れ墨または使用者のマークのような人為的に生じる特徴に対応する基準点)が使用され得ることが理解されるべきである。
【0154】
例えば、ISL装置は、発光ダイオード(LED)、および、対応する画像センサ(例えば、フォトダイオード)、すなわち、表面に対する動きを検出するための低解像度のビデオカメラとして動作する光電センサのような、光学コンピュータマウスの構成要素を備え得る。LEDは、赤外レーザダイオードまたは通常のLEDであり得る。光学コンピュータマウスの構成要素は、例えば、アジレント・テクノロジー、または、ロジテック・インターナショナル・S・Aで開発され、市販されている構成要素であり得る。光学式マウスの場合と同様に、注射サイト位置決め装置300は、目標注射サイトとして考慮される、身体領域302(すなわち、医学的に許容可能な間隔を有する複数の注射サイトをサポートする)のような表面を横切るとき、写真を撮影する(例えば、毎秒、少なくとも1,500画像のオーダーで)、小型カメラを使用する。装置300は、相補型金属酸化物半導体(CMOS)センサに、その身体領域表面302からの光をはね返らせるための、小さな発光ダイオード(LED)を有する。CMOSセンサは、次いで、分析のために、デジタル信号プロセッサ(DSP)、または、装置内(または、他の接続装置内)の他のプロセッサに、それぞれの画像を送信する。DSPは、画像内のパターンを検出し、それらのパターンが、前の画像から、いかに移動したかを決定する。一連の画像にわたるパターンの変化に基づいて、DSPは、ISL装置300がいかに遠くに移動したかを決定し、ISL装置300内のコンピュータまたは他の制御装置(例えば、プログラムされたコントローラまたはASIC)に、対応する座標を送信する。感知および画像記憶および処理は、同じプロセッサまたは異なるプロセッサを介して実行され得る。さらに、画像処理を介して達成される動き追跡、動き追跡装置の注射サイト追跡および監視への適用は、同じプロセッサまたは異なるプロセッサを介して達成され得る。
【0155】
ISL装置は、画像センサ/プロセッサから受信される座標を使用し、1つ以上の関数を提供することにより、以下を含むが、これに限定されない、使用者への関連付けられたフィードバックを伴って、注射サイトの交替を追跡、監視、および、管理する。
- サイトの選択
- サイト回避
- サイトの追跡と報告(例えば、各注射の座標、日付、および、時刻を記憶)
-注意喚起や誘因の生成
【0156】
例えば、ISL装置300は、目標の注射サイト306に使用される各身体領域302に関する情報を含む、少なくとも一つの注射サイト交替レジメンのための情報、他の情報のなかでも、身体領域302が他の身体領域と関連して使用される頻度(例えば、他の身体領域への交替が推奨される前の、期間または注射の総数)、過去の注射サイトの時間、日付および座標、回避されるべき注射サイト位置306、および/または、身体領域302の座標、サイト306または領域302が、目標注射サイトとして再度使用され得る前に満たされる必要がある、対応する期間または他の基準を記憶するようにプログラムされ得る。
【0157】
ISL装置300は、ソフトウェアに従って、または、サイト選択のようないくつかの操作を実行するASICまたはFPGAを使用して構成され得る。ISL装置は、一体型のユーザーインターフェースを有し得、または、ユーザーインターフェースを有する装置に接続または無線結合され得る。ユーザーインターフェースは、使用者が、注射を受け入れる最初の身体領域302と対応する基準点308を選択できるように、使用者入力(例えば、ボタンまたはスイッチ)を備えて構成され得る。例えば、ISL装置300上のボタンは、基準点308として使用される臍または他の特徴上に中心合わせされたとき、使用者によって押下され得る。ISL装置または接続装置は、ディスプレイ、または、インジケータ(例えば、点灯され、必要に応じて、ぴかっと照らされるLED)、または、現在検出される座標が基準点308として認識されるときの指示を生成するための可聴音発生装置のような、出力を有し得る。ボタンまたは他の使用者入力機構の複数回の押し下げは、使用者が、ディスプレイ(例えば、ISL装置300に一体化された、または、接続された外部装置上のディスプレイ)上で、ターゲット身体領域302のリストを通してスクロールすること、および、一つを選択すること(例えば、ボタンを選択した回数押し下げるか、例えば2~3秒間の選択された継続時間押し下げる)を可能にする。
【0158】
身体領域302と対応する基準点308が設定されると、使用者は、目標注射サイト306に向けて身体領域上でISL装置300を移動させ得る。動き追跡、過去の注射サイト、および、回避すべきサイトに関する格納データ、いつ新しい身体領域302を選択すべきかに関うるレジメンを用いて、目標注射サイトは、ISL装置300によって評価され、目標注射サイトが有効なサイトであると決定されたとき、指示(例えば、可聴および/または視認可能な)が生成される。ISL装置300は、それから、その注射サイトに対する座標、ならびに、時間と日付を記憶する。有効な注射サイトの評価と決定は、プログラムされた、および/または、構成され得る、パラメータ、および、限定されるわけではないが、隣接する過去の注射サイトへの許容できる近接のような、基準(例えば、他の要素の中でも、身体領域302、隣接する注射サイトで注射が生じてから経過した時間の量、領域に表れた脂肪萎縮症の程度に依存し得る。)に依存し得る。
【0159】
