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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-14
(45)【発行日】2022-10-24
(54)【発明の名称】可撓性治療装置及びその作動方法
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/36 20060101AFI20221017BHJP
   A61N 1/04 20060101ALI20221017BHJP
【FI】
A61N1/36
A61N1/04
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020217519
(22)【出願日】2020-12-25
(65)【公開番号】P2021109100
(43)【公開日】2021-08-02
【審査請求日】2020-12-25
(31)【優先権主張番号】202010044331.0
(32)【優先日】2020-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010043624.7
(32)【優先日】2020-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】509312592
【氏名又は名称】北京富納特創新科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】特許業務法人SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲ハン▼ 立
(72)【発明者】
【氏名】潛 力
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲ユイ▼權
【審査官】白川 敬寛
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-183480(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0048642(US,A1)
【文献】中国実用新案第206275917(CN,U)
【文献】特表2003-519510(JP,A)
【文献】特開2017-108758(JP,A)
【文献】特表2017-505188(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/00- 1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブルシート及びコントローラーを含む可撓性治療装置において、
前記コントローラーは、前記フレキシブルシートを制御することに用いられ、
前記フレキシブルシートは、可撓性層、可撓性多孔層、複数の機能層及びK個の電極を含み、
前記可撓性層及び前記可撓性多孔層は、積層して設置され、
複数の前記機能層は、前記可撓性層と前記可撓性多孔層との間に設置され、第一区域及び第二区域を含む少なくとも二つの区域に分布し、
前記第一区域がK対の主機能層を含み、K対の前記主機能層のうちの各一対の前記主機能層の一方が前記フレキシブルシートの左側にかつK対の前記主機能層のうちの各一対の前記主機能層の他方が前記フレキシブルシートの右側に対称的に分布しており、
前記第二区域が上から下に分布したM個の副機能層を含み、
前記コントローラーと接続された端部の位置が左から右に順番に並べられたK個の電極のそれぞれは、上から下に順番に並べられたK対の前記主機能層のうちの対応する順番の一対の対称的な前記主機能層と電気的に接続され、
M個の前記副機能層のそれぞれは、K個の前記電極のうちのつの前記電極と電気的に接続され、且つ、M個の前記副機能層のうちの隣接する二つの前記副機能層は、前記コントローラーと接続された端部の位置が順番に並べられたK個の前記電極のうちの前記コントローラーと接続された端部の位置が隣接しない二つの前記電極と電気的に接続され、
前記コントローラーが、K個の前記電極と電気的に接続され、K個の前記電極を介して、前記フレキシブルシートにおける複数の機能層を制御することを特徴とする可撓性治療装置。
【請求項2】
前記機能層は、カーボンナノチューブ層であり、該カーボンナノチューブ層は、均一に分布する複数のカーボンナノチューブを含むことを特徴とする、請求項1に記載の可撓性治療装置。
【請求項3】
前記機能層は、グラフェン層であり、該グラフェン層が少なくとも一層のグラフェンを含むことを特徴とする、請求項1に記載の可撓性治療装置。
【請求項4】
可撓性治療装置の作動方法であって、前記可撓性治療装置は、フレキシブルシート及びコントローラーを含み、
前記コントローラーは、前記フレキシブルシートを制御することに用いられ、
前記フレキシブルシートは、可撓性層、可撓性多孔層、複数の機能層及びK個の電極を含み、
前記可撓性層及び前記可撓性多孔層は、積層して設置され、
複数の前記機能層は、前記可撓性層と前記可撓性多孔層との間に設置され、第一区域及び第二区域を含む少なくとも二つの区域に分布し、
前記第一区域がK対の主機能層を含み、K対の前記主機能層のうちの各一対の前記主機能層の一方が前記フレキシブルシートの左側にかつK対の前記主機能層のうちの各一対の前記主機能層の他方が前記フレキシブルシートの右側に対称的に分布しており、
前記第二区域が上から下に分布したM個の副機能層を含み、
前記コントローラーと接続された端部の位置が左から右に順番に並べられたK個の電極のそれぞれは、上から下に順番に並べられたK対の前記主機能層のうちの対応する順番の一対の対称的な前記主機能層と電気的に接続され、
M個の前記副機能層のそれぞれは、K個の前記電極のうちのつの電極と電気的に接続され、且つ、M個の前記副機能層のうちの隣接する二つの前記副機能層は、前記コントローラーと接続された端部の位置が順番に並べられたK個の前記電極のうちの前記コントローラーと接続された端部の位置が隣接しない二つの前記電極と電気的に接続され、
前記コントローラーが、K個の前記電極と電気的に接続され、
前記コントローラーが、K個の前記電極を介して、前記フレキシブルシートにおける複数の前記機能層を制御するステップにおいて、前記コントローラーが、前記フレキシブルシートの複数の前記機能層に電圧を印加することを特徴とする可撓性治療装置の作動方法。
