(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-17
(45)【発行日】2022-10-25
(54)【発明の名称】収納ユニット及び収納ユニットの組み立て方法
(51)【国際特許分類】
E04F 19/08 20060101AFI20221018BHJP
【FI】
E04F19/08 102H
(21)【出願番号】P 2018177174
(22)【出願日】2018-09-21
【審査請求日】2021-08-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100116012
【氏名又は名称】宮坂 徹
(72)【発明者】
【氏名】加藤 淳一
【審査官】河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】実開昭60-145835(JP,U)
【文献】特開平09-317156(JP,A)
【文献】特開平11-081644(JP,A)
【文献】特開平09-112019(JP,A)
【文献】特開昭61-270511(JP,A)
【文献】特開2009-005749(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0164734(US,A1)
【文献】特開2007-113366(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2007-0017301(KR,A)
【文献】実開昭53-040011(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 19/08
A47B 47/00-47/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物の収納スペースに配置される収納ユニットであって、
厚さ方向に沿って間隔を空けて互いに対向する一対の側板と、
前記一対の側板に取り付けられてそれら前記一対の側板と共に鉛直方向から見てコの字形を形成する背板と、
前記背板の背面と接触した状態で背板に取り付けられて背板と共に前記収納スペースの床面に接触する第一平板部と、前記第一平板部と連続し、且つ
前記背板の側面及び前記一対の側板のうち一方の、前記一対の側板のうち他方と対向する面と反対側の面と接触した状態で側板に取り付けられる第二平板部と、を有する接続部材と、を備え、
前記第二平板部の平面方向は、前記背板に前記第一平板部を取り付けた状態で、前記鉛直方向から見て前記背板の厚さ方向と平行であることを特徴とする収納ユニット。
【請求項2】
前記第二平板部の前記鉛直方向で前記床面と対向する面は、前記床面に面接触していることを特徴とする請求項1に記載した収納ユニット。
【請求項3】
前記接続部材よりも前記鉛直方向の上方に配置され、且つ前記一対の側板に取り付けられる天板を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載した収納ユニット。
【請求項4】
前記一対の側板の間に配置され、且つ厚さ方向が前記側板の厚さ方向から見て前記背板の厚さ方向と直交する棚板を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載した収納ユニット。
【請求項5】
前記鉛直方向に積層した複数の前記背板を備え、
前記鉛直方向で隣り合う二つの前記背板が連続する部分において、前記隣り合う二つの背板の両方に取り付けられる補強桟を備えることを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載した収納ユニット。
【請求項6】
前記一対の側板の間に配置され、且つ厚さ方向が前記側板の厚さ方向から見て前記背板の厚さ方向と直交する棚板を備え、
前記棚板は、前記補強桟の前記鉛直方向の上方に配置されていることを特徴とする請求項5に記載した収納ユニット。
【請求項7】
建築物の収納スペースに配置される収納ユニットの組み立て方法であって、
前記収納スペースの床面に接触する第一平板部と、前記第一平板部と連続する第二平板部と、を有する接続部材のうち、前記第一平板部を前記床面に接触する背板
の背面と接触した状態で前記背板に取り付ける第一平板部取付工程と、
前記第二平板部を、厚さ方向に沿って間隔を空けて互いに対向し、且つ前記背板と共に鉛直方向から見てコの字形を形成する一対の側板に