ISL装置300は、自動的に、決定し(例えば、過去の身体領域の交替、および、注射サイト、および、記憶されたレジメンデータのような、上述の参照要素および格納データに基づいて)、使用者に、提案される目標サイト306を出力するように構成され得る。表示は、ISLの使用の開始時に生じ得、または、ISLが身体の周りを移動されられるのと同時に生じ得る。例えば、ISL装置300は、提案される目標注射サイトの可聴または視認可能な表示を生成し得、または、使用者によって移動させられるとき、ISL装置300が提案される目標サイト306に近づくにつれて変化する、可聴および/または視認可能な表示を生成し得る。
【0160】
上述のように、いくつかの異なるレジメンが、一日当たりの注射、または、一週間、または、選択された日数当たりの注射または注入の回数、または、目標の身体領域など、を変更することで、実施され得る。
【0161】
ISL装置300の前記した例示的な実施形態は、光学式マウスの技術を使用して説明されたが、機械式マウスの実装(例えば、距離測定のためのチョッパホイールを駆動する直交軸の回転を採用)が使用され得ることが理解されるべきである。そのような実装は、しかし、それが使用される身体領域302の表面のいくつかの凹凸を仮定すると、幾分困難か、または、あまり正確でなく、それは、身体領域から身体領域へと、および、患者から患者へと、大きく変化し得る。また、身体領域302の周りのISLの動きを追跡するための内部加速度計の使用は、同じ結果を達成し得る。
【0162】
光学投影ツール
本発明の別の例示的な実施形態によれば、コンピュータマウスインターフェースに動作が類似している、注射サイト投影装置400が、展開され得る。図32を参照すると、注射サイト投影(ISP)装置400は、注射装置(例えば、CSIIポンプ/カテーテルまたはペンニードル)の一部、または、注射装置から分離された、運搬可能な、手で持つことのできる装置、または、他の医療装置(例えば、連続式グルコースモニタ)、他の装置のなかでも、モバイルフォン、携帯型コンピュータ装置(例えば、パーソナルデータアシスタント(PDA)、ラップトップ、タブレットなど)であり得る。例えば、注射サイト投影装置400は、CSII用のパッチポンプの再使用可能な部分に配置され得る。パッチポンプは、代わって、身体(例えば、患者の腹部)にグリッドの画像または他の目標画像を投影するために使用され得、使用者(例えば、患者または介護者)が、ポンプを介する薬剤注射のためのカテーテルを取り付けるための身体領域における目標注射サイトを位置づけるのを支援する。パッチポンプにおける、そのような投影機能の配置は、そのような使用者に特に便利であろうし、領域内で注射サイトをより良く分布させるように、使用者を誘導するのを支援し得る。
【0163】
ISP装置400は、患者304の目標身体領域302上で、ISP装置400を保持する使用者(例えば、患者または介護者)によって操作され得る。いくつかの異なるタイプの、手で持つことのできる画像投影技術のいずれかで、ISP装置400を構成することによって、ISP装置400は、身体領域302上にグリッド402を投影し得る。グリッド402は、異なるか、または、それぞれの、目標注射サイトを表す、複数のセクションまたはセクタを含む。例えば、ISP装置400は、選択された身体領域302の表面に、グリッド402の記憶されたデジタル画像を投影するために、手に持つことができるプロジェクタ(例えば、ピコプロジェクタまたはモバイルプロジェクタ)を設け得る。グリッド402は、身体領域302のための注射分配パターンを表す、それぞれのセクタ404を有する。異なるグリッドパターンが、それぞれの身体領域302上での使用のために記憶され得ることが理解されるべきである。例えば、腹部に対する使用のためのグリッド402は、大腿部または臀部上に投影されることを意図されるグリッド402よりも、異なる全体的な大きさ、および/または、形状を有し得る。また、グリッド402におけるセクション404の大きさおよび数は、グリッドが投影される身体領域302、または、その領域302のゾーン406に応じて変化し得る。例えば、図32に示されるように、腹部に対応する身体領域302は、例示の注射投与レジメンに従った、4つのゾーン406に分割される。同じ身体領域は、患者の好ましい、または、所定の薬剤投与レジメンおよび注射サイト交替計画に応じて、異なる数のゾーンとゾーンの配置に分割され得る。
【0164】
ISP装置400は、使用者が、身体領域、および、必要に応じてその選択された身体領域(例えば、右大腿部の外側、または、左臀部の外側部分、または、腹部のゾーンの四分円の右上)を入力、または、さもなければ選択することを可能にする、ユーザーインターフェースを備えて構成され得る。ISP装置400は、目標身体領域302に関係なく、同じグリッドの画像を投影するように、または、目標身体領域302に対応するグリッド画像を選択するように、または、装置400に格納されている複数のグリッド画像から選択するように構成され得、様々な患者の薬剤投与レジメン、および、注射サイトの交替計画に適応させる。
【0165】
上述のISL装置300と同様の方法で、ISP装置400は、使用者が、グリッド402の画像を投影するための基準点308を選択すること、または、デフォルトまたは自動的に選択される基準点308が、装置400が目標身体領域にグリッドの画像を投影し得る原点として使用される目標身体領域302を少なくとも特定すること、を可能にするように構成される。使用者は、モバイルアプリ、または、印刷媒体(例えば、カレンダーや注射または注入装置の包装に印刷された目印)、または、一時的な皮膚マーカー、または、選択された身体領域302およびゾーン406におけるグリッド402のどのセクタ404が、注射サイトとして使用されたかの記録を維持するための、本明細書に記載された、他の装置および方法を用い得る。
