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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-17
(45)【発行日】2022-10-25
(54)【発明の名称】車両用内燃機関
(51)【国際特許分類】
   F02B 67/06 20060101AFI20221018BHJP
   F02F 7/00 20060101ALI20221018BHJP
【FI】
F02B67/06 G
F02F7/00 K
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018136866
(22)【出願日】2018-07-20
(65)【公開番号】P2020012450
(43)【公開日】2020-01-23
【審査請求日】2021-05-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001520
【氏名又は名称】弁理士法人日誠国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小杉 裕太郎
(72)【発明者】
【氏名】和田 壮大郎
【審査官】池田 匡利
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-163309(JP,A)
【文献】特開2002-168106(JP,A)
【文献】特開2009-174478(JP,A)
【文献】特開平11-324627(JP,A)
【文献】特開平11-315706(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02B 67/06
F02F 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クランクシャフトを有するエンジン本体と、
前記エンジン本体の端部に連結されたカバー部材と、
前記カバー部材の上部に設けられ、車体側に設けられた防振マウント部材が取付けられるマウント取付部と、
前記カバー部材の下部に設けられ、前記クランクシャフトから動力が伝達されるオイルポンプを有するオイルポンプ部とを備えた車両用内燃機関であって、
前記カバー部材に筒状のオイル通路部が形成されており、
前記オイル通路部は、前記オイルポンプ部に連通するオイル通路を有し、少なくとも前記オイルポンプ部から前記マウント取付部まで延びており、
前記カバー部材の幅方向の一方の外周縁に、前記エンジン本体に締結される複数の締結部が形成されており、
前記オイル通路部は、前記一方の外周縁に隣接して前記一方の外周縁に沿って延びていることを特徴とする車両用内燃機関。
【請求項2】
前記オイル通路部は、前記複数の締結部の少なくとも1つ以上に連結されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用内燃機関。
【請求項3】
前記オイル通路部は、前記オイルポンプ部から前記マウント取付部まで延び、第1のオイル通路を有する第1のオイル通路部と、前記第1のオイル通路部の前記マウント取付部側の端部から前記第1のオイル通路部の延びる方向と異なる方向に延び、前記第1のオイル通路に連通する第2のオイル通路を有する第2のオイル通路部とを有し、
前記第2のオイル通路部は、前記マウント取付部の下部に沿って前記カバー部材の幅方向に延びていることを特徴とする請求項2に記載の車両用内燃機関。
【請求項4】
前記第2のオイル通路部は、前記一方の外周縁と前記カバー部材の幅方向の他方の外周縁とを連結していることを特徴とする請求項3に記載の車両用内燃機関。
【請求項5】
前記カバー部材に、前記エンジン本体にオイルを供給する油圧制御弁が挿入されるシリンダ部が形成されており、
前記シリンダ部は、前記エンジン本体と反対側の前記カバー部材の表面に設置され、かつ前記マウント取付部の下部に連結されており、
前記第2のオイル通路部は、前記エンジン本体側の前記カバー部材の裏面に設置され、かつ前記シリンダ部と同じ高さ位置で前記マウント取付部の下部に連結されていることを特徴とする請求項4に記載の車両用内燃機関。
【請求項6】
前記カバー部材は、前記エンジン本体と反対側の前記カバー部材の表面から前記防振マウント部材に向かって膨出し、前記シリンダ部の下部に連結される膨出部を有し、
前記膨出部は、前記第1のオイル通路部と前記他方の外周縁とを連結していることを特徴とする請求項5に記載の車両用内燃機関。
【請求項7】
前記エンジン本体側の前記カバー部材の裏面に、前記裏面から前記エンジン本体に向かって突出し、締結具によって前記エンジン本体に締結されるボス部が設けられており、
前記ボス部の下部は、前記第2のオイル通路部に連結されており、前記ボス部の上部は、前記締結具によって前記エンジン本体に締結されていることを特徴とする請求項3から請求項6のいずれか1項に記載の車両用内燃機関。
【請求項8】
前記マウント取付部は、前記エンジン本体と反対側の前記カバー部材の表面から前記防振マウント部材に向かって膨出しており、
前記マウント取付部の内周面には前記マウント取付部の内周面から前記エンジン本体に向かって突出する複数のリブが設けられており、
