(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-14
(45)【発行日】2022-10-24
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理システム、情報処理方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20221017BHJP
A63F 13/533 20140101ALI20221017BHJP
A63F 13/58 20140101ALI20221017BHJP
【FI】
A63F13/69
A63F13/533
A63F13/58
(21)【出願番号】P 2021113331
(22)【出願日】2021-07-08
【審査請求日】2021-10-14
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511249637
【氏名又は名称】株式会社Cygames
(74)【代理人】
【識別番号】100135666
【氏名又は名称】原 弘晃
(74)【代理人】
【識別番号】100131680
【氏名又は名称】竹内 健一
(72)【発明者】
【氏名】黒田 敏男
(72)【発明者】
【氏名】菊地 大
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 友洋
【審査官】石原 豊
(56)【参考文献】
【文献】特許第6284107(JP,B1)
【文献】株式会社キュービスト,ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド クラフター&ギャザラー&ゴールドソーサー公式ガイド,第1版,株式会社スクウェア・エニックス,2016年03月31日,第4-5, 10ページ,特に「蒐集品の製作と納品」の項を参照。
【文献】殿堂入りウマ娘の使い道|移籍でSP獲得,ウマ娘攻略wiki[online],2021年04月11日,https://web.archive.org/web/20210411113537/https:/altema.jp/umamusume/dendouiri,特に「移籍させてSP獲得」の項を参照。[検索日 2021年12月22日]
【文献】[シャニマス]育成に失敗したアイドルは移籍できる,ぴなきに。~ピーな季節に成りました~[online],2019年03月13日,https://www.setandset.com/archives/scidolransfer.html,特に「フェスアイドル移籍方法」の項を参照。[検索日 2021年12月22日]
【文献】[FF14]知っておくと便利!蒐集品やGC納品のかんたん納品方法♪,コニーのタルトFF14攻略ブログ[online],2020年05月30日,https://connietarte.com/2018/01/29/post-1355/,特に「簡単納品方法」の項を参照。[検索日2022年9月9日]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24
A63F13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレーヤが所有するゲーム媒体を消費して報酬を得るゲームのためのプログラムであって、
前記報酬を得るために前記ゲーム媒体が満たすべき特定条件を設定する特定条件設定部と、
プレーヤが所有する前記ゲーム媒体が前記特定条件を満たす場合、当該ゲーム媒体に紐付く情報に基づいて前記報酬の内容を当該ゲーム媒体に対応づけて設定する報酬内容設定部と、
前記プレーヤが所有する前記ゲーム媒体を消費対象として指定する入力を受け付ける入力インターフェースである消費対象指定画面を提供する入力受付部と、
前記特定条件を満たし、かつ前記消費対象として指定された前記ゲーム媒体の消費を決定する入力が行われたことに基づいて当該ゲーム媒体に対応づけられた報酬を付与する報酬付与部として、コンピュータを機能させ、
前記入力受付部が、
前記消費対象指定画面において、
前記特定条件を満たす前記ゲーム媒体を一覧表示し、前記消費対象として指定された前記ゲーム媒体に対応づけられた前記報酬の内容を表示することを特徴とするプログラム。
【請求項2】
請求項1において、
前記入力受付部が、
前記消費対象指定画面において、前記プレーヤが所有する複数の前記ゲーム媒体のうち前記特定条件を満たさない前記ゲーム媒体を前記消費対象として指定不可能とすることを特徴とするプログラム。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記ゲーム媒体のステータスをゲームの進行に応じて変化させ、ゲームの進行度が所定の完了条件を満たした場合に当該ゲーム媒体のステータスを確定させる他のゲームモードが存在し、
前記特定条件設定部が、
前記ステータスに関連付けて前記特定条件を設定することを特徴とするプログラム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかにおいて、
前記ゲーム媒体のステータスをゲームの進行に応じて変化させ、ゲームの進行度が所定の完了条件を満たした場合に当該ゲーム媒体のステータスを確定させる他のゲームモードが存在し、
前記報酬内容設定部が、
前記他のゲームモードにおいて確定された前記ステータスを前記ゲーム媒体に紐付く情報として前記報酬の内容を設定することを特徴とするプログラム。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかにおいて、
前記報酬内容設定部が、
前記ゲーム媒体に紐付く情報に基づく所定の抽選処理を行って当該ゲーム媒体に対応する前記報酬の内容を設定することを特徴とするプログラム。
【請求項6】
プレーヤが所有するゲーム媒体を消費して報酬を得るゲームのための情報処理システムであって、
前記報酬を得るために前記ゲーム媒体が満たすべき特定条件を設定する特定条件設定部と、
プレーヤが所有する前記ゲーム媒体が前記特定条件を満たす場合、当該ゲーム媒体に紐付く情報に基づいて前記報酬の内容を当該ゲーム媒体に対応づけて設定する報酬内容設定部と、
前記プレーヤが所有する前記ゲーム媒体を消費対象として指定する入力を受け付ける入力インターフェースである消費対象指定画面を提供する入力受付部と、
前記特定条件を満たし、かつ前記消費対象として指定された前記ゲーム媒体の消費を決定する入力が行われたことに基づいて当該ゲーム媒体に対応づけられた報酬を付与する報酬付与部と、
を含み、
前記入力受付部が、
前記消費対象指定画面において、
前記特定条件を満たす前記ゲーム媒体を一覧表示し、前記消費対象として指定された前記ゲーム媒体に対応づけられた前記報酬の内容を表示することを特徴とする情報処理システム。
【請求項7】
プレーヤが所有するゲーム媒体を消費して報酬を得るゲームのための情報処理方法であって、
前記報酬を得るために前記ゲーム媒体が満たすべき特定条件を設定する特定条件設定ステップと、
プレーヤが所有する前記ゲーム媒体が前記特定条件を満たす場合、当該
ゲーム媒体に紐付く情報に基づいて前記報酬の内容を当該ゲーム媒体に対応づけて設定する報酬内容設定ステップと、
前記プレーヤが所有する前記ゲーム媒体を消費対象として指定する入力を受け付ける入力インターフェースである消費対象指定画面を提供する入力受付ステップと、
前記特定条件を満たした前記ゲーム媒体の消費を決定する入力が行われたことに基づいて当該ゲーム媒体に対応づけられた報酬を付与する報酬付与ステップと、
を含み、
前記入力受付ステップでは、
前記消費対象指定画面において、
前記特定条件を満たす前記ゲーム媒体を一覧表示し、前記消費対象として指定された前記ゲーム媒体に対応づけられた前記報酬の内容を表示することを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレーヤが所有するゲーム媒体を消費して報酬を得るゲームのためのプログラム、情報処理システム、および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、キャラクタ等のゲーム媒体を育成する育成ゲームが知られており、そのゲーム機能の一つとして、育成が完了したゲーム媒体を消費して報酬を得る機能が存在していた(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のゲーム媒体を消費して報酬を得る機能では、報酬を得るための条件に対応して、ゲーム媒体を消費した際に得られる報酬の内容が設定されているため、報酬の内容が多様性に欠け、プレーヤの関心を十分に惹きつけることができていなかった。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ゲーム媒体を消費した際に得られる報酬の多様性を高めてプレーヤの関心を惹きつけることが可能なプログラム、情報処理システム、および情報処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明は、プレーヤが所有するゲーム媒体を消費して報酬を得るゲームのためのプログラムであって、前記報酬を得るために前記ゲーム媒体が満たすべき特定条件を設定する特定条件設定部と、前記特定条件を満たす前記ゲーム媒体に紐付く情報に基づいて前記報酬の内容を設定する報酬内容設定部と、前記特定条件を満たした前記ゲーム媒体の消費を決定する入力が行われたことに基づいて報酬を付与する報酬付与部として、コンピュータを機能させるプログラムに関するものである。
