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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-17
(45)【発行日】2022-10-25
(54)【発明の名称】紙葉類収容ホルダー、及び、ファイル
(51)【国際特許分類】
   B42F 5/00 20060101AFI20221018BHJP
   B42F 7/00 20060101ALI20221018BHJP
【FI】
B42F5/00
B42F7/00 E
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018126314
(22)【出願日】2018-07-02
(65)【公開番号】P2020006512
(43)【公開日】2020-01-16
【審査請求日】2021-06-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(72)【発明者】
【氏名】山崎 裕二
(72)【発明者】
【氏名】倉田 美幸
(72)【発明者】
【氏名】扶川 祥平
【審査官】藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3177545(JP,U)
【文献】特開2002-127657(JP,A)
【文献】特開2012-148538(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42F 3/00- 3/06
B42F 5/00- 5/04
B42F 7/00- 7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明をなす表裏のシートを重ね合わせて形成され、少なくとも一辺が開放可能に構成され内部に紙葉類を収容し得る収容空間が形成された袋状のホルダー本体と、複数の綴じ孔を所定の方向に複数配列させてなる綴じ孔列を有し前記ホルダー本体の一側端に設けられた綴じ孔領域とを備えた紙葉類収容ホルダーであって、
前記綴じ孔列よりも前記ホルダー本体側に設けられた線状をなす第一の溶着部と、前記第一の溶着部よりも前記綴じ孔列から離れた位置に設けられた線状をなす第二の溶着部とを備えており、
前記ホルダー本体における前記綴じ孔領域に沿う領域に、前記第一、第二の溶着部によって前記収容空間に収容された前記紙葉類が位置し難く構成された可撓変形容易領域が設けられているものであり、
前記ホルダー本体の上辺が開放可能に構成されたものであり、
前記第二の溶着部が、前記ホルダー本体における上下方向中間部にのみ設けられている紙葉類収容ホルダー。
【請求項2】
透明をなす表裏のシートを重ね合わせて形成され、少なくとも一辺が開放可能に構成され内部に紙葉類を収容し得る収容空間が形成された袋状のホルダー本体と、複数の綴じ孔を所定の方向に複数配列させてなる綴じ孔列を有し前記ホルダー本体の一側端に設けられた綴じ孔領域とを備えた紙葉類収容ホルダーであって、
前記綴じ孔列よりも前記ホルダー本体側に設けられた線状をなす第一の溶着部と、前記第一の溶着部よりも前記綴じ孔列から離れた位置に設けられた線状をなす第二の溶着部とを備えており、
前記ホルダー本体における前記綴じ孔領域に沿う領域に、前記第一、第二の溶着部によって前記収容空間に収容された前記紙葉類が位置し難く構成された可撓変形容易領域が設けられているものであり、
前記可撓変形容易領域内に設けられ、直線状をなし上端部が下端部よりも前記綴じ孔列側に位置するように傾斜した姿勢をなすとともに前記第二の溶着部よりも上に配された第三の溶着部を備えている紙葉類収容ホルダー。
【請求項3】
透明をなす表裏のシートを重ね合わせて形成され、少なくとも一辺が開放可能に構成され内部に紙葉類を収容し得る収容空間が形成された袋状のホルダー本体と、複数の綴じ孔を所定の方向に複数配列させてなる綴じ孔列を有し前記ホルダー本体の一側端に設けられた綴じ孔領域とを備えた紙葉類収容ホルダーであって、
前記綴じ孔列よりも前記ホルダー本体側に設けられた線状をなす第一の溶着部と、前記第一の溶着部よりも前記綴じ孔列から離れた位置に設けられた線状をなす第二の溶着部とを備えており、
前記ホルダー本体における前記綴じ孔領域に沿う領域に、前記第一、第二の溶着部によって前記収容空間に収容された前記紙葉類が位置し難く構成された可撓変形容易領域が設けられているものであり、
前記第一の溶着部と前記第二の溶着部との間に、他の綴じ孔が設けられている紙葉類収容ホルダー。
【請求項4】
前記可撓変形容易領域内に設けられ、直線状をなし下端部が上端部よりも前記綴じ孔列側に位置するように傾斜した姿勢をなすとともに、前記第二の溶着部よりも下に配された第四の溶着部を備えている請求項記載の紙葉類収容ホルダー。
【請求項5】
前記第二の溶着部の上端部が、前記第三の溶着部の下端部から離間した位置に設けられており、
前記第二の溶着部の下端部が、前記第四の溶着部の上端部から離間した位置に設けられている請求項4記載の紙葉類収容ホルダー。
【請求項6】
前記第一、第二の溶着部が、前記綴じ孔列と略平行な直線状をなしている請求項1、2、3、4又は5記載の紙葉類収容ホルダー。
【請求項7】
前記第一の溶着部が、直線状をなし上端部が下端部よりも前記綴じ孔列側に位置するように傾斜した姿勢をなすとともに前記第二の溶着部よりも上に配された上の傾斜溶着部である請求項記載の紙葉類収容ホルダー。
【請求項8】
