(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-17
(45)【発行日】2022-10-25
(54)【発明の名称】システム
(51)【国際特許分類】
B41J 2/175 20060101AFI20221018BHJP
【FI】
B41J2/175 161
B41J2/175 151
B41J2/175 119
B41J2/175 175
B41J2/175 169
(21)【出願番号】P 2018162364
(22)【出願日】2018-08-31
【審査請求日】2021-08-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【氏名又は名称】西木 信夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【氏名又は名称】松田 朋浩
(72)【発明者】
【氏名】林 雅洋
【審査官】高松 大治
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-052012(JP,A)
【文献】特開2017-052219(JP,A)
【文献】特開2016-185651(JP,A)
【文献】特開2007-015369(JP,A)
【文献】特開2014-226940(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体カートリッジと、
上記液体カートリッジが重力方向と交差する挿入方向に挿入される装着部と、を備え、
上記液体カートリッジは、
液体を貯留可能な貯留室を有する筐体と、
上記筐体の上記挿入方向の前方に開口しており、上記貯留室と上記筐体の外部とを連通する液体流通孔と、
カートリッジ側接点を有する回路基板と、を備え、
上記装着部は、
底壁と、上記底壁に対し上記重力方向に離間した天壁と、上記天壁及び上記底壁を繋ぎ、上記重力方向及び上記挿入方向と直交した幅方向に離間した一対の側壁とによって区画される空間に上記液体カートリッジを保持可能なカートリッジホルダと、
上記液体カートリッジが上記カートリッジホルダに保持された装着状態において上記液体流通孔内にあり、上記貯留室から液体が流通する流通管と、
上記天壁に備えられたコネクタと、を備え、
上記コネクタは、
上記装着状態において上記カートリッジ側接点に接触可能な接点と、
上記装着状態において上記回路基板より上記挿入方向の後方にあり且つ下端が上記接点より下方にある壁と、を備え、
上記壁は、上記挿入方向の前方を向き、上記装着状態において上記液体カートリッジと当接する当接面を有するシステム。
【請求項2】
上記回路基板は、上記装着状態で上記当接面と当接する請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
上記液体カートリッジは、上記筐体から突出しており、上記回路基板の前端と当接する突起を備える請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
上記液体カートリッジは、
上記液体流通孔が通る前壁と、
上記貯留室を挟んで上記前壁に対し上記挿入方向の反対の取出方向に離れた後壁と、
上記前壁と上記後壁とをつなぎ、上記貯留室を挟んで上記重力方向に離れた上壁及び下壁と、を備え、
上記回路基板は、上記上壁に設けられている請求項2または3に記載のシステム。
【請求項5】
上記液体カートリッジは、上記筐体から上方へ突出し、上記装着状態で上記当接面と当接する凸部を有する請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
上記凸部は、上記筐体と一体である請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
上記凸部は、上記筐体とは別部材であり、
上記凸部の硬度は、上記筐体の硬度より高い請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
上記回路基板は、上記凸部の上記挿入方向の前方にあり、上記凸部に当接している請求項5から7のいずれかに記載のシステム。
【請求項9】
上記凸部は、円柱形状であり、
上記回路基板は、上記装着状態における上記挿入方向の後端に上記挿入方向の前方へ向けて円弧状に凹んだ、上記凸部と当接可能な凹部を備える請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
上記液体カートリッジは、
上記液体流通孔が通る前壁と、
上記貯留室を挟んで上記前壁に対し上記挿入方向の反対の取出方向に離れた後壁と、
上記前壁と上記後壁とをつなぎ、上記貯留室を挟んで上記重力方向に離れた上壁及び下壁と、を備え、
上記回路基板は、上記上壁に設けられている請求項5から9のいずれかに記載のシステム。
【請求項11】
上記上壁は、上記回路基板が貫通された貫通孔を備え、
上記回路基板は、上記上壁の上方にある第1部分と、上記上壁の下方にある第2部分とを備える請求項4または10に記載のシステム。
【請求項12】
上記第1部分は、リジッド基板であって、
上記第2部分に、フレキシブル基板がある請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
上記回路基板は、メモリを有し、
上記第2部分には、上記メモリに電力を供給する電子部品が設けられている請求項11または12に記載のシステム。
【請求項14】
上記上壁は、上記回路基板が貫通された貫通孔を備え、
上記回路基板は、フレキシブル基板である請求項10に記載のシステム。
【請求項15】
上記回路基板は、一対の第1底面及び第2底面と上記第1底面及び上記第2底面を繋ぐ側面とを備え、
上記第1底面及び上記第2底面の間の長さは、上記第1底面の外周の長さより短く、
上記カートリッジ側接点は、上記第1底面にあり、
上記回路基板は、上記第1底面が上方を向くように配置されている請求項1から12のいずれかに記載のシステム。
【請求項16】
上記回路基板は、一対の第1底面及び第2底面と上記第1底面及び上記第2底面を繋ぐ側面とを備え、
上記第1底面及び上記第2底面の間の長さは、上記第1底面の外周の長さより短く、
上記カートリッジ側接点は、上記側面にあり、
上記回路基板は、上記側面が上方を向くように配置されている請求項1から12のいずれかに記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を貯留する液体カートリッジと当該液体カートリッジを装着可能な装着部とを備えるシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、インクカートリッジと、インクジェット記録装置とを含むシステムが知られている。インクジェット記録装置は、インクカートリッジが装着され及び抜き出される装着部を備える。装着部は、接点と、インクカートリッジと係合する係合部とを備える。
【0003】
一方、インクカートリッジには、回路基板を備えたものがある(特許文献1)。回路基板には、インクの色、材料、貯留量などの情報が記憶されたメモリが実装されている。また、回路基板には、電極が形成されている。電極は、インクカートリッジが装着部に装着された状態において、接点と導通する。これにより、インクジェット記録装置は、メモリに記憶されている情報を読み出し可能となる。
【0004】
また、インクカートリッジには、装着部の係合部と係合可能な係合面を備えたものがある。特許文献1に開示されたプリンタでは、カートリッジ装着部に設けられたレバーが押し下げられることによって、レバーがインクカートリッジに引っ掛かり、インクカートリッジがカートリッジ装着部から抜け出すことが防止されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に開示されたプリンタでは、回路基板がインクカートリッジの前端部(装着奥側)に設けられているのに対して、ロック部(レバーと当接する部分)がインクカートリッジの後端部(装着手前側)に設けられている。つまり、回路基板とロック部とが互いに離れた位置にある。
【0007】
そのため、回路基板は、ロック部やレバーを構成する部品の寸法誤差の影響によって電極と接点との当接する位置の位置ずれを生じるおそれがある。また、インクカートリッジがカートリッジ装着部に装着された状態においてロック部のレバーに対して当接する位置の位置ずれに伴い接点と当接する位置もずれるおそれがある。そして、回路基板とロック部との距離が離れているので、当該部品の寸法誤差が大きいほど回路基板の位置ずれも大きくなる。また、ロック部のレバーに対する位置ずれが大きいほど回路基板の位置ずれも大きくなる。その結果、回路基板の電極と接点との導通不良が生じる可能性が高くなる。
【0008】
本発明は、前述された事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、回路基板の位置精度を良好に維持することができるシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1) 本発明に係るシステムは、液体カートリッジと、上記液体カートリッジが重力方向と交差する挿入方向に挿入される装着部と、を備える。上記液体カートリッジは、液体を貯留可能な貯留室を有する筐体と、上記筐体の上記挿入方向の前方に開口しており、上記貯留室と上記筐体の外部とを連通する液体流通孔と、カートリッジ側接点を有する回路基板と、を備える。上記装着部は、底壁と、上記底壁に対し上記重力方向に離間した天壁と、上記天壁及び上記底壁を繋ぎ、上記重力方向及び上記挿入方向と直交した幅方向に離間した一対の側壁とによって区画される空間に上記液体カートリッジを保持可能なカートリッジホルダと、上記液体カートリッジが上記カートリッジホルダに保持された装着状態において上記液体流通孔内にあり、上記貯留室から液体が流通する流通管と、上記天壁に備えられたコネクタと、を備える。上記コネクタは、上記装着状態において上記カートリッジ側接点に接触可能な接点と、上記装着状態において上記回路基板より上記挿入方向の後方にあり且つ下端が上記接点より下方にある壁と、を備える。上記壁は、上記挿入方向の前方を向き、上記装着状態において上記液体カートリッジと当接する当接面を有する。
【0010】