【0166】
モバイルフォンのアプリケーションとツール
別の実施形態において、モバイルフォンまたはモバイルフォンのようなモバイル装置が、身体領域と注射サイトの多様性をさらに向上させるために、すなわち、身体領域の間で注射を交替させるだけでなく、領域内において、注射サイトを分布させるために用いられ得る。図34は、本発明の一実施形態による、ソフトウェアを実行する、例示的なモバイルフォンを示す。理解されるように、モバイルフォンは、カメラ、好ましくは、前向きカメラのような画像センサを含む。モバイルフォンは、注射を追跡し、身体領域と身体領域内の注射位置を多様化することにおいて、使用者を支援するための機能を実行するように適合させられたソフトウェアおよびデータ記憶装置を含む。モバイルフォンのソフトウェアは、前向きカメラを利用し、モバイルフォンのディスプレイにカメラビューを表示し、使用者は、彼女の身体に前面カメラを向け得、好ましくは、提供されるビューに重畳された情報と共に、彼女の身体の前面カメラビューの画像を見得る。
【0167】
図33に示されるように、本発明の実施形態によるモバイル装置3300は、好ましくは、プロセッサ3301、メモリ3302、画像センサ3303、好ましくは、画像センサ3303と同じ装置の表面に向けられたディスプレイ3304、ハウジング3305、および、ユーザーインターフェース3306を含む。メモリ3302は、好ましくは、上述したような身体領域と注射サイトの多様性でもって使用者を支援するために必要な機能を実行するためのソフトウェアを格納する。メモリは、さらに、使用者ショットレジメン、注射サイトの交替計画、使用者の注射データ、注射サイトの状態データ、および、上述の機能を実行するために必要な任意の他のデータを格納する。
【0168】
画像センサ3303は、好ましくは、ほとんどのモバイル装置に設けられるもののようなカメラである。画像センサは、上述の、および、以下でさらに詳細に説明される、機能を実行するために、プロセッサ3301、および/または、メモリ3302に画像データを提供する。画像センサ3303は、さらに、追加の機能を提供するために、特殊な画像センサであり得る。例えば、画像センサ3303は、赤外波長で画像を記録し得、メモリ3302、および/または、プロセッサ3301に、追加の診断情報(例えば、腫れ、または、硬さ、必要ではないが、従来のカメラによって検出され得る皮膚の色の変化として表れる脂肪萎縮症のような皮膚の状態の検出のための)を提供する。画像センサ3303に追加機能を提供することによって、より洗練された、および/または、正確な診断が、モバイル装置によって行われ、そして、より少ない使用者の相互作用、および/または、判定が、モバイル装置によって実行されるソフトウェアの機能により、必要とされ得る。
【0169】
ディスプレイ3304は、好ましくは、上述の、および、以下にさらに詳細に説明される、追加情報とともに、画像センサ3303の少なくともビューを表示する。例えば、ディスプレイ3304は、好ましくは、上述の案内矢印のようなフィードバック情報と共に、画像センサ3303によって観察された身体領域の画像に重ねられた注射サイトを表示する。ディスプレイ3304は、また、好ましくは、画像センサ3303のビュー内の注射サイトに対する、注射サイトステータス情報を表示する。例えば、脂肪萎縮症(以下、「リポ」と称される)である注射サイトは、これらの注射サイトでの注射を回避することを使用者に思い出させるため、それとして指示され得る。
【0170】
モバイル装置で一般的であるように、構成要素の全ては、好ましくは、使いやすいハウジング3305内に収容される。モバイル装置は、さらに、好ましくは、便利なユーザーインターフェースを提供するために、ディスプレイ3304に結合された、少なくともタッチスクリーンユーザーインターフェース3306を含む。ユーザーインターフェース3306は、もちろん、ボタン、近接センサ、ジャイロスコープ、コンパス、GPSセンサ、光センサなどの、モバイル装置で公知のまたは予測可能な他の要素を含み得る。モバイル装置3300は、さらに、ディスプレイ3304と連携して、または、ディスプレイ3304とは別個に、動作するように、必要に応じて、ピコプロジェクタ3307などを含み得る。ピコプロジェクタ3307は、上述のように、好ましくは、使用者の身体に、直接、情報を投影し、身体領域および注射サイトの多様性を達成するために、使用者を支援する。あるいは、仮想グリッドが、ディスプレイ3304に示された患者の身体のライブ画像(または写真)に配置される。
【0171】
本発明の実施形態の画像センサは、有利には、薬剤箱をスキャンするなどの追加機能のために使用され得る。薬剤箱をスキャンすることは、例えば、箱に刻印されたQRコード(登録商標)をスキャンすることを含む。アプリは、機能を継続し、またはアプリへのアップデートを受信するために、特定の製造者の箱のスキャンを要求し得、または、スキャンは、モバイル装置上に表示される広告やアドバイスをトリガし得る。有利なビジネス方式において、および、特定の製造者にロイヤリティを促進するために、割引が、アプリの継続的な使用のために、または、投与される所定数の注射ごとに、使用者に提供され得る。アプリは、好ましくは、使用者に、彼に彼の針を変更することを思い出させるような追加のフィードバック、または、彼のヘルスケア提供者の推薦される治療レジメンへの、彼の服薬遵守に関するフィードバックを提供し得る。
【0172】