【0007】
(2)本発明のプログラムでは、前記プレーヤが所有する前記ゲーム媒体を消費対象として指定する入力を受け付ける入力インターフェースである消費対象指定画面を提供する入力受付部としてコンピュータを機能させ、前記入力受付部が、前記消費対象指定画面において、前記消費対象として指定されている前記ゲーム媒体に対応する前記報酬の内容を表示するようにしてもよい。
【0008】
(2)本発明のプログラムでは、前記入力受付部が、前記消費対象指定画面において、前記プレーヤが所有する複数の前記ゲーム媒体のうち前記特定条件を満たさない前記ゲーム媒体を前記消費対象として指定不可能としてもよい。
【0009】
(3)本発明のプログラムでは、前記ゲーム媒体のステータスをゲームの進行に応じて変化させ、ゲームの進行度が所定の完了条件を満たした場合に当該ゲーム媒体のステータスを確定させる他のゲームモードが存在し、前記特定条件設定部が、前記ステータスに関連付けて前記特定条件を設定してもよい。
【0010】
(4)本発明のプログラムでは、前記ゲーム媒体のステータスをゲームの進行に応じて変化させ、ゲームの進行度が所定の完了条件を満たした場合に当該ゲーム媒体のステータスを確定させる他のゲームモードが存在し、前記報酬内容設定部が、前記他のゲームモードにおいて確定された前記ステータスを前記ゲーム媒体に紐付く情報として前記報酬の内容を設定してもよい。
【0011】
(5)本発明のプログラムでは、前記報酬内容設定部が、前記ゲーム媒体に紐付く情報に基づく所定の抽選処理を行って当該ゲーム媒体に対応する前記報酬の内容を設定してもよい。
【0012】
(6)本発明は、プレーヤが所有するゲーム媒体を消費して報酬を得るゲームのための情報処理システムであって、前記報酬を得るために前記ゲーム媒体が満たすべき特定条件を設定する特定条件設定部と、前記特定条件を満たす前記ゲーム媒体に紐付く情報に基づいて前記報酬の内容を設定する報酬内容設定部と、前記特定条件を満たした前記ゲーム媒体の消費を決定する入力が行われたことに基づいて報酬を付与する報酬付与部と、を含む情報処理システムに関するものである。
【0013】
(7)本発明は、プレーヤが所有するゲーム媒体を消費して報酬を得るゲームのための情報処理方法であって、前記報酬を得るために前記ゲーム媒体が満たすべき特定条件を設定する特定条件設定ステップと、前記特定条件を満たす前記ゲーム媒体に紐付く情報に基づいて前記報酬の内容を設定する報酬内容設定ステップと、前記特定条件を満たした前記ゲーム媒体の消費を決定する入力が行われたことに基づいて報酬を付与する報酬付与ステップと、を含む情報処理方法に関するものである。
【0014】
上記のプログラム、情報処理システム、および情報処理方法では、特定条件を満たすゲーム媒体を消費した場合に報酬を得ることができ、特定条件を満たすゲーム媒体に紐付く情報に基づいてゲーム媒体を消費した際に得られる報酬の内容が設定されているため、得られる報酬の多様性を高めてプレーヤの関心を惹きつけることができる。
【0015】
また上記のプログラム、情報処理システム、および情報処理方法では、得られる報酬の多様性を高めた結果、報酬の内容確認が煩わしくなるおそれがあるが、ゲーム媒体を消費対象として指定する入力を受け付ける入力インターフェースである消費対象指定画面において、消費対象として指定されているゲーム媒体に対応する報酬の内容を表示するようにしたことによって、プレーヤが報酬の内容を確認しながら消費対象を選定することができるようになるため、プレーヤの入力利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】情報処理システムの全体構成を示す図である。
【
図2】情報処理システムで実現される機能のうち、キャラクタを消費して報酬を得るゲーム機能に関連するサーバーの機能ブロック図である。
【
図3】情報処理システムで実現される機能のうち、キャラクタを消費して報酬を得るゲーム機能に関連するプレーヤ端末の機能ブロック図である。
【
図4】キャラクタを消費して報酬を得るゲーム機能に関するミッションの設定例を示す図である。
【
図5】キャラクタを消費して報酬を得るゲーム機能に関するミッションの設定例を示す図である。
【
図6】キャラクタを消費して報酬を得るゲーム機能に関するゲーム進行の概要を示す図である。
【
図7】プレーヤ端末で表示されるミッション選択画面の一例を示す図である。
【
図8】プレーヤ端末で表示されるキャラクタ選択画面の一例を示す図である。
【
図9】プレーヤ端末で表示されるキャラクタ選択画面の一例を示す図である。
【
図10】プレーヤ端末で表示されるキャラクタ選択画面の一例を示す図である。
【
図11】プレーヤ端末で表示されるキャラクタ詳細画面の一例を示す図である。
【
図12】プレーヤ端末で表示される移籍確認ダイアログボックスの一例を示す図である。
【
図13】プレーヤ端末で表示される移籍確認ダイアログボックスの一例を示す図である。
【
図14】プレーヤ端末で表示されるミッション選択画面の一例を示す図である。
【
図15】プレーヤ端末で表示される移籍完了ダイアログボックスの一例を示す図である。
【
図16】プレーヤ端末で表示されるミッション選択画面の一例を示す図である。
【
図17】プレーヤ端末で表示されるキャラクタ選択画面の一例を示す図である。
【
図18】プレーヤ端末で表示されるキャラクタ選択画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では、本発明の実施形態について説明する。なお以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0018】
1.情報処理システムの構成
図1は、本実施形態の情報処理システム10の全体構成を示す図である。
図1にしめすように情報処理システム10では、サーバー20と複数のプレーヤ端末40が、インターネット、携帯電話網、LAN、WANなどのネットワーク30により接続されており、いわゆるクライアント・サーバー方式の通信システムが構築されている。そして複数のプレーヤ端末40のそれぞれは、ネットワーク30を介してサーバー20と互いに通信を行って種々の情報を送受信する。また複数のプレーヤ端末40のそれぞれは、ネットワーク30およびサーバー20を介して他のプレーヤ端末40と互いに通信を行って種々の情報を送受信する。
【0019】
サーバー20は、CPU等のプロセッサーからなる制御部21と、ROMやRAM等の主記憶装置、およびHDDやSSD等の補助記憶装置からなる記憶部22と、通信モジュールや通信インターフェースからなる通信部23とを含む。サーバー20は、制御部21が記憶部22に記憶されているプログラムに従って各種の処理を実行する。またサーバー20は、通信部23によってプレーヤ端末40から情報を受信し、制御部21が実行した処理の結果に関する情報等をプレーヤ端末40に送信する。
【0020】
プレーヤ端末40は、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピューター、携帯ゲーム機、店舗や家庭に設置される据え置きゲーム機等である。プレーヤ端末40は、CPU等のプロセッサーからなる制御部41と、ROMやRAM等の主記憶装置、およびフラッシュメモリ、HDD、SDD等の補助記憶装置からなる記憶部42と、タッチパネルやキーボード、マイク等からなる操作・入力部43と、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等からなる表示部44と、通信モジュールや通信インターフェースからなる通信部45とを含む。プレーヤ端末40も、記憶部42に記憶されているプログラムに従って各種の処理を実行する。またプレーヤ端末40は、通信部45によってサーバー20からの情報を受信し、サーバー20や他のプレーヤ端末40に情報を送信する。
【0021】
図2は、サーバー20の主要な機能を示す機能ブロック図である。また
