IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルエス産電株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-太陽光発電システムおよびその制御方法 図1
  • 特許-太陽光発電システムおよびその制御方法 図2
  • 特許-太陽光発電システムおよびその制御方法 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-14
(45)【発行日】2022-10-24
(54)【発明の名称】太陽光発電システムおよびその制御方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/35 20060101AFI20221017BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20221017BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20221017BHJP
【FI】
H02J7/35 K
H02J3/38 130
H02J3/32
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021505973
(86)(22)【出願日】2019-07-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-25
(86)【国際出願番号】 KR2019009131
(87)【国際公開番号】W WO2020032433
(87)【国際公開日】2020-02-13
【審査請求日】2021-02-03
(31)【優先権主張番号】10-2018-0093021
(32)【優先日】2018-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】593121379
【氏名又は名称】エルエス、エレクトリック、カンパニー、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LS ELECTRIC CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】127,LS-ro,Dongan-gu,Anyang-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100140822
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 光広
(72)【発明者】
【氏名】イム、ジュホ
【審査官】麻川 倫広
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-186427(JP,A)
【文献】特開2007-330057(JP,A)
【文献】特開2013-223323(JP,A)
【文献】特開2017-175785(JP,A)
【文献】特開2017-85796(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 3/00-7/12
H02J 7/34-7/36
H02J 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽エネルギーを電力に変換する太陽電池アレイ;
前記太陽電池アレイの発電量を検出する第1計測器;
前記太陽電池アレイで生産された電力または外部電力網の電力の供給を受けて充電するエネルギー貯蔵装置;
有効電力指令に対応して前記太陽電池アレイで生成された電力又は外部電力網の逆電力を前記エネルギー貯蔵装置に供給するように構成される電力制御装置;
前記外部電力網の逆電力を検出する第2計測器;および
前記第1計測器により検出される前記太陽電池アレイの発電量および前記第2計測器により検出される外部電力網からの逆電力を使用して前記エネルギー貯蔵装置に充電される電力を示す有効電力指令値を生成するように構成される電力管理装置を含み、
前記外部電力網から前記電力制御装置へ供給される前記逆電力が発生した場合、前記電力管理装置は、前記太陽電池アレイの発電量から前記逆電力を差し引くことにより得られる値を前記有効電力指令値にリセットする、太陽光発電システム。
【請求項2】
前記電力管理装置は、
逆電力が発生しなかった場合、前記太陽電池アレイの発電量を前記有効電力指令値として決定する、請求項1に記載の太陽光発電システム。
【請求項3】
前記電力管理装置は、
設定された時間周期で、前記外部電力網の逆電力および前記太陽電池アレイの発電量に基づいて前記有効電力指令を決定し、前記決定された有効電力指令を前記電力制御装置に伝送する、請求項1に記載の太陽光発電システム。
