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<図1>
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-14
(45)【発行日】2022-10-24
(54)【発明の名称】水中ペレタイザー
(51)【国際特許分類】
   B29B 9/06 20060101AFI20221017BHJP
【FI】
B29B9/06
【請求項の数】 8
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020173965
(22)【出願日】2020-10-15
(65)【公開番号】P2021066176
(43)【公開日】2021-04-30
【審査請求日】2021-06-17
(31)【優先権主張番号】10 2019 007 276.6
(32)【優先日】2019-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】515267482
【氏名又は名称】マーグ オートマティック ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Maag Automatik GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100110157
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 基司
(74)【代理人】
【識別番号】100129805
【弁理士】
【氏名又は名称】上野 晋
(74)【代理人】
【識別番号】100189315
【弁理士】
【氏名又は名称】杉原 誉胤
(72)【発明者】
【氏名】フィシャー フロリアン
【審査官】▲高▼村 憲司
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-155954(JP,A)
【文献】特開昭54-073850(JP,A)
【文献】特開2012-066387(JP,A)
【文献】特開平09-207130(JP,A)
【文献】特開昭60-044307(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29B 9/00 - 9/16
B01J 2/00 - 2/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノズルヘッド(3)を有する水中ペレタイザー(1)で使用するための切断装置であって、前記ノズルヘッド(3)は、前記ノズルヘッドの中心軸(R)に対して回転対称である切断面を有し、前記切断面にはノズル開口部(32)が形成されており、前記切断装置は、駆動シャフト(6)と、前記ノズルヘッド(3)のノズル開口部(32)から退出してストランド状に形成された溶融プラスチック材料をペレットの形態に切断するための複数の切断ブレード(9)を有する少なくとも1つの切断ヘッド(5)とを有する、切断装置において、
前記切断ヘッド(5)は、作動要素(83)を作動させることによって、前記複数の切断ブレード(9)が、前記切断面(31)に対して、前記中心軸(R)に直交する半径方向の移動成分と、前記中心軸(R)に平行な軸方向の移動成分とを含む各移動方向(B)において、同時に調整されることが可能である機構を有し、
前記切断ヘッド(5)は、複数の切断ブレード取付部(81)が画定されたブレード支持リング(8)を有し、前記切断ブレード取付部(81)のそれぞれには、各切断ブレード(9)が挿入される切り欠き(811)が画定されており、前記切断ブレード取付部(81)のうちの1つおよび前記切断ブレード(9)のハンドル部(93)に形成された少なくとも1つのガイドウェブ(812)は、前記切断ブレード取付部(81)のうちの他方および前記切断ブレード(9)のハンドル部(93)に形成されたガイド溝(94)に係合して、前記切断ブレード(9)を前記切り欠きに押し込んだり、前記切り欠きから引き出したりする移動を案内し、前記ガイドウェブ(812)および前記ガイド溝(94)は、前記中心軸(R)から前記ノズルヘッド(3)の方向に徐々に離れる直線によって定義されることを特徴とする、切断装置。
【請求項2】
前記移動方向(B)は、各切断ブレード(9)のカッター(91)の位置において前記切断面(31)に対して面法線の方向であることを特徴とする、請求項1に記載の切断装置。
【請求項3】
前記ブレード支持リング(8)は前記駆動シャフト(6)上において軸方向に変位可能に配置され、前記ブレード支持リング(8)は、前記ブレード支持リング(8)を変位させるための係合点を形成する作動要素(83)として作動部(83)をさらに有することと、