【請求項5】
前記コントローラーが、K個の前記電極のうちの前記コントローラーと接続された端部の位置が隣接する二つの前記電極の間に電圧を印加することを特徴とする、請求項4に記載の可撓性治療装置の作動方法。
【請求項6】
前記コントローラーが、K個の前記電極のうちの前記コントローラーと接続された端部の位置が隣接しない二つの前記電極に電圧を印加することを特徴とする、請求項4に記載の可撓性治療装置の作動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可撓性治療装置及びその使用方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
人々の物質的な生活水準の継続的な改善に伴い、健康に対する人々の要求もますます高くなっている。従って、いろいろな治療装置が非常によく売れている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】Kaili Jiang、Qunqing Li、Shoushan Fan、“Spinning continuous carbon nanotube yarns”、Nature、2002年、第419巻、p.801
【特許文献】
【0004】
【文献】中国特許出願公開第101239712号明細書
【文献】中国特許出願公開第101284662号明細書
【文献】中国特許出願公開第101314464号明細書
【文献】中国特許出願公開第1483667号明細書
【文献】中国特許出願公開第1982209号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の治療装置は、大部分が硬質材料からなる治療装置である。従って、人体に作用する面積も小さくなり、人体の快適さがよくない。
【0006】
これによって、上記技術問題を解決するために、可撓性治療装置及びその作動方法を提供することが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
可撓性治療装置は、フレキシブルシート及びコントローラーを含む。前記コントローラーは、前記フレキシブルシートを制御することに用いられる。前記フレキシブルシートは、可撓性層、可撓性多孔層、複数の機能層及びK個の電極を含む。前記可撓性層及び前記可撓性多孔層は、積層して設置され。複数の前記機能層は、前記可撓性層と前記可撓性多孔層との間に設置され、第一区域及び第二区域を含む少なくとも二つの区域に対称的に分布し、前記第一区域が対称的に分布したK対の主機能層を含み、前記第二区域がM個の副機能層を含む。各一つの電極が前記第一区域に位置する一対の主機能層と電気的に接続され、K個の電極の番号が1、2、3……Kであり、番号が隣接する二つの電極は、隣接する二対の主機能層と電気的に接続され、各一つの副機能層は、一つの電極と電気的に接続され、隣接する二つの副機能層が電気的に接続された二つの電極の番号は、x及びyであり、xとyの差が2以上である。前記コントローラーがK個の前記電極と電気的に接続され、K個の前記電極を介して、前記フレキシブルシートにおける複数の機能層を制御する。
【0008】
前記機能層は、カーボンナノチューブ層であり、該カーボンナノチューブ層は、均一に分布する複数のカーボンナノチューブを含む。
【0009】
前記機能層は、グラフェン層であり、該グラフェン層が少なくとも一層のグラフェンを含む。
【0010】
可撓性治療装置の使用方法は、可撓性治療装置を提供し、前記可撓性治療装置は、フレキシブルシート及びコントローラーを含み、前記コントローラーは、前記フレキシブルシートを制御することに用いられ、前記フレキシブルシートは、可撓性層、可撓性多孔層、複数の機能層及びK個の電極を含み、前記可撓性層及び前記可撓性多孔層は、積層して設置され、複数の前記機能層は、前記可撓性層と前記可撓性多孔層との間に設置され、K対の主機能層及びM個の副機能層を含み、K個の電極が前記機能層と電気的に接続され、各一つの電極が対称的に設置された一対の主機能層と電気的に接続され、各一つの副機能層は、一つの電極と電気的に接続され、前記コントローラーがK個の前記電極と電気的に接続され、K個の前記電極を介して、前記フレキシブルシートにおける複数の機能層を制御するステップと、前記可撓性治療装置のフレキシブルシートを人間の皮膚に取り付けるステップと、前記コントローラーの電源を入れ、前記コントローラーの機能ボタンを選択し、前記フレキシブルシートに電圧を印加して、電流を生成し、人間の皮膚を刺激するステップと、を含む。
【0011】
K個の電極の番号が1、2、3……Kであることを設定し、番号が隣接する二つの電極は、隣接する2対主機能層と電気的に接続され、隣接する二つの副機能層が電気的に接続された二つの電極の番号は、x及びyであり、xとyの差が2以上である。
【0012】
前記コントローラーが番号が隣接する二つの電極の間に電圧を印加し、二つの電極、二つの前記電極と電気的に接続された2対主機能層、2対前記主機能層における、フレキシブルシートの同一側に位置する二つの主機能層の間のユーザーの皮膚及びコントローラーが回路を形成し、回路に電流が流れ、電流が皮膚を刺激する。
【0013】
前記コントローラーが番号が隣接しない二つの電極の間に電圧を印加し、番号が隣接しない二つの電極の番号xとyの差が2以上であり、二つの電極、二つの前記電極と電気的に接続された二つの副機能層、二つの前記副機能層の間の皮膚及び前記コントローラーの間に回路を形成し、電流を生成し、皮膚を刺激する。
【発明の効果】
【0014】
従来技術と比べて、本発明の一態様から提供される可撓性治療装置及びその使用方法は、以下の利点を有する。第一に、可撓性治療装置は、フレキシブルシートがカーボンナノチューブ材料を採用するので、可撓性が優れて、人体の皮膚に直接に取り付けることができ、人体の快適さがよい。第二に、カーボンナノチューブ材料が実際のニーズに応じて任意の面積に作成することができるので、フレキシブルシートの面積も任意に設置することもでき、人体に作用する面積も実際のニーズに応じて設置することもでき、治療衣服又はウェアラブルなどを直接に作成することもできる。可撓性治療装置は、広く応用される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第一実施例による可撓性治療装置の構造を示す図である。