、前記背板の側面及び前記一対の側板のうち一方の、前記一対の側板のうち他方と対向する面と反対側の面と接触した状態で取り付けることで、前記第二平板部の平面方向を前記鉛直方向から見て前記背板の厚さ方向と平行とする第二平板部取付工程と、を含むことを特徴とする収納ユニットの組み立て方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内装に用いる収納ユニットと、収納ユニットの組み立て方法に関する。
【背景技術】
【0002】
押入れ等、建築物の収納スペースへ施工する組み立て式の収納ユニットとしては、例えば、特許文献1に記載されている構成のものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、例えば、建築物の改修に伴って収納スペースの構成を変更する場合に、収納スペースに対し、下地貼り、床の施工、壁紙貼り、巾木や周り縁の取り付け、棚の取り付け、建具の取り付け等、多くの工程に亘る作業を行う必要がある。このため、施工工程を減少させることが困難であった。
本発明は、上記のような点に着目したもので、施工工程を減少させることが可能な、収納ユニット及び収納ユニットの組み立て方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、建築物の収納スペースに配置される収納ユニットであって、一対の側板と、背板と、接続部材とを備える。一対の側板は、厚さ方向に沿って間隔を空けて互いに対向する。背板は、一対の側板に取り付けられてそれら一対の側板と共に鉛直方向から見てコの字形を形成する。接続部材は、背板に取り付けられて背板と共に収納スペースの床面に接触する第一平板部と、第一平板部と連続し、且つ側板に取り付けられる第二平板部とを有する。また、第二平板部の平面方向は、背板に第一平板部を取り付けた状態で、鉛直方向から見て背板の厚さ方向と平行である。
【0006】
また、本発明の一態様は、建築物の収納スペースに配置される収納ユニットの組み立て方法であって、第一平板部取付工程と、第二平板部取付工程とを含む。第一平板部取付工程は、収納スペースの床面に接触する第一平板部と、第一平板部と連続する第二平板部とを有する接続部材のうち、第一平板部を床面に接触する背板に取り付ける工程である。
第二平板部取付工程は、第二平板部を、厚さ方向に沿って間隔を空けて互いに対向し、且つ背板と共に鉛直方向から見てコの字形を形成する一対の側板に取り付けることで、第二平板部の平面方向を鉛直方向から見て背板の厚さ方向と平行とする工程である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、完成させた収納ユニットを収納スペースに配置することで、下地貼り等の作業を必要とせずに、収納スペースの構成を変更することが可能となる。
これにより、施工工程を減少させることが可能な、収納ユニット及び収納ユニットの組み立て方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第一実施形態の収納ユニットの構成を表す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面を参照して、本発明の第一実施形態を以下において説明する。以下の説明で参照する図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚さと平面寸法との関係や、各層の厚さの比率等は、現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚さや寸法は、以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
さらに、以下に示す第一実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質や、それらの形状、構造、配置等を下記のものに特定するものではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることが可能である。また、以下の説明における「左右」や「上下」の方向は、単に説明の便宜上の定義であって、本発明の技術的思想を限定するものではない。よって、例えば、紙面を90度回転すれば「左右」と「上下」とは交換して読まれ、紙面を180度回転すれば「左」が「右」になり、「右」が「左」になることは勿論である。
【0010】
(第一実施形態)
以下、本発明の第一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(収納ユニット)
図1を参照して、収納ユニット1の構成について説明する。