個々の前記切断ブレード(9)において係合し、前記ブレード支持リング(8)の軸方向における変位に対して、前記ブレード支持リング(8)が前記駆動シャフト上で軸方向に変位すると、前記切断ブレード(9)がそれぞれ関連する前記切断ブレード取付部(81)から引き出されたり、またはそのような切断ブレード取付部(81)に押し込まれたりするように、前記切断ブレード(9)が引き止められる作用を有する手段(62、63、95、96)が設けられていることとを特徴とする、請求項に記載の切断装置。
【請求項4】
個々の前記切断ブレード(9)において係合し、前記ブレード支持リング(8)の軸方向における変位に対して前記切断ブレードが引き止められる作用を有する手段(62、63、95、96)は、前記移動方向(B)を定義することを特徴とする、請求項に記載の切断装置。
【請求項5】
個々の前記切断ブレード(9)において係合し、前記ブレード支持リング(8)の軸方向における変位に対して前記切断ブレードが引き止められる作用を有する手段(62,63,95,96)は、各切断ブレード(9)の前記ハンドル部(93)に形成された少なくとも1つの突起(95)を含むことができ、前記突起(95)は、前記駆動シャフト(6)の端部(61)に形成されているか、または前記駆動シャフト(6)に固定して接続された要素に形成されている切り欠き(62)に係合することを特徴とする、請求項に記載の切断装置。
【請求項6】
ノズルヘッドの中心軸(R)を中心に回転対称である切断面(31)を有し、前記切断面(31)には前記ノズル開口部(32)が形成されているノズルヘッド(3)と、
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の切断装置とを備えた水中ペレタイザー(1)。
【請求項7】
前記回転対称の切断面(31)が、円錐状、円錐台状、円筒状、またはキャップ形状であることを特徴とする、請求項に記載の水中ペレタイザー(1)。
【請求項8】
前記駆動シャフト(6)は中空シャフトとして形成されており、前記中空シャフト(6)を通じて、前記水中ペレタイザー(1)の切断チャンバ(2)へのプロセス水の供給が行われることを特徴とする、請求項または請求項に記載の水中ペレタイザー(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性材料をペレット化するための水中ペレタイザーに関する。
【背景技術】
【0002】
押し出された溶融プラスチック材料がノズルヘッドにおいてストランドを形成するように成形されるペレット化装置は、一般に、熱可塑性材料、特にポリエチレンまたはポリプロピレンなどのポリマーのペレット化に頻繁に使用される。これは通常、溶融状態にある高温の材料が、穴あき板として形成されたノズル配列のノズルを介して、切断チャンバ内に存在する冷却流体中、例えば水中に押し出されることで行われる。ブレード配列は、切断チャンバ内に配置されており、ブレードを有し、このブレードが、穴あき板の開口部上を通過し、材料ストランドを切断し、それによりペレットが形成される。対応するペレット化装置は、例えば、欧州特許第2861397B1号明細書および欧州特許第3062978B1号明細書から知られている。
【0003】
この設計原理は実際に何度もその能力を示しており、特に、一般に単純な規模の拡縮が可能であるため、高スループットレートおよび超高スループットレートの「大型」ペレタイザーを実現することも可能である。しかしながら、この場合の不都合は、穴あき板もまた、大きなスループットレートの量に応じて拡大される必要があり、それに対応したより大きな直径で形成されなければならないことである。実際には、これは、1時間あたり数メートルトン(トン)のスループットレートを有するペレタイザーの場合には、穴あき板の直径が1mを超える可能性があることを意味する。このような大きな穴あき板は、通常、非常に複雑でコストのかかる方法でしか製造することができない。このようなペレタイザーのさらなるアセンブリはすべて、それに対応して大きな寸法に形成される必要があり、その結果、建造量が非常に大きくなり、高コストとなる。このように穴あき板の直径が大きく、これに関連して高重量となることにより、一般に必要である穴あき板の交換は、さらに、多大な労力と、それに対応するペレタイザーの長いダウンタイムなくしては不可能であり、サービスコストが大幅に増大する。この点における1つの特定の問題は、穴あき板の直径が大きく、これに関連してブレード配置の直径も大きいため、ごく僅かな軸方向の整合誤差でも損傷を生じる可能性があるので、サービス作業の終了後にブレード配置を複雑な方法で高精度に整合させる必要があることに起因する。
