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  • 特許-流体圧回路装置および車両 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-17
(45)【発行日】2022-10-25
(54)【発明の名称】流体圧回路装置および車両
(51)【国際特許分類】
   F15B 1/033 20060101AFI20221018BHJP
   B66F 9/22 20060101ALI20221018BHJP
【FI】
F15B1/033
B66F9/22 X
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019176716
(22)【出願日】2019-09-27
(65)【公開番号】P2021055693
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2021-10-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 佑輔
(72)【発明者】
【氏名】岡 祐介
(72)【発明者】
【氏名】竹本 翔一
【審査官】松浦 久夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-190518(JP,A)
【文献】特開平1-261200(JP,A)
【文献】特開2008-45578(JP,A)
【文献】特表2017-530301(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F15B 1/033
B66F 9/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を高圧状態で貯留するアキュムレータと、
前記アキュムレータとシリンダーの第1チャンバーとを接続する連通路と、
前記シリンダーの第2チャンバーに連通し、ポンプとしての機能とモータとしての機能を切り替え可能な第1作動部と、
前記第1作動部をポンプとして機能させて、流体が外部から前記第2チャンバーに供給されるとともに、前記第1チャンバー内の流体が前記連通路を介して前記アキュムレータに排出されることで、前記シリンダーのピストンが一方向に移動し、前記第1作動部をモータとして機能させて、前記流体がアキュムレータから前記連通路を介して前記第1チャンバーに供給されるとともに、前記第2チャンバー内の流体が外部に排出されることで、前記シリンダーのピストンが他方向に移動する制御を実行する制御部と、
を備える、
流体圧回路装置。
【請求項2】
前記連通路の内部圧力を調整する圧力調整弁をさらに備える、
請求項1に記載の流体圧回路装置。
【請求項3】
請求項1または2のいずれか一項に記載の流体圧回路装置を備える車両。
【請求項4】
前記車両は、フォークを前傾、後傾、上昇および下降するフォークリフトであり、
前記制御部は、前記第1作動部をポンプとして機能させることで、前記フォークが前傾及び後傾の一方の動作をし、前記第1作動部を前記モータとして機能させることで、前記フォークが前傾及び後傾の他方の動作をする制御を実行する、
請求項3に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、流体圧回路装置および車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、油圧回路装置は、例えば、油を吐出するメインポンプと、リフトやチルト用の油圧シリンダーと、メインポンプと油圧シリンダーとを接続する油路と、油路を開閉する流量調整弁とを備えている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
上記の油圧回路装置は、例えば、フォークリフトに搭載される。メインポンプから吐出される油が流量制御弁を介して、油圧シリンダーに供給されることにより、フォークリフトの爪が上下及びチルト操作される。
【0004】
また、バッテリーを搭載するバッテリーフォークリフトにおいては、フォークリフトは電動モータで走行する。一方、燃料を搭載し内燃機関を動力源とするエンジンフォークリフトにおいては、フォークリフトは、トルクコンバータと減速歯車で走行する。また、油圧ポンプと油圧モータを用いた無段変速機(Hydrostatic Transmission:HST)で走行する。