アプリは、また、上述の格納された情報(例えば、注射レジメン、注射データ)に基づいて、次の注射が投与されるべき時に、使用者に警告するようにプログラムされ得る。アプリは、また、保存されたサイトの交替計画や過去の注射データ(例えば、位置と時間)に基づいて、どこが次の注射サイトであるかを決定するようにプログラムされ得、かつ、脂肪萎縮症を示す、同定された、および、格納されたサイトを避けるために(少なくともプログラムされた期間、または、サイトが医師によってきれいにされるまで)、または、少なくとも、次の注射のために、同定された「リポ」サイト(例えば、および、任意に、選択された数の隣接するサイト)を示唆することを控えるために、警告を含み得る。
【0173】
図34は、さらに、本発明の実施形態によるモバイルフォン3300によって提供され得る図を示す。図34は、使用者が、身体領域として彼女の腹部を選択したときに生成されるディスプレイ3304上のスクリーンビュー410を示す。412で一般的に示された腹部の注射位置は、腹部のスマートフォンのスクリーンビュー410上に重畳される。好適な現在の注射サイト(例えば、位置「4」)が強調表示され、使用者は、モバイルフォンのディスプレイ画面からのフィードバックを使用してサイトを位置決めし得る。一実施形態において、使用者は、身体領域の位置、図34中の腹部に彼女の指を指し、および、ソフトウェアは、腹部に対する指の位置を決定し(例えば、カメラのような画像センサ3303からの画像情報を使用して)、腹部上の好ましい現在の注射サイトの位置(例えば、注射レジメンに従って指定された位置、または、注射サイトの交替を、追跡、監視および管理するために、図31のISL装置に関連して上述された基準を使用して選択された位置)を決定し、ディスプレイ上の指の位置から好適な現在の注射サイトの位置(例えば、図34に示される位置「4」)へと指し示す、画面上の案内矢印を提供する。使用者が指を移動させると、指が好ましい現在の注射サイトの所定の範囲内になるまで、案内矢印が更新される。モバイルフォンからのフィードバックを使用して、現在の好適な注射サイトの位置を決定すると、使用者は、そのサイトに注射し得、モバイルフォンに注射を記録し得る。モバイルフォンは、注射を記録し、モバイルフォンにプログラムされた、および、好ましくは、使用者の医療サービス提供者と調整された、注射レジメンとサイト交替計画に従って、次に優先される身体領域と注射サイトを計算する。
【0174】
理解されるように、ソフトウェアは、当技術分野で慣例であるように、アプリのダウンロードによって使用者のモバイルフォンに提供され得る。アプリは、好ましくは、投与される注射サイトを追跡し、特に、最後の注射の位置を記憶し、使用者が2回続けて同じ場所に注射を企てるなら、使用者は警告され得る。アプリは、好ましくは、注射レジメンでプログラムされ、次の注射が投与されるべき場所を使用者に助言する。アプリは、好ましくは、使用者が、特定の身体領域または身体領域内の注射サイトを除外することを許容する。アプリは、注射の注射サイトと時間と日付の履歴を記憶し得、その履歴は、医療サービス提供者と共有され得る。
【0175】
理解されるように、モバイルフォンとカメラの組合せは、追加の機能を実行し得る。図35に示されるように、カメラ3303は、使用者の身体領域の着色パターンを解析し、任意の注射サイトが、「リポ」であるように見えるかどうかを決定する。モバイルフォン3300は、好ましくは、画面ビュー416上の任意のそのような「リポ」414を同定し、例えば、領域の触知によって潜在的な「リポ」のさらなる評価を行うために、使用者に警告418する。「リポ」が、色の変化の任意の組合せ、または、触診後のサイトの手動入力によって、一つ以上の注射サイトに対して存在すると決定されると、使用者は、(例えば、タッチスクリーンディスプレイ3304、または、モバイルフォンに関連付けられる別のユーザーインターフェース3306による入力で、)「リポ」の存在を確認し得、モバイルフォンは、有利には、「リポ」サイトの位置を記録し(例えば、メモリ3302内に)、継続中の注射レジメン、および/または、サイト交替計画を更新して、十分な時間が、癒すために「リポ」に提供されるまで、「リポ」位置を回避する。「リポ」サイトは、患者、または、使用者の医師のような医療提供者による、決定の任意の組み合わせによって、レジメンから除去され得る。
【0176】
別の実施形態において、本発明の実施形態に係るモバイルフォンは、ピコプロジェクタ3307等を設けられ得る。ピコプロジェクタ3307は、使用者の身体に情報を投影するために、モバイルフォンのディスプレイの代わりに使用され得る。情報は、好ましくは、モバイルフォンのカメラの視野内の特定の身体領域のためのサイト位置を含む。情報は、さらに、注射位置のためのステータス情報、および、現在の好ましい注射サイト位置を同定するための情報を含み得る。このように、使用者の身体に直接投影される情報で、使用者は、より容易に正確な現在の注射サイトの位置を決定し得る。
【0177】