【請求項4】
電力管理装置が太陽エネルギーを電力に変換した太陽電池アレイの発電量をモニタリングし、外部電力網の逆電力をモニタリングする段階;
前記電力管理装置が前記外部電力網の逆電力の有無によって前記太陽電池アレイの発電量に基づいて生成した有効電力指令を伝送するものであって、前記逆電力がある場合は、前記太陽電池アレイの発電量から前記逆電力を差し引くことにより得られる値として前記有効電力指令を伝送する段階;
前記外部電力網から供給される電力である逆電力を使用しないように制御するため、電力制御装置が前記太陽電池アレイで生成された電力を前記有効電力指令に対応してエネルギー貯蔵装置に供給する段階;および
前記エネルギー貯蔵装置が供給された電力を充電する段階;を含む、太陽光発電システムの制御方法。
【請求項5】
前記有効電力指令は、
前記逆電力が発生しなかった場合、前記太陽電池アレイの発電量を前記有効電力指令として決定する、請求項4に記載の太陽光発電システムの制御方法。
【請求項6】
前記有効電力指令は、
電力管理装置で既設定された時間周期で、前記外部電力網の逆電力および前記太陽電池アレイの発電量に基づいて決定し、
決定された前記有効電力指令は前記電力制御装置に伝送される、請求項4に記載の太陽光発電システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は太陽光発電システムおよびその制御方法に関し、より具体的には、有効電力指令時にマージンを除去して充電と放電効率を最大化できる、太陽光発電システムおよびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
石油などの化石エネルギーの枯渇と環境汚染の恐れのため、代替エネルギーに対する関心が高まっている。その中でも太陽電池を付着したパネルを大規模に広げて、太陽光エネルギーを利用して電気を大規模に生産する発電である太陽光発電が脚光を浴びている。太陽光発電は無制限、無公害の太陽光エネルギーを利用するため、燃料費が不要であり、大気汚染や廃棄物の発生がないという長所がある。
【0003】
太陽光発電システムは独立型システム(Stand Alone System)と系統連係型システム(Grid-Connected System)がある。系統連係型システムは太陽光発電によって得た電気と電力会社で供給する電気を共に使うシステムである。
【0004】
連係型太陽光発電システムは、太陽光発電が可能な時には負荷に発電で得られた電気エネルギーを供給し、深夜や雨天時などの太陽光発電が不可能な時には電力会社の電力網である外部電力網から供給される電気エネルギーを負荷に供給する。
【0005】
連係型太陽光発電システムは独立型システムとは異なって畜電池を省略することができ、太陽光発電で得られた電気エネルギーの余剰分を外部電力網に送電することもできる。
【0006】
系統連係型太陽光発電システムは蓄電池、大容量のESS(Energy Storage System)等のエネルギー貯蔵装置を含むことができる。
【0007】
軽負荷時には遊休電力をエネルギー貯蔵装置に貯蔵し、過負荷時には太陽光発電で得られた電力だけでなく、エネルギー貯蔵装置に貯蔵された電力を共に外部電力網に供給して効率を上げることができる。
【0008】
図1は従来の太陽光発電システムを図示した図面である。
【0009】
従来の太陽光エネルギー貯蔵システム100は、太陽光発電を通じて生産された電気エネルギーを貯蔵しておいてから外部電力網に供給するシステムである。
【0010】
太陽光エネルギー貯蔵システム100は、発電可能時間(例えば、午前10時から午後4時の間)には太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換してエネルギー貯蔵装置140に貯蔵し、発電可能時間以外の時間であるエネルギー供給時間にはバッテリーに充電された電気エネルギーを放電させて外部電力網に供給する。
【0011】
運用的な側面を詳しく説明すると、太陽電池アレイ120で発電された電気エネルギーは計測器160で検出され、計測器160で検出された電力量は電力管理装置110でモニタリングされる。
【0012】
電力管理装置110が発電量に一定部分マージン(Margin)を付与して電力制御装置130に有効電力指令を出すと、電力制御装置130は受信された有効電力指令にしたがってエネルギー貯蔵装置140に電力を供給して充電することになる。
【0013】
ここで、マージン(Margin)を付与して有効電力指令を出す理由は、太陽電池アレイ120で実際に生産された電気エネルギー量よりも有効電力指令値が大きい場合、外部電力網の電気エネルギーがバッテリーの充電に使われ得るため、費用的な損失を発生させ得るためである。
【0014】