【0005】
このようなバッテリーフォークリフトやエンジンフォークリフトにおいては、高効率かつ高応答で、1台のポンプモータから複数の独立した吐出ポートを持つマルチサービスポンプモータを搭載したフォークリフトの開発が進んでいる。
【0006】
このようなマルチサービスポンプモータでフォークリフトを構成する場合、例えば、リフト用油圧ピストンシリンダー、チルト用油圧ピストンシリンダーの前傾側ピストンチャンバー、および、チルト用油圧ピストンシリンダーの後傾側ピストンチャンバーと、これらを操作するための3つの独立した吐出ポートを持つマルチサービスポンプモータが必要となる。この場合マルチサービスポンプモータは、3つのサービスを有する。以下の説明では、サービスを「作動部」という場合がある。
【0007】
さらに、フォークリフトにおいては、HSTで走行する場合やアキュムレータを用いて、フォークリフト減速時や爪を下げる時にエネルギーを回生することもできる。この場合、5つの作動部(サービス)を有するマルチサービスポンプモータが必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】国際公開第2016/058797号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、マルチサービスポンプモータを使用しない場合は、ポンプ効率が悪く、かつ、燃費が悪い。また、マルチサービスポンプモータを用いて、エネルギー回生やHSTを容易に構成することができるが、その場合、マルチサービスポンプモータにより操作される対象の数に応じて作動部(サービス)の数が増加し、これにより、装置が大型かつ重くなるという問題がある。
【0010】
本開示の目的は、小型かつ軽量にすることが可能な流体圧回路装置および車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するため、本開示における流体圧回路装置は、
流体を高圧状態で貯留するアキュムレータと、
前記アキュムレータとシリンダーの第1チャンバーとを接続する連通路と、
前記シリンダーの第2チャンバーに連通し、ポンプとしての機能とモータとしての機能を切り替え可能な第1作動部と、
前記第1作動部をポンプとして機能させて、流体が外部から前記第2チャンバーに供給されるとともに、前記第1チャンバー内の流体が前記連通路を介して前記アキュムレータに排出されることで、前記シリンダーのピストンが一方向に移動し、前記第1作動部をモータとして機能させて、前記流体がアキュムレータから前記連通路を介して前記第1チャンバーに供給されるとともに、前記第2チャンバー内の流体が外部に排出されることで、前記シリンダーのピストンが他方向に移動する制御を実行する制御部と、
を備える。
【0012】
本開示における車両は、上記流体圧回路装置を備える。
【発明の効果】
【0013】
本開示における流体圧回路装置よれば、小型かつ軽量にすることできる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本開示の実施の形態における流体圧回路装置を搭載したフォークリフトの構成の一例を概略的に示す図である。
図2】変形例における流体圧回路装置を搭載したフォークリフトの構成の一例を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本開示の実施の形態における流体圧回路装置が搭載されたフォークリフトの構成の一例を概略的に示す図である。
【0016】
図1に示すように、フォークリフト1は、エンジンフォークリフトである。フォークリフト1は、動力源であるエンジンEと、エンジンEにより回転するシャフト2と、走行用の油圧モータ3と、操作レバー4と、爪(フォーク)5と、爪5を上昇および下降するためのシリンダー6と、爪5を車両前方向に傾動(前傾)および車両後方向に傾動(後傾)するためのシリンダー7とを備えている。
【0017】
シャフト2は、シャフト2と一体的に回転するカム(不図示)を有している。カムのカム面にはピストン(後述する作動部21等のピストン)が当接している。シャフト2は、ピストンが一往復する間に一回転するように構成される。
【0018】
流体圧回路装置100は、アキュムレータ10と、複数(ここでは、4つ)の作動部21,22,23,24と、タンク30と、流体流路40と、制御部50とを備えている。
【0019】
アキュムレータ10は、流体を高圧状態で貯留する。なお、以下の説明においては、流体は油である。