【0004】
ダイ・フェース・ペレタイザーは、円筒状のハウジングを有する独国特許第4419786C1号明細書からさらに知られており、ハウジングの内部空間にはプラスチック溶融物が供給され、プラスチック溶融物は、ハウジング壁を半径方向に貫通する通路を通って押し出され、実質的に水を含まない空間で回転するブレードがハウジング壁の周りに延びる切断面に沿って通路の開口部上を摺動することによって、ペレットに切断される。ブレードは、ローターによって駆動され、刃先がらせんばねによってハウジング壁に押し付けられた状態で、ブレード軸上で回転可能に支持されている。
【0005】
この文献に示されている設計では、ローターの速度が増大するにつれ、ブレードの重心(これはブレード軸と一致しない)にますます強力な遠心力が作用し、そのためローター速度に応じて付加的なトルクが発生し、それにより刃先がさらにハウジング壁に押し付けられると考えなければならない。この文献に示されている設計の、高いペレット化品質で、大きなスループットレートへの規模の拡大は、あまり期待できない。
【0006】
また、この設計では、水中ペレット化に望ましいように、ブレードを切断面から持ち上げることができるようにもされていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】欧州特許第2861397B1号明細書
【文献】欧州特許第3062978B1号明細書
【文献】独国特許第4419786C1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的は、上記の不都合を克服し、プラントコストを抑え、少ないサービス労力で、高いスループットレートを可能にする改良された水中ペレタイザーを提供することにある。本発明のさらなる目的は、少ない建造量で、高いスループットレートを可能にする改良された水中ペレタイザーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
これらおよび他の目的は、水中ペレタイザー用の切断装置によって、ならびに請求項1および請求項7に記載の水中ペレタイザーによって達成される。本発明の好ましい実施形態は、従属請求項の主題である。
【0010】
一態様において、ノズルヘッドを有する水中ペレタイザーで使用するための切断装置が提供される。ノズルヘッドは、ノズルヘッドの中心軸に対して回転対称である切断面、特に円錐状、円錐台状、円筒状、またはキャップ形状に形成された切断面を有し、切断面にはノズル開口部が形成されている。切断装置は、駆動シャフトと、ノズルヘッドのノズル開口部から退出してストランド状に成形された溶融プラスチック材料をペレットの形態に切断するための複数の切断ブレードを備えた少なくとも1つの切断ヘッドとを有し、切断ヘッドは、作動要素を作動させることによって、複数の切断ブレードが、切断面に対して、中心軸に直交する半径方向の移動成分と、中心軸(R)に平行な軸方向の移動成分とを含む各移動方向(B)において、同時に調整されることが可能である機構を有する。
【0011】
さらなる態様では、ノズルヘッドを有する水中ペレタイザーが提供され、ノズルヘッドは、ノズルヘッドの中心軸に対して回転対称である切断面を有し、切断面にはノズル開口部が形成されており、また水中ペレタイザーは切断装置を有する。
【0012】
本発明により、回転対称の、例えば、円錐台状の切断面を有する、水中ペレタイザー用のノズルヘッドを用いることが提案される。このようにして、大面積を有し、それに対応して多数のノズルを設けることができ、それに対応して大きなスループットレートのペレット化を可能にする切断面を提供することができ、同時に、そのようなノズルヘッドの最大直径は、従来の構造の穴あき板と比較して、サイズが大幅に縮小される。
【0013】
しかしながら、水中ペレタイザーにおけるそのような非平面の三次元ノズルヘッドの使用は、同時に、切断装置に関して新たな課題をもたらす。例えば、水中ペレット化の開始時に、ノズルを溶融物で満たす必要があり、この手順は開放した切断チャンバで行われる。したがって、このプロセスに干渉する切断ブレードを移動させ、他の場所に「退避させる」必要がある。従来の水中ペレタイザーの場合、これは、切断ヘッドを穴あき板から離れるように移動させ、切断ブレードも切断面から軸方向に離れさせることで、簡単に行うことができる。非平面の三次元ノズルヘッドでは、対照的に、切断ブレードをそのように軸方向にだけ移動させることは、不可能であるか、または幾何形状に応じて困難を伴うことなくしては不可能であろう。したがって、本発明によれば、切断ブレードが軸方向および半径方向に同時に移動できるように切断装置を構成して、これにより切断面に対する切断ブレードの簡単かつ安全な調整を行うことができるようにすることが提案される。