一方、マージン(Margin)を付与する時に過度に大きなマージン(Margin)を付与する場合、エネルギー貯蔵装置140に充電される電気エネルギーまたは外部電力網150に供給できる電気エネルギー量が少なくなるため、充電と放電エネルギー効率性が低下し得る。
【0015】
このように、マージン(Margin)が過度に小さいと費用的な損失を発生させ得、過度に余裕を与えて設定すると充電と放電エネルギー効率性が低下する問題点があった。
【0016】
したがって、費用的な損失を減少させつつも、充電と放電エネルギー効率性を向上させ得るシステムとその制御方法が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は前述した問題点を解決するためのものであって、本発明の目的は、有効電力指令時にマージンを制御して費用損失の発生を防止するとともに充電と放電効率を最大化できる太陽光エネルギー貯蔵システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の一実施例に係る太陽光発電システムは、太陽エネルギーを電力に変換する太陽電池アレイと、前記太陽電池アレイの発電量および外部電力網からの逆電力をモニタリングする電力管理装置と、前記太陽電池アレイで生産された電力または外部電力網の電力を供給されて充電するエネルギー貯蔵装置と、前記太陽電池アレイで生成された電力または外部電力網の電力を有効電力指令に対応して前記エネルギー貯蔵装置に供給する電力制御装置を含み、前記電力管理装置は、前記外部電力網の逆電力の発生の有無によって互いに異なる値の有効電力指令を生成する。
【0019】
一方、太陽光発電システムは、前記太陽電池アレイの発電量を検出する第1計測器と、前記外部電力網の逆電力を検出する第2計測器をさらに含むことができる。
【0020】
この場合、前記電力管理装置は、逆電力が発生しなかった場合に前記太陽電池アレイの発電量を前記有効電力指令値として決定することができる。
【0021】
一方、前記電力管理装置は、逆電力が発生した場合、前記太陽電池アレイの発電量から前記逆電力を差し引いた値を前記有効電力指令値として決定することができる。
【0022】
一方、前記電力管理装置は、設定された時間周期で、前記外部電力網の逆電力および前記太陽電池アレイの発電量に基づいて前記有効電力指令を決定し、前記決定された有効電力指令を前記電力制御装置に伝送することができる。
【0023】
一方、本発明の実施例に係る太陽光発電システムの制御方法は、電力管理装置が太陽エネルギーを吸収して電力に変換された発電量をモニタリングし、系統からの逆電力をモニタリングする段階、前記電力管理装置が前記系統の逆電力および前記発電量に基づいて、電力管理装置に電力指令を伝送する段階、前記電力制御装置が前記太陽光発電装置で生成された電力を前記電力指令に対応してエネルギー貯蔵装置に供給する段階、および、前記エネルギー貯蔵装置が前記供給される電力を充電する段階を含む。
【0024】
この場合、前記電力指令を伝送する段階は、前記発電量にマージンを付与することなく前記電力指令を生成する段階を含むことができる。
【0025】
一方、前記電力指令を伝送する段階は、前記逆電力の発生の有無を決定し、前記逆電力の発生の有無に基づいて前記電力指令を決定する段階を含むことができる。
【0026】
この場合、前記電力指令を伝送する段階は、前記逆電力が発生しなかった場合、前記発電量を前記電力指令値として決定する段階をさらに含むことができる。
【0027】
一方、前記電力指令を伝送する段階は、前記逆電力が発生した場合、前記発電量から前記逆電力を差し引いた値を前記電力指令値として決定する段階をさらに含むことができる。
【0028】
一方、前記電力管理装置が既設定された時間周期で、前記系統の逆電力および前記発電量に基づいて前記電力指令を決定し、前記決定された電力指令を前記電力制御装置に伝送する段階をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明は、逆電力が存在しない場合には太陽光発電装置の発電量を電力指令値として設定して充電を遂行するため、充電/放電効率を最大化することができる。また、逆電力が存在する場合には太陽光発電装置の発電量から逆電力を差し引いた値を電力指令値として設定して充電を遂行するため、逆電力がそれ以上発生することを防止して費用損失を最小化することができる。
【0030】
したがって、本発明は充電/放電効率を最大化しながらも費用損失を減らして、利益を最大化できる長所がある。
【0031】
本発明は、既設定された周期で逆電力をモニタリングし有効電力指令を修正するため、特定周期が終わった後に逆電力が発生しても、その次の周期には発生した逆電力を反映して有効電力をすぐに修正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】従来の太陽光発電システムを図示した図面である。
