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特許7159719制御装置、送信ノード、光通信システム、および信号品質試験方法
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  • 特許-制御装置、送信ノード、光通信システム、および信号品質試験方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-17
(45)【発行日】2022-10-25
(54)【発明の名称】制御装置、送信ノード、光通信システム、および信号品質試験方法
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/077 20130101AFI20221018BHJP
   H04J 14/02 20060101ALI20221018BHJP
   H04B 10/27 20130101ALI20221018BHJP
【FI】
H04B10/077
H04J14/02
H04B10/27
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018168663
(22)【出願日】2018-09-10
(65)【公開番号】P2020043447
(43)【公開日】2020-03-19
【審査請求日】2021-08-16
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成28年度、国立研究開発法人情報通信研究機構「高度通信・放送研究開発委託研究/空間多重フォトニックノード基盤技術の研究開発」、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】柳町 成行
(72)【発明者】
【氏名】ル タヤンディエ ドゥ ガボリ エマニュエル
【審査官】前田 典之
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-220772(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0232760(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第101030891(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/077
H04J 14/02
H04B 10/27
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
現用トランスポンダおよび増設トランスポンダ、または、前記現用トランスポンダを模擬した第1のテスト用トランスポンダおよび前記増設トランスポンダを模擬した第2のテスト用トランスポンダを、主信号が伝送される伝送路と同経路の伝送路に波長または伝送される伝送路の少なくとも一方が前記現用トランスポンダからの出力信号とは異なるように主信号が伝送される伝送路と同経路の伝送路にテスト用信号を送信するように動作させる所定の設定値に基づいて制御する制御手段と、
前記テスト用信号を受信するノードにおける前記テスト用信号の信号品質のデータを取得する取得手段と
を備え、
前記制御手段は、前記テスト用信号の信号品質が信号の安定した受信に必要な許容値の範囲内であるという所定の条件を満たすとき、前記所定の設定値に基づいて前記増設トランスポンダを設定して前記現用トランスポンダおよび前記増設トランスポンダからの主信号の送信を制御し、
前記信号品質が前記所定の条件を満さないとき、前記所定の設定値を新たな設定値に変更して前記テスト用信号の送信を制御することを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記第1のテスト用トランスポンダおよび前記第2のテスト用トランスポンダから送信される前記テスト用信号の前記主信号が伝送される前記伝送路と同一の伝送路への送信を制御し、
前記信号品質が前記所定の条件を満たすとき、前記所定の設定値として設定されている前記第1のテスト用トランスポンダと前記第2のテスト用トランスポンダの波長間隔と、前記現用トランスポンダと前記増設トランスポンダの波長間隔が一致するように前記増設トランスポンダが出力する光信号の波長を設定することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記現用トランスポンダおよび前記増設トランスポンダからの出力信号をスイッチ素子の制御により分岐させ、前記テスト用信号として、前記主信号と同一の経路の伝送路を形成する光ファイバの前記主信号を伝送するコアとは異なるコアに出力し、
前記信号品質が前記所定の条件を満たすとき、前記信号品質が前記所定の条件を満たしたときの前記増設トランスポンダの前記所定の設定値を基に、前記増設トランスポンダを設定して前記主信号の出力を制御することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
現用トランスポンダおよび増設トランスポンダ、または、前記現用トランスポンダを模擬した第1のテスト用トランスポンダおよび前記増設トランスポンダを模擬した第2のテスト用トランスポンダから、波長または伝送される伝送路の少なくとも一方が前記現用トランスポンダからの出力信号とは異なるように設定するための所定の設定値に基づいて、主信号が伝送される伝送路と同経路の伝送路にテスト用信号を送信する送信手段と、
前記テスト用信号を受信するノードにおける前記テスト用信号の信号品質が信号の安定した受信に必要な許容値の範囲内であるという所定の条件を満たすとき、前記所定の設定値に基づいて前記増設トランスポンダを設定して前記現用トランスポンダおよび前記増設トランスポンダからの主信号の送信を開始し、前記信号品質が前記所定の条件を満さないとき、前記所定の設定値を新たな設定値に変更して前記テスト用信号を送信する制御手段と
を備えることを特徴とする送信ノード。
【請求項5】
前記送信手段は、前記第1のテスト用トランスポンダおよび前記第2のテスト用トランスポンダから出力される前記テスト用信号の前記主信号が伝送される前記伝送路と同一の伝送路へ送信し、
前記制御手段は、前記信号品質が前記所定の条件を満たすとき、前記信号品質が前記所定の条件を満たしたときに、前記所定の設定値として設定されている前記第1のテスト用トランスポンダと前記第2のテスト用トランスポンダの波長間隔と、前記現用トランスポンダと前記増設トランスポンダの波長間隔が一致するように前記増設トランスポンダが出力する光信号の波長を設定することを特徴とする請求項4に記載の送信ノード。
【請求項6】
前記現用トランスポンダおよび前記増設トランスポンダからの出力信号を分岐し、前記主信号と同一の経路の伝送路を形成する光ファイバの前記主信号とは異なるコアに前記テスト用信号として送信する分岐手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記信号品質が前記所定の条件を満たすとき、前記信号品質が前記所定の条件を満たしたときの前記増設トランスポンダの前記所定の設定値を基に、前記増設トランスポンダを設定して前記主信号の出力を制御することを特徴とする請求項4に記載の送信ノード。
【請求項7】
請求項1から3いずれかに記載の制御装置と、
請求項4から6いずれかに記載の送信ノードと、
前記送信ノードから伝送路を介して受信する光信号の信号品質を測定する手段を有する受信ノードと
を備え、
前記受信ノードは、測定した前記信号品質のデータを前記制御装置に送信し、
前記制御装置は、前記受信ノードから受信する前記信号品質のデータを基に、前記送信ノードの前記増設トランスポンダの設定を行うことを特徴とする光通信システム。
【請求項8】
