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特許7159294レートベースのオートパイロットのためのGバイアス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-14
(45)【発行日】2022-10-24
(54)【発明の名称】レートベースのオートパイロットのためのGバイアス
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/12 20060101AFI20221017BHJP
   F41G 7/00 20060101ALI20221017BHJP
   G05D 1/10 20060101ALI20221017BHJP
【FI】
G05D1/12 H
F41G7/00
G05D1/10
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020509027
(86)(22)【出願日】2017-08-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-05
(86)【国際出願番号】 US2017047276
(87)【国際公開番号】W WO2019035834
(87)【国際公開日】2019-02-21
【審査請求日】2020-03-18
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519100985
【氏名又は名称】ビーエイイー・システムズ・インフォメーション・アンド・エレクトロニック・システムズ・インテグレイション・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ショア、デイビッド・ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ギブソン、ジェレミー・ビー.
(72)【発明者】
【氏名】ステーンソン、ジュニア.・ジェームス・エイチ.
【審査官】松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-121293(JP,A)
【文献】特開2000-55591(JP,A)
【文献】米国特許第6578791(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0172200(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/12
F41G 7/00
G05D 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発射体の誘導及び制御オートパイロットシステム(870)への入力を取得すること、ここで、前記入力は、重力に対するロール配向(705)と、前記発射体の速度の推定値(710)とを備えるものであり、ここで、重力に対する前記ロール配向は前記発射体の重力方向をロール軸とした時のロール角であり、前記発射体の横加速度に基づいて決定される、と、
前記誘導及び制御オートパイロットシステム(870)の少なくとも1つのプロセッサに前記入力を提供することと、
追加の重力バイアス(Gバイアス)(725)を固有のGバイアス(715)に印加する(730)こと、ここで、前記固有のGバイアスは前記発射体に固有の重力方向加速度である、ここで、所望されるGバイアスは、前記追加のGバイアスと前記固有のGバイアスから成る、と、
前記誘導及び制御オートパイロットシステム(870)の前記少なくとも1つのプロセッサによって総レート指令(735)を決定すること、ここで、前記総レート指令は追加のレート指令であり、ここで、前記追加のレート指令は、前記追加のGバイアスを前記発射体の前記速度の前記推定値(710)で除算することによって決定されるものであり、と、
を備える発射体の軌道を形成するための方法であって、
前記誘導及び制御オートパイロットシステム(870)は、前記誘導及び制御オートパイロットシステム(870)の前記総レート指令を使用して前記発射体を標的(740)に誘導するように構成される、方法。
【請求項2】
前記所望されるGバイアス(720)を決定することと、
前記追加のGバイアス(725)を決定することと
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
【数1】
であって、ここにおいて、
【数2】
は、横制御ループによって使用するための前記追加のレート指令(735)であり、amは、前記発射体の追加の横加速度の推定値であり、Vmは、前記発射体の前記速度の前記推定値(710)であり、及びGバイアスは、前記追加のGバイアス(725)を備える、請求項1~2のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
前記誘導及び制御オートパイロットシステムは、加速度計を備えず、これによって、前記発射体の複雑性及びコストが低減される、請求項1~3のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記所望されるGバイアスは、シーカーレーザー補足後に前記軌道をロフトする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
発射体の軌道を形成するための装置であって、
発射体の誘導及び制御オートパイロットシステム(870)への入力を取得する手段、ここで、前記入力は、重力に対するロール配向(705)と、前記発射体の速度の推定値(710)とを備えるものであり、ここで、重力に対する前記ロール配向は前記発射体の重力方向をロール軸とした時のロール角であり、前記発射体の横加速度に基づいて決定される、と、
前記誘導及び制御オートパイロットシステム(870)の少なくとも1つのプロセッサに前記入力を提供する手段と、
追加の重力バイアス(Gバイアス)(725)を固有のGバイアス(715)に印加する(730)手段、ここで、前記固有のGバイアスは前記発射体に固有の重力方向加速度である、ここで、所望されるGバイアスは、前記追加のGバイアスと前記固有のGバイアスから成る、と、
前記誘導及び制御オートパイロットシステム(870)の前記少なくとも1つのプロセッサによって総レート指令(735)を決定する手段、ここで、前記総レート指令は追加のレート指令であり、ここで、前記追加のレート指令は、前記追加のGバイアスを前記発射体の前記速度の前記推定値(710)で除算することによって決定されるものであり、と、
を備え、
