IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ブラザー工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-画像読取装置 図1
  • 特許-画像読取装置 図2
  • 特許-画像読取装置 図3A
  • 特許-画像読取装置 図3B
  • 特許-画像読取装置 図4A
  • 特許-画像読取装置 図4B
  • 特許-画像読取装置 図5
  • 特許-画像読取装置 図6
  • 特許-画像読取装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-17
(45)【発行日】2022-10-25
(54)【発明の名称】画像読取装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20221018BHJP
   H04N 1/387 20060101ALI20221018BHJP
【FI】
H04N1/00 C
H04N1/387 700
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018186103
(22)【出願日】2018-09-28
(65)【公開番号】P2020057876
(43)【公開日】2020-04-09
【審査請求日】2021-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129643
【弁理士】
【氏名又は名称】皆川 祐一
(72)【発明者】
【氏名】松本 大祐
【審査官】野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-011605(JP,A)
【文献】特開2008-153894(JP,A)
【文献】特開2008-158858(JP,A)
【文献】特開2013-157947(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
H04N 1/387
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿の各頁を順に読み取る読取部と、
複数の頁の特徴と並びの順とを記憶する記憶部と、
操作部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記読取部によって読み取られた各頁の画像データの特徴を抽出し、
前記各頁の画像データから抽出された特徴が前記記憶部に予め記憶されている各頁の特徴と一致し、かつ、頁の順が前記記憶部に予め記憶されている前記並びの順と一致する場合、一致した頁の画像データを前記並びの順に一つに纏めたファイルを生成し、
前記各頁の画像データから抽出された特徴が前記記憶部に予め記憶されている各頁の特徴と一致、または、頁の順が前記記憶部に予め記憶されている前記並びの順と一致の少なくとも一方が成立しない場合、エラーの通知を出力し、
前記操作部の操作により、複数の頁の特徴と並びの順とを記憶する頁数の指定を受け付けた場合、最初の指定された頁数までの各頁の画像データから抽出した特徴を前記記憶部に記憶させ、その頁の順を前記並びの順として前記記憶部に記憶させる、画像読取装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像読取装置であって、
前記制御部は、
前記読取部によって読み取られた各頁の画像データから、各頁の画像データが白紙画像の画像データであるか否かを判定するための白紙判定用データを生成し、
前記白紙判定用データを使用して、各頁の画像データの特徴を抽出する、画像読取装置。
【請求項3】
原稿の各頁を順に読み取る読取部と、
複数の頁の特徴と並びの順とを記憶する記憶部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記読取部によって読み取られた各頁の画像データの特徴を抽出し、
前記各頁の画像データから抽出された特徴が前記記憶部に予め記憶されている各頁の特徴と一致し、かつ、頁の順が前記記憶部に予め記憶されている前記並びの順と一致する場合、一致した頁の画像データを前記並びの順に一つに纏めたファイルを生成し、
前記各頁の画像データから抽出された特徴が前記記憶部に予め記憶されている各頁の特徴と一致、または、頁の順が前記記憶部に予め記憶されている前記並びの順と一致の少なくとも一方が成立しない場合、エラーの通知を出力し、
前記読取部によって読み取られた各頁の画像データから、各頁の画像データが白紙画像の画像データであるか否かを判定するための白紙判定用データを生成し、
前記白紙判定用データを使用して、各頁の画像データの特徴を抽出する、画像読取装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の画像読取装置であって、
表示部と、
操作部と、をさらに備え、
前記制御部は、
前記各頁の画像データから抽出した特徴が予め前記記憶部に記憶されている各頁の特徴と一致、または、前記頁の順が予め前記記憶部に記憶されている前記並びの順と一致の少なくとも一方が成立しない場合、
前記エラーの通知を前記表示部に出力して、前記表示部に前記エラーを表示させた後、