図3は、プレーヤ端末40の主要な機能を示す機能ブロック図である。
【0022】
本実施形態の情報処理システムでは、競走馬をモチーフにしたキャラクタを育成し、育成中のキャラクタや育成が終了したキャラクタをレースに出走させて他のキャラクタと着順を競いあうレースゲームを、プレーヤ端末40を通じて提供する機能を有している。
【0023】
また本実施形態の情報処理システムでは、育成が終了したキャラクタ(ゲーム媒体の一例)を消費することで報酬を得る特別移籍機能を有しており、報酬を得るためにキャラクタが満たすべき募集条件(特定条件の一例)を設定する機能、募集条件を満たすキャラクタのステータスに基づいて報酬の内容を設定する機能、キャラクタを消費対象として指定する入力を受け付ける入力インターフェースを提供する機能、募集条件を満たしたキャラクタの消費を決定する入力が行われたことに基づいて報酬を付与する機能を有しており、本実施形態では、これらの機能を、サーバー20とプレーヤ端末40とが協働して実現する場合を説明する。ただし、先に述べた機能が、プレーヤ端末40を主体として実現されてもよい。また本実施形態では、以下において、キャラクタを消費することを「移籍」と称して説明を進める。
【0024】
まずサーバー20では、
図2に示すように、サーバーデータ記憶部50と、サーバーゲーム処理部60とが協働して、報酬を得るためにキャラクタが満たすべき募集条件を設定する機能と、募集条件を満たすキャラクタのステータスに基づいて報酬の内容を設定する機能とを実現する。
【0025】
サーバーデータ記憶部50は、サーバーゲーム処理部60が各種の処理を行うためのデータを記憶するものであり、主として記憶部22により実現される。
【0026】
またサーバーデータ記憶部50は、プレーヤ管理データベース51を含み、プレーヤごとに付与されるプレーヤIDに紐付けて、キャラクタリストとアイテムリストとがプレーヤ管理データベース51に記憶される。
【0027】
キャラクタリストには、例えば、育成済みのキャラクタごとに付与されるキャラクタ個体ID、キャラクタの種別を示すキャラクタ種別ID、キャラクタのステータス(レアリティ、評価点、コース適性、距離適正、脚質適正、走法、スピード、スタミナ、パワー、根性、賢さ、所持スキル、獲得称号)、ロック状態(ロック中、非ロック中)、およびキャラクタの育成履歴(育成条件、育成時の出走レースの戦績)などが含まれる。
【0028】
本実施形態において「育成済みのキャラクタ」とは、本実施形態の情報処理システムで実現されるゲーム機能の一つである育成機能によってキャラクタを育成して、その育成が完了してステータスが確定されたキャラクタであることを意味する。
【0029】
また本実施形態では、「キャラクタ個体ID」と「キャラクタ種別ID」とが存在するが、その違いは次の通りである。
【0030】
まず「キャラクタ個体ID」は、育成機能においてキャラクタの育成が完了して、その育成済みキャラクタがキャラクタ管理データベース51に登録される際に付与されるIDであり、プレーヤIDに紐付けられた育成済みキャラクタのそれぞれを識別するためのものである。
【0031】
また本実施形態では、育成機能において複数種類のキャラクタから育成対象をプレーヤが選択する仕様となっており、「キャラクタ種別ID」は、育成済みのキャラクタの種類を識別するために付与されるIDである。
【0032】
また「ロック状態」とは、育成済みのキャラクタの移籍が禁止されているか否かを示すものであり、非ロック中であれば移籍可能であり、ロック中であれば移籍不可能となっている。このロック中となる状況としては、プレーヤが育成済みのキャラクタの一覧から個別に指定している場合、育成済みのキャラクタがレースに出走登録されている場合などである。
【0033】
アイテムリストには、プレーヤが所有するアイテム、強化ポイント、ゲーム内通貨に関するデータが含まれる。本実施形態では、例えば、アイテムの所有内容および所有量、強化ポイントの所有量、ゲーム内通貨の所有量、などがアイテムリストとしてプレーヤ管理データベース51に記憶される。
【0034】
本実施形態におけるアイテムは、例えば、キャラクタの育成をサポートするものであったり、レースの出走コンディションを変化させることなどに用いられるものであり、レースの結果に応じて取得したり、ゲーム内通貨を消費して取得したりできるものである。
【0035】
また強化ポイントは、例えば、キャラクタの育成をサポートするアイテムであるサポートアイテムの強化などに用いられるものであり、サポートアイテムを強化するほど有利な育成環境でキャラクタを育成することができる。
【0036】
またプレーヤ管理データベース51には、特別移籍に関するプレーヤ毎のミッションの達成履歴も記憶される。例えば、ミッションIDと報酬の獲得の有無などがプレーヤIDに紐付けて管理される。
【0037】
またサーバーデータ記憶部50は、ミッションデータベース52を含み、ミッションデータベース52に特別移籍のゲーム機能における募集条件および報酬に関するデータが記憶される。本実施形態では、例えば、ミッションIDに紐付けて、難易度、回数制限、募集要項、募集条件、能力ランクに応じた報酬などが記憶される。
【0038】
サーバーゲーム処理部60は、プレーヤID、キャラクタ個体ID、キャラクタ種別ID等の各種の識別情報によってプレーヤやキャラクタ等を管理する処理、プレーヤ端末40からの要求に応じてゲーム結果を演算する処理などを行い、主として制御部21および通信部23により実現される。またサーバーゲーム処理部60は、ミッションを設定する処理、キャラクタ毎の報酬の内容を設定する処理、キャラクタの移籍に対して報酬を付与する処理なども行い、ミッション設定部61(特定条件設定部の一例)と報酬内容設定部62と報酬付与部63とを含む。
【0039】
ミッション設定部61は、特別移籍に関するミッションを設定する処理を行う。本実施形態では、ミッションに関して星1~星4までの4段階の難易度が存在し、ミッション設定部61は、ミッションデータベース52に登録されている複数種類のミッションから各難易度のミッションを1種類ずつ、計4種類のミッションを設定する。また本実施形態では、特別移籍のゲームモードが7日間の期間限定で実行可能となっており、ミッション設定部61は、24時間毎にミッションを更新する処理を行う。
【0040】
報酬内容設定部62は、特別移籍のゲームモードにおいてプレーヤが所有する育成済みのキャラクタを移籍させた場合に得られる報酬の内容を設定する処理を行う。本実施形態では、プレーヤ管理データベース51のキャラクタリストに登録されている育成済みのキャラクタのステータスを参照して、プレーヤIDに紐付けられた育成済みのキャラクタのうちミッション毎に募集条件を満たすキャラクタを抽出するとともに、そのキャラクタのステータスに基づく報酬の内容を、ミッションIDおよびキャラクタ個体IDに紐付けて設定する。
【0041】
報酬付与部63は、プレーヤ端末40においてミッションに対応する募集条件を満たす育成済みのキャラクタの移籍が決定される入力が行われたことに基づいて、移籍対象のキャラクタに対応する報酬を付与する処理を行う。
【0042】
本実施形態では、プレーヤ端末40からミッションに対応する募集条件を満たしたキャラクタの移籍を決定する入力が行われてから報酬を受け取ることができるようになるまでのクールタイムが発生する仕様となっている。そして報酬付与部63は、募集条件を満たす育成済みのキャラクタの移籍が決定されてから報酬を付与するまでのクールタイムを管理する処理も行う。クールタイムの発生中においてはプレーヤ端末40において新たなミッションに係るキャラクタの移籍を行うことができないように制御される。
【0043】
本実施形態では、クールタイムが例えば、5分に設定されており、報酬付与部63は、プレーヤ端末40からミッションに係るキャラクタの移籍を要求する移籍要求を受け取ると、プレーヤIDに紐付けてクールタイムの管理を開始する。そしてプレーヤ端末40から特別移籍のゲームモードを選択した旨の通知を受ける毎に、報酬付与部63は、クールタイムが終了しているか否かを判定し、クールタイムが終了している場合には、プレーヤ管理データベース51のキャラクタリストから移籍対象のキャラクタを削除するとともに、報酬に相当するアイテム等をプレーヤ管理データベース51のアイテムリストに追加して、クールタイムの終了、キャラクタの削除、および報酬の付与をプレーヤ端末40に通知する。プレーヤ端末40では、サーバー20からクールタイムの終了、キャラクタの削除、および報酬の付与が通知されると特別移籍に関するミッションが達成されたことを示す移籍完了ダイアログボックスが表示される。
【0044】
次にプレーヤ端末40では、