現用トランスポンダおよび前記現用トランスポンダに加えて増設される増設トランスポンダ、または、前記現用トランスポンダを模した第1のテスト用トランスポンダおよび前記増設トランスポンダを模した第2のテスト用トランスポンダを、波長または伝送される伝送路の少なくとも一方が前記現用トランスポンダからの出力信号とは異なるように設定するための所定の設定値に基づいて制御し、主信号が伝送される伝送路と同経路の伝送路にテスト用信号を送信し、
前記テスト用信号の信号品質が信号の安定した受信に必要な許容値の範囲内であるという所定の条件を満たすか判断し、
前記テスト用信号の信号品質が前記所定の条件を満たすとき、前記所定の設定値に基づいて前記増設トランスポンダを設定して前記現用トランスポンダおよび前記増設トランスポンダからの主信号の送信を制御し、
前記信号品質が前記所定の条件を満さないとき、前記所定の設定値を新たな設定値に変更して前記テスト用信号の送信を制御することを特徴とする信号品質試験方法。
【請求項9】
前記第1のテスト用トランスポンダおよび前記第2のテスト用トランスポンダによる前記主信号が伝送される前記伝送路と同一の伝送路への前記テスト用信号の送信を制御し、
前記信号品質が前記所定の条件を満たすとき、前記信号品質が前記所定の条件を満たしたとき、前記所定の設定値として設定されている前記第1のテスト用トランスポンダと前記第2のテスト用トランスポンダの波長間隔と、前記現用トランスポンダと前記増設トランスポンダの波長間隔が一致するように前記増設トランスポンダが出力する光信号の波長を設定することを特徴とする請求項8に記載の信号品質試験方法。
【請求項10】
前記現用トランスポンダおよび前記増設トランスポンダからの出力信号をスイッチ素子の制御により分岐させ、前記テスト用信号として、前記主信号と同一の経路の伝送路を形成する光ファイバの前記主信号を伝送するコアとは異なるコアに出力し、
前記信号品質が前記所定の条件を満たすとき、前記信号品質が前記所定の条件を満たしたときの前記増設トランスポンダの前記所定の設定値を基に、前記主信号の出力を制御することを特徴とする請求項8に記載の信号品質試験方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光通信装置に関するものであり、特に、通信条件の設定技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
大規模な通信キャリアやサービスプロバイダを中心に、通信網やデータセンター等で用いる光通信システムのDisaggregation化の動きが盛んになっている。Disaggregation化とは、オールインワン型の通信システムをトランスポンダ、スイッチおよび光アンプ等の機能ブロック単位に分割し、必要な機能、必要な数量のみで通信システムを構成する方法である。オールインワン型では、例えば、図12に示すように1社の通信システムベンダがシステムを構成する各機器を供給する。一方で、Disaggregation型の通信システムでは、例えば、図13に示すように複数のベンダの機器を必要な数量だけ自由に組み合わせることが可能で、通信システムのコスト削減効果が見込まれる。
【0003】
オールインワン型では、1社の通信システムベンダが各機器を供給している。そのため、複数のノードで構成される通信網において、通信品質が確保されるように設計されている。一方で、Disaggregation型の通信システムはマルチベンダの機器で構成されるため、別途、通信品質を確保する仕組みが重要となる。
【0004】
近年の光通信システムにおいては、容量増大のため変調方式の高度化が進み、多値度が向上しているとともに、波長間隔も狭くなりチャネル間のクロストークの影響が大きくなっている。そのため、トランスポンダを増設する際に、増設トランスポンダを現用トランスポンダと異なったベンダ、異なった変調フォーマットで配置する場合もある。ベンダや変調フォーマットが異なるトランスポンダを増設する際には、増設トランスポンダによる現用トランスポンダの信号品質への影響を事前に確認する技術が重要となる。そのような、トランスポンダ増設時に、増設トランスポンダによる現用トランスポンダの信号品質への影響を事前に確認する技術としては、例えば、特許文献1乃至3のような技術が開示されている。
【0005】
特許文献1は、トランスポンダの増設時に増設トランスポンダの影響を測定する方法に関するものである。特許文献1には、主信号の変調光に隣接するようにテスト用の連続光を配置し、増設トランスポンダの影響を測定する方法が示されている。特許文献2には、主信号の変調光と異なる波長の正弦波のパイロット信号を用いて影響を測定する方法が開示されている。また、特許文献3には主信号と同一の波長のテスト信号を用いて増設トランスポンダの影響を測定する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2005-311721号公報
【文献】特開2006-135788号公報
【文献】特開2000-115077号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の技術は次のような点で十分ではない。特許文献1の方法では、波長間隔が狭い通信システムでは、主信号に隣接したテスト用の連続光が主信号に影響を与え得る。そのため、現用トランスポンダで通信を行いながら増設トランスポンダの設定条件の試験を行うことができない。また、引用文献2、3の方法においても、増設トランスポンダの設定条件をより最適化しようとすると現用トランスポンダによる通信に影響を与える恐れがある。よって、各引用文献の方法は、現用トランスポンダによる通信に影響を与えずに、増設トランスポンダの設定条件を最適化する技術としては、十分ではない。
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するため、現用トランスポンダによる通信に影響を与えずに、増設トランスポンダの設定条件を最適化することができる制御装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明の制御装置は、制御手段と、取得手段を備えている。制御手段は、現用トランスポンダに加えて増設される増設トランスポンダのパラメータを設定する。制御手段は、現用トランスポンダおよび増設トランスポンダ、または、現用トランスポンダを模擬した第1のテスト用トランスポンダおよび増設トランスポンダを模擬した第2のテスト用トランスポンダを所定の設定値に基づいて制御し、主信号が伝送される伝送路と同経路の伝送路に波長または伝送される伝送路の少なくとも一方が現用トランスポンダからの出力信号とは異なるようにテスト用信号を送信する。取得手段は、テスト用信号を受信するノードにおけるテスト用信号の信号品質のデータを取得する。制御手段は、テスト用信号の信号品質が所定の条件を満たすとき、所定の設定値に基づいて増設トランスポンダを設定して現用トランスポンダおよび増設トランスポンダからの主信号の送信を制御する。制御手段は、信号品質が所定の条件を満さないとき、所定の設定値を変更してテスト用信号の送信を制御する。
【0010】
本発明の送信ノードは、送信手段と、制御手段を備えている。送信手段は、現用トランスポンダおよび増設トランスポンダ、または、現用トランスポンダを模擬した第1のテスト用トランスポンダおよび増設トランスポンダを模擬した第2のテスト用トランスポンダから、所定の設定値に基づいて、主信号が伝送される伝送路と同経路の伝送路に主信号が伝送される伝送路と同経路の伝送路に波長または伝送される伝送路の少なくとも一方が現用トランスポンダからの出力信号とは異なるようにテスト用信号を送信する。制御手段は、テスト用信号を受信するノードにおけるテスト用信号の信号品質が所定の条件を満たすとき、所定の設定値に基づいて増設トランスポンダを設定して現用トランスポンダおよび増設トランスポンダからの主信号の送信を開始する。制御手段は、信号品質が所定の条件を満さないとき、所定の設定値を変更してテスト用信号を送信する。