表裏の表紙とこれら表裏の表紙間に配された背表紙とを有したファイル本体と、このファイル本体に対して綴じ具を介して支持された複数の請求項1、2、3、4、5、6又は7に記載の紙葉類収容ホルダーとを備えてなるファイルであって、
前記背表紙又は前記背表紙近傍の前記表裏の表紙に、前記紙葉類の収容量に応じて選択的に折り曲げ可能な複数の折り曲げ線を設けているファイル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフィス等において好適に使用される紙葉類収容ホルダー、及び、ファイルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、表裏一対のシートから形成され、上端側を開放部とするとともにシートの一方の側端縁に沿って複数の綴じ孔が形成されている袋状をなす種々の紙葉類収容ホルダーが知られている(例えば、非特許文献1を参照)。
【0003】
一般的に、この種の紙葉類収容ホルダーは、表紙に取り付けられた綴じ具に支持され得るように構成されている。紙葉類収容ホルダーの端部には、綴じ具の綴じリングを挿通させることができる複数の綴じ孔が形成されている。
【0004】
従来の紙葉類収容ホルダーは、内部に収容された紙葉類が、当該内部において複数の綴じ孔に極めて近接した位置或いは複数の綴じ孔と重複し得る位置に位置し得るものとなっていた。
【0005】
ところが、このようなものであると、図16(従来例)に示すように、複数枚の紙葉類収容ホルダーXDを、背表紙Xb3の内面側に設けた綴じ具XCの綴じリングXc1に支持させるようにした場合に、次のような不具合が発生し得るものとなっていた。すなわち、紙葉類収容ホルダーXDの綴じ孔X20側に極めて近接した位置に、一定の厚み及び剛性を有した紙葉類たる用紙XPが存在することになる。この結果、積層された複数の紙葉類収容ホルダーXDの内、特に外層側(表表紙Xb1及び裏表紙Xb2に近い位置)にある紙葉類収容ホルダーXDの綴じ孔X20側の部分が、内部の用紙XPとともに表表紙Xb1及び裏表紙Xb2の方向に凸をなすように膨らみ出てしまうものとなる。当該紙葉類収容ホルダーXDは、表表紙Xb1及び裏表紙Xb2を内面側から外方に向かって押し出すことになり、ファイルXA全体の見栄えを悪くする一因となっている。
【0006】
また、綴じ具に支持させた紙葉類収容ホルダー内に収容される紙葉類の量が増加すると、綴じ具を開いた際に上層に位置する紙葉類収容ホルダーが飛び出してしまう場合があった。
【0007】
換言すれば、従来の紙葉類収容ホルダーは、内部に収容された紙葉類が、複数の綴じ孔に極めて近接した位置或いは複数の綴じ孔と重複する位置にまで位置し得るものとなっていたため、ファイルの使用・整理又は保管のし易さやファイル全体の外観等を損ねてしまうことがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】“クリヤーブック替紙”,コクヨ総合カタログ2018年版ステーショナリー編,コクヨ株式会社,平成29年12月,p.212
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、以上のような事情に着目してなされたもので、収容された紙葉類が複数の綴じ孔側に近接し過ぎてしまうことを好適に抑制し得る紙葉類収容ホルダー、及び、当該紙葉類収容ホルダーを綴じ具に支持させてなるファイルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち、本発明は次の構成をなしている。
【0011】
請求項1に記載の発明は、透明をなす表裏のシートを重ね合わせて形成され、少なくとも一辺が開放可能に構成され内部に紙葉類を収容し得る収容空間が形成された袋状のホルダー本体と、複数の綴じ孔を所定の方向に複数配列させてなる綴じ孔列を有し前記ホルダー本体の一側端に設けられた綴じ孔領域とを備えた紙葉類収容ホルダーであって、前記綴じ孔列よりも前記ホルダー本体側に設けられた線状をなす第一の溶着部と、前記第一の溶着部よりも前記綴じ孔列から離れた位置に設けられた線状をなす第二の溶着部とを備えており、前記ホルダー本体における前記綴じ孔領域に沿う領域に、前記第一、第二の溶着部によって前記収容空間に収容された前記紙葉類が位置し難く構成された可撓変形容易領域が設けられているものであり、前記ホルダー本体の上辺が開放可能に構成されたものであり、前記第二の溶着部が、前記ホルダー本体における上下方向中間部にのみ設けられている紙葉類収容ホルダーである。
【0012】
請求項2に記載の発明は、透明をなす表裏のシートを重ね合わせて形成され、少なくとも一辺が開放可能に構成され内部に紙葉類を収容し得る収容空間が形成された袋状のホルダー本体と、複数の綴じ孔を所定の方向に複数配列させてなる綴じ孔列を有し前記ホルダー本体の一側端に設けられた綴じ孔領域とを備えた紙葉類収容ホルダーであって、前記綴じ孔列よりも前記ホルダー本体側に設けられた線状をなす第一の溶着部と、前記第一の溶着部よりも前記綴じ孔列から離れた位置に設けられた線状をなす第二の溶着部とを備えており、前記ホルダー本体における前記綴じ孔領域に沿う領域に、前記第一、第二の溶着部によって前記収容空間に収容された前記紙葉類が位置し難く構成された可撓変形容易領域が設けられているものであり、前記可撓変形容易領域内に設けられ、直線状をなし上端部が下端部よりも前記綴じ孔列側に位置するように傾斜した姿勢をなすとともに前記第二の溶着部よりも上に配された第三の溶着部を備えている紙葉類収容ホルダーである。
