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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-14
(45)【発行日】2022-10-24
(54)【発明の名称】2つの管状物体を接続する装置
(51)【国際特許分類】
   F16L 37/248 20060101AFI20221017BHJP
   F16L 37/252 20060101ALI20221017BHJP
   F16B 7/20 20060101ALI20221017BHJP
【FI】
F16L37/248
F16L37/252
F16B7/20 A
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021512645
(86)(22)【出願日】2019-08-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-16
(86)【国際出願番号】 EP2019071852
(87)【国際公開番号】W WO2020052897
(87)【国際公開日】2020-03-19
【審査請求日】2021-03-05
(31)【優先権主張番号】102018122597.0
(32)【優先日】2018-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】591044393
【氏名又は名称】ノルマ ジャーマニー ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100163050
【弁理士】
【氏名又は名称】小栗 眞由美
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】ステファン センフトレーベン
(72)【発明者】
【氏名】レネー シンドラー
【審査官】岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102017115046(DE,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0017197(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0230125(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 37/248
F16L 37/252
F16B 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの管状物体を接続するための装置(2)であって、
該装置は、
接続部品ハウジング(4)と、
スリーブ状要素(6)と、を有し、
前記接続部品ハウジング(4)が、挿入開口(8)と、少なくとも1つの半径方向に連続する切欠き(26)と、を有するスリーブ部(3)を有し、
前記スリーブ状要素(6)が、前記挿入開口(8)に挿入されるべく該挿入開口(8)と相補的であり、
前記スリーブ部(3)が、少なくとも1つの第1の係合要素(34)を有し、前記スリーブ状要素(6)が、少なくとも1つの第2の係合要素(36)を有し、前記第1の係合要素と前記第2の係合要素とが、前記スリーブ状要素(6)を前記スリーブ部(3)内にロックするべく相互に対応し、前記第1の係合要素と前記第2の係合要素とが、開放相対位置からロック相対位置に移動させられ、
前記スリーブ状要素(6)が、該スリーブ状要素(6)から半径方向外方へ延出し、前記開放相対位置では、前記少なくとも1つの半径方向に連続する切欠き(26)を通って突出し、前記ロック相対位置では、半径方向内方へ移動させられて、前記半径方向に連続する切欠き(26)に配設された突起(28)または傾斜体(44)によって完全に隠される、表示要素(24)を有する、装置(2)。
【請求項2】
前記突起(28)が、前記接続部品ハウジング(4)の前記半径方向に連続する切欠き(26)内に周方向(u)に突出する、請求項1に記載の装置(2)。
【請求項3】
前記接続部品ハウジング(4)が、外周に外側傾斜面(14)を有し、該外側傾斜面が、周方向(u)において半径方向外方へ広がり、
前記スリーブ状要素(6)が、該スリーブ状要素(6)の軸方向(a)に延在するタブ(16)を有し、