上記構成によれば、装着状態において液体カートリッジは、前方から壁の当接面に当接することによって、挿入方向に位置決めされる。ここで、壁はコネクタに設けられており、接点もコネクタに設けられている。そのため、接点と接触する回路基板の位置が、液体カートリッジの位置決めの基点となる壁に近い。よって、コネクタの寸法精度や、液体カートリッジの壁に対する位置ずれなどに伴う回路基板の接点に対する位置ずれを小さくすることができる。
【0011】
(2) 上記回路基板は、上記装着状態で上記当接面と当接する。
【0012】
上記構成によれば、回路基板がコネクタによって位置決めされる。また、接点はコネクタに設けられている。つまり、回路基板と接点とは、双方ともにコネクタによって位置決めされている。そのため、回路基板の接点に対する位置ずれを小さくすることができる。
【0013】
(3) 上記液体カートリッジは、上記筐体から突出しており、上記回路基板の前端と当接する突起を備える。
【0014】
上記構成によれば、前方から壁に当接した回路基板が壁から反力を受けることによって前方へ位置ずれすることを、突起によって防止することができる。
【0015】
(4) 例えば、上記液体カートリッジは、上記液体流通孔が通る前壁と、上記貯留室を挟んで上記前壁に対し上記挿入方向の反対の取出方向に離れた後壁と、上記前壁と上記後壁とをつなぎ、上記貯留室を挟んで上記重力方向に離れた上壁及び下壁と、を備える。上記回路基板は、上記上壁に設けられている。
【0016】
(5) 上記液体カートリッジは、上記筐体から上方へ突出し、上記装着状態で上記当接面と当接する凸部を有する。
【0017】
上記構成によれば、回路基板とは別部材である凸部が壁と当接する。そのため、回路基板が壁からの反力によって変形や破損することなどを防止しつつ、回路基板の接点に対する位置ずれを小さくすることができる。
【0018】
(6) 例えば、上記凸部は、上記筐体と一体である。
【0019】
(7) 上記凸部は、上記筐体とは別部材である。上記凸部の硬度は、上記筐体の硬度より高い。
【0020】
上記構成によれば、壁と当接する凸部の硬度が筐体の硬度より高い。そのため、凸部が壁からの反力によって変形や破損などする可能性を低くすることができる。
【0021】
(8) 上記回路基板は、上記凸部の上記挿入方向の前方にあり、上記凸部に当接している。
【0022】
上記構成によれば、凸部によって回路基板を挿入方向に位置決めすることができる。
【0023】
(9) 上記凸部は、円柱形状である。上記回路基板は、上記装着状態における上記挿入方向の後端に上記挿入方向の前方へ向けて円弧状に凹んだ、上記凸部と当接可能な凹部を備える。
【0024】
上記構成によれば、凸部によって回路基板を挿入方向及び幅方向に位置決めすることができる。
【0025】
(10) 例えば、上記液体カートリッジは、上記液体流通孔が通る前壁と、上記貯留室を挟んで上記前壁に対し上記挿入方向の反対の取出方向に離れた後壁と、上記前壁と上記後壁とをつなぎ、上記貯留室を挟んで上記重力方向に離れた上壁及び下壁と、を備える。上記回路基板は、上記上壁に設けられている。
【0026】
(11) 上記上壁は、上記回路基板が貫通された貫通孔を備える。上記回路基板は、上記上壁の上方にある第1部分と、上記上壁の下方にある第2部分とを備える。
【0027】
上記構成によれば、回路基板を上壁の上方及び下方の双方に亘って配置することができる。これにより、回路基板の一部(第2部分)を外方からの衝撃から保護することができる。
【0028】
(12) 上記第1部分は、リジッド基板である。上記第2部分に、フレキシブル基板がある。
【0029】
装着状態において、上壁の上方には、コネクタなどの部材があるため、回路基板を配置するためのスペースが小さい。一方、上壁の下方には、上壁の上方よりもスペースに余裕がある。上記構成によれば、第2部分にあるフレキシブル基板によって、回路基板を実質的に拡張することができる。
【0030】
(13) 上記回路基板は、メモリを有する。上記第2部分には、上記メモリに電力を供給する電子部品が設けられている。
【0031】
上記構成によれば、第2部分に電池を設けることによって、電池を保護することができる。
【0032】
(14) 上記上壁は、上記回路基板が貫通された貫通孔を備える。上記回路基板は、フレキシブル基板である。
【0033】
上記構成によれば、フレキシブル基板を上壁の上方及び下方の双方に亘って配置することができる。
【0034】
(15) 例えば、上記回路基板は、一対の第1底面及び第2底面と上記第1底面及び上記第2底面を繋ぐ側面とを備える。上記第1底面及び上記第2底面の間の長さは、上記第1底面の外周の長さより短い。上記カートリッジ側接点は、上記第1底面にある。上記回路基板は、上記第1底面が上方を向くように配置されている。
【0035】
(16) 上記回路基板は、一対の第1底面及び第2底面と上記第1底面及び上記第2底面を繋ぐ側面とを備える。上記第1底面及び上記第2底面の間の長さは、上記第1底面の外周の長さより短い。上記カートリッジ側接点は、上記側面にある。上記回路基板は、上記側面が上方を向くように配置されている。
【0036】
上記構成によれば、回路基板の上方を向く面の面積を小さくすることができるため、回路基板が上方にある他部材に干渉する可能性を低くすることができる。一方で、回路基板の側方(挿入方向及び幅方向)を向く面の面積を大きくすることができるため、当該面にメモリや電池などの部材を実装することができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、回路基板の位置精度を良好に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】
図1は、プリンタ10の内部構造を模式的に示す縦断面図である。
【
図2】
図2は、カートリッジ装着部110の縦断面図である。
【
図3】
図3(A)は、コネクタ130の斜視図であり、
図3(B)は、
図3(A)のIIIB-IIIB断面を示す断面図である。
【
図4】
図4は、起立姿勢のインクカートリッジ30の斜視図である。
【
図5】
図5は、起立姿勢のインクカートリッジ30の縦断面図である。
【
図6】
図6(A)は、起立姿勢のインクカートリッジ30の背面図であり、
図6(B)は、インクカートリッジ30における回路基板64周辺の斜視図である。
【
図7】
図7は、カートリッジ装着部110にインクカートリッジ30が挿入されている途中の状態の縦断面図である。
【
図8】
図8は、カートリッジ装着部110にインクカートリッジ30が挿入されている途中の状態であってインクカートリッジ30が回動姿勢である状態の縦断面図である。
【
図9】
図9は、カートリッジ装着部110にインクカートリッジ30が装着された状態の縦断面図である。
【
図11】
図11は、インクカートリッジ30のカートリッジ装着部110への挿入検知を説明するためのフローチャートである。
【
図12】
図12は、インクカートリッジ30のカートリッジ装着部110への挿入検知を説明するためのフローチャートである。
【
図15】
図15は、変形例2における回路基板64周辺の斜視図である。
【
図16】
図16は、変形例2における回路基板64周辺の平面図である。
【
図18】
図18は、変形例3における回路基板64周辺の斜視図である。
【
図20】
図20は、変形例4における回路基板64周辺の斜視図である。
【
図22】
図22は、変形例5における回路基板64周辺の斜視図である。
【
図23】
図23は、変形例のインクカートリッジ30の縦断面図である。
【
図24】
図24は、変形例のインクカートリッジ30の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明が具体化された一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
【0040】
[プリンタ10の概要]
図1に示されるように、プリンタ10は、インクジェット記録方式に基づいて、用紙に対してインク滴を吐出することにより画像を記録する。プリンタ10は、記録ヘッド21と、カートリッジ装着部110(装着部の一例)と、インクチューブ20とを備えている。カートリッジ装着部110は、記録ヘッド21に供給するインク(液体の一例)が貯留されたインクカートリッジ30(液体カートリッジの一例)が装着される。インクチューブ20は、記録ヘッド21とカートリッジ装着部110とを接続する。カートリッジ装着部110の一端に開口112が形成されている。インクカートリッジ30とプリンタ10は、本発明のシステムを構成する。
【0041】
インクカートリッジ30は、開口112を通じてカートリッジ装着部110に挿入されて装着される。また、インクカートリッジ30は、開口112を通じてカートリッジ装着部110から抜き出される。
図1には、インクカートリッジ30のカートリッジ装着部110への装着が完了した状態である装着状態が示されており、
図9には、
図1におけるインクカートリッジ30及びカートリッジ装着部110が示されている。つまり、
図9には、インクカートリッジ30の装着状態が示されている。
【0042】
インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に挿入される向きが前方向51(挿入方向の一例)と定義される。また、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に前方へ挿入されて装着されるときのインクカートリッジ30の姿勢が、起立姿勢と定義される。つまり、装着状態において、インクカートリッジ30は起立姿勢である。
図1、
図4~
図10、
図13~
図24には、起立姿勢のインクカートリッジ30が示されている。また、前方向51と反対方向であって、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110から抜き出される向きが後方向52(取出方向の一例)と定義される。本実施形態において、重力方向と直交する水平方向が定義され、水平方向は挿入方向と平行である。前方向51及び後方向52は水平方向(重力方向と直交する方向)と平行である。前方向51及び後方向52は、重力方向と交差する方向である。また、重力方向が下方向53と定義され、重力方向と反対方向が上方向54と定義される。また、
図4及び
図6に示されるように、前方向51及び下方向53と直交する方向が、右方向55及び左方向56と定義される。より具体的には、インクカートリッジ30が起立姿勢(
