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  • 特許-キャパシタモジュール 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-14
(45)【発行日】2022-10-24
(54)【発明の名称】キャパシタモジュール
(51)【国際特許分類】
   H01G 2/14 20060101AFI20221017BHJP
   H01G 11/10 20130101ALI20221017BHJP
   H01G 11/18 20130101ALI20221017BHJP
【FI】
H01G2/14 108C
H01G11/10
H01G11/18
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021021765
(22)【出願日】2021-02-15
(65)【公開番号】P2021141316
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2021-02-15
(31)【優先権主張番号】10-2020-0025323
(32)【優先日】2020-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0041329
(32)【優先日】2020-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521557665
【氏名又は名称】エルエス、マテリアルズ、カンパニー、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LS Materials Co., Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(72)【発明者】
【氏名】ユ、ヨン、ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ソン、ヒョン
【審査官】菊地 陽一
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-142069(JP,A)
【文献】特開2005-346943(JP,A)
【文献】国際公開第2018/079360(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/117685(WO,A1)
【文献】特開2006-164826(JP,A)
【文献】特開2007-123287(JP,A)
【文献】特開2009-099288(JP,A)
【文献】特開2008-251470(JP,A)
【文献】実開昭51-152636(JP,U)
【文献】実開平04-007379(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 2/14
H01G 11/10
H01G 11/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング;
ハウジングの内部に配置された複数のキャパシタセル;
互いに離隔した一対のワイヤと一対のワイヤを囲む外皮を含み、複数のキャパシタセルのそれぞれに接触してキャパシタセルの発熱を感知する第1感知部;
複数のキャパシタセル上に配置され、キャパシタセルの発熱による温度を感知する第2感知部; および
第1感知部と第2感知部によってアラーム信号を生成するコントローラを含み、
複数のキャパシタセルは平面上複数の行と複数の列で配列され、
第1の感知部はコンデンサの行間または列間に挿入配置され、行または列に沿って延びているものであり、
コントローラは、
第1感知部の信号を受信する第1ポート;
第2感知部の信号を受信する第2ポート;
第1ポートの信号および第2ポートの信号のうち少なくとも一つの信号によってアラーム信号を生成する第1演算部;
追加的なキャパシタモジュール連結用の第3ポート;および
第3ポートに所定信号を提供する信号生成部を含み、
信号生成部はプルアップ抵抗を含む、キャパシタモジュール。
【請求項2】
キャパシタセルは底面、上面および側面を有する円柱状であり、
第1感知部は平面上複数の行のうち、第1行のキャパシタセルそれぞれの側面と第1行に接する第2行のキャパシタセルそれぞれの側面の間に挿入された、請求項1に記載のキャパシタモジュール。
【請求項3】
複数のキャパシタセルは所定個数のキャパシタセルを含む複数のグループに区画され、
第2感知部は複数のグループそれぞれに配置される、請求項1に記載のキャパシタモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はキャパシタモジュールに関し、さらに詳細には、キャパシタセルの発熱状態を安定的に感知できるキャパシタモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
