(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-17
(45)【発行日】2022-10-25
(54)【発明の名称】鞄カバー及びカバー付き鞄
(51)【国際特許分類】
A45F 3/04 20060101AFI20221018BHJP
【FI】
A45F3/04 400S
(21)【出願番号】P 2018225981
(22)【出願日】2018-11-30
【審査請求日】2021-10-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【氏名又は名称】赤澤 一博
(72)【発明者】
【氏名】石田 明美
【審査官】石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3195160(JP,U)
【文献】登録実用新案第3144429(JP,U)
【文献】米国特許第9474355(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45F 3/04
A45F 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面が開放された鞄本体と、この鞄本体に基端を支持させて当該鞄本体の上面及び正面を覆うかぶせと、このかぶせの先端部内面と前記鞄本体の正面との間に設けられた錠前とを備えた鞄に使用されるかぶせ被覆用の鞄カバーであって、前記錠前の操作部に対応する部位に切り欠きを設けた鞄カバー。
【請求項2】
前記錠前の一部が正面視において露出している鞄のかぶせに被着される請求項1記載の鞄カバー。
【請求項3】
前記鞄が、その錠前の操作部の少なくとも一部を前記かぶせの先端より外側に突出させたものであり、
前記切り欠きが前記操作部の突出部分に対応させて設けられている請求項2記載の鞄カバー。
【請求項4】
前記鞄が、前記かぶせの先端側の外面に前記錠前を施錠する際の指掛けとなる突出部を備えたものであり、
前記突出部の上方近傍に位置する部位に凹部を形成している1、2又は3記載の鞄カバー。
【請求項5】
前記かぶせの外面に添接されるカバー本体と、このカバー本体の先端部内面側にポケットを形成すべく設けられた裏当て部とを備え、そのポケットに前記かぶせの先端部を挿入した状態で当該かぶせに装着されるものであって、その下縁に前記切り欠きを設けている請求項3記載の鞄カバー。
【請求項6】
上面が開放された鞄本体と、この鞄本体に基端を支持させて当該鞄本体の上面及び正面を覆うかぶせと、このかぶせの先端部内面と前記鞄本体の前面との間に設けられた錠前とを備えた鞄に、前記かぶせの外面を覆う鞄カバーを装着したカバー付き鞄であって、前記鞄カバーが、前記錠前の操作部に対応する部位に切り欠きを有したものであるカバー付き鞄。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鞄カバー、及びその鞄カバーを装着したカバー付き鞄に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、上面が開放されたランドセル本体と、このランドセル本体の上面及び正面を開閉可能に覆うかぶせと、このかぶせの外面に被着されたかぶせ被覆用のカバーとを備えたランドセルが知られている。かかるランドセルは、かぶせの先端からベロが延出させてあり、このベロの先端部をランドセル本体の下面に錠前を介して止着することによって前記かぶせを開かないようにロックしておくことができるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところで、近時、上面が開放されたランドセル本体と、このランドセル本体に基端を支持させて当該ランドセル本体の上面及び正面を覆うかぶせと、このかぶせの先端部内面と前記ランドセル本体の前面との間に設けられた錠前とを備えた新しい構造のランドセル(以下、「フロントロックタイプのランドセル」と称する場合がある)が開発されている。
【0004】
このようなフロントロックタイプのものは、前記かぶせの先端部内面側に錠前が存在するため、前述した従来タイプのカバーではこの形態に対応することができず、何らかの対策が望まれている。
【0005】