前記誘導及び制御オートパイロットシステム(870)は、前記誘導及び制御オートパイロットシステム(870)の前記総レート指令を使用して前記発射体を標的(740)に誘導するように構成される、装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本願は、2017年1月5日に出願され、「DETERMINATION OF GUIDED-MUNITION ROLL ORIENTATION」と題されたPCT出願第PCT/US2017/012290号(代理人整理番号第15-3479-PCT号)と、2017年4月10日に出願され、「DYNAMIC AUTOPILOT」と題されたPCT出願第PCT/US2017/026775号(代理人整理番号第15-3482-PCT号)とに関し、それらの各々は、全ての目的のためにその全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002]本願は、発射体誘導のための、及びより具体的には、誘導発射体の軌道を形成するための、システム、方法、及びデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]ドローン、航空機、及び軍用ビークルのような機動資産用の標的捕捉プラットフォームがいくつか存在する。一例では、標的は、軍事目標であり、及び誘導弾、ロケット、又はミサイルは、標的に向けて機動防御資産から放たれる。実施形態では、誘導発射体は、誘導弾、ロケット、ミサイル、砲弾、滑空弾、又は誘導爆弾であることができる。ロケットは、ロケットエンジンから推力を得る発射体/ビークルである。ミサイルは、自走精密誘導弾システムである。誘導弾は、標的の何らかの初期推定値を有し得るが、誘導弾を標的のロケーションに正確に導くために他のメカニズムを使用する。送り込まれた誘導弾は衝突により破壊されることから、一度しか使用できないために、正確だが低コストの誘導システムを提供したいという強い要望が存在する。標的設定の正確度の増大を求める強い動機が存在する。これは、特に閉鎖的なエリアにおいて、巻き添え被害を低減することができる。この正確度を達成するための軌道制御の成分は、重力バイアス、即ちGバイアスである。重力は、重力のない場合の軌道と比較して、軌道を下向きに修正することによって、発射体の誘導に影響する。Gバイアスは、重力の影響を補償する。
【0004】
[0004]現在の設計のレートベースのオートパイロットは、「上及び下」の配向の知識がなくとも、0.7~0.9の固有のGバイアスをもたらす、簡略化された形態のGバイアスを有する。固有のGバイアスは、重力に起因する加速度を部分的に補正する。現在の方法の固有のGバイアスが1.0未満であることから、より長い距離の結果として生じる軌道は非常に平坦であり、及びいくつかのケースでは、実際には終盤において引き上がり、標的の何十メートルも手前の地上わずか数フィートを掠め飛ぶ。最終結果は、終端誘導中における非常に低く且つ平坦な軌道、及び終盤における機体に関する高揚力要求である。いくつかのケースでは、低く平坦な軌道形状は、標的より手前での地上衝突、弾頭の点火失敗及び信管の誤動作、至近弾の地上衝突の近接に起因する低減された弾頭の有効性、及び低減された最大射程をもたらす。軌道を形成するためのこれらの以前の試みは、比較的低い比例航法ゲインで操作することによって主として達成された。低航法ゲインは、ロケットが、交戦の前半においてより高く留まり、及び慣性照準線(ILOS)レート誤差が増大したときに飛行の後半において標的上に引き下がることを可能にした。その方法は、オートパイロットに利用可能なデータを考慮すると多少は効果的であった。
【0005】
[0005]必要なのは、短距離及び中距離標的と交戦するとき、命中確率を増大させるとき、平均誤差半径(CEP)を低減するとき、及び弾頭の精度を増大させるために終端飛行経路角を増大させるときに、悪影響を与えることなしに、最大射程能力を実質的に拡張し、並びに終端飛行経路角を改善するために、誘導及び制御軌道を再形成するための技法である。
【発明の概要】
【0006】
[0006]所望されるGバイアスは、2つの用語、固有のGバイアスと追加のGバイアスとから成る。固有のGバイアスは、横制御ループのヌルレート指令によって生み出される固有の垂直加速度レベルである。追加のGバイアスは、軌道形成のために加算されるバイアスである。実施形態は、発射体の軌道を形成するための方法であって、発射体の誘導及び制御オートパイロットシステム(870)への入力を取得すること、ここにおいて、入力は、重力に対するロール配向(705)と、発射体の速度の推定値(710)とを備える、と、誘導及び制御オートパイロットシステム(870)の少なくとも1つのプロセッサに入力を提供することと、 追加の重力バイアス(Gバイアス)を固有のGバイアス(715)に印加する(730)ことと、 誘導及び制御オートパイロットシステム(870)の少なくとも1つのプロセッサによって総レート指令(735)を決定すること、ここにおいて、追加のレート指令は、追加のGバイアス(725)を発射体の速度の推定値(710)で除算することによって決定される、と、 これによって、誘導及び制御オートパイロットシステム(870)は、誘導及び制御オートパイロットシステム(870)の総レート指令を使用して発射体を標的(740)に誘導するように構成される、 を備える方法を提供する。実施形態は、誘導及び制御オートパイロットシステム(870)のヌル誘導及び制御横レート制御ループによって生み出される固有のGバイアス量(715)を決定することを備える。他の実施形態は、所望されるGバイアス量(720)を決定することと、追加のGバイアス量(725)を決定することとを備える。後続の実施形態では、
【0007】
【数1】
【0008】
ここにおいて、
【0009】
【数2】
【0010】
は、横制御ループによって使用するための追加のレート指令(735)を備え、amは、発射体の追加の横加速度の推定値を備え、Vmは、発射体の速度の推定値(710)を備え、及びGバイアスは、追加のGバイアス(725)を備える。追加の実施形態では、重力に対するロール慣性誘導座標系の配向は、追加のGバイアスをピッチ及びヨー制御ループへと区分化するために利用される。別の実施形態では、誘導及び制御オートパイロットシステムは、加速度計を備えず、これによって、発射体の複雑性及びコストが低減される。後の実施形態では、追加のGバイアスの大きさは、終盤においてほぼ0Gの機体を生み出すために、誘導誤差と軌道ロフティングとのバランスを取る。後続の実施形態では、追加のGバイアスは、シーカーレーザー補足後に軌道をロフトする。追加の実施形態では、機体の終端横G要求は、弾道、ほぼ0Gであり、及び残留機体横Gは、他の終盤誘導誤差を吸収するために利用可能であり、他の終盤誘導誤差は、重力に対してランダム配向を有するレートセンサ誤差及びシーカー誤差を備える。
【0011】