【0011】
本発明の信号試験方法は、現用トランスポンダおよび現用トランスポンダに加えて増設される増設トランスポンダ、または、現用トランスポンダを模した第1のテスト用トランスポンダおよび増設トランスポンダを模した第2のテスト用トランスポンダを所定の設定値に基づいて制御し、主信号が伝送される伝送路と同経路の伝送路に波長または伝送される伝送路の少なくとも一方が現用トランスポンダからの出力信号とは異なるようにテスト用信号を送信する。本発明の信号試験方法は、テスト用信号の信号品質が所定の条件を満たすか判断する。本発明の信号試験方法は、テスト用信号の信号品質が所定の条件を満たすとき、所定の設定値に基づいて増設トランスポンダを設定して現用トランスポンダおよび増設トランスポンダからの主信号の送信を制御する。本発明の信号試験方法は、信号品質が所定の条件を満さないとき、所定の設定値を変更してテスト用信号の送信を制御する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、現用トランスポンダによる通信に影響を与えずに、増設トランスポンダの設定条件を最適化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1の実施形態の構成の概要を示す図である。
図2】本発明の第2の実施形態の通信システムの構成の概要を示す図である。
図3】本発明の第2の実施形態のノードの構成を示す図である。
図4】本発明の第2の実施形態のノードを構成するトランスポンダを示す図である。
図5】本発明の第2の実施形態のNMSの構成の例を示す図である。
図6】本発明の第2の実施形態の動作フローを示す図である。
図7】本発明の第3の実施形態のノードを構成するトランスポンダを示す図である。
図8】本発明の第3の実施形態の動作フローを示す図である。
図9】本発明の第4の実施形態のノードを構成するトランスポンダを示す図である。
図10】本発明の第4の実施形態の動作フローを示す図である。
図11】本発明の各実施形態における各処理を行うコンピュータの構成の例を示す図である。
図12】オールインワン型の通信システムの構成の例を示す図である。
図13】Disaggregation型の通信システムの構成の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について図を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態の制御装置の構成の概要を示した図である。本実施形態の制御装置は、制御手段10と、取得手段20を備えている。制御手段10は、現用トランスポンダに加えて増設される増設トランスポンダのパラメータを設定する。制御手段10は、現用トランスポンダおよび増設トランスポンダ、または、現用トランスポンダを模擬した第1のテスト用トランスポンダおよび増設トランスポンダを模擬した第2のテスト用トランスポンダを所定の設定値に基づいて制御し、主信号が伝送される伝送路と同経路の伝送路に波長または伝送される伝送路の少なくとも一方が現用トランスポンダからの出力信号とは異なるようにテスト用信号を送信する。取得手段20は、テスト用信号を受信するノードにおけるテスト用信号の信号品質のデータを取得する。制御手段10は、テスト用信号の信号品質が所定の条件を満たすとき、所定の設定値に基づいて増設トランスポンダを設定して現用トランスポンダおよび増設トランスポンダからの主信号の送信を制御する。制御手段10は、信号品質が所定の条件を満さないとき、所定の設定値を変更してテスト用信号の送信を制御する。
【0015】
本実施形態の制御装置は、制御手段10の制御により主信号が伝送される伝送路と同経路の伝送路に波長または伝送される伝送路の少なくとも一方が現用トランスポンダからの出力信号とは異なるようにテスト用信号を送信している。本実施形態の制御装置は、取得手段20によってテスト用信号の信号品質のデータを取得し、制御手段10において信号品質が所定の基準を満たすかによって増設トランスポンダの設定を行っている。このように、波長または伝送される伝送路の少なくとも一方が現用トランスポンダからの出力信号とは異なるようにテスト用信号を送信し、増設トランススポンダの設定を行うことで、現用トランスポンダの光信号へ与える影響を抑制することができる。また、増設トランスポンダの設定を、実運用時に近い条件で送信されたテスト用信号の信号品質を基に行っているので、トランスポンダの設定を最適化することができる。その結果、本実施形態の制御装置を用いることで現用トランスポンダによる通信に影響を与えずに、増設トランスポンダの設定条件を最適化することができる。
【0016】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態について図を参照して詳細に説明する。図2は、本実施形態の通信システムの構成の概要を示したものである。本実施形態の通信システムは、各ノード間で波長多重信号の送受信を行う光通信ネットワークとして構成されている。また、本実施形態の通信システムにおいて、各ノードの設定および通信状態の監視は、NMS(Network Management System)によって行われる。
【0017】
本実施形態の通信システムは、ノード101と、NMS102を備えている。各ノード101は、光ファイバを用いた伝送路を介して互いに接続されている。また、NMS102は、各ノード101と通信回線を介して接続されている。
【0018】
ノード101は、光伝送路201から入力される波長多重光信号を光のまま波長単位で経路を切り替え、光伝送路201へ再度、送出する機能を有する。ノード101の構成について説明する。図3は、送信ノードおよび受信ノードとして用いられる本実施形態のノード101の構成を示す図である。
【0019】
ノード101は、光スイッチ203と、マルチキャスト光スイッチ205と、トランスポンダ206を備えている。光スイッチ203と、マルチキャスト光スイッチ205は、分岐挿入側ポート202を介して接続されている。また、マルチキャスト光スイッチ205と、トランスポンダ206は、トランスポンダ側ポート204を介して接続されている。
【0020】
光スイッチ203は、光伝送路201を伝送される波長多重信号のうち、任意の波長の光信号の分岐および挿入を行うスイッチである。光スイッチ203は、ノード101において光伝送路201から分岐し、分岐挿入側ポート202に出力する波長多重光信号を波長単位で切り替える。また、光スイッチ203は、分岐挿入側ポート202を介して入力されるノード101おいて光伝送路201へ挿入する波長多重光信号を波長単位で切り替える。光スイッチ203は、例えば、WSS(Wavelength Selectable Switch)を用いて構成される。
【0021】
マルチキャスト光スイッチ205は、分岐挿入側ポート202と、トランスポンダ側ポート204を波長単位で接続する。マルチキャスト光スイッチ205は、ノードコントローラ207の制御に基づいて、各トランスポンダ206と光スイッチ203の各ポートを接続する光スイッチである。マルチキャスト光スイッチ205には、CDC(Colorless、Directionless、Contentionless)機能をもつ光スイッチが用いられる。CDC機能を有する光スイッチとは、方路制約、波長制約および波長競合のない光スイッチのことをいう。
【0022】
トランスポンダ206は、光信号の送信および受信を行う通信モジュールである。トランスポンダ206は、送信または受信のいずれかの機能を有するものであってもよい。トランスポンダ206が送受信する光信号の波長および変調方式は、ノードコントローラ207によって制御される。トランスポンダ206は、送信機能を構成する素子として割り当てられた波長の光を出力する半導体レーザーと、変調器を備えている。また、トランスポンダ206は、受信機能を構成する素子としてフォトダイオードを備えている。