【0020】
複数の作動部21,22,23,24は、図1に示すように、左右方向(シャフト2の軸方向)に配置されているが、これに限らず、例えば、シャフト2の周方向に配置されてもよい。作動部21が本開示の「第1作動部」に対応する。また、作動部22が本開示の「第2作動部」に対応する。また、作動部23が本開示の「第3作動部」に対応する。
【0021】
作動部21は、例えば、シャフト2のカムのカム面に当接するピストン(不図示)と、ピストンの並進運動によって作動室の容積が変化するシリンダー(不図示)と、作動室と高圧ポート211との連通を制御する低圧側電磁弁(不図示)と、作動室と低圧ポート212との連通を制御する高圧側電磁弁(不図示)とを有している。
【0022】
作動部21は、制御部50により低圧側電磁弁および高圧側電磁弁が制御されることで、流体の圧力や運動エネルギーをシャフト2の回転運動エネルギーに変換するモータとしての機能と、シャフト2の回転運動エネルギーを流体の圧力や運動エネルギーに変換するポンプとしての機能とを切り換える。
【0023】
作動部22,23,24は、作動部21と同様の構成を有している。つまり、作動部22,23,24は、低圧側電磁弁および高圧側電磁弁をそれぞれ有し、制御部50によりそれぞれの低圧側電磁弁および高圧側電磁弁が制御されることで、モータとしての機能と、ポンプとしての機能とを切り換える。
【0024】
タンク30は、油を貯留する。
【0025】
流体流路40は、アキュムレータ10とシリンダー7の第1チャンバー71とを接続する連通路41を有している。
【0026】
流体流路40は、シリンダー7の第2チャンバー72と作動部21の高圧ポート211とを接続する油圧ライン42を有している。また、流体流路40は、タンク30と作動部21の低圧ポート212とをフィルター48を介して接続する油圧ライン43を有している。
【0027】
流体流路40は、作動部22の高圧ポート221とシリンダー6とを接続する油圧ライン44を有している。なお、作動部22の低圧ポート222は、油圧ライン43に連通している。
【0028】
作動部23の高圧ポート231は、油圧ライン46を介して連通路41に連通している。また、作動部23の低圧ポート232は、油圧ライン43に連通している。
【0029】
流体流路40は、作動部24の高圧ポート241と油圧モータ3の出入口とを接続する油圧ライン45を有している。また、流体流路40は、タンク30と油圧モータ3の出入口とをフィルター49を介して接続する油圧ライン47を有している。
【0030】
制御部50には、オペレーターにより操作レバー4を介して操作情報が入力される。ここで、操作情報とは、爪5の上昇、下降、前傾および後傾を示す情報をいう。制御部50は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備える。CPUは、ROMから処理内容に応じたプログラムを読み出してRAMに展開し、展開したプログラムと協働して流体圧回路装置100を集中制御する。制御部50は、例えば、高圧側電磁弁および低圧側電磁弁への電流の供給を制御するための制御信号を出力する。
【0031】
制御部50は、爪5の後傾を示す情報が入力された場合、作動部21がモータとして機能するように、作動部21の低圧側電磁弁および高圧側電磁弁を制御する。これにより、油は、シリンダー7の第2チャンバーから油圧ライン42を通って作動部21の高圧ポート211に供給され、さらに、作動部21の低圧ポート212から油圧ライン43を通ってタンク30に排出される。また、油がシリンダー7の第2チャンバー72から排出されるに応じて、油がアキュムレータ10から連通路41を通ってシリンダー7の第1チャンバー71に供給される。その結果、シリンダー7のピストンが一方向(図1において左方向)に移動するため、爪5が後傾する。
【0032】
制御部50は、爪5の前傾を示す情報が入力された場合、作動部21がポンプとして機能するように、作動部21の低圧側電磁弁および高圧側電磁弁を制御する。これにより、油は、タンク30から油圧ライン43を通って作動部21の低圧ポート212に供給され、高圧油となって作動部21の高圧ポート211から油圧ライン42を通ってシリンダー7の第2チャンバー72に供給される。また、油がシリンダー7の第2チャンバー72に供給されるに応じて、油がシリンダー7の第1チャンバー71から連通路41を通ってアキュムレータ10に供給される。その結果、シリンダー7のピストンが他方向(図1において右方向)に移動するため、爪5が前傾する。爪5の前傾動作中は、作動部21によるポンピング圧力以上に、爪5がもつ積載荷重でアキュムレータ10側の圧力が高くなるため、アキュムレータ10は回生する。
