(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-14
(45)【発行日】2022-10-24
(54)【発明の名称】栽培樋洗浄機
(51)【国際特許分類】
A01G 31/00 20180101AFI20221017BHJP
B08B 1/04 20060101ALI20221017BHJP
B08B 3/02 20060101ALI20221017BHJP
【FI】
A01G31/00 611Z
B08B1/04
B08B3/02 F
(21)【出願番号】P 2021125470
(22)【出願日】2021-07-30
【審査請求日】2021-09-15
(73)【特許権者】
【識別番号】391005134
【氏名又は名称】オギハラ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092691
【氏名又は名称】黒田 勇治
(74)【代理人】
【識別番号】100199543
【氏名又は名称】黒田 隆史
(72)【発明者】
【氏名】荻原 潔
【審査官】星野 浩一
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第105944992(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第104886919(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 31/00
B08B 1/04
B08B 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水耕栽培用の栽培樋を洗浄する洗浄機であって、上記洗浄すべき栽培樋を載置固定する固定架台と、上記栽培樋を洗浄する洗浄機構をもつ洗浄機体とを具備してなり、上記洗浄機体を上記栽培樋の水路方向に往復移動案内可能な移動案内機構が設けられ、該洗浄機体を該栽培樋の水路方向に往復移動させる往復移動機構が設けられてな
り、上記固定架台に上記栽培樋を着脱自在に載置保持する複数個の受桟材が配列され、該固定架台の上記栽培樋の水路方向の前後位置に栽培樋を保持する係止材が設けられ、該受桟材に栽培樋を載置可能な載置凹部が形成されてなり、かつ、上記洗浄機構に上記栽培樋を洗浄する回転ブラシが配設され、上記洗浄機構に上記栽培樋に高圧の洗浄水を噴射可能な噴射ノズルが配設され、上記洗浄機構に上記栽培樋に洗浄水を散水可能な散水ノズルが配設されてなり、更に、上記移動案内機構は、上記固定架台の左右のガイドレールと該ガイドレール上を転動する支持ロールとからなり、上記往復移動機構は、上記固定架台に配設され、上記洗浄機体の移動方向に配置されたラック歯車と、上記洗浄機体に配設され、該ラック歯車に歯合するピニオン歯車を正逆回転させる往復移動用モータとを備えてなることを特徴とする栽培樋洗浄機。
【請求項2】
上記固定架台の下方位置に上記洗浄水を回収する回収樋部が配設されていることを特徴とする請求項
1記載の栽培樋洗浄機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水耕栽培用の各種の栽培樋を洗浄する栽培樋洗浄機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の水耕栽培用の栽培樋T(栽培ベッド、ガーターともいわれている。)として、例えば、
図9の如く、水路Fをもつ長尺状の合成樹脂製の樋材T
1と複数個の植付穴P・・を有する蓋材T
2とを着脱自在に組み付けてなる構造のものが知られている。
【0003】
しかして、例えば、蓋材T2の複数個の植付穴P・・に植物を植栽し、樋材T1の水路Fに図示省略の培養液を貯留又は循環させ、湛液水耕法や薄膜水耕法による水耕栽培が行われることになる。そして、水耕栽培後、栽培樋Tの樋材T1の水路Fや蓋材T2の内面には藻類やカビ類、培養液中の成分のスケール等が付着蓄積することから、栽培樋Tの水路F等の洗浄作業が必要となる。なお、他の栽培樋Tとして、上記樋材T1のみからなる栽培樋Tや、図示省略の浅皿容器に複数個の水路Fを並列状に配置形成してなるトレイ状の栽培樋Tも存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第2819463号公報