[0007]別の実施形態は、発射体の軌道を形成するためのシステムであって、誘導及び制御オートパイロット(870)と、 誘導及び制御オートパイロット(870)の少なくとも1つのプロセッサとを備え、 少なくとも1つのプロセッサは、 重力に対するロール配向(705)と、発射体の速度の推定値(710)とを処理することと、 誘導及び制御オートパイロット(870)のヌル誘導及び制御横レート制御ループによって生み出される固有のGバイアス量(715)を決定することと、 所望されるGバイアス量(720)を決定することと、 追加のGバイアス量(725)を決定することと、 追加のGバイアスを固有のGバイアス(715)に印加する(730)ことと、 誘導及び制御オートパイロットシステム(870)の少なくとも1つのプロセッサによって総レート指令(735)を決定すること、ここにおいて、総レート指令は、追加のGバイアスを発射体の速度の推定値(710)で除算することによって決定される、と、 誘導及び制御オートパイロットからの総レート指令を使用して発射体を標的(740)に誘導することと を行うプログラムを実行するシステムを提供する。含まれる実施形態では、誘導及び制御オートパイロット(870)は、横加速度センサ(875)と、 横旋回レートセンサ(880)と、 速度センサ(885)と、 配向決定システム(890)、ここにおいて、配向決定システム(890)は、横加速度センサ(875)と、横旋回レートセンサ(880)と、速度センサ(885)とからの入力を受信する、と を備える。また更なる実施形態では、ロール配向(705)は、発射後に入力される。関連する実施形態では、
【0012】
【数3】
【0013】
ここにおいて、
【0014】
【数4】
【0015】
は、横制御ループによって使用するための追加のレート指令(735)を備え、amは、発射体の追加の横加速度の推定値を備え、Vmは、発射体の速度の推定値(710)を備え、及びGバイアスは、追加のGバイアス(725)を備える。更なる実施形態では、重力に対するロール配向(705)の決定は、磁力計を備える。次の実施形態では、重力に対するロール配向(705)の決定は、初期化された慣性測定ユニット(IMU)を備える。また更なる実施形態では、誘導及び制御オートパイロット(870)のセンサは、レートセンサのみを備える。更なる実施形態では、誘導及び制御オートパイロット(870)は、シーカを備える。続く実施形態では、誘導及び制御オートパイロットは、角度レートベースのオートパイロットである。追加の実施形態では、システムは、加速度計を備えず、これによって、発射体の複雑性及びコストが低減される。
【0016】
[0008]また更なる実施形態は、発射体の軌道を形成するための誘導及び制御オートパイロットデバイスであって、フィードフォワードセクションと、 誘導フィルタ(216)と、 ピッチ/ヨー/ロールが結合された空気力学部(234)と、 フィードフォワードセクションと、 ピッチレートセンサと を備え、ここにおいて、プロセッサが、発射体の速度の推定値(710)で除算された追加のGバイアス(725)に等しい総レート指令(735)を決定し、重力に対するロール配向(705)を組み込み、これによって、誘導及び制御オートパイロットデバイスは、発射体を標的に誘導するように構成される、誘導及び制御オートパイロットデバイスを提供する。
【0017】
[0009]本明細書に説明される特徴及び利点は、包括的ではなく、特に、多くの追加の特徴及び利点は、図面、明細書、及び特許請求の範囲を踏まえれば当業者にとって明らかとなるであろう。その上、本明細書において使用される言語は、主に可読性及び教示を目的として、及び本発明の主題の範囲を限定しないために、選択されていることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態に従って構成された軌道を図示する。
図2】実施形態に従って構成されたシステムコンポーネントの図である。
図3】実施形態に従って構成されたGバイアスあり及びなしの命中確率(Phit)を示す軌道形状を例示する。
図4】実施形態に従って構成されたGバイアスあり及びなしの終端軌道を例示する。
図5】実施形態に従って構成されたGバイアスあり及びなしの終端飛行経路角を例示する。
図6】実施形態に従って構成されたGバイアスあり及びなしの終端ピッチ角を例示する。
図7】実施形態に従って構成された発射体軌道を形成するための方法についてのフローチャートである。
図8】実施形態に従って構成されたロケット配向の決定のための方法を例示するフローチャートである。
【0019】
[0018]本実施形態のこれらの及び他の特徴は、本明細書に説明される図面と併せて、以下の詳細な説明を読むことによってより良く理解されるであろう。添付の図面は、原寸通りに描かれることを意図されているわけではない。明確さを目的として、全てのコンポーネントが全ての図面においてラベル付けされ得るわけではない。
【詳細な説明】
【0020】
[0019]本明細書に説明される特徴及び利点は、包括的ではなく、特に、多くの追加の特徴及び利点は、図面、明細書、及び特許請求の範囲を踏まえれば当業者にとって明らかとなるであろう。その上、本明細書において使用される言語は、主に可読性及び教示を目的として、及び本発明の主題の範囲をいかなる形においても限定しないために、選択されていることに留意されたい。本発明は、多くの実施形態が可能である。以下は、例示的であるが、網羅的ではない本発明の範囲である。
【0021】
[0020]実施形態は、垂直方向の小Gバイアスでレートループアーキテクチャを増強する。実施形態は、重量に対するロール配向の入力を含む。実施形態では、重力に対するロール配向を決定するための能力は、射程、命中確率、及び弾頭の好結果を増大させるために垂直軌道を再形成するより一層直接的且つ効果的な方法を提供する。
【0022】
[0021]利点は、短距離及び中距離標的に対するいかなる悪影響も伴わない最大有効射程の大幅な増大を含む。飛行経路角及びロケットピッチ角が実質的に改善され、より一層高い命中確率、水平標的に対する改善された信管機能、及び至近弾についてのより一層近い地上衝突を提供し、より長い距離の標的についてのより一層高い弾頭の正確度及び有効性をもたらす。
【0023】
[0022]実施形態は、あらゆるレートベースのオートパイロット設計に対して軌道形成及び性能改善を提供する。
【0024】
[0023]図1は、軌道100を図示している。標準軌道105が、改善された軌道110と比較される。より長い距離の標準軌道105は、非常に平坦であり、及び多くの場合、実際には終盤において引き上がり、標的の何十メートルも手前の地上わずか数フィートを掠め飛ぶ。最終結果は、終端誘導中における非常に低く且つ平坦な軌道、及び終盤における機体に対する高揚力要求である。多くの場合、低く平坦な軌道形状は、標的より手前での地上衝突、弾頭の点火失敗及び信管の誤動作、至近弾の地上衝突115の近接に起因する低減された弾頭の有効性、及び形成された軌道120と比較して有意に低減された最大射程をもたらす。