キャパシタ(Capacitor)は電気エネルギーを貯蔵する代表的なエネルギー貯蔵装置である。このようなキャパシタのうちウルトラキャパシタ(Ultra-Capacitor、UC)は、高い効率、半永久的な寿命、および迅速な充放電特性を有しているため、二次電池の弱点である短いサイクルと瞬間高電圧問題を補完できるエネルギー貯蔵装置として市場を形成している。
【0003】
このような長所に基づき、ウルトラキャパシタは携帯電話、タブレットPC、ノートパソコンなどのようなモバイルデバイスの補助電源としてだけでなく、高容量が要求される電気自動車、ハイブリッド自動車、太陽電池用電源装置、夜間道路表示灯、無停電電源装置(UPS、Uninterrupted Power Supply)等の主電源あるいは補助電源としても多く利用されている。
【0004】
このようなウルトラキャパシタ一つの電圧は3Vに過ぎないため、高電圧アプリケーション(Application)に使うためにウルトラキャパシタを単位セルとして複数個を直列または並列に連結して構成したものがウルトラキャパシタモジュールである。
【0005】
従来技術に係るウルトラキャパシタモジュールは、単位セルに該当するウルトラキャパシタそれぞれの温度が既設定された基準温度から外れたかどうかを確認し難い問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の一実施例は、キャパシタセルの発熱の程度を安定的に感知して管理できるキャパシタモジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記のような目的を達成するために、本発明の一実施例に係るキャパシタモジュールは、ハウジング、ハウジングの内部に配置された複数のキャパシタセル、および互いに離隔した一対のワイヤと一対のワイヤを囲むモールディングを含み、複数のキャパシタセルのそれぞれに接触してキャパシタセルの発熱を感知する第1感知部を含むことを特徴とする。
【0008】
また、複数のキャパシタセルは平面上複数の行と複数の列で配列され、第1感知部は行の間または列の間に配置され、行または列に沿って延びたことを特徴とする。
【0009】
また、キャパシタセルは底面、上面および側面を有する円柱状であり、第1感知部は平面上複数の行のうち第1行のキャパシタセルそれぞれの側面と第1行に接する第2行のキャパシタセルそれぞれの側面の間に挿入されたことを特徴とする。
【0010】
また、複数のキャパシタセル上に配置され、キャパシタセルの発熱による温度を感知する第2感知部をさらに含むことを特徴とする。
【0011】
また、複数のキャパシタセルは所定個数のキャパシタセルを含む複数のグループに区画され、第2感知部は複数のグループそれぞれに配置されることを特徴とする。
【0012】
また、第1感知部と第2感知部によってアラーム信号を生成するコントローラをさらに含み、コントローラは、第1感知部の信号を受信する第1ポート、第2感知部の信号を受信する第2ポート、および第1ポートの信号および第2ポートの信号のうち少なくとも一つの信号によってアラーム信号を生成する第1演算部を含むことを特徴とする。
【0013】
また、コントローラは、追加的なキャパシタモジュール連結用の第3ポート、および第3ポートに所定信号を提供する信号生成部をさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、安い費用で複数のキャパシタセルそれぞれの発熱の程度を安定的に感知することができる。
【0015】
また、複数のキャパシタの発熱の測定を並列的に測定して安定性が増大し得る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施例に係るキャパシタモジュールを図示した図面である。
図2図1に図示されたキャパシタモジュールを概略的に図示した平面図である。
図3図2に図示された第1感知部の他の実施例を図示した図面である。
図4図2に図示されたキャパシタモジュールの他の実施例を図示した図面である。
図5図2に図示されたコントローラの一実施例を図示した図面である。
図6図5に図示されたコントローラの他の実施例を図示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好ましい一実施例に係るキャパシタモジュール1を詳細に説明する。
【0018】
図1は本発明の一実施例に係るキャパシタモジュール1を図示した図面であり、図2図1に図示されたキャパシタモジュール1を概略的に図示した平面図である。
【0019】
図1および2を参照すると、本発明の一実施例に係るキャパシタモジュール1は、キャパシタセル20の発熱の感知に必要な費用および空間的効用性を増大させるために、ハウジング10、複数のキャパシタセル20および第1感知部30を含む。キャパシタセル20はPCB基板上に設置される。ハウジング10はPCB基板、複数のキャパシタセル20および第1感知部30を収容する。キャパシタセル20はPCB基板に倒立した状態で設置され得る。キャパシタセル20はウルトラキャパシタセルであり得る。