図3に示すように、端末データ記憶部70と、端末ゲーム処理部80とが協働して、プレーヤが所有するキャラクタを移籍対象として指定する入力を受け付ける入力インターフェースを提供する機能を実現する。
【0045】
端末データ記憶部70は、端末ゲーム処理部80が各種の処理を行うためのデータを記憶するものであり、主として記憶部42により実現される。
【0046】
また端末データ記憶部70は、プレーヤデータ記憶部71を含み、プレーヤデータ記憶部71にプレーヤIDに対応するキャラクタリストおよびアイテムリストに関するデータなどが記憶される。本実施形態では、アプリケーションの起動時などにプレーヤ端末40がサーバー20からキャラクタリストおよびアイテムリストを取得してプレーヤデータ記憶部71に一時保存し、各種ゲーム処理を実行する。本実施形態では、各種ゲーム処理の実行に伴ってキャラクタリストやアイテムリストの変更が必要となった場合、プレーヤ管理データベース51が更新されるととともにプレーヤデータ記憶部71も更新され、両者の記憶内容の同期が行われる。なおキャラクタリストおよびアイテムリストをローカルデータとしてプレーヤ端末40側で保持しており、必要に応じてプレーヤデータ記憶部71とプレーヤ管理データベース51との同期が行われるようにしてもよい。
【0047】
また端末データ記憶部70は、ミッションデータ記憶部72を含み、ミッションデータ記憶部72にサーバー20から取得した特別移籍のゲーム進行に必要なデータであるミッションデータ、例えば、ミッションID、募集要項、募集条件、キャラクタリストに登録されているキャラクタのうち移籍可能なキャラクタ(移籍可能キャラクタ)、移籍可能キャラクタを移籍した際に得られる報酬の情報などが記憶される。本実施形態では、説明の便宜上、ミッションの募集条件を満たし、かつロック状態となっていないことで移籍可能となっているキャラクタを、移籍可能キャラクタと称する場合がある。
【0048】
端末ゲーム処理部80は、ゲーム開始条件が満たされた場合にゲームを開始する処理、複数種類のゲームモードのうち選択されたゲームモードを実行する処理、ゲームを進行させる処理、イベント発生条件が満たされた場合にイベントを発生させる処理、ゲーム結果を演算する処理、サーバー20にゲーム結果の演算を要求する処理、サーバー20において演算されたゲーム結果を取得する処理、およびゲーム終了条件が満たされた場合にゲームを終了する処理などを行い、主として制御部41および通信部45により実現される。また端末ゲーム処理部80は、ゲームの進行に必要な各種の入力を受け付ける入力インターフェースを提供する入力受付部81を含む。
【0049】
入力受付部81は、ゲームモードやゲームの進行に応じた表示画面を表示部44に表示させ、表示画面を通じてプレーヤの入力を受け付ける入力インターフェースを提供する処理を行う。
【0050】
入力受付部81は、特別移籍のゲームモードが選択された場合にミッション取得要求をサーバー20に送信し、サーバー20から現時点で設定されている特別移籍のミッションに関するミッションIDに紐付いた情報(募集要項、募集条件、移籍可能キャラクタ、キャラクタを移籍させた場合の報酬)を含むミッションデータを取得する。そして入力受付部81は、ミッションデータに基づいて、ミッションを選択する入力を受け付ける入力インターフェースであるミッション選択画面を表示部44に表示させる処理を行う。
【0051】
また入力受付部81は、ミッション選択画面においてミッションが選択されると、選択されたミッションIDに基づいて、プレーヤが所有する育成済みのキャラクタを移籍対象として指定する入力を受け付ける入力インターフェースであるキャラクタ選択画面(消費対象指定画面の一例)を表示部44に表示させる処理を行う。
【0052】
また入力受付部81は、ミッションデータにおいてミッションIDに紐付けられた移籍可能キャラクタに関する情報に基づいて、移籍対象として指定されているキャラクタに対応する報酬の内容をキャラクタ選択画面において表示する。本実施形態では、サーバー20の報酬内容設定部62においてプレーヤが所有する育成済みのキャラクタに対応する報酬の内容が設定され、その報酬の内容を含む情報がミッションIDに紐付けられてミッションデータ記憶部72に記憶されている。そして入力受付部81は、キャラクタ選択画面においてプレーヤが所有する育成済みのキャラクタの一覧(キャラクタリストに登録されているキャラクタの一覧)を表示して、ミッションの募集条件を満たすキャラクタが指定された場合にミッションデータ記憶部72に記憶されている当該キャラクタについての報酬の内容を参照して、その報酬の内容を示すアイコン画像やテキスト等をキャラクタ選択画面に表示する。
【0053】
また入力受付部81は、特別移籍におけるキャラクタの移籍を決定する入力を受け付ける入力インターフェースである移籍確認ダイアログボックスを表示部44に表示させる処理を行う。本実施形態では、キャラクタ選択画面において移籍対象として指定されているキャラクタの詳細なステータスを確認可能なキャラクタ詳細画面を経由して移籍確認ダイアログボックスを表示させる処理を行う。そして入力受付部81は、移籍確認ダイアログボックスにおいてキャラクタの移籍を決定する入力が行われると、サーバー20に対して移籍要求を送信する処理を行う。本実施形態では、先に述べたように移籍要求を受信したサーバー20において報酬付与部63が報酬の付与に関する処理を行う。そして入力受付部61は、報酬付与部63による報酬の付与が行われると、移籍完了ダイアログボックスを表示部44に表示させる処理を行い、プレーヤに報酬が付与されたことを通知する。
【0054】
2.本実施形態の制御手法
以下では、本実施形態の制御手法について、本実施形態のゲームプログラムをスマートフォンとして設けられたプレーヤ端末40のゲームアプリケーションに適用した場合を例に挙げて説明する。
【0055】
本実施形態のゲームプログラムは、複数種類のゲーム機能を提供可能に構成されており、主たるゲーム機能である育成機能(他のゲームモードの一例)では、複数種類のキャラクタから育成対象のキャラクタを選択して、ゲームの進行に応じてステータスに変化が生じ、所定の完了条件が満たされるとキャラクタのステータスが確定して育成完了となる。この育成済みのキャラクタは他のゲーム機能であるレース機能において他のプレーヤが育成したキャラクタとレース対戦を行うことができる。また本実施形態では、育成済みのキャラクタは所有枠(キャラクタリストへの登録が可能な数)が予め定められており、所有枠の上限(例えば、200体)に達すると、育成機能で新たにキャラクタを育成することができなくなる。このため、育成済みのキャラクタをキャラクタリストから削除して所有枠を確保することが必要となる。そして本実施形態のゲームプログラムが適用された情報処理システム10では、期間限定で開放されるゲーム機能として特別移籍機能が実行可能である。
【0056】
本実施形態のゲームプログラムで提供される特別移籍機能では、ミッションで定められた募集条件を満たす育成済みのキャラクタを移籍という形式で消費することによって、移籍対象のキャラクタのステータスに応じた報酬を得ることができる。
【0057】
特別移籍機能を説明する前提として、移籍対象となり得るキャラクタを育成する育成機能について簡単に説明する。
【0058】
育成機能では、複数種類のキャラクタから育成対象となる1体のキャラクタを、プレーヤの任意で選択して育成を行う。育成対象として選択され得る複数種類のキャラクタは、初期ステータスがキャラクタごとに設定されている。また育成対象となるキャラクタは、そのキャラクタの種類に応じた固有のスキル(固有スキル)を育成当初から取得しており、固有スキルの発動時の効果がそれぞれ異なっている。また育成対象として選択可能な複数種類のキャラクタは、スピード、スタミナ、パワー、根性、賢さといったパラメータの成長補正率がキャラクタに応じて設定されており、キャラクタの種類ごとに上昇しやすいパラメータが設定されている。
【0059】
育成対象を選択してキャラクタの育成が開始されると、例えば、計72ターンの各ターンにおいて育成の指示を行うことでキャラクタを育成することができる。具体的には、スピード、スタミナ、パワー、根性、賢さといったパラメータに関連付けられたトレーニングの指示を行うと、トレーニング結果に応じてパラメータの変化やスキルポイントの獲得が発生する。またレースへの出走を指示することで1ターンを消費することもでき、レース結果に応じてパラメータの変化やスキルポイントを獲得することができる。また育成中にイベント発生条件を満たすと、イベントが発生して獲得可能なスキルの種類が増えることや、パラメータの変化が発生する。既述のスキルポイントは、育成対象のキャラクタにスキルを取得させるために使用されるポイントであり、獲得可能なスキル一覧から所持しているスキルポイントを消費してスキルを取得させることができる。