【0013】
請求項3に記載の発明は、透明をなす表裏のシートを重ね合わせて形成され、少なくとも一辺が開放可能に構成され内部に紙葉類を収容し得る収容空間が形成された袋状のホルダー本体と、複数の綴じ孔を所定の方向に複数配列させてなる綴じ孔列を有し前記ホルダー本体の一側端に設けられた綴じ孔領域とを備えた紙葉類収容ホルダーであって、前記綴じ孔列よりも前記ホルダー本体側に設けられた線状をなす第一の溶着部と、前記第一の溶着部よりも前記綴じ孔列から離れた位置に設けられた線状をなす第二の溶着部とを備えており、前記ホルダー本体における前記綴じ孔領域に沿う領域に、前記第一、第二の溶着部によって前記収容空間に収容された前記紙葉類が位置し難く構成された可撓変形容易領域が設けられているものであり、前記第一の溶着部と前記第二の溶着部との間に、他の綴じ孔が設けられている紙葉類収容ホルダーである。
【0014】
請求項4に記載の発明は、前記可撓変形容易領域内に設けられ、直線状をなし下端部が上端部よりも前記綴じ孔列側に位置するように傾斜した姿勢をなすとともに、前記第二の溶着部よりも下に配された第四の溶着部を備えている請求項記載の紙葉類収容ホルダーである。
【0015】
請求項5に記載の発明は、前記第二の溶着部の上端部が、前記第三の溶着部の下端部から離間した位置に設けられており、前記第二の溶着部の下端部が、前記第四の溶着部の上端部から離間した位置に設けられている請求項4記載の紙葉類収容ホルダーである。
【0016】
請求項6に記載の発明は、前記第一、第二の溶着部が、前記綴じ孔列と略平行な直線状をなしている請求項1、2、3、4又は5記載の紙葉類収容ホルダーである。
【0018】
請求項に記載の発明は、前記第一の溶着部が、直線状をなし上端部が下端部よりも前記綴じ孔列側に位置するように傾斜した姿勢をなすとともに前記第二の溶着部よりも上に配された上の傾斜溶着部である請求項記載の紙葉類収容ホルダーである。
【0019】
請求項に記載の発明は、表裏の表紙とこれら表裏の表紙間に配された背表紙とを有したファイル本体と、このファイル本体に対して綴じ具を介して支持された複数の請求項1、2、3、4、5、6又は7に記載の紙葉類収容ホルダーとを備えてなるファイルであって、前記背表紙又は前記背表紙近傍の前記表裏の表紙に、前記紙葉類の収容量に応じて選択的に折り曲げ可能な複数の折り曲げ線を設けているファイルである。
【0020】
ここで、「紙葉類」は、用紙に限られるものではなく、ホルダー本体内に収容され得るシート状又は板状のものであればどのようなものであってもよい。
【0021】
また、第二の溶着部を特定する「第一の溶着部よりも綴じ孔列から離れた位置(に設けられた…)」は、仮に、第一、第二の溶着部が互いに平行をなしていない場合には、「第一の溶着部における第二の溶着部から最も離れた部分(最離部分)よりも綴じ孔列から離れた位置」である。すなわち、第二の溶着部は、第一の溶着部の最離部分よりも綴じ孔列から離れた位置にあればよく、仮に、第一の溶着部の一部及び第二の溶着部が綴じ孔列と等距離であっても構わない。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように本発明によれば、収容された紙葉類が複数の綴じ孔側に近接し過ぎてしまうことを好適に抑制し得る紙葉類収容ホルダー、及び、当該紙葉類収容ホルダーを綴じ具に支持させてなるファイルを提供することができるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の第一の実施形態を示す斜視図。
図2】同実施形態における斜視図。
図3】同実施形態における正面図。
図4】同実施形態における部分拡大正面図。
図5】同実施形態における一使用状態を説明するための概略底面図。
図6】本発明の第二の実施形態を示す正面図。
図7】本発明の第三の実施形態を示す正面図。
図8】本発明の第四の実施形態を示す正面図。
図9】本発明の第五の実施形態を示す正面図。
図10】同実施形態における背面図。
図11】同実施形態における右側面図。
図12】同実施形態における左側面図。
図13】同実施形態における平面図。
図14】同実施形態における底面図。
図15】同実施形態における部分拡大正面図。
図16】従来例における一使用状態を説明するための概略底面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態を、図1~5を参照して説明する。
【0025】
この実施形態は、本発明を、紙葉類である用紙Pを収容可能な紙葉類収容ホルダーD、及び、複数の紙葉類収容ホルダーDを綴じ具Cにより支持させてなるファイルAに適用したものである。紙葉類収容ホルダーDは、「ファイル用ポケット」とも称されるものである。
【0026】
ファイルAは、ファイル本体Bと、ファイル本体Bに取り付けた綴じ具Cと、綴じ具Cに支持された複数枚の紙葉類収容ホルダーDとを備えてなる。ファイル本体Bは、表裏の表紙b1、b2と、表裏の表紙b1、b2間に配された背表紙b3を有している。表裏の表紙b1、b2における背表紙b3近傍には、紙葉類収容ホルダーDに対する用紙Pの収容量に応じて選択的に折り曲げ可能な複数の折り曲げ線b11、b21が設けられている。綴じ具Cは、開閉可能に構成された複数の綴じリングc1を備えている。綴じ具Cは、ファイル本体Bにおける背表紙b3の内面側に取り付けられている。
【0027】
以下、第一の実施形態の紙葉類収容ホルダーDについて詳述する。
【0028】