図2】本発明の第一実施例による可撓性治療装置の内部の構造を示す図である。
図3】本発明の第一実施例による可撓性治療装置をウェアラブルに応用する時の構造を示す図である。
図4】本発明の実施例によるドローン構造カーボンナノチューブフィルムのSEM写真である。
図5】本発明の実施例によるドローン構造カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブセグメントの構造を示す図である。
図6】本発明の実施例による綿毛構造のカーボンナノチューブフィルムのSEM写真である。
図7】本発明の実施例によるプレシッド構造カーボンナノチューブフィルムのSEM写真である。
図8】本発明の実施例による互いに交差する複数のカーボンナノチューブワイヤを含む機能層の構造を示す図である。
図9】本発明の実施例による互いに編む複数のカーボンナノチューブワイヤを含む機能層の構造を示す図である。
図10】本発明の実施例による一本の曲って巻きつくカーボンナノチューブワイヤを含む機能層の構造を示す図である。
図11】本発明の実施例による非ねじれ状のカーボンナノチューブワイヤのSEM写真である。
図12】本発明の実施例によるねじれ状のカーボンナノチューブワイヤのSEM写真である。
図13】本発明の第二実施例による可撓性治療装置の内部の構造を示す図である。
図14】本発明の実施例による可撓性治療装置の使用方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付の図面及び具体的な実施例を参照して、本発明の一態様による可撓性治療装置及びその使用方法をさらに詳細に説明する。
【0017】
図1を参照すると、本発明の第一の実施例は、可撓性治療装置10を提供する。可撓性治療装置10は、フレキシブルシート100、コントローラー112及び連接線114を含む。コントローラー112が連接線114を介して、フレキシブルシート100と可動的に接続され、フレキシブルシート100を制御することに用いられる。図1とともに、図2を参照すると、フレキシブルシート100は、可撓性層102、可撓性多孔層106、複数の機能層及び複数の電極108を含む。可撓性層102及び可撓性多孔層106が積層して設置される(明確に表示するため、図2において、可撓性層102及び可撓性多孔層106が別々に示される)。複数の機能層は、可撓性層102と可撓性多孔層106との間に設置される。各一つの電極108は、少なくとも一層の機能層と電気的に接続される。コントローラー112は、複数の電極108と電気的に接続され、複数の電極108を介してフレキシブルシート100を制御する。
【0018】
フレキシブルシートには、第一区域及び第二区域を定義し、複数の機能層104は、第一区域及び第二区域に分布し、複数の主機能層104a及び複数の副機能層104bを含む。第一区域に位置する機能層は、2K個の主機能層104aであり、第二区域に位置する機能層は、M個の副機能層104bであり、KがM以上である。2K個の主機能層104aは、フレキシブルシート100の両側に対称的に分布し、各一対の主機能層104aがフレキシブルシート100の左側及び右側に対称的に分布する。2K個の主機能層104aにおける各一対の対称的な主機能層104aが、一つの電極108と電気的に接続され、即ち、電極108の数量がK個である。K個の電極は、各一つの電極108と電気的に接続された主機能層104aの位置によって、1、2、3、4、5……Kを定義し、隣接する二対の主機能層104aと電気的に接続された二つの電極の番号が隣接する。隣接する二対の主機能層104aは、二対の主機能層104aにおける各側の二つの主機能層104aの位置が隣接することを指す。各一つの副機能層104bは、少なくとも一つの電極108と電気的に接続され、隣接する二つの副機能層104bが電気的に接続された二つの電極の番号は、x及びyであり、xとyの差が2以上である。
【0019】
各機能層104は、カーボンナノチューブ層又は/及びグラフェン層を含む。機能層の面積が異なってもよく、ニーズに応じて調整することができる。本実施例において、主機能層の数量は8個であり、8個の主機能層104aがフレキシブルシート100の下部に対称的に分布し、二つの副機能層104bがフレキシブルシート100の上部に分布する。各電極108は、コントローラー112と接続された端部の位置によって、左から右に順番に番号1、2、3、4であり、電極108の番号に対応する。各対の対称的な主機能層104aが上から下順序に番号が1、2、3、4である電極108と電気的に接続される。第二区域では、上部に位置する副機能層104bが番号が1である電極108と電気的に接続され、下部に位置する副機能層104bが番号が4である電極108と電気的に接続され、即ち、xとyの差が3である。
【0020】
コントローラー112は、K個の電極108を介して、フレキシブルシート100における複数の機能層を制御する。K個の電極108は、フレキシブルシート100の内部から伸び、連接線114に束ねられ、コントローラー112は、連接線114を介して、フレキシブルシート100と一体的に接続される。コントローラー112には、フレキシブルシート100を制御するための複数の機能ボタンが設けられる。各機能ボタンは、電流の大きさ、電流の周波数、入力電流の位置などを制御することを通して、フレキシブルシート100の内部の機能層104を制御して、異なる機能を実現することができる。フレキシブルシート100は、コントローラー112と可動的に接続されてもよい。本実施例において、フレキシブルシート100は、窓110の位置に接続口が予め設けられ、K個の電極108が窓110から露出し、コントローラー112と電気的に接続される。即ち、連接線114の一つの端部が窓110を介して、フレキシブルシート100と電気的に接続され、もう一つの端部がコントローラー112と電気的に接続される。フレキシブルシート100は、必要に応じて、取り替えることができる。フレキシブルシート100は、再利用のために、洗浄してもよい。
【0021】
K個の電極108は、K対の主機能層104aと電気的に接続されるともに、M個の副機能層104bと電気的に接続される。この接続方式は、M個の副機能層104bと電気的に接続される特別の電極108を増える必要はないので、電極108の数量を節約する。K個の電極108は、フレキシブルシート100の内部から伸び、連接線114に束ねられるので、連接線114の直径は、小さくなる。理解できることは、連接線114の直径が小さければ小さいほど靱性が優れる。フレキシブルシート100とコントローラー112とが連接線114を介して電気的に接続されるので、連接線114の靱性が良ければ良いほど、ユーザーの体験感も良い。