【0033】
図2】本発明の実施例に係る太陽光発電システムのブロック構成図である。
【0034】
図3】本発明の実施例に係る太陽光エネルギー発電システムの制御方法を示したフローチャートである。
【0035】
【符号の説明】
【0036】
11:電力管理装置
12:太陽電池アレイ
【0037】
13:電力制御装置
14:エネルギー貯蔵装置
【0038】
15:外部電力網
16:第1計測器
【0039】
17:第2計測器
【0040】
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下では、添付した図面を参照して本発明の実施例について、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は多様な異なる形態で具現され得、ここで説明する実施例に限定されない。そして、図面で本発明を明確に説明するために説明に関わっていない部分は省略し、明細書全体を通じて類似する部分については類似する図面符号を付した。
【0042】
また、ある部分がある構成要素を含むとする時、これは特に反対の記載がない限り他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0043】
図2は、本発明の実施例に係る太陽光発電システムのブロック構成図である。
【0044】
本発明の太陽光発電システム10は、電力管理装置11,太陽電池アレイ12,電力制御装置13,エネルギー貯蔵装置14,第1計測器16および第2計測器17を含むことができる。
【0045】
一方、本発明の太陽光発電システム10は系統連係型システムであり、太陽電池アレイ12で生産されたりエネルギー貯蔵装置14に貯蔵された電力を外部電力網15に供給することができる。
【0046】
太陽電池アレイ12は複数の太陽電池モジュールを結合したものである。
【0047】
太陽電池モジュールは複数の太陽電池セルを直列または並列で連結して、太陽エネルギーを電気エネルギーに変換して所定の電圧と電流を発生させる装置である。
【0048】
したがって、太陽電池アレイ120は太陽エネルギーを吸収して電気エネルギー、すなわち電力に変換することができる。
【0049】
電力制御装置13は電力制御システム(Power Conditioning System,PCS)という用語と混用されて使われ得る。
【0050】
電力制御装置13は、太陽電池アレイ12およびエネルギー貯蔵装置14と連結されて太陽電池アレイ12で生産された電力をエネルギー貯蔵装置14に供給することができる。
【0051】
この場合、電力制御装置13は電力管理装置11で生成された電力指令に対応してエネルギー貯蔵装置に電力を供給することができる。
【0052】
また、電力制御装置13は外部電力網15と連結されてエネルギー貯蔵装置14から電力を供給されて外部電力網15に伝達することができる。
【0053】
また、電力制御装置13は太陽電池アレイ12から電力を供給されて外部電力網15に供給することができる。
【0054】
一方、電力制御装置13は、入力電力の電気的特性を変換して伝達することができる。
【0055】
例えば、電力制御装置13はDC電力をAC電力に変換したり、電力の周波数を変更するなど、受信された電力の電気的特性を変換することができる。
【0056】
エネルギー貯蔵装置14は、エネルギー貯蔵システム(Energy Storage System,ESS)という用語と混用されて使われ得る。
【0057】
エネルギー貯蔵装置400は畜電池を含むことができる。
【0058】
そして、エネルギー貯蔵装置14は電力制御装置から供給された電力を充電することができる。
【0059】
また、エネルギー貯蔵装置14は充電された電力を放電することができる。この場合、放電された電力は電力制御装置13を通じて外部電力網15に供給され得る。
【0060】
第1計測器16は、太陽電池アレイ12の発電量、すなわち太陽電池アレイ12で生成される電力量を感知し、感知結果を電力管理装置11に伝送することができる。
【0061】
一方、第2計測器17は外部電力網15との連結部分に設置されて逆電力を感知することができる。
【0062】
ここで、逆電力とは、外部電力網15から本発明の太陽光発電システム10に供給される電力を意味し得る。
【0063】
具体的には、太陽光発電システム10は外部電力網15に電力を供給してもよく、外部電力網15から電力を供給されてエネルギー貯蔵装置14に貯蔵してもよい。
【0064】
外部電力網15から電力制御装置13に供給される電力を逆電力と指称し得る。
【0065】
電力管理装置11は電力管理システム(Power Management System,PMS)という用語と混用されて使われ得る。
【0066】