図1に示される姿勢)において、
図4及び
図6(A)に示されるように、インクカートリッジ30を後方から前方に視た場合において、右に延びる方向が右方向55と定義され、左に延びる方向が左方向56と定義される。
【0043】
また、前方向51及び後方向52は、前後方向と定義される。また、上方向54及び下方向53は、上下方向と定義される。また、右方向55及び左方向56は、左右方向と定義される。
【0044】
また、インクカートリッジ30が起立姿勢において、左右方向がインクカートリッジ30の幅方向であり、上下方向がインクカートリッジ30の高さ方向であり、前後方向がインクカートリッジ30の奥行き方向である。
【0045】
インクカートリッジ30は、起立姿勢において、開口112を通じてカートリッジ装着部110に前方へ挿入されて(
図7及び
図8参照)、装着される(
図9参照)。インクカートリッジ30は、起立姿勢において、カートリッジ装着部110から後方へ抜き出される。
【0046】
インクカートリッジ30には、プリンタ10で使用可能なインクが貯留されている。
図1に示されるように、装着状態において、インクカートリッジ30と記録ヘッド21とは、インクチューブ20で接続されている。記録ヘッド21は、サブタンク28を備えている。サブタンク28は、インクチューブ20を通じて供給されるインクを一時的に貯留する。記録ヘッド21は、インクジェット記録方式によって、サブタンク28から供給されたインクをノズル29から吐出する。具体的には、記録ヘッド21に設けられたヘッド制御基板(不図示)から各ノズル29に対応して設けられたピエゾ素子29Aに選択的に駆動電圧が印加される。これにより、ノズル29からインクが吐出される。
【0047】
プリンタ10は、給送トレイ15と、給送ローラ23と、搬送ローラ対25と、プラテン26と、排出ローラ対27と、排出トレイ16と、を備えている。給送トレイ15から給送ローラ23によって搬送路24へ給送された用紙は、搬送ローラ対25によってプラテン26上へ搬送される。記録ヘッド21は、プラテン26上を通過する用紙に対してインクを吐出する。これにより、用紙に画像が記録される。プラテン26を通過した用紙は、排出ローラ対27によって、搬送路24の最下流に設けられた排出トレイ16に排出される。
【0048】
[カートリッジ装着部110]
図2に示されるように、カートリッジ装着部110は、カートリッジホルダ101と、管102(流通管の一例)と、タンク103と、光学センサ113と、凸部114と、コネクタ130とを備えている。
【0049】
[カートリッジホルダ101]
図2に示されるカートリッジホルダ101は、カートリッジ装着部110の筐体を構成する。カートリッジホルダ101は、箱形状である。カートリッジホルダ101には、内部空間104(空間の一例)が形成されている。
【0050】
図2に示されるように、カートリッジホルダ101は、奥壁57、下壁59(底壁の一例)、上壁58(天壁の一例)、及び一対の側壁60を備えている。下壁59は、奥壁57の下端部から後方へ延びている。上壁58は、下壁59に対し上下方向に離間しており、奥壁57の上端部から後方へ延びている。一対の側壁60は、奥壁57の右端部及び左端部から後方へ延びている。奥壁57の右端部から延びた側壁60は、下壁59の右端部及び上壁58の右端部と繋がっている。奥壁57の左端部から延びた側壁60は、下壁59の左端部及び上壁58の左端部と繋がっている。つまり、一対の側壁60は、左右方向に離間しており、それぞれが上壁58と下壁59とを繋いでいる。
【0051】
前後方向において奥壁57と対向するカートリッジホルダ101の前端は、カートリッジホルダ101の内部空間104と繋がる開口112となっている。開口112は、ユーザがプリンタ10を使用するときに対面する。
【0052】
カートリッジホルダ101の内部空間104は、奥壁57、下壁59、上壁58、及び一対の側壁60によって区画されている。カートリッジホルダ101の内部空間104は、不図示の隔壁によって4つの部屋に仕切られている。管102、タンク103、光学センサ113、凸部114、及びコネクタ130は、仕切られた内部空間104それぞれの部屋に対応して設けられている。なお、カートリッジホルダ101の内部空間104の数は、4つに限定されない。
【0053】
[管102]
図2に示される管102は、円筒状の樹脂からなる。
図2に示されるように、管102は、カートリッジホルダ101の奥壁57の下部にある。管102は、カートリッジホルダ101の奥壁57よりも後方へ突出している。管102の後端(先端)、及び管102の前端(基端)は、開口している。
【0054】
管102の内部空間102Aには、バルブ115及びコイルバネ116が収容されている。バルブ115は、前後方向に沿って移動することにより、管102の先端部に形成された開口102Bを開閉する。コイルバネ116はバルブ115を後方へ付勢している。したがって、外力が付与されていない状態(インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着されていない状態)において、バルブ115は開口102Bを閉じている。また、外力が付与されていない状態において、コイルバネ116に付勢されたバルブ115の後端部は、開口102Bよりも後方へ突出している。
【0055】
管102の側壁の先端部(詳細にはバルブ115のうちの開口102Bを閉じている部分(バルブ115の前端部)より後方の側壁)には、図示しない切り欠きが形成されている。
【0056】
[カバー111]
図1に示されるように、カートリッジホルダ101の開口112付近には、カバー111がある。カバー111は、開閉によって開口112を外部に対し露出または被覆可能である。カバー111は、カートリッジホルダ101の開口112の下端付近に左右方向に沿って延びる回動軸109に支持されている。これにより、カバー111は、開口112を閉塞する閉位置(
図1参照)から、カバー111の上端が前方へ向かって移動するように回動して、開位置へ回動可能である。カバー111が開位置にあると、ユーザは、カートリッジホルダ101の開口112を通じてインクカートリッジ30をカートリッジホルダ101へ挿入可能である。カバー111が閉位置にあると、ユーザはインクカートリッジ30をカートリッジホルダ101へ挿入または抜き出すことができない。
【0057】
[タンク103]
図2に示されるように、カートリッジホルダ101の前方に、タンク103がある。タンク103は、内部にインクを貯留可能な箱形状である。タンク103の上部は、大気連通ポート124によって外部へ開口している。これにより、タンク103の内部空間は、大気と連通している。タンク103の内部空間は、インクチューブ20を介して管102の前端と連通している。これにより、管102の内部空間102Aから流出したインクがタンク103に貯留される。また、タンク103の内部空間は、インクチューブ20によって記録ヘッド21と連通している。これにより、タンク103の内部空間に貯留されたインクがインクチューブ20を通じて記録ヘッド21へ供給される。
【0058】
なお、カートリッジ装着部110は、タンク103を備えていなくてもよい。この場合、管102の後端は、インクチューブ20によって、タンク103を介することなく記録ヘッド21と連通している。
【0059】
[光学センサ113]
図2に示されるように、カートリッジホルダ101の上壁58付近に、光学センサ113がある。光学センサ113は、発光部及び受光部を備える。発光部は、受光部よりも右方または左方に、受光部と間隔を空けて配置されている。
【0060】
光学センサ113は、発光部から左右方向に沿って照射された光が受光部で受光されたか否かに応じて、異なる検知信号をコントローラ1(
図1参照)へ出力する。例えば、光学センサ113は、発光部から照射された光が受光部で受光できない(つまり、受光強度が所定の強度未満である)ことを条件として、ローレベル信号をコントローラ1へ出力する。一方、光学センサ113は、発光部から出力された光が受光部で受光できた(つまり、受光強度が所定の強度以上である)ことを条件として、ハイレベル信号をコントローラ1へ出力する。なお、コントローラ1は、プリンタ10の動作を制御するものであり、例えばCPU,ROM,RAMなどからなるものである。
【0061】
[カバーセンサ118]
図1に示されるように、カートリッジホルダ101の開口112の上端付近には、カバーセンサ118が設けられている。カバーセンサ118は、発光部及び受光部を備える。カバーセンサ118は、カバー111が閉位置にあると、発光部から受光部へ照射された光の光路がカバー111によって遮断されるため、カバーセンサ118からローレベル信号がコントローラ1へ出力される。カバー111が閉位置にない、換言するとカバーセンサ118からカバー111が離れた位置においては、発光部から受光部へ照射された光の光路がカバー111によって遮断されないため、カバーセンサ118からハイレベル信号がコントローラ1へ出力される。
【0062】
[凸部114]
図2に示されるように、凸部114は、カートリッジホルダ101の上壁58から下方へ突出している。凸部114は、光学センサ113よりも後方にある。
【0063】
[コネクタ130]
図2及び
図3に示されるように、コネクタ130は、接点132と、接点132を収容するケース131とを備えている。
【0064】
図2に示されるように、カートリッジホルダ101の上壁58付近に、基板133が固定されている。基板133は、管102及び光学センサ113よりも後方且つ凸部114よりも前方にある。基板133は、カートリッジホルダ101に固定されている。コネクタ130のケース131は、基板133の下面に、ネジやはんだなど(不図示)によって固定されている。つまり、コネクタ130は、基板133を介してカートリッジホルダ101の上壁58に固定されている。なお、コネクタ130は、取り外し可能に取り付けられていてもよい。
【0065】
図3に示されるように、ケース131は、概ね直方体形状である。ケース131には、下面131Aから前面131Bを経て上面131Cに亘って、切り欠き135が形成されている。切り欠き135は、左右方向に間隔を空けて4つ形成されている。4つの切り欠き135によって、ケース131には、4つの内部空間が形成されている。この4つの内部空間の各々に、接点132が1つずつ配置されている。つまり、コネクタ130は、4つの接点132を備えている。なお、切り欠き135の数は、4つに限定されない。つまり、コネクタ130が備える接点132の数も、4つに限定されない。