【0022】
各一つの電極108が一対の主機能層104と電気的に接続される。応用する時に、番号1及び2、2及び3、3及び4……K-1及びKの方式によって、二つの電極108の間に循環するように電圧を印加する。これによって、各二つの電極108が対応する2対主機能層104aに電圧を入力する。従って、二つの電極108、2対主機能層104a、2対主機能層104aにおける、フレキシブルシート100の同一側に位置する二つの主機能層104aの間のユーザーの皮膚及びコントローラー112が回路を形成し、回路に電流が流れ、電流が2対主機能層104aにおける、フレキシブルシート100の同一側に位置する二つの主機能層104aの間のユーザーの皮膚を刺激する。番号が隣接する二つの電極108が対応する2対主機能層104aは、フレキシブルシート100の同一側に位置する位置が隣接し、コントローラー112は、番号が隣接する二つの電極108ごとの間に電圧を印加して、電流を生成し、電流が皮膚を刺激する。これによって、順次又は選択的に番号が隣接する二つの電極108に電圧を印加し、順次又は選択的にユーザーが第一区域の同じでない位置に位置する皮膚を刺激するようになる。コントローラー112は、番号が隣接しない二つの電極108の間に電圧を印加してもよい。二つの電極の番号xとyの差が2以上である時には、二つの電極108が対応する2対主機能層104aは、フレキシブルシート100の同一側に少なくとも一つの主機能層104aを有する。二つの電極108、2対主機能層104a、2対主機能層104aにおける、フレキシブルシート100の同一側に位置する二つの主機能層104aの間のユーザーの皮膚及びコントローラー112が回路を形成しても、2対主機能層104aのフレキシブルシート100の同一側に位置する二つの主機能層104a同士の間の距離が遠く、フレキシブルシート100の同一側に位置する二つの主機能層104aの間の皮膚の抵抗が大きいので、流れた電流が非常に小さく、ユーザーがほとんど感覚はない。
【0023】
他方、番号がx及びyである二つの電極108がそれぞれ一つの副機能層104bに接続される場合、この二つの電極108に電圧を印加すると、二つの電極108、二つの副機能層104b、二つの副機能層104bの間の人体の皮膚及びコントローラー112の間に回路を形成し、電流を生成する。電気的に接続された二つの副機能層104bの位置が隣接するので、電流の値は比較的大きく、二つの副機能層104bの間の皮膚を刺激することができ、即ち、第二区域の皮膚を刺激することができる。従って、コントローラー112が、番号が隣接しない二つの電極108の間に電圧を印加することを選択した場合、主機能層104aの間の皮膚を刺激しないが、番号が隣接しない二つの電極108に対応する副機能層104bが対応する皮膚を刺激することができる。
【0024】
可撓性層102の材料は、人の皮膚に直接に取り付けることができる不織布、正絹層、一般的な可撓性布、多孔質可撓性紙、又はシリカゲルなどの可撓性材料である。可撓性層102の厚さは、実際の応用に応じて設定することができる。本実施例において、可撓性層102の厚さは、10マイクロメートル~100マイクロメートルである。可撓性層102は、多孔質構造又は非多孔質構造であってもよい。可撓性多孔層106の材料は、人の皮膚に直接に取り付けることができる不織布、正絹層、一般的な可撓性布、多孔質可撓性紙、又はシリカゲルなどの可撓性多孔質材料である。可撓性多孔層106の材料は、可撓性層102の材料と同じでも、異なってもよい。可撓性多孔層106は、多孔質材料であり、複数の微孔を備えている。使用する時に、可撓性多孔層106は、人の皮膚に直接に取り付け、美容液が複数の微孔から出来て、人の皮膚に作用する。可撓性多孔層106の厚さは実際のニーズに応じて設計することができる。本実施例において、可撓性多孔層106の厚さが10マイクロメートル~100マイクロメートルである。
【0025】
図3を参照すると、フレキシブルシート100が肩と首の治療装置として、ベストの背部に設置され、コントローラーが衣服の内部に設置される。理解できることは、他の実施例において、コントローラーが衣服の外部に設置することもでき、フレキシブルシート100が衣服又は他のウェアラブルなものに直接に作成することもできる。
【0026】
K個の電極108は、形状が制限されず、導電フィルム、金属シート又は金属リード線である。好ましくは、K個の電極108が、線状の導電フィルムであり、線状の導電フィルムの厚さが制限されない。電極108の材料は、金属、合金、ITO、ATO、導電銀テープ、導電性ポリマー及び導電カーボンナノチューブ等のいずれかの一種である。金属又は合金材料は、アルミニウム、銅、タングステン、モリブデン、金、チタン、ネオジム、パラジウム、セシウム又は任意の組み合わせの合金である。本実施例において、K個の電極108は、線状の銅導電フィルムであり、銅導電フィルムの厚さが1マイクロメートルである。電極108は、可撓性が優れ、厚さが薄い材料を選択するべきである。好ましくは、電極108は、幅又は直径が500マイクロメートル以下であり、厚さが200マイクロメートル以下である。好ましくは、電極108が酸化されないように、電極108の表面に絶縁層(図示せず)を設置してもよく、電極108が分布される箇所に透明の絶縁層を敷設してもよい。絶縁層の材料が制限されず、フレキシブル材料であればよい。
【0027】
各機能層は、カーボンナノチューブ層である。カーボンナノチューブ層は、均一に分布した複数のカーボンナノチューブを含み、カーボンナノチューブは、分子間力で緊密に結合する。カーボンナノチューブ層は、カーボンナノチューブのみを含む純粋なカーボンナノチューブ層である。カーボンナノチューブ層の厚さは、50ナノメートル~100マイクロメートルであることが好ましい。カーボンナノチューブ層におけるカーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブ及び多層カーボンナノチューブの中の一種又は多種である。カーボンナノチューブは、純粋なカーボンナノチューブチューブであってもよい。純粋なカーボンナノチューブは、カーボンナノチューブの表面にアモルファスカーボン及び官能基などの不純物を含まなくなる。単層カーボンナノチューブの直径は、0.5ナノメートル~50ナノメートルであり、二層カーボンナノチューブの直径は、1.0ナノメートル~50ナノメートルであり、多層カーボンナノチューブの直径は、1.5ナノメートル~50ナノメートルである。カーボンナノチューブ層は、配向しに配置されている複数のカーボンナノチューブ又は配向せず、ランダムに配置されている複数のカーボンナノチューブを含む。配向して配置されることは、複数のカーボンナノチューブが同じ方向に沿って配列していることを指す。