紙葉類収容ホルダーDは、正面視において略矩形状をなしたものである。紙葉類収容ホルダーDは、合成樹脂製の透明をなす表裏のシートs1、s2を重ね合わせて形成されたものである。紙葉類収容ホルダーDは、一辺すなわち上辺e1が開放可能な開口部Gを構成し当該開口部Gを通じて内部に用紙Pを収容し得る収容空間spが形成された袋状のホルダー本体1と、複数の綴じ孔である大径孔21及び小径孔22を所定の方向すなわち上下方向に複数配列させてなる綴じ孔列2a、2bを有しホルダー本体1の一側端に設けられた綴じ孔領域2とを備えたものである。
【0029】
ホルダー本体1は、正面視において略矩形状をなしている。ホルダー本体1は、その上辺e1が開放可能に構成されている。この実施形態におけるホルダー本体1は、開口部Gを通じて内部にA4サイズの用紙Pを収容し得る大きさに設定されている。
【0030】
綴じ孔領域2は、上下方向に長い帯状をなしている。綴じ孔領域2は、ホルダー本体1の一側縁すなわち内側辺e4に隣接している。綴じ孔領域2は、表裏のシートs1、s2を溶着した溶着シート部分2y(把握の便宜上図中においてパターンを施している)を有している。綴じ孔領域2は、全体として上下方向に長い帯状をなしている。綴じ孔領域2は、複数の綴じ孔である四箇所の大径孔21、及び、二十六箇所の小径孔22をそれぞれ上下方向に所定間隔で配列させてなる綴じ孔列2a、2bを有している。綴じ孔領域2内の四箇所に形成された大径孔21は、真円形状をなしており、その中心点が図示しない同一仮想直線上に位置するように配されている。綴じ孔領域2の二十六箇所に形成された小径孔22は、真円形状をなしており、その中心点が図示しない同一仮想直線上に位置するように配されている。大径孔21及び小径孔22は、重ね合わせた表裏のシートs1、s2の一部をプレス型で打ち抜くことによって形成されている。大径孔21及び小径孔22は、ファイル本体Bに取り付けられた綴じ具Cの綴じリングc1(又は綴じ足)の本数に対応して選択的に利用されるものである。
【0031】
この実施形態における紙葉類収容ホルダーDは、綴じ孔列2a、2bよりもホルダー本体1側に設けられた線状をなす第一の溶着部たる領域内縁部h1と、領域内縁部h1よりも綴じ孔列2a、2bから離れた位置に設けられた線状をなす第二の溶着部たるホルダー本体1の中間溶着部h2とを備えている。そして、紙葉類収容ホルダーDは、ホルダー本体1における綴じ孔領域2に沿う領域に、第一の溶着部である領域内縁部h1と、第二の溶着部である中間溶着部h2とによって収容空間spに収容された用紙Pが位置し難く構成された可撓変形容易領域Hが設けられている。可撓変形容易領域Hは、用紙Pが配設されることに伴って撓み難くなることが抑制された領域である。可撓変形容易領域Hは、ホルダー本体1において撓みやすさが確保された一部領域である。
【0032】
領域内縁部h1は、ホルダー本体1の収容空間spと綴じ孔領域2とを隔てる位置に形成されている。領域内縁部h1は、ホルダー本体1の上辺e1及び下辺e2に対して直交する方向に延びてなる直線状のものである。領域内縁部h1は、ホルダー本体1の外側辺e3と平行をなしているとともにホルダー本体1の内側辺e4と合致した位置に設けられている。
【0033】
中間溶着部h2は、領域内縁部h1と略平行をなし上下方向に延びた直線状のものである。中間溶着部h2は、ホルダー本体1における上下方向中間部にのみ設けられている。すなわち、この実施形態において中間溶着部h2は、ホルダー本体1における上部及び下部には設けられていない。
【0034】
中間溶着部h2と領域内縁部h1との離間寸法w1は、4.5mm~8.0mmの範囲内に設定されている。なお、この実施形態では、中間溶着部h2と領域内縁部h1との離間寸法w1は約6.5mmに設定されている。
【0035】
また、綴じ孔領域2の外側縁部e5と中間溶着部h2との離間寸法w2は、17mm~20mmの範囲内に設定されている。領域内縁部h1と中間溶着部h2は、綴じ孔列2a、2bと略平行な直線状をなしている。
【0036】
可撓変形容易領域Hは、領域内縁部h1と中間溶着部h2を主体に設定されている。つまり、可撓変形容易領域Hは、ホルダー本体1における綴じ孔領域2に隣接し上下方向に長い帯状の所定領域である。可撓変形容易領域Hは、ホルダー本体1に用紙Pが収容された状態であっても柔軟に撓みやすく構成されている。
【0037】
可撓変形容易領域H内には、直線状をなし上端部j3が下端部k3よりも綴じ孔列2a、2b側に位置するように傾斜した姿勢をなすとともに中間溶着部h2よりも上に配された第三の溶着部たる上傾斜溶着部h3を備えている。中間溶着部h2の上端部j2は、上傾斜溶着部h3の下端部k3から離間した位置に設けられている。より具体的に言えば、中間溶着部h2の上端部j2と、上傾斜溶着部h3の下端部k3との離間寸法w3は、9mm~11mmの範囲内に設定されている。なお、この実施形態では、中間溶着部h2の上端部j2と上傾斜溶着部h3の下端部k3との離間寸法w3は、約10.7mmに設定されている。
【0038】
中間溶着部h2の上端部j2は、上傾斜溶着部h3の下端部k3よりも綴じ孔列2a、2bから離れた位置に設けられている。上傾斜溶着部h3の上端部j3は、領域内縁部h1から離間した位置に設けられている。
【0039】