さらに別の実施形態において、モバイルフォンは、必ずしもカメラ3303を利用する必要はなく、むしろ、使用者の入力に応じて注射位置を単に記録し得る。この実施形態において、モバイルフォンは、好ましくは、彼の医療サービス提供者によって提供される、使用者のショットレジメンを追跡するようにプログラムされ、使用者に、記憶されたサイト交替計画に従って、注射時間、および、好ましい現在の注射身体領域と注射サイトを警報する。上述のように、モバイルフォンは、さらに、「リポ」等の理由からのように、回避されるべき注射サイトを追跡し得、好ましくは、任意のそのような条件に応じて、注射レジメンを変更し得る。図38を参照すると、フォンアプリは、使用者が注射することを望む、選択された身体領域に使用者の入力を要求する画面422を生成し得る。フォンアプリは、入力された身体領域(例えば、臀部領域に対する螺旋パターン、または、太ももや腹部に対するグリッドまたは円形パターン、または、腕または腹部セクションに対するグリッドまたは四分円など)の指定された分配パターンを提供するスクリーンビュー424を表示するように構成され得、そして、その身体領域対する注射の履歴に関連する記憶されたデータに基づいて、および、そのサイトにおいて、フォンは、目標サイトの選択された1つを示し得る。フォンアプリで提供される態様の複雑化に応じて、フォンは、単純にパターンを示し得、または、パターン、および、そのパターン内の示唆される目標サイトを示し得、または、グリッドを投影するために、上述の光学技術を使用し、身体上の目標サイトを位置決めすることにおいて、使用者を支援するための、光学式マウスの態様を使用し得る。
【0178】
本発明のさらなる実施形態において、モバイルフォン3300は、図25~28に関連して上述されたように、特定の薬剤の包装に関連して動作するようにプログラムされ得る。すなわち、図37に示されるように、薬剤の包装は、QRコード等のようなコードを含み得、コードは、モバイル装置の画像センサ3303により走査され、薬剤の包装、および/または、薬剤の包装によって指示される注射計画を同定し得る。この実施形態において、モバイル装置のソフトウェアは、好ましくは、薬剤の包装に印刷された目印と連携する。例えば、注射のためのいずれの身体領域を示す4つの目印アイコンの場合において、モバイル装置は、例示の画面ビュー420によって示されるように、注射の記録を容易にするために、ユーザーインターフェース要素として同一の目印アイコン(例えば、アイコン230)を表示し得る。すなわち、例えば、「X」の包装目印が、次の注射のための身体領域として腹部を示すなら、モバイル装置は、ユーザーインターフェース要素として、4つの目印の種類(「X」、「O」、「正方形」、「三角形」)を表示するであろうし、使用者は、「X」薬剤が、腹部に注射されたことを示すために、タッチスクリーン3304上の「X」を、単に押す。モバイル装置ソフトウェアは、所定の時間における、腹部での注射を記録する。言い換えれば、使用者は、図25~28に示されるように、使用者が、投与のためにインスリン製品を取り除いた、包装の区画に対応するモバイルフォンのディスプレイ上の、着色、および/または、形づくられたボタンを押下げる。モバイルアプリは、注射サイトの位置の、毎日の、および、履歴の(例えば、複数日間にわたる)追跡を提供するようにプログラムされ、そのような情報は、包装の印刷された目印を使用して、簡単で、理解しやすい方法で、表示され得る。
【0179】
次いで、本発明の例示的な実施形態による、現在の注射サイトの位置を決定することにおいて、使用者を支援するための、モバイルフォン3300を使用する例示的な方法が、図36に関連して説明されるであろう。ステップ3602において、装置は、使用者が、画像センサを起動したかを決定する。使用者が、まだ画像センサを起動していない場合、方法は、使用者が、画像センサを起動するまで続く。使用者が、画像センサを起動した場合、方法は、ステップ3603に続く。ステップ3603において、方法は、使用者の身体の領域が、既にメモリに記録されているかを決定する。身体領域がメモリに記録されていない場合、方法は、ステップ3604に続く。ステップ3604において、身体領域の登録が開始される。ステップ3605で、使用者は、彼らが登録したい身体領域を選択する。ステップ3606において、装置は、後の比較のために、身体領域の画像を取得し、記憶する。ステップ3607において、身体センサによって受信された身体領域の画像は、メモリ3302に記憶され、プロセッサによって分析される。プロセッサ3301は、好ましくは、同じ身体領域の、画像センサ3303によって得られる後続の画像に対する今後の参照のために、キーとなる標定点を決定する。ステップ3608において、方法は、別の身体領域が登録される必要があるかを決定する。別の身体領域が登録される必要がある場合、方法は、ステップ3604に戻る。さらなる身体領域が登録される必要がない場合、方法は、スタート3601に戻る。
【0180】
他方、ステップ3603において、身体領域が既にメモリに格納されていると、その後、方法は、ステップ3609に続く。ステップ3609において、画像センサ3303が起動され、使用者は、好ましくは、それらの中に注射することを望む身体領域に画像センサを向ける。あるいは、装置は、使用者の注射ショットレジメンを分析し、いずれの身体領域が利用されるべきかを決定し、その身体領域に画像センサを向けるように使用者に助言する。画像センサ3303が、所望の身体領域の画像を取得すると、画像は、ステップ3610において、登録された身体画像と比較される。ステップ3611において、プロセッサ3301は、新たに取得された身体領域画像を、以前に登録された身体領域画像と比較し、現在表示されている身体領域が認識されているか否かを決定する。もし、身体領域が認識されていない場合、その後、方法は、ステップ3610に戻る。もし、身体領域が認識されている場合、その後、方法は、ステップ3612に続く。
【0181】
ステップ3612において、プロセッサ3301は、身体領域画像の向きを決定する。ステップ3613において、重畳画像が生成される。重畳画像は、好ましくは、注射サイトを示し、特に、現在の注射サイトを強調する。ステップ3614において、装置は、画像センサのビューと共に重畳画像を表示し、使用者は、身体領域と共に注射サイトを観察し得、特に、使用者は、いずれの注射サイトが、現在の注射サイトであるかを観察し得る。次いで、使用者は、現在の注射サイトを正確に示すために、彼女自身の身体領域に、彼女の指または任意の他の適切な装置を向け得る。装置は、本発明の例示的実施形態によれば、画像センサにより得られた身体領域のビューを分析し、これらの画像を処理することを続行する。