【0060】
そして72ターンを消化すると育成の完了条件を満たし、キャラクタのステータスの確定が行われ、育成が完了したキャラクタがキャラクタリストへ登録される。なお本実施形態の育成機能では、育成対象のキャラクタに応じた育成目標が設定されており、例えば、定められたターン数を経過した時点で育成目標が達成されていない場合、72ターンを消化していなくても、育成目標が未達成となった時点で育成の完了条件を満たすことになり、キャラクタのステータスの確定が行われることがある。またステータスの確定時には育成したキャラクタのレース戦績などに応じて称号が付与される。称号はそれぞれ付与条件が設定されており、ステータスの確定時において付与条件を満たした称号が全て付与される。このため1体の育成済みのキャラクタに対して複数種類の称号が付与される場合がある。
【0061】
続いて本実施形態のゲームプログラムにおける特別移籍機能について説明する。
【0062】
まず特別移籍機能に関しては、サーバー20において定期的にミッションの更新が行われる。
図4および
図5は、特別移籍機能が開放されている状況でのミッションの設定内容の一例である。本実施形態では、特別移籍機能が7日間限定で開放され、1日に1回、サーバー20が所定の更新時刻(例えば、12:00)においてミッションの設定内容を更新し、例えば、1日目のミッションが
図4に示す通りであったとすると、翌日の12:00において、2日目のミッションとして、
図5に示す通りに更新される。3日目以降についても同様に所定の更新時刻においてミッションの設定内容の更新が行われ、本実施形態では、ミッションの設定内容の更新が計6回行われる。
【0063】
また本実施形態では、
図4および
図5に示すように、各日のミッションの設定内容において、星1~星4までの各難易度のミッションが1つずつ選択される。またミッションには、募集条件がキャラクタの距離適正、パラメータ、所持スキルに関連付けて設定されているミッションと、募集条件がキャラクタの育成中のレース戦績に関連付けて設定されているミッションとが存在する。例えば、
図4に示すミッションID「34001」のミッションは、距離適正、パラメータ、スキルを募集条件に含むミッションであり、
図5に示すミッションID「54001」のミッションは、レース戦績を募集条件とするミッションである。なおミッションの設定数は、各日において異なっていてもよく、また難易度の分布についても必ずしも均等でなくてもよい。
【0064】
図6は、特別移籍機能に関するゲーム進行の概要を示す図である。
【0065】
まずプレーヤ端末40において特別移籍のゲームモードが選択されると、プレーヤ端末40は、ミッションの設定内容およびキャラクタリストに登録されているキャラクタを移籍させた際の報酬内容に関するデータ(ミッションデータ)を、サーバー20から取得する(ステップS101)。
【0066】
具体的には、特別移籍のゲームモードを選択する入力が行われたことに基づいて、プレーヤ端末40からサーバー20に対してミッション取得要求が送信される。ミッション取得要求を受信したサーバー20は、まずプレーヤ管理データベース51を参照してミッション取得要求の送信元のプレーヤIDに紐付けられたキャラクタリストから現時刻(ミッション取得要求を受信した時刻)において設定されているミッションの募集条件を満たすキャラクタを抽出する。キャラクタの抽出は、ミッションIDごとに行われ、キャラクタリストに登録されているキャラクタのステータスを参照して、各キャラクタについてミッションIDに紐付けられた募集条件を満たすか否かが判定される。なお後述するクールタイムの発生中はキャラクタの抽出およびキャラクタに対する報酬の設定は行われない。
【0067】
例えば、
図4に示すミッションID「22003」のミッションについては、各キャラクタの距離適正およびスピードについて募集条件を満たすか否かが判定される。
【0068】
本実施形態では、距離適正のカテゴリーとして、短距離、マイル、中距離、長距離の4種類が設けられており、全てのキャラクタに対して各カテゴリーの適正がS、A、B、C、D、E、F、Gの8段階のいずれかに分類されている。適正の高さは、S>A>B>C>D>E>F>Gの順であり、適性が高いほどレースにおいて能力を発揮しやすいレースシミュレーションが行われる。この距離適正については、育成対象のキャラクタの種類ごとに各カテゴリーの適正について初期設定が存在しているが、育成中のゲームイベント等により適正の段階が変化することがある。
【0069】
そして
図4に示すミッションID「22003」においては、距離適正がマイルのカテゴリーについて適正が「A」以上であることが募集条件の一つとして指定されていることから、マイルの適正が「S」または「A」であるキャラクタが、この条件を満たしていることになる。
【0070】
また本実施形態では、スピード、スタミナ、パワー、根性、および賢さの各パラメータは、キャラクタの育成中においてトレーニング結果などによって変化し、育成が完了した際に0~1200の範囲で数値が確定するものであり、パラメータの高さに応じてSS+、SS、S+、S、A+、A、B+、B、C+、C、D、E、F、Gの14段階のいずれかに分類されている。パラメータの高さは、SS+>SS>S+>S>A+>A>B+>B>C+>C>D>E>F>Gの順であり、レースシミュレーションにおいて走行速度、加速力、持久力などが、これらのパラメータを基礎として演算される。
【0071】
そして
図4に示すミッションID「22003」においては、スピードが「B」以上であることが募集条件の一つとして指定されていることから、スピードが「SS+」~「B」のいずれかであるキャラクタが、この条件を満たしていることになる。
【0072】
そして本実施形態では、ミッション毎に募集条件の全てを満たすと判定されたキャラクタが抽出され、抽出されたキャラクタを移籍させた場合に付与される報酬内容を決定する。
【0073】
ここで本実施形態では、ミッションの募集条件を満たしたキャラクタの報酬を決定する際にキャラクタの評価点を参照する。この評価点は、育成機能においてキャラクタの育成が完了した際に、スピード、スタミナ、パワー、根性、賢さの各パラメータと、所持スキルとのそれぞれについて、予め定められた基準に従って点数を算出し、それらの合計を評価点としてキャラクタのランク付けを行うためのものである。本実施形態では、評価点の高さに応じて、SS+、SS、S+、S、A+、A、B+、B、C+、C、D、E、F、Gの14段階が設けられており、SS+>SS>S+>S>A+>A>B+>B>C+>C>D>E>F>Gの順に評価点が高いものとされている。
【0074】
そして本実施形態では、ミッションIDに紐付けられている報酬の段階が1段階の場合と複数段階の場合とがある。報酬の段階が1段階である場合には、報酬決定の基準となる評価点が0(Gランクに相当)に設定されており、募集条件を満たしたキャラクタに対して、そのキャラクタの評価点の高低に関わらずに報酬が対応づけられる。
図4に示す例では、ミッションID「34001」および「13002」が報酬の段階が1段階である場合に相当する。また報酬の段階が複数段階である場合には、段階に応じた評価点の基準が設けられており、キャラクタの評価点において最も高い基準をクリアした報酬内容が対応づけられる。
図4に示す例では、ミッションID「22003」および「41006」が報酬の段階が複数段階(3段階)である場合に相当する。例えば、ミッションID「22003」に関する報酬内容の対応付けを行う場合に、募集条件を満たすとして抽出されたキャラクタAの評価点が「5000」であった場合、強化ポイント×5000とゲーム内通貨×10000とがミッションID「22003」に関するキャラクタAを移籍させた際の報酬内容として対応づけられる。なお本実施形態のように評価点を参照するのではなく、評価点に基づくランク、スピード等のパラメータ、所持スキル、称号、距離適正等の各種適正、その他、キャラクタリストにおいて管理されているキャラクタのステータスに関する任意の情報を参照して報酬内容の対応付けを行うようにしてもよい。
【0075】
上記のように募集条件を満たしたキャラクタの抽出と、抽出されたキャラクタに関する報酬内容の対応付けが完了すると、サーバー20は、ミッションの設定内容とキャラクタリストに対する報酬内容の対応付けの結果とを含むミッションデータをプレーヤ端末40に送信する。
【0076】
サーバー20からミッションデータの取得を完了すると、プレーヤ端末40ではミッション選択画面を表示し、特別移籍のミッションを選択するための入力を受け付ける(ステップS102)。
【0077】
図7は、プレーヤ端末40で表示されるミッション選択画面の一例を示す図である。