【0014】
本発明では、特に、移動方向は、各切断ブレードのカッターの位置において切断面に対して面法線の方向となるようにすることができる。換言すると、切断ブレードは、切断ブレードがそれぞれ切断面に直交して移動し、例えば、切断面を横切って、刃先に沿って引っ張られたり、押されたりしないように調整される。
【0015】
切断ヘッドは、有利には、複数の切断ブレード取付部が画定されたブレード支持リングを有することができ、切断ブレード取付部のそれぞれには、各切断ブレードが挿入され得る切り欠きが画定されており、切断ブレード取付部および切断ブレードのハンドル部に形成された少なくとも1つのガイドウェブは、切断ブレード取付部および切断ブレードのハンドル部のうちの他方に形成されたガイド溝に係合して、切断ブレードを切り欠きに押し込んだり、切り欠きから引き出したりする移動を案内し、ガイドウェブおよびガイド溝は、中心軸からノズルヘッドの方向に徐々に離れる直線によって定義される。
【0016】
ブレード支持リングは、さらに好ましくは、駆動シャフト上において軸方向に変位可能に配置されることが可能であり、また個々の切断ブレードにおいて係合し、ブレード支持リングの軸方向における変位に対して、ブレード支持リングが駆動シャフト上で軸方向に変位すると、切断ブレードがそれぞれの関連する切断ブレード取付部から引き出されたり、またはそのような切断ブレード取付部に押し込まれたりするように、切断ブレードが引き止められる作用を有する手段が設けられることが可能であり、これらの手段は、特に、切断ブレードの移動方向を定義することができる。
【0017】
個々の切断ブレードにおいて係合し、ブレード支持リングの軸方向における変位に対して切断ブレードが引き止められる作用を有する手段は、各切断ブレードのハンドル部に形成される少なくとも1つの突起を含むことができ、突起は、駆動シャフトの端部に形成されているか、または駆動シャフトに固定して接続された要素に形成されている切り欠きに係合する。
【0018】
カッターを軸方向に調整することも可能にする機構は、前述の手段の個々により、または前述の手段を組み合わせて、構造的に単純であると同時に操作上安全な方法で実現することができる。
【0019】
駆動シャフトは、中空シャフトとして有利に形成されることが可能であり、中空シャフトを通じて、水中ペレタイザーの切断チャンバへのプロセス水の供給が行われる。
本発明は、図面を参照しながら以下でより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施形態による水中ペレタイザーを概略的に示す図である。
図2図1の水中ペレタイザーのノズルヘッドおよび切断ヘッドを、切断ヘッドの切断ブレードが切断ヘッドの切断面に接触した状態で、より詳細に示す概略断面図である。
図3図2の中空シャフトの切断ブレードおよび端部の詳細を示す図である。
図4】切断ブレード取付部を示す概略正面図である。
図5】切断ブレードを示す概略正面図である。
図6】各切断ブレード取付部に受容された切断ブレードを示す概略正面図である。
図7】切断ヘッドの切断ブレードが切断ヘッドの切断面から持ち上げられた状態にある図3のノズルヘッドおよび切断ヘッドを示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、本発明の一実施形態による水中ペレタイザーを概略的に示している。示したように、水中ペレタイザー1は、ノズルヘッド3と切断ヘッド5とが配置された切断チャンバ2を有する。切断ヘッド5は、ベアリング13に支持された中空シャフト6を介して回転駆動装置12によって駆動される。回転駆動装置12は、直接電動駆動装置として有利に設計されており、中空シャフト6はモーター固定子を通って延び、モーター固定子によって駆動される。中空シャフト6は、同時に、切断チャンバ2へプロセス水を供給する機能を果たす。中空シャフト6は、この目的のために、回転ユニオン11を介してプロセス水供給管10に接続されている。内部にペレットを含むプロセス水は、プロセス水戻り管15を通って切断チャンバ2から導出される。
【0022】
ノズルヘッド3および切断ヘッド5の設計および構成について、図2を参照しながら、より詳細に説明する。
【0023】