収納ユニット1は、建築物(家屋等)の収納スペース(押入れやクローゼット等)に配置されるユニットである。
第一実施形態では、一例として、収納ユニット1を、クローゼットの内部に配置する場合について説明する。また、第一実施形態では、一例として、収納ユニット1を収納スペースに配置した後に、収納スペースの床を施工する場合について説明する。
また、
図1中に表すように、収納ユニット1は、一対の側板2a,2bと、背板4と、二つの接続部材6(
図1中では、二つの接続部材6のうち、一つの接続部材6Rのみを図示する)と、天板8と、棚板10を備えている。
【0011】
(側板)
側板2は、長方形に形成された板状の部材である。なお、側板2は、例えば、木材を用いて形成する。
一対の側板2a,2bは、共に、中空部分を有するフラッシュ構造で形成されている。
また、一対の側板2a,2bは、短辺を鉛直方向の上方及び下方へ向けるとともに、厚さ方向(側板2a及び側板2bの厚さ方向)に沿って、間隔を空けて互いに対向している。
また、一対の側板2a,2bは、共に、接続部材6に取り付けられている。
一対の側板2a,2bの接続部材6への取り付けには、例えば、ビス(図示せず)を用いる。
側板2aの側板2bと対向する面と、側板2bの側板2aと対向する面には、それぞれ、木目調等の絵柄が形成された化粧紙(図示せず)が貼り付けられている。
側板2a及び側板2bの長辺のうち、鉛直方向の上方に配置した長辺には、上方へ突出する第一ダボ12が取り付けられている。
第一ダボ12は、例えば、木材を用いて、円柱状に形成されている。
【0012】
(背板)
背板4は、第一背板4aと、第二背板4bと、第三背板4cから形成されており、長方形に形成された板状の部材である。なお、背板4は、例えば、木材を用いて形成する。
また、第一背板4aと、第二背板4bと、第三背板4cは、一対の側板2a,2bと同様、中空部分を有するフラッシュ構造で形成されている。
第一背板4aは、鉛直方向で第二背板4bの下方に配置されており、長辺を鉛直方向の上方及び下方へ向けた状態で、一対の側板2a,2bの長辺と、接続部材6に取り付けられている。
第二背板4bは、鉛直方向で第一背板4aの上方に配置されており、長辺を鉛直方向の上方及び下方へ向けた状態で、一対の側板2a,2bの長辺に取り付けられている。
第二背板4bの側板2a,2bへの取り付けには、例えば、ビスを用いる。
【0013】
なお、第一背板4aと第二背板4bが連続する部分には、第一背板4a及び第二背板4bの両方に、例えば、ビスを用いて、第一補強桟(図示せず)が取り付けられている。
第一実施形態では、第一背板4aと第二背板4bが連続する部分に第一補強桟が取り付けられている構成を説明するが、例えば、第一補強桟を用いずに、第一背板4aと第二背板4bとをビス等によって構成する構成としてもよい。
第一補強桟は、長方形に形成された板状の部材であり、二つの長辺を鉛直方向の上方及び下方へ向けた状態で、一方の短辺が側板2aに取り付けられるとともに、他方の短辺が側板2bに取り付けられている。
【0014】
第一補強桟の側板2a,2bへの取り付けには、例えば、ビスを用いる。また、第一補強桟は、第一補強桟に取り付けられた第二ダボ(図示せず)によって、側板2a,2bに支持される。
第二ダボは、第一ダボ12と同様、例えば、木材を用いて、円柱状に形成されている。
第三背板4cは、鉛直方向で第二背板4bの上方に配置されており、長辺を鉛直方向の上方及び下方へ向けた状態で、一対の側板2a,2bの長辺に取り付けられている。
したがって、収納ユニット1は、鉛直方向に積層した複数の背板4(第一背板4a、第二背板4b、第三背板4c)を備える。
【0015】
第三背板4cの側板2a,2bへの取り付けには、例えば、ビスを用いる。
なお、第二背板4bと第三背板4cが連続する部分には、第二背板4b及び第三背板4cの両方に、例えば、ビスを用いて、第二補強桟(図示せず)が取り付けられている。
第二補強桟は、長方形に形成された板状の部材であり、二つの長辺を鉛直方向の上方及び下方へ向けた状態で、一方の短辺が側板2aに取り付けられるとともに、他方の短辺が側板2bに取り付けられている。
第二補強桟の側板2a,2bへの取り付けには、例えば、ビスを用いる。また、第二補強桟は、第二補強桟に取り付けられた第三ダボ(図示せず)によって、側板2a,2bに支持される。
第三ダボは、第一ダボ12と同様、例えば、木材を用いて、円柱状に形成されている。
【0016】
以上により、第一背板4aと、第二背板4bと、第三背板4cは、全て、一対の側板2a,2bの長辺に取り付けられており、それら一対の側板2a,2bと共に、鉛直方向から見てコの字形を形成している。