前記操作部の操作による、前記ファイルの生成の中止、または、前記エラーの対象である前記画像データに係る前記ファイルの次の前記ファイルからの生成の再開の選択を受け付ける、画像読取装置。
【請求項5】
請求項1~のいずれか一項に記載の画像読取装置であって、
前記制御部は、
前記各頁の画像データから抽出した特徴が前記記憶部に記憶されている各頁の特徴と一致するが、前記頁の順が前記記憶部に記憶されている前記並びの順と一致しない場合、前記頁の順が前記記憶部に記憶されている前記並びの順と一致するよう、前記各頁の画像データの順序を入れ替えて、前記ファイルを生成する、画像読取装置。
【請求項6】
請求項1~のいずれか一項に記載の画像読取装置であって、
前記制御部は、
前記各頁の画像データから抽出した特徴が前記記憶部に記憶されている各頁の特徴と一致しないが、その一致しない特徴を抽出した画像データを回転処理して得られる画像データから抽出した特徴が前記記憶部に記憶されている各頁の特徴と一致する場合、前記回転処理して得られる画像データを含む前記ファイルを生成する、画像読取装置。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の画像読取装置であって、
前記制御部は、
前記各頁の画像データから抽出した特徴が前記記憶部に記憶されている各頁の特徴と一致、または、前記頁の順が前記記憶部に記憶されている前記並びの順と一致の少なくとも一方が成立しない場合、前記画像データを破棄して、前記ファイルを作成しない、画像読取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ADF(Auto Document Feeder)を搭載した画像読取装置には、多数枚の原稿を連続して読み取って、その読み取った画像のデータを複数の電子ファイルに分割する機能がある。
【0003】
原稿の区切りについての情報を登録しておくことによって、多数枚の原稿を連続して読み取ったときに、その登録されている情報に応じた原稿を区切りとして、原稿の画像データを複数の電子ファイルに分割する装置が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。この装置では、原稿の読み取り開始前に白紙原稿などの区切り紙を原稿中の分割位置に入れておく作業が不要であり、また、原稿の読み取り完了後にその区切り紙を取り除く作業が不要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-198257号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
アンケート回答や顧客情報、求人応募書類の情報などの登録の業務には、複数の頁の並びが同一のパターンで繰り返される原稿の読み取り作業が含まれる。従来装置では、たとえば、先頭の頁の画像を区切りの情報として登録しておけば、原稿から読み取った画像と登録されている画像とが一致するか否かがチェックされ、それらの画像が一致すると、その前頁までの画像データが一纏めにされて電子ファイルが生成される。
【0006】
しかし、従来装置では、原稿の並べ間違えや入れ忘れといった人的ミス、または、重送による頁の読み飛ばしが発生しても、それらの問題の発生をユーザに知らせることができない。
【0007】
本発明の目的は、複数の頁の並びが同一のパターンで繰り返される原稿の読み取り時に、原稿の並べ間違えや入れ忘れ、頁の読み飛ばしなどの問題の発生をユーザに通知できる、画像読取装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の目的を達成するため、本発明に係る画像読取装置は、原稿の各頁を順に読み取る読取部と、複数の頁の特徴と並びの順とを記憶する記憶部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記読取部によって読み取られた各頁の画像データの特徴を抽出し、前記各頁の画像データから抽出された特徴が前記記憶部に予め記憶されている各頁の特徴と一致し、かつ、頁の順が前記記憶部に予め記憶されている前記並びの順と一致する場合、一致した頁の画像データを前記並びの順に一つに纏めたファイルを生成し、前記各頁の画像データから抽出された特徴が前記記憶部に予め記憶されている各頁の特徴と一致、または、頁の順が前記記憶部に予め記憶されている前記並びの順と一致の少なくとも一方が成立しない場合、エラーの通知を出力する。
【0009】
この構成によれば、原稿の各頁が読取部により読み取られて、その読み取られた各頁の画像データから特徴が抽出される。一方、記憶部には、複数の頁の並びが同一のパターンで繰り返される原稿について、そのパターンに含まれる各頁の特徴とその頁の並びの順とが記憶されている。
【0010】
そして、各頁の画像データから抽出された特徴が記憶部に予め記憶されている各頁の特徴と一致し、かつ、頁の順が記憶部に予め記憶されている並びの順と一致するか否かが判断される。この判断が肯定であった場合、一致した頁の画像データを並びの順に一つに纏めたファイルが生成される。
【0011】