【0033】
制御部50は、爪5の上昇を示す情報が入力された場合、作動部22がポンプとして機能するように、作動部22の低圧側電磁弁および高圧側電磁弁を制御する。これにより、油は、タンク30から油圧ライン43を通って作動部22の低圧ポート222に供給され、高圧油となって作動部22の高圧ポート221から油圧ライン44を通ってシリンダー6に供給される。その結果、爪5が上昇する。
【0034】
制御部50は、爪5の下降を示す情報が入力された場合、作動部22がモータとして機能するように、作動部22の低圧側電磁弁および高圧側電磁弁を制御する。これにより、油は、シリンダー6から油圧ライン44を通って作動部22の高圧ポート221に供給され、さらに、作動部22の低圧ポート222から油圧ライン43を通ってタンク30に排出される。その結果、爪5が下降する。また、作動部22は、シャフト2へ回転力を供給する。
【0035】
制御部50は、アキュムレータ10の油の貯留量に応じて、作動部23がポンプとして機能するように作動部23の低圧側電磁弁および高圧側電磁弁を制御する。これにより、油は、タンク30から油圧ライン43を通って作動部23の低圧ポート232に供給され、高圧油となって作動部23の高圧ポート231から油圧ライン46を通ってアキュムレータ10に供給される。これにより、アキュムレータ10は、所定の圧力状態を維持する。
【0036】
制御部50は、フォークリフト1の走行を示す情報が入力された場合、作動部24がモータとして機能するように作動部24の低圧側電磁弁および高圧側電磁弁を制御する。これにより、油は、タンク30からフィルター48を介して油圧ライン43を通って作動部24の低圧ポート242に供給され、高圧油となって作動部24の高圧ポート241から油圧ライン45を通って油圧モータ3に供給される。油圧モータ3から油圧ライン47を通り、フィルター49を介してタンク30に排出される。これにより、油の圧力や運動エネルギーが油圧モータ3の回転運動エネルギーに変換されるため、フォークリフト1が走行する。なお、油圧モータ3の方式によっては、油圧ライン45に切り替えバルブ等を設けてもよい。
【0037】
フォークリフト1が減速された場合、油圧モータ3をポンプとして動作させ、油に圧力や運動エネルギーを付与する。その油の圧力や運動エネルギーをシャフト2の回転運動エネルギーに変換するように、制御部50が作動部21の低圧側電磁弁および高圧側電磁弁を制御する。また、シャフト2の回転運動エネルギーを油の圧力や運動エネルギーに変換するため、制御部50は、作動部23をポンプとして機能させるように作動部23の低圧側電磁弁および高圧側電磁弁を制御する。これにより、油は、タンク30から油圧ライン43を通って作動部23の低圧ポート232に供給され、高圧油となって作動部23の高圧ポート231から油圧ライン46を通ってアキュムレータ10に供給される。これにより、アキュムレータ10は回生する。
【0038】
上記実施の形態における流体圧回路装置100は、油を高圧状態で貯留するアキュムレータ10と、アキュムレータ10とシリンダー7の第1チャンバー71とを接続する連通路41と、シリンダー7の第2チャンバー72に連通し、ポンプとしての機能とモータとしての機能を切り替え可能な作動部21と、作動部21をポンプとして機能させて、油がタンク30から第2チャンバー72に供給されるとともに、第1チャンバー71内の油が連通路41を介してアキュムレータ10に排出されることで、シリンダー7のピストンが一方向に移動し、作動部21をモータとして機能させて、油がアキュムレータ10から連通路41を介して第1チャンバー71に供給されるとともに、第2チャンバー72内の油がタンク30に排出されることで、シリンダー7のピストンが他方向に移動する制御を実行する制御部50と、を備える。
【0039】
上記構成によれば、アキュムレータ10と第1チャンバー71とを接続する連通路を備え、アキュムレータ10側の圧力で爪5を後傾するようにしたため、爪5を後傾するための作動部を特別に設ける必要がなく、作動部の数を削減することができる。これにより、流体圧回路装置100を小型かつ軽量にすることができる。
【0040】