また、第一背板4a、第二背板4b及び第三背板4cの、一対の側板2a,2bの間に形成される空間と対向する面には、それぞれ、側板2a,2bと同様、化粧紙(図示せず)が貼り付けられている。
また、収納ユニット1が備える補強桟(第一補強桟、第二補強桟)は、鉛直方向で隣り合う二つの背板4が連続する部分において、隣り合う二つの背板4の両方に取り付けられる。
【0017】
(接続部材)
二つの接続部材6は、第一背板4aと一対の側板2a,2bとをそれぞれ接続する部材である。
図1中では、第一背板4aと側板2aとを接続する接続部材6を、符号6Rを付して示す。なお、第一背板4aと側板2bとを接続する接続部材6は、
図1中には示されていないが、以降の説明において、符号6Lを付して説明する場合がある。
接続部材6Rは、例えば、金属を用いて形成されており、
図2中に示すように、第一平板部6Raと、第二平板部6Rbを有している。なお、接続部材6Lは、接続部材6Rと同様の構成であるため、その説明は省略する。
第一平板部6Raは、第一背板4aの背面(収納ユニットの収容スペースを形成する面と反対側の面)と対向している。
【0018】
また、第一平板部6Raは、第一背板4aに取り付けられて、第一背板4aと共に収納スペースの床面と鉛直方向で対向する。すなわち、第一平板部6Raは、背板4に取り付けられて背板4と共に収納スペースの床面と鉛直方向で対向する。
第一実施形態では、一例として、第一平板部6Raの鉛直方向で床面と対向する面が、床面に面接触している場合について説明する。
さらに、第一平板部6Raには、ビスが貫通する貫通孔6Rcが形成されている。
また、第一平板部6Raは、例えば、ビスを用いて、第一背板4aに固定される。
【0019】
第二平板部6Rbは、第二平板部6Rbの厚さ方向を第一平板部6Raの厚さ方向と直交させた状態で、第一平板部6Raと連続している。したがって、接続部材6Rは、鉛直方向から見てL字状に形成された板状の部材である。
第二平板部6Rbの平面方向は、背板4に第一平板部6Raを取り付けた状態で、鉛直方向から見て背板4の厚さ方向と平行である。なお、
図2中には、第二平板部6Rbの平面方向を、双方向の矢印で「平面方向」と示している。
第二平板部6Rbの鉛直方向で床面と対向する面は、床面に面接触している。
また、第二平板部6Rbの一部は、第一背板4a(背板4)と接触している。
さらに、第二平板部6Rbには、第一平板部6Raと同様、ビスが貫通する貫通孔6Rcが形成されている。
また、第二平板部6Rbには、例えば、ビスを用いて、側板2aを取り付ける。
【0020】
(天板)
天板8は、棚板10よりも短辺及び長辺の長さが長い長方形に形成された、板状の部材である。なお、天板8は、例えば、木材を用いて形成する。
また、天板8は、一対の側板2a,2bと同様、中空部分を有するフラッシュ構造で形成されている。
天板8のうち、一対の側板2a,2bと対向する位置には、第一ダボ12を挿入可能な凹部(図示せず)が形成されている。
また、天板8は、側板2aのうち、収納スペースの床面と対向する長辺と反対側の長辺と、側板2bのうち、収納スペースの床面と対向する長辺と反対側の長辺に鉛直方向の下方から支持された状態で、一対の側板2a,2bに取り付けられている。これに加え、天板8は、一方の長辺が第三背板4cに接触した状態で、第三背板4cに取り付けられている。
【0021】
天板8の側板2a及び側板2bへの取り付けと、第三背板4cへの取り付けには、例えば、ビスを用いる。また、天板8を側板2a及び側板2bに取り付ける際には、天板8に形成されている凹部に第一ダボ12を挿入した状態で、ビスを用いて、天板8を側板2a及び側板2bに取り付ける。
第一ダボ12を天板8に形成されている凹部に挿入することで、一対の側板2a,2b及び背板4に対する天板8の、鉛直方向から見た左右及び前後の位置を、容易に決めることが可能となる。
したがって、天板8は、接続部材6よりも鉛直方向の上方に配置され、且つ一対の側板2a,2bに取り付けられる。
天板8の鉛直方向で下側の面には、側板2a,2bと同様、木目調等の絵柄が形成された化粧紙(図示せず)が貼り付けられている。
【0022】
(棚板)
棚板10は、第一棚板10aと、第二棚板10bから形成されており、長方形に形成された板状の部材である。なお、棚板10は、例えば、木材を用いて形成する。
また、第一棚板10aと、第二棚板10bは、一対の側板2a,2bと同様、中空部分を有するフラッシュ構造で形成されている。