【0025】
[0024]実施形態では、Gバイアスが、誘導ロケット軌道を形成するために加算される。導入される総レートバイアスは、誘導及び制御横制御ループのヌルレート指令によって生み出される固有のレベルより好まれる追加の垂直Gに基づいて決定される。1.0未満のGバイアス値が、下落した軌道、貧弱な飛行経路角、標的より手前での地上衝突、及び低減された正確度をもたらす可能性がある。実施形態では、目的は、固有の低Gバイアスを1.0以上に強めるために、追加のGバイアスを加算することである。追加のGバイアスは、以下の通りに横制御ループによって使用するためのレート指令に変換され、ここで、
【0026】
【数5】
【0027】
は、横制御ループによって使用するための追加のレート指令(735)であり、amは、発射体の追加の加速度の推定値であり、Vmは、発射体の速度の推定値(710)であり、及びGバイアスは、追加のGバイアス(725)である。
【0028】
【数6】
【0029】
[0025]機体に導入される総レート指令は、誘導ループ指令と組み合わされたミサイル速度の推定値Vmで除算された追加のGバイアスに等しい。追加のGバイアスによって生み出される典型的な旋回レート指令は、毎秒1度未満であるが(即ち、(0.4Gs*9.81)/(300m/s)=>0.75度/秒)、軌道形成に対して劇的な効果を有する。ロケットの(重力の方向に対する)ロール配向は、未知である。重力に対するロケットの配向は、バイアスをピッチ及びヨー制御ループへと区分化するために利用される。実施形態では、機体旋回レート指令のGバイアス成分は、機体用の総旋回レート指令を生み出すために、誘導指令を加算される。
【0030】
[0026]図2は、実施形態用の誘導及び制御オートパイロットシステム200の機能的モジュールコンポーネントを例示している。システムは、スイッチ212に至る加算器210への入力λp208を備える。スイッチ212は、入力を慣性照準線(ILOS)角モジュール214に提供し、それは、入力λを誘導フィルタGg(S)216に提供し、それは、入力を加算器218に提供する。誘導フィルタ216はまた、入力Mn(t)216A及びWSNR216Bを有する。加算器218は、入力をスイッチ220に提供し、それは、入力をAPモジュール222に提供し、それは、入力Mn(t)224を有する。APモジュール222は、入力を制御アクチュエーションシステム(CAS)モジュール226に提供し、それは、入力をエアロモジュールフィードフォワードセクション228に提供する。エアロモジュール228は、横レート出力q230を提供し、それは、入力を横レートセンサ234に提供し、それは、測定された横レート236をオートパイロットに提供する。レートセンサ出力はまた、積分器1/S238に入力され、及びILOS角モジュール214によって利用される。1/S238は、入力θを加算器210に提供し戻す。レートセンサフィードバックセクション234は、入力をスイッチ236及び1/S238に提供する。スイッチ236は、入力を加算器218に提供する。1/S238は、θSen入力をILOS角モジュール214に提供する。加算器218は、式1 240からの結果をインプリメントする。
【0031】
【数7】
【0032】
であって、ここで、
【0033】
【数8】
【0034】
=横制御ループによって使用するための追加のレート指令であり、am=ミサイルの追加の横加速度であり、Vm=ミサイルの速度の推定値(710)であり、及びGバイアス=追加のGバイアス(725)である。
【0035】
[0027]図3は、Gバイアスあり及びなしの終端正確度を示す軌道形状300を図示している。最適なGバイアスの大きさは、終盤においてほぼ0Gの機体を生み出すために、誘導誤差と軌道ロフティングとのバランスを取り、最大射程を実質的に増大させ、及び終端飛行経路角を改善する。Gバイアスの効果は、軌道形状において見られることができる。軌道は、0~6000メートルのダウンレンジにわたる地上0~350メートルの高度として図示されている。「Gバイアスあり」は、曲線305によって示されており、高い終端正確度を有する。Gバイアスなしのメートル単位の地上の軌道高度は、曲線310によって示されており、貧弱な終端正確度を有する。実施形態では、正確度は、約15パーセントから約90パーセントに改善された。
【0036】
[0028]図4は、終端飛行経路400を例示しており、図3の詳細を図示している。曲線は、Gバイアスあり405及びGバイアスなし410のシミュレーション結果を示している。これらの曲線は、高度0~250メートルで5000~6000メートル(標的位置)までの図3の詳細をより明確に図示している。
【0037】
[0029]図5は、第1の動き500からの0~30秒時にわたる-25~+15度間の終端垂直飛行経路角を図示している。図5は、終端飛行経路角もまた、図3及び4に示されている軌道形状に見られるように、Gバイアスありだとより一層急勾配であることを示している。曲線は、Gバイアスあり505ではおおよそ-18度で、及びGバイアスなし510ではおおよそ-7.5度で、角度を示している。より急勾配の飛行経路角(Gバイアスあり)は、少なくとも2つの理由により、標的設定の有効性に極めて役立つ。第1に、終端正確度が、より低い機体機動性のニーズに起因してより一層高く、及び第2に、至近弾の地上着弾範囲が終端飛行経路角を2倍以上にすることによって実質的に低減されるためである。
【0038】
[0030]図6は、第1の動き600からの0~30秒時にわたる-30~+15度間の終端ピッチ角を示している。曲線は、Gバイアスあり605ではおおよそ-20.3度で、及びGバイアスなし610ではおおよそ-4.4度で、角度を図示している。図6は、ロケットの終端ピッチ角もまた、上記の軌道形状に見られるように、より一層急勾配であること、及びここでのロケットピッチ角を示している。より急勾配のピッチ角は、水平の標的に向かって発射するとき、又は標的の非常に近くに地上衝突するときに、ロケットの先端における信管が最初に当たり、且つ正しく機能することを確実にするのに重要である。
【0039】
[0031]より長い距離における正確度の実質的な増大は、軌道形成に起因する機体に関する機動要求における大幅な低減によって主として引き起こされる。比例航法誘導指令が弾道軌道に類似したレートで機体を標的へと引き下げることができるように、シーカーレーザー補足後に軌道をロフトするGバイアスが選択されている。Gバイアスの追加の前に必要とされる終端誘導垂直Gは、おおよそ1G以上であったが、Gバイアスありでは、機体の終端横G要求は、ほぼ0G(弾道)である。結果として、残留機体横G能力が、重力に対してランダム配向を有するレートセンサ誤差及びシーカー誤差のような他の終盤誘導誤差を吸収するために利用可能である。