前記リブのうちの少なくとも1つは、前記ボス部に連結されていることを特徴とする請求項7に記載の車両用内燃機関。
【請求項9】
クランクシャフトを有するエンジン本体と、
前記エンジン本体の端部に連結されたカバー部材と、
前記カバー部材の上部に設けられ、車体側に設けられた防振マウント部材が取付けられるマウント取付部と、
前記カバー部材の下部に設けられ、前記クランクシャフトから動力が伝達されるオイルポンプを有するオイルポンプ部とを備えた車両用内燃機関であって、
前記カバー部材に筒状のオイル通路部が形成されており、
前記オイル通路部は、前記オイルポンプ部に連通するオイル通路を有し、少なくとも前記オイルポンプ部から前記マウント取付部まで延びており、
前記オイル通路部は、前記オイルポンプ部から前記マウント取付部まで延び、第1のオイル通路を有する第1のオイル通路部と、前記第1のオイル通路部の前記マウント取付部側の端部から前記第1のオイル通路部の延びる方向と異なる方向に延び、前記第1のオイル通路に連通する第2のオイル通路を有する第2のオイル通路部とを有し、
前記第2のオイル通路部は、前記マウント取付部の下部に沿って前記カバー部材の幅方向に延びており、
前記カバー部材に、前記エンジン本体にオイルを供給する油圧制御弁が挿入されるシリンダ部が形成されており、
前記シリンダ部は、前記エンジン本体と反対側の前記カバー部材の表面に設置され、かつ前記マウント取付部の下部に連結されており、
前記第2のオイル通路部は、前記エンジン本体側の前記カバー部材の裏面に設置され、かつ前記シリンダ部と同じ高さ位置で前記マウント取付部の下部に連結されていることを特徴とする車両用内燃機関。
【請求項10】
前記カバー部材は、前記エンジン本体と反対側の前記カバー部材の表面から前記防振マウント部材に向かって膨出し、前記シリンダ部の下部に連結される膨出部を有し、
前記膨出部は、前記第1のオイル通路部と前記カバー部材の幅方向の他方の外周縁とを連結していることを特徴とする請求項9に記載の車両用内燃機関。
【請求項11】
前記エンジン本体側の前記カバー部材の裏面に、前記裏面から前記エンジン本体に向かって突出し、締結具によって前記エンジン本体に締結されるボス部が設けられており、
前記ボス部の下部は、前記第2のオイル通路部に連結されており、前記ボス部の上部は、前記締結具によって前記エンジン本体に締結されていることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の車両用内燃機関。
【請求項12】
前記マウント取付部は、前記エンジン本体と反対側の前記カバー部材の表面から前記防振マウント部材に向かって膨出しており、
前記マウント取付部の内周面には前記マウント取付部の内周面から前記エンジン本体に向かって突出する複数のリブが設けられており、
前記リブのうちの少なくとも1つは、前記ボス部に連結されていることを特徴とする請求項11に記載の車両用内燃機関。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用内燃機関に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エンジンのチェーンケースにチェーンカバー部とサポートブラケット部を一体に成形し、サポートブラケット部と車体とをエンジンマウントを介して連結したものが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
このチェーンケースは、サポートブラケット部に設けられたエンジンマウント締結面に直交する方向に延びるリブをサポートブラケット部の裏面に形成し、サポートブラケット部を補強している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5333556号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような従来のチェーンケースにあっては、サポートブラケット部周辺のチェーンケースが補強されていない場合、エンジンの荷重によってチェーンケースが振動し、その振動がサポートブラケット部を通して車両に伝わることにより、車両が振動するおそれがある。
【0006】
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、車両用内燃機関の荷重によってチェーンカバーが振動することを抑制でき、車両が振動することを抑制できる車両用内燃機関を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、クランクシャフトを有するエンジン本体と、前記エンジン本体の端部に連結されたカバー部材と、前記カバー部材の上部に設けられ、車体側に設けられた防振マウント部材が取付けられるマウント取付部と、前記カバー部材の下部に設けられ、前記クランクシャフトから動力が伝達されるオイルポンプを有するオイルポンプ部とを備えた車両用内燃機関であって、前記カバー部材に筒状のオイル通路部が形成されており、前記オイル通路部は、前記オイルポンプ部に連通するオイル通路を有し、少なくとも前記オイルポンプ部から前記マウント取付部まで延びており、前記カバー部材の幅方向の一方の外周縁に、前記エンジン本体に締結される複数の締結部が形成されており、前記オイル通路部は、前記一方の外周縁に隣接して前記一方の外周縁に沿って延びていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