そして、ランドセル以外の鞄においても同様な課題が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、フロントロックタイプのランドセル等の鞄における特有の課題、すなわち、かぶせを被覆し保護することが難しいという課題を解消しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明に係る鞄カバーは、上面が開放された鞄本体と、この鞄本体に基端を支持させて当該鞄本体の上面及び正面を覆うかぶせと、このかぶせの先端部内面と前記鞄本体の正面との間に設けられた錠前とを備えた鞄に使用されるかぶせ被覆用の鞄カバーであって、前記錠前の操作部に対応する部位に切り欠きを設けたものである。
【0009】
請求項2記載の発明に係る鞄カバーは、請求項1記載のものにおいて、前記錠前の一部が正面視において露出している鞄のかぶせに被着されるものである。
【0010】
請求項3記載の発明に係る鞄カバーは、請求項2記載のものにおいて、前記鞄が、その錠前の操作部の少なくとも一部を前記かぶせの先端より外側に突出させたものであり、前記切り欠きが前記操作部の突出部分に対応させて設けられているものである。
【0011】
請求項4記載の発明に係る鞄カバーは、請求項1、2又は3記載のものにおいて、前記鞄が、前記かぶせの先端側の外面に前記錠前を施錠する際の指掛けとなる突出部を備えたものであり、前記突出部の上方近傍に位置する部位に凹部を形成しているものである。
【0012】
請求項5記載の発明に係る鞄カバーは、請求項3記載のものにおいて、前記かぶせの外面に添接されるカバー本体と、このカバー本体の先端部内面側にポケットを形成すべく設けられた裏当て部とを備え、そのポケットに前記かぶせの先端部を挿入した状態で当該かぶせに装着されるものであって、その下縁に前記切り欠きを設けているものである。
【0013】
請求項6記載の発明に係るカバー付き鞄は、上面が開放された鞄本体と、この鞄本体に基端を支持させて当該鞄本体の上面及び正面を覆うかぶせと、このかぶせの先端部内面と前記鞄本体の前面との間に設けられた錠前とを備えた鞄に、前記かぶせの外面を覆う鞄カバーを装着したカバー付き鞄であって、前記鞄カバーが、前記錠前の操作部に対応する部位に切り欠きを有したものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、フロントロックタイプのランドセル等の鞄における特有の課題、すなわち、かぶせを被覆し保護することが難しいという課題を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態に係るカバー付きランドセルを示す全体斜視図。
【
図2】同実施形態に係るランドセルと鞄カバーとをそれぞれ分離して示す斜視図。
【
図3】同実施形態に係るランドセルへの鞄カバーの取付態様を示す図。
【
図4】同実施形態に係るランドセルの正面側及び鞄カバーの背面側を示す図。
【
図6】同実施形態に係るランドセルへの鞄カバーの取付態様を示す要部拡大図。
【
図7】同実施形態に係るカバー付きランドセルの要部を示す拡大正面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本実施形態は、本発明を鞄の一つであるランドセルRに適用した場合のものである。
【0017】
このランドセルRは、
図1~
図3に示すように、上面が開放された鞄本体1と、この鞄本体1に基端2aを支持させて当該鞄本体1における上面1uの開口部10及び正面1fを覆うかぶせ2と、このかぶせ2の先端部21内面と前記鞄本体1の前面1fとの間に設けられた錠前3とを備えたものである。
【0018】
鞄本体1は、
図1~
図4に示すように、大マチ部11と小マチ部13と前ポケット15とを備えた箱状のもので、上面1uに開口部10を有しており、背当て側にショルダーベルト17が設けられている。そして、ショルダーベルト17の上端部近傍には、鞄カバーC等を取り付けるためのリング状の掛止具19が設けられている。この鞄本体1は、通常の構成のものであるため、詳細な説明は省略する。
【0019】
かぶせ2は、鞄本体1の開口部10を開閉すべく設けられたもので、錠前3を介してその先端2b側を鞄本体1に係脱させ得るようになっている。
【0020】
錠前3は、
図4~
図9に示すように、かぶせ2の内側に設けられたかぶせ側の錠前要素4と、鞄本体1に設けられた本体側の錠前要素5とを備えている。
【0021】
かぶせ側の錠前要素4は、
図4~