第一棚板10aは、一方の短辺を側板2aに取り付けるとともに、他方の短辺を側板2bに取り付けた状態で、一方の長辺が第二背板4bに接触している。これに加え、第一棚板10aは、第一補強桟によって鉛直方向の下方から支持された状態で、第一補強桟に取り付けられている。また、第一棚板10aは、側板2a及び側板2bに取り付けられた棚受け部品(図示せず)によって、鉛直方向の下方から支持されている。
棚受け部品は、例えば、木材、金属、樹脂等を用いて形成されている。
したがって、第一棚板10aは、第一補強桟の鉛直方向の上方に配置されている。
【0023】
第一棚板10aの側板2a及び側板2bへの取り付けと、第一補強桟への取り付けには、例えば、ビスを用いる。
第一棚板10aの鉛直方向で上側の面には、側板2a,2bと同様、木目調等の絵柄が形成された化粧紙(図示せず)が貼り付けられている。
第二棚板10bは、一方の短辺を側板2aに取り付けるとともに、他方の短辺を側板2bに取り付けた状態で、一方の長辺が第三背板4cに接触している。これに加え、第二棚板10bは、第二補強桟によって鉛直方向の下方から支持された状態で、第二補強桟に取り付けられている。また、第二棚板10bは、側板2a及び側板2bに取り付けられた棚受け部品(図示せず)によって、鉛直方向の下方から支持されている。
棚受け部品は、例えば、木材、金属、樹脂等を用いて形成されている。
したがって、第二棚板10bは、第二補強桟の鉛直方向の上方に配置されている。
【0024】
第二棚板10bの側板2a及び側板2bへの取り付けと、第二補強桟への取り付けには、例えば、ビスを用いる。
第二棚板10bの鉛直方向で上側の面には、側板2a,2bと同様、木目調等の絵柄が形成された化粧紙(図示せず)が貼り付けられている。
したがって、棚板10は、一対の側板2a,2bの間に配置されている。これに加え、棚板10の厚さ方向は、側板2の厚さ方向から見て、背板4の厚さ方向と直交する。また、第二棚板10bは、第一棚板10aよりも鉛直方向の上方に配置されている。
【0025】
(収納ユニットの組み立て方法)
以下、
図1及び
図2を参照しつつ、
図3から
図10を用いて、収納ユニット1の組み立て方法を説明する。
収納ユニット1の組み立て方法は、建築物の収納スペースに配置される収納ユニット1を組み立てる方法である。また、収納ユニット1の組み立て方法は、第一平板部取付工程と、第二平板部取付工程と、第一補強桟取付工程と、第二背板取付工程と、第二補強桟取付工程と、第三背板取付工程と、天板取付工程と、棚板取付工程を含む。
【0026】
(第一平板部取付工程)
第一平板部取付工程では、まず、
図3中に表すように、接続部材6R及び接続部材6Lを第一背板4aに取り付ける。
接続部材6Rを第一背板4aに取り付ける際には、第一平板部6Raに形成されている貫通孔6Rcにビス18を貫通させ、ビス18の先端側を第一背板4aにねじ込む。なお、接続部材6Lを第一背板4aに取り付ける際の手順も同様である。
【0027】
接続部材6R及び接続部材6Lを第一背板4aに取り付けると、第一背板4aに第一平板部6Raを取り付けた状態で、鉛直方向から見て、第二平板部6Rbの平面方向が、鉛直方向から見て第一背板4aの厚さ方向と平行となる。同様に、図示を省略するが、第一背板4aに接続部材6Lが有する第一平板部を取り付けた状態で、鉛直方向から見て、接続部材6Lが有する第二平板部の平面方向が、鉛直方向から見て第一背板4aの厚さ方向と平行となる。
【0028】
このため、接続部材6R及び接続部材6Lを第一背板4aに取り付けた状態では、作業員等の支持を必要とせずに、第一背板4aを自立させることが可能になり、作業効率を向上させることが可能となる。
したがって、第一平板部取付工程は、接続部材6のうち背板4に取り付けられる第一平板部6aを、床面と鉛直方向で対向するように背板4に取り付ける工程である。なお、第一実施形態では、背板4に取り付けた第一平板部6aが、床面に面接触する場合について説明する。
【0029】
(第二平板部取付工程)
第二平板部取付工程では、まず、
図4中に表すように、第二平板部6Rbを側板2aに取り付ける。同様に、接続部材6Lが有する第二平板部を側板2bに取り付ける。
第二平板部6Rbを側板2aに取り付ける際には、第二平板部6Rbに形成されている貫通孔6Rcにビス18を貫通させ、ビス18の先端側を側板2aにねじ込む。なお、接続部材6Lが有する第二平板部を側板2bに取り付ける際の手順も同様である。
【0030】