また、上記実施の形態における流体圧回路装置100によれば、爪5の前傾動作中においては、作動部21によるポンピング圧力以上に、爪5がもつ積載荷重でアキュムレータ10側の圧力が高くなるため、アキュムレータ10を容易に回生することができる。
【0041】
<変形例>
次に、本開示の実施の形態に係る変形例について、図2を参照して説明する。なお、変形例の説明においては、上記実施の形態と異なる構成について主に説明し、上記実施の形態と同じ構成については同一番号を付してその説明を省略する。
【0042】
上記実施の形態に係る流体圧回路装置100を備えたフォークリフト1は、エンジンフォークリフトであって、エンジンEと、エンジンEにより回転するシャフト2と、走行用の油圧モータ3と、エンジンEの駆動力で油圧モータ3を作動させる場合、シャフト2の回転運動エネルギーを油の圧力や運動エネルギーに変換するポンプとして機能し、フォークリフト1が減速される場合、油の圧力や運動エネルギーをシャフト2の回転運動エネルギーに変換するモータとして機能する作動部24とを備えている。
【0043】
これに対して、変形例に係る流体圧回路装置100を備えたフォークリフト1は、バッテリーフォークリフトであって、図2に示すように、電動機M1と、電動機M1により回転するシャフト2と、走行用の電動機M2とを備えている。変形例においては、電動機M2を作動させる場合、また、フォークリフト1が減速される場合にも、上記実施の形態に示すように、ポンプとしての機能とモータとしての機能とを切り替え可能な作動部24を必要としないため、変形例においては、作動部24が設けられていない。
【0044】
なお、変形例においては、上記実施の形態におけるエンジンフォークリフトと同じく、アキュムレータ10と、連通路41と、作動部21,22,23と、制御部50とを備える。これにより、作動部の数を削減することができる。これにより、バッテリーフォークリフトにおいても、搭載される流体圧回路装置100を小型かつ軽量にすることができる。
【0045】
その他、上記実施の形態は、何れも本開示の実施をするにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本開示の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本開示はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0046】
上記実施の形態においては、流体圧回路装置100を備える車両をフォークリフト1としたが、本開示はこれに限らない。流体の圧力や運動エネルギーを用いて対象を作動させる車両であればよく、例えば、油圧シリンダーにより作動する複数の対象(バケット、ブーム、アーム)を備えた油圧ショベルであってもよい。
【0047】
また、上記実施の形態においては、流体を油としたが、本開示はこれに限らず、流体の圧力や運動エネルギーを用いて対象を作動させるものであればよく、例えば、空気であってもよい。
【0048】
また、上記実施の形態および変形例においては、連通路41は、連通路41の内部圧力を所定圧力に調整する圧力調整弁を備えてもよい。圧力調整弁を備えることで、アキュムレータ10から第1チャンバー71に供給される油の圧力を所定圧に保つことができる。
【0049】
また、上記実施の形態においては、作動部21をポンプとして機能させることで、爪5を前傾し、作動部21をモータとして機能させることで、爪5を後傾する制御を行うようにしたが、本発明は、これに限らず、作動部21をポンプとして機能させることで、爪5を後傾し、作動部21をモータとして機能させることで、爪5を前傾する制御を行うようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本開示は、小型かつ軽量にすることが要求される流体圧回路装置100を搭載する車両に好適に利用される。
【符号の説明】
【0051】
1 フォークリフト
2 シャフト
3 油圧モータ
4 操作レバー
5 爪
6 シリンダー
7 シリンダー
10 アキュムレータ
21,22,23,24 作動部
30 タンク
40 流体流路
41 連通路
42,43,44,45,46,47 油圧ライン
48,49 フィルター
50 制御部
71 第1チャンバー
72 第2チャンバー
100 流体圧回路装置
211,221,231,241 高圧ポート
212,222,232,242 低圧ポート
図1
図2