一方、各頁の画像データから抽出された特徴が記憶部に予め記憶されている各頁の特徴と一致、または、頁の順が記憶部に予め記憶されている並びの順と一致の少なくとも一方が成立しない場合には、制御部からエラーの通知が出力される。これにより、原稿の並べ間違えや入れ忘れ、頁の読み飛ばしなどの問題が発生した場合に、その問題の発生によるエラーをユーザに通知することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、複数の頁の並びが同一のパターンで繰り返される原稿の読み取り時に、原稿の並べ間違えや入れ忘れ、頁の読み飛ばしなどの問題の発生をユーザに通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係る画像読取装置の断面図である。
図2】画像読取装置の電気的構成を示すブロック図である。
図3A】ROMに記憶されている複数の頁の特徴と並びの順の一例を示す図(その1)である。
図3B】ROMに記憶されている複数の頁の特徴と並びの順の一例を示す図(その2)である。
図4A】分割ファイル生成処理の流れを示すフローチャート(その1)である。
図4B】分割ファイル生成処理の流れを示すフローチャート(その2)である。
図5】特徴量を抽出する処理の流れを示すフローチャートである。
図6】原稿の1頁の画像の例を示す図である。
図7】分割ファイル生成処理の変形例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0015】
<機械的構成>
図1に示される画像読取装置1は、ADF(Auto Document Feeder)方式により原稿を読み取る電子機器である。画像読取装置1は、筐体2、供給トレイ3および排出トレイ4を備えている。供給トレイ3は、筐体2に対して一方側に設けられ、排出トレイ4は、筐体2に対して供給トレイ3と反対側に設けられている。画像読取装置1では、筐体2に対して供給トレイ3が設けられている一方側が後側であり、その反対側が前側である。供給トレイ3は、使用状態において、筐体2から後上方に延出している。排出トレイ4は、使用状態において、筐体2から前方に延出している。
【0016】
なお、以下の説明で使用するため、画像読取装置1を前側から見た状態を基準に左右を規定する。
【0017】
筐体2には、使用状態の供給トレイ3の前端付近から前下方に延びる支持面11が形成されている。支持面11の前端は、筐体2の内外を連通する差込口12の下端を形成している。また、筐体2には、排出トレイ4の後端部の上方の位置に、筐体2の内外を連通する排出口13が形成されている。
【0018】
筐体2内には、差込口12から排出口13に向けて前下がりに傾斜して延びる搬送路14が設けられている。また、筐体2内には、搬送路14に沿って差込口12側から順に、分離ローラ15、分離片16、搬送ローラ17および排出ローラ18が設けられている。分離ローラ15は、その周面が支持面11に沿って前側に延びる仮想平面に下側から接するように配置されている。分離片16は、分離ローラ15の周面に前上側から当接するように配置されている。搬送ローラ17は、分離ローラ15に対して離間した位置に配置されている。搬送ローラ17は、上側搬送ローラ21および下側搬送ローラ22の対からなる。上側搬送ローラ21および下側搬送ローラ22は、搬送路14上で互いの周面が当接することによりニップを形成している。排出ローラ18は、上側排出ローラ23および下側排出ローラ24の対からなる。上側排出ローラ23および下側排出ローラ24は、搬送路14上で互いの周面が当接することによりニップを形成し、そのニップ部分が排出口13から筐体2の外部に露出している。
【0019】
また、搬送ローラ17と排出ローラ18との間には、第1CIS(Contact Image Sensor)25および第2CIS26(読取部の一例)が設けられている。第1CIS25は、搬送路14の下側に配置されている。第2CIS26は、搬送路14の上側であって第1CIS25に対して前側にずれた位置に配置されている。第1CIS25および第2CIS26は、複数の受光素子が搬送される原稿の幅方向に配列されたイメージセンサと、搬送路14に向けて光を照射する光源と、光源から出射されて被照射物により反射された光をイメージセンサの各受光素子に結像させるロッドレンズアレイとを備えている。イメージセンサは、各受光素子における受光に応じたアナログ信号を出力する。
【0020】
原稿を読み取るジョブの実行に際しては、たとえば、原稿がユーザの手指で把持されて、原稿の先端部が筐体2の支持面11上を滑らせながら差込口12から筐体2内に差し込まれる。原稿の先端部が分離ローラ15の周面に当接するまで筐体2内に差し込まれた後、原稿からユーザの手指が離されると、その原稿が供給トレイ3および支持面11に支持される。原稿の枚数が複数枚である場合には、その複数枚の原稿が積み重なった状態で供給トレイ3および支持面11に支持される。なお、原稿のサイズによっては、原稿が供給トレイ3上に差し掛からずに支持面11のみによって支持される。
【0021】