ここで、第一平板部取付工程において、接続部材6R及び接続部材6Lを取り付けた第一背板4aは、接続部材6R及び接続部材6Lが床面と接触するため、作業員等の支持を必要とせずに自立させることが可能となっている。
このため、第二平板部6Rbを側板2aに取り付ける作業と、接続部材6Lが有する第二平板部を側板2bに取り付ける作業の、作業効率を向上させることが可能となる。
【0031】
第二平板部6Rbを側板2aに取り付け、接続部材6Lが有する第二平板部を側板2bに取り付けると、第二平板部6Rbの平面方向と、接続部材6Lが有する第二平板部の平面方向が、鉛直方向から見て背板4の厚さ方向と平行となる。
したがって、第二平板部取付工程は、第一平板部を背板に取り付けた状態で、第二平板部を一対の側板2a,2bに取り付けることで、第二平板部の平面方向を、鉛直方向から見て背板4の厚さ方向と平行とする工程である。
接続部材6Rを側板2aに取り付け、接続部材6Lを側板2bに取り付けた後、
図4中に表すように、ビス18を用いて、第一背板4aに、側板2a及び側板2bを取り付ける。
【0032】
(第一補強桟取付工程)
補強桟取付工程では、
図5中に示すように、ビス18を用いて、第一補強桟20aを、側板2a及び側板2bと、第一背板4aに取り付ける。
(第二背板取付工程)
第二背板取付工程では、
図6中に表すように、ビス18を用いて、第二背板4bを、側板2a,2bと、第一補強桟20aへ取り付ける。
(第二補強桟取付工程)
第二補強桟取付工程では、
図7中に表すように、ビス18を用いて、第二補強桟20bを、側板2a及び側板2bと、第二背板4bに取り付ける。
(第三背板取付工程)
第三背板取付工程では、
図8中に表すように、ビス18を用いて、第三背板4cを、側板2a,2bと、第二補強桟20bへ取り付ける。
【0033】
(天板取付工程)
天板取付工程では、天板8に形成されている凹部に第一ダボ12を挿入した状態で、
図9中に表すように、ビス18を用いて、天板8を、側板2a及び側板2bと、第三背板4cに取り付ける。なお、
図9中では、天板8を側板2a及び側板2bに取り付けるための用いるビスの図示を省略している。
【0034】
(棚板取付工程)
棚板取付工程では、
図10中に表すように、ビス18を用いて、棚受け部品28を、側板2a及び側板2bに取り付ける。
次に、ビス18を用いて、第一棚板10aを、側板2a及び側板2bと、第一補強桟20aに取り付けるとともに、第二棚板10bを、側板2a及び側板2bと、第二補強桟20bに取り付ける。
なお、上述した第一実施形態は、本発明の一例であり、本発明は、上述した第一実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外の形態であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0035】
(第一実施形態の効果)
第一実施形態の収納ユニット1であれば、以下に記載する効果を奏することが可能となる。
(1)厚さ方向に沿って間隔を空けて互いに対向する一対の側板2a,2bと、一対の側板2a,2bに取り付けられて、それら一対の側板2a,2bと共に鉛直方向から見てコの字形を形成する背板4を備える。これに加え、背板4に取り付けられて背板4と共に収納スペースの床面と鉛直方向で対向する第一平板部と、第一平板部と連続し、且つ側板2に取り付けられる第二平板部とを有する接続部材6を備える。さらに、第二平板部の平面方向が、背板4に第一平板部を取り付けた状態で、鉛直方向から見て背板4の厚さ方向と平行である。
【0036】
このため、接続部材6を背板4に取り付けた状態では、作業員等の支持を必要とせずに、背板4を自立させることが可能になり、作業効率を向上させることが可能となる。
さらに、完成させた収納ユニット1を収納スペースに配置することで、下地貼り等の作業を必要とせずに、収納スペースの構成を変更することが可能となる。
その結果、施工工程を減少させることが可能な、収納ユニット1を提供することが可能となる。また、フローリング等の床を施工する前に、収納ユニット1の組立と設置を行なうことで、床の損傷を防止することが可能となる。さらに、収納ユニット1の組立と設置を行なう作業員の増加を抑制することが可能となる。
【0037】
(2)第一平板部の鉛直方向で床面と対向する面は、床面に面接触している。
その結果、第一平板部が床面に点接触している場合と比較して、接続部材6を背板4に取り付けた状態において、背板4を安定させて自立させることが可能になり、作業効率を向上させることが可能となる。
(3)第二平板部の鉛直方向で床面と対向する面は、床面に面接触している。