【0040】
[0032]図7は、誘導及び制御オートパイロットにおいて発射体の軌道を形成するための方法のステップを図示するフローチャート700である。ステップは、重力に対するロール配向705を決定することと、 発射体の速度の推定値710を決定することと、 誘導及び制御オートパイロットのヌル誘導及び制御横レート制御ループによって生み出される固有のGバイアス値715を決定することと、 所望されるGバイアス値720を決定することと、 追加のGバイアス値725を決定することと、 追加のGバイアス値725を固有のGバイアス715に印加する730ことと、 総レート指令735を決定すること、ここで、総レート指令は、所望されるGバイアスを発射体速度の推定値で除算することによって決定される、と、 発射体を標的740に誘導することと を備える。実施形態では、追加のGバイアス量は、調査を通じて最適化/決定され、及び所望される軌道効果、例えば、高高度UAV応用にあるように、重力単独によって達成されるより積極的に地上に向かって旋回する又は軌道をロフティングすること、を達成するために選択される。このコンテクストにおける機体の固有のGバイアスは、横レートコントローラ及びヌルレート指令入力を有する機体によって展開される平均垂直Gである。結果として生じる固有のGバイアスは、機体の減速に伴う迎え角の増大及び横レート制御ループの有限剛性に起因して、通常1.0G未満である。固有のGバイアス(715)は、モデリング及びシミュレーション技法で決定され得、及び飛行経路角(及び迎え角の時間履歴及び関連する速度)、横制御ループ剛性の関数である。所望されるGバイアス(720)は、モデリング及びシミュレーションによって決定され、及び標的衝突の前の最終秒の間にほぼ0.0の機体G負荷をもたらすために選択される。所望されるGバイアスを決定するための1つの方法は、増強比例航法のインプリメンテーションである。追加のGバイアス(725)を決定するための方法は、所望されるGバイアスから固有のGバイアスを減算することである(追加のGバイアス=所望されるGバイアス-固有のGバイアス)。追加のGバイアスは、各横軸における所望される追加のGバイアスを速度推定値で除算することによって横レート指令に変換される(730)。各横レート制御ループについての結果は、各横レート制御ループについての誘導指令入力に直接加算されることができる角度レート指令である。
【0041】
[0033]図8は、本開示の実施形態に従った、ロケット配向の決定のための実例的な方法800を例示するフローチャートである。見られることができるように、実例的な方法800は、いくつかのフェーズ及びサブプロセスを含み、それらのシーケンスは、実施形態ごとに異なり得る。しかしながら、全体として考慮すると、これらのフェーズ及びサブプロセスは、本明細書に開示されるある特定の実施形態に従った自動ロケット配向決定のためのプロセスを形成する。実施形態は、例えば、様々な度合いの積分を含み得、ここにおいて、複数の機能が、1つのシステムによって効果的に実行される。例えば、代替の実施形態では、単一のモジュールが、方法800の機能のうちの全てを実行するために使用されることができる。このことから、他の実施形態は、インプリメンテーションの粒度に依存して、より少ない又はより多いモジュール及び/又はサブモジュールを有し得る。この開示を踏まえて、数多くの変形及び代替の構成が明らかとなるであろう。図8に例示されているように、一実施形態では、ロケットロール配向決定のための方法800は、動作810において、例えば、ロケットの発射と衝突との間に複数回、ロケットの横加速度ベクトル測定値及び速度ベクトル測定値(又は記憶された速度プロファイルからの読み取り)を取得することによって始まる。いくつかの実施形態では、横加速度ベクトル測定値は、第1の横加速度センサによって提供されるデータと第2の横加速度センサによって提供されるデータとのベクトル和として算出され、ここにおいて、第2のセンサは、第1のセンサによって測定されるものに直交の方向の横加速度を測定する。(いくつかの実施形態では、直交性は、横加速度ベクトルの大きさ及び方向が確立されることができる限り、特に必要とされるわけではないことに留意されたい。)そうでない場合は、従って、実施形態では、これは、横加速度センサ875及び速度センサ885(又は速度プロファイル)から算出される815。動作820において、横加速度ベクトル測定値対速度ベクトル測定値の比が、ロケットの推定される旋回レートを生成するために算出される。実施形態では、これは、配向決定システム890中のベクトル除算回路において算出される825。従って、実施形態では、横加速度センサ875は、加速度計を有さない。次に、動作830において、推定される旋回レートが、第1のタイプの予測される姿勢変更を生成するために、ロケットの飛行に関連付けられた時間期間にわたって積分される。実施形態では、これは、配向決定システム890中の時間積分回路において算出される835。動作840において、ロケットの横旋回レートベクトル測定値が、例えば、ロケットの発射と衝突との間に複数回取得される。いくつかの実施形態では、横旋回レートベクトル測定値は、これもまた配向決定システム890中の、第1の横旋回レートセンサによって提供されるデータと第2の横旋回レートセンサ(両方とも880)によって提供されるデータとのベクトル和として算出される845。第2のセンサは、第1のセンサによって測定されるものに直交の方向の旋回レートを測定する。動作850において、横旋回レートベクトル測定値が、第2のタイプの予測される姿勢変更を生成するために、ロケットの飛行に関連付けられた時間期間にわたって積分される。実施形態では、これは、配向決定システム890中の第2の時間積分回路において算出される855。動作860において、重力方向ベクトルが、第1のタイプの予測される姿勢変更と第2のタイプの予測される姿勢変更との間の差異に基づいて算出される。実施形態では、これは、配向決定システム890中のベクトル減算回路において算出される865。いくつかの実施形態では、地上指示配向角がその後、重力方向ベクトルに基づいて算出され得る。ロケット配向が知られると、その配向は、フローチャート図7、ステップ705に前述されたように、誘導及び制御システムに提供され、及び軌道形成と、地上に向かってロケットを旋回する及び/又は意図される標的への誘導弾の終端飛行経路角を制御するといったような、ロケット機動の実行とのために使用されることができる。加えて、そのような機動は、ロケットの最大射程を拡張するために、ロケットの垂直軌道の形成を可能にし得る。実施形態では、その方法は、横加速度センサ875、横旋回レートセンサ880、及び速度センサ885を備える誘導及び制御(G&C)システム870において実行され、各々は、配向決定システム890に入力を提供する。