【0066】
接点132は、切り欠き135によって形成される内部空間において、ケース131に支持されている。接点132は、導電性及び弾性を有する部材で構成されている。接点132の下端部132Aは、ケース131の下面131Aよりも下方へ突出している。接点132の下端部132Aは、上方へ弾性的に変形可能である。
【0067】
接点132の上端部132B(
図3(B)参照)は、基板133に実装されている。これにより、接点132は、同じく基板133に実装された電気回路と電気的に接続されている。換言すると、接点132は、当該電気回路と導通している。当該電気回路は、コントローラ1(
図1参照)と電気的に接続されている。
【0068】
ケース131は、後壁136(壁の一例)、前壁137、右壁138、及び左壁139を備えている。後壁136、前壁137、右壁138、及び左壁139は、ケース131の下面131Aから下方へ突出した壁である。後壁136、前壁137、右壁138、及び左壁139の下端は、接点132の下端より下方にある。
【0069】
後壁136は、接点132の下端部132Aよりも後方にある。前壁137は、接点132の下端部132Aよりも前方にある。後壁136及び前壁137は、前後方向に並んでいる。右壁138は、接点132の下端部132Aよりも右方にある。左壁139は接点132の下端部132Aよりも左方にある。右壁138及び左壁139は、左右方向に並んでいる。右壁138の前端は、前壁137の右端と繋がっている。右壁138の後端は、後壁136の右端と繋がっている。左壁139の前端は、前壁137の左端と繋がっている。左壁139の後端は、後壁136の左端と繋がっている。
【0070】
[インクカートリッジ30]
図4~
図6に示されるインクカートリッジ30はインクが貯留される容器である。インクカートリッジ30は、カートリッジ装着部110のカートリッジホルダ101の4つに区切られた内部空間104(
図2参照)の各々の部屋に収容される。つまり、本実施形態において、カートリッジ装着部110には、4つのインクカートリッジ30が収容可能である。4つのインクカートリッジ30の各々は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色に対応している。4つのインクカートリッジ30の各々には、当該各色のインクが貯留される。なお、カートリッジ装着部110に収容可能なインクカートリッジ30の数は、4つに限定されない。
【0071】
図4~
図6に示されるように、インクカートリッジ30は、筐体31と、シール部材76と、凸部43と、突起67と、回路基板64と、突起70とを備える。以下のインクカートリッジ30の構成の説明において、特に記載のない限り、インクカートリッジ30が起立姿勢であるとして、前後方向、上下方向、及び左右方向が定義される。
【0072】
筐体31は、前壁40と、後壁41と、上壁39と、下壁42と、一対の側壁37、38とを備える。前壁40と後壁41とは前後方向に離れている。上壁39は、前壁40及び後壁41の間にあり、前壁40の上部から後壁41の上部へ延びている。下壁42は、前壁40及び後壁41の間にあり、前壁40の下部から後壁41の下部へ延びている。つまり、上壁39及び下壁42は、前壁40及び後壁41を繋いでいる。上壁39と下壁42とは重力方向に離れている。側壁37と側壁38とは左右方向に離れている。側壁37、38の周縁は、前壁40、後壁41、上壁39、及び下壁42と連続している。
【0073】
起立姿勢において、後壁41から前壁40に向かう方向が前方向51に一致し、前壁40から後壁41に向かう方向が後方向52に一致し、上壁39から下壁42に向かう方向が下方向53に一致し、下壁42から上壁39に向かう方向が上方向54に一致し、側壁38から側壁37へ向かう方向が右方向55に一致し、側壁37から側壁38へ向かう方向が左方向56に一致する。また、起立姿勢において、前壁40の前面40Aは前方を向き、後壁41の後面41Aは後方を向き、下壁42の下面42Aは下方を向き、上壁39の上面39Aは上方を向き、側壁37の右面37Aは右方を向き、側壁38の左面38Aは左方を向く。
【0074】
前壁40は、前壁40Bと、前壁40Bより後方にある前壁40Cとで構成されている。下壁42は、下壁42Bと、下壁42Bより上方にある下壁42Cとで構成されている。下壁42Cは、前壁40Bの下端と連続して後方へ延びている。下壁42Bと下壁42Cとは、前壁40Cによって連続している。
【0075】
以下において、特に記載がない限り、インクカートリッジ30が起立姿勢であるとして説明がされる。つまり、インクカートリッジ30が起立姿勢であるとして、上下方向、前後方向、及び左右方向が規定される。
【0076】
インクカートリッジ30は、全体として、左右方向に沿った寸法が前後方向に沿った寸法よりも小さく、上下方向及び前後方向それぞれに沿った寸法が、左右方向に沿った寸法よりも大きい扁平形状である。
【0077】
インクカートリッジ30は、カートリッジ装着部110のカートリッジホルダ101の開口112を通じて、カートリッジホルダ101に対して、前方に向けて挿入されて装着され、後方に向けて抜き出される。
【0078】
図5に示されるように、筐体31は、その内部にインクを貯留する貯留室32を備える。貯留室32は、前壁40及び後壁41の間、上壁39及び下壁42の間、且つ一対の側壁37、38の間に形成されている。本実施形態においては、前壁40の前面と反対側の面と、後壁41の後面41Aの反対側の面と、上壁39の上面39Aと反対側の面と、下壁42の下面42Aと反対側の面と、側壁37の右面37Aと反対側の面(側壁37の左面)と、側壁38の左面38Aと反対側の面(側壁38の右面)とが、貯留室32を定義する。
【0079】
筐体31において、少なくとも後壁41が、貯留室32に貯留されたインクの液面を外部から視認可能な透光性を有する。
【0080】
筐体31は、前壁40Bの前面40Aから前方へ突出した筒75を備えている。筒75は、前後方向に延びている。筒75の貫通孔75A(液体流通孔の一例)も、前後方向に延びている。筒75及び貫通孔75Aが延びている方向が、インクカートリッジ30の挿入方向に一致する。貫通孔75Aの後端は、貯留室32と連通している。筒75の前端に、開口75Bが形成されている。つまり、筒75の貫通孔75Aは、前壁40Bの前面40Aにおいて前方に開口している。すなわち、貫通孔75Aは、前壁40Cを貫通しており、貯留室32と筐体31の外部とを連通している。
【0081】
貫通孔75Aには、バルブ79及びコイルバネ80が収容されている。バルブ79は、前後方向に沿って移動することにより、開口75Bを開閉する。コイルバネ80はバルブ79を前方へ付勢している。したがって、外力が付与されていない状態において、バルブ79は、シール部材76と密着している。一方、外力が付与された状態において、バルブ79は、シール部材76から離れる。これにより、貯留室32に貯留されたインクは、貫通孔75Aを通って開口75Bから外部へ供給される。なお、貫通孔75Aの大気との連通を切り替える構成は、バルブ79によるものに限らず、例えば筒75にシールが貼られることによって開口75Bが閉じてもよい。
【0082】
筐体31の上壁39に、大気連通ポート140が形成されている。インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に挿入される前において、大気連通ポート140はシール141によって封止されている。シール141は、大気連通ポート140から剥離可能である。インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に挿入される前にシール141が剥がされることで、貯留室32は、大気連通ポート140を介して大気連通する。なお、貯留室32は、シール141を剥がすこと以外の手段によって大気連通されてもよい。例えば、大気連通ポート140にバルブが設けられており、バルブによって貯留室32の大気連通の有無が切り替えられてもよい。
【0083】
前壁40、後壁41、上壁39、下壁42、及び一対の側壁37、38は、前壁40などのように複数の壁で構成されていてもよいし、後壁41などのように一つの壁で構成されていてもよい。
【0084】
また、インクカートリッジ30の前壁40の前面40A、後壁41の後面41A、上壁39の上面39A、下壁42の下面42A、側壁37の右面37A、及び側壁38の左面38Aは、必ずしも1つの平面をなしている必要はない。
【0085】
前壁40の前面40Aは、起立姿勢のインクカートリッジ30を前方から後方に視たときに視認し得る面である。筐体31のうち最も前方にある面と、当該最も前方にある面と後面41Aの前後方向の寸法の中心よりも前方にある面とが本発明の前面の概念に含まれる。
【0086】
後壁41の後面41Aは、起立姿勢のインクカートリッジ30を後方から前方に視たときに視認し得る面である。筐体31のうち最も後方にある面と、当該最も後方にある面と筐体31のうち最も前方にある面との前後方向の寸法の中心よりも後方にある面とが本発明の後面の概念に含まれる。
【0087】
上壁39の上面39Aは、起立姿勢のインクカートリッジ30を上方から下方に視たときに視認し得る面である。筐体31のうち最も上方にある面と、当該最も上方にある面と下面42Aの上下方向の寸法の中心よりも上方にある面とが本発明の上面の概念に含まれる。
【0088】
下壁42の下面42Aは、起立姿勢のインクカートリッジ30を下方から上方に視たときに視認し得る面である。筐体31のうち最も下方にある面と、当該最も下方にある面と筐体31のうち最も上方にある面の上下方向の寸法の中心よりも下方にある面とが本発明の下面の概念に含まれる。
【0089】
側壁37の右面37Aは、起立姿勢のインクカートリッジ30の筐体31を右方から左方に視たときに視認し得る面である。
【0090】
側壁38の左面38Aは、起立姿勢のインクカートリッジ30の筐体31を左方から右方に視たときに視認し得る面である。
【0091】
[シール部材76]
図5に示されるように、シール部材76は、貫通孔75Aにある。シール部材76は、ゴムなどの弾性部材で構成されている。シール部材76は、リング形状の部材であり、中央部に円形の貫通孔76Aを有している。貫通孔76Aの直径は、カートリッジ装着部110の管102(