【0020】
第1感知部30は第1感熱導線、第2感熱導線および外皮を含むことができる。第1感熱導線と第2感熱導線はその長さ方向に沿って互いによじれる。第1感熱導線は第1通電ラインおよび第1融解被覆を含む。第1通電ラインは導電性金属である。第1融解被覆は第1通電ラインを囲み、所定温度以上で溶ける。第2感熱導線も第1感熱導線と同様に第2通電ラインと第2融解被覆を含む。これに対する機能は第1感熱導線と同じである。
【0021】
第1感熱導線と第2感熱導線は加熱状態を感知できるコントローラ50の検出回路(図示されず)に連結される。一実施例として、第1融解被覆および第2融解被覆が所定温度以上に加熱して融解すると、第1融解被覆および第2融解被覆が互いに短絡される。この時、検出回路は第1通電ラインと第2通電ラインの短絡を検出することができる。また、検出回路は第1感熱導線または第2感熱導線の断線を検出することができる。検出回路を通じてコントローラ50はキャパシタセル20の発熱を感知することができる。
【0022】
キャパシタセル20は摂氏65度以下で作動することが安全および性能の側面んで推奨される。第1感知部30は摂氏80度内外で短絡され得る。したがって、第1感知部30はキャパシタセル20の過熱を感知することができる。第1感知部30は複数のキャパシタセル20のそれぞれに少なくとも1回接触するように設置される。
【0023】
一実施例として、複数のキャパシタセル20は平面上(PCB基板上)複数の行(C1~C4)と複数の列(R1~R6)で配列される。ここで、第1感知部30は行または列の間に配置される。また、第1感知部30は行または列に沿って延びる。これによって、第1感知部30は両側のキャパシタセル20のすべてに接触され得る。
【0024】
キャパシタセル20は円柱状であって、底面、上面Sおよび側面を有する。この時、第1感知部30は少なくとも平面上(PCB基板上)複数の行のうち、第1行のキャパシタセル20と第1行に接する第2行のキャパシタセル20の間に挿入される。これによって、行に沿って延びた第1感知部30は両側でキャパシタセル20のすべてに接触され得る。キャパシタセル20はアルミニウム材質であるため、キャパシタセル20の発熱が第1感知部30に十分に影響を及ぼす。第1感知部30はキャパシタセル20の間に挿入されるため、キャパシタセル20の側面に接触するように配置される。好ましくは、第1感知部30はキャパシタセル20の側面にのみ接触され得る。
【0025】
一方、第1感知部30は複数の列のうち、第1列のキャパシタセル20と第1列に接する第2列のキャパシタセル20の間に挿入されてもよい。また、第1感知部30はキャパシタセル20の列および行の間に挿入されてもよい。
【0026】
また、第1感知部30の直径は隣接したキャパシタセル20間の距離と同一または大きくてもよい。すなわち、第1感知部30は隣接したキャパシタセル20の間に締り嵌めされる。したがって、第1感知部30は第1行をなすキャパシタセル20と第2行をなすキャパシタセル20の間に固定され得る。本発明のキャパシタモジュール1はロボットのアーム等に設置される。したがって、本発明の場合、キャパシタセル20と第1感知部30の結合力を安定的に確保することができる。
【0027】
図3図2に図示された第1感知部30の他の実施例を図示した図面であり、図4図2に図示されたキャパシタモジュール1の他の実施例を図示した図面である。
【0028】
図3および4を参照すると、本発明の一実施例に係るキャパシタモジュール1は、複数の第1感知部30を含むことができる。複数のキャパシタセル20多数の行(C1~C6)および多数の列(R1~R4)で配列される場合、複数の第1感知部30を配置することができる。この場合にも、第1感知部30が一行(列)をなすキャパシタセル20とこれに隣接した他の行(列)をなすキャパシタセル20の間に配置される。また、複数の第1感知部30のうちいずれか一つと他の一つは同一のキャパシタセル20に接触され得る。
【0029】
また、本発明の一実施例に係るキャパシタモジュール1は、第2感知部40をさらに含むことができる。第2感知部40は複数のキャパシタセル20上に配置され、キャパシタセル20の発熱による温度を感知することができる。第2感知部40がPCB基板の上面に実装された場合、キャパシタセル20の長期間の使用時に発生するセル漏洩液がPCB基板に形成された回路パターンを腐食させる可能性がある。これは、第2感知部40の誤動作を招くことになる。本願発明の第2感知部40はPCB基板に実装された複数のキャパシタセル20の上部に配置される。したがって、セル漏洩液による誤動作が防止される。第2感知部40はPTCサーミスタ(Positive temperature coefficient thermistor)およびNTCサーミスタ(Negative temperature coefficient thermistor)を含むことができる。PTCサーミスタの場合、温度の増加により抵抗値が増加する。NTCサーミスタの場合、温度の減少により抵抗値が減少する。したがって、第2感知部40は既設定された温度値(範囲)で所定の信号を発生させることができる。