【文献】特開2019-170198号公報
【文献】特許第3189264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上記従来構造の場合、スポンジ、束子、不織布等の清掃具を用いて上記栽培樋の水路を手作業で清掃したり、水路内に滑動部材を嵌挿進行し、滑動部材の洗浄ノズルからの洗浄水により水路を洗浄したりすることができるものの、近年の栽培樋の使用量の増加及び用途の拡大もあって、栽培樋の迅速な洗浄作業が要求され、これらの要求に対応できないことがあるという不都合を有している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はこれらの不都合を解決することを目的とするもので、本発明のうちで、請求項1記載の発明は、水耕栽培用の栽培樋を洗浄する洗浄機であって、上記洗浄すべき栽培樋を載置固定する固定架台と、上記栽培樋を洗浄する洗浄機構をもつ洗浄機体とを具備してなり、上記洗浄機体を上記栽培樋の水路方向に往復移動案内可能な移動案内機構が設けられ、該洗浄機体を該栽培樋の水路方向に往復移動させる往復移動機構が設けられてなり、上記固定架台に上記栽培樋を着脱自在に載置保持する複数個の受桟材が配列され、該固定架台の上記栽培樋の水路方向の前後位置に栽培樋を保持する係止材が設けられ、該受桟材に栽培樋を載置可能な載置凹部が形成されてなり、かつ、上記洗浄機構に上記栽培樋を洗浄する回転ブラシが配設され、上記洗浄機構に上記栽培樋に高圧の洗浄水を噴射可能な噴射ノズルが配設され、上記洗浄機構に上記栽培樋に洗浄水を散水可能な散水ノズルが配設されてなり、更に、上記移動案内機構は、上記固定架台の左右のガイドレールと該ガイドレール上を転動する支持ロールとからなり、上記往復移動機構は、上記固定架台に配設され、上記洗浄機体の移動方向に配置されたラック歯車と、上記洗浄機体に配設され、該ラック歯車に歯合するピニオン歯車を正逆回転させる往復移動用モータとを備えてなることを特徴とする栽培樋洗浄機にある。
【0007】
又、請求項2記載の発明は、上記固定架台の下方位置に上記洗浄水を回収する回収樋部が配設されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明は上述の如く、請求項1記載の発明にあっては、洗浄すべき栽培樋を固定架台に載置固定し、洗浄機構をもつ洗浄機体を移動案内機構及び往復移動機構により栽培樋の水路方向に往復移動させることになり、上記固定架台に上記栽培樋を着脱自在に載置保持する複数個の受桟材が配列され、固定架台の上記栽培樋の水路方向の前後位置に栽培樋を保持する係止材が設けられ、受桟材に栽培樋を載置可能な載置凹部が形成され、洗浄機体の往移動及び復移動の往復移動により固定架台に載置された栽培樋を洗浄機構により迅速に洗浄することができ、水耕栽培後の栽培樋に付着している藻類やカビ類、培養液中の成分のスケール等を洗浄除去することができ、さらに、栽培樋を固定架台に載置固定して洗浄機体を往復移動させる構造であるから、複数個の栽培樋を人為的又は自動的に移動させる必要が無くなり、それだけ、栽培樋の洗浄構造を簡素化することができると共に洗浄作業の容易化及び洗浄作業性の向上を図ることができ、かつ、上記洗浄機構に上記栽培樋を洗浄する回転ブラシが配設されているから、回転ブラシの回転接触作用及び洗浄機体の往復移動の相互作用により栽培樋を容易かつ確実に洗浄することができ、上記洗浄機構に上記栽培樋に高圧の洗浄水を噴射可能な噴射ノズルが配設されているから、高圧の洗浄水が栽培樋に噴射衝突して栽培樋を一層、容易かつ確実に洗浄することができ、上記洗浄機構に上記栽培樋に洗浄水を散水可能な散水ノズルが配設されているから、栽培樋への洗浄水の散水及び回転ブラシの回転により洗浄水が撹拌されて栽培樋を一層、容易かつ確実に洗浄することができ、更に、上記移動案内機構は、上記固定架台の左右のガイドレールと、ガイドレール上を転動する支持ロールとから構成されているから、洗浄機体を確実に移動案内することができ、それだけ、栽培樋の洗浄作業性を向上することができ、上記往復移動機構は、上記固定架台に配設され、上記洗浄機体の移動方向に配置されたラック歯車と、上記洗浄機体に配設され、ラック歯車に歯合するピニオン歯車を正逆回転させる往復移動用モータとを備えてなるから、上記洗浄機体を栽培樋の水路方向としての上記洗浄機体の移動方向に確実に往復移動させることができ、栽培樋の洗浄作業性を向上することができると共に往復移動機構の構造を簡素化することができる。