図6に示すように、対をなすフック41と、これらフック41を先端側が接離する方向に回動可能に支持するかぶせ側の支持ハウジング43とを具備してなる。
【0022】
各フック41は、主に
図6に示すように、図示しない基端部が支持ハウジング43に軸支された板状のもので、中間部の外側縁に本体側の錠前要素5に係合する係合部45を一体に有するとともに、先端部の外側縁に操作部47を一体に備えている。係合部45は、施錠時に後述する本体側の錠前要素5のゲート51に案内されてフック41を相寄る方向に付勢するための傾斜案内縁45aと、施錠完了時にゲート51の下縁に係合する係合縁45bとを有するものである。操作部47は、フック41の先端外側縁からほぼ直角に延出するもので、これら両操作部47をつまむことにより両フック41を図示しないばねの付勢力に抗して相寄る方向に回動させることができるようになっている。そして、操作部47の一部が、かぶせ2の先端2bより外側に突出している。換言すれば、操作部47は、その先端側にかぶせ2の先端2bより外側に突出する突出部分47tを有している。
【0023】
支持ハウジング43は、両フック41の基端部及びこれら両フック41を離間する方向に弾性付勢する図示しないばねを包持するもので、両フック41の係合部45及び操作部47が外部に露出させてある。支持ハウジング43の上端部両側には、当該かぶせ側の錠前要素4をかぶせ2に止着するための取付台座49が設けられている。
【0024】
以上説明したかぶせ側の錠前要素4は、前記かぶせ2の外側に配したかぶせプレート6と協働して前記かぶせ2の内側に取り付けられている。すなわち、この錠前3は、
図6に示すように、かぶせ2の内側に配したかぶせ側の錠前要素4と、この錠前要素4に対応させてかぶせ2の外側に配したかぶせプレート6とをリベットS等の止着具を介して相互に結合したものである。かぶせプレート6は、錠前3を施錠する際に指をかける縁すなわち上縁6aを他の縁よりも厚くした板状のものである。このかぶせプレート6の両端部に貫通させたリベットSは、かぶせ2を貫通して支持ハウジング43の取付台座49に挿通させてあり、その挿通端をかしめることにより、これらかぶせプレート6とかぶせ側の錠前要素4とを結合している。
【0025】
一方、本体側の錠前要素5は、
図6に示すように、ゲート51と、このゲート51を支持する本体側の支持体53と、これらゲート51及び支持体53と
の間に形成され前記かぶせ側の錠前要素4を受け入れる挿入口55とを具備してなる。
【0026】
前記ゲート51は、
図6に示すように、正面側の壁部51aと、この正面側の壁部51aの両端に連続して設けられた側面側の壁部51bとを備えたもので、これら壁部51a、51bに囲まれた空間が挿入口55として機能している。なお、両側面側の壁部51bの先端側の縁すなわち下縁は、施錠状態でフック41の係合部45の係合縁45bと係合する。そして、その係合状態から対をなす操作部47をつまむことにより、フック41の係合部45の係合縁45bと両側面側の壁部51bの下縁との係合状態を解除できるようになっている。換言すれば、この錠前3は、対をなす操作部47をつまむことにより、当該錠前3の係脱を操作し得るようにしたものである。
【0027】
以上説明したランドセルRに、本発明に係る鞄カバーCを装着している。
【0028】
すなわち、この鞄カバーCは、上面が開放された鞄本体1と、この鞄本体1に基端2aを支持させて当該鞄本体1の上面1u及び正面1fを覆うかぶせ2と、このかぶせ2の先端部21内面と前記鞄本体1の正面1fとの間に設けられた錠前3とを備えたランドセルRに使用されるものであって、前記錠前3の操作部47に対応する部位に切り欠きKが設けられている。
【0029】
詳述すれば、この鞄カバーCは、
図2~
図4及び
図6~
図16に示すように、かぶせ2の外面に添接されるカバー本体7と、このカバー本体7の先端部内面側にポケット9を形成すべく設けられた裏当て部8とを備え、そのポケット9にかぶせ2の先端部2bを挿入した状態で当該かぶせ2に装着されるものであって、その下縁Caに前記切り欠きKを備えている。
【0030】
カバー本体7は、主に
図10~