このように上記の本発明によれば、車両用内燃機関の荷重によってチェーンカバーが振動することを抑制でき、車両が振動することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の一実施例に係る車両用内燃機関の平面図である。
図2図2は、本発明の一実施例に係る車両用内燃機関の右側面図である。
図3図3は、本発明の一実施例に係る車両用内燃機関を拡大した右側面図である。
図4図4は、本発明の一実施例に係る車両用内燃機関の正面図である。
図5図5は、本発明の一実施例に係る車両用内燃機関のチェーンカバーと左マウント部材の拡大正面図である。
図6図6は、本発明の一実施例に係る車両用内燃機関のチェーンカバーの右側面図である。
図7図7は、本発明の一実施例に係る車両用内燃機関のチェーンカバーの左側面図である。
図8図8は、図6のVIII-VIII方向矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施の形態に係る車両用内燃機関は、クランクシャフトを有するエンジン本体と、エンジン本体の端部に連結されたカバー部材と、カバー部材の上部に設けられ、車体側に設けられた防振マウント部材が取付けられるマウント取付部と、カバー部材の下部に設けられ、クランクシャフトから動力が伝達されるオイルポンプを有するオイルポンプ部とを備えた車両用内燃機関であって、カバー部材に筒状のオイル通路部が形成されており、オイル通路部は、オイルポンプ部に連通するオイル通路を有し、少なくともオイルポンプ部からマウント取付部まで延びている。
これにより、車両用内燃機関の荷重によってチェーンカバーが振動することを抑制でき、車両が振動することを抑制できる。
【実施例
【0011】
以下、本発明に係る車両用内燃機関の実施例について、図面を用いて説明する。
図1から図8は、本発明に係る一実施例の車両用内燃機関を示す図である。図1から図8において、上下前後左右方向は、車両の進行する方向を前、後退する方向を後とした場合に、車両の幅方向が左右方向、車両の高さ方向が上下方向である。
【0012】
まず、構成を説明する。
図1において、車両1は、左サイドメンバ2Lおよび右サイドメンバ2Rを備えている。左サイドメンバ2Lおよび右サイドメンバ2Rは、車両1の幅方向(以下、車幅方向という)に離隔して前後方向に延びている。本実施例の左サイドメンバ2Lおよび右サイドメンバ2Rは、本発明の車体を構成する。
【0013】
左サイドメンバ2Lおよび右サイドメンバ2Rにはそれぞれ左防振マウント部材3Lおよび右防振マウント部材3Rが設けられている。左防振マウント部材3Lおよび右防振マウント部材3Rは、パワートレイン4に連結されており、パワートレイン4は、左防振マウント部材3Lおよび右防振マウント部材3Rによって左サイドメンバ2Lおよび右サイドメンバ2Rに弾性的に支持されている。
【0014】
パワートレイン4は、車両用内燃機関としてのエンジン5と変速機6とから構成されており、エンジン5および変速機6は、左サイドメンバ2Lおよび右サイドメンバ2Rに対して車幅方向の内側において車幅方向に並んで配置されている。エンジン5は、熱エネルギーを機械的エネルギーに変換し、変速機6は、エンジン5の回転速度を変速して出力する。
【0015】
図2において、エンジン5は、エンジン本体7を備えており、図4に示すように、エンジン本体7は、シリンダブロック11、シリンダヘッド12、シリンダヘッドカバー13およびオイルパン14を有する。
【0016】
図4において、シリンダブロック11およびシリンダヘッド12の右端部11a、12aにはチェーンカバー21が取付けられており、チェーンカバー21は、シリンダブロック11およびシリンダヘッド12の右側面に設けられた図示しないタイミングチェーンを右方から覆っている。
【0017】
本実施例のチェーンカバー21は、本発明のカバー部材を構成し、シリンダブロック11およびシリンダヘッド12の車幅方向の右端部11a、12aは、本発明のエンジン本体の端部を構成する。
【0018】
シリンダブロック11には図示しない複数の気筒が設けられている。気筒には図示しないピストンが収納されており、ピストンは、気筒に対して上下方向に往復運動する。ピストンは、図示しないコネクティングロッドを介してクランクシャフト15(図2参照)に連結されており、ピストンの往復運動は、コネクティングロッドを介してクランクシャフト15の回転運動に変換される。
【0019】
図1において、クランクシャフト15の回転中心軸を仮想線で示す。クランクシャフト15は、車幅方向に延びており、エンジン5は、横置きエンジンから構成される。
【0020】
図4に示すように、シリンダヘッド12にはそれぞれ図示しない複数の吸気ポートと、吸気ポートを開閉する複数の吸気バルブと、複数の排気ポートと、排気ポートを開閉する複数の排気バルブとが設けられている。吸気ポートは、気筒に空気を導入し、排気ポートは、気筒内で燃焼された排気ガスを気筒から排出する。