【0182】
ステップ3615において、プロセッサ3301は、使用者ポインタが画像センサデータに認識されているかを決定する。もし、使用者ポインタが、認識されていないなら、その後、方法は、ステップ3610に戻る。もし、使用者ポインタが認識されているなら、その後、プロセッサは、ステップ3616において、使用者ポインタが現在の注射サイトの近くにあるかを決定する。もし、プロセッサが、使用者は、現在の注射サイトに向いていると決定すると、その後、方法は、ステップ3617に続く。ステップ3617において、重畳画像は、使用者ポインタが、現在の注射サイトに向いていることを強調するために更新され、それらが、現在の注射サイトに位置され、その注射サイトで現在の注射を投与し得ることを使用者に示す。もし、プロセッサ3301が、画像データ中に使用者ポインタを認識するも、使用者は、現在の注射サイトの位置に向いていないと決定すると、その後、プロセッサは、ステップ3618において、使用者ポインタと、現在のサイトの位置との間の方向と距離を決定する。ステップ3619において、重畳画像は、使用者ポインタから現在のサイト位置に向かう矢印を含むように更新され、現在の注射サイトを位置決めするために、彼女は、いずれの方向に、彼女の使用者ポインタオブジェクト(すなわち、彼女の指)を動かすべきかの、使用者へのフィードバックを提供する。方法は、ステップ3620において、使用者が、自分自身に注射を提供するまで、この方式で継続し、その点で、それらは、装置に注射を記録し得る。フィードバックは、また、周波数、音量、音色を変更する、可聴音として生成され得、また、使用者が、目標注射サイトに近づいているとき、および、遠くなっているとき、予め記録された口頭フィードバックを提供し得る。
【0183】
脂肪肥大症教育ツール
図39Aおよび39Bを参照すると、触覚教育ツール430が提供され、触覚教育ツール430は、基板または基部を含み、少なくともその一方側に、患者の組織に生じる「リポ」を再現するような寸法、および、手触りとされている、異なる大きさの隆起432、434を有する材料、または、材料の組合せ(例えば、発泡体、ゴム、プラスチックまたは他の適切な合成材料の一種)を備えて形成される。図39Bは、図39Aの一部の断面であり、少なくとも2つの異なる大きさの隆起、または、皮膚層の下の組織層(例えば、皮下脂肪)440内に配置された、再現された「リポ」432、434を示す。異なる合成材料が、皮膚層438と組織層(例えば、皮下脂肪)440の触覚特性を再現するために使用され得ること、再現された「リポ」は、異なる質感または密度の領域を有する材料の、複数の層または単一の層を用いて作成され得ることが理解されるべきである。これにより、使用者は、「リポ」は、典型的に、どのように感じるかについての基準触覚を身につけるために、ツール430を触診し得、使用者は、「リポ」が、不十分な注射サイト交替から、その身体領域において発達しているかを識別するため、彼自身の注射領域、または、患者の注射領域をよりよく触診し得る。
【0184】
ツール430は、図25-28に示される包装、または、ペン型注射器の包装のような、使い捨て用品のほか異なる注射用品に使用される他の包装に含まれる大きさの基板436に設けられ得る。ツール430は、患者または介護者による、携帯性および使用の容易さのため、クレジットカードの形状を有するような大きさとされ得、または、金属表面上に吊り下げるため、基板の裏面に磁性を備え得る。あるいは、ツール430は、典型的な患者の身体領域と同じ大きさであり、したがって、典型的な患者の身体領域を再現するような寸法にされ得る。例えば、ツール430は、注射の対象となる身体領域の3次元モデル、または、
マネキン(例えば、全身、胴体、または、他の部分的なダミーまたは人体模型形状)として構成され得、マネキンは、注射のために、マネキンの目標身体領域(例えば、大腿部34、腕部38、または臀部36の一方または両方の領域、または、マネキンの腹部32の臍42の周りの領域)に適合するように、一体にされた、または、さもなければ取り付けられた、ツール430を有する。目標身体領域の大きさ、および/または、その領域内の「リポ」の分布は、目標身体領域の間で、または、異なる患者のタイプ(例えば、大きさ、年齢、性別、リポ進行の重症度、注射レジメンなどの一つ以上に従って分類された患者のタイプ)を表すように構成されたマネキンやモジュールの間で選択され、変更され得、ほとんどの「リポ」患者、または、指定された患者タイプの「リポ」患者について、指定された体に典型的に生ずる「リポ」の位置をマネキンで合理的に再現する。
【0185】
図40A~40Fを参照すると、別の教育ツール450が提供され、別の教育ツール450は、検出454、交替456、変更458および管理460のような、脂肪肥大事故を防止し、または、少なくとも減少させるために必要な行為452を示す、印刷媒体(例えば、表示スクリーン3304上、または、紙、包装または他の印刷可能な材料上の)を含む。例えば、ツール450は、図40Aに示されるように、いかにして「リポ」454のいずれかの発生を検出するかの情報のほか、針458を変更するための注意喚起を提供し得る。
【0186】