【0028】
好ましくは、カーボンナノチューブ層は自立構造である。ここで、「自立構造」とは、支持体材を利用せず、自体の所定の形状を保持でき、カーボンナノチューブ層を独立して利用することができるという形態のことである。すなわち、カーボンナノチューブ層を対向する両側から支持して、カーボンナノチューブ層の構造を変化させずに、カーボンナノチューブ層を懸架させることができることを意味する。自立構造のカーボンナノチューブ層は、複数のカーボンナノチューブを含み、複数のカーボンナノチューブが分子間力によって互いに引き付けられ、ネットワーク構造を形成し、カーボンナノチューブ層を所定の形状を有させ、一体構造を有する自立構造であるカーボンナノチューブ層を形成するようになる。例えば、カーボンナノチューブスラリー層の自立構造ではないカーボンナノチューブ層と比べて、自立構造のカーボンナノチューブ層は、より優れた可撓性を有する。実験によって、カーボンナノチューブスラリーを機能層104として、フレキシブルシート100の内部に塗布されると、カーボンナノチューブスラリーが乾燥した後、カーボンナノチューブスラリーが塗布されたので、フレキシブルシート100の可撓性が下がることが分かる。もちろん、カーボンナノチューブスラリー層も本発明の機能層104としてもよい。カーボンナノチューブスラリー層が機能層104とする時、可撓性治療装置も作動することができる。
【0029】
具体的には、カーボンナノチューブ層は、少なくとも一枚のカーボンナノチューブフィルム又は少なくとも一本のカーボンナノチューブワイヤを含む。カーボンナノチューブ層が複数のカーボンナノチューブフィルムを含む場合、複数のカーボンナノチューブフィルムが積層して設置される。カーボンナノチューブフィルムに、複数のカーボンナノチューブが配向して又は配向せずに配置されている。複数のカーボンナノチューブの配列方式により、カーボンナノチューブフィルムは非配向型のカーボンナノチューブフィルム及び配向型のカーボンナノチューブフィルムの二種に分類される。非配向型のカーボンナノチューブフィルムにおける複数のカーボンナノチューブは、ランダムに配列される。ランダムに配列されることとは、複数のカーボンナノチューブの配列方向が不規則である。配向型のカーボンナノチューブフィルムにおける複数のカーボンナノチューブは、配列方向が規則的である。具体的には、非配向型のカーボンナノチューブフィルムにおける複数のカーボンナノチューブは絡み合って、非配向型のカーボンナノチューブフィルムからなるカーボンナノチューブ層は、等方性を有する。配向型のカーボンナノチューブフィルムでは、複数のカーボンナノチューブが一つの方向又は複数の方向に沿って、配向するように配列している。カーボンナノチューブフィルムは、ドローン構造カーボンナノチューブフィルム、プレシッド構造カーボンナノチューブフィルム又は綿毛構造カーボンナノチューブフィルムである。
【0030】
ドローン構造カーボンナノチューブフィルムは、超配列カーボンナノチューブアレイ(Superaligned array of carbon nanotubes,非特許文献1を参照)から引き出して得られ、自立構造を有したものである。カーボンナノチューブ層は、一層のドローン構造カーボンナノチューブフィルム又は二層以上のドローン構造カーボンナノチューブフィルムを含む。単一のドローン構造カーボンナノチューブフィルムにおいて、複数のカーボンナノチューブの大部分は、ドローン構造カーボンナノチューブフィルムの表面に平行に、ドローン構造カーボンナノチューブフィルムを引き出す方向に沿って、且つ、同じ方向に沿って配列されている。複数のカーボンナノチューブは、分子間力で端と端が接続されている。
【0031】
微視的には、ドローン構造カーボンナノチューブフィルムにおいて、同じ方向に沿って配列された複数のカーボンナノチューブ以外に、同じ方向に沿っておらずランダムな方向を向いたカーボンナノチューブも存在している。ここで、該ランダムな方向を向いたカーボンナノチューブは、同じ方向に沿って配列された複数のカーボンナノチューブと比べて、割合は小さい。
【0032】
図4及び図5を参照すると、単一のドローン構造カーボンナノチューブフィルムは、複数のカーボンナノチューブセグメント143を含む。複数のカーボンナノチューブセグメント143は、長さ方向に沿って分子間力で端と端が接続されている。それぞれのカーボンナノチューブセグメント143は、相互に平行に、分子間力で結合された複数のカーボンナノチューブ145を含む。カーボンナノチューブセグメント143は、任意の幅、厚さ、均一性及び形状を有する。ドローン構造カーボンナノチューブフィルムは、厚さが0.5ナノメートル~100マイクロメートルであり、その幅がドローン構造カーボンナノチューブフィルムを引き出して得た超配列カーボンナノチューブアレイのサイズと関係があり、長さが制限されない。ドローン構造カーボンナノチューブフィルム及びその製造方法は、特許文献1を参照されたい。
【0033】
カーボンナノチューブ層が二層以上のドローン構造カーボンナノチューブフィルムを含む場合、複数のドローン構造カーボンナノチューブフィルムが積層して設置され、又は並列して設置される。隣接するドローン構造カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブは、交差角度αを成し、交差角度αが0°~90°である(0°≦α≦90°)。複数のドローン構造カーボンナノチューブフィルムの間又は一枚のドローン構造カーボンナノチューブフィルムにおける隣接するカーボンナノチューブの間に間隔を有するので、カーボンナノチューブ層に複数の微孔が形成され、微孔の直径が10マイクロメートル以下である。
【0034】