前記タブ(16)と前記外側傾斜面(14)とが、前記接続部品ハウジング(4)内で前記スリーブ状要素(6)を前記ロック相対位置に回転させると、前記タブ(16)が前記外側傾斜面(14)上へ摺動するべく互いに対応するように構成される、請求項1または2に記載の装置(2)。
【請求項4】
前記タブ(16)が半径方向に弾力性があるように構成される、請求項3に記載の装置(2)。
【請求項5】
前記外側傾斜面(14)が半径方向に弾力性があるように構成される、請求項3に記載の装置(2)。
【請求項6】
前記タブ(16)がプリテンションを有し、周方向(u)において、半径方向切欠き(18)が、外側傾斜面(14)の最小半径領域に直接設けられる、請求項3に記載の装置(2)。
【請求項7】
前記スリーブ状要素(6)が、前記接続部品ハウジング(4)に対して特定の向きのみで前記挿入開口(8)に挿入可能となるように、前記スリーブ状要素(6)の外囲面の少なくとも1つの領域が、前記接続部品ハウジング(4)の内囲面における形状に対応する形状を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置(2)。
【請求項8】
前記接続部品ハウジング(4)が、前記スリーブ状要素(6)または前記接続部品ハウジング(4)に挿入される連結片のいずれかと係合させることができる指標切欠き(52)を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置(2)。
【請求項9】
少なくとも1つの第1の係合要素(34)が、前記接続部品ハウジング(4)の前記半径方向に連続する切欠き(26)内に作られ、
前記少なくとも1つの第2の係合要素(36)が、前記スリーブ状要素(6)が挿入されたときに前記半径方向に連続する切欠き(26)の縁部に嵌まるラッチ要素である、請求項1に記載の装置(2)。
【請求項10】
前記スリーブ状要素(6)が、操作用形状(20)を設けた外周面を有する、請求項1から9のいずれか一項に記載の装置(2)。
【請求項11】
前記表示要素(24)が、弾性足部(38)に配置されたタブである、請求項1から10のいずれか一項に記載の装置(2)。
【請求項12】
傾斜体(44)が、前記半径方向に連続する切欠き(26)内に配置され、前記傾斜体が、前記第2の係合要素(36)の半径方向内面と面接触を成すことができる、半径方向に傾いた傾斜面(40)を有する、請求項1から11のいずれか一項に記載の装置(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの管状物体を接続する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このような装置は、特に、固体材料から製造された硬質の管状物体を接続することを可能にする。この目的のため、2つの物体は、それぞれの場合に、第3の構成要素によって嵌め合され、任意選択で一体にロックされる、装置の構成要素が提供される。
【0003】
個々の構成要素、すなわち管状物体の最適な接続を確認するために、的確な目視検査、および、たとえばスナップ接続のスナップ嵌め音の形を取る音のフィードバックの感知が、好都合である。しかし、これは、複雑な工業システムにおいてアクセスが困難な箇所の場合、費用が掛かりまたは手間が掛かることになり得る。
【0004】
特許文献1には、2つの硬質の管状物体を接続する結合装置が開示されており、この装置は、ブッシング部品、プラグ部品、およびそれらの間に取り付けることができるスリーブ状要素を有している。構成要素同士を互いにスナップ止めするための弾性舌片が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2005/047753A1号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、信頼できる態様での接続が可能であり、接続を簡単に確認することができる、2つの管状物体を接続する装置を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の主要な特徴が、請求項1の特徴部分に明記されている。諸実施形態が、請求項2~12の主題を形成する。
【0008】