図16に示すように、かぶせ2の外面全域を覆い得る面積を有したメインシート71と、このメインシート71の上端部内面に添設された上補強シート73と、メインシート71における下端部内面の中央部分に添設された下補強シート75とを備えたもので、これらメインシート71、上補強シート73、及び下補強シート75は、それぞれポリ塩化ビニル(PVC)等の透明シート素材を用いて構成されている。上補強シート73の上縁部73a、左右の側縁部73b、及び下縁部73cは、段押し加工等によりメインシート71に溶着されている。また、下補強シート75の上縁部75a、左右の側縁部75b、及び下縁部75cは、段押し加工等によりメインシート71に溶着されており、その下縁部75c及び対応するメインシート71の下縁部に切り欠き部Kが形成されている。
【0031】
また、このカバー本体7には、鞄カバーCをランドセルRに取付けるための取付部材77が設けられており、カバー本体7には、ランドセルRのかぶせ2を鞄本体1に係合させ易くするための凹部7aが形成されている。取付け部材77は、
図3、
図10及び
図11に示すように、ボタン77aと、このボタン77aとともに基端部をカバー本体7の上端部中央に取付けられた取付帯77bとを備えたもので、取付帯77bの先端部には、ボタン77aに係脱可能なスリット77cが形成されている。
【0032】
裏当て部8は、カバー本体7との間に上方に開放されたポケット9を形成するためのもので、主に
図10~
図16に示すように、カバー本体7の内面側に配される裏当てシート81と、この裏当てシート81をメインシート71に強固に連接するための折り返し部分83とを備えている。裏当てシート81は、例えばメインシート71と同じポリ塩化ビニル(PVC)等の透明シート素材を用いて構成されたもので、左右の側縁部81b及び下縁部81cが段押し加工等によりメインシート71に溶着されている。裏当てシート81の左右方向中央には、かぶせ側錠前要素4の主要部を露出させるための窓81aが形成されている。この実施形態では、窓81aは、カバー本体7の下補強シート75と同じ略正方形状のものであり、窓81aを形成する際に切り取られたシート端材を下補強シート75として利用している。折り返し部分83は、メインシート71の端から一体に延出させた舌片と裏当てシート81の端から延出させた舌片とを重ね合わせて溶着するとともにそれら舌片を裏当てシート81の裏面側に折り返して当該裏当てシート81にも溶着したものである。なお、
図4、
図6及び
図11において、わかりやすくするためにこの裏当て部8にパターンを付している。
【0033】
以上説明した鞄カバーCは、下端側に設けられたポケット9にランドセルRのかぶせ2の先端部21を挿入した上で上端側に設けられた取付部材77をランドセルRのリング状の掛止部19に掛け止めすることによってかぶせ2の外面に装着することができる。詳述すれば、かぶせ2をポケット9の奥にまで挿入すると、鞄カバーCの下端部でかぶせ2の下端部を覆うことができるとともに、かぶせ2の内面に装着されたかぶせ側錠前要素4が窓81aを通して鞄ケースC外に露出することになり、錠前3としての本来の機能を発揮し得るようになる。そして、その鞄カバーCをかぶせ2の外面に添接させて取付部材77の取付帯77bを掛止具19に挿通させ、その挿通端部に形成されているスリット77cにボタン77aを係合させることによって、当該鞄カバーCのランドセルRへの装着が完了する。
【0034】
装着状態においては、鞄カバーCの下縁Caに設けた切り欠きKが錠前3の操作部47に対応するように位置づけられるとともに、線状の凹部7aがかぶせ2のかぶせプレート6の上方近傍に位置することになる。そのため、ランドセルRは、鞄カバーCを装着していない場合に準じた操作により、かぶせ2の先端部21を錠前3を介して鞄本体1の正面1fに装脱可能に係合させることができる。すなわち、鞄カバーCの下端部にはかぶせプレート6の上方近傍に位置させて凹部7aが設けてあるため、
図8に示すように、カバー本体7の凹部7aからかぶせプレート6の上縁6aまでの間の部分7bが他の部分に比べて急傾斜となる。そのため、
図8に示すように、この急傾斜部分7bに指をかけてかぶせ2の先端部21を下方に付勢して施錠することができる。具体的には、
図17(a)に示す開錠状態からかぶせ2の先端部21を下方に付勢すると、錠前3のかぶせ側錠前要素4の先端側が本体側錠前要素5のゲート51の挿入口55に挿入される。この状態からかぶせ側の錠前要素4を下方に移動させて本体側の錠前要素5に深く挿入していくと、
図17の(b)に示すように、係合部45の傾斜案内縁45aの案内作用により、両フック41が相寄る方向に回動させられるようになる。そして、さらにかぶせ側の錠前要素4を下方に移動させると、