ユーザによるスキャン開始の指示に応じて、分離ローラ15、搬送ローラ17および排出ローラ18の回転が開始される。分離ローラ15の回転により、分離ローラ15から分離ローラ15と接触している原稿に搬送力が付与され、その原稿の先端部が分離ローラ15と分離片16との間を通過する。複数枚の原稿が積み重なっている場合、最下の原稿が分離ローラ15と分離片16との間を通過することによって、その原稿が他の原稿から分離される。その後、原稿が搬送ローラ17に到達すると、搬送ローラ17から原稿に搬送力が付与されて、原稿が排出ローラ18に向けてさらに搬送される。そして、原稿が第1CIS25と第2CIS26との間を通過するときに、第1CIS25から原稿の下面に光が照射されて、原稿の下面の画像が第1CIS25に読み取られる。また、原稿の両面の画像が読み取られる場合には、第2CIS26から原稿の上面に光が照射されて、原稿の上面の画像が第2CIS26に読み取られる。原稿が排出ローラ18に到達すると、排出ローラ18から原稿に搬送力が付与されて、その搬送力により、原稿が排出トレイ4上に排出される。
【0022】
<電気的構成>
画像読取装置1は、図2に示されるように、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)41、ROM(Read Only Memory)42およびRAM(Random Access Memory)43を備えている。
【0023】
ASIC41は、CPU44(制御部の一例)を内蔵している。ROM42には、CPU44によって実行されるプログラムや各種のデータなどが記憶されている。RAM43は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性メモリであり、CPU44がプログラムを実行する際のワークエリアとして使用される。
【0024】
第1CIS25および第2CIS26に対応づけて、それぞれAFE(Analog Front End)45,46が設けられている。AFE45により、第1CIS25のイメージセンサから出力されるアナログ信号が増幅されてデジタル信号である画像データに変換される。また、AFE46により、第2CIS26のイメージセンサから出力されるアナログ信号が増幅されてデジタル信号である画像データに変換される。ASIC41には、AFE45,46から画像データが入力される。
【0025】
ASIC41には、ネットワークインタフェース47が接続されている。ネットワークインタフェース47は、PC(Personal Computer)などの外部装置とのLAN(Local Area Network)を介したデータ通信のためのインタフェースである。通信の方式は、無線通信方式であってもよいし、有線通信方式であってもよい。
【0026】
ネットワークインタフェース47以外にも、USB(Universal Serial Bus)デバイスとのデータ通信のためのUSBインタフェースなど、データ通信のための他のインタフェースがASIC41に接続されていてもよい。
【0027】
また、ASIC41には、フラッシュメモリなどの書き換え可能な不揮発性メモリ48(記憶部の一例)が接続されている。
【0028】
また、画像読取装置1には、操作パネル51が設けられている。操作パネル51は、たとえば、ユーザが視認および操作可能な位置、たとえば、筐体2の上面に配置されている。操作パネル51は、タッチパネルからなり、液晶ディスプレイなどの表示部52上に感圧式または静電容量式の透明フィルムスイッチなどの操作部53を重ねて構成されている。表示部52には、各種の情報や操作キーなどの画像が表示される。ユーザが表示部52に表示される操作キーをタッチ操作することにより、その操作キーのタッチ操作が操作部53に受け付けられ、そのタッチ操作に応じた信号が操作部53からASIC41に入力される。
【0029】
なお、表示部52と操作部53とは、タッチパネルを構成せずに、別々に独立して設けられていてもよい。
【0030】
また、画像読取装置1は、分離ローラ15、搬送ローラ17および排出ローラ18の回転駆動源としての搬送モータ54を備えている。分離ローラ15、搬送ローラ17、排出ローラ18および搬送モータ54などにより、原稿を搬送する搬送部が構成されている。
【0031】
ASIC41のCPU44は、ROM42に記憶されているプログラムを実行することにより、ASIC41に入力される信号などから取得される情報に基づいて、第1CIS25、第2CIS26、ネットワークインタフェース47、操作パネル51および搬送モータ54などの各部を制御する。
【0032】
<基準特徴量>
画像読取装置1は、各頁の特徴の並びが一定のパターンで繰り返される複数頁(複数枚)の原稿を読み取り、その読み取った画像のデータを複数頁毎に分割してそれぞれ一つに纏めたファイルを生成する分割ファイル生成機能を有している。不揮発性メモリ48には、パターンを構成する複数の頁の特徴と並びの順とが記憶されている。
【0033】
たとえば、図3Aおよび図3Bに示されるように、不揮発性メモリ48には、原稿の両面を読み取る設定である場合、1枚目の原稿の表面を頁番号「1」とし、1枚目の原稿の裏面を頁番号「2」とし、2枚目の原稿の表面を頁番号「3」とするといったようにして、頁番号「1」~「8」までの各頁の特徴を示す特徴量情報が、一定のパターンで繰り返される複数頁の原稿セットの基準特徴量として頁番号と対応づけて記憶されている。基準特徴量(特徴量情報)には、原稿の幅、高さおよび地色、白紙であるか否か、色数、バーコードの有無、文字領域や写真などのコンテンツの有無、コンテンツが含まれる場合にそのコンテンツの種類、位置および大きさの各情報が含まれる。原稿の幅は、画像読取装置1での原稿の搬送方向と直交する方向における原稿の長さであり、原稿の高さは、搬送方向における原稿の長さである。