図2参照)の直径よりも小さい。
図5に示されるように、シール部材76は、筒75の貫通孔75Aの開口75B付近に、貫通孔76Aが開口75Bの位置と一致するように配置されている。シール部材76の直径は、開口75Bの直径よりも大きい。これにより、シール部材76は開口75Bに押し込められ、開口75Bに押し込められたシール部材76と筒75との間は、液密に封止される。
【0092】
シール部材76は、公知の手段によって、筒75から外れることを防止されている。例えば、シール部材76は、筒75と筒75に被せられたキャップ(不図示)とによって挟まれることで筒75に固定されていてもよいし、筒75に接着されることで筒75に固定されていてもよい。
【0093】
[凸部43]
図4及び
図5に示されるように、上壁39の上面39Aの後部に、上方へ突出する凸部43がある。
【0094】
[突起67]
図4及び
図5に示されるように、上壁39の上面39Aには、上方に突出する突起67がある。突起67は、前後方向に延びている。突起67は、凸部43よりも前方にある
【0095】
突起67の右面または左面は、カートリッジ装着部110の光学センサ113(
図2参照)が照射する光が当たる面である。突起67のうち光が当たる面を光遮断面と呼ぶこともできる。本実施形態において、突起67は、例えば光を遮断または減衰可能な色材料(黒色顔料)を含む樹脂製の板である。その他の形態としては、突起67の少なくとも光遮断面に、アルミ箔などの光が透過不能な材料が貼り付けられたものであってもよい。
【0096】
[回路基板64及び突起70]
図4及び
図5に示されるように、上壁39の上面39Aに回路基板64が支持されている。回路基板64は、突起67より後方にあり、凸部43より前方にある。
【0097】
回路基板64は、基板63と、メモリ66と、電池68(電子部品の一例)と、電極65とを有する。電池68は、例えばボタン形状の電池である。
【0098】
回路基板64は、ガラスエポキシなどで形成されたリジッド基板である基板63に、メモリ66及び電池68が搭載され、4つの電極65(カートリッジ側接点の一例、
図4及び
図6(B)参照)が形成されたものである。なお、電極65の数は、カートリッジ装着部110の接点132(
図2参照)の数に応じて決定さ れるものであり、4つに限定されない。また、回路基板64にメモリ66や電池68が搭載されていなくてもよい。
【0099】
基板63は、一対の底面(底面61(第1底面の一例)及び底面62(第2底面の一例))と、側面69とを備える。底面61及び底面62は、前後方向及び左右方向に拡がる面である。底面61及び底面62は、同一形状であり、上下に離れた面である。側面69は、上下方向に延びており、底面61及び底面62を繋ぐ面である。側面69の上下の長さ(換言すると底面61及び底面62の間の長さ)は、底面61の外周の長さ(換言すると底面61の前後に延びる2辺の長さと左右に延びる2辺の長さの合計)より短い。つまり、基板63の前後方向及び左右方向の寸法は、上下方向の寸法よりも長い。底面61は、インクカートリッジ30の外部に露出している。つまり、基板63は、底面61が上方を向くように配置されている。底面62は、底面61の反対側の面である。すなわち、本実施形態において、底面61が基板63の上面であり、底面62が基板63の下面である。
【0100】
基板63は、光硬化性樹脂によって上面39Aに接着されている。なお、回路基板64は、光硬化性樹脂以外の接着剤によって上面39Aに接着されていてもよい。また、回路基板64は、カシメされてもよく、その他接着以外の手段によって上面39Aに取り付けられていてもよい。また、基板63は、上面39Aに直接取り付けられていなくてもよい。例えば、基板63は、上面39Aから上方へ突出した凸部の上面に取り付けられていてもよい。
【0101】
メモリ66及び電池68は、基板63の底面62に実装されている。なお、本実施形態では、基板63が上面39Aに取り付けられる際に、上面39Aにおけるメモリ66及び電池68に対応する位置には、メモリ66及び電池68を収容可能な凹部(不図示)が形成されている。メモリ66及び電池68は、基板63の底面61に実装されていてもよい。この場合、上述した凹部は形成される必要がない。
【0102】
メモリ66には、インクカートリッジ30に関する情報がプリンタ10のコントローラ1(
図1参照)によって読み出し可能に格納されている。インクカートリッジ30に関する情報は、例えば、ロット番号や製造年月日、インク色などの情報を示すデータである。ほかにも、インクの消費量などインクカートリッジ30に貯留されるインク量に関する情報などが記憶されてもよい。メモリ66は、例えばFRAM(登録商標)などの不揮発性メモリや、SRAMなどの揮発性メモリといった半導体メモリである。
【0103】
電池68は、図示しない配線などによってメモリ66と電気的に接続されている。これにより、電池68は、メモリ66に電力を供給することが可能である。例えば、メモリ66にSRAMが含まれる場合、電池68から供給される電力によって、プリンタ10から電力が供給されることなく情報を保持することができる。なお、本実施形態のような電池68に代えて、充電されたコンデンサであってもよい。この場合、コンデンサが電子部品に相当する。コンデンサの電荷は、プリンタ本体に挿入することで充電されるようにしてもよいし、外部電源から充電されるようにしてもよい。
【0104】
図3(B)に示されるように、4つの電極65の各々は、カートリッジ装着部110の4つの接点132の各々に対応している。
図6(B)に示されるように、4つの電極65は、底面61に電気的に接続可能に露出されている。各電極65は、それぞれが前後方向に沿って延びている。各電極65は、底面61に、左右方向に離間されて並んでいる。各電極65はメモリ66と電気的に接続されている。
【0105】
図4、
図6、及び
図6(B)に示されるように、突起70は、回路基板64より前方にあり、突起67より後方にある。突起70は、上壁39の上面39Aから上方へ突出している。突起70の後面は、回路基板64の基板63の側面69の前方を向く面69Bと当接している。突起70の上端は、基板63の底面61より下方にある。なお、突起70の上端は、底面61と上下方向における同位置であってもよいし、底面61より上方であってもよい。また、インクカートリッジ30は、突起70を備えていなくてもよい。
【0106】
[インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110へ装着される動作]
以下、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110のカートリッジホルダ101に装着される動作が説明される。
【0107】
図4及び
図5に示されるように、カートリッジ装着部110に装着されていないインクカートリッジ30において、大気連通ポート140はシール141によって封止されているため、貯留室32は大気連通していない。そのため、カートリッジ装着部110にインクカートリッジ30が装着される前に、シール141が剥がされる。これにより、貯留室32は大気開放される。また、カートリッジ装着部110に装着される前のインクカートリッジ30において、バルブ79は、シール部材76と密着している。これにより、貯留室32に貯留されたインクが貫通孔76Aを通じてインクカートリッジ30の外部へ流出することが防止されている。
【0108】
また、
図2に示されるように、インクカートリッジ30が装着されていないカートリッジ装着部110において、光学センサ113の発光部と受光部との間には、他の部材がない。これにより、光が発光部から受光部に進むことができる。このとき、光学センサ113は、ハイレベルの検知信号をコントローラ1(
図1参照)へ出力する。また、インクカートリッジ30が装着されていないカートリッジ装着部110において、バルブ115は開口102Bを閉じており、バルブ115の後端部は開口102Bよりも後方へ突出している。
【0109】
インクカートリッジ30は、カートリッジ装着部110の開口112を通じてカートリッジホルダ101に前方へ挿入される(
図7参照)。なお、本実施形態において、インクカートリッジ30は、起立姿勢でカートリッジホルダ101に挿入されるが、これに限らず、水平方向に対して傾斜した姿勢でカートリッジホルダ101に挿入されてもよい。
【0110】
図7に示されるように、インクカートリッジ30がカートリッジホルダ101に前方へ挿入されると、カートリッジ装着部110の管102が、シール部材76の貫通孔76A(開口75B)を貫通して、筒75の貫通孔75Aへ進入する。このとき、管102の外周面とシール部材76の内周面(貫通孔76Aを定義する面)とが密着する。これにより、装着状態でインクがカートリッジホルダ101内に漏れ出さないように筒75と管102との間がシールされると共に、筒75が位置決めされる。
【0111】
また、貫通孔75Aに進入した管102は、バルブ79と当接して後方へ押す。これにより、バルブ79は、コイルバネ80の後方への付勢力に抗してシール部材76から離間される。
【0112】
また、管102の先端がバルブ79に当接する一方で、バルブ79は後方からバルブ115を当接してこれを前方へ押す。すると、バルブ115は、コイルバネ116の付勢力に抗して前方へ移動する。これにより、管102の内部空間102Aは開口102Bを通じて管102の外部と連通する。
【0113】
その結果、貯留室32に貯留されているインクが、管102の内部空間102Aを介してタンク103及び記録ヘッド21へ流通することが可能になる。このとき(
図7に示される状態のとき)、回路基板64は未だカートリッジ装着部110と当接していない。
【0114】
インクカートリッジ30がカートリッジホルダ101に対して
図7に示される状態から更に前方へ挿入されると、回路基板64が後方から後壁136に当接する。そのため、
図8に示されるように、インクカートリッジ30がカートリッジホルダ101に対して
図7に示される状態から更に前方へ挿入される際、インクカートリッジ30は、インクカートリッジ30の後部が下方へ移動するように、インクカートリッジ30を把持するユーザによって手動で回動される(
図8参照)。これにより、