【0023】
ノードコントローラ207は、ノード101の各ユニットを制御する機能を有する。ノードコントローラ207は、NMS102から受信する情報に基づいて、各トランスポンダ206の波長および変調方式の制御を行う。ノードコントローラ207は、NMS102から受信する情報に基づいて、光スイッチ203およびマルチキャスト光スイッチ205の制御を行う。また、ノードコントローラ207は、NMS102から受信する情報に基づいて、各ユニットを制御しテスト用信号の送受信を行う。ノードコントローラ207は、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の半導体装置によって構成されている。
【0024】
光アンプ208は、光伝送路における損失を補償する機能を有する。光アンプ208は、例えば、EDFA(Erbium Doped Fiber Amplifier)および励起光源を用いて構成されている。
【0025】
本実施形態のノード101におけるトランスポンダ206の構成について説明する。図4は、送信ノードおよび受信ノードそれぞれにおけるトランスポンダ206の構成を模式的に示した図である。
【0026】
図4の送信ノードおよび受信ノードは、現用トランスポンダ301と、増設トランスポンダ302と、第1のテスト用トランスポンダ303と、第2のテスト用トランスポンダ304を備えている。現用トランスポンダ301は、5Chの光信号の送信または受信を行う。また、増設トランスポンダ302は、現用トランスポンダ301に隣接する波長の1Chの光信号の送信または受信を行う。
【0027】
第1のテスト用トランスポンダ303および第2のテスト用トランスポンダ304は、それぞれ割り当てられた波長の光信号の送信または受信を行う。第1のテスト用トランスポンダ303は、現用トランスポンダ301を模擬するトランスポンダとして用いられる。また、第2のテスト用トランスポンダ304は、増設トランスポンダ302を模擬するトランスポンダとして用いられる。
【0028】
NMS102は、通信ネットワークを構成する各ノード101を制御する制御装置である。図5は、NMS102の構成の例を示したものである。図5のNMS102は、通信制御部121と、設定制御部122と、信号品質取得部123を備えている。また、NMS102は、各ノード101と通信を行う通信モジュールを備えている。
【0029】
通信制御部121は、通信ネットワーク全体の制御を行う機能を有する。通信制御部121は、通信ネットワークを監視し各ノード101の制御を行う。
【0030】
設定制御部122は、各ノード101が送受信を行う光信号の波長および変調方式の設定を行う機能を有する。設定制御部122は、各ノード101にトランスポンダ206が増設される際や設定変更が行われる際に、各トランスポンダ206が送受信する光信号の光パワー、波長および変調方式等を設定する。設定制御部122は、トランスポンダ206の増設時等にトランスポンダ206が送受信する光信号の波長を設定する際に、各ノード101を制御して最適な波長を確認する試験を行う。また、本実施形態の設定制御部122は、第1の実施形態の制御手段10に相当する。
【0031】
信号品質取得部123は、受信ノード側のノード101から受信信号の信号品質のデータを取得する。また、本実施形態の信号品質取得部123は、第1の実施形態の取得手段20に相当する。
【0032】
通信制御部121、設定制御部122および信号品質取得部123は、例えば、FPGA等の半導体装置や半導体記憶装置を用いて構成されている。NMS102が行う各処理は、CPU(Central Processing Unit)によってコンピュータプログラムを実行することによって行われてもよい。
【0033】
本実施形態の通信システムの動作について説明する。図6は、本実施形態の通信システムにおいて増設トランスポンダの設定値を設定する際の動作フローを示したものである。
【0034】
トランスポンダの増設が行われたことを検知すると、NMS102は、増設されたトランスポンダである増設トランスポンダの設定条件の試験を開始する。NMS102は、例えば、各ノード101からトランスポンダが増設されたことを示す信号を受信することで、トランスポンダの増設を検知する。NMS102は、作業者の走査によってトランスポンダの増設および試験の開始を判断してもよい。
【0035】
試験を開始すると、NMS102は、送信ノードと受信ノードのノードコントローラ207に、テスト用信号を送信するための第1のテスト用トランスポンダ303と、第2のテスト用トランスポンダ304の所定の設定値の情報を送る。所定の設定値の情報は、各テスト用トランスポンダから出力するテスト用信号の光信号の光パワー、変調方式および光信号の波長の設定値を含む情報として構成されている。光パワー、変調方式および光信号の波長の設定値の候補は、通信ネットワークの設定および波長設計に基づいてあらかじめ設定されている。また、第1のテスト用トランスポンダ303と第2のテスト用トランスポンダ304の波長間隔は、現用トランスポンダ301と増設トランスポンダ302の波長間隔として想定される波長間隔の候補から選択される。テスト用信号の光信号の波長は、現用トランスポンダ301とは、異なる波長帯域に設定されている。
【0036】
NMS102は送信ノードと受信ノードの第1のテスト用トランスポンダ303を、ノードコントローラ207を介して現用トランスポンダ301と同一の光パワーおよび同一の変調フォーマットで、異なる波長となるように設定する(ステップS11)。
【0037】
また、NMS102は、各ノードの第2のテスト用トランスポンダ304を、ノードコントローラ207を介して、増設するトランスポンダにおいて想定される設定値を用いて、光パワー、変調フォーマットおよび波長の設定を行う(ステップS12)。
【0038】
テスト用トランスポンダの設定を行うと、NMS102は、第1のテスト用トランスポンダ303および第2のテスト用トランスポンダ304を用いて送信ノードと受信ノード間のテスト用信号の送受信を開始する(ステップS13)。
【0039】
受信ノードの第1のテスト用トランスポンダ303および第2のテスト用トランスポンダ304は、テスト用信号を受信すると、それぞれ受信信号の信号品質を測定する。本実施形態では、受信ノードのテスト用トランスポンダは、受信信号の信号品質としてQ値の測定を行う。信号品質を測定すると、第1のテスト用トランスポンダ303および第2のテスト用トランスポンダ304は測定した信号品質のデータを、ノードコントローラ207を介してNMS102に送る。
【0040】
信号品質の測定データを受け取ると、NMS102は、受信ノードにおける信号品質が所定の基準を満たすか、すなわち、信号品質が許容値の範囲内かを判定する(ステップS14)。信号品質の所定の基準は、例えば、信号の安定した受信に必要な信号品質に対応するQ値の範囲として設定されている。
【0041】
信号品質が許容値の範囲外のとき(ステップS15でNo)、NMS102は、送信ノードと受信ノードのノードコントローラ207に、新たな設定値に対応した光パワー、変調フォーマットおよび波長の情報を送り、新たな設定値を用いてのテスト用トランスポンダを再設定する(ステップS18)。
【0042】
新たな設定値の情報を受け取ると、各ノードコントローラ207は、新たな設定値で第2のテスト用トランスポンダ304の再設定を行う。第2のテスト用トランスポンダ304の再設定を行うと、NMS102は、ステップS13における通信テストからの動作を再度、実行する。
【0043】