【0009】
又、請求項2記載の発明にあっては、上記固定架台の下方位置に上記洗浄水を回収する回収樋部が配設されているから、洗浄作業後の洗浄水を回収して新たな栽培樋の洗浄作業に再利用することができ、洗浄水を繰り返して使用することができ、洗浄水を有効利用することができ、洗浄作業の場所に制約されることがなくなり、機械の使用の融通性を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図3】本発明の実施の形態例の部分拡大正断面図である。
【
図4】本発明の実施の形態例の部分拡大正断面図である。
【
図5】本発明の実施の形態例の部分拡大平断面図である。
【
図7】本発明の実施の形態例の部分拡大平断面図である。
【
図8】本発明の実施の形態例の部分拡大側断面図である。
【
図9】本発明の実施の形態例の栽培樋の分離斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1乃至
図9は本発明の実施の形態例を示し、大別して、
図1、
図2の如く、水耕栽培用の栽培樋Tを洗浄する洗浄機であって、上記洗浄すべき栽培樋Tを載置固定する固定架台Aと、上記栽培樋Tを洗浄する洗浄機構B
1をもつ洗浄機体Bとを具備してなり、上記洗浄機体Bを上記栽培樋Tの水路方向Hとしての長手方向に往復移動案内可能な移動案内機構Cが設けられ、洗浄機体Bを栽培樋Tの水路方向Hに往復移動させる往復移動機構Dが設けられてなる。
【0012】
そして、この場合、
図4、
図5、
図6、
図7の如く、上記洗浄機構B
1に上記栽培樋Tを洗浄する回転ブラシR・・が配設され、かつ、上記洗浄機構B
1に上記栽培樋Tに高圧の洗浄水Wを噴射可能な噴射ノズルHNが配設され、さらに、上記洗浄機構B
1に上記栽培樋Tに洗浄水Wを散水可能な散水ノズルLNが配設されている。
【0013】
又、この場合、
図2、
図5、
図6の如く、上記移動案内機構Cは、上記固定架台Aの左右の側辺部材A
1・A
1に設けたガイドレールC
1・C
1と、ガイドレールC
1・C
1上を転動する複数個の支持ロールC
2・・とから構成され、又、上記往復移動機構Dは、上記固定架台Aに配設され、栽培樋Tの水路方向Hとしての上記洗浄機体Bの移動方向Mに配置されたラック歯車D
1と、上記洗浄機体Bに配設され、ラック歯車D
1に歯合するピニオン歯車D
2を正逆回転させる往復移動用モータD
3とを備えて構成されている。
【0014】
又、この場合、
図1の如く、上記固定架台Aの下方位置に上記洗浄水Wを回収する回収樋部Gが配設されている。
【0015】
しかして、この場合、上記固定架台Aは、
図2、
図3、
図5、
図6の如く、上記栽培樋Tとしての樋材T
1及び蓋材T
2を着脱自在に載置保持可能な長さの寸法に構成され、固定架台Aは左右の側辺部材A
1・A
1及び架台1から構成され、側辺部材A
1・A
1間に栽培樋Tを載置保持する複数個の受桟材2・・が配列され、固定架台Aの前後位置に栽培樋Tを保持する係止材3・3が設けられ、受桟材2・・に栽培樋Tとしての樋材T
1と蓋材T
2とを並列載置可能な載置凹部4・4が形成され、洗浄作業開始時に栽培樋Tを樋材T
1と蓋材T
2とに分離し、固定架台Aの受桟材2・・の載置凹部4・4に樋材T
1と蓋材T
2とを並列状に載置固定し、洗浄作業終了時に固定架台Aから樋材T
1と蓋材T
2とを取り外し、樋材T
1と蓋材T
2とを組み付けて栽培樋Tとして保管することになる。
【0016】
又、この場合、
図5、
図6の如く、上記移動案内機構Cは、上記固定架台Aの左右のガイドレールC
1・C
1にコ状部5・5が形成され、洗浄機体Bに複数個の取付軸6・・を突設し、取付軸6・・に固定架台AのガイドレールC