接続部品ハウジングおよびスリーブ状要素を有する、2つの管状物体を接続するための装置が、提案されている。接続部品ハウジングが、挿入開口と、少なくとも1つの半径方向に連続する切欠きと、を有するスリーブ部を有し、スリーブ状要素が、前記挿入開口に挿入されるべくその挿入開口と相補的であり、スリーブ部が、少なくとも1つの第1の係合要素を有し、前記スリーブ状要素が、少なくとも1つの第2の係合要素を有し、第1の係合要素と第2の係合要素とが、スリーブ状要素をスリーブ部内にロックするべく相互に対応し、第1の係合要素と第2の係合要素とが、開放相対位置からロック相対位置に移動させられる。前述の目的を解決するために、スリーブ状要素が、そのスリーブ状要素から半径方向外方へ延出し、開放相対位置では少なくとも1つの半径方向に連続する切欠きを通って突出し、ロック相対位置では、半径方向内方へ移動させられ、その半径方向に連続する切欠きに配設された突起または傾斜体によって完全に隠される表示要素を有する。
【0009】
装置は、2つの管状物体を信頼できる方式で一体に接続することができる。この目的のため、管状物体の一方を接続部品ハウジングへ挿入開口から遠い側に接続する。他方の管状物体は、スリーブ状要素に挿入され、スリーブ状要素によって囲み込まれるプラグ部分を有し得る。スリーブ状要素は、少なくとも1つの第1の係合要素と少なくとも1つの第2の係合要素とを噛み合わせてまたは一体にして係合させるため、囲み込まれたプラグ部分と共に挿入開口に差し込むことができる。
【0010】
本発明による装置には、表示要素が設けられ、前記表示要素がスリーブ状要素に配置されている。このスリーブ状要素は、少なくとも2つの別々の状態を取り得るように半径方向に移動することができる。開放相対位置では、すなわち第1および第2の係合要素が互いに係合していない、または完全には係合していないときには、表示要素が、接続部品ハウジングの半径方向に連続する切欠きから半径方向外方へ突出し、その結果、表示要素が、使用者にとって明瞭に視認できる。他方、ロック相対位置では、表示要素は、接続部品ハウジングの構成要素によって、半径方向内方へ移動させられ、その結果、前記表示要素は、完全に隠され、使用者にとって視認できない。その結果、使用者は、第1と第2の係合要素が互いに完全に係合しているか否か、かつ/またはそれら係合要素がロック相対位置に位置しているか否かに関する視覚表示を、直にかつ直接方式で獲得する。このために、表示要素は、可能な限りばね弾性的であり、または半径方向内向きの動きを許容する少なくとも1つのばね弾性足部を有するように設計するべきである。
【0011】
本発明による装置では、係合要素が細部でどのように構成されるか、また、複数の異なる係合要素が使用され得るか否かは、主要な重要事項ではない。係合要素は、接続部品ハウジングとスリーブ状要素との相対的な回転および平行運動の両方を必要としてもよい。本質的な特徴は、第1の係合要素の動きによって、使用者に見える位置から隠されて見えない位置へ動かされる表示要素の半径方向の移動性にある。この場合、半径方向に連続する切欠きは、接続部品ハウジングの外囲面内の凹部として実現してもよい。
【0012】
表示要素を半径方向内方へ動かす構成要素は、たとえば、周方向に延在する突起であり得る。このため、表示要素または表示要素に連結された本体が、突起に支承される傾斜面を有し、その傾斜面が、スリーブ状要素が捻られると、表示要素または表示要素に連結された本体を半径方向に移動させることとしてもよい。傾斜面は、半径方向または周方向に傾斜させることができる。好ましくは、この場合、突起は、接続部ハウジングの半径方向に連続する切欠き内に周方向に突出する。その場合、表示要素は、挿入開口に対して突起の前方または後方に位置することができる。スリーブ状要素を接続部品ハウジングに対して回転させることによって、突起と表示要素とを相対的に変位させることができる。突起および/または表示要素の設計に基づき、回転を続けることによって、半径方向内方に作用する力を表示要素に掛けることができ、それにより、その結果として表示要素が半径方向内方へ移動させられる。この場合、突起は、たとえば、周方向に変化する寸法を有し、表示要素が、突起に支承され、ロック相対位置に回転させられると、表示要素が、可変寸法によって半径方向内方へ付勢される。
【0013】