【0021】
シリンダヘッド12とシリンダヘッドカバー13との間には図示しない動弁室が形成されており、動弁室には図示しない排気カムシャフトおよび吸気カムシャフトが収容されている。タイミングチェーンは、クランクシャフト15と吸気カムシャフトおよび排気カムシャフトとを連結しており、クランクシャフト15の動力は、タイミングチェーンを介して吸気カムシャフトおよび排気カムシャフトに伝達される。
【0022】
排気カムシャフトは、吸気カムシャフトに対して前側に設置されており、排気カムシャフトの端部には図示しない排気側可変動弁装置が設けられている。
【0023】
排気側可変動弁装置は、オイルが導入される図示しない進角室と遅角室とを備えている。排気側可変動弁装置は、進角室にオイルが導入されると、排気カムシャフトの回転位相を進角側に制御し、遅角室にオイルが導入されると、排気カムシャフトの回転位相を遅角側に制御する。
【0024】
吸気側可変動弁装置には電動アクチュエータ18(図2図3参照)が設けられており、吸気側可変動弁装置は、電動アクチュエータ18によって駆動されることにより、吸気カムシャフトの回転位相を遅角側と進角側とに制御する。
【0025】
オイルパン14にはクランクシャフト15やピストン等を潤滑するためのオイルが貯留されている。
【0026】
図7において、チェーンカバー21の幅方向の外周縁21A、21Bにはそれぞれ複数の締結部21a、21b、21cが形成されている。外周縁21Aは、チェーンカバー21の幅方向の前側において上下方向に延びており、外周縁21Bは、チェーンカバー21の幅方向の後側において上下方向に延びている。ここで、チェーンカバー21の幅方向とは、チェーンカバー21を車幅方向(エンジン本体7の端部側)から見た場合のチェーンカバー21の横方向、または、チェーンカバー21の長手方向(上下方向)と直交する短手方向である。
【0027】
本実施例の外周縁21Aは、本発明のカバー部材の幅方向の一方の外周縁を構成し、外周縁21Bは、本発明のカバー部材の幅方向の他方の外周縁を構成する。
【0028】
締結部21a、21b、21cにはボルト41が挿通されており(図6参照)、ボルト41は、締結部21a、21b、21cに合致するようにシリンダブロック11およびシリンダヘッド12に形成された図示しないボス部に締結される。これにより、チェーンカバー21がシリンダブロック11およびシリンダヘッド12に固定される。本実施例の締結部21a、21b、21cおよびボルト41は、本発明の締結部を構成する。
【0029】
図5において、チェーンカバー21の表面21fの上部にはマウント取付部22が設けられている。マウント取付部22は、チェーンカバー21の表面21fから右防振マウント部材3Rに向かって膨出しており、マウント取付部22の内周面には空間22a(図7参照)が形成されている。チェーンカバー21の表面21fは、エンジン本体7と反対側のチェーンカバー21の面である。
【0030】
具体的には、図5において、マウント取付部22は、膨出上壁部22Aと、膨出上壁部22Aの下方に位置する膨出下壁部22Bと、膨出上壁部22Aと膨出下壁部22Bの右端部を連結して上下に延びる膨出右壁部22Cとを有する。
【0031】
図7において、マウント取付部22は、前後方向に対向し、膨出上壁部22Aと膨出下壁部22Bと膨出右壁部22Cとを連結する膨出前壁部22Dおよび膨出後壁部22Eを有する。
【0032】
マウント取付部22の空間22aには縦リブ22b、22cと横リブ22dが形成されている。縦リブ22b、22cは、膨出右壁部22Cからエンジン本体7に向かって突出し、膨出上壁部22Aと膨出下壁部22Bとを連結している。
【0033】
横リブ22dは、膨出右壁部22Cからエンジン本体7に向かって突出し、膨出前壁部22Dと膨出後壁部22Eとを連結している。縦リブ22b、22cと横リブ22dとは交差しており、マウント取付部22は、縦リブ22b、22cと横リブ22dによって補強されることにより、剛性が高められている。
【0034】
本実施例の右防振マウント部材3Rは、本発明の防振マウント部材を構成する。膨出右壁部22Cは、マウント取付部22の膨出方向の先端を構成し、縦リブ22b、22cおよび横リブ22dは、本発明のリブを構成する。
【0035】
図5において、右防振マウント部材3Rは、図示しないゴム等の弾性体を収容し、右サイドメンバ2Rに取付けられたマウント部材本体3Aと、マウント部材本体3Aからマウント取付部22に延び、ボルト42によって膨出上壁部22Aに固定されたアーム部3Bとを有する。エンジン5は、右防振マウント部材3Rによって吊り下げられた状態で右防振マウント部材3Rを介して右サイドメンバ2Rに弾性的に支持されている。
【0036】
図7において、チェーンカバー21の下部にはオイルポンプ部23が設けられている。オイルポンプ部23は、チェーンカバー21の表面21fから右防振マウント部材3R側に膨出する膨出部33と、膨出部33と合致するようにチェーンカバー21の裏面21rに取付けられたポンプケース23Aとを有する。
【0037】