【0034】
なお、頁番号は、数字の連番で付けられていてもよいし、頁の並び順が判れば、1枚目表、1枚目裏、2枚目表といったように付けられていてもよい。
【0035】
<分割ファイル生成処理>
分割ファイル生成機能によりファイルを生成するため、ASIC41のCPU44により、図4Aおよび図4Bに示される分割ファイル生成処理が実行される。
【0036】
分割ファイル生成処理では、CPU44は、第1CIS25、第2CIS26および搬送モータ54などを制御して、1枚目の原稿の表裏を第1CIS25および第2CIS26に読み取らせる(S1)。そして、CPU44は、第1CIS25に読み取られた原稿の表面の画像データから特徴量を抽出し、第2CIS26に読み取られた原稿の裏面の画像データから特徴量を抽出する(S2)。
【0037】
RAM43には、特徴量抽出フラグが設けられている。特徴量抽出フラグは、1セット目の各頁の画像データから抽出される特徴量を基準特徴量として不揮発性メモリ48に記憶させるか否かを表すフラグである。原稿の読取開始の指示前に、ユーザが1セットに含まれる頁数(以下、「セット頁数」という。)を指定した場合、特徴量抽出フラグに「1」がセットされる。CPU44は、特徴量抽出フラグに「1」がセットされているか否かを判断する(S3)。
【0038】
CPU44は、特徴量抽出フラグに「1」がセットされた状態であると判断した場合(S3:YES)、原稿の表面の画像データから抽出した特徴量(以下、「抽出特徴量」という。)を頁番号「1」の基準特徴量として不揮発性メモリ48に記憶させ、原稿の裏面の画像データから抽出した抽出特徴量を頁番号「2」の基準特徴量として、それぞれ不揮発性メモリ48に記憶させる(S4)。
【0039】
その後、CPU44は、読取済みの原稿の頁数がセット頁数に到達したか否かを判断する(S5)。読取済みの原稿の頁数は、RAM43に設けられた頁数カウンタにより計数されている。CPU44は、読取済みの原稿の頁数がセット頁数に到達していないと判断した場合(S5:NO)、2枚目の原稿の表裏の読み取りを開始させる(S1)。そして、CPU44は、2枚目の原稿の表面および裏面の画像データからそれぞれ特徴量を抽出し(S2)、原稿の表面の抽出特徴量を頁番号「3」の基準特徴量として不揮発性メモリ48に記憶させ、原稿の裏面の抽出特徴量を頁番号「4」の基準特徴量として、それぞれ不揮発性メモリ48に記憶させる(S4)。こうして、ステップS1~S5の繰り返しにより、CPU44は、頁番号「5」以降の基準特徴量を不揮発性メモリ48に記憶させていく。
【0040】
CPU44は、読取済みの原稿の頁数がセット頁数に到達したと判断すると(S5:YES)、それまでに読み取られた画像データを頁順に一纏めにしたファイルを生成する(S6)。生成されたファイルは、ユーザにより指定された送信先に送信される。送信先は、PCであってもよいし、LAN経由で通信可能なインターネット上のサーバでもよいし、USBデバイスであってもよい。そして、CPU44は、特徴量抽出フラグに「1」がセットされた状態であるか否かを判断し(S7)、特徴量抽出フラグに「1」がセットされている状態であると判断した場合(S7:YES)、特徴量抽出フラグを「0」にリセットする(S8)。また、CPU44は、頁数カウンタの計数値を「0」にリセットする。
【0041】
その後、CPU44は、次の原稿の有無を判断する(S9)。供給トレイ3上の原稿が原稿センサ(図示せず)により検出されている場合、CPU44は、次の原稿があると判断して(S9:NO)、2セット目の原稿の読み取りを開始させる(S1)。CPU44は、次の原稿がないと判断した場合(S9:YES)、分割ファイル生成処理を終了する。
【0042】
2セット目以降の原稿の読み取り時には、特徴量抽出フラグが「0」にリセットされている。そのため、特徴量抽出フラグに「1」がセットされているか否かの判断ステップ(S3)において、CPU44は、特徴量抽出フラグに「1」がセットされていないと判断する(S3:NO)。この場合、CPU44は、原稿の表面の画像データから抽出した抽出特徴量がその画像データに対応する基準特徴量と一致するか否かを判断する(S10)。たとえば、各セットの1枚目の原稿の表面の画像データに対応する基準特徴量は、不揮発性メモリ48に頁番号「1」に対応づけて記憶されている基準特徴量である。したがって、1枚目の原稿の表面の抽出特徴量が頁番号「1」に対応づけられた基準特徴量と一致するか否かが判断される。
【0043】
また、原稿の読取開始の指示前に、ユーザがセット頁数を指定しなかった場合、特徴量抽出フラグが「0」にリセットされたままであるから、特徴量抽出フラグに「1」がセットされているか否かの判断ステップ(S3)において、CPU44は、特徴量抽出フラグに「1」がセットされていないと判断し(S3:NO)、1セット目から、原稿の表面の画像データから抽出した抽出特徴量がその画像データに対応する基準特徴量と一致するか否かを判断する(S10)。