可撓変形容易領域H内には、直線状をなし下端部k4が上端部j4よりも綴じ孔列2a、2b側に位置するように傾斜した姿勢をなすとともに、中間溶着部h2よりも下に配された第四の溶着部たる下傾斜溶着部h4を備えている。中間溶着部h2の下端部k2は、下傾斜溶着部h4の上端部j4から離間した位置に設けられている。より具体的に言えば、中間溶着部h2の下端部k2と、下傾斜溶着部h4の上端部j4との離間寸法w4は、9mm~11mmの範囲内に設定されている。なお、この実施形態では、中間溶着部h2の下端部k2と上傾斜溶着部h3の上端部j3との離間寸法w4は、約10.7mmに設定されている。
【0040】
中間溶着部h2の下端部k2は、下傾斜溶着部h4の上端部j4よりも綴じ孔列2a、2bから離れた位置に設けられている。下傾斜溶着部h4の下端部k4は、領域内縁部h1から離間した位置に設けられている。
【0041】
以上に述べたように、第一の実施形態に示す紙葉類収容ホルダーDは、透明をなす表裏のシートs1、s2を重ね合わせて形成され、少なくとも一辺たる上辺e1が開放可能に構成され内部に紙葉類たる用紙Pを収容し得る収容空間spが形成された袋状のホルダー本体1と、複数の綴じ孔である大径孔21及び小径孔22を上下方向に複数配列させてなる綴じ孔列2a、2bを有しホルダー本体1の一側端に設けられた綴じ孔領域2とを備えたものである。
【0042】
そして、綴じ孔列2a、2bよりもホルダー本体1側に設けられた線状をなす第一の溶着部たる領域内縁部h1と、領域内縁部h1よりも綴じ孔列2a、2bから離れた位置に設けられた線状をなす第二の溶着部たる中間溶着部h2とを備えている。ホルダー本体1における綴じ孔領域2に沿う領域には、領域内縁部h1及び中間溶着部h2によって収容空間spに収容された用紙Pが位置し難く構成された可撓変形容易領域Hが設けられている。
【0043】
このため、収容空間spに収容された用紙Pが複数の綴じ孔21、22側に近接し過ぎてしまうことを好適に抑制し得る紙葉類収容ホルダーDを提供することができるものとなる。
【0044】
つまり、領域内縁部h1と当該領域内縁部h1よりも綴じ孔列2a、2bから離れた位置に設けられた線状をなす中間溶着部h2とによって、ホルダー本体1における綴じ孔領域2に沿う領域には、収容空間spに収容された用紙Pが位置し難くなる。これにより、ホルダー本体1の一部分すなわち綴じ孔領域2に沿う部分に、用紙Pが収容された状態であっても柔軟な可撓変形が確保された可撓変形容易領域Hが設けられることになる。
【0045】
そして、可撓変形容易領域Hは、用紙Pの影響を受け難く撓みやすくなるため、ファイルAを構成した場合の従来の不具合を好適に抑制し得るものとなっている。
【0046】
すなわち、図16において示すように、従来のものは、積層された複数の紙葉類収容ホルダーXDの内、特に外側(表表紙Xb1及び裏表紙Xb2に近い位置)にあるものにおける綴じ孔X20側に極めて近接した部分が、内部の用紙XPとともに表表紙Xb1及び裏表紙Xb2の方向に湾曲状に膨らんでしまうものとなっていた。これは、紙葉類収容ホルダーXDの綴じ孔X20と綴じリングXc1との位置関係が拘束されているため、紙葉類収容ホルダーXDの綴じ孔X20に極めて近接した部分に用紙XPが位置してしまうと当該用紙XPの曲げ強さの影響を受けて紙葉類収容ホルダーXDが外方すなわち表表紙Xb1及び裏表紙Xb2側に凸をなすように膨らまざるを得ないことによるものである。
【0047】
以上に述べた従来の不具合は、本実施形態に示すものであれば好適に抑制し得るものとなっている。つまり、本実施形態に示すものであれば、図5に示すように、ホルダー本体1への用紙Pの収容量が増加しても、収容空間sp内の用紙Pが綴じリングc1と係り合う綴じ孔列2a、2bに対して所定間隔を隔てて位置することになるため、綴じ元側が膨らんで用紙Pが丸まってしまうことを好適に抑制することができる。
【0048】
このため、本実施形態に示される紙葉類収容ホルダーDであれば、ファイル本体Bの背表紙b3に設けた綴じ具Cの綴じリングc1に支持させても、ファイル本体Bの表裏の表紙b1、b2を内方から外方に向かって押し出し難い構成を実現することができるものとなる。
【0049】
また、綴じ具Cによって綴じる紙葉類収容ホルダーDの枚数が増加した場合であっても、綴じリングc1を開けたとたんに上層の紙葉類収容ホルダーDが飛び出すような不具合の発生が好適に抑制されるものとなる。
【0050】
ホルダー本体1の上辺e1が開放可能に構成されたものであり、中間溶着部h2が、ホルダー本体1における上下方向中間部にのみ設けられている。このため、ホルダー本体1の開放可能な領域すなわち用紙Pの出入口が広く確保されるものとなる。したがって、用紙Pをホルダー本体1に収容する際やホルダー本体1に収容されていた用紙Pを外部に取り出す際に開口部Gを広く確保することができるものとなっている。しかも、ホルダー本体1における上下方向下部すなわち収容空間spの下部も収容可能スペースとして好適に利用し得るものとなっている。
【0051】
可撓変形容易領域H内に設けられ、直線状をなし上端部j3が下端部k3よりも綴じ孔列2a、2b側に位置するように傾斜した姿勢をなすとともに中間溶着部h2よりも上に配された上傾斜溶着部h3を備えている。このため、用紙Pをホルダー本体1の収容空間sp内に挿入する際に、当該用紙Pを収容空間sp内に収まるように適切に案内し得るものとなっている。つまり、上傾斜溶着部h3は、開口部Gを通じて挿入された用紙Pの角部分p1と係わり合った場合に、当該角部分p1を中間溶着部h2との干渉を避けるようにして収容空間sp内の奥方に適切に案内し得るようになっている。
【0052】