あるいは、その構成要素は、接続部品ハウジングに固定して配置され、詳細には、スリーブ状要素が捻られると表示要素の半径方向移動を生じる勾配を成す傾斜面を有する傾斜体としてもよい。このため、表示要素または表示要素に連結された本体は、傾斜面と面接触させることができ、捻られると、それに対応して半径方向に移動させることができる。
【0014】
接続部品ハウジングが、外周に外側傾斜面を有し得、該外側傾斜面が、周方向において半径方向外方へ広がり、スリーブ状要素が、スリーブ状要素の軸方向に延在するタブを有し、タブと外側傾斜面とが、接続部品ハウジング内でスリーブ状要素をロック位置に回転させるとタブが外側傾斜面上へ摺動するべく互いに対応するように構成される。その結果、タブは、好ましくは、接続部品ハウジングの外周の半径方向外側に直接位置するように配置される。スリーブ状要素を、挿入開口に挿入することができ、この場合、タブは、接続部品ハウジングの外周に位置する。好ましくは、スリーブ状要素は、係合要素が開放位置に位置するように接続部品ハウジングに置かれる。2つの構成要素を相対的に回転させることによって、タブが、外側傾斜面上へ摺動し、その結果、逐次半径方向に広げられる。外側傾斜面は、第1の係合要素と見なすことができ、タブは、第2の係合要素と見なすことができる。
【0015】
有利な実施形態では、タブは、半径方向に弾力性があるように構成される。係合面上へのタブの押圧は、外側傾斜面へのタブの突っ張りを生じ、その結果、非積極的ロッキングが行われる。
【0016】
その代わりに、またはそれに加えて、外側傾斜面もまた半径方向に弾力性があるように構成することができる。
【0017】
タブは、また、プリテンションを有し、半径方向切欠きが、周方向において外側傾斜面の最小半径領域に隣接して設けられることとしてもよい。タブのプリテンションによって、僅かな拘止力が、タブによって接続部品ハウジングの外囲面上に発揮される。本発明による装置を事前装着するために、タブを、それぞれ半径方向切欠きに挿入することができ、その結果、スリーブ状要素が、そこで開放位置に固定される。
【0018】
タブは、さらに、その内向きの周方向面にラッチ要素を有し、そのラッチ要素は、対応して賦形された、外側傾斜面上のラッチ要素と係合させることができる。歯付き構造またはローラ機構を設けることができる。ロック位置では、それによって積極的接続をさらに達成することができる。
【0019】
外側傾斜面は、ロック位置に達したとき、タブが、外側傾斜面を完全に通り越し、周方向に外側傾斜面の背後で接続部品ハウジングの外周上に嵌り込むように、寸法設定することができる。その結果、特に効果的なロッキングが達成され、前記ロッキングは、単に、タブを外側傾斜面に押し上げるようにこじ上げることによって、再び解除することができる。
【0020】
好ましくは、スリーブ状要素の外囲面の少なくとも1つの領域が、接続部品ハウジングの内囲面における形状に対応する形状を有し、それによって、スリーブ状要素が、接続部品ハウジングに対して特定の向きでのみ挿入開口に挿入可能となる。それによって、スリーブ状要素の正しい向きが確保され、組立ミスが事実上排除される。
【0021】
接続部品ハウジングが、スリーブ状要素、または接続部品ハウジングに挿入される連結片のいずれかと係合させることができる指標切欠きを有することとしてもよい。
【0022】
さらに、少なくとも1つの第1の係合要素が、接続部品ハウジングの半径方向に連続する切欠きに作られ、少なくとも1つの第2の係合要素が、スリーブ状要素が挿入されると半径方向に連続する切欠きの縁部に嵌まるラッチ要素としてもよい。特に、挿入開口のアンダーカットとしても設計され得る半径方向に連続する切欠きの場合、接続部品ハウジング内でスリーブ状要素を捻ることができる。ラッチ要素は、ばね弾性があるように設計することができ、その結果、接続部品ハウジングに挿入されると、次第に変形させられることによって、対応する半径方向に連続する切欠き縁部を摺動して越えることができ、その後、元の形状にスプリングバックすることによって、嵌め込み過程が行われる。
【0023】
スリーブ状要素にトルクを掛け易くするために、前記スリーブ状要素は、操作用形状が設けられた外周面を有し得る。操作用形状は、たとえば、互いに隣接し、互いに所定の角度にある複数の直線縁部を有し得る。それに対応して賦形された工具を、操作用形状と係合させることができる。
【0024】