図2に示すように、ノズルヘッド3は、ノズルヘッドの長手方向軸を同様に定義する中心軸Rを有する三次元回転体として形成されており、本発明では切断面31と呼ばれるノズルヘッド3の円錐状領域に形成された複数のノズル32を有する。ノズルヘッド3は、プラスチック材料が溶融物Sとして供給される内部中空空間33をさらに有し、内部中空空間33から溶融物Sはノズル32を通ってノズルヘッド3から退出する。
切断ヘッド5は、複数の切断ブレード9が保持されているブレード支持リング8によって形成されている。より正確には、各切断ブレード9は、カッター91が固定されるカッター部92と、切断ブレード取付部81に受容されて保持されるハンドル部93とを有する。
【0024】
ブレード支持リング8は、中空シャフト8と同心に形成されたシャフト接続部82をさらに有し、シャフト接続部82によって、ブレード支持リング8は、中空シャフト6の回転運動をブレード支持体8に伝達するように、中空シャフト6に接続されている。ここでは、中空シャフト6上においてブレード支持体8を軸方向に変位させることができるように、接続が形成されている。ブレード支持体8の変位をもたらすために、ブレード支持リング8は、例えば、フォーク14(図1参照)に接続されて変位をもたらし得る作動部83をさらに有する。
【0025】
したがって、図2に示す水中ペレタイザー1の動作状態では、中空シャフト6の回転運動をブレード支持リング8に伝達することができ、これにより、ブレード支持リング8によって保持された切断ブレード9のカッター91が円錐状の切断面31上を通過して、ノズル31から退出するストランド状の溶融材料を切断してペレット化する。
【0026】
同時に、中空シャフト6を通じて、プロセス水が切断チャンバ2に供給される。本発明では、端部61は、好ましくは、拡開コーンとして形成され得る。さらに、ノズルヘッド3は、その軸方向の前端において同様に円錐状として形成することもできるし、またはノズルヘッド3が、図2に示す実施形態のようにその軸方向の前端において平面を有する場合には、隔離コーン(insulating cone)4を設けることもでき、これにより端部61と隔離コーン4とが協働して、中空シャフト5から進入するプロセス水を切断面31および切断ブレード9に直接向けて伝導する。
【0027】
図2は、端部61が切り欠き62を形成するようにさらに構成されていることをさらに示しており、切り欠き62には、図3に関してより詳細に説明するように、各切断ブレード9のハンドル部93に形成された突起95が係合することができる。
【0028】
図3は、切断ブレード9を概略側面図で示している。図2を参照して既に説明したように、切断ブレード9は、ハンドル部93と、カッター91が固定されるカッター部92とを有する。ガイド溝94は、ハンドル部93の両側に形成されている。ハンドル部93には、端部61に向かう方向に延びる2つの突起95がさらに形成されており、2つの突起95の間には、側方方向において平面接触面96aによって囲まれた切り欠き96が形成されている。
【0029】
図3は中空シャフト6の端部61をさらに示しており、端部61には、側方方向において2つのウェブ63によって囲まれ、画定される切り欠き62が形成されている。
【0030】
図3の矢印によって表されるように、この点に関して、ウェブ63の1つが切り欠き96に係合し、同時に、突起95の1つが切り欠き62に係合するようになっている。突起95とウェブ63との相互作用において、このように一種の直線的な案内が形成され、突起95およびウェブ63は、互いに対して、突起95およびウェブ63にそれぞれ形成された平らな接触面96aおよび62aの広がり方向によって定義される第1の方向には移動することができ、接触面96aおよび62aにそれぞれ直交する方向への移動は防止される。
【0031】
図4図6を参照しながら、切断ブレード取付部81への切断ブレード9の取り付けについて説明する。図4は、切断ブレード取付部81を概略正面図で示している。切断ブレード取付部81は、底部に向かって開放するとともに、ガイドウェブ812を形成する切り欠き811を有する。開口部811は、切断ブレード9のハンドル部93が前部から開口部811内に押し込まれることが可能であり、ガイドウェブ812が切断ブレード9のハンドル部93に側方方向に形成されたガイド溝94に係合するような寸法に形成されている(図5参照)。図6は、1つの切断ブレード9がそれぞれ挿入された複数の切断ブレード取付部81を概略的に示している。ここで、切断ブレード取付部81は、分かり易くするために、図6では一直線に並べて示されているとしても、実際には、切断ブレード取付部81は円弧上にあり、ブレード支持リング8を形成していることに留意されたい。
【0032】