可撓変形容易領域H内に設けられ、直線状をなし下端部k4が上端部j4よりも綴じ孔列2a、2b側に位置するように傾斜した姿勢をなすとともに、中間溶着部h2よりも下に配された第四の溶着部たる下傾斜溶着部h4を備えている。このため、使用者に対して可撓変形容易領域Hを視覚的に認識させやすいものとなる。しかも、下傾斜溶着部h4は、正面視において上傾斜溶着部h3と上下対称に構成されているため、上傾斜溶着部h3と下傾斜溶着部h4とが協働して天地対称の美観を発揮し、全体的なデザイン性の向上に寄与したものとなっている。また、可撓変形容易領域Hが、仮に、領域内縁部h1、中間溶着部h2、及び、上傾斜溶着部h4により構成されていた場合には、これらにより囲われた空間に小物類等の物品が入り込んでしまい得るところ、下傾斜溶着部h4を設けることによりかかる不具合の発生を未然に抑制することができるものとなっている。
【0053】
中間溶着部h2の上端部が、上傾斜溶着部h3の下端部から離間した位置に設けられている。このため、上下に隣り合う上傾斜溶着部h3と中間溶着部h2とが連続的に形成されないため、可撓変形容易領域Hの可撓性を好適に維持し得るものとなっている。つまり、中間溶着部h2や上傾斜溶着部h3はそれぞれ溶着により形成されるため一定の硬さすなわち撓み難さが生じ得る。中間溶着部h2と上傾斜溶着部h3とが連続的に形成されると可撓変形容易領域Hの可撓性を損ねる可能性があるが、本実施形態では係る不具合を好適に抑制したものとなっている。
【0054】
中間溶着部h2の下端部が、下傾斜溶着部h4の上端部から離間した位置に設けられている。このため、上下に隣り合う中間溶着部h2と下傾斜溶着部h4とが連続的に形成されないため、可撓変形容易領域Hの可撓性を好適に維持し得るものとなっている。つまり、中間溶着部h2や下傾斜溶着部h4はそれぞれ溶着により形成されるため一定の硬さすなわち撓み難さが生じ得る。中間溶着部h2と下傾斜溶着部h4とが連続的に形成されると可撓変形容易領域Hの可撓性を損ねる可能性があるが、本実施形態では係る不具合を好適に抑制したものとなっている。
【0055】
第一の溶着部たる領域内縁部h1と、第二の溶着部たる中間溶着部h2が綴じ孔列2a、2bと略平行な直線状をなしている。このため、領域内縁部h1と中間溶着部h2とによって、上下方向に延びた帯状の可撓変形容易領域Hを適切に設定し得るものとなっている。
【0056】
第一の実施形態に示すファイルAは、表裏の表紙b1、b2とこれら表裏の表紙b1、b2間に配された背表紙b3とを有したファイル本体Bと、このファイル本体Bに対して綴じ具Cを介して支持された複数の紙葉類収容ホルダーDとを備えている。そして、背表紙b3近傍の表裏の表紙b1、b2に、用紙Pの収容量に応じて選択的に折り曲げ可能な複数の折り曲げ線b11、b21を設けている。このため、ファイル本体Bが、複数の紙葉類収容ホルダーDに収容された用紙Pの収容量に応じて好適な背幅を有した形態を採り得るものとなっている。
【0057】
なお、本発明は、以上に詳述した実施形態に限られるものではない。
【0058】
以下において、他の実施形態である紙葉類収容ホルダーDについて説明する。なお、他の実施形態における図面(図6~15)において、上述した第一の実施形態と同一又は相当する構成については同一の符号を付すものとし、詳細な説明を省略する。
【0059】
図6では、第二の実施形態である紙葉類収容ホルダーDを示している。この実施形態では、第一の溶着部である領域内縁部h1と第二の溶着部である中間溶着部h2との間に、可撓変形容易領域H内の上下方向中間部における上下二箇所に真円形状をなす他の綴じ孔23が設けられている。また、同図に示すように綴じ孔列2bを構成するものとして、綴じ孔たる小径孔22とともに複数の長孔24を含んでいる。当該第二の実施形態に示すものであっても、可撓変形容易領域Hが適切に設定され得るものとなるため、所期の目的を達成し得るものとなる。図6に示すように、他の綴じ孔23を設けたものであれば、必要以上に大きな大径孔を設定する必要なく、綴じ具Cに対しての余り空間が形成されることによる紙葉類収容ホルダーDの傾きを好適に抑制できるものとなっている。
【0060】
図7では、第三の実施形態である紙葉類収容ホルダーDを概略的に示している。この実施形態では、第一の溶着部である領域内縁部h1と第二の溶着部である中間溶着部h2のみにより、ホルダー本体1に可撓変形容易領域Hが設定されている。また、第一の実施形態と比較して、綴じ孔領域2には、表裏のシートs1、s2を面的に溶着してなる溶着シート部分が設けられていない。当該第三の実施形態に示すものであっても、可撓変形容易領域Hが適切に設定され得るものとなるため、所期の目的を達成し得るものとなる。
【0061】
図8では、第四の実施形態である紙葉類収容ホルダーDを概略的に示している。この実施形態では、第一の溶着部が、直線状をなし上端部が下端部よりも綴じ孔列2a、2b側に位置するように傾斜した姿勢をなすとともに第二の溶着部である中間溶着部h2よりも上に配された上の傾斜溶着部h5となっている。綴じ孔領域2には、第三の実施形態と同様に表裏のシートs1、s2を面的に溶着した溶着シート部分を有していない。
【0062】
この実施形態では、ホルダー本体1における綴じ孔領域2に沿う領域に、第一の溶着部である上の傾斜溶着部h5と、第二の溶着部である中間溶着部h2とを備えており、これら上の傾斜溶着部h5と中間溶着部h2のみによって収容空間spに収容された紙葉類たる用紙Pが位置し難く構成された可撓変形容易領域Hが設けられているものとなっている。上の傾斜溶着部h5は、直線状をなし上端部が下端部よりも綴じ孔列2a、2b側に位置するように傾斜した姿勢をなすとともに中間溶着部h2よりも上に一定の間隔を空けて配されたものとなっている。