電力管理装置11は太陽光発電システム10の全般的な動作を制御することができる。
【0067】
この場合、電力管理装置11は上位システムであるエネルギー管理システム(Energy Management System,EMS)から指令を受信し、受信した指令にしたがって太陽光発電システム10の動作を制御することができる。
【0068】
また、電力管理装置11は、自体および下位システムである太陽電池アレイ12,電力制御装置13,エネルギー貯蔵装置14の状態情報を収集してエネルギー管理システム(Energy Management System,EMS)に伝送することができる。
【0069】
また、電力管理装置11は第1計測器16から受信される感知結果を利用して太陽電池アレイ12の発電量をモニタリングすることができる。
【0070】
また、電力管理装置11は第2計測器17から受信される感知結果を利用して外部電力網15からの逆電力をモニタリングすることができる。
【0071】
また、電力管理装置11は電力制御装置13に制御命令を伝送することができる。
【0072】
ここで制御命令は電力指令を含むことができる。
【0073】
電力指令は有効電力指令という用語と混用されて使われ得、エネルギー貯蔵装置14に貯蔵される有効電力値を示し得る。
【0074】
一方、太陽電池アレイ12で生産された電気エネルギーの全部または一部はエネルギー貯蔵装置14に貯蔵され得、また、全部または一部は外部電力網15に送電され得る。
【0075】
電力管理装置13は第1計測器16で検出された太陽電池アレイ12の発電量に基づいて有効電力指令を生成する。
【0076】
この時、検出された発電量にマージン(Margin)を一定部分付与し、生成された電力の一部をエネルギー貯蔵装置14に充電し、他の一部は外部電力網15に送電する。
【0077】
マージン(Margin)を付与する理由は、実際に検出された発電量よりも少ない有効電力指令を出さないと、外部電力網15の電力を利用してエネルギー貯蔵装置14を充電することを防止できないためである。
【0078】
すなわち、エネルギー貯蔵装置14は有効電力指令値だけ充電を遂行しなければならないが、太陽電池アレイ12の発電量が有効電力指令に比べて小さい場合には外部電力網15の電力を受信してエネルギー貯蔵装置14を充電する。
【0079】
したがって、費用的な損失が発生し得、これを防止するためにマージン(Margin)を付与することになる。
【0080】
また、マージンを過度に大きくする場合には、エネルギー貯蔵装置に充電される電力量が小さくなるため充電と放電効率が低下する問題が発生し得、これに伴い、外部電力網15に供給できるエネルギー量が小さくなることになる。
【0081】
太陽光発電で生産されたエネルギーをエネルギー貯蔵装置14に貯蔵しておいてから非発電時間(例えば、午前10時以前、午後4時以降)に外部電力網15に売電すると、大韓民国法令上新再生エネルギー供給証明書(REC,Renewable Energy Certificate)加重値である5倍の費用で売電できるため、非常に有利である。
【0082】
したがって、午前10時から午後4時以外の時間には、太陽光発電システム10で生産されて貯蔵された電力を外部電力網15に送電することになるが、マージンを大きくする場合には外部電力網15に売電できるエネルギー量が小さくなるため収益を最大化できない問題が発生し得る。
【0083】
本発明は有効電力指令を制御して、費用損失を防止するとともに充電と放電効率を上げることができる。
【0084】
このような本発明の制御方法を図3のフローチャートを参照して具体的に説明する。
【0085】
図3は、本発明の実施例に係る太陽光発電システムの制御方法を説明するための図面である。
【0086】
従来には電力管理装置が太陽電池アレイの発電量に基づいてのみ有効電力指令を生成したが、本発明は外部電力網15の逆電力および太陽電池アレイ12の発電量をすべて考慮して有効電力指令を生成することができる。
【0087】
具体的には、第2計測器17は電力制御装置13と外部電力網15を連結する電力線の逆電力を感知する(S310)。
【0088】
そして、第2計測器17で感知された逆電力値は電力管理装置11に伝送される。
【0089】
また、第1計測器16は太陽電池アレイ12の発電量を検出する(S320)。
【0090】
第1計測器16は検出された発電量情報を電力管理装置11に伝送する。
【0091】
その後、電力管理装置11は第2計測器17から受信された感知結果に基づいて、逆電力の発生の有無を判断する(S330)。
【0092】
そして、電力管理装置11は逆電力の発生の有無によって有効電力指令を決定することができる。
【0093】
具体的には、逆電力が発生しなかった場合、電力管理装置11は第1計測器16で検出された太陽電池アレイ12の発電量を有効電力指令値として決定する(S340)。