【0078】
ミッション選択画面には、サーバー20から取得したミッションデータに基づく4種類のミッションに対応するミッションバナー201~204が設けられる。各ミッションバナーにおいて、ミッションIDに紐付けられた募集要項が表示され、ミッションの概要を知ることができる。また各ミッションバナーにはミッションの実行可能回数、ミッションの難易度に相当する期待度、ミッションの受付期限なども表示される。なお本実施形態では、受付期限が1日のミッションのみが設定される場合を例にとり説明をしているが、2日以上の受付期限のミッションが存在していてもよい。
【0079】
またミッション選択画面では、キャラクタリストの中に募集条件を満たすキャラクタが存在するミッションに対して、バッジアイコン210が表示される。募集条件を満たすキャラクタが存在するか否かについては、例えば、サーバー20から取得したミッションデータにおいて移籍可能キャラクタが存在しているミッションのミッションIDに紐付けてバッジアイコンフラグが設定されており、バッジアイコンフラグが設定されているか否かで判断することができる。また募集条件を満たすキャラクタが存在するか否かについては、例えば、プレーヤデータ記憶部71のキャラクタリストを参照して全てのキャラクタに対して募集条件を満たすか否かをプレーヤ端末40側で判断するようにしてもよい。また募集条件を満たすキャラクタが存在するミッションであっても、募集条件を満たすキャラクタが全てロック状態である場合には、バッジアイコン210は表示されない。
図7に示す例では、ミッションバナー202,204,に対してバッジアイコン210が表示されているため、これらのミッションバナーに対応するミッションが達成可能であることを瞬時に把握することができる。なお募集条件を満たすキャラクタが存在しないミッションに対応するミッションバナーをグレーアウト表示するようにしてもよい。
【0080】
また本実施形態ではミッション選択画面においてミッションの難易度順にミッションバナーを表示するようにしたが、ミッション選択画面におけるミッションバナーの表示順序は、募集条件を満たし、かつ移籍可能なキャラクタが存在するミッションのミッションバナー(バッジアイコン210が付されるミッションバナー)を上位に表示するようにしてもよい。またミッションの受付期限や実行可能回数を基準としてミッションバナーの表示順序を設定してもよい。また実行可能回数が0のミッションについては実行可能回数の残数があるミッションよりも下位に表示するようにしてもよい。また実行可能回数が0のミッションについては、その旨を判別可能なスタンプ表示をする、またはグレーアウト表示するなどしてもよい。
【0081】
そしてミッション選択画面においてミッションバナー201~204のいずれかに対するタップ入力が行われると、表示画面がミッション選択画面からキャラクタ選択画面に遷移し、キャラクタリストからキャラクタを選択し、特別移籍に関する移籍対象として指定するための入力を受け付ける(ステップS103)。
【0082】
図8~
図10は、プレーヤ端末40で表示されるキャラクタ選択画面の一例を示す図である。
【0083】
キャラクタ選択画面には、ミッションバナーに対応する募集要項などが表示される募集要項欄301に加えてミッションに対応する募集条件が表示される募集条件欄302が設けられ、報酬を得るためにキャラクタが満たすべき条件を詳細に確認することができる。
【0084】
またキャラクタ選択画面には、キャラクタリストに登録されているプレーヤが所有する育成済みのキャラクタの一覧が表示され、各キャラクタについてキャラクタ種別IDに対応するキャラクタアイコンにランクバッジを付して表示される。このランクバッジはキャラクタの育成完了時に評価点に対応して付与されるキャラクタのランクを示すものであり、ランクバッジの表示内容に基づいてキャラクタの能力高さを確認することができる。ただしランクバッジで示されるキャラクタのランクはステータスを総合して評価した結果を示すものであり、スピード等の個別のパラメータについては把握することができないが、後述するキャラクタ詳細画面にてパラメータの確認が可能である。
【0085】
またキャラクタ選択画面では、選択中のミッションの募集条件を満たさないと判定されたキャラクタのキャラクタアイコンはグレーアウト表示され、またレース出走中である場合などロック状態に設定されているキャラクタのキャラクタアイコンについては、サーバー20で報酬の対応付けを行う際に抽出対象とならないため、ロック状態であるキャラクタについてはロック中バッジ305を付した上でグレーアウト表示される。なおキャラクタ選択画面では、キャラクタリストに登録されているキャラクタのうち、選択中のミッションに対応する募集条件を満たしているキャラクタのキャラクタアイコンのみが一覧で表示されるようにしてもよい。
【0086】
またキャラクタ選択画面では、任意のキャラクタアイコンに対してタップ入力を行うことで指定状態となり、指定状態のキャラクタアイコンは外延を強調して表示される。そしてキャラクタ選択画面では、指定状態のキャラクタアイコンに対応するキャラクタを移籍対象とした場合に得られる報酬の内容が表示される。
図8に示す例では、強化ポイントに対応するアイコン306とゲーム内通貨に対応するアイコン307によって、強化ポイント×8000とゲーム内通貨×10000の報酬が得られることが把握できる。なおアイコン表示ではなくテキスト表示によって報酬の内容を示すようにしてもよい。
【0087】
またキャラクタ選択画面において、指定状態となるキャラクタアイコンが変更されると、
図9に示すように、新たに指定状態となったキャラクタアイコンに対応するキャラクタを移籍対象とした場合に得られる報酬の内容が表示される。
図9に示す例では、強化ポイントに対応するアイコン306とゲーム内通貨に対応するアイコン307によって、強化ポイント×5000とゲーム内通貨×10000の報酬が得られることが把握できる。
【0088】
またキャラクタ選択画面において、グレーアウト表示されているキャラクタアイコンが指定状態である場合には、
図10に示すように、選択中のミッションでの最低保障となる報酬の内容が表示される。
図10に示す難易度が星2のミッションの例では、キャラクタのランクが評価点4900(C+ランクに相当)未満である場合について最低保障の報酬(ゲーム内通貨×10000)が割り当てられており、その報酬の内容に対応するアイコン307が表示される。このようにすれば選択中のミッションに対応する報酬の最低保障の内容を把握しやすくなる。なおグレーアウト表示されているキャラクタアイコンについては指定状態となっても報酬の内容に対応するアイコンの表示は行わないようにしてもよい。またグレーアウト表示されているキャラクタアイコンに対するタップ入力が行われても、タップ入力を無効なものとして扱い、グレーアウト表示されているキャラクタアイコンを指定状態にしないように制御してもよい。
【0089】
そしてキャラクタ選択画面において、選択中のミッションに対応する募集条件を満たすキャラクタのキャラクタアイコンが指定状態となっている状況で、画面下部に設けられた詳細確認ボタン308に対するタップ入力が行われると、表示画面がキャラクタ選択画面からキャラクタ詳細画面に遷移し、特別移籍の移籍対象として指定されたキャラクタの消費を決定する入力を受け付ける(ステップS103)。なおキャラクタ選択画面において、選択中のミッションに対応する募集条件を満たさないキャラクタのキャラクタアイコンが指定状態となっている状況では、詳細確認ボタン308へのタップ入力は無効なものとして扱われてキャラクタ詳細画面へは移行しない。またキャラクタ選択画面において、選択中のミッションに対応する募集条件を満たさないキャラクタのキャラクタアイコンが指定状態となっている状況では、詳細確認ボタン308をグレーアウト表示するなどして、詳細確認ボタン308が無効化されていることを示すようにしてもよい。
【0090】
図11は、キャラクタ詳細画面の一例を示す図である。
【0091】
キャラクタ詳細画面では、キャラクタ選択画面から遷移する際に指定状態となっていたキャラクタのステータスの詳細が表示される。キャラクタのステータスはキャラクタリストに登録されているデータに基づいて表示される。例えば、称号、スピード、スタミナ、パワー、根性、賢さの各種パラメータ、コース適性、距離適正、脚質適正、スキルなどについてキャラクタ詳細画面を通じて確認することができる。
【0092】
またキャラクタ詳細画面の画面下部には移籍確認ボタン401が設けられており、移籍確認ボタン401に対するタップ入力が行われると、移籍確認ダイアログボックスが最前面に表示され、キャラクタの移籍を決定する入力を受け付ける(ステップS105)。またキャラクタ詳細画面には画面復帰ボタン402も設けられており、画面復帰ボタン402に対するタップ入力が行われると、表示画面がキャラクタ選択画面に復帰する。