図8に示されるように、回路基板64は後壁136よりも下方へ移動するため、回路基板64と後壁136との当接が回避される。
【0115】
上記のインクカートリッジ30の回動は、管102が挿入された開口75Bの中心Cを回動中心として行われる。インクカートリッジ30における中心Cの位置は、管102の形状と開口75Bの形状によるが、管102の外面とシール部材76の内面(貫通孔76Aを区画する面)とが接触する部分の中心が仮想的な回動中心である。このときのインクカートリッジ30の姿勢(
図8に示されるインクカートリッジ30の姿勢)が回動姿勢と称される。
【0116】
インクカートリッジ30が
図8に示されるように回動した状態において、シール部材76は弾性変形している。そのため、当該状態において、シール部材76の弾性復元力が、シール部材76からインクカートリッジ30へ作用している。当該弾性復元力の作用によって、インクカートリッジ30は回動姿勢から回動する前の姿勢へ戻ろうとするが、インクカートリッジ30はユーザに把持されているため、当該元の姿勢へは戻らない。
【0117】
インクカートリッジ30が、コイルバネ80、116の後方への付勢力に抗して
図7に示される状態よりも更に前方へ挿入されると、接点132の下方に回路基板64が到達する。なお、前述したインクカートリッジ30の回動によって、インクカートリッジ30が傾斜し、回路基板64は後壁136より下方に移動しているため、回路基板64は、コネクタ130の後壁136の下方を後方から前方へ通過して、接点132の真下に到達することができる。また、前述した回動によって、回動姿勢のインクカートリッジ30において、回路基板64の電極65と接点132との間には上下方向において空間が存在する。つまり、電極65と接点132とは離間している。また、凸部114の下方に凸部43の上面89が到達するが、回動姿勢のインクカートリッジ30において、カートリッジホルダ101の凸部114とインクカートリッジ30の凸部43との間には上下方向において空間が存在する。つまり、カートリッジホルダ101の凸部114とインクカートリッジ30の凸部43とは離間している。
【0118】
ここでユーザがインクカートリッジ30から手を離すと、シール部材76の弾性復元力によって、インクカートリッジ30は、中心Cを回動中心として
図8の反時計回りに回動し、回動姿勢から回動する前の姿勢へ戻る(
図9参照)。このときのインクカートリッジ30及びカートリッジ装着部110の状態が、装着状態である。装着状態において、カートリッジホルダ101は、インクカートリッジ30を内部空間104に保持している。
【0119】
以下に、
図9に示される装着状態におけるインクカートリッジ30及びカートリッジ装着部110の各部の状態が、
図9及び
図10を参照しつつ説明される。
【0120】
図9に示されるように、カートリッジ装着部110の管102が、筒75の貫通孔75Aへ進入している。これにより、貯留室32から管102の内部空間102Aへインクが流通可能である。
【0121】
また、
図9及び
図10に示されるように、突起67は、光学センサ113の発光部と受光部との間にある。これにより、突起67は、光が発光部から受光部に進むのを遮断している。つまり、突起67は、装着状態において、発光部から照射される光の光路上にある。すなわち、光学センサ113は、装着状態において、発光部から照射される光の光路上に突起67の光遮断面が位置する位置にある。このとき、光学センサ113は、ローレベルの検知信号をコントローラ1(
図1参照)へ出力する。
【0122】
また、
図8においてインクカートリッジ30が反時計回りに回動することにより、回路基板64の各電極65は、下方から対応する各接点132に接触して、各接点132を上方へ弾性変形させる(
図9及び
図10参照)。つまり、装着状態において、電極65は、接点132を上方へ弾性変形させつつ電気的に接続している。4つの電極65が対応する接点132と接触して導通することによって、電圧Vcが電極65に印加されたり、電極65がアースされたり、電極65に電力が供給されたりする。また、接点132と電極65との導通により、回路基板64に実装されたメモリ66がコントローラ1(
図1参照)と導通する。これにより、コントローラ1は、メモリ66にアクセス可能となる。その結果、メモリ66に格納されたデータは、コントローラ1(
図1参照)に入力される。
【0123】
図9及び
図10に示されるように、装着状態において、コネクタ130の前壁137は回路基板64の前方にある。また、コネクタ130の後壁136は、回路基板64の後方にある。以上より、装着状態において、前壁137及び後壁136は、前後から電極65を挟む。つまり、後壁136及び前壁137は、電極65を挟むように前後方向に並んでいる。
【0124】
また、
図3(B)に示されるように、装着状態において、コネクタ130の右壁138は回路基板64の右方にあり、コネクタ130の左壁139は回路基板64の左方にある。また、右壁138の下端及び左壁139の下端は、電極65より下方にある。以上より、装着状態において、右壁138及び左壁139は、左右から電極65を挟む。つまり、右壁138及び左壁139は、電極65を挟むように左右方向に並んでいる。
【0125】
また、
図8においてインクカートリッジ30が反時計回りに回動して、電極65が下方から接点132に接触した状態において、回路基板64の上端は、後壁136の下端より上方にある。つまり、当該状態において、回路基板64の基板63の側面69の後方を向く面69Aは、後方へ向かって後壁136の側面のうち前方を向く前面134(当接面の一例)と向かい合う。そして、当該状態において、インクカートリッジ30は、コイルバネ80、116の付勢力によって後方へ移動する。面69Aは後方へ向かって前面134と向かい合っているので、インクカートリッジ30が後方へ移動すると、面69Aが前方から前面134と当接する(
図9及び
図10参照)。つまり、装着状態において、回路基板64は前方から後壁136と当接している。これにより、インクカートリッジ30が後方へ移動することが規制され、インクカートリッジ30はカートリッジホルダ101内において、前後方向に位置決めされる。
【0126】
また、
図8においてインクカートリッジ30が反時計回りに回動することにより、インクカートリッジ30の凸部43の上面89が、下方からカートリッジ装着部110の凸部114の下面と当接する。これにより、インクカートリッジ30が上方へ移動すること、すなわち中心Cを回動中心として反時計回りに回動することが規制される。その結果、インクカートリッジ30はカートリッジホルダ101内において、上下方向に位置決めされる。
【0127】
インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110のカートリッジホルダ101から抜き出されるときには、ユーザは、インクカートリッジ30を把持して、インクカートリッジ30の後部が下方へ移動するように、インクカートリッジ30を回動させる。これにより、インクカートリッジ30の凸部43がカートリッジホルダ101の凸部114から離間する。また、回路基板64の上端が後壁136の下端より下方となる。すなわち、インクカートリッジ30が回動姿勢へ姿勢変化する。そうすると、コイルバネ80、116の付勢力によって、インクカートリッジ30はカートリッジホルダ101に対して後方へ移動する。以上のようにして、ユーザはインクカートリッジ30をカートリッジ装着部110から取り出すことができる。
【0128】
[インクカートリッジ30のカートリッジ装着部110への装着検知]
以下、
図11及び
図12に示されるフローチャートを参照しつつ、インクカートリッジ30のカートリッジ装着部110への挿入検知が説明される。
【0129】
図11に示されるように、コントローラ1(
図1参照)は、カバーセンサ118から出力された信号がローレベル信号であるか否かによって、カバー111が閉位置にあると否かを判断する(S10)。カバー111が閉位置にある場合(S10:Yes)、コントローラ1は、インクカートリッジ30の回路基板64のメモリ66にアクセス可能か否か、すなわちメモリ66に書き込みまたは読み出し可能か否かを判定する(S20)。接点132が回路基板64の電極65に接触して導通している場合、コントローラ1は回路基板64のメモリにアクセス可能である。接点132が回路基板64の電極65に接触していない場合、コントローラ1は回路基板64のメモリ66にアクセス不可能である。
【0130】
コントローラ1は、回路基板64のメモリ66にアクセス不可能である場合(S20:No)、カートリッジ装着部110にインクカートリッジ30が装着されていないと判定する(S30)。この場合、コントローラ1は、プリンタ10の筐体に設けられた表示パネル(不図示)へのメッセージの表示や、スピーカー(不図示)からのブザーや音声などによって、ユーザへ「インクカートリッジ30が装着されていない」旨を報知する。
【0131】
一方、コントローラ1は、回路基板64にアクセス可能である場合(S20:Yes)、光学センサ113がコントローラ1へ出力した信号がハイレベル及びローレベルの何れかであるかを判定する。光学センサ113の発光部と受光部との間に突起67が位置する場合、光学センサ113はローレベル信号をコントローラ1へ出力する。光学センサ113の発光部と受光部との間に突起67がない場合、光学センサ113はハイレベル信号をコントローラ1へ出力する。
【0132】
コントローラ1は、光学センサ113がコントローラ1へ出力した信号がハイレベルである場合(S40:High)、カートリッジ装着部110に正常でないインクカートリッジ30が装着されていると判定する(S50)。この場合、コントローラ1は、プリンタ10の筐体に設けられた表示パネル(不図示)へのメッセージの表示や、スピーカー(不図示)からのブザーや音声などによって、ユーザへ「正常でないインクカートリッジ30が装着されている」旨を報知する。
【0133】
一方、コントローラ1は、光学センサ113がコントローラ1へ出力した信号がローレベルである場合(S40:Low)、カートリッジ装着部110に正常なインクカートリッジ30が装着されていると判定する(S60)。
【0134】