綿毛構造カーボンナノチューブフィルム(flocculated carbon nanotube film)は、凝集法によって形成されたカーボンナノチューブフィルムである。綿毛構造カーボンナノチューブフィルムは、相互に絡み合い、均一に配列される複数のカーボンナノチューブを含む。カーボンナノチューブの長さは、10マイクロメートル以上であり、200マイクロメートル~900マイクロメートルであると好ましい。複数のカーボンナノチューブは、分子間力によって、相互に引き付け、絡み合い、カーボンナノチューブネット状に形成されている。綿毛構造カーボンナノチューブフィルムは、等方性を有する。綿毛構造カーボンナノチューブフィルムにおける複数のカーボンナノチューブが均一に分布され、ランダムに配列され、複数の微孔が形成されている。ここで、微孔の直径が10マイクロメートル以下になる。綿毛構造カーボンナノチューブフィルムの長さ及び幅が制限されない。図6を参照すると、綿毛構造カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブは、相互に絡み合って配置されるので、綿毛構造カーボンナノチューブフィルムは柔軟性に優れ、且つ自立構造を有するものであり、任意の形状に湾曲して形成させることができる。綿毛構造カーボンナノチューブフィルム及びその製造方法は、特許文献2を参照されたい。
【0035】
プレシッド構造カーボンナノチューブフィルム(pressed carbon nanotube film)は、押し器具を利用することにより、所定の圧力をかけてカーボンナノチューブアレイを押し、カーボンナノチューブアレイを圧力で倒すことにより形成された、シート状の自立構造を有するものである。プレシッド構造カーボンナノチューブフィルムは、等方的に配列されているか、所定の方向に沿って配列されているか、または、異なる複数の方向に沿って配列されている複数のカーボンナノチューブを含む。プレシッド構造カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブの配列方向は、押し器具の形状及びカーボンナノチューブアレイを押す方向により決められている。プレシッド構造カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブの一部が互いに積層して、且つ分子間力で引き付け、緊密に結合するので、プレシッド構造カーボンナノチューブフィルムは柔軟性に優れ、且つ自立構造を有するものであり、任意の形状に湾曲して形成させることができる。プレシッド構造カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブは、分子間力によって互いに引き付け、緊密に結合して、プレシッド構造カーボンナノチューブフィルムを自立構造にならせる。
【0036】
プレシッド構造カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブの傾斜の程度は、カーボンナノチューブアレイにかけた圧力に関係する。プレシッド構造カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブとカーボンナノチューブアレイが生長された基板の表面とは、角度βを成し、該角度βは0°以上15°以下である。角度βは、カーボンナノチューブアレイにかけた圧力に関係する、圧力が大きくなるほど、角度βが小さくなる。好ましくは、プレシッド構造カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブがカーボンナノチューブアレイの生長基板の表面に平行して配列する。カーボンナノチューブアレイを押す方式によって、プレシッド構造カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブが異なる配列方式を有する。同じ方向に沿って、カーボンナノチューブアレイを押す時に、カーボンナノチューブが一つの所定の方向に沿って、選択的な方向に配列されている。図7を参照すると、異なる方向に沿って、カーボンナノチューブアレイを押す時に、カーボンナノチューブが異なる方向に沿って、選択的な方向に配列されている。カーボンナノチューブアレイが成長された基板に垂直な方向に沿って、カーボンナノチューブアレイを押す場合、プレシッド構造カーボンナノチューブフィルムは、等方性を有する。プレシッド構造カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブの長さは、50マイクロメートル以上である。プレシッド構造カーボンナノチューブフィルムにおける隣接するカーボンナノチューブの間に間隔を有するので、プレシッド構造カーボンナノチューブフィルムに複数の微孔が形成される。ここで、微孔の直径が10マイクロメートル以下になる。プレシッド構造カーボンナノチューブフィルム及びその製造方法は、特許文献3を参照されたい。
【0037】
カーボンナノチューブ層が複数のカーボンナノチューブワイヤを含む場合、複数のカーボンナノチューブワイヤが平行して設置され、並べて設置され、交差して設置され、又は編まれて、二次元のカーボンナノチューブ層を形成することができる。図8は、交差して設置され複数のカーボンナノチューブワイヤ16からなるカーボンナノチューブ層である。図9は、編まれた複数のカーボンナノチューブワイヤ16からなるカーボンナノチューブ層である。また、図10を参照すると、カーボンナノチューブ層が一本のカーボンナノチューブワイヤ16を含む場合、該カーボンナノチューブワイヤ16が巻き付けられ、二次元のカーボンナノチューブ層を形成することができる。カーボンナノチューブワイヤ16は、非ねじれ状のカーボンナノチューブワイヤ又はねじれ状のカーボンナノチューブワイヤである。
【0038】
非ねじれ状のカーボンナノチューブワイヤは、ドローン構造カーボンナノチューブフィルムを、有機溶剤で処理して形成したものである。図11を参照すると、非ねじれ状のカーボンナノチューブワイヤは、その長手方向に沿って、配列し、端と端が接続された複数のカーボンナノチューブを含む。好ましくは、非ねじれ状のカーボンナノチューブワイヤは、分子間力によって、端と端とが接続された複数のカーボンナノチューブセグメント(図示せず)を含む。各々のカーボンナノチューブセグメントに、平行に配列され、分子間力によって緊密に接続された複数のカーボンナノチューブを含む。カーボンナノチューブセグメントは、任意の長さ、厚さ、均一性及び形状を有する。非ねじれ状のカーボンナノチューブワイヤの長さが制限されず、直径が0.5ナノメートル~100マイクロメートルである。