【0093】
図12は、移籍確認ダイアログボックスの表示例を示す図である。
【0094】
移籍確認ダイアログボックスでは、移籍対象として指定されたキャラクタのキャラクタアイコンと、キャラクタの移籍を確認するためのチェックボックス502と、キャラクタの移籍を決定する決定ボタン503と、キャラクタの移籍をキャンセルするキャンセルボタン504とが設けられる。
【0095】
移籍確認ダイアログボックスでは、チェックボックス502に対するタップ入力を行うことでチェックマークの有無を切り替えることができ、チェックボックス502にチェックマークが表示されている状況で決定ボタン503に対するタップ入力が行われるとキャラクタの移籍が確定する。なおチェックボックス502にチェックマークが表示されていない状況では決定ボタン502がグレーアウト表示され、決定ボタン502に対するタップ入力は受け付けられないように制御される。また移籍確認ダイアログボックスにおいてキャンセルボタン504に対するタップ入力が行われた場合には、キャラクタ詳細画面に復帰する。
【0096】
また本実施形態のゲームプログラムでは、育成機能に関して継承という仕様が存在する。この継承という仕様は、キャラクタの育成を開始するに当たって、キャラクタリストに登録されている育成済みのキャラクタをサポートキャラクタとして設定し、当該キャラクタのステータスに基づいて育成を有利に進めるためのものである。そして特別移籍機能では、育成済みのキャラクタを移籍という形式で消費して報酬を得ることでキャラクタリストから移籍対象のキャラクタを削除するものであるから、移籍させたキャラクタについては、以降、サポートキャラクタとして使用することができなくなる。このため、本実施形態では、移籍対象として指定されているキャラクタがサポートキャラクタとして使用された履歴がある場合には、
図13に示すように、移籍確認ダイアログボックスにおいて、移籍対象のキャラクタが継承に使用された履歴があることを通知するメッセージ表示を行っている。このようにすれば、今後もサポートキャラクタとして使用する可能性のあるキャラクタを誤って移籍対象としてしまう事態を未然に防ぐことができる。
【0097】
そして移籍確認ダイアログボックスにおいて、チェックボックス502にチェックマークが表示されている状況で決定ボタン503に対するタップ入力が行われると、プレーヤ端末40からキャラクタ移籍要求がサーバー20に送信され、移籍要求を受信したサーバー20では、クールタイムの管理を開始する(ステップS106)。プレーヤ端末40の表示画面上では、ミッション選択画面に復帰し、
図14に示すように、クールタイム発生中のミッションについては、対応するミッションバナーで「交渉中」のメッセージ表示がなされる。またクールタイムの発生中は、他のミッションにおいて募集条件を満たすキャラクタが存在していても、特別移籍機能に関する新たなミッションを行うことはできず、各ミッションバナーにはバッジアイコンの表示は行われない。
【0098】
クールタイムの管理が開始されると、サーバー20はプレーヤ端末40からミッション取得要求を受信するごとに、クールタイム(例えば、5分)が終了したか否かを判定する。クールタイムの終了判定は、例えば、プレーヤ端末40からキャラクタ移籍要求を受信してからの経過時間によって行われる。またプレーヤ端末40からミッション取得要求を受信した際に、サーバー20においてクールタイムの発生中であると判断される場合には、キャラクタリストからのミッションの募集条件を満たすキャラクタの抽出および報酬の対応付けは行われない。この場合、サーバー20は、ミッション取得要求に対して、ミッションIDにキャラクタ個体IDの紐付けがなされていないミッションデータをプレーヤ端末40に送信する応答を行う。
【0099】
そしてプレーヤ端末40からのミッション取得要求を受信したサーバー20においてクールタイムが終了したと判断された場合、クールタイムが終了したと判断されたミッションに関連付いた報酬の付与を実行する(ステップS107)。なおクールタイムの管理において、クールタイムを0に設定することで移籍確認ダイアログボックスにてキャラクタの移籍を決定する入力が行われると、サーバー20において即座にクールタイムの終了と判定されて報酬が付与されるようにすることも可能である。またクールタイムの長さは任意に設定することができ、さらにクールタイム管理を行わない構成であってもよい。
【0100】
本実施形態では、ミッション取得要求の送信元のプレーヤIDに対応するプレーヤ管理データベース51のアイテムリストに対して、消費対象となったキャラクタに対応づけられた報酬に相当するアイテム等を追加してアイテムリストを更新する。またクールタイムが終了するとキャラクタを移籍させる処理として、ミッション取得要求の送信元のプレーヤIDに対応するプレーヤ管理データベース51のキャラクタリストから移籍対象となったキャラクタを削除してキャラクタリストを更新する。サーバー20は、アイテムリストおよびキャラクタリストの更新が完了すると、これらの更新データをミッション取得要求に対するミッションデータとともにプレーヤ端末40へ送信する。
【0101】
そしてサーバー20からミッションデータとともにアイテムリストおよびキャラクタリストの更新データを受信したプレーヤ端末40では、受信したミッションデータに基づいてミッションデータ記憶部72に記憶されているミッションデータを更新するとともに、キャラクタリストおよびアイテムリストの更新データに基づいてプレーヤデータ記憶部71に記憶されているキャラクタリストおよびアイテムリストを更新し、ミッション選択画面の前面に
図15に示す移籍完了ダイアログボックスを表示して、プレーヤに特別移籍のミッションが完了し報酬が付与されたことを通知する。
【0102】
以上に述べた本実施形態では、キャラクタリストに登録されている育成済みのキャラクタを移籍という形式で消費して報酬を得る特別移籍機能に関して、ミッション毎に設定される募集条件を満たすキャラクタを移籍させた場合に報酬を得ることができ、募集条件を満たすキャラクタのステータスに基づいてキャラクタを移籍させた際に得られる報酬の内容が設定されているため、得られる報酬の多様性を高めてプレーヤの関心を惹きつけることができる。
【0103】
特に本実施形態では、ミッションの募集条件に関するキャラクタのステータスの情報と報酬の設定に関するキャラクタのステータスの情報とが異なっている。具体的には、ミッションの募集条件は、キャラクタのステータスのうち、スピード等のパラメータ、距離適正などの各種適正、所持スキルなどによって設定されるが、報酬の内容は、キャラクタのステータスのうち評価点(または評価点に基づくランク)によって設定される。このため本実施形態によれば、ミッションの募集条件を満たすために特定のステータスを高める育成を行っても良い報酬を得ることができるとは限らないため、キャラクタの育成において様々な工夫が求められ、育成機能に対するプレーヤの興趣を高めることもできる。
【0104】
また本実施形態では、キャラクタを移籍対象として指定する入力を受け付ける入力インターフェースであるキャラクタ選択画面において、移籍対象として指定されているキャラクタに対応する報酬の内容を表示するようにした。そして本実施形態では、プレーヤがキャラクタ選択画面を通じて報酬の内容を確認しながら移籍対象を選定することができるようになるため、プレーヤの入力利便性を向上させることができる。
【0105】
また本実施形態では、キャラクタ選択画面において、キャラクタリストに登録されているキャラクタのうち、ミッションの募集条件を満たさないキャラクタについては、キャラクタアイコンをグレーアウト表示するとともに、そのキャラクタアイコンを指定状態とした状況では移籍確認に進むことができないようになっている。このためプレーヤがキャラクタ選択画面を通じて移籍対象となるキャラクタの選択している際に、無用な画面遷移が発生することを防止することができる。なおキャラクタ選択画面においてグレーアウト表示されているキャラクタアイコンについては指定状態とならないように制御する、または募集条件を満たさないキャラクタについてはキャラクタ選択画面に表示しないようにすることによっても同様の効果を得ることができる。
【0106】