図11のフローチャートでは、コントローラ1は、回路基板64へのアクセスの可否に基づいてカートリッジ装着部110へのインクカートリッジ30の装着の有無を判定し、光学センサ113から出力された信号のレベルに基づいてカートリッジ装着部110に装着されたインクカートリッジ30が正常なものであるか否かを判定した。
【0135】
しかしながら、コントローラ1は、光学センサ113から出力された信号のレベルに基づいてカートリッジ装着部110へのインクカートリッジ30の装着の有無を判定し、回路基板64へのアクセスの可否に基づいてカートリッジ装着部110に装着されたインクカートリッジ30が正常なものであるか否かを判定してもよい。以下、この場合の判定手順が、
図12のフローチャートを参照しつつ説明される。
【0136】
図12に示されるように、コントローラ1は、カバー111が閉位置にある場合に(S110:Yes)、光学センサ113がコントローラ1へ出力した信号がハイレベル及びローレベルの何れかであるかを判定する(S120)。
【0137】
コントローラ1は、光学センサ113がコントローラ1へ出力した信号がハイレベルである場合(S120:High)、カートリッジ装着部110にインクカートリッジ30が装着されていないと判定する(S130)。この場合、
図11のステップS30と同様に、ユーザへ「インクカートリッジ30が装着されていない」旨を報知する。
【0138】
一方、コントローラ1は、光学センサ113がコントローラ1へ出力した信号がローレベルである場合(S120:Low)、インクカートリッジ30の回路基板64にアクセス可能か否かを判定する(S140)。
【0139】
コントローラ1は、回路基板64にアクセス不可能である場合(S140:No)、カートリッジ装着部110に正常でないインクカートリッジ30が装着されていると判定する(S150)。この場合、
図11のステップS50と同様に、ユーザへ「正常でないインクカートリッジ30が装着されている」旨を報知する。
【0140】
一方、コントローラ1は、回路基板64にアクセス可能である場合(S140:Yes)、カートリッジ装着部110に正常なインクカートリッジ30が装着されていると判定する(S160)。
【0141】
[本実施形態の作用効果]
本実施形態によれば、装着状態においてインクカートリッジ30は、前方から後壁136の前面134に当接することによって、前後方向に位置決めされる。ここで、後壁136はコネクタ130に設けられており、接点132もコネクタ130に設けられている。そのため、接点132と接触する回路基板64の位置が、インクカートリッジ30の位置決めの基点となる後壁136に近い。よって、コネクタ130の寸法精度や、インクカートリッジ30の後壁136に対する位置ずれなどに伴う回路基板64の接点132に対する位置ずれを小さくすることができる。
【0142】
また、本実施形態によれば、回路基板64がコネクタ130によって位置決めされる。また、接点132はコネクタ130に設けられている。つまり、回路基板64と接点132とは、双方ともにコネクタ130によって位置決めされている。そのため、回路基板64の接点132に対する位置ずれを小さくすることができる。
【0143】
また、本実施形態によれば、前方から後壁136に当接した回路基板64が後壁136から反力を受けることによって前方へ位置ずれすることを、突起70によって防止することができる。
【0144】
[変形例1]
上記実施形態では、装着状態において、回路基板64が前方から後壁136と当接した。しかし、装着状態において前方から後壁136と当接するのは、回路基板64に限らず、インクカートリッジ30の他の部分であってもよい。
【0145】
例えば、
図13に示されるように、インクカートリッジ30は、凸部71を備えていてもよい。凸部71は、筐体31と一体であり、上壁39の上面39Aから上方へ突出している。凸部71は、回路基板64より後方にあり、凸部43より前方にある。凸部71の前面71Aは、回路基板64の基板63の面69Aと当接している。なお、凸部71は、回路基板64と当接していなくてもよい。また、
図13において、凸部71の上端と回路基板64の上端とは上下方向に同位置(同じ高さにある)となっているが、凸部71の上端は、回路基板64の上端より上方であってもよいし下方であってもよい。
【0146】
インクカートリッジ30が回動して、電極65が下方から接点132に接触した状態において、凸部71の上端は、後壁136の下端より上方にある。つまり、当該状態において、凸部71の後面71Bは、後方へ向かって後壁136の前面134と向かい合う。そして、当該状態において、インクカートリッジ30がコイルバネ80、116の付勢力によって後方へ移動すると、後面71Bが前方から前面134と当接する(
図13参照)。つまり、装着状態において、凸部71は前方から後壁136と当接している。これにより、インクカートリッジ30が後方へ移動することが規制され、インクカートリッジ30はカートリッジホルダ101内において、前後方向に位置決めされる。
【0147】
変形例1によれば、回路基板64とは別部材である凸部71が後壁136と当接する。そのため、回路基板64が後壁136からの反力によって変形や破損することなどを防止しつつ、回路基板64の接点132に対する位置ずれを小さくすることができる。
【0148】
また、変形例1によれば、回路基板64が前方から凸部71に当接しているため、凸部71によって回路基板64を前後方向に位置決めすることができる。
【0149】
[変形例2]
変形例1では、装着状態において後壁136の前面134と当接する部分(凸部71)が筐体31と一体であったが、当該部分が筐体31と別部材であってもよい。
【0150】
例えば、
図14及び
図15に示されるように、インクカートリッジ30は、当接部材72(凸部の一例)を備えていてもよい。当接部材72は、筐体31によって固定されている。この変形例2では、例えば、上壁39は、第1上壁391と第2上壁392とを備えている。第1上壁391の上面は、外部に露出しており、基板63を支持している。第2上壁392は、第1上壁391の下方にある。第2上壁392の下面は、貯留室32を区画している。第2上壁392の上面(第1上壁391の下面と対向する面)は、当接部材72を支持している。つまり、第2上壁392の下の空間は貯留室32であり、第2上壁392の上の空間33(第2上壁392と第1上壁391との間の空間)には当接部材72がある。当接部材72は、筐体31の上壁39に形成された貫通孔39Bに挿入された状態で、第2上壁392の上面に接着されている。つまり、当接部材72は、第1上壁391の上方から貫通孔39Bを貫通して空間33へ延びている。なお、当接部材72は、接着以外の手段(例えば筐体31に対する圧入)によって筐体31に固定されていてもよい。
【0151】
当接部材72は、筐体31よりも硬度が高い材料で構成されている。変形例2では、樹脂である筐体31に対して、当接部材72は金属で構成されている。
【0152】
当接部材72の上部73は、円柱形状であり、貫通孔39Bを通じて上壁39から上方へ突出している。上部73は、回路基板64より後方にあり、凸部43より前方にある。一方、
図16に示されるように、回路基板64の基板63の面69Aには、平面視において前方へ向けて円弧状に凹んだ凹部74が形成されている。凹部74の内径と、上部73の外径とは、略同一である。そして、上部73は、後方から凹部74に当接している。この場合、当接部材72によって回路基板64を前後方向だけでなく左右方向にも位置決めすることができる。
【0153】
なお、上部73は円柱形状に限らないし、凹部74は円弧状以外の形状に凹んでいても良い。また、回路基板64は凹部74を備えていなくてもよい。この場合、上部73は、
図13の構成と同様にして、回路基板64と当接する。また、
図14及び
図15において、当接部材72の上端は回路基板64の上端より上方となっているが、当接部材72の上端は、回路基板64の上端以下の高さであってもよい。
【0154】
インクカートリッジ30が回動して、電極65が下方から接点132に接触した状態において、当接部材72の上端は、後壁136の下端より上方にある。つまり、当該状態において、当接部材72は、後方へ向かって後壁136の前面134と向かい合う。そして、当該状態において、インクカートリッジ30がコイルバネ80、116の付勢力によって後方へ移動すると、当接部材72が前方から前面134と当接する(
図14参照)。つまり、装着状態において、当接部材72は前方から後壁136と当接している。これにより、インクカートリッジ30が後方へ移動することが規制され、インクカートリッジ30はカートリッジホルダ101内において、前後方向に位置決めされる。
【0155】
変形例2によれば、後壁136と当接する当接部材72の硬度が筐体31の硬度より高い。そのため、当接部材72が後壁136からの反力によって変形や破損などする可能性を低くすることができる。
【0156】
また、変形例2によれば、当接部材72によって回路基板64を前後方向及び左右方向に位置決めすることができる。
【0157】
[変形例3]
上記実施形態及び変形例1、2では、回路基板64は、上壁39の上面39Aに支持されていた。つまり、回路基板64の全てが、筐体31の外部にあった。しかし、回路基板64の一部が筐体31の外部にある一方で、回路基板64の他の部分が筐体31の内部にあってもよい。
【0158】
また、上記実施形態では、回路基板64の基板63は、前後方向及び左右方向の寸法が上下方向の寸法よりも大きくなる姿勢、つまり横長の姿勢で配置されていた。しかし、基板63は、上下方向の寸法が前後方向及び左右方向の寸法よりも大きくなる姿勢、つまり縦長の姿勢で配置されていてもよい。
【0159】
例えば、
図17及び
図18に示されるように、インクカートリッジ30は、上壁39に形成された貫通孔39Cを有していてもよい。そして、基板63は、貫通孔39Cに貫通された状態で配置されていてもよい。この場合、変形例2と同様に、例えば、上壁39は、第1上壁391と第2上壁392とを備えている。第1上壁391は、外部に露出している。第2上壁392は、第1上壁391の下方にある。第2上壁392の下面は、貯留室32を区画している。第2上壁392の上面(第1上壁391の下面と対向する面)は、基板63を支持している。つまり、第2上壁392の下の空間は貯留室32であり、第2上壁392の上の空間33(第2上壁392と第1上壁391との間の空間)には基板63がある。基板63は、貫通孔39Cに挿入された状態で、第2上壁392の上面に支持されている。つまり、基板63は、第1上壁391の上方から貫通孔39Bを貫通して空間33へ延びている。基板63における破線より上の部分63A(第1部分の一例)は、貫通孔39Cより上方にあり、基板63における破線より下の部分63B(第2部分の一例)は、貫通孔39Cより下方にある。