オイルポンプ部23は、膨出部33とポンプケース23Aに回転自在に収容されたオイルポンプ23B(図2において仮想線で示す)を有する。ポンプケース23Aと膨出部33の合わせ面には図示しない吸入ポートと吐出ポートが形成されている。
【0038】
オイルポンプ23Bは、クランクシャフト15に取付けられてクランクシャフト15によって回転駆動される図示しないインナロータと、インナロータを取り囲むように径方向の外方に配置された図示しないアウタロータとを備えている。
【0039】
オイルポンプ23Bは、例えば、トロコイド式のオイルポンプから構成されており、アウタロータに形成された内歯とインナロータに形成された外歯とが接触することにより、外歯と内歯との間にオイルを収容する図示しない作動室が形成されている。
【0040】
オイルポンプ23Bにおいて、クランクシャフト15の動力がインナロータに伝達されることにより、インナロータとアウタロータとが一方向に回転する。このとき、作動室の容積増加および容積減少が連続して発生することにより、オイルパン14に貯留されたオイルを吸入ポートから吸入し、吸入したオイルを吐出ポートから吐出する。
【0041】
チェーンカバー21には筒状のオイル通路部24、25が一体に形成されている。 オイル通路部24は、オイル通路24aを有し、オイル通路24aは、オイルポンプ部23の吐出ポートに連通している。
【0042】
オイル通路部24は、オイルポンプ部23から上方に延び、マウント取付部22の下部に連結されている。すなわち、オイル通路部24は、オイルポンプ部23からマウント取付部22の下部まで延びている。
【0043】
図6において、オイル通路部24は、外周縁21Aに隣接して外周縁21Aに沿って延びており、前後方向においてオイルポンプ部23よりも前側に偏倚している。オイル通路部24は、締結部21bに連結されている。なお、オイル通路部24は、1つ以上の締結部に連結されていてもよい。
【0044】
図7において、オイル通路部25は、オイル通路25aを有する。オイル通路部25は、オイル通路部24の上端部に連結しており、オイル通路25aは、オイル通路24aに連通している。図7において、オイル通路部24とオイル通路部25とを連結する連結部26を示す。オイル通路部25は、オイル通路部24のマウント取付部22側の端部に連結されている。
【0045】
本実施例のオイル通路部24は、本発明の第1のオイル通路部を構成し、オイル通路部25は、本発明の第2のオイル通路を構成する。オイル通路24aは、本発明の第1のオイル通路を構成し、オイル通路25aは、本発明の第2のオイル通路を構成する。
【0046】
オイル通路部25は、マウント取付部22側の端部からマウント取付部22の下部に沿ってチェーンカバー21の幅方向に延びており、外周縁21Aと外周縁21Bとを連結している。
【0047】
オイル通路部25は、オイル通路部24の延びる方向と異なる方向に延びている。すなわち、オイル通路部24は、上下方向(鉛直方向)に延びており、オイル通路部25は、オイル通路部24と直交する水平方向に延びている。
【0048】
図6において、チェーンカバー21の表面21fにはシリンダ部27が設けられており、シリンダ部27は、マウント取付部22に連結されている。シリンダ部27には油圧制御弁28が挿入されている。
【0049】
油圧制御弁28は、シリンダ部27に挿入されるスプール弁28A(図8参照)と、シリンダ部27から外方に突出し、スプール弁28Aを駆動する電磁ソレノイド等の制御部28Bとを有する。
【0050】
シリンダ部27にはオイルポンプ23Bからオイル通路24a、25aを通してオイルが導入される。シリンダ部27は、後述する出口油路30cまたは出口油路30cからチェーンカバー21およびシリンダヘッドに形成された図示しないオイル通路を通して排気側可変動弁装置の進角室と遅角室とにそれぞれ連通している。
【0051】
油圧制御弁28のスプール弁28Aは、制御部28Bによって駆動されることにより、オイルポンプからシリンダ部27に供給されるオイルを排気側可変動弁装置の進角室および遅角室のいずれか一方に供給するようにオイルの流れる方向を切換える。
【0052】
図7において、オイル通路部25は、チェーンカバー21の裏面21rに設置されており、シリンダ部27と同じ高さ位置でマウント取付部22の下部に連結されている(図8参照)。すなわち、オイル通路部25とシリンダ部27とは、車幅方向に並ぶようにしてチェーンカバー21に設置されている。なお、チェーンカバー21の裏面21rは、シリンダブロック11側およびシリンダヘッド12側のチェーンカバー21の面である。
【0053】
図6において、チェーンカバー21の表面21fには膨出部29が設けられている。膨出部29は、チェーンカバー21の表面21fから右防振マウント部材3Rに向かって膨出しており(図5参照)、シリンダ部27の下部に連結されている。膨出部29は、チェーンカバー21の幅方向に沿って延びており、オイル通路部24と外周縁21Bとを連結している。
【0054】
図7において、チェーンカバー21の裏面21rにはボス部30が設けられている。ボス部30は、チェーンカバー21の裏面21rからシリンダヘッド12に向かって突出している。
【0055】