信号品質が許容値内のとき(ステップS15でYes)、NMS102は、許容値内となった設定値を基に増設トランスポンダ302の設定を行う。NMS102は、許容値内となったときの光パワーおよび変調フォーマットの設定値を、増設トランスポンダ302の光パワーおよび変調フォーマットの設定値として設定する。また、NMS102は、許容値内となったときのテスト用トランスポンダ間の波長間隔と、現用トランスポンダ301と増設トランスポンダ302間の波長間隔が同じになるように増設トランスポンダ302の波長を設定する(ステップS16)。
【0044】
NMS102は、増設トランスポンダの設定値を設定すると、送信ノードおよび受信ノードに増設トランスポンダ302の設定値の情報を送る。送信ノードおよび受信ノードのノードコントローラ207は、増設トランスポンダ302の設定値の情報を受け取ると、受け取った設定値に基づいて、増設トランスポンダ302を設定する。増設トランスポンダ302の設定が完了すると、NMS102は、各ノードを制御して送信ノードと受信ノード間の通信を開始する(ステップS17)。
【0045】
本実施形態の通信システムでは、現用トランスポンダが主信号に用いている波長帯域とは異なる帯域で、現用トランスポンダおよび増設トランスポンダをそれぞれ模擬しているテスト用トランスポンダを用いて信号品質の測定を行っている。実施形態の通信システムでは、テスト用トランスポンダを用いた測定で信号品質を満たした際のテスト用トランスポンダ間の波長間隔を基に、現用トランスポンダの波長を基準として増設トランスポンダの波長を設定することで増設トランスポンダの設定を行っている。そのような構成とすることで本実施形態の通信システムは、現用トランスポンダの信号に影響を与えずに、増設トランスポンダの波長を設定することができる。
【0046】
本実施形態の通信システムでは、テスト用トランスポンダを用いて設定した条件を基に増設トランスポンダの設定を行うことで、現用の波長への影響を抑制しつつ、増設時に近い条件で現用の波長の信号への影響を見積もることができる。その結果、通信システムは、現用トランスポンダによる光信号の送受信を行いながら増設トランスポンダの設置および運用を行うことができる。
【0047】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態について図を参照して詳細に説明する。本実施形態の通信システムは、第2の実施形態と同様に図2のような構成を有し、図3に示すような構成のノードを備えている。よって、以下の説明では、通信システムおよび各ノードの構成については、図2および図3を参照して説明を行う。
【0048】
第2の実施形態の通信システムは、テスト用トランスポンダを用いて、増設される波長が現用の波長に与える影響の試験を行っている。本実施形態の通信システムは、そのような構成に代えて、現用トランスポンダおよび増設トランスポンダから出力される光信号を用いて増設される波長が現用の波長に与える影響の試験を行うことを特徴とする。
【0049】
各ノード101を構成するトランスポンダの構成について説明する。図7は、各ノードにおけるトランスポンダの構成を模式的に示した図である。また、送信ノードと受信ノードは、主信号を伝送する第1の光伝送路401と、テスト用光信号を伝送する第2の光伝送路404を介して接続されている。第1の光伝送路401および第2の光伝送路404は、シングルコアファイバを用いて構成されている。また、第1の光伝送路401は、主信号の損失を補償する光アンプ402を備えている。また、第2の光伝送路404は、テスト用信号を補償する光アンプ405を備えている。
【0050】
本実施形態の現用トランスポンダ301および増設トランスポンダ302は、出力する光信号の一部を主信号と分岐して出力するモニタポートを備えている。光信号の分岐は、例えば、光カプラを用いて行われる。本実施形態では、モニタポートの分岐比は、テスト用信号と主信号が1:9設定されている。モニタポートの分岐比は、他の割合であってもよい。
【0051】
光アンプ403は、現用トランスポンダ301および増設トランスポンダ302のモニタポートを介して出力されるテスト用光信号の光パワーを主信号と同じレベルまで増幅する。
【0052】
品質モニタ部406は、第2の光伝送路404を介して受信するテスト用信号の信号品質を測定する機能を有する。品質モニタ部406は、例えば、第2の光伝送路404を介して受信するテスト用信号のQ値を信号品質として測定する。品質モニタ部406は、測定した信号品質のデータを、ノードコントローラ207を介してNMS102に送る。
【0053】
送信ノードの光スイッチ203は、各トランスポンダから出力される主信号およびテスト信号の波長の合波を行う。また、受信ノードの光スイッチ203は、受信ノードにおける各トランスポンダへの主信号およびテスト信号の波長の分波を行う。また、本実施形態においては第2の光伝送路404を実際の光ファイバを用いた光伝送路としているが、光伝送路をエミュレーションする数値解析を用いてもよい。
【0054】
本実施形態の通信システムの動作について説明する。図8は、本実施形態の通信システムにおいて増設トランスポンダの設定値を設定する際の動作フローを示したものである。
【0055】
トランスポンダの増設が行われたことを検知すると、NMS102は、増設されたトランスポンダである増設トランスポンダ302の設定条件の試験を開始する。試験を開始すると、NMS102は、増設トランスポンダ302について想定される設定値を用いて、光パワー、変調フォーマットおよび波長の設定を行う(ステップS21)。NMS102は、送信ノードと受信ノードのノードコントローラ207に、増設トランスポンダ302の設定値の情報を送る。
【0056】
設定値の情報を受け取ると、各ノードのノードコントローラ207は、受け取った設定値の情報に基づいて、光パワー、変調フォーマットおよび波長の設定を行う。
【0057】
増設トランスポンダ302の設定を行うと、NMS102は、各ノードにテスト用信号の送受信を開始する指示を送る。テスト用信号の送受信の開始の指示を受け取ると、送信ノードのノードコントローラ207は、モニタポートのみを開放し、現用トランスポンダ301および増設トランスポンダからの光信号が合波されたテスト信号を送出する(ステップS22)。このとき、現用トランスポンダ301は、主信号の送信を継続していてもよい。
【0058】
テスト用信号が送出されると、光アンプ403は、第1の光伝送路401を伝送される主信号の光パワーと同じレベルになるように、テスト用信号の光パワーを増幅する(ステップS23)。本実施形態では、光アンプ403は、テスト用信号の光パワーを9倍に増幅する。光アンプ403において光パワーが増幅されたテスト用信号は、第2の光伝送路404を介して、受信ノードに送られる(ステップS24)。
【0059】
第2の光伝送路404を介してテスト用信号を受信すると、受信ノードの品質モニタ部406は、信号品質を測定する。品質モニタ部406は、測定した信号品質のデータをノードコントローラ207を介して、NMS102に送る。
【0060】
受信ノードにおける信号品質のデータを受け取ると、NMS102は、受信ノードにおける信号品質が許容値の範囲内かを判定する(ステップS25)。信号品質は、例えば、安定した受信処理に必要な信号品質を基に設定されたQ値を用いて設定されている。
【0061】
信号品質が許容値の範囲外のとき(ステップS26でNo)、NMS102は、送信ノードと受信ノードのノードコントローラ207に、新たな設定値に対応した光パワー、変調フォーマットおよび波長の情報を送り、新たな設定値を用いて増設トランスポンダ302を再設定する(ステップS28)。
【0062】
新たな設定値の情報を受け取ると、各ノードコントローラ207は、新たな設定値で増設トランスポンダ302の再設定を行う。再設定を行うと、ステップS21における増設トランスポンダ30の設定からの動作を実行する。
【0063】
信号品質が許容値内のとき(ステップS26でYes)、NMS102は、許容値内となった設定値を基に増設トランスポンダ302の設定を行う。NMS102は、許容値内となったときの光パワーおよび変調フォーマットの設定値を、増設トランスポンダの光パワー、変調フォーマットおよび波長の設定値として設定する。