【0042】
[0034]システム及び/又は方法に関して本明細書に上述された動作又は機能を実行(又は制御)するための重力バイアスを用いて発射体の軌道を形成するために使用されるコンピューティングシステムは、プロセッサ、I/Oデバイス、メモリシステム、及びネットワークアダプタを含み得る。コンピューティングシステムは、例証的な実施形態に従ったシステム及び/又は方法に関して本明細書に上述された動作又は機能を実行(又は制御)するためのプログラムモジュール(図示せず)を含む。例えば、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行する又は特定の抽象データタイプをインプリメントするための、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、論理、データ構造、又は同様のものを含み得る。プロセッサは、システム及び/又は方法に関して本明細書に上述された動作又は機能を実行(又は制御)するために、プログラムモジュール中に書き込まれた命令を実行し得る。プログラムモジュールは、プロセッサの集積回路へとプログラムされ得る。例証的な実施形態では、プログラムモジュールは、メモリシステム中又はリモートコンピュータシステム記憶媒体中に記憶され得る。
【0043】
[0035]コンピューティングシステムは、多様なコンピューティングシステム可読媒体を含み得る。そのような媒体は、コンピュータシステムによってにアクセス可能である任意の利用可能な媒体であり得、及びそれは、揮発性及び非揮発性媒体、リムーバブル及び非リムーバブルの両方を含み得る。
【0044】
[0036]メモリシステムは、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び/又はキャッシュメモリ又はその他のような、揮発性メモリの形態のコンピュータシステム可読媒体を含むことができる。コンピュータシステムは更に、他のリムーバブル/非リムーバブル、揮発性/非揮発性コンピュータシステム記憶媒体を含み得る。コンピュータシステムは、ネットワークアダプタを使用して1つ又は複数のデバイスと通信することができる。ネットワークアダプタは、インターネット、LAN、WAN、又は同様のものに基づいてワイヤード通信をサポートし得るか、又はCDMA、GSM(登録商標)、ワイドバンドCDMA、CDMA-2000、TDMA、LTE(登録商標)、ワイヤレスLAN、Bluetooth(登録商標)、又は同様のものに基づいてワイヤレス通信をサポートし得る。
【0045】
[0037]本開示は、任意の可能な技術的詳細レベルの統合におけるシステム、方法、及び/又はコンピュータプログラム製品を説明している。コンピュータプログラム製品は、プロセッサに、本発明の態様を実行させるためのコンピュータ可読プログラム命令をその上に有するコンピュータ可読記憶媒体(又はメディア)を含み得る。
【0046】
[0038]コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行デバイスによって使用するための命令を保持及び記憶することができる有形デバイスであることができる。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子記憶デバイス、磁気記憶デバイス、光学記憶デバイス、電磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、又は前述の任意の適した組み合わせであり得るが、それらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例の非網羅的なリストは、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読取専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、ポータブルコンパクトディスク読取専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、メモリスティック、フロッピー(登録商標)ディスク、パンチカード又はその上に記録された命令を有する溝の中の隆起構造のような機械的符号化デバイス、及び前述の任意の適した組み合わせを含む。コンピュータ可読記憶媒体は、本明細書で使用される場合、それ自体が、電波又は他の自由に伝搬する電磁波、導波管又は他の送信媒体(例えば、光ファイバケーブルを通る光パルス)を通じて伝搬する電磁波、又はワイヤを通じて送信される電気信号のような、一時的信号であると解釈されるべきではない。
【0047】
[0039]本明細書に説明されたコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体からそれぞれのコンピューティング/処理デバイスに、又はネットワーク、例えば、インターネット、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク及び/又はワイヤレスネットワークを介して外部コンピュータ又は外部記憶デバイスに、ダウンロードされることができる。ネットワークは、銅伝送ケーブル、光伝送ファイバ、ワイヤレス伝送線路、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイコンピュータ及び/又はエッジサーバを備え得る。各コンピューティング/処理デバイス中のネットワークアダプタカード又はネットワークインターフェースは、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信し、及びそれぞれのコンピューティング/処理デバイス内のコンピュータ可読記憶媒体中での記憶用にそれらコンピュータ可読プログラム命令を転送する。
【0048】