【0039】
ねじれ状のカーボンナノチューブワイヤは、機械外力でドローン構造カーボンナノチューブフィルムを処理して形成されたものである。具体的には、ドローン構造カーボンナノチューブフィルムの両端を異なる方向に沿って絞る。図12を参照すると、ねじれ状のカーボンナノチューブワイヤは、該カーボンナノチューブワイヤの中心軸を軸に、螺旋状に配列された複数のカーボンナノチューブを含む。ねじれ状のカーボンナノチューブワイヤは、分子間力で端と端とが接続された複数のカーボンナノチューブセグメント(図示せず)を含む。各々のカーボンナノチューブセグメントは、平行に配列され、分子間力によって緊密に接続された複数のカーボンナノチューブを含む。カーボンナノチューブセグメントは、任意の長さ、厚さ、均一性及び形状を有する。ねじれ状のカーボンナノチューブワイヤの長さが制限されず、直径が0.5ナノメートル~100マイクロメートルである。カーボンナノチューブワイヤ及びその製造方法は、特許文献4及び特許文献5を参照されたい。
【0040】
カーボンナノチューブ層は、可撓性層又は/及び可撓性多孔層よりも優れた可撓性を有する。カーボンナノチューブ層を機能層として、フレキシブルシートに応用される時、フレキシブルシートの可撓性は、機能層の設置によって低下することない。カーボンナノチューブ層の強度が強いので、フレキシブルシートを折り曲げても引っ張っても、カーボンナノチューブ層が破壊されない。
【0041】
各機能層は、一層のグラフェン層を含んでもよい。各機能層は、一層のグラフェン層のみを含んでもよい。グラフェン層は、積層して設置される多層のグラフェンを含み、或いは、グラフェン層は、単層のグラフェンであってもよい。グラフェンは、複数の6員環炭素原子からなるシート状構造体である。単層のグラフェンの面積が大きい場合、単層のグラフェンは、一層の機能層としてもよい。グラフェン層が複数層のグラフェンを含む場合、複数層のグラフェンが積層して設置され、グラフェン層が形成され、グラフェン層におけるグラフェンは、分子間力によって互いに接続される。グラフェン層におけるグラフェンの配列方式、互いに積層して設置しても、並列して設置しても、重なり合って設置してもよい。グラフェン層の厚さが100ナノメートル以下である。本実施例において、グラフェン層の厚さは、0.5ナノメートル~100ナノメートルである。グラフェン層の厚さは、単層のグラフェンの厚さ~1ミリメートルである。
【0042】
各々の機能層は、積層して設置されるグラフェン層とカーボンナノチューブ層からなるグラフェン複合材料層を含む。グラフェン層とカーボンナノチューブ層からなるグラフェン複合材料において、グラフェン層とカーボンナノチューブ層が積層して設置される。グラフェン層とカーボンナノチューブ層が分子間力によって結合される。
【0043】
グラフェン複合材料層は、多層のグラフェン及び複数のカーボンナノチューブが互いに混合して形成された複合構造である。グラフェン複合材料層が多層のグラフェン及び複数のカーボンナノチューブを含む時に、多層のグラフェン及び複数のカーボンナノチューブが均一的に混合して、分子間力によって結合される。グラフェン複合材料層は、多層のグラフェン及び複数のカーボンナノチューブを溶剤に分散して形成された混合溶液を基板に塗布することによって、形成される。
【0044】
グラフェン層又は/及びグラフェン複合材料層は、可撓性層又は/及び可撓性多孔層よりも優れた可撓性を有する。グラフェン層又は/及びグラフェン複合材料層を機能層として、フレキシブルシートに応用される時、フレキシブルシートの可撓性は、機能層の設置によって低下することない。グラフェン層又は/及びグラフェン複合材料層の強度が強いので、フレキシブルシートを折り曲げても引っ張っても、グラフェン層又は/及びグラフェン複合材料層が破壊されない。
【0045】
図13を参照すると、本発明の第二実施例は、可撓性治療装置20を提供する。可撓性治療装置20は、フレキシブルシート(図示せず)及びフレキシブルシート212を含む。フレキシブルシートは、可撓性層202、可撓性多孔層206、複数の機能層及び複数の電極208を含む。可撓性層202及び可撓性多孔層206が積層して設置される。複数の機能層は、第一区域に分布する複数の主機能層204a及び第二区域に分布する複数の副機能層204bを含み、可撓性層202と可撓性多孔層206との間に設置される。複数の主機能層204aが対称的に第一区域に分布する。各々の電極208がそれぞれ各一対の対称的に分布する主機能層204aと電気的に接続され、各々の副機能層204bが一つの電極208と電気的に接続される。本実施例において、主機能層204aが10個であり、10個の主機能層204aがフレキシブルシートの両側の頬位置に対称的に分布し、5個の電極208に対応する。第二区域に分布する複数の副機能層204bが3個であり、各一つの電極208がコントローラー212と電気的に接続される端部の位置によって、左から右に順序に番号1、2、3、4及び5を定義し、電極208の番号に対応して、各一対の対称的に設置された主機能層204aが上から下に順序に番号が1、2、3、4及び5である電極208と電気的に接続される。第二区域には、3個の副機能層204bは、上から下に番号が1、3及び5である電極208と電気的に接続され、隣接する二つの副機能層204bが電気的に接続された二つの電極208の番号の差が2である。
【0046】
本発明の第二実施例の可撓性治療装置20の他の性能及び構造が、第一実施例の可撓性治療装置20の性能及び構造と基本的に同じである。
【0047】
図14を参照すると、本発明は、さらに可撓性治療装置の使用方法を提供する。もちろん、可撓性治療装置の使用方法は、可撓性治療装置の作動方法でもある。可撓性治療装置の使用方法は、以下のステップを含む。
【0048】
ステップ一:可撓性治療装置を提供する。
【0049】
ステップ二:可撓性治療装置のフレキシブルシートを人間の皮膚に取り付ける。
【0050】
ステップ三:コントローラーの電源を入れ、コントローラーの機能ボタンを選択し、フレキシブルシートに電圧を印加して、電流を生成し、人間の皮膚を刺激する。
【0051】
ステップ一において、可撓性治療装置は、上記の実施例から提供する可撓性治療装置10又は20である。
【0052】