【0063】
当該第四の実施形態に示すものであっても、可撓変形容易領域Hが適切に設定され得るものとなるため、所期の目的を達成し得るものとなる。
【0064】
<第五の実施形態>
以下、第五の実施形態の紙葉類収容ホルダーD(ファイル用ポケット)について、図9~15を参照して詳述する。
【0065】
紙葉類収容ホルダーDは、正面視において略矩形状をなしたものである。紙葉類収容ホルダーDは、合成樹脂製の透明をなす表裏のシートs1、s2を重ね合わせて形成されたものである。紙葉類収容ホルダーDは、一辺すなわち上辺e1が開放可能な開口部Gを構成し当該開口部Gを通じて内部に用紙Pを収容し得る収容空間spが形成された袋状のホルダー本体1と、複数の綴じ孔である大径孔21及び小径孔22を所定の方向すなわち上下方向に複数配列させてなる綴じ孔列2a、2bを有しホルダー本体1の一側端に設けられた綴じ孔領域2とを備えたものである。
【0066】
ホルダー本体1は、正面視において略矩形状をなしている。ホルダー本体1は、その上辺e1が開放可能に構成されている。この実施形態におけるホルダー本体1は、開口部Gを通じて内部にA4サイズの用紙Pを収容し得る大きさに設定されている。
【0067】
綴じ孔領域2は、上下方向に長い帯状をなしている。綴じ孔領域2は、ホルダー本体1の一側縁すなわち内側辺e4に隣接している。綴じ孔領域2は、表裏のシートs1、s2を溶着した溶着シート部分2yを有している。(なお、第五の実施形態では、第一の実施形態のような把握の便宜上施したパターン表示を省略している。)綴じ孔領域2は、全体として上下方向に長い帯状をなしている。綴じ孔領域2は、複数の綴じ孔である四箇所の大径孔21、及び、二十六箇所の小径孔22をそれぞれ上下方向に所定間隔で配列させてなる綴じ孔列2a、2bを有している。綴じ孔領域2内の四箇所に形成された大径孔21は、真円形状をなしており、その中心点が図示しない同一仮想直線上に位置するように配されている。綴じ孔領域2の二十六箇所に形成された小径孔22は、真円形状をなしており、その中心点が図示しない同一仮想直線上に位置するように配されている。大径孔21及び小径孔22は、重ね合わせた表裏のシートs1、s2の一部をプレス型で打ち抜くことによって形成されている。大径孔21及び小径孔22は、ファイル本体Bに取り付けられた綴じ具Cの綴じリングc1(又は綴じ足)の本数に対応して選択的に利用されるものである。
【0068】
この実施形態における紙葉類収容ホルダーDは、綴じ孔列2a、2bよりもホルダー本体1側に設けられた線状をなす第一の溶着部たる領域内縁部h1と、領域内縁部h1よりも綴じ孔列2a、2bから離れた位置に設けられた線状をなす第二の溶着部たるホルダー本体1の中間溶着部h2とを備えている。そして、紙葉類収容ホルダーDは、ホルダー本体1における綴じ孔領域2に沿う領域に、第一の溶着部である領域内縁部h1と、第二の溶着部である中間溶着部h2とによって収容空間spに収容された用紙Pが位置し難く構成された可撓変形容易領域Hが設けられている。可撓変形容易領域Hは、用紙Pが配設されることに伴って撓み難くなることが抑制された領域である。可撓変形容易領域Hは、ホルダー本体1において撓みやすさが確保された一部領域である。
【0069】
領域内縁部h1は、ホルダー本体1の収容空間spと綴じ孔領域2とを隔てる位置に形成されている。領域内縁部h1は、ホルダー本体1の上辺e1及び下辺e2に対して直交する方向に延びてなる直線状のものである。領域内縁部h1は、ホルダー本体1の外側辺e3と平行をなしているとともにホルダー本体1の内側辺e4と合致した位置に設けられている。
【0070】
中間溶着部h2は、領域内縁部h1と略平行をなし上下方向に延びた直線状のものである。中間溶着部h2は、ホルダー本体1における上下方向中間部にのみ設けられている。すなわち、この実施形態において中間溶着部h2は、ホルダー本体1における上部及び下部には設けられていない。
【0071】
中間溶着部h2と領域内縁部h1との離間寸法w1は、3.4mm~5.4mmの範囲内に設定されている。なお、この実施形態では、中間溶着部h2と領域内縁部h1との離間寸法w1は約4.4mmに設定されている。
【0072】
また、綴じ孔領域2の外側縁部e5と中間溶着部h2との離間寸法w2は、17mm~20mmの範囲内に設定されている。領域内縁部h1と中間溶着部h2は、綴じ孔列2a、2bと略平行な直線状をなしている。
【0073】
可撓変形容易領域Hは、領域内縁部h1と中間溶着部h2を主体に設定されている。つまり、可撓変形容易領域Hは、ホルダー本体1における綴じ孔領域2に隣接し上下方向に長い帯状の所定領域である。可撓変形容易領域Hは、ホルダー本体1に用紙Pが収容された状態であっても柔軟に撓みやすく構成されている。
【0074】
可撓変形容易領域H内には、直線状をなし上端部j3が下端部k3よりも綴じ孔列2a、2b側に位置するように傾斜した姿勢をなすとともに中間溶着部h2よりも上に配された第三の溶着部たる上傾斜溶着部h3を備えている。中間溶着部h2の上端部j2は、上傾斜溶着部h3の下端部k3から離間した位置に設けられている。より具体的に言えば、中間溶着部h2の上端部j2と、上傾斜溶着部h3の下端部k3との離間寸法w3は、4mm~7mmの範囲内に設定されている。なお、この実施形態では、中間溶着部h2の上端部j2と、上傾斜溶着部h3の下端部k3との離間寸法w3は、約5.2mmに設定されている。