【0044】
CPU44は、原稿の表面の抽出特徴量が対応する基準特徴量と一致すると判断した場合、原稿の裏面の抽出特徴量が対応する基準特徴量と一致するか否かを判断する。そして、CPU44は、原稿の表裏の各抽出量が基準特徴量と一致すると判断した場合には(S10:YES)、読取済みの原稿の頁数がセット頁数に到達したか否かを判断する(S5)。読取済みの原稿の頁数がセット頁数に到達していないと判断した場合(S5:NO)、次の原稿の表裏の読み取りを開始させ(S1)、その原稿の表裏の各抽出量が基準特徴量と一致するか否かを判断する。
【0045】
こうして、CPU44は、ステップS1~S3→S10→S5→S1のループを繰り返されて、各抽出特徴量が基準特徴量と一致すると判断し、読取済みの原稿の頁数がセット頁数に到達したと判断すると(S5:YES)、それまでに読み取られた画像データを一纏めにしたファイルを生成する(S6)。そして、CPU44は、特徴量抽出フラグに「1」がセットされた状態であるか否かの判断を否定して(S7:NO)、次の原稿の有無を判断する(S9)。CPU44は、次の原稿があると判断して(S9:NO)、新たなセットの原稿の読み取りを開始させる(S1)。CPU44は、次の原稿がないと判断した場合(S9:YES)、分割ファイル生成処理を終了する。
【0046】
CPU44は、抽出特徴量が基準特徴量と一致するか否かの判断ステップ(S10)において、抽出特徴量が基準特徴量と一致しないと判断した場合(S10:NO)、操作パネル51にエラー画面を表示させる(S11)。エラー画面には、抽出特徴量が基準特徴量と一致しない頁をユーザが特定可能な情報が含まれる。また、エラー画面には、たとえば、ユーザにファイルの生成を中止するか否かを問い合わせるメッセージとともに、中止を指示する中止ボタン、抽出特徴量が基準特徴量と一致しない頁からの読み取りの再開を指示する継続ボタン、抽出特徴量が基準特徴量と一致しない頁が含まれる次のセットからの読み取りの再開を指示する次セット読取ボタンが表示される。CPU44は、中止ボタン、継続ボタンまたは次セット読取ボタンのいずれかが押操作されるまで、分割ファイル生成処理を進めない。
【0047】
CPU44は、エラー画面における中止ボタンの押操作によりファイルの生成の中止が指示されたと判断した場合(S12:YES)、分割ファイル生成処理を終了する。分割ファイル生成処理の終了後、分割ファイル生成処理で読み取られた画像データがRAM43に残っている場合、その画像データは破棄される。
【0048】
CPU44は、ファイルの生成の中止が指示されていないと判断した場合(S12:NO)、次のセットからの読み取りの再開が指示されたか否かを判断する(S13)。CPU44は、次セット読取ボタンが押操作されて、次のセットからの読み取りの再開が指示されたと判断した場合、抽出特徴量が基準特徴量と一致しない頁が含まれるセットの画像データ、つまりセットの途中の頁までの画像データを破棄して(S14)、画像の読み取りを再開させる(S1)。この場合、ユーザは、次セット読取ボタンの押操作の前に、次のセット以降の原稿を供給トレイ3上にセットし直す必要がある。
【0049】
CPU44は、継続ボタンが押操作されて、次のセットからの読み取りの再開が指示されていないと判断した場合(S13:NO)、抽出特徴量が基準特徴量と一致しない頁の画像データ、つまり最後に読み取られた画像データを破棄して(S15)、画像の読み取りを再開させる(S1)。この場合、ユーザは、次セット読取ボタンの押操作の前に、抽出特徴量が基準特徴量と一致しない頁が含まれる原稿を供給トレイ3上にセットし直す必要がある。
【0050】
こうして、供給トレイ3上のすべての原稿が読み取られて、CPU44は、次の原稿がないと判断した場合(S9:YES)、分割ファイル生成処理を終了する。
【0051】
<特徴量抽出>
抽出特徴量は、図5に示される手順で画像データから抽出される。
【0052】
ASIC41のCPU44は、図6に示されるように、原稿の1頁の画像を格子状に複数のブロックに分割する(S21)。そして、CPU44は、各ブロックについて、Y成分(輝度成分)のヒストグラム、Cb成分(色差データ)のヒストグラムおよびCr成分(色差データ)のヒストグラムを作成する(S22)。
【0053】
その後、CPU44は、各ブロックについてのY成分の最頻値を求める。CPU44は、ブロック内の全画素数に対する最頻値の割合が閾値を超えている場合、そのブロックを単色ブロックと判定し、閾値を超えていない場合、そのブロックを多色ブロックと判定する(S23)。たとえば、ほぼ白一色のブロックは、Y成分の最頻値が255近傍に集中する。したがって、そのY成分の最頻値が255近傍のブロックは、白紙判定データの一例である。
【0054】
図6に示される画像の場合、(縦,横)=(1,6)~(1,8)、(2,5)~(2,8)、(3,5)~(3,8)、(4,5)~(4,8)、(6,2)~(6,7)、(7,2)~(7,7)、(8,2)~(8,7)、(9,2)~(9,7)のブロックが多色ブロックと判定される。
【0055】