1・C
1のコ状部5・5に嵌合してガイドレールC
1・C
1上を転動する支持ロールC
2・・を設けて構成され、又、
図2、
図5、
図6の如く、上記往復移動機構Dは、上記固定架台Aに上記洗浄機体Bの移動方向Mにラック歯車D
1を横臥状態で配置し、上記洗浄機体Bに往復移動用モータD
3を取り付け、往復移動用モータD
3の主軸にピニオン歯車D
2を取り付けて構成している。
【0017】
又、この場合、
図2、
図3、
図4、
図5、
図6の如く、上記洗浄機体Bの左右の側板7・7間に複数個、この場合、3個の回転軸8・・を軸受部9・・により洗浄機体Bの移動方向Mを横切る方向に横設し、各回転軸8・・に上記回転ブラシR・・を取り付け、上記洗浄機体Bの左右の側板7・7間の上部に回転用モータ10を取り付け、左右の側板7・7の上部間に覆板7aを架設し、回転用モータ10の主軸に駆動スプロケット11を取り付けると共に上記回転軸8・・の一方端部に従動スプロケット12・・を取り付け、駆動スプロケット11及び3個の従動スプロケット12・・に無端チェーン13を掛回し、回転用モータ10の駆動回転により上記3個の回転ブラシR・・を回転軸線R
Oを中心として回転させるように構成している。
【0018】
又、この場合、
図6、
図7の如く、上記洗浄機体Bの一方の側板7の上部に高圧給水管14を取り付け、高圧給水管14を前後に分岐して洗浄機体Bの上方位置に高圧分岐管15・15を取り付け、高圧分岐管15・15に上記栽培樋Tに高圧の洗浄水Wを噴射可能な複数個の噴射ノズルHN・・を配設し、高圧給水管14に高圧の洗浄水Wを供給可能な図示省略の圧送ポンプの吐出口に可撓性ホースを介して接続し、さらに、
図6、
図7の如く、上記洗浄機体Bの左右の側板7・7間に給水管16を取り付け、給水管16を前後に分岐して洗浄機体Bの上方位置に分岐管17・17を取り付け、分岐管17・17に上記栽培樋Tに洗浄水Wを散水可能な散水穴からなる複数個の散水ノズルLN・・を配設し、上記給水管16に洗浄水Wを供給可能な図示省略のポンプの吐出口に可撓性ホースを介して接続して構成している。
【0019】
又、この場合、
図1の如く、上記固定架台Aの下方位置に上記洗浄機体Bの洗浄機構B
1からの洗浄水Wを受水回収して洗浄水Wが固定架台Aの長手方向の中央部分に向かって流下する回収樋部Gが取り付けられ、回収樋部Gの中央下部に排水口18を形成して構成している。
【0020】
又、この場合、
図6の如く、上記各噴射ノズルHN・・は洗浄水Wが扇角度θ、この場合、略80度の薄膜扇形状W
θに噴射される構造とされ、かつ、複数個の噴射ノズルHN・・からの薄膜扇形状W
θの洗浄水Wが相互干渉しない取付位置に水平旋回調節するように構成されている。
【0021】
この実施の形態例は上記構成であるから、
図1乃至
図5の如く、水耕栽培後の洗浄すべき栽培樋Tを固定架台Aに載置固定し、この場合、栽培樋Tを樋材T
1と蓋材T
2とに分離し、固定架台Aの受桟材2・・の載置凹部4・4に樋材T
1と蓋材T
2とを並列状に載置固定し、
図1の如く、図中左側の実線の始点位置から図中右側の想像線の折返点位置の間を洗浄機構B
1をもつ洗浄機体Bを移動案内機構C及び往復移動機構Dにより栽培樋Tの水路方向Hとしての長手方向に往復移動させることになり、この洗浄機体Bの往移動及び復移動により固定架台Aに載置された栽培樋Tを洗浄機構B
1により迅速に洗浄することができ、例えば、水耕栽培後の栽培樋Tの樋材T
1の水路Fや蓋材T
2の内面等に付着している藻類やカビ類、培養液中の成分のスケール等を洗浄除去することができ、さらに、栽培樋Tを固定架台Aに載置固定して洗浄機体Bを往復移動させる構造であるから、例えば、複数個の栽培樋T・・を人為的又は自動的に移動させる必要が無くなり、それだけ、栽培樋Tの洗浄構造を簡素化することができると共に洗浄作業の容易化及び洗浄作業性の向上を図ることができる。
【0022】
この際、
図5の如く、上記洗浄機構B
1に上記栽培樋Tを洗浄する回転ブラシR・・が配設されているから、回転ブラシR・・の回転接触作用及び洗浄機体Bの往復移動の相互作用により栽培樋Tを容易かつ確実に洗浄することができ、又、この場合、