【0160】
また、
図17及び
図18では、基板63は、底面61が基板63の前面となり、底面62が基板63の後面となり、側面69のうちの面69Aが基板63の上面となり、側面69のうちの面69Bが基板63の下面となるように配置されている。つまり、基板63は、側面69が上方を向くように配置されている。また、
図17及び
図18では、電極65は、面69Aに設けられている。
【0161】
また、
図17及び
図18では、メモリ66及び電池68は、基板63における破線より下の部分63Bに設けられている。詳細には、メモリ66及び電池68の双方が底面61に実装されている。メモリ66及び電池68の実装箇所は、上記に限らない。例えば、メモリ66は底面61に実装されており且つ電池68は底面62に実装されていてもよいし、メモリ66及び電池68の双方が底面62に実装されていてもよい。
【0162】
なお、
図17では、変形例1(
図13参照)と同様に、装着状態において、凸部71が前方から後壁136に当接しているが、このような構成に限らない。例えば、上記実施形態(
図10参照)と同様に、基板63(詳細には基板63の底面62)が前方から後壁136に当接してもよい。
【0163】
変形例3によれば、回路基板64を上壁39の上方及び下方の双方に亘って配置することができる。これにより、基板63における破線より下の部分63Bを外方からの衝撃から保護することができる。
【0164】
また、変形例3によれば、基板63における破線より下の部分63Bに電池68を設けることによって、電池68を保護することができる。
【0165】
また、変形例3によれば、回路基板64の上方を向く面の面積を小さくすることができるため、回路基板64が上方にある他部材に干渉する可能性を低くすることができる。一方で、回路基板64の側方(前後方向及び左右方向)を向く面の面積を大きくすることができるため、当該面にメモリ66や電池68などの部材を実装することができる。
【0166】
[変形例4]
上記実施形態及び変形例1~3では、回路基板64の基板63はリジッド基板であったが、回路基板64は、リジッド基板及びフレキシブル基板で構成されていてもよい。フレキシブル基板は、プラスチックフィルムなどで形成されており可撓性を有する基板である。
【0167】
例えば、
図19及び
図20に示されるように、基板63が上壁39に形成された貫通孔39Cに貫通された状態で配置されている構成において、基板63における破線より下の部分63Bに、フレキシブル基板63Cがあってもよい。
図19及び
図20では、フレキシブル基板63Cは、基板63の下面(面69B)に貼り付けられている。また、
図19及び
図20では、フレキシブル基板63Cにメモリ66及び電池68が実装されている。この場合、変形例2、3と同様に、例えば、上壁39は、第1上壁391と第2上壁392とを備えている。第1上壁391は、外部に露出している。第2上壁392は、第1上壁391の下方にある。第2上壁392の下面は、貯留室32を区画している。第2上壁392の上面(第1上壁391の下面と対向する面)は、フレキシブル基板63Cを支持している。つまり、第2上壁392の下の空間は貯留室32であり、第2上壁392の上の空間33(第2上壁392と第1上壁391との間の空間)には基板63及びフレキシブル基板63Cがある。メモリ66及び電池68の実装箇所は、上記に限らない。例えば、メモリ66または電池68の少なくとも一方が、リジッド基板である基板63に実装されていてもよい。
【0168】
なお、
図19では、上記実施形態(
図10参照)と同様に、装着状態において、基板63が前方から後壁136に当接しているが、このような構成に限らない。例えば、変形例1(
図13参照)と同様に、凸部71が前方から後壁136に当接してもよい。
【0169】
装着状態において、上壁39の上方には、コネクタ130などの部材があるため、回路基板64を配置するためのスペースが小さい。一方、上壁39の下方には、上壁39の上方よりもスペースに余裕がある。変形例4によれば、基板63における破線より下の部分63Bにあるフレキシブル基板によって、回路基板64を実質的に拡張することができる。
【0170】
[変形例5]
変形例4では、回路基板64の基板63はリジッド基板及びフレキシブル基板で構成されていたが、基板63はフレキシブル基板のみで構成されていてもよい。
【0171】
例えば、
図21及び
図22に示されるように、フレキシブル基板である基板63が上壁39に形成された貫通孔39Cに貫通された状態で配置されていてもよい。この場合、基板63における貫通孔39Cより上の部分は、凸部71に貼り付けられた状態で凸部71に支持されている。一方、基板63における貫通孔39Cより下の部分は、上壁39の下面39Dに貼り付けられている。
図21及び
図22では、基板63における貫通孔39Cより下の部分にメモリ66及び電池68が実装されている。なお、
図22では、メモリ66及び電池68は、上壁39に隠れて見えていない。メモリ66及び電池68の実装箇所は、
図21に示される位置に限らない。例えば、メモリ66が、
図21に破線で示される位置に実装されていてもよい。
【0172】
変形例5によれば、フレキシブル基板を上壁39の上方及び下方の双方に亘って配置することができる。
【0173】
[その他の変形例]
上記実施形態及び変形例では、貫通孔75Aはバルブ79によって外部との連通が切り替えられていた。しかし、バルブ79の代わりにシールで開口75Bが封止されてもよい。詳述すると、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に挿入されていない状態において、シールが筒75の前面に貼られている。これにより、貫通孔76Aはシールによって封止されている。そのため、貯留室32のインクが貫通孔75Aを通って貫通孔76Aからインクカートリッジ30の外部へ流通することはない。インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に挿入される過程において、管102がシールを突き破ることによって、当該封止は解除される。
【0174】
なお、この場合、カートリッジ装着部110に挿入されたインクカートリッジ30を後方へ付勢するために、コイルバネなどの付勢部材が、カートリッジ装着部110またはインクカートリッジ30に設けられることが望ましい。回路基板64または凸部71が後方へ向かって後壁136と向かい合っている状態において、当該付勢部材がインクカートリッジ30を後方へ付勢することによって、回路基板64または凸部71が前方から後壁136と当接して、インクカートリッジ30をカートリッジホルダ101内において前後方向に位置決めできるからである。
【0175】
上記実施形態では、インクカートリッジ30は、カートリッジホルダ101への挿入過程において、カートリッジホルダ101の内部において回動した。しかし、インクカートリッジ30は、カートリッジホルダ101への挿入過程において、カートリッジホルダ101の内部において回動しなくてもよい。
【0176】
この場合、例えば、
図23に示されるように、回路基板64は、コイルバネなどの付勢部材160を介して筐体31によって上下方向に移動可能に支持されている。付勢部材160は、回路基板64を上方へ付勢している。また、回路基板64の前面には、傾斜面161が設けられており、回路基板64の後面には、傾斜面162が設けられている。
【0177】
図23に示される構成では、インクカートリッジ30は水平方向に沿ってカートリッジ装着部110に対して挿抜される。インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に挿入される過程において、傾斜面161が後方から後壁136に当接する。これにより、回路基板64が付勢部材160の付勢力に抗して下方へ移動する。回路基板64が後壁136を通過して後壁136より前方に位置すると、回路基板64は付勢部材160の付勢力によって上方へ移動し、電極65が下方から接点132に当接する。インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110から抜き出される過程において、傾斜面162が前方から後壁136に当接する。これにより、回路基板64が付勢部材160の付勢力に抗して下方へ移動する。回路基板64が後壁136を通過して後壁136より後方に位置すると、回路基板64は付勢部材160の付勢力によって上方へ移動する。以上のように、
図23に示される構成では、インクカートリッジ30は水平方向に沿ってカートリッジ装着部110に対して挿抜されても、回路基板64の移動が後壁136によって阻まれることがない。
【0178】
インクカートリッジ30は、
図4~
図6及び
図13~
図23に示されたような構成に限らない。例えば、インクカートリッジ30は、
図24に示されるような構成であってもよい。
図24に示される構成では、インクカートリッジ30の外形は、概ね直方体に構成されており、インクカートリッジ30は、突起67、凸部43、筒75、バルブ79、コイルバネ80などを備えていない。貫通孔75Aは、シール142によって閉じられている。
【0179】
上記実施形態では、インクが液体の一例として説明されているが、例えば、インクに代えて、印刷時にインクに先立って用紙などに吐出される前処理液が液体カートリッジに貯留されていてもよい。また、記録ヘッド21を洗浄するための水が液体カートリッジに貯留されていてもよい。
【符号の説明】
【0180】
30・・・インクカートリッジ(液体カートリッジ)
31・・・筐体
32・・・貯留室
51・・・前方向(挿入方向)
53・・・下方向(重力方向)
58・・・上壁(天壁)
59・・・下壁(底壁)
60・・・側壁
64・・・回路基板
65・・・電極(カートリッジ側接点)
75A・・・貫通孔(液体流通孔)
101・・・カートリッジホルダ
102・・・管(流通管)
104・・・内部空間(空間)
110・・・カートリッジ装着部(装着部)
130・・・コネクタ
132・・・接点
134・・・前面(当接面)
136・・・後壁(壁)