【0064】
NMS102は、増設トランスポンダ302の設定値を設定すると、送信ノードおよび受信ノードに増設トランスポンダ302の設定値の情報を送る。送信ノードおよび受信ノードのノードコントローラ207は、増設トランスポンダ302の設定値の情報を受け取ると、受け取った設定値に基づいて、増設トランスポンダ302を設定する。増設トランスポンダ302の設定が完了すると、送信ノードと受信ノード間の通信が開始される(ステップS27)。
【0065】
本実施形態の通信システムは、現用トランスポンダと増設トランスポンダの光信号を分岐し、実際の経路と同経路の光ファイバを用いて伝送された光信号の信号品質を基に、増設トランスポンダの適切な設定値を確認している。そのような構成とすることで、本実施形態の通信システムでは、現用トランスポンダでの信号の送受信および運用開始後の光信号への影響を抑制して、トランスポンダの増設を行うことができる。
【0066】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態について図を参照して詳細に説明する。本実施形態の通信システムは、第2の実施形態と同様に図2のような構成を有し、図3に示すような構成のノードを備えている。よって、以下の説明では、通信システムおよび各ノードの構成については、図2および図3を参照して説明を行う。
【0067】
第3の実施形態の通信システムは、主信号とテスト用信号を同経路の別の光伝送路を用いて伝送している。本実施形態の通信システムは、そのような構成に代えて、主信号を伝送する光ファイバと同一のケーブルの別のコアを用いてテスト用信号の伝送を行うことを特徴とする。
【0068】
各ノード101を構成するトランスポンダの構成について説明する。図9は、各ノード101におけるトランスポンダの構成を模式的に示した図である。
【0069】
各ノード101は、現用トランスポンダ301と、増設トランスポンダ302と、光アンプ403を備えている。また、受信ノードは、品質モニタ部406をさらに備えている。
【0070】
送信ノードと受信ノードは、光伝送路501を介して接続されている。光伝送路501は、各トランスポンダから出力される主信号およびテスト用信号を伝送する。光伝送路501は、主信号およびテスト用信号にそれぞれ対応したマルチコアファイバを用いて構成されている。また、光伝送路501は、マルチコアファイバに対応した光アンプ502を備えている。光アンプ502は、主信号およびテスト用信号の光パワーをそれぞれ増幅することで、光伝送路501における損失を補償する。
【0071】
光アンプ403は、現用トランスポンダ301および増設トランスポンダ302のモニタポートを介して出力されるテスト用光信号の光パワーを主信号と同じレベルまで増幅する。本実施形態では、モニタポートの分岐比は、テスト用信号と主信号が1:9設定されている。モニタポートの分岐比は、他の割合であってもよい。
【0072】
品質モニタ部406は、光伝送路501を介して受信するテスト用信号の信号品質を測定する機能を有する。品質モニタ部406は、例えば、光伝送路501を介して受信するテスト用信号のQ値を信号品質として測定する。品質モニタ部406は、測定した信号品質のデータを、ノードコントローラ207を介してNMS102に送る。
【0073】
送信ノードの光スイッチ203は、各トランスポンダから出力される主信号およびテスト信号の波長の合波を行う。また、受信ノードの光スイッチ203は、受信ノードにおける各トランスポンダへの主信号およびテスト信号の波長の分波を行う。また、本実施形態においては光伝送路501を実際の光ファイバを用いた光伝送路としているが、光伝送路をエミュレーションする数値解析を用いてもよい。
【0074】
本実施形態の通信システムの動作について説明する。図10は、本実施形態の通信システムにおいて増設トランスポンダの設定値を設定する際の動作フローを示したものである。
【0075】
トランスポンダの増設が行われたことを検知すると、NMS102は、増設されたトランスポンダである増設トランスポンダ302の設定条件の試験を開始する。試験を開始すると、NMS102は、増設トランスポンダ302について想定される設定値を用いて、光パワー、変調フォーマットおよび波長の設定を行う(ステップS31)。NMS102は、送信ノードと受信ノードのノードコントローラ207に、増設トランスポンダ302の設定値の情報を送る。
【0076】
設定値の情報を受け取ると、各ノードのノードコントローラ207は、受け取った設定値の情報に基づいて、光パワー、変調フォーマットおよび波長の設定を行う。
【0077】
増設トランスポンダ302の設定を行うと、NMS102は、各ノードにテスト用信号の送受信を開始する指示を送る。テスト用信号の送受信の開始の指示を受け取ると、送信ノードのノードコントローラ207は、モニタポートのみを開放し、現用トランスポンダ301および増設トランスポンダからの光信号が合波されたテスト信号を送出する(ステップS32)。このとき、現用トランスポンダ301は、主信号の送信を継続していてもよい。
【0078】
テスト用信号が送出されると、光アンプ403は、光伝送路501を伝送される主信号の光パワーと同じレベルになるように、テスト用信号の光パワーを増幅する(ステップS33)。本実施形態では、光アンプ403は、テスト用信号の光パワーを9倍に増幅する。光アンプ403において光パワーが増幅されたテスト用信号は、光伝送路501を介して、受信ノードに送られる(ステップS34)。
【0079】
光伝送路501を介してテスト用信号を受信すると、受信ノードの品質モニタ部406は、信号品質を測定する。品質モニタ部406は、測定した信号品質のデータをノードコントローラ207を介して、NMS102に送る。
【0080】
信号品質のデータを受け取ると、NMS102は、受信ノードにおける信号品質が許容値の範囲内かを判定する(ステップS35)。信号品質は、例えば、安定した受信処理に必要な信号品質を基に設定されたQ値を用いて設定されている。
【0081】
信号品質が許容値の範囲外のとき(ステップS36でNo)、NMS102は、送信ノードと受信ノードのノードコントローラ207に、新たな設定値に対応した光パワー、変調フォーマットおよび波長の情報を送り、新たな設定値で増設トランスポンダ302を再設定する(ステップS38)。
【0082】
新たな設定値の情報を受け取ると、各ノードコントローラ207は、新たな設定値で増設トランスポンダ302の再設定を行う。再設定を行うと、ステップS31における増設トランスポンダ302の設定からの動作を実行する。
【0083】
信号品質が許容値内のとき(ステップS36でYes)、NMS102は、許容値内となった設定値を基に増設トランスポンダ302の設定を行う。NMS102は、許容値内となったときの光パワーおよび変調フォーマットの設定値を、増設トランスポンダ302の光パワー、変調フォーマットおよび波長の設定値として設定する。
【0084】
NMS102は、増設トランスポンダ302の設定値を設定すると、送信ノードおよび受信ノードに増設トランスポンダ302の設定値の情報を送る。送信ノードおよび受信ノードのノードコントローラ207は、増設トランスポンダ302の設定値の情報を受け取ると、受け取った設定値に基づいて、増設トランスポンダ302を設定する。増設トランスポンダ302の設定が完了すると、送信ノードと受信ノード間の通信が開始される(ステップS37)。
【0085】
本実施形態の通信システムは、現用トランスポンダと増設トランスポンダの光信号を分岐し、主信号とは別のコアを介して伝送された光信号の受信品質を基に、増設トランスポンダの適切な設定値を確認している。そのような構成とすることで、本実施形態の通信システムでは、現用トランスポンダでの信号の送受信および運用開始後の光信号への影響を抑制して、トランスポンダの増設を行うことができる。