上記で説明したブレード支持リング8が軸方向に変位可能であることは、突起およびウェブ63により、同様に説明した直線的なガイドとともに生じ、ガイド溝94に係合するガイドウェブ812は、図7に関してより詳細に説明するように、中心軸Rに対して切断面31から離れたり切断面31に近づいたりする半径方向において、または半径方向成分を含む方向において切断ブレード9を調整することができる機構と組み合わされて、作用を発揮する。
【0033】
図7に、作動部83が、ブレード支持リング8を中空シャフト6上で軸方向に変位させて、ブレード支持リング8がノズルヘッド6から離れるように、作動される場合を示す。開口部62に係合する切断ブレードの突起95は、突起95の間でそこに形成された開口部96に導入されるウェブ63と当接するので、切断ブレード9は、ブレード支持リング9のこの動きに追随することが妨げられ、それにより切断ブレード9が切断ブレード取付部81の切り欠き811から引き出される。同時に、切断ブレード取付部81のガイドウェブ812は、中心軸Rと平行に整合されておらず、むしろ、ガイドウェブ812がノズルヘッド3に向かう方向において増大する勾配、すなわち、ガイド溝812を通って延びる直線が、ノズルヘッド3に向かう方向において、ますます離れる勾配を定義するように、中心軸Rに対して角度をなしている。ブレード支持ヘッド8がノズルヘッド3から離されると、ガイド溝812の勾配は、ウェブ63によって保持された切断ブレード9が中心軸Rから離れて外側に向かう方向に移動され、よって、カッター91または切断ブレード9全体の移動方向を示す矢印Bによって示されるように、カッター91が切断面31から持ち上げられるという作用を有する。ここで、この移動方向Bは、一種の直線的なガイドを形成する突起95とウェブ63との相互作用によって定義され、接触面96aおよび62aが中心軸Rから離れるように延びる方向Qによってより正確に定義される。広がり方向Qが、例えば、中心軸Rに直交する90°である場合には、カッター91または切断ブレード9の移動方向もまた、中心軸Rに直交する方向となるであろう。しかしながら、切断ブレード9またはそれらのカッター91は、中心軸Rから半径方向に離れ、かつノズルヘッド3から軸方向に離れるように同時に向いた方向に持ち上げられることが好ましい。この場合、図7の場合に示すように、切断ブレード9またはそのカッター91がそれぞれ、切断面31から切断面31に対して面法線を形成する方向に持ち上げられること、すなわち、すべてのカッター31が、カッター91の位置において切断面31から切断面31に直交する方向に移動されることが特に好ましい。しかしながら、カッター91はまた、異なる移動方向Bに対して、切断面31を通って延びる直線P、および直線Pと平行であり、かつカッター91を通って延びる直線P’によって示されるように、カッター91が切断面31と平行のままとなるように、それぞれ切断面31から離されることに留意されたい。
【0034】
図7には、中空シャフト6上のブレード支持リング8がノズルヘッド3から離れて軸方向に移動されることから、切断ブレード9が切断面31から持ち上げられ、切断面31から離れるように調整される場合が示されているが、容易に理解されるように、中空シャフト6のブレード支持リング8が、ノズルヘッド3に向かって軸方向に移動され、これにより切断ブレード9が切断ブレード取付部81に押し込まれ、一種の直線的なガイドを形成する突起95およびウェブ63の作用により、図7の移動Bの方向とは反対の、カッター91が切断面31に向かう移動方向に沿って切断ブレードを移動させることから、切断面に向かう方向への切断ブレード9の調整がもたらされることが可能である。
【符号の説明】
【0035】
1 水中ペレタイザー
2 切断チャンバ
3 ノズルヘッド
4 隔離コーン
5 切断ヘッド
6 中空シャフト
8 ブレード支持リング
9 切断ブレード
10 プロセス水供給管
11 回転ユニオン
12 回転駆動装置
13 ベアリング
14 フォーク
15 戻り管、プロセス水
31 切断面
32 ノズル開口部
33 溶融中空空間
61 端部
62 切り欠き
62a 接触面
63 ウェブ
81 切断ブレード取付部
82 シャフト接続部
83 作動部
91 カッター
92 カッター部
93 ハンドル部
94 ガイド溝
95 突起
96 開口部
96a 接触面
811 切り欠き
R 中心軸
P 切断面を通る直線
P’ カッターを通る直線
Q 接触面62aおよび96aの広がり方向
S 溶融物
W プロセス水
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7