その結果、第二平板部が床面に点接触している場合と比較して、接続部材6を背板4に取り付けた状態において、背板4を安定させて自立させることが可能になり、作業効率を向上させることが可能となる。
【0038】
(4)接続部材6よりも鉛直方向の上方に配置され、且つ一対の側板2a,2bに取り付けられる天板8を備える。
その結果、天板8により、収納スペースの天井面を形成することが可能となり、収納スペースの天井の下地貼りを行う工程を省略することが可能となる。
(5)一対の側板2a,2bの間に配置され、且つ厚さ方向が側板2の厚さ方向から見て背板4の厚さ方向と直交する棚板10を備える。
その結果、収納スペースに棚を取り付ける工程を省略することが可能となる。
【0039】
(6)鉛直方向に積層した複数の背板4(第一背板4a、第二背板4b、第三背板4c)を備える。これに加え、鉛直方向で隣り合う二つの背板4が連続する部分において、隣り合う二つの背板4の両方に取り付けられる補強桟20(第一補強桟20a、第二補強桟20b)を備える。
その結果、隣り合う二つの背板4を強固に接続することが可能となる。
(7)棚板10が、補強桟20の鉛直方向の上方に配置されている。
その結果、隣り合う二つの背板4を接続する補強桟20によって、さらに、棚板10を支持することが可能となる。
また、第一実施形態の収納ユニット1の組み立て方法であれば、以下に記載する効果を奏することが可能となる。
【0040】
(8)接続部材6のうち背板4に取り付けられる第一平板部を、床面と鉛直方向で対向するように背板4に取り付ける第一平板部取付工程を含む。これに加え、第一平板部を背板4に取り付けた状態で、第二平板部を一対の側板2a,2bに取り付けることで、第二平板部の平面方向を鉛直方向から見て背板4の厚さ方向と平行とする第二平板部取付工程を含む。
このため、第一平板部取付工程で接続部材6を背板4に取り付けた状態では、作業員等の支持を必要とせずに、背板4を自立させることが可能になり、作業効率を向上させることが可能となる。
さらに、完成させた収納ユニット1を収納スペースに配置することで、下地貼り等の作業を必要とせずに、収納スペースの構成を変更することが可能となる。
その結果、施工工程を減少させることが可能な、収納ユニット1を提供することが可能となる。また、フローリング等の床を施工する前に、収納ユニット1の組立と設置を行なうことで、床の損傷を防止することが可能となる。さらに、収納ユニット1の組立と設置を行なう作業員の増加を抑制することが可能となる。
【0041】
(変形例)
(1)第一実施形態では、収納ユニット1の構成を、側板2と、背板4と、接続部材6と、天板8と、二つの棚板10(第一棚板10a、第二棚板10b)を備える構成としたが、これに限定するものではない。
すなわち、収納ユニット1の構成を、例えば、
図11中に表すように、側板2と、背板4と、接続部材6と、天板8と、一つの棚板10と、ハンガーパイプ22を備える構成としてもよい。
また、収納ユニット1の構成を、例えば、
図12中に表すように、側板2と、背板4と、接続部材6と、天板8と、二つの棚板10(第一棚板10a、第二棚板10b)と、仕切り板24と、ブラケット26を備える構成としてもよい。
【0042】
(2)第一実施形態では、第一平板部の鉛直方向で床面と対向する面が、床面に面接触している構成としたが、これに限定するものではない。
すなわち、例えば、
図13中に示すように、第一平板部6Raの鉛直方向で床面Fと対向する面が、床面Fに接触していない構成としてもよい。
この構成であっても、例えば、
図14中に示すように、第一平板部取付工程において、接続部材6(接続部材6R)を背板4(第一背板4a)に取り付けた状態では、第一背板4aが床面Fに対して傾斜した場合であっても、接続部材6が床面Fと接触する。このため、作業員等の支持を必要とせずに、背板4(第一背板4a)を自立させることが可能になり、作業効率を向上させることが可能となる。
また、図示は省略するが、第一平板部6Raの鉛直方向で床面Fと対向する面が、床面Fに点接触している構成としてもよい。
【符号の説明】
【0043】
1…収納ユニット、2…側板、2a…側板、2b…側板、4…背板、4a…第一背板、4b…第二背板、4c…第三背板、6…接続部材、6a…第一平板部、6b…第二平板部、6c…貫通孔、8…天板、10…棚板、10a…第一棚板、10b…第二棚板、12…第一ダボ、14…第一固定部品、16…第二固定部品、18…ビス、20a…第一補強桟、20b…第二補強桟、22…ハンガーパイプ、24…仕切り板、26…ブラケット、28…棚受け部品、F…床面