ボス部30の上部にはボルト43(図6参照)が挿通される挿通穴30aが形成されており、ボス部30は、ボルト43によってシリンダヘッド12に締結される。ボス部30の下部は、オイル通路部25に連結されており、ボス部30の側面はマウント取付部22に連結されている。本実施例のボルト43は、本発明の締結具を構成する。
【0056】
ボス部30には入口油路30bが設けられている。入口油路30bは、オイル通路25aに連通しており、オイル通路25aを流れるオイルは、入口油路30bからシリンダ部27に供給される。
【0057】
ボス部30には出口油路30c、30dが設けられている。出口油路30cは、シリンダ部27に連通しており、オイル通路25aを流れるオイルは、出口油路30cから排気側可変動弁装置の進角室に導入される。出口油路30dは、シリンダ部27に連通しており、オイル通路25aを流れるオイルは、出口油路30dから排気側可変動弁装置の遅角室に導入される。
【0058】
図6図7において、チェーンカバー21にはセンサ用ボス部31が設けられている。図7において、センサ用ボス部31は、オイルポンプ部23よりも上方においてオイル通路部24とオイル通路部25の連結部26に設けられている。
【0059】
センサ用ボス部31にはセンサ32が嵌合されており(図8参照)、センサ用ボス部31は、センサ32を支持している。センサ32は、オイル通路24a、25aを流れるオイルの状態を検出する。例えば、オイルの油温、オイルの圧力、あるいは、オイルの油温と圧力とを検出する。
【0060】
図6において、締結部21cは、センサ用ボス部31の前側斜め下に設けられており、センサ用ボス部31は、締結部21cに連結されている。センサ用ボス部31は、チェーンカバー21の外周縁21A側から連結部26に向かって延びており、マウント取付部22に連結されている。なお、センサ用ボス部31は、1つ以上の締結部に連結されていてもよい。
【0061】
図8において、センサ用ボス部31は、オイル通路部25を介してシリンダ部27に連結されている。すなわち、センサ用ボス部31は、オイル通路部25に連結されており、オイル通路部25は、シリンダ部27に連結されている。
【0062】
図6において、センサ用ボス部31は、上下方向においてマウント取付部22および外周縁21Aに挟まれており、シリンダ部27と同じ高さ位置に設置されている。
【0063】
図5において、センサ用ボス部31は、マウント取付部22の膨出方向の先端、すなわち、膨出右壁部22Cよりもシリンダヘッド12側に設置されている。
【0064】
図8において、センサ用ボス部31は、オイル通路部25に対してチェーンカバー21の表面21f側に設けられている。すなわち、センサ用ボス部31は、オイル通路部25と同じ高さ位置において連結部26に連結されている。
【0065】
センサ用ボス部31は、チェーンカバー21の表面21f側に対してオイル通路部25側がマウント取付部22から離れるように、センサ用ボス部31の延びる方向の中心軸O1がオイル通路部25の延びる方向の中心軸O2に対して傾いている。センサ用ボス部31の延びる方向の中心軸O1とセンサ32の中心軸とは、同一軸である。
【0066】
換言すれば、センサ用ボス部31は、チェーンカバー21の表面21f側に対してオイル通路部25側がシリンダヘッド12側に位置するように、センサ用ボス部31の延びる方向の中心軸O1がオイル通路部25の延びる方向の中心軸O2に対して傾いている。
【0067】
図7において、縦リブ22bは、オイル通路部25に連結されており、縦リブ22cは、センサ用ボス部31に連結されている。横リブ22dは、ボス部30に連結されている。
【0068】
チェーンカバー21の裏面21rには複数のリブ21d、21e、21g、21h、21iが形成されている。リブ21d、21eは、外周縁21Aと外周縁21Bとを連結しており、リブ21gは、オイルポンプ部23からリブ21d、21eを通ってオイル通路部25まで延びている。
【0069】
リブ21hは、リブ21gと外周縁21Bとを連結しており、リブ21iは、リブ21gから外周縁21Aに向かって延びている。チェーンカバー21は、リブ21d、21e、21g、21h、21iによってオイルポンプ部23とオイル通路部25との間の領域が補強されている。
【0070】
本実施例のエンジン5によれば、チェーンカバー21の下部にオイルポンプ部23が設けられており、チェーンカバー21の上部にマウント取付部22が設けられている。
【0071】
チェーンカバー21には筒状のオイル通路部24が形成されており、オイル通路部24は、オイルポンプ部23に連通するオイル通路24aを有し、オイルポンプ部23からマウント取付部22まで延びている。
【0072】
これにより、チェーンカバー21の下部から上部にわたって延びるオイル通路部24によってチェーンカバー21の剛性を高めることができる。また、オイル通路部24は、マウント取付部22の下部に連結されているため、マウント取付部22の剛性をオイル通路部24によって高めることができる。
【0073】
これに加えて、オイル通路部24は、上下の荷重方向に延び、オイルポンプ部23とマウント取付部22とを連結している。これにより、マウント取付部22に加わる上下方向の荷重をオイル通路部24によって十分な強度で受け止めることができることに加えて、エンジン5の上下方向の荷重がマウント取付部22の下部に集中することを抑制でき、エンジン5の上下方向の荷重をマウント取付部22からオイル通路部24を通してオイルポンプ部23に分散できる。