また、図40B、40Cおよび40Dに示されるように、交替456のための一つ以上のガイドラインが提供され得る。例えば、図40Cは、指定された順序および空間パターンで、目標注射サイトにおいて注射することを患者または使用者に案内するための、目標注射サイト466のマトリックスおよび矢印464を含む、グリッドパターン462を示す。サイトの交替を使用する注射のための別の例示的なパターンが、図40Dに提供され、複数の目標注射サイト472が、目標注射サイト472の間での注射する順序を示す、矢印470を備える曲線に沿って分布させられた、螺旋パターン468を含む。
【0187】
図40Eは、「リポ」が検出されたとき、血糖値とインスリンまたは他の血液特性を制御するための、および/または、薬を注射するための、ガイドライン460を提供する。図40Fは、脂肪肥大症に関する追加情報を提供する。教育ツール450は、例えば、「Forum for Injection Technique(FIT)」から、および、「www.fit4diabetes.com」で入手できる、脂肪肥大症を減少させるための提言を採用し得る。図40A~40Fに提供された印刷媒体は、パンフレットにおいて、または、ポスターや他のタイプの壁または他の表面ディスプレイとして、または、包装上で、一緒に提供され得る。代替的に、印刷媒体の一部が、パンフレット上で、または、ポスターにおいて、または、他のタイプの壁または他の表面ディスプレイ上で、または包装上で、提供され得る。
【0188】
図41は、その表面に一体化された、または、その表面に固定された、触覚「リポ」教育ツール430を有する、起立ディスプレイまたは壁面ディスプレイ442を示す。起立ディスプレイは、例えば、床に固定され、さもなければ、ベースをまたはスタンドによって平衡を保たれ得、人が、その少なくとも片面において、情報450を見ることを可能にする。例えば、ディスプレイ442は、高さが、4~7フィート、幅が、2~4フィートであるように寸法決めされ得る。ツール430は、例えば、図41に示されるように、ディスプレイの選択された領域を横切って延びるように寸法決めされ得、使用者が、ツール430に便利に到達し、ツール430を触って、患者の体内の「リポ」の検出を容易にするために、再現された「リポ」432および434から、基準の感覚を得ることを可能にする。あるいは、より小さな寸法を有する複数のツール430が、ディスプレイ442上に設けられて、分布され、複数の使用者が、同時に、それぞれのツール430にアクセスすることを可能にする。また、再現された「リポ」432および434の、密度、または、手触り、および/または、分布は、ディスプレイ上のツールまたは複数のツール430の間で変化させられ得、特定の身体領域、および/または、患者プロフィール、および/または、注射レジメン、または、習慣的な注射パターンを前提として、典型的に生じ得る「リポ」の異なる大きさやパターンを説明する。情報450は、例えば、「リポ」または「脂肪肥大症」の定義(例えば、脂肪肥大症は、インスリンを注射する多くの患者における注射サイトの皮下脂肪(SC)組織に現れる、肥厚性の「ゴム状」の病変である。一部の患者においては、病変は、硬いか瘢痕様であり得る。)を含み得る。「リポ」または脂肪肥大症の影響に関する統計は、また、ディスプレイ442で情報450により提供され得る(例えば、脂肪肥大症を有する患者の49%が、血糖変動性を有し、脂肪肥大症を有する患者の39%は、原因不明の低血糖を有する。)。
【0189】
図42は、ツール430を収容するための蓋446と、情報450を提供する任意の関連する表面または構成要素を有する、携帯ディスプレイケース444内に配置された、「リポ」触覚教育ツール430を示す。上述のように、ツール430は、使用者によって、触診されるか、または、さもなければ触れられたとき、「リポ」432および434(例えば、典型的な「リポ」のそれと同様の、手触りまたは密度)を再現するために、例えば、合成材料(複数可)から構成される。ツール430は、ケース444内に固定されるか、触診のためのツールへのより便利なアクセスのために、使用者によってケース444から除去されるように、ケース444の内部に着脱可能に配置され得る。図39A~39B、および/または、図40A~40Fに示されるように、情報450は、例えば、サイトの交替のための推奨452を含み得る。
【0190】
追加の実施形態および実施
本発明の例示的な実施形態が、脂肪肥大症の発生を最小限にすることに関して、いくつかの実施形態においては、脂肪肥大症を検出することに関して説明されたが、それらは、また、皮下脂肪が消耗または変性される領域として表れ、従って、インスリンまたは薬剤分子が毛細血管に到達するのに移動するための短い距離を有し得るので、インスリンの吸収が、正常な皮膚の領域に比べて、より迅速かつ予測不可能であり得る、脂肪組織萎縮症のような他のタイプの脂肪萎縮症のために使用され得る。
【0191】
本発明の例示的な実施形態は、コンピュータ制御のインスリン送達または監視装置(例えば、ペンニードル、CGM、輸液ポンプ)、手に持つことのできる装置、モバイルフォン、または、他の使用者装置のような、プログラム可能な装置での作動を参照して説明された。しかしながら、本発明は、また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体での、コンピュータ読み取り可能なコードとして具現化され得ることが、理解されるべきである。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、その後コンピュータシステムによって読み取り可能である、データを格納できる任意のデータ記憶装置である。コンピュータ読み取り可能な記録媒体の例は、限定されるものではないが、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、CD-ROM、DVD、磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスク、光データ保存装置を含む。本発明の態様は、搬送波(例えば、有線または無線の伝送路を介する、インターネットを介したデータ伝送のような)として、具現化され得ることが想定される。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュータシステムに連結されたネットワークに分散させられ得、コンピュータ読み取り可能コードが、分散方式で格納され、および、実行される。