【0086】
各実施形態におけるNMSおよびノードコントローラで実行される各処理は、コンピュータプログラムをコンピュータで実行することによって行われてもよい。図11は、NMSおよびノードコントローラで実行される各処理を行うコンピュータプログラムを実行するコンピュータ600の構成の例を示したものである。コンピュータ600は、CPU601と、メモリ602と、記憶装置603と、I/F(Interface)部604を備えている。
【0087】
CPU601は、記憶装置603から各処理を行うコンピュータプログラムを読み出して実行する。メモリ602は、DRAM等によって構成され、CPU601が実行するコンピュータプログラムや処理中のデータが一時保存される。記憶装置603は、CPU601が実行するコンピュータプログラム、処理結果および外部から取得した情報等が保存される。記憶装置603は、例えば、不揮発性の半導体記憶装置によって構成されている。記憶装置603には、HDD等の他の記憶装置が用いられてもよい。I/F部604は、ホストや記憶媒体等の他の装置との間でデータの入出力を行うインタフェースである。I/F部604は、アクセス要求やデータ転送処理通知の入出力、および、ホストや記憶媒体間におけるデータ転送処理における制御信号の入出力を行うインタフェースとして機能する。
【0088】
また、各処理に行うコンピュータプログラムは、記録媒体に格納して頒布することもできる。記録媒体としては、例えば、データ記録用磁気テープや、ハードディスクなどの磁気ディスクを用いることができる。また、記録媒体としては、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)やDVD(Digital Versatile Disc)などの光ディスクを用いることもできる。不揮発性の半導体メモリを記録媒体として用いてもよい。
【0089】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0090】
(付記1)
現用トランスポンダおよび増設トランスポンダ、または、前記現用トランスポンダを模擬した第1のテスト用トランスポンダおよび前記増設トランスポンダを模擬した第2のテスト用トランスポンダを、前記現用トランスポンダと前記増設トランスポンダの想定される関係性に応じた所定の設定値に基づいて制御し、主信号が伝送される伝送路と同経路の伝送路に波長または伝送される伝送路の少なくとも一方が前記現用トランスポンダからの出力信号とは異なるように主信号が伝送される伝送路と同経路の伝送路にテスト用信号を送信する制御手段と、
前記テスト用信号を受信するノードにおける前記テスト用信号の信号品質のデータを取得する取得手段と
を備え、
前記制御手段は、前記テスト用信号の信号品質が所定の条件を満たすとき、前記所定の設定値に基づいて前記増設トランスポンダを設定して前記現用トランスポンダおよび前記増設トランスポンダからの主信号の送信を制御し、
前記信号品質が前記所定の条件を満さないとき、前記所定の設定値を変更して前記テスト用信号の送信を制御することを特徴とする制御装置。
【0091】
(付記2)
前記制御手段は、前記第1のテスト用トランスポンダおよび前記第2のテスト用トランスポンダから送信される前記テスト用信号の前記主信号が伝送される前記伝送路と同一の伝送路への送信を制御し、
前記信号品質が前記所定の条件を満たすとき、前記所定の設定値として設定されている前記第1のテスト用トランスポンダと前記第2のテスト用トランスポンダの波長間隔と、前記現用トランスポンダと前記増設トランスポンダの波長間隔が一致するように前記増設トランスポンダが出力する光信号の波長を設定することを特徴とする付記1に記載の制御装置。
【0092】
(付記3)
前記制御手段は、前記現用トランスポンダおよび前記増設トランスポンダからの出力信号をスイッチ素子の制御により分岐させ、前記テスト用信号として、前記主信号と同一の経路の伝送路を形成する光ファイバの前記主信号を伝送するコアとは異なるコアに出力し、
前記信号品質が前記所定の条件を満たすとき、前記信号品質が前記所定の条件を満たしたときの前記増設トランスポンダの前記所定の設定値を基に、前記増設トランスポンダを設定して前記主信号の出力を制御することを特徴とする付記1に記載の制御装置。
【0093】
(付記4)
前記制御手段は、現用トランスポンダおよび増設トランスポンダからの出力信号をスイッチ素子の制御により分岐させ、前記テスト用信号として、前記主信号と同一の経路の伝送路を形成する前記主信号を伝送する光ファイバとは異なる光ファイバに出力し、
前記信号品質が前記所定の条件を満たすとき、前記信号品質が前記所定の条件を満たしたときの前記増設トランスポンダの前記所定の設定値を基に、前記増設トランスポンダを設定して前記主信号の出力を制御することを特徴とする付記1に記載の制御装置。
【0094】
(付記5)
前記信号品質の前記所定の条件は、Q値を基に設定されていることを特徴とする付記1から4いずれかに記載の制御装置。
【0095】
(付記6)
現用トランスポンダおよび増設トランスポンダ、または、前記現用トランスポンダを模擬した第1のテスト用トランスポンダおよび前記増設トランスポンダを模擬した第2のテスト用トランスポンダから、前記現用トランスポンダと前記増設トランスポンダの想定される関係性に応じた所定の設定値に基づいて、主信号が伝送される伝送路と同経路の伝送路に波長または伝送される伝送路の少なくとも一方が前記現用トランスポンダからの出力信号とは異なるように主信号が伝送される伝送路と同経路の伝送路にテスト用信号を送信する送信手段と、
前記テスト用信号を受信するノードにおける前記テスト用信号の信号品質が所定の条件を満たすとき、前記所定の設定値に基づいて前記増設トランスポンダを設定して前記現用トランスポンダおよび前記増設トランスポンダからの主信号の送信を開始し、前記信号品質が前記所定の条件を満さないとき、前記所定の設定値を変更して前記テスト用信号を送信する制御手段と
を備えることを特徴とする送信ノード。
【0096】
(付記7)
前記送信手段は、前記第1のテスト用トランスポンダおよび前記第2のテスト用トランスポンダから出力される前記テスト用信号の前記主信号が伝送される前記伝送路と同一の伝送路へ送信し、
前記制御手段は、前記信号品質が前記所定の条件を満たすとき、前記信号品質が前記所定の条件を満たしたときに、前記所定の設定値として設定されている前記第1のテスト用トランスポンダと前記第2のテスト用トランスポンダの波長間隔と、前記現用トランスポンダと前記増設トランスポンダの波長間隔が一致するように前記増設トランスポンダが出力する光信号の波長を設定することを特徴とする付記6に記載の送信ノード。
【0097】
(付記8)
前記現用トランスポンダおよび前記増設トランスポンダからの出力信号を分岐し、前記主信号と同一の経路の伝送路を形成する光ファイバの前記主信号とは異なるコアに前記テスト用信号として送信する分岐手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記信号品質が前記所定の条件を満たすとき、前記信号品質が前記所定の条件を満たしたときの前記増設トランスポンダの前記所定の設定値を基に、前記増設トランスポンダを設定して前記主信号の出力を制御することを特徴とする付記7に記載の送信ノード。
【0098】
(付記9)
現用トランスポンダおよび増設トランスポンダからの出力信号を分岐し、前記主信号と同一の経路の伝送路を形成する前記主信号を伝送する光ファイバとは異なる光ファイバに前記テスト用信号として送信する分岐手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記信号品質が前記所定の条件を満たすとき、前記信号品質が前記所定の条件を満たしたときの前記増設トランスポンダの前記所定の設定値を基に、前記増設トランスポンダを設定して前記主信号の出力を制御することを特徴とする付記7に記載の送信ノード。