図17の(c)に示すように、かぶせ側の錠前要素4のフック41に設けられた係合部45が本体側の錠前要素5のゲート51を通過し終わることになり、側面側の壁部51bによる拘束が解かれて両フック41が図示しないばねの付勢力により一気に離間方向に回動することになり、これら両フック41の係合部45における係合縁45bがゲート51の側面側の壁部51bの下縁に係合して施錠状態となる。
【0035】
この施錠状態から
図17の(c)に示すように、両操作部47をつまんで両フック41を相寄る方向に操作すると、両フック41の係合部45がゲート51内に収まる位置に没入する。そのため、この操作状態を維持したままかぶせ側の錠前要素4を上方に抜き上げることにより、錠前3を解錠することができる。
【0036】
この実施形態では、鞄カバーCにおける錠前3の操作部47に対応する部位に切欠きKを設けているため、鞄カバーCを装着しても錠前3の操作部47に対する操作を円滑に行うことができる。
【0037】
特に、この実施形態では、前記錠前3の一部が正面視において露出している、具体的にはその錠前3の操作部47の少なくとも一部(突出部分47t)を前記かぶせ2の先端2bより外側に突出させたものであるので、その突出部分47tに対応させてカバーCに比較的小さな切欠きKを設けるだけで錠前3の操作性が悪化するのを防止することができる。
【0038】
さらに、ランドセルRのかぶせ2の下部に押し込みのための突出部が備えられている、換言すれば、ランドセルRが、かぶせ2の先端側の外面に錠前3を施錠する際の指掛けとなる突出部であるかぶせプレート6を備えたものであるので、
図9に示すように、かぶせプレート6に対応する巾方向位置において、底面視で鞄カバーCの先端面、すなわち切り欠きKに対応する部位がかぶせ2の対応する部位からかぶせ2の厚さ方向に離間した状態となり、操作部47に対する操作が鞄カバーCにより妨げられない。
【0039】
その上、鞄カバーCが、かぶせプレート6の上方近傍に位置する部位に凹部7aを形成したものであるため、かぶせ2の先端部21を下方に付勢して施錠操作をするのも従来に準じた態様で行うことが可能になる。すなわち、カバー本体7の凹部7aからかぶせプレート6の上縁6aまでの間の部分7bが他の部分に比べて急傾斜となるので、その急傾斜部分7bに指を掛けてかぶせ2の先端部21を下方に付勢して施錠操作を行うことができる。
【0040】
また、鞄カバーCは、かぶせ2の外面に添接されるカバー本体7と、このカバー本体7の先端部内面側にポケット9を形成すべく設けられた裏当て部8とを備え、そのポケット9にかぶせ2の先端部21を挿入した状態で当該かぶせ2に装着され、その下縁Caに切り欠きKを設けているので、フロントロックタイプのランドセルRにこのような鞄カバーCを装着しても錠前3の操作に不具合を生じることがない。換言すれば、本実施形態のカバーC付きランドセルRによれば、フロントロックタイプのものにもかかわらず、かぶせ2の外面を保護する鞄カバーCを装着しても錠前3の操作に不具合を生じることがない。
【0041】
なお、本発明は以上に述べた実施形態に限らない。
【0042】
例えば、ランドセル以外の鞄に本発明を適用してもよい。
【0043】
また、上述した実施形態では、操作部の一部をかぶせの先端よりも外側に突出させているが、操作部の全体をかぶせの先端よりも突出させてもよい。このようなものであっても、操作部が先端に設けられており、この操作部が鞄カバーの切欠きよりも外側に位置することとなるため、錠前の操作に不具合を生じることがない。
【0044】
そして、上述した実施形態では、切欠きが操作部の先端部のみを露出させるような深さ寸法を有しているが、操作部の全体を露出させるような深さ寸法の切欠きを設けてももちろんよい。
【0045】
その他、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々に変形してよい。
【符号の説明】
【0046】
R…鞄(ランドセル)
1…鞄本体
1u…鞄本体の上面
1f…鞄本体の正面
2…かぶせ
2a…かぶせの基端
2b…かぶせの先端
3…錠前
47…操作部
47t…操作部の突出部分
6…突出部(かぶせプレート)
C…鞄カバー
Ca…鞄カバーの下縁
7…カバー本体
7a…凹部
8…裏当て部
9…ポケット
K…切り欠き