【0030】
一実施例として、第2感知部40は複数のキャパシタセル20を含むグループG1~G4に配置される。複数のキャパシタセル20は所定個数のキャパシタセル20を含むグループに分類され得る。すなわち、複数のキャパシタセル20は複数のグループG1~G4に区画され得る。第2感知部40は複数のグループG1~G4それぞれに配置される。温度センサである第2感知部40の場合、値段が高いため複数個を適用する場合、製造費用が上昇する問題点がある。したがって、第2感知部40を複数のキャパシタセル20を区画した複数のグループG1~G4に配置して費用を節減しながらも、平面上複数のキャパシタセル20の全面に対する温度の感知および確認を遂行できる。
【0031】
また、第2感知部40は複数のキャパシタセル20の上部に配置される。すなわち、第2感知部40は複数のキャパシタセル20を挟んで、PCB基板から離隔するように配置される。これによって、温度センサである第2感知部40がPCB基板上に配置されることによってキャパシタセル20間の間隔および空間的制約を招くことを回避することができる。
【0032】
図5図2に図示されたコントローラ50の一実施例を図示した図面であり、図6図5に図示されたコントローラ50の他の実施例を図示した図面である。
【0033】
図4図6を参照すると、コントローラ50は第1感知部30と第2感知部40によってアラーム信号を生成することができる。コントローラ50は第1ポート500、第2ポート510および第1演算部520を含むことができる。第1ポート500は第1感知部30に連結されて第1感知部30の信号を受信することができる。第2ポート510は第2感知部40に連結されて第2感知部40の信号を受信することができる。第1演算部520は第1ポート500の信号および第2ポート510の信号のうち少なくとも一つの信号によってアラーム信号を生成することができる。ここで、第2感知部40の信号は既設定された温度値(範囲)に該当する信号であり得る。これによって、キャパシタ20の発熱を二重で観察して管理することができる。
【0034】
一方、コントローラ50は第3ポート530と信号生成部540をさらに含むことができる。第3ポート530は追加的なキャパシタモジュール1に連結され得る。したがって、キャパシタモジュール1の容量を拡張しながらも、キャパシタセル20の発熱を安定的に感知することができる。追加的なキャパシタモジュール1は複数で連結され得る。
【0035】
信号生成部540は第3ポート530に連結され、第3ポート530に所定信号を提供する。信号生成部540は第3ポート530に第1信号(例えば、「0」または「LOW値」)または第2信号(例えば、「1」または「HIGH値」)を提供することができる。一実施例として、信号生成部540は第3ポート530に追加的なキャパシタモジュール1が連結されていない場合、第2信号(HIGH値)を出力することができる。これによって、アラームの生成に影響を及ぼさないようにすることができる。このために、信号生成部540はプルアップ抵抗(PULL-UP RESISTOR)を含むことができる。また、信号生成部540はトランジスタ(図示されず)をさらに含むことができる。一方、第3ポート530に連結された追加的なキャパシタモジュール1からキャパシタセル20の発熱による異常信号が第3ポート530に入力されると、第1信号を提供してアラームが生成され得る。
【0036】
一方、コントローラ50は第1補助演算部521をさらに含む。第1補助演算部521は第1演算部520と複数の第1ポート500に連結される。第1補助演算部521は複数の第1感知部30のうち少なくとも一つの第1感知部30から信号(短絡信号)の入力時、アラーム信号生成のための信号を第1演算部520に提供する。
【0037】
また、第1補助演算部521は第1演算部520と複数の第2ポート510に連結される。第1補助演算部521は複数の第2感知部40のうち少なくとも一つの第2感知部40から信号(既設定温度に該当するという信号)の入力時、アラーム信号生成のための信号を第1演算部520に提供する。第1補助演算部521は一つまたは2以上配置され得る。第1補助演算部521が一つの場合、第1補助演算部521は複数の第1感知部30と複数の第2感知部40に連結され得る。
【0038】
以上、本発明者によってなされた発明を前記実施例によって具体的に説明したが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で多様に変更できることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0039】
1:キャパシタモジュール
10:ハウジング
20:キャパシタセル
30:第1感知部
40:第2感知部
50:コントローラ
500:第1ポート
510:第2ポート
520:第1演算部
530:第3ポート
540:信号生成部
図1
図2
図3
図4
図5
図6