【0192】
本発明の例示的な実施形態に従って使用される、例示的な装置、システム、および、方法の構成要素は、少なくとも部分的に、デジタル電子回路、アナログ電子回路において、または、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、または、それらの組合せにおいて、実施され得る。これらの構成要素は、例えば、プログラム可能なプロセッサ、コンピュータ、または複数のコンピュータのようなデータ処理装置による実行のために、または、これらの動作を制御するために、情報担体、または、機械読み取り可能な記憶装置において具体的に表現された、コンピュータプログラム、プログラムコードまたはコンピュータ命令などのコンピュータプログラム製品によって実行され得る。コンピュータプログラムは、コンパイルまたは解釈言語を含む、プログラミング言語の任意の形式で書かれ得、それは、スタンドアロンプログラムとして、または、モジュール、コンポーネント、サブルーチン、または、コンピュータの使用環境での使用に適した他のユニットを含む、任意の形態で展開され得る。コンピュータプログラムは、一つのサイトにおいて、または、複数のサイトにわたって分散して、一つのコンピュータまたは複数のコンピュータ上で実行され、通信ネットワークによって相互接続されるように展開され得る。また、本発明を実現するための機能的なプログラム、コード、および、コードセグメントは、本発明が属する技術分野の熟練のプログラマーによって、本発明の範囲内であると、容易に解釈され得る。本発明の例示的な実施形態に関連した方法のステップは、機能を実行するための、コンピュータプログラム、コードまたは命令を実行する1つまたは複数のプログラム可能なプロセッサによって(例えば、入力データを操作すること、および/または、出力を生成することによって)、実行され得る。方法ステップは、また、特殊目的論理回路、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、または、ASIC(特定用途向け集積回路)によって実行され得、本発明の装置は、特殊目的論理回路として実施され得る。
【0193】
コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサは、例として、汎用および専用マイクロプロセッサの両方、および、任意の種類のデジタルコンピュータの任意の一つ以上のプロセッサを含む。一般に、プロセッサは、読み取り専用メモリ、または、ランダムアクセスメモリ、または、両方から、命令およびデータを受信するであろう。コンピュータの必須要素は、命令を実行するためのプロセッサ、および、命令およびデータを格納するための1つ以上の記憶装置である。一般に、コンピュータは、また、データを記憶するための1つまたは複数の大容量記憶装置、例えば、磁気、光磁気ディスク、または、光ディスクを含み、または、大容量記憶装置からのデータの受信、または、大容量記憶装置へのデータの転送、または、その両方を行うように、1つまたは複数の大容量記憶装置に作動的に結合され得るであろう。コンピュータプログラム命令およびデータを具現化するのに適した情報担体は、例として、半導体記憶装置、例えば、EPROM、EEPROM、および、フラッシュメモリ装置、磁気ディスク、例えば、内蔵ハードディスクやリムーバブルディスク、光磁気ディスク、および、CD-ROMおよびDVD-ROMディスクを含む、不揮発性メモリの全ての形態を含む。プロセッサおよびメモリは、専用論理回路によって補完され、または、専用論理回路に組み込まれ得る。
【0194】
以上に提示された説明および図面は、例としてのみを意図され、以下の特許請求の範囲に記載されたところを除き、いずれの方法においても本発明を限定することを意図されない。特に、当業者は、上述された種々の例示的な実施形態における様々な要素の種々の技術的側面を、多数の他の方法で、容易に組み合わせ得、それらの全ては、本発明の範囲内であると考慮されることが留意される。
図1
図2
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図22A
図22B
図22C
図23A
図23B
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図25A
図25B
図26
図27A
図27B
図28
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図30A
図30B
図30C
図30D
図30E
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図34
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図36A
図36B
図37
図38
図39A
図39B
図40A
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