さらに、表示要素は、弾性足部に配置されたタブであり得る。タブは、使用者が極めて容易に確認することができるマーキングまたは目を引く着色を有し得る。タブは、幾何学的に極めて単純であり、製造工程を最適化することができる。
【0025】
好ましくは、傾斜体は、半径方向に連続する切欠き内に配置され、前記傾斜体は、第2の係合要素の半径方向内面と面接触を成すことができる、半径方向に傾いた傾斜面を有する。すなわち、傾斜体は、表示要素を半径方向内方へ移動させることができる、半径方向に連続する切欠き内の前述の構成要素である。傾斜体は、突起にほぼ隣接して配置され、第2の係合要素に作用することができる。第2の係合要素が半径方向外方へ移動する間、第2の係合要素と表示要素との間に位置する弾性足部は、その半径位置に突起によって保持され得、その結果、第2の係合要素が外方へ移動させられると、足部の他方の側に配置された表示要素が半径方向内方へ移動させられるように、足部が弾性曲げを生じる。
【0026】
さらに別の本発明の特徴、詳細、および利点が、特許請求の範囲の記述、および図面を参照する例示的実施形態の以下の説明に開示される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明による装置の立体図である。
図2】スリーブ状要素の平面図である。
図3】僅かに異なる観点からの図1の図である。
図4】スリーブ状要素の細部の立体図である。
図5】さらに別の観点からの図3の図である。
図6図5の図の側面図である。
図7図5の図の詳細前面図である。
図8】接続部品ハウジングの挿入開口の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、2つの管状物体を接続するための本発明による装置2の立体図を示す。装置2は、スリーブ部3を有する接続部品ハウジング4と、接続部品ハウジング4の挿入開口8に挿入されるスリーブ状要素6とを有する。接続部品ハウジング4の接続端部10は、接続される物体(図示せず)の1つに結合することができる。
【0029】
接続部品ハウジング4は、外周、すなわち外囲面12に、周方向uにおいて半径方向外方に広がる外側傾斜面14を有する。外側傾斜面14は、実質的に矩形の底面を有する。スリーブ状要素6は、スリーブ状要素6の軸方向aに延在するタブ16を有する。タブ16は、スリーブ状要素6が捻られたとき、タブが、半径方向切欠き18から外側傾斜面14上へ摺動するように配置されている。ばね弾性設計によって、タブ16は、半径方向に広げられ、同時に外側傾斜面14上に押し付けられる。
【0030】
組立前に、タブ16は、ある程度のプリテンションがあるように形成することができ、それによって、タブは、半径方向切欠き18上への僅かな拘止力を発揮し、その結果、半径方向切欠き18に固定される。半径方向切欠き18は、また、挿入開口8の方に向いた画定縁部(図示せず)を有し得、タブ16が辷り出るのを防止する。ここでは、本発明による装置2の開口位置が示されている。
【0031】
スリーブ状要素は、また、互いに隣接する複数の直線縁部22を持つ操作用形状20を有する。これら縁部は、互いに所定の角度にあり、工具(図示せず)の係合を可能にし、その結果、スリーブ状要素6により大きいトルクを掛けることも可能になる。
【0032】
スリーブ状要素6が、組立状態において挿入開口8の方に向く側の平面図で、図2に示されている。ここで、半径方向外側位置でのタブ16の位置を確認することができる。さらに、タブ形状の表示要素24が、互いに対向する2つの設置位置に示され、それら表示タブの作動形態が、添付図面を参照して説明される。例として、両表示要素24を結ぶ軸は、両タブ16を結ぶ軸に直交する。これら構成要素は、スリーブ状要素6と接続部品ハウジング4とのロッキングが成功していることを示す働きをする。したがって、表示要素24は、タブ16に対して90°だけずらして配置され、その逆も同様である。
【0033】
図3は、表示要素24が視認可能な、装置2の僅かに異なる観点からの図を示す。この表示要素は、接続部品ハウジング4の半径方向に連続する切欠き26内に位置し、その半径方向に連続する切欠き26には、周方向uに延在する突起28が位置する。突起28は、挿入開口8から遠い方の縁部30と共にスロット32を囲み、そのスロットには、スリーブ状要素6が回転させられたとき、表示要素24が押し込まれ得る。表示要素24および突起28は、表示要素24がスロット32内の特定の位置まで変位させられると、表示要素24が、半径方向内方へ移動させられ、それ以降使用者に見えなくなるように、設計される。これは、図5、6、および7にさらに詳細に示されている。