【0075】
中間溶着部h2の上端部j2及び上傾斜溶着部h3の下端部k3は、綴じ孔列2a、2bから左右方向に略同じ寸法離間した位置に設けられている。上傾斜溶着部h3の上端部j3は、領域内縁部h1と重なる位置に設けられている。
【0076】
可撓変形容易領域H内には、直線状をなし下端部k4が上端部j4よりも綴じ孔列2a、2b側に位置するように傾斜した姿勢をなすとともに、中間溶着部h2よりも下に配された第四の溶着部たる下傾斜溶着部h4を備えている。中間溶着部h2の下端部k2は、下傾斜溶着部h4の上端部j4から離間した位置に設けられている。より具体的に言えば、中間溶着部h2の下端部k2と、下傾斜溶着部h4の上端部j4との離間寸法w4は、4mm~7mmの範囲内に設定されている。なお、この実施形態では、中間溶着部h2の下端部k2と上傾斜溶着部h3の上端部j3との離間寸法w4は、約5.2mmに設定されている。
【0077】
中間溶着部h2の下端部k2及び下傾斜溶着部h4の上端部j4は、綴じ孔列2a、2bから左右方向に略同じ寸法離間した位置に設けられている。下傾斜溶着部h4の下端部k4は、領域内縁部h1と重なる位置に設けられている。
【0078】
以上に述べた第五の実施形態に示すものであっても、可撓変形容易領域Hが適切に設定され得るものとなり、また、各構成における作用効果も第一の実施形態に示すものに準じたものとなるため、所期の目的を達成し得るものとなる。
【0079】
その他、ファイル本体、綴じ具、及び、紙葉類収容ホルダーの各部の具体的構成についても、上述した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0080】
例えば、他の紙葉類収容ホルダーとしては、図9~15に示す紙葉類収容ホルダーDから領域内縁部h1を取り除き、上傾斜溶着部h3を、本願発明における第一の溶着部としたものが考えられる。
【0081】
すなわち、紙葉類収容ホルダーDは、透明をなす表裏のシートs1、s2を重ね合わせて形成され、上辺e1が開放可能に構成され内部に紙葉類たる用紙Pを収容し得る収容空間spが形成された袋状のホルダー本体1と、複数の綴じ孔21、22を上下方向に複数配列させてなる綴じ孔列2a、2bを有しホルダー本体1の一側端に設けられた綴じ孔領域2とを備えている。そして、綴じ孔列2a、2bよりもホルダー本体1側に設けられた線状をなす第一の溶着部である上の傾斜溶着部h3と、第一の溶着部である上の傾斜溶着部h3よりも綴じ孔列2a、2bから離れた位置に設けられた線状をなす第二の溶着部たる中間溶着部h2とを備えている。ホルダー本体1における綴じ孔領域2に沿う領域に、上の傾斜溶着部h3、及び、中間溶着部h2によって収容空間spに収容された用紙Pが位置し難く構成された可撓変形容易領域Hが設けられている。そして、この説明の例では、第一の溶着部である上の傾斜溶着部h3は、直線状をなし上端部j3が下端部k3よりも綴じ孔列2a、2b側に位置するように傾斜した姿勢をなすとともに中間溶着部h2よりも上に配されたものである。このようなものであっても、上の傾斜溶着部h3及び中間溶着部h2により可撓変形容易領域Hが適切に設定され得るものとなり、また、各構成における作用効果も第五の実施形態に示すものに準じたものとなるため、所期の目的を達成し得るものとなる。
【0082】
なお、第二の溶着部である中間溶着部h2の左右方向の位置(綴じ孔列2a、2bからの離間距離)と、第一の溶着部である上の傾斜溶着部h3の下端部k3の左右方向の位置(綴じ孔列2a、2bからの離間距離)とは略同じである。しかしながら、中間溶着部h2は、上の傾斜溶着部h3の最離部分(すなわち上端部j3)よりも綴じ孔列2a、2bから離れた位置にあるため、本願発明の「第二の溶着部」に相当し得る。
【0083】
第一、第二の溶着部は線状をなしたものであればよい。すなわち、第一、第二の溶着部は、曲線状のものであってもよく、必ずしも直線状をなしたものに限られるものではない。
【0084】
第二の溶着部は、第一の溶着部よりも綴じ孔列から離れた位置に設けられたものであればよい。すなわち、ホルダー本体における上手方向中間部にのみ設けられたものに限られるものではなく、ホルダー本体の上下方向の略全域に設けられたものであってもよい。
【0085】
第三、第四の溶着部を設けていないものであってもよい。また、第三の溶着部、又は、第四の溶着部が、第二の溶着部と連続的に設けられたものであってもよい。
【0086】
可撓変形容易領域を設定するために、第一、第二の溶着部以外の溶着部を適宜設けてもよいのはもちろんのことである。
【0087】
「紙葉類」は、用紙に限られるものではなく、ホルダー本体内に収容され得るシート状又は板状のものであればどのようなものであってもよい。なお、例えば、冊子のように複数枚の紙葉類が束ねられたものであってもよいのはもちろんのことである。
【0088】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0089】
A…ファイル
B…ファイル本体
C…綴じ具
D…紙葉類収容ホルダー
1…ホルダー本体
2…綴じ孔領域
H…可撓変形容易領域
h1…領域内縁部(第一の溶着部)
h2…中間溶着部(第二の溶着部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16