【0074】
このため、マウント取付部22の剛性を高くして、マウント取付部22によるエンジン5の支持剛性を高くでき、エンジン5からマウント取付部22に加わる荷重をマウント取付部22で十分な強度で受け止めることができる。
【0075】
したがって、エンジン5の荷重によってチェーンカバー21が振動することを抑制でき、チェーンカバー21から右防振マウント部材3Rを介して右サイドメンバ2Rに振動が伝達されることを防止できる。この結果、車両1の乗り心地が悪化することを防止できる。
【0076】
また、本実施例のエンジン5によれば、チェーンカバー21の外周縁21Aに、シリンダブロック11およびシリンダヘッド12に締結される締結部21a、21b、21cが形成されており、オイル通路部24は、外周縁21Aに隣接して外周縁21Aに沿って延びている。
【0077】
シリンダブロック11およびシリンダヘッド12に締結される外周縁21Aは、剛性が高くなっており、剛性の高い外周縁21Aに沿ってオイル通路部24を延ばすことにより、オイル通路部24の剛性を高くできる。
【0078】
したがって、剛性の高いオイル通路部24によってチェーンカバー21の剛性をより一層高くでき、エンジン5の荷重によってチェーンカバー21が振動することをより効果的に防止できる。この結果、チェーンカバー21から右防振マウント部材3Rを介して右サイドメンバ2Rに振動が伝達されることをより効果的に防止できる。
【0079】
また、本実施例のエンジン5によれば、オイル通路部24は、剛性の高い締結部21bに連結されている。これにより、オイル通路部24の剛性をより一層高くでき、剛性の高いオイル通路部24によってチェーンカバー21の剛性をより一層高くできる。
【0080】
また、本実施例のエンジン5によれば、チェーンカバー21にボス形状のオイル通路部25が設けられている。オイル通路部25は、オイル通路部24の上端部から水平方向に延び、オイル通路24aに連通するオイル通路25aを有する。オイル通路部25は、マウント取付部22の下端部に沿ってチェーンカバー21の幅方向に延びている。
【0081】
これにより、マウント取付部22の下部をオイル通路部25によって支持することができ、マウント取付部22の剛性を高くして、マウント取付部22によるエンジン5の支持剛性をより一層高くできる。
【0082】
このため、マウント取付部22に加わるエンジン5の荷重を十分な強度を有するマウント取付部22で受け止めることができる。この結果、チェーンカバー21が振動することをより効果的に抑制できる。
【0083】
また、本実施例のエンジン5によれば、オイル通路部25は、それぞれ剛性の高い外周縁21Aと外周縁21Bとを連結している。これにより、オイル通路部25の剛性を外周縁21A、21Bによってより一層高くでき、剛性の高いオイル通路部25によってチェーンカバー21の剛性をより一層高くできる。この結果、チェーンカバー21が振動することをより効果的に抑制できる。
【0084】
また、本実施例のエンジン5によれば、チェーンカバー21に、シリンダ部27が設けられており、シリンダ部27にはシリンダヘッド12に設けられた排気側可変動弁装置にオイルを供給する油圧制御弁28が挿入されている。
【0085】
シリンダ部27は、チェーンカバー21の表面21fに設置され、かつマウント取付部22の下端部に連結されている。
【0086】
これに加えて、オイル通路部25は、チェーンカバー21の裏面21rに設置され、かつシリンダ部27と同じ高さ位置でマウント取付部22の下端部に連結されている。
【0087】
これにより、マウント取付部22をシリンダ部27とオイル通路部25とによってチェーンカバー21の表面21fと裏面21rとから補強でき、マウント取付部22の剛性をより一層高くできる。
【0088】
このため、マウント取付部22によるエンジン5の支持剛性をより一層高くでき、エンジン5の荷重によってチェーンカバー21が振動することをより効果的に抑制できる。
【0089】
さらに、マウント取付部22の下部の空間をシリンダ部27によって埋めることができるので、マウント取付部22とチェーンカバー21との間の段差、すなわち、チェーンカバー21の表面21fからのマウント取付部22のオーバーハング量(はみ出し量)を低減できる。このため、マウント取付部22の剛性をより一層高くして、マウント取付部22によるエンジン5の支持剛性をより一層高くできる。
【0090】
また、本実施例のエンジン5によれば、チェーンカバー21は、チェーンカバー21の表面21fから右防振マウント部材3Rに向かって膨出し、シリンダ部27の下端部に連結される膨出部29を有する。これに加えて、膨出部29は、オイル通路部24と外周縁21Bとを連結している。
【0091】
これにより、それぞれ剛性の高いオイル通路部24と外周縁21Bとによって膨出部29の剛性を高くでき、剛性の高い膨出部29によってマウント取付部22の剛性をより一層高くできる。このため、マウント取付部22によるエンジン5の支持剛性をより一層高くできる。