図6、
図7の如く、上記洗浄機構B
1に上記栽培樋Tに高圧の洗浄水Wを噴射可能な噴射ノズルHNが配設されているから、高圧の洗浄水Wが栽培樋Tに噴射衝突して栽培樋Tを一層、容易かつ確実に洗浄することができ、さらに、
図6、
図7の如く、上記洗浄機構B
1に上記栽培樋Tに洗浄水Wを散水可能な散水ノズルLNが配設されているから、栽培樋Tへの洗浄水Wの散水及び回転ブラシR・・の回転により洗浄水Wが撹拌されて栽培樋Tを一層、容易かつ確実に洗浄することができる。
【0023】
又、この場合、
図5の如く、上記移動案内機構Cは、上記固定架台Aの左右の側辺部材A
1・A
1に設けたガイドレールC
1・C
1と、ガイドレールC
1・C
1上を転動する複数個の支持ロールC
2・・とから構成されているから、洗浄機体Bを確実に移動案内することができ、それだけ、栽培樋Tの洗浄作業性を向上することができ、又、この場合、
図2、
図5、
図6の如く、上記往復移動機構Dは、上記固定架台Aに配設され、栽培樋Tの水路方向Hとしての上記洗浄機体Bの移動方向Mに配置されたラック歯車D
1と、上記洗浄機体Bに配設され、ラック歯車D
1に歯合するピニオン歯車D
2を正逆回転させる往復移動用モータD
3とを備えてなるから、上記洗浄機体Bを栽培樋Tの水路方向Hとしての上記洗浄機体Bの移動方向Mに確実に往復移動させることができ、栽培樋Tの洗浄作業性を向上することができると共に往復移動機構Dの構造を簡素化することができ、又、この場合、
図1の如く、上記固定架台Aの下方位置に上記洗浄水Wを受水回収する回収樋部Gが配設されているから、洗浄作業後の洗浄水Wを回収して新たな栽培樋Tの洗浄作業に再利用することができ、洗浄水Wを繰り返して使用することができ、洗浄水Wを有効利用することができ、洗浄作業の場所に制約されることがなくなり、機械の使用の融通性を図ることができる。
【0024】
尚、本発明は上記実施の形態例に限られるものではなく、例えば、上記実施の形態例においては、樋材T1と蓋材T2とからなる一組の栽培樋Tを樋材T1と蓋材T2とに分離して洗浄するようにしているが、二組の栽培樋T又は複数個の樋材T1・・のみからなる栽培樋Tやパネル状板に水路Fを並列状に形成してなる栽培樋Tに適用することもでき、これらの構造の栽培樋Tを固定架台Aに載置して洗浄することもでき、又、栽培樋Tのその他の構造や形態が異なるものにも適用することができ、さらには、栽培樋T、固定架台A、洗浄機体B、洗浄機構B1、移動案内機構C、ガイドレールC1、支持ロールC2、往復移動機構D、ラック歯車D1、ピニオン歯車D2、往復移動用モータD3、回転ブラシR、洗浄水W、噴射ノズルHN、散水ノズルLN、回収樋部Gの構造や形状、数等は適宜変更して設計されるものである。
【0025】
以上、所期の目的を充分達成することができる。
【符号の説明】
【0026】
T 栽培樋
A 固定架台
B 洗浄機体
B1 洗浄機構
H 水路方向
M 移動方向
C 移動案内機構
C1 ガイドレール
C2 支持ロール
D 往復移動機構
D1 ラック歯車
D2 ピニオン歯車
D3 往復移動用モータ
R 回転ブラシ
W 洗浄水
HN 噴射ノズル
LN 散水ノズル
G 回収樋部
2 受桟材
3 係止材
4 載置凹部
【要約】
【課題】洗浄機体の往移動及び復移動の往復移動により固定架台に載置された栽培樋を洗浄機構により迅速に洗浄することができ、水耕栽培後の栽培樋に付着している藻類やカビ類、培養液中の成分のスケール等を洗浄除去することができ、さらに、栽培樋を固定架台に載置固定して洗浄機体を往復移動させる構造であるから、複数個の栽培樋を人為的又は自動的に移動させる必要が無くなり、それだけ、栽培樋の洗浄構造を簡素化することができると共に洗浄作業の容易化及び洗浄作業性の向上を図ることができる。
【解決手段】水耕栽培用の栽培樋Tを洗浄する洗浄機であって、洗浄すべき栽培樋を載置固定する固定架台Aと、栽培樋を洗浄する洗浄機構B
1をもつ洗浄機体Bとを具備してなり、洗浄機体を栽培樋の水路方向Hに往復移動案内可能な移動案内機構Cが設けられ、洗浄機体を栽培樋の水路方向に往復移動させる往復移動機構Dが設けられてなる。
【選択図】
図1