【0094】
さらに具体的には、逆電力が発生しなかった場合、電力管理装置11は有効電力指令値のセッティングにおいて太陽電池アレイ12の発電量をそのまま代入することができる。
【0095】
一方、第2計測器17で逆電力が検出された場合、電力管理装置11は第1計測器16で検出された太陽電池アレイ12の発電量から第2計測器17で検出された逆電力値を差し引いた値を有効電力指令値として決定することができる(S350)。
【0096】
具体的には、第2計測器17の検出結果、逆電力が発生した場合、電力管理装置11は有効電力指令値のセッティングにおいて第1計測器16で検出された太陽電池アレイ12の発電量から第2計測器17で検出された外部電力網15で電力制御装置13に供給される逆電力を差し引いた値をそのまま反映することができる。
【0097】
一方、有効電力指令が生成された場合、電力管理装置11は電力制御装置13に電力指令を伝送する(S360)。
【0098】
この場合、電力制御装置13は受信された有効電力指令に対応してエネルギー貯蔵装置14に電力を供給する。
【0099】
具体的には、電力制御装置13はエネルギー貯蔵装置14が有効電力指令に設定された電力量だけ充電されるように、エネルギー貯蔵装置14に電力を供給することができる。
【0100】
すなわち、本発明は逆電力が存在しない場合には太陽電池アレイ12の発電量を有効電力指令値として設定して充電を遂行するため、充電と放電効率を最大化することができる。
【0101】
また、逆電力が存在する場合には太陽電池アレイ12の発電量から逆電力を差し引いた値を有効電力指令値として設定して充電を遂行するため、逆転力がそれ以上発生することを防止して費用損失を最小化することができる。
【0102】
したがって、本発明は充電と放電効率を最大化しながらも費用損失を減らして、利益を最大化できる長所がある。
【0103】
一方、外部電力網15の逆電力および太陽電池アレイ12の発電量に基づいて有効電力指令を伝送する過程は、太陽光発電システム10の起動中に継続的に繰り返され得る。
【0104】
また、電力管理装置11は既設定された時間周期で、外部電力網15の逆電力および太陽電池アレイ12の発電量に基づいて電力指令を決定し、決定された電力指令を電力制御装置13に伝送することができる。
【0105】
例えば、電力管理装置11は500msごとに有効電力指令を生成して伝送することができる。
【0106】
また、第1計測器16および第2計測器17は一定の周期で検出結果を出力することができ、電力管理装置11は既設定された時間周期で外部電力網15の逆電力および太陽電池アレイ12の発電量に基づいて電力指令を決定し、決定された有効電力指令を電力制御装置13に伝送することができる。
【0107】
例えば、第1計測器16および第2計測器17は500msごとに感知結果を出力することができ、電力管理装置11は第1計測器16と第2計測器17の検出結果にしたがって1秒ごとに有効電力指令を生成して伝送することができる。
【0108】
すなわち、本発明は既設定された周期で逆電力をモニタリングし有効電力指令を修正するため、特定周期が終わった後に逆電力が発生しても、その次の周期には発生した逆電力を反映して有効電力指令をすぐに修正することができる。
【0109】
例えば、500msごとに有効電力指令を生成する場合には、500msごとに逆電力が発生する現象を除去できるため、費用的な損失を最小化できる長所がある。
【0110】
以上で実施例に説明された特徴、構造、効果などは本発明の少なくとも一つの実施例に含まれ、必ずしも一つの実施例にのみ限定されるものではない。
【0111】
さらに、各実施例で例示された特徴、構造、効果などは、実施例が属する分野の通常の知識を有する者によって他の実施例に対しても組み合わせまたは変形されて実施可能である。したがって、このような組み合わせと変形に関係した内容は本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【0112】
以上、実施例を中心に説明したがこれは単に例示に過ぎず、本発明を限定するものではなく、本発明が属する分野の通常の知識を有する者であれば、本実施例の本質的な特性を逸脱しない範囲で以上に例示されていない多様な変形と応用が可能であることが分かるであろう。例えば、実施例に具体的に示された各構成要素は変形して実施できるものである。そして、このような変形と応用に関係した差異点は添付された特許請求の範囲で規定する本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明は、自然法則を利用して太陽エネルギーを電気エネルギーに変換および貯蔵し電力供給を制御する技術であって、産業上の利用可能性がある。
図1
図2
図3