また本実施形態では、特別移籍機能のゲームモードが選択された際にプレーヤ端末40から送信されるミッション取得要求に対する応答として、サーバー20から移籍可能キャラクタに対する報酬の設定結果が送信されるようにしたが、ミッション取得要求に対するサーバー20の応答としては、募集条件を満たすキャラクタの抽出結果をプレーヤ端末40に取得させて、プレーヤ端末40においてミッション選択画面においてミッションが選択されると、入力受付部61が、選択されたミッションのミッションIDを含むミッション選択通知をサーバー20に送信し、ミッション選択通知の応答としてサーバー20が移籍可能キャラクタに対する報酬の内容に関する設定結果をプレーヤ端末40に送信するようにしてもよい。またサーバー20の報酬内容設定部62は、ミッション取得要求を受信した時点では募集条件を満たすキャラクタの抽出だけを行ってキャラクタに対する報酬の設定は行わず、ミッション選択通知を受信したことに基づいて、ミッションIDに紐付けられた移籍可能キャラクタに対する報酬の内容を設定して、その設定結果をプレーヤ端末40に送信するようにしてもよい。また移籍可能キャラクタに対する報酬の内容を設定する処理については、キャラクタ選択画面においてキャラクタアイコンに対するタップ入力が行われた段階で行われるようにしてもよい。例えば、キャラクタ選択画面においてキャラクタアイコンに対するタップ入力が行われるとプレーヤ端末40がキャラクタアイコンに対応するキャラクタのキャラクタ個体IDを含む報酬設定要求をサーバー20に対して送信し、報酬設定要求を受信したサーバー20では、報酬内容設定部62が報酬設定要求に含まれるキャラクタ個体IDに対応するキャラクタのステータスを参照して報酬の内容を設定し、報酬設定要求の応答として、報酬の内容に関する設定結果をプレーヤ端末40に送信するようにしてもよい。
【0107】
また本実施形態では、ミッションの募集条件を満たすキャラクタに対して報酬を設定する際に、キャラクタのステータスによって一義的に報酬内容が設定されるようにしたが、キャラクタのステータスに応じた抽選態様で所定の抽選処理を行って報酬内容を設定するようにしてもよい。この場合に、募集条件を満たすキャラクタのステータスに応じて抽選対象となる報酬の種類が異なっている態様や、募集条件を満たすキャラクタのステータスに応じて報酬の抽選確率が異なっている態様などを採用することができる。
【0108】
なおキャラクタを移籍させた場合に得られる報酬が抽選によって決定される場合、報酬となるアイテム等を個別に抽選して、抽選に当選したアイテムを報酬としてキャラクタに対応づけることができる。また報酬となるアイテム等のセットを抽選対象とした抽選を行って、当選したセットを報酬としてキャラクタに対応づけるようにしてもよい。
【0109】
また本実施形態では、ミッションの募集条件を満たすキャラクタの移籍を決定してから報酬が付与されるまでの期間としてクールタイムを発生させる場合を例にとり説明をしたが、キャラクタの移籍が決定されると報酬を付与してから次回のミッションを行えるようになるまでの期間としてクールタイムを発生させるようにしてもよい。
【0110】
またキャラクタ選択画面において移籍可能なキャラクタが存在しない場合、例えば、募集条件を満たすキャラクタが存在していても、そのキャラクタの全てがロック状態となっている場合などにおいては、育成機能への誘導を行うボタンを表示して、そのボタンに対するタップ入力が行われると、育成機能のゲームモードへ移行できるようにしてもよい。このようにすれば、特別移籍機能において移籍させるキャラクタの育成を速やかに開始することができるため、プレーヤの入力利便性を向上させることができる。
【0111】
また本実施形態では、ミッションの募集条件を満たすキャラクタに対して報酬の内容を設定する処理をプレーヤ端末40からミッション取得要求を受け取った場合に実行されるようにしたが、育成機能においてキャラクタの育成が完了してステータスが確定した際に、確定したステータスを参照して報酬の内容を設定する処理を行うようにしてもよい。また本実施形態では、ミッションの募集条件を満たすキャラクタに対して報酬の内容を設定する処理をサーバー20において実行するようにしたが、プレーヤ端末40において実行するように構成してもよい。
【0112】
またサーバー20に関して、ミッションを設定する機能、キャラクタに対応する報酬の内容を設定する機能を1台のサーバー20で実現してもよいし、各機能を複数台のサーバー20に分散して別々のサーバー20で実現していてもよい。
【0113】
またキャラクタ選択画面において、報酬の内容に応じて表示対象のキャラクタを抽出して、報酬の段階に応じたキャラクタの一覧から移籍対象のキャラクタを指定できるようにしてもよい。本実施形態では、報酬の段階が最大で3段階設けられているので、報酬の内容に応じて、報酬の良い順に「大」、「中」、「小」のカテゴリーを設定するとともに、移籍可能キャラクタではないキャラクタ用に「無」のカテゴリーを設けて、これらのカテゴリーに基づいてプレーヤの所有する育成済みのキャラクタをグループ分けし、該当するカテゴリーの表示対象のキャラクタのキャラクタアイコンをキャラクタ選択画面において表示させることができる。
【0114】
図16~
図18は、報酬の内容に応じて表示対象のキャラクタを抽出する場合のキャラクタ選択画面の表示例を示す図である。
【0115】
本例では、
図16に示すように、報酬の内容に応じた報酬選択タブ310が設けられており、報酬選択タブに対するタップ入力によって報酬の内容を切り替えつつ、表示対象のキャラクタを切り替えることができる。例えば、
図16に示す場合については、報酬の内容に関して「大」が選択されており、カテゴリー「大」に対応する報酬の内容である、強化ポイント×8000を示すアイコン306と、ゲーム内通貨×10000を示すアイコン307とが表示され、その報酬が対応づけられた移籍可能キャラクタが抽出されて、そのキャラクタアイコンのみが表示される。
【0116】
そして報酬選択タブ310に関してカテゴリー「小」の部位に対するタップ入力が行われると、
図17に示すように、カテゴリー「小」に対応する報酬の内容である、ゲーム内通貨×10000を示すアイコン307が表示され、その報酬が対応づけられた移籍可能キャラクタが抽出されて、そのキャラクタアイコンのみが表示される。
【0117】
また報酬選択タブ310に関してカテゴリー「無」の部位に対するタップ入力が行われると、
図18に示すように、「もらえる報酬はありません」とのメッセージ表示がなされ、移籍可能キャラクタではないキャラクタ、具体的には、募集条件を満たさないキャラクタ、ロック状態となっているキャラクタが抽出されて、そのキャラクタアイコンのみが表示される。なお報酬選択タブ310に関してカテゴリー「無」の部位が選択されている状況では、選択中のミッションの最低保障の報酬(ここではカテゴリー「小」)の内容を表示するようにしてもよい。
【0118】
また本実施形態では、レースを行うためのキャラクタを育成し、育成したキャラクタを消費することで報酬を得ることができるゲームを例にとり説明をしたが、他のゲームにおいて情報処理システム10の各機能を提供する構成としてもよい。例えば、野球ゲームやサッカーゲームなどのスポーツゲームにおいて、競技に参加するキャラクタを育成し、育成したキャラクタを消費することで報酬を得ることができるゲームに適用することができる。また他のジャンルのゲーム、例えば、格闘ゲーム、アクションゲーム、バトルロイヤルゲーム、ロールプレイングゲームなどにおいてキャラクタを育成して、育成したキャラクタを消費することで報酬を得ることができるゲームに適用してもよい。また消費対象となるゲーム媒体はキャラクタに限られず、例えば、装備品(例えば、武器や防具など)やアイテムなどについてステータスを変化させる要素(例えば、レベルアップ、進化など)が存在し、装備品やアイテムを消費することで、その消費対象のステータスに応じた報酬が得られるゲームに適用してもよい。
【符号の説明】
【0119】
10 情報処理システム、
20 サーバー、40 プレーヤ端末、21,41 制御部、22,42 記憶部、
23,45 通信部、43 操作入力部、44 表示部、
50 サーバーデータ記憶部、51 プレーヤ管理データベース、
52 ミッションデータベース、
60 サーバーゲーム処理部、61 ミッション設定部、62 報酬内容設定部、
63 報酬付与部、
70 端末データ記憶部、71 プレーヤデータ記憶部、
72 ミッションデータ記憶部、
80 端末ゲーム処理部、81 入力受付部、
【要約】
【課題】ゲーム媒体を消費した際に得られる報酬の多様性を高めてプレーヤの関心を惹きつけることが可能なプログラム、情報処理システム、および情報処理方法を提供する。
【解決手段】ミッション毎に設定される募集条件を満たすキャラクタに紐付くステータスに基づいてキャラクタを消費した際に得られる報酬の内容が設定され、キャラクタを消費対象として指定する入力を受け付ける入力インターフェースであるキャラクタ選択画面において、消費対象として指定されているキャラクタに対応する報酬の内容を表示するようにした。
【選択図】
図8