【0092】
また、本実施例のエンジン5によれば、チェーンカバー21の裏面21rに、裏面21rからシリンダヘッド12に向かって突出し、ボルト43によってシリンダヘッド12に締結されるボス部30が設けられている。
【0093】
ボス部30の下部は、オイル通路部25に連結されており、ボス部30の上部は、ボルト43によってシリンダヘッド12に締結されている。
【0094】
これにより、シリンダブロック11に締結される剛性の高いボス部30によってオイル通路部25の剛性をより一層高くできる。このため、剛性の高いオイル通路部25によってチェーンカバー21の剛性をより一層高くでき、チェーンカバー21が振動することをより効果的に抑制できる。
【0095】
また、本実施例のエンジン5によれば、膨出構造を有するマウント取付部22の内周面に、マウント取付部22の内周面からシリンダヘッド12に向かって突出する横リブ22dが設けられており、横リブ22dは、ボス部30に連結されている。
【0096】
これにより、マウント取付部22の剛性を横リブ22dによって向上できる上に、横リブ22dの剛性をボス部30によって向上できる。このため、マウント取付部22の剛性をより一層高くでき、マウント取付部22によるエンジン5の支持剛性をより一層高くできる。なお、本実施例のチェーンカバー21は、横リブ22dが1つ設けられているが、2つ以上設けられていてもよい。この場合、2つ以上の横リブがボス部30に連結されていてもよい。
【0097】
また、エンジン5からマウント取付部22に前後方向の荷重が入力された場合に、横リブ22dによって前後方向の荷重に対するマウント取付部22の支持剛性を高くできる。
【0098】
また、膨出上壁部22Aと膨出下壁部22Bとを縦リブ22b、22cによって連結しているので、エンジン5からマウント取付部22に上下方向の荷重が入力された場合に、上下方向の荷重に対してマウント取付部22の支持剛性を高くできる。
【0099】
以上のように、本実施例のエンジン5は、剛性の高い筒状のオイル通路部24、25を利用してチェーンカバー21の剛性を高くでき、エンジン5の荷重によってチェーンカバー21が振動することを抑制できる。このため、車両1が振動することを抑制でき、車両1の乗り心地を向上できる。
【0100】
また、本実施例のエンジン5によれば、センサ用ボス部31は、オイル通路部25に対してチェーンカバー21の表面21f側に設けられている。
【0101】
これに加えて、センサ用ボス部31は、チェーンカバー21の表面21f側に対してオイル通路部25側がマウント取付部22から離れるように、センサ用ボス部31の延びる方向の中心軸O1がオイル通路部25の延びる方向の中心軸O2に対して傾いている。
【0102】
ここで、図8に仮想線で示すように、中心軸O1と中心軸O2とが同一軸となるようにセンサ用ボス部31とオイル通路部25を設置すると、チェーンカバー21の左右方向の厚みt1が小さくなる。
【0103】
これに対して、チェーンカバー21の表面21f側に対してオイル通路部25側がマウント取付部22から離れるように、すなわち、中心軸O1が中心軸O2に対して傾くようにセンサ用ボス部31を設置すれば、チェーンカバー21の左右方向の厚みt2を厚みt1よりも厚くできる。
【0104】
このため、センサ用ボス部31の周囲のチェーンカバー21の肉厚を増大でき、センサ用ボス部31が振動することや変形することを抑制できる。この結果、センサ32の検出精度を向上できる。
【0105】
本発明の実施例を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正および等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
【符号の説明】
【0106】
1...車両、2L...左サイドメンバ(車体)、2R...右サイドメンバ(車体)、3R...右防振マウント部材(防振マウント部材)、5...エンジン(車両用内燃機関)、7...エンジン本体、11...シリンダブロック(エンジン本体)、11a,12a...右端部(エンジン本体の端部)、12...シリンダヘッド(エンジン本体)、13...シリンダヘッドカバー(エンジン本体)、14...オイルパン(エンジン本体)、15...クランクシャフト、21...チェーンカバー(カバー部材)、21a,21b,21c...締結部、21A...外周縁(カバー部材の幅方向の一方の外周縁)、21B...外周縁(カバー部材の幅方向の他方の外周縁)、21f...表面(カバー部材の表面)、21r...裏面(カバー部材の裏面)、22...マウント取付部、22b、22c...縦リブ(リブ)、22d...横リブ(リブ)、23...オイルポンプ部、23B...オイルポンプ、24...オイル通路部(第1のオイル通路部)、24a...オイル通路(第1のオイル通路)、25...オイル通路部(第2のオイル通路部)、25a...オイル通路(第2のオイル通路)、27...シリンダ部、28...油圧制御弁、29...膨出部、30...ボス部、43...ボルト(締結具)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8