[0040]本発明の動作を実行するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、機械命令、機械依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、集積回路用の構成データ、若しくはSmalltalk(登録商標)、C++又は同様のもののようなオブジェクト指向プログラミング言語と、「C」プログラミング言語又は類似のプログラミング言語のような手続き型プログラミング言語とを含む、1つ又は複数のプログラミング言語のうちの任意の組み合わせで書き込まれたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかであり得る。コンピュータ可読プログラム命令は、ユーザのコンピュータ上で全体的に、ユーザのコンピュータ上で部分的に、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして、ユーザのコンピュータ上で部分的に且つリモートコンピュータ上で部分的に、若しくはリモートコンピュータ又はサーバ上で全体的に実行し得る。後のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)を含む、任意のタイプのネットワークを通じてユーザのコンピュータに接続され得る、若しくは(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを通じて)外部コンピュータに対して接続がなされ得る。いくつかの実施形態では、例えば、プログラマブル論理回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又はプログラマブル論理アレイ(PLA)を含む、電子回路は、本発明の態様を実行するために、電子回路をパーソナライズするためにコンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用することによって、コンピュータ可読プログラム命令を実行し得る。
【0049】
[0041]本発明の態様は、本発明の実施形態に従った方法、装置(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート例示及び/又はブロック図を参照して本明細書に説明されている。フローチャート例示及び/又はブロック図の各ブロック、及びフローチャート例示及び/又はブロック図におけるブロックの組み合わせが、コンピュータ可読プログラム命令によってインプリメントされることができることが理解されるであろう。
【0050】
[0042]これらのコンピュータ可読プログラム命令は、機械を生産するために、汎用コンピュータ、専用コンピュータのプロセッサ、又は他のプログラマブルデータ処理装置に提供され得、それにより、コンピュータのプロセッサ又は他のプログラマブルデータ処理装置を介して実行する命令は、フローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックに指定された機能/動作をインプリメントするための手段を作成する。これらのコンピュータ可読プログラム命令はまた、コンピュータ、プログラマブルデータ処理装置、及び/又は他のデバイスに特定の方式で機能するように指示することができるコンピュータ可読記憶媒体中に記憶され得、それにより、その中に記憶された命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックに指定された機能/動作の態様をインプリメントする命令を含む製造品を備える。
【0051】
[0043]コンピュータ可読プログラム命令はまた、コンピュータにおいてインプリメントされるプロセスを生成するために、コンピュータ、他のプログラマブル装置又は他のデバイス上で一連の動作ステップが実行されるように、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他のデバイス上にロードされ得、それにより、コンピュータ、他のプログラマブル装置、又は他のデバイス上で実行する命令は、フローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックに指定された機能/動作をインプリメントする。
【0052】
[0044]図面におけるフローチャート及びブロック図は、本発明の様々な実施形態に従ったシステム、方法、及びコンピュータプログラム製品の可能なインプリメンテーションのアーキテクチャ、機能、及び動作を例示している。この点に関して、フローチャート又はブロック図における各ブロックは、指定された論理機能(1つ以上)をインプリメントするための1つ又は複数の実行可能な命令を備える、命令の一部分、セグメント、又はモジュールを表し得る。いくつかの代替のインプリメンテーションでは、ブロックに記載された機能は、図面に記載された順序通りでなしに生じ得る。例えば、それに伴う機能に依存して、連続して示されている2つのブロックは、実際には、実質的に同時に実行され得るか、又はそれらブロックは、逆の順序で実行されることがあり得る。ブロック図及び/又はフローチャート例示の各ブロック、及びブロック図及び/又はフローチャート例示におけるブロックの組み合わせは、指定された機能又は動作を実行するか、又は専用ハードウェア及びコンピュータ命令の組み合わせを実行する専用ハードウェアベースのシステムによってインプリメントされることができることにも留意されたい。
【0053】
[0045]実施形態の前述の記載は、例示及び説明を目的として提示されてきた。それは、網羅的であることを、又は開示されたまさにその形態に本発明を限定することを意図されているわけではない。この開示を踏まえて、多くの修正及び変形が可能である。本開示の範囲が、この詳細な説明によってではなく、むしろ本明細書に添付された特許請求の範囲によって限定されることが意図されている。
【0054】
[0046]いくつかのインプリメンテーションが説明されてきた。それにもかかわらず、本開示の範囲から逸脱することなしに、様々な修正がなされ得ることが理解されるであろう。図面には複数の動作が特定の順序で図示されているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が示されている特定の順序で又は連続した順序で実行される必要がある、若しくは全ての例示されている動作が実行される必要がある、と理解されるべきではない。
【0055】
[0047]この提出物の各及び全ページ、及びその全ての内容は、どれほど特徴付けられようと、特定されようと、又は番号付けられようと、この出願内での形式又は配置に関わらず、全ての理由でその出願の実質的部分であると見なされる。この明細書は、網羅的であることを、又は開示されたまさにその形態に本発明を限定することを意図されているわけではない。この開示を踏まえて、多くの修正及び変形が可能である。他の及び様々な実施形態が、この説明、図面、及び次の特許請求の範囲から、当業者にとって容易に明らかとなるであろう。本発明の範囲が、この詳細な説明によってではなく、むしろ本明細書に添付された特許請求の範囲によって限定されることが意図されている。
以下に本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
発射体の誘導及び制御オートパイロットシステム(870)への入力を取得することと、ここで、前記入力は、重力に対するロール配向(705)と、前記発射体の速度の推定値(710)とを備えるものであり、