【0034】
第1の係合要素34が、接続部品ハウジング4のスリーブ部3に、半径方向切欠き18の、挿入開口8に対向する縁部によって作られる。スリーブ状要素6は、その縁部と係合させられる弾性ラッチ要素の形で作られた、対応する第2の係合要素36を有する。
【0035】
図4は、足部38から半径方向外方へ延出するタブ形状の表示要素24を有するスリーブ状要素6の細部を示す。足部38は、半径方向内方へ向いた力によって足部38の弾性変形が行われ、それによって表示要素24も半径方向内方へ移動させられるように、弾力性があるように設計することができる。第2のラッチ要素36は、例として楔形状を有し、その楔形状によって、第2のラッチ要素36は、スリーブ状要素6が挿入開口8に挿入されると、半径方向内方へ偏位させることができ、それによって、その後第1の係合要素34にラッチ嵌めされる。
【0036】
図5、6、および7は、突起28に沿ったある領域で周方向uにおいて半径方向外方へ延在する、半径方向に連続する切欠き26内の傾斜面40を示す。傾斜面40は、突起28の、スロット32から遠い側に配置される。スリーブ状要素6が接続部品ハウジング4に挿入されると、第2の係合要素36は、半径方向内面42が傾斜面40の上になる位置に来る。スリーブ状要素6を周方向uに回転させることによって、表示要素24が、突起28に面するスロット32に並行して、傾斜面40上へ移動する。第2の係合要素36の半径方向内面42が、傾斜面40に達すると、半径方向外方へ付勢される。他方において、表示要素24の足部38は、突起28の半径方向内面と面接触しており、その結果、半径方向外方に移動させることができない。半径方向内面42が偏位させられ、同時に足部38の移動が制約されると、足部38が曲げられ、それによって、足部38に連結された表示要素24が半径方向内方へ引っ張られる。
【0037】
傾斜面40は、傾斜体44上に形成することができ、その傾斜体は、傾斜面40の反対側に傾斜体内面46を有し、その傾斜体内面は、一様な半径を有し、したがって、半径方向に張り出さない。傾斜体44は、接続部品ハウジング4の一体構成要素であり得る。あるいは、傾斜体44は、また、突起28に接着または溶接してもよい。
【0038】
図8は、接続部品ハウジング4の挿入開口の平面図をさらに示す。この場合、周方向において互いに対向する2つの凹部48および50が示され、前記凹部は、図2に示された表示要素24に対応するように賦形され配置されている。2つの表示要素24は、凹部48および50の幅に対応する異なる幅を有する。その結果、スリーブ状要素6は、表示要素24と凹部48および50とが互いに対応するときに、唯一の所定の位置でのみ接続部品ハウジング6に挿入することができる。
【0039】
凹部48と50との間に配置され、接続部品ハウジング4の内面に配置された切欠き52が、さらに示される。捻じれ防止装置として機能する要素を、これに受け入れることができる。
【0040】
本発明は、上記の実施形態の1つに限定されることはなく、様々な態様で変更することができる。
【0041】
特許請求の範囲、明細書、および図面に開示される全ての特徴および利点は、構造の細部、空間配置、および方法のステップを含めて、それ自体および様々な組合せ共に本発明にとって本質的であり得る。
【符号の説明】
【0042】
2 2つの管状物体を接続するための装置
3 スリーブ部
4 接続部品ハウジング
6 スリーブ状要素
8 挿入開口
10 接続端部
12 接続部品ハウジングの外囲面
14 外側傾斜面
16 タブ
18 半径方向切欠き
20 操作用形状
22 縁部
24 表示要素
26 半径方向に連続する切欠き
28 突起
30 縁部
32 スロット
34 第1の係合要素
36 第2の係合要素
38 足部
40 傾斜面
42 半径方向内面
44 傾斜体
46 傾斜体内面
48 凹部
50 凹部
52 切欠き
a 軸方向
u 周方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8