また、CPU44は、各ブロックについての色数判定を行う(S24)。YCbCr色空間では、Cb成分の値およびCr成分の値の範囲をそれぞれ0~255としたときに、Cb成分の値およびCr成分の値がそれぞれほぼ中間の値(=127)の近傍である画素の色が無彩色に近くなる。そこで、CPU44は、各ブロックについて、Cb成分のヒストグラムおよびCr成分のヒストグラムを参照して、Cb成分の値が無彩色範囲内である無彩色画素数およびCr成分の値が無彩色範囲内である無彩色画素数を求め、ブロック内の全画素数に対する各無彩色画素数の割合の一方が閾値を超えていない場合、そのブロックをカラーブロックと判定する。CPU44は、ブロックがカラーブロックではないと判定した場合、そのブロックがモノクロブロックであるかグレーブロックであるかを判定する。YCbCr色空間では、Y成分の値、Cb成分の値およびCr成分の値の範囲をそれぞれ0~255としたときに、Cb成分の値およびCr成分の値がそれぞれほぼ中間の値(=127)に近いとき、Y成分の値が0に近いほど、画素の色が黒に近づき、Y成分の値が255に近いほど、画素の色が白に近づく。そこで、カラーブロック以外のブロックについて、Y成分のヒストグラムを参照し、ブロック内の全画素数に対するY成分の値が一定の範囲内である画素数の割合が閾値以下である場合、そのブロックをモノクロブロックであると判定し、閾値を超えている場合、そのブロックをグレーブロックと判定する。
【0056】
図6に示される画像の場合、(縦,横)=(1,6)~(1,8)、(2,5)~(2,8)、(3,5)~(3,8)、(4,5)~(4,8)のブロックがカラーブロックと判定され、(縦,横)=(6,2)~(6,7)、(7,2)~(7,7)、(8,2)~(8,7)、(9,2)~(9,7)のブロックがモノクロブロックと判定される。
【0057】
なお、図6に示される画像に示されている絵図は、カラー写真を模式的に描いたものである。
【0058】
すべてのブロックについての単色判定および色数判定が完了すると(S25:YES)、CPU44は、頁内の全ブロック数に対する単色ブロックの割合が閾値を超え、かつ、各ブロックについてのY成分の最頻値のばらつきが閾値を超えない場合、その頁が白紙の頁であると判定する(S26:白紙判定)。
【0059】
図6に示される画像の場合、全104ブロックに対して多色ブロックが40ブロックあるので、その画像の頁がカラー頁と判定される。
【0060】
また、CPU44は、頁内の全ブロック数に対するカラーブロックの割合が閾値を超えている場合、その頁がカラー頁であると判定する。さらに、CPU44は、頁内の全ブロック数からカラーブロックの数を差し引いたブロック数に対するグレーブロックの割合が閾値を超える場合、その頁がグレー頁であると判定し、それ以外の場合には、その頁がモノクロ頁と判定する(S26:色数判定)。
【0061】
図6に示される画像の場合、全104ブロックに対してカラーブロックが16ブロックあるので、その画像の頁がカラー頁と判定される。
【0062】
その後、CPU44は、原稿の1頁におけるコンテンツの有無を判定する(S27)。このコンテンツ判定では、CPU44は、頁内のカラーブロック、モノクロブロック、グレーブロックのばらつきを判定する。具体的には、CPU44は、頁内でカラーブロックが一定数縦横に連続して存在する領域を探す。そして、その領域で連続するカラーブロックの個数が閾値を超え、かつ、領域内の各ブロックについてのY成分の最頻値のばらつきが閾値を超える場合は、その領域に写真があると判定する。また、頁内でモノクロブロックが一定数縦横に連続して存在する場所を探す。そして、その領域で連続するモノクロブロックの個数が閾値を超える場合、その領域に文章があると判定する。
【0063】
図6に示される画像の場合、(縦,横)=(1,6)~(1,8)、(2,5)~(2,8)、(3,5)~(3,8)、(4,5)~(4,8)のブロックが連続したカラーブロックであり、かつ、そのカラーブロックの領域における各ブロックのY成分の最頻値がばらついているので、その領域が写真と判定される。(縦,横)=(6,2)~(6,7)、(7,2)~(7,7)、(8,2)~(8,7)、(9,2)~(9,7)のブロックが連続したモノクロブロックであるため、そのモノクロブロックの領域が文章領域であると判定される。写真領域および写真領域の位置およびサイズは、頁の特徴量情報として、不揮発性メモリ48に記憶される(S28)。
【0064】
<作用効果>
この構成によれば、原稿の各頁が読み取られて、その読み取られた各頁の画像データから特徴量が抽出される。一方、不揮発性メモリ48には、複数の頁の並びが同一のパターンで繰り返される原稿について、そのパターンに含まれる各頁の基準特徴量とその並びの順とが記憶されている。
【0065】
そして、各頁の画像データからの抽出特徴量が不揮発性メモリ48に予め記憶されている各頁の基準特徴量と一致し、かつ、頁の順が不揮発性メモリ48に予め記憶されている並びの順と一致するか否かが判断される。各頁の画像データからの抽出特徴量が不揮発性メモリ48に予め記憶されている各頁の特徴と一致し、かつ、頁の順が不揮発性メモリ48に予め記憶されている並びの順と一致した場合、一致した頁の画像データを並びの順に一つに纏めたファイルが生成される。
【0066】