【0099】
(付記10)
前記信号品質の前記所定の条件は、Q値を基に設定されていることを特徴とする付記6から9いずれかに記載の送信ノード。
【0100】
(付記11)
付記1から5いずれかに記載の制御装置と、
付記6から10いずれかに記載の送信ノードと、
前記送信ノードから伝送路を介して受信する光信号の信号品質を測定する手段を有する受信ノードと
を備え、
前記受信ノードは、測定した前記信号品質のデータを前記制御装置に送信し、
前記制御装置は、前記受信ノードから受信する前記信号品質のデータを基に、前記送信ノードの前記増設トランスポンダの設定を行うことを特徴とする光通信システム。
【0101】
(付記12)
現用トランスポンダと、増設トランスポンダと、前記現用トランスポンダを模擬する第1のテスト用トランスポンダと、前記増設トランスポンダを模擬する第2のテスト用トランスポンダと、前記トランスポンダから出力される光信号を伝送する光伝送路と、伝送損失を補償する光アンプとを備え、
前記第1のテスト用トランスポンダと前記第2のテスト用トランスポンダを用いて、前記増設トランスポンダが前記現用トランスポンダに与える影響を測定することを特徴とする信号品質試験システム。
【0102】
(付記13)
前記現用トランスポンダおよび前記増設トランスポンダの出力信号を伝送する前記光伝送路と、前記第1のテスト用トランスポンダおよび前記第2のテスト用トランスポンダの出力信号を伝送する前記光伝送路とが同一であることを特徴とする付記12に記載の信号品質試験システム。
【0103】
(付記14)
前記第1のテスト用トランスポンダおよび前記第2のテスト用トランスポンダの波長が前記現用トランスポンダおよび前記増設トランスポンダの波長と異なることを特徴とする付記13に記載の信号品質試験システム。
【0104】
(付記15)
前記現用トランスポンダおよび前記増設トランスポンダの出力信号を伝送する前記光伝送路と、前記第1のテスト用トランスポンダおよび前記第2のテスト用トランスポンダの出力信号を伝送する前記光伝送路が異なることを特徴とする付記13に記載の信号品質試験システム。
【0105】
(付記16)
前記現用トランスポンダおよび前記増設トランスポンダの出力信号を伝送する前記光伝送路がマルチコアファイバの第1のコアであり、前記第1のテスト用トランスポンダおよび前記第2のテスト用トランスポンダの出力信号を伝送する前記光伝送路が前記マルチコアファイバの前記第1のコアとは異なる第2のコアであることを特徴とする付記15に記載の信号品質試験システム。
【0106】
(付記17)
主信号の一部を分岐して出力するモニタポートを有する現用トランスポンダと、主信号の一部を分岐して出力するモニタポートを有する増設トランスポンダと、前記モニタポートからの出力を増幅する第1の光アンプと、前記トランスポンダからそれぞれ出力される光信号を伝送する光伝送路と、伝送損失を補償する第2の光アンプとを備え、
前記モニタポートからの出力を用いて、前記増設トランスポンダが前記現用トランスポンダ与える影響を測定することを特徴とする伝送信号試験システム。
【0107】
(付記18)
前記現用トランスポンダおよび前記増設トランスポンダの信号を伝送する前記光伝送路と、前記モニタポートからの出力を伝送する前記光伝送路が異なることを特徴とする前記付記17に記載の伝送信号試験システム。
【0108】
(付記19)
前記現用トランスポンダおよび前記増設トランスポンダの信号を伝送する前記光伝送路がマルチコアファイバの第1のコアであり、前記モニタポートからの出力を伝送する前記光伝送路が前記マルチコアファイバの前記第1のコアとは異なる第2のコアであることを特徴とする付記18に記載の信号品質試験システム。
【0109】
(付記20)
現用トランスポンダおよび現用トランスポンダに加えて増設される増設トランスポンダ、または、前記現用トランスポンダを模した第1のテスト用トランスポンダおよび前記増設トランスポンダを模した第2のテスト用トランスポンダを、前記現用トランスポンダと前記増設トランスポンダの想定される関係性に応じた所定の設定値に基づいて制御し、主信号が伝送される伝送路と同経路の伝送路に波長または伝送される伝送路の少なくとも一方が前記現用トランスポンダからの出力信号とは異なるように主信号が伝送される伝送路と同経路の伝送路にテスト用信号を送信し、
前記テスト用信号の信号品質が所定の条件を満たすか判断し、
前記テスト用信号の信号品質が所定の条件を満たすとき、前記所定の設定値に基づいて前記増設トランスポンダを設定して前記現用トランスポンダおよび前記増設トランスポンダからの主信号の送信を制御し、
前記信号品質が前記所定の条件を満さないとき、前記所定の設定値を変更して前記テスト用信号の送信を制御することを特徴とする信号品質試験方法。
【0110】
(付記21)
前記第1のテスト用トランスポンダおよび前記第2のテスト用トランスポンダによる前記主信号が伝送される前記伝送路と同一の伝送路への前記テスト用信号の送信を制御し、
前記信号品質が前記所定の条件を満たすとき、前記信号品質が前記所定の条件を満たしたとき、前記所定の設定値として設定されている前記第1のテスト用トランスポンダと前記第2のテスト用トランスポンダの波長間隔と、前記現用トランスポンダと前記増設トランスポンダの波長間隔が一致するように前記増設トランスポンダが出力する光信号の波長を設定することを特徴とする付記20に記載の信号品質試験方法。
【0111】
(付記22)
現用トランスポンダおよび増設トランスポンダからの出力信号をスイッチ素子の制御により分岐させ、前記テスト用信号として、前記主信号と同一の経路の伝送路を形成する光ファイバの前記主信号を伝送するコアとは異なるコアに出力し、
前記信号品質が前記所定の条件を満たすとき、前記信号品質が前記所定の条件を満たしたときの前記増設トランスポンダの前記所定の設定値を基に、前記主信号の出力を制御することを特徴とする付記20に記載の信号品質試験方法。
【0112】
(付記23)
現用トランスポンダおよび増設トランスポンダからの出力信号をスイッチ素子の制御により分岐させ、前記テスト用信号として、前記主信号と同一の経路の伝送路を形成する前記主信号を伝送する光ファイバとは異なる光ファイバに出力し、
前記信号品質が前記所定の条件を満たすとき、前記信号品質が前記所定の条件を満たしたときの前記増設トランスポンダの前記所定の設定値を基に、前記主信号の出力を制御することを特徴とする付記20に記載の信号品質試験方法。
【0113】
(付記24)
受信ノードにおいて前記伝送路を介して受信する前記テスト用信号を受信し、
前記テスト用信号の前記信号品質を測定し、
前記受信ノードにおいて測定された前記信号品質を基に、前記テスト用信号の信号品質が前記所定の条件を満たすか判断することを特徴とする付記20から23いずれかに記載の信号品質試験方法。
【符号の説明】
【0114】
10 制御手段
20 取得手段
101 ノード
102 NMS
121 通信制御部
122 設定制御部
123 信号品質取得部
201 光伝送路
202 分岐挿入側ポート
203 光スイッチ
204 トランスポンダ側ポート
205 マルチキャスト光スイッチ
206 トランスポンダ
207 ノードコントローラ
208 光アンプ
301 現用トランスポンダ
302 増設トランスポンダ
303 第1のテスト用トランスポンダ
304 第2のテスト用トランスポンダ
401 第1の光伝送路
402 光アンプ
403 光アンプ
404 第2の光伝送路
405 光アンプ
406 品質モニタ部
501 光伝送路
502 光アンプ
600 コンピュータ
601 CPU
602 メモリ
603 記憶装置
604 I/F部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13