前記誘導及び制御オートパイロットシステム(870)の少なくとも1つのプロセッサに前記入力を提供することと、
追加の重力バイアス(Gバイアス)(725)を固有のGバイアス(715)に印加する(730)ことと、
前記誘導及び制御オートパイロットシステム(870)の前記少なくとも1つのプロセッサによって総レート指令(735)を決定することと、ここで、追加のレート指令は、前記追加のGバイアスを前記発射体の前記速度の前記推定値(710)で除算することによって決定されるものであり、
を備える発射体の軌道を形成するための方法であって、
前記誘導及び制御オートパイロットシステム(870)は、前記誘導及び制御オートパイロットシステム(870)の前記総レート指令を使用して前記発射体を標的(740)に誘導するように構成される、方法。
[C2]
前記誘導及び制御オートパイロットシステム(870)のヌル誘導及び制御横レート制御ループによって生み出される前記固有のGバイアス量(715)を決定すること
を備える、C1に記載の方法。
[C3]
所望されるGバイアス量(720)を決定することと、
前記追加のGバイアス量(725)を決定することと
を備える、C1又は2に記載の方法。
[C4]
[数9]
であって、ここにおいて、
[数10]
は、横制御ループによって使用するための前記追加のレート指令(735)を備え、a m は、前記発射体の追加の横加速度の推定値を備え、V m は、前記発射体の前記速度の前記推定値(710)を備え、及びGバイアスは、前記追加のGバイアス(725)を備える、C1~3のうちのいずれか一項に記載の方法。
[C5]
重力に対するロール慣性誘導座標系の配向が、前記所望されるGバイアスをピッチ及びヨー制御ループへと区分化するために利用される、C1~4のうちのいずれか一項に記載の方法。
[C6]
前記誘導及び制御オートパイロットシステムは、加速度計を備えず、これによって、前記発射体の複雑性及びコストが低減される、C1~5のうちのいずれか一項に記載の方法。
[C7]
所望されるGバイアスの大きさは、終盤においてほぼ0Gの機体を生み出すために、誘導誤差と軌道ロフティングとのバランスを取る、C1~6のうちのいずれか一項に記載の方法。
[C8]
所望されるGバイアスは、シーカーレーザー補足後に前記軌道をロフトする、C1~7のうちのいずれか一項に記載の方法。
[C9]
機体の終端横G要求は、弾道、ほぼ0Gであり、残留機体横Gは、他の終盤誘導誤差を吸収するために利用可能であり、
前記他の終盤誘導誤差は、重力に対してランダム配向を有するレートセンサ誤差及びシーカー誤差を備える、C1~8のうちのいずれか一項に記載の方法。
[C10]
誘導及び制御オートパイロット(870)と、
前記誘導及び制御オートパイロット(870)の少なくとも1つのプロセッサと
を備える発射体の軌道を形成するためのシステムであって、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
重力に対するロール配向(705)と、前記発射体の速度の推定値(710)とを処理することと、
前記誘導及び制御オートパイロット(870)のヌル誘導及び制御横レート制御ループによって生み出される固有のGバイアス量(715)を決定することと、
所望されるGバイアス量(720)を決定することと、
追加のGバイアス量(725)を決定することと、
前記追加のGバイアスを前記固有のGバイアス(715)に印加する(730)ことと、
前記誘導及び制御オートパイロットシステム(870)の前記少なくとも1つのプロセッサによって総レート指令(735)を決定することと、ここで、前記総レート指令は、前記所望されるGバイアスを前記発射体の前記速度の前記推定値(710)で除算することによって決定されるものであり、
前記誘導及び制御オートパイロットからの前記総レート指令を使用して前記発射体を標的(740)に誘導することと
を行うプログラムを実行する、システム。
[C11]
前記誘導及び制御オートパイロット(870)は、
横加速度センサ(875)と、
横旋回レートセンサ(880)と、
速度センサ(885)と、
配向決定システム(890)、ここにおいて、前記配向決定システム(890)は、前記横加速度センサ(875)と、前記横旋回レートセンサ(880)と、前記速度センサ(885)とからの入力を受信する、と
を備える、C10に記載のシステム。
[C12]
前記ロール配向(705)は、発射後に入力される、C10又は11に記載のシステム。
[C13]
[数11]
であって、ここにおいて、
[数12]
は、前記横制御ループによって使用するための前記追加のレート指令(735)を備え、a m は、前記発射体の追加の横加速度の推定値を備え、V m は、前記発射体の前記速度の前記推定値(710)を備え、及びGバイアスは、前記追加のGバイアス(725)を備える、C10~12のうちのいずれか一項に記載のシステム。
[C14]
重力に対する前記ロール配向(705)の決定は、磁力計を備える、C10~13のうちのいずれか一項に記載のシステム。
[C15]
重力に対する前記ロール配向(705)の決定は、初期化された慣性測定ユニット(IMU)を備える、C10~14のうちのいずれか一項に記載のシステム。
[C16]
前記誘導及び制御オートパイロット(870)のセンサは、レートセンサのみを備える、C10~15のうちのいずれか一項に記載のシステム。
[C17]
前記誘導及び制御オートパイロット(870)は、シーカーを備える、C10~16のうちのいずれか一項に記載のシステム。
[C18]
前記誘導及び制御オートパイロットは、角度レートベースのオートパイロットである、C10~17のうちのいずれか一項に記載のシステム。
[C19]
前記システムは、加速度計を備えず、これによって、前記発射体の複雑性及びコストが低減される、C10~18のうちのいずれか一項に記載のシステム。
[C20]
フィードフォワードセクションと、
誘導フィルタ(216)と、
ピッチ/ヨー/ロールが結合された空気力学部(234)と、
フィードフォワードセクションと、
ピッチレートセンサと
を備える発射体の軌道を形成するための誘導及び制御オートパイロットデバイスであって、
少なくとも1つのプロセッサが、誘導ループ指令と組み合わされた、前記発射体の速度の推定値(710)で除算された追加のGバイアス(725)に等しい総レート指令(735)を決定し、重力に対するロール配向(705)を組み込み、
前記誘導及び制御オートパイロットデバイスが、前記発射体を標的に誘導するように構成される、誘導及び制御オートパイロットデバイス。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8