一方、いずれかの頁の画像データからの抽出特徴量がその頁に対応する基準特徴量と一致しないか、または、頁の順が不揮発性メモリ48に予め記憶されている並びの順と一致しないか、あるいは、その両方である場合には、エラー画面が操作パネル51に表示される。これにより、原稿の並べ間違えや入れ忘れ、頁の読み飛ばしなどの問題が発生した場合に、その問題の発生によるエラーをユーザに通知することができる。
【0067】
さらに、その場合、少なくとも抽出特徴量が基準特徴量と一致しない頁の画像データは、破棄されて、ファイルに含められることがない。そのため、ユーザがファイルから不要な画像データを特定して削除する手間が省かれる。
【0068】
また、エラー画面が操作パネル51に表示された場合、ユーザは、ファイルの生成を中止するか、抽出特徴量が基準特徴量と一致しない頁からの読み取りを再開するか、または、抽出特徴量が基準特徴量と一致しない頁が含まれる次のセットからの読み取りを再開するかを選択することができる。これにより、ユーザの要求に応えることができ、ユーザにとっての利便性の向上を図ることができる。
【0069】
さらに、原稿の読取開始の指示前に、ユーザがセット頁数を指定した場合には、1セット目の各頁の画像データから抽出される特徴量が基準特徴量として不揮発性メモリ48に記憶される。これにより、基準特徴量を不揮発性メモリ48に別途記憶させる処理が不要となるので、ユーザにとっての利便性がさらに向上する。
【0070】
また、画像データからの特徴量の抽出には、白紙判定および色数判定用のデータが使用されるので、白紙判定および色数判定が行われる装置では、画像データからの特徴量の抽出がCPU44に大きな負担となることを抑制できる。
【0071】
<補正処理>
前述の分割ファイル生成処理では、CPU44は、抽出特徴量が基準特徴量と一致するか否かの判断ステップ(S10)において、抽出特徴量が基準特徴量と一致しないと判断されると(S10:NO)、エラー画面が操作パネル51に表示される(S11)。
【0072】
しかし、図7に示されるように、CPU44は、抽出特徴量が基準特徴量と一致しないと判断した場合に(図S10:NO)、エラーの解消を試みた後に(S~S)、エラー画面を操作パネル51に表示させてもよい(S11)。エラーが解消されることにより、ユーザが原稿をセットし直す手間を省くことができ、ユーザにとっての利便性がさらに向上する。
【0073】
具体的には、CPU44は、画像データからの抽出特徴量が基準特徴量と一致しないと判断した場合、その画像データに対して画像を90°、180°および270°回転させる回転処理を施す(S31)。そして、CPU44は、回転処理後の画像データから特徴量を抽出し、その抽出特徴量が基準特徴量と一致するか否かを判断する(S32)。CPU44は、抽出特徴量が基準特徴量と一致すると判断した場合(S32:YES)、回転処理後の画像データをRAM43に保存する(S33)。この場合、ファイルには、回転処理後の画像データが含められる。その後、CPU44は、読取済みの原稿の頁数がセット頁数に到達したか否かを判断する(S5)。
【0074】
CPU44は、回転処理後の画像データからの抽出特徴量が基準特徴量と一致しないと判断した場合(S32:NO)、画像データからの抽出特徴量が別頁に対応する基準特徴量のいずれかと一致するか否かを判断する(S34)。そして、CPU44は、抽出特徴量が別頁に対応する基準特徴量のいずれかと一致すると判断した場合(S34:YES)、その抽出特徴量に係る画像データを抽出特徴量と一致した基準特徴量に対応する頁の画像データとして、ファイルに一纏めにされる画像データの並び順(頁順)を編集する(S35)。その後、CPU44は、読取済みの原稿の頁数がセット頁数に到達したか否かを判断する(S5)。
【0075】
CPU44は、抽出特徴量が別頁に対応する基準特徴量のいずれとも一致しないと判断した場合(S34:NO)、エラー画面を操作パネル51に表示させる(S11)。
【0076】
<変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、他の形態でも実施することができる。
【0077】
たとえば、前述の実施形態では、基準特徴量が不揮発性メモリ48に記憶されているとしたが、画像読取装置1とLAN経由で通信可能に接続されたサーバに記憶されていてもよい。
【0078】
また、抽出特徴量が基準特徴量と一致しないと判断された場合に操作パネル51に表示されるエラー画面には、その抽出特徴量が基準特徴量と一致しない頁が含まれるセットの1頁目の画像のサムネイルが含まれてもよい。これにより、ユーザが抽出特徴量が基準特徴量と一致しない頁が含まれるセットを特定しやすくなる。
【0079】
前述の実施形態では、CPU44が各処理を実行する場合について説明した。しかしながら、ASIC41が複数のCPUを備え、複数のCPUが協働して各処理を実行してもよい。
【0080】
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0081】
1:画像読取装置
25:第1CIS
26:第2CIS
44:CPU
48:不揮発性メモリ
51:操作パネル
52:表示部
53:操作部
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7