ステップ二において、可撓性治療装置のフレキシブルシートを人間の皮膚に取り付ける前に、更に液体にフレキシブルシートを浸漬する。液体は、薬液又は他の人体に役立つ液体である。
【0053】
ステップ三において、コントローラーには、フレキシブルシートを制御するための複数の機能ボタンが設置される。各機能ボタンは、フレキシブルシート内部の機能層を制御して、異なる機能を実現するために、電流の大きさ、電流の周波数、入力電流の位置などを制御できる。機能によって、コントローラーの機能ボタンが主機能層を制御するための制御ボタン、副機能層を制御するための制御ボタン、及び同時に主機能層及び副機能層を制御するためのボタンを含む。フレキシブルシートは、コントローラーと可動接続することができる。フレキシブルシートは、可撓性層及び可撓性多孔層の窓位置に接続口を取り置き、コントローラーは接続口によって、フレキシブルシートに接続される。フレキシブルシート100は、必要に応じて交換することができる。フレキシブルシート100は、再使用を達成するために洗浄することもできる。
【0054】
各一つの電極が一対の主機能層と電気的に接続され、電圧を印加するごとに、番号が隣接する二つの電極の間に電圧を印加することである。応用する時に、1及び2、2及び3、3及び4、……K-1及びKの方式で二つの電極の間に電圧を循環するように印加するので、各二つの電極が対応する2対主機能層に循環するように電圧を印加する。従って、二つの電極、2対主機能層、2対主機能層における、フレキシブルシートの同一側に位置する二つの主機能層の間の人体皮膚及びコントローラーが回路を形成し、回路に電流が流れ、電流が2対主機能層における、フレキシブルシートの同一側に位置する二つの主機能層の間のユーザーの人体の皮膚を刺激する。各一対の電極は、しばらく電圧を印加した後、しばらく電圧を印加しないで、次に他対の電極に電圧を印加する。各対電極の循環時間は、電圧を印加する時間及び電圧を印加しない時間の合計である。電圧を印加する電圧がニーズに応じて設置することができる。好ましくは、電圧を印加する時、番号が隣接する二つの電極の間の電圧が20V~36Vであり、電圧の周波数が50Khz~100Khzである。従って、順次又は選択的に番号が隣接する二つの電極108に電圧を印加し、順次にユーザーの第一区域の異なる位置の皮膚を刺激し、或いは選択的にユーザーの第一区域の異なる位置の皮膚を刺激するようになる。
【0055】
コントローラーも、番号が隣接しない二つの電極の間に電圧を印加してもよく、この二つの電極の番号xとyの差が2以上である場合、この二つの電極が対応する2対の主機能層は、フレキシブルシートの同一側に少なくとも一つの主機能層を有する。二つの電極、2対主機能層、2対主機能層における、フレキシブルシートの同一側に位置する二つの主機能層の間のユーザーの皮膚及びコントローラーが回路を形成しても、2対主機能層はフレキシブルシートの同一側に位置する二つの主機能層同士の間の距離が遠く、フレキシブルシートの同一側に位置する二つの主機能層の間の人体皮膚の抵抗が大きいので、形成された電流が非常に小さく、ユーザーがほとんど感覚はない。
【0056】
他方、番号がx及びyである二つの電極がそれぞれ一つの副機能層に接続される場合、この二つの電極に電圧を印加すると、二つの電極、二つの副機能層、二つの副機能層の間の人体皮膚及びコントローラーの間に回路を形成し、電流を生成する。電気的に接続された二つの副機能層の位置が隣接するので、電流の値は比較的大きく、二つの副機能層の間の人体皮膚を刺激することができ、即ち、第二区域の皮膚を刺激することができる。従って、コントローラーが、番号が隣接しない二つの電極の間に電圧を印加することを選択した場合、主機能層の間の皮膚を刺激しないが、番号が隣接しない二つの電極に対応する副機能層が対応する人体の皮膚を刺激することができる。
【0057】
第一実施例の可撓性治療装置を例として説明する。図2を参照すると、フレキシブルシート100における四対の機能層の番号が図2に示す。コントローラーの機能ボタンを押すと、1及び2、2及び3、3及び4、4及び5の順序によって循環して、各対の電極108によって、機能層104の間に電圧を印加して、電流を生成し、電流によって循環するように皮膚を刺激する。本実施例において、0.2sを一つのサイクルとして、0.1s間電源オンして、0.1s間電源オフして、このように循環する。各対の電極108の合計通電時間が1sであり、合計停留時間が1sである。電源オンする0.1s間で、電極108の電圧が20V~36Vで調節して、周波数が90Khzである。
【0058】
本発明の一態様から提供される可撓性治療装置及びその使用方法は、以下の利点を有する。第一に、手で支えることなく、ユーザーの手を解放して、人間の人体に直接に取り付けることができる。第二に、コントローラーが回路を制御することによって、選択的に人体の皮膚を刺激し、刺激を必要とする位置をより正確に選択でき、人体の非対称性を引き起こすことがない。第三に、カーボンナノチューブ層を機能層として、カーボンナノチューブ層は可撓性層又は/及び可撓性多孔層よりもより優れた可撓性を有するので、フレキシブルシートの可撓性は、機能層の設置によって低下することなく、フレキシブルシートは、人間の人体によりよく取り付けることができ、ユーザーの快適性が優れる。第四に、カーボンナノチューブ層を機能層として、カーボンナノチューブ層の強度が強いので、フレキシブルシートを折り曲げても引っ張っても洗浄しても、カーボンナノチューブ層が破壊されない。従って、フレキシブルシートの使用寿命が長くなり、更に可撓性治療装置の使用寿命も長くなる。
【0059】
また、当業者であれば、本発明の精神の範囲内で他の変更を行うことができる。もちろん、本発明の精神に従ってなされたこれらの変更は、いずれも本発明の保護請求する範囲に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0060】
10、20 可撓性治療装置
100 フレキシブルシート
102、202 可撓性層
104a、204a 主機能層
104b、204b 副機能層
106、206 可撓性多孔層
108、208 電極
110、210 窓
112、212 コントローラー
114 連接線
143 カーボンナノチューブセグメント
145 カーボンナノチューブ
16 